JP2016171625A - モータ、該モータを備えるモータ装置及び該モータ装置を備える洗濯機 - Google Patents
モータ、該モータを備えるモータ装置及び該モータ装置を備える洗濯機 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】低速高トルクと高速低トルクとの両方のN−T特性を実現する。
【解決手段】モータは、6相交流電圧が選択的に出力されると第1回転磁界を発生させ、かつ、3相交流電圧が選択的に出力されると第2回転磁界を発生させるステータと、ステータ内で所定の回転軸周りに回転するロータと、を備える。ロータは、円柱形状を有するロータコアと、ロータコアに回転軸周りに配置された第1磁石部と、ロータコアに回転軸周りに第1磁石部と異なる位置に配置された第2磁石部と、を有する。第1磁石部は、第1回転磁界と磁気的に結合する磁界を生成する。第2磁石部は、第2回転磁界と磁気的に結合する磁界を生成する。第1回転磁界は、ロータを第1トルクで回転させる。第2回転磁界は、ロータを第1トルクと異なる第2トルクで回転させる。
【選択図】図1
【解決手段】モータは、6相交流電圧が選択的に出力されると第1回転磁界を発生させ、かつ、3相交流電圧が選択的に出力されると第2回転磁界を発生させるステータと、ステータ内で所定の回転軸周りに回転するロータと、を備える。ロータは、円柱形状を有するロータコアと、ロータコアに回転軸周りに配置された第1磁石部と、ロータコアに回転軸周りに第1磁石部と異なる位置に配置された第2磁石部と、を有する。第1磁石部は、第1回転磁界と磁気的に結合する磁界を生成する。第2磁石部は、第2回転磁界と磁気的に結合する磁界を生成する。第1回転磁界は、ロータを第1トルクで回転させる。第2回転磁界は、ロータを第1トルクと異なる第2トルクで回転させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、モータ、該モータを備えるモータ装置及び該モータ装置を備える洗濯機に関するものである。
従来、低騒音及び低振動を図りつつ、出力トルクを増大するように構成されたモータが提案されている。例えば特許文献1に記載のモータは、ステータの外側に設けられた外側ロータと、ステータの内側に設けられた内側ロータとを備える。外側ロータと内側ロータとは、同一の回転軸に接続され、一体に回転するように構成されている。このような構成により、外側ロータの駆動力と内側ロータの駆動力とが加算されて、出力トルクの増大が図られている。
一方、近年では、回転速度とトルクとの関係を表すモータのN−T特性として、低速高トルクと高速低トルクとの両方のN−T特性を実現するモータが求められている。例えば電気自動車又はハイブリッド車等の車両を駆動するモータには、車両の発進時には低速高トルクの特性が求められ、車速が上昇すると高速低トルクの特性が求められる。また、例えば洗濯機のダイレクトドライブ方式のモータには、洗い工程又は濯ぎ工程では低速高トルクの特性が求められ、脱水工程では高速低トルクの特性が求められる。
しかしながら、上記特許文献1に記載のモータでは、低速高トルクと高速低トルクとの両方のN−T特性を実現するための構成については、十分に検討されていない。
本発明は、低速高トルクと高速低トルクとの両方のN−T特性を実現するモータ、該モータを備えるモータ装置及び該モータ装置を備える洗濯機を提供することを目的とする。
本発明の一態様のモータは、6相交流電圧が選択的に出力されると第1回転磁界を発生させ、かつ、3相交流電圧が選択的に出力されると第2回転磁界を発生させるステータと、前記ステータ内で所定の回転軸周りに回転するロータと、を備え、前記ロータは、円柱形状を有するロータコアと、前記ロータコアに前記回転軸周りに配置された第1磁石部と、前記ロータコアに前記回転軸周りに前記第1磁石部と異なる位置に配置された第2磁石部と、を有し、前記第1磁石部は、前記第1回転磁界と磁気的に結合する磁界を生成し、前記第2磁石部は、前記第2回転磁界と磁気的に結合する磁界を生成し、前記第1回転磁界は、前記ロータを第1トルクで回転させ、前記第2回転磁界は、前記ロータを前記第1トルクと異なる第2トルクで回転させるものである。
本態様では、ステータにおいて、6相交流電圧が選択的に出力されると第1回転磁界が発生し、3相交流電圧が選択的に出力されると第2回転磁界が発生する。第1回転磁界は、第1磁石部により生成される磁界と磁気的に結合し、ロータを第1トルクで回転させる。第2回転磁界は、第2磁石部により生成される磁界と磁気的に結合し、ロータを第1トルクと異なる第2トルクで回転させる。したがって、本態様によれば、第1トルクと第2トルクとの2種類のトルクでモータを回転させることができる。その結果、低速高トルクと高速低トルクとの両方のN−T特性を実現することが可能になる。
上記態様において、前記第1回転磁界は、前記ロータを第1トルク定数で回転させることにより前記第1トルクで回転させ、前記第2回転磁界は、前記ロータを第2トルク定数で回転させることにより前記第2トルクで回転させてもよい。
本態様では、第1回転磁界は、ロータを第1トルク定数で回転させることにより第1トルクで回転させる。第2回転磁界は、ロータを第2トルク定数で回転させることにより第2トルクで回転させる。したがって、本態様によれば、第1トルクと第2トルクとの2種類のトルクでモータを回転させることができる。
上記態様において、前記第1磁石部と前記第2磁石部とは、前記ロータコアの径方向において、異なる位置に配置されてもよい。
本態様では、第1磁石部と第2磁石部とは、ロータコアの周面に重ねて配置され、第1磁石部と第2磁石部との両方が、表面付着磁石構造を有してもよい。また、本態様では、第1磁石部と第2磁石部とのうち、一方がロータコアの周面に配置されて表面付着磁石構造を有し、他方がロータコアの内部に配置されて埋め込み磁石構造を有してもよい。
上記態様において、前記ロータコアは、第1磁性体部と、前記第1磁性体部に対し前記回転軸に沿って整列された第2磁性体部と、を有し、前記第1磁石部は、前記第1磁性体部に配置され、前記第2磁石部は、前記第2磁性体部に配置されてもよい。
本態様では、第1磁石部と第2磁石部とは、第1磁性体部と、第1磁性体部に対し回転軸に沿って整列された第2磁性体部とに、それぞれ配置される。したがって、第1磁石部及び第2磁石部の厚さが一定であれば、第1トルクの大きさは、第1磁石部の回転軸方向の長さに比例し、第2トルクの大きさは、第2磁石部の回転軸方向の長さに比例する。その結果、本態様によれば、第1トルクの大きさと第2トルクの大きさとの比率を容易に調整できる。
上記態様において、前記ロータは、前記第1磁性体部と前記第2磁性体部との間に配置された非磁性体をさらに有し、前記非磁性体は、前記第1磁石部と前記第2磁石部とに挟まれていてもよい。
本態様では、第1磁性体部と第2磁性体部との間に配置された非磁性体は、第1磁石部と第2磁石部とに挟まれている。したがって、第1磁石部及び第2磁石部により発生する各磁界が、それぞれ反対側に入り込むのが、非磁性体によって阻止される。その結果、磁界が乱れるのが防止される。
上記態様において、前記ステータは、前記3相交流電圧と前記6相交流電圧とが選択的に印加されるコイル部と、前記回転軸周りに形成され、前記コイル部を収容するスロット数Ns(Nsは6の倍数)のスロットと、を有し、前記第1磁石部は、前記回転軸周りに配置され、極数Np6(Np6は2の倍数)となる数の磁石を有し、前記第2磁石部は、前記回転軸周りに配置され、極数Np3(Np3は2の倍数)となる数の磁石を有し、前記極数Np6は、前記スロット数Nsの下で、前記第1回転磁界が前記ロータを回転させる値に設定され、前記極数Np3は、前記スロット数Nsの下で、前記第2回転磁界が前記ロータを回転させる値に設定されてもよい。
本態様では、第1磁石部の極数Np6は、スロット数Nsの下で、第1回転磁界がロータを回転させる値に設定される。第2磁石部の極数Np3は、スロット数Nsの下で、第2回転磁界がロータを回転させる値に設定される。このため、本態様によれば、第1トルクと第2トルクとの2種類のトルクで、それぞれモータを回転させることができる。
上記態様において、前記ステータは、前記3相交流電圧と前記6相交流電圧とが選択的に印加されるコイル部と、前記回転軸周りに形成され、前記コイル部を収容するスロット数Ns(Nsは6の倍数)のスロットと、を有し、前記第1磁石部は、前記回転軸周りに配置され、合計数が極数Np6(Np6は2の倍数)となる第1磁石及び第1磁性体を有し、前記第1磁性体の両隣には、前記第1磁石が配置され、前記第2磁石部は、前記回転軸周りに配置され、合計数が極数Np3(Np3は2の倍数)となる第2磁石及び第2磁性体を有し、前記第2磁性体の両隣には、前記第2磁石が配置され、前記極数Np6は、前記スロット数Nsの下で、前記第1回転磁界が前記ロータを回転させる値に設定され、前記極数Np3は、前記スロット数Nsの下で、前記第2回転磁界が前記ロータを回転させる値に設定されてもよい。
本態様では、第1磁石部の極数Np6は、スロット数Nsの下で、第1回転磁界がロータを回転させる値に設定される。第1磁石部では、第1磁性体の両隣には、第1磁石が配置されている。したがって、第1磁性体の隣の第1磁石から発生する磁束は、隣の第1磁性体を通る。したがって、第1磁石部は、第1回転磁界と結合する磁界を発生する。また、第1磁性体と第1磁性体とが隣り合うことはない。このため、第1磁石部で発生する磁界の強度は、磁石のみの場合に比べて大きく低下することはない。
また、第2磁石部の極数Np3は、スロット数Nsの下で、第2回転磁界がロータを回転させる値に設定される。第2磁石部では、第2磁性体の両隣には、第2磁石が配置されている。したがって、第2磁性体の隣の第2磁石から発生する磁束は、隣の第2磁性体を通る。したがって、第2磁石部は、第2回転磁界と結合する磁界を発生する。また、第2磁性体と第2磁性体とが隣り合うことはない。このため、第2磁石部で発生する磁界の強度は、磁石のみの場合に比べて大きく低下することはない。
その結果、本態様によれば、第1トルクと第2トルクとの2種類のトルクで、それぞれモータを回転させることができる。また、第1磁石部及び第2磁石部が、磁石と磁性体とで構成されているため、使用される磁石の量が低減されている。したがって、モータの低コスト化を図ることができる。
上記態様において、Np6=Ns/3又は5Ns/3であり、Np3=2Ns/3又は4Ns/3であってもよい。
本態様では、Np6=Ns/3又は5Ns/3である。このため、第1磁石部は、6相交流電圧がコイル部に印加されると発生する第1回転磁界と結合する磁界を発生する。また、Np3=2Ns/3又は4Ns/3である。このため、第2磁石部は、3相交流電圧がコイル部に印加されると発生する第2回転磁界と結合する磁界を発生する。したがって、本態様によれば、第1回転磁界及び第2回転磁界は、それぞれ、ロータを回転させることができる。
本発明の他の態様のモータ装置は、上記態様のいずれかのモータと、前記3相交流電圧と前記6相交流電圧とを選択的に出力する駆動部と、を備え、前記ステータは、互いに結線された第1相コイル部と、第2相コイル部と、第3相コイル部と、第4相コイル部と、第5相コイル部と、第6相コイル部と、を含み、前記駆動部は、前記3相交流電圧として、位相が順に120度ずつシフトされた3相交流電圧Vu,Vv,Vwを出力し、かつ、前記6相交流電圧として、位相が順に60度ずつシフトされた6相交流電圧Va,Vb,Vc,Vd,Ve,Vfを出力し、前記第1相コイル部には、前記3相交流電圧Vuと前記6相交流電圧Vaとが選択的に印加され、前記第2相コイル部には、前記3相交流電圧Vvと前記6相交流電圧Vbとが選択的に印加され、前記第3相コイル部には、前記3相交流電圧Vwと前記6相交流電圧Vcとが選択的に印加され、前記第4相コイル部には、前記3相交流電圧Vuと前記6相交流電圧Vdとが選択的に印加され、前記第5相コイル部には、前記3相交流電圧Vvと前記6相交流電圧Veとが選択的に印加され、前記第6相コイル部には、前記3相交流電圧Vwと前記6相交流電圧Vfとが選択的に印加されるものである。
本態様では、第1相コイル部〜第6相コイル部に、3相交流電圧Vu,Vv,Vw,Vu,Vv,Vwと、6相交流電圧Va,Vb,Vc,Vd,Ve,Vfとが、それぞれ、選択的に印加される。したがって、本態様によれば、6相交流電圧と3相交流電圧とが選択的に出力されると、ステータにおいて、第1回転磁界と第2回転磁界とを選択的に発生させることができる。
上記他の態様において、前記駆動部は、前記第1相コイル部〜前記第6相コイル部にそれぞれ接続され、かつ、直流電源に互いに並列に接続された第1相スイッチング素子〜第6相スイッチング素子を有する6相インバータと、前記第1相スイッチング素子〜前記第6相スイッチング素子をPWM制御して、前記3相交流電圧と前記6相交流電圧とを選択的に生成するインバータ制御部と、を含んでもよい。
本態様では、6相インバータの第1相スイッチング素子〜第6相スイッチング素子がインバータ制御部によりPWM制御されて、3相交流電圧と6相交流電圧とが選択的に生成される。6相インバータの第1相スイッチング素子〜第6相スイッチング素子は、第1相コイル部〜第6相コイル部にそれぞれ接続され、かつ、直流電源に互いに並列に接続されている。したがって、本態様によれば、好適に、3相交流電圧と6相交流電圧とを第1相コイル部〜第6相コイル部に選択的に印加することができる。
本発明のさらに他の態様の洗濯機は、上記他の態様のいずれかのモータ装置と、衣類が収容される回転ドラムと、前記衣類を洗う洗い工程と、前記衣類を濯ぐ濯ぎ工程と、前記衣類を脱水する脱水工程と、を実行する洗濯制御部と、を備え、前記モータ装置は、前記回転軸と一致する位置に配置され、前記ロータに接続されて前記ロータの回転を外部に伝達する伝達シャフトをさらに備え、前記伝達シャフトは、前記回転ドラムに接続され、前記駆動部は、前記3相交流電圧と前記6相交流電圧とを選択的に出力して、前記洗い工程及び前記濯ぎ工程では、前記第1トルク及び前記第2トルクのうち高い方のトルクで前記ロータを回転させ、前記脱水工程では、前記第1トルク及び前記第2トルクのうち低い方のトルクで前記ロータを回転させるものである。
本態様では、3相交流電圧と6相交流電圧とが選択的に出力されて、洗い工程及び濯ぎ工程では、第1トルク及び第2トルクのうち高い方のトルクでロータが回転され、脱水工程では、第1トルク及び第2トルクのうち低い方のトルクでロータが回転される。したがって、本態様によれば、伝達シャフトが回転ドラムに接続されたダイレクトドライブ方式でありながら、洗い工程及び濯ぎ工程と、脱水工程とに、それぞれ適切なトルク及び回転速度で、回転ドラムを回転させることができる。
本発明によれば、低速高トルクと高速低トルクとの両方のN−T特性を実現することが可能になる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、各図面において、同じ構成要素については同じ符号が用いられている。
(第1実施形態)
(構成)
図1は、第1実施形態のモータの構成を概略的に示す図である。図2は、図1に示されるモータを駆動する駆動部の構成を概略的に示す図である。
(構成)
図1は、第1実施形態のモータの構成を概略的に示す図である。図2は、図1に示されるモータを駆動する駆動部の構成を概略的に示す図である。
図1に示されるように、第1実施形態のモータ1は、ステータ10と、ロータ20と、を備える。
ステータ10は、モータ1の回転軸P0を中心とする円筒状に形成されている。ステータ10は、コイル部と、複数のスロット11とを含む。複数のスロット11は、コイル部を収容し、ステータ10の内周面に形成されている。第1実施形態では、スロット数Nsは、図1に示されるように、12になっている。
スロット11には、コイル部として、図1中、反時計回りに順に、集中巻方式で巻き回されたコイルA1〜F1,A2〜F2が収容されている。図2に示されるように、コイルA1〜A2、コイルB1〜B2、コイルC1〜C2、コイルD1〜D2、コイルE1〜E2、コイルF1〜F2は、それぞれ直列接続されている。以下では、コイルA1〜A2はコイルAと総称され、コイルB1〜B2はコイルBと総称され、コイルC1〜C2はコイルCと総称され、コイルD1〜D2はコイルDと総称され、コイルE1〜E2はコイルEと総称され、コイルF1〜F2はコイルFと総称される。
図2に示されるように、コイルA(第1相コイル部の一例)と、コイルB(第2相コイル部の一例)と、コイルC(第3相コイル部の一例)と、コイルD(第4相コイル部の一例)と、コイルE(第5相コイル部の一例)と、コイルF(第6相コイル部の一例)とは、互いにスター状に結線されて、6相コイルを構成している。なお、コイルA〜Fの結線方式は、スター状に限定されず、他の結線方式でもよい。
図1に示されるように、ステータ10の内側に、所定の空隙を介してロータ20が配置されている。ロータ20は、ステータ10に対して、モータ1の回転軸P0周りに回転自在に支持されている。
ロータ20は、ロータコア21と、第1磁石部22と、第2磁石部23とを有する。ロータコア21は、磁性体からなり、モータ1の回転軸P0を中心とする円柱状に形成されている。
第1磁石部22は、永久磁石22Nと、永久磁石22Sとを有する。永久磁石22Nは、径方向の外側がN極で内側がS極の永久磁石である。永久磁石22Sは、径方向の外側がS極で内側がN極の永久磁石である。永久磁石22Nと、永久磁石22Sとは、形状及び大きさにおいて、一致する。図1に示されるように、第1磁石部22の極数Np6は、20になっている。すなわち、第1実施形態では、第1磁石部22は、20個の永久磁石を有する。
永久磁石22Nと、永久磁石22Sとは、回転軸P0周りに交互に、ロータコア21の周面に付着されている。このように、第1磁石部22は、永久磁石22N,22Sがロータコア21の表面に付着された表面付着磁石構造になっている。このため、第1磁石部22とステータ10との間の空隙の厚さが一定になる。したがって、第1磁石部22は、乱れの少ない磁界を発生することができる。
第2磁石部23は、永久磁石23Nと、永久磁石23Sとを有する。永久磁石23Nは、径方向の外側がN極で内側がS極の永久磁石である。永久磁石23Sは、径方向の外側がS極で内側がN極の永久磁石である。永久磁石23Nと、永久磁石23Sとは、形状及び大きさにおいて、一致する。図1に示されるように、第2磁石部23の極数Np3は、8になっている。すなわち、第1実施形態では、第2磁石部23は、8個の永久磁石を有する。
永久磁石23Nと、永久磁石23Sとは、ロータコア21の周面より回転軸P0に近い側に埋め込まれており、回転軸P0周りに交互に配置されている。このように、第2磁石部23は、永久磁石23N,23Sがロータコア21の内部に挿入された埋め込み磁石構造になっている。このため、第2磁石部23の永久磁石23N,23Sは平板状にすることができる。したがって、永久磁石23N,23Sを容易に成形することができる。
図2に示されるように、駆動部40は、直流電源41と、6相インバータ42と、モータ制御部43とを備える。直流電源41は、例えば電池を含み、所定の直流電圧を正ラインLpと負ラインLnとの間に出力する。
6相インバータ42は、それぞれ正ラインLpと負ラインLnとの間に接続された、スイッチング素子Qau,Qal(第1相スイッチング素子の一例)と、スイッチング素子Qbu,Qbl(第2相スイッチング素子の一例)と、スイッチング素子Qcu,Qcl(第3相スイッチング素子の一例)と、スイッチング素子Qdu,Qdl(第4相スイッチング素子の一例)と、スイッチング素子Qeu,Qel(第5相スイッチング素子の一例)と、スイッチング素子Qfu,Qfl(第6相スイッチング素子の一例)とを備える。各スイッチング素子として、本実施形態では、例えば金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)が用いられる。各スイッチング素子として、MOSFETに限られず、例えば絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)が用いられてもよい。
スイッチング素子Qauとスイッチング素子Qalとの接続点K1は、コイルAに接続されている。スイッチング素子Qbuとスイッチング素子Qblとの接続点K2は、コイルBに接続されている。スイッチング素子Qcuとスイッチング素子Qclとの接続点K3は、コイルCに接続されている。
スイッチング素子Qduとスイッチング素子Qdlとの接続点K4は、コイルDに接続されている。スイッチング素子Qeuとスイッチング素子Qelとの接続点K5は、コイルEに接続されている。スイッチング素子Qfuとスイッチング素子Qflとの接続点K6は、コイルFに接続されている。
モータ制御部43は、6相インバータ42の各スイッチング素子をPWM制御して、6相インバータ42からコイルA〜Fに、3相交流電圧と6相交流電圧とを選択的に印加させる。
図3は、3相交流電圧Vu,Vv,Vwの一例を概略的に示す図である。図4は、6相交流電圧Va,Vb,Vc,Vd,Ve,Vfの一例を概略的に示す図である。
3相交流電圧Vu,Vv,Vwは、図3に示されるように、順に位相が120度ずつシフトされた正弦波電圧である。6相インバータ42は、3相交流電圧を印加する場合には、コイルA,B,C,D,E,Fに、それぞれ3相交流電圧Vu,Vv,Vw,Vu,Vv,Vwを印加する。
6相交流電圧Va,Vb,Vc,Vd,Ve,Vfは、図4に示されるように、順に位相が60度ずつシフトされた正弦波電圧である。6相インバータ42は、6相交流電圧を印加する場合には、コイルA,B,C,D,E,Fに、それぞれ6相交流電圧Va,Vb,Vc,Vd,Ve,Vfを印加する。本実施形態において、モータ1及び駆動部40は、モータ装置の一例を構成する。
(動作原理)
図1及び図2を参照して、第1実施形態のモータ1の動作原理が説明される。第1実施形態のモータ1のロータ20は、上述のように、第1磁石部22と、第2磁石部23とを有する。
図1及び図2を参照して、第1実施形態のモータ1の動作原理が説明される。第1実施形態のモータ1のロータ20は、上述のように、第1磁石部22と、第2磁石部23とを有する。
ステータ10は、コイルA〜Fに6相交流電圧Va〜Vfが印加されると、回転磁界Mf6(第1回転磁界の一例)を発生させる。一方、第1磁石部22の永久磁石22N,22Sによって、ステータ10とロータ20との間の空隙には、磁界が生成される。以下、第1磁石部22によって生成される磁界は「第1磁界」と称される。上述のように、第1磁石部22の極数Np6が20であり、スロット数Nsが12であり、20極12スロットのモータが構成される。したがって、回転磁界Mf6は、第1磁界と磁気的に結合し、ロータ20を回転させる。
ステータ10は、コイルA〜Fに、3相交流電圧Vu,Vv,Vw,Vu,Vv,Vwがそれぞれ印加されると、回転磁界Mf3(第2回転磁界の一例)を発生させる。一方、第2磁石部23の永久磁石23N,23Sによって、ステータ10とロータ20との間の空隙には、磁界が生成される。以下、第2磁石部23によって生成される磁界は「第2磁界」と称される。上述のように、第2磁石部23の極数Np3が8であり、スロット数Nsが12であり、8極12スロットのモータが構成される。したがって、回転磁界Mf3は、第2磁界と磁気的に結合し、ロータ20を回転させる。
(制約条件)
上述のモータ1の動作原理を成立させるための制約条件が説明される。第1実施形態では、ステータ10のコイルA〜Fに対して、3相交流電圧と6相交流電圧とが選択的に印加される。このため、ステータ10のスロット数Nsは、6の倍数であるという制約条件を満たす必要がある。
上述のモータ1の動作原理を成立させるための制約条件が説明される。第1実施形態では、ステータ10のコイルA〜Fに対して、3相交流電圧と6相交流電圧とが選択的に印加される。このため、ステータ10のスロット数Nsは、6の倍数であるという制約条件を満たす必要がある。
また、第1実施形態のモータ1では、6相交流電圧によりステータ10に生成される回転磁界Mf6と、ロータ20の第1磁石部22により生成される第1磁界とが、磁気的に結合している。これによって、6相交流電圧により生成される回転磁界Mf6がロータ20を回転させることとなる。
したがって、式(1)を満たす必要がある。
Np6=Ns/3又は5Ns/3 (1)
式(1)は、スロット数Nsの下で、第1磁石部22により生成される第1磁界と、回転磁界Mf6とが、磁気的に結合するという、第1磁石部22の極数Np6の制約条件を表す。なお、スロット数Nsが6の倍数であるため、式(1)より、極数Np6は2の倍数になる。
Np6=Ns/3又は5Ns/3 (1)
式(1)は、スロット数Nsの下で、第1磁石部22により生成される第1磁界と、回転磁界Mf6とが、磁気的に結合するという、第1磁石部22の極数Np6の制約条件を表す。なお、スロット数Nsが6の倍数であるため、式(1)より、極数Np6は2の倍数になる。
また、第1実施形態のモータ1では、3相交流電圧によりステータ10に生成される回転磁界Mf3と、ロータ20の第2磁石部23により生成される第2磁界とが、磁気的に結合している。これによって、3相交流電圧により生成される回転磁界Mf3がロータ20を回転させることとなる。
したがって、式(2)を満たす必要がある。
Np3=2Ns/3又は4Ns/3 (2)
式(2)は、スロット数Nsの下で、第2磁石部23により生成される第2磁界と、回転磁界Mf3とが、磁気的に結合するという、第2磁石部23の極数Np3の制約条件を表す。なお、スロット数Nsが6の倍数であるため、式(2)より、極数Np3は2の倍数になる。
Np3=2Ns/3又は4Ns/3 (2)
式(2)は、スロット数Nsの下で、第2磁石部23により生成される第2磁界と、回転磁界Mf3とが、磁気的に結合するという、第2磁石部23の極数Np3の制約条件を表す。なお、スロット数Nsが6の倍数であるため、式(2)より、極数Np3は2の倍数になる。
(動作原理の検証)
図1に示されるモータ1の動作原理の妥当性を調べるために、有限要素法によって解析した結果が説明される。
図1に示されるモータ1の動作原理の妥当性を調べるために、有限要素法によって解析した結果が説明される。
図5は、図1に示されるモータ1のロータ20を強制的に回転させたときにコイルA〜Fに誘起される誘起電圧を有限要素法で解析した結果を概略的に示す図である。図5の縦軸は誘起電圧を表し、横軸はロータ20の回転角度を表す。図6は、図5に示される結果を高速フーリエ変換(FFT)により解析した結果を概略的に示す図である。図6の縦軸はFFTされた誘起電圧を表し、横軸は算出された磁界の次数を表す。
図5では、ロータ20が強制的に回転させられているため、モータ1は、発電機として動作している。図5に示されるように、コイルA〜Fには、複雑な波形の誘起電圧が誘起されている。
図5の波形をFFTにより解析した結果、図6に示されるように、4次の磁界と10次の磁界とが主成分として表れている。
10次の磁界は、極数が20の永久磁石により生成される磁界に相当する。したがって、この10次の磁界は、第1磁石部22により生成される第1磁界に相当し、6相交流電圧による回転磁界Mf6(図1)と磁気的に結合する。
4次の磁界は、極数が8の永久磁石により生成される磁界に相当する。したがって、この4次の磁界は、第2磁石部23により生成される第2磁界に相当し、3相交流電圧による回転磁界Mf3(図1)と磁気的に結合する。
したがって、図1に示されるロータ20は、ステータ10のコイルA〜Fに、3相交流電圧と6相交流電圧とが選択的に印加されると、それぞれ回転することが分かる。図5及び図6の解析結果によって、上述の動作原理が妥当であることが示された。
なお、3相と6相との間では、互いに干渉が無い。言い換えると、第1磁石部22により生成される第1磁界と、3相交流電圧による回転磁界Mf3(図1)とは、磁気的に結合しない。このため、コイルA〜Fに3相交流電圧が印加されても、第1磁石部22にトルクは発生しない。
また、第2磁石部23により生成される第2磁界と、6相交流電圧による回転磁界Mf6(図1)とは、磁気的に結合しない。このため、コイルA〜Fに6相交流電圧が印加されても、第2磁石部23にトルクは発生しない。
したがって、ロータ20は、それぞれ異なる磁界を発生させる第1磁石部22と第2磁石部23とを備えているが、コイルA〜Fに3相交流電圧と6相交流電圧とを選択的に印加することにより、それぞれ好適にロータ20を回転させることができる。
(動作例)
図7は、コイルA〜Fに3相交流電圧を印加したときのロータ20のトルクT3を概略的に示す図である。図8は、図7においてコイルA〜Fに供給された3相交流電流Ia〜Ifの波形を概略的に示す図である。図9は、コイルA〜Fに6相交流電圧を印加したときのロータ20のトルクT6を概略的に示す図である。図10は、図9においてコイルA〜Fに供給された6相交流電流Ia〜Ifの波形を概略的に示す図である。図7、図9の縦軸はトルクを表し、横軸はロータ20の回転角度を表す。図8、図10の縦軸は電流を表し、横軸はロータ20の回転角度を表す。
図7は、コイルA〜Fに3相交流電圧を印加したときのロータ20のトルクT3を概略的に示す図である。図8は、図7においてコイルA〜Fに供給された3相交流電流Ia〜Ifの波形を概略的に示す図である。図9は、コイルA〜Fに6相交流電圧を印加したときのロータ20のトルクT6を概略的に示す図である。図10は、図9においてコイルA〜Fに供給された6相交流電流Ia〜Ifの波形を概略的に示す図である。図7、図9の縦軸はトルクを表し、横軸はロータ20の回転角度を表す。図8、図10の縦軸は電流を表し、横軸はロータ20の回転角度を表す。
図7において、コイルA〜Fに3相交流電圧が印加された場合のロータ20のトルクT3の平均値は0.31[Nm]である。一方、図9において、コイルA〜Fに6相交流電圧が印加された場合のロータ20のトルクT6の平均値は0.84[Nm]である。このように、コイルA〜Fに3相交流電圧と6相交流電圧とが選択的に印加された場合に、それぞれ異なる値のトルクを得ることができる。本実施形態において、トルクT6は第1トルクの一例に相当し、トルクT3は第2トルクの一例に相当する。また、トルクT6は第1トルク及び第2トルクのうち高い方のトルクの一例に相当し、トルクT3は第1トルク及び第2トルクのうち低い方のトルクの一例に相当する。
図8に示されるように、コイルA〜Fに供給された3相交流電流のピーク値は5[A]であり、図7におけるトルクT3のトルク定数は0.022[Nm/A]である。図10に示されるように、コイルA〜Fに供給された6相交流電流のピーク値は10[A]であり、図9におけるトルクT6のトルク定数は0.030[Nm/A]である。
このように、図1のモータ1では、コイルA〜Fに3相交流電圧と6相交流電圧とが選択的に印加された場合に、それぞれ異なる値のトルク定数を得ることができる。本実施形態において、トルクT6のトルク定数は第1トルク定数の一例に相当し、トルクT3のトルク定数は第2トルク定数の一例に相当する。
トルクT3は、第2磁石部23の永久磁石23N,23Sの厚さ、表面積、体積等、及び3相交流電圧の振幅等を変更して、コイルA〜Fに鎖交する磁束量を調整することにより、変更することができる。トルクT6は、第1磁石部22の永久磁石22N,22Sの厚さ、表面積、体積等、及び6相交流電圧の振幅等を変更して、コイルA〜Fに鎖交する磁束量を調整することにより、変更することができる。したがって、トルクT3,T6として、所望の値を得ることができる。
(作用効果)
以上説明されたように、第1実施形態のモータ1では、コイルA〜Fに3相交流電圧が印加される場合と、コイルA〜Fに6相交流電圧が印加される場合とで、異なるトルクを得ることができる。このため、低速高トルクと高速低トルクとの2種類のN−T特性を有するモータを実現することができる。
以上説明されたように、第1実施形態のモータ1では、コイルA〜Fに3相交流電圧が印加される場合と、コイルA〜Fに6相交流電圧が印加される場合とで、異なるトルクを得ることができる。このため、低速高トルクと高速低トルクとの2種類のN−T特性を有するモータを実現することができる。
(変形例)
モータ1は、図1に示される構成に限られない。以下、モータ1の異なる構成例が説明される。
モータ1は、図1に示される構成に限られない。以下、モータ1の異なる構成例が説明される。
(a)図11、図12は、それぞれモータ1の図1と異なる構成例を概略的に示す図である。図11のモータ1では、第2磁石部23は、第1磁石部22と同様に、永久磁石23N,23Sがロータコア21の表面に付着された表面付着磁石構造になっている。
図11のロータ20は、例えば、次のようにして作成される。まず、円柱形状のロータコア21の周面に、第2磁石部23の永久磁石23N,23Sが、接着剤により接着される。次に、第2磁石部23の周面に、第1磁石部22の永久磁石22N,22Sが、接着剤により接着される。これによって、図11のロータ20が作成される。なお、図11のロータ20の作成方法は、上記に限られず、他の作成方法でもよい。
図12のモータ1では、第1磁石部22及び第2磁石部23の両方ともが、表面付着磁石構造になっており、図11のモータ1と同じ構造を有している。但し、図12のモータ1では、永久磁石の半分が磁性体に置き換えられている。
図12のロータ20では、第1磁石部22は、10個の永久磁石22N(第1磁石の一例)と、10個の磁性体部22P(第1磁性体の一例)とを有する。永久磁石22Nと磁性体部22Pとは、回転軸P0周りに交互に配置されている。このように、磁性体部22Pの両隣には、永久磁石22Nが配置されている。磁性体部22Pは、ロータコア21と同じ磁性体で形成されている。
また、図12のロータ20では、第2磁石部23は、4個の永久磁石23N(第2磁石の一例)と、4個の磁性体部23P(第2磁性体の一例)とを有する。永久磁石23Nと磁性体部23Pとは、回転軸P0周りに交互に配置されている。このように、磁性体部23Pの両隣には、永久磁石23Nが配置されている。磁性体部23Pは、ロータコア21と同じ磁性体で形成されている。
図12では、永久磁石と磁性体部との合計数が「極数」と称される。すなわち、第1磁石部22の極数Np6は20であり、第2磁石部23の極数Np3は8である。
図12のロータ20は、例えば、次のようにして作成される。まず、図11においてロータコア21に第2磁石部23が配置されたものと同一径の円柱形状のロータコア21が準備される。このロータコア21の周面において、図11では永久磁石23Nが配置されている部分が削り取られ、この削り取られた部分に永久磁石23Nが接着剤により接着される。これによって、第2磁石部23が形成される。次に、図11における第1磁石部22の永久磁石22Sと形状及び大きさが同一の磁性体部22Pが準備される。そして、第2磁石部23の周面に、永久磁石22Nと準備された磁性体部22Pとが、接着剤により接着される。これによって、図12のロータ20が作成される。なお、図12のロータ20の作成方法は、上記に限られず、他の作成方法でもよい。
次に、第1磁石部22及び第2磁石部23が、永久磁石のみで構成された図11のロータ20と、永久磁石と磁性体部とで構成された図12のロータ20とのトルクを比較した結果が説明される。
図13は、コイルA〜Fに3相交流電圧を印加したときの、図11のロータ20のトルクT3fと図12のロータ20のトルクT3hとを概略的に示す図である。図14は、コイルA〜Fに6相交流電圧を印加したときの、図11のロータ20のトルクT6fと図12のロータ20のトルクT6hとを概略的に示す図である。
図13において、図11のロータ20のトルクT3fの平均値は、0.47[Nm]であり、図12のロータ20のトルクT3hの平均値は、0.46[Nm]である。また、図14において、図11のロータ20のトルクT6fの平均値は、0.97[Nm]であり、図12のロータ20のトルクT6hの平均値は、1.02[Nm]である。
上述のように、図12のロータ20では、使用する永久磁石の量が、図11のロータ20に比べて、半分に減らされている。しかしながら、図12のロータ20でも、図11のロータ20とほぼ等しいトルクが得られている。この理由は、以下の通りであると考えられる。
すなわち、図12の第1磁石部22において、永久磁石22Nから出る磁束は、永久磁石22Nに隣接する磁性体部22Pを通って永久磁石22Nに戻る。したがって、永久磁石22Nと永久磁石22Nとに挟まれた磁性体部22Pは、永久磁石22Sのように作用すると考えられる。同様に、図12の第2磁石部23においても、永久磁石23Nから出る磁束は、永久磁石23Nに隣接する磁性体部23Pを通って永久磁石23Nに戻る。したがって、永久磁石23Nと永久磁石23Nとに挟まれた磁性体部23Pは、永久磁石23Sのように作用すると考えられる。
このため、図12のロータ20では、図11のロータ20に比べて、使用されている永久磁石の量は半減されているが、発生する磁界の強度は、半分まで減ることがない。その結果、図12のロータ20でも、図11のロータ20とほぼ等しいトルクを得ることができる。
以上のように、図12のロータ20では、図11のロータ20に比べて、使用されている永久磁石の量が半減されている。このため、図12のモータ1は、図11のモータ1に比べて、低コストのモータを実現することができる。但し、図13、図14から分かるように、トルクのリップルが小さいという点で、図11のロータ20は、図12のロータ20に比べて好ましい。
また、図11のロータ20では永久磁石22S,23Sの配置されている箇所が、それぞれ、図12のロータ20では磁性体部22P,23Pに置き換えられている。言い換えると、永久磁石22Nと磁性体部22Pとは、形状及び大きさにおいて等しい。また、永久磁石23Nと磁性体部23Pとは、形状及び大きさにおいて等しい。これによって、磁束の乱れが低減されている。その結果、トルクのリップルが低減される。
図12のモータ1では、第1磁石部22及び第2磁石部23において、永久磁石の配置、永久磁石の極数Np3,Np6、磁石構造(表面付着磁石構造又は埋め込み磁石構造)などを組み合わせることにより、トルクのリップルを低減することが可能である。
(b)図15は、モータ1の図12と異なる構成例を概略的に示す図である。図12のロータ20では、永久磁石の半分が磁性体部に置き換えられ、永久磁石の量が図11のロータ20に比べて半減している。これに対して、図15のロータ20の第1磁石部22では、永久磁石の半分未満のみが、磁性体部に置き換えられている。
図15のロータ20では、第2磁石部23は、図12のロータ20と同様に構成されている。すなわち、第2磁石部23では、4個の永久磁石23N(第2磁石の一例)と、4個の磁性体部23P(第2磁性体の一例)とが回転軸P0周りに交互に配置されている。その結果、図15の第2磁石部23では、図11の第2磁石部23に比べて、永久磁石の量は半減している。
図15のロータ20では、第1磁石部22は、8個の永久磁石22N(第1磁石の一例)と、8個の永久磁石22S(第1磁石の一例)と、4個の磁性体部22P(第1磁性体の一例)とを有する。4個の磁性体部22Pは、回転軸P0を中心として、点対称に配置されている。4個の磁性体部22Pのうち、2個の磁性体部22Pの両隣には、永久磁石22Nが配置され、他の2個の磁性体部22Pの両隣には、永久磁石22Sが配置されている。
図15でも、図12と同様に、永久磁石と磁性体部との合計数が「極数」と称される。すなわち、第1磁石部22の極数Np6は20であり、第2磁石部23の極数Np3は8である。
図15の第1磁石部22では、磁性体部22Pの個数が図12より低減されている。これによって、トルクのリップルの低減が図られている。また、図15の第1磁石部22では、磁性体部22Pは、回転軸P0周りに、点対称に配置されている。これによって、トルクのリップルの低減がさらに図られている。
また、図15のロータ20では、第2磁石部23の磁性体部23Pと重なる部分のみに、第1磁石部22の磁性体部22Pが配置されている。したがって、ロータコア21と、磁性体部23P,22Pとを、一体的に形成することができる。
図15のモータ1では、第1磁石部22及び第2磁石部23において、永久磁石の配置、永久磁石の極数Np3,Np6、磁石構造(表面付着磁石構造又は埋め込み磁石構造)などを組み合わせることにより、トルクのリップル低減を図ることが可能である。
(c)図1、図11、図12、図15のモータ1では、第1磁石部22がロータ20の外周側に配置され、第2磁石部23が第1磁石部22より内側に配置されている。代替的に、第2磁石部23がロータ20の外周側に配置され、第1磁石部22が第2磁石部23より内側に配置されてもよい。
(d)図1、図11、図12、図15のモータ1では、第1磁石部22と第2磁石部23とは、ロータ20の径方向において、異なる位置に配置されている。第1磁石部22と第2磁石部23との配置位置は、これに限られない。
図16、図17は、モータ1のさらに図1と異なる構成例を概略的に示す図である。図16、図17では、モータ1の回転軸P0に沿った断面が示されている。
図16、図17のモータ1では、ロータコア21は、回転軸P0方向に並んで設けられた、第1磁性体部21aと、第2磁性体部21bとを有する。第1磁石部22は、第1磁性体部21aの周面に配置され、第2磁石部23は、第2磁性体部21bの周面に配置されている。すなわち、第1磁石部22と、第2磁石部23とは、両方とも、ロータコア21の表面に付着された表面付着磁石構造になっている。
なお、第1磁石部22は、第1磁性体部21aの内部に挿入された埋め込み磁石構造であってもよい。第2磁石部23は、第2磁性体部21bの内部に挿入された埋め込み磁石構造であってもよい。但し、表面付着磁石構造の方が、埋め込み磁石構造に比べて、第1磁石部22及び第2磁石部23により生成される磁界が、ステータ10において生成される回転磁界と、より強く結合する。このため、表面付着磁石構造の方が好ましい。
ロータ20は、第1磁性体部21aと第2磁性体部21bとの間に配置された非磁性体24をさらに有する。非磁性体24は、第1磁石部22と第2磁石部23とに挟まれている。非磁性体24は、第1磁石部22の磁束と第2磁石部23の磁束とが、それぞれ反対側に入り込むのを阻止する。
図16、図17のモータ1でも、図1のモータ1と同様に、ステータ10のスロット数Nsは12、第1磁石部22の極数Np6は20、第2磁石部23の極数Np3は8になっている。その結果、ステータ10に発生する回転磁界は、図1のモータ1と同様に、ロータ20を回転させる。
すなわち、ステータ10のコイルに6相交流電圧が印加されたときに発生する回転磁界Mf6(図1)は、第1磁石部22によって生成される第1磁界と磁気的に結合し、ロータ20を回転させる。また、ステータ10のコイルに3相交流電圧が印加されたときに発生する回転磁界Mf3(図1)は、第2磁石部23によって生成される第2磁界と磁気的に結合し、ロータ20を回転させる。
図16、図17のモータ1では、第1磁石部22及び第2磁石部23の厚さが一定の場合には、6相交流電圧によるロータ20の回転時のトルクは第1磁石部22の回転軸P0方向の長さL6に比例し、3相交流電圧によるロータ20の回転時のトルクは第2磁石部23の回転軸P0方向の長さL3に比例する。
図16のモータ1では、第1磁石部22の回転軸P0方向の長さL6と、第2磁石部23の回転軸P0方向の長さL3とは、等しい値になっている。これに対して、図17のモータ1では、L6<L3になっている。このように、図16、図17のモータ1では、ロータ20に必要なトルクに応じて、長さL6,L3をそれぞれ決めればよい。
(第2実施形態)
上記第1実施形態のモータ1は、種々の装置に適用可能である。第2実施形態では、上記第1実施形態のモータ1が適用された装置の一例として、洗濯機が説明される。
上記第1実施形態のモータ1は、種々の装置に適用可能である。第2実施形態では、上記第1実施形態のモータ1が適用された装置の一例として、洗濯機が説明される。
図18は、第2実施形態の洗濯機の構成を概略的に示すブロック図である。第2実施形態の洗濯機100は、第1実施形態のモータ1を備える。図18を参照して、洗濯機100が説明される。尚、図18に示される実線矢印は、水の流れを表す。図18に示される一点鎖線矢印は、制御信号の伝達経路を表す。
洗濯機100は、主筐体200と、制御部300と、給水機構400と、洗濯機構500と、循環機構600と、を備える。主筐体200は、制御部300と、給水機構400と、洗濯機構500と、循環機構600と、を収容する。制御部300は、洗濯制御部310と、第1実施形態で説明された駆動部40と、を含む。
洗濯機構500は、衣類が収容される収容槽510と、第1実施形態で説明されたモータ1と、を備える。モータ1は、洗濯制御部310及びモータ制御部43の制御下で、収容槽510を駆動する。洗い工程において、収容槽510は、洗剤を含む液体中で、衣類を攪拌する。この結果、衣類は、適切に洗浄される。洗い工程が終了すると排水され濯ぎ工程に移行するが、洗い工程と濯ぎ工程との間に脱水工程を行ってもよい。
濯ぎ工程において、収容槽510は、洗い工程よりも低い洗剤濃度を有する水中で衣類を攪拌する。また、濯ぎ工程において、収容槽510への給水及び収容槽510からの排水が繰り返される。この結果、洗剤は、衣類から適切に取り除かれる。
濯ぎ工程終了後の脱水工程において、収容槽510は、遠心力を利用して、衣類から脱水する。この結果、衣類の乾燥が促進される。脱水工程が終了した後、再度、濯ぎ工程を行ってもよい。すなわち、濯ぎ工程及び脱水工程を複数回繰り返してもよい。また、洗い工程と濯ぎ工程との間に行う脱水工程と、濯ぎ工程を複数回繰り返す場合の中間の脱水工程と、最後の濯ぎ工程終了後の最後の脱水工程とにおいて、各脱水工程の継続時間は同じ値であっても異なる値であってもよい。
給水機構400は、上述の洗い工程及び濯ぎ工程において、収容槽510に水を供給する。給水機構400は、蛇口に接続される給水口410と、切替弁420と、洗剤が収容される洗剤収容部430と、を備える。給水口410に供給された水は、切替弁420に至る。切替弁420は、収容槽510に水が直接的に向かう第1給水経路421と、洗剤収容部430を通じて収容槽510に水が供給される第2給水経路422と、の間で、給水経路を切り替える。
第1給水経路421は、例えば、濯ぎ工程において用いられてもよい。この結果、水道水が収容槽510に直接的に供給される。第2給水経路422は、例えば、洗い工程に用いられてもよい。切替弁420が第2給水経路422を開くと、水は、洗剤収容部430に流入する。洗剤収容部430内において、水及び洗剤が混合される。この結果、洗剤を含有する水が、収容槽510に流入する。
循環機構600は、循環ポンプ610を備える。循環機構600は、上述の洗い工程及び濯ぎ工程において、循環ポンプ610と収容槽510との間で水を循環させてもよい。本実施形態において、循環機構600は、循環ポンプ610と収容槽510との間での水の循環のために、循環経路620を備える。
図19は、洗濯機100の概略的な斜視図である。図18及び図19を参照して、洗濯機100が更に説明される。
主筐体200は、前壁210と、前壁210とは反対側の後壁220と、前壁210と後壁220との間で立設された左壁230と、左壁230とは反対側の右壁240と、前壁210、後壁220、左壁230及び右壁240の上縁に囲まれた天壁250と、天壁250とは反対側の底壁260と、を含む。図18を参照して説明された給水口410は、天壁250上で露出している。使用者は、例えば、ホースを用いて、給水口410と蛇口(図示省略)とを接続することができる。
洗濯機100は、前壁210に取り付けられた扉体101を更に備える。扉体101は、前壁210に沿う閉位置と、前壁210から突出した開位置と、の間で回動する。尚、図19に示される扉体101は、開位置に存する。扉体101が開位置に存するとき、収容槽510が規定する投入口511が露出する。使用者は、扉体101を開位置へ回動し、投入口511を通じて、衣類を収容槽510に投入することができ、衣類を収容槽510から取り出すことができる。
図20は、洗濯機100の概略的な断面図である。図18及び図20を参照して、洗濯機100が更に説明される。
収容槽510は、衣類が収容される回転ドラム530と、回転ドラム530が収容される水槽540と、を含む。回転ドラム530は、投入口511を規定する内環壁531と、内環壁531とは反対側の内底壁532と、内環壁531と内底壁532との間の円柱状の内周壁533と、を含む。水槽540は、前壁210と内環壁531との間に配置される外環壁541と、後壁220と内底壁532との間に配置される外底壁542と、外環壁541と外底壁542との間で内周壁533を取り囲む外周壁543と、を含む。
筐体100の底壁260には、例えば中空円柱形状の案内棒550が立設されている。案内棒550には、例えば円柱形状の支持棒551が嵌入されている。支持棒551は、案内棒550の内部で、例えば、ばね(図示省略)を介して底壁260に支持されている。支持棒551の上端は、水槽540に接しており、支持棒551は、水槽540を支持する。収容槽510に投入される衣類の量が多くなるほど、ばねに印加される重力が大きくなるため、支持棒551の上端の位置が低くなる。
モータ1の伝達シャフト2は、外底壁542を貫通し、内底壁532に接続される。この伝達シャフト2を介して、モータ1の駆動力は、回転ドラム530に伝達される。伝達シャフト2は、モータ1の回転軸P0(図1)と一致する位置に配置されている。
循環機構600は、循環ポンプ610に加えて、排水弁690と、水槽540から循環ポンプ610へ流れる水の経路を規定する上流循環管640と、外環壁541に接続されて循環ポンプ610から水槽540へ戻る水の経路を規定する下流循環管650と、主筐体200外への排水経路を規定する排水管660と、を備える。
排水弁690は、排水管660に取り付けられる。洗濯制御部310(図18を参照)は、排水弁690を制御する。収容槽510と循環ポンプ610との間で水が循環されている間、洗濯制御部310は、排水弁690を閉じる。洗濯制御部310は、不要となった水を排出するために排水弁690を開く。
下流循環管650は、循環ポンプ610が吐出した水が流入し、図18を参照して説明された循環経路612を規定する。
図18に戻って、駆動部40の直流電源41は、第2実施形態では、例えば、AC100Vの商用電源からDC12Vの直流電圧を生成する。
駆動部40のモータ制御部43は、洗い工程を実行する旨の指示信号及び濯ぎ工程を実行する旨の指示信号が洗濯制御部310から入力されると、6相交流電圧Va〜Vfを6相インバータ42に印加する。これによって、モータ1は、図9を参照して説明されたように、高トルク(低速)で回転する。
モータ制御部43は、脱水工程を実行する旨の指示信号が洗濯制御部310から入力されると、3相交流電圧Vu,Vv,Vwを6相インバータ42に印加する。これによって、モータ1は、図7を参照して説明されたように、低トルク(高速)で回転する。
なお、洗濯制御部310とモータ制御部43とは、例えば1つのマイクロコンピュータで構成されてもよく、別々のマイクロコンピュータで構成されてもよい。
図21は、制御部300により制御される洗濯機100の動作を概略的に示すフローチャートである。図2、図18〜図21を参照して、洗濯機100の動作が説明される。
使用者により、洗濯動作の開始が指示されると、図21の動作が開始される。まず、ステップS110において、洗濯制御部310は、洗い工程を実行する。洗い工程では、洗濯制御部310は、給水機構400を制御し、給水口410を開く。また、洗濯制御部310は、切替弁420を制御して、洗剤収容部430への第2給水経路422を開く。この結果、水は、洗剤収容部430に流入する。洗剤収容部430内の洗剤は、水に溶け込む。その後、洗剤を含有する水は、収容槽510に流入する。所定量の水が、洗剤収容部430を通じて、収容槽510に供給されると、洗濯制御部310は、循環ポンプ610を制御して、循環ポンプ610と収容槽510との間で水を循環させる。循環ポンプ610と収容槽510との間での水の循環の結果、給水機構400から送られた水の中の洗剤濃度が均一化される。また、洗濯制御部310は、回転ドラム530の回転を指示する指示信号をモータ制御部43に出力する。
モータ制御部43は、洗濯制御部310からの指示信号に応じて、6相インバータ42を制御し、6相インバータ42からコイルA〜Fに6相交流電圧Va〜Vfを印加させる。これによって、高トルク(低速)でモータ1(ロータ20)を回転駆動して、回転ドラム530を回転させる。この結果、衣類は、回転ドラム530内で攪拌される。したがって、洗剤を含んだ水は、収容槽510内の衣類全体に均一に接触することとなる。
所定の洗い終了条件が満たされると、洗濯制御部310は、洗い工程を終了し、続くステップS140において、洗濯制御部310は、濯ぎ工程を実行する。洗い工程が終了すると排水され濯ぎ工程に移行することになるが、洗い工程と濯ぎ工程との間に脱水工程を行ってもよい。
濯ぎ工程では、洗濯制御部310は、切替弁420を制御して、収容槽510への第1給水経路421を開く。この結果、水は、洗剤収容部430に流入することなく、直接、収容槽510に流入する。また、洗濯制御部310は、回転ドラム530の回転を指示する指示信号をモータ制御部43に出力する。
モータ制御部43は、濯ぎ工程では、洗濯制御部310からの指示信号に応じて、洗い工程(ステップS130)と同様に、6相インバータ42からコイルA〜Fに6相交流電圧Va〜Vfを印加させる。これによって、高トルク(低速)でモータ1(ロータ20)を回転駆動して、回転ドラム530を回転させる。この結果、衣類は、回転ドラム530内で攪拌される。したがって、洗剤を含まない水は、収容槽510内の衣類全体に均一に接触することとなる。これによって、衣類から洗剤が適切に取り除かれる。
所定の濯ぎ終了条件が満たされると、洗濯制御部310は、濯ぎ工程を終了し、続くステップS150において、洗濯制御部310は、脱水工程を実行する。脱水工程では、洗濯制御部310は、切替弁420を制御して、収容槽510への第1給水経路421を閉じる。この結果、水は、収容槽510に流入しなくなる。また、洗濯制御部310は、回転ドラム530の回転を指示する指示信号をモータ制御部43に出力する。
モータ制御部43は、洗濯制御部310からの指示信号に応じて、6相インバータ42を制御し、6相インバータ42からコイルA〜Fに3相交流電圧Vu,Vv,Vwを印加させる。これによって、低トルク(高速)でモータ1(ロータ20)を回転駆動して、回転ドラム530を回転させる。この結果、衣類に含まれる水は、遠心力を利用して、衣類から適切に取り除かれて、衣類の乾燥が促進される。
所定の脱水終了条件が満たされると、洗濯制御部310は、脱水工程を終了する。また、洗濯制御部310は、回転ドラム530の停止を指示する指示信号をモータ制御部43に出力する。モータ制御部43は、洗濯制御部310からの指示信号に応じて、モータ1(ロータ20)の回転を停止する。これによって、図21の動作が終了する。なお、脱水工程の終了後に、再度、濯ぎ工程を行ってもよい。すなわち、濯ぎ工程及び脱水工程を複数回繰り返してもよい。
この第2実施形態では、第1実施形態のモータ1を用いて、回転ドラム530を回転させている。したがって、洗い工程及び濯ぎ工程で回転ドラム530を回転させる場合と、脱水工程で回転ドラム530を回転させる場合とにおいて、それぞれ適切な回転速度およびトルクで回転ドラム530を回転させることが可能になっている。
(その他)
(p)上記第1実施形態では、スロット数Ns、第1磁石部22の極数Np6、第2磁石部23の極数Np3は、例えば図1に示されるように、Ns=12、Np6=20、Np3=8となっているが、これに限られない。要は、Nsが6の倍数であり、かつ、上記式(1)、(2)が満たされていればよい。
(p)上記第1実施形態では、スロット数Ns、第1磁石部22の極数Np6、第2磁石部23の極数Np3は、例えば図1に示されるように、Ns=12、Np6=20、Np3=8となっているが、これに限られない。要は、Nsが6の倍数であり、かつ、上記式(1)、(2)が満たされていればよい。
(q)上記第2実施形態の洗濯機100は、乾燥機構を備えていない。代替的に、洗濯機100は、乾燥機構を備えるものであってもよい。また、図20では回転ドラム530の回転軸が傾斜している洗濯機を示しているが、回転ドラム530の回転軸は水平であってもよいし、いわゆる縦型洗濯機のように回転ドラム530の回転軸が垂直であってもよい。
(r)上記第2実施形態では、第1実施形態のモータ1を備える洗濯機100が例示されている。代替的に、モータ1を備える電車、又は電気自動車、又はハイブリッド車であってもよい。このような車両を駆動するモータでは、車両の発進時には低速高トルクの特性が必要とされ、車速が上昇すると高速低トルクの特性が必要とされる。第1実施形態のモータ1を備えることにより、上述のような必要とされる特性を実現することができる。
本開示のモータは、低速高トルクと高速低トルクとの両方のN−T特性を有するモータが必要な装置にとって有用である。
1 モータ
2 伝達シャフト
10 ステータ
11 スロット
20 ロータ
21 ロータコア
21a 第1磁性体部
21b 第2磁性体部
22 第1磁石部
22N,22S,23N,23S 永久磁石
22P,23P 磁性体部
23 第2磁石部
24 非磁性体
40 駆動部
41 直流電源
42 6相インバータ
43 モータ制御部
100 洗濯機
300 制御部
310 洗濯制御部
530 回転ドラム
2 伝達シャフト
10 ステータ
11 スロット
20 ロータ
21 ロータコア
21a 第1磁性体部
21b 第2磁性体部
22 第1磁石部
22N,22S,23N,23S 永久磁石
22P,23P 磁性体部
23 第2磁石部
24 非磁性体
40 駆動部
41 直流電源
42 6相インバータ
43 モータ制御部
100 洗濯機
300 制御部
310 洗濯制御部
530 回転ドラム
Claims (11)
- 6相交流電圧が選択的に出力されると第1回転磁界を発生させ、かつ、3相交流電圧が選択的に出力されると第2回転磁界を発生させるステータと、
前記ステータ内で所定の回転軸周りに回転するロータと、
を備え、
前記ロータは、
円柱形状を有するロータコアと、
前記ロータコアに前記回転軸周りに配置された第1磁石部と、
前記ロータコアに前記回転軸周りに前記第1磁石部と異なる位置に配置された第2磁石部と、
を有し、
前記第1磁石部は、前記第1回転磁界と磁気的に結合する磁界を生成し、
前記第2磁石部は、前記第2回転磁界と磁気的に結合する磁界を生成し、
前記第1回転磁界は、前記ロータを第1トルクで回転させ、
前記第2回転磁界は、前記ロータを前記第1トルクと異なる第2トルクで回転させる、
モータ。 - 前記第1回転磁界は、前記ロータを第1トルク定数で回転させることにより前記第1トルクで回転させ、
前記第2回転磁界は、前記ロータを第2トルク定数で回転させることにより前記第2トルクで回転させる、
請求項1に記載のモータ。 - 前記第1磁石部と前記第2磁石部とは、前記ロータコアの径方向において、異なる位置に配置される、
請求項1又は2に記載のモータ。 - 前記ロータコアは、第1磁性体部と、前記第1磁性体部に対し前記回転軸に沿って整列された第2磁性体部と、を有し、
前記第1磁石部は、前記第1磁性体部に配置され、
前記第2磁石部は、前記第2磁性体部に配置される、
請求項1〜3のいずれか1項に記載のモータ。 - 前記ロータは、前記第1磁性体部と前記第2磁性体部との間に配置された非磁性体をさらに有し、
前記非磁性体は、前記第1磁石部と前記第2磁石部とに挟まれている、
請求項4に記載のモータ。 - 前記ステータは、前記3相交流電圧と前記6相交流電圧とが選択的に印加されるコイル部と、前記回転軸周りに形成され、前記コイル部を収容するスロット数Ns(Nsは6の倍数)のスロットと、を有し、
前記第1磁石部は、前記回転軸周りに配置され、極数Np6(Np6は2の倍数)となる数の磁石を有し、
前記第2磁石部は、前記回転軸周りに配置され、極数Np3(Np3は2の倍数)となる数の磁石を有し、
前記極数Np6は、前記スロット数Nsの下で、前記第1回転磁界が前記ロータを回転させる値に設定され、
前記極数Np3は、前記スロット数Nsの下で、前記第2回転磁界が前記ロータを回転させる値に設定される、
請求項1〜5のいずれか1項に記載のモータ。 - 前記ステータは、前記3相交流電圧と前記6相交流電圧とが選択的に印加されるコイル部と、前記回転軸周りに形成され、前記コイル部を収容するスロット数Ns(Nsは6の倍数)のスロットと、を有し、
前記第1磁石部は、前記回転軸周りに配置され、合計数が極数Np6(Np6は2の倍数)となる第1磁石及び第1磁性体を有し、
前記第1磁性体の両隣には、前記第1磁石が配置され、
前記第2磁石部は、前記回転軸周りに配置され、合計数が極数Np3(Np3は2の倍数)となる第2磁石及び第2磁性体を有し、
前記第2磁性体の両隣には、前記第2磁石が配置され、
前記極数Np6は、前記スロット数Nsの下で、前記第1回転磁界が前記ロータを回転させる値に設定され、
前記極数Np3は、前記スロット数Nsの下で、前記第2回転磁界が前記ロータを回転させる値に設定される、
請求項1〜5のいずれか1項に記載のモータ。 - Np6=Ns/3又は5Ns/3であり、
Np3=2Ns/3又は4Ns/3である、
請求項6又は7に記載のモータ。 - 請求項1〜8のいずれか1項に記載のモータと、
前記3相交流電圧と前記6相交流電圧とを選択的に出力する駆動部と、
を備え、
前記ステータは、互いに結線された第1相コイル部と、第2相コイル部と、第3相コイル部と、第4相コイル部と、第5相コイル部と、第6相コイル部と、を含み、
前記駆動部は、前記3相交流電圧として、位相が順に120度ずつシフトされた3相交流電圧Vu,Vv,Vwを出力し、かつ、前記6相交流電圧として、位相が順に60度ずつシフトされた6相交流電圧Va,Vb,Vc,Vd,Ve,Vfを出力し、
前記第1相コイル部には、前記3相交流電圧Vuと前記6相交流電圧Vaとが選択的に印加され、
前記第2相コイル部には、前記3相交流電圧Vvと前記6相交流電圧Vbとが選択的に印加され、
前記第3相コイル部には、前記3相交流電圧Vwと前記6相交流電圧Vcとが選択的に印加され、
前記第4相コイル部には、前記3相交流電圧Vuと前記6相交流電圧Vdとが選択的に印加され、
前記第5相コイル部には、前記3相交流電圧Vvと前記6相交流電圧Veとが選択的に印加され、
前記第6相コイル部には、前記3相交流電圧Vwと前記6相交流電圧Vfとが選択的に印加される、
モータ装置。 - 前記駆動部は、
前記第1相コイル部〜前記第6相コイル部にそれぞれ接続され、かつ、直流電源に互いに並列に接続された第1相スイッチング素子〜第6相スイッチング素子を有する6相インバータと、
前記第1相スイッチング素子〜前記第6相スイッチング素子をPWM制御して、前記3相交流電圧と前記6相交流電圧とを選択的に生成するインバータ制御部と、
を含む、
請求項9に記載のモータ装置。 - 請求項9又は10に記載のモータ装置と、
衣類が収容される回転ドラムと、
前記衣類を洗う洗い工程と、前記衣類を濯ぐ濯ぎ工程と、前記衣類を脱水する脱水工程と、を実行する洗濯制御部と、
を備え、
前記モータ装置は、前記回転軸と一致する位置に配置され、前記ロータに接続されて前記ロータの回転を外部に伝達する伝達シャフトをさらに備え、
前記伝達シャフトは、前記回転ドラムに接続され、
前記駆動部は、前記3相交流電圧と前記6相交流電圧とを選択的に出力して、前記洗い工程及び前記濯ぎ工程では、前記第1トルク及び前記第2トルクのうち高い方のトルクで前記ロータを回転させ、前記脱水工程では、前記第1トルク及び前記第2トルクのうち低い方のトルクで前記ロータを回転させる、
洗濯機。
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