JP2016183877A - レーザレーダ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】筐体窓に付着した汚れを精度よく検出することが可能になるレーザレーダ装置を提供する。【解決手段】筐体11に取り付けられている筐体窓を備え、筐体窓からレーザ光を走査しつつ照射するレーザレーダ装置1であって、筐体窓上の点がレーザレーダ装置1の外部の固定点に対して相対移動するように筐体窓を移動させる回転装置2を備える。筐体11が移動すると、外部物体は筐体11を基準とする角度が変化する。これに対して、筐体窓に付着した汚れは、筐体11が回転移動しても、筐体11を基準とする角度は変化しない。したがって、筐体11の回転移動前のデータと、筐体11の回転移動後のデータとを比較することで、筐体窓に付着した汚れを精度よく検出することができる。【選択図】図6
Description
本発明は、レーザレーダ装置に関し、特に、このレーザレーダ装置が備える窓に付着する汚れを検知する技術に関する。
レーザレーダ装置は、レーザ光を外部に照射し、照射したレーザ光が外部の物体で反射して生じた反射光を受光する。以下では、レーザレーダ装置が照射するレーザ光を、そのレーザ光を物体が反射して生じた反射光と区別するために、照射光と記載することもある。レーザレーダ装置は、照射光を照射してから反射光を受光するまでの時間と光速とから、物体までの距離を算出する。
レーザレーダ装置は装置全体が筐体に覆われており、筐体の一部に、照射光や反射光を通過させつつ、内部の部品を保護する光透過性の筐体窓が設けられる。筐体窓に汚れが付着すると、この汚れにより照射光が反射されて生じた反射光を受光部が受光し、その反射光に基づいて距離を算出してしまう可能性がある。
筐体窓に付着した汚れで反射して生じた反射光に基づいて距離を算出してしまうと、実際には存在していない物体についての距離を算出してしまうことになる。
そこで、筐体窓に汚れが付着しているか否かを判定する技術が知られている。たとえば、特許文献1では、計測時間が所定計測時間よりも短く、かつ、所定の受光強度以上であった場合に、汚れと判断する。
筐体窓に物体が近接した場合、その物体からの反射光を受光するまでの時間と、筐体窓に付着した汚れからの反射光を受光するまでの時間とがほぼ等しくなる。また、筐体窓に近接した物体からの反射光の受光強度は高い場合が多いと考えられる。したがって、特許文献1の技術では、筐体窓に物体が近接した場合には、その物体を汚れと誤判断してしまう恐れがあった。
本発明は、この事情に基づいて成されたものであり、その目的とするところは、筐体窓に付着した汚れを精度よく検出することが可能になるレーザレーダ装置を提供することにある。
上記目的は独立請求項に記載の特徴の組み合わせにより達成され、また、下位請求項は、発明の更なる有利な具体例を規定する。特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
上記目的を達成するための本発明は、筐体(11)に取り付けられている筐体窓(12、212)を備え、筐体窓からレーザ光を走査しつつ照射するレーザレーダ装置(1、100、200)であって、筐体窓上の点がレーザレーダ装置の外部の固定点に対して相対移動するように、筐体窓を移動させる移動装置(2、102、202)を備えることを特徴とする。
レーザレーダ装置が計測した距離が、筐体窓までの距離に近い距離である場合、筐体窓が汚れており、その汚れまでの距離を計測した可能性がある。しかし、筐体窓に近接した位置に存在している外部物体の距離を計測している可能性もある。
ここで、仮にその距離を計測した方向の筐体窓が汚れており、かつ、同じ方向に筐体窓に近接して外部物体が存在している場合を考える。
移動装置により、筐体窓上の点が装置外部の固定点に対して相対移動するように筐体窓を移動させると、筐体窓に付着している汚れと筐体窓に近接した位置に存在している外部物体の相対位置も変化することになる。
すなわち、レーザレーダ装置が筐体窓までの距離に近い距離であることを計測した物体が筐体窓の汚れである場合と、その物体が筐体窓に近接した位置に存在する外部物体である場合とで、移動装置により筐体窓を移動させる前と後の位置変化が異なる。
したがって、移動装置により、筐体窓上の点と装置外部の固定点とが相対移動する方向に筐体窓を移動させ、移動前後でレーザレーダ装置が計測した計測データを比較すれば、筐体窓に付着した汚れを精度よく検出することが可能になる。
上記移動装置は、請求項2記載のように、レーザレーダ装置の筐体を移動させることにより、筐体窓上の点と装置外部の固定点とを相対移動させる装置とすることができる。
また、その場合、請求項3記載のように、移動装置は、筐体を回転移動させる装置とすることができる。
さらに、その場合、請求項4記載のように、移動装置は、筐体を、上下方向軸(2C)周りに回転移動させる装置とすることができる。
請求項5記載の発明では、移動装置の上下方向軸は、レーザ光の走査基点からずれた位置にある。
このようにすれば、移動装置により、筐体が上下方向軸周りに回転移動させられると、レーザ光の走査基点の位置が変化する。レーザ光の走査基点の位置が変化すると、ある外部物体により遮られて、その外部物体よりも遠方に位置する別の外部物体を検出できない範囲である遮蔽範囲が変化する。したがって、移動装置による筐体の回転移動の前および後の両方において同じ外部物体により遮られて、その外部物体よりも遠方に位置する別の外部物体を検出できない範囲を、移動装置による筐体の回転移動の前と後のそれぞれの遮蔽範囲よりも小さくできる。
また、請求項6記載のように、移動装置は、筐体を、筐体に対して左右方向となる軸周りに回転移動させる装置でもよい。
また、請求項7記載のように、移動装置は、筐体を平行移動させる装置であってもよい。
請求項8記載の発明では、筐体窓(212)は、筐体に対して相対移動するようになっており、移動装置(202)は、筐体窓を筐体に対して相対移動させることにより、筐体窓上の点と装置外部の固定点とが相対移動する方向に、筐体窓を移動させる。このように、筐体窓を筐体に対して相対移動させてもよい。
請求項9記載の発明では、レーザレーダ装置は、レーザ光を、レーザレーダ装置の正面方向に対して左右方向に走査する装置であり、レーザ光を左右方向に走査するために、上下方向軸周りに回転する走査ミラー(34)と、上下方向に配置された回転軸(35a)を備え、走査ミラーを上下方向軸周りに回転させるモータ(35)と、を備え、移動装置は、モータの回転軸と一体回転するモータ側ギヤ(241)と、筐体窓に固定されて、筐体窓と一体回転する窓側ギヤ(242)と、モータ側ギヤと窓側ギヤとに噛み合う状態と、モータ側ギヤおよび窓側ギヤの少なくとも一方とは噛み合わない状態とが可能な可動ギヤ(221)を有するクラッチ機構(220)とを備えている。
本発明によれば、走査ミラーを回転させるモータを動力源として兼用して、筐体窓を駆動させることができる。
請求項10記載の発明では、クラッチ機構は、走査ミラーの回転方向とは逆方向に筐体窓を回転させる機構である。このようにすれば、走査ミラーの回転方向と同方向に筐体窓を回転させる機構に比較して、ギヤ数を少なくすることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(レーザレーダ装置1の外観)
レーザレーダ装置1は、図1に示すように、外観上で視認できる構成として、筐体11と、筐体窓12を備える。また、図1においては図示を省略しているが、レーザレーダ装置1は、図5に示す回転装置2も備える。
レーザレーダ装置1は、図1に示すように、外観上で視認できる構成として、筐体11と、筐体窓12を備える。また、図1においては図示を省略しているが、レーザレーダ装置1は、図5に示す回転装置2も備える。
筐体11は、縦長の柱状であり、上下方向の中央部に、筐体窓12が固定されている。筐体窓12は光透過性であり、この筐体窓12を通って、装置内部からレーザ光が装置外部へ照射される。また、装置外部へ照射されたレーザ光が外部物体で反射して生じた反射光も、この筐体窓12を通過する。
筐体11において筐体窓12の幅方向中央が、レーザレーダ装置1の正面方向である。本実施形態のレーザレーダ装置1は、この正面方向を基準として左右に90度ずつ、合計180度の範囲に渡り、レーザ光を、走査しつつ筐体窓12から照射する。筐体窓12はこのレーザ光の走査範囲よりも広い角度範囲に渡り形成されている。
図5(A)に示すように、筐体11は上面視において正面方向が略円弧状に湾曲した形状である。筐体窓12の形状も、筐体11の正面方向の形状に沿う形状である。すなわち、筐体窓12の形状は、水平断面形状が略円弧状である。
(レーザレーダ装置1の構成)
図2は、レーザレーダ装置1の構成を示すブロック図である。図2に示すように、筐体11の内部に収容されている内部構成として、投光部3、受光部4、制御回路5を備える。
図2は、レーザレーダ装置1の構成を示すブロック図である。図2に示すように、筐体11の内部に収容されている内部構成として、投光部3、受光部4、制御回路5を備える。
(投光部3の構成)
投光部3は、レーザ駆動回路31、レーザダイオード32、偏向ミラー33、走査ミラー34、レーザ走査モータ35、モータ駆動回路36、モータ角度センサ37を備える。
投光部3は、レーザ駆動回路31、レーザダイオード32、偏向ミラー33、走査ミラー34、レーザ走査モータ35、モータ駆動回路36、モータ角度センサ37を備える。
レーザ駆動回路31は、レーザダイオード32を駆動させる回路であり、レーザダイオード32を駆動させる信号をレーザダイオード32に出力する。また、レーザダイオード32を駆動させる信号を出力したことを示す信号を時間計測回路44に出力する。
レーザダイオード32は、光源であって、レーザ駆動回路31により駆動されて、パルス状のレーザ光を発生させる。偏向ミラー33は、レーザダイオード32が発生させたレーザ光を走査ミラー34の方向に反射する。走査ミラー34は、レーザ光を、筐体窓12を通して装置外部へ照射する。また、筐体窓12から入射した反射光を受光ミラー41に向けて反射する。
レーザ走査モータ35は、回転軸35aを備えている。この回転軸35aは、レーザレーダ装置1の上下方向に設置されている。回転軸35aの端には走査ミラー34の中心が固定されている。回転軸35aが上下方向に設置されているので、回転軸35aが回転することで、走査ミラー34は、レーザ光を水平方向に対して一定の仰俯角で左右方向に走査しつつ、装置外部へ照射する。
モータ駆動回路36は、レーザ走査モータ35を駆動させる回路である。モータ角度センサ37は、レーザ走査モータ35の回転角度を検出して、検出した回転角度を制御回路5へ出力する。
(受光部4の構成)
受光部4は、受光ミラー41、フォトダイオード42、受光回路43、時間計測回路44を備える。受光ミラー41は、走査ミラー34が反射した反射光をフォトダイオード42に向けて反射する。フォトダイオード42は、受光ミラー41が反射した反射光を受光し、受光量を示す受光信号を受光回路43に出力する。受光回路43は、受光信号を増幅して時間計測回路44に出力する。
受光部4は、受光ミラー41、フォトダイオード42、受光回路43、時間計測回路44を備える。受光ミラー41は、走査ミラー34が反射した反射光をフォトダイオード42に向けて反射する。フォトダイオード42は、受光ミラー41が反射した反射光を受光し、受光量を示す受光信号を受光回路43に出力する。受光回路43は、受光信号を増幅して時間計測回路44に出力する。
時間計測回路44は、レーザ駆動回路31がレーザダイオード32を駆動させる信号を出力してから、受光回路43から取得する受信信号が所定の閾値を超えるまでの時間を計測する。
(制御回路5の概要)
制御回路5は、レーザ駆動回路31に、レーザダイオード32を駆動させることを指示する信号を出力する。また、モータ角度センサ37から逐次取得するレーザ走査モータ35の回転角度に基づいて、モータ駆動回路36に、レーザ走査モータ35を駆動することを指示する信号を出力する。さらに、時間計測回路44が計測した時間に基づいて物体までの距離を算出する。これらに加えて、制御回路5は、筐体窓12に汚れが付着しているか否かを判定する窓汚れ判定処理も実行する。この窓汚れ判定処理において、制御回路5は、回転装置2を制御する。窓汚れ判定処理を含む制御回路5の処理は図7、図8を用いて後述する。
制御回路5は、レーザ駆動回路31に、レーザダイオード32を駆動させることを指示する信号を出力する。また、モータ角度センサ37から逐次取得するレーザ走査モータ35の回転角度に基づいて、モータ駆動回路36に、レーザ走査モータ35を駆動することを指示する信号を出力する。さらに、時間計測回路44が計測した時間に基づいて物体までの距離を算出する。これらに加えて、制御回路5は、筐体窓12に汚れが付着しているか否かを判定する窓汚れ判定処理も実行する。この窓汚れ判定処理において、制御回路5は、回転装置2を制御する。窓汚れ判定処理を含む制御回路5の処理は図7、図8を用いて後述する。
(回転装置2の構成)
回転装置2は、請求項の移動装置に相当している。本実施形態の回転装置2は、回転機構21と、回転機構駆動部22と、回転機構駆動回路23とを備えている。回転機構21は、この回転装置2に固定された物体、すなわち、本実施形態では、筐体11を回転させる機械的機構である。回転機構駆動部22は、回転機構21を駆動させる部分であり、たとえば、モータである。回転機構駆動回路23は、制御回路5からの指示に従い、回転機構駆動部22を駆動させる駆動信号を回転機構駆動部22に出力する。
回転装置2は、請求項の移動装置に相当している。本実施形態の回転装置2は、回転機構21と、回転機構駆動部22と、回転機構駆動回路23とを備えている。回転機構21は、この回転装置2に固定された物体、すなわち、本実施形態では、筐体11を回転させる機械的機構である。回転機構駆動部22は、回転機構21を駆動させる部分であり、たとえば、モータである。回転機構駆動回路23は、制御回路5からの指示に従い、回転機構駆動部22を駆動させる駆動信号を回転機構駆動部22に出力する。
本実施形態の回転装置2は、図5に示すように、筐体11の裏側面11aに固定されるとともに、屋外に露出している壁6に固定されている。なお、筐体11の裏側面11aは、筐体11の側面において、筐体窓12が設けられている側である正面方向とは反対側の面である。裏側面11aは、回転装置2が取り付けられるように平面になっている。
図5には、回転装置2の回転軸2Cも示している。図5に示すように、回転装置2は、回転軸2Cが上下方向軸となるように壁6に固定されている。また、筐体11は、長手方向が上下方向となるように、回転装置2に固定されている。これにより、レーザ光が、筐体窓12から正面方向を走査中心として、左右方向に所定の角度範囲で、水平方向に対して一定の仰俯角で装置外部へ照射される。
回転装置2は、回転軸2Cを回転中心として筐体11を回転させる。これに対して、レーザ光の走査角度の基点は、筐体11に収容されている走査ミラー34において、レーザ走査モータ35の回転軸35aの軸心上の点である。したがって、本実施形態では、筐体11の回転軸となる回転軸2Cは、レーザ光の走査基点からずれた位置にある。
(窓汚れ判定の概要)
レーザレーダ装置1は、屋外に露出している壁6に固定されているため、図3(A)に例示するように、筐体窓12に汚れ7が付着することも考えられる。汚れ7によりレーザ光が反射されてしまうと、汚れ7の方向にある外部物体を検出することができない。
レーザレーダ装置1は、屋外に露出している壁6に固定されているため、図3(A)に例示するように、筐体窓12に汚れ7が付着することも考えられる。汚れ7によりレーザ光が反射されてしまうと、汚れ7の方向にある外部物体を検出することができない。
図3(B)に示す図は、レーザレーダ装置1が検出する距離を概念的に示している。この図3(B)において、角度θ1から角度θ2までの範囲は、汚れ7までの距離、すなわち、筐体窓12までの距離を検出したことを示している。これに対して、角度θ0から角度θ1まで、および、角度θ2から角度θ3までの範囲は計測距離が最大値である。計測距離が最大値である場合、外部物体を検出していないことを意味する。
図3(B)に示すデータ、すなわち、角度θ0から角度θ1までの間において、筐体窓12までの距離を検出しただけでは、筐体窓12に汚れが付着していると判定することができない。図4(A)に示すように、外部物体の一例であるポール8が筐体窓12の付近に置かれた状態で静止している場合にも、図4(B)に示すように、角度θ1から角度θ2までの範囲で、筐体窓12までの距離に近似した距離を検出するからである。
そこで、本実施形態では、筐体窓12までの距離に近い距離を検出した場合には、回転装置2を用いて筐体11を回転させる。筐体11が回転すると、筐体窓12上の点(たとえば筐体窓12の正面であって上下方向中心の点)は、装置外部の固定点に対して相対移動する。
たとえば、図5に示すように、レーザレーダ装置1の正面にポール8が置かれている状態から、図6(A)に示すように、回転軸2Cを回転中心として、筐体11を所定角度αだけ回転させる。この図6(A)からも分かるように、筐体11を所定角度αだけ回転させることにより、ポール8が存在する角度は、筐体窓12の正面方向からα度ずれた角度となる。これにより、図6(B)に示すように、レーザレーダ装置1が筐体窓12までの距離に近似した距離を検出する角度範囲も、筐体11の回転前は、角度θ1から角度θ2であったのに対して、筐体11の回転後は、角度θ4から角度θ5までの範囲に変化する。
これに対して、筐体窓12に汚れ7が付着している場合、筐体11を回転させても、筐体窓12までの距離に近似した距離を検出する角度範囲は変化しない。したがって、筐体11を回転させる前後において、筐体窓12までの距離に近似した距離を検出する角度範囲が移動するかどうかにより、筐体窓12に汚れ7が付着しているかどうかを判定することができる。
(制御回路5の処理)
制御回路5は、図7に示す処理を周期的に実行する。ステップS1では、レーザ光を走査範囲の全範囲に渡って走査して、走査範囲、すなわち監視範囲の全範囲に渡り、所定の角度毎に物体までの距離を計測する。
制御回路5は、図7に示す処理を周期的に実行する。ステップS1では、レーザ光を走査範囲の全範囲に渡って走査して、走査範囲、すなわち監視範囲の全範囲に渡り、所定の角度毎に物体までの距離を計測する。
ステップS2では、ステップS1で計測した距離計測データに、筐体窓12までの距離に近い距離があるか否かを判断する。筐体窓12までの距離に対してどの程度までの距離を、筐体窓12までの距離に近い距離とするかは、距離計測誤差等を考慮して予め設定しておく。
ステップS2の判断がNOであればステップS3を実行せずにステップS4に進む。一方、ステップS2の判断がYESであればステップS3に進む。
ステップS3では、窓汚れ判定処理を実行する。この窓汚れ判定処理は、図8に示す処理である。図8において、ステップS31では、ステップS1で計測した計測データを、制御回路5が備えるRAMなど、所定の記憶部に記憶する。以下では、このステップS31で記憶したデータをデータ1とする。
ステップS32では、回転装置2を駆動して、筐体11の正面方向の角度が所定の汚れ判定角度となるまで、筐体11を回転させる。この汚れ判定角度は、回転装置2を駆動する前の筐体11の正面方向の角度を基準とした角度である。このステップS32を実行すると、図6(A)に示すように、筐体11の正面方向が、回転装置2を駆動する前の筐体11の正面方向に対して変化する。
ステップS33では、ステップS1と同様にして、監視範囲の全範囲に渡り、所定の角度毎に物体までの距離を計測する。
ステップS34では、ステップS33で計測した計測データを記憶する。以下では、このステップS34で記憶したデータをデータ2とする。
ステップS35では、データ1とデータ2を比較する。ステップS36では、ステップS35でデータ1とデータ2を比較した結果、筐体窓12までの距離に近い距離を検出した角度範囲が変化していないかどうかを判断する。
この判断がNO、すなわち、筐体窓12までの距離に近い距離を検出した角度範囲が変化していれば、図6を用いて説明したように、検出している物体は外部物体であると考えることができる。ステップS36の判断がNOであればステップS37以下を実行することなく、汚れ判定処理を終了する。
一方、ステップS36の判断がYES、すなわち、筐体窓12までの距離に近い距離を検出した角度範囲が変化していなければ、検出している物体は筐体窓12に付着した汚れであると考えられる。そこで、ステップS36の判断がYESになった場合には、ステップS37に進み、筐体窓12が汚れていることを通知する。
通知する態様は特に制限はない。たとえば、レーザレーダ装置1に、窓汚れ通知用の表示器を備えておき、その表示器に窓汚れを検知したことを示す表示を行う態様がある。また、レーザレーダ装置1から、窓汚れを検知したことを示す音を出力してもよい。あるいは、遠隔的に備えられている端末に、無線あるいは有線により、窓汚れを検知したことを示す信号を送信し、その端末から窓汚れを検知したことを示す表示や音を出力してもよい。
ステップS38では、窓汚れを検知した角度範囲を監視範囲から除外する。ステップS39では、回転装置2を駆動して、筐体11の正面方向の角度を通常角度、すなわち、回転装置2の回転機構21の角度が所定の初期位置となっている角度とする。この通常角度は、ステップS32を実行する前の角度である。
説明を図7に戻す。ステップS4では、監視範囲に物体を示すデータがあるか否かを判断する。なお、ステップS38を実行した場合には、ここでの監視範囲には、窓汚れを検知した角度範囲は含まれない。物体を示すデータとは、計測距離の最大値よりも小さい距離を示すデータを意味する。
監視範囲に物体を示すデータがあると判断した場合(S4:YES)には、ステップS5に進む。ステップS5では、物体を検知したことを通知する。その後、ステップS1に戻る。また、監視範囲に物体を示すデータがないと判断した場合(S4:NO)には、ステップS5を実行せずに、ステップS1に戻る。
(第1実施形態のまとめ)
以上、説明した第1実施形態では、監視範囲の全範囲に渡って計測した距離計測データに、筐体窓12までの距離に近い距離があると判断した場合(S2:YES)、筐体窓12に汚れがあるかどうかを判定する窓汚れ判定処理(S3)を実行する。
以上、説明した第1実施形態では、監視範囲の全範囲に渡って計測した距離計測データに、筐体窓12までの距離に近い距離があると判断した場合(S2:YES)、筐体窓12に汚れがあるかどうかを判定する窓汚れ判定処理(S3)を実行する。
窓汚れ判定処理では、回転装置2により、上下方向の軸である回転装置2の回転軸2Cを回転中心として、筐体11を回転移動させる。これにより、筐体11に取り付けられている筐体窓12も回転軸2Cを回転中心として回転移動する。
筐体11が回転移動すると、図6を用いて説明したように、外部物体であるポール8は、筐体11を基準とする角度が変化する。これに対して、筐体窓12に付着した汚れ7は、筐体11が回転移動しても、筐体11を基準とする角度は変化しない。したがって、ステップS36において、筐体11の回転移動前のデータであるデータ1と、筐体11の回転移動後のデータであるデータ2とを比較することで、筐体窓12に付着した汚れを精度よく検出することができる。
また、本実施形態では、回転装置2の回転軸2Cが、レーザ光の走査基点である走査ミラー34の中心点からずれた位置にある。したがって、回転装置2により筐体11を回転させると、走査ミラー34の中心点の位置が変化する。
走査ミラー34の中心点の位置が変化することで、ある外部物体により、その外部物体よりも遠方に存在する別の外部物体の検出が阻害されてしまう程度を軽減できるという効果も奏する。
この効果を、この図9を用いて具体的に説明する。図9(A)は、レーザレーダ装置1の正面においてレーザレーダ装置1に近接して外部物体9が位置している状態を示している。この状態では、外部物体9によりレーザ光が遮られることにより、物体を検出することができない遮蔽範囲60が、外部物体9の後方に生じる。この遮蔽範囲60は、回転移動前の走査ミラー34の中心点34c1と外部物体9の端とを通る2本の線分により挟まれる角度範囲であって、外部物体9よりもレーザレーダ装置1から遠い範囲である。
図9(B)は、回転装置2により筐体11を回転移動させた状態であり、外部物体9の位置は、図9(A)と同じである。筐体11が回転移動することで、回転移動後の走査ミラー34の中心点34c2は、回転移動前の走査ミラー34の中心点34c1から移動する。回転移動後の遮蔽範囲61は、回転移動後の走査ミラー34の中心点34c2と外部物体9の端とを通る2本の線分により挟まれる角度範囲であって、外部物体9よりもレーザレーダ装置1から遠い範囲である。
図9(B)に示すように、回転移動前後でいずれも検知不能となっている遮蔽範囲62は、回転移動前の遮蔽範囲60、および、回転移動後の遮蔽範囲61のいずれよりも狭い。このことから、外部物体9よりも遠方に存在する別の外部物体の検出が阻害されてしまう程度を軽減できることが分かる。
なお、このように、筐体11を移動させると、ある外部物体により生じる死角を軽減することができるので、筐体11を移動させる図7のステップS3の処理は、死角軽減処理と考えることもできる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態を説明する。この第2実施形態以下の説明において、それまでに使用した符号と同一番号の符号を有する要素は、特に言及する場合を除き、それ以前の実施形態における同一符号の要素と同一である。また、構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分については先に説明した実施形態を適用できる。
次に、第2実施形態を説明する。この第2実施形態以下の説明において、それまでに使用した符号と同一番号の符号を有する要素は、特に言及する場合を除き、それ以前の実施形態における同一符号の要素と同一である。また、構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分については先に説明した実施形態を適用できる。
図10に第2実施形態のレーザレーダ装置100の外観を示す。レーザレーダ装置100は、第1実施形態のレーザレーダ装置1と同じ筐体11を備える。筐体11の内部構成も第1実施形態と同じである。
第2実施形態のレーザレーダ装置100は、第1実施形態の回転装置2に代えて回転装置102を備える。この回転装置102は、回転軸102Cの方向が、第1実施形態の回転装置2と異なる。具体的には、回転軸102Cは、筐体窓12の正面方向、換言すれば、レーザ光の照射方向の中心に対して、左右方向となる軸である。回転軸102Cの向きは第1実施形態の回転軸2Cと異なるが、壁6に固定されていること、筐体11の裏側面11aに固定されていること、筐体11をその長手方向が上下方向になるように固定していることは、第1実施形態と同じである。
回転装置102を作動させると、筐体11が回転軸102Cを回転中心として回転する。これにより、筐体11に取り付けられている筐体窓12も回転移動するので、筐体窓12上の点は、装置外部の固定点に対して相対移動する。
図11は、回転装置102を作動させて、筐体11を、通常角度に対して回転させた状態である。図10と図11の比較から分かるように、回転装置102により筐体11を回転させると、筐体11の正面方向は、通常角度となっている筐体11の正面方向に対して仰俯角方向に変化する。
図10には、第1実施形態と同じ位置にポール8が位置している。筐体11の正面方向が仰俯角方向が変化することにより、角度変化前と同じ位置に存在しているポール8までの距離が変化する。図10、図11の例では、正面方向に存在するポール8までの距離は、図11の方が長くなっている。また、同じ物体でも、距離が遠くなると、物体が存在する角度範囲は狭くなる。
図12は、図10と図11の状態でそれぞれレーザレーダ装置100が検出する距離を示している。なお、図12において、r軸は、図示の便宜上、レーザレーダ装置100を通っていないが、距離rは回転座標系での距離である。
図10の状態では、角度θ1からθ2までの範囲で、ほぼ筐体窓12までの距離である距離r1に物体が存在することを検出する。これに対して、図11の状態では、r1よりも大きい距離r2を検出する。なお、この距離r2を検出する角度は、角度θ1、θ2よりも、それぞれβだけ正面方向寄りの角度θ6から角度θ7の間となる。
このように、左右方向の回転軸102Cを備える回転装置102により筐体11を回転させる場合には、同じ位置にあるポール8であっても、筐体11の回転により、距離が変化する。したがって、第2実施形態では、筐体11の回転により、物体までの距離が変化するかどうかを判定する。
図13は、第2実施形態において制御回路5が実行する汚れ判定処理を示している。第2実施形態でも、制御回路5は図7の処理を実行する。第2実施形態では、この図7のステップS3において、図13に示す汚れ判定処理を実行する。
図13に示す汚れ判定処理は、図8のステップS36に代えてステップS36Aを実行する点が第1実施形態の汚れ判定処理と異なる。それ以外のステップは図8と同じである。
ステップS36Aでは、ステップS35でデータ1とデータ2を比較した結果、データ1において筐体窓12までの距離に近い距離を検出した角度について、データ2の距離がデータ1の距離から変化していないかどうかを判断する。
この判断がNO、すなわち、データ1とデータ2で距離が変化していれば、図12を用いて説明したように、検出している物体は外部物体であると考えることができる。ステップS36Aの判断がNOであればステップS37以下を実行することなく、汚れ判定処理を終了する。
一方、ステップS36Aの判断がYES、すなわち、データ1とデータ2で距離が変化していなければ、検出している物体は筐体窓12に付着した汚れであると考えられる。そこで、ステップS36Aの判断がYESになった場合にはステップS37に進み、筐体窓12が汚れていることを通知する。
このように、回転装置102の回転軸102Cが左右方向であっても、筐体11の回転移動前のデータであるデータ1と、筐体11の回転移動後のデータであるデータ2とを比較することで、筐体窓12に付着した汚れを精度よく検出することができる。
<第3実施形態>
図14は、第3実施形態のレーザレーダ装置200の構成を示すブロック図である。第3実施形態のレーザレーダ装置200は、筐体11の外には、第1実施形態や第2実施形態のレーザレーダ装置1、100が備えていたような回転装置2、102を備えていない。
図14は、第3実施形態のレーザレーダ装置200の構成を示すブロック図である。第3実施形態のレーザレーダ装置200は、筐体11の外には、第1実施形態や第2実施形態のレーザレーダ装置1、100が備えていたような回転装置2、102を備えていない。
代わりに、回転装置として、筐体窓212を回転させる窓回転装置202を備える。この窓回転装置202は、図14に示すクラッチ機構220と、動力伝達制御部230と、図15に示すモータ側ギヤ241、窓側ギヤ242を備える。また、本実施形態の筐体窓212は、モータ側ギヤ241を回転中心として、回転可能に構成されている。
筐体11には、窓回転装置202以外に、これまでの実施形態と同じ構成も備えられている。したがって、このレーザレーダ装置200も、正面方向に対して左右方向にレーザ光を走査する。
まず、窓回転装置202の機械的構成を説明する。モータ側ギヤ241は、レーザ走査モータ35の回転軸35aの軸方向の少なくとも一部において、その回転軸35aの外周に設けられ、回転軸35aと一体回転する。
モータ側ギヤ241がレーザ走査モータ35の回転軸35aと一体回転することから、レーザ走査モータ35が駆動することにより、モータ側ギヤ241も回転する。このモータ側ギヤ241は、図15に示すように、外周面がギヤ形状となっている。
クラッチ機構220は、可動ギヤ221と、常時噛み合いギヤ222とを備えている。可動ギヤ221は、その軸方向に移動可能に構成されている。なお、可動ギヤ221は、ギヤ径が、軸方向の一方から他方に向かい連続的に変化するテーパ状でもよいし、軸方向位置によらずギヤ径が一定でもよい。可動ギヤ221は、軸方向に移動させられることにより、窓側ギヤ242およびモータ側ギヤ241と噛み合う状態と、それら窓側ギヤ242およびモータ側ギヤ241と噛み合わない状態とが可能である。
常時噛み合いギヤ222は、窓側ギヤ242と常時噛み合っている。窓側ギヤ242は、内歯車であり、筐体窓212においてレーザ光が通過する範囲ではない部分に固定されている。したがって、図16に示すように、可動ギヤ221が、常時噛み合いギヤ222およびモータ側ギヤ241と噛み合った状態では、モータ側ギヤ241の回転が窓側ギヤ242に伝達され、筐体窓212が回転する。筐体窓212が回転する方向は、図16から分かるように、モータ側ギヤ241の回転方向と同方向である。
図14に示している動力伝達制御部230は、たとえば、ソレノイドアクチュエータを備えた構成である。動力伝達制御部230は、制御回路5からの指示に基づいて、可動ギヤ221を、窓側ギヤ242およびモータ側ギヤ241と噛み合う状態、あるいは、窓側ギヤ242およびモータ側ギヤ241と噛み合わない状態とする。
図17は、第3実施形態において制御回路5が実行する処理を示している。制御回路5は、監視範囲を監視する必要がある状態では、周期的にこの図17の処理を実行する。
ステップS101では、距離計測処理を行う。距離計測処理では、レーザ駆動回路31にレーザダイオード32を駆動させてレーザ光を出力させることを指示する信号を出力する。また、モータ駆動回路36に、一定速度で一定方向に走査ミラー34を回転させるように、レーザ走査モータ35を駆動させることを指示する信号も出力する。さらに、時間計測回路44から取得する時間に基づいて、物体までの距離を計測する。レーザ光は、走査ミラー34の回転角が所定角度変化する毎に行い、物体までの距離計測は、レーザ光を出力させる毎に行う。監視範囲の全範囲に渡り距離を計測したら、ステップS102に進む。
ステップS102では、いずれかの角度に、筐体窓212までの距離に近似した距離からの反射を意味する近距離反射があったか否かを判断する。この判断がNOであれば図17の処理を終了する。一方、ステップS102の判断がYESであればステップS103に進む。
ステップS103では、近距離反射が現れた角度を記憶する。ステップS104では、窓回転装置202の動力伝達制御部230に筐体窓212を回転させることを指示する信号の出力を開始する。
ステップS105では、筐体窓212が、予め設定されたα°回転したか否かを判断する。この判断がNOであれば、再びこのステップS105の判断を行う。一方、ステップS105の判断がYESになった場合には、ステップS106に進む。
ステップS106では、窓回転装置202の動力伝達制御部230に出力していた信号を停止する。ステップS107では、ステップS101と同じ距離計測処理を再び行う。ステップS108ではステップS103で記憶した角度にα°加算した角度に、近距離反射があったか否かを判断する。
この判断がYESであればステップS109に進み、筐体窓212が汚れていると判定する。一方、ステップS108の判断がNOであればステップS110に進み、筐体窓212は汚れていないと判定する。
図18は、筐体窓212の正面に汚れ207が付着している状態を示している。図18(A)は筐体窓212を回転させる前であり、(B)は筐体窓212をα°回転させた後の状態である。図18(A)、(B)から分かるように、筐体窓212に汚れ207が付着している場合、筐体窓212をα°回転させると、汚れ207による近距離反射が生じる角度は、筐体窓212を回転する前の角度を、筐体窓212の回転方向にα°進めた角度である。したがって、ステップS108の判断がYESである場合には、ステップS109に進み、筐体窓212が汚れていると判定するのである。
図19は、筐体窓212の正面に筐体窓212に近接して外部物体209が位置している状態を示している。図19(A)は筐体窓212を回転させる前であり、(B)は筐体窓212をα°回転させた後の状態である。図19(A)、(B)から分かるように、近距離反射の原因が外部物体209である場合、筐体窓212をα°回転させても、近距離反射が生じる角度は変化しない。したがって、ステップS108の判断がNOである場合には、ステップS110に進み、筐体窓212は汚れていないと判定するのである。
以上、説明したように、第3実施形態のように、筐体窓212を回転させることによっても、筐体窓212の回転移動前と回転移動後のデータを比較することで、筐体窓212に付着した汚れを精度よく検出することができる。
また、第3実施形態では、走査ミラー34を回転させるレーザ走査モータ35を動力源として兼用して、筐体窓212を駆動させることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、次の変形例も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。
<変形例1>
たとえば、第3実施形態のクラッチ機構220は、走査ミラー34の回転方向と同一方向に筐体窓212を回転させていた。しかし、これとは反対に、走査ミラー34の回転方向とは逆方向に筐体窓212を回転させる機構であってもよい。走査ミラー34の回転方向とは逆方向に筐体窓212を回転させる機構とする場合には、たとえば、前述のクラッチ機構220において、常時噛み合いギヤ222を備えず、可動ギヤ221がモータ側ギヤ241と窓側ギヤ242とに噛み合うようにすればよい。
たとえば、第3実施形態のクラッチ機構220は、走査ミラー34の回転方向と同一方向に筐体窓212を回転させていた。しかし、これとは反対に、走査ミラー34の回転方向とは逆方向に筐体窓212を回転させる機構であってもよい。走査ミラー34の回転方向とは逆方向に筐体窓212を回転させる機構とする場合には、たとえば、前述のクラッチ機構220において、常時噛み合いギヤ222を備えず、可動ギヤ221がモータ側ギヤ241と窓側ギヤ242とに噛み合うようにすればよい。
走査ミラー34の回転方向とは逆方向に筐体窓212を回転させる機構とする場合には、このように、ギヤの数を少なくすることができる。ギヤの数を少なくすることができれば、クラッチ機構の構成が簡素化するので、クラッチ機構の耐久性が向上し、また、コストも低減できる。
<変形例2>
第3実施形態では、近距離反射が現れた場合、筐体窓212を回転させていたが、近距離反射が現れるかどうかに関係なく、距離計測中は常時、筐体窓212を回転させていてもよい。筐体窓212を常時回転させていても、近距離反射が現れた角度にα°を加算した角度に近距離反射があるかどうかの判断は可能だからである。
第3実施形態では、近距離反射が現れた場合、筐体窓212を回転させていたが、近距離反射が現れるかどうかに関係なく、距離計測中は常時、筐体窓212を回転させていてもよい。筐体窓212を常時回転させていても、近距離反射が現れた角度にα°を加算した角度に近距離反射があるかどうかの判断は可能だからである。
<変形例3>
第1、第2実施形態のレーザレーダ装置1、100は、移動装置として回転装置2、102を備えていたが、筐体11を上下、あるいは、左右に平行移動させる移動装置を備えてもよい。
第1、第2実施形態のレーザレーダ装置1、100は、移動装置として回転装置2、102を備えていたが、筐体11を上下、あるいは、左右に平行移動させる移動装置を備えてもよい。
図20(A)に示すレーザレーダ装置300は、筐体11を左右に平行移動させる移動装置302を備えている。図20(A)は、図5(A)、図6(A)と同様、レーザレーダ装置300を上方から見た図である。また、図20(A)におけるレーザレーダ装置300は、移動装置302により筐体11が通常位置から移動させられた状態である。
通常位置は図示していないが、移動装置302の幅方向中央に筐体11が位置する状態である。また、ここでは、この通常状態において、図5(A)と同様、ポール8が筐体11の正面に置かれているとする。この通常状態では、図20(B)に示すように、レーザレーダ装置300は、角度θ1から角度θ2の範囲に、筐体窓12までの距離に近似した距離を検出する。
この通常状態から、移動装置302を駆動して筐体11を図20(A)の位置に移動させると、図20(A)に示すように、ポール8は、筐体11の正面に対して角度βずれた位置となる。したがって、図20(A)の状態では、レーザレーダ装置300は、図20(B)に示す角度θ8から角度θ9の範囲に、筐体窓12までの距離に近似した距離を検出する。
これに対して、仮に、通常状態において筐体窓12までの距離に近似した距離を検出した物体が筐体窓12の汚れであれば、図20(A)の位置に筐体11が移動しても、筐体窓12までの距離に近似した距離を検出する角度範囲は角度θ1からθ2となる。
よって、筐体11を左右に移動させることでも、筐体窓12までの距離に近似した距離にある物体が、外部物体であるか、筐体窓12に付着した汚れであるかを判断することができる。
また、筐体11を左右に移動させる場合も、筐体11を回転させる場合と同様、走査ミラー34の中心点の位置が変化する。したがって、ある外部物体により、その外部物体よりも遠方に存在する別の外部物体の検出が阻害されてしまう程度を軽減できるという効果を奏する。
筐体11を上下に移動させる移動装置は図示しないが、図4に示されているような、太さが一定である外部物体であって、かつ、その外部物体が筐体11の移動方向である上下方向に平行になっている場合を除き、外部物体であれば、第2実施形態と同様、検出距離が変化する。したがって、筐体11を上下に移動させる移動装置を用いても、筐体窓12までの距離に近似した距離にある物体が、外部物体であるか、筐体窓12に付着した汚れであるかを判断することができる。
<変形例4>
第1、第2実施形態の回転装置2、102は、筐体11の裏側面11aに固定されていたが、筐体11を載せる形式の回転装置を用いてもよい。
第1、第2実施形態の回転装置2、102は、筐体11の裏側面11aに固定されていたが、筐体11を載せる形式の回転装置を用いてもよい。
<変形例5>
第3実施形態では筐体窓212を回転移動させていたが、筐体窓を上下あるいは左右に平行移動させてもよい。
第3実施形態では筐体窓212を回転移動させていたが、筐体窓を上下あるいは左右に平行移動させてもよい。
1:レーザレーダ装置 2:回転装置 2C:回転軸 3:投光部 4:受光部 5:制御回路 6:壁 8:ポール 9:外部物体 11:筐体 11a:裏側面 12:筐体窓 21:回転機構 22:回転機構駆動部 23:回転機構駆動回路 31:レーザ駆動回路 32:レーザダイオード 33:偏向ミラー 34:走査ミラー 35:レーザ走査モータ 35a:回転軸 36:モータ駆動回路 37:モータ角度センサ 41:受光ミラー 42:フォトダイオード 43:受光回路 44:時間計測回路 60:遮蔽範囲 61:遮蔽範囲 62:遮蔽範囲 100:レーザレーダ装置 102:回転装置 102C:回転軸 200:レーザレーダ装置 202:窓回転装置 209:外部物体 212:筐体窓 220:クラッチ機構 221:可動ギヤ 222:常時噛み合いギヤ 230:動力伝達制御部 241:モータ側ギヤ 242:窓側ギヤ 300:レーザレーダ装置 302:移動装置
Claims (10)
- 筐体(11)に取り付けられている筐体窓(12、212)を備え、前記筐体窓からレーザ光を走査しつつ照射するレーザレーダ装置(1、100、200、300)であって、
前記筐体窓上の点が前記レーザレーダ装置の外部の固定点に対して相対移動するように、前記筐体窓を移動させる移動装置(2、102、202、302)を備えることを特徴とするレーザレーダ装置。 - 請求項1において、
前記移動装置(2、102、302)は、前記レーザレーダ装置の筐体を移動させることにより、前記筐体窓上の点と装置外部の固定点とを相対移動させる装置であることを特徴とするレーザレーダ装置。 - 請求項2において、
前記移動装置(2、102)は、前記筐体を回転移動させる装置であることを特徴とするレーザレーダ装置。 - 請求項3において、
前記移動装置(2)は、前記筐体を、上下方向軸(2C)周りに回転移動させる装置であることを特徴とするレーザレーダ装置。 - 請求項4において、
前記移動装置の前記上下方向軸は、前記レーザ光の走査基点からずれた位置にあることを特徴とするレーザレーダ装置。 - 請求項3において、
前記移動装置(102)は、前記筐体を、前記筐体に対して左右方向となる軸周りに回転移動させる装置であることを特徴とするレーザレーダ装置。 - 請求項2において、
前記移動装置(302)は、前記筐体を平行移動させる装置であることを特徴とするレーザレーダ装置。 - 請求項1において、
前記筐体窓(212)は、前記筐体に対して相対移動するようになっており、
前記移動装置(202)は、前記筐体窓を前記筐体に対して相対移動させることにより、前記筐体窓上の点と装置外部の固定点とが相対移動する方向に、前記筐体窓を移動させることを特徴とするレーザレーダ装置(200)。 - 請求項8において、
前記レーザレーダ装置は、前記レーザ光を、前記レーザレーダ装置の正面方向に対して左右方向に走査する装置であり、
前記レーザ光を前記左右方向に走査するために、上下方向軸周りに回転する走査ミラー(34)と、
上下方向に配置された回転軸(35a)を備え、前記走査ミラーを前記上下方向軸周りに回転させるモータ(35)と、を備え、
前記移動装置は、
前記モータの前記回転軸と一体回転するモータ側ギヤ(241)と、
前記筐体窓に固定されて、前記筐体窓と一体回転する窓側ギヤ(242)と、
前記モータ側ギヤと前記窓側ギヤとに噛み合う状態と、前記モータ側ギヤおよび前記窓側ギヤの少なくとも一方とは噛み合わない状態とが可能な可動ギヤ(221)を有するクラッチ機構(220)とを備えていることを特徴とするレーザレーダ装置。 - 請求項9において、
前記クラッチ機構は、前記走査ミラーの回転方向とは逆方向に前記筐体窓を回転させる機構であることを特徴とするレーザレーダ装置。
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