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JP2016145611A - 分割軸受 - Google Patents

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JP2016145611A
JP2016145611A JP2015022946A JP2015022946A JP2016145611A JP 2016145611 A JP2016145611 A JP 2016145611A JP 2015022946 A JP2015022946 A JP 2015022946A JP 2015022946 A JP2015022946 A JP 2015022946A JP 2016145611 A JP2016145611 A JP 2016145611A
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inner ring
tightening
split bearing
ring
sliding
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JP2015022946A
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光洋 森内
Mitsuhiro Moriuchi
光洋 森内
前田 剛
Takeshi Maeda
剛 前田
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

【課題】シール部材を有する分割軸受の幅寸法を大きくすることなく、その内輪のシール部材との摺動面の幅を広げて、シール機能が安定して維持されるようにする。
【解決手段】内輪2の外周軌道面2aを有する内輪本体8と、シール部材7との摺動面2bを有し、内輪本体8の軸方向両端部の外周を締め付ける一対の締付輪9がそれぞれ周方向に二分割された分割軸受において、締付輪9の一方の半体10の端面に円形穴(締付操作用凹部)10bを設け、その円形穴10bに嵌め込んだ偏心カム13を、他方の半体11にねじ込んだカムロックねじ12の頭部12aと係合させて、内輪2全体の一体化を行うようにすることにより、軸受全体の幅寸法を大きくすることなく、内輪2のシール部7材との摺動面2bを内輪2の軸方向端部の外周に広い幅で形成でき、シール部材7のシール機能を安定して維持できるようにしたのである。
【選択図】図2

Description

本発明は、連続鋳造機、圧延機等の鉄鋼設備やクランク軸等に用いられる分割軸受に関する。
連続鋳造機や圧延機等の鉄鋼設備において重量と幅寸法の大きい鋼材を長手方向に搬送するローラは、軸方向と直交する方向に大きな荷重がかかるため、軸方向の両端部だけでなく中央部も軸受で支持して、軸方向中央部でのたわみを抑えるようにしている。その軸方向中央部に設けられる軸受は、軸方向からの組み付けが困難なため、内輪やハウジング等の部品が周方向に複数に分割された分割軸受が用いられる。この分割軸受は、鉄鋼設備以外でも、一体型の軸受の組み付けができない軸部材(例えば、クランク軸の隣り合うクランクアームどうしを連結するクランクピンやジャーナル部)を支持する軸受として広く用いられている。
分割軸受には、内輪と、外輪と、内輪の外周軌道面と外輪の内周軌道面との間に配される複数の円筒ころ等の転動体と、外輪を固定するハウジングと、転動体を保持する保持器とを備え、その転動体を除く各部品が周方向に二分割されて、軸部材への組み付け時にボルト等で一体化されているものが多い。また、そのうちでも水や埃等の飛散するような環境で使用される分割軸受では、内輪の軸方向両端部の外周に形成した摺動面に、ハウジングに取り付けた一対のシール部材をそれぞれ摺接させて、軸受内部への異物の侵入を防止するようにしたものがある。
ところで、このような分割軸受では、通常、内輪の軸方向両端部の外周面に、内輪を一体化する締結ボルトの締付操作を行うためのザグリ(締付操作用凹部)が設けられているので、シール部材を有する場合、その内輪の摺動面は内輪の外周面のザグリ部を除いた部分に形成されることになる。このため、シール部材を有する分割軸受で高温となる設備の軸部材を支持する場合には、その軸部材の軸方向の熱膨張に伴って分割軸受の内輪が軸部材に対して相対的に軸方向に移動することにより、シール部材の先端のシールリップが内輪の摺動面から外れてザグリ部にかかり、シール部材の本来のシール機能が損なわれて軸受内部に水等の異物が侵入し、軸受寿命が短縮されてしまうおそれがある。
また、上記のシール部材を有する分割軸受には、外周軌道面を有する内輪本体と内輪本体の軸方向両端部の外周を締め付ける一対の締付輪とからなる内輪を備え、各締付輪の外周面に締結ボルトの締付操作用のザグリとシール部材との摺動面を設けたものもあるが、この構成の分割軸受でも、高温下で使用されると、軸部材の軸方向の熱膨張によりシール部材のシールリップが内輪(締付輪)の摺動面から外れてシール機能が損なわれ、軸受寿命が短くなるおそれがある。
これに対して、例えば特許文献1に記載された分割軸受のように、内輪の軸方向両端部を延長してシール部材との摺動面の幅を広げ、内輪が軸部材に対して相対的に多少軸方向に移動してもシール部材のシールリップが摺動面から外れないようにすれば、高温下でもシール機能が維持され、軸受寿命の短縮を防止できるようになる。
特開平9−112541号公報
しかしながら、上記特許文献1のように内輪の軸方向端部を延長した分割軸受では、軸受全体の幅寸法が大きくなるので、その軸受が組み込まれる設備のコンパクト化を妨げる一因となるし、既設の軸部材への組み付けは困難になると考えられる。
一方、軸受全体の幅寸法を変えずに内輪の摺動面の幅を広くした分割軸受として、図10乃至図12に示すものがある。この分割軸受51は、図10および図11に示すように、クランク軸Cの隣り合うクランクアームAどうしを連結するジャーナル部Jを支持するものであり、内輪52の外周軌道面52aと外輪53の内周軌道面53aとの間に、保持器54に転動自在に保持された複数の円筒ころ(転動体)55が配され、外輪53を固定するハウジング56に一対のシール部材57が取り付けられている。
前記ハウジング56は、本体部56aと本体部56aの両端面に固定される一対のシール取付部56bとからなり、各シール取付部56bの内周に形成された環状溝にシール部材57が嵌め込まれている。各シール部材57は、それぞれの内周に2つのシールリップ57a、57bを有し、両シールリップ57a、57bで内輪52の軸方向両端部の外周に形成された摺動面52bと摺接している。
この分割軸受51の円筒ころ55以外の各部品は、それぞれ周方向に二分割されており、ジャーナル部Jへの組み付け時にボルト等で一体化されるようになっている。そのうちの内輪52の一体化構造について、以下に説明する。
前記内輪52は、外周軌道面52aを有する内輪本体58と、内輪本体58の軸方向両端部の外周を締め付ける一対の締付輪59と、シール部材57との摺動面52bを有し、締付輪59の外周を締め付ける一対の摺動輪60とからなり、その内輪本体58、各締付輪59および各摺動輪60がそれぞれ周方向に二分割されている。
そして、図11および図12に示すように、締付輪59および摺動輪60の一方の半体の外周面には、他方の半体との接合面に開口するザグリ(締付操作用凹部)59a、60aが設けられており、ジャーナル部Jに内輪本体58を組み付けた状態で、その軸方向両端部の外周に締付輪59を組み付け、各締付輪59の一方の半体のザグリ59aに挿入した締結ボルト61を他方の半体にねじ込んだ後、各締付輪59の外周に摺動輪60を組み付けて、各摺動輪60の一方の半体のザグリ60aに挿入した締結ボルト62を他方の半体にねじ込むことにより、内輪52全体が一体化されるようになっている。
ここで、締付輪59用の締結ボルト61には、内輪本体58と締付輪59を一体化した状態を維持するのに必要な締付強度を確保できる太さのものが用いられるのに対し、摺動輪60用の締結ボルト62は、摺動輪60が締付輪59の外周を締め付けるだけの締付強度を確保できるものであればよいので、締付輪59用の締結ボルト61よりも小径のものが用いられる。これに伴い、摺動輪60のザグリ60aは締付輪59のザグリ59aよりも小さく形成され、摺動輪60の外周面のザグリ60aの両側に形成される内輪52の摺動面52bは、摺動輪60のない状態で締付輪59の外周面のザグリ59aの両側に形成する場合よりも幅寸法を広くとれるようになっている。
この分割軸受51は、上述のように、摺動輪をもたない分割軸受に対して、軸受全体の幅寸法を変えずに内輪の摺動面の幅をある程度広げることができる。しかし、摺動輪60用の締結ボルト62を小径化して摺動輪60のザグリ60aを小さくするには限界があるため、内輪52の摺動面52bの幅寸法の増加量は小さく、高温下でのシール機能の低下による軸受寿命の短縮を十分に防止できない場合がある。
また、この分割軸受51では、シール部材57の2つのシールリップ57a、57bが摺動輪60の外周面のザグリ60a部の両側に一つずつ摺接することになるので、その形状をある程度限定されてしまい寸法精度も厳しくなって、製作に手間がかかるものとなるという問題もある。
そこで、本発明は、シール部材を有する分割軸受の幅寸法を大きくすることなく、その内輪のシール部材との摺動面の幅を広げて、シール機能が安定して維持されるようにすることを課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、周方向に複数に分割され、締結ボルトで一体化される内輪と、前記内輪の径方向外側に配される外輪と、前記内輪の外周軌道面と前記外輪の内周軌道面の間で転動する複数の転動体と、前記外輪が固定されるハウジングと、前記ハウジングに取り付けられ、前記内輪の軸方向端部の外周に形成された摺動面と摺接するシール部材とを備えた分割軸受において、前記内輪の端面側に、前記締結ボルトの締め付けを行うための締付操作用凹部を設けた構成を採用した。ここで、「内輪の端面側」とは内輪端面も含むものとする(以下同じ)。
すなわち、周方向に複数に分割された内輪の端面側に、締結ボルトの締め付けを行うための締付操作用凹部を設けることにより、内輪の軸方向端部の外周に締付操作用凹部を設けたものに比べて、軸受全体の幅寸法を大きくすることなく、内輪のシール部材との摺動面を内輪の軸方向端部の外周に広い幅で形成できるようにしたのである。
ここで、前記内輪は、前記外周軌道面を有する内輪本体と、前記摺動面および締付操作用凹部を有し、前記内輪本体の軸方向端部の外周を締め付ける締付輪とからなるもの、あるいは、前記外周軌道面を有する内輪本体と、前記内輪本体の軸方向端部の外周を締め付ける締付輪と、前記摺動面および締付操作用凹部を有し、前記締付輪の外周を締め付ける摺動輪とからなるものとすることもできる。
前記締結ボルトとしては、カムロックねじを採用することができる。その場合は、前記カムロックねじで互いに結合される2つの部材のうちの一方の部材に、他方の部材に先端側をねじ込まれたカムロックねじの頭部が差し込まれる差込穴と前記締付操作用凹部とを互いに連通するように設け、前記締付操作用凹部に摺動可能に嵌め込んだカム部材を前記カムロックねじの頭部と係合させればよい。
また、前記締結ボルトとしては、頭部に傘歯車を有する傘歯車付きねじを採用することもできる。その場合は、前記傘歯車付きねじで互いに結合される2つの部材のうちの一方の部材に前記締付操作用凹部を設け、前記締付操作用凹部に挿入した前記傘歯車付きねじを、その頭部の傘歯車と噛み合う傘歯車部を有する締付操作ねじによって、前記2つの部材のうちの他方の部材にねじ込めばよい。
前記内輪の摺動面にはめっき処理を施すことが望ましい。
上述した本発明の分割軸受は、鉄鋼設備またはクランク軸で特に有効に使用される。
本発明の分割軸受は、上述したように、周方向に複数に分割された内輪の端面側に、内輪を一体化する締結ボルトの締め付けを行うための締付操作用凹部を設けたものであるから、内輪の軸方向端部の外周に締付操作用凹部を設けた従来のものに比べて、軸受全体の幅寸法を大きくすることなく、内輪のシール部材との摺動面を内輪の軸方向端部の外周に広い幅で形成することができる。したがって、この分割軸受が組み付けられる軸部材の熱膨張等によって内輪が軸部材に対して相対的に軸方向に多少移動しても、シール部材のシールリップが内輪の摺動面から外れることはなく、シール部材のシール機能が安定して維持され、短寿命となるおそれがない。
また、内輪の摺動面が幅方向に連続して形成されるので、シール部材は、従来の締付操作用凹部の両側の狭い摺動面と摺接するものに比べて、シールリップの形状の自由度が大きくなり、寸法精度も緩くなって製作が容易なものとなる。
第1実施形態の分割軸受の使用状態の縦断正面図 図1の分割軸受のハウジングを除いた要部拡大縦断正面図 図2の右側面図 a〜cは、それぞれ図2のIV−IV線に沿った断面での内輪一体化の手順の説明図 第2実施形態の分割軸受のハウジングを除いた要部の縦断正面図 aは図5の分割軸受の要部の右側面図、bはaのVI−VI線に沿った断面図 a〜cは、それぞれ図6(a)に対応して内輪一体化の手順を説明する一部切欠き側面図 第3実施形態の分割軸受の要部の縦断正面図 第4実施形態の分割軸受の要部の縦断側面図 従来の分割軸受の使用状態の縦断正面図 図10の分割軸受のハウジングを除いた要部拡大縦断正面図 図11のXII−XII線に沿った断面図
以下、図1乃至図9に基づき、本発明の実施形態を説明する。
図1乃至図4は第1の実施形態を示す。この分割軸受1は、図1および図2に示すように、クランク軸Cの隣り合うクランクアームAどうしを連結するジャーナル部Jを支持するものであり、ジャーナル部Jの外周に取り付けられる内輪2と、内輪2の径方向外側に配される外輪3と、内輪2の外周軌道面2aと外輪3の内周軌道面3aの間で転動する複数の円筒ころ(転動体)4と、円筒ころ4を転動自在に保持する保持器5と、外輪3が固定されるハウジング6と、ハウジング6に取り付けられる一対のシール部材7とを備えている。なお、円筒ころはボール等の他の転動体に代えることもできる。
前記ハウジング6は、本体部6aと本体部6aの両端面に固定される一対のシール取付部6bとからなり、各シール取付部6bの内周に形成された環状溝にシール部材7が嵌め込まれている。各シール部材7は、それぞれの内周に2つのシールリップ7a、7bを有し、両シールリップ7a、7bで内輪2の軸方向両端部の外周に形成された摺動面2bと摺接している。
この分割軸受1の円筒ころ4を除く各部品(内輪2、外輪3、保持器5、ハウジング6およびシール部材7)は、それぞれ周方向に二分割されており、ジャーナル部Jへの組み付け時にボルト等で一体化されるようになっている。そのうちの内輪2の一体化構造について、以下に説明する。
前記内輪2は、外周軌道面2aを有する内輪本体8と、内輪本体8の軸方向両端部の外周を締め付ける一対の締付輪9とからなり、その内輪本体8および各締付輪9がそれぞれ周方向に二分割されている。その内輪本体8には、外周軌道面2aの両側に環状溝8aが設けられ、各環状溝8aに締付輪9が嵌め込まれるようになっている。また、各締付輪9の外周面の面取り部を除く部分にめっき処理が施され、このめっき処理を施された部分がシール部材7のシールリップ7a、7bと摺動する摺動面2bとなっている。
そして、図2および図3に示すように、締付輪9は、2つの半体10、11を締結ボルトとしてのカムロックねじ12と偏心カム(カム部材)13とで結合したものであり、2つの半体10、11の間には、両半体10、11の密着性を高めるための弾性シート部材14が挟まれている。その一方の半体10には、他方の半体11との接合面に開口し、カムロックねじ12の頭部12a側部分が差し込まれる差込穴10aと、外側端面に開口し、偏心カム13が摺動可能に嵌め込まれる円形穴(締付操作用凹部)10bとが互いに連通するように設けられている。また、他方の半体11には、一方の半体10との接合面にカムロックねじ12の先端側部分がねじ込まれるねじ穴11aが設けられている。
内輪2を一体化する際は、まず、内輪本体8の2つの半体でクランク軸Cのジャーナル部Jの外周を挟んだ状態で、図4(a)に示すように、締付輪9の2つの半体10、11を突き合わせるように内輪本体8の各環状溝8aに嵌め込みながら、予め締付輪9の他方の半体11のねじ穴11aにねじ込んだカムロックねじ12の頭部12a側部分を一方の半体10の差込穴10aに差し込む。そして、図4(b)に示すように、一方の半体10の円形穴10bに嵌め込んだ偏心カム13を回動させることにより、図4(c)に示すように、偏心カム13とカムロックねじ12の頭部12aとを係合させて両方の半体10、11を結合し、内輪本体8の2つの半体を締め付けるようにすればよい。
この分割軸受1は、上記の構成であり、内輪2を構成する締付輪9の一方の半体10の端面に円形穴10bを設け、その円形穴10bに嵌め込んだ偏心カム13を、他方の半体11にねじ込んだカムロックねじ12の頭部12aと係合させて、内輪2全体の一体化を行うようにしたので、図10乃至図12に示した従来の分割軸受51よりも、内輪2(締付輪9)のシール部材7との摺動面2bを広い幅で形成することができる。
したがって、クランク軸Cのジャーナル部Jの熱膨張等によって内輪2がジャーナル部Jに対して相対的に軸方向に多少移動しても、シール部材7のシールリップ7a、7bが内輪2の摺動面2bから外れることはなく、シール部材7のシール機能が維持され、安定して長期間使用することができる。
また、軸受全体の幅寸法は従来の分割軸受51と変わらないので、既設のクランク軸Cへ容易に組み付けることができ、クランク軸Cおよびクランク軸Cが組み込まれる設備の大型化を招くことがないし、従来の分割軸受51に比べて摺動輪60がない分、主要部品の点数を減らすことができる。
さらに、内輪2の摺動面2bが幅方向に連続して形成されているので、シール部材7のシールリップ7a、7bが、従来の分割軸受51のものに比べて、形状の自由度が大きくなり、寸法精度も緩くなって製作しやすくなるという利点もある。
図5乃至図7は第2の実施形態を示す。この実施形態は、第1実施形態の内輪2の一体化構造を変更したもので、締付輪9の2つの半体10、11を結合する締結ボルトとして傘歯車付きねじ15を採用している。なお、第1実施形態と同じ機能の部材には同一の符号をつけて説明を省略する(後述する第3、第4の実施形態についても同じ)。
図5および図6(a)、(b)に示すように、この第2実施形態の締付輪9の一方の半体10には、他方の半体11との接合面に開口し、傘歯車付きねじ15が差し込まれる差込穴10cと、外側端面に開口し、傘歯車付きねじ15が先端を他方の半体11に向けた姿勢で挿入される矩形穴(締付操作用凹部)10dとが互いに連通するように設けられている。
そして、一方の半体10の矩形穴10dには、各辺縁にザグリが設けられ、内輪2内周側および外周側の側壁に、その長手方向中央部から差込穴10cの側へ差込穴10cと平行に延びる突条10eが設けられている。これにより、傘歯車付きねじ15のねじ込みを行うための締付操作ねじ16が、頭部を矩形穴10dのザグリ部と摺動可能に係合させた状態で、先端に形成された傘歯車部16aで傘歯車付きねじ15の頭部の傘歯車15aと噛み合い、ネック部で突条10eに案内されて平行移動するようになっている。また、他方の半体11には、一方の半体10との接合面に傘歯車付きねじ15の先端側部分がねじ込まれるねじ穴11bが設けられている。
内輪2を一体化する際は、まず、第1実施形態と同様に、内輪本体8の2つの半体でクランク軸Cのジャーナル部Jの外周を挟んだ状態で、図7(a)に示すように、締付輪9の2つの半体10、11を突き合わせるように内輪本体8の各環状溝8aに嵌め込み、締付輪9の一方の半体10の矩形穴10dに傘歯車付きねじ15を挿入して、その先端部を矩形穴10dに連通する差込穴10cに差し込む。そして、図7(b)に示すように、締付操作ねじ16を矩形穴10dの差込穴10cと反対の側(突条10eのない側)に嵌め込んで、その傘歯車部16aを傘歯車付きねじ15の傘歯車15aと噛み合わせた後、締付操作ねじ16を回転させながら突条10eに沿って差込穴10cの側へ平行移動させて、傘歯車付きねじ15を他方の半体11のねじ穴11bにねじ込むことにより、図7(c)に示すように、両方の半体10、11を結合し、内輪本体8の2つの半体を締め付けるようにすればよい。なお、この内輪2を一体化した状態では、締付輪9の矩形穴10dの突条10eが締付操作ねじ16の軸方向の抜け止めとなるので、軸受使用中に締付操作ねじ16が脱落するおそれがない。
この第2実施形態でも、第1実施形態と同じく、内輪2(締付輪9)の一方の半体10の端面に、内輪2を一体化する締結ボルトの締め付けを行うための締付操作用凹部を設けているので、第1実施形態と同様の作用効果が得られる。
上述した第1、第2実施形態では、内輪本体と一対の締付輪とからなる内輪を備えた分割軸受について説明したが、本発明は、内輪の構成がこれらの各実施形態と異なる分割軸受にも適用することができる。
例えば、図8に示す第3実施形態の分割軸受は、第1実施形態の内輪2の代わりに、外周軌道面2aおよびシール部材7との摺動面2bを有し、周方向に二分割された内輪本体8のみからなる内輪2を組み込んだもので、その内輪2に対して第1実施形態と同様の一体化構造を採用している。
すなわち、この第3実施形態では、内輪2(内輪本体8)の一方の半体の両端面に円形穴(締付操作用凹部)2cとカムロックねじ12が差し込まれる差込穴(図示省略)とを互いに連通するように設け、他方の半体の両端部にカムロックねじ12の先端側部分がねじ込まれるねじ穴(図示省略)を設けて、一方の半体の円形穴2cに嵌め込んだ偏心カム13を他方の半体にねじ込んだカムロックねじ12の頭部と係合させることにより、内輪2を一体化している。
一方、図9に示す第4実施形態の分割軸受は、第1実施形態の内輪2の代わりに、外周軌道面(図示省略)を有する内輪本体8と、内輪本体8の軸方向端部の外周を締め付ける一対の締付輪9と、シール部材7との摺動面2bを有し、締付輪9の外周を締め付ける一対の摺動輪17とからなる内輪2を組み込んだものである。内輪2は、内輪本体8、各締付輪9および各摺動輪17がそれぞれ周方向に二分割されており、その内輪本体8と各締付輪9を図10乃至図12に示した従来の分割軸受51と同様の手段で一体化し、各摺動輪17に対して第1実施形態と同様の一体化構造を採用している。
すなわち、この第4実施形態では、各摺動輪17の一方の半体の端面に円形穴(締付操作用凹部)17aとカムロックねじ12が差し込まれる差込穴17bを互いに連通するように設け、他方の半体にカムロックねじ12の先端側部分がねじ込まれるねじ穴17cを設けている。そして、半体どうしを突き合わせた状態の内輪本体8の外周軌道面の両側に設けられた環状溝8aに、締付輪9の2つの半体を突き合わせるように嵌め込み、締付輪9の一方の半体のザグリ9aに挿入したボルト18を他方の半体にねじ込んだ後、各締付輪9の外周に摺動輪17を組み付けて、各摺動輪17の一方の半体の円形穴17aに嵌め込んだ偏心カム13を他方の半体にねじ込んだカムロックねじ12の頭部12aと係合させることにより、内輪2全体を一体化している。
なお、本発明のシール部材は、前述のように形状の自由度が大きいので、各実施形態の形状(従来のものと同じ)に限らず、よりシール性の高い形状や製作の容易な形状も採用することができる。また、転動体以外の部品は、必ずしも各実施形態のように二分割とする必要はなく、三つ以上に分割してもよい。
また、本発明は、実施形態のようなクランク軸のジャーナル部を支持する分割軸受に限らず、例えば、クランク軸のクランクピンを支持するもの、あるいは連続鋳造機や圧延機等の鉄鋼設備において軸部材の中央部を支持するもの等で、シール部材を有する分割軸受に有効に適用することができる。
1 分割軸受
2 内輪
2a 外周軌道面
2b 摺動面
3 外輪
3a 内周軌道面
4 円筒ころ(転動体)
5 保持器
6 ハウジング
7 シール部材
7a、7b シールリップ
8 内輪本体
9 締付輪
10 (締付輪の)一方の半体
10a、10c 差込穴
10b 円形穴(締付操作用凹部)
10d 矩形穴(締付操作用凹部)
10e 突条
11 (締付輪の)他方の半体
11a、11b ねじ穴
12 カムロックねじ(締結ボルト)
13 偏心カム(カム部材)
15 傘歯車付きねじ(締結ボルト)
15a 傘歯車
16 締付操作ねじ
16a 傘歯車部
17 摺動輪
17a 円形穴(締付操作用凹部)
17b 差込穴
17c ねじ穴
C クランク軸
A クランクアーム
J ジャーナル部

Claims (7)

  1. 周方向に複数に分割され、締結ボルトで一体化される内輪と、前記内輪の径方向外側に配される外輪と、前記内輪の外周軌道面と前記外輪の内周軌道面の間で転動する複数の転動体と、前記外輪が固定されるハウジングと、前記ハウジングに取り付けられ、前記内輪の軸方向端部の外周に形成された摺動面と摺接するシール部材とを備えた分割軸受において、前記内輪の端面側に、前記締結ボルトの締め付けを行うための締付操作用凹部を設けたことを特徴とする分割軸受。
  2. 前記内輪が、前記外周軌道面を有する内輪本体と、前記摺動面および締付操作用凹部を有し、前記内輪本体の軸方向端部の外周を締め付ける締付輪とからなることを特徴とする請求項1に記載の分割軸受。
  3. 前記内輪が、前記外周軌道面を有する内輪本体と、前記内輪本体の軸方向端部の外周を締め付ける締付輪と、前記摺動面および締付操作用凹部を有し、前記締付輪の外周を締め付ける摺動輪とからなることを特徴とする請求項1に記載の分割軸受。
  4. 前記締結ボルトがカムロックねじであり、前記カムロックねじで互いに結合される2つの部材のうちの一方の部材に、他方の部材に先端側をねじ込まれたカムロックねじの頭部が差し込まれる差込穴と前記締付操作用凹部とを互いに連通するように設け、前記締付操作用凹部に摺動可能に嵌め込んだカム部材を前記カムロックねじの頭部と係合させたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の分割軸受。
  5. 前記締結ボルトが頭部に傘歯車を有する傘歯車付きねじであり、前記傘歯車付きねじで互いに結合される2つの部材のうちの一方の部材に前記締付操作用凹部を設け、前記締付操作用凹部に挿入した前記傘歯車付きねじを、その頭部の傘歯車と噛み合う傘歯車部を有する締付操作ねじによって、前記2つの部材のうちの他方の部材にねじ込んだことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の分割軸受。
  6. 前記内輪の摺動面にめっき処理を施したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の分割軸受。
  7. 鉄鋼設備またはクランク軸で使用されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の分割軸受。
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