[go: up one dir, main page]

JP2016151046A - 表面処理剤、樹脂組成物及びそれらの利用 - Google Patents

表面処理剤、樹脂組成物及びそれらの利用 Download PDF

Info

Publication number
JP2016151046A
JP2016151046A JP2015029102A JP2015029102A JP2016151046A JP 2016151046 A JP2016151046 A JP 2016151046A JP 2015029102 A JP2015029102 A JP 2015029102A JP 2015029102 A JP2015029102 A JP 2015029102A JP 2016151046 A JP2016151046 A JP 2016151046A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
formylimidazole
group
chemical formula
compound represented
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015029102A
Other languages
English (en)
Inventor
康司 高作
Koji Takasaku
康司 高作
晃和 松田
Akikazu Matsuda
晃和 松田
尚登 奥村
Naoto Okumura
尚登 奥村
池田 雄一
Yuichi Ikeda
雄一 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shikoku Chemicals Corp
Original Assignee
Shikoku Chemicals Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shikoku Chemicals Corp filed Critical Shikoku Chemicals Corp
Priority to JP2015029102A priority Critical patent/JP2016151046A/ja
Publication of JP2016151046A publication Critical patent/JP2016151046A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
  • Non-Metallic Protective Coatings For Printed Circuits (AREA)

Abstract

【課題】金属、無機材料および樹脂材料から選択される材質の異なる2つの材料の接着性を高めることができる表面処理剤を提供する。
【解決手段】ホルミルイミダゾール化合物とアミノプロピルシラン化合物を反応させて得られるイミダゾールシラン化合物、イミダゾール化合物とハロプロピルシラン化合物を反応させて得られるイミダゾールシラン化合物又は式(VI)で表されるイミダゾールシラン化合物から選択されたイミダゾールシラン化合物を含有する表面処理剤。前記表面処理剤を用いると、金属、無機材料および樹脂材料から選択される材質の異なる2つの材料の接着性、特に金属と樹脂材料との接着性を大きく向上できる。また、イミダゾールシラン化合物を含有する樹脂組成物を用いると、樹脂と金属または無機材料との接着性を大きく向上できる。
Figure 2016151046

【選択図】なし

Description

本発明は、イミダゾールシラン化合物を含有する表面処理剤、該表面処理剤を用いた銅箔、プリプレグ、銅張積層板、層間絶縁材、樹脂付銅箔およびプリント配線板に関する。
また、本発明は、樹脂またはその硬化前化合物とイミダゾールシラン化合物とを含有する樹脂組成物、該樹脂組成物を用いたソルダーレジストインク、プリプレグ、銅張積層板、層間絶縁材、樹脂付銅箔、プリント配線板および半導体封止材料に関する。
近年、プリント配線板は、電子機器・電子部品の小型化、薄型化等に対応すべく多層化が進められており、所謂多層プリント配線板は、片面または両面に銅箔等からなる回路を設けた内層用の回路板に、プリプレグを介して外層用回路板もしくは銅箔を重ね、これを一体化することによって製造されている。ところで、このような多層プリント配線板においては、内層用の回路板に形成された銅回路と、外層用回路板または銅箔を積層させるプリプレグの絶縁接着樹脂との間の接着性の確保が重要な課題となっている。
特許文献1には、銅箔とプリプレグの接着性と、銅箔とプリプレグを接着して得られる銅張積層板の半田耐熱性を向上させる銅箔表面処理剤に関する発明が記載されている。この文献には、該表面処理剤の成分として、イミダゾール環を有するトリアルコキシシラン化合物とテトラアルコキシシラン化合物を併用する点が開示されている。
特許文献2には、銅の表面をエッチング等の粗化処理を行うことなく、銅と樹脂等の絶縁材との間の密着性を維持することができる銅の表面調整組成物および表面処理方法に関する発明が記載されている。この文献には、絶縁材との密着性に優れているという理由から、表面調整組成物の成分として、アルコキシル基を有するシランカップリング剤、例えばシラノール、トリシラノール等も好ましい点、そして、その中でも、銅とエポキシ樹脂等の絶縁材との密着性を向上させるという理由から、メルカプト基を有するシランカップリング剤が好ましい点が開示されている。また、当該表面調整組成物を含む溶液が、該組成物を、水と有機溶媒との混合溶媒に溶解させることにより調製し得る点が開示され、銅の表面に前記溶液を接触させた後は、水洗してから乾燥させても、水洗せずに乾燥させてもよい点、そして、水洗してから乾燥させた場合は、均一な厚さの膜が得られ、一方、水洗せずに乾燥した場合には、絶縁材との高い密着性が得られる点が開示されている。
特許文献3には、シランカップリング剤溶液の製造方法、シランカップリング剤溶液、それを用いた基材の表面処理方法等に関する発明が記載されている。この文献には、有機ケイ素化合物を水と混合して十分にシラノール基を形成させた後、さらにアルコールを混合すれば、高いシラノール化率を実現でき、かつ、均一な塗工も可能となり、優れた密着性が実現する点、そして、シラノール化率として60〜100%が好ましく、80〜100%がより好ましい点が開示されている。そして、前記の有機ケイ素化合物として、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシランや、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランが開示されている。なお、有機高分子化合物や無機材料から構成される基材と、液晶性化合物との密着性を優れたものとする点が発明の課題とされており、銅を基材とする場合の密着性については言及されていない。
特許文献4には、シランカップリング剤およびポリマー組成物に関する発明が記載されている。この文献には、ガラスや金属とゴムの接着用プライマーに使用されるシランカップリング剤の成分として、トリアゾールやチアジアゾール等の含窒素複素環と、トリメトキシシリル基やトリエトキシシリル基等のシリル基が、チオエーテル(スルフィド)結合等を有する有機基を介して結合された構造の物質が種々開示されている。なお、金属が銅である点の開示はない。
特開平7−286160号公報 特開2009−263790号公報 特開2006−045189号公報 特開2002−363189号公報
本発明の目的は、金属、無機材料および樹脂材料から選択される材質の異なる2つの材料の接着性を高めることができる表面処理剤を提供することにある。
また、この表面処理剤を用いて製造される銅箔、プリプレグ、銅張積層板、層間絶縁材、樹脂付銅箔およびプリント配線板を提供することにある。
本発明の他の目的は、金属や無機材料に対して高い接着性を有する樹脂層を形成できる樹脂組成物を提供することにある。
また、この樹脂組成物を用いて製造されるソルダーレジストインク、プリプレグ、銅張積層板、層間絶縁材、樹脂付銅箔、プリント配線板および半導体封止材料を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、特定の構造を有するイミダゾールシラン化合物を含有する表面処理剤を用いると、金属、無機材料および樹脂材料から選択される材質の異なる2つの材料の接着性、特に金属と樹脂材料との接着性を大きく向上できることを見いだした。また、前記イミダゾールシラン化合物を含有する樹脂組成物を用いると、樹脂と金属または無機材料との接着性を大きく向上できることを見いだした。本発明はこれらの知見に基づき、さらに検討を重ねて完成したものである。
すなわち、第1の発明は、化学式(I)または化学式(II)で示されるホルミルイミダゾール化合物と、化学式(III)で示されるアミノプロピルシラン化合物とを反応させて得られるイミダゾールシラン化合物;化学式(IV)で示されるイミダゾール化合物と、化学式(V)で示されるハロプロピルシラン化合物とを反応させて得られるイミダゾールシラン化合物;および化学式(VI)で示されるイミダゾールシラン化合物からなる群より選択される少なくとも一種のイミダゾールシラン化合物を含有する表面処理剤である。
Figure 2016151046
[式中、R1〜R3は、同一または異なって、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、アリル基、ベンジル基またはアリール基を表す。]
Figure 2016151046
[式中、R1〜R3は、前記と同様である。]
Figure 2016151046
[式中、R4〜R6は、同一または異なって、水酸基、炭素数1〜3のアルコキシ基または炭素数1〜3のアルキル基を表す。但し、R4、R5およびR6が同時にアルキル基である場合を除く。]
Figure 2016151046
[式中、R7〜R9は、同一または異なって、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、アリル基、ベンジル基またはアリール基を表す。]
Figure 2016151046
[式中、R10〜R12は、同一または異なって、水酸基、炭素数1〜3のアルコキシ基または炭素数1〜3のアルキル基を表す。但し、R10、R11およびR12が同時にアルキル基である場合を除く。Xは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子または沃素原子を表す。]
Figure 2016151046
[式中、R13〜R17は、同一または異なって、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基またはフェニル基を表す。R18およびR19は、同一または異なって、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表す。mは1〜3の整数を表す。nは0〜5の整数を表す。]
第2の発明は、第1の発明の表面処理剤により処理された銅箔である。
第3の発明は、第1の発明の表面処理剤により処理されたプリプレグである。
第4の発明は、第1の発明の表面処理剤により処理された銅張積層板である。
第5の発明は、第1の発明の表面処理剤により処理された層間絶縁材である。
第6の発明は、銅箔と樹脂層が第1の発明の表面処理剤による皮膜を介して積層された樹脂付銅箔である。
第7の発明は、第1の発明の表面処理剤により処理された部材を備えるプリント配線板である。
第8の発明は、化学式(I)または化学式(II)で示されるホルミルイミダゾール化合物と、化学式(III)で示されるアミノプロピルシラン化合物とを反応させて得られるイミダゾールシラン化合物;化学式(IV)で示されるイミダゾール化合物と、化学式(V)で示されるハロプロピルシラン化合物とを反応させて得られるイミダゾールシラン化合物;および化学式(VI)で示されるイミダゾールシラン化合物からなる群より選択される少なくとも一種のイミダゾールシラン化合物、並びに、樹脂またはその硬化前化合物を含有する樹脂組成物である。
Figure 2016151046
[式中、R1〜R3は、同一または異なって、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、アリル基、ベンジル基またはアリール基を表す。]
Figure 2016151046
[式中、R1〜R3は、前記と同様である。]
Figure 2016151046
[式中、R4〜R6は、同一または異なって、水酸基、炭素数1〜3のアルコキシ基または炭素数1〜3のアルキル基を表す。但し、R4〜R6が同時にアルキル基である場合を除く。]
Figure 2016151046
[式中、R7〜R9は、同一または異なって、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、アリル基、ベンジル基またはアリール基を表す。]
Figure 2016151046
[式中、R10〜R12は、同一または異なって、水酸基、炭素数1〜3のアルコキシ基または炭素数1〜3のアルキル基を表す。但し、R10、R11およびR12が同時にアルキル基である場合を除く。Xは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子または沃素原子を表す。]
Figure 2016151046
[式中、R13〜R17は、同一または異なって、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基またはフェニル基を表す。R18およびR19は、同一または異なって、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表す。mは1〜3の整数を表す。nは0〜5の整数を表す。]
第9の発明は、第8の発明の樹脂組成物から構成されたソルダーレジストインクである。
第10の発明は、第9の発明のソルダーレジストインクから形成されたソルダーレジストを備えるプリント配線板である。
第11の発明は、基材と第8の発明の樹脂組成物から構成されたプリプレグである。
第12の発明は、銅箔と第11の発明のプリプレグから構成された銅張積層板である。
第13の発明は、第8の発明の樹脂組成物から構成された層間絶縁材である。
第14の発明は、銅箔と第8の発明の樹脂組成物により形成された樹脂層から構成された樹脂付銅箔である。
第15の発明は、第8の発明の樹脂組成物により形成された樹脂層を備えるプリント配線板である。
第16の発明は、第8の発明の樹脂組成物から構成された半導体封止材料である。
本発明の表面処理剤によれば、金属、無機材料および樹脂材料から選択される材質の異なる2つの材料間の接着性を高めることができる。そのため、該表面処理剤を用いることにより、被積層体に対する接着性やそれ自体の層間接着性に優れた銅箔、プリプレグ、銅張積層板、層間絶縁材、樹脂付銅箔およびプリント配線板等を得ることができる。
また、本発明の樹脂組成物によれば、金属や無機材料に対して高い接着性を有する樹脂層を形成できる。そのため、この樹脂組成物を用いることにより、被積層体との接着性やそれ自体の層間接着性に優れた銅張積層板、層間絶縁材、樹脂付銅箔およびプリント配線板、半導体封止材料等を得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の表面処理剤は、下記のイミダゾールシラン化合物(1)、イミダゾールシラン化合物(2)、およびイミダゾールシラン化合物(3)からなる群より選択される少なくとも一種のイミダゾールシラン化合物を必須成分として含有する表面処理剤である。また、本発明の樹脂組成物は、下記のイミダゾールシラン化合物(1)、イミダゾールシラン化合物(2)、およびイミダゾールシラン化合物(3)からなる群より選択される少なくとも一種のイミダゾールシラン化合物、並びに、樹脂またはその硬化前化合物を必須成分として含有する樹脂組成物である。
・イミダゾールシラン化合物(1):化学式(I)または化学式(II)で示されるホルミルイミダゾール化合物と、化学式(III)で示されるアミノプロピルシラン化合物とを反応させて得られるイミダゾールシラン化合物
・イミダゾールシラン化合物(2):化学式(IV)で示されるイミダゾール化合物と、化学式(V)で示されるハロプロピルシラン化合物とを反応させて得られるイミダゾールシラン化合物
・イミダゾールシラン化合物(3):化学式(VI)で示されるイミダゾールシラン化合物
Figure 2016151046
[式中、R1〜R3は、同一または異なって、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、アリル基、ベンジル基またはアリール基を表す。]
Figure 2016151046
[式中、R1〜R3は、前記と同様である。]
Figure 2016151046
[式中、R4〜R6は、同一または異なって、水酸基、炭素数1〜3のアルコキシ基または炭素数1〜3のアルキル基を表す。但し、R4、R5およびR6が同時にアルキル基である場合を除く。]
Figure 2016151046
[式中、R7〜R9は、同一または異なって、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、アリル基、ベンジル基またはアリール基を表す。]
Figure 2016151046
[式中、R10〜R12は、同一または異なって、水酸基、炭素数1〜3のアルコキシ基または炭素数1〜3のアルキル基を表す。但し、R10、R11およびR12が同時にアルキル基である場合を除く。Xは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子または沃素原子を表す。]
Figure 2016151046
[式中、R13〜R17は、同一または異なって、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基またはフェニル基を表す。R18およびR19は、同一または異なって、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表す。mは1〜3の整数を表す。nは0〜5の整数を表す。]
なお、本明細書においては、上述のイミダゾールシラン化合物(1)、イミダゾールシラン化合物(2)、およびイミダゾールシラン化合物(3)からなる群より選択される少なくとも一種のイミダゾールシラン化合物を、「本発明のイミダゾールシラン化合物」と称する場合がある。まず、イミダゾールシラン化合物(1)、イミダゾールシラン化合物(2)、およびイミダゾールシラン化合物(3)について説明する。
[イミダゾールシラン化合物(1)]
イミダゾールシラン化合物(1)が合成される工程を、各々反応スキーム(A)および反応スキーム(B)に示す。
Figure 2016151046
[式中、R1〜R6は、前記と同様である。R20は、炭素数1〜20のアルキル基、アリル基またはベンジル基を表す。Zは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、メシルオキシ基、トシルオキシ基またはトリフロロメチルスルフォニルオキシ基を表す。]
Figure 2016151046
[式中、R1〜R6、R20およびZは、前記と同様である。]
反応スキーム(A):化学式(I)で示される2−ホルミルイミダゾール化合物と、化学式(III)で示されるアミノプロピルシラン化合物とを反応させることにより、化学式(VII)で示される中間体が生成する。続いて、この中間体と還元剤Aとを反応させることにより、化学式(VIII)で示されるイミダゾールシラン化合物が得られる。また、塩基Aの存在下、化学式(VIII)で示されるイミダゾールシラン化合物とR20−Z(例えば、アルキル化剤)とを反応させることにより、化学式(IX)で示されるイミダゾールシラン化合物が生成する。
なお、化学式(VIII)および化学式(IX)で示されるイミダゾールシラン化合物が生成する際に、それらのイミダゾールシラン化合物の縮合物であるオリゴマー(注:シロキサン結合(Si-O-Si)を有する)が、副反応物として生成するが、このオリゴマーは、当該イミダゾールシラン化合物と同様に、表面処理剤および樹脂組成物の成分として有用である。
従って、本発明において、化学式(I)で示される2−ホルミルイミダゾール化合物と、化学式(III)で示されるアミノプロピルシラン化合物との反応生成物とは、
(イ)化学式(VIII)で示されるイミダゾールシラン化合物と該化合物に由来するオリゴマーとの混合物、または、
(ロ)この混合物にR20−Z(例えば、アルキル化剤)を投入して反応させることにより得られる化学式(IX)で示されるイミダゾールシラン化合物と該化合物に由来するオリゴマーおよび、化学式(VIII)で示されるイミダゾールシラン化合物に由来するオリゴマーとR20−Z(例えば、アルキル化剤)との反応物の混合物を指す。
反応スキーム(B):化学式(II)で示される4−ホルミルイミダゾール化合物と、化学式(III)で示されるアミノプロピルシラン化合物とを反応させることにより、化学式(X)で示される中間体が生成する。続いて、この中間体と還元剤Bとを反応させることにより、化学式(XI)で示されるイミダゾールシラン化合物が得られる。また、塩基Bの存在下、化学式(XI)で示されるイミダゾールシラン化合物とR20−Z(例えば、アルキル化剤)とを反応させることにより、化学式(XII)で示されるイミダゾールシラン化合物が生成する。
なお、化学式(XI)および化学式(XII)で示されるイミダゾールシラン化合物が生成する際に、それらのイミダゾールシラン化合物の縮合物であるオリゴマー(注:シロキサン結合(Si-O-Si)を有する)が、副反応物として生成するが、このオリゴマーは、当該イミダゾールシラン化合物と同様に、表面処理剤および樹脂組成物の成分として有用である。
従って、本発明において、化学式(II)で示される4−ホルミルイミダゾール化合物と、化学式(III)で示されるアミノプロピルシラン化合物との反応生成物とは、
(ハ)化学式(XI)で示されるイミダゾールシラン化合物と該化合物に由来するオリゴマーとの混合物、または、
(ニ)この混合物にR20−Z(例えば、アルキル化剤)を投入して反応させることにより得られる化学式(XII)で示されるイミダゾールシラン化合物と該化合物に由来するオリゴマーおよび、化学式(XI)で示されるイミダゾールシラン化合物に由来するオリゴマーとR20−Z(例えば、アルキル化剤)との反応物の混合物を指す。
前記の2−ホルミルイミダゾール化合物または4−ホルミルイミダゾール化合物(以下、両者を単に「ホルミルイミダゾール化合物」と云うことがある)と、前記のアミノプロピルシラン化合物との反応温度は、室温〜80℃とすることが好ましく、同反応時間は、設定した反応温度に応じて適宜決定されるが、15分〜2時間の範囲が好ましい。
この反応は化学量論的に進行するが、ホルミルイミダゾール化合物の使用量(仕込量)を、アミノプロピルシラン化合物に対して、0.1〜10倍モルの範囲における適宜の割合とすることができる。
また、この反応においては、必要に応じて、メタノール、エタノール、プロパノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、酢酸エチル、アセトニトリル、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルリン酸トリアミド等から選択される適宜の有機溶剤を、適宜量使用すればよい。なお、反応溶媒として使用される有機溶剤は1種類を単独で使用してもよく、必要に応じて、種類の異なる溶剤を組み合わせて使用してもよい。
ホルミルイミダゾール化合物とアミノプロピルシラン化合物とが反応して生成する中間体は、該中間体の理論生成量に対して、0.001〜0.5倍モルのパラジウム炭素を還元触媒として使用し、水素と反応させることにより還元することができる。この還元反応の反応温度は、室温〜80℃とすることが好ましく、同反応時間は、設定した反応温度に応じて適宜決定されるが、1〜96時間の範囲が好ましい。
なお、この還元反応は、公知の還元剤として知られる水素化ホウ素ナトリウムやラネーニッケル等を使用して行うこともできる。
また、この反応においても、前述と同様の有機溶剤を反応溶媒として使用することができる。
還元反応により得られた化学式(VIII)または化学式(XI)で示されるイミダゾールシラン化合物と、R20−Z(例えば、アルキル化剤)とを、塩基Aまたは塩基B(以下、両者を単に「塩基」と云うことがある)の存在下にて反応させることにより、化学式(IX)または化学式(XII)で示されるイミダゾールシラン化合物が生成する。
前記R20−Z(例えば、アルキル化剤)は、出発原料のホルミルイミダゾール化合物に対して、1〜20倍モルの割合で使用することができる。この反応の反応温度は、室温〜150℃とすることが好ましく、同反応時間は、設定した反応温度に応じて適宜決定されるが、1〜96時間の範囲が好ましい。
この反応においても、前述と同様の有機溶剤を反応溶媒として使用することができる。
前記の化学式(I)で示される2−ホルミルイミダゾール化合物としては、
2−ホルミルイミダゾール、
4−アルキル−2−ホルミルイミダゾール、
4−アリル−2−ホルミルイミダゾール、
4−ベンジル−2−ホルミルイミダゾール、
4−アリール−2−ホルミルイミダゾール、
4,5−ジアルキル−2−ホルミルイミダゾール、
4,5−ジアリル−2−ホルミルイミダゾール、
4,5−ジベンジル−2−ホルミルイミダゾール、
4,5−ジアリール−2−ホルミルイミダゾール、
4−アルキル−5−アリル−2−ホルミルイミダゾール、
4−アルキル−5−ベンジル−2−ホルミルイミダゾール、
4−アルキル−5−アリール−2−ホルミルイミダゾール、
4−アリル−5−ベンジル−2−ホルミルイミダゾール、
4−アリル−5−アリール−2−ホルミルイミダゾール、
5−アリール−4−ベンジル−2−ホルミルイミダゾール、
1−アルキル−2−ホルミルイミダゾール、
1−アリル−2−ホルミルイミダゾール、
1−ベンジル−2−ホルミルイミダゾール、
1−アリール−2−ホルミルイミダゾール、
1,4−ジアルキル−2−ホルミルイミダゾール、
1,5−ジアルキル−2−ホルミルイミダゾール、
1−アルキル−4−アリル−2−ホルミルイミダゾール、
1−アルキル−5−アリル−2−ホルミルイミダゾール、
1−アルキル−4−ベンジル−2−ホルミルイミダゾール、
1−アルキル−5−ベンジル−2−ホルミルイミダゾール、
1−アルキル−4−アリール−2−ホルミルイミダゾール、
1−アルキル−5−アリール−2−ホルミルイミダゾール、
4−アルキル−1−アリル−2−ホルミルイミダゾール、
5−アルキル−1−アリル−2−ホルミルイミダゾール、
1,4−ジアリル−2−ホルミルイミダゾール、
1,5−ジアリル−2−ホルミルイミダゾール、
1−アリル−4−ベンジル−2−ホルミルイミダゾール、
1−アリル−5−ベンジル−2−ホルミルイミダゾール、
1−アリル−4−アリール−2−ホルミルイミダゾール、
1−アリル−5−アリール−2−ホルミルイミダゾール、
4−アルキル−1−ベンジル−2−ホルミルイミダゾール、
5−アルキル−1−ベンジル−2−ホルミルイミダゾール、
4−アリル−1−ベンジル−2−ホルミルイミダゾール、
5−アリル−1−ベンジル−2−ホルミルイミダゾール、
1,4−ジベンジル−2−ホルミルイミダゾール、
1,5−ジベンジル−2−ホルミルイミダゾール、
4−アリール−1−ベンジル−2−ホルミルイミダゾール、
5−アリール−1−ベンジル−2−ホルミルイミダゾール、
4−アルキル−1−アリール−2−ホルミルイミダゾール、
5−アルキル−1−アリール−2−ホルミルイミダゾール、
4−アリル−1−アリール−2−ホルミルイミダゾール、
5−アリル−1−アリール−2−ホルミルイミダゾール、
1−アリール−4−ベンジル−2−ホルミルイミダゾール、
1−アリール−5−ベンジル−2−ホルミルイミダゾール、
1,4−ジアリール−2−ホルミルイミダゾール、
1,5−ジアリール−2−ホルミルイミダゾール、
1,4,5−トリアルキル−2−ホルミルイミダゾール、
1−アルキル−4,5−ジアリル−2−ホルミルイミダゾール、
1−アルキル−4,5−ジベンジル−2−ホルミルイミダゾール、
1−アルキル−4,5−ジアリール−2−ホルミルイミダゾール、
1,4−ジアルキル−5−アリル−2−ホルミルイミダゾール、
1,5−ジアルキル−4−アリル−2−ホルミルイミダゾール、
1,4−ジアルキル−5−ベンジル−2−ホルミルイミダゾール、
1,5−ジアルキル−4−ベンジル−2−ホルミルイミダゾール、
1,4−ジアルキル−5−アリール−2−ホルミルイミダゾール、
1,5−ジアルキル−4−アリール−2−ホルミルイミダゾール、
1−アルキル−4−アリル−5−ベンジル−2−ホルミルイミダゾール、
1−アルキル−5−アリル−4−ベンジル−2−ホルミルイミダゾール、
1−アルキル−4−アリル−5−アリール−2−ホルミルイミダゾール、
1−アルキル−5−アリル−4−アリール−2−ホルミルイミダゾール、
1−アルキル−4−アリール−5−ベンジル−2−ホルミルイミダゾール、
1−アルキル−5−アリール−4−ベンジル−2−ホルミルイミダゾール、
4,5−ジアルキル−1−アリル−2−ホルミルイミダゾール、
1,4,5−トリアリル−2−ホルミルイミダゾール、
1−アリル−4,5−ジベンジル−2−ホルミルイミダゾール、
1−アリル−4,5−ジアリール−2−ホルミルイミダゾール、
5−アルキル−1,4−ジアリル−2−ホルミルイミダゾール、
4−アルキル−1,5−ジアリル−2−ホルミルイミダゾール、
4−アルキル−1−アリル−5−ベンジル−2−ホルミルイミダゾール、
5−アルキル−1−アリル−4−ベンジル−2−ホルミルイミダゾール、
4−アルキル−1−アリル−5−アリール−2−ホルミルイミダゾール、
5−アルキル−1−アリル−4−アリール−2−ホルミルイミダゾール、
1,4−ジアリル−5−ベンジル−2−ホルミルイミダゾール、
1,5−ジアリル−4−ベンジル−2−ホルミルイミダゾール、
1,4−ジアリル−5−アリール−2−ホルミルイミダゾール、
1,5−ジアリル−4−アリール−2−ホルミルイミダゾール、
1−アリル−4−アリール−5−ベンジル−2−ホルミルイミダゾール、
1−アリル−5−アリール−4−ベンジル−2−ホルミルイミダゾール、
4,5−ジアルキル−1−ベンジル−2−ホルミルイミダゾール、
4,5−ジアリル−1−ベンジル−2−ホルミルイミダゾール、
1,4,5−トリベンジル−2−ホルミルイミダゾール、
4,5−ジアリール−1−ベンジル−2−ホルミルイミダゾール、
4−アルキル−5−アリル−1−ベンジル−2−ホルミルイミダゾール、
5−アルキル−4−アリル−1−ベンジル−2−ホルミルイミダゾール、
4−アルキル−1,5−ジベンジル−2−ホルミルイミダゾール、
5−アルキル−1,4−ジベンジル−2−ホルミルイミダゾール、
4−アルキル−5−アリール−1−ベンジル−2−ホルミルイミダゾール、
5−アルキル−4−アリール−1−ベンジル−2−ホルミルイミダゾール、
4−アリル−1,5−ジベンジル−2−ホルミルイミダゾール、
5−アリル−1,4−ジベンジル−2−ホルミルイミダゾール、
4−アリル−5−アリール−1−ベンジル−2−ホルミルイミダゾール、
5−アリル−4−アリール−1−ベンジル−2−ホルミルイミダゾール、
4−アリール−1,5−ジベンジル−2−ホルミルイミダゾール、
5−アリール−1,4−ジベンジル−2−ホルミルイミダゾール、
4,5−ジアルキル−1−アリール−2−ホルミルイミダゾール、
4,5−ジアリル−1−アリール−2−ホルミルイミダゾール、
1−アリール−4,5−ジベンジル−2−ホルミルイミダゾール、
1,4,5−トリアリール−2−ホルミルイミダゾール、
4−アルキル−5−アリル−1−アリール−2−ホルミルイミダゾール、
5−アルキル−4−アリル−1−アリール−2−ホルミルイミダゾール、
4−アルキル−1−アリール−5−ベンジル−2−ホルミルイミダゾール、
5−アルキル−1−アリール−4−ベンジル−2−ホルミルイミダゾール、
4−アルキル−1,5−ジアリール−2−ホルミルイミダゾール、
5−アルキル−1,4−ジアリール−2−ホルミルイミダゾール、
4−アリル−1−アリール−5−ベンジル−2−ホルミルイミダゾール、
5−アリル−1−アリール−4−ベンジル−2−ホルミルイミダゾール、
4−アリル−1,5−ジアリール−2−ホルミルイミダゾール、
5−アリル−1,4−ジアリール−2−ホルミルイミダゾール、
1,4−ジアリール−5−ベンジル−2−ホルミルイミダゾール、
1,5−ジアリール−4−ベンジル−2−ホルミルイミダゾール等を例示することができる。
前記の化学式(II)で示される4−ホルミルイミダゾール化合物としては、
4−ホルミルイミダゾール、
2−アルキル−4−ホルミルイミダゾール、
5−アルキル−4−ホルミルイミダゾール、
2−アリル−4−ホルミルイミダゾール、
5−アリル−4−ホルミルイミダゾール、
2−ベンジル−4−ホルミルイミダゾール、
5−ベンジル−4−ホルミルイミダゾール、
2−アリール−4−ホルミルイミダゾール、
5−アリール−4−ホルミルイミダゾール、
2,5−ジアルキル−4−ホルミルイミダゾール、
2−アルキル−5−アリル−4−ホルミルイミダゾール、
5−アルキル−2−アリル−4−ホルミルイミダゾール、
2−アルキル−5−ベンジル−4−ホルミルイミダゾール、
5−アルキル−2−ベンジル−4−ホルミルイミダゾール、
2−アルキル−5−アリール−4−ホルミルイミダゾール、
5−アルキル−2−アリール−4−ホルミルイミダゾール、
2,5−ジアリル−4−ホルミルイミダゾール、
2−アリル−5−ベンジル−4−ホルミルイミダゾール、
5−アリル−2−ベンジル−4−ホルミルイミダゾール、
2−アリル−5−アリール−4−ホルミルイミダゾール、
5−アリル−2−アリール−4−ホルミルイミダゾール、
2,5−ジベンジル−4−ホルミルイミダゾール、
2−アリール−5−ベンジル−4−ホルミルイミダゾール、
5−アリール−2−ベンジル−4−ホルミルイミダゾール、
2,5−ジアリール−4−ホルミルイミダゾール、
1,2,5−トリアルキル−4−ホルミルイミダゾール、
1,2−ジアルキル−5−アリル−4−ホルミルイミダゾール、
1,5−ジアルキル−2−アリル−4−ホルミルイミダゾール、
1,2−ジアルキル−5−ベンジル−4−ホルミルイミダゾール、
1,5−ジアルキル−2−ベンジル−4−ホルミルイミダゾール、
1,2−ジアルキル−5−アリール−4−ホルミルイミダゾール、
1,5−ジアルキル−2−アリール−4−ホルミルイミダゾール、
1−アルキル−2,5−ジアリル−4−ホルミルイミダゾール、
1−アルキル−2−アリル−5−ベンジル−4−ホルミルイミダゾール、
1−アルキル−5−アリル−2−ベンジル−4−ホルミルイミダゾール、
1−アルキル−2−アリル−5−アリール−4−ホルミルイミダゾール、
1−アルキル−5−アリル−2−アリール−4−ホルミルイミダゾール、
1−アルキル−2,5−ジベンジル−4−ホルミルイミダゾール、
1−アルキル−2−アリール−5−ベンジル−4−ホルミルイミダゾール、
1−アルキル−5−アリール−2−ベンジル−4−ホルミルイミダゾール、
1−アルキル−2,5−ジアリール−4−ホルミルイミダゾール、
2,5−ジアルキル−1−アリル−4−ホルミルイミダゾール、
2−アルキル−1,5−ジアリル−4−ホルミルイミダゾール、
5−アルキル−1,2−ジアリル−4−ホルミルイミダゾール、
2−アルキル−1−アリル−5−ベンジル−4−ホルミルイミダゾール、
5−アルキル−1−アリル−2−ベンジル−4−ホルミルイミダゾール、
2−アルキル−1−アリル−5−アリール−4−ホルミルイミダゾール、
5−アルキル−1−アリル−2−アリール−4−ホルミルイミダゾール、
1,2,5−トリアリル−4−ホルミルイミダゾール、
1,2−ジアリル−5−ベンジル−4−ホルミルイミダゾール、
1,5−ジアリル−2−ベンジル−4−ホルミルイミダゾール、
1,2−ジアリル−5−アリール−4−ホルミルイミダゾール、
1,5−ジアリル−2−アリール−4−ホルミルイミダゾール、
1−アリル−2,5−ジベンジル−4−ホルミルイミダゾール、
1−アリル−2−アリール−5−ベンジル−4−ホルミルイミダゾール、
1−アリル−5−アリール−2−ベンジル−4−ホルミルイミダゾール、
1−アリル−2,5−ジアリール−4−ホルミルイミダゾール、
2,5−ジアルキル−1−ベンジル−4−ホルミルイミダゾール、
2−アルキル−5−アリル−1−ベンジル−4−ホルミルイミダゾール、
5−アルキル−2−アリル−1−ベンジル−4−ホルミルイミダゾール、
2−アルキル−1,5−ジベンジル−4−ホルミルイミダゾール、
5−アルキル−1,2−ジベンジル−4−ホルミルイミダゾール、
2−アルキル−5−アリール−1−ベンジル−4−ホルミルイミダゾール、
5−アルキル−2−アリール−1−ベンジル−4−ホルミルイミダゾール、
2,5−ジアリル−1−ベンジル−4−ホルミルイミダゾール、
2−アリル−1,5−ジベンジル−4−ホルミルイミダゾール、
5−アリル−1,2−ジベンジル−4−ホルミルイミダゾール、
2−アリル−5−アリール−1−ベンジル−4−ホルミルイミダゾール、
5−アリル−2−アリール−1−ベンジル−4−ホルミルイミダゾール、
1,2,5−トリベンジル−4−ホルミルイミダゾール、
2−アリール−1,5−ジベンジル−4−ホルミルイミダゾール、
5−アリール−1,2−ジベンジル−4−ホルミルイミダゾール、
2,5−ジアリール−1−ベンジル−4−ホルミルイミダゾール、
2,5−ジアルキル−1−アリール−4−ホルミルイミダゾール、
2−アルキル−5−アリル−1−アリール−4−ホルミルイミダゾール、
5−アルキル−2−アリル−1−アリール−4−ホルミルイミダゾール、
2−アルキル−1−アリール−5−ベンジル−4−ホルミルイミダゾール、
5−アルキル−1−アリール−2−ベンジル−4−ホルミルイミダゾール、
2−アルキル−1,5−ジアリール−4−ホルミルイミダゾール、
5−アルキル−1,2−ジアリール−4−ホルミルイミダゾール、
2,5−ジアリル−1−アリール−4−ホルミルイミダゾール、
2−アリル−1−アリール−5−ベンジル−4−ホルミルイミダゾール、
5−アリル−1−アリール−2−ベンジル−4−ホルミルイミダゾール、
2−アリル−1,5−ジアリール−4−ホルミルイミダゾール、
5−アリル−1,2−ジアリール−4−ホルミルイミダゾール、
1−アリール−2,5−ジベンジル−4−ホルミルイミダゾール、
1,2−ジアリール−5−ベンジル−4−ホルミルイミダゾール、
1,5−ジアリール−2−ベンジル−4−ホルミルイミダゾール、
1,2,5−トリアリール−4−ホルミルイミダゾール等を例示することができる。
これらの物質名中に現れる「アルキル」とは、
メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシル等の基(アルキル基)を表す。
また、同物質名中に現れる「アリール」とは、
フェニル、
1−ナフチル、2−ナフチル、
2−チエニル、3−チエニル、
2−ベンゾチエニル、3−ベンゾチエニル、4−ベンゾチエニル、5−ベンゾチエニル、6−ベンゾチエニル、7−ベンゾチエニル、
1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル、
1−インドリル、2−インドリル、3−インドリル、4−インドリル、5−インドリル、6−インドリル、7−インドリル、
2−フリル、3−フリル、
2−ベンゾフリル、3−ベンゾフリル、4−ベンゾフリル、5−ベンゾフリル、6−ベンゾフリル、7−ベンゾフリル、
2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、
2−キノリル、3−キノリル、4−キノリル、5−キノリル、6−キノリル、7−キノリル、8−キノリル、
1−イソキノリル、3−イソキノリル、4−イソキノリル、5−イソキノリル、6−イソキノリル、7−イソキノリル、8−イソキノリル、
1−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、
1−ベンゾイミダゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、4−ベンゾイミダゾリル、5−ベンゾイミダゾリル、6−ベンゾイミダゾリル、7−ベンゾイミダゾリル、
2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、
2−ベンゾオキサゾリル、4−ベンゾオキサゾリル、5−ベンゾオキサゾリル、6−ベンゾオキサゾリル、7−ベンゾオキサゾリル、
2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、
2−ベンゾチアゾリル、4−ベンゾチアゾリル、5−ベンゾチアゾリル、6−ベンゾチアゾリル、7−ベンゾチアゾリル、
1−ピラゾリル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル、5−ピラゾリル、
3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル、
2−ピラジル、
2−ピリミジル、4−ピリミジル、5−ピリミジル、
3−ピリダジル、4−ピリダジル、
2−トリアジル、
2−キノキサリル、3−キノキサリル、5−キノキサリル、6−キノキサリル、
2−キナゾリル、4−キナゾリル、5−キナゾリル、6−キナゾリル、7−キナゾリル、8−キナゾリル、
3−シンノリル、4−シンノリル、5−シンノリル、6−シンノリル、7−シンノリル、8−シンノリル等の基(アリール基)を表し、これらのアリール基は前述のアルキル基で置換されていてもよい。
前記の化学式(III)で示されるアミノプロピルシラン化合物としては、
3−アミノプロピルトリメトキシシラン、
3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、
3−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、
3−アミノプロピルトリエトキシシラン、
3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、
3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、
3−アミノプロピルトリプロポキシシラン、
3−アミノプロピルメチルジプロポキシシラン、
3−アミノプロピルジメチルプロポキシシラン等を例示することができる。
前記のR20−Z(例えば、アルキル化剤)としては、トリアルキルオキソニウムテトラフルオロボレート、アルキルトリフラート、硫酸ジアルキル、アルキルトシラート、アルキルメシラート、ヨウ化アルキル、臭化アルキル、塩化アルキル、フッ化アルキル等を例示することができる。
これらの物質名中に現れる「アルキル」は、前述のアルキル基と同様である。
前記の塩基Aおよび塩基Bとしては、共通して、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロノネン、ピリジン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素セシウム、リン酸三リチウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸三セシウム、リン酸水素二リチウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二セシウム、リン酸二水素リチウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素セシウム、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸セシウム等を例示することができる。
これらは、副生するハロゲン化水素を捕捉する目的で使用され、塩基の使用量は、R20−Z(例えば、アルキル化剤)に対して、1〜20倍当量の範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
前記の化学式(VIII)で示されるイミダゾールシラン化合物としては、
3−(イミダゾール−2−イルメチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、
3−(1−メチルイミダゾール−2−イルメチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、
3−(4−メチルイミダゾール−2−イルメチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、
3−(4−フェニルイミダゾール−2−イルメチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、
3−(イミダゾール−2−イルメチルアミノ)プロピルトリエトキシシラン、
3−(イミダゾール−2−イルメチルアミノ)プロピルトリヒドロキシシラン等を例示することができる。
前記の化学式(XI)で示されるイミダゾールシラン化合物としては、
3−(イミダゾール−4−イルメチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、
3−(4−メチルイミダゾール−5−イルメチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、
3−(2−メチルイミダゾール−4−イルメチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、
3−(2−フェニル−4−メチルイミダゾール−5−イルメチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、
3−(イミダゾール−4−イルメチルアミノ)プロピルトリエトキシシラン、
3−(イミダゾール−4−イルメチルアミノ)プロピルトリヒドロキシシラン、
3−(4−メチルイミダゾール−5−イルメチルアミノ)プロピルトリヒドロキシシラン、
3−(2−フェニル−4−メチルイミダゾール−5−イルメチルアミノ)プロピルトリヒドロキシシラン等を例示することができる。
前記の化学式(IX)で示されるイミダゾールシラン化合物としては、
3−[(イミダゾール−2−イルメチル)メチルアミノ]プロピルトリメトキシシラン、
3−[(イミダゾール−2−イルメチル)エチルアミノ]プロピルトリメトキシシラン、
3−[(1−メチルイミダゾール−2−イルメチル)メチルアミノ]プロピルトリメトキシシラン、
3−[(1−メチルイミダゾール−2−イルメチル)エチルアミノ]プロピルトリメトキシシラン、
3−[(4−メチルイミダゾール−2−イルメチル)メチルアミノ]プロピルトリメトキシシラン、
3−[(4−メチルイミダゾール−2−イルメチル)エチルアミノ]プロピルトリメトキシシラン、
3−[(4−フェニルイミダゾール−2−イルメチル)メチルアミノ]プロピルトリメトキシシラン、
3−[(4−フェニルイミダゾール−2−イルメチル)エチルアミノ]プロピルトリメトキシシラン、
3−[(イミダゾール−2−イルメチル)メチルアミノ]プロピルトリエトキシシラン、
3−[(イミダゾール−2−イルメチル)エチルアミノ]プロピルトリエトキシシラン、
3−[(イミダゾール−2−イルメチル)メチルアミノ]プロピルトリヒドロキシシラン、
3−[(イミダゾール−2−イルメチル)エチルアミノ]プロピルトリヒドロキシシラン等を例示することができる。
前記の化学式(XII)で示されるイミダゾールシラン化合物としては、
3−[(イミダゾール−4−イルメチル)メチルアミノ]プロピルトリメトキシシラン、
3−[(イミダゾール−4−イルメチル)エチルアミノ]プロピルトリメトキシシラン、
3−[(4−メチルイミダゾール−5−イルメチル)メチルアミノ]プロピルトリメトキシシラン、
3−[(4−メチルイミダゾール−5−イルメチル)エチルアミノ]プロピルトリメトキシシラン、
3−[(2−メチルイミダゾール−4−イルメチル)メチルアミノ]プロピルトリメトキシシラン、
3−[(2−メチルイミダゾール−4−イルメチル)エチルアミノ]プロピルトリメトキシシラン、
3−[(2−フェニル−4−メチルイミダゾール−5−イルメチル)メチルアミノ]プロピルトリメトキシシラン、
3−[(2−フェニル−4−メチルイミダゾール−5−イルメチル)エチルアミノ]プロピルトリメトキシシラン、
3−[(イミダゾール−4−イルメチル)メチルアミノ]プロピルトリエトキシシラン、
3−[(イミダゾール−4−イルメチル)エチルアミノ]プロピルトリエトキシシラン、
3−[(イミダゾール−4−イルメチル)メチルアミノ]プロピルトリヒドロキシシラン、
3−[(イミダゾール−4−イルメチル)エチルアミノ]プロピルトリヒドロキシシラン、
3−[(4−メチルイミダゾール−5−イルメチル)メチルアミノ]プロピルトリヒドロキシシラン、
3−[(4−メチルイミダゾール−5−イルメチル)エチルアミノ]プロピルトリヒドロキシシラン、
3−[(2−フェニル−4−メチルイミダゾール−5−イルメチル)メチルアミノ]プロピルトリヒドロキシシラン、
3−[(2−フェニル−4−メチルイミダゾール−5−イルメチル)エチルアミノ]プロピルトリヒドロキシシラン等を例示することができる。
なお、前記の化学式(VIII)および化学式(IX)と、化学式(XI)および化学式(XII)と、これらのオリゴマーとを併せて、単に「イミダゾールシラン化合物(1)」と云うことがある。
[イミダゾールシラン化合物(2)]
イミダゾールシラン化合物(2)が合成される工程を、反応スキーム(C)に示す。
Figure 2016151046
[式中、R7〜R12およびXは、前記と同様である。]
反応スキーム(C):化学式(IV)で示されるイミダゾール化合物と、化学式(V)で示されるハロプロピルシラン化合物とを塩基Cの存在下にて反応させることにより、化学式(XIII)で示されるイミダゾールシラン化合物が生成する。
なお、化学式(XIII)で示されるイミダゾールシラン化合物が生成する際に、そのイミダゾールシラン化合物の縮合物であるオリゴマー(注:シロキサン結合(Si-O-Si)を有する)が、副反応物として生成するが、このオリゴマーは、当該イミダゾールシラン化合物と同様に、表面処理剤および樹脂組成物の成分として有用である。
従って、本発明において、化学式(IV)で示されるイミダゾール化合物と、化学式(V)で示されるハロプロピルシラン化合物との反応生成物とは、化学式(XIII)で示されるイミダゾールシラン化合物と該化合物に由来するオリゴマーとの混合物を指す。
前記のイミダゾール化合物と、前記のハロプロピルシラン化合物との反応温度は、50〜150℃とすることが好ましく、同反応時間は、設定した反応温度に応じて適宜決定されるが、15分〜24時間の範囲が好ましい。
この反応は化学量論的に進行するが、イミダゾール化合物の使用量(仕込量)を、ハロプロピルシラン化合物に対して、0.1〜10倍モルの範囲における適宜の割合とすることができる。
前記の塩基Cは、前述の塩基と同様である。
塩基Cの使用量は、ハロプロピルシラン化合物に対して、1〜20倍当量の範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
この反応においても、前述と同様の有機溶剤を反応溶媒として使用することができる。
前記の化学式(IV)で示されるイミダゾール化合物としては、
イミダゾール、
2−アルキルイミダゾール、
4−アルキルイミダゾール、
2−アリルイミダゾール、
4−アリルイミダゾール、
2−ベンジルイミダゾール、
4−ベンジルイミダゾール、
2−アリールイミダゾール、
4−アリールイミダゾール、
2,4−ジアルキルイミダゾール、
2−アルキル−4−アリルイミダゾール、
2−アルキル−4−ベンジルイミダゾール、
2−アルキル−4−アリールイミダゾール、
2−アリル−4−アルキルイミダゾール、
2,4−ジアリルイミダゾール、
2−アリル−4−ベンジルイミダゾール、
2−アリル−4−アリールイミダゾール、
2−ベンジル−4−アルキルイミダゾール、
2−ベンジル−4−アリルイミダゾール、
2,4−ジベンジルイミダゾール、
2−ベンジル−4−アリールイミダゾール、
2−アリール−4−アルキルイミダゾール、
2−アリール−4−アリルイミダゾール、
2−アリール−4−ベンジルイミダゾール、
2,4−ジアリールイミダゾール、
4,5−ジアルキルイミダゾール、
4−アルキル−5−アリルイミダゾール、
4−アルキル−5−ベンジルイミダゾール、
4−アルキル−5−アリールイミダゾール、
4,5−ジアリルイミダゾール、
4−アリル−5−ベンジルイミダゾール、
4−アリル−5−アリールイミダゾール、
4,5−ジベンジルイミダゾール、
4−ベンジル−5−アリールイミダゾール、
4,5−ジアリールイミダゾール、
2,4,5−トリアルキルイミダゾール、
2,4−ジアルキル−5−アリルイミダゾール、
2,4−ジアルキル−5−ベンジルイミダゾール、
2,4−ジアルキル−5−アリールイミダゾール、
2−アルキル−4,5−ジアリルイミダゾール、
2−アルキル−4−アリル−5−ベンジルイミダゾール、
2−アルキル−4−アリル−5−アリールイミダゾール、
2−アルキル−4−ベンジル−5−アリルイミダゾール、
2−アルキル−4,5−ジベンジルイミダゾール、
2−アルキル−4,5−ジアリールイミダゾール、
2−アリル−4,5−ジアルキルイミダゾール、
2,5−ジアリル−4−アルキルイミダゾール、
2−アリル−4−アルキル−5−ベンジルイミダゾール、
2−アリル−4−アルキル−5−アリールイミダゾール、
2,4,5−トリアリルイミダゾール、
2,4−ジアリル−5−ベンジルイミダゾール、
2,4−ジアリル−5−アリールイミダゾール、
2−アリル−4,5−ジベンジルイミダゾール、
2−アリル−4−ベンジル−5−アリールイミダゾール、
2−アリル−4,5−ジアリールイミダゾール、
2−ベンジル−4,5−ジアルキルイミダゾール、
2−ベンジル−4−アルキル−5−アリルイミダゾール、
2,5−ジベンジル−4−アルキルイミダゾール、
2−ベンジル−4−アルキル−5−アリールイミダゾール、
2−ベンジル−4−アリル−5−アルキルイミダゾール、
2−ベンジル−4,5−ジアリルイミダゾール、
2,5−ジベンジル−4−アリルイミダゾール、
2−ベンジル−4−アリル−5−アリールイミダゾール、
2,4−ジベンジル−5−アルキルイミダゾール、
2,4−ジベンジル−5−アリルイミダゾール、
2,4,5−トリベンジルイミダゾール、
2,4−ジベンジル−5−アリールイミダゾール、
2−ベンジル−4−アリール−5−アルキルイミダゾール、
2−ベンジル−4−アリール−5−アリルイミダゾール、
2,5−ジベンジル−4−アリールイミダゾール、
2−ベンジル−4,5−ジアリールイミダゾール、
2−アリール−4,5−ジアルキルイミダゾール、
2−アリール−4−アルキル−5−アリルイミダゾール、
2−アリール−4−アルキル−5−ベンジルイミダゾール、
2,5−ジアリール−4−アルキルイミダゾール、
2−アリール−4−アリル−5−アルキルイミダゾール、
2−アリール−4,5−ジアリルイミダゾール、
2−アリール−4−アリル−5−ベンジルイミダゾール、
2,5−ジアリール−4−アリルイミダゾール、
2−アリール−4−ベンジル−5−アルキルイミダゾール、
2−アリール−4−ベンジル−5−アリルイミダゾール、
2−アリール−4,5−ベンジルイミダゾール、
2,5−ジアリール−4−ベンジルイミダゾール、
2,4−ジアリール−5−アルキルイミダゾール、
2,4−ジアリール−5−アリルイミダゾール、
2,4−ジアリール−5−ベンジルイミダゾール、
2,4,5−トリアリールイミダゾール等を例示することができる。
これらの物質名中に現れる「アルキル」および「アリール」は、各々前述のアルキル基およびアリール基と同様である。
前記の化学式(V)で示されるハロプロピルシラン化合物としては、
3−クロロプロピルトリメトキシシラン、
3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、
3−クロロプロピルジメチルメトキシシラン、
3−クロロプロピルトリエトキシシラン、
3−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、
3−クロロプロピルジメチルエトキシシラン、
3−クロロプロピルトリプロポキシシラン、
3−クロロプロピルメチルジプロポキシシラン、
3−クロロプロピルジメチルプロポキシシラン、
3−ブロモプロピルトリメトキシシラン、
3−ブロモプロピルメチルジメトキシシラン、
3−ブロモプロピルジメチルメトキシシラン、
3−ブロモプロピルトリエトキシシラン、
3−ブロモプロピルメチルジエトキシシラン、
3−ブロモプロピルジメチルエトキシシラン、
3−ブロモプロピルトリプロポキシシラン、
3−ブロモプロピルメチルジプロポキシシラン、
3−ブロモプロピルジメチルプロポキシシラン、
3−ヨードプロピルトリメトキシシラン、
3−ヨードプロピルメチルジメトキシシラン、
3−ヨードプロピルジメチルメトキシシラン、
3−ヨードプロピルトリエトキシシラン、
3−ヨードプロピルメチルジエトキシシラン、
3−ヨードプロピルジメチルエトキシシラン、
3−ヨードプロピルトリプロポキシシラン、
3−ヨードプロピルメチルジプロポキシシラン、
3−ヨードプロピルジメチルプロポキシシラン等を例示することができる。
前記の化学式(XIII)で示されるイミダゾールシラン化合物としては、
3−(2−メチルイミダゾール−1−イル)プロピルトリメトキシシラン、
3−(2−フェニルイミダゾール−1−イル)プロピルトリメトキシシラン、
3−(2−エチル−4−メチルイミダゾール−1−イル)プロピルトリメトキシシラン、
3−(2−ウンデシルイミダゾール−1−イル)プロピルトリメトキシシラン、
3−(2−メチルイミダゾール−1−イル)プロピルトリエトキシシラン、
3−(2−メチルイミダゾール−1−イル)プロピルトリヒドロキシシラン、
3−(2−フェニルイミダゾール−1−イル)プロピルトリヒドロキシシラン等を例示することができる。
なお、前記の化学式(XIII)で示されるイミダゾールシラン化合物と、このオリゴマーとを併せて、単に「イミダゾールシラン化合物(2)」と云うことがある。
[イミダゾールシラン化合物(3)]
イミダゾールシラン化合物(3)が合成される工程を、各々反応スキーム(D)および反応スキーム(E)に示す。
Figure 2016151046
[式中、R13〜R19、mおよびnは、前記と同様である。R21は炭素数1〜20のアルキル基またはフェニル基を表す。]
反応スキーム(D):化学式(XIVa)で示されるイミダゾールカーバメート化合物と、化学式(XVa)で示される3−アミノプロピルシラン化合物とを反応させることにより、化学式(VI)で示されるイミダゾールシラン化合物が生成する。
前記のイミダゾールカーバメート化合物と、3−アミノプロピルシラン化合物との反応温度は、50〜250℃とすることが好ましく、同反応時間は、設定した反応温度に応じて適宜決定されるが、30分〜48時間の範囲が好ましい。
この反応は化学量論的に進行するが、反応温度、反応時間、反応溶媒の種類や使用量、反応スケール等の条件に応じて、イミダゾールカーバメート化合物の使用量(仕込量)を、3−アミノプロピルシラン化合物に対して、0.1〜10倍モルの範囲における適宜の割合とすることができる。
この反応においても、前述と同様の有機溶剤を反応溶媒として使用することができる。
Figure 2016151046
[式中、R13〜R16、R18、R19、mおよびnは、前記と同様である。]
反応スキーム(E):化学式(XIVb)で示される1−アミノアルキルイミダゾール化合物と、化学式(XVb)で示される3−イソシアナトプロピルシラン化合物を反応させることにより、化学式(VI´)で示されるイミダゾールシラン化合物が生成する。
なお、化学式(VI´)は、R17を水素原子に特定した化学式(VI)と等価である。
前記の1−アミノアルキルイミダゾール化合物と、3−イソシアナトプロピルシラン化合物との反応温度は、−20〜80℃とすることが好ましく、同反応時間は、設定した反応温度に応じて適宜決定されるが、15分〜12時間の範囲が好ましい。
この反応も、反応スキーム(D)に示した反応と同様に化学量論的に進行するが、前記と同様の事情により、1−アミノアルキルイミダゾール化合物の使用量(仕込量)を、3−イソシアナトプロピルシラン化合物に対して、0.1〜10倍モルの範囲における適宜の割合とすることができる。
また、この反応は、無溶媒で行われてもよく、反応スキーム(D)に示した反応の場合と同様の溶剤を反応溶媒として使用して行われてもよい。
本願の特許請求の範囲および明細書に現れる化学式中、R13〜R17およびR21が採用し得る炭素数1〜20のアルキル基とは、
メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシル等の飽和炭化水素の基を表す。
また、R18およびR19が採用し得る炭素数1〜3のアルキル基とは、
メチル、エチル、プロピル等の飽和炭化水素の基を表す。
化学式(XIVa)で示されるイミダゾールカーバメート化合物としては、
1−メトキシカルボニルアミノメチルイミダゾール、
1−(2−メトキシカルボニルアミノエチル)−2−メチルイミダゾール、
1−(2−エトキシカルボニルアミノエチル)−2−メチルイミダゾール、
1−(2−プロポキシカルボニルアミノエチル)−2−メチルイミダゾール、
1−(2−ブトキシカルボニルアミノエチル)−2−メチルイミダゾール、
1−(2−フェノキシカルボニルアミノエチル)−2−メチルイミダゾール、
1−(3−メトキシカルボニルアミノプロピル)−2−メチルイミダゾール、
1−(3−エトキシカルボニルアミノプロピル)−2−メチルイミダゾール、
1−(3−プロポキシカルボニルアミノプロピル)−2−メチルイミダゾール、
1−(3−ブトキシカルボニルアミノプロピル)−2−メチルイミダゾール、
1−(3−フェノキシカルボニルアミノプロピル)−2−メチルイミダゾール、
1−(2−メトキシカルボニルアミノエチル)−2−フェニルイミダゾール、
1−(3−メトキシカルボニルアミノプロピル)−2−フェニルイミダゾール、
1−(3−メトキシカルボニルアミノプロピル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール、
1−(3−メトキシカルボニルアミノプロピル)−2−フェニル−4−メチルイミダゾール、
1−(3−メトキシカルボニルアミノプロピル)−2−ウンデシルイミダゾール等が挙げられる。
化学式(XVa)で示される3−アミノプロピルシラン化合物としては、
3−アミノプロピルトリメトキシシラン、
3−アミノプロピルトリエトキシシラン、
3−アミノプロピルトリプロポキシシラン、
N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、
N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、
3−アミノプロピルジメトキシメチルシラン、
3−アミノプロピルメトキシジメチルシラン等が挙げられる。
化学式(XIVb)で示される1−アミノアルキルイミダゾール化合物としては、
1−(2−アミノエチル)イミダゾール、
1−(3−アミノプロピル)イミダゾール、
1−(2−アミノエチル)−2−メチルイミダゾール、
1−(3−アミノプロピル)−2−メチルイミダゾール、
1−(2−アミノエチル)−2−フェニルイミダゾール、
1−(3−アミノプロピル)−2−フェニルイミダゾール、
1−(3−アミノプロピル)−2−ウンデシルイミダゾール、
1−(3−アミノプロピル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール、
1−[2−(メチルアミノ)エチル]−2−フェニルイミダゾール等が挙げられる。
化学式(XVb)で示される3−イソシアナトプロピルシラン化合物としては、
3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、
3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、
3−イソシアナトプロピルトリプロポキシシラン、
3−イソシアナトプロピルジメトキシメチルシラン、
3−イソシアナトプロピルメトキシジメチルシラン等が挙げられる。
化学式(VI)で示されるイミダゾールシラン化合物としては、
1−[3−(イミダゾール−1−イル)プロピル]−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ウレア、
1−[2−(2−メチルイミダゾール−1−イル)エチル]−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ウレア、
1−[3−(2−メチルイミダゾール−1−イル)プロピル]−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ウレア、
1−[2−(2−メチルイミダゾール−1−イル)エチル]−3−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]ウレア、
1−[3−(2−メチルイミダゾール−1−イル)プロピル]−3−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]ウレア、
1−[2−(2−メチルイミダゾール−1−イル)エチル]−3−[3−(ジメトキシメチルシリル)プロピル]ウレア、
1−[2−(2−メチルイミダゾール−1−イル)エチル]−1−メチル−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ウレア、
1−[2−(2−メチルイミダゾール−1−イル)エチル]−3−フェニル−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ウレア、
1−[2−(2−エチル−4−メチルイミダゾール−1−イル)エチル]−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ウレア、
1−[3−(2−エチル−4−メチルイミダゾール−1−イル)プロピル]−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ウレア、
1−[2−(2−ウンデシルイミダゾール−1−イル)エチル]−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ウレア、
1−[3−(2−ウンデシルイミダゾール−1−イル)プロピル]−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ウレア、
1−[2−(2−フェニルイミダゾール−1−イル)エチル]−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ウレア、
1−[3−(2−フェニルイミダゾール−1−イル)プロピル]−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ウレア、
1−[2−(2−フェニルイミダゾール−1−イル)エチル]−1−メチル−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ウレア等が挙げられる。
(表面処理剤)
本発明の表面処理剤は、本発明のイミダゾールシラン化合物を必須成分として含有する。本発明の表面処理剤は、本発明のイミダゾールシラン化合物とともに溶媒を含有していてもよい。溶媒としては、水、有機溶剤、水と有機溶剤の混合液が挙げられる。この場合の表面処理剤は、本発明のイミダゾールシラン化合物と溶媒とを適宜な混合手段を用いて混合することにより調製できる。なお、表面処理剤を処理液と云うことがある。
前記有機溶剤としては、可溶化剤として作用するものであれば、液体または固体を問わず、特に制限なく使用されるが、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、tert−ブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフルフリルアルコール、フルフリルアルコール、アセトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、2−ピロリドン、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、炭酸ジメチル、エチレンカーボネート、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、グリコール酸、乳酸、グルコン酸、グリセリン酸、マロン酸、コハク酸、レブリン酸、フェノール、安息香酸、シュウ酸、酒石酸、リンゴ酸、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、アリルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、1−アミノ−2−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノール、2−アミノ−1−プロパノール、N,N−ジメチルエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、アニリン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、ピリジンが好ましい。これらの有機溶剤(可溶化剤)は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、固体の可溶化剤を使用する場合には、水および/または液体の可溶化剤と組み合わせて使用する。
溶媒として水と有機溶剤の混合液を用いる場合、表面処理剤の調製方法としては、本発明のイミダゾールシラン化合物と水を混合した後に有機溶剤を加えてもよいし、本発明のイミダゾールシラン化合物と水および有機溶剤の混合液を混合してもよいし、本発明のイミダゾールシラン化合物と有機溶剤を混合した後に水を加えてもよい。また、表面処理剤の調製に使用される水としては、イオン交換水や蒸留水等の純水が好ましい。
本発明の表面処理剤中における本発明のイミダゾールシラン化合物(総量)の濃度は、0.001〜20重量%の範囲であることが好ましい。
該イミダゾールシラン化合物の濃度が0.001重量%未満の場合、接着性の向上効果が十分に得られない虞があり、20重量%を超える場合には、接着性の向上効果がほぼ頭打ちとなり、イミダゾールシラン化合物の使用量が増えるばかりで経済的ではない。
本発明の表面処理剤の調製においては、本発明のイミダゾールシラン化合物の加水分解を促進させるために、酢酸や塩酸等の酸、あるいは、水酸化ナトリウムやアンモニア等のアルカリを使用してもよい。
同様に、表面処理剤の安定性や化成皮膜の均一性を向上させるために、塩素イオン、臭素イオン等のハロゲンイオンや銅イオン、鉄イオン、亜鉛イオン等の金属イオンを生成する物質を使用することもできる。
また、本発明の効果を損なわない範囲において、公知のカップリング剤を併用してもよい。公知のカップリング剤としては、チオール基(メルカプト基)、ビニル基、エポキシ基、(メタ)アクリル基、アミノ基、クロロプロピル基等を有するシラン系カップリング剤が挙げられる。
このようなシラン系カップリング剤としては、例えば、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等のメルカプトシラン化合物、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニルシラン化合物、p−ビニルフェニルトリメトキシシラン等のビニルフェニルシラン化合物、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン化合物、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアクリロキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のメタクリロキシシラン化合物、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチルブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン化合物、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のウレイドシラン化合物、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等のクロロプロピルシラン化合物、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等のスルフィドシラン化合物、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネートシラン化合物等を挙げることができる。その他、アルミニウム系カップリング剤、チタン系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤等も挙げることができる。
なお、本発明の表面処理剤は、上記のほか、適用する被処理材(後述)の種類、用途等に応じて、適宜の添加剤を含有していてもよい。
(被処理材)
本発明の表面処理剤を適用する被処理材としては、例えば、金属、無機材料、樹脂材料等から形成された粒状、針状、繊維状、薄膜状、板状、無定形等のものが挙げられる。
前記の金属としては、例えば、銅、アルミニウム、チタン、ニッケル、スズ、鉄、銀、金およびこれらの合金等が挙げられる。前記合金の具体例としては、銅合金では、銅を含む合金であれば特に限定されず、例えば、Cu−Ag系、Cu−Te系、Cu−Mg系、Cu−Sn系、Cu−Si系、Cu−Mn系、Cu−Be−Co系、Cu−Ti系、Cu−Ni−Si系、Cu−Zn−Ni系、Cu−Cr系、Cu−Zr系、Cu−Fe系、Cu−Al系、Cu−Zn系、Cu−Co系等の合金が挙げられる。また、その他の合金では、アルミニウム合金(Al−Si合金)、ニッケル合金(Ni−Cr合金)、鉄合金(Fe−Ni合金、ステンレス)等が挙げられる。これらの金属の中では、銅および銅合金が好ましい。
また、金属の態様としては、プリント配線板、リードフレーム等の電子デバイス、装飾品、建材等に用いられる箔(例えば、電解銅箔、圧延銅箔)、メッキ膜(例えば、無電解銅メッキ膜、電解銅メッキ膜)、蒸着法、スパッタ法、ダマシン法等により形成された薄膜や、粒状、針状、繊維状、線状、棒状、管状、板状等の用途・形態において用いられるものが挙げられる。なお、近年の高周波の電気信号が流れる銅配線の場合には、銅の表面は平均粗さが0.1μm以下の平滑面であることが好ましい。銅の表面に、前処理として、ニッケル、亜鉛、クロム、スズ等のメッキを施してもよい。
前記の無機材料としては、例えば、シリコン、セラミックや、フィラーとして使用されるカーボン、無機塩およびガラス等が挙げられる。具体的には、シリコン、炭化ケイ素、シリカ、ガラス、珪藻土、珪酸カルシウム、タルク、硝子ビーズ、セリサイト活性白土、ベントナイト等のケイ素化合物、アルミナ、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化スズ、酸化チタン等の酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウム等の水酸化物、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト、炭酸マグネシウム等の炭酸塩、硫酸バリウム、石膏等の硫酸塩、チタン酸バリウム等のチタン酸塩、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等の窒化物、鱗片状黒鉛(天然黒鉛)、膨張黒鉛、膨張化黒鉛(合成黒鉛)等のグラファイト類、活性炭類、炭素繊維類、カーボンブラック等が挙げられる。これらの無機材料の中では、シリコン、セラミック(アルミナ、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素やチタン酸バリウム)、ガラスおよび無機塩が好ましい。
前記の樹脂材料としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の何れであってもよい。具体的には、耐熱性や絶縁性に優れた、アクリレート樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、マレイミド樹脂、シアネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、オレフィン樹脂、フッ素含有樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、液晶樹脂等が挙げられ、これらを混合したり、互いに変性したりして、組み合わせたものであってもよい。また、これらの樹脂の重合度に特に制限はなく、表面処理後に、適宜重合(硬化)したものであってもよい。これらの樹脂材料の中では、アクリレート樹脂、エポキシ樹脂およびポリイミド樹脂が好ましい。
(表面処理方法)
本発明の表面処理剤を被処理材の表面に接触させる方法としては、特に制限はなく、浸漬、塗布、スプレー等の手段を採用することができる。表面処理剤と被処理材を接触させる時間(処理時間)については、1秒〜10分とすることが好ましく、5秒〜3分とすることがより好ましい。処理時間が1秒未満の場合には、被処理材表面に形成される皮膜の膜厚が薄くなり、材質の異なる材料間の接着力が十分に得られず、一方10分より長くしても、皮膜の膜厚に大差はなく、接着性の向上も期待できない。また、表面処理剤を被処理材表面に接触させる際の処理剤の温度については、5〜50℃とすることが好ましいが、前記の処理時間との関係において、適宜設定すればよい。
本発明の表面処理剤と被処理材を接触させた後は、水洗してから乾燥してもよいし、水洗せずに乾燥させてもよい。乾燥は、室温〜150℃の温度とすることが好ましい。なお、水洗に用いる水としては、イオン交換水や蒸留水等の純水が好ましいが、水洗の方法や時間には特に制限なく、スプレーや浸漬等の手段による適宜の時間で構わない。
本発明の表面処理剤を金属の表面に接触させる場合は、その前に、銅イオンを含む水溶液を当該金属の表面に接触させてもよい。この銅イオンを含む水溶液は、金属の表面に形成される化成皮膜の厚みを均一にさせる機能を有する。銅イオンを含む水溶液の銅イオン源としては、水に溶解する銅塩であれば特に限定されず、硫酸銅、硝酸銅、塩化銅、ギ酸銅、酢酸銅等の銅塩が挙げられる。銅塩を水に可溶化するために、アンモニアや塩酸等を添加してもよい。また、本発明の表面処理剤を金属の表面に接触させた後に、酸性水溶液またはアルカリ性水溶液を当該金属の表面に接触させてもよい。この酸性水溶液またはアルカリ性水溶液も、前記の銅イオンを含む水溶液と同様に、金属の表面に形成される化成皮膜の厚みを均一にさせる機能を有する。酸性水溶液およびアルカリ性水溶液は、特に限定されないが、酸性水溶液としては、硫酸、硝酸、塩酸等の鉱酸を含む水溶液や、ギ酸、酢酸、乳酸、グリコール酸、アミノ酸等の有機酸を含む水溶液等が挙げられる。アルカリ性水溶液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物や、アンモニア、エタノールアミン、モノプロパノールアミン等のアミン類等を含む水溶液が挙げられる。
本発明の表面処理剤は、前記の金属、無機材料および樹脂材料から選択される少なくとも1つの被処理材の表面を処理するために用いることができる。本発明の表面処理剤を用いて被処理材の表面を処理することで、被処理材表面に皮膜を形成し、他の材料との接着性を高めることができる。この皮膜は耐熱性が高く、例えば、はんだリフロー加熱(260℃程度)によっても接着力は保持される。なお、この処理による効果を高めるために、表面処理した被処理材を加熱処理してもよい。
(接着方法)
本発明において、前記の金属、無機材料、樹脂材料から選択される2つの材料を本発明の表面処理剤を用いて接着させることができる。本発明の表面処理剤により形成される皮膜を介して2つの材料を接着することで、互いの親和性を向上させることができるため、材質の異なる材料同士であってもより強固に接着することができる。前記皮膜の厚みは、0.0001〜1μm、好ましくは0.001〜0.5μmである。
接着方法としては、公知の方法を採用することができる。金属、無機材料または樹脂材料から選択される被処理材の表面に本発明の表面処理剤を接触させて皮膜を形成し、形成した皮膜の一部または全体に他の被処理材を塗布、圧着、混合等の手段や、接着剤、接着シート(フィルム)の利用あるいはこれらの手段を組合わせて接着する方法が挙げられる。
また、金属、無機材料、樹脂材料から選択される2つの被処理材の表面に、本発明の表面処理剤を接触させて、2つの被処理材の表面にそれぞれ皮膜を形成し、2つの被処理材を塗布、圧着、混合等の手段や、接着剤、接着シート(フィルム)の利用あるいはこれらの手段を組合わせて接着する方法が挙げられる。
(表面処理剤の利用)
本発明の表面処理剤を用いることにより、前記のように2つの材料、特に材質の異なる2つの材料を接着させることができるので、電気・電子用途(各種電気・電子部品やプリント配線板等の電子デバイス)、建築用途、土木用途、自動車用途、医療材料用途等に好適に利用することができる。
本発明の表面処理剤は、金属、特に銅または銅合金から形成される被処理材に対して、好適に用いることができる。例えば、銅回路(銅配線層)と、半硬化または硬化したプリプレグやソルダーレジスト、半硬化または硬化したドライフィルム(絶縁樹脂層)との間の接着性(密着性)を高めることを目的とする場合に好適であり、銅配線層に接して絶縁樹脂層を有するプリント配線板において、銅配線層と絶縁樹脂層との間の接着性を高めることができる。
本発明の表面処理剤を材料の表面処理に用いた例として、当該表面処理剤により処理された銅箔、プリプレグ、銅張積層板、層間絶縁材、シート状部材や、銅箔と樹脂層とが当該表面処理剤による皮膜を介して積層された樹脂付銅箔の他、これらの部材を備えたプリント配線板等を挙げることができる。
前記のプリント配線板は、例えば、本発明の表面処理剤と銅配線層の表面を接触させて、その後水洗・乾燥した後、銅配線層表面に絶縁樹脂層を形成させることにより製造することができる。この接触の方法については、前述のとおりであり、表面処理剤中への銅配線層の浸漬または該表面処理剤による銅配線層表面へのスプレー等が簡便かつ確実であり好ましい。
また、前記の水洗の方法についても特に制限はないが、洗浄水中への銅配線層の浸漬または洗浄水による銅配線層表面へのスプレーが簡便かつ確実であり好ましい。前記の絶縁樹脂層の形成には、公知の方法、例えば半硬化の樹脂材料を貼り付ける方法や溶剤を含む液状の樹脂材料を塗布する手段等を採用することができる。次いで、上下の配線を導通させる為に、ビアホールを形成する。このプロセスを繰り返すことにより、多層プリント配線板を製造できる。
前記の銅配線については、無電解メッキ法、電解メッキ法、蒸着法、スパッタ法、ダマシン法等どのような方法で作製されたものでもよく、インナービアホール、スルーホール、接続端子等を含んだものでもよい。
また、本発明に係る「銅」とは、プリント配線板、リードフレーム等の電子デバイス、装飾品、建材等に用いられる箔(電解銅箔、圧延銅箔)、メッキ膜(無電解銅メッキ膜、電解銅メッキ膜)、蒸着法、スパッタ法、ダマシン法等により形成された薄膜や、粒状、針状、繊維状、線状、棒状、管状、板状等の用途・形態において用いられるものである。なお、近年の高周波の電気信号が流れる銅配線の場合には、銅の表面は平均粗さが0.1μm以下の平滑面であることが好ましい。銅の表面に、前処理として、ニッケル、亜鉛、クロム、スズ等のメッキを施してもよい。
ところで、特開2009−19266号公報には、金属表面にシランカップリング剤を含む液を塗布する工程と、前記液を塗布した金属表面を、25〜150℃の温度で且つ5分以内で乾燥を行う工程と、乾燥させた金属表面を水洗する工程を含むことを特徴とするシランカップリング剤皮膜の形成方法に関する発明が記載されている。また、前記金属表面には、予め表面処理として、浸漬めっき液によりスズ等の接着性金属層を形成してよいとされている。本発明の表面処理剤は、前記のシランカップリング剤を含む液として用いることができるものである。なお、この特許公報に記載された事項は、引用により本明細書の一部を成すものとする。
(樹脂組成物)
本発明の樹脂組成物は、本発明のイミダゾールシラン化合物と、樹脂またはその硬化前化合物とを必須成分として含有する。
前記「樹脂またはその硬化前化合物」は、熱可塑性樹脂、熱または活性エネルギー線硬化性樹脂(硬化物)、それらの原料モノマー、該モノマーの部分重合物または半硬化物を包含する。熱または活性エネルギー線硬化性樹脂の場合、Aステージ樹脂、Bステージ樹脂、Cステージ樹脂の何れの状態であってもよい。
前記の樹脂としては、耐熱性や絶縁性に優れた、アクリレート樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、マレイミド樹脂、シアネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、オレフィン樹脂、フッ素含有樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、液晶樹脂等が挙げられ、これらを混合したり、互いに変性したりして、組み合わせたものであってもよい。これらの樹脂材料の中では、アクリレート樹脂、エポキシ樹脂およびポリイミド樹脂が好ましい。
本発明の樹脂組成物中の本発明のイミダゾールシラン化合物の含有量(総量)は、0.001〜10重量%であることが好ましく、0.01〜5重量%であることがより好ましい。本発明のイミダゾールシラン化合物の含有量が樹脂組成物中0.001重量%未満である場合には、接着性の向上効果が十分ではなく、含有量が10重量%を超える場合には、接着性の向上効果がほぼ頭打ちとなり、本発明のイミダゾールシラン化合物の使用量が増えるばかりで経済的ではない。
当該樹脂組成物には、樹脂またはその硬化前化合物と、本発明のイミダゾールシラン化合物のほか、用途等に応じて、溶媒(水、有機溶剤、水と有機溶剤の混合液)、添加剤(硬化剤、硬化促進剤、難燃剤、染料、顔料、紫外線吸収剤、滑剤、フィラー等)等を適宜量含んでいてもよい。上記有機溶剤としては、前述の有機溶剤(可溶化剤)として例示したものを使用できる。
当該樹脂組成物は公知の方法により調製することができる。例えば、本発明のイミダゾールシラン化合物を有機溶剤に溶解させ、固形または液状の樹脂材料に混合することにより、樹脂組成物を調製することができる。また、本発明のイミダゾールシラン化合物を液状の樹脂材料に直接添加して混合して、樹脂組成物を調製してもよい。
(樹脂組成物の利用)
本発明の樹脂組成物は、本発明のイミダゾールシラン化合物を含むので、硬化後の樹脂層は、隣接する層や部材、例えば、金属または無機材料の層や部材と高い強度で密着(接着)する。そのため、各種電気・電子用途(電気・電子部品等や、プリント配線板等の電子デバイス)、建築用途、土木用途、自動車用途、医療材料用途等に好適に利用することができる。
本発明の樹脂組成物を用いた具体例としては、例えば、本発明の樹脂組成物から構成されたソルダーレジストインク、該ソルダーレジストインクにより形成されたソルダーレジストを備えるプリント配線板、基材(紙、ガラスクロス、ガラス不織布等)と本発明の樹脂組成物から構成されたプリプレグ、該プリプレグと銅箔から構成された銅張積層板、本発明の樹脂組成物から構成された層間絶縁材(層間絶縁膜等)、銅箔と、本発明の樹脂組成物により形成される樹脂層とから構成された樹脂付銅箔、本発明の樹脂組成物により形成される樹脂層を備えるプリント配線板、本発明の樹脂組成物から構成された半導体封止材料等を挙げることができる。
前記ソルダーレジストは、本発明のイミダゾールシラン化合物と硬化前化合物(硬化性化合物)とを含む本発明の樹脂組成物からなるソルダーレジストインクを適宜な基板上に塗布し、乾燥して形成される硬化性樹脂層を、熱や活性エネルギー線を用いて硬化させることにより得られる。前記プリント配線板は、前記ソルダーレジストインクを用い公知の方法で製造できる。前記プリプレグは、例えば、基材(紙、ガラスクロス、ガラス不織布等)に本発明の樹脂組成物を塗布したり、前記基材を当該樹脂組成物中に浸漬して含浸させることにより製造できる。前記銅張積層板は、前記のプリプレグと銅箔とを積層することにより製造できる。前記層間絶縁材は、本発明の樹脂組成物を適宜な基板上に塗布し、乾燥、半硬化または硬化させることにより製造できる。前記樹脂付銅箔は、銅箔上に本発明の樹脂組成物を塗布し、乾燥、半硬化または硬化させることにより製造できる。前記プリント配線板において、「本発明の樹脂組成物により形成される樹脂層」には、前記ソルダーレジスト、プリプレグ、層間絶縁材、樹脂付銅箔における樹脂のほか、種々のものが含まれる。本発明の樹脂組成物は半導体封止材料として用いることができる。
また、本発明の表面処理剤や樹脂組成物を適用した部材には、優れた接着性、耐熱性、絶縁性等を付与できるので、必要に応じて適宜の助剤を含有させることにより、導電性ペースト、アンダーフィル、ダイアタッチ材、半導体チップマウンティング材、非導電性接着剤、液晶シール剤、ディスプレイ材料、リフレクター、塗料、接着剤、硬化剤、ワニス、エラストマー、インク、ワックス、シール剤等とすることができる。
以下、本発明を実施例および比較例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において使用したイミダゾールシラン化合物の合成例を参考例1〜13に示す。また、これらの合成に使用した主な原料は以下のとおりである。
・2−ホルミルイミダゾール:四国化成工業社製
・3−アミノプロピルトリメトキシシラン:和光純薬工業社製
・4−メチル−5−ホルミルイミダゾール:「特開平7−224042号公報」に記載の方法に準拠して合成した。
・2−フェニル−4−メチル−5−ホルミルイミダゾール:同上
・2−メチルイミダゾール:四国化成工業社製
・3−クロロプロピルトリメトキシシラン:東京化成工業社製
・2−フェニルイミダゾール:四国化成工業社製
・1−(3−アミノプロピル)イミダゾール:東京化成工業社製
・1−(2−アミノエチル)−2−メチルイミダゾール:「Organic Syntheses, Vol 27, 18(1947)」に記載の方法に準拠して合成した。
・1−(3−アミノプロピル)−2−メチルイミダゾール:「特開2010−126464号公報」に記載の方法に準拠して合成した。
・1−(3−アミノプロピル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール:同上
・1−(3−アミノプロピル)−2−ウンデシルイミダゾール:同上
・1−(2−アミノエチル)−2−フェニルイミダゾール:同上
・1−(3−アミノプロピル)−2−フェニルイミダゾール:同上
・1−[2−(メチルアミノ)エチル]−2−フェニルイミダゾール:「国際公開第2005/123066号パンフレット」に記載の方法に準拠して合成した。
・3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン:モメンティブ社製
[参考例1]
<2−ホルミルイミダゾールと3−アミノプロピルトリメトキシシランを原料とするイミダゾールシラン化合物(「IMZ・S−1」と略記する)の合成>
メタノール100mlに、3−アミノプロピルトリメトキシシラン8.96g(50.0mmol)と、2−ホルミルイミダゾール4.80g(50.0mmol)を投入して反応液を調製し、室温にて攪拌しながら1時間反応させた。
続いて、この反応液を氷冷し、水素化ホウ素ナトリウム0.76g(20.0mmol)を加えて、室温で1時間反応させた。
次いで、反応液を濃縮し、水100mlを添加した後、水をデカンテーションして除き、揮発分を留去して、黄色粘性体10.71gを得た。得られた粘性体はメタノール等の溶媒に完全に溶解することから、ゲル化していないと認められる。
1H−NMRスペクトルデータおよびIRスペクトルデータより、得られた粘性体は、化学式(XVI)で示されるイミダゾールシラン化合物と、化学式(XVI-1)〜(XVI-3)で示されるイミダゾールシラン化合物との混合物であると推定される。
なお、化学式(XVI-1)〜(XVI-3)で示されるイミダゾールシラン化合物は、化学式(XVI)で示されるイミダゾールシラン化合物の、シラノール(Si-OH)の脱水縮合に起因して副生したシロキサン結合(Si-O-Si)を有するオリゴマーであるが、化学式(XVI)で示されるイミダゾールシラン化合物と同様に、表面処理剤および樹脂組成物の成分として有用である。
Figure 2016151046
Figure 2016151046
[参考例2]
<4−メチル−5−ホルミルイミダゾールと3−アミノプロピルトリメトキシシランを原料とするイミダゾールシラン化合物(「IMZ・S−2」と略記する)の合成>
2−ホルミルイミダゾールの代わりに、4−メチル−5−ホルミルイミダゾールを使用した以外は、参考例1と同様の操作を行って、黄色粘性体を得た。得られた粘性体はメタノール等の溶媒に完全に溶解することから、ゲル化していないと認められる。
また、1H−NMRスペクトルデータおよびIRスペクトルデータより、得られた粘性体は、化学式(XVII)で示されるイミダゾールシラン化合物と、化学式(XVII-1)〜(XVII-3)で示されるイミダゾールシラン化合物との混合物であると推定される。
なお、化学式(XVII-1)〜(XVII-3)で示されるイミダゾールシラン化合物は、化学式(XVII)で示されるイミダゾールシラン化合物の、シラノール(Si-OH)の脱水縮合に起因して副生したシロキサン結合(Si-O-Si)を有するオリゴマーであるが、化学式(XVII)で示されるイミダゾールシラン化合物と同様に、表面処理剤および樹脂組成物の成分として有用である。
Figure 2016151046
Figure 2016151046
[参考例3]
<2−フェニル−4−メチル−5−ホルミルイミダゾールと3−アミノプロピルトリメトキシシランを原料とするイミダゾールシラン化合物(「IMZ・S−3」と略記する)の合成>
2−ホルミルイミダゾールの代わりに、2−フェニル−4−メチル−5−ホルミルイミダゾールを使用した以外は、参考例1と同様の操作を行って、淡黄色固体を得た。得られた固体はメタノール等の溶媒に完全に溶解することから、ゲル化していないと認められる。
また、1H−NMRスペクトルデータおよびIRスペクトルデータより、得られた固体は、化学式(XVIII)で示されるイミダゾールシラン化合物と、化学式(XVIII-1)〜(XVIII-3)で示されるイミダゾールシラン化合物との混合物であると推定される。
なお、化学式(XVIII-1)〜(XVIII-3)で示されるイミダゾールシラン化合物は、化学式(XVIII)で示されるイミダゾールシラン化合物の、シラノール(Si-OH)の脱水縮合に起因して副生したシロキサン結合(Si-O-Si)を有するオリゴマーであるが、化学式(XVIII)で示されるイミダゾールシラン化合物と同様に、表面処理剤および樹脂組成物の成分として有用である。
Figure 2016151046
Figure 2016151046
[参考例4]
<2−メチルイミダゾールと3−クロロプロピルトリメトキシシランを原料とするイミダゾールシラン化合物(「IMZ・S−4」と略記する)の合成>
2−メチルイミダゾール4.93g(60.0mmol)と、ナトリウムメトキシド3.24g(60.0mmol)および3−クロロプロピルトリメトキシシラン11.92g(60.0mmol)を混合し、120℃で5時間反応させた。
反応混合物を水120mlに加え、室温で1時間攪拌した。水をデカンテーションして除き、揮発分を留去して、褐色固体を10.64g得た。得られた固体はメタノール等の溶媒に完全に溶解することから、ゲル化していないと認められる。
また、1H−NMRスペクトルデータおよびIRスペクトルデータより、得られた固体は、化学式(XIX)で示されるイミダゾールシラン化合物と、化学式(XIX-1)〜(XIX-3)で示されるイミダゾールシラン化合物との混合物であると推定される。
なお、化学式(XIX-1)〜(XIX-3)で示されるイミダゾールシラン化合物は、化学式(XIX)で示されるイミダゾールシラン化合物の、シラノール(Si-OH)の脱水縮合に起因して副生したシロキサン結合(Si-O-Si)を有するオリゴマーであるが、化学式(XIX)で示されるイミダゾールシラン化合物と同様に、表面処理剤および樹脂組成物の成分として有用である。
Figure 2016151046
Figure 2016151046
[参考例5]
<2−フェニルイミダゾールと3−クロロプロピルトリメトキシシランを原料とするイミダゾールシラン化合物(「IMZ・S−5」と略記する)の合成>
2−メチルイミダゾールの代わりに、2−フェニルイミダゾールを使用した以外は、参考例4と同様の操作を行って、淡褐色固体を得た。得られた固体はメタノール等の溶媒に完全に溶解することから、ゲル化していないと認められる。
また、1H−NMRスペクトルデータおよびIRスペクトルデータより、得られた固体は、化学式(XX)で示されるイミダゾールシラン化合物と、化学式(XX-1)〜(XX-3)で示されるイミダゾールシラン化合物との混合物であると推定される。
なお、化学式(XX-1)〜(XX-3)で示されるイミダゾールシラン化合物は、化学式(XX)で示されるイミダゾールシラン化合物の、シラノール(Si-OH)の脱水縮合に起因して副生したシロキサン結合(Si-O-Si)を有するオリゴマーであるが、化学式(XX)で示されるイミダゾールシラン化合物と同様に、表面処理剤および樹脂組成物の成分として有用である。
Figure 2016151046
Figure 2016151046
[参考例6]
<1−[3−(イミダゾール−1−イル)プロピル]−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ウレア(「IMZ・S−6」と略記する)の合成>
1−(3−アミノプロピル)イミダゾール1.26g(10.0mmol)をトルエン20mlに溶解させ、40℃以下に保ちながら、3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン2.06g(10.0mmol)を滴下した。
次いで、反応液を室温にて1時間攪拌し、続いて、揮発分を留去して、淡黄色粘性液体として、化学式(XXI)で示される標題のイミダゾールシラン化合物3.31g(10.0mmol、収率:100%)を得た。
Figure 2016151046
[参考例7]
<1−[2−(2−メチルイミダゾール−1−イル)エチル]−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ウレア(「IMZ・S−7」と略記する)の合成>
1−(3−アミノプロピル)イミダゾールの代わりに、1−(2−アミノエチル)−2−メチルイミダゾール1.26g(10.0mmol)を使用した以外は、参考例6と同様の操作を行って、淡黄色粘性液体として、化学式(XXII)で示される標題のイミダゾールシラン化合物3.31g(10.0mmol、収率:100%)を得た。
Figure 2016151046
[参考例8]
<1−[3−(2−メチルイミダゾール−1−イル)プロピル]−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ウレア(「IMZ・S−8」と略記する)の合成>
1−(3−アミノプロピル)イミダゾールの代わりに、1−(3−アミノプロピル)−2−メチルイミダゾール1.40g(10.0mmol)を使用した以外は、参考例6と同様の操作を行って、淡黄色粘性液体として、化学式(XXIII)で示される標題のイミダゾールシラン化合物3.45g(10.0mmol、収率:100%)を得た。
Figure 2016151046
[参考例9]
<1−[3−(2−エチル−4−メチルイミダゾール−1−イル)プロピル]−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ウレア(「IMZ・S−9」と略記する)の合成>
1−(3−アミノプロピル)イミダゾールの代わりに、1−(3−アミノプロピル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール1.68g(10.0mmol)を使用した以外は、参考例6と同様の操作を行って、淡黄色粘性液体として、化学式(XXIV)で示される標題のイミダゾールシラン化合物3.73g(10.0mmol、収率:100%)を得た。
Figure 2016151046
[参考例10]
<1−[3−(2−ウンデシルイミダゾール−1−イル)プロピル]−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ウレア(「IMZ・S−10」と略記する)の合成>
1−(3−アミノプロピル)イミダゾールの代わりに、1−(3−アミノプロピル)−2−ウンデシルイミダゾール2.80g(10.0mmol)を使用した以外は、参考例6と同様の操作を行って、淡黄色粘性液体として、化学式(XXV)で示される標題のイミダゾールシラン化合物4.85g(10.0mmol、収率:100%)を得た。
Figure 2016151046
[参考例11]
<1−[2−(2−フェニルイミダゾール−1−イル)エチル]−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ウレア(「IMZ・S−11」と略記する)の合成>
1−(3−アミノプロピル)イミダゾールの代わりに、1−(2−アミノエチル)−2−フェニルイミダゾール1.88g(10.0mmol)を使用した以外は、参考例6と同様の操作を行って、淡黄色粘性液体として、化学式(XXVI)で示される標題のイミダゾールシラン化合物3.93g(10.0mmol、収率:100%)を得た。
Figure 2016151046
[参考例12]
<1−[3−(2−フェニルイミダゾール−1−イル)プロピル]−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ウレア(「IMZ・S−12」と略記する)の合成>
1−(3−アミノプロピル)イミダゾールの代わりに、1−(3−アミノプロピル)−2−フェニルイミダゾール2.02g(10.0mmol)を使用した以外は、参考例6と同様の操作を行って、淡黄色粘性液体として、化学式(XXVII)で示される標題のイミダゾールシラン化合物4.07g(10.0mmol、収率:100%)を得た。
Figure 2016151046
[参考例13]
<1−[2−(2−フェニルイミダゾール−1−イル)エチル]−1−メチル−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ウレア(「IMZ・S−13」と略記する)の合成>
1−(3−アミノプロピル)イミダゾールの代わりに、1−[2−(メチルアミノ)エチル]−2−フェニルイミダゾール2.01g(10.0mmol)を使用した以外は、参考例6と同様の操作を行って、淡黄色粘性液体として、化学式(XXVIII)で示される標題のイミダゾールシラン化合物4.07g(10.0mmol、収率:100%)を得た。
Figure 2016151046
比較例で使用したイミダゾールシラン化合物と、実施例および比較例で使用した公知のシラン系カップリング剤は、以下のとおりである。
・化学式(XXIX-1)〜(XXIX-3)で示されるイミダゾールシラン化合物の混合物:「特開平5−186479号公報」記載の方法に従って合成した。以下、「IMZ・S−14」と略記する。
・3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン:信越化学工業社製、商品名「KBM−403」、以下、「エポキシシラン」と略記する。
・3−アミノプロピルトリメトキシシラン:信越化学工業社製、商品名「KBM−903」、以下、「アミノシラン」と略記する。
・3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン:信越化学工業社製、商品名「KBM−803」、以下、「メルカプトシラン」と略記する。
Figure 2016151046
実施例および比較例において使用した、イミダゾールシラン化合物およびシラン系カップリング剤以外の、主な原材料は、以下のとおりである。
・フェノールノボラック樹脂(DIC社製、商品名「TD−2131」)
・オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学社製、商品名「YDCN−704」)
・2−エチル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業社製、商品名「2E4MZ」、以下、「2E4MZ」と略記する)
・ブロム化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製、商品名「jER5046B80」)
・ビフェニル型エポキシ樹脂(三菱化学社製、商品名「YX4000」)
・フェノール樹脂(住友ベークライト社製)
・シリコーンパウダー(日興リカ社製、商品名「MSP−150(M)」)
・トリフェニルホスフィン(和光純薬工業社製)
・カルナバワックス(東亜化成社製)
・カーボンブラック(三菱化学社製)
・フィラー(龍森社製、商品名「MSR−25」、溶融シリカ)
また、実施例および比較例で採用した接着性試験方法は、以下のとおりである。
[接着性試験(イ)]
25cm×25cmの電解銅箔(厚み:33μm)のマット面に、黄銅をめっき被覆した後、亜鉛または酸化亜鉛と、クロム酸化物との混合物をめっき被覆し、これを試験片とした。次いで、この試験片を、表面処理剤に浸漬した後、取り出して液切りした後、100℃の乾燥器内で、5分間乾燥した。そして、この試験片のマット面を、ガラス繊維クロスにエポキシ樹脂を含浸させた基材に接着し、「JIS C6481」に準拠して、常態ピール強度を測定した。
[接着性試験(ロ)]
(1)試験片の基材
試験片の基材として、電解銅箔(厚み:18μm)を使用した。
(2)基材の処理
以下の工程a〜cに従って行った。
a.酸清浄/1分間(室温)、水洗
b.酸清浄/1分間(室温)、水洗、乾燥/1分(100℃)
c.表面処理剤に浸漬/1分(室温)、水洗、乾燥/1分(100℃)
(3)基材と樹脂の接着
処理した基材のS面(シャイニー面)に、ガラス布エポキシ樹脂含浸プリプレグ(FR−4グレード)を積層プレスし、基材と樹脂を接着してプリント配線板を作成した。
(4)接着性の評価
このプリント配線板から、「JIS C6481」に準拠して、幅10mmの試験片を作成し、プレッシャークッカー処理(121℃/湿度100%/100時間)した後、銅箔の引き剥がし強さを測定した。
[接着性試験(ハ)]
基材のS面(シャイニー面)に、「ガラス布エポキシ樹脂含浸プリプレグ(FR−4グレード)を積層プレス」する代わりに、「ビルドアップ配線板用樹脂(味の素ファインテクノ社製、商品名「GX−13」)をラミネート」した以外は、接着性試験(ロ)と同様の手順で、銅箔の引き剥がし強さを測定した。
[接着性試験(ニ)]
(1)試験片の基材
試験片の基材として、電解銅メッキ(メッキ厚:20μm)を施した両面銅張積層板(基板:FR4,板厚:1.0mm,銅箔厚:18μm,縦120mm×横110mm)を使用した。
(2)基材の処理
以下の工程a〜dに従って行った。
a.酸清浄/1分間(室温)、水洗
b.過酸化水素・硫酸によるマイクロエッチング/1分(室温)、水洗
c.酸清浄/1分間(室温)、水洗、乾燥/1分(100℃)
d.表面処理剤に浸漬/1分(室温)、水洗、乾燥/1分(100℃)
(3)基材への樹脂層の形成
処理した基材に、ソルダーレジスト(太陽インキ製造社製、品名「PSR−4000AUS308」)を塗布した後、乾燥(80℃/30分)、ポストキュア(150℃/60分)を行って、13μm厚の樹脂層(塗膜)を形成させ、プリント配線板の試験片を作成した。
(4)接着性の評価
「JIS K5400−8.5」に従って、試験片の表面に形成した塗膜を1mm×1mmの碁盤目にクロスカット(100マス)し、プレッシャークッカー処理(121℃/湿度100%/100時間)した後、テープピールテストを行い、塗膜が剥離しないマス目の数を計測した。また、塗膜の傷み具合を目視にて観察した。
なお、接着性の判定基準は、表1に示したとおりである。
Figure 2016151046
〔実施例1〕
メタノールにIMZ・S−1を表2記載の組成となるように溶解させて、表面処理剤を調製した。次いで、この表面処理剤を用いて、接着性試験(イ)を行ったところ、得られた試験結果は表2に示したとおりであった。
〔実施例2〜5、比較例1〕
実施例1と同様にして、表2記載の組成を有する表面処理剤を調製した。次いで、これらの表面処理剤を用いて、接着性試験(イ)を行ったところ、得られた試験結果は表2に示したとおりであった。
〔比較例2〕
銅箔に表面処理を施さずに、接着性試験(イ)を行った。この試験結果は表2に示したとおりであった。
Figure 2016151046
〔実施例6〜13〕
実施例1と同様にして、表3記載の組成を有する表面処理剤を調製した。次いで、これらの表面処理剤を用いて、接着性試験(イ)を行ったところ、得られた試験結果は表3に示したとおりであった。
Figure 2016151046
表2および表3に示した試験結果によれば、本発明の表面処理剤を用いることにより、銅と樹脂との接着性を向上させることができる。
〔実施例14〕
10gのIMZ・S−1に、200gのエチレングリコールモノブチルエーテル(以下、EGBEと略記する)を加え、続いて、790gの水を加えて、室温にて2時間撹拌し、表面処理剤を調製した。
この表面処理剤を用いて、接着性の評価試験(ロ)〜(ニ)を行ったところ、得られた試験結果は、表4に示したとおりであった。
〔実施例15〜18〕
IMZ・S−1の代わりに、IMZ・S−2〜IMZ・S−5を各々使用した以外は、実施例14と同様にして、表4記載の組成を有する表面処理剤を調製した。
これらの表面処理剤を用いて、接着性の評価試験(ロ)〜(ニ)を行ったところ、得られた試験結果は、表4に示したとおりであった。
〔比較例3〜4〕
IMZ・S−1の代わりに、IMZ・S−14、およびアミノシランを使用した以外は、実施例14と同様にして表面処理剤を調製した。
これらの表面処理剤を用いて、接着性の評価試験(ロ)〜(ニ)を行ったところ、得られた試験結果は、表4に示したとおりであった。
〔比較例5〕
200gのEGBEと790gの水を混合し、室温にて2時間攪拌して、表面処理剤を調製した。
この表面処理剤を用いて、接着性の評価試験(ロ)〜(ニ)を行ったところ、得られた試験結果は、表4に示したとおりであった。
Figure 2016151046
〔実施例19〜26〕
IMZ・S−1の代わりに、IMZ・S−6〜IMZ・S−13を各々使用した以外は、実施例14と同様にして、表5記載の組成を有する表面処理剤を調製した。
これらの表面処理剤を用いて、接着性の評価試験(ロ)〜(ニ)を行ったところ、得られた試験結果は、表5に示したとおりであった。
〔比較例6〕
銅箔に表面処理を施さずに、接着性試験(ロ)〜(ニ)を行ったところ、得られた試験結果は、表5に示したとおりであった。
Figure 2016151046
表4および表5に示した試験結果によれば、本発明の表面処理剤を用いることにより、金属と樹脂との接着性を向上させることができる。
〔実施例27〕
100℃で溶融させたフェノールノボラック樹脂45gに、IMZ・S−1を5g添加して5分間攪拌した。これを冷却した後、粉砕して、硬化剤を調製した(以下、「IMZ・S−1硬化剤」と云う)。
続いて、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂と、IMZ・S−1硬化剤を表6記載の組成となるように常温で配合した後、90〜100℃で溶融混練した。これを冷却した後、粉砕して、エポキシ樹脂組成物(半導体用封止材)を調製した。
次いで、2枚の銅合金板(C−7025、サイズ:50mm×25mm)をエポキシ樹脂組成物で貼り合わせて、175℃×8時間の条件にて加熱硬化させて、試験片を作製した。
この試験片について、「JIS K6850」に従って、室温でAUTOGRAPH AG−X(島津製作所社製)を用い、引張速度5mm/分にて2枚のテストピースを逆方向に引っ張って最大荷重を測定し、最大荷重を接着面積で割ることでせん断強度を計算した。得られた試験結果は、表6に示したとおりであった。
〔実施例28〜31〕
IMZ・S−1の代わりに、IMZ・S−2〜IMZ・S−5を各々配合した以外は、実施例27と同様にして、各々硬化剤を調製した(以下、「IMZ・S−2硬化剤」〜「IMZ・S−5硬化剤」と云う)。
続いて、実施例27と同様にして、表6記載の組成を有するエポキシ樹脂組成物を調製した後、試験片を作製して、せん断強度を測定した。
得られた試験結果は、表6に示したとおりであった。
〔比較例7〕
IMZ・S−1硬化剤の代わりに、フェノールノボラック樹脂、2E4MZおよびエポキシシランの3者を配合した以外は、実施例27と同様にして、表6記載の組成を有するエポキシ樹脂組成物を調製した。
続いて、実施例27と同様にして、試験片を作製して、せん断強度を測定した。
得られた試験結果は、表6に示したとおりであった。
Figure 2016151046
〔実施例32〜39〕
IMZ・S−1の代わりに、IMZ・S−6〜IMZ・S−13を各々配合した以外は、実施例27と同様にして、各々硬化剤を調製した(以下、「IMZ・S−6硬化剤」〜「IMZ・S−13硬化剤」と云う)。
続いて、実施例27と同様にして、表7記載の組成を有するエポキシ樹脂組成物を調製した後、試験片を作製して、せん断強度を測定した。
得られた試験結果は、表7に示したとおりであった。
Figure 2016151046
表6および表7に示した試験結果によれば、本発明の樹脂組成物を用いることにより、エポキシ樹脂組成物の硬化物のせん断強度を向上させることができる。
〔実施例40〕
ブロム化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂およびIMZ・S−1硬化剤を表8記載の組成となるように配合して、エポキシ樹脂組成物を調製した。続いて、該エポキシ樹脂組成物にアセトンを加えて、ワニスを調製した。
次いで、仕様7628タイプのガラス織布基材(積層板用無アルカリ平織ガラスクロス)に、前記ワニスを樹脂含量がおよそ50%になるように含浸した後、乾燥して、プリプレグを作製した。
続いて、このプリプレグを8枚重ねて、銅箔(厚み:35μm)を片側に重ねた後、これを175℃、40kg/cm2の加熱・加圧条件にて90分間プレスすることにより銅張積層板を作製した。
この銅張積層板について、「JIS C6418」に従って、幅10mmの試験片を作成し、銅箔のピール強度を測定した。得られた試験結果は、表8に示したとおりであった。
〔実施例41〜44〕
IMZ・S−1硬化剤の代わりに、IMZ・S−2硬化剤〜IMZ・S−5硬化剤を各々配合した以外は、実施例40と同様にして、表8記載の組成を有するエポキシ樹脂組成物を調製した。
続いて、該エポキシ樹脂組成物にアセトンを加えて、ワニスを調製した。
次いで、実施例40と同様にして、銅張積層板を作製した後、ピール強度を測定した。
得られた試験結果は、表8に示したとおりであった。
〔比較例8〕
IMZ・S−1硬化剤の代わりに、フェノールノボラック樹脂および2E4MZの2者を配合した以外は、実施例40と同様にして、表8記載の組成を有するエポキシ樹脂組成物を調製した。
続いて該エポキシ樹脂組成物にアセトンを加えて、ワニスを調製した。
次いで、実施例40と同様にして、銅張積層板を作製した後、ピール強度を測定した。
得られた試験結果は、表8に示したとおりであった。
Figure 2016151046
〔実施例45〜52〕
IMZ・S−1硬化剤の代わりに、IMZ・S−6硬化剤〜IMZ・S−13硬化剤を各々配合した以外は、実施例40と同様にして、表9記載の組成を有するエポキシ樹脂組成物を調製した。
続いて、該エポキシ樹脂組成物にアセトンを加えて、ワニスを調製した。
次いで、実施例40と同様にして、銅張積層板を作製した後、ピール強度を測定した。
得られた試験結果は、表9に示したとおりであった。
Figure 2016151046
表8および表9に示した試験結果によれば、本発明の樹脂組成物を用いることにより、銅張積層板のピール強度を向上させることができる。
〔実施例53〕
5gのIMZ・S−1をメタノール5gに溶解して、その溶液にシリコーンパウダー20gとメタノール20gを加えて30分間攪拌した後、減圧下で80℃に加熱してメタノールを除去した。これを冷却した後、粉砕して、90μmの振るいを用いて振るい分けし、添加剤を調製した(以下、「IMZ・S−1添加剤」と云う)。
続いて、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノール樹脂、IMZ・S−1添加剤、トリフェニルホスフィン、カルナバワックス、カーボンブラック、フィラー、エポキシシランおよびメルカプトシランを表10記載の組成となるように配合した後、90℃で溶融混練した。これを冷却した後、粉砕して、エポキシ樹脂組成物(半導体用封止材)を調製した。
続いて、2枚の金属板を該エポキシ樹脂組成物で貼り合わせて、175℃×6時間の条件にて加熱硬化させて、試験片を作製した。
この試験片について、「JIS K6850」に従って、室温でAUTOGRAPH AG−X(島津製作所社製)を用い、引張速度5mm/分にて2枚のテストピースを逆方向に引っ張って最大荷重を測定し、最大荷重を接着面積で割ることでせん断強度を計算した。得られた試験結果は、表10に示したとおりであった。
なお、前記金属板は以下の3種類を使用した。
・銅合金板:銅合金(C7025、サイズ:50×25×0.15mm)上に約0.1μmの銅ストライクめっきを行った。以下、「銅板」と略記する。
・銀めっき板:銅合金(C7025、サイズ:50×25×0.15mm)上に約5μmの銀めっきを行った。以下、「銀板」と略記する。
・金めっき板:銅合金(C7025、サイズ:50×25×0.15mm)上に約0.5μmのNiめっきを行い、続いて、約0.05μmのPdめっきを行った後、約0.005μmのAuめっきを行った。以下、「金板」と略記する。
〔実施例54〜57〕
IMZ・S−1の代わりに、IMZ・S−2〜IMZ・S−5を各々使用した以外は、実施例53と同様にして、各々添加剤を調製した(以下、「IMZ・S−2添加剤」〜「IMZ・S−5添加剤」と云う)。
続いて、実施例53と同様にして、表10記載の組成となるようにエポキシ樹脂組成物を調製した後、試験片を作製して、せん断強度を測定した。得られた試験結果は、表10に示したとおりであった。
〔比較例9〕
IMZ・S−1添加剤の代わりに、シリコーンパウダーを使用した以外は、実施例53と同様にして、表10記載の組成を有するエポキシ樹脂組成物を調製した。
続いて、実施例53と同様にして、試験片を作製して、せん断強度を測定した。得られた試験結果は、表10に示したとおりであった。
Figure 2016151046
〔実施例58〜65〕
IMZ・S−1の代わりに、IMZ・S−6〜IMZ・S−13を各々使用した以外は、実施例53と同様にして、各々添加剤を調製した(以下、「IMZ・S−6添加剤」〜「IMZ・S−13添加剤」と云う)。
続いて、実施例53と同様にして、表11記載の組成となるようにエポキシ樹脂組成物を調製した後、試験片を作製して、せん断強度を測定した。得られた試験結果は、表11に示したとおりであった。
Figure 2016151046
表10および表11に示した試験結果によれば、本発明の樹脂組成物を半導体用封止剤として用いることにより、封止物(硬化物)のせん断強度を向上させることができる。
本発明によれば、金属、無機材料および樹脂材料の接着性(密着性)を十分に確保できるので、被処理材の表面を粗化することなく、平滑な状態に保持することができる。従って、本発明は、多層プリント配線板の小型化、薄型化、高周波化、高密度化等の実現に大いに貢献し得るものであるから、産業上の利用可能性は多大である。

Claims (16)

  1. 化学式(I)または化学式(II)で示されるホルミルイミダゾール化合物と、化学式(III)で示されるアミノプロピルシラン化合物とを反応させて得られるイミダゾールシラン化合物;化学式(IV)で示されるイミダゾール化合物と、化学式(V)で示されるハロプロピルシラン化合物とを反応させて得られるイミダゾールシラン化合物;および化学式(VI)で示されるイミダゾールシラン化合物からなる群より選択される少なくとも一種のイミダゾールシラン化合物を含有する表面処理剤。
    Figure 2016151046
    [式中、R1〜R3は、同一または異なって、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、アリル基、ベンジル基またはアリール基を表す。]
    Figure 2016151046
    [式中、R1〜R3は、前記と同様である。]
    Figure 2016151046
    [式中、R4〜R6は、同一または異なって、水酸基、炭素数1〜3のアルコキシ基または炭素数1〜3のアルキル基を表す。但し、R4、R5およびR6が同時にアルキル基である場合を除く。]
    Figure 2016151046
    [式中、R7〜R9は、同一または異なって、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、アリル基、ベンジル基またはアリール基を表す。]
    Figure 2016151046
    [式中、R10〜R12は、同一または異なって、水酸基、炭素数1〜3のアルコキシ基または炭素数1〜3のアルキル基を表す。但し、R10、R11およびR12が同時にアルキル基である場合を除く。Xは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子または沃素原子を表す。]
    Figure 2016151046
    [式中、R13〜R17は、同一または異なって、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基またはフェニル基を表す。R18およびR19は、同一または異なって、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表す。mは1〜3の整数を表す。nは0〜5の整数を表す。]
  2. 請求項1記載の表面処理剤により処理された銅箔。
  3. 請求項1記載の表面処理剤により処理されたプリプレグ。
  4. 請求項1記載の表面処理剤により処理された銅張積層板。
  5. 請求項1記載の表面処理剤により処理された層間絶縁材。
  6. 銅箔と樹脂層が請求項1記載の表面処理剤による皮膜を介して積層された樹脂付銅箔。
  7. 請求項1記載の表面処理剤により処理された部材を備えるプリント配線板。
  8. 化学式(I)または化学式(II)で示されるホルミルイミダゾール化合物と、化学式(III)で示されるアミノプロピルシラン化合物とを反応させて得られるイミダゾールシラン化合物;化学式(IV)で示されるイミダゾール化合物と、化学式(V)で示されるハロプロピルシラン化合物とを反応させて得られるイミダゾールシラン化合物;および化学式(VI)で示されるイミダゾールシラン化合物からなる群より選択される少なくとも一種のイミダゾールシラン化合物、並びに、樹脂またはその硬化前化合物を含有する樹脂組成物。
    Figure 2016151046
    [式中、R1〜R3は、同一または異なって、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、アリル基、ベンジル基またはアリール基を表す。]
    Figure 2016151046
    [式中、R1〜R3は、前記と同様である。]
    Figure 2016151046
    [式中、R4〜R6は、同一または異なって、水酸基、炭素数1〜3のアルコキシ基または炭素数1〜3のアルキル基を表す。但し、R4〜R6が同時にアルキル基である場合を除く。]
    Figure 2016151046
    [式中、R7〜R9は、同一または異なって、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、アリル基、ベンジル基またはアリール基を表す。]
    Figure 2016151046
    [式中、R10〜R12は、同一または異なって、水酸基、炭素数1〜3のアルコキシ基または炭素数1〜3のアルキル基を表す。但し、R10、R11およびR12が同時にアルキル基である場合を除く。Xは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子または沃素原子を表す。]
    Figure 2016151046
    [式中、R13〜R17は、同一または異なって、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基またはフェニル基を表す。R18およびR19は、同一または異なって、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表す。mは1〜3の整数を表す。nは0〜5の整数を表す。]
  9. 請求項8記載の樹脂組成物から構成されたソルダーレジストインク。
  10. 請求項9記載のソルダーレジストインクから形成されたソルダーレジストを備えるプリント配線板。
  11. 基材と請求項8記載の樹脂組成物から構成されたプリプレグ。
  12. 銅箔と請求項11記載のプリプレグから構成された銅張積層板。
  13. 請求項8記載の樹脂組成物から構成された層間絶縁材。
  14. 銅箔と請求項8記載の樹脂組成物により形成された樹脂層から構成された樹脂付銅箔。
  15. 請求項8記載の樹脂組成物により形成された樹脂層を備えるプリント配線板。
  16. 請求項8記載の樹脂組成物から構成された半導体封止材料。
JP2015029102A 2015-02-17 2015-02-17 表面処理剤、樹脂組成物及びそれらの利用 Pending JP2016151046A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015029102A JP2016151046A (ja) 2015-02-17 2015-02-17 表面処理剤、樹脂組成物及びそれらの利用

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015029102A JP2016151046A (ja) 2015-02-17 2015-02-17 表面処理剤、樹脂組成物及びそれらの利用

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016151046A true JP2016151046A (ja) 2016-08-22

Family

ID=56696246

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015029102A Pending JP2016151046A (ja) 2015-02-17 2015-02-17 表面処理剤、樹脂組成物及びそれらの利用

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016151046A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016186047A (ja) * 2015-03-27 2016-10-27 味の素株式会社 分子接合剤
JPWO2018116967A1 (ja) * 2016-12-22 2019-11-21 東亞合成株式会社 接着剤組成物並びにこれを用いたカバーレイフィルム、ボンディングシート、銅張積層板及び電磁波シールド材
JP2023023169A (ja) * 2021-08-04 2023-02-16 旭化成株式会社 感光性樹脂組成物、ポリイミドの製造方法、硬化レリーフパターンの製造方法、及び半導体装置
WO2024116580A1 (ja) * 2022-11-29 2024-06-06 Jx金属株式会社 表面処理銅箔、銅張積層板及びプリント配線板
WO2024116579A1 (ja) * 2022-11-29 2024-06-06 Jx金属株式会社 表面処理銅箔、銅張積層板及びプリント配線板
WO2024116581A1 (ja) * 2022-11-29 2024-06-06 Jx金属株式会社 表面処理銅箔、銅張積層板及びプリント配線板

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016186047A (ja) * 2015-03-27 2016-10-27 味の素株式会社 分子接合剤
JPWO2018116967A1 (ja) * 2016-12-22 2019-11-21 東亞合成株式会社 接着剤組成物並びにこれを用いたカバーレイフィルム、ボンディングシート、銅張積層板及び電磁波シールド材
US11624009B2 (en) 2016-12-22 2023-04-11 Toagosei Co., Ltd. Adhesive composition, and coverlay film, bonding sheet, copper-clad laminate and electromagnetic shielding material, each using said adhesive composition
JP2023023169A (ja) * 2021-08-04 2023-02-16 旭化成株式会社 感光性樹脂組成物、ポリイミドの製造方法、硬化レリーフパターンの製造方法、及び半導体装置
WO2024116580A1 (ja) * 2022-11-29 2024-06-06 Jx金属株式会社 表面処理銅箔、銅張積層板及びプリント配線板
WO2024116579A1 (ja) * 2022-11-29 2024-06-06 Jx金属株式会社 表面処理銅箔、銅張積層板及びプリント配線板
WO2024116581A1 (ja) * 2022-11-29 2024-06-06 Jx金属株式会社 表面処理銅箔、銅張積層板及びプリント配線板
TWI867785B (zh) * 2022-11-29 2024-12-21 日商Jx金屬股份有限公司 表面處理銅箔、覆銅積層板及印刷配線板

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN110475782B (zh) 三唑硅烷化合物、该化合物的合成方法及其利用
JP6561019B2 (ja) 表面処理剤、樹脂組成物及びそれらの利用
JP6370836B2 (ja) 表面処理剤、樹脂組成物およびそれらの利用
WO2015002158A1 (ja) アゾールシラン化合物、表面処理液、表面処理方法およびその利用
JP2015214743A (ja) 金属の表面処理剤
JP2016151046A (ja) 表面処理剤、樹脂組成物及びそれらの利用
EP3686207B1 (en) Tetrazole silane compound, method for synthesizing said compound and use thereof
JP6445946B2 (ja) 銅箔用の表面処理液およびその利用
JP6560976B2 (ja) 無機材料または樹脂材料の表面処理液、表面処理方法およびその利用
JP2014240522A (ja) 銅の表面処理液、表面処理方法及びその利用
JP6523942B2 (ja) 無機材料または樹脂材料の表面処理液、表面処理方法およびその利用
JP6766200B2 (ja) 樹脂組成物及びその利用
JP6440484B2 (ja) 金属の表面処理液、表面処理方法およびその利用
JP6771603B2 (ja) 樹脂組成物及びその利用
JP6591284B2 (ja) 金属の表面処理液、表面処理方法およびその利用
JP6436819B2 (ja) 表面処理剤、樹脂組成物及びそれらの利用
CN118922427A (zh) 三唑化合物、该三唑化合物的合成方法、偶联剂和它们的用途
JP6421073B2 (ja) 金属の表面処理液及びその利用
JP2016017221A (ja) 金属の表面処理剤
WO2025047447A1 (ja) テトラゾール化合物、該テトラゾール化合物の合成方法およびその利用
TW202523672A (zh) 四唑化合物、該四唑化合物之合成方法及其利用