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JP2016118115A - ロータリピストンエンジンの冷却装置 - Google Patents

ロータリピストンエンジンの冷却装置 Download PDF

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隆則 坂井
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昌直 山田
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裕孝 玉里
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Abstract

【課題】ホットゾーンとコールドゾーンとの冷却液を適切に分配し且つその流量を制御する制御弁をコンパクトに配置できるようにする。【解決手段】ロータリピストンエンジンの冷却装置は、ウォータポンプ20Aから、エンジン本体部1を構成するエンジンハウジング11のウォータジャケット12に導入部を介して冷却液を循環させる循環経路を備えている。ウォータジャケット12は、燃焼行程及び排気行程に対応するホットゾーンHと、吸気行程に対応するコールドゾーンCとに区画されている。エンジン本体部1には、ホットゾーンH及びコールドゾーンCにおける冷却液の排出経路が、エンジンの回転軸方向から見て吸気系路と排気系路との間に設けられている。排出経路には、ホットゾーンH及びコールドゾーンCへの各冷却液の分配を調整する分配調整バルブ30が配設されている。【選択図】図1

Description

本発明は、ロータリピストンエンジンの冷却装置に関する。
下記の特許文献1に記載されているように、ロータリピストンエンジンのロータハウジングとサイドハウジングとに、ホットゾーンを冷却するホットゾーン側冷却水通路とコールドゾーンを冷却するコールドゾーン側冷却水通路とが設けられ、ホットゾーン及びコールドゾーンの壁温に対応して、ホットゾーン側冷却水通路とコールドゾーン側冷却水通路とに供給するウォータポンプからの冷却水の水量を制御する制御弁を設けた構成が公知である。
実公平03−030592号公報
一方、ホットゾーン側冷却水通路とコールドゾーン側冷却水通路との冷却水量を制御する制御弁に加えて、ラジエータ以外の熱交換器、例えば空調用ヒータ及びオイルクーラ等、並びに冷却が必要な各種機器への冷却水の循環経路が必要であり、これらの複数の循環経路の各冷却水量を制御する流量制御弁も必要となる。
そこで、ホットゾーンとコールドゾーンとに、冷却水を適切に分配し且つその流量を制御する制御弁等をロータハウジングとサイドハウジングとを含むエンジン本体部の周囲にレイアウトする際には、該制御弁をコンパクトに配置する必要がある。
本発明は、上記の課題を解決し、ロータリピストンエンジンのエンジン本体部を2系統に冷却することにより、暖機の促進と冷却効果を高めつつ、ホットゾーンとコールドゾーンとの冷却液を適切に分配し且つその流量を制御する制御弁をコンパクトに配置したロータリピストンエンジンの冷却装置を提供する。
上記の課題を解決するため、本発明は、エンジンハウジングのウォータジャケットをホットゾーンとコールドゾーンとに区画し、冷却液の排出経路を吸気系路と排気系路との間に設けると共に、該排出経路には、ホットゾーン及びコールドゾーンへの各冷却液の分配を調整する分配調整弁を設けることを特徴とする。
具体的には、本発明は、ロータリピストンエンジンの冷却装置を対象とし、次のような解決手段を講じた。
すなわち、第1の発明は、ウォータポンプから、エンジン本体部を構成するエンジンハウジングのウォータジャケットに導入部を介して冷却液を循環させる循環経路を備えたロータリピストンエンジンの冷却装置であって、ウォータジャケットは、燃焼行程及び排気行程に対応するホットゾーンと、吸気行程に対応するコールドゾーンとに区画されており、エンジン本体部には、ホットゾーン及びコールドゾーンにおける冷却液の排出経路が、エンジンの回転軸方向から見て吸気系路と排気系路との間に設けられ、排出経路には、ホットゾーン及びコールドゾーンへの各冷却液の分配を調整する分配調整弁が配設されているものである。
これによれば、ウォータジャケットに区画されたホットゾーン及びコールドゾーンへの冷却液の分配を調整する分配調整弁を吸気経路と排気系路との間にコンパクトに配置しつつ、エンジンの暖機促進と冷却効果とを高めることができる。
第2の発明は、上記第1の発明において、冷却液の導入部は、ホットゾーンにおける点火プラグホールの近傍に設けられ、コールドゾーンは、圧縮行程側から吸気行程側へ冷却液を循環させる経路に形成されているものである。
これによれば、高温となる点火プラグホールの周辺部を効果的に冷却できると共に、ウォータジャケットのコールドゾーンに対応する吸気行程における吸気温度の上昇が抑制されて吸気密度が高まるので、吸気充填効率を向上することができる。
第3の発明は、上記第2の発明において、ウォータポンプは、エンジン本体部における点火プラグホールが配設された一側部に配置されており、エンジン本体部の一側部であって、分配調整弁を介してラジエータを含む複数の循環経路からウォータジャケットへ冷却液が流入する流入経路に配設され、各循環経路における冷却液の流量を制御する流量制御弁をさらに備えているものである。
これによれば、エンジン本体部におけるウォータポンプが配置される一側部に流量制御弁をコンパクトに配置できるので、各循環経路における冷却液の流量を容易に且つ確実に制御することができる。
本発明によれば、ロータリピストンエンジンのエンジン本体部をホットゾーンとコールドゾーンとの2系統に冷却することにより、暖機の促進と冷却効果とを高めつつ、該ホットゾーンとコールドゾーンとの冷却液を適切に分配し且つその流量を制御する制御弁をコンパクトに配置することができる。
図1(a)は一実施形態に係るロータリピストンエンジンを示す模式断面図であり、図1(b)は従来のロータリピストンエンジンを示す模式断面図である。 図2は一実施形態に係るロータリピストンエンジンの冷却装置を示す模式的な構成図である。 図3は一実施形態に係るロータリピストンエンジンの冷却装置を構成する流量制御バルブ及び分配調整バルブの配置を示す模式的な斜視図である。 図4は一実施形態に係るロータリピストンエンジンの冷却装置を構成する流量制御バルブ及び分配調整バルブの配置を示す模式的な他の斜視図である。 図5は一実施形態に係るロータリピストンエンジンの冷却装置が冷却対象とする各作動装置の配置及び構成を示す模式図である。 図6は一実施形態に係る各作動装置における冷間始動時から暖機完了後までの冷却液の流通の有無の一例を表わす一覧表である。 図7(a)〜図7(c)は一実施形態に係るロータリピストンエンジンの冷却装置における冷間始動後の実機による評価結果であり、図7(a)はホットゾーンにおける壁面の温度の時間依存性を冷却液の流通の有無で表すグラフであり、図7(b)はコールドゾーンにおける壁面の温度の時間依存性を冷却液の流通の有無で表すグラフであり、図7(c)はホットゾーンにおける冷却液の流通の有無と燃料消費率との関係を表すグラフである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物又はその用途を制限することを意図しない。
(一実施形態)
図1(a)は本実施形態に係るロータリピストンエンジンの断面構成を模式的に表し、図1(b)は従来のロータリピストンエンジンの断面構成を模式的に表している。
図1(a)及び図1(b)に示すように、ロータリピストンエンジン(以下、エンジン本体部と呼ぶ。)1は、ロータハウジング11を有し、該ロータハウジング11におけるトロコイド内周面(ロータの摺動面)の近傍には、冷却液を流通させるウォータジャケット12が配設されている。
ウォータジャケット12は、燃焼行程及び排気行程に対応するホットゾーンHと、吸気行程に対応するコールドゾーンCとに区画することができる。
例えば、図1(a)に示す本実施形態のウォータジャケット12においては、ロータハウジング11と隣接するインタミディエイトハウジング(図示せず)又はサイドハウジング(図示せず)の上部に設けられる排気口11aの下端部とトレーリング点火プラグTの下端部とを結ぶ仮想線の上側の領域がホットゾーンHとなり、該仮想線から下側で且つ吸気口11bを含む領域がコールドゾーンCとなる。
図1(a)に示すように、本実施形態に係るエンジン本体部1において、トレーリング点火プラグTの近傍には、例えば、機械式のウォータポンプ20Aが配設されている。ウォータジャケット12は、ウォータポンプ20Aからロータハウジング11の上部を通過する第1経路12aと、該ウォータポンプ20Aからロータハウジング11の下部を通過する第2経路12bとの2つの経路に分割されて形成されている。従って、第1経路12aは、ホットゾーンHを通過し、第2経路12bは、コールドゾーンCを通過する。
すなわち、冷却液の導入部は、ホットゾーンHにおける点火プラグホールの近傍に設けられている。また、コールドゾーンCは、圧縮行程側から吸気行程側へ冷却液を循環させる経路に形成されている。
さらに、ウォータポンプ20Aが配設されたエンジン本体部1の一方の側部には、該ウォータポンプ20Aと接続された流量制御バルブ20Bが、後述する分配調整バルブ30を介して、ラジエータを含む複数の循環経路からウォータジャケット12へ冷却液が流入する流入経路に配設されている。流量制御バルブ20Bは、各循環経路における冷却液の流量を制御することができる。ここで、流量制御バルブ20Bは、ウォータポンプ20Aと隣接して配置し、コンパクト化を高めるようにするのが好ましい。
また、冷却液の排出経路は、エンジン本体部1の回転軸(エキセントリックシャフト:偏心軸)方向から見て吸気系路(吸気口11b)と排気系路(排気口11a)との間に設けられている。分配調整バルブ30は、ホットゾーンH及びコールドゾーンCにおける冷却液の排出経路に配設されており、ホットゾーンH及びコールドゾーンCへの各冷却液の分配を調整することができる。
一方、図1(b)に示す従来のウォータジャケット12においては、インタミディエイトハウジング等の下部に設けられる排気口11aの上端部とトレーリング点火プラグTの上端部とを結ぶ仮想線の下側の領域がホットゾーンHとなり、該仮想線から上側で且つ吸気口11bを含む領域がコールドゾーンCとなる。機械式のウォータポンプ20Aはエンジン本体部1の上部に配設されており、ウォータジャケット12は、ウォータポンプ20Aからトロコイド内周面の周囲を1つの経路として設けられる。従って、従来のウォータジャケット12を流通する冷却液は、ウォータポンプ20Aが作動している間は、常にホットゾーンHとコールドゾーンCとを流通する。
ここで、本実施形態に係るエンジン本体部1と従来のエンジン本体部1とで、ホットゾーンHとコールドゾーンCとの位置が逆になっている。本実施形態に係るエンジン本体部1の場合は、一例として、該エンジン本体部1にターボ過給機を搭載する構成であることから、従来のエンジン本体部1に配設される排気口11aが下側となる構成では、排気を受けるターボ過給機がエンジン1の下部に位置することとなる。従って、例えばエンジンフードの位置を低く設定しようとすると、ターボ過給機がフレームと干渉する事態が生じる場合があり、本実施形態においては、ホットゾーンHを上側に設定して、ターボ過給機をエンジン1の上方に配置している。従って、ホットゾーンHを上側に設定し、コールドゾーンCをその下側に設定するという構成は、本発明とは無関係である。
ところで、図1(b)に示す従来のエンジン本体部1において、ウォータジャケット12に冷却液を流すと、ホットゾーンH及びコールドゾーンCのいずれにも冷却液が常時流れることになる。従って、従来のエンジン本体部1においては、暖機運転(昇温)時でも、ホットゾーンHが冷却液により冷却されてしまい、燃費効果を得られにくい。
これに対し、図1(a)に示す本実施形態に係るエンジン本体部1においては、ウォータジャケット12を第1経路12aと第2経路12bと分けることにより、いずれか一方の経路に冷却液を選択的に流通させることができる。例えば、暖機運転(昇温)時において、コールドゾーンCにのみ冷却液を流し、ホットゾーンHには冷却液を流さないようにすると、ホットゾーンHの昇温を促進することができ、燃費の低減効果を得ることができる。
その上、エンジン本体部1におけるウォータポンプ20Aが配置される一方の側部に流量制御バルブ20Bをコンパクトに配置できるので、各循環経路における冷却液の流量を容易に且つ確実に制御することができる。
また、ウォータジャケット12に区画されたホットゾーンH及びコールドゾーンCへの冷却液の分配を調整する分配調整バルブ30が、吸気経路と排気系路との間にコンパクトに配置されると共に、エンジン本体部1の暖機促進と冷却効果とを向上することができる。
また、流量制御バルブ20Bが、ホットゾーンHにおける点火プラグホールの近傍に設けられた冷却液の導入部に配設されていることから、高温となる点火プラグホールの周辺部を効果的に冷却できる一方、コールドゾーンCに対応する吸気行程における吸気温度の上昇が抑制されて吸気密度が高まるので、吸気充填効率を向上することができる。
図2は本実施形態に係るロータリピストンエンジンの冷却装置の模式的な構成を表している。図2に示すように、エンジン本体部1に循環経路13を介して冷却液を送出する機械式ウォータポンプ20Aと、該冷却液の流量を制御する複数のバルブ20b、20c及び20dを含む流量制御バルブ20Bと、流入口がエンジン本体部1に設けられた分配調整バルブ30と接続され、流出口が流量制御バルブ20Bのバルブ20bと接続されたラジエータ21と、流入口が分配調整バルブ30と接続され、流出口がラジエータ21の流入口及びバルブ20bと接続されたEGRクーラ22とを備えている。ここで、図2においては、流量制御バルブ20Bに含まれるバルブ20b、20c及び20dは、個別の3個のバルブから構成されているように図示しているが、これは便宜上に過ぎず、ロータリバルブ等によってコンパクトに構成することができる。
また、エンジン本体部1の分配調整バルブ30からの冷却液を受けるターボ過給機(T/C)用冷却器23と、その下流に位置し流出口がバルブ20cと接続されたEGRクーラバイパスバルブ用冷却器24と、分配調整バルブ30からの冷却液を受け、流出口がバルブ20cと接続された電子スロットルバルブ用温調器25と、分配調整バルブ30からの冷却液を受け、流出口がバルブ20cと接続された車両空調用ヒータ26と、分配調整バルブ30からの冷却液を受ける水冷オイルクーラ(O/C)27と、その下流に位置し流出口がバルブ20dと接続された、例えば自動変速器ウォーマ(ATF/W)用冷却器28とを備えている。
ここで、EGRとは、排気の一部を吸気に添加する手法である排気再循環をいう。また、自動変速器ウォーマ(ATF/W)用冷却器28は、手動変速器ウォーマ(MTF/W)であってもよい。
以上の構成により、本実施形態に係る冷却装置は、ウォータジャケット12を第1経路12aと第2経路12bとに分割すると共に、分配調整バルブ30の開度を適当に調節することにより、冷却液を第1経路12a及び第2経路12bの両方又はいずれか一方の経路に選択的に流通させることができる。
さらに、流量制御バルブ20Bの各バルブ20b〜20dの開度を適当に調節することにより、冷却液をターボ過給機用冷却器23、電子スロットルバルブ用温調器25、車両空調用ヒータ26又は水冷オイルクーラ27等々に選択的に流通させることができる。
図3及び図4に本実施形態に係るロータリピストンエンジンの冷却装置を構成する流量制御バルブ20B及び分配調整バルブ30のそれぞれの配置の一例を模式的に示す。図3及び図4に示すように、流量制御バルブ20Bは、例えば、三方(四方)調整用のロータリバルブとして、排気口11aと反対側の側部、すなわち点火プラグホール(図示せず)が設けられる側の側部に配設される。これに対し、図3及び図4に示すように、分配調整バルブ30は、例えば、二方調整用のロータリバルブとして、ロータリピストンの回転軸であるエキセントリックシャフトの軸方向から見て排気口11aと吸気口11bとの間の部位に配設される。
図5は本実施形態に係るロータリピストンエンジンの冷却装置が冷却対象とする、車両に搭載される主な作動装置(デバイス)の配置及び構成を模式的に表している。図5に示すように、EGRクーラ22は、エンジン本体部1からの排気管と分岐され、吸気管41におけるインタクーラ42の下流部分と接続されたEGR管40に配設された水冷式の冷却器である。また、EGRクーラバイパスバルブ24Aは、EGRクーラ22の上流側で分岐し、EGR管40における吸気管41との接続部の近傍に接続されるEGRバイパス管40aの下流側に設けられる。なお、EGRクーラバイパスバルブ24Aは、エンジン本体部1の低負荷時に開状態とされる。ターボ過給機23Aは、エンジン本体部1からの排気を受けるタービンと、該タービンと同軸上に設けられ、吸気を圧縮するコンプレッサとを有し、インタクーラ42の上流側に配設される。また、電子スロットルバルブ25Aは、吸気管41におけるインタクーラ42の下流側に設けられる。ここで、上述したように、実機においては、ターボ過給機23Aは、例えば、エンジン本体部1のホットゾーンHの上方に搭載される。
図6は本実施形態に係る各デバイスにおける冷間始動時から暖機完了後までの冷却液の流通の有無の一例を表形式で表している。図6において、矢印(→)が付与された欄は冷却液が流通する状態を表し、斜線(/)が付与された欄は冷却液が流通しない状態を表している。
図1(a)に示したように、エンジン本体部1においては、冷間始動時は、ウォータジャケット12に設けた第1経路12aには冷却液を流したくない。しかしながら、図2に示すグループAのデバイス、すなわち、電子スロットルバルブ用温調器25、ターボ過給機用冷却器23、EGRクーラバイパスバルブ用冷却器24及びオン状態の車両空調用ヒータ26は、冷間始動時であっても、冷却液を流通させるのが好ましい。なぜなら、図3に示したように、ターボ過給機23A及びEGRクーラバイパスバルブ24Aは、エンジン本体部1の始動の直後から排気を直接に受けることから温度上昇が激しく、また、電子スロットルバルブ25Aは、氷結防止等のために冷却水を流して温度調節を行うからである。また、車両空調用ヒータ26は、手動又は自動でオン状態となれば、冷却液を流す必要がある。
このように、冷間始動時には、エンジン本体部1のウォータジャケット12におけるホットゾーンHを通る第1経路12aは、分配調整バルブ30によって閉状態とするものの、コールドゾーンCを通る第2経路12bを適当に開状態とすることにより、図6に示すように、グループAのデバイスには所定の流量の冷却液を流通させることが可能となる。なお、図2に示すように、グループAのデバイスは、流量制御バルブ20Bにおけるバルブ20cの開度の調節により、冷却液の流量を調整することができる。同様に、ラジエータ21及びEGRクーラ22はバルブ20bの開度の調節により、水冷オイルクーラ27及び自動変速器ウォーマ用冷却器28はバルブ20dの開度の調節により、それぞれ、冷却液の流量を調整することができる。
図6をさらに説明すると、暖機判定において、冷却液の温度が所定の温度に達していると判定された場合には、分配調整バルブ30の開度の調節により、コールドゾーンCに加え、ホットゾーンHに対しても、すなわちウォータジャケット12の第1経路12aに対しても冷却液を流し始める。さらに、流量制御バルブ20Bのバルブ20bを適当な開状態とすることにより、ラジエータ21及びEGRクーラ22に冷却液を流す。暖機判定で冷却液の温度が所定の温度未満と判定された場合の「半暖機」状態においては、流量制御バルブ20Bのバルブ20dを適当な開状態とすることにより、水冷オイルクーラ27及び自動変速器ウォーマ用冷却器28に冷却液を流す。
流量制御バルブ20Bにおける各バルブ20b〜20dによる流量の調整は適宜行うことができ、例えば、冷間始動時及び低負荷時の流量は少量でもよく、また、暖機完了後の高負荷運転時にはその流量を増量してもよい。
以上説明したように、エンジン本体部1の冷間始動時には、該エンジン本体部1のウォータジャケット12におけるホットゾーンHには冷却液を流さず、コールドゾーンCにのみ冷却液を流す。これにより、燃費の改善効果だけでなく、エンジン本体部1の構成部材に対する不具合の発生を防止することができる。具体的には、エンジン本体部1の動作中において、ホットゾーンHは、燃焼ガスの温度が高いため、エンジン本体部1のハウジングの壁面の温度が高いほど、燃焼の損失の低減効果が大きい。また、ホットゾーンHは、燃焼ガスの圧力が高いため、ロータの摺動面の温度が高いほど、ロータとその摺動面との間に介在する油膜の粘度が適切となり、且つ、その膜厚も適切となる。これにより、アペックスシール、サイドシール及びコーナシールを含むガスシールの摩擦損失の低減効果が大きくなる。
これに対し、コールドゾーンCには燃焼熱が伝わりにくいため、冷却液を冷間始動時から流しても、その損失は小さい。
図7(a)〜図7(c)に本実施形態に係るロータリピストンエンジンの冷却装置における冷間始動後の実機による評価結果であり、図7(a)はホットゾーンHにおける壁面の温度の時間依存性を冷却液の流通の有無で表し、図7(b)はコールドゾーンCにおける壁面の温度の時間依存性を冷却液の流通の有無で表し、図7(c)はホットゾーンHにおける冷却液の流通の有無と燃料消費率との関係を表している。
図7(a)からは、冷却液をホットゾーンHに流す場合(水流あり)は、冷間始動時から所定時間後の壁面の温度は約70℃であり、冷却液をホットゾーンHに流通させない場合(水流停止)は、始動後から所定時間後の壁面の温度は約130℃にまで上昇していることが分かる。
これに対し、図7(b)からは、冷却液をコールドゾーンCに流通させる場合(水流あり)は、冷間始動時から所定時間後の壁面の温度は約45℃であり、冷却液をホットゾーンHに流通させない場合(水流停止)は、始動後から所定時間後の壁面の温度は約62℃である。
これらのことから、冷間始動時からホットゾーンHに冷却液を流すと暖機が遅れ、これとは逆に、冷間始動中にホットゾーンHに冷却液を流さないことにより暖機が速くなることが分かる。従って、上述した壁面の温度が高いほど、燃焼の損失の低減効果が大きいこと、また、壁面の温度が高いほど、ガスシールの摩擦損失の低減効果が大きくなることの効果を得られることが実証される。
また、図7(c)からは、冷間始動中にホットゾーンHに冷却液を流通させないことにより、燃料消費率が低下していることが分かる。
なお、上記の一実施形態は、図1(a)に示すロータリピストンエンジン1に適応した例を示したが、図1(b)に示す従来のエンジン1においても、ホットゾーンHとコールドゾーンCとに区分し、ウォータジャケット12を、ホットゾーンHを通過する第1経路と、コールドゾーンCを通過する第2経路との2つの経路に分割形成し、本発明を適応するようにしてもよい。
−効果−
以上より、本実施形態によれば、ロータリピストンエンジンのエンジン本体部1を、ホットゾーンH及びコールドゾーンCの2系統として、それぞれを選択的に冷却することにより、暖機の促進と冷却効果とを高めることができる。その上、ホットゾーンHとコールドゾーンCとに冷却液を適切に分配する分配調整バルブ30と、冷却液の流量を複数の循環経路ごとに制御する流量制御バルブ20Bとをコンパクトに配置することができる。
本発明に係るロータリピストンエンジンの冷却装置は、暖機の促進と冷却効果とを高める構成をコンパクトに実現できる用途等に適用することができる。
1 ロータリピストンエンジン(エンジン本体部)
11 ロータハウジング(エンジンハウジング)
11a 排気口
11b 吸気口 輪郭
12 ウォータジャケット
12a 第1経路
12b 第2経路
13 循環経路
20A 機械式ウォータポンプ(ウォータポンプ)
20B 流量制御バルブ(流量制御弁)
20b、20c、20d バルブ
21 ラジエータ
22 EGRクーラ
23 ターボ過給機用冷却器
23A ターボ過給機
24 EGRクーラバイパスバルブ用冷却器
24A EGRクーラバイパスバルブ
25 電子スロットルバルブ用温調器
25A 電子スロットルバルブ
26 車両空調用ヒータ
27 水冷オイルクーラ
28 自動変速器ウォーマ用冷却器
30 分配調整バルブ(分配調整弁)

Claims (3)

  1. ウォータポンプから、エンジン本体部を構成するエンジンハウジングのウォータジャケットに導入部を介して冷却液を循環させる循環経路を備えたロータリピストンエンジンの冷却装置において、
    前記ウォータジャケットは、燃焼行程及び排気行程に対応するホットゾーンと、吸気行程に対応するコールドゾーンとに区画されており、
    前記エンジン本体部には、前記ホットゾーン及び前記コールドゾーンにおける冷却液の排出経路が、エンジンの回転軸方向から見て吸気系路と排気系路との間に設けられ、
    前記排出経路には、前記ホットゾーン及び前記コールドゾーンへの各冷却液の分配を調整する分配調整弁が配設されているロータリピストンエンジンの冷却装置。
  2. 請求項1において、
    冷却液の前記導入部は、前記ホットゾーンにおける点火プラグホールの近傍に設けられ、
    前記コールドゾーンは、圧縮行程側から吸気行程側へ冷却液を循環させる経路に形成されているロータリピストンエンジンの冷却装置。
  3. 請求項2において、
    前記ウォータポンプは、前記エンジン本体部における前記点火プラグホールが配設された一側部に配置されており、
    前記エンジン本体部の前記一側部であって、前記分配調整弁を介してラジエータを含む複数の循環経路から前記ウォータジャケットへ冷却液が流入する流入経路に配設され、前記各循環経路における冷却液の流量を制御する流量制御弁をさらに備えているロータリピストンエンジンの冷却装置。
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