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JP2016141728A - 難燃材料、難燃材料から形成される難燃性膜、および難燃性物品とその製造方法 - Google Patents

難燃材料、難燃材料から形成される難燃性膜、および難燃性物品とその製造方法 Download PDF

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JP2016141728A JP2015018176A JP2015018176A JP2016141728A JP 2016141728 A JP2016141728 A JP 2016141728A JP 2015018176 A JP2015018176 A JP 2015018176A JP 2015018176 A JP2015018176 A JP 2015018176A JP 2016141728 A JP2016141728 A JP 2016141728A
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平野 敬祐
Keisuke Hirano
敬祐 平野
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Nitto Denko Corp
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Abstract

【課題】布や紙等の物品に塗布や含浸させることで難燃性を付与できる難燃材料であって、高い難燃性を発現でき、得られる膜が柔らかく、透明性に優れた難燃材料を提供する。また、そのような難燃材料から形成される難燃性膜を提供する。また、そのような難燃性膜を有する難燃性物品を提供する。さらに、そのような難燃性物品の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の難燃材料は、樹脂成分、難燃フィラーおよび該難燃フィラーを分散させるための分散助剤を含む難燃材料であって、該難燃フィラーの平均粒子径が5nm〜200nmであることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、難燃材料、難燃材料から形成される難燃性膜、および難燃性物品とその製造方法に関する。詳しくは、布や紙等の物品に塗布や含浸させることで難燃性を付与できる難燃材料等に関する。
各種基材を難燃化させる手段として、難燃剤を基材中に所定量配合することが一般的に広く用いられている(例えば特許文献1、2)。難燃剤としてはハロゲン系やアンチモン系の難燃剤がこれまで一般的で広く使用されてきたが、近年環境への配慮からその使用が制限されてきている。そこでハロゲン系難燃剤等に代わる難燃剤としてリン系や窒素系難燃剤の開発が行われているが、その難燃性や使用耐久性、ハンドリング性等課題が多い。一方、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウム等の無機系フィラーの難燃剤は難燃性に優れ、環境にも優しい材料として過去から使用されてきている。
しかし難燃剤を基材を形成する樹脂成分への配合する場合、熱可塑性樹脂や未硬化状態の熱硬化性樹脂など成型体を作成する前に行わなければならない。また難燃性を高めるためには多量に難燃剤を配合する必要があり、硬化後に固くなるため、柔らかい基材へ用いることが困難であった。さらにこれら難燃剤の粒子サイズが小さくなると比表面積が著しく増大するため、さらに樹脂中への分散が難しくなると同時に成型体の強度が著しく低下する。そのため、一般的に粗大粒子が使用されるため、難燃剤は透明性が低下し、隠ぺい材料にその使用が制限されてきた(例えば特許文献3、4)。
特表2004−533532号公報 特開2004−99780号公報 特開平10−182895号公報 特開2004−331689号公報
本発明の目的は、布や紙等の物品に塗布や含浸させることで難燃性を付与できる難燃材料であって、高い難燃性を発現でき、得られる膜が柔らかく、透明性に優れた難燃材料を提供することにある。また、そのような難燃材料から形成される難燃性膜を提供することにある。また、そのような難燃性膜を有する難燃性物品を提供することにある。さらに、そのような難燃性物品の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の目的を達成するため鋭意検討した結果、難燃フィラーの平均粒子径を特定範囲内になる様分散させることで、前記目的を達成できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、樹脂成分、難燃フィラーおよび該難燃フィラーを分散させるための分散助剤を含む難燃材料であって、該難燃フィラーの平均粒子径が5nm〜200nmである難燃材料を提供する。
好ましい実施形態においては、前記難燃フィラーの含有割合は30wt%以上である。
好ましい実施形態においては、前記樹脂成分はエマルション系樹脂である。
好ましい実施形態においては、前記分散助剤が、酸価が1mgKOH/g〜20mgKOH/gでありかつアミン価が0mgKOH/g〜10mgKOH/gである分散剤を少なくとも1種類含む。
好ましい実施形態においては、さらに消泡剤を含むことを特徴とし、特にシリコーン系消泡材を含む。
本発明の難燃性膜は、本発明の難燃材料から形成される。
本発明の難燃性物品は、本発明の難燃性膜を有する。
本発明の難燃性物品の製造方法は、本発明の難燃性膜を物品上で形成する。
本発明によれば、布や紙等の物品に塗布や含浸させることで難燃性を付与できる難燃材料であって、高い難燃性を発現でき、得られる膜が柔らかく、透明性に優れる難燃材料を提供することができる。また、そのような難燃材料から形成される難燃性膜を提供することができる。また、そのような難燃性膜を有する難燃性物品を提供することができる。さらに、そのような難燃性物品の製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の難燃性物品の一例を示す概略断面図である。
≪難燃材料≫
本発明の難燃材料は、樹脂成分、難燃フィラーおよび該難燃フィラーを分散させるための分散助剤を含む。
樹脂成分は、難燃材料を構成するバインダー成分として作用する成分である。本発明の難燃材料中、樹脂成分の含有割合は10wt%〜90wt%程度であることが好ましく、20wt%〜80wt%であることがより好ましい。樹脂成分の含有割合が10wt%未満であると 難燃材料が欠落する場合があり、90wt%を超えると 難燃性が不足する場合がある。
本発明において樹脂成分は、バインダー成分として使用されるものであれば公知のものを使用することが可能であるが、環境にやさしく、基材の種類を選ばずに使用できることからエマルション系樹脂であることが望ましい。このような樹脂成分としては、例えばアクリル樹脂エマルション、メラミン樹脂エマルション、ウレタン樹脂エマルション、ゴム系樹脂エマルション、NBRラテックス、SBRラテックス、シリコーン樹脂等を挙げることができる。これらの樹脂成分のうち、アクリル樹脂エマルション、ウレタン樹脂エマルション、NBRラテックス、SBRラテックス、シリコーン樹脂がより好ましい。
アクリル系樹脂エマルションとしては、例えば、DIC社製の「DICNAL」シリーズ、「VONCOAT」シリーズ、イーテック社製の「AE」シリーズ等を挙げることができる。
ウレタン樹脂エマルションとしては、例えば、第一工業製薬社製の「スーパーフレックス」シリーズ、DIC社製の「BURNOCK」シリーズ、三洋化成社製の「ユーコート」シリーズ等を挙げることができる。
NBRラテックスとしては、日本ゼオン社製の「Nipol」シリーズ、日本エイアンドエル社製の「サイアテックス」シリーズ等を挙げることができる。
SBRラテックスとしては、DIC社製の「ラックスター」シリーズ、JSR社の「PCL」シリーズ、「SBラテックス」シリーズ、旭化成社製の「旭化成ラテックス」シリーズ等を挙げることができる。
シリコーン樹脂は、付加型シリコーン樹脂、自己架橋型シリコーン樹脂、シリコーンゴム皮膜形成型エマルジョンのシリコーン樹脂成分、およびシリコーンゴムパウダーから選ばれる少なくとも1種である。
付加型シリコーン樹脂は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。付加型シリコーン樹脂を採用することにより、従来の有機系樹脂と異なり、耐溶剤性に劣るという問題を解消し得る。
付加型シリコーン樹脂としては、例えば、室温硬化型シリコーンゴム(RTVシリコーンゴム)、低温硬化型シリコーンゴム(LTVシリコーンゴム)、反応性シリコーンを乳化剤で乳化したO/W型エマルジョンのシリコーン樹脂成分などが挙げられる。本発明の効果をより発現させるためには、室温硬化型シリコーンゴム(RTVシリコーンゴム)、反応性シリコーンを乳化剤で乳化したO/W型エマルジョンのシリコーン樹脂成分が好ましい。
反応性シリコーンを乳化剤で乳化したO/W型エマルジョンとしては、例えば、信越化
学工業社製の、「Polon MR」、「Polon MK−206」等が挙げられる。
自己架橋型シリコーン樹脂は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。自己架橋型シリコーン樹脂は、触媒を必要としない。自己架橋型シリコーン樹脂を採用す
ることにより、シリコーン樹脂溶液の保存安定性や気候・温度・湿度等の影響を受けずに使用することが可能である。
自己架橋型シリコーン樹脂としては、例えば、信越化学工業社製の、「Polon MF−56」、「KM−2002L−1」、「KM−2002T」、「X−51−1318」、「X−52−1631」等が挙げられる。
シリコーンゴム皮膜形成型エマルジョンは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。シリコーンゴム皮膜形成型エマルジョンは、乾燥させることによりシリコーンゴム皮膜を形成するエマルジョンであり、触媒を必要としない自己架橋型と触媒を併用する2液型がある。シリコーンゴム皮膜形成型エマルジョンを採用することにより、従来のシリコーンエマルションに比べ、丈夫な被膜を形成することができるため、ひっかき傷等に対して耐性を有することができる。
シリコーンゴム皮膜形成型エマルジョンとしては、例えば、信越化学工業社製の「Polon MF−56」、「KM−2002L−1」、「KM−2002T」、「X−51−1318」、「X−52−1631」、「KM−9749」、「Polon MF−40」等が挙げられる。これらの中で、例えば、「Polon MF−56」、「KM−2002L−1」、「KM−2002T」、「X−51−1318」、「X−52−1631」は、前述の自己架橋型シリコーン樹脂でもある。
シリコーンゴムパウダーは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。シリコーンゴムパウダーは、好ましくは、シリコーンゴムパウダーの水分散液から水分を除去することによって得られるものである。シリコーンゴムパウダーを採用することにより、得られるシリコーン被膜の強度を著しく向上させることができる、あるいは被膜の表面のパウダーのサイズを調整することで、凹凸を付け、肌触り等を改善させる、あるいはシリコーン被膜同士が重ね合わさったときに容易に剥がすことができる。
シリコーンゴムパウダーの水分散液としては、例えば、信越化学工業社製の、「KM−9729」、「X−52−1133」などが挙げられる。
本発明の難燃材料に含まれるシリコーン樹脂が、エマルジョンのシリコーン樹脂である場合、該エマルジョンは、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な他の材料を含んでいても良い。このような他の材料としては、例えば、コロイダルシリカ、金属酸化物ゾル、フッ素系エマルジョン、シリコーン系エマルジョンなどが挙げられる。
コロイダルシリカとしては、例えば、日産化学社製の「スノーテックス」シリーズ、扶桑化学社製の「クォートロン」シリーズ、アデカ社製の「アデライトAT」シリーズ等が挙げられる。
金属酸化物ゾルとしては、例えば、チタニアゾル、ジルコニアゾル、アルミナゾル、チタン酸バリウムゾルなどが挙げられる。チタニアゾルとしては、例えば、テイカ社製の「TKS」シリーズ、富士チタン工業社製の「DC−Ti」シリーズや「DCN−Ti」シリーズ、ジルコニアゾルとしては、例えば、日産化学社製の「ナノユース」シリーズ、住友大阪セメント社製の「ナノジルコニア水分散液」、アルミナゾルとしては、例えば、日産化学社製の「AS」シリーズや多木化学社製の「バイラールAl」シリーズなどが挙げられる。
フッ素系エマルジョンとしては、例えば、ダイキン工業社製の「ユニダイン」シリーズやAGCセイミケミカル社製の「エスエフコート」などが挙げられる。「ユニダイン」シリーズとしては「TG4571」、「5541」、「5545」、「5546」、「5601」などが挙げられる。
難燃フィラーは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
難燃フィラーとしては、好ましくは、難燃性を有する無機フィラーであり、例えば、金属水酸化物、金属酸化物、金属、セラミックスなどが挙げられる。具体的には、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化ジルコニウム、塩基性炭酸マグネシウム、ドロマイト、ハイドロタルサイト、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、酸化スズの水和物、硼砂などの無機金属化合物の水和物、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム−カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、酸化マグネシウム、酸化モリブデン、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化アンチモン、赤リンなどが挙げられる。これら難燃フィラーは、シランカップリング処理、ステアリン酸処理などの表面処理が施されていても良い。難燃フィラーとしては、本発明の効果をより発現させるためには、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムが好ましい。
難燃フィラーの形状は、規則的な形状であっても良いし、不規則な形状であっても良い。難燃フィラーの形状は、例えば、多角形状、立方体状、楕円状、球状、針状、平板状、鱗片状、またはこれらを組み合わせた形状、あるいはこれらの凝集物などが挙げられる。
本発明において、難燃材料中の難燃フィラーの平均粒子径は5nm〜200nmであり、好ましくは20nm〜180nmであり、さらに好ましくは40nm〜160nmであり、特に好ましくは60nm〜140nmである。難燃フィラーの平均粒子径は5nm未満であると、分解温度が低下する場合があり、難燃フィラーの平均粒子径が200nmを超えると透明性が得難く、また柔軟性に欠ける場合がある。
なお本発明において難燃材料中の難燃フィラーの平均粒径は、一次粒子の平均粒子径であり、D50(メジアン径)として定義することができる。またその測定方法は、後述する実施例に記載の方法を適用することができる。
本発明の難燃材料中、難燃フィラーの含有割合は30wt%以上であることが好ましく、30wt%〜80wt%であることがより好ましく、35wt%〜80wt%であることがさらに好ましい。難燃フィラーの含有割合が30wt%未満であると高い難燃性を得ることができない場合があり、80wt%を超えると透明性が得難く、また柔軟性に欠ける場合がある。
本発明において分散助剤は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
分散助剤は、難燃フィラーを分散させるためのであって、高分子系の分散助剤を好適に用いることができる。高分子系の分散助剤としては、高分子量の重合体に難燃フィラー表面に対する親和性の高い官能基が導入されているとともに、溶媒和部分を含む構造を有する両親媒性の共重合体である。分散助剤の数平均分子量は7000〜500000であり、好ましくは、8000〜200000である。数平均分子量が高すぎると、粘度が高すぎて取り扱いが困難な場合がある。
高分子系の分散助剤は特に限定されないが、例えば、難燃フィラーに対して親和性を示す官能基を主鎖または側鎖に有する高分子である。主鎖を構成する高分子としては、例えばビニル系、ポリエステル系、ポリウレタン系、アクリル系、ポリエーテル系、ポリアミド系等およびそれらの複合物系が挙げられる。また難燃フィラーに対して親和性を示す官能基としては、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、カルボン酸エステル基、リン酸エステル基、スルホン酸エステル基、カルボン酸塩、リン酸塩、スルホン酸塩、ヒドロキシル基、アミノ基、及びアミド基等の極性基を有する物が挙げられる。
高分子系の分散助剤としては、具体的には、ビックケミー社製の「DISPERBYK」シリーズ、ルーブリゾール社製の「SOLSPERSE」シリーズ、「SOLPLUS」シリーズ、ウイルバー・エリス社製の「EFKA」シリーズ、味の素ファインテクノ社製の「アジスパーシリーズ」、楠本化成社製の「ディスパロン」等を用いることができる。
分散助剤は、酸価が1mgKOH/g〜20mgKOH/gでありかつアミン価が0mgKOH/g〜10mgKOH/gである分散剤を少なくとも1種類含むことが好ましい。特に分散助剤は、酸価が3mgKOH/g〜15mgKOH/gであることがより好ましく、5mgKOH/g〜12mgKOH/gであることがさらに好ましい。また分散助剤は、アミン価が0mgKOH/g〜8mgKOH/gであることがより好ましく、0mgKOH/gであることがさらに好ましい。
酸価が1mgKOH/g〜20mgKOH/gであり、アミン価が0mgKOH/g〜10mgKOH/gである分散助剤を用いることで、難燃フィラーの分散性を向上しうるという効果を得ることができる。一方、酸価が1mgKOH/g未満であると、分散不良を生じる場合があり、酸価が20mgKOH/gを超えると、難燃材料の粘度が増加する場合がある。またアミン価が10mgKOH/gを超えると、難燃材料が凝集する場合がある。
本発明の難燃材料において分散助剤の配合量は、難燃フィラーを所定の分散状態になるように用いることができ、樹脂や難燃フィラーの種類、難燃フィラーの使用量により適宜調整して配合することが出来る。通常、難燃フィラー100質量部に対し、1質量部〜60質量部程度用いればよく、より好ましくは5質量部〜40質量部程度である。分散助剤の配合量が少ないと、難燃材料中の難燃フィラーを所定の平均粒子径で分散させることが出来ず、また安定した分散状態を得られない場合があり、配合量が多すぎると、難燃性が低下する場合がある。
本発明の難燃材料は、この他、消泡剤を含んでいても良い。消泡剤を配合することで、分散時の発泡を抑制することが出来る。消泡剤は公知のものを用いることができ、シリコーン系消泡剤、ミネラルオイル系消泡剤、シリコンフリーのポリマー系消泡剤等を挙げることができる。本発明においては、難燃性を損なわないという点から、シリコーン系消泡剤を用いることが好ましい。このような消泡剤としては、例えばビックケミージャパン社製の「BYK」シリーズ、旭化成ワッカー社製の「SLフォーム」シリーズ、信越シリコーン社製の「KM」シリーズ等を挙げることができる。
本発明の難燃材料は、上記成分の他、増粘剤、湿潤剤、発泡剤、顔料、染料、可塑剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、防腐剤等、公知の添加剤を使用することができる。
≪難燃材料の製造方法≫
本発明の難燃材料は、例えば、樹脂成分、難燃フィラー、分散助剤、必要に応じて消泡剤、および、必要に応じて他の成分を、混合・撹拌することにより得ることができる。これらの成分は一括して混合・撹拌しても良いが、難燃フィラーと分散助剤を予め混合・撹拌し所定の平均粒子径の粒子分散液を得、その後、樹脂成分と混合することが好ましい。
本発明の難燃材料を製造するにあたり、上記の混合・撹拌の際に、ミル処理を併用しても良い。すなわち、上記の混合・撹拌の際に、任意の適切なビーズ等を加え、ミル粉砕機等を用いてミル粉砕を行っても良い。このようなミル処理を行うことにより、本発明の難燃材料中に含まれる難燃フィラーの平均粒子径を所定の範囲に調整することができる。
ミル処理に用い得るビーズとしては、例えば、ジルコニアビーズ、アルミナビーズ、ガラスビーズ、ステンレスビーズ、ナイロンビーズ、テフロン(登録商標)ビーズ、鋼球、ナイロン被覆ステンレスビーズ、ポリイミドビーズなどが挙げられる。この中でも比重が大きく、表面硬度が高いジルコニアビーズが好適に用いられる。
本発明の難燃材料の形態としては、液体状、半液体状、固体状など、成分の種類や含有比率によって、任意の適切な形態を採り得る。液体状の場合は、均一液体状、分散液体状など、成分の種類や含有比率によって、任意の適切な形態を採り得る。
≪難燃性膜≫
本発明の難燃性膜は、本発明の難燃材料から形成される。
本発明の難燃性膜は、好ましくは、本発明の難燃材料を塗布した後、乾燥させるか、付加型シリコーン樹脂等、硬化性の樹脂成分を用いる場合はこれを硬化させることにより形成することができる。
本発明の難燃性膜の厚みとしては、目的に応じて、任意の適切な厚みを採用し得る。このような難燃性膜の厚みとしては、好ましくは1μm〜100μmであり、より好ましくは5μm〜80μmであり、さらに好ましくは10μm〜50μmである。
難燃材料から難燃性膜を形成する場合、所定の厚みに難燃材料を塗布した後、60〜160℃で、1〜10分程度、加熱乾燥することで得ることができる。
≪難燃性物品≫
本発明の難燃性物品は、本発明の難燃性膜を有する。
本発明の難燃性物品は、本発明の難燃性膜を有していれば、任意の適切な構造を採り得
る。
本発明の難燃性物品の代表的な例としては、図1(a)のように、基材3の片面に本発明の難燃性膜2を有している難燃性物品1や、図1(b)のように、基材3の両面に本発明の難燃性膜2を有している難燃性物品1´が挙げられる。基材3の両面に本発明の難燃性膜2を有する場合、基材の両面に同じ難燃性膜2を設けても良く、異なる難燃性膜2(2´)を設けても良い。
基材は、シート状または板状であることが好ましい。なお、基材は、曲面を有していて
も良い。すなわち、本明細書において、「シート状」という場合は、平らなシート状のみ
ならず3次元の曲面を有するシート状も意味し、「板状」という場合は、平らな板状のみ
ならず3次元の曲面を有する板状も意味する。また基材は無孔質状であっても多孔質状で
あってもよい。
基材の材料としては、任意の適切な基材に適用することができ、例えば、樹脂フィルム、紙、布、ゴムシート、発泡体シート、金属、これらの複合体等を用いることができる。樹脂フィルムの例としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン・プロピレン共重合体等のポリオレフィン製フィルム;PET、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステルフィルム;塩化ビニル樹脂フィルム;酢酸ビニル樹脂フィルム;ポリイミド樹脂フィルム;ポリアミド樹脂フィルム;フッ素樹脂フィルム;セロハン等が挙げられる。紙の例としては、和紙、クラフト紙、グラシン紙、上質紙、合成紙、トップコート紙等が挙げられる。布の例としては、各種繊維状物質の単独または混紡等による織布や不織布等が挙げられる。上記繊維状物質としては、綿、スフ、マニラ麻、パルプ、レーヨン、アセテート繊維、ポリエステル繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維等が例示される。ゴムシートの例としては、天然ゴムシート、ブチルゴムシート等が挙げられる。発泡体シートの例としては、発泡ポリウレタンシート、発泡ポリクロロプレンゴムシート等が挙げられる。金属箔の例としては、アルミニウム箔、銅箔等が挙げられる。
基材の厚みとしては、目的に応じて、任意の適切な厚みを採用し得る。このような基材
の厚みとしては、好ましくは3μm〜3000μmであり、より好ましくは10μm〜3000μmであり、さらに好ましくは10μm〜2500μmであり、特に好ましくは15μm〜2500μmである。
本発明の難燃性物品は、難燃性を損なわない範囲内で、防汚層、帯電防止層、光拡散層
、反射防止層、紫外線吸収層、遮熱層、断熱層、熱伝導層、耐溶剤層などの機能層を付与
することができる。
≪難燃性物品の製造方法≫
本発明の難燃性物品の製造方法は、難燃材料から形成される難燃性膜を物品上で形成することを特徴とする。具体的には、本発明の難燃材料を任意の適切な基材上に塗布した後、乾燥させるか、付加型シリコーン樹脂等、硬化性の樹脂成分を用いる場合はこれを硬化させることにより形成することができる。本発明の難燃性物品の製造方法によると、任意の基材上に難燃性膜を形成し基材を難燃化することが出来るため、予め、基材を構成する熱可塑性樹脂や未硬化状態の熱硬化性樹脂など基材を作成する前に難燃材を配合するといった処方を行う必要がない。
なお基材が吸収性の物品、例えば布や発泡体である場合、難燃材料を基材に含浸させ、難燃性物品を得ることもできる。この場合、得られる難燃性物品は、基材の表面だけでなく、内部に難燃性膜が含浸した難燃性物品を得ることができる。
以下に、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は、それらに何ら制限されるものではない。なお、以下の説明において、「部」および「%」は、特に明記のない限り、質量基準である。
<平均粒子径>
粒子分散液を固形分濃度が0.01〜0.1wt%程度になるように水で希釈し、粒度分布計Microtrac MT3000II(日機装株式会社)を用いて粒度分布を測定し、平均粒子径(D50)を求めた。測定は30秒間で3回行い、その平均値とした。
(粒子分散液Aの調整)
水酸化アルミニウム(ハイジライトH−43M、昭和電工社製)30g、分散剤(Disperbyk−190、固形分濃度40%、酸価10、アミン価0、ビッグケミージャパン社製)7.5g、消泡剤(BYK−024、ビッグケミージャパン社製)0.5g、水112gと0.5mmサイズのジルコニアビーズ200gを200mlサイズのガラス瓶に加え、スキャンデックス(オーウェル社製)で10時間粉砕・分散を行い、水酸化アルミニウムの平均粒子径が101nmの粒子分散液Aを得た。
(粒子分散液Bの調整)
水酸化アルミニウム(ハイジライトH−42M、昭和電工社製)30g、分散剤(Disperbyk−2015、固形分濃度40%、酸価10、アミン価0、ビッグケミージャパン社製)7.5g、消泡剤(BYK−024、ビッグケミージャパン社製)0.5g、水112gと0.5mmサイズのジルコニアビーズ200gを200mlサイズのガラス瓶に加え、スキャンデックス(オーウェル社製)で10時間粉砕・分散を行い、水酸化アルミニウムの平均粒子径が105nmの粒子分散液Bを得た。
(粒子分散液Cの調整)
分散剤をDisperbyk−2012(固形分濃度40%、酸価7、アミン価7、ビッグケミージャパン社製)に変更した以外は粒子分散液Bと同様の処方で、水酸化アルミニウムの平均粒子径120nmの粒子分散液Cを得た。
(粒子分散液Dの調整)
分散剤をDisperbyk−193(固形分濃度40%、酸価0、アミン価0)に変更した以外は粒子分散液Bと同様の処方で行い、水酸化アルミニウムの平均粒子径が525nmの粒子分散液Dを得た。
(粒子分散液Eの調整)
粒子分散液Aと同様の組成にて、スキャンデックスでの粉砕を行わずにディスパーにて撹拌を1時間行い、水酸化アルミニウムの平均粒子径750nmの粒子分散液Eを得た。
(参考例1)
分散剤をANTI−TERRA−250(固形分濃度70%、酸価46、アミン価41、ビッグケミージャパン社製)3.5g、水116gに変更した以外は粒子分散液Bと同様の処方で行ったが、分散中に固化し、目的の分散液を得ることはできなかった。
〔実施例1〕
粒子分散液A30gにシリコーン樹脂エマルション(Polon MF−56、平均粒子径370nm、信越化学工業社製)15gを加え撹拌を行い難燃材料1を得た。粒度分布を測定したところ、水酸化アルミニウムの平均粒子径は105nmであった。難燃材料1を用いて、膜厚38μmのPETフィルム(ルミラーS10、東レ社製)に乾燥後の厚みが30μmになるように塗工し、120℃で10分間キュアを行い、PETフィルム上に難燃性膜を形成した難燃性物品1を得た。
〔実施例2〕
粒子分散液B30gにウレタン樹脂エマルション(スーパーフレックスE−2000、平均粒子径700nm、第一工業製薬社製)12gを加え、撹拌を行い難燃材料2を得た。粒度分布を測定したところ、水酸化アルミニウムの平均粒子径は107nmであった。難燃材料2を用いて、膜厚38μmのPETフィルム(ルミラーS10、東レ社製)に乾燥後の厚みが30μmになるように塗工し、120℃で10分間キュアを行い、PETフィルム上に難燃性膜を形成した難燃性物品2を得た。
〔実施例3〕
粒子分散液C30gにアクリル樹脂エマルション(DICNAL−DN−515、平均粒子径278nm、DIC社製)15gを加え、撹拌を行い難燃材料3を得た。粒度分布を測定したところ、水酸化アルミニウムの平均粒子径は132nmであった。難燃材料3を用いて、膜厚38μmのPETフィルム(ルミラーS10、東レ社製)に乾燥後の厚みが30μmになるように塗工し、120℃で10分間キュアを行い、PETフィルム上に難燃性膜を形成した難燃性物品3を得た。
〔実施例4〕
粒子分散液A30gに市販のカルボキシ変性SBラテックス(JSR0533、平均粒子径105nm、JSR社製)15gを加え、撹拌を行い難燃材料4を得た。粒度分布を測定したところ、水酸化アルミニウムの平均粒子径は105nmであった。難燃材料4を用いて、膜厚38μmのPETフィルム(ルミラーS10、東レ社製)に乾燥後の厚みが30μmになるように塗工し、120℃で10分間キュアを行い、PETフィルム上に難燃性膜を形成した難燃性物品4を得た。
〔実施例5〕
粒子分散液A30gにカルボキシ変性NBRラテックス(Nipol LX550、平均粒子径110nm、日本ゼオン社製)15gを加え、撹拌を行い難燃材料5を得た。粒度分布を測定したところ、水酸化アルミニウムの平均粒子径は108nmであった。難燃材料5を用いて、膜厚38μmのPETフィルム(ルミラーS10、東レ社製)に乾燥後の厚みが30μmになるように塗工し、120℃で10分間キュアを行い、PETフィルム上に難燃性膜を形成した難燃性物品5を得た。
〔実施例6〕
粒子分散液A30gに変性SBRラテックス(ラックスターDM816、平均粒子径114nm、DIC社製)15gを加え、撹拌を行い難燃材料6を得た。粒度分布を測定したところ、水酸化アルミニウムの平均粒子径は111nmであった。難燃材料6を用いて、膜厚38μmのPETフィルム(ルミラーS10、東レ社製)に乾燥後の厚みが30μmになるように塗工し、120℃で10分間キュアを行い、PETフィルム上に難燃性膜を形成した難燃性物品6を得た。
〔比較例1〕
粒子分散液D30gにシリコーン樹脂エマルション(Polon MF−56、平均粒子径370nm、信越化学工業社製)15gを加え、撹拌を行い難燃材料7を得た。粒度分布を測定したところ、水酸化アルミニウムの平均粒子径は512nmであった。難燃材料7を用いて、膜厚38μmのPETフィルム(ルミラーS10、東レ社製)に乾燥後の厚みが30μmになるように塗工し、120℃で10分間キュアを行い、PETフィルム上に難燃性膜を形成した難燃性物品7を得た。
〔比較例2〕
粒子分散液E30gにシリコーン樹脂エマルション(Polon MF−56、平均粒子径370nm、信越化学工業社製)15gを加え、拌を行い難燃材料8を得た。粒度分布を測定したところ、水酸化アルミニウムの平均粒子径は731nmであった。難燃材料8を用いて、膜厚38μmのPETフィルム(ルミラーS10、東レ社製)に乾燥後の厚みが30μmになるように塗工し、120℃で10分間キュアを行い、PETフィルム上に難燃性膜を形成した難燃性物品8を得た。
<難燃性評価>
難燃性評価として、UL−94規格の試験方法に準拠して検討を行った。
すなわち、実施例および比較例で得た難燃性物品を、12.7mm×127mmのサイズに切断し、試料とした。垂直に保持した試料の下端に、長さ19mmのガスバーナーの炎を10秒間接炎させた。燃焼が30秒以内に止まった場合は、さらに10秒間接炎させた。30cm下方にガーゼを置き、その燃焼についても確認を行った。評価は下記の基準にて行った。
◎:すべてクリアし、且つ、試料形状を保った場合。
○:10秒間接炎はクリアしたが、試料形状が保たれていない場合。
△:2度目の接炎で発火したもの。
×:最初の接炎で発火したもの。
<全光線透過率およびヘイズ値>
ヘイズメーター(HM150、村上色彩研究所製)を用い、実施例および比較例で得た難燃性物品の全光線透過率およびヘイズ値を測定した。
全光線透過率は60%以上を良好と判断し、またヘイズ値は60%以下を良好と判断した。全光線透過率は、70%以上であることがより好ましい。またヘイズ値は50%以下であることがより好ましい。
<膜の柔軟性評価>
実施例および比較例で得た難燃性物品を評価サンプルとし、180度に折り曲げて5秒放置した後、元に戻し、その際に折り目の傷のつき方を調べた。評価は下記の基準にて行った。
○:傷無し。
△:しわが残る。
×:完全に割れる。
各種評価結果を表1に示した。
Figure 2016141728
樹脂成分、難燃フィラーおよび分散助剤を含み、該難燃フィラーの平均粒子径が5nm〜200nmである実施例1〜6の難燃材料は、高い難燃性と、柔軟性と、透明性に優れる難燃材料が得られることがわかる。一方、難燃フィラーの平均粒子径が200nmを超える難燃材料である比較例1および比較例2は、柔軟性および透明性に劣ることがわかる。なお参考例として示したように、酸価、アミン価が高い分散剤を用いた場合、分散中に固化し、難燃材料を得ることができなかった。
本発明の難燃材料、難燃性膜、難燃性物品は、難燃性が求められる各種分野に適用できる。本発明の難燃材料は、例えば、車両や航空機などの輸送機器、建材、電子材料、ワイヤーやケーブル、ドア、パネル、カーテン、カーペット、家具、サンブラインド、壁、天井、室内装飾材料、箱などの詰め物、フォーム、封止材などに適用することができる。特に本発明の難燃材料は、透明性に優れることから、基材のデザイン性や意匠性を損なうことなく難燃性を付与でき、また柔軟性に優れることから、布基材や紙基材等の難燃処理に好適に用いることができる。
1、1´ 難燃性物品
2、2´ 難燃性膜
3 基材

Claims (9)

  1. 樹脂成分、難燃フィラーおよび該難燃フィラーを分散させるための分散助剤を含む難燃材料であって、該難燃フィラーの平均粒子径が5nm〜200nmである難燃材料。
  2. 前記難燃フィラーの含有割合が30wt%以上であることを特徴とする、請求項1に記載の難燃材料。
  3. 前記樹脂成分がエマルション系樹脂であることを特徴とする、請求項1または2に記載の難燃材料。
  4. 前記分散助剤が、酸価が1mgKOH/g〜20mgKOH/gでありかつアミン価が0mgKOH/g〜10mgKOH/gである分散助剤を少なくとも1種類含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の難燃材料。
  5. さらに消泡剤を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の難燃材料。
  6. 前記消泡剤が、シリコーン系消泡剤であることを特徴とする、請求項5に記載の難燃材料。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の難燃材料から形成される難燃性膜。
  8. 請求項7に記載の難燃性膜を有する難燃性物品。
  9. 請求項7に記載の難燃性膜を物品上で形成する難燃性物品の製造方法。
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