JP2016115852A - 太陽電池モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】耐久性が高く、コスト的にも有利で、発電に寄与しない波長域の光を発電に寄与する波長域の光に波長変換することにより太陽電池セルの光電変換効率を向上させることが可能な太陽電池モジュールを提供する。【解決手段】入射光側に微小な凹凸構造の表面をもつ太陽電池セル30、および、波長変換層20を有することを特徴とする太陽電池モジュール1。【選択図】図2
Description
本発明は、特に太陽電池用途に好適である波長変換層を用いた太陽電池モジュールに関する。より詳しくは、波長変換型封止材層などの波長変換層を備え、かつ、入射光側に微小な凹凸構造の表面をもつ太陽電池セルを有し、発電に寄与しない波長域の光を発電に寄与する波長域の光に波長変換することにより発電効率を高くしうる太陽電池モジュールに関する。
太陽エネルギーの利用により、従来の化石燃料に対する有望な代替エネルギー源が提供され、したがって、太陽エネルギーを電気に変換することができるデバイスの開発、たとえば、光起電デバイス(これはまた、太陽電池として知られている)などの開発が近年では大きく注目されている。いくつかの異なるタイプの成熟した光起電デバイスが開発されており、これらには、例をいくつかあげると、シリコン系デバイス、III−VおよびII−VIのPN接合デバイス、銅−インジウム−ガリウム−セレン(CIGS)薄膜デバイス、有機増感剤デバイス、有機薄膜デバイス、ならびに、硫化カドミウム/テルル化カドミウム(CdS/CdTe)薄膜デバイスが含まれる。これらのデバイスに関してのより詳細が、文献などに見出され得る(たとえば、非特許文献1参照)。しかしながら、これらのデバイスの多くの光電変換効率は依然として改善の余地があり、この効率を改善するための技術を開発することが、多くの研究者にとっては進行中の課題である。
上記変換効率の向上のため、入射光のうち光電変換に寄与しない波長(たとえば、紫外線領域)を光電変換に寄与する波長に変換する、波長変換機能を備えた太陽電池が検討されている(たとえば、特許文献2等参照)。上記検討では、蛍光体粉末を樹脂原料と混合して、発光性パネルを形成する方法が提案されている。
一方、太陽電池内部に効率よく入射光が吸収されるような試みとして、たとえば、機械的加工法(たとえば、特許文献3参照)や反応性イオンエッチング法(たとえば、特許文献4、5参照)等、結晶面方位に依存しないテクスチャー(微小な凹凸)形成方法、多孔質シリコンをテクスチャー構造として利用する方法として、電気化学反応法(たとえば、特許文献6参照)や化学エッチング法(たとえば、特許文献7参照)などが提案されている。上記提案は、微小凹凸によって入射光が多重反射されることで、太陽電池内部に効率よく入射光が吸収されるように試みたものである。
しかしながら、本願出願人らが鋭意検討したところによると、上記提案は、単に太陽電池セルの表面をそのまま評価する場合には有意の入射光の吸収効果の向上が認められても、これまで実際に使用される実装形態では、上記提案による光電変換効率の向上効果は有意のものではなかった。さらに、本願出願人らは、実際に太陽電池セルを封止したモジュールとする場合には劣化を抑制するための通常紫外線吸収剤等の耐候剤や光安定剤なども封止材層などに含まれるが、これらの耐候剤などによって入射光が減少すること等により、上記提案による微小凹凸によって入射光を多重反射させる効果が有意になるほどの光量が太陽電池セルに十分到達していないことが要因であることを見出した。
本発明は、このような事情に照らし、耐久性が高く、コスト的にも有利で、発電に寄与しない波長域の光を発電に寄与する波長域の光に波長変換することにより太陽電池セルの光電変換効率を向上させることが可能な太陽電池モジュールを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、以下に示す太陽電池モジュールにより上記目的を達成できることを見出して、本発明を完成するに至った。
本発明の太陽電池モジュールは、入射光側に微小な凹凸構造の表面をもつ太陽電池セル、および、波長変換層を有することを特徴とする。
太陽電池により光電変換される太陽光の波長は特定の波長域に限られているが、本発明の太陽電池モジュールを用いることにより、これまで発電に寄与せずにロスしていたより短波長域の光を長波長側に効果的に変換して発電に寄与しうる光としてより有効活用することができる。また、本発明の波長変換層は、第1の波長を有する少なくとも1つの光子を入力として受け入れて、第1の波長よりも長い(大きい)第2の波長を有する少なくとも1つの光子を出力として与え、この過程で波長変換層としての機能を発現するものである。また、本発明の太陽電池モジュールは、少なくとも、入射光が、太陽電池セルへの到達に先だって、上記波長変換層を通過するように配置される。上記構成とすることで、太陽エネルギーのより広い範囲のスペクトルが電気に変換されることが可能となり、光電変換効率を効果的に高めることができる。
また、ほとんどの太陽電池用封止材には、部材の劣化の防止目的として紫外線吸収剤などの耐候剤や光安定剤等が添加されている。このため、従来は、微小凹凸によって入射光が多重反射されることで太陽電池内部に効率よく入射光が吸収される効果を付与しよとしても、封止材等を実装してモジュール化した時には、上記微小凹凸によって入射光が多重反射させる効果が有意なものとすることが困難であった。しかしながら、本発明の太陽電池モジュールを用いることにより、入射光側に微小な凹凸構造の表面をもつ太陽電池セルを用いた場合、入射光の減少をもたらしうる紫外線吸収剤などの耐候剤を必要としない、または、使用量を減少させうるため、従来にくらべて、上記微小凹凸によって入射光を多重反射させる効果を実装時もより効果的に発現させることが可能となる。さらには、本発明の太陽電池モジュールを用いることにより、上述の波長変換機能によって太陽電池セルへの入射光自体を増加するとともに、上記微小凹凸によって入射光を多重反射させる効果をより効果的に向上させる相乗効果を得ることが可能となる。
また、本発明の太陽電池モジュールにおいて、前記表面が、300nm以上400nm未満の反射率の平均値(a)が30%以下であり、400nm以上700nm以下の反射率の平均値(b)が20%以下であることが好ましい。上記構成を有する太陽電池モジュールを用いることにより、本来反射率が高く、従来の太陽電池モジュールでは光電変換に用いることが困難であった300〜400nmの短波長側の紫外線領域の光を、光電変換効率の向上に効果的に用いることができ得る。
また、本発明の太陽電池モジュールにおいて、下記式(1)の値が1.5〜15.0であることが好ましい。上記構成を有する太陽電池モジュールを用いることにより、本来反射率が高く、従来の太陽電池モジュールでは光電変換に用いることが困難であった光電変換効率の向上により効果的に用いることができ得る。
[式(1)]
[前記平均値(a)]/[前記平均値(b)]
[式(1)]
[前記平均値(a)]/[前記平均値(b)]
また、本発明の太陽電池モジュールにおいて、上記波長変換層が、波長変換型封止材層であることができる。上記波長変換層が波長変換型封止材層であることにより、従来の封止材による入射光が減少する影響を低減するとともに、太陽電池セルの光電変換効率を向上させる効果をより効果的なものとすることができ得る。
また、本発明の太陽電池モジュールにおいて、前記波長変換型封止材層に含まれる紫外線吸収剤の濃度が0.001重量%以下とすることが可能である。上記波長変換層が波長変換型封止材層であることにより、従来の封止材による入射光が減少する影響を低減するとともに、太陽電池セルの光電変換効率を向上させる効果をより効果的なものとすることができ得る。
また、本発明の太陽電池モジュールにおいて、上記太陽電池セルが、結晶シリコン太陽電池、アモルファスシリコン太陽電池、微結晶シリコン太陽電池、薄膜シリコン太陽電池、ヘテロ接合型太陽電池、多接合型太陽電池、硫化カドミウム/テルル化カドミウム太陽電池、CIS系薄膜太陽電池、CIGS系薄膜太陽電池、CZTS系薄膜太陽電池、III−V族太陽電池、色素増感型太陽電池、または、有機半導体太陽電池とすることができる。上記太陽電池モジュールは、上記太陽電池セルを積層する太陽電池モジュールに用いることでより効果的に光電変換効率をより向上させることができる。特に、シリコン太陽電池においては、紫外線領域において光電変換効率が低いという問題があった。上記太陽電池モジュールでは、この波長領域もより効果的に光利用することが可能となる。
また、本発明の太陽電池モジュールにおいて、上記波長変換層が、紫外線を吸収して、吸収した光より長い波長の光に変換する有機物または無機物を1つ以上含むものとすることができる。上記構成を有する太陽電池モジュールを用いることにより、より簡便で所望の波長変換機能を付与しやすくなる。
また、本発明の太陽電池モジュールにおいて、上記有機物が、ペリレン誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾチアジアゾール誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、フルオレン誘導体、希土類元素のユーロピウムを中心金属元素とする有機金属錯体、サマリウムを中心金属元素とする有機金属錯体、および、有機無機ハイブリッド素材からなる群から選ばれる1つを少なくとも含むものとすることができる。
また、本発明の太陽電池モジュールにおいて、上記無機物が、酸化亜鉛系蛍光体、硫化亜鉛系蛍光体、アルミン酸塩系蛍光体、リン酸塩系蛍光体、ハロリン酸カルシウム系蛍光体、および、希土類酸化物系蛍光体等からなる群から選ばれる1つを少なくとも含むものとすることができる。
また、本発明の太陽電池モジュールにおいて、上記波長変換層が、光学的に透明なマトリックス樹脂を含み、上記ポリマーマトリックスが、ポリエチレンテレフタレート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリビニルアセテート、ポリエチレンテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類、ポリイミド、非晶質ポリカーボネート、シロキサンゾル−ゲル、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエーテルサルフォン、ポリアリレート、エポキシ樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、および、シリコーン樹脂からなる群から選ばれる1つを少なくとも含むものとすることができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の太陽電池モジュールは、入射光側に微小な凹凸構造の表面をもつ太陽電池セル、および、波長変換層を有することを特徴とする。
(波長変換層)
本発明の波長変換層は、第1の波長を有する少なくとも1つの光子を入力として受け入れて、第1の波長よりも長い(大きい)第2の波長を有する少なくとも1つの光子を出力として与え、この過程で波長変換層としての機能を発現するものを適宜用いることができる。
本発明の波長変換層は、第1の波長を有する少なくとも1つの光子を入力として受け入れて、第1の波長よりも長い(大きい)第2の波長を有する少なくとも1つの光子を出力として与え、この過程で波長変換層としての機能を発現するものを適宜用いることができる。
上記波長変換層として、たとえば、紫外線を吸収して、吸収した光より長い波長の光に変換する有機物または無機物を1つ以上含むものを用いることが好ましい。また、上記有機物または無機物が吸収する光の波長が300〜400nmであることが好ましく、300〜360nmであってもよく、330〜350nmであってもよい。また、また、上記有機物または無機物が変換して放出(発光)する光の波長が400〜700nmであることが好ましく、400〜550nmであってもよく、410〜530nmであってもよい。上記構成を有する太陽電池モジュールを用いることにより、本来反射率が高く、従来の太陽電池モジュールでは光電変換に用いることが困難であった300〜400nmの短波長側の紫外線領域の光を、光電変換効率の向上に効果的に用いることができ得る。
また、本発明の太陽電池モジュールにおいて、上記波長変換層が、波長変換型封止材層であることができる。また、上記波長変換層が、太陽電池モジュール中の1つまたは複数の層であってもよい。また、上記波長変換層が、太陽電池セルに直接蒸着されて形成されたものであってもよい。上記波長変換層が波長変換型封止材層である場合、従来の封止材による入射光が減少する影響を低減するとともに、太陽電池セルの光電変換効率を向上させる効果をより効果的なものにし得る。また、上記波長変換層が他の封止材層とともに用いられる場合には、他の封止材層が紫外線吸収剤などの耐候剤や光安定剤等を含まない封止材であることが、光電変換効率の向上には好ましいが、所望の用途や性能に併せてもよく併用は排除されない。
また、上記波長変換層が波長変換型封止材層である場合、後述の波長変換型封止材組成物を用いて形成することができる。また、上記波長変換層が波長変換型封止材層以外の1つまたは複数の層である場合も、後述の波長変換型封止材組成物を適宜波長変換層を形成しうる波長変換組成物として読み替えることで、波長変換層を形成することができ得る。
(波長変換型封止材組成物)
本発明の波長変換型封止材組成物は、紫外線を吸収して、吸収した光より長い波長の光に変換する有機物または無機物を含む。なお、以下波長変換型封止材組成物に関する記載は、封止材層以外の層としての波長変換層の場合にも適宜読み替えて適用される。
本発明の波長変換型封止材組成物は、紫外線を吸収して、吸収した光より長い波長の光に変換する有機物または無機物を含む。なお、以下波長変換型封止材組成物に関する記載は、封止材層以外の層としての波長変換層の場合にも適宜読み替えて適用される。
本発明における有機物または無機物とは、紫外線を吸収して、吸収した光より長い波長の光に変換する有機物または無機物である。言い換えると、第1の波長を有する少なくとも1つの光子を入力として受け入れて、第1の波長よりも長い(大きい)第2の波長を有する少なくとも1つの光子を出力として与えうる有機物または無機物である。上記有機物には、有機化合物だけでなく、有機金属錯体や有機無機ハイブリッド素材、および、色素部位を含有するオリゴマー化合物や色素部位を含有する高分子化合物も含まれうる。また、上記無機物には、無機化合物だけでなく、酸化物、硫化物、酸硫化物、窒化物、酸窒化物などの無機蛍光体および、結晶母体に希土類元素などを賦活させた無機蛍光体等も含まれうる。なお、上記有機物および無機物は、各々単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよく、有機物と無機物を混合して使用してもよい。
また、本発明において、上記有機物または無機物の極大吸収波長λabsが300〜400nmであることが好ましく、300〜360nmであってもよく、330〜350nmであってもよい。
また、本発明において、上記有機物または無機物の極大発光波長λemが350〜450nmであることが好ましく、380〜440nmであってもよく、400〜420nmであってもよい。上記有機物または無機物を用いることにより、光電変換効率をより向上させることができる。
また、上記有機物として、有機蛍光化合物があげられる。上記有機蛍光化合物として、公知の有機色素化合物(有機色素、有機蛍光染料など)を用いることができる。上記有機蛍光化合物として、たとえば、ペリレン誘導体、ピレン誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、ベンゾチアジアゾール誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、ベンゾイミダゾリン誘導体、ベンゾピラゾール誘導体、インドール誘導体、イソインドール誘導体、プリン誘導体、ピリミジン誘導体、ピラジン誘導体、トリアジン誘導体、芳香族イミド誘導体、ベンゾオキサゾイル誘導体、クマリン誘導体、スチレンビフェニル誘導体、ピラゾロン誘導体、ビス(トリアジニルアミノ)スチルベンジスルホン酸誘導体、ビススチリルビフェニル誘導体、ビスベンゾオキサゾリルチオフェン誘導体、ペンタセン誘導体、フルオレセン誘導体、ローダミン誘導体、アクリジン誘導体、フラボン誘導体、フルオレン誘導体、シアニン系色素、ローダミン系色素、および、多環芳香族炭化水素などをあげることができる。なかでも、上記第1の有機物が、ペリレン誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾチアジアゾール誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、および、フルオレン誘導体からなる群から選ばれる1つを少なくとも含むものとすることが好ましい。
また、上記有機蛍光化合物として、より具体的には、たとえば、ナフタルイミド、ペリレン、アントラキンノン、クマリン、ベンゾクマリン、キサンテン、フェノキサジン、ベンゾ[a]フェノキサジン、ベンゾ[b]フェノキサジン、ベンゾ[c]フェノキサジン、ナフタルイミド、ナフトラクタム、アズラクトン、メチン、オキサジン、チアジン、ジケトピロロピロール、キナクリドン、ベンゾキサンテン、チオーエピンドリン、ラクタムイミド、ジフェニルマレイミド、アセトアセトアミド、イミダゾチアジン、ベンズアントロン、ペリレンモノイミド、フタルイミド、ベンゾトリアゾール、ベンゾチアジアゾール、ベンゾオキサゾール、ピリミジン、ピラジン、トリアゾール、ジベンゾフラン、トリアジン、およびこれらの誘導体、ならびに、ハルビツール酸誘導体などをあげることができる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
また、上記有機物として、有機金属錯体があげられる。上記有機金属錯体として、公知の希土類金属の有機錯体等を用いることができる。上記有機金属錯体として、その中心金属元素の希土類元素については特に制限されず、たとえば、スカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウムなどをあげることができる。なかでも、ユーロピウムまたはサマリウムが好ましいものとしてあげることができる。特に波長変換効率の観点から、ユーロピウム錯体またはサマリウム錯体の少なくとも1種であることが好ましい。
また、上記有機錯体を構成する配位子として、特に制限されることなく、用いる金属に応じて適宜選択することができる。なかでも、ユーロピウムまたはサマリウムの少なくとも1種と錯体を形成可能な配位子であることが好ましい。上記配位子については、中性配位子である、カルボン酸、含窒素有機化合物、含窒素芳香族複素環化合物、β−ジケトン類、およびフォスフィンオキサイドから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
上記カルボン酸としては、たとえば、酪酸、ステアリン酸、オレイン酸、ヤシ油脂肪酸、t−ブチルカルボン酸、コハク酸等の脂肪族カルボン酸、安息香酸、ナフトエ酸、キノリンカルボン酸などの芳香族カルボン酸などをあげることができる。
含窒素有機化合物としては、たとえば、アルキルアミン、アニリン等の芳香アミン、含窒素芳香族複素環式化合物などがあげることができ、具体的には1,10−フェナントロリンまたは、ビピリジルなどをあげることができる。また、イミダゾール、トリアゾール、ピリミジン、ピラジン、アミノピリジン、ピリジンおよびその誘導体、アデニン、チミン、グアニン、シトシンなどの核酸塩基、および、その誘導体なども用いることができる。
βージケトン類としては、たとえば、1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオン、アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、ジベンゾイルアセトンジイソブチロメタン、ジビパロイルメタン、3−メチルペンタンー2,4ジオン、2,2−ジメチルペンタンー3,5−ジオン、2−メチルー1,3−ブタンジオン、1,3−ブタンジオン、3−フェニルー2.4ーペンタンジオン、1,1,1−トリフロロー2,4−ペンタンジオン、1,1,1−トリフロロー5,5−ジメチルー2,4−ヘキサンジオン、2,2,6,6−テトラメチルー3,5−ヘプタンジオン、3−メチルー2,4−ペンタンジオン、2−アセチルシクロペンタノン、2−アセチルシクロヘキサノン、1−ヘプタフロロプロピルー3−t−ブチル−1、3−プロパンジオン、1,3−ジフェニルー2−メチルー1,3プロパンジオン(ジフェニルアセチルアセトン)、1−エトキシー1,3−ブタンジオンなどをあげることができる。中でも、1,3−ジフェニルー1,3−プロパンジオン、アセチルアセトン、ベンゾイルアセトンが好ましい。
また、上記有機物として、下記一般式I−a、一般式I−b、一般式II−a、一般式II−b、一般式III−a、一般式III−bおよび一般式IVによって表される発色団を好ましい例としてあげることができる。
一般式I−a、一般式I−b、一般式II−a、一般式II−b、一般式III−a、一般式III−bおよび一般式IVによって表される発色団は、波長変換フィルムを含めて、様々な適用において蛍光色素として有用である。これらの式において示されるように、色素はベンゾ複素環系を含む。本発明の範囲を限定することはないが、使用することができる化合物のタイプに関するさらなる詳細および実例が下記に記載される。また、特開2013−72087号公報の内容も、以下とともに本明細書に組み込まれるものとする。
本明細書中で使用される用語「アルキル」は、分岐しているか、または線状である完全に飽和した非環式脂肪族炭化水素基(すなわち、炭素および水素から構成され、二重結合または三重結合を全く含有しない)を示す。アルキルには、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第三級ブチル、ペンチルおよびヘキシルなどが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書中で使用される用語「ヘテロアリール」は、1つの環または多数の縮合した環であろうとも、1つまたは複数のヘテロ原子を含む芳香族基を示す。2つ以上のヘテロ原子が存在するとき、これらのヘテロ原子は同じまたは異なっていてもよい。縮合した環系においては、1つまたは複数のヘテロ原子が環の1つだけに存在していてもよい。ヘテロアリール基の例には、ベンゾチアジル、ベンゾオキサジル、キナゾリニル、キノリニル、イソキノリニル、キノキサリニル、ピリジニル、ピロリル、オキサゾリル、インドリルおよびチアジルなどが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書中で使用される用語「シクロアルキル」は、3個〜20個の炭素原子を有する飽和した脂肪族環系基を示し、これには、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルなどが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書中で使用される用語「アルケニル」は、炭素の二重結合を含有する2個〜20個の炭素原子からなる一価の直鎖基または分岐鎖基を示し、これには、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニルおよび2−ブテニルなどが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書中で使用される用語「アリール」は、1つの環または多数の縮合した環であろうとも、同素環式の芳香族基を示す。アリール基の例には、フェニル、ナフチル、フェナントレニル、ナフタセニル、フルオレニルおよびピレニルなどが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書中で使用される用語「ヘテロアリール」は、1つの環または多数の縮合した環であろうとも、1つまたは複数のヘテロ原子を含む芳香族基を示す。2つ以上のへテロ原子が存在するとき、これらのヘテロ原子は同じまたは異なっていてもよい。縮合した環系においては、1つまたは複数のヘテロ原子が環の1つだけに存在していてもよい。ヘテロアリール基の例には、ベンゾチアジル、ベンゾオキサジル、キナゾリニル、キノリニル、イソキノリニル、キノキサリニル、ピリジニル、ピロリル、オキサゾリル、インドリルおよびチアジルなどが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書中で使用される用語「ヘテロ原子」は、S(イオウ)、N(窒素)およびO(酸素)を示す。
本明細書中で使用される場合、置換された基は、1つまたは複数の水素原子が別の原子または基に交換されていることを有する置換されていない親構造に由来する。置換されるとき、当該置換基(1つまたは複数)は、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルケニル、C1〜C6アルキニル、C3〜C7シクロアルキル(これは、ハロ、アルキル、アルコキシ、カルボキシル、ハロアルキル、CN、−SO2−アルキル、−CF3および−OCF3により場合により置換される)、ジェミナル結合するシクロアルキル(cycloalkyl geminally attached)、C1〜C6ヘテロアルキル、C3〜C10ヘテロシクロアルキル(例えば、テトラヒドロフリル)(これは、ハロ、アルキル、アルコキシ、カルボキシル、CN、−SO2−アルキル、−CF3および−OCF3により場合により置換される)、アリール(これは、ハロ、アルキル、C1〜C6アルキルにより場合により置換されるアリール、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、カルボキシル、アミノ、イミド、アミド(カルバモイル)、場合により置換された環状イミド、環状アミド、CN、−NH−C(=O)−アルキル、−CF3および−OCF3により場合により置換される)、アリールアルキル(これは、ハロ、アルキル、アルコキシ、アリール、カルボキシル、CN、−SO2−アルキル、−CF3および−OCF3により場合により置換される)、ヘテロアリール(これは、ハロ、アルキル、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、カルボキシル、CN、−SO2−アルキル、−CF3および−OCF3により場合により置換される)、ハロ(例えば、クロロ、ブロモ、ヨードおよびフルオロ)、シアノ、ヒドロキシ、場合により置換された環状イミド、アミノ、イミド、アミド、−CF3、C1〜C6アルコキシ、アリールオキシ、アシルオキシ、スルフヒドリル(メルカプト)、ハロ(C1〜C6)アルキル、C1〜C6アルキルチオ、アリールチオ、モノ(C1〜C6)アルキルアミノおよびジ(C1〜C6)アルキルアミノ、第四級アンモニウム塩、アミノ(C1〜C6)アルコキシ、ヒドロキシ(C1〜C6)アルキルアミノ、アミノ(C1〜C6)アルキルチオ、シアノアミノ、ニトロ、カルバモイル、ケト(オキシ)、カルボニル、カルボキシ、グリコリル、グリシル、ヒドラジノ、グアニル、スルファミル、スルホニル、スルフィニル、チオカルボニル、チオカルボキシ、スルホンアミド、エステル、C−アミド、N−アミド、N−カルバマート、O−カルバマート、ウレア、ならびに、それらの組合せから個々に、かつ、独立して選択される1つまたは複数の基である。置換基が、「場合により置換された」として記載される場合は常に、その置換基は上記置換基により置換され得る。
(式I−aおよび式I−b)
いくつかの実施形態により、下記の構造のうちの1つを有する発色団が提供される:
式中、D1およびD2は電子供与基であり、Liは電子ドナーリンカーであり、A0およびAiは電子アクセプター基である。いくつかの実施形態において、2つ以上の電子ドナー基が存在する場合、他方の電子ドナー基は、別の電子ドナー、水素原子、または、別の中性置換基によって占められることがある。いくつかの実施形態において、D1、D2およびLiのうちの少なくとも1つが、それが結合する2H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール系の電子密度を増大させる基である。
いくつかの実施形態により、下記の構造のうちの1つを有する発色団が提供される:
式中、D1およびD2は電子供与基であり、Liは電子ドナーリンカーであり、A0およびAiは電子アクセプター基である。いくつかの実施形態において、2つ以上の電子ドナー基が存在する場合、他方の電子ドナー基は、別の電子ドナー、水素原子、または、別の中性置換基によって占められることがある。いくつかの実施形態において、D1、D2およびLiのうちの少なくとも1つが、それが結合する2H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール系の電子密度を増大させる基である。
式I−aおよび式I−bにおいて、iは0〜100の範囲における整数である。いくつかの実施形態において、iは、0〜50の範囲、0〜30の範囲、0〜10の範囲、0〜5の範囲または0〜3の範囲における整数である。いくつかの実施形態において、iは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である。
式I−aおよび式I−bにおいて、A0およびAiはそれぞれが独立して、場合により置換されたアルキル、場合により置換されたアルケニル、場合により置換されたヘテロアルキル、場合により置換されたアリール、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたアミノ、場合により置換されたアミド、場合により置換された環状アミド、場合により置換された環状イミド、場合により置換されたアルコキシ、および、場合により置換されたカルボキシ、および、場合により置換されたカルボニルからなる群から選択される。
式I−aおよび式I−bにおいて、D1およびD2はそれぞれが独立して、水素、場合により置換されたアルコキシ、場合により置換されたアリールオキシ、場合により置換されたアシルオキシ、場合により置換されたアルキル、場合により置換されたアリール、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたアミノ、アミド、環状アミドおよび環状イミドからなる群から選択され、ただし、D1およびD2はともに水素ではない。
いくつかの実施形態において、D1およびD2はそれぞれが独立して、場合により置換されたアリールである。いくつかの実施形態において、D1およびD2はそれぞれが独立して、アルコキシまたはアミノによって場合により置換されるフェニルである。他の実施形態において、D1およびD2はそれぞれが独立して、水素、場合により置換されたベンゾフラニル、場合により置換されたチオフェニル、場合により置換されたフラニル、ジヒドロチエノジオキシニル、場合により置換されたベンゾチオフェニル、および、場合により置換されたジベンゾチオフェニルから選択され、ただし、D1およびD2はともに水素ではない。
式I−aおよび式I−bにおいて、Liは独立して、場合により置換されたアルキレン、場合により置換されたアルケニレン、場合により置換されたアルキニレン、場合により置換されたアリーレン、場合により置換されたヘテロアリーレンからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、Liは、場合により置換されたヘテロアリーレンおよび場合により置換されたアリーレンからなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、Liの少なくとも1つが、1,2−エチレン、アセチレン、1,4−フェニレン、1,1’−ビフェニル−4,4’−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、ナフタレン−1,4−ジイル、9H−フルオレン−2,7−ジイル、ペリレン−3,9−ジイル、ペリレン−3,10−ジイルまたはピレン−1,6−ジイル、1H−ピロール−2,5−ジイル、フラン−2,5−ジイル、チオフェン−2,5−ジイル、チエノ[3,2−b]チオフェン−2,5−ジイル、ベンゾ[c]チオフェン−1,3−ジイル、ジベンゾ[b,d]チオフェン−2,8−ジイル、9H−カルバゾール−3,6−ジイル、9H−カルバゾール−2,7−ジイル、ジベンゾ[b,d]フラン−2,8−ジイル、10H−フェノチアジン−3,7−ジイルおよび10H−フェノチアジン−2,8−ジイル(ただし、それぞれの成分は場合により置換される)からなる群から選択される。
(式II−aおよび式II−b)
いくつかの実施形態により、下記の構造のうちの1つを有する発色団が提供される:
式中、iは0〜100の範囲における整数である。いくつかの実施形態において、iは、0〜50の範囲、0〜30の範囲、0〜10の範囲、0〜5の範囲または0〜3の範囲における整数である。いくつかの実施形態において、iは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である。
いくつかの実施形態により、下記の構造のうちの1つを有する発色団が提供される:
式中、iは0〜100の範囲における整数である。いくつかの実施形態において、iは、0〜50の範囲、0〜30の範囲、0〜10の範囲、0〜5の範囲または0〜3の範囲における整数である。いくつかの実施形態において、iは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である。
式II−aおよび式II−bにおいて、Arは、場合により置換されたアリールまたは場合により置換されたヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、2H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール環系のN−2位がアミド基または環状イミド基により置換されるアリールは、予想外かつ改善された利益をもたらす。
式II−aおよび式II−bにおいて、R4は、
または場合により置換された環状イミドである;R1はそれぞれが独立して、H、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アルカリールからなる群から選択される;R3はそれぞれが独立して、場合により置換されたアルキル、場合により置換されたアルケニル、場合により置換されたアリール、場合により置換されたヘテロアリールからなる群から選択されるか、または、R’およびR”はつながって一緒になり、環を形成することができる。
または場合により置換された環状イミドである;R1はそれぞれが独立して、H、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アルカリールからなる群から選択される;R3はそれぞれが独立して、場合により置換されたアルキル、場合により置換されたアルケニル、場合により置換されたアリール、場合により置換されたヘテロアリールからなる群から選択されるか、または、R’およびR”はつながって一緒になり、環を形成することができる。
式II−aおよび式II−bにおいて、R2は、場合により置換されたアルキレン、場合により置換されたアルケニレン、場合により置換されたアリーレン、場合により置換されたヘテロアリーレンからなる群から選択される。
式II−aおよび式II−bにおいて、D1およびD2はそれぞれが独立して、水素、場合により置換されたアルコキシ、場合により置換されたアリールオキシ、場合により置換されたアシルオキシ、場合により置換されたアルキル、場合により置換されたアリール、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたアミノ、アミド、環状アミドおよび環状イミドからなる群から選択され、ただし、D1およびD2はともに水素ではない。
式II−aおよび式II−bにおいて、Liは独立して、場合により置換されたアルキレン、場合により置換されたアルケニレン、場合により置換されたアルキニレン、場合により置換されたアリーレン、場合により置換されたヘテロアリーレンからなる群から選択される。
(式III−aおよび式III−b)
いくつかの実施形態により、下記の構造のうちの1つを有する発色団が提供される:
アルキル基を、C−4位およびC−7位での置換フェニルとともに、式(III−a)および式(III−b)において2H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール環系のN−2位に設置することにより、予想外かつ改善された利益がもたらされる。式III−aおよび式III−bにおいて、iは0〜100の範囲における整数である。いくつかの実施形態において、iは、0〜50の範囲、0〜30の範囲、0〜10の範囲、0〜5の範囲または0〜3の範囲における整数である。いくつかの実施形態において、iは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である。
いくつかの実施形態により、下記の構造のうちの1つを有する発色団が提供される:
アルキル基を、C−4位およびC−7位での置換フェニルとともに、式(III−a)および式(III−b)において2H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール環系のN−2位に設置することにより、予想外かつ改善された利益がもたらされる。式III−aおよび式III−bにおいて、iは0〜100の範囲における整数である。いくつかの実施形態において、iは、0〜50の範囲、0〜30の範囲、0〜10の範囲、0〜5の範囲または0〜3の範囲における整数である。いくつかの実施形態において、iは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である。
式III−aおよび式III−bにおいて、A0およびAiはそれぞれが独立して、場合により置換されたアルキル、場合により置換されたアルケニル、場合により置換されたヘテロアルキル、場合により置換されたアミド、場合により置換されたアルコキシ、場合により置換されたカボニル(cabonyl)、および、場合により置換されたカルボキシからなる群から選択される。
式III−aおよび式III−bにおいて、それぞれのR5が独立して、場合により置換されたアルコキシ、場合により置換されたアリールオキシ、場合により置換されたアシルオキシ、および、アミノからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、R5はオルト位および/またはパラ位においてフェニル環に結合することができる。いくつかの実施形態において、R5は、式OCnH2n+1(式中、n=1〜40)によって表されるアルコキシとすることができる。いくつかの実施形態において、R5は、下記の式によって表されるアリールオキシとすることができる:ArOまたはO−CR−OAr、式中、Rはアルキル、置換アルキル、アリールまたはヘテロアリールであり、Arは任意の置換または非置換のアリール、あるいは、置換または非置換のヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、R5は、式OCOCnH2n+1(式中、n=1〜40)によって表されるアシルオキシとすることができる。
式IIIaおよび式III−bにおいて、Liは独立して、場合により置換されたアルキレン、場合により置換されたアルケニレン、場合により置換されたアルキニレン、場合により置換されたアリーレン、場合により置換されたヘテロアリーレンからなる群から選択される。
(式IV)
いくつかの実施形態により、下記の構造を有する発色団が提供される:
式中、iは0〜100の範囲における整数である。いくつかの実施形態において、iは、0〜50の範囲、0〜30の範囲、0〜10の範囲、0〜5の範囲または0〜3の範囲における整数である。いくつかの実施形態において、iは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である。
いくつかの実施形態により、下記の構造を有する発色団が提供される:
式中、iは0〜100の範囲における整数である。いくつかの実施形態において、iは、0〜50の範囲、0〜30の範囲、0〜10の範囲、0〜5の範囲または0〜3の範囲における整数である。いくつかの実施形態において、iは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である。
式IVにおいて、ZおよびZiはそれぞれが独立して、−O−、−S−、−Se−、−Te−、−NR6−、−CR6=CR6−および−CR6=N−(式中、R6は、水素、場合により置換されたC1〜C6アルキル、または、場合により置換されたC1〜C10アリールである)からなる群から選択される。
式IVにおいて、D1およびD2は独立して、場合により置換されたアルコキシ、場合により置換されたアリールオキシ、場合により置換されたアシルオキシ、場合により置換されたアルキル、場合により置換されたアリール、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたアミノ、アミド、環状アミドおよび環状イミドからなる群から選択される;jは、0、1または2であり、かつ、kは、0、1または2である。いくつかの実施形態において、−C(=O)Y1基および−C(=O)Y2基は、D1およびD2についての場合により置換された成分の置換基(1つまたは複数)に結合することができる。
式IVにおいて、Y1およびY2は独立して、場合により置換されたアリール、場合により置換されたアルキル、場合により置換されたシクロアルキル、場合により置換されたアルコキシ、および、場合により置換されたアミノからなる群から選択される。
式IVにおいて、Liは独立して、場合により置換されたアルキレン、場合により置換されたアルケニレン、場合により置換されたアルキニレン、場合により置換されたアリーレン、場合により置換されたヘテロアリーレンからなる群から選択される。
また、上記有機物として、色素部位を含有するオリゴマー化合物および色素部位を含有する高分子化合物があげられる。上記オリゴマー化合物および上記高分子化合物として、公知の有機色素化合物(有機色素、有機蛍光染料など)の構造を色素部位として分子内に含有しているオリゴマー化合物および高分子化合物を用いることができる。上記オリゴマー化合物および上記高分子化合物として、たとえば、ペリレン誘導体、ピレン誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、ベンゾチアジアゾール誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、ベンゾイミダゾリン誘導体、ベンゾピラゾール誘導体、インドール誘導体、イソインドール誘導体、プリン誘導体、ピリミジン誘導体、ピラジン誘導体、トリアジン誘導体、芳香族イミド誘導体、ベンゾオキサゾイル誘導体、クマリン誘導体、スチレンビフェニル誘導体、ピラゾロン誘導体、ビス(トリアジニルアミノ)スチルベンジスルホン酸誘導体、ビススチリルビフェニル誘導体、ビスベンゾオキサゾリルチオフェン誘導体、ペンタセン誘導体、フルオレセン誘導体、ローダミン誘導体、アクリジン誘導体、フラボン誘導体、フルオレン誘導体、シアニン系色素、ローダミン系色素、および、多環芳香族炭化水素からなる群から選ばれる1つの分子構造を色素部位として分子内に含有するオリゴマー化合物または高分子化合物をあげることができる。なかでも、上記第1の有機物が、ペリレン誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾチアジアゾール誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、および、フルオレン誘導体からなる群から選ばれる1つの分子構造を色素部位として分子内に含有するオリゴマー化合物または高分子化合物が好ましい。上記分子構造は同一オリゴマー化合物または高分子化合物中、単独で含有していてもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。また、上記オリゴマー化合物および上記高分子化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
また、上記オリゴマー化合物および上記高分子化合物において、上記オリゴマー化合物および上記高分子化合物の主鎖構造は、光学的に透明な樹脂骨格であることが好ましい。上記主鎖構造としては、たとえば、ポリエチレンテレフタレート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリビニルアセテート、ポリエチレンテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類、ポリイミド、非晶質ポリカーボネート、シロキサンゾル−ゲル、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエーテルサルフォン、ポリアリレート、エポキシ樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂および、シリコーン樹脂などをあげることができる。これらの主鎖構造は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
また、上記有機物の配合量として、波長変換型封止材組成物のマトリックス樹脂100重量部に対して、0.001〜0.5重量部であることが好ましく、0.001〜0.3重量部であってもよく、0.005〜0.2重量部であってもよい。また、たとえば、太陽電池セルに蒸着するような場合には、上記有機物をCVDなどで直接蒸着してもよい。
また、上記無機物として、無機蛍光化合物があげられる。上記無機蛍光化合物として、公知の無機色素化合物(無機色素、無機蛍光染料など)を用いることができる。上記無機蛍光化合物として、たとえば、酸化亜鉛系蛍光体、硫化亜鉛系蛍光体、アルミン酸塩系蛍光体、リン酸塩系蛍光体、ハロリン酸カルシウム系蛍光体および、希土類酸化物系蛍光体などをあげることができる。なかでも、上記無機物が、たとえば、結晶母体に希土類元素などを賦活させた無機蛍光体などからなる群から選ばれる1つを少なくとも含むものとすることが好ましい。
また、上記無機蛍光化合物として、より具体的には、たとえば、BaMg2Al16O27:Eu、BaMg2Al16O27:Eu,Mn、BaMgAl10O17:Eu,Mn、Y2O3:Eu、YVO4:Eu、Y2O2S:Eu、ZnS:Cu,Al、および、ZnS:Cuなどをあげることができる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
また、上記無機物として、色素部位を含有するオリゴマー化合物および色素部位を含有する高分子化合物があげられる。上記オリゴマー化合物および上記高分子化合物として、公知の無機色素化合物(無機色素、無機蛍光染料など)の構造を色素部位として分子内に含有しているオリゴマー化合物および高分子化合物を用いることができる。上記オリゴマー化合物および上記高分子化合物として、1つの分子構造を色素部位として分子内に含有するオリゴマー化合物または高分子化合物が好ましい。上記分子構造は同一オリゴマー化合物または高分子化合物中、単独で含有していてもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。また、上記オリゴマー化合物および上記高分子化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
また、上記オリゴマー化合物および上記高分子化合物において、上記オリゴマー化合物および上記高分子化合物の主鎖構造は、光学的に透明な樹脂骨格であることが好ましい。上記主鎖構造としては、たとえば、ポリエチレンテレフタレート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリビニルアセテート、ポリエチレンテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類、ポリイミド、非晶質ポリカーボネート、シロキサンゾル−ゲル、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエーテルサルフォン、ポリアリレート、エポキシ樹脂、および、シリコーン樹脂などをあげることができる。これらの主鎖構造は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
また、上記無機物の配合量として、波長変換型封止材組成物のマトリックス樹脂100重量部に対して、0.001〜0.5重量部であることが好ましく、0.001〜0.3重量部であってもよく、0.005〜0.2重量部であってもよい。また、たとえば、太陽電池セルに蒸着するような場合には、上記無機物をCVDなどで直接蒸着してもよい。
本発明の波長変換型封止材組成物は、波長変換機能を有するものである。上記波長変換型封止材組成物は、入射光の波長をより長波長に変換するものである。上記波長変換型封止材組成物は、光学的に透明なマトリックス樹脂中に、波長変換機能を有する有機物または無機物等を分散させること等により形成することができる。
本発明の波長変換型封止材組成物において、光学的に透明なマトリックス樹脂を用いることが好ましい。上記マトリックス樹脂として、たとえば、ポリエチレンテレフタレート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリビニルアセテート、ポリエチレンテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類、ポリイミド、非晶質ポリカーボネート、シロキサンゾル−ゲル、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエーテルサルフォン、ポリアリレート、エポキシ樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂および、シリコーン樹脂などをあげることができる。これらのマトリックス樹脂は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
上記ポリ(メタ)アクリレートとして、ポリアクリレートおよびポリメタクリレートを含み、たとえば、(メタ)アクリル酸エステル樹脂などをあげることができる。上記ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエンなどをあげることができる。ポリビニルアセテートとしては、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール(PVB樹脂)、変性PVBなどをあげることができる。
上記(メタ)アクリル酸エステル樹脂として、(メタ)アクリル酸エステルのほかに、これらと共重合可能な不飽和モノマーを用いて共重合体としてもよい。
上記(メタ)アクリル酸エステルと上記不飽和モノマーの共重合体として、たとえば、(メタ)アクリル酸エステル−スチレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などをあげることができる。なかでも、耐湿性や汎用性、コスト面の観点からは、エチレン−酢酸ビニル共重合体が好ましく、また耐久性と表面硬度の点からは、(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。また、エチレン−酢酸ビニル共重合体と(メタ)アクリル酸エステルとの併用が、上記各観点から好ましい。
上記エチレン−酢酸ビニル共重合体として、エチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部に対して、酢酸ビニル単量体単位の含有率が10〜35重量部であることが好ましく、20〜30重量部であることがより好ましく、上記含有率の場合には希土類錯体などのマトリックス樹脂中への均一分散性の観点から好ましい。
光学的に透明なマトリックス樹脂として上記エチレン−酢酸ビニル共重合体を用いる場合には、市販品を適宜使用することができる。上記エチレン−酢酸ビニル共重合体の市販品として、たとえば、ウルトラセン(東ソー株式会社製)、エバフレックス(三井・デュポンポリケミカル株式会社製)、サンテックEVA(旭化成ケミカルズ社製)、UBE EVAコポリマー(宇部丸善ポリエチレン社製)、エバテート(住友化学社製)、ノバテックEVA(日本ポリエチレン社製)、スミテート(住友化学社製)、ニポフレックス(東ソー社製)などをあげることができる。
上記マトリックス樹脂において、架橋性モノマーを加えて、架橋構造を有する樹脂としてもよい。
上記架橋性モノマーとして、たとえば、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物(たとえば、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(エチレン基の数が2〜14のもの)、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(プロピレン基の数が2〜14のもの)、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリオキシエチレンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジオキシエチレンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAトリオキシエチレンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAデカオキシエチレンジ(メタ)アクリレート等)、グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を付加して得られる化合物(たとえば、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジアクリレート等)、多価カルボン酸(たとえば、無水フタル酸)と水酸基およびエチレン性不飽和基を有する物質(たとえば、β−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート)とのエステル化物、アクリル酸若しくはメタクリル酸のアルキルエステル(たとえば、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル)、ウレタン(メタ)アクリレート(たとえば、トリレンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸エステルとの反応物、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートとシクロヘキサンジメタノールと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸エステルとの反応物等)、などをあげることができる。これらの架橋性モノマーは単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。なかでも、上記架橋性モノマーにおいて、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリオキシエチレンジメタクリレートが好ましいものとしてあげられる。
上記架橋性モノマーを含むマトリックス樹脂を用いる場合、たとえば、上記架橋モノマーに熱重合開始剤または光重合開始剤を加えて、加熱または光照射によって重合・架橋させ架橋構造を形成することができる。
上記熱重合開始剤として、公知の過酸化物を適宜用いることができる。上記熱可塑性樹脂重合開始剤としては、たとえば、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン−3、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシベンズエート、ベンゾイルパーオキサイドなどをあげることができる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
上記熱重合開始剤の配合量は、たとえば、上記マトリックス樹脂100重量部に対して、0.1〜5重量部用いることができる。
上記光重合開始剤としては、紫外線または可視光線により遊離ラジカルを生成する公知の光開始剤を適宜用いることができる。上記光重合開始剤として、たとえば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテルなどのベンゾインエーテル類、ベンゾフェノン、N,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類、ベンジルジメチルケタール(チバ・ジャパン・ケミカルズ社製、イルガキュア651)、ベンジルジエチルケタールなどのベンジルケタール類、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノンなどのアセトフェノン類、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントンなどのキサントン類、あるいはヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、イルガキュア184)、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ビトロキシ−2−メチルプロパン−1−オン(チバ・ジャパン・ケミカルズ社製、ダロキュア1116)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(メルク社製、ダロキュア1173)などをあげることができる。これらは単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
また、上記光重合開始剤として、たとえば、2,4,5−トリアリルイミダゾール二量体と2−メルカプトベンゾオキサゾール、ロイコクリスタルバイオレット、トリス(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン等との組み合わせなどをあげることができる。また、たとえば、ベンゾフェノンに対するトリエタノールアミン等の三級アミンのように、適宜公知の添加剤を用いてもよい。
上記光重合開始剤の配合量は、たとえば、上記マトリックス樹脂100重量部に対して、0.1〜5重量部用いることができる。
上記マトリックス樹脂の屈折率として、たとえば、1.4〜1.7の範囲、1.45〜1.65の範囲、または、1.45〜1.55の範囲である。いくつかの実施形態において、ポリマーマトリックス樹脂の屈折率が1.5である。
上記波長変換型封止材組成物は、たとえば、上記マトリックス樹脂中に、波長変換機能を有する上記有機物または無機物とを分散、吸着、含浸させること等により形成することができる。
上記有機物または無機物の有機物の分子量は、GC/APCI−TOF MSスペクトル測定のほか、各種質量分析法(ESI法、APCI法、MALDI法、などのイオン化法とTOF型、FT−ICR型、IT型などの検出法を使う方法)にて求めることが可能である。また、上記有機物が高分子量体やオリゴマー体の場合等には、必要に応じてGPC測定(示差屈折計、光散乱検出器などの検出器との併用システム)にて重量平均分子量を求めることで上記分子量を決定することができる。
また、上記波長変換型封止材組成物において、所望の性能を損なわない範囲で、適宜公知の添加剤を含むことができる。上記添加剤として、たとえば、熱可塑性ポリマー、酸化防止剤、紫外線防止剤、光安定剤、有機過酸化物、充填剤、可塑剤、シランカップリング剤、受酸剤、クレイ等があげられる。これらは単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。なお、紫外線防止剤、光安定剤などの、入射光を吸収しうるものは、本発明においては用いないことが光電変換効率としては好ましいが、併用自体を排除するものではない。たとえば、紫外線防止剤、光安定剤などを適宜併用して、光電変換効率の向上と紫外線吸収剤や光安定性による耐候性などとをバランスよく発現するように適宜調整して用いることも可能である。
また、上記波長変換型封止材組成物を製造するには、公知の方法に準じて行えばよい。たとえば、上記の各材料を加熱混練、スーパーミキサー(高速流動混合機)、ロールミル、プラストミル等を用いて公知の方法で混合して得る方法などをあげることができる。また、上記波長変換型封止材層の製造まで連続して行ってもよい。
(波長変換型封止材層)
一方、本発明の波長変換型封止材層は、上記波長変換型封止材組成物を用いて形成されたことを特徴とする。なお、以下波長変換型封止材層に関する記載は、封止材層以外の層としての波長変換層の場合にも適宜読み替えて適用される。
一方、本発明の波長変換型封止材層は、上記波長変換型封止材組成物を用いて形成されたことを特徴とする。なお、以下波長変換型封止材層に関する記載は、封止材層以外の層としての波長変換層の場合にも適宜読み替えて適用される。
上記波長変換型封止材層を製造するには、公知の方法に準じて行えばよい。たとえば、上記の各材料を加熱混練、スーパーミキサー(高速流動混合機)、ロールミル、プラストミル等を用いて公知の方法で混合した組成物を、通常の押出成形、カレンダ成形(カレンダリング)、真空熱加圧等により成形してシート状物を得る方法により適宜製造することができる。また、PETフィルム等の上に上記層を形成した後、表面保護層に転写する方法により製造することができる。また、ホットメルトアプリケーターにより、混練溶融と塗布を同時に行う方法を用いることができる。
より具体的には、たとえば、上記マトリックス樹脂、有機物または無機物(蛍光色素化合物)等を含む上記波長変換型封止材組成物を、表面保護層またはセパレーターなどにそのまま塗布してもよし、上記材料を他の材料と混合組成物として塗布してもよい。また、上記波長変換型封止材組成物を蒸着、スパッタリング、エアロゾルデポジッション法等で形成してもよい。
上記混合組成物として塗布する場合、上記マトリックス樹脂は、加工性を考慮して、融点が50〜250℃であることが好ましく、50〜200℃であることがより好ましく、50〜180℃であることがさらに好ましい。また、たとえば、上記波長変換型封止材組成物の融点が50〜250℃の場合、上記組成物の混練溶融および塗布温度は、上記融点に30〜100℃加えた温度で行うことが好ましい。
また、いくつかの実施形態において、波長変換型封止材層が下記の工程によって薄膜構造体に製造される:(i)ポリマー(マトリックス樹脂)粉末が所定の比率で溶媒(たとえば、テトラクロロエチレン(TCE)、シクロペンタノン、ジオキサンなど)に溶解されたポリマー溶液を調製する工程、(ii)ポリマー混合物を含有する発光色素(蛍光色素化合物)を、ポリマー溶液を所定の重量比で発光色素と混合して、色素含有ポリマー溶液を得ることによって調製する工程、(iii)色素/ポリマー薄膜を、色素含有ポリマー溶液をガラス基板の上に直接に流し込み、その後、基板を2時間で室温から最高で100℃まで熱処理し、残留溶媒を130℃での一晩のさらなる真空加熱によって完全に除くことによって形成する工程、および、(iv)使用前に、色素/ポリマー薄膜を水の中で剥がし、その後、自立型ポリマーフィルムを完全に乾燥する工程;(v)フィルムの厚さを、色素/ポリマー溶液の濃度および蒸発速度を変化させることによって制御することができる。
また、上記加熱混練処理等を行って加工する場合、上記蛍光色素化合物の融点が過度に高い場合、系内(ポリマーマトリックス中など)に均一に分散・溶解することに難しくなり、得られるシートにおいて色素が均一分散しにくくなることがある。そのため、蛍光色素化合物として、その融点が250℃以下、望ましくは220℃以下、さらに望ましくは210℃以下であることが好ましい。ただ、低すぎる場合にも、ブリードアウト等の不都合が生じうるため、融点が50℃以下のものは上記工程では劣る場合がある。よって、上記融点が50℃以上であることが好ましく、60℃以上であることがより好ましく、70℃以上であることがさらに好ましい。上記のような本発明の発色団を用いることにより、特にシート化した際の均一性が容易に得られやすくなり、生産・加工性に特に優れたものとなる。
上記波長変換型封止材層の厚みは、20〜2000μmであることが好ましく、50〜1000μmであることがより好ましく、200〜800μmであることがさらに好ましい。20μmよりも薄くなると、波長変換機能が発現しにくくなってしまう。一方、2000μmより厚くなると、他層との密着性が低下し、コスト的にも不利益である。
上記波長変換型封止材層の光学的厚み(吸光度)は、0.5〜6であることが好ましく、1〜4であることがより好ましく、1〜3であることがさらに好ましい。上記吸光度が低いと、波長変換機能が発現しにくくなってしまう。一方、上記吸光度が大きすぎると、コスト的にも不利益である。なお、上記吸光度は、ランベルト・ベールの法則に従って算出される値である。
(太陽電池モジュール)
本発明の太陽電池モジュール1は、上記波長変換型封止材層20(または波長変換層70)、および、上記微小な凹凸構造の表面をもつ太陽電池セル30を含むことを特徴とする。
本発明の太陽電池モジュール1は、上記波長変換型封止材層20(または波長変換層70)、および、上記微小な凹凸構造の表面をもつ太陽電池セル30を含むことを特徴とする。
本発明の太陽電池モジュールとして、一例として図1〜8に簡易な模式図を示すが、本発明がこれらに限定されるものではない。また、表面保護層10、太陽電池セルの背面側にさらに封止材層40、バックシート50、波長変換型ではない封止材層60を適宜備えることもできる。また、これらの各層間に、上記太陽電池用封止材層の上記機能を損なわない限り、接着材層、粘着剤層などの他の層を適宜介在してもよい。また、上記背面用の封止材層として、適宜、本発明の波長変換型封止材層を用いてもよい。なお、以下波長変換型封止材層に関する記載も、封止材層以外の層としての波長変換層の場合にも適宜読み替えて適用される。
上記太陽電池モジュールは、上記波長変換型封止材層を備えるため、通常は光電変換に寄与しない波長を光電変換に寄与しうる波長に変換することができる。具体的には、ある波長をそれよりもより長波長へ、たとえば、370nmより短い波長を370nm以上の波長に変換することができる。特に、紫外線領域の波長(10〜365nm)を可視光領域の波長(370〜800nm)へ変換するものである。また、光電変換に寄与する波長の範囲は、太陽電池の種類によって変化し、たとえば、シリコン系太陽電池であっても、使用されるシリコンの結晶形態によって変化する。たとえば、アモルファスシリコン太陽電池の場合、400〜700nm、多結晶シリコン太陽電池の場合、約600〜1100nmと考えられる。このため、光電変換に寄与する波長は、必ずしも可視光領域の波長にかぎられない。
また、上記太陽電池モジュールは、入射光側に微小な凹凸構造の表面をもつ太陽電池セルを有することを特徴としている。
上記微小な凹凸構造(テクスチャ)の表面とは、当該微小凹凸によって入射光が多重反射される効果を発現しうる微小凹凸をいい、通常数μm〜数十μmの高低差を有するピラミッド状の凹凸、および、それら凹凸が連なった形状、または、直径数百nm〜数μmの多数の孔からなる多孔質層が形成されている。
本発明の太陽電池モジュールにおいて、たとえば、図1〜8において、表面保護層側から入射光が侵入する場合、上記太陽電池セル30の入射光側の表面に上記微小な凹凸構造が備えられるように形成されていることが好ましい。たとえば、図1〜3において、表面保護層側から入射光が侵入する場合、各太陽電池セル30の波長変換型封止材層20の側の表面に上記微小な凹凸構造が備えられるように形成されていることが好ましい。また、たとえば、図4、6、7において、表面保護層側から入射光が侵入する場合、各太陽電池セル30の波長変換層70の側の表面に上記微小な凹凸構造が備えられるように形成されていることが好ましい。また、たとえば、図8,8において、表面保護層側から入射光が侵入する場合、各太陽電池セル30の封止材層60の側の表面に上記微小な凹凸構造が備えられるように形成されていることが好ましい。また、上記太陽電池セル30の微小な凹凸構造を有する表面と、上記波長変換型封止材層などとの間に、発明の効果を損なわない限り、1つまたは複数の他の層が適宜解されていてもよい。
また、本発明の太陽電池モジュールにおいて、前記表面が、300nm以上400nm未満の反射率の平均値(a)が30%以下であり、400nm以上700nm以下の反射率の平均値(b)が20%以下であることが好ましい。また、前記表面の300nm以上400nm未満の反射率の平均値(a)は、25%以下であってもよく、20%以下であってもよい。また、前記表面の400nm以上700nm以下の反射率の平均値(b)は、15%以下であってもよく、10%以下であってもよい。上記構成を有する太陽電池モジュールを用いることにより、本来反射率が高く、従来の太陽電池モジュールでは光電変換に用いることが困難であった300nm以上400nm未満の短波長側の紫外線領域の光を、光電変換効率の向上に効果的に用いることができ得る。
また、本発明の太陽電池モジュールにおいて、下記式(1)の値が1.5〜15.0であることが好ましく、1.6〜13.0であってもよく、1.8〜11.0であってもよい。上記構成を有する太陽電池モジュールを用いることにより、本来反射率が高く、従来の太陽電池モジュールでは光電変換に用いることが困難であった光電変換効率の向上により効果的に用いることができ得る。
[式(1)]
[前記平均値(a)]/[前記平均値(b)]
[式(1)]
[前記平均値(a)]/[前記平均値(b)]
なお、上記反射率は積分球を装備した紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、V−560)で求めた値をいう。また、上記反射率の平均値(a)、反射率の平均値(b)は、各々、各範囲の上記反射率を単純平均(相加平均)した値をいう。
一方、太陽電池内部に効率よく入射光が吸収されるような試みとして、たとえば、機械的加工法(たとえば、特許文献3参照)や反応性イオンエッチング法(たとえば、特許文献4、5参照)等、結晶面方位に依存しないテクスチャー(微小な凹凸)形成方法、多孔質シリコンをテクスチャー構造として利用する方法として、電気化学反応法(たとえば、特許文献6参照)や化学エッチング法(たとえば、特許文献7参照)などが提案されている。上記提案は、微小凹凸によって入射光が多重反射されることで、太陽電池内部に効率よく入射光が吸収されるように試みたものである。
上記微小な凹凸構造の製造方法は、公知の方法を適宜用いることができ、たとえば、機械的加工法、反応性イオンエッチング法、酸化表面処理法、アルカリ表面処理法、電気化学反応法、化学エッチング法等を用いることができる。また、上記製造方法として、たとえば、特許第4610669号公報に記載のような、金属イオンを含有する酸化剤とフッ化水素酸の混合水溶液にシリコン基板を浸漬して当該シリコン基板表面に多孔質層を形成する第一工程と、上記第一工程を経たシリコン基板表面をフッ化水素酸及び硝酸を主とした混酸に浸漬してエッチングしてテクスチャーを形成する第二工程と、を備えることを特徴とした製造方法などをあげることができる。
上記太陽電池セルとして、たとえば、結晶シリコン太陽電池、アモルファスシリコン太陽電池、微結晶シリコン太陽電池、薄膜シリコン太陽電池、ヘテロ接合型太陽電池、多接合型太陽電池、硫化カドミウム/テルル化カドミウム太陽電池、CIS系薄膜太陽電池、CIGS系薄膜太陽電池、CZTS系薄膜太陽電池、III−V族太陽電池、色素増感型太陽電池、または、有機半導体太陽電池を用いることができる。上記太陽電池セルとして、結晶シリコン太陽電池(単結晶シリコン太陽電池、多結晶シリコン太陽電池)であることが好ましい。
上記太陽電池モジュールの製造において、上記太陽電池用封止材層を上記太陽電池セル等に転写してもよく、直接上記太陽電池セル上に塗布形成してもよい。また、上記太陽電池用封止材層と他の層を同時に形成してもよい。
また、本発明の太陽電池モジュールは、入射光が、少なくとも太陽電池セルへの到達に先だって、上記波長変換型封止材層を通過するように配置される。上記構成とすることで、太陽エネルギーのより広い範囲のスペクトルが電気に変換されることが可能となり、光電変換効率を効果的に高めることができる。
上記表面保護層として、太陽電池用途の表面保護層として用いられている公知のものを用いることができる。上記表面保護層として、たとえば、フロントシートやガラスなどをあげることができる。上記ガラスとして、たとえば、白板、エンボスの有無等、適宜種々のものを用いることができる。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。
(その他の化合物)
マトリックス樹脂:スミテートKA30、エチレンビニルアセテート(EVA)樹脂(住友化学社製)
過酸化物:パーブチルE、t−ブチルパーオキシ−2−エチルへキシルモノカルボネート(日油社製)
架橋助剤:TAIC、トリアリルイソシアヌレート(日本化成社製)
酸化防止剤:BHT、ジブチルヒドロキシトルエン(東京化成社製)
光安定化剤:Tinuvin144、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート(BASF社製)
シランカップリング剤:KBM503、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン社製)
紫外線吸収剤:2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシ−ベンゾフェノン(住友化学工業社製、スミソーブ130(SS130))。
マトリックス樹脂:スミテートKA30、エチレンビニルアセテート(EVA)樹脂(住友化学社製)
過酸化物:パーブチルE、t−ブチルパーオキシ−2−エチルへキシルモノカルボネート(日油社製)
架橋助剤:TAIC、トリアリルイソシアヌレート(日本化成社製)
酸化防止剤:BHT、ジブチルヒドロキシトルエン(東京化成社製)
光安定化剤:Tinuvin144、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート(BASF社製)
シランカップリング剤:KBM503、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン社製)
紫外線吸収剤:2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシ−ベンゾフェノン(住友化学工業社製、スミソーブ130(SS130))。
(分子量の測定)
発光性化合物の分子量をGC/APCI−TOF MSスペクトル測定にて評価した。
発光性化合物の分子量をGC/APCI−TOF MSスペクトル測定にて評価した。
(封止材)
各実施例・比較例において、各化合物を用いて各封止材層(封止シート)を下記方法によって製造した。
[封止シートの樹脂組成物]
各実施例・比較例において、上記EVA樹脂100重量部および各化合物をはかりとり、ドライブレンドした後に、単軸押し出し機を用いて溶融混練することで、エチレン共重合体組成物のペレットを得た。上記ペレットからプレス成型機を用いて封止材層樹脂シート(厚さ:約650μm)を作製した。
各実施例・比較例において、各化合物を用いて各封止材層(封止シート)を下記方法によって製造した。
[封止シートの樹脂組成物]
各実施例・比較例において、上記EVA樹脂100重量部および各化合物をはかりとり、ドライブレンドした後に、単軸押し出し機を用いて溶融混練することで、エチレン共重合体組成物のペレットを得た。上記ペレットからプレス成型機を用いて封止材層樹脂シート(厚さ:約650μm)を作製した。
(極大吸収波長の測定)
極大吸収波長の測定は、紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、V−560、波長範囲300〜800nm)を用いて行った。吸収スペクトルのうちで吸光度の極大値を示す波長を極大吸収波長とした。
極大吸収波長の測定は、紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、V−560、波長範囲300〜800nm)を用いて行った。吸収スペクトルのうちで吸光度の極大値を示す波長を極大吸収波長とした。
(極大励起波長・最大発光波長)
極大励起波長・最大発光波長の測定は、蛍光分光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製、F−4500)を用いて行い、(励起−発光)3次元測定において発光強度が最大となる発光波長を最大発光波長、最大発光波長の励起スペクトルのうちで発光強度の極大値を示す波長を極大励起波長とした。
極大励起波長・最大発光波長の測定は、蛍光分光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製、F−4500)を用いて行い、(励起−発光)3次元測定において発光強度が最大となる発光波長を最大発光波長、最大発光波長の励起スペクトルのうちで発光強度の極大値を示す波長を極大励起波長とした。
(発光量子収率の測定)
発光量子収率の測定は、MCPD(大塚電子社製、MCPD−9800、QE1100L、ソフトウェアVer.1.10.10.1)を用いて行い、極大励起波長で励起した時の発光量子収率を測定した。
発光量子収率の測定は、MCPD(大塚電子社製、MCPD−9800、QE1100L、ソフトウェアVer.1.10.10.1)を用いて行い、極大励起波長で励起した時の発光量子収率を測定した。
(太陽電池セルの表面処理)
太陽電池セル(Qセル社製:Q6LTT3−G2−200/1700−A、結晶シリコン型)を、銀イオンを含む過酸化水素水とフッ化水素酸の混合溶液に浸漬してエッチング処理し、水洗した後、フッ化水素酸と硝酸の混合水溶液に浸漬し、再び水洗し、水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、フッ化水素酸に浸漬し、最後に水洗して、セル表面に微細凹凸を形成する処理を行った。
太陽電池セル(Qセル社製:Q6LTT3−G2−200/1700−A、結晶シリコン型)を、銀イオンを含む過酸化水素水とフッ化水素酸の混合溶液に浸漬してエッチング処理し、水洗した後、フッ化水素酸と硝酸の混合水溶液に浸漬し、再び水洗し、水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、フッ化水素酸に浸漬し、最後に水洗して、セル表面に微細凹凸を形成する処理を行った。
(太陽電池モジュールのJsc測定)
上記で得られた封止シートを20cmX20cmに裁断し、保護ガラスとしての強化ガラス(旭硝子社製:ソライト)、上記封止シート、上記太陽電池セル、裏面用封止シート(400μm厚EVAシート)、バックシートとしてPETフィルムを載せ、真空ラミネーター(株式会社エヌ・ピー・シー:LM−50x50−S)を用いて、140℃、真空5分、加圧10分の条件でラミネートし、太陽電池モジュールを作製した。この太陽電池モジュールの分光感度を分光感度測定装置(分光計器社製、CEP−25RR)を用いて測定し、分光感度測定から算出されたJsc値を得た。なお、Jsc値とは、分光感度測定装置によるサンプル測定から得られる分光感度スペクトルと基準太陽光の演算により算出される短絡電流密度をいう。
上記で得られた封止シートを20cmX20cmに裁断し、保護ガラスとしての強化ガラス(旭硝子社製:ソライト)、上記封止シート、上記太陽電池セル、裏面用封止シート(400μm厚EVAシート)、バックシートとしてPETフィルムを載せ、真空ラミネーター(株式会社エヌ・ピー・シー:LM−50x50−S)を用いて、140℃、真空5分、加圧10分の条件でラミネートし、太陽電池モジュールを作製した。この太陽電池モジュールの分光感度を分光感度測定装置(分光計器社製、CEP−25RR)を用いて測定し、分光感度測定から算出されたJsc値を得た。なお、Jsc値とは、分光感度測定装置によるサンプル測定から得られる分光感度スペクトルと基準太陽光の演算により算出される短絡電流密度をいう。
〔比較例1〕
微細凹凸を形成する表面処理をしていない太陽電池セルを用いることと、蛍光化合物を用いる代わりに、紫外線吸収剤を用いた他は、実施例と同様にして封止材層樹脂シートを作製した。
微細凹凸を形成する表面処理をしていない太陽電池セルを用いることと、蛍光化合物を用いる代わりに、紫外線吸収剤を用いた他は、実施例と同様にして封止材層樹脂シートを作製した。
〔比較例2〕
蛍光化合物を用いる代わりに、紫外線吸収剤を用いた他は、実施例と同様にして封止材層樹脂シートを作製した。
蛍光化合物を用いる代わりに、紫外線吸収剤を用いた他は、実施例と同様にして封止材層樹脂シートを作製した。
下記表1に、得られた各封止材層(封止シート)を用いたときの測定結果を示す。なお、Jsc向上率とは、各実施例・比較例におけるJsc値の、太陽電池セル(ベアセル、パッケージせずむき出しのセル)のみの場合のJsc値に対する増減比率を算出したものである。また、Jsc向上率について、向上効果が認められた場合を〇、向上効果が認められなかった場合は×と示した。
測定の結果、表に示したように、各実施例においては、表面処理により微細凹凸を形成した太陽電池セルに波長変換型封止材層を組み合わせた太陽電池モジュールにおいて、太陽電池セル単体の短絡電流の向上が認められた(Jsc向上率)。一方、本願発明の範囲を満たさない各比較例においては、ベアセルに対して光電変換効率の向上が認められなかった。
1 太陽電池モジュール
10 表面保護層
20 波長変換型封止材層
30 太陽電池セル
40 裏面用封止材層
50 バックシート
60 封止材層
70 波長変換層
10 表面保護層
20 波長変換型封止材層
30 太陽電池セル
40 裏面用封止材層
50 バックシート
60 封止材層
70 波長変換層
Claims (10)
- 入射光側に微小な凹凸構造の表面をもつ太陽電池セル、および、波長変換層を有することを特徴とする太陽電池モジュール。
- 前記表面が、300nm以上400nm未満の反射率の平均値(a)が30%以下であり、400nm以上700nm以下の反射率の平均値(b)が20%以下である、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
- 下記式(1)の値が1.5〜15.0である、請求項1または2に記載の太陽電池モジュール。
[式(1)]
[前記平均値(a)]/[前記平均値(b)] - 前記波長変換層が、波長変換型封止材層である、請求項1〜3のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
- 前記波長変換型封止材層に含まれる紫外線吸収剤の濃度が0.001重量%以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の太陽電池モジュール
- 前記太陽電池セルが、結晶シリコン太陽電池、アモルファスシリコン太陽電池、微結晶シリコン太陽電池、薄膜シリコン太陽電池、ヘテロ接合型太陽電池、多接合型太陽電池、硫化カドミウム/テルル化カドミウム太陽電池、CIS系薄膜太陽電池、CIGS系薄膜太陽電池、CZTS系薄膜太陽電池、III−V族太陽電池、色素増感型太陽電池、または、有機半導体太陽電池である、請求項1〜5のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
- 前記波長変換層が、紫外線を吸収して、吸収した光より長い波長の光に変換する有機物または無機物を1つ以上含む、請求項1〜6のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
- 前記有機物が、ペリレン誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾチアジアゾール誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、フルオレン誘導体、希土類元素のユーロピウムを中心金属元素とする有機金属錯体、サマリウムを中心金属元素とする有機金属錯体、および、有機無機ハイブリッド素材からなる群から選ばれる1つを少なくとも含む、請求項1〜7のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
- 前記無機物が、酸化亜鉛系蛍光体、硫化亜鉛系蛍光体、アルミン酸塩系蛍光体、リン酸塩系蛍光体、ハロリン酸カルシウム系蛍光体、および、希土類酸化物系蛍光体等からなる群から選ばれる1つを少なくとも含む、請求項1〜7のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
- 前記波長変換層が、光学的に透明なマトリックス樹脂を含み、前記ポリマーマトリックスが、ポリエチレンテレフタレート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリビニルアセテート、ポリオレフィン、ポリエチレンテトラフルオロエチレン、ポリイミド、非晶質ポリカーボネート、シロキサンゾル−ゲル、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエーテルサルフォン、ポリアリレート、エポキシ樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、および、シリコーン樹脂からなる群から選ばれる1つを少なくとも含む、請求項1〜9のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
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