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JP2016214185A - 新規染色剤原料の製造方法 - Google Patents

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JP2016214185A JP2015105309A JP2015105309A JP2016214185A JP 2016214185 A JP2016214185 A JP 2016214185A JP 2015105309 A JP2015105309 A JP 2015105309A JP 2015105309 A JP2015105309 A JP 2015105309A JP 2016214185 A JP2016214185 A JP 2016214185A
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Abstract

【課題】効率的なシステイニルドーパを含むメラニン前駆体の製造方法を提供する。さらに、効率的なフェオメラニンを含むメラニンの製造方法を提供する。【解決手段】以下の工程(1)を含むシステイニルドーパを含むメラニン前駆体の製造方法:(1)カテコールオキシダーゼ活性を有する酵素又は当該酵素を含有する微生物、システイン、並びにDOPA及び/又はチロシンを含み、DOPA及び/又はチロシンとシステインとがモル比(DOPA及び/又はチロシン:システイン) 1:0.5〜4で配合された混合物中で、DOPA及び/又はチロシンを酸化してシステイニルドーパに変換する工程、並びに以下の工程(3)を含むフェオメラニンを含むメラニンの製造方法:(3)上記の方法により得られたシステイニルドーパを含むメラニン前駆体を、アルカリ条件下且つ酸素の存在下で処理して、フェオメラニンに変換する工程。【選択図】なし

Description

本発明は、システイニルドーパ(cysteinyldopa、Cys-DOPA)を含むメラニン前駆体の製造方法に関する。さらに、本発明は、フェオメラニン(pheomelanin)を含むメラニンの製造方法に関する。
メラニンは、動物及び植物に広く存在する黄色〜黒色の色素であり、紫外線吸収機能、ラジカル捕獲機能、酸化防止機能などを有することが知られている。メラニンは、生体由来の物質であり安全性が高いことから、化粧品、食品等の添加剤として広く使用されている。
例えば、メラニンは、日焼け防止クリーム、サングラス等に配合することにより、これらに紫外線吸収機能を持たせるために用いられている。また、食品やプラスティックの酸化防止剤としても使用されている。さらに、色素として白髪染めなどにも添加されている。
メラニンとしては、主に、ユウメラニン(eumelanin)とフェオメラニンの2種類が存在する。
ユウメラニンは、黒色又は褐色のメラニンであり、メラニンといえば、ユウメラニンのことを意味する場合が多い。生体内において、ユウメラニンは、メラニン生成酵素であるチロシナーゼが、基質であるチロシン又は3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)アラニン(DOPA)の酸化を触媒することによりドーパキノンを経て生成するメラニン前駆体、特にユウメラニン前駆体(ドーパクロム、5,6−ジヒドロキシインドール(DHI)、5,6−ジヒドロキシインドール−2−カルボン酸(DHICA)など)が重合することにより生合成される。このようにして生成するユウメラニンは、皮膚や髪等のメラニン産生細胞内に小粒となって存在しており、水に不溶で、熱濃硫酸や強アルカリを用いなければ溶解しない高分子化合物である。
フェオメラニンは、赤色又は黄色のメラニンであり、ユウメラニンとは異なり希アルカリに可溶である。人や動物の赤毛や鳥類の赤い羽などにも含まれている。フェオメラニンは、チロシナーゼの作用によりチロシンからドーパキノンが生じるまではユウメラニンと同様の経路で生合成されるが、ドーパキノンにシステイン(Cys)が付加することによってシステイニルドーパが生じた後、更に下流に反応が進むことによりフェオメラニンが合成される。
ユウメラニンは水に不溶であるため、繊維や皮革などの染料として利用する場合、組織に浸透することができず、対象を染めることはできない。しかし、特許文献1には、水溶性であるメラニン前駆体(メラニンの構成モノマーの混合物)の効率的な製造方法が開示されている。かくして調製されるメラニン前駆体は水溶性であるため、染色対象物に浸透しやすく、メラニン前駆体を染色対象物内に浸透させた後に重合させてメラニンを生成することにより効率良く対象物を染色することができる。
しかしながら、特許文献1の実施例で実際に製造されているのはユウメラニン前駆体のみであり、フェオメラニン前駆体については実際に製造した実施例は存在しない。
また、特許文献2に記載されているように、特許文献1に記載のメラニン前駆体の製造方法では、pHが一定の範囲となるように、pHの制御が必要となる。
さらに、特許文献1に記載のメラニン前駆体の製造方法では、反応液に酸素を供給する際に発泡するため、反応槽への仕込み量を増加させるためには、特許文献3に記載されているように、閉鎖系を利用し、酸素を供給する必要がある。
特開2006-158304号公報 特開2011-45306号公報 特開2011-45307号公報
本発明は、効率的なシステイニルドーパを含むメラニン前駆体の製造方法を提供することを目的とする。さらに、本発明は、効率的なフェオメラニンを含むメラニンの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、DOPA又はチロシンとシステインとを一定の範囲の割合で配合した混合物中で、チロシナーゼでDOPA又はチロシンを酸化させることにより、システイニルドーパに高変換することができる上に、pH制御が不要であり且つ空気を通気しても発泡しないため、効率よくシステイニルドーパを製造できるという知見を得た。さらに、アルカリ条件と酸素の添加との2つの条件が揃うことで、効率よくシステイニルドーパが下流の反応へ進みフェオメラニンを製造することができるという知見も得た。
本発明は、これら知見に基づき、更に検討を重ねて完成されたものであり、次のシステイニルドーパを含むメラニン前駆体の製造方法、及びフェオメラニンを含むメラニンの製造方法を提供するものである。
項1.以下の工程(1)を含む、システイニルドーパを含むメラニン前駆体の製造方法:
(1)カテコールオキシダーゼ活性を有する酵素又は当該酵素を含有する微生物、システイン、並びにDOPA (3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)アラニン)及び/又はチロシンを含み、DOPA及び/又はチロシンとシステインとがモル比(DOPA及び/又はチロシン:システイン) 1:0.5〜4で配合された混合物中で、DOPA及び/又はチロシンを酸化してシステイニルドーパに変換する工程。
項2.前記モル比(DOPA及び/又はチロシン:システイン)が1:1.0〜3である、項1に記載の方法。
項3.前記モル比(DOPA及び/又はチロシン:システイン)が1:1.0〜2.0である、項1又は2に記載の方法。
項4.前記工程(1)において、システイニルドーパに加えてユウメラニン前駆体も生成される、項1又は2に記載の方法。
項5.前記工程(1)において、前記混合物中に空気が供給される、項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
項6.前記工程(1)において、前記混合物中に酸素が供給される、項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
項7.更に以下の工程(2)を含む、項1〜6のいずれか一項に記載の方法:
(2)工程(1)で得られたシステイニルドーパを反応液から回収する工程。
項8.更に以下の工程(2’)を含む、項7に記載の方法:
(2’)工程(2)で回収されたシステイニルドーパを濃縮する工程。
項9.以下の工程(3)を含む、フェオメラニンを含むメラニンの製造方法:
(3)項1〜8のいずれか一項に記載の方法により得られたシステイニルドーパを含むメラニン前駆体を、アルカリ条件下且つ酸素の存在下で処理して、フェオメラニンに変換する工程。
項10.前記アルカリ条件下が、pH 8以上である、項9に記載の方法。
項11.前記工程(3)において、フェオメラニンに加えてユウメラニンも生成される、項9又は10に記載の方法。
項12.以下の工程(4)を含む、メラニンの製造方法:
(4)項1〜8のいずれか一項に記載の方法により得られたシステイニルドーパを含むメラニン前駆体と、別途調製したユウメラニン前駆体とを混合し、アルカリ条件下且つ酸素の存在下で処理して、フェオメラニンとユウメラニンに同時変換する工程。
本発明のシステイニルドーパを含むメラニン前駆体の製造方法は、DOPA又はチロシンをシステイニルドーパに高変換することができるという優れた特性を有している。また、本発明の方法によれば、ユウメラニン前駆体の製造とは異なりpHの制御をほとんど行わなくてもよい上に、空気を通気してもほとんど発泡しないため反応槽容積を有効に利用することができるため、効率よくシステイニルドーパを製造することが可能である。
本発明のフェオメラニンを含むメラニンの製造方法によれば、効率よくシステイニルドーパを下流の反応へ進ませることができ、効率よくフェオメラニンを製造することが可能である。
以下、本発明について詳細に説明する。
なお、本発明において「含む(comprise)」とは、「本質的にからなる(essentially consist of)」という意味と、「からなる(consist of)」という意味をも包含する。
また、本発明において「メラニン」とは、ユウメラニン及びフェオメラニンの両方の意味を包含し、「メラニン前駆体」とは、ユウメラニン前駆体及びフェオメラニン前駆体の両方の意味を包含する。
<システイニルドーパを含むメラニン前駆体の製造方法>
本発明のシステイニルドーパを含むメラニン前駆体の製造方法は、以下の工程(1)を含むことを特徴とする。
(1)カテコールオキシダーゼ活性を有する酵素又は当該酵素を含有する微生物、システイン、並びにDOPA及び/又はチロシンを含み、DOPA及び/又はチロシンとシステインとがモル比(DOPA及び/又はチロシン:システイン) 1:0.5〜4で配合された混合物中で、DOPA及び/又はチロシンを酸化してシステイニルドーパに変換する工程。
・システイニルドーパ
本発明の製造方法が対象とするシステイニルドーパは、基質化合物であるDOPA及び/又はチロシンから、カテコールオキシダーゼ活性を有する酵素を用いた酸化反応により得られるドーパキノンにシステインが付加することにより製造される化合物である。システイニルドーパは、酸化重合しフェオメラニンを形成するので、すなわち、フェオメラニン前駆体である。
・DOPA、チロシン
本発明のシステイニルドーパの製造において、基質化合物としては、DOPA及びチロシンのいずれか、又はそれらの混合物を用いても構わないが、好ましくはDOPAである。DOPAは、L体(3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−L−アラニン)(以下、「L-DOPA」とも称する)又はD体(3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−D−アラニン)のいずれであってもよい。中でも、天然型システイニルドーパが得られる点で、L-DOPAを用いることが好ましく、酵素に対する親和性の点でもL-DOPAを用いることが好ましい。また、チロシンについてはL-チロシンが好ましい。
なお、後述する酸化反応に使用する場合の基質化合物の濃度は、混合物中の濃度として通常1〜120 mM程度を挙げることができる。好ましくは5〜100 mM程度であり、更に好ましくは10〜80 mM程度である。システイニルドーパを製造する場合、上記範囲であれば、未反応の基質化合物の残存が少なく、十分量のシステイニルドーパを得ることができる。
・システイン
システインは、L体又はD体のいずれであってもよい。中でも、天然型システイニルドーパが得られる点で、L-システインを用いることが好ましい。
・酵素
本発明のシステイニルドーパを含むメラニン前駆体の製造方法に使用する酵素は、DOPA及び/又はチロシンを酸化する作用を有するものであればよい。具体的には、カテコールオキシダーゼ活性を有する酵素である。
ここでカテコールオキシダーゼ活性とは、カテコールの酸化によるo−キノンの生成を触媒する活性をいい、かかるカテコールオキシダーゼ活性を有する酵素としては、モノフェノールオキシダーゼ、ジフェノールオキシダーゼ、o−ジフェノラーゼ、チロシナーゼ等が含まれる。
システイニルドーパを製造する場合において、カテコールオキシダーゼ活性を有する酵素として、より好ましくはチロシナーゼを挙げることができる。チロシナーゼは、L-DOPAに対して親和性が高いため、これを基質化合物とすることで、天然型のシステイニルドーパを効率よく製造することができる。
本発明で用いる酵素は、どのような生物に由来する酵素であってもよいが、特に、発現効率が良く、且つ宿主細胞内で安定であることから、糸状菌に由来する酵素が好ましい。より好ましくは糸状菌に由来するチロシナーゼである。
かかる糸状菌としては、アスペルギルス(Aspergillus)属、ニューロスポラ(Neurospora)属、リゾムコール(Rhizomucor)属、トリコデルマ(Trichoderma)属、ペニシリウム(Penicillium)属等が挙げられる。中でも、熱に対して比較的安定であり、且つ安全性が確かめられている点で、アスペルギルス属糸状菌のチロシナーゼが好ましく、具体的には、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)のmelB遺伝子(特開2002-191366号公報)、melD遺伝子(特開2004-201545号公報)若しくはmelO遺伝子(Molecular cloning and nucleotide sequence of the protyrosinase gene, melO, from Aspergillus oryzae and expression of the gene in yeast cells. Biochim Biophys Acta. 1995 Mar 14;1261(1):151-154)でコードされるチロシナーゼ又はかかるチロシナーゼと実質的に同一である酵素を挙げることができる。なお、上記チロシナーゼと「実質的に同一」とは、これらの遺伝子(melB遺伝子、melD遺伝子又はmelO遺伝子)によってコードされるチロシナーゼのアミノ酸配列と、70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上が同一のアミノ酸配列を有し、且つカテコールオキシダーゼ活性、好ましくはチロシナーゼ活性を有している酵素をいう。特に好ましくは、melB遺伝子によってコードされるチロシナーゼである。このような酵素は、DOPAからドーパキノンへの反応収率が高く、効率的に酸化反応を行うことができるため、反応液中のDOPA残存量を低くすることができる。
なお、上記酵素は、そのままの状態で反応に使用することができるが、酵素の安定性向上、使用後の分離の容易さ、反応系へのタンパク質混入の回避の点から、固定化酵素の形態で使用することもできる。酵素の固定化方法は特に限定されず、例えば、固定化担体により酵素分子間を架橋する方法、アルギン酸ゲルのようなゲルに内包させる方法等の公知の固定化方法が挙げられる。酵素は、生物由来の夾雑物を含む粗標品でもよく、精製酵素でもよいが、固定化する場合は精製されたものであることが望ましい。
・微生物
本発明の製造方法には、カテコールオキシダーゼ活性を有する酵素に代えて上記酵素を含有する微生物を使用することもできる。
本発明で使用される微生物は、少なくともカテコールオキシダーゼ活性を有する酵素、好ましくはチロシナーゼを含有するものであればよく、この限りにおいて特に制限されない。すなわち、 (a)本来的に「カテコールオキシダーゼ活性を有する酵素」を産生し得る微生物であってもよいし、また、(b)「カテコールオキシダーゼ活性を有する酵素」を産生し得る能力が外来的に付与された微生物であってもよい。さらに、(c)内在性又は外来性の別を問わず、「カテコールオキシダーゼ活性を有する酵素」活性を高める処理が施された微生物であってもよい。好ましくは(b)又は(c)の微生物である。
かかる微生物としては、大腸菌、枯草菌、酵母、糸状菌(アスペルギルス・オリゼを含む)等を挙げることができる。微生物としては、好ましくは大腸菌、枯草菌、及び酵母である。中でも、安全で、更に単細胞であり、且つ細胞の沈降速度が速いため、比較的低速回転の遠心分離で反応後の細胞を分離できる点で、酵母を用いることが更に好ましい。酵母の中でも、特に、菌体が堅牢であるために菌体由来のタンパク質の反応液中への流出が抑えられ、且つ遺伝子操作が容易である点で、サッカロミセス・セレビシェ(Saccharomyces cerevisiae)が好ましい。サッカロミセス・セレビシェは、実験室株(実験室酵母)でもよいし、実用株(実用酵母)でもよいが、実用酵母が好ましい。より好ましくは、実用酵母の一種である、清酒醸造用酵母が好ましく、「きょうかい酵母」がより好ましい。また、サッカロミセス・セレビシェの倍数体に特に制限はないが、2倍体が好ましい。
(b)の微生物は、例えば、タンパク質の大量発現用に通常用いられているベクターに「カテコールオキシダーゼ活性を有する酵素」をコードする遺伝子をクローニングし、当該ベクターを宿主細胞に導入することによって調製することができ、かくして上記遺伝子を宿主染色体に組み込むか、又はこれをプラスミド状態で有する微生物を取得することができる。
上記(c)の微生物としては下記の微生物を挙げることができる:
(c-1)「カテコールオキシダーゼ活性を有する酵素」遺伝子を本来発現させているプロモーターよりも高活性のプロモーターの下でこの遺伝子を発現させている微生物。
(c-2)「カテコールオキシダーゼ活性を有する酵素」遺伝子を複数コピー有する微生物。
(c-3)「カテコールオキシダーゼ活性を有する酵素」遺伝子の変異体を有することにより高い酵素活性(好ましくはチロシナーゼ活性)を示す微生物。
(c-1)で使用される高活性のプロモーターとしては、制限されないが、宿主として酵母を用いる場合は、例えば、SED1プロモーター、ADH1プロモーター、PGKプロモーター、GAPDHプロモーター、TDH1プロモーター、PHO5プロモーター、GAL4プロモーター、GAL10プロモーター、CUP1プロモーターなどが挙げられる。中でも、SED1プロモーター、ADH1プロモーター、PGKプロモーター、及びGAPDHプロモーターが好ましく、SED1プロモーターがより好ましい。宿主として大腸菌を用いる場合は、例えば、T7、lacUV5、tac、λPL、lac、trpなどのプロモーターが挙げられる。宿主として枯草菌を用いる場合は、例えば、枯草菌由来のプロテアーゼ・アミラーゼ等の加水分解酵素、シグマ因子、解糖系等の遺伝子プロモーター、枯草菌でも機能する大腸菌由来プロモーターなど、公知のプロモーターを利用することができる。宿主として糸状菌を用いる場合は、アミラーゼ、プロテアーゼ、ヒストン、解糖系、活性酸素を分解する酵素(カタラーゼ、スーパーオキシドディスムターゼなど)などの遺伝子のプロモーターが好ましく、アスペルギルス・オリゼでは、前述に付け加え、amyA、amyB、hly、sodMプロモーター等が好ましい。
(c-2)の微生物は、例えば「カテコールオキシダーゼ活性を有する酵素」遺伝子を複数コピー保持する可能性のある2倍体以上の細胞に「カテコールオキシダーゼ活性を有する酵素」遺伝子を導入することによって調製することができる。また、例えば、醸造用酵母やパン酵母等の実用酵母の中には、3倍体や4倍体の細胞も存在するため、これらも好適に使用できる。このようにして、微生物に導入する「カテコールオキシダーゼ活性を有する酵素」遺伝子のコピー数を多くすることにより、より高いカテコールオキシダーゼ活性(好ましくはチロシナーゼ活性)を有する微生物とすることができる。このような微生物の製造方法としては、例えば、特開2011-45301号公報を参照することができる。
(c-3)の微生物としては、「カテコールオキシダーゼ活性を有する酵素」遺伝子の変異により、カテコールオキシダーゼ活性(好ましくはチロシナーゼ活性)が高くなった微生物、又はこのような変異「カテコールオキシダーゼ活性を有する酵素」遺伝子を導入した微生物を使用することができる。このようにして、天然型酵素より高い活性を示す変異型酵素とすることにより、高いカテコールオキシダーゼ活性、好ましくは高いチロシナーゼ活性を示す微生物とすることができる。
なお、本発明では、液体培養で得られる上記微生物の培養液を水、好ましくはイオン交換水で洗浄して調製した微生物懸濁液を使用することもできる。かかる微生物懸濁液は、例えば次の手順(1)〜(4)により調製することができる。
(1)微生物を常法により液体培養した後、培養液を遠心分離して培地を除去する。
(2)この微生物を水に懸濁して遠心分離し、上清を除去する。
(3)(2)の工程を繰り返すことにより、微生物を洗浄する。
(4)(3)で得られた微生物を水に懸濁したものを微生物懸濁液とする。
このように微生物を洗浄することにより、培養液からの不純物の混入を減少させることができる。なお、上記(1)〜(3)の手順では、遠心分離に代えて、精密ろ過処理、限外ろ過処理等で代替してもよい。また、上記(3)の手順においては、活性炭を併用してもよく、例えば活性炭ビーズなどを用いてもよい。
なお、微生物は、例えば、担体結合法、包括法、架橋法、光架橋法などのような公知の方法で固定化したものを用いることができ、これにより微生物を効率よく利用し、使用後は容易に反応系から分離することが可能となる。
・酵素又は微生物の活性化処理
なお、カテコールオキシダーゼ活性を有する酵素、特にチロシナーゼが活性を示すためには、触媒活性中心に2価銅イオンが配位することが必要である。このため、メラニン前駆体の製造に、カテコールオキシダーゼ活性を有する酵素、又は当該酵素を含有する微生物のいずれを用いる場合でも、これらの酵素又は微生物を、予め2価銅イオンで処理することにより、カテコールオキシダーゼ活性を有する酵素の触媒活性中心に2価銅イオンを配位させることが好ましい。かかる方法として、具体的には、酵素又は微生物を0.1〜2mM程度の硫酸銅溶液等に懸濁し、30〜40℃程度で0.01〜2時間程度静置する方法を挙げることができる。また、チロシナーゼとしては、活性化補助タンパクを同時発現生産するか、あるいは前記タンパク質を添加しなくてよいチロシナーゼが好ましい。
また、カテコールオキシダーゼ活性を有する酵素活性を示す酵素の中でもチロシナーゼ、特にアスペルギルス・オリゼ由来のチロシナーゼは、pH 2.8〜3.2程度の酸性溶液で処理することにより、成熟化し、活性化する。したがって、チロシナーゼ又は当該酵素を含有する微生物を用いる場合も、例えば、20〜200 mM程度の酢酸ナトリウム緩衝溶液(pH 3)に懸濁し、0〜40℃程度で0.5〜1時間程度静置することが好ましい。また、カテコールオキシダーゼ活性を有する酵素は、トリプシン等の特定のペプチド結合を選択的に切断するエンドペプチダーゼのようなプロテアーゼで処理することによっても活性化することができる。
なお、カテコールオキシダーゼ活性を有する酵素を含有する微生物を用いる場合は、必ずしも上記活性化処理の前に予め微生物に対して細胞障害処理を施す必要はないが、微生物に対して細胞障害処理を施したほうがよい。細胞障害処理を施した場合、生存率を91%以下、好ましくは70%以下に低下しておくことがより好ましい。活性化処理前にかかる細胞障害処理を施して生存率を低下しておくことで、より高い酸化酵素活性を有する微生物を調製することができる。また、細胞障害処理によって狭雑物が生じるが、上記高い酸化酵素活性を有する微生物をそのまま酸化反応に用いてもよいが、遠心分離、ろ過処理等で狭雑物を除くことが好ましい。このような細胞障害処理は、特開2011-45302号公報の記載に従い実施することができる。
後述する酸化反応に基質化合物として1 molのL-DOPAを用いる場合、カテコールオキシダーゼ活性を有する酵素又は当該酵素を産生する微生物の割合は、通常5×105 U/mol以上、好ましくは5×106 U/mol以上、より好ましくは5×106〜5×107 U/molである。また、基質化合物として同様にL-DOPAを用いる場合、通常0.1 U/OD600以上、好ましくは0.5 U/OD600以上、特に好ましくは1〜5 U/OD600となる割合でカテコールオキシダーゼ活性を有する微生物(好ましくは大腸菌又は酵母、より好ましくは酵母)を用いる。
なお、上記のカテコールオキシダーゼ活性を有する酵素の活性は、酵素又は微生物と0.8μmolのDOPAを含む溶液1mLを30℃で5分間反応させた場合の475 nmにおける吸光度を1増加させる活性を1Uとする。また、微生物のカテコールオキシダーゼ活性は、これを反応に用いた菌体の密度(600 nmにおける吸光度;OD600)で除したもの(U/OD600)とする。
・酸化反応
カテコールオキシダーゼ活性を有する酵素又は当該酵素を含有する微生物、システイン、並びにDOPA及び/又はチロシンを含む混合物中のDOPA及び/又はチロシンとシステインとのモル比(DOPA及び/又はチロシン:システイン)は、1:0.5〜4の範囲が使用できる。中でも、当該モル比は、1:1.0〜3が好ましく、1:1.0〜2.0がより好ましく、1:1.25〜1.5が更により好ましい。その他、1:1.25〜4、1:1.25〜3、1:1.25〜2.0等が挙げられる。この範囲のモル比を使用することにより、DOPA及び/又はチロシンをシステイニルドーパに高変換することができる。また、DOPA及び/又はチロシン1モルに対するシステインのモル比が1.0〜1.20の場合には、酸素供給を制限した条件下で、pH制御が不要且つ発泡せずにシステイニルドーパの蓄積が可能であり、モル比が1.25以上の場合には、酸素供給方法を制限せずとも、pH制御が不要且つ発泡せずにシステイニルドーパの蓄積が可能である。
本発明では、混合物中に配合するDOPA及び/又はチロシンとシステインのモル比を調整することにより、生成されるシステイニルドーパとユウメラニン前駆体の割合を調整することができる。DOPA及び/又はチロシン 1モルに対するシステインのモル比が1.25以上であれば、ほぼ全てシステイニルドーパに変換されるが、モル比が1より低ければ一部ユウメラニン前駆体が形成する反応に進む。結果として、得られた組成物の重合後の色の変更は、ユウメラニンとフェオメラニンとの割合を変えることに相当し、「黒色又は褐色」から「赤色又は黄色」までの色を自在に調整できる。
ここで、ユウメラニン前駆体としては、ユウメラニンの構成モノマー、例えば、ドーパクロム、5,6−ジヒドロキシインドール−2−カルボン酸、5,6−ジヒドロキシインドール、5,6−ジヒドロキシインドリン、5,6−ジヒドロキシインドリン−2−カルボン酸、及びこれらのモノマーが2〜5分子程度重合してなる水溶性オリゴマーを挙げることができる。好ましくはドーパクロム、5,6−ジヒドロキシインドール、及び5,6−ジヒドロキシインドール−2−カルボン酸である。
なお、本発明では、前述するようにユウメラニン前駆体も同時に製造することが可能であり、システイニルドーパ以外が製造されることを排除するものではない。
DOPA及び/又はチロシンがシステイニルドーパ又はユウメラニン前駆体に変換された割合を%(モル)とすると、システイニルドーパ及びユウメラニン前駆体が同時に20%以上生成する反応において、システイニルドーパ及びユウメラニン前駆体への合計の変換率は60%以上が好ましく、75%以上がより好ましく、90%以上が更により好ましく、95%以上が最も好ましい。
また、システイニルドーパが主として生成する反応においては、生成物中の各成分のモル濃度は、ユウメラニン前駆体:10%以下、システイニルドーパ及びシステイニルドーパが更に酸化されたもの:50%以上であることが好ましく、ユウメラニン前駆体:5%以下、システイニルドーパ及びシステイニルドーパが更に酸化されたもの:75%以上であることがより好ましく、ユウメラニン前駆体:1%以下、システイニルドーパ及びシステイニルドーパが更に酸化されたもの:90%以上であることが更により好ましく、ユウメラニン前駆体:1%以下、システイニルドーパ及びシステイニルドーパが更に酸化されたもの:95%以上であることが最も好ましい。
なお、当該酵素酸化反応において、混合物は、基質化合物が溶解してなるものでもよいが、非溶解状態で含まれていることが好ましい。これは、高濃度の基質化合物を混合物に完全に溶解するためには、強酸を用いて反応液のpHを1〜3に調整しなくてはならず、この場合、酵素反応前に再び強アルカリを用いて中和する必要があるからである。また、この場合、必然的に反応液中に無機塩類の含有量が増加することになり、これが生成されるシステイニルドーパの夾雑物となる。また、反応液の調製に用いる水は、特に制限されないが、イオン交換水を用いることが好ましい。イオン交換水を用いることで、前述する混合物中の無機塩類の含有量をさらに減少させることができ、生成されるシステイニルドーパの夾雑物をより低減することができる。
上記混合物のpHは、酵素がDOPA及び/又はチロシンの酸化反応を触媒できる範囲であれば特に限定されないが、通常4〜9程度に維持することが好ましく、5〜7程度に維持することがより好ましい。上記範囲であれば、フェオメラニンの生成を抑えて混合物中に効率よくシステイニルドーパを蓄積させることができる。
混合物のpHは、緩衝液を用いることにより上記範囲に維持することもできるが、塩濃度が高いと反応後の溶液保管中に塩析するため、添加量が少ないことが好ましい。更に、KOH、NaOH、アンモニアのような強アルカリは、システイニルドーパを反応させ、結果的に重合したフェオメラニンとさせてしまうため、添加量が少ないことが好ましい。また、硫酸・塩酸等の強酸は、生成したシステイニルドーパを減少させるため、添加量が少ないことが好ましい。しかしながら、本発明の方法では、メラニン前駆体の製造とは異なりpHの変動が少ないので、pHの制御をほとんど行わなくてもよい。
微生物の添加量は任意であるが、微生物湿重量は混合物量の50重量%以下が好ましく、25重量%以下がより好ましく、10重量%以下が更に好ましく、5重量%以下が更により好ましい。この範囲であれば、反応後の菌体分離を容易に行えることにより、システイニルドーパの収率を高くすることができる。
反応温度は、酵素が基質化合物の酸化反応を触媒できる範囲であれば特に限定されないが、通常5〜35℃程度に維持することが好ましく、15〜25℃程度に維持することがより好ましい。上記範囲内であれば、十分に酸化反応が進行するとともに、酵素が失活し難い。
反応開始直後は、酸化反応に大量の酸素が必要であるため、大量に酸素を供給することが好ましい。本発明において、供給するのは空気、純度が90%以上の酸素(高純度酸素)、又は純度100%の酸素(純酸素)であってもよい。酸素の供給方法は、特に制限されず、混合物を攪拌することで混合物に酸素を取り込む方法、及び混合物に酸素を積極的に通気する方法、及びこれらを併用する方法を挙げることができる。ただし、攪拌速度が速すぎると微生物が損傷するため、混合物中の酸素濃度を監視し、酸素濃度が低下しなくなれば通気量及び攪拌速度を減少することが好ましい。混合物中の溶存酸素濃度は0.1〜8 ppm程度に維持することが好ましく、1〜2 ppm程度に維持することがより好ましい。システイニルドーパの生成後は、速やかに混合物中の溶存酸素濃度は0〜1 ppm程度に低下させることが好ましい。
通気や撹拌により混合物中に泡が生じる場合は、シリコーン樹脂のような消泡剤を添加してもよいが、本発明では、空気を通気してもほとんど発泡しないため、発泡の影響を無視でき、反応槽容積を有効に利用することができる。本発明では、特開2011-45307号公報に記載されているような特殊な処理を行わなくても、ほとんど発泡しない。また、消泡剤を添加しないことにより、発泡性型の染毛剤への応用も容易になる。また、本発明では、通気をしてもほとんど発泡しないため、例えば混合物中に窒素・希ガスなどを通気し、溶存酸素濃度を速やかに低下させる制御も、より容易にできる。反応開始後あるいは反応終了後の反応液の性質は特に限定されないが、通気撹拌時に生じた気泡が消泡剤を添加せずに5分以内に消泡することが好ましく、2分以内に消泡することがより好ましい。
反応槽に仕込む混合物の量として、通常70容量%以上、好ましくは80容量%以上、より好ましくは90容量%以上に設定することができる。
反応は、バッチ式又は連続式の何れであってもよい。未反応の基質化合物と生成物を分離できる点でバッチ式が好ましい。バッチ式の場合の反応時間は、通常10分〜3時間程度とするのが好ましく、30分〜1時間程度とするのがより好ましい。この程度であれば、基質化合物を十分システイニルドーパに変換できる。
本発明では、反応系におけるO2吸収量、又は混合物中の溶存酸素量のみを連続的に測定することで、測定値の経時変化の傾向により反応終点を簡便に特定できる。
・回収工程
本発明のシステイニルドーパの製造方法は、更に以下の工程(2)を含んでいてもよい。
(2)工程(1)で得られたシステイニルドーパを反応液から回収する工程。
上記工程(1)で生成されたシステイニルドーパを含む反応液(Cys-DOPA含有溶液)には、システイニルドーパ(及びユウメラニン前駆体)の他に、使用した酵素又は微生物、更には通気及び撹拌により細胞が破損して生じた又は細胞から流出したタンパク質なども含まれる。したがって、必要に応じて、Cys-DOPA含有溶液からシステイニルドーパ(及びユウメラニン前駆体)以外の成分を除去してもよい。例えば、酵素や微生物細胞の除去は、限外ろ過等のろ過、遠心分離等の手段により行うことができる。また、タンパク質やアミノ酸、無機塩類、メラニン等の除去は、限外ろ過、イオン交換処理、逆浸透膜処理、ゲルろ過クロマトグラフィー等の手段により行うことができる。
また、本発明で得られたCys-DOPA含有溶液は、発泡性が低いため、減圧濃縮などの阻害をしない。そのため、ユウメラニン前駆体よりもより短時間で濃縮できるばかりでなく、より高濃度での濃縮が可能となる。システイニルドーパの濃縮後の濃度は、好ましくは1重量%以上、より好ましくは5重量%以上、更に好ましくは15重量%以上である。濃縮後の濃度の上限は、何ら制限はないが、回収率との兼ね合いから、50重量%以下が好ましく、40%重量以下がより好ましく、30重量%以下が更に好ましい。
また、上記Cys-DOPA含有溶液は、更に必要に応じて、スプレードライ、凍結乾燥等の公知の方法で乾燥することで、乾燥状態(乾燥粉末)に調製することもできる。また、上記Cys-DOPA含有溶液の保管は、そのまま又は濃縮後に行う。粉末を含む固相状態で保存するときは、気相部分を酸素以外の不活性化ガスである、窒素・二酸化炭素・希ガスなどで置換すれば、より長期間保存できる。また、溶液を含む液相で保存する場合、含まれる気相の置換だけでなく、液相に含まれる酸素を窒素・希ガスなどで置換あるいは減少させることで、より長期間保存できる。これにより、システイニルドーパ(及びユウメラニン前駆体)の酸化の進行を抑えることができ、所望の組成のシステイニルドーパ(及びユウメラニン前駆体)とすることができる。
溶液として保存する場合は、防腐を目的としてエタノール等の低級アルコールを添加することもできる。なお、この場合、エタノールの濃度が高いほど、高い防腐効果が得られる。なお、上記Cys-DOPA含有溶液には、本発明の効果が妨げられない限りにおいて、水及びエタノール以外の極性溶媒が添加されてもよい。かかる極性溶媒としては、例えば、メタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール等の炭素数1〜6の低級アルコール、アセトン等を挙げることができる。また、主成分がシステイニルドーパの場合は、無機塩類の析出がないことから、40重量%以上のエタノールを含む極性溶媒でも保存することが可能である。また、システイニルドーパは溶解度が高いことから、1重量%以上のエタノールを含む極性溶媒で保存できるが、より好ましくは防腐効果のある5〜20重量%のエタノールを含む極性溶媒での保存である。
また、システイニルドーパを溶液で保管又は保存するときは、システイニルドーパの濃度は、通常0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上、より好ましくは5重量%以上、更に好ましくは15重量%以上である。濃度の上限に限定はないが、50重量%以下が好ましく、40重量%以下がより好ましく、30重量%以下が更に好ましい。
また、Cys-DOPA含有溶液は、塩化物イオン濃度が300 ppm以下になるように調整することが好ましい。塩化物イオン濃度を300 ppm以下にすることで、これを金属製の容器に収納した場合でも金属を腐食させる危険性を低下させることができる。塩化物イオン濃度は、好ましくは100 ppm以下、より好ましくは50 ppm以下、更に好ましくは20 ppm以下である。当該塩化物イオン濃度は、HPLC分析法により測定することができる。このような塩化物イオン濃度を得る手順としては、特開2011-46849号公報の記載を参考にすることができる。
<フェオメラニンを含むメラニンの製造方法>
本発明のフェオメラニンを含むメラニンの製造方法は、以下の工程(3)を含むことを特徴とする。
(3) 上記の製造方法により得られたシステイニルドーパを含むメラニン前駆体を、アルカリ条件下且つ酸素の存在下で処理して、フェオメラニンに変換する工程。
システイニルドーパは、アルカリ条件と酸素の存在という2つの条件が揃うことで、効率良く下流の反応に進ませることが可能となる。
アルカリ条件下としては、好ましくはpH 7以上であり、より好ましくはpH 8以上であり、更に好ましくはpH 9以上ある。pHをアルカリ側に調整するには、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、グアニジン、アルカノールアミン、塩基性アミノ酸、炭酸塩等のアルカリ剤を用いることができる。アルカノールアミンの具体例としてはモノエタノールアミン等が挙げられ、塩基性アミノ酸の具体例としては、アルギニン、リジン、ヒスチジン等が挙げられ、炭酸塩の具体例としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸グアニジン、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。また、前記アルカリ剤と併用して、pHを調製する場合は、塩酸、硫酸、リン酸、クエン酸、乳酸等の無機あるいは有機酸を適宜用いることができる。前記pH調整剤は、2種以上を併用してもよく、またその含有量は、全組成の0.01〜20重量%、特に0.1〜10重量%が好ましい。
酸素の供給方法は、特に制限されず、Cys-DOPA含有溶液に酸素を積極的に通気する方法等を挙げることができる。本発明において、供給するのは空気、純度が90%以上の酸素(高純度酸素)、又は純度100%の酸素(純酸素)であってもよい。Cys-DOPA含有溶液中の溶存酸素濃度は0.1〜8 ppm程度とすることが好ましい。
反応温度は、特に限定されないが、通常、室温を含む、5〜40℃である。
工程(1)においてシステイニルドーパに加えてユウメラニン前駆体も同時に生成される場合には、酸素の存在によりフェオメラニンに加えてユウメラニンも同時に生成されることになる。
より好ましいフェオメラニン製造形態としては以下のものが挙げられる。
(i)脱酸素条件あるいは低酸素条件下で、アルカリ剤をCys-DOPA溶液に添加して、アルカリ条件とした後、
(ii)酸素を積極的に通気する。
また、好ましい別形態としては以下のものが挙げられる。
(i)脱酸素条件あるいは低酸素条件下でCys-DOPA溶液に、
(ii)アルカリ剤添加と酸素通気を同時に行う。
<染料溶液>
本発明のCys-DOPA含有溶液を配合し、染色性能及び保存性に優れた染料溶液を調製することができる。染色性能の観点から、染料溶液に含まれるシステイニルドーパ(及びユウメラニン前駆体)濃度は、通常0.01〜20重量%、好ましくは0.05〜10重量%、特に好ましくは0.2〜5.0重量%を挙げることができる。この含有量は、染料溶液の使用目的によって適宜変えることができ、染色回数が一回で染色対象物が綿繊維の場合は0.05〜20.0重量%で、染色対象物がヒトの毛髪の場合は0.05〜20.0重量%程度、好ましくは0.1〜15.0重量%程度で染色することができる。染色回数が2回以上である場合は、より低濃度で染色効果が得られ、0.05〜18.0重量%程度、好ましくは0.1〜12.0重量%程度、特に好ましくは0.1〜8.0重量%程度である。
上記染料溶液のpHは、染色性能と保存性の観点から、使用時にpH 7〜12、好ましくはpH 7.5〜11に調整することが好ましい。また、予めアルカリ条件に調整しておけば、空気中に取り出しただけで空気酸化を受けることにより染色することが可能となる。本発明の染料溶液には防腐剤として、エタノールを5〜20重量%程度添加するのが好ましい。
上記染料溶液は、不活性ガス雰囲気下ステンレスタンク等の密閉可能な容器に封入し、常温で保管することができる。また、不活性ガスで加圧しておくと、使用時にコックを開くだけで必要量の染料溶液を取り出すことができて便利である。
上記染料溶液は、常温においては、通常1時間以内にシステイニルドーパ(及びユウメラニン前駆体)が空気酸化により全量消費され、メラニンに変換される。
上記染料溶液は、それ自体で染色性能を有し、染料として使用可能であるが、更に使用感を向上させるため、染色を意図した各種商品の原料として使用することもできる。例えば、染料成分として、界面活性剤、安定化剤、緩衝剤、香料、感触向上剤、キレート剤、可溶化剤、防腐剤等を含む染毛剤に配合することができる。
フェオメラニンは金髪の色素であるので、本発明の製造方法で得られたシステイニルドーパは、金髪染毛剤の成分として利用できる。また、本発明の製造方法によりシステイニルドーパとユウメラニン前駆体の量比をコントロールでき、これはフェオメラニンとユウメラニンとの割合を変えることに相当し、「黒色又は褐色」から「赤色又は黄色」までの色を自在に調整して製造できる。
また、本発明で得られたシステイニルドーパ溶液を、別途調製したユウメラニン前駆体溶液と混合比を調整して混合することで、フェオメラニンとユウメラニンとの中間的な染毛剤を調製することができる。システイニルドーパ溶液とユウメラニン前駆体溶液は、同時調製してもよいし、又は別途調製したユウメラニン前駆体溶液を混合してもよいが、別途調製したユウメラニン前駆体溶液を混合して、フェオメラニンとユウメラニンに同時変換することが好ましい。
<染色>
上記で調製された染色剤は、塗装など工業用途を含めて用途を制限されることはないが、好ましくは繊維質を染色する用途に用いる。繊維質としては、紙・ろ紙などを含むセルロース系高分子繊維質、毛髪・羊毛などを含むタンパク質高分子系繊維質、化学合成繊維(合成繊維(ナイロンなどを含む)、半合成繊維(例えば、セルロースアセテート)、再生繊維(例えば、レーヨンなど))などの繊維質であればいずれであってもよい。更により好ましくは、毛髪である。
以下、実施例を示して本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<酵素剤の調製方法>
アスペルギルス・オリゼ由来チロシナーゼ遺伝子(melB)を、酵母SED1遺伝子プロモーターの下流に接続した発現カセットを作製し、実用清酒酵母(サッカロミセス・セレビシェ)へ導入した。得られた遺伝子組換え酵母を培養し、細胞障害処理及び活性化処理をして、チロシナーゼ酵素剤として用いた。
大腸菌でもmelB (cDNA)を発現生産させ、活性化処理をして、チロシナーゼ酵素剤として試験例12のみ用いた。
試験例1<予備試験>
10 mM DOPA、20 mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH 6.0)、及び67 U/mLチロシナーゼ含有酵母を含む混合液に、0〜20 mMとなるようCysの添加量を変え、500μLスケールで混合し、室温で20分間反応を行った。
各成分の測定は、下記条件に従ってHPLCを用いて測定した。
HPLC装置:Waters社製HPLC Alliance 2695-2996
移動相:リン酸/メタノール
カラム:Imtakt社製 Unison UK−C18(75 x 4.6 mm)
結果を表1に示す。
Figure 2016214185
試験例2<反応液のpH制御の必要性>
20 mM DOPA、20 mM リン酸ナトリウム緩衝液(pH 6.0)、及び68 U/mLチロシナーゼ含有酵母を含む混合液に、0〜30 mMとなるようCysの添加量を変え、1 mLスケールで混合し、室温で20分間反応を行った。結果を表2に示す。
Figure 2016214185
試験例3<Cys-DOPAでの反応の停止>
20 mMとなるよう基質であるDOPAを添加し、且つ0.36 kU/mLとなるようチロシナーゼ含有酵母を加えて2 Lとし、20又は30 mMとなるようCysの添加量を変えて反応液を調製した。20℃で、酸素を0.3 L/minで通気し、撹拌速度500 rpmで反応させた。酸素は必要分だけ供給し、30分間反応を行った。各成分の測定は、試験例1と同様に行った。結果を表3に示す。
Figure 2016214185
試験例4<反応液の色調>
試験例3と同じ条件で、20 mMとなるようDOPAを添加し、0〜30 mMとなるようCysの添加量を変えて反応液を調製した。得られた反応液について、除菌、除タンパク処理を施した後、一部は酸素を遮断して保管し(O2遮断)、残りの反応液をフラスコに入れ、120 rpmで一晩浸透した(O2曝気)。
結果を表4に示す。表4には、目視で判断した生成された溶液の色を示し、右側の数値は色の濃さの順位を示している(一番濃いものを1とする)。
Figure 2016214185
試験例5<反応液のpH制御の必要性と発泡度合>
20 mMとなるよう基質であるDOPAを添加し、0.36 kU/mLとなるようチロシナーゼ含有酵母を加え2 Lとし、ここに0〜80 mMとなるようCysの添加量を変えて反応液を調製し、20℃で、酸素を0.5 L/minで通気し、撹拌速度500 rpmで反応させた。酸素は必要分だけ供給し、20分間反応を行った。このときのpH制御の必要性と発泡を観察した。
pH変化については、Cys濃度がDOPA の1.25倍以上あれば、反応終了までほぼ変化がないことが明らかとなった。また、酸素通気により発生する気泡量は、0 mM Cysを基準とすると、Cys濃度がDOPAと等量のときには、前記量と比較して半分程度、1.25倍以上の濃度比があれば全く発生しないことが明らかとなった。
試験例6<フェオメラニンの製造試験>
試験例3の条件で、30 mM Cysで反応させた反応液を用いた。反応直後のサンプリング液をAとした。一部小分けして、空気を200 mL/minで10分間通気したサンプリング液をBとした。A液に窒素を通気撹拌し、溶存酸素濃度を0%にし、NaOHを添加してpH 9.0に調整したサンプリング液をCとした。C液に空気を通気撹拌し、溶存酸素濃度を20〜30%としたサンプリング液をDとした。引き続き、撹拌を継続したまま通気量を調節し、溶存酸素濃度を20〜30%としたサンプリング液をEとした。その後、撹拌を継続したまま通気を停止し、溶存酸素濃度が7%となったサンプリング液をFとした。各サンプリング液を用いて、市販ろ紙を含む繊維質を染色した。
市販ろ紙の染色結果を表5に示す。表5では、全く色がないものを-とし、色があるものについて、色の濃さを+の数で示した(濃い+++〜+薄い)。
Figure 2016214185
試験例7<DOPAとCysが等量近傍でのCys-DOPA製造試験>
試験例5と同様に試験を行った。DOPAに対するCysのモル比率が1.25以上の場合は、酸素供給方法に何ら制限されることなく、Cys-DOPAを蓄積することができ、pH制御は不必要であり、発泡も見られなかった。他方、DOPAに対するCysのモル比率が1〜1.20の場合は、溶存酸素濃度をモニターしつつ酸素供給を制御した酸素供給律速条件下でCys-DOPAが蓄積でき、pH制御は不必要であり、発泡も見られなかった。
試験例8<チロシンとCysによるCys-DOPA製造試験>
20 mMリン酸緩衝液(pH 6.0)を含む0.05%チロシン溶液1 mLにCys 1 mgを溶解した(モル比、チロシン:Cys=1:3)。ここに0.36 kU/mlとなるようチロシナーゼ含有酵母を添加し、よく混合して反応させた。反応液を試験例1と同様にHPLCを用いて分析したところ、Cys-DOPAが蓄積していることが確認できた。
試験例9<高濃度DOPAでのCys-DOPA製造試験>
80 mMとなるよう基質であるDOPAを添加し、0.36 kU/mLとなるようチロシナーゼ含有酵母を加え2 Lとし、ここに120 mMとなるようCysを加えて、20℃で、酸素を0.5 L/minで通気し、撹拌速度500 rpmで反応させた。酸素は必要分だけ供給し、60分間反応を行った。反応液を試験例1と同様にHPLCを用いて分析したところ、基質のDOPA由来のピークは消失し、Cys-DOPAが蓄積していることが確認できた。また、その面積はDOPA 20 mMで反応させたときの3.86倍であり、加えた基質の量にほぼ比例していた。
試験例10<Cys-DOPA溶液とメラニン前駆体溶液混合による色合いの異なる染色剤の調製>
試験例5で調製したCys-DOPA溶液(DOPAに対するCysのモル比1.25)と、別途調製したユウメラニン前駆体(試験例5でシステインを加えなかった条件で調製)を下表の比率で混合し、アルカリ処理後、ろ紙に滴下して空気中の酸素で酸化させた。乾燥後、色彩色差計でLabの測定を行った。
結果を表6に示す。混合比(容量比)を変えることにより、異なる彩色差をもつ染料を調製することができた。
Figure 2016214185
試験例11<Cys-DOPA溶液の濃縮>
試験例5と同じ試験系で、DOPA 20 mM、Cys 30 mMで反応させて得られたCys-DOPA溶液を減圧式濃縮機で濃縮を行った。また、比較対象として、DOPA 20 mM、Cys 0 mM(ユウメラニン前駆体溶液)を同様に減圧式濃縮機で濃縮した。
ユウメラニン前駆体溶液は30 Torrまで真空度を下げると、発泡が激しく、泡に紛れて凝集液側に有効成分が逃げてしまい、欠減となる現象が見られた。そのため、発泡を避けて減圧濃縮するためには、100 Torrまで真空度を緩める必要があった。しかしながら、真空度を緩めることは、空気が存在し、ユウメラニン前駆体溶液が酸素に触れることと同義であるため、濃縮処理中に酸化を受けることとなった。結果、重量として6.1倍、有効成分濃度として1.3重量%まで濃縮した。
これに対し、Cys-DOPA溶液は30 Torrまで真空度を下げても発泡は確認されず、欠減なく安定して濃縮作業を行うことができた。結果、ユウメラニン前駆体ではできなかった、重量として30.3倍、有効成分濃度として約18重量%以上にも濃縮することができた。
試験例12<大腸菌でのCys-DOPA溶液の生産>
30 mM DOPA、50 mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH 6.0)、及び50 mM Cysを含む溶液1 mLに、チロシナーゼ活性を持つ活性化大腸菌150 mgを添加混合し、15℃で撹拌した。反応20分後にDOPAが消失したことを、試験例1と同様にHPLCにて確認した。
試験例13<Cys-DOPA溶液による毛髪染色>
人由来のブリーチした白髪(商品名:人毛毛束[白毛]、毛束屋社販売品)の染色試験を行った。試験例5で調製したCys-DOPA溶液(20 mM DOPA、30 mM Cysの組成)を約10倍に濃縮した。次に前記濃縮液4.5 mL、99.5%エタノール0.5 mL、6N NaOH 10μLの組成物を調製した。白髪を前記組成物に5分間浸漬し、水洗し、乾燥を行った。浸漬から乾燥までの操作を、合計3回繰り返した。得られた染色白髪と染色前の白髪のLabを、それぞれ色彩色差計で測定した。染色後の白髪は、染色前の白髪と比較して、やや赤みのかかった茶色に染色された。
Figure 2016214185

Claims (12)

  1. 以下の工程(1)を含む、システイニルドーパを含むメラニン前駆体の製造方法:
    (1)カテコールオキシダーゼ活性を有する酵素又は当該酵素を含有する微生物、システイン、並びにDOPA (3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)アラニン)及び/又はチロシンを含み、DOPA及び/又はチロシンとシステインとがモル比(DOPA及び/又はチロシン:システイン) 1:0.5〜4で配合された混合物中で、DOPA及び/又はチロシンを酸化してシステイニルドーパに変換する工程。
  2. 前記モル比(DOPA及び/又はチロシン:システイン)が1:1.0〜3である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記モル比(DOPA及び/又はチロシン:システイン)が1:1.0〜2.0である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記工程(1)において、システイニルドーパに加えてユウメラニン前駆体も生成される、請求項1又は2に記載の方法。
  5. 前記工程(1)において、前記混合物中に空気が供給される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記工程(1)において、前記混合物中に酸素が供給される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  7. 更に以下の工程(2)を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法:
    (2)工程(1)で得られたシステイニルドーパを反応液から回収する工程。
  8. 更に以下の工程(2’)を含む、請求項7に記載の方法:
    (2’)工程(2)で回収されたシステイニルドーパを濃縮する工程。
  9. 以下の工程(3)を含む、フェオメラニンを含むメラニンの製造方法:
    (3)請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法により得られたシステイニルドーパを含むメラニン前駆体を、アルカリ条件下且つ酸素の存在下で処理して、フェオメラニンに変換する工程。
  10. 前記アルカリ条件下が、pH 8以上である、請求項9に記載の方法。
  11. 前記工程(3)において、フェオメラニンに加えてユウメラニンも生成される、請求項9又は10に記載の方法。
  12. 以下の工程(4)を含む、メラニンの製造方法:
    (4)請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法により得られたシステイニルドーパを含むメラニン前駆体と、別途調製したユウメラニン前駆体とを混合し、アルカリ条件下且つ酸素の存在下で処理して、フェオメラニンとユウメラニンに同時変換する工程。
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