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JP2016136853A - 植物を移植して育成する方法 - Google Patents

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JP2016136853A
JP2016136853A JP2015012316A JP2015012316A JP2016136853A JP 2016136853 A JP2016136853 A JP 2016136853A JP 2015012316 A JP2015012316 A JP 2015012316A JP 2015012316 A JP2015012316 A JP 2015012316A JP 2016136853 A JP2016136853 A JP 2016136853A
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英夫 山名
Hideo Yamana
英夫 山名
敬史 上田
Takashi Ueda
敬史 上田
元宏 安藤
Motohiro Ando
元宏 安藤
菜世 藤原
Sayo Fujiwara
菜世 藤原
今井 堯一
Takakazu Imai
堯一 今井
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Abstract

【課題】 側面に開口部を有する筒状容器を土中に入れ植物の苗を養生した後、筒状容器を簡単に引き抜いて、他の箇所の穴に筒状容器ごと挿入して植物を育成する方法を提供する。
【解決手段】 側面に複数の開口部を有する有底の筒状容器を土中に差し込み、該筒状容器中で植物の苗を養生した後、該筒状容器を引き抜いて他の箇所の穴に挿入して植物を育成する方法であって、該筒状容器を土中に差し込む前に筒状容器をさらに別の筒の中に入れるか、または筒状容器の側面をシートで巻き、さらに植物の苗を養生した後に、該筒状容器を該筒から取り出しそのまま他の箇所の穴に挿入するか、または筒状容器を引き抜いて巻かれているシートを取り除いた後他の箇所の穴に挿入することを特徴とする植物を移植して育成する方法である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、植物を移植して育成する方法に関し、さらに詳しくは土中の筒状容器中で養生した植物の苗を筒状容器ごと他の箇所の穴に挿入して育成する方法に関する。
岩盤やコンクリートなどの、土壌がないか乏しい面を緑化する方法として、本発明者らは、次の三つの工程からなることを特徴とする無土壌法面の緑化方法を提案した(特許文献1)。(1)特定の吸水性樹脂、植物育成用担体および水の混合物を入れた筒状容器に植物を植えて養生する工程、(2)無土壌法面(植栽土壌を有さない面のこと)に少なくとも前記筒状容器が入る大きさと深さの穴を形成する工程、および(3)前記穴に前記植物が植えられた筒状容器をそのまま挿入、または植物が植えられた前記混合物を筒状容器から取り出して挿入する工程。
本発明者らは、この筒状容器として、筒状容器の軸方向の側面が複数の細長い木材のスライス薄板を組み合わせて形成され、該スライス薄板で覆われていない開口部を複数個有する岩盤緑化用筒状容器において、該筒状容器の複数のスライス薄板が軸線に対して傾斜するように巻き回され、該傾斜方向とは逆方向に傾斜して巻き回された別の複数のスライス薄板と重なるように織られてなる岩盤緑化用筒状容器を提案して実施している(特許文献2)。この筒状容器は開口部を有し、上記の(1)の工程で植物の苗を養生すると、苗の根が開口部から土の中に出て生長する。そのため岩盤の穴に筒を入れても活着することができている。
特開2012−34648号公報 特許第5470539号公報
しかしながら、この筒状容器を土から引き抜く際に開口部から出ている植物の根のために筒状容器を引き抜きにくく、引き抜くためには相当強い力が必要になる。また、引き抜くときにその根が切れてしまい、植物を傷つけるという問題がある。そして、そのことを避けるために筒状容器の周辺の土を掘り起こしてから筒状容器を引き抜かざるを得ないという煩雑さが伴うという問題もある。筒状容器を土中に入れ植物の苗を養生した後、簡単に筒状容器を引き抜く方法が求められていた。
本発明の目的は、側面に開口部を有する筒状容器を土中に入れ植物の苗を養生した後、筒状容器を簡単に引き抜いて、他の箇所の穴に筒状容器ごと挿入して植物を育成する方法を提供することである。
本発明者らは、上記の課題に鑑み、鋭意研究の結果、筒状容器の側面にある複数の開口部を一旦封鎖した後、土中に入れて養生すれば筒状容器を簡単に引き抜くことができ、そのようにしても植物を移植した後の育成も問題ないことを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、側面に複数の開口部を有する有底の筒状容器を土中に差し込み、該筒状容器中で植物の苗を養生した後、該筒状容器を引き抜いて他の箇所の穴に挿入して植物を育成する方法であって、
該筒状容器を土中に差し込む前に筒状容器をさらに別の筒の中に入れるか、または筒状容器の側面をシートで巻き、さらに植物の苗を養生した後に、該筒状容器を該筒から取り出しそのまま他の箇所の穴に挿入するか、または筒状容器を引き抜いて巻かれているシートを取り除いた後他の箇所の穴に挿入することを特徴とする植物を移植して育成する方法である。
さらに本発明は、前記複数の開口部の夫々の面積の合計が側面の全表面積の3%以上40%以下であることを特徴とする。
さらに本発明は、前記筒状容器は、下記吸水性樹脂が混入された植物育成用媒体を入れた後、植物の苗を植えることを特徴とする。
吸水性樹脂:吸水性樹脂1重量部を25℃のイオン交換水100重量部に吸水させた時の含水ゲルの電気伝導率が0〜2.0mS/cmであり、且つ25℃のイオン交換水の吸水倍率が80〜1000倍。
本発明によれば、土中に埋めた側面に開口部を有する有底の筒状容器で植物の苗を養生した後であっても、筒状容器を土中から簡単に引き抜くことができ、また、筒状容器ごと他の箇所の穴に挿入しても植物を元気よく活着させて育成できる。
本発明によれば、該開口部の夫々の面積の合計面積が側面の表面積の3%以上40%以下であるので、筒状容器ごと他の箇所の穴に挿入しても植物の根が容易に開口部から容器の外に伸張することができ、植物を育成できる。
本発明によれば、植物育成用媒体の中に植物の育成に適した上記の特定の吸水性樹脂を保水向上剤として用いているので、最初に筒状容器に給水しておけば長期間水をやらなくても植物は活着することができる。
本発明の方法に用いる実施の一形態に係る筒状容器の斜視図を示した。
以下、本発明の実施の形態につき、詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、以下の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
本発明の筒状容器は、側面に開口部を有する。開口部は筒状容器の形状を移植時に維持できる面積であればよく、開口部は複数の開口部の夫々の面積の合計が側面の全表面積の3%以上40%以下であるのが好ましい。5%以上30%以下を占めるのがより好ましい。3%以上であれば移植した後に開口部から植物の根が通り、40%以下であれば開口部から内容物である植物育成用媒体が漏れにくく、且つ筒状容器の形状保持性がよい。
筒状容器の側面には、開口部を複数個有すればよいが、好ましくは5〜30個である。5個以上であると移植後に筒状容器の外に植物の根が多く出て植えられた箇所にしっかりと根付くことができる。30個以下であると1個の開口部が小さくなりすぎず開口部を通過した根が大きくなることができる。
一つの開口部の大きさは好ましくは1〜10cmである。1cm以上であると開口部を通過する根が大きくなり、10cm以下であると内容物が開口部からこぼれることがより少ない。
筒状容器の容器を形成する材質は、合成樹脂、天然樹脂、無機物であれ限定は無いが、移植後土中で分解して土と一体化する木材製のものが好ましい。木材をスライスして製造したものを用いるのが特に好ましい。
筒状容器の形状は、製造面から円筒状が好ましい。容器の大きさ(直径)は植物が植えられれば限定はないが、40〜100mmが好ましく、50〜70mmが特に好ましい。40〜100mmであると植物を十分に植えることができ、筒状容器を埋め込みやすい。50〜70mmであると、移植先が岩盤である場合、穴を開けるのに削岩機を用いるので、削岩機で形成される穴の大きさは75cm程度であり、さらに穴に入れ易いと共に移植後の植物が固定されやすい。筒状容器の長さは、穴の深さより短く、容器中で植物が根付けば限定はないが、好ましくは穴の深さの半分程度でよく、たとえば20〜60cmであり、20〜40cmがコンパクトにできるので特に好ましい。
筒状容器は有底である。底がないと筒状容器を引き抜き時および移植時に筒状容器の内容物が底から抜け出てしまう。また、底は開口部を有するのが好ましい。底に開口部を有すれば養生中に根は下から出て元気に養生することができる。底の部分における開口部の面積は底の面積の3%以上90%以下が好ましい。3%以上であると底から根が出ることができ、90%以下であると内容物が底から落ちにくく形成できる。たとえば、底は格子状に小さい棒で留めてもよいし、板を貼り板に孔を穿けて作製してもよいが限定しない。
筒状容器としては、たとえば、木材の一枚または複数枚で筒状容器を作成した後、側面に根が通過できる程度の大きさの孔を穿けたもの、木材の複数のスライス薄板が筒状容器の軸線に対して平行に形成し、中間を薄板か他の材料で巻いたり、結合したようなもの、容器の側面の骨格を木材板や棒で作成し、その外側に複数のスライス薄板を播き付けたようなものが挙げられるが限定はない。
好ましい筒状容器は、前記複数のスライス薄板が軸線に対して傾斜するように巻き回され、該傾斜方向とは逆方向に傾斜して巻き回された別の複数のスライス薄板と重なって織られてなるように形成されたものである。このようにすればスライス薄板を互い違いにまたは格子状に似せて重ねることができ、また開口部も菱形状もしくはその類似形状または矩形状のものとなり、その形状、大きさが似通ったものができやすく、植物の根が開口部を通過して伸張しやすく、植物を育成できる。また、筒の底部まで伸張しやすいという利点もある。この筒状容器の斜視図を図1に示した。
図1に示した筒状容器は、木材のスライス薄板で作製した円筒状の筒状容器1である。底の部分を説明するために筒状容器の底を上にしておいてある。木材のスライス薄板4が交互に重なっており、両端の輪状の木材のスライス薄板6に接着されている。木材のスライス薄板4の間に側面の開口部2が形成されている。また、底の部分には3本の小さい棒5が重なっており、その間が底の開口部3を形成している。この筒状容器1には、底の反対側の筒の入り口から内容物を入れる。
このようにして作製した筒状容器の側面の開口部を封鎖することにより養生時に開口部から根が出ることを防ぐことができ、そのため養生後筒状容器を簡単に土中から引き抜くことができる。引き抜いた後、開口部を顕わにすることにより移植後開口部から根が出て穴に活着することができる。
筒状容器には植物を育成するための植物育成用媒体が入れられるが、植物育成用媒体は植物育成用担体に水を含ませる。
植物育成用担体としては、植物体育成に適する物質として一般的に使用されているものでよく、特に制限されない。たとえば、無機物質及び/又は有機物質などの粉末、多孔体、ペレット状、繊維状及び発泡体などの水不溶性の固状のものが使用できる。無機物質としては、無機質粉体(土壌、砂、フライアッシュ、珪藻土、クレー、タルク、カオリン、ベントナイト、ドロマイト、炭酸カルシウム、アルミナなど);無機質繊維(ロックウール、ガラス繊維など);無機質多孔体[フィルトン(多孔質セラミック、くんたん)、バーミキュライト、軽石、火山灰、ゼオライト、シラスバルーンなど];無機質発泡体(パーライトなど)などが挙げられる。
有機物質としては、有機質粉末[モミガラ、木くず、木粉など]、有機質繊維[天然繊維〔セルロース系のもの(オガクズ、ワラなど)、草炭、羊毛など〕、人造繊維(レーヨン、アセテートなど)、合成繊維(ポリアミド、アクリルなど)、パルプ〔メカニカルパルプ(丸太からの砕木パルプなど)、ケミカルパルプ(亜硫酸パルプ、ソーダパルプ、硫酸塩パルプなど)、セミケミカルパルプ、再生パルプなど〕、その他廃材(紙オムツの製造より出る廃材など)など]、有機質多孔体(ヤシ殻活性炭など)、有機質発泡体[穀物、合成樹脂又はゴムの発泡体(ポリスチレン発泡体、ゴムスポンジなど)など]、有機質ペレット[ゴム及び合成樹脂のペレットなど]などが挙げられる。上記の植物体育成用担体は、単独で、あるいは必要に応じて2種類以上併用してもよい。これらのうち好ましいものは、吸水性のある無機質粉体、無機質多孔体、無機質発泡体、有機質繊維であり、より好ましいものは土壌である。また、土壌と土壌以外の吸水性のある植物育成用担体を混合して用いるのが特に好ましい。
植物育成用担体には、さらに吸水性樹脂を混入させて保水性を向上させるのが好ましい。
吸水性樹脂は、吸水性樹脂1重量部を25℃のイオン交換水100重量部に吸水させた時の含水ゲルの電気伝導率が0〜2.0mS/cmであり、且つ25℃のイオン交換水の吸水倍率が80〜1000倍であるのが特に好ましい。この吸水性樹脂は、植物の根の生長を阻害しないので、狭い筒状容器で植物を養生してもうまく根付くことができ、さらに養生時または移植後長期間雨が降らなくても枯らすことなく植物を成育させる。吸水性樹脂の上記数値範囲は、特開2007−319029号公報の記載に準じている。
このような吸水性樹脂は、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルなどのノニオン性水溶性エチレン性不飽和単量体(A)単独からなる重合体(X)、(メタ)アクリル酸などのアニオン性水溶性エチレン性不飽和単量体(C)単独からなる重合体(Y)、およびノニオン性水溶性エチレン性不飽和単量体(A)とアニオン性水溶性エチレン性不飽和単量体(B)を構成単位とする共重合体(Z)からなる。(X)、(Y)、(Z)のみで使用することも可能であり、(X)、(Y)、(Z)を2種類以上混合して使用することも可能である。これらの内、(Y)または(Z)のアニオン性の重合体からなる吸水性樹脂が特に植物の根の生長を阻害しないので、狭い筒状容器内で植物を養生してもうまく根付くことができ、さらに岩盤に移植した後でも長期間雨が降らなくても活着することができる。
本発明に適用される吸水性樹脂は特開2007−319029号公報に記載されたものが好適に使用できる。
植物育成用担体と吸水性樹脂を混合する場合は、これらを筒状容器内で混合してもよいが、別の容器で混合してから入れる方が均一になるので好ましい。また、これらを同時に入れて混合してもよいが、吸水性樹脂と水を混合して含水ゲルを作成した後、植物育成用担体を入れて混合するのが、吸水性樹脂が均一に含水ゲルになるので好ましい。
また、植物育成用担体と吸水性樹脂を先に混合して、混合した粉体を筒状容器に入れた後、上から水を入れる方法は作業性がよく効率的である。この場合は、筒状容器の長さの7〜8分目程度に混合した粉体を入れておくのがよい。
吸水性樹脂と水の割合は、吸水性樹脂の吸水倍率、植物の種類により異なるが、重量比で好ましくは1:10〜1:1000であり、より好ましくは1:20〜1:500である。1:10〜1:1000であれば、筒状容器内で植物が根付き開口部から根が出ていくことができ、植物を岩盤に移植した後も長期間植物が枯れることがない。
植物育成用担体と吸水性樹脂との比率は特に限定はないが、好ましくは植物育成用担体の重量に対して吸水性樹脂が0.5〜10重量%である。0.5重量%以上であると植物の根を枯らさないように給水することができ、10重量%以下であると吸水性樹脂が水を多く含んで膨潤し植物を固定しにくくなることがない。特に好ましくは0.2〜5重量%である。この範囲であると植物をさらにしっかりと固定しながら植物に十分給水することができる。
また、上記の植物育成用担体と吸水性樹脂の混合物としては、単に配合したものでもよいが、ペレット状のものが使いやすくて好ましい。ペレットとしては、上記吸水性樹脂および植物育成用担体を含んでペレット状にしたものなら限定はないが、その中でも無機質系植物育成用担体を二種以上含み、少なくとも一つの植物育成用担体が水により粘性を発現する鉱石系担体である水膨潤性のペレットが特に好ましい。
吸水性樹脂と上記植物育成用担体を混練・乾燥してペレットとしたものは、吸水性樹脂の粒子の中に担体の粉末が侵入するか、またはその逆の状態が形成され、両者が細部においてより均一になっている。したがって、単に土壌に吸水性樹脂の粒子を混合したものに比較して、植物は水や栄養分を同時に吸収しやすい状態、いわゆる植物の生育に有利な状態になっている。土壌に吸水性樹脂を単に配合したもの、または吸水性樹脂の水系ゲルのみの場合に比較して、植物の生育にとり有利となり、植物の生育が促進されると考えられる。また、細部において担体と吸水性樹脂が均一でより一体化され、しっかりとしたペレットであっても吸水性樹脂が吸水膨潤して早く崩壊して植物育成用媒体となることができる。このようなペレットとしては、特開2012−080788号公報、特開2012−080785号公報に記載の水膨潤性の植物育成用ペレットが好適に使用できる。
上記の混合物、ペレットには、肥料、植物生長ホルモン、抗菌剤、微量要素、防カビ剤などの当分野で公知の成分を含有させてもよい。肥料は、天然肥料でも、化学肥料であってもよいし、即効性肥料、遅効性肥料のいずれも使用することができる。
本発明は、筒状容器を土中に差し込む前に筒状容器をさらに別の筒の中に入れるか、または筒状容器の側面をシートで巻き、さらに植物の苗を養生した後に、該筒状容器を該筒から取り出しそのまま他の箇所の穴に挿入するか、または筒状容器を引き抜いて巻かれているシートを取り除いた後他の箇所の穴に挿入することを特徴とする植物を移植して育成する方法である。シートであると薄いので若干でも通気性があり、酸素の供給も可能である。厚さが厚い筒よりも有利であり、植物の養生に有利である。
ここで使用されるシートや筒の材質は、透水性であっても不透水であってもよく、養生期間中根を通さず、筒状容器を引き抜き時および移植時に破損しなければ限定はない。合成樹脂や天然樹脂などのプラスチック製であっても、木材や竹などの天然物製であっても、陶器などの窯業製のものであってもよい。好ましいのは、使いやすさ、経済性からプラスチック製である。通気性はあってもなくても良いが通気性があるのが外部から酸素の補給が見込めるので養生には好ましい。
シートとしては、不織布シートなどでも使用できるが、好ましくは熱可塑性樹脂で製造されたフィルム状シートである。材質としては、たとえばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニリデン等およびこれらの共重合体などが挙げられる。強度、耐久性、コストの点ではポリエチレン、ポリ塩化ビニリデンが好ましい。たとえば、食品用ラップなどの市販のフィルム状シートがそのまま使用できる。
筒については、筒の内径は筒状容器の外径と同等かわずかに大きければよい。筒状容器の形状、大きさに合わせて、できるだけ隙間を少なくして引き抜き時に容易に引き抜けるのが好ましい。長さについても土中において筒状容器と同じ長さかそれ以上であればよい。たとえば、塩ビパイプをカットしたものなど硬いものが好ましい。筒には底はなくてもよい。
筒状容器に、前記吸水性樹脂が混入された植物育成用担体および水を含む植物育成用媒体に植物を植えて養生し、養生後取り出し、移植先に形成された穴に上記植物が植えられた筒状容器をそのまま挿入して固定する。
移植する箇所は岩盤、硬い土、コンクリートのようなところだけでなく、砂地であっても通常の土壌であっても使用できる。
上記の混合物またはペレットを筒状容器に入れた後、植物の苗を植えて養生する。養生期間は植物によって異なるが、好ましくは1週間ないし数ケ月程度である。養生条件も植物によって異なるが、通常の養生条件が適用できる。養生する際には、筒状容器だけで養生してもよいが、土壌に穴を掘り、土壌になじませて育成すると根付くことができる。筒状容器の開口部がシートまたは筒で封鎖されているので、根が開口部から出ることは少ないが、筒の場合には筒と開口部との間で筒に沿って小さい根が出ることもあるが、筒状容器を筒から引き抜くのに影響は少ない。
養生とは別に、土中に植物を入れた筒状容器の入る穴を形成する。穴の形状は特に限定はないが、円筒状が好ましい。穴の大きさも限定はないが施工作業の面から40mm〜150mmが好ましい。特に削岩機を用いて穴をあける場合には、60mm〜80mmの大きさが好ましい。削岩機を用いると通常約75cmの幅の穴が形成される。土面が法面である場合には、穴は水平方向に対して容器の深さ方向の中心線が30°〜90°になるようにあけるのが好ましい。穴の深さは限定ないが、施工作業上40cm〜1mが好ましく、50〜70cmがより好ましい。
次に、植物が入った筒状容器を穴に挿入する。土壌が少ない箇所の穴には最初に半分程度上記の混合物またはペレットを入れておき続いて水を入れ、その後筒状容器を挿入するのが好ましい。挿入された筒状容器の入口がほぼ土面の表面と同レベルか若干高めの位置にくるようにし、その際に筒状容器と土表面の間の空隙にはその空隙を満たすように混合物またはペレットを入れるのが好ましい。このようにして筒状容器などを穴に固定することができ、植物の苗が固定されることになる。
植物は育成が進むと根が筒状容器の開口部を経由して外部の植物育成用媒体に根を出す。これによって植物は移植された箇所に根付くことになる。また底からも根が下に出る。土壌の場合はもちろんのこと、岩盤などの硬い箇所に亀裂があるとその亀裂に根が入り、土壌と一体化して根付く。植物は植えられた後、筒状容器の中だけでも生きることができるが、筒状容器の外にも同様に植物が育成できる植物育成用媒体がある方が根の勢いがあるので好ましい。
筒状容器に入れて緑化するための植物としては特に限定はないが、苗木が好ましい。苗木としては、緑化に通常用いられている各種の樹木の苗木を特に制限なく用いることができるが、その土地の周辺の植生に適合した植物や景観形成に役立つ植物を選択して用いるのがよい。たとえば、スダジイ、ツブラジイ、アラカシ、ウラジロガシ、シラカシ、アカガシ、タブノキ、ヤブニッケイ、シロダモ、ヤブツバキ、モチノキ、ヒサカキ、アオキ、ブナ、ミズナラ、ハウチワカエデ、ヤマモミジ、イタヤカエデ、シラカンバ、ダケカンバ、ミヤマザクラ、マユミ、ツリバナ、ケヤキ、ハルニレ、サワグルミ、カツラ、モミ属、ツガ属、マツ属、クロモジ、マンサク、アオキ、ヤブツバキ、ユズリハ、イヌツゲ、ヤマシキミ、シャクナゲ、ニチニチソウ、カエデ、チョウセンレンジュ、カシなどを選択することができる。これらの内マツ属などが好適に用いられる。
以下実施例にて本発明を説明するが、これらに限定されない。
(製造例1)筒状容器の作成
沸騰水に1時間浸漬して乾燥した厚さ1.0mm、幅25mm、45cmの二枚の同じ長さの木材(松)のスライス薄板の端を重ねて、一つのスライス薄板を心棒の軸に傾斜するように巻き回し、別のスライス薄板を逆方向に傾斜して巻き回し、最初に重ねた箇所とは180度逆になる反対側の箇所で二枚のスライス薄板を出合わせる。これを4セット作製し、両端を輪状のスライス木材に瞬間接着剤で接着して筒を作成した。この筒の一方に、幅2mm、長さ60mmの細い木の棒を落ちないように3個均等にとりつけて有底の筒状容器を作成した。
この筒状容器は内径5cm、外径6cm、長さ30cmの円筒状であり、側面の開口部は15ケ所(個)あり、開口部の合計面積(60cm)の側面の面積(565cm)に占める割合(比率)は10.6%であり、開口部1個当たりの面積は4cm/個であった。底の開口部は底の面積の約80%であった。
(製造例2)水膨潤性ペレット状植物育成用媒体の製造
バーミキュライト(市販バーミキュライトを2000μm以下に粉砕)60重量部、「PANGELB 40」(セピオライト、楠本化成社製、嵩密度200g/L)30重量部に吸水性樹脂(架橋ポリアクリル酸塩型、吸水倍率230g/g、電気伝導率1.7mS/cm、重量平均粒子径200μm、吸水速度 350秒)10重量部を加えて均一に混合したものを、「DF−17」(カルボニル基含有ポリビニルアルコール、日本酢ビポバール社製)の1.5重量%水溶液200重量部に加えてよく練りディスクペレッター型成形機にて径10〜20mmの団子状に成型後、温度120〜130℃で加熱乾燥して固形化し密度0.65g/cmのペレットを得た。このペレットを手で強く押さえたが形が崩れず保形性がよかった。またこのペレットに15倍の水を加えると膨潤して崩壊した。
(実施例、比較例)
上記に作成した筒状容器に、上記に製造したペレットを筒状容器の長さの7〜8分目まで入れた。そこにカエデの苗を植えた後、水150gを入れて吸水させた。同様にしてこれを15本作成した。その中の5本を筒状容器の側面を食品用ラップ(ポリ塩化ビニリデンフィルム、商品名:サランラップ、旭化成社製)で三重に巻き開口部を封鎖した(a1〜a5:実施例1)。別の5本を筒状容器がぎりぎり入る大きさ(塩ビ製、内径6cm、厚さ0.5cm、長さ30cm、底なし)の筒に入れた(b1〜b5:実施例2)。残りの5本はそのまま使用した(c1〜c5:比較例1)。
上記の3種類の筒状容器を土壌に穴を掘って埋めて3ケ月間養生した。養生後、筒状容器を取り出した。その状況を表1に示した。
岩盤法面に削岩機で直径64mm、深さ50mmの穴を、1段目に6本、2段目に5本、2m間隔で計15本あけた。この穴のそれぞれに上記のペレットを半分程度入れ、その上から養生時と同じ割合になるように水を入れた後、カエデの苗が入った筒状容器を穴に挿入した。隙間には上記のペレットと水の混合物を入れて固定した
この状態で2週間後に観察したが枯れていなかった。この2週間の間雨が降っていなかった。さらに6ケ月後に観察したが15本とも枯れることなく成長していた。
Figure 2016136853
本発明の方法を用いると、養生後筒状容器を引き抜きやすく、移植後も植物は十分に活着できることがわかる。
1 筒状容器
2 側面の開口部
3 底の開口部
4 木材のスライス薄板
5 底を形成する棒
6 輪状のスライス薄板

Claims (3)

  1. 側面に複数の開口部を有する有底の筒状容器を土中に差し込み、該筒状容器中で植物の苗を養生した後、該筒状容器を引き抜いて他の箇所の穴に挿入して植物を育成する方法であって、
    該筒状容器を土中に差し込む前に筒状容器をさらに別の筒の中に入れるか、または筒状容器の側面をシートで巻き、さらに植物の苗を養生した後に、該筒状容器を該筒から取り出しそのまま他の箇所の穴に挿入するか、または筒状容器を引き抜いて巻かれているシートを取り除いた後他の箇所の穴に挿入することを特徴とする植物を移植して育成する方法。
  2. 前記複数の開口部の夫々の面積の合計が側面の全表面積の3%以上40%以下であることを特徴とする請求項1記載の植物を移植して育成する方法。
  3. 前記筒状容器は、下記吸水性樹脂が混入された植物育成用媒体を入れた後、植物の苗を植えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の植物を移植して育成する方法。
    吸水性樹脂:吸水性樹脂1重量部を25℃のイオン交換水100重量部に吸水させた時の含水ゲルの電気伝導率が0〜2.0mS/cmであり、且つ25℃のイオン交換水の吸水倍率が80〜1000倍。
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WO2020235985A1 (es) * 2019-05-22 2020-11-26 Arreola Perez Maria Irene Maceta tubular fija para el cultivo de vegetales y su método de fabricación

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