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JP2016196896A - 摩擦係合装置及び摩擦板 - Google Patents

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JP2016196896A
JP2016196896A JP2015075755A JP2015075755A JP2016196896A JP 2016196896 A JP2016196896 A JP 2016196896A JP 2015075755 A JP2015075755 A JP 2015075755A JP 2015075755 A JP2015075755 A JP 2015075755A JP 2016196896 A JP2016196896 A JP 2016196896A
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Yoshiki Takeuchi
義揮 竹内
鈴木 邦彦
Kunihiko Suzuki
邦彦 鈴木
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Abstract

【課題】引き摺りトルクの低減効果を高めることが可能な摩擦係合装置及び摩擦板を提供する。
【解決手段】電磁クラッチ装置1は、ハウジング2と、ハウジング2に対して同軸上で相対回転可能なシャフト3と、ハウジング2に対して軸方向移動可能かつ相対回転不能に連結したアウタクラッチプレート4と、シャフト3に対して軸方向移動可能かつ相対回転不能に連結したインナクラッチプレート5と、アウタクラッチプレート4とインナクラッチプレート5とを摩擦接触させる押圧力を発生する押圧機構6とを備え、インナクラッチプレート5は突出高さがそれぞれ異なる第1突出部501及び第2突出部502を有し、第1及び第2突出部501,502が押圧機構6の押圧力によって平坦化してアウタクラッチプレート4に接触する。
【選択図】図2

Description

本発明は、複数の摩擦板間に摩擦力を発生させる摩擦係合装置、及び摩擦板に関する。
従来、複数の摩擦板間に摩擦力を発生させる摩擦係合装置が、例えば車両の駆動源の駆動力を伝達するための電磁クラッチ装置として用いられている。この種の電磁クラッチ装置には、非動作状態におけるクラッチプレート間の引き摺りトルクを低減させるための構成を備えたものがある(例えば、特許文献1,2参照)。
特許文献1に記載の電磁クラッチ装置は、同軸上に相対回転するハウジング及びシャフトと、ハウジングに軸方向移動可能かつ相対回転不能に連結された複数のアウタクラッチプレートと、シャフトに軸方向移動可能かつ相対回転不能に連結された複数のインナクラッチプレートと、インナクラッチプレートとアウタクラッチプレートとを摩擦接触させる押圧力を発生させる押圧機構とを備えている。また、一対のインナクラッチプレートの間には、インナクラッチプレート同士を離隔させて潤滑油の粘性による引き摺りトルクを低減させるための皿バネが配置されている。
特許文献2に記載の電磁クラッチ装置は、上記した電磁クラッチ装置と同様に、ハウジング、シャフト、インナクラッチプレート、アウタクラッチプレート、及び押圧機構を備え、インナクラッチプレートが周方向にウェーブ状に湾曲して形成されることにより弾性を付与されている。この電磁クラッチ装置によれば、動作状態において、押圧機構の押圧力によってインナクラッチプレートの弾性を有するウェーブ状の部分がアウタクラッチプレートとの接触時に平坦化するので、インナクラッチプレートの外径が大きくなって所定の接触面積が得られ、また、非動作状態において、インナクラッチプレートとアウタクラッチプレートとがインナクラッチプレートの弾性力によって離隔されることで、引き摺りトルクの低減が図られている。
特開平4−285331号公報 実開平6−37630号公報
しかし、特許文献1に記載の電磁クラッチ装置では、クラッチプレート同士を離隔させるための部品として皿バネが必要となるため、部品点数が増加してしまうという問題がある。一方、特許文献2に記載の電磁クラッチ装置では、部品点数は増加しないものの、電磁クラッチ装置の非動作状態のときにインナクラッチプレートが残留磁気等の影響によってアウタクラッチプレートから十分に離隔されず、インナクラッチプレートの一部がアウタクラッチプレートと接触する場合があり、引き摺りトルクの低減効果を更に向上させるという点において、なお改善の余地があった。
そこで、本発明では、部品点数の削減を図りつつ、引き摺りトルクの低減効果をより高めることが可能な摩擦係合装置、及び摩擦板を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、内部に収容空間が形成されたハウジング部材と、前記ハウジング部材に対して相対回転可能な回転部材と、前記ハウジング部材に対して軸方向移動可能かつ相対回転不能に連結された第1摩擦板と、前記回転部材に対して軸方向移動可能かつ相対回転不能に連結された第2摩擦板と、前記第1摩擦板と前記第2摩擦板とを摩擦接触させる押圧力を発生する押圧機構とを備え、前記第1摩擦板又は前記第2摩擦板のいずれか一方の摩擦板には、周方向に湾曲して軸方向の突出高さが異なる複数の突出部が形成され、前記押圧力が発生したとき、前記複数の突出部が前記押圧機構の前記押圧力によって平坦化して他方の摩擦板に接触すると共に、前記押圧力が発生していないときには、前記複数の突出部のうち突出高さが比較的低い一部の突出部が他方の摩擦板と非接触状態にある、摩擦係合装置を提供する。
また、本発明は、上記課題を解決するために、周方向に湾曲して軸方向の突出高さが異なる複数の突出部が形成された摩擦板を提供する。
本発明に係る摩擦係合装置及び摩擦板によれば、部品点数の削減を図りつつ、引き摺りトルクの低減効果を高めることが可能となる。
本実施の形態に係る電磁クラッチ装置の構成例を示す断面図である。 アウタクラッチプレートを示す平面図である。 インナクラッチプレートの構成例を示す斜視図である。 インナクラッチプレートの構成例を示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。 (a)は、図4(a)におけるA−A線切断部の端面図であり、(b)は図4(a)におけるB−B線切断部の端面図である。 電磁クラッチ装置の動作状態における断面図である。 (a)〜(c)電磁クラッチ装置の動作時におけるインナクラッチプレートの状態を模式的に説明するための説明図である。 変形例に係る電磁クラッチ装置のインナクラッチプレートの構成例を示す切断部端面図である。
[実施の形態]
以下、本発明の実施の形態に係る摩擦係合装置及び摩擦板について、図1乃至図7を参照して説明する。本実施の形態では、摩擦係合装置が電磁コイルへの通電により発生する磁力によって摩擦板としてのクラッチプレート間に摩擦力を発生させる電磁クラッチ装置として構成され、電磁コイルへの通電時にシャフトに制動力を発生させるように機能する場合について説明する。
図1は、本実施の形態に係る電磁クラッチ装置1の構成例を示す断面図である。なお、以下の説明では、電磁クラッチ装置1が有するシャフトの回転軸線Oに対して平行な方向を単に軸方向ということがある。
電磁クラッチ装置1は、内部に収容空間2aが形成されたハウジング部材としてのハウジング2と、ハウジング2に対して同軸上で相対回転可能なシャフト3と、ハウジング2に対して軸方向移動可能かつ相対回転不能に連結された第1摩擦板としてのアウタクラッチプレート4と、シャフト3に対して軸方向移動可能かつ相対回転不能に連結された第2摩擦板としてのインナクラッチプレート5と、アウタクラッチプレート4とインナクラッチプレート5とを摩擦接触させる押圧力を発生する押圧機構6とを備える。
電磁クラッチ装置1は、押圧機構6を作動させることにより、アウタクラッチプレート4とインナクラッチプレート5との間に発生する摩擦力によってハウジング2とシャフト3との差動回転を抑制する。
ハウジング2は、例えばアルミニウム等の非磁性金属からなり、円筒状の円筒部20と、円筒部20の外周面から外方に向かって立設されたフランジ部21とを一体に有している。フランジ部21には、例えば車体に搭載された回転体に電磁クラッチ装置1を取り付けるためのボルト挿通孔21aが形成されている。円筒部20は、内径が異なる大径筒部201及び小径筒部202を有し、これらの大径筒部201及び小径筒部202が軸方向に並列している。大径筒部201の内周部には、軸方向に延在する複数のスプライン突起からなるスプライン係合部201aが形成されている。小径筒部202の内側には、後述する磁路形成部材61が例えば圧入によって固定されている。
シャフト3は、ハウジング2の大径筒部201に対向する大径部31と、ハウジング2の小径筒部202に対向する小径部32と、大径部31と小径部32との間に介在する中径部33とを一体に有している。つまり、シャフト3の外周面は、それぞれ外径が異なる大径部31,中径部33,及び小径部32によって軸方向に段差を有する段差状に形成されている。大径部31の外周部には、軸方向に延在する複数のスプライン突起からなるスプライン係合部31aが形成されている。小径部32の外周部には、軸受11及びシール部材12が配置されている。
アウタクラッチプレート4とインナクラッチプレート5とは、ハウジング2の大径筒部201とシャフト3の大径部31との間に配置され、軸方向に沿って配列している。また、アウタクラッチプレート4とインナクラッチプレート5とは、ハウジング2の収容空間2aに封入された潤滑油によって摩擦摺動が潤滑される。
アウタクラッチプレート4の外周側の端部には、ハウジング2における大径筒部201のスプライン係合部201aと係合する複数の係合突起4aが形成されている。複数の係合突起4aがハウジング2のスプライン係合部201aに係合することにより、アウタクラッチプレート4は、ハウジング2に対して軸方向移動可能かつ相対回転不能に連結されている。
インナクラッチプレート5の内周側の端部には、シャフト3における大径部31のスプライン係合部31aと係合する複数の係合突起5aが形成されている。複数の係合突起5aがシャフト3のスプライン係合部31aに係合することにより、インナクラッチプレート5は、シャフト3に対して軸方向移動可能かつ相対回転不能に連結されている。
押圧機構6は、電磁力を発生する電磁コイル60と、電磁コイル60への通電により発生する磁束の磁路を形成する磁路形成部材61と、電磁コイル60の磁力によって磁路形成部材61側に引き寄せられて軸方向に移動するアーマチャ62とを有している。
磁路形成部材61は、第1環状部材611、第2環状部材612、及び第3環状部材613を備え、第1環状部材611は第2環状部材612の外側に、また第3環状部材613は第2環状部材612の内側に、それぞれ配置されている。第1環状部材611は、小径筒部202に嵌着され、小径筒部202の内周面と第1環状部材611の外周面との間には、Oリング13が配置されている。
第1環状部材611及び第3環状部材613は、例えば鉄系金属からなる磁性体であり、第2環状部材612は、例えばオーステナイト系ステンレス等からなる非磁性体である。第2環状部材612と第1環状部材611及び第3環状部材613とは、磁路形成部材61の軸方向の一端部において、溶接によって結合されている。
電磁コイル60は、エナメル線からなる巻線600と、この巻線600を収容する樹脂からなる保持部601と、保持部601の周方向の一箇所に軸方向に突出する突部602とを有している。突部602の軸方向端面からは、シース700及びこのシース700に収容された電線701が導出され、図略の制御装置から出力される電流が電線701を介して巻線600に供給される。
電磁コイル60の巻線600は、第1環状部材611と第3環状部材613との間に形成された環状空間61aに収容されている。この環状空間61aは、軸方向に開口し、この開口が鉄系金属等の軟磁性体からなる蓋部材14によって閉塞されている。蓋部材14には、電磁コイル60の突部602を挿通させる挿通孔14aが形成されている。突部602の外周には環状溝が形成されて、この環状溝にOリング15が嵌着されている。
アーマチャ62は、鉄系金属等の磁性体からなる環板状の部材であり、磁路形成部材61との間にアウタクラッチプレート4及びインナクラッチプレート5を挟む位置に配置されている。アーマチャ62の内周側の端部には、シャフト3の大径部31におけるスプライン係合部31aに係合する複数の係合突起62aが形成されている。複数の係合突起62aがシャフト3のスプライン係合部31aに係合することにより、アーマチャ62は、シャフト3に対して軸方向移動可能かつ相対回転不能に連結されている。
また、アーマチャ62は、シャフト3のスプライン係合部31aの端部に嵌着された止め部材としてのスナップリング18によって磁路形成部材61から離れる方向への軸方向移動が規制されている。アーマチャ62の内周部には、軸方向に窪んだ窪部620が形成され、アーマチャ62がスナップリング18に接触したとき、スナップリング18は、この窪部620に収容される。これにより、電磁クラッチ装置1の軸方向の薄型化が図られている。
シャフト3は、小径部32の外周と磁路形成部材61の第3環状部材613との間に挟まれて配置された軸受11を介してハウジング2に対して相対回転可能に配置されている。軸受11は、第3環状部材613の内側に嵌着された外輪111と、シャフト3の小径部32の外側に嵌着された内輪112と、外輪111と内輪112との間に転動可能に配置された複数の転動体113とを有している。内輪112には、シャフト3の中径部33の軸方向端面が突き当てられている。本実施の形態では、転動体113が球状であり、複数の転動体113が図略の保持器によって等間隔に保持されているが、これに限らず、転動体113が例えば円筒状であってもよい。
図2は、アウタクラッチプレート4を示す平面図である。このアウタクラッチプレート4は、鉄系金属等の軟磁性体からなる平坦な環板状である。アウタクラッチプレート4には、周方向に沿って延びる複数(本実施の形態では6つ)の円弧状のスリット40aが周方向に並ぶように形成されている。
また、アウタクラッチプレート4のインナクラッチプレート5と摺動する摺動面40には、図1に示した回転軸線Oを中心とする複数の微細溝40bが同心円状に形成されている。隣り合う微細溝40b間の間隔は例えば15〜45μmであり、微細溝40bの深さは例えば10〜30μmである。また、アウタクラッチプレート4の外周端部における複数の係合突起4aは、ハウジング2の大径筒部201におけるスプライン係合部201aに係合する。
次に、インナクラッチプレート5の構成について図3乃至図5を参照して説明する。図3は、インナクラッチプレート5の構成例を示す斜視図である。図4は、インナクラッチプレート5の構成例を示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。図5(a)は、図4(a)におけるA−A線切断部の端面図であり、(b)は図4(a)におけるB−B線切断部の端面図である。なお、図3では、インナクラッチプレート5の複数の係合突起5aのうちの一部の係合突起を実線で示し、その他の係合突起は二点鎖線で示している。
インナクラッチプレート5は、アウタクラッチプレート4と同じく鉄系金属等の軟磁性体からなる環板状であるが、押圧機構6の押圧力を受けない自然状態において、アウタクラッチプレート4と摺動する摺動面50が平坦ではなく、軸方向の突出高さがそれぞれ異なる複数の突出部を有している。そして、これら複数の突出部のうち突出高さが比較的低い一部の突出部は、押圧機構6が押圧力を発生していないとき、アウタクラッチプレート4と非接触状態にある。ここで、「比較的低い」とは、電磁コイル60の非通電時に、他の突出部との突出高さの違いによりアウタクラッチプレート4との接触が発生しない程度に突出高さが低いことをいい、単なる製造上の寸法誤差程度の高さの違いは含まない。
より詳細には、図3に示すように、インナクラッチプレート5は、平坦状に形成された複数(本実施の形態では4つ)の平坦部500と、平坦部500から軸方向に突出した複数(本実施の形態では2つ)の第1突出部501と、平坦部500から第1突出部501と同方向に突出し、第1突出部501よりも突出高さが低く形成された複数(本実施の形態では2つ)の第2突出部502とを有している。すなわち、インナクラッチプレート5の複数の突出部は、第1の高さを有する複数の第1の突出部501、及び第1の高さより低い第2の高さを有する複数の第2の突出部502からなる。
また、インナクラッチプレート5の第1突出部501及び第2突出部502は、電磁クラッチ装置1の動作状態において、アーマチャ62とアウタクラッチプレート4との間に挟まれることにより弾性変形可能な弾性を有していて、アウタクラッチプレート4の摺動面40と接触して平坦化し、所定の接触面積になる形状にされている。電磁クラッチ装置1の動作については後述する。
本実施の形態では、第1突出部501と第2突出部502とが共に軸方向のアウタクラッチプレート4(図1に示す)側に向かって突出し、第1突出部501と第2突出部502とが周方向に沿って平坦部500を挟んで交互に配置されている。
図4(a)に示すように、インナクラッチプレート5の複数の係合突起5aは、シャフト3の大径部31におけるスプライン係合部31a(図1に示す)に係合する。また、インナクラッチプレート5には、周方向に沿って延びる複数(本実施の形態では6つ)の円弧状のスリット50aが形成されている。複数のスリット50aは、アウタクラッチプレート4の複数のスリット40aと相俟って、電磁コイル60への通電により発生する磁束の短絡を抑制している。
また、インナクラッチプレート5の摺動面50には、潤滑油を流動させる複数の油溝50bが格子状に形成されている。油溝50bは、アウタクラッチプレート4の微細溝40bよりも深く、隣り合う油溝50b間の間隔も、微細溝40b間の間隔よりも広く形成されている。これにより、インナクラッチプレート5がアウタクラッチプレート4に摺接しても、摺動面50の摩耗に起因した油溝50bの消失が抑制される。
図5(a)は、第1突出部501及び第2突出部502を径方向に沿った見た場合の形状が山形であることを示している。ここで、第1突出部501の平坦部500から最も遠い位置における頂部501aと平坦部500との距離(最大突出量)をhとし、第2突出部502の平坦部500から最も遠い位置における頂部502aと平坦部500との距離(最大突出量)をhとすると、例えば、hはhの0.5倍〜2.0倍となる寸法(0.5h≦h≦2.0h)である。hは例えば0.2mm〜2.0mmであり、hは例えば0.1mm〜1.0mmであることが望ましい。なお、インナクラッチプレート5の板厚tは、例えば0.4〜2.0mmである。図3乃至図5では、説明の明確化のため、第1突出部501及び第2突出部502の高さを誇張して表している。
また、図4(b)及び図5(b)に示すように、第1突出部501及び第2突出部502は、側面視でインナクラッチプレート5の径方向に平行な平坦状である。
以上、図1乃至図5において説明した構成において、電磁クラッチ装置1は以下のように動作する。この電磁クラッチ装置1の動作について、図6を参照して説明する。
図6は、図1に示した電磁クラッチ装置1の動作状態を示す断面図である。
電磁コイル60の巻線600に通電されると磁束が発生し、この磁束が第1環状部材611、アウタクラッチプレート4ならびにインナクラッチプレート5の外周部、アーマチャ62、アウタクラッチプレート4及びインナクラッチプレート5の内周部、第3環状部材613、及び蓋部材14を経由する磁路Gを通過する。
シャフト3の回転中に電磁コイル60に通電されると、アーマチャ62は磁路Gに形成される磁束の磁力によって磁路形成部材61側に吸引され、インナクラッチプレート5をアウタクラッチプレート4側へ押圧する。このとき、インナクラッチプレート5がアウタクラッチプレート4の摺動面40上でアーマチャ62からの押圧力を受けて平坦化して、アウタクラッチプレート4の摺動面40とインナクラッチプレート5の摺動面50とが摩擦摺動する。これにより、ハウジング2が非回転部材である場合、アウタクラッチプレート4とインナクラッチプレート5との間に発生する摩擦力によってシャフト3の回転が制動される。
一方、電磁コイル60への通電が遮断されると、図1に示すように、インナクラッチプレート5の第1及び第2の突出部501,502の弾性力(復元力)によって、インナクラッチプレート5がアウタクラッチプレート4から離隔され、これに伴ってアーマチャ62が初期の位置へ復帰してスナップリング18に接触する。これにより、アウタクラッチプレート4の摺動面40とインナクラッチプレート5の摺動面50とが摩擦摺動しなくなり、シャフト3への制動力が解除される。
図7は、電磁クラッチ装置1の動作状態から非動作状態に遷移した際のインナクラッチプレート5の状態を説明するための模式図であり、(a)は動作状態、(b)は非動作状態においてインナクラッチプレート5がアウタクラッチプレート4から十分に離隔されていない状態、(c)は非動作状態においてインナクラッチプレート5がアウタクラッチプレート4から十分に離隔された状態を示す。ここで、図7(a)は、上記したシャフト3の制動状態におけるインナクラッチプレート5とアウタクラッチプレート4の関係を示す。
次に、電磁クラッチ装置1が非動作状態になると、インナクラッチプレート5が、図7(c)に示すように、アウタクラッチプレート4から十分に離隔される場合と、図7(b)に示すように、残留磁気や潤滑油の粘性の影響によって、インナクラッチプレート5がアウタクラッチプレート4から十分に離隔できず、インナクラッチプレート5の第1突出部501がアウタクラッチプレート4の摺動面40に接触した状態となる場合がある。
図7(c)に示す状態では、インナクラッチプレート5の摺動面50とアウタクラッチプレート4の摺動面40との間に十分な間隙が形成されているので、インナクラッチプレート5とアウタクラッチプレート4との間における引き摺りトルクは十分に低減される。
一方、図7(b)に示す状態では、インナクラッチプレート5の第1突出部501の頂部501aがアウタクラッチプレート4の摺動面40に接触しているものの、第2突出部502の頂部502aと摺動面40との間には間隙Cが形成されている。これにより、仮に第1突出部501及び第2突出部502の突出高さが同じである場合は第1突出部501及び第2突出部502が共に摺動面40に接触するが、本実施の形態では、第1突出部501のみがアウタクラッチプレート4に接触するので、電磁クラッチ装置1の非動作状態におけるインナクラッチプレート5とアウタクラッチプレート4との接触面積が減ぜられる。すなわち、インナクラッチプレート5に突出高さが異なる複数の第1突出部501及び第2突出部502を設けることで、引き摺りトルクの低減が図られている。
(実施の形態の作用及び効果)
以上説明した実施の形態に係る電磁クラッチ装置1及びインナクラッチプレート5によれば、インナクラッチプレート5が軸方向の突出高さが異なる第1突出部501及び第2突出部502を有しているので、例えば複数の突出部の突出高さが全て同じ場合に比較して、電磁クラッチ装置1の非動作状態におけるアウタクラッチプレート4の摺動面40とインナクラッチプレート5の摺動面50との接触面積を減少させることができる。すなわち、引き摺りトルクの低減効果を向上させることができる。また、インナクラッチプレート5が電磁クラッチ装置1の動作状態で平坦化して所定の接触面積にする弾性を有しているので、アウタクラッチプレート4から離隔するための手段として皿バネ等の部品が不要となり、部品点数の削減を図ることができる。
(変形例)
次に、本実施の形態の変形例に係る電磁クラッチ装置のクラッチプレートについて、図8を参照して説明する。図8は、変形例に係るインナクラッチプレート5Aの構成例を示す端面図であり、図4(a)に示すA−A線と同様の切断線で切った場合の端面図である。
変形例に係る電磁クラッチ装置は、そのインナクラッチプレート5Aの形状が本実施の形態に係るインナクラッチプレート5の形状と異なる他、その他の構成について本実施の形態に係る電磁クラッチ装置1と同様である。すなわち、変形例に係るインナクラッチプレート5Aは、周方向の全体がウェーブ状に湾曲して形成されている。
より詳細には、本実施の形態に係るインナクラッチプレート5の第1突出部501及び第2突出部502が軸方向の一方(摺動面50からアウタクラッチプレート4の摺動面40に対向する方向)にのみ突出していたのに対し、変形例に係るインナクラッチプレート5Aは、軸方向の一方に突出する複数の第1突出部501及び複数の第2突出部502と、軸方向の他方に突出する複数の第3突出部503及び複数の第4突出部504とを有している。
図8では、インナクラッチプレート5Aの複数の第1突出部501の頂部501aに交差する仮想面S、複数の第3突出部503の頂部503aに交差する仮想面Sを二点鎖線で示し、及び仮想面S及び仮想面Sに平行でかつ仮想面S及び仮想面Sと等距離にある仮想面Sを一点鎖線で示している。第2突出部502は仮想面Sと仮想面Sの間に、第4突出部504は仮想面Sと仮想面Sの間に、それぞれ位置している。仮想面Sは、インナクラッチプレート5Aを厚み方向(軸方向)に二等分する面である。
換言すれば、インナクラッチプレート5Aには、アウタクラッチプレート4側から軸方向に見た場合に、手前側に膨出する第1突出部501及び第2突出部502と、奥側(アーマチャ62側)に窪んだ第3突出部503及び第4突出部504とが交互に連続して形成されており、インナクラッチプレート5Aは全体としてウェーブ状に形成されている。
第1突出部501及び第3突出部503は、その突出方向が異なる以外は同様の形状及び寸法構成であり、その突出高さが同じである。同様に、第2突出部502及び第4突出部504は、その突出方向が異なる以外は同様の形状及び寸法構成であり、その突出高さが同じである。つまり、第3突出部503の突出高さをhとし、第4突出部504の突出高さをhとすると、例えば、hはhの0.5倍〜2.0倍となる寸法構成である。
本変形例によれば、インナクラッチプレート5Aが周方向に突出高さがそれぞれ異なる第1及び第3突出部501,503と、第2及び第4突出部502,504とを有しているので、本実施の形態と同様の作用及び効果を得ることができる。
(付記)
以上、本発明を本実施の形態に基づいて説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
また、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。本実施の形態では、電磁クラッチ装置1が電磁ブレーキとして機能する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えばハウジング2がシャフト3に対して同軸上で相対回転可能な回転体であり、ハウジング2の回転力をアウタクラッチプレート4及びインナクラッチプレート5を介してシャフト3へトルク伝達可能な駆動力伝達装置として機能させてもよい。
また、本実施の形態では、インナクラッチプレート5に第1突出部501及び第2突出部502が形成されていたが、これに限定されるものではなく、インナクラッチプレート5あるいはアウタクラッチプレート4の何れか一方に第1突出部501及び第2突出部502が形成されていればよい。つまり、アウタクラッチプレート4の摺動面40に第1突出部501及び第2突出部502が形成されていてもよい。この場合、インナクラッチプレート5は平坦状となる。
またさらに、本実施の形態では、インナクラッチプレート5の第1突出部501及び第2突出部502がそれぞれ2箇所ずつ形成されていたが、第1突出部501及び第2突出部502の個数は限定されるものではなく、例えば3箇所ずつ形成されていてもよい。
また、本実施の形態では、第1突出部501及び第2突出部502が側面視で径方向に平行な平坦面に形成されていたが、これに限定されず、例えば、径方向に沿って傾斜した傾斜面であってもよい。より詳細に述べると、例えば第1突出部501及び第2突出部502が径方向の内側から外側に向かって徐々に突出高さが高くなるように傾斜している場合、電磁クラッチ装置1の非動作状態において(図7(b)参照)、第1突出部501及び第2突出部502は、径方向の外側における端面のみがアウタクラッチプレート4の摺動面40と接触することになるので、第1突出部501及び第2突出部502の全体がアウタクラッチプレート4の摺動面40と接触する本実施の形態に比較して、インナクラッチプレート5とアウタクラッチプレート4との接触面積を更に減ずることができる。
1…電磁クラッチ装置、2…ハウジング、2a…収容空間、3…シャフト、4…アウタクラッチプレート、4a…係合突起、5…インナクラッチプレート、5a…係合突起、6…押圧機構、11…軸受、12…シール部材、13…Oリング、14…蓋部材、14a…挿通孔、15…Oリング、18…スナップリング、20…円筒部、21…フランジ部、21a…ボルト挿通孔、31…大径部、31a…スプライン係合部、32…小径部、33…中径部、40…摺動面、40a…スリット、40b…微細溝、50,50A…摺動面、50a…スリット、50b…油溝、50B…端面、60…電磁コイル、61…磁路形成部材、61a…環状空間、62…アーマチャ、62a…係合突起、103…中径部、111…外輪、112…内輪、113…転動体、201…大径筒部、201a…スプライン係合部、202…小径筒部、311…係合突起、500…平坦部、501…第1突出部、501a…頂部、502…第2突出部、502a…頂部、503…第3突出部、503a…頂部、504…第4突出部、504a…頂部、600…巻線、601…保持部、602…突部、611…第1環状部材、612…第2環状部材、613…第3環状部材、620…窪部、700…シース、701…電線

Claims (4)

  1. 内部に収容空間が形成されたハウジング部材と、
    前記ハウジング部材に対して相対回転可能な回転部材と、
    前記ハウジング部材に対して軸方向移動可能かつ相対回転不能に連結された第1摩擦板と、
    前記回転部材に対して軸方向移動可能かつ相対回転不能に連結された第2摩擦板と、
    前記第1摩擦板と前記第2摩擦板とを摩擦接触させる押圧力を発生する押圧機構とを備え、
    前記第1摩擦板又は前記第2摩擦板のいずれか一方の摩擦板には、周方向に湾曲して軸方向の突出高さが異なる複数の突出部が形成され、
    前記押圧力が発生したとき、前記複数の突出部が前記押圧機構の前記押圧力によって平坦化して他方の摩擦板に接触すると共に、前記押圧力が発生していないときには、前記複数の突出部のうち突出高さが比較的低い一部の突出部が他方の摩擦板と非接触状態にある、
    摩擦係合装置。
  2. 前記複数の突出部は、第1の高さを有する複数の第1の突出部、及び前記第1の高さより低い第2の高さを有する複数の第2の突出部からなり、
    前記複数の第1の突出部と前記複数の第2の突出部とが、周方向に交互に形成されている、
    請求項1に記載の摩擦係合装置。
  3. 前記第1摩擦板及び前記第2摩擦板は軟磁性体からなり、
    前記押圧機構は、電磁コイルと、前記電磁コイルの電磁力により軸方向移動するアーマチャとを有し、
    前記電磁コイルへの通電により発生する磁束が前記第1摩擦板及び前記第2摩擦板を通過する、
    請求項1又は2に記載の摩擦係合装置。
  4. 周方向に湾曲して軸方向の突出高さが異なる複数の突出部が形成された摩擦板。
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