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JP2016141708A - パプリカ色素及びその製造方法 - Google Patents

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JP2016141708A
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定野 晋
Susumu Sadano
晋 定野
武史 岡井
Takeshi Okai
武史 岡井
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Abstract

【課題】光による退色が抑制され、赤味の強い色調を有し、且つ乳化安定性の高いパプリカ色素製剤を製造し得るパプリカ色素を提供する。
【解決手段】紫外可視吸収スペクトルの吸光度曲線における波長640〜685nmの範囲の曲線と該吸光度曲線における波長640nm及び685nmの2点を結ぶ直線とによって囲まれる部分の吸光面積Sが下記式(1)を満たすことを特徴とするパプリカ色素。
式(1):S×1500/パプリカ色素の色価(E10% 1cm)≦0.2
【選択図】 図1

Description

本発明は、パプリカ色素及びその製造方法に関する。
パプリカ色素は、ナス科トウガラシ(Capsicum annuum Linne)の果実から得られるカロテノイドの一種であるカプサンチンの脂肪酸エステルを主成分とする油性色素である。パプリカ色素は、天然素材由来の赤色着色料として広く食品等に利用されている。
パプリカ色素は、光の影響を受けて比較的容易に退色する傾向がある。光によるパプリカ色素の退色を抑制する方法としては、一般的に抽出トコフェロールを添加することが行われている他、羅布麻抽出物を退色抑制剤として添加する方法等が知られている(特許文献1)。しかし、これら方法は、パプリカ色素自体の退色を抑制するものではなく、実用上必ずしも満足できるものではない。
また、パプリカ色素は、赤味の強い色調のものが好まれるが、パプリカ色素の色調は、その原料であるパプリカ果実の品質(例えば、パプリカ果実の品種、産地、生産方法、生産時期等)に大きく依存する。このため、赤味の強い色調のパプリカ色素を安定に供給又は入手するのは困難である。
このような問題に対し、パプリカ色素を特定の素材とともに製剤化すること、或いは、特定の形態の製剤を調製することによって赤味の強い色調とする方法がいくつか知られている(特許文献2及び3)。しかし、これら方法も、パプリカ色素自体の色調を改善するものではなく、実用上必ずしも満足できるものではない。
一方、パプリカ色素は油溶性であり、そのままでは水性の飲食品には使用困難である。そこで、パプリカ色素に水分散性を付与するため、パプリカ色素の乳化製剤を調製することが行われている。しかし、このような形態の製剤は、保存中に熱等の影響で乳化が破壊されることにより、その商品価値が失われることがある。
パプリカ色素の乳化製剤について乳化安定性を改善する方法としては、水もしくは水と低級脂肪族アルコールとの混合溶液で洗浄処理したパプリカ色素を用いる方法が知られている(特許文献4)。しかし、この方法は、上述した問題の全てを解決可能なものではない。
特開2005−087147号公報 特開2001−252043号公報 特開2009−261323号公報 特開平8−168356号公報
本発明は、光による退色が抑制され、赤味の強い色調を有し、且つ乳化安定性の高いパプリカ色素製剤を製造し得るパプリカ色素を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、紫外可視吸収スペクトルの吸光度曲線に特徴がある新規なパプリカ色素は、上記課題が解決することを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、下記〔1〕〜〔6〕からなっている。
〔1〕紫外可視吸収スペクトルの吸光度曲線における波長640〜685nmの範囲の曲線と該吸光度曲線における波長640nm及び685nmの2点を結ぶ直線とによって囲まれる部分の吸光面積Sが下記式(1)を満たすことを特徴とするパプリカ色素。
式(1):S×1500/パプリカ色素の色価(E10% 1cm)≦0.2
〔2〕リンの含有量P(mg/100g)が下記式(2)を満たすことを特徴とする前記〔1〕に記載のパプリカ色素。
式(2):P×1500/パプリカ色素の色価(E10% 1cm)≦60
〔3〕前記〔1〕又は〔2〕に記載のパプリカ色素を含有してなることを特徴とするパプリカ色素製剤。
〔4〕水中油型乳化製剤であることを特徴とする前記〔3〕に記載のパプリカ色素製剤。
〔5〕パプリカ色素原料を活性白土に接触させた後、該活性白土を除去することを特徴とする、紫外可視吸収スペクトルの吸光面積Sが下記式(1)を満たすパプリカ色素の製造方法。
式(1):S×1500/パプリカ色素の色価(E10% 1cm)≦0.2
(式中、Sは紫外可視吸収スペクトルの吸光度曲線における波長640〜685nmの範囲の曲線と該吸光度曲線上における波長640nm及び685nmの2点を結ぶ直線とによって囲まれる部分の吸光面積を示す。)
〔6〕 パプリカ色素原料を活性白土に接触させた後、該活性白土を除去することを特徴とする、紫外可視吸収スペクトルの吸光面積S及びリンの含有量P(mg/100g)が下記式(1)及び(2)を満たすパプリカ色素の製造方法。
式(1):S×1500/パプリカ色素の色価(E10% 1cm)≦0.2
式(2):P×1500/パプリカ色素の色価(E10% 1cm)≦60
(式中、Sは紫外可視吸収スペクトルの吸光度曲線における波長640〜685nmの範囲の曲線と該吸光度曲線上における波長640nm及び685nmの2点を結ぶ直線とによって囲まれる部分の吸光面積を示す。)
本発明のパプリカ色素は、光による退色が少なく、赤みのある色調を有している。
本発明のパプリカ色素を含有してなる水中油型乳化組成物は、熱による油相の分離が生じ難く、乳化安定性が良好である。
紫外可視吸収スペクトルの吸光度曲線における波長640〜685nmの範囲の曲線と該吸光度曲線における波長640nm及び685nmの2点を結ぶ直線とによって囲まれる部分を示す図。
本発明のパプリカ色素は、紫外可視吸収スペクトルの吸光度曲線における波長640〜685nmの範囲の曲線と該吸光度曲線における波長640nm及び685nmの2点を結ぶ直線とによって囲まれる部分(図1参照)の吸光面積S(以下、単に「吸光面積S」ともいう。)が下記式(1)を満たすものである。
式(1):S×1500/パプリカ色素の色価(E10% 1cm)≦0.2(好ましくは0.15、より好ましくは0.1)
ここで、紫外可視吸収スペクトルの吸光度はパプリカ色素の色価に比例するため、吸光面積は色価に影響する。そこで、式(1)では、吸光面積Sを1500で乗じ、パプリカ色素の色価で除することによって、色価(E10% 1cm)が1500のパプリカ色素の吸光面積に換算している。
また、本発明のパプリカ色素について吸光面積Sの測定は、下記方法に従い実施される。
[吸光面積Sの測定方法]
パプリカ色素にアセトンを加え、極大吸収波長における吸光度が約25となるように希釈したものを検液とする。この検液について、分光光度計(UV−1700;島津製作所社製)を用いて紫外可視吸収スペクトルを測定し、吸光度曲線における波長640〜685nmの範囲の曲線と該吸光度曲線における波長640nm及び685nmの2点を結ぶ直線とによって囲まれる部分の面積を吸光面積Sとして算出する。算出には、分光光度計データ処理ソフトウェア(UVProve(Ver2.21);島津製作所社製)の面積計算テーブル(除数1;ベースラインはゼロに設定しない)を用いる。
また、本発明においてパプリカ色素の色価は、下記方法に従い測定される。
[色価の測定方法]
1)試料0.1〜0.2gを精密に量り、これをアセトンに溶解して正確に100mLとする。
2)その5mLを正確に量り、アセトンを加えて250mLとする。
3)アセトンを対照とし、液層の長さ1cmで460nm〜470nm付近の極大吸収部における吸光度Aを測定し、次式により色価を求める。
式:色価(E10% 1cm)=A×500/試料の採取料(g)
本発明のパプリカ色素は、式(1)を満たすことに加え、リンの含有量P(mg/100g)が下記式(2)を満たすものであることが好ましい。
式(2):P×1500/パプリカ色素の色価(E10% 1cm)≦60
なお、式(2)では、式(1)と同様に、リンの含有量Pを色価(E10% 1cm)が1500のパプリカ色素のリンの含有量に換算している。
本発明のパプリカ色素のリンの含有量Pは、下記方法に従い測定される。
[リンの含有量Pの測定方法]
試料を1.5〜3.0g量り取り、500℃で灰化後、少量の水と20%塩酸を加え、加温後、ろ過してろ液を得る。残さについては、再度灰化し、ろ過を行う。得られたろ液を合わせ、50mLにメスアップ後、ICP発光分析装置によりリンを定量する。
本発明のパプリカ色素を製造するための原料(パプリカ色素原料)としては、パプリカ色素を含有する組成物であれば特に制限はなく、例えばナス科トウガラシ(Capsicum annuum LINNE)の果実より熱時油脂で抽出して得られる抽出物、室温時〜微温時ヘキサン又はエチルアルコールで抽出して得られる抽出物、又はこれら抽出物より、温時加圧下に二酸化炭素で辛味成分を除去したもの等が挙げられる。これら原料の中でも、例えば、パプリカの乾燥果実を乾燥、粉砕、ペレット化した後、ヘキサンを加え0〜60℃で1〜24時間抽出し、この抽出液からヘキサンを留去して得られる組成物が好ましく用いられる。
本発明のパプリカ色素の製造方法に特に制限はなく、例えば、任意の抽出方法、精製方法及び/又は濃縮方法等を用いて、式(1)、好ましくは式(1)及び式(2)を満たすようにパプリカ色素原料を処理することにより製造される。その好ましい製造方法として、例えば、パプリカ色素原料を活性白土に接触させた後、該活性白土を除去することができる。これにより、活性白土に吸着する成分が除去され、式(1)、好ましくは式(1)及び式(2)を満たすパプリカ色素が得られる。
より具体的には、パプリカ色素原料を疎水性の溶媒で希釈し、これに活性白土を加えて混合し、得られた混合物を固液分離して活性白土を除去することができる。
疎水性の溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、ジエチルエーテル、酢酸エチル等が挙げられ、好ましくはヘキサンが用いられる。また、活性白土としては、粉末状のものが好ましく、そのような活性白土としては、例えば、ガレオンアースV2、ガレオンアースV2R、ガレオンアースNV、ガレオンアースNVZ(商品名;水澤化学工業社製)等の市販品が挙げられ、好ましくはガレオンアースV2Rが用いられる。
パプリカ色素原料に対する疎水性の溶媒の量は、例えば、通常等倍量〜50倍量(質量基準。以下同じ。)、好ましくは5倍量〜30倍量である。また、パプリカ色素原料を希釈した疎水性の溶媒と活性白土とを混合する際の温度条件は、例えば、通常1〜50℃、好ましくは10〜30℃である。また、その混合時間は、例えば、通常10分〜24時間、好ましくは30分〜3時間である。また、パプリカ色素原料に対する活性白土の添加量は、通常3分の1倍量〜10倍量、好ましくは3分の1倍量〜5倍量である。
固液分離の方法に、特に制限はなく、自体公知の分離方法を実施することができる。固液分離により得られた液体は、好ましくは自体公知の方法により濃縮され、本発明のパプリカ色素が得られる。
本発明のパプリカ色素は、そのままの状態でパプリカ色素製剤として提供することもできるし、希釈剤、担体又はその他の添加剤を配合し、製剤化することにより、パプリカ色素製剤として提供することもできる。パプリカ色素製剤の形態としては、液体製剤、粉末製剤、顆粒製剤、錠剤、マイクロカプセル、ソフトカプセル、ハードカプセル、水中油型乳化製剤等が挙げられる。
これら形態のうち、水中油型乳化製剤(以下、「パプリカ色素乳化製剤」ともいう。)は乳化安定性に優れている。パプリカ色素乳化製剤の製造方法に特に制限はなく、自体公知の方法を用いて行うことができる。以下に、その好ましい製造方法を例示する。
例えば、攪拌機、加熱用のジャケットおよび邪魔板などを備えた通常の攪拌・混合槽に、水、多価アルコール及び乳化剤を入れ、50〜90℃、好ましくは60〜70℃に加熱し、溶解して水相とする。装備する攪拌機としては、TKホモミクサー(プライミクス社製)又はクレアミックス(エム・テクニック社製)等の高速回転式分散・乳化機が好ましく用いられる。該水相を攪拌しながら、この中に100℃以下、好ましくは60〜80℃に保温したパプリカ色素及び食用油脂を含有せしめた油相をゆっくり加えて均質化し、パプリカ色素乳化製剤を得る。
上記水としては、飲用可能なものであれば特に制限はなく、例えば蒸留水、イオン交換樹脂処理水、逆浸透膜(RO)処理水および限外ろ過膜(UF)処理水などの精製水、水道水、地下水または涌水などの天然水などが挙げられる。
上記多価アルコールとしては、分子内に2個以上の水酸基を有し、食用に使用されるものであれば特に制限はなく、例えば、プロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、ソルビトール、マルチトール、還元水あめ、トレハロース、エリスリトール等が挙げられる。
上記乳化剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルまたはレシチン等が挙げられる。ここで、グリセリン脂肪酸エステルには、グリセリンと脂肪酸のエステルの他、グリセリン酢酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びポリグリセリン縮合リシノール酸エステル等が含まれる。またレシチンには、分別レシチン、酵素分解レシチンおよび酵素処理レシチン等が含まれる。
上記均質化の条件としては、例えば回転数4000〜20000rpm、攪拌時間10〜60分間を例示することができる。また、得られたパプリカ色素乳化製剤は、高圧式均質化処理機を使用して、更に均質化してもよい。
更に、パプリカ色素乳化製剤を自体公知の方法により乾燥し、粉末状の色素製剤としても良い。乾燥方法としては、例えば、噴霧乾燥、ドラム乾燥、ベルト乾燥、真空乾燥あるいは真空凍結乾燥等が挙げられ、好ましくは真空凍結乾燥または噴霧乾燥である。
本発明のパプリカ色素及びパプリカ色素製剤は、食品及び医薬品の着色に用いることができる。着色の対象となる食品に特に制限はなく、例えば、アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、シャーベット、氷菓等の冷菓類、乳飲料、乳酸菌飲料、清涼飲料、炭酸飲料、果汁飲料、野菜飲料、スポーツ飲料、粉末飲料、アルコール飲料、コーヒー飲料、茶飲料等の飲料類、プリン、ゼリー、ヨーグルト等のデザート類、チューインガム、チョコレート、ドロップ、キャンディ、クッキー、せんべい、グミ等の菓子類、ジャム類、スープ類、漬物類、ドレッシング、たれ等の調味料、ハム、ソーセージ等の畜肉加工品、魚肉ソーセージ、かまぼこ等の水産練り製品等が挙げられる。また、着色の対象となる医薬品に特に限定はなく、例えば解熱鎮痛薬、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、交感神経興奮剤、副交感神経遮断剤、中枢興奮薬、H2ブロッカー、制酸剤、消炎酵素剤、抗炎症剤、気管支拡張剤、抗菌剤、鎮咳剤、去痰剤、抗コリン剤、止しゃ剤、催眠鎮静薬、利胆薬、血圧降下剤、骨格筋弛緩薬、乗り物酔い予防・治療薬等、ビタミン類、生薬類等が挙げられる。
以下に本発明を実施例に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[製造例]
粉砕したパプリカの乾燥果実10kgに対して、35.0kgのヘキサンを加え、35℃で22時間ゆっくりと撹拌した後、加圧ろ過した。得られたろ液をロータリーエバポレーターを用いて60℃、200mmHgの条件で濃縮し、パプリカ色素を含有する組成物(パプリカ色素原料)950g得た。このパプリカ色素原料の色価(E10% 1cm)は1428であった。
[実施例1]
製造例のパプリカ色素原料120gにヘキサン2.4Lを加えて混合し、得られた溶液に粉末状の活性白土(商品名:ガレオンアースV2R;水澤化学工業社製)90g加え、室温にて30分間撹拌した。撹拌後、保留粒子径5μmのろ紙を用いてろ過し、得られたろ液をロータリーエバポレーターを用いて45℃、40mmHgの条件で濃縮し、パプリカ色素(実施例品1)102gを得た。実施例品1の色価(E10% 1cm)は1187であった。
[実施例2]
実施例1の活性白土の量を60gにしたこと以外は、実施例1と同様に実施し、パプリカ色素(実施例品2)106gを得た。実施例品2の色価(E10% 1cm)は1380であった。
[実施例3]
実施例1の活性白土の量を120gにしたこと以外は、実施例1と同様に実施し、パプリカ色素(実施例品3)99gを得た。実施例品3の色価(E10% 1cm)は1086であった。
[実施例4]
実施例1の活性白土の量を75gにしたこと以外は、実施例1と同様に実施し、パプリカ色素(実施例品4)100gを得た。実施例品4の色価(E10% 1cm)は1130であった。
[比較例1]
実施例1の活性白土の量を30gにしたこと以外は、実施例1と同様に実施し、パプリカ色素(比較例品1)113gを得た。比較例品1の色価(E10% 1cm)は1401であった。
[比較例2]
実施例1の活性白土90gに替えて粒状の活性白土(商品名:ガレオナイト#336;水澤化学工業社製)90gを使用したこと以外は、実施例1と同様に実施し、パプリカ色素(比較例品2)109gを得た。比較例品2の色価(E10% 1cm)は1437であった。
[比較例3]
製造例のパプリカ色素原料100gに7.5gの水及び2.5gのエタノールを添加して混合液とし、この混合液を十分に撹拌しながら70℃に加熱した。その後、25℃に冷却した混合液を4000Gで遠心分離処理して上層を採取し、パプリカ色素(比較例品3)71gを得た。比較例品3の色価(E10% 1cm)は1497であった。
[比較例4]
製造例のパプリカ色素原料100gに500gのメタノールを添加して混合液とし、この混合液を十分に撹拌しながら30℃に加熱した。その後、10000Gで遠心分離処理して下層を採取した。この操作を計5回繰り返し、パプリカ色素(比較例品4)67gを得た。比較例品4の色価(E10% 1cm)は1875であった。
[比較例5]
製造例のパプリカ色素100gに200gのアセトンを添加して混合液とし、この混合液を5℃で24時間冷却した。その後、10000Gで遠心分離処理して採取した上清をロータリーエバポレーターを用いて45℃、40mmHgの条件で濃縮し、パプリカ色素(比較例品5)89gを得た。比較例品5の色価(E10% 1cm)は1512であった。
[比較例6]
製造例のパプリカ色素100gについて、抽出槽内条件(圧力270kgf/cm;温度40℃;CO流量15kg/分)及び分離槽内条件(圧力55kgf/cm;温度40℃)にて超臨界二酸化炭素流体による精製を行い、パプリカ色素(比較例品6)84gを得た。比較例品6の色価(E10% 1cm)は1681であった。
[パプリカ色素の分析]
上記実施例及び比較例で製造したパプリカ色素(実施例品1〜4及び比較例品1〜6)について、吸光面積S及びリンの含有量P(mg/100g)を測定した。吸光面積Sは、色価(E10% 1cm)が1500のパプリカ色素の吸光面積に換算し、「S×1500/パプリカ色素の色価(E10% 1cm)」とした。また、リンの含有量Pについても同様に換算し、「P×1500/パプリカ色素の色価(E10% 1cm)」とした。また、対照として、製造例のパプリカ色素原料についても同様に分析した。結果を表1に示す。
Figure 2016141708
[試験例]
(1)耐光性試験
抽出トコフェロール(商品名:理研Eオイルスーパー80;理研ビタミン社製)を予め2ppm添加した中鎖脂肪酸トリグリセリド(商品名:アクターM−4N;理研ビタミン製)に対し、パプリカ色素(実施例品1〜4及び比較例品1〜6)を吸光度が2となるように各々添加及び溶解して、溶解液を得た。
次に、溶解液をガラス製バイアル瓶に入れ、15000ルクス、25℃の条件下、7日間静置保存した。保存後の溶解液の吸光度を分光光度計(UV−1700;島津製作所社製)で測定した。保存前のパプリカ色素について同様に測定した吸光度を100%として、保存後のパプリカ色素の残存率(%)を求めた。また、対照として、製造例のパプリカ色素原料についても同様に測定し、パプリカ色素の残存率(%)を求めた。結果を表2に示す。
(2)吸光度比による色調の評価
パプリカ色素(実施例品1〜4及び比較例品1〜6)の色調を評価するため、分光光度計を用いて吸光度を測定し、更に吸光度比を算出した。具体的には、パプリカ色素にアセトンを加え、極大吸収波長における吸光度が0.5〜0.6となるように希釈したものを検液とした。この検液について、分光光度計(UV−1700;島津製作所社製)を用いて470nm及び455nmにおいて液層の長さ1cmの吸光度を測定した。更に、470nmにおける吸光度を455nmにおける吸光度で除した値を吸光度比(A470nm/A455nm)として求めた。また、対照として、製造例のパプリカ色素原料についても同様に吸光度比を求めた。ここで、吸光度比(A470nm/A455nm)は、赤みのある色調を定量的に評価する指標であり、その値が1以上であると、赤味が強く好ましい色調であることを意味する。結果を表2に示す。
(3)着色した食品の色調の評価
パプリカ色素(実施例品1〜4及び比較例品1〜6)を用いて着色した食品の色調を評価した。具体的には、強力粉250g、バター10g、砂糖17g、スキムミルク6g、塩5g、水179.3g、ドライイースト2.8g及びパプリカ色素0.7gを家庭用自動パン焼き器(SD−BM105;パナソニック社製)に入れ、該パン焼き器を「食パンコース」に設定し、食パンを製造した。得られた食パンを60℃で乾燥し、焼き色の付いた表面を取り除いた上で、フードプロセッサーで粉砕し、パプリカ色素により着色したパン粉を製造し、得られたパン粉の色調を目視により評価した。また、対照として、製造例のパプリカ色素原料についても同様にパン粉の製造及び評価を実施した。結果を表2に示す。
(4)乳化安定性の評価
パプリカ色素(実施例品1〜4及び比較例品1〜6)を用いて、下記方法により、パプリカ色素乳化製剤を調製し、その乳化安定性を評価した。また、対照として、製造例のパプリカ色素原料を用いて同様にパプリカ色素乳化製剤を調製し、乳化安定性を評価した。結果を表2に示す。
<パプリカ色素乳化製剤の調製及び評価方法>
1)300mL容トールビーカーにポリグリセリン脂肪酸エステル(商品名:ポエムJ−0381V:理研ビタミン社製)8g、グリセリン(商品名:食品添加物グリセリン:ミヨシ油脂社製)93g及び精製水21gを入れる。
2)クレアミックス(型式:CLM−1.5S;エム・テクニック社製)で低速で攪拌しながら、約60℃まで加熱して溶解し、水相とする。
3)パプリカ色素61g〔色価(E10% 1cm)が1500のパプリカ色素に換算した量〕及び菜種油17gを混合し、約60℃まで加熱して溶解し、油相とする。
4)2)の水相に3)の油相を徐々に加え、該クレアミックを用いて10000rpmで10分間均質化し、パプリカ色素乳化製剤190gを得る。
5)得られたパプリカ色素乳化製剤10gをガラス瓶に入れ、60℃で1週間静置して保存する。保存後、油相の分離の有無を目視により評価する。
Figure 2016141708
表2の結果から明らかなように、本発明のパプリカ色素(実施例品1〜4)は、耐光性に優れ、赤みのある色調を有しており、また、これらパプリカ色素を用いて調製した乳化製剤は、60℃の加熱下で保存しても油相の分離がなく、乳化安定性が良好であった。一方、比較例及び対照では、油相の分離が見られないもの(比較例品2〜5)もあったが、いずれも耐光性及び色調の点で難があり、本発明のものに比べて劣っていた。

Claims (6)

  1. 紫外可視吸収スペクトルの吸光度曲線における波長640〜685nmの範囲の曲線と該吸光度曲線における波長640nm及び685nmの2点を結ぶ直線とによって囲まれる部分の吸光面積Sが下記式(1)を満たすことを特徴とするパプリカ色素。
    式(1):S×1500/パプリカ色素の色価(E10% 1cm)≦0.2
  2. リンの含有量P(mg/100g)が下記式(2)を満たすことを特徴とする請求項1に記載のパプリカ色素。
    式(2):P×1500/パプリカ色素の色価(E10% 1cm)≦60
  3. 請求項1又は2に記載のパプリカ色素を含有してなることを特徴とするパプリカ色素製剤。
  4. 水中油型乳化製剤であることを特徴とする請求項3に記載のパプリカ色素製剤。
  5. パプリカ色素原料を活性白土に接触させた後、該活性白土を除去することを特徴とする、紫外可視吸収スペクトルの吸光面積Sが下記式(1)を満たすパプリカ色素の製造方法。
    式(1):S×1500/パプリカ色素の色価(E10% 1cm)≦0.2
    (式中、Sは紫外可視吸収スペクトルの吸光度曲線における波長640〜685nmの範囲の曲線と該吸光度曲線上における波長640nm及び685nmの2点を結ぶ直線とによって囲まれる部分の吸光面積を示す。)
  6. パプリカ色素原料を活性白土に接触させた後、該活性白土を除去することを特徴とする、紫外可視吸収スペクトルの吸光面積S及びリンの含有量P(mg/100g)が下記式(1)及び(2)を満たすパプリカ色素の製造方法。
    式(1):S×1500/パプリカ色素の色価(E10% 1cm)≦0.2
    式(2):P×1500/パプリカ色素の色価(E10% 1cm)≦60
    (式中、Sは紫外可視吸収スペクトルの吸光度曲線における波長640〜685nmの範囲の曲線と該吸光度曲線上における波長640nm及び685nmの2点を結ぶ直線とによって囲まれる部分の吸光面積を示す。)
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