JP2016506257A - 飲料カートリッジ - Google Patents

Abstract

加圧された液体を提供する飲料機内で飲料を作るために用いられるカートリッジ１０であって、外面と内部空間とを有する容器と、枠と、枠に取り付けられ、容器の開口部を塞ぎ、加圧液体の流入を収容する蓋３８と、内部空間に配置され、内部空間内において第１チャンバ１４ａと第２チャンバ１４ｂとを規定し、第１および第２チャンバを選択的に隔離する膜４０と、第２チャンバ１４ｂに貯蔵され、飲料を作るために容器に導入された加圧液体と相互作用する流体と、第１チャンバ１４ｂに配置され、飲料を作るために容器に導入された加圧液体と相互作用する第１飲料媒体を含むフィルタ３０と、を有する。【選択図】なし

Description

本発明は、シングルサーブコーヒーメーカーのような飲料製造システムで使用される飲料カートリッジに関する。

コーヒー豆や茶葉等のような飲料媒体はもちろん、１つまたは複数のフィルタを含むことができる、飲料製造機で使用されるカートリッジはよく知られている。いくつかのカートリッジにおいて、フィルタは、カートリッジの内部空間の２つ以上の部分の間に配置されている。その部分は、たとえば、飲料媒体が配置される第１の部分および、透過フィルタを通過した液体が流入可能な第２の部分である。このようなカートリッジの１つの例は、米国特許第５，８４０，１８９号および／または米国特許第６，６０７，７６２号に開示されている。これらに開示されたカートリッジは、米国特許第７，３９８，７２６号に開示されたような飲料製造機とともに用いられうる（これにより米国特許第５，８４０，１８９号、６，６０７，７６２号および７，３９８，７２６号のそれぞれ全体が引用により取り込まれている）。使用時には、この飲料製造機は飲料媒体と相互に作用するように加圧液体をカートリッジ内に導入する。いくつかの機械においては、飲料媒体と相互作用した加圧液体がフィルタを通って流れ、カートリッジから出ていくことができるように、機械の吐出口穿刺針がカートリッジの表面（たとえば、カートリッジ容器の底壁またはカートリッジの蓋）に穴をあけるために使用される。

公知のカートリッジは、１つまたは複数の乾燥飲料媒体を含むものに限られている。これらのカートリッジは透過フィルタを取り入れており、そのようなカートリッジは乾燥飲料媒体と液体飲料媒体の両方を必要とする飲料を生成するのに適した原料を含むことができない。たとえば、公知のカートリッジは、コーヒーおよびアイリッシュウイスキーを原料とし、乾燥したコーヒー粉に水を通し、アイリッシュウイスキーを加えて生成する「アイリッシュコーヒー」を作ることはできない。公知のカートリッジは、カートリッジの内部空間の２つ以上の部分の間に透過フィルタを使用している。その２つ以上の部分というのは、たとえば、乾燥飲料媒体が配置された第１部分および透過フィルタを通過した加圧液体が流入することができる第２部分である。したがって、カートリッジの第２部分にアルコール等のような液体が含まれていると、それらがフィルタを透過してすぐに飲料媒体を台無しにしてしまう。

以上のことから、飲料生成前に複数の飲料媒体を実質的に混ぜることなく、乾燥飲料媒体および液体を含むことができる飲料カートリッジを提供することが望まれる。

第１の態様によると、加圧された液体を提供する飲料機内で飲料を生成するために用いられる飲料カートリッジが提供される。そのカートリッジは、外面と内部空間とを有する容器と、容器に取り付けられ、内部空間に向けた開口部を規定する枠と、枠に取り付けられ、容器の開口部を塞ぎ、飲料を作るために内部空間へ流入した加圧液体を収容するために飲料機により穿刺可能な蓋と、内部空間に配置され、内部空間内において第１チャンバと第２チャンバとを規定し、第１および第２チャンバを個々に分離する膜と、第２チャンバに貯蔵され、飲料を生成するために容器に導入された加圧液体と相互作用する流体と、第１チャンバに配置され、飲料を作るために容器に導入された加圧液体と相互作用する第１飲料媒体を有するフィルタと、を含む。

もう１つの態様によれば、加圧された液体を提供する飲料機内で飲料を作るために用いられるカートリッジが提供される。そのカートリッジは、外面と内部空間とを有する容器と、容器に取り付けられ、内部空間に向けた開口部を規定する枠と、枠に取り付けられ、容器の開口部を塞ぐ蓋と、内部空間に配置され、内部空間内において第１チャンバと第２チャンバとを規定し、第１および第２チャンバを選択的に隔離する膜と、第２チャンバに貯蔵される流体と、第１チャンバに配置され、第１飲料媒体を含むフィルタと、を含む。

本発明のこれらおよび他の態様は、以下の説明および請求項で明らかにされる。

本発明の態様は、下記の図面中の参照符号や要素を参照して以下に説明される。

本発明の態様に従ったカートリッジの側部断面図である。 図１のカートリッジの分解透視図である。 本発明の態様に従ったカートリッジのもう一つの例示的な実施形態の側部断面図である。 本発明の態様に従ったカートリッジのまた別の例示的な実施形態の側部断面図である。 本発明の態様に従ったカートリッジの更に別の例示的な実施形態の側部断面図である。 本発明の態様に従って使用可能な飲料機の斜視図である。 本発明の態様に従ったカートリッジを製造する方法の手順を示した図である。

本発明の態様は、例示的な実施形態を示した図を参照して本明細書において説明されると理解されたい。本明細書において説明される例示的な実施形態は、必ずしも本発明に従ったすべての実施形態を示そうとするものではなく、いくつかの例示的な実施形態の説明に用いられる。したがって、その例示的な実施形態を考慮して、本発明の態様が狭義に解釈されるものではない。さらに、本発明の態様は、１つまたは本発明の別の態様との任意の好適な組み合わせで使用可能であると理解されたい。

図１および２は、それぞれ、１つかそれ以上の本発明の態様を合わせた例示的なカートリッジ１０の側部断面図および分解透視図である。カートリッジ１０は、乾燥飲料媒体、流体原料および、加圧、冷却、炭酸、および／または加熱された水のような液体から作られた、茶、コーヒー、他の注入型飲料といった任意の好適な飲料を飲料機の中で、生成するために使用することができる。

したがって、カートリッジ１０は、任意の好適な第１飲料媒体２０を含むことができる。その任意の好適な第１飲料媒体とは、コーヒー粉、茶葉、乾燥ハーブティー、粉末状の飲料濃縮物および／または他の乾燥飲料製造材料（粉末ミルクまたは他のクリーマー、甘味料、増粘剤、香料などのようなもの）である。本発明の際立った態様によると、カートリッジは流体２５も含むことができる。流体２５とは、アルコール材料、乳製品、液体香料などである。一つの例示的な実施形態において、コーヒーおよび／または茶飲料を生成する機械で使用するためのカートリッジ１０は、飲料媒体２０および流体２５を含むが、本発明の態様はこの点に限定されない。この例示的な実施形態において、カートリッジ１０は膜４０で仕切られた第１チャンバ１４ａおよび第２チャンバ１４ｂを有する内部空間１４を備えた容器１２を含む。膜は、第１チャンバおよび第２チャンバの内容物が保管されている時は、それぞれを個々に分離し、飲料生成に使用される時は分離しないといった具合に、第１チャンバと第２チャンバとを隔離している。フィルタ３０は、第１チャンバ内に配置されており、第１飲料媒体２０を含んでいる。流体２５は第２チャンバ内に保存されている。

しかしながら、他の実施形態では、内部空間および／またはサブ部または第１および第２チャンバの領域内において、他の付加されたチャンバを備えうると理解されたい。たとえば、カートリッジに２つの膜（たとえば、第１の膜は第１および第２チャンバを仕切り、第２の膜は第２チャンバを２つの部分に仕切る）で仕切られた３つの空間を有することが可能である。同様に、フィルタ、壁、仕切り、通路および他の特徴によって、第１および／または第２チャンバを２またはそれ以上の部分または領域に分けるあるいは仕切ることができる。

この実施形態において、容器１２は、側壁１７と開口部１３を伴って円錐台形のカップ型を有することができる。しかし、他の実施形態において、容器１２は、溝がついた、円錐形または円筒形であり、正方形または長方形のカップ、ドーム型のカップ、球または部分的に球形、または他の好適な形になりうる。また、溝付き、波形もしくはその他の形状をした側壁等を有することができる。また、容器１２は、飲料の包みや鞘の場合は、必ずしも定められた形状である必要はない。たとえば、この実施形態の容器１２は、容器１２の形状を保つため、比較的剛性および／または弾性のある構造を有するが、容器１２はより対応可能なおよび／または変形可能な構成を有するようにつくられてもよい。対応可能なおよび／または変形可能な構成とは、たとえば、変形可能な材料のシートから作られた袋状の容器のようなものである。

容器１２が開口部１３を含む場合、開口部１３は蓋３８によってふさがれうる。蓋３８は、たとえば、容器１２の枠１９に取り付けられている箔および高分子積層体材料である。（この実施形態において、枠１９は鍔状の環状部材として設けられているが、枠１９は、他の方法で設けることも可能である。たとえば、枠１９は鍔状要素なしで側壁１７の上縁になりうる。）容器１２および／または蓋３８は水分および／または酸素のようなガスへのバリアを提供することができる。たとえば、容器１２は、金属箔のような高分子積層体で作ることができる。金属箔のような高分子ラミネートとは、たとえば、ポリスチレンまたはポリプロピレンの層および、金属箔のようなＥＶＯＨおよび／または他のバリア材の層を含むシートから形成される。このような構成は、たとえば、第１飲料媒体２０が水分、酸素、および／または他の物質に不所望にさらされることがないように、適切な保護を提供することができる。しかしながら、容器１２および／または蓋３８は、生体高分子、堆肥化高分子、紙、箔などのような、他の材料、または材料の組み合わせから作られることが可能だと理解されたい。

本発明の一態様によれば、膜４０は、枠１９の内側に間隔をおいて離れている外面部４２で蓋３８に取り付けることができる。さらに、膜４０は、外面部４２から、少なくとも部分的に内部空間１４内に延びることができる。上述したように、膜４０は、第２チャンバ１４ｂから第１チャンバ１４ａを分離するように構成されている。

この例示的な実施形態において、膜４０は、図示のように、実質的に円錐台形の形状を有することができる。しかし、膜４０は、円筒形、正方形のカップ形、ドーム形、平面シート、またはその他のような任意の好適な形状を有することができる。膜４０は、蓋３８に取り付けられうる。追加的または代替的に、接着剤、熱溶接、超音波溶接、化学結合、圧着またはその他の機械的結合等のような任意の好適な方法で容器１２取り付けられうる。外面部の形状は、少なくとも膜４２の上端では、膜の形状に依存しうると理解される。この実施形態において、外面部４２は円形の形状を有するが、楕円形、矩形、三角形、不規則および他の形状も可能である。この例示的な実施形態において、膜４０は、ポリプロピレンおよびセルロース材料、たとえば、ポリスチレンまたはポリプロピレンの層および、ＥＶＯＨおよび／または他のバリア材の層を含むシートから形成された高分子積層体を含む液体不透過性材料から構成されることができ、蓋３８に、熱溶接によって、膜４０の上部を取り付けられることができる。図１−２にみられるように、蓋３８に取り付けられた膜４０の上部には、図示の通り外面部４２から半径方向外向きに（または他の実施形態では内側に）延びる環状、または鍔状の形状を有することができるが、そのような半径方向延長部は必須ではない。いくつかの実施形態において、蓋３８に取り付けられた膜４０の部分は、膜４０の一部が蓋３８と枠１９との間に挟まれるように、外面部から枠１９に向かっておよびその上に半径方向外向きに延びることができる。

この例示的な実施形態において、第１チャンバは、乾燥飲料媒体である第１飲料媒体を含む。好ましくは、第１飲料媒体の損傷を防止するために、貯蔵中は第１飲料媒体が膜と蓋と容器とにより密封され、そしてそれにより、膜は、第２チャンバ内に貯蔵された流体が流入して第１飲料媒体に接触することおよび、水分および／または酸素などのガスが第１チャンバに入ることを防止する。

カートリッジとその材料とを使用して飲料を生成するために、第１および第２チャンバの内容物は飲料製造装置を用いて飲料を生成する直前または生成している間のどちらでも混合できるようにすることが好ましい。

この例示的な実施形態において、膜４０は、液体が第１チャンバ１４ａ内に導入されたときに、飲料が第１チャンバから出ていけるように開く弁４４、障壁または他の要素を含むが、それ以外は閉じたままである（たとえば、第１飲料媒体を酸素、水分、第２チャンバ１４ｂ内の流体２５またはその他のような外部条件から保護する。）１つまたは複数のそのような弁は、第１チャンバと第２チャンバとを選択的に結合するために含まれうると理解されたい。また、膜を通る液体の流れを導くために、弁は膜の他の部分に配置することができるので、弁４４の位置は、膜の最下部に限定されるものではないと理解されたい。

また、図３に示すように、膜は完全に流体不透過であることができ、弁の代わりに脆弱な接合部４６を含むことができる。所定の閾値以上の圧力が脆弱な接合部にかかると、脆弱な接合部が壊れるように構成されている。脆弱な接合部の破損は、流体不透過の膜に穴をあけ、それにより、第１および第２チャンバを結合し、第２チャンバ内に収容された流体が第１チャンバ内の第１飲料媒体と接触するように流入できるようになる。１つの可能な実装形態では、脆弱な接合部は、使用者がカートリッジを飲料製造装置に挿入する直前に、カートリッジを圧搾することによって破壊することができる。あるいは、脆弱な接合部は、第１チャンバ内に加圧された液体を導入することによって破壊されうる。さらに、複数の梁４７は脆弱な接合部および容器１２に取り付けられることができる。梁は、容器１２の側壁１７から接合部へ圧力の伝達を可能にする。実施形態の一態様によると、使用者は、梁４７が側壁に接合されている容器１２を圧搾することができる。それにより、脆弱な接合部に所定の閾値を超える圧力をかけ、制御しながら慎重に脆弱な接合部を破壊し、流体が膜を通過できるように膜内に空洞をつくる。

本発明の一態様によれば、フィルタ３０は、第１チャンバ１４ａ内に配置され、蓋３８に枠１９の内側に間隔をおいて離れている外面部３２で取り付けられうる。さらに、フィルタ３０は、外面部３２から少なくとも部分的に内部空間１４内に延在しうる。あるいは、フィルタは容器１２に取り付けられるか、または、容器または蓋に取り付けられずに第１チャンバ１４ａ内に自由に配置されることができると理解されたい。上述したように、内部空間１４の第１チャンバ１４ａ内に導入された液体（たとえば、飲料媒体２０と相互作用する）が、容器１２から出ていく前に、フィルタ３０を通って、弁または膜４０の脆弱な接合部を通り、内部空間１４の第２チャンバ１４ｂに向かって流れるように、フィルタ３０は、内部空間１４の第１チャンバ１４ａ内に配置することができる。フィルタ３０は、コーヒー飲料が第２チャンバ１４ｂに向かってフィルタ３０を通れるように、液体から一定サイズ以上の物質を除去するように機能することができる。たとえば、第１チャンバ１４ａ内の液体からコーヒー粉末を除去することができる。たとえば、フィルタは、比較的大きな粒子がフィルタを通って流れるのを防ぐが、液体および特定のサイズの溶解および／または懸濁物質を通せるように構成された濾紙片を含むことができる。もちろん、フィルタ３０は、たとえば、比較的大きな粒子を濾す粗いフィルタ部に、比較的小さな粒子を濾す微細フィルタ部等が続くというように、複数の段階を有することができる。さらに、フィルタ３０は、不透過または流れを規制する部分と同様に、フィルタ３０を通過する液体を濾すように機能する１つまたは複数の部分を含むことができる。したがって、フィルタ３０は、所望であれば、２つ以上の別個の構成要素を含むことができる。たとえば、フィルタ３０は、外面部３２で蓋３８に取り付けられた、精密な流体不透過性プラスチックスリーブを含むことができる。蓋３８から離れた場所には、多孔フィルタ紙をスリーブに取り付けることができる。このように、フィルタのすべての部分が液体に対して透過性である必要はない。フィルタ３０は、たとえば、フィルタ３０の１つまたは複数の領域に向かって直接流れることを助けるような、異なる透過性を有する領域を有する。たとえば、図１中の、蓋３８の近くのフィルタ３０の部位は、蓋３８からより遠い部位に比べると、比較的低い透過性を有することができる。これは、液体への飲料媒体２０中の材料の溶解を潜在的に向上させながら、フィルタ３０の下部に向かって飲料媒体２０を通る流れを促進することを助けうる。

この例示的な実施形態において、図示の通り、フィルタ３０は、溝付きまたはひだ状の側壁および、概して平坦な底部を有するほぼ円錐台形の形状を有することができる。しかし、フィルタ３０は、円筒形、正方形のカップ形状、ドーム形状、平面シートまたはその他のような、任意の好適な形状を有することができる。フィルタ３０は、接着剤、熱溶接、超音波溶接、化学結合、圧着または他の機械的接合などのような、任意の好適な方法で蓋３８に取り付けることができる。外面部３２の形状は、少なくともフィルタ３０の上端では、膜の形状に依存しうると理解される。この実施形態において、外面部３２は円形の形状を有するが、楕円形、矩形、三角形、不規則および他の形状も可能である。この例示的な実施形態において、フィルタ３０は、ポリプロピレンおよびセルロース物質の組み合わせで作られた透過性濾紙を含むことができ、熱溶接によって、蓋３８に、フィルタ３０の上部を取り付けることができる。図１−３にみられるように、蓋３８に取り付けられたフィルタ３０の上部には、図示の通り外面部３２から半径方向外向きに（または他の実施形態では内側に）延びる環状、または鍔状の形状を有することができるが、そのような半径方向延長部は必須ではない。いくつかの実施形態において、蓋３８に取り付けられたフィルタ部分は、フィルタ３０の一部が蓋３８と枠１９との間に挟まれるように、外面部から枠１９に向かっておよびその上に半径方向外向きに延在しうる。

カートリッジ１０を使用して飲料を生成する時、蓋３８および／または容器１２は、カートリッジ内に液体を導入し、カートリッジから飲料を受け取るために穿孔されうる。（本明細書で使用する場合、「飲料」は、液体が、第１チャンバ１４ａに貯蔵されている第１飲料媒体および、第２チャンバ１４ｂに貯蔵されている流体と相互作用する時に生成される飲用の液状物質を意味する。したがって、飲料は、消費のために準備された液体を意味する。消費のために準備された液体とはたとえば、濾過または調味料、クリーマー、甘味料、他の飲料等を加えるといった、消費される前に他のプロセスまたは処理を施される液体と同様に、カップに注がれ飲むことができる状態のものである。）カートリッジ内に液体を導入するために、たとえば、蓋３８の一部は、流入口穿刺要素５０（たとえば、針）によって穴をあけられ、水または他の液体がカートリッジ１０内に注入されうる。複数の針、シャワーヘッド、非中空針、コーン、ピラミッド、ナイフ、ブレード等のような、他の流入口穿刺の構成も可能である。本発明はこの点において限定されるものではないので、カートリッジを使用する飲料機は、同じタイプまたは異なるタイプの複数の穿刺要素を含むことができる。別の構成では、飲料機は、開口部を形成する穿刺要素（スパイクなど）と、その後容器内に液体を導入する（または液体を容器の外に出す）ために形成された穴を通過しうる第２流入口穿刺要素（チューブなど）とを含むことができる。他の実施形態では、蓋３８の外側に圧力をかけることにより、蓋３８は、穿刺されうる、もしくは流れのために効果的に開放されうる。たとえば、水の流入口は蓋３８の外側に押し込まれ、密封されて、水圧がその部位にかけられる。水圧により、蓋３８は穿刺されうる、もしくはカートリッジ１０内への流れを可能にするために開放されうる。他の方法では、適切な圧力をかけられた時および／または水の流入口または他の構造と組み合わされる時に開く弁、導管または他の構造を含むことができる。

上述したように、膜は、弁により、または、加圧された液体が第１チャンバ１４ａ内に導入された時に、飲料が第１チャンバ１４ａから第２チャンバ１４ｂへ流れるようにする脆弱な接合部により選択的に開くことができるが、もしくは閉じたままにもなりうる。

カートリッジ１０も、容器１２の底部１６にある吐出口穿刺要素５２（例えば、針）によって貫通されうる。流入口穿刺の構成と同様に、吐出口穿刺の構成も任意の好適な方法で変化させることができる。すなわち、吐出口穿刺要素は、１つまたは複数の中空又は中実針、ナイフ、ブレード、管などを含むことができる。代替的に、カートリッジ１０は、液体がカートリッジ内に導入されたときに飲料が出ていくように開く弁、隔壁または他の要素を含みうるが、そうでなければ閉じたままである（たとえば、酸素、水分またはその他等の外部条件から飲料媒体または流体を保護するため）。このような場合には、吐出口開口部を形成するための穿刺要素は、たとえば、弁または他の要素を開放するために使用することはできるが、必ずしも必要ではない。また、この例示的な実施形態において、穿刺要素は、容器１２に形成された開口部から飲料が出ていくときに、それを受け取る位置に留まる。しかし、他の実施形態において、開口部を形成して開口部から飲料が出ていけるようにし、カートリッジ１０内に穿刺要素が延在することなくその飲料が受け取られた後に、穿刺要素を回収することができる。

上述の本実施形態は、第１チャンバ１４ａ内の飲料媒体２０だけを含んでいるが、これらの実施形態は、第１チャンバ１４ａに複数の飲料媒体を含むことができる。たとえば、カートリッジがカプチーノまたはラテのような飲料を生成できるように、カートリッジは、焙煎して挽いたコーヒーを第１チャンバに、クリーマーや甘味料も同じチャンバに含むことができる。別の実施形態では、第１チャンバ１４ａは、モカ型飲料を形成することができるようにコーヒー粉やホットチョコレート材料を含むことができる。他の組み合わせは、当業者に容易に想起される。いくつかの実施形態では、たとえば、第１チャンバ内の複数の乾燥飲料媒体を分離するために、別のフィルタを備えうる。同様に、弁または膜の脆弱な接合部から飲料媒体を分離するためにも別のフィルタが設けられうる。さらに、たとえば、流体の流入口または吐出口から飲料媒体を分離するために、別のフィルタが備えられうる。

本発明の態様は、異なる形状、サイズおよび／または構成を有するカートリッジ内に実装することができる。たとえば、図４は、本発明の態様を組み込んだカートリッジ１０の例示的な実施形態を示している。カートリッジは、容器１２に取り付けられた枠１９（たとえば、プラスチック材料からなる環状の要素を含む）を含む。枠１９の上面に取り付けられているのが蓋３８である。濾紙で作られたフィルタ３０は、容器１２に取り付けられ、内部空間１４内に延在している。乾燥した第１飲料媒体２０は、フィルタ３０内に貯蔵されうる。膜４０も内部空間１４内に配置され、容器１２の内壁とつなげられることにより、第１チャンバ１４ａと第２チャンバ１４ｂとを規定する。膜は、脆弱な接合４６と梁４７とを含むことができる。液体２５は、第２チャンバ１４ｂ内に配置されうる。

図５は、本発明の態様を取り入れたカートリッジ１０の他の例示的な実施形態を示す。この実施形態では、カートリッジ１０は蓋３８（上記で述べたような箔／高分子積層体のシートを含む）を含む。カートリッジは、内部１４内に配置された流体非透過膜４０を含み、この膜はカートリッジの軸の長手方向に配向し、蓋３８と内部を２つに分け、第１チャンバ１４ａと第２チャンバ１４ｂとを規定するように容器に取り付けられる。さらに、フィルタ３０は、外面部３２で蓋に取り付けられ、第１チャンバ内に向かって延在する。フィルタは、第１飲料媒体２０を含み、第２チャンバは流体原料を含む。

飲料を作るために図５で表現されたカートリッジ１０を使用するとき、蓋３８および／または容器１２はカートリッジ内に加圧された液体を導入するために穿刺され、カートリッジからの飲料を受け取る。カートリッジ内に液体を導入するために、例えば、外面部３２内の蓋３８の部分は、水やその他液体が、第１飲料媒体と混合するための乾燥第１飲料媒体を含むカートリッジの第１チャンバ１４ａに注入され、フィルタを通過するように、流入口穿刺要素５０（例えば、針）により穿刺されうる。カートリッジ１０は、容器１２の底１６で、複数の流出口穿刺要素５２（例えば、針）により貫通されうる。ひとつの流出口穿刺要素は、第１チャンバを貫通し、第２流出口穿刺要素は、第２チャンバを貫通する。したがって、液体は、第１飲料媒体を混合する第１チャンバに導入され、フィルタを通過し第１チャンバから出ることができる。そして、さらに、飲料を作るために流体原料も第２チャンバから排出されうる。また、単一の流出口穿刺要素は、第１、第２チャンバおよび／または膜を穿刺するために使用され、飲料を作るために、第１、第２チャンバがその内容物を混合することができるように、それぞれを選択的に結合させるものと理解されたい。

本発明の態様によるカートリッジは、任意の好適な飲料機に用いられうる。例えば、図６は、茶、コーヒー、その他注入型の飲料、液体または粉末濃縮物から作られた飲料、温かいまたは冷たい飲料などといった任意の好適な飲料を作るための飲料製造装置１００の斜視図を示す。この例示的実施形態において、装置１００は、外枠やユーザが装置１００の多様な特徴をコントロールするための操作を行うユーザインターフェース８をもった筐体６を含む。飲料カートリッジは、装置１００に供給されて、ドリップトレイ９や、もしあるなら、その他土台に置かれたカップやその他好適な容器に注がれる飲料を作るために使用される。カートリッジは、飲料製造装置１００の第１部分３と第２部分４とで規定されたカートリッジ受け取り部にマニュアルでまたは自動で置かれる。例えば、ハンドル５を持ち上げることで、ユーザは、第１部分３および第２部分４を、カートリッジを置く好適な形状をした領域を露出する開位置まで動かすことができる。カートリッジを置いた後、ハンドル５やその他操作部は、マニュアルでまたは自動的に、第１部分３および第２部分４を閉位置（図６で示す）まで動かすことができる。それにより、少なくとも部分的に調合チャンバ内のカートリッジを封入する。しかしながら、カートリッジは任意の好適な方法で装置１００に受け取られ、装置１００がカートリッジを受け取りまたは使用する方法は、本発明の態様にとって重要ではないことを理解されたい。

カートリッジが受け取られると、飲料製造装置１００は、飲料を作るためにカートリッジを使用することができる。例えば、第１部分３および第２部分４に対応する、ひとつかそれ以上の流入針は、カートリッジ内に加熱した水やその他液体を注入するためにカートリッジを穿刺することができる。第１部分３および第２部分４は、ひとつかそれ以上の流出針または、作られた飲料がカートリッジから出る流出側において、カートリッジに穴を開けるか穿刺する（必要に応じ）ためのその他要素を含みうる。

本発明の他の態様は、カートリッジの製造方法を含む。図７にそのような方法の一例の工程を示す。（図７の各工程は、下記でより詳細に記載するように、他で示される異なる順序でも、その方法の各工程が実施され得ることを示すために線でつないで示される。）

工程Ｓ１０では、内部空間と内部空間内へ向けた開口部を規定する枠とを有する容器が与えられる。その容器は、プラスチック、紙、金属およびこれらの組み合わせのような任意の好適な材料により作られていてもよい。一般的に、その容器は、カートリッジ内で作られた飲料を制御された方法で取り出せるように液体を不透過としているが、透過部も備え得る。また、その容器は、円錐台形、球形、円筒、角箱などといった任意の好適な形状を取りうる。さらに、決まった形状をとる必要はなく、代わりに柔軟な材料により作られていてもよい。

工程Ｓ２０では、フィルタが外面部で蓋に取り付けられる。外面部は、フィルタが蓋に取り付けられる閉じた境界線であり、蓋から離れるように延びている（例えば、容器の内部空間内へ向けて）。そのフィルタは、濾紙、透過または非透過プラスチック材料、スポンジ状材料などといった任意の好適な材料を含みうる。また、フィルタは、透過要素はもちろん非透過要素も含みうる。例えば、非透過プラスチック要素が蓋に取り付けられうる。そして、その非透過プラスチック要素は、プラスチック要素に取り付けられた濾紙やその他材料を補強する構造を提供する。フィルタは、好適な任意の形状、サイズおよび／または透過性をもち得る。例えば、フィルタは、フィルタのいくつかの領域を通過する流れを妨げたり、制限したりすると同時に、他の領域、より透過性の高い領域を通過する流れを促進するために、異なった透過性を持った領域を持ちうる。あるいは、または、さらに、フィルタは容器に取り付けられうる。さらなる変形例として、フィルタは、蓋や容器に取り付けないように、第一チャンバ内に自由に配置されうる。

工程Ｓ３０では、膜は外面部において蓋に取り付けられる。外面部は、膜が蓋に取り付けられる閉じた境界線であり、蓋から離れるように延びている（例えば、容器の内部空間内へ向けて、第１チャンバと第２チャンバとを規定するように）。膜は、ポリプロピレン、セルロース材料、高分子積層膜を含む好適な任意の流体非透過材料を含みうる。例えば、ポリスチレンやポリプロピレンの層を含むシート、ＥＶＯＨおよび／または他のバリア材料の層で作られたものである。また、膜は、一方向弁や脆弱な接合部のような、選択的に流体を透過可能な要素を含みうる。一方向弁は、液体が第１チャンバに導入された時に飲料が外に出るように開くが、そうでない場合は閉じたままである（例えば、酸素、湿気または第２チャンバに配置された流体のような外部条件から、第１チャンバの内容物を保護するために）。脆弱な接合部は、第１と第２チャンバの内容物を混合するために選択的に壊れうる。あるいは、または、さらに、膜は、容器に取り付けられうる。

工程Ｓ４０では、蓋は枠に取り付けられる（例えば、少なくとも部分的に開口部を閉じるために）。蓋は、熱あるいは超音波溶接、接着、化学的結合、機械的結合などといった任意の好適な方法で枠に取り付けられうる。いくつかの実施形態において、枠は、溝や、枠から蓋を取り外すのを助ける他の特徴を含みうる。蓋は、箔、箔と高分子の積層体、高分子材料などといった任意の好適な材料からなる。そして、透過性または非透過性でありうる。しかしながら、蓋は一般的に、カートリッジ内の液体の流れを制御するのを助けるために流体非透過材料からなる。

工程Ｓ５０では、飲料媒体はカートリッジの内部空間、例えば、第２チャンバから膜により隔てられた第１チャンバ内へ供給される。飲料媒体は、フィルタに入れられ、飲料を作るために容器に導入された液体と接触されるように配置されうる。そして、その飲料には、焙煎したコーヒー豆、コーヒー粉、茶葉、インスタントコーヒーまたはインスタント茶、ホットチョコレートの素、粉末ジュース、ドライフルーツ原料、甘味料、クリーマー、膨張剤、および／または飲料の生成に好適な材料を含むことができる。

工程Ｓ６０では、流体がカートリッジの内部空間、例えば、第１チャンバと膜で隔てられた第２チャンバの中に供給される。流体は、液体を作るために容器に導入された液体と接触するように配置されうる。そして、その流体は、アルコール原料、乳製品、液体調味料および／または飲料を作るのに好適な流体原料を含むことができる。

図７で概説された方法のこれら工程は、好適な順序で実施されうるものと理解されたい。例えば、ある実施形態では、蓋または容器に膜とフィルタを取り付ける前に、第１飲料媒体は膜とフィルタで規定された空間に供給されうる。他の実施形態では、膜とフィルタが蓋と容器に取り付けられタ後に、第１飲料媒体は膜とフィルタで規定された空間に供給されうる。

以上、本発明の少なくともひとつの実施形態のうちいくつかの態様を示したが、多様な変更、変形、改良が当業者に容易に想起されることを理解されたい。そのような変更、変形、改良は、この開示の一部分であることを意図し、本発明の精神や範囲内に含まれることを意図している。したがって、前述の説明および図面は、ほんの一例である。

Claims (20)

1. 加圧された液体を提供する飲料機内で飲料を生成するために用いられるカートリッジであって、外面と内部空間とを有する容器と、
   前記容器に取り付けられ、前記内部空間に向けた開口部を規定する枠と、
   前記枠に取り付けられ、前記容器の前記開口部を塞ぎ、前記飲料を生成するために前記内部空間へ流入した前記加圧液体を収容するために前記飲料機により穿刺可能な蓋と、
   前記内部空間に配置され、前記内部空間内において第１チャンバと第２チャンバとを規定し、前記第１および第２チャンバを個々に分離する膜と、
   前記第２チャンバに貯蔵され、前記飲料を生成するために前記容器に導入された前記加圧液体と相互作用する流体と、
   前記第１チャンバに配置され、前記飲料を生成するために前記容器に導入された前記加圧液体と相互作用する第１飲料媒体を含むフィルタと、
   を有するカートリッジ。
2. 前記膜は、前記第１チャンバから前記第２チャンバ内へ前記加圧液体が流れ、かつ前記第２チャンバから前記第１チャンバ内へ流れることを防止するように配置された一方向弁を含む請求項１に記載のカートリッジ。
3. 前記膜は、流体不透過であり、前記第１チャンバと前記第２チャンバの間に配置された脆弱な接合部を含み、この脆弱な接合部の破損に応じて前記第１および前記第２チャンバを結合する請求項１に記載のカートリッジ。
4. 所定の閾値以上の圧力が前記容器の前記外面にかかることで前記脆弱な接合部が破損するように前記膜が前記容器に結合される請求項３に記載のカートリッジ。
5. 前記脆弱な接合部を前記容器の前記外面に結合する構造梁をさらに備える請求項３に記載のカートリッジ。
6. 前記膜は、少なくとも一部が前記フィルタに隣接する請求項１に記載のカートリッジ。
7. 前記フィルタと前記膜との間に第３チャンバをさらに備える請求項１に記載のカートリッジ。
8. 前記フィルタが前記蓋に取り付けられている請求項１に記載のカートリッジ。
9. 前記フィルタが前記容器に取り付けられている請求項１に記載のカートリッジ。
10. 前記膜が前記蓋に取り付けられている請求項１に記載のカートリッジ。
11. 前記膜は、前記第１チャンバから前記第２チャンバ内へ前記加圧液体を流し、かつ前記第２チャンバから前記第１チャンバ内へ流れ流入することを防止するように配置された一方向弁を含む請求項１０に記載のカートリッジ。
12. 前記膜は、流体不透過であり、前記第１チャンバと前記第２チャンバの間に配置された脆弱な接合部を含み、前記脆弱な接合部の破損に応じて前記第１および前記第２チャンバを結合する請求項１０に記載のカートリッジ。
13. 所定の閾値以上の圧力が前記容器の前記外面にかかることで前記脆弱な接合部が破損するように前記膜が前記容器に結合される請求項１２に記載のカートリッジ。
14. 前記脆弱な接合部を前記容器の前記外面に結合する構造梁をさらに備えることを特徴とする請求項１２に記載のカートリッジ。
15. 前記膜が前記容器に取り付けられていることを特徴とする請求項１に記載のカートリッジ。
16. 前記膜は、前記第１チャンバから前記第２チャンバ内へ前記加圧液体を流し、かつ前記第２チャンバから前記第１チャンバ内へ流れ込むことを防止するように配置された一方向弁を含む請求項１５に記載のカートリッジ。
17. 前記膜は、流体不透過であり、前記第１チャンバと前記第２チャンバの間に配置された脆弱な接合部を含み、前記脆弱な接合部の破損に応じて前記第１および前記第２チャンバを結合する請求項１５に記載のカートリッジ。
18. 所定の閾値以上の圧力が前記容器の前記外面にかかることで前記脆弱な接合部が破損するように前記膜が前記容器に結合される請求項１７に記載のカートリッジ。
19. 前記脆弱な接合部を前記容器の前記外面に結合する構造梁をさらに備える請求項１７に記載のカートリッジ。
20. 加圧された液体を提供する飲料機内で飲料を生成するために用いられるカートリッジであって、
    外面と内部空間とを有する容器と、
    前記容器に取り付けられ、前記内部空間に向けた開口部を規定する枠と、
    前記枠に取り付けられ、前記容器の前記開口部を塞ぐ蓋と、
    前記内部空間に配置され、前記内部空間内において第１チャンバと第２チャンバとを規定し、前記第１および第２チャンバをそれぞれ隔離する膜と、
    前記第２チャンバに貯蔵される流体と、
    前記第１チャンバに配置され、第１飲料媒体を含むフィルタと、
    を有するカートリッジ。

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