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JP2016142149A - 異常診断装置 - Google Patents

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JP2016142149A
JP2016142149A JP2015016593A JP2015016593A JP2016142149A JP 2016142149 A JP2016142149 A JP 2016142149A JP 2015016593 A JP2015016593 A JP 2015016593A JP 2015016593 A JP2015016593 A JP 2015016593A JP 2016142149 A JP2016142149 A JP 2016142149A
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JP2015016593A
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崇広 伊藤
Takahiro Ito
崇広 伊藤
辻本 晋
Susumu Tsujimoto
晋 辻本
聖一 吉田
Seiichi Yoshida
聖一 吉田
悟 岩本
Satoru Iwamoto
悟 岩本
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Denso Corp
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Denso Corp
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Abstract

【課題】 従来の異常診断装置では、サプライポンプから車両に搭載されたエンジンへの燃料の加圧供給時(燃料圧送期間中)における使用燃料の粘度異常が発生しているか否かの判定を行うことができないという課題があった。【解決手段】 車両走行用エンジンに搭載されたコモンレール式燃料噴射システムに適用される異常診断装置は、サプライポンプ4から使用燃料が加圧供給される圧送期間中に、燃圧センサにより検出される燃料圧力上昇量(ΔP)と使用燃料の粘度(μ)との対応関係を示すΔP−μマップに基づいて、使用燃料の粘度(μ)を推定している。そして、この使用燃料の粘度(μ)の推定値が、所定の規格範囲から外れている場合、使用燃料の性状異常が発生していると判断することにより、車両走行用エンジンにコモンレール式燃料噴射システムを搭載した状態で、使用燃料の粘度を測定することができる。【選択図】 図6

Description

本発明は、高圧燃料ポンプのクリアランス異常または使用燃料の性状異常が発生しているか否かを判断する異常診断装置に関するもので、特に内燃機関の燃料噴射弁に燃料を加圧供給する燃料噴射装置に適用される異常診断装置に係わる。
従来より、例えばディーゼルエンジン等の内燃機関(エンジン)用の燃料噴射装置として、低圧燃料ポンプ(フィードポンプ)、高圧燃料ポンプ(サプライポンプ)、コモンレールおよび燃料噴射弁(インジェクタ)をエンジンに搭載したコモンレール式燃料噴射装置が知られている。
このような燃料噴射装置に使用されるサプライポンプは、筒状のシリンダ内をプランジャが往復摺動することで、シリンダの一端側に形成される加圧室内に吸入された燃料を加圧して高圧化し、この高圧燃料をコモンレールを介してエンジンの各気筒のインジェクタに圧送供給している。
また、サプライポンプは、加圧室内で加圧された高圧燃料の一部が、プランジャとシリンダとの間の摺動部に存在するクリアランスを通って燃料系の低圧側にリークするように構成されている。
ここで、加圧室からクリアランスを介して燃料系の低圧側にリークする燃料リーク量は、クリアランス量が大きい程または使用燃料の粘度が低い程、多くなる傾向にある。
そこで、サプライポンプのクリアランス量、または使用燃料の粘度に応じて燃料噴射量やポンプ吐出量等を制御する必要がある。
また、サプライポンプのクリアランス量が所定の規格範囲から外れている場合、例えば所定の規格範囲よりもクリアランス量が小さい場合には、プランジャの往復摺動時に摺動摩耗が発生したり、プランジャの焼き付きが発生したりして、サプライポンプが故障し、エンジンストール(エンスト)が発生する等の問題がある。逆に、所定の規格範囲よりもクリアランス量が大きい場合には、プランジャの往復移動による燃料の加圧供給時(燃料圧送期間)における燃料リーク量が増加し、インジェクタに加圧供給される燃料の圧力が目標圧力まで上昇し難くなり、エンジン出力が不足するため、それを早期に発見し、サプライポンプを交換する必要がある。
また、ディーゼルエンジンに使用される使用燃料の性状(燃料粘度)が、指定燃料の粘度よりも低い場合、燃料リーク量が増加するため、その使用燃料を適正な燃料に変える必要がある。
ここで、ディーゼルエンジンには、軽油燃料が用いられるが、軽油は低温になると、燃料粘度が高くなり、燃料の流動性が低下し、エンジン始動性および燃料の着火性が悪化するという問題がある。
また、燃料粘度が高くなり、燃料がクリアランスを通り難くなると、プランジャの外周とシリンダの内周との間に油膜が形成され難くなり、プランジャとシリンダとの摺動部分における焼き付きが発生し易くなるという問題が生じる。このようにプランジャとシリンダとが焼き付くと、エンジン故障やポンプ吐出量が不足することにより、エンジン出力異常に至るという問題が生じる。
また、燃料粘度は、使用する地域、季節や気温等により変化する。このため、使用する地域、季節や気温等に対応して燃料の性状を変えた燃料を給油可能となるようになっている。
ところが、例えば寒冷地以外の地域で使用しているディーゼルエンジン搭載車(車両)で、寒冷地に適した燃料に交換することなく、寒冷地へ移動した後に長時間駐車した場合には、気温の低下に伴って燃料粘度が高くなり、上記の問題が生じてしまう。
そこで、エンジンを車両に搭載した状態で、燃料の粘度を測定可能とすることが望ましい。
ところが、燃料の粘度を測定する場合、測定施設内で、回転式粘度計を用いて液体の粘度を測定する方法(従来例1)しかなく、サプライポンプから車両に搭載されたエンジンへの燃料の加圧供給時(燃料の圧送期間中)における燃料粘度の測定を行うことができなかった。
特許第2777480号公報
本発明の目的は、燃料ポンプのクリアランス異常を早期に発見することで、燃料ポンプの焼き付きや内燃機関の出力不足等の内燃機関の故障を未然に防ぐことのできる異常診断装置を提供することにある。また、内燃機関に燃料噴射装置を搭載した状態で、使用燃料の粘度を測定可能とし、且つ使用燃料の性状異常を早期に発見することで、燃料ポンプの焼き付きや内燃機関の出力不足等の内燃機関の故障を未然に防ぐことのできる異常診断装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明(異常診断装置)は、所定の温度条件下における粘度が既知である指定燃料を使用した、クリアランス測定を行うことが可能な第1条件が成立している場合、燃料ポンプから指定燃料が加圧供給される圧送期間中に、燃圧センサにより検出される燃料圧力上昇量(ΔP)を測定する(第1測定手段)。
次に、燃料圧力上昇量(ΔP)とクリアランス量(h)との対応関係を示す第1マップまたは第1演算式を記憶する(第1記憶手段)。
次に、この第1記憶手段に記憶された第1マップまたは第1演算式からクリアランス量(h)を推定する(第1推定手段)。
次に、この第1推定手段により推定されたクリアランス量(h)の推定値が所定の規格範囲から外れている場合、燃料ポンプのクリアランス異常が発生していると判断する(第1異常判定手段)。
なお、第1測定手段の後に第1記憶手段を実施しても、第1測定手段の前に第1記憶手段を実施しても構わない。また、第1測定手段、第1記憶手段、第1推定手段および第1異常判定手段は、例えば少なくとも燃料ポンプの工場出荷時に実行(実施)される。
請求項1に記載の発明によれば、燃料ポンプから指定燃料が加圧供給される圧送期間中に、燃圧センサにより検出される燃料圧力上昇量(ΔP)とクリアランス量(h)との対応関係を示す第1マップまたは第1演算式に基づいて、クリアランス量(h)を推定し、このクリアランス量(h)の推定値が所定の規格範囲から外れている場合、燃料ポンプのクリアランス異常が発生していると判断することにより、燃料ポンプのクリアランス異常を早期に発見することで、燃料ポンプの焼き付きや内燃機関の出力不足等の内燃機関の故障を未然に防ぐことができる。
請求項5に記載の発明(異常診断装置)は、使用燃料の粘度測定を行うことが可能な第2条件が成立している場合、燃料ポンプから使用燃料が加圧供給される圧送期間中に、燃圧センサにより検出される燃料圧力上昇量(ΔP)を測定する(第2測定手段)。
次に、燃料圧力上昇量(ΔP)と使用燃料の粘度(μ)との対応関係を示す第2マップまたは第2演算式を記憶する(第2記憶手段)。
次に、この第2記憶手段に記憶された第2マップまたは第2演算式から使用燃料の粘度(μ)を推定する(第2推定手段)。
次に、この第2推定手段により推定された使用燃料の粘度(μ)の推定値が、所定の閾値よりも低い場合、使用燃料の性状異常が発生していると判断する(第2異常判定手段)。
なお、第2測定手段の後に第2記憶手段を実施しても、第2測定手段の前に第2記憶手段を実施しても構わない。また、第2測定手段、第2記憶手段、第2推定手段および第2異常判定手段は、例えば内燃機関への燃料ポンプの搭載時に実行(実施)される。
請求項5に記載の発明によれば、燃料ポンプから使用燃料が加圧供給される圧送期間中に、燃圧センサにより検出される燃料圧力上昇量(ΔP)と使用燃料の粘度(μ)との対応関係を示す第2マップまたは第2演算式に基づいて、使用燃料の粘度(μ)を推定し、この使用燃料の粘度(μ)の推定値が、所定の規格範囲から外れている場合、使用燃料の性状異常が発生していると判断することにより、内燃機関に燃料噴射装置を搭載した状態で、使用燃料の粘度を測定可能とし、且つ使用燃料の性状異常を早期に発見することで、燃料ポンプの焼き付きや内燃機関の出力不足等の内燃機関の故障を未然に防ぐことができる。
請求項9に記載の発明(異常診断装置)は、所定の温度条件下における粘度が既知である指定燃料を使用して、クリアランス測定を行うことが可能な第3条件が成立している場合、燃料ポンプから指定燃料が加圧供給される圧送期間中に、燃圧センサにより検出される燃料圧力上昇量(ΔP)を測定する(第3測定手段)。
次に、燃料圧力上昇量(ΔP)とクリアランス量(h)との対応関係を示す第3マップまたは第3演算式を記憶する(第3記憶手段)。
次に、この第3記憶手段に記憶された第3マップまたは第3演算式からクリアランス量(h)を推定する(第3推定手段)。
次に、この第3推定手段により推定されたクリアランス量(h)の推定値が所定の規格範囲から外れている場合、燃料ポンプのクリアランス異常が発生していると判断する(第3異常判定手段)。
なお、第3測定手段の後に第3記憶手段を実施しても、第3測定手段の前に第3記憶手段を実施しても構わない。また、第3測定手段、第3記憶手段、第3推定手段および第3異常判定手段は、例えば内燃機関のメンテナンス時、少なくとも燃料ポンプのメンテナンス時に実行(実施)される。
請求項9に記載の発明によれば、燃料ポンプから指定燃料が加圧供給される圧送期間中に、燃圧センサにより検出される燃料圧力上昇量(ΔP)とクリアランス量(h)との対応関係を示す第3マップまたは第3演算式に基づいて、クリアランス量(h)を推定し、このクリアランス量(h)の推定値が所定の規格範囲から外れている場合、燃料ポンプのクリアランス異常が発生していると判断することにより、内燃機関を車両に搭載した後も、燃料ポンプのクリアランス異常を早期に発見することで、燃料ポンプの焼き付きや内燃機関の出力不足等の内燃機関の故障を未然に防ぐことができる。
コモンレール式燃料噴射システムの概略構成を示した構成図である(実施例1)。 サプライポンプの概略構成を示した構成図である(実施例1)。 コモンレール式燃料噴射システムの制御装置の概略構成を示したブロック図である(実施例1)。 工場出荷時における初期クリアランスの測定方法(クリアランス異常判定方法)を示したフローチャートである(実施例1)。 燃料の圧力上昇量とクリアランス量との関係を示した特性図である(実施例1)。 エンジン搭載時における燃料粘度の測定方法(燃料性状異常判定方法)を示したフローチャートである(実施例1)。 リークレスタイプのインジェクタを使用した場合の燃料圧力の変化を示したタイミングチャートである(実施例1)。 リークありタイプのインジェクタを使用した場合の燃料圧力の変化を示したタイミングチャートである(実施例1)。 燃料の圧力上昇量と燃料粘度との関係を示した特性図である(実施例1)。 ディーラー入庫(メンテナンス)時におけるクリアランス異常判定方法を示したフローチャートである(実施例1)。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
[実施例1の構成]
図1ないし図10は、本発明を適用したコモンレール式燃料噴射システムに適用される異常診断装置(実施例1)を示したものである。
本実施例の燃料噴射装置は、例えば自動車等の車両走行用エンジンに搭載される内燃機関(エンジン)用の燃料噴射システムとして知られるコモンレール式燃料噴射システムによって構成されている。
このコモンレール式燃料噴射システムは、燃料タンク1、燃料フィルタ2、低圧燃料ポンプ(以下フィードポンプ)3、高圧燃料ポンプ(以下サプライポンプ)4、コモンレール5、プレッシャリミッタ6、複数の燃料噴射弁(以下インジェクタ)7、およびエンジン制御装置(電子制御装置:以下ECU)8を備えている。
エンジンは、例えば自動車等の車両走行用エンジンであって、複数の気筒(例えば第1〜第4気筒)を有する多気筒ディーゼルエンジンが採用されている。これにより、本実施例においては、燃料タンク1の燃料貯留室に貯留される液体燃料、つまりエンジンの燃料としてディーゼル油(軽油)が使用される。
よって、使用燃料は、軽油燃料である。
なお、エンジンは、車両走行用エンジンだけでなく、車両空調用コンプレッサを駆動する空調用エンジンであっても良い。
燃料フィルタ2は、フィードポンプ3により燃料タンク1から汲み上げた燃料を濾過するフィルタエレメントを有している。
フィードポンプ3は、サプライポンプ4に内蔵されており、サプライポンプ4の駆動軸であるカムシャフト9の端部に接続されている。
サプライポンプ4は、エンジンのクランクシャフトの回転に同期して一定方向に回転するカムシャフト9と、このカムシャフト9を回転自在に支持するハウジング10とを備えている。
また、サプライポンプ4は、ハウジング10の上部に結合されるシリンダボディ11と、このシリンダボディ11のシリンダバレル(以下シリンダ)12内を往復移動するプランジャ13とを備えている。
カムシャフト9の外周には、少なくとも2つのカム山を有するカム14が一体的に組み付けられている。カム14は、プランジャ13をその往復移動方向(図示上下方向)に往復駆動する。
シリンダボディ11は、プランジャ13を往復摺動可能に嵌挿支持し、且つプランジャ13との間に加圧室15を区画形成する筒状のシリンダ12を有している。このシリンダ12は、プランジャ13の摺動面が往復摺動可能な摺動孔を有している。また、シリンダボディ11の図示下端部には、環状のスプリング座部16が設けられている。
また、プランジャ13の図示下端部の外周には、スプリング座部16との間に所定の軸方向距離を隔てて対向する環状のスプリングシート17が組み付けられている。
スプリング座部16とスプリングシート17との間には、プランジャ13およびスプリングシート17をカム14の外周面(プロフィール)に押圧する方向に付勢するプランジャスプリング18が設置されている。
また、プランジャ13およびスプリングシート17の図示下端部には、カムシャフト9のカム14の外周面(カムプロフィール)に当接するカム当接部19が設けられている。
ハウジング10またはシリンダボディ11には、シリンダ12の内周面とプランジャ13の外周面との間の摺動部に存在するクリアランス21を介して加圧室15と燃料系の低圧側(燃料リーク通路)とを連通するポンプ出口(以下燃料リークポート)22が設けられている。この燃料リークポート22は、燃料を燃料タンク1の燃料貯留室へ戻す燃料リターン配管23に接続されている。この燃料リターン配管23内には、クリアランス21からリークした燃料が流れる燃料リーク通路が形成されている。
サプライポンプ4は、フィードポンプ3から電磁吸入調量弁24を経て加圧室15内に吸入した燃料を加圧して高圧化し、この高圧燃料をコモンレール5の蓄圧室を介して複数のインジェクタ7に圧送供給(加圧供給)する高圧燃料ポンプである。
サプライポンプ4の電磁吸入調量弁24は、フィードポンプ3から加圧室15への燃料の吸入量を調整することで、サプライポンプ4の吐出ポートより吐出される燃料吐出量を制御する電磁弁(SCV)である。
この電磁吸入調量弁24は、外部接続用コネクタを有し、ECU8から印加されるポンプ駆動駆動信号によって通電制御されるように構成されている。これにより、サプライポンプ4の吐出ポートから吐出される燃料吐出量、および複数のインジェクタ7に加圧供給される燃料の圧力が制御される。
シリンダボディ11には、加圧室15よりも上流側の燃料吸入流路を開閉する弁体(バルブ)25、およびこのバルブ25を閉弁方向に付勢するリターンスプリング26等を有する逆止弁構造の燃料吸入弁が組み込まれている。
また、フィードポンプ3から加圧室15に燃料を導入する燃料吸入流路の途中の調量弁収容室には、電磁吸入調量弁24が組み込まれている。
シリンダボディ11には、加圧室15よりも下流側の燃料吐出流路を開閉する弁体(バルブ)27、およびこのバルブ27を閉弁方向に付勢するリターンスプリング28等を有する逆止弁構造の燃料吐出弁が組み込まれている。
サプライポンプ4は、プランジャ13がカム14に乗り上げてプランジャ13が上昇を開始し、加圧室15内の燃料圧力が燃料吐出弁の開弁圧以上に上昇した段階で、コモンレール5を介してインジェクタ7への高圧燃料の加圧供給が開始される。そして、プランジャ13がカム14の頂上を乗り越えた段階で、燃料吸入弁が開弁し、燃料吐出弁が閉弁するため、コモンレール5を介してインジェクタ7への高圧燃料の加圧供給が終了する。
このようにサプライポンプ4は、燃料圧送の開始時刻から終了時刻までの期間が燃料圧送期間となる。
コモンレール5の内部には、サプライポンプ4の吐出ポートから導入される超高圧の燃料を蓄圧する蓄圧室が形成されている。また、コモンレール5には、蓄圧室の長手方向(軸線方向)に対して直交する半径方向に延びる複数の内外連通孔が形成されている。
複数の内外連通孔は、蓄圧室に一時的に貯留された高圧燃料を複数のインジェクタ7に分配供給するための分配流路を含んでいる。
蓄圧室の軸線方向の一端側には、コモンレール5内の燃料圧力(所謂コモンレール圧)が設定値以上に上昇したら開弁するプレッシャリミッタ6が接続されている。
プレッシャリミッタ6が開弁すると、コモンレール5の燃料リークポートから燃料リターン配管23を通って燃料タンク1の燃料貯留室へ燃料が戻される。
なお、プレッシャリミッタ6の代わりに電磁減圧弁を設けても良い。この電磁減圧弁は、コモンレール5の燃料リークポートから燃料リターン配管23を通って燃料タンク1の燃料貯留室へ燃料が戻される燃料戻し流量に応じてコモンレール圧を減圧する減圧特性を有している。
電磁減圧弁は、外部接続用コネクタを有し、ECU8から印加される減圧弁駆動信号によって通電制御されるように構成されている。
複数のインジェクタ7は、エンジンの各気筒毎に対応して搭載される燃料制御弁として使用される。
インジェクタ7としては、コモンレール5の蓄圧室内に蓄圧された高圧燃料を、直接燃焼室内に霧状に噴射供給する直接噴射タイプの内燃機関用燃料噴射弁(ディーゼルエンジン用のインジェクタ)が採用されている。
複数のインジェクタ7は、エンジンの各気筒に形成される燃焼室内に燃料を噴射するもので、軸線方向の先端側に燃料噴射ノズル31を備えている。これらのインジェクタ7は、燃料噴射ノズル31と、この燃料噴射ノズル31のニードルを開閉駆動する電磁弁(以下ソレノイドバルブ)32とが螺子締結によって一体化されて構成されている。
燃料噴射ノズル31は、筒状のノズルボディ、ニードルおよび筒状のインジェクタボディ等を備えている。
ノズルボディには、ニードルを往復摺動可能に収容するガイド孔、燃料を噴射する噴孔、およびこの噴孔と連通する燃料流路等が形成されている。
ニードルは、ノズルボディのガイド孔内に往復摺動可能に収容されて、ノズルボディの燃料流路を開閉するニードルバルブ(インジェクタ7の弁体)である。
インジェクタボディには、ノズルボディの燃料流路を介して噴孔と連通する燃料流路、およびノズルボディのニードル収容孔と連通するピストン収容孔が形成されている。
ピストン収容孔内には、コマンドピストンおよびリターンスプリングが収容されている。
コマンドピストンは、ニードルと連動してピストン収容孔内を往復移動するもので、先端側の端面がニードルに当接している。
リターンスプリングは、コマンドピストンに対して、ニードルの閉弁方向に付勢する付勢力を発生させるものである。
また、ピストン収容孔の先端側に対して反対側には、高圧ポートおよび低圧ポートを有する制御室が設けられている。
制御室は、コマンドピストンとソレノイドバルブ32との間に形成された空間である。この制御室の高圧ポートに、燃料系の高圧側に設けられるコモンレール5と接続する燃料(供給)流路)が連通している。また、制御室の低圧ポートには、燃料リターン配管23を介して燃料系の低圧側に設けられる燃料タンク1と接続する燃料リークポートが連通している。
なお、制御室内に導入される燃料圧力は、ニードルに対して、ニードルの閉弁方向に付勢する油圧力として作用する。
ソレノイドバルブ32は、コマンドピストン直上に設けられる制御室内の油圧力を調整(増減)し、ニードルの開閉動作を制御する電磁制御弁である。このソレノイドバルブ32は、制御室から燃料リークポートへ燃料を流出(リーク)させる低圧ポートを開閉するスプールバルブ、およびこのスプールバルブを往復摺動可能に収容するバルブボディを備えている。
ソレノイドバルブ32は、スプールバルブを開弁方向に駆動する電磁アクチュエータ(ソレノイド)と、スプールバルブを閉弁方向に付勢するバルブスプリングとを備えている。
ソレノイドは、外部接続用コネクタを有し、ECU8から印加されるインジェクタ駆動信号によって通電制御されるように構成されている。
ソレノイドの磁気吸引力によってスプールバルブが制御室の低圧ポートを開弁すると、制御室内の燃料が低圧ポート、燃料リークポートを介してインジェクタ7の外部(燃料系の低圧側)へ流出する。これにより、制御室内の燃料圧力がニードル開弁圧以下に低下するため、ニードルがノズルボディのノズルシートからリフトしてエンジンの気筒内へ燃料が直接噴射される。
また、バルブスプリングの付勢力によってスプールバルブが制御室の低圧ポートを閉弁すると、制御室内の燃料が燃料系の低圧側へ流出が止まり、コモンレール5から高圧ポートを介して、サプライポンプ4で加圧された高圧燃料が制御室内に導入される。これにより、制御室内の燃料圧力がニードル閉弁圧以上に上昇するため、ニードルがノズルボディのノズルシートにシートするため、エンジンの気筒内への燃料噴射が終了する。
ここで、サプライポンプ4の電磁吸入調量弁24および複数のインジェクタ7の各ソレノイドバルブ32は、ECU8によって電子制御されるポンプ駆動回路およびインジェクタ駆動回路を介して、車両に搭載されたバッテリに電気的に接続されている。
ECU8には、CPU、メモリ(ROM、RAMおよびEEPROM)、入力回路(入力部)、出力回路(出力部)、電源回路、タイマー回路、ポンプ駆動回路、インジェクタ駆動回路等の機能を含んで構成される周知の構造のマイクロコンピュータが内蔵されている。
各種センサからのセンサ出力信号は、A/D変換回路でA/D変換された後に、マイクロコンピュータに入力されるように構成されている。
ここで、マイクロコンピュータの入力部には、クランク角度センサ(以下NEセンサ)41、エンジン負荷センサ(アクセル開度センサ42)、燃温センサ43、燃圧センサ44、エアフロメータ、水温センサ(図示せず)およびカム角度センサ等が電気的に接続されている。
NEセンサ41は、エンジンのクランクシャフトの回転角度を電気信号に変換するピックアップコイルよりなり、例えば15または30°CA(クランク角度)毎にNEパルス信号がECU8に対して出力される。
ECU8は、NEセンサ41から出力されたNEパルス信号の間隔時間を計測することによってエンジン回転速度(エンジン回転数:NE)を検出するためのエンジン回転速度検出手段としての機能を有している。
アクセル開度センサ42は、ドライバーのアクセルペダルの操作量(アクセル開度)に対応したセンサ出力信号(電気信号)をECU8に対して出力する。なお、スロットル開度センサ(図示せず)が取り付けられている場合には、スロットル開度センサをエンジン負荷センサとして使用しても良い。
燃温センサ43は、サプライポンプ4の燃料リークポート22から流出(リーク)するポンプ出口側の燃料温度(ポンプ出口温度:THF)に対応した電気信号をECU8に対して出力する。あるいはサプライポンプ4に吸入されるポンプ入口側の燃料温度(ポンプ入口温度:THF)に対応した電気信号をECU8に対して出力する燃温センサ43を使用しても良い。
燃圧センサ44は、サプライポンプ4の吐出ポートから各インジェクタ7に加圧供給される燃料圧力に対応したセンサ出力信号(電気信号)をECU8に対して出力する。
ここで、サプライポンプ4の吐出ポートとコモンレール5の燃料入口ポートとを接続する高圧燃料配管内の燃料供給流路を流れる高圧燃料の圧力(燃圧)を検出する燃圧センサ44を使用しても良い。また、コモンレール5の蓄圧室内に蓄圧される高圧燃料の圧力(コモンレール圧)を検出する燃圧センサ44を使用しても良い。
また、コモンレール5の燃料出口ポートと各インジェクタ7の燃料入口ポートとを接続する高圧燃料配管内の燃料供給流路を流れる高圧燃料の圧力(燃圧)を検出する燃圧センサ44を使用しても良い。また、各インジェクタ7内部の燃料流路を流れる高圧燃料の圧力(燃圧)を検出する燃圧センサ44を使用しても良い。
水温センサは、エンジンの冷却水温度(THW)に対応したセンサ出力信号(電気信号)をECU8に対して出力する。
カム角度センサは、VGセンサおよびPGセンサ(いずれも図示せず)等よりなる。
VGセンサは、エンジンの各気筒毎の吸気バルブまたは排気バルブを往復駆動するカムシャフト(図示せず)の回転角度に対応したセンサ出力信号(電気信号)をECU8に対して出力する。
ECU8は、NEセンサ41およびVGセンサを使用して、エンジンの各気筒の上死点(TDC)、エンジン回転数(NE)およびクランク角度を検出して、燃料噴射を行う気筒を判別する。
PGセンサは、サプライポンプ4のカムシャフト9の回転角度を電気信号に変換するピックアップコイルよりなり、例えば所定のカム角度毎にNPパルス信号がECU8に対して出力される。
ECU8は、PGセンサから出力されるNPパルス信号をの間隔時間を測定することによってサプライポンプ4のカムシャフト9の回転速度(以下ポンプ回転速度、ポンプ回転数とも言う)を検出するためのポンプ回転速度検出手段としての機能を有している。
なお、サプライポンプ4のポンプ回転数は、エンジン回転数と比例関係にあるため、エンジン回転数からポンプ回転数を推定することが可能である。よって、カム角度センサを設置しなくも良い。
ECU8は、エンジンの運転状態(例えばエンジン回転数等)に応じて、サプライポンプ4から各インジェクタ7に加圧供給する高圧燃料の圧力の目標値(目標燃料圧力)を算出する。ECU8は、燃圧センサ44のセンサ出力信号(燃料圧力)と目標燃料圧力との圧力偏差に応じて、サプライポンプ4の電磁吸入調量弁24に与える制御指令値(ポンプ駆動信号)を算出し、ポンプ駆動回路に制御指令値に対応したポンプ制御信号を出力する。
ECU8は、エンジンの運転状態(例えばエンジン回転数、アクセル開度、エンジントルク等)に対応して要求噴射量(Q)を算出する。具体的には、NEセンサ41から出力されたNE信号の間隔時間を計測することによって検出(測定)されたエンジン回転数(NE)と、アクセル開度センサ42によって検出されるアクセル開度とに基づいて、アクセル開度に応じて要求される出力トルクを生成するための要求噴射量(Q)を算出する。 ECU8は、エンジン回転数(NE)と要求噴射量(Q)とに基づいて、噴射開始時期気の指令値、噴射期間の指令値(噴射指令値:TQ)等を算出する。この噴射指令値(TQ)とは、気筒毎のインジェクタ7に対する噴射量指令値(インジェクタのソレノイドバルブ32の通電時間、指令噴射期間)のことである。
[実施例1の制御方法]
次に、本実施例の異常診断装置による異常診断方法を図1ないし図10に基づいて簡単に説明する。
ここで、図4は、組み立て工場において、サプライポンプ4の組み立てが終了した工場出荷時におけるサプライポンプ4のクリアランス異常が発生しているか否かの判定を行う異常診断装置におけるパーソナルコンピュータ(以下パソコン)による異常診断方法の基本的な制御処理を示したフローチャートである。
この図4の制御ルーチンは、サプライポンプ4の検査を行うテストスタンドの運転スイッチがONされた後に起動する。
ここで、テストスタンドには、フィードポンプ3を内蔵したサプライポンプ4を取り付ける取り付け台と、異常診断装置と表示装置を含んで構成されるパソコンとが設置されている。
パソコンには、サプライポンプ4のカムシャフト9の回転速度(ポンプ回転速度)を検出する回転速度センサ、サプライポンプ4からリークする燃料温度(ポンプ出口温度)を検出する燃温センサ、およびサプライポンプ4から吐出される燃料の圧力(ポンプ吐出圧力)を検出する燃圧センサが接続されている。パソコンには、CPU、メモリ(ROM、RAM)、入力回路(入力部)、出力回路(出力部)、電源回路、タイマー回路、ポンプ駆動回路等の機能を含んで構成される周知の構造のマイクロコンピュータが内蔵されている。
パソコンのメモリ(ROM、RAM)は、異常診断プログラム(図4参照)、およびクリアランス測定に必要な制御データ(ΔP−hマップ)等を記憶(格納)する第1記憶手段(記憶部)を構成している。
ΔP−hマップは、特許請求の範囲における「第1マップ」に相当する。このΔP−hマップは、圧送期間中における燃料圧力上昇量(ΔP)と、サプライポンプ4のクリアランス量(h)との対応関係を示すものである(図5参照)。また、ΔP−hマップは、予め実験等により測定して作成した制御データ(実測値)である。
燃温センサおよび燃圧センサからのセンサ出力信号は、A/D変換回路でA/D変換された後に、マイクロコンピュータに入力されるように構成されている。
なお、フィードポンプ3およびサプライポンプ4のプランジャ13を駆動するカムシャフト9は、電動モータの出力軸に接続されている。これにより、サプライポンプ4の回転速度(ポンプ回転速度)を一定の速度に固定できる。
先ずクリアランス測定に使用する燃料として、所定の燃料温度条件下における粘度が既知である指定燃料を準備し、フィードポンプ3の吸入側の燃料タンク内に指定燃料を給油しておく(ステップS11)。
次に、テストスタンドの運転スイッチをONする。これにより、図4の制御ルーチンが起動すると、サプライポンプ4の測定条件を、所定の条件下にセットする。
具体的には、ポンプ回転速度を一定の速度に固定する。ポンプ出口温度を所定の温度に保つ。サプライポンプ4の圧送期間を所定の期間に保つ(ステップS12)。
次に、初期クリアランス測定を行うことが可能な測定条件(第1条件)が成立しているか否かを判定する(第1条件判定手段:ステップS13)。
測定条件には、ポンプ回転速度が所定の速度条件を満たすという条件、ポンプ出口温度が所定の燃料温度条件を満たすという条件、その燃料温度条件下における粘度が既知である指定燃料を使用しているという条件が含まれている。
このステップS13の判定結果がNOの場合には、ステップS12の処理を繰り返す。 また、ステップS13の判定結果がYESの場合、つまり測定条件が成立している場合には、サプライポンプ4から指定燃料が加圧供給される圧送期間中に、燃圧センサにより検出される燃料圧力上昇量(ΔP)を測定する(第1測定手段:ステップS14)。
次に、図5に示したΔP−hマップから初期クリアランス量(h)を測定(推定)する(第1推定手段:ステップS15)。
次に、ステップS15で推定された初期クリアランス量(h)の推定値が所定の規格範囲内にあるか否かを判定する(第1異常判定手段:ステップS16)。この判定結果がYESの場合、つまりサプライポンプ4が正常であると判断した場合には、初期クリアランス量(h)の測定データをコード化したポンプ特性コード(ポンプクリアランス情報)を、外部から識別可能なようにクリアランス測定を行ったサプライポンプ4の表面に識別表示(記録)する(第1異常判定手段:ステップS17)。その後に、図4の制御ルーチンを終了する。
本実施例では、ポンプ特性コード(ポンプクリアランス情報)を、サプライポンプ4の表面(外部から確認または視認できる部位)に識別表示(印字)している。なお、サプライポンプ4のコード印字箇所としては、サプライポンプ4のハウジング10の外壁面の中央部(例えばサプライポンプ4の固体を識別するためのポンプ個体番号が印字されている近傍)に、ポンプ特性コードを印字している。
なお、サプライポンプ4への印字の例としては、アルファベットやその他の記号、2進数字コード、10進数字コード、16進数字コード、バーコード、QR(クイック・レスポンス)コード等の2次元コードが考えられる。
また、ステップS16の判定結果がNOの場合、つまり初期クリアランス量(h)の推定値が所定の規格範囲から外れていると判断した場合には、サプライポンプ4のクリアランス異常が発生していると判断する(第1異常判定手段:ステップS18)。その後に、図4の制御ルーチンを終了する。
なお、クリアランス異常が発生している場合には、異常フラグ(FLAG)をONして、パソコンの表示部にクリアランス異常を知らせる視覚表示等を表示する。
また、異常フラグがON(FLAG=1)の場合には、クリアランス異常を再検査したり、不良品として廃棄する。また、異常フラグがOFF(FLAG=0)の場合には、測定が終了したサプライポンプ4を規格内のサプライポンプとして市場(例えばエンジン組み立て工場やエンジン搭載車(車両)組み立て工場)に出荷する。
ここで、図6は、使用燃料の性状異常が発生しているか否かの判定を行う異常診断装置(ECU8)による異常診断方法の基本的な制御処理を示したフローチャートである。この図6の制御ルーチンは、エンジンスイッチがONされた後に、所定の制御周期毎に繰り返し実行される。
また、ECU8のメモリ(ROM、RAM)は、異常診断プログラム(図6参照)、および使用燃料の性状測定に必要な制御データ(リークレスタイプのインジェクタ使用時の燃料圧力変化特性図(A)、リークありタイプのインジェクタ使用時の燃料圧力変化特性図(B)、ΔP−μマップ)等を記憶(格納)する第2記憶手段(記憶部)を構成している。
燃料圧力変化特性図(A)は、リークレスタイプのインジェクタ7を使用した場合の燃料圧力の変化を示したタイミングチャートである(図7参照)。
燃料圧力変化特性図(B)は、リークありタイプのインジェクタを使用した場合の燃料圧力の変化を示したタイミングチャートである(図8参照)。
ΔP−μマップは、特許請求の範囲における「第2マップ」に相当する。このΔP−μマップは、圧送期間中における燃料圧力上昇量(ΔP)と、使用燃料の粘度との対応関係を示すものである(図9参照)。
これらの燃料圧力変化特性図(A)、燃料圧力変化特性図(B)およびΔP−μマップは、予め実験等により測定して作成した制御データ(実測値)である。
図6の制御ルーチンに進入するタイミングになると、先ず使用燃料の粘度測定を行うことが可能な測定条件(第2条件)が成立しているか否かを判定する(第2条件判定手段:ステップS21)。
測定条件には、サプライポンプ4を含むコモンレール式燃料噴射システムを搭載したエンジンがアイドル運転条件(所定の暖機運転条件)を満たすという条件、アクセル開度が所定の開度条件(例えば0%)を満たすという条件が含まれている。さらに、サプライポンプ4から各インジェクタ7に加圧供給される燃料の圧力(コモンレール圧)が所定の圧力範囲(レール圧安定性)を満たすという条件が含まれている。さらに、エンジン冷却水温度が所定の温度範囲内にある(所定の冷却水温度条件を満たす)という条件、燃料温度(油温)が所定の温度範囲内にある(所定の燃料温度条件)を満たすという条件が含まれている。
このステップS21の判定結果がNOの場合には、ステップS21の判定処理を繰り返す。
また、ステップS21の判定結果がYESの場合、つまり測定条件が成立している場合には、サプライポンプ4から指定燃料が加圧供給される圧送期間中に、燃圧センサにより検出される燃料圧力上昇量(ΔP)を測定する(第2測定手段:ステップS22)。
次に、エンジンの各気筒毎に搭載されている各インジェクタ7がリーク無しタイプのインジェクタ7であるか否かを判定する(ステップS23)。このステップS23の判定結果がYESの場合には、図9に示したΔP−μマップから使用燃料の粘度(μ)を測定(推定)する(第2推定手段:ステップS24)。
また、ステップS23の判定結果がNOの場合には、図8に示した燃料圧力変化特性図(B)に基づいて、非燃料圧送時における圧力減少量を測定(推定)する(第2推定手段:ステップS25)。その後に、ステップS24の処理に進む。
すなわち、リークありタイプのインジェクタを使用している場合には、燃料圧力変化特性図(B)から圧送期間中の圧力上昇量よりリーク減圧分を差し引いた値を燃料圧力上昇量(ΔP)とする。
次に、ステップS24で推定された使用燃料の粘度(μ)の推定値が所定の規格範囲(X<μ<Y)から外れているか否かを判定する。この判定結果がYESの場合には、ステップ27及び29の処理を実施する。
また、この判定結果がNOの場合には、図6の制御ルーチンを終了する。
具体的には、ステップS24で推定された所定の閾値(X)よりも高いか否かを判定する(第2異常判定手段:ステップS26)。この判定結果がNOの場合、つまり使用燃料の粘度(μ)の推定値が所定の閾値(X)以下の場合には、使用燃料の性状異常が発生していると判断して、サプライポンプ4から加圧供給される燃料圧力(コモンレール圧)を所定値以下に制限する。あるいはサプライポンプ4の回転速度を所定の速度以下に制限する(第2異常判定手段:ステップS27)。その後に、図6の制御ルーチンを終了する。 なお、ポンプ回転速度を所定の速度以下に制限する場合には、エンジン回転数を所定の回転速度以下に制限することで実行される。
また、ステップS26の判定結果がYESの場合には、ステップS24で推定された使用燃料の粘度(μ)の推定値が、所定の閾値(X)よりも高い粘度である所定の閾値(Y)よりも低いか否かを判定する(第2異常判定手段:ステップS28)。この判定結果がNOの場合、つまり使用燃料の粘度(μ)の推定値が所定の閾値(Y)以上の場合には、使用燃料の性状異常が発生していると判断して、各インジェクタ7から噴射供給される燃料の噴射量を減量補正する。さらに、サプライポンプ4から加圧供給される燃料の吐出量を減量補正する(第2異常判定手段:ステップS29)。その後に、図6の制御ルーチンを終了する。
また、ステップS28の判定結果がYESの場合、つまりステップS24で推定された使用燃料の粘度(μ)の推定値が所定の閾値(X)よりも高く、且つ所定の閾値(Y)よりも低い所定の規格範囲(X<μ<Y)内にある場合には、使用燃料の性状異常が発生していないと判断して、図6の制御ルーチンを終了する。
ここで、図10は、サプライポンプ4のクリアランス異常が発生しているか否かの判定を行う異常診断装置(ECU8)による異常診断方法の基本的な制御処理を示したフローチャートである。この図10の制御ルーチンは、自動車等の車両の定期点検時のカーメンテナンス(保守、点検)時、例えばエンジン、特にサプライポンプ4のメンテナンス(保守、点検)時に実行される。
また、ECU8のメモリ(ROM、RAM)は、異常診断プログラム(図10参照)、およびクリアランス測定に必要な制御データ(ΔP−hマップ)等を記憶(格納)する第3記憶手段(記憶部)を構成している。
ΔP−hマップは、特許請求の範囲における「第3マップ」に相当する。このΔP−hマップは、圧送期間中における燃料圧力上昇量(ΔP)と、サプライポンプ4のクリアランス量との対応関係を示すものである(図5参照)。また、ΔP−hマップは、予め実験等により測定して作成した制御データ(実測値)である。
先ず、クリアランス測定に使用する燃料として、所定の燃料温度条件下における粘度が既知である指定燃料を準備し、フィードポンプ3の吸入側の燃料タンク内に指定燃料を給油しておく(ステップS31)。
そして、エンジンスイッチをONする。これにより、図10の制御ルーチンが起動すると、クリアランス測定を行うことが可能な測定条件(第3条件)が成立しているか否かを判定する(第3条件判定手段:ステップS32)。
測定条件には、サプライポンプ4を含むコモンレール式燃料噴射システムを搭載したエンジンがアイドル運転条件(所定の暖機運転条件)を満たすという条件、アクセル開度が所定の開度条件(例えば0%)を満たすという条件が含まれている。さらに、サプライポンプ4から各インジェクタ7に加圧供給される燃料の圧力(コモンレール圧)が所定の圧力範囲(レール圧安定性)を満たすという条件が含まれている。さらに、エンジン冷却水温度が所定の温度範囲内にある(所定の冷却水温度条件を満たす)という条件、燃料温度(油温)が所定の温度範囲内にある(所定の燃料温度条件)を満たすという条件が含まれている。
次に、サプライポンプ4から指定燃料が加圧供給される圧送期間中に、燃圧センサにより検出される燃料圧力上昇量(ΔP)を測定する(第3測定手段:ステップS33)。
次に、エンジンの各気筒毎に搭載されている各インジェクタ7がリークレスタイプのインジェクタ7であるか否かを判定する(ステップS34)。このステップS34の判定結果がYESの場合には、図5に示したΔP−hマップからクリアランス量(h)を測定(推定)する(第3推定手段:ステップS35)。
また、ステップS34の判定結果がNOの場合には、図8に示した燃料圧力変化特性図(B)に基づいて、非燃料圧送時における圧力減少量を測定(推定)する(第3推定手段:ステップS36)。その後に、ステップS35の処理に進む。
すなわち、リークありタイプのインジェクタを使用している場合には、燃料圧力変化特性図(B)から圧送期間中の圧力上昇量よりリーク減圧分を差し引いた値を燃料圧力上昇量(ΔP)とする。
次に、ステップS35で推定されたクリアランス量(h)の推定値が所定の規格範囲(A<h<B)内にあるか否かを判定する(第3異常判定手段:ステップS37)。この判定結果がYESの場合、クリアランス量(h)の推定値が所定の規格範囲((A<h<B)内にある場合には、クリアランス異常が発生していない、つまり正常であると判断して、図10の制御ルーチンを終了する。
また、ステップS37の判定結果がNOの場合、つまりクリアランス量(h)の推定値が所定の規格範囲((A<h<B)から外れている場合には、サプライポンプ4のクリアランス異常が発生していると判断する(第3異常判定手段:ステップS38)。
なお、クリアランス異常が発生している場合には、異常フラグ(FLAG)をONし、ECU8のメモリに格納しておく。
そして、自動車修理工場において、故障診断テスターをECU8に接続することで、異常フラグのON(FLAG=1)、つまりクリアランス異常を点検者が確認すると、サプライポンプ4の交換を実施する(ステップS39)。その後に、図10の制御ルーチンを終了する。
[実施例1の効果]
以上のように、本実施例の異常診断装置においては、図4の制御ルーチンに示したゆに、少なくともサプライポンプ4の工場出荷時に、燃料性状(燃料粘度)や燃料温度を管理れた状態で、燃圧センサ(44)によって、サプライポンプ4の圧送期間中における燃料圧力上昇量(ΔP)を測定する。
そして、この燃料圧力上昇量(ΔP)と初期クリアランス量(h)との対応関係を示すΔP−hマップ(図5参照)に基づいて、初期クリアランス量(h)を推定する。
そして、この初期クリアランス量(h)の推定値が所定の規格範囲から外れている場合、サプライポンプ4にクリアランス異常が発生していると判断する。これにより、サプライポンプ4のクリアランス異常を早期に発見することで、サプライポンプ4のシリンダ12とプランジャ13との摺動部分(以下サプライポンプ4の摺動部分)における焼き付きやエンジンの出力不足等のエンジンの故障を未然に防ぐことができる。
また、サプライポンプ4にクリアランス異常が発生していない場合には、サプライポンプ4のクリアランス情報を外部から識別可能なようにサプライポンプ4の表面(外部から確認または視認できる部位)に識別表示(印字)する。これにより、サプライポンプ4のエンジン搭載時において、上記の2次元コードを目視、あるいは画像処理、バーコードリーダ等で読み取ることにとができ、サプライポンプ4のクリアランス情報(個体差情報)、特に初期クリアランス量を認識した上でエンジンにサプライポンプ4を搭載できる。
また、本実施例の異常診断装置においては、サプライポンプ4をエンジンに搭載し、そのエンジンの暖機運転下において、燃圧センサ44によって、サプライポンプ4の圧送期間中における燃料圧力上昇量(ΔP)を測定する。
そして、この燃料圧力上昇量(ΔP)と使用燃料の粘度(μ)との対応関係を示すΔP−μマップまたは演算式に基づいて、使用燃料の粘度(μ)を推定する。
そして、この使用燃料の粘度(μ)の推定値が、所定の規格範囲から外れている場合、例えば使用燃料の粘度(μ)の推定値が所定の閾値(X)以下に低下している場合には、使用燃料の性状異常が発生していると判断する。
ここで、使用燃料の粘度が低いと、シリンダ12の内周とプランジャ13の外周との間に形成されるクリアランス21を燃料が通り抜け易くなる。このため、シリンダ12の内周とプランジャ13の外周との間に油膜が形成され難くなり、サプライポンプ4の摺動部分における焼き付きが発生し易くなるという問題が生じる。
また、使用燃料の粘度が低いと、サプライポンプ4のクリアランス21から燃料系の低圧側(燃料タンク1)への燃料リーク量が多くなるので、燃料の圧力が上昇し難く、単位時間当たりの燃料の圧力上昇量は小さくなる。このように燃料リーク量が多いと、サプライポンプ4から各インジェクタ7に向けて吐出される燃料の吐出量が減少するので、サプライポンプ4の吐出効率が低下する。
この場合、サプライポンプ4の摺動部分における焼き付きやエンジンの出力不足等を回避するため、サプライポンプ4から各インジェクタ7に加圧供給される燃料の圧力を所定値以下に制限し、且つサプライポンプ4の使用回転速度を制限する。
また、使用燃料の粘度(μ)の推定値が所定の閾値(Y)以上に上昇している場合には、使用燃料の性状異常が発生していると判断する。
ここで、使用燃料の粘度が高いと、サプライポンプ4のクリアランス21から燃料系の低圧側(燃料タンク1)への燃料リーク量が少なくなるので、燃料の圧力が上昇し易く、単位時間当たりの燃料の圧力上昇量は大きくなる。このように燃料リーク量が少ないと、サプライポンプ4から各インジェクタ7に向けて吐出される燃料の吐出量が増加するので、サプライポンプ4の吐出効率が向上する。
この場合、各インジェクタ7から気筒内に噴射供給される燃料の噴射量を減量補正し、且つサプライポンプ4から加圧供給される燃料の吐出量を減量補正する。
したがって、エンジンにコモンレール式燃料噴射システムを搭載した状態で、使用燃料の粘度を測定することができる。また、使用燃料の性状異常を早期に発見することで、サプライポンプ4の摺動部分における焼き付きやエンジンの出力不足等のエンジンの故障を未然に防ぐことができる。
指定燃料を用い、サプライポンプ4の回転速度や燃料温度指定条件において、燃圧センサ44によって、サプライポンプ4の圧送期間中における燃料圧力上昇量(ΔP)を測定する。
そして、この燃料圧力上昇量(ΔP)とクリアランス量(h)との対応関係を示すΔP−hマップ(図5参照)に基づいて、クリアランス量(h)を推定する。
そして、このクリアランス量(h)の推定値が所定の規格範囲から外れている場合、サプライポンプ4にクリアランス異常が発生していると判断する。この場合、サプライポンプ4を正常なものに交換する。
[変形例]
本実施例では、燃料ポンプとして、コモンレール式燃料噴射システムに使用されるサプライポンプ4を使用した例を説明したが、燃料ポンプとして、コモンレールを備えない燃料噴射装置に使用される分配型燃料噴射ポンプまたは列型燃料噴射ポンプのプランジャを往復駆動するプランジャ駆動機構に適用しても良い。
本実施例では、内燃機関の燃料噴射弁として、燃料噴射ノズル31のニードルを開閉駆動するソレノイドバルブ32を備えたインジェクタ7を適用したが、内燃機関の燃料噴射弁として、燃料噴射ノズルのニードルを開閉駆動するピエゾアクチュエータを備えたインジェクタを適用しても良い。また、アクチュエータによりニードルを直接開閉駆動しても良い。
本実施例では、エンジンのクランクシャフトの回転に伴ってカムシャフト9が回転することで、燃料タンクから高圧燃料ポンプの吸入ポートを経由して低圧燃料を汲み上げるフィードポンプ3を、サプライポンプ4のハウジング10に内蔵しているが、サプライポンプの吸入ポートよりも燃料流方向の上流側にフィードポンプを接続しても良い。
また、電磁吸入調量弁(SCV)の代わりに、電磁ポンプ吐出量制御弁(PCV)を使用しても良い。また、電磁吸入調量弁や電磁ポンプ吐出量制御弁等の電磁弁の代わりに、加圧室内に吸入される燃料量を調整する燃料吸入弁を採用しても良い。
本実施例では、サプライポンプ(燃料ポンプ)4のクリアランス測定時に、予め実験等により測定して作成したΔP−hマップ(第1、第3マップ)に基づいて、サプライポンプ(燃料ポンプ)4のクリアランス量(h)を推定しているが、燃料ポンプのクリアランス測定時に、例えばΔP−hマップ(第1、第3マップ)等から求めた第1、第3演算式に基づいて、燃料ポンプのクリアランス量(h)を推定(算出)しても良い。
本実施例では、使用燃料の粘度測定時に、予め実験等により測定して作成したΔP−μマップ(第2マップ)に基づいて、使用燃料の粘度(μ)を推定しているが、使用燃料の粘度測定時に、例えばΔP−μマップ(第2マップ)等から求めた第2演算式に基づいて、使用燃料の粘度(μ)を推定(算出)しても良い。
本実施例では、サプライポンプ4(燃料ポンプ)の摺動部分における焼き付き防止として、サプライポンプ4のシリンダ12とプランジャ13との摺動部分における焼き付き防止を例に説明したが、燃料ポンプの摺動部分として、電磁吸入調量弁24の摺動部分における焼き付き防止や、プランジャを往復駆動する駆動機構の摺動部分における焼き付き防止を本発明を用いて実施しても良い。
本実施例では、本発明の異常診断装置を、サプライポンプ4(燃料ポンプ)のクリアランス23を介して燃料系の低圧側へ高圧燃料の一部がリークするタイプの燃料噴射装置に適用したが、本発明の異常診断装置を、サプライポンプ4(燃料ポンプ)の電磁吸入調量弁24のクリアランスや、駆動機構のクリアランスを介して燃料系の低圧側へ高圧燃料の一部がリークするタイプの燃料噴射装置に適用しても良い。
また、本発明の異常診断装置を、サプライポンプ4(燃料ポンプ)に取り付けられるオーバーフーローバルブを介して燃料系の低圧側へ高圧燃料の一部がリークするタイプの燃料噴射装置に適用しても良い。
また、本発明の異常診断装置を、コモンレール5、減圧弁6やインジェクタ7に設けられるクリアランスを介して燃料系の低圧側へ高圧燃料の一部がリークするタイプの燃料噴射装置に適用しても良い。
1 燃料タンク(燃料系の低圧側)
3 フィードポンプ(低圧燃料ポンプ)
4 サプライポンプ(高圧燃料ポンプ)
7 インジェクタ(内燃機関の燃料噴射弁)
8 ECU(エンジン制御装置)
15 加圧室
21 クリアランス
22 燃料リークポート(燃料系の低圧側)
43 燃温センサ
44 燃圧センサ

Claims (12)

  1. 内燃機関の燃料噴射弁(7)に燃料を加圧供給する燃料ポンプ(4)を備え、
    前記燃料ポンプ(4)の内部で高圧化された燃料の一部が、前記燃料ポンプ(4)に設けられるクリアランス(21)を介して燃料系の低圧側(1、22、23)へリークするタイプの燃料噴射装置に適用されて、
    前記燃料ポンプ(4)のクリアランス異常が発生しているか否かの判定を行う異常診断装置において、
    前記異常診断装置は、前記燃料噴射弁(7)に供給される高圧燃料の圧力を検出する燃圧センサ(44)を備え、
    (a)所定の温度条件下における粘度が既知である指定燃料を使用した、前記燃料ポンプ(4)のクリアランス測定を行うことが可能な第1条件が成立している場合、
    前記燃料ポンプ(4)から前記指定燃料が加圧供給される圧送期間中に、前記燃圧センサ(44)により検出される燃料圧力上昇量(ΔP)を測定する第1測定手段と、
    (b)前記燃料圧力上昇量(ΔP)と前記クリアランス量(h)との対応関係を示す第1マップまたは第1演算式を記憶する第1記憶手段と、
    (c)この第1記憶手段に記憶された前記第1マップまたは前記第1演算式から前記クリアランス量(h)を推定する第1推定手段と、
    (d)この第1推定手段により推定された前記クリアランス量(h)の推定値が所定の規格範囲から外れている場合、前記燃料ポンプ(4)のクリアランス異常が発生していると判断する第1異常判定手段と
    を備えたことを特徴とする異常診断装置。
  2. 請求項1に記載の異常診断装置において、
    前記第1条件には、前記燃料ポンプ(4)の回転速度が所定の速度条件を満たすという条件、および前記燃料ポンプ(4)からリークする燃料の温度が所定の温度条件を満たすという条件が含まれていることを特徴とする異常診断装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の異常診断装置において、
    前記第1異常判定手段は、前記クリアランス量(h)の推定値が前記所定の規格範囲内に入っていると判断した場合、前記燃料ポンプ(4)が正常であると判断することを特徴とする異常診断装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載の異常診断装置において、
    前記第1異常判定手段は、前記クリアランス量(h)の推定値が前記所定の規格範囲内に入っていると判断した場合、前記クリアランス量(h)の測定データをコード化したポンプ特性コードを、外部から識別可能なように前記燃料ポンプ(4)の表面に識別表示することを特徴とする異常診断装置。
  5. 内燃機関の燃料噴射弁(7)に燃料を加圧供給する燃料ポンプ(4)を備え、
    前記燃料ポンプ(4)の内部で高圧化された燃料の一部が、前記燃料ポンプ(4)に設けられるクリアランス(21)を介して燃料系の低圧側(1、22、23)へリークするタイプの燃料噴射装置に適用されて、
    前記内燃機関に使用される使用燃料の性状異常が発生しているか否かの判定を行う異常診断装置において、
    前記燃料噴射装置は、前記燃料噴射弁(7)に供給される高圧燃料の圧力を検出する燃圧センサ(44)を備え、
    (a)前記使用燃料の粘度測定を行うことが可能な第2条件が成立している場合、
    前記燃料ポンプ(4)から前記使用燃料が加圧供給される圧送期間中に、前記燃圧センサ(44)により検出される燃料圧力上昇量(ΔP)を測定する第2測定手段と、
    (b)前記燃料圧力上昇量(ΔP)と前記使用燃料の粘度(μ)との対応関係を示す第2マップまたは第2演算式を記憶する第2記憶手段と、
    (c)この第2記憶手段に記憶された前記第2マップまたは前記第2演算式から前記使用燃料の粘度(μ)を推定する第2推定手段と、
    (d)この第2推定手段により推定された前記使用燃料の粘度(μ)の推定値が、所定の規格範囲から外れている場合、前記使用燃料の性状異常が発生していると判断する第2異常判定手段と
    を備えたことを特徴とする異常診断装置。
  6. 請求項5に記載の異常診断装置において、
    前記第2条件には、前記内燃機関がアイドル運転条件を満たすという条件、前記燃料ポンプ(4)の回転速度が所定の速度条件を満たすという条件、および前記燃料ポンプ(4)からリークする燃料の温度が所定の温度条件を満たすという条件が含まれていることを特徴とする異常診断装置。
  7. 請求項5または請求項6に記載の異常診断装置において、
    前記使用燃料の粘度(μ)の推定値に基づいて、前記燃料ポンプ(4)の回転速度を制御する制御装置(8)を備え、
    前記制御装置(8)は、前記使用燃料の粘度(μ)の推定値が、前記所定の規格範囲から外れている場合、前記燃料ポンプ(4)の回転速度を所定値以下に制限する手段を有していることを特徴とする異常診断装置。
  8. 請求項5ないし請求項7のうちのいずれか1つに記載の異常診断装置において、
    前記燃料噴射弁(7)から噴射される燃料噴射量、および前記燃料ポンプ(4)から加圧供給される燃料吐出量を制御する制御装置(8)を備え、
    前記制御装置は、前記使用燃料の粘度(μ)の推定値が、前記所定の規格範囲から外れている場合、前記噴射量および前記吐出量を補正する手段を有していることを特徴とする異常診断装置。
  9. 内燃機関の燃料噴射弁(7)に燃料を加圧供給する燃料ポンプ(4)を備え、
    前記燃料ポンプ(4)の内部で高圧化された燃料の一部が、前記燃料ポンプ(4)に設けられるクリアランス(21)を介して燃料系の低圧側(1、22、23)へリークするタイプの燃料噴射装置に適用されて、
    前記燃料ポンプ(4)のクリアランス異常が発生しているか否かの判定を行う異常診断装置において、
    前記異常診断装置は、前記燃料噴射弁(7)に供給される高圧燃料の圧力を検出する燃圧センサ(44)を備え、
    (a)所定の温度条件下における粘度が既知である指定燃料を使用して、前記燃料ポンプ(4)のクリアランス測定を行うことが可能な第3条件が成立している場合、
    前記燃料ポンプ(4)から前記指定燃料が加圧供給される圧送期間中に、前記燃圧センサ(44)により検出される燃料圧力上昇量(ΔP)を測定する第3測定手段と、
    (b)前記燃料圧力上昇量(ΔP)と前記クリアランス量(h)との対応関係を示す第3マップまたは第3演算式を記憶する第3記憶手段と、
    (c)この第3記憶手段に記憶された前記第3マップまたは前記第3演算式から前記クリアランス量(h)を推定する第3推定手段と、
    (d)この第3推定手段により推定された前記クリアランス量(h)の推定値が所定の規格範囲から外れている場合、前記燃料ポンプ(4)のクリアランス異常が発生していると判断する第3異常判定手段と
    を備えたことを特徴とする異常診断装置。
  10. 請求項9に記載の異常診断装置において、
    前記第3条件には、前記内燃機関がアイドル運転条件を満たすという条件、前記燃料ポンプ(4)の回転速度が所定の速度条件を満たすという条件、および前記燃料ポンプ(4)からリークする燃料の温度が所定の温度条件を満たすという条件が含まれていることを特徴とする異常診断装置。
  11. 請求項9または請求項10に記載の異常診断装置において、
    前記燃料ポンプ(4)のクリアランス異常が発生していると判断した場合、前記燃料ポンプ(4)の交換を実施することを特徴とする異常診断装置。
  12. 請求項1ないし請求項11のうちのいずれか1つに記載の異常診断装置において、
    前記燃料ポンプ(4)は、往復移動可能なプランジャ(13)、このプランジャ(13)を往復摺動可能に支持し、且つ前記プランジャ(13)との間に加圧室(15)を区画形成するシリンダ(11、12)、および前記クリアランス(21)を介して前記加圧室と連通する燃料リークポート(22)を有し、
    前記クリアランス(21)は、前記プランジャ(13)の外周と前記シリンダ(11、12)の内周との間に形成されていることを特徴とする異常診断装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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