JP2016115362A - 印刷管理装置及び方法、並びにプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】顧客の要求画質が明示的でない場合でも、顧客の依頼に応じて、品質、コスト、納期等の最適なバランスの印刷物を提供可能にする。【解決手段】印刷管理装置(50)は、顧客ごとに過去の取引で提供した印刷物の用途、画質指数及び顧客の評価が関連付けされた履歴データを蓄積する顧客特性データベース(14)と、顧客特性データベースに蓄積されている履歴データから、顧客の要求品質を満たした画質指数の分布を示す画質分布データを生成する画質分布生成手段(58)と、記画質分布データを利用して注文情報に係る印刷物の目標品質を示す目標画質指数を決定する目標画質指数決定手段(24)と、を備える。【選択図】図12
Description
本発明は複数台のプリンタの中から使用するプリンタや印刷条件を適応的に選択する印刷管理装置及び方法、並びにプログラムに係り、特に、顧客からの注文に応じて適切な出力条件で印刷物を提供するサービスの実現に好適な印刷出力管理・制御技術に関する。
特許文献1には、複数台のプリンタ群中から、出力画質、印刷時間、印刷コストの観点に基づき最適なプリンタを選択するシステムが開示されている(特許文献1の段落0065−0069)。特許文献2には印刷データを解析して出力画質を予測し、オペレータが指定する画質レベル条件と印刷完了予定時間から印刷に用いるプリンタを選択するプリンタ選択装置が開示されている。特許文献3には、印刷出力時の画質に影響を与える画像処理パラメータの操作に対する画質対費用トレードオフを可視化し、顧客による印刷出力画像の選択を可能にする方法が開示されている。具体的には、アンダーカラー除去(UCR)の割合に対する画質の変化を示すグラフと、着色剤の費用の関係を示すグラフとを顧客に提示することで、顧客は画質対費用を考慮した設定を行うことができる。
顧客からの注文に応じて印刷物を提供する印刷サービスにおいては、出力画像品質等について必ずしも顧客側から明示的に目標画質(要求画質)の情報が提示されない場合がある。顧客が求める出力画像の品質は、顧客ごと、或いは印刷物の用途・種類ごとに様々であり、目標画質、費用(コスト)、納期などのトレードオフ関係に対して、最適なバランスで出力条件(使用する印刷機やその印刷条件など、以下このような様々な条件を包括して「印刷出力条件」という。)を決定することが望まれる。
しかしながら、特許文献1の技術では、顧客から明示的な目標画質が提示されないような状況に対処できない。
特許文献2の技術では、印刷ジョブごとにオペレータが目標画質レベルを試行錯誤的に決定しなければならず、作業効率が悪い。
特許文献3の技術では、特定のプリンタが要求レベルに到達しない場合(要求未達)、出力を断念するか、別のプリンタを探索する必要がある。また、画質と費用のトレードオフ関係を示すグラフを提示されたとしても、顧客は数値で表された画質の情報から実際の印刷物の良し悪しを判断することが困難である。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、顧客が求める要求画質が明示的になっていない条件下であっても、顧客の依頼に応じて、品質、コスト、納期等のトレードオフ関係に対して、最適なバランスの印刷出力条件による印刷物の提供を可能にする印刷管理装置及び方法、並びにプログラムを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、次の発明を提供する。
本発明の一態様に係る印刷管理装置は、顧客の注文情報に応じて印刷物の出力条件を決定する印刷管理装置であって、顧客ごとに過去の取引で提供した印刷物の用途及びコンテンツタイプのうち少なくとも一方の分類情報と、その印刷物の品質を数値で表した画質指数と、その印刷物に対する顧客の評価とが関連付けられた履歴データを蓄積する顧客特性データベースと、顧客特性データベースに蓄積されている履歴データから、顧客の要求品質を満たした画質指数の分布を示す画質分布データを生成する画質分布生成手段と、画質分布データを利用して注文情報に係る印刷物の目標品質を示す目標画質指数を決定する目標画質指数決定手段と、を備える印刷管理装置である。
他の態様に係る印刷管理方法は、顧客の注文に応じて印刷物を提供するための出力条件を決定する印刷管理方法であって、顧客ごとに過去の取引で提供した印刷物の用途及びコンテンツタイプのうち少なくとも一方の分類情報と、その印刷物の品質を数値で表した画質指数と、その印刷物に対する顧客の評価とが関連付けられた履歴データを蓄積する顧客特性データベースを用意し、顧客特性データベースに蓄積されている履歴データから、顧客の要求品質を満たした画質指数の分布を示す画質分布データを生成する工程と、画質分布データを利用して注文情報に係る印刷物の目標品質を示す目標画質指数を決定する目標画質指数決定工程と、を含む印刷管理方法である。
他の態様に係るプログラムは、顧客の注文情報に応じて印刷物の出力条件を決定する印刷管理プログラムであって、少なくとも1台のコンピュータを、顧客ごとに過去の取引で提供した印刷物の用途及びコンテンツタイプのうち少なくとも一方の分類情報と、その印刷物の品質を数値で表した画質指数と、その印刷物に対する顧客の評価とが関連付けられた履歴データを蓄積する顧客特性データベースと、顧客特性データベースに蓄積されている履歴データから、顧客の要求品質を満たした画質指数の分布を示す画質分布データを生成する画質分布生成手段と、画質分布データを利用して注文情報に係る印刷物の目標品質を示す目標画質指数を決定する目標画質指数決定手段として機能させるためのプログラムである。
前記目的を達成するために、他の態様に係る印刷管理装置は、顧客の注文情報に応じて印刷物の出力条件を決定する印刷管理装置であって、顧客ごとに過去の取引で提供した印刷物の用途及びコンテンツタイプのうち少なくとも一方の分類情報と、その印刷物の品質を数値で表した画質指数と、その印刷物に対する顧客の評価とが関連付けられた履歴データを蓄積する顧客特性データベースと、複数台のプリンタについてプリンタごとに印刷時の条件とその条件で実現される画質指数とが関連付けられたプリンタ特性データを記録しておくプリンタ特性データベースと、顧客特性データベースに蓄積されている履歴データを利用して、注文情報に係る印刷物の目標品質を示す目標画質指数を決定する目標画質指数決定手段と、注文情報及び目標画質指数からプリンタ特性データベースを参照して、当該注文情報に対応した印刷物を得るために使用するプリンタと印刷時の条件とを選択し、選択した出力条件の情報を出力する印刷出力条件決定手段と、顧客特性データベースに蓄積されている履歴データから、顧客の要求品質を満たした画質指数の分布を示す画質分布データを生成する画質分布生成手段と、を備え、目標画質指数を決定する際に画質分布データが利用される印刷管理装置である。
また、前記目的を達成するために、次の発明を提供する。
(第1態様):顧客の注文情報に応じて印刷物の出力条件を決定する印刷管理装置であって、顧客ごとに過去の取引で提供した印刷物の用途及びコンテンツタイプのうち少なくとも一方の分類情報と、その印刷物の品質を数値で表した画質指数と、その印刷物に対する顧客の評価とが関連付けられた履歴データを蓄積する顧客特性データベースと、複数台のプリンタについてプリンタごとに印刷時の条件とその条件で実現される画質指数とが関連付けられたプリンタ特性データを記録しておくプリンタ特性データベースと、顧客特性データベースに蓄積されている履歴データを利用して、注文情報に係る印刷物の目標品質を示す目標画質指数を決定する目標画質指数決定手段と、注文情報及び目標画質指数からプリンタ特性データベースを参照して、当該注文情報に対応した印刷物を得るために使用するプリンタと印刷時の条件とを選択し、選択した出力条件の情報を出力する印刷出力条件決定手段と、を備える印刷管理装置を提供する。
印刷管理装置は、1台又は複数台のコンピュータを用いたコンピュータシステムによって実現することができる。目標画質指数決定手段は、例えば、顧客特性データベースに蓄積されている履歴データを基に自動的に目標画質指数を決定する演算処理機能を備える構成とすることができる。或いはまた、目標画質指数決定手段は、履歴データの情報又は履歴データを加工して得られる情報をディスプレイに表示させるなどしてオペレータによる目標画質指数の設定の判断を支援し、オペレータの操作で入力された情報に基づいて目標画質指数を決定する構成とすることができる。
印刷物の用途は、出力用の入稿データ、もしくは、印刷見本(カンプ)から推定することができる。例えば、印刷物の画像内容を構成している要素の種類(写真、文字、線画、イラストなどのコンテンツタイプ)と、それらの画像領域を自動的に判別するコンテンツタイプ判断手段を備える構成とすることができる。コンテンツタイプ判断手段によって自動判別したコンテンツタイプとその面積比率などから、印刷物の用途を自動的に判断できる。
(第2態様):第1態様に記載の印刷管理装置において、画質指数は、印刷結果から実際に測定可能な物理量と関連付けられて定義されている構成とすることができる。
(第3態様):第1態様又は第2態様に記載の印刷管理装置において、画質指数は、複数の画質属性のそれぞれ対応した数値を組み合わせる演算式により定義されている構成とすることができる。
画質属性には、例えば、ノイズ、色階調、シャープネス、文字性、光沢、スジムラなどがある。各属性の評価値は1又は複数の物理測定値と関連付けられて定義されている。画質指数は、複数の画質属性のそれぞれの数値(評価値)を組み合わせて定義される総合的な品質を表すものとすることができる。例えば、画質指数は、複数の画質属性のそれぞれの数値に適宜の重み付け係数を掛けて足し合わせる線型演算の演算式で定義されるものとすることができる。
(第4態様):第1態様から第3態様のいずれか1項に記載の印刷管理装置において、顧客特性データベースに蓄積される履歴データには、過去の取引で提供した印刷物のコストと納期に関する情報が含まれる構成とすることができる。
かかる態様により、顧客別に、用途ごとの品質、コスト、納期の最適バランスを推測することができる。
(第5態様):第1態様から第4態様のいずれか1項に記載の印刷管理装置において、顧客特性データベースに蓄積されている履歴データから、顧客の要求品質を満たした画質指数の分布を示す画質分布データを生成する画質分布生成手段を備え、目標画質指数を決定する際に画質分布データが利用される構成とすることができる。
例えば、過去の取引で顧客に提供した印刷物に対する顧客の反応(評価)として、顧客がその印刷物の品質に満足したことを示す情報(OK情報という。)を顧客特性データベースに記録しておく。或いは、顧客が満足した(OKとした)印刷物の履歴データのみを顧客特性データベースに蓄積するという態様も可能である。
顧客特性データベースに蓄積されている履歴データを加工することにより、顧客別、用途別に、実績のあるOK品質の画質分布データ(OK画質分布データ)を生成することができる。また、複数顧客のOK画質分布データの平均値データを生成したり、類似する用途やコンテンツタイプなどから、新規用途のOK品質を推測したりすることが可能である。
このような分布情報を利用することにより、適切な目標画質指数の決定が可能である。
(第6態様):第5態様に記載の印刷管理装置において、画質分布生成手段は、顧客特性データベースに蓄積されている履歴データから、顧客の要求品質に未到達の画質指数の分布を示すNG画質分布データを生成し、NG画質分布データは目標画質指数を決定する際に利用される構成とすることができる。
例えば、過去の取引で顧客に提供した印刷物に対する顧客の評価として、顧客がその印刷物の品質に満足した場合にはOK情報を顧客特性データベースに記録し、満足しなかった場合は顧客の要求品質に到達していないことを示す情報(NG情報という。)を顧客特性データベースに記録する。そして、OK画質分布データとNG画質分布データをそれぞれ生成して、これらOK/NGの画質分布情報を基に目標画質指数を決定する。
(第7態様):第5態様又は第6態様に記載の印刷管理装置において、画質分布生成手段により生成されたデータに基づく画質分布情報をオペレータに対して提示する分布情報提示手段と、画質分布情報の提示とともに、オペレータから目標画質指数の設定操作を受け付ける操作用画面を提示するユーザーインターフェース提示手段と、を備える構成とすることができる。
かかる態様によれば、分布情報を参考にして適切な目標画質指数を指定することができる。
(第8態様):顧客の注文に応じて印刷物を提供するための出力条件を決定する印刷管理方法であって、顧客ごとに過去の取引で提供した印刷物の用途及びコンテンツタイプのうち少なくとも一方の分類情報と、その印刷物の品質を数値で表した画質指数と、その印刷物に対する顧客の評価とが関連付けられた履歴データを蓄積する顧客特性データベースと、複数台のプリンタについてプリンタごとに印刷時の条件とその条件で実現される画質指数とが関連付けられたプリンタ特性データを記録しておくプリンタ特性データベースと、を用意し、顧客特性データベースに蓄積されている履歴データを利用して、顧客の注文情報に係る印刷物の目標品質を示す目標画質指数を決定する目標画質指数決定工程と、注文情報及び目標画質指数からプリンタ特性データベースを参照して、当該注文に対応した印刷物を得るために使用するプリンタと印刷時の条件とを選択し、選択した出力条件の情報を出力する印刷出力条件決定工程と、を含む印刷管理方法を提供する。
第8態様の方法発明について、第2態様から第7態様に記載の事項と同様の特徴を組み合わせる態様が可能である。この場合、「手段」として特定される事項は、その手段の動作、処理、機能に対応した「工程」や「ステップ」として把握することができる。
(第9態様):顧客が求める印刷物の注文情報の入力を受け付ける注文受付装置と、第1から第7態様のいずれか1項に記載の印刷管理装置と、を備える印刷管理システムを提供する。
この印刷管理システムは、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、又はこれらの組み合わせを含むネットワークを利用したコンピュータシステムによって実現することができる。
(第10態様):第9態様に記載の印刷管理システムにおいて、顧客特性データベースとプリンタ特性データベースのそれぞれの更新を行うデータベース管理装置を備える構成とすることができる。
データベース毎にデータベース管理装置を備えてもよいし、複数のデータベースを統括管理するデータベース管理装置を備えてもよい。
(第11態様):第9態様又は第10態様に記載の印刷管理システムにおいて、顧客が求める印刷物の画像データを格納しておく画像データ格納手段を備え、印刷管理装置で選択した出力条件に該当する出力先のプリンタに対して画像データ格納手段から画像データが提供される構成とすることができる。
(第12態様):第9態様から第11態様のいずれか1項に記載の印刷管理システムと、複数台のプリンタと、を備え、注文受付装置を介して取得した顧客からの注文情報に対して適応的に出力条件を決定し、その決定した出力条件に従って該当するプリンタを稼働させて印刷物を生産する印刷システムを提供する。
かかる態様によれば、依頼主である顧客の注文に応じて適切な出力条件で印刷した印刷物を顧客に提供できる印刷サービスを実現することができる。
(第13態様):顧客の注文情報に応じて印刷物の出力条件を決定する印刷管理プログラムであって、少なくとも1台のコンピュータを、顧客ごとに過去の取引で提供した印刷物の用途及びコンテンツタイプのうち少なくとも一方の分類情報と、その印刷物の品質を数値で表した画質指数と、その印刷物に対する顧客の評価とが関連付けられた履歴データを蓄積する顧客特性データベースと、複数台のプリンタについてプリンタごとに印刷時の条件とその条件で実現される画質指数とが関連付けられたプリンタ特性データを記録しておくプリンタ特性データベースと、顧客特性データベースに蓄積されている履歴データを利用して、注文情報に係る印刷物の目標品質を示す目標画質指数を決定する目標画質指数決定手段と、注文情報及び目標画質指数からプリンタ特性データベースを参照して、当該注文情報に対応した印刷物を得るために使用するプリンタと印刷時の条件とを選択し、選択した出力条件の情報を出力する印刷出力条件決定手段として機能させるための印刷管理プログラムを提供する。
複数台のコンピュータの組み合わせによって、顧客特性データベース、プリンタ特性データベース、目標画質指数決定手段、印刷出力条件決定手段の各機能を実現する場合は、それぞれの機能を実現するためのプログラムが提供される。
第13態様のプログラムについて、第2態様から第7態様に記載の事項と同様の特徴を組み合わせる態様が可能である。この場合、「手段」として特定される機能をコンピュータによって実現するためのプログラムとして把握される。
(第14態様):顧客の注文情報に応じて印刷物の出力条件を決定する印刷管理システムに用いられる情報処理装置であって、顧客ごとに過去の取引で提供した印刷物の用途及びコンテンツタイプのうち少なくとも一方の分類情報と、その印刷物の品質を数値で表した画質指数と、その印刷物に対する顧客の評価とが関連付けられた履歴データを蓄積する顧客特性データベースと、顧客特性データベースに蓄積されている履歴データを利用して、注文情報に係る印刷物の目標品質を示す目標画質指数を決定する目標画質指数決定手段と、ネットワークを介して目標画質指数を送信する通信手段と、を備え、複数台のプリンタについてプリンタごとに印刷時の条件とその条件で実現される画質指数とが関連付けられたプリンタ特性データを記録しておくプリンタ特性データベースと、注文情報及び目標画質指数からプリンタ特性データベースを参照して、注文情報に対応した印刷物を得るために使用するプリンタと印刷時の条件とを選択し、選択した出力条件の情報を出力する印刷出力条件決定手段と、を備える印刷管理システムに対して通信手段によってネットワークを介して目標画質指数を送信する情報処理装置を提供する。
この態様に係る情報処理装置は、顧客特性データベースと、目標画質指数決定手段と、通信手段とを備え、ネットワークを介して印刷管理システムに目標画質指数を送信できる。
プリンタ特性データベースと、印刷出力条件決定手段とを含む印刷管理システムは、ネットワーク上で利用でき、情報処理装置から送信した目標画質指数に基づき、プリンタ特性データベースが参照されて適切な出力条件が選択される。
(第15態様):顧客の注文情報に応じて印刷物の出力条件を決定する印刷管理システムに用いられる情報処理プログラムであって、少なくとも1台のコンピュータを、顧客ごとに過去の取引で提供した印刷物の用途及びコンテンツタイプのうち少なくとも一方の分類情報と、その印刷物の品質を数値で表した画質指数と、その印刷物に対する顧客の評価とが関連付けられた履歴データを蓄積する顧客特性データベースと、顧客特性データベースに蓄積されている履歴データを利用して、注文情報に係る印刷物の目標品質を示す目標画質指数を決定する目標画質指数決定手段と、ネットワークを介して目標画質指数を送信する通信手段として機能させ、複数台のプリンタについてプリンタごとに印刷時の条件とその条件で実現される画質指数とが関連付けられたプリンタ特性データを記録しておくプリンタ特性データベースと、注文情報及び目標画質指数からプリンタ特性データベースを参照して、注文情報に対応した印刷物を得るために使用するプリンタと印刷時の条件とを選択し、選択した出力条件の情報を出力する印刷出力条件決定手段と、を備える印刷管理システムに対して通信手段によってネットワークを介して目標画質指数を送信する機能を実現させるためのプログラムを提供する。
(第16態様):顧客の注文情報に応じて印刷物の出力条件を決定する印刷管理システムに用いられる情報処理装置であって、ネットワークに接続され、ネットワークを介して情報の送受信を行う通信手段と、ネットワークを介して顧客の注文情報を受け付ける注文情報受付手段と、を備え、顧客ごとに過去の取引で提供した印刷物の用途及びコンテンツタイプのうち少なくとも一方の分類情報と、その印刷物の品質を数値で表した画質指数と、その印刷物に対する顧客の評価とが関連付けられた履歴データを蓄積する顧客特性データベースと、顧客特性データベースに蓄積されている履歴データを利用して、注文情報に係る印刷物の目標品質を示す目標画質指数を決定する目標画質指数決定手段と、を含む第1のサーバに対しネットワークを介して通信手段から注文情報に含まれる分類情報を送信することにより目標画質指数決定手段に対して目標画質指数の問い合わせを行い、目標画質指数決定手段によって決定された目標画質指数をネットワーク経由で受信する目標画質指数問合せ手段を備え、さらに、複数台のプリンタについてプリンタごとに印刷時の条件とその条件で実現される画質指数とが関連付けられたプリンタ特性データを記録しておくプリンタ特性データベースと、注文情報及び目標画質指数からプリンタ特性データベースを参照して、注文情報に対応した印刷物を得るために使用するプリンタと印刷時の条件とを選択し、選択した出力条件の情報を出力する印刷出力条件決定手段と、を含む第2のサーバに対し、ネットワークを介して通信手段から目標画質指数を送信することにより出力条件の問い合わせを行い、印刷出力条件決定手段によって選択された出力条件の情報をネットワーク経由で受信する出力条件問合せ手段を備える情報処理装置を提供する。
この態様に係る情報処理装置は、通信手段と、注文情報受付手段と、目標画質指数問合せ手段と、出力条件問合せ手段とを備える。ネットワーク上には、第1のサーバと第2のサーバが接続されており、情報処理装置は第1のサーバに対して目標画質指数の問い合わせを行い、第2のサーバに対して出力条件の問い合わせを行う。情報処理装置は、これら問い合わせに対する回答(検索処理の結果)を各サーバから受信することができる。
(第17態様):顧客の注文情報に応じて印刷物の出力条件を決定する印刷管理システムに用いられる情報処理プログラムであって、少なくとも1台のコンピュータを、ネットワークに接続され、ネットワークを介して情報の送受信を行う通信手段と、ネットワークを介して顧客の注文情報を受け付ける注文情報受付手段として機能させ、顧客ごとに過去の取引で提供した印刷物の用途及びコンテンツタイプのうち少なくとも一方の分類情報と、その印刷物の品質を数値で表した画質指数と、その印刷物に対する顧客の評価とが関連付けられた履歴データを蓄積する顧客特性データベースと、顧客特性データベースに蓄積されている履歴データを利用して、注文情報に係る印刷物の目標品質を示す目標画質指数を決定する目標画質指数決定手段と、を含む第1のサーバに対しネットワークを介して通信手段から注文情報に含まれる分類情報を送信することにより目標画質指数決定手段に対して目標画質指数の問い合わせを行い、目標画質指数決定手段によって決定された目標画質指数をネットワーク経由で受信する目標画質指数問合せ手段として機能させ、さらに、複数台のプリンタについてプリンタごとに印刷時の条件とその条件で実現される画質指数とが関連付けられたプリンタ特性データを記録しておくプリンタ特性データベースと、注文情報及び目標画質指数からプリンタ特性データベースを参照して、注文情報に対応した印刷物を得るために使用するプリンタと印刷時の条件とを選択し、選択した出力条件の情報を出力する印刷出力条件決定手段と、を含む第2のサーバに対し、ネットワークを介して通信手段から目標画質指数を送信することにより出力条件の問い合わせを行い、印刷出力条件決定手段によって選択された出力条件の情報をネットワーク経由で受信する出力条件問合せ手段として機能させるためのプログラムを提供する。
本発明によれば、注文情報において顧客の要求画質が明示的になっていない場合であっても、顧客特性データベースを参照して、適切な出力条件を決定することができ、顧客の要求画質を満たす印刷物の提供が可能となる。
以下、添付図面にしたがって本発明を実施するための形態について詳説する。
〔基本概念の説明〕
図1は本発明の第1実施形態に係る印刷管理装置の基本構成を示すブロック図である。印刷管理装置10は、印刷物を求める顧客の注文情報(以下、「顧客注文情報」という。)12から顧客特性データベース(DB)14とプリンタ特性データベース(DB)16とを参照して、最適な印刷出力条件を決定する装置であり、その決定した情報(「印刷出力条件情報」という。)18を外部に出力(OUTPUT)する機能を有する。
図1は本発明の第1実施形態に係る印刷管理装置の基本構成を示すブロック図である。印刷管理装置10は、印刷物を求める顧客の注文情報(以下、「顧客注文情報」という。)12から顧客特性データベース(DB)14とプリンタ特性データベース(DB)16とを参照して、最適な印刷出力条件を決定する装置であり、その決定した情報(「印刷出力条件情報」という。)18を外部に出力(OUTPUT)する機能を有する。
顧客注文情報12には、発注者(顧客)を特定する情報(例えば、発注者名や顧客識別番号など)、印刷物の用途(例えば、写真集、カタログ、広告チラシなど)、印刷物の見本(サンプル)、数量、価格、納期などの情報を含めることができる。ここに例示した情報の一部であってもよいし、他の情報が付加されていてもよい。
顧客特性DB14は、注文者(注文主)である顧客別に注文内容や過去の取引による実績(履歴)などの情報を蓄積したデータ群である。本例の顧客特性DB14は、顧客別に、印刷物の用途やコンテンツタイプごとに、過去にその顧客が了承した(OKと認めた)画像品質を「画質指数」という指標の数値で記述されている。画質指数は、印刷物の画質を規定する指標であり、印刷物等から実際に測定可能な物理量と関連付けられる少なくとも1種類、好ましくは複数種類の画質属性の評価を含んだ数値として定義される。画質指数の具体例は後述する。なお、本明細書では、画質指数を「Q」という記号で表記する。
プリンタ特性DB16は、複数台のプリンタ(印刷機)についてプリンタごとにそれぞれの性能(特性)を記述したデータ群である。本例のプリンタ特性DB16は、プリンタ別に、各種出力条件の組み合わせごとに、画質指数で記述されている。
印刷管理装置10は、入力された顧客注文情報12と顧客特性DB14とに基づき、当該注文に係る印刷物の目標画質指数を決定する手段(目標画質指数決定手段)24を備える。また、印刷管理装置10は、目標画質指数とプリンタ特性DB16から、印刷に使用するプリンタを選択し、印刷条件などを決定する手段(印刷出力条件決定手段)26を備える。
このような印刷管理装置10は、1台又は複数台のコンピュータ(その周辺機器を含んで良い。)のハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって実現することができる。また、印刷管理装置10は、クラウドコンピューティングにより実現することかできる。
コンピュータに印刷管理装置10の各手段としての機能を実現させるためのプログラムは、コンピュータに予めインストールされていてもよいし、当該プログラムを記憶させた磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、メモリカードその他のコンピュータ可読媒体(情報記憶媒体)を提供することも可能である。また、このような有体物たる記憶媒体にプログラムを記憶させて提供する態様に代えて、インターネットなどの通信ネットワークを利用してプログラム信号をダウンロードサービスとして提供することも可能である。
<画質指数について>
図2は画質指数の説明図である。本例の画質指数は印刷物の総合画質を規定する指標であり、複数の画質属性の評価を組み合わせた値として定義される。つまり、総合画質は複数の画質属性のツリー構造で表すことができ、各属性を総合的に考慮した品質として把握される。図2の例では、画質属性として、画像ノイズ、色階調、シャープネス、文字性、光沢、スジムラの6種類の画質属性を示している。ここで例示する6種類の画質属性の一部を用いても良いし、さらに他の画質属性を追加してもよい。
図2は画質指数の説明図である。本例の画質指数は印刷物の総合画質を規定する指標であり、複数の画質属性の評価を組み合わせた値として定義される。つまり、総合画質は複数の画質属性のツリー構造で表すことができ、各属性を総合的に考慮した品質として把握される。図2の例では、画質属性として、画像ノイズ、色階調、シャープネス、文字性、光沢、スジムラの6種類の画質属性を示している。ここで例示する6種類の画質属性の一部を用いても良いし、さらに他の画質属性を追加してもよい。
個々の属性は、印刷品質の項目の1つ又は複数と関連付けられており、画質属性並びに印刷品質項目は、印刷結果などから実際に測定可能な物理量(「物理測定値」に相当、図2中、「画質測定値」と記載)から推定可能である。
図3は画質指数の求め方を示す概念図である。なお、図3に示した概念を説明する参考文献として「Peter G. Engeldrum, “Psychometric Scaling : a toolkit for imaging systems development”, pp.8-17., 2000.」がある。
テストチャートや実画像を印刷し、その印刷結果を測定することによって物理的な技術変数(Technology Variables)の値が得られる。この測定された技術変数を符号「X」で表し、具体的な値をX1,X2,X3…など表記する。
チャート測定などの測定で得られる値Xと、画質測定値としての物理画像パラメータ(物理定量値)Yiとは所定のシステムモデルにしたがって関連付けられている。システムモデルには、例えば、ハードコピー画質の測定方法に関するISO/IEC 13660などを適用することができる。チャート測定等で得られた値Xから、システムモデルで定義される関数Fi(X)にしたがい、画質測定値としての物理画像パラメータ(物理定量値)Yi=Fi(X)が得られる。
ここでいう物理画像パラメータは、例えば、RMS(root mean square granularity
)粒状度などのように、一般に「〜度」と呼ばれるような物理評価値(指標)である。このような物理画像パラメータは複数種類あり得る。
)粒状度などのように、一般に「〜度」と呼ばれるような物理評価値(指標)である。このような物理画像パラメータは複数種類あり得る。
画質属性或いは印刷品質項目に対応するカスタマーパーセプション(顧客知覚性)は、例えば、粒状性などのように、一般に「〜性」とよばれるような官能評価値である。この官能評価値(図においてZiで表す)は、用途によらない数値として表される。
画質属性(又は印刷品質項目)を表す官能評価値Ziは、ビジュアルアルゴリスムで定義される関数Gi(Y)にしたがって計算される(Zi=Gi(Y))。
印刷総合画質に対応するカスタマークオリティプレファランス(顧客の画質好み)は、複数の画質属性を組み合わせた総合的な画質の官能評価値である。この総合画質は、用途毎に定義される。総合画質の評価値Qiは、画像品質モデルで定義される関数Hi(Z)で計算され、用途毎に異なる関数Hi(Z)が定義される。
実際の測定で得られる物理量X、画質測定値Y、画質属性(又は印刷品質項目)Z、印刷総合画質Qのそれぞれを関連付ける各モデルやアルゴリズムは、簡単な例としては、線型モデルでよい。より詳細には、評価実験などを通して具体的な関数が決定される。
官能評価値Qi、Ziと、物理定量値(物理評価値)X,Yとの対応関係(Fi、Gi、Hiで示される関数)を予め求めておく。その際、印刷総合画質Qiと画質属性/印刷品質項目(Zi)との関係については、印刷物の用途毎にモデルパラメータが最適化される。例えば、写真の多い「写真集」などの用途では、画像に関する画質属性が重視される。一方、文字の多い「ドキュメント」などの用途では、文字に関する画質属性が重視される。
印刷総合画質Qiの演算は、重回帰分析の線型モデルでもよいし、コンテンツタイプの面積比率に応じた重み係数による線型モデルでもよいし、或いは、非線形のモデルでもよい。こうして、用途毎に定義された関数Hiにしたがい、カタログ用の総合画質Q1、写真集用の総合画質Q2、チラシ用の総合画質Q3、などが計算される。
本実施形態では、画質指数として、複数の画質属性を総合的に評価した総合画質を用いるが、総合画質に代えて、総合評価する前の個別の画質属性の単体、或いは、これらの適宜の組み合わせを用いても良い。
<顧客特性DBの構成例>
図4は顧客特性DBの構成例を示す図表である。図示のように、顧客特性DB14には、顧客を識別する情報(顧客名や顧客IDなど)と共に、顧客別に用途やコンテンツタイプの条件に対する当該顧客の要求品質を満たした画質指数(「OK_Q」と表記する場合がある。)と、当該顧客の要求品質に未到達の画質指数(「NG_Q」と表記する場合がある。)とが管理されている。OK_Qは、提供した印刷物に対して顧客の了承・承認(OK判断)が得られた画質指数である。NG_Qは、提供した印刷物が顧客の要求品質を満足させることができず、当該顧客から拒否・不承認(NG判断)が表明された画質指数である。このようなデータは、過去の注文に対する納品物の実績から履歴情報として蓄積していくことができる。すなわち、顧客との取引を通じて、提供した印刷物の画質指数と、その印刷物に対する顧客の評価(OK又はNG)とを関連付けて履歴データとし顧客特性DBに保存していく。
図4は顧客特性DBの構成例を示す図表である。図示のように、顧客特性DB14には、顧客を識別する情報(顧客名や顧客IDなど)と共に、顧客別に用途やコンテンツタイプの条件に対する当該顧客の要求品質を満たした画質指数(「OK_Q」と表記する場合がある。)と、当該顧客の要求品質に未到達の画質指数(「NG_Q」と表記する場合がある。)とが管理されている。OK_Qは、提供した印刷物に対して顧客の了承・承認(OK判断)が得られた画質指数である。NG_Qは、提供した印刷物が顧客の要求品質を満足させることができず、当該顧客から拒否・不承認(NG判断)が表明された画質指数である。このようなデータは、過去の注文に対する納品物の実績から履歴情報として蓄積していくことができる。すなわち、顧客との取引を通じて、提供した印刷物の画質指数と、その印刷物に対する顧客の評価(OK又はNG)とを関連付けて履歴データとし顧客特性DBに保存していく。
印刷物はその用途によって要求される品質が大きく変わるため、顧客特性DB14では「用途」の観点でデータを分類する。また、印刷物の画像(1枚の絵)の中には、写真部分、文字部分、線画部分、イラスト部分など様々なコンテンツが含まれうる。印刷物の画像内容を構成している要素(コンテンツ)がどのようなものであるかを分類する観点が「コンテンツタイプ」による分類である。
「用途」という大分類の中に「コンテンツタイプ」というより詳細な小分類があるという関係にある。本実施形態では、用途とコンテンツタイプの組み合わせに対して画質指数のデータが蓄積されている。
その他の項目は、必須ではないが、利用価値が高いと思われる項目の情報が顧客特性DBに登録される。図4の例では、注文ごとの印刷ジョブ(Job)を識別するためのジョブID(識別符号)や、注文の受付日、コスト(符号「C」で表記する。)、納期(符号「D」で表記する。)。つまり、過去の取引におけるジョブの履歴として、注文に応じて提供した印刷物の画質(Q)とコスト(C)、納期(D)に対して、その顧客が満足したか(OKか)、満足しなかったか(NGか)という情報が顧客特性DB14に蓄積されていく。
なお、本例では画質指数Qとして総合画質を用い、総合画質の評価項目として含まれる画質属性(ここでは項目aからfの6種類の属性)の評価値(Zi;i=a,b,c,d,e,f)も記録されている。具体的には、例えば、図2で説明したノイズ、色階調、シャープネス、文字、光沢、スジムラの6種類の属性がa〜fに対応する。なお、図4では記載を省略しているが、表の各セルにはそれぞれ該当する値が記述される。
また、このような顧客特性DBから様々な統計処理を行うことが可能であり、顧客特性DBに登録されている各種データを加工することにより、顧客毎の好みや傾向、全顧客の平均的なOKレベル(OK_Qの平均値)など、様々な2次的な情報を生成することができる。このような2次的な情報は、必要に応じてオペレータの指示に基づき顧客特性DB14から随時生成してもよいし、定期的に或いは不定期に適宜のタイミングで自動的に生成してもよい。また、生成された2次的情報(DB加工データ)は、顧客特性DB14に組み入れて保持してもよいし、別のデータベースに登録したり、他の記憶装置に格納したりすることも可能である。
本実施形態では、複数の顧客の平均値など、標準的なパラメータが顧客特性DB14に保持される。これら標準的なデータは例えば、新規顧客の要求品質の推測に利用される。
また、本例では、顧客の要求品質を推測する手がかりとして、顧客特性DB14から図5に示すような、画質指数QとOK回数、NG回数の分布データ(「OK/NG画質指数分布
」という。)を生成する。過去の納品印刷物の画質指数Qとその印刷物に対する顧客評価(OK/NG判断)の蓄積データ群から、用途別に、画質指数Q(総合画質)に対する顧客のOK判断回数、NG判断回数のそれぞれのヒストグラムを得ることができる。
」という。)を生成する。過去の納品印刷物の画質指数Qとその印刷物に対する顧客評価(OK/NG判断)の蓄積データ群から、用途別に、画質指数Q(総合画質)に対する顧客のOK判断回数、NG判断回数のそれぞれのヒストグラムを得ることができる。
図5中、実線で示した分布は、OK回数の分布データ(「OK画質分布データ」という。)である。図5中、破線で示した分布は、NG回数の分布データ(「NG画質分布データ」という。)である。このような画質指数分布は、特定の顧客のデータを使って同一用途のデータ群から生成することも可能であるし、複数の顧客(例えば、登録されている全顧客又は一部の顧客)の同一用途のデータ群から生成することもできる。
例えば、同じ顧客と何度も取引をすると、その顧客において印刷物の品質が「OK」と判断される画質レベル(OK_Q)と、「NG」と判断される画質レベル(NG_Q)の分布が明確になる。常連顧客については、その特定顧客のデータから当該顧客の用途別OK/NG画質指数分布を生成する。また、新規顧客については、同一用途に関する他の顧客のデータを使って分布を作成する。
また、顧客特性DBに登録されていない新規の用途の場合には、他の用途データを使って分布を推定したり、或いは、新規用途で重視される画質属性の項目や項目間のバランスを考慮した想定を使って分布を推定したりすることができる。
さらに、他の顧客を含めて平均データからの特定顧客データのずれ(例えば、標準偏差)を用いて、当該特定顧客(常連顧客)の好み、例えば、OK/NGの判断において重視する項目(重視項目)と、あまり重視しない項目(軽視項目)とを推定することができる。かかる推定に基づき、当該顧客の印刷依頼(注文)に対して、より好みに沿った印刷物を提案することが可能である。
本実施形態では、図6に示すように、顧客特性DB14を加工して生成される用途OK/NG画質指数分布を用いて、目標画質指数(「目標Q」と表記する場合がある。)が決定される。なお、図5,6ではOK画質分布データとNG画質分布データの両方を示したが、OK画質分布データのみを参照して目標Qを定めることもできる。
目標Qとは、実現可能な画質のうち、受注者(顧客からの印刷注文を受けた者、本実施形態の印刷管理装置10を活用して印刷出力条件を決めるべき立場にある者)が目標として設定する印刷物の画質のことである。この目標Qは「画質指数」で表される。本実施形態では、OK/NG画質指数分布を参考にして、オペレータが目標Qを指定する操作を行う態様を説明するが、分布情報から自動的に目標Qを演算する態様も可能である。
実際にプリンタによって実現する画質は、目標Qに最も近い画質の場合、目標Qを満たす下限画質の場合がある。目標Qに対して、実際の出力画質をどのように設定するかについては、様々な設定が可能である。
目標Qの決定に際しては、受注側の利益とリスクのバランスをとって目標Qを決めることが望ましい。また、発注者(顧客)からの要望事項などを考慮して、受注者が「目標Q」を決める。
ここでいう「利益」は、生産コストを減らすこと、生産スピードを上げること、などで発生する利益である。この利益は、追求すると画質が下がるような性質の利益である(利益と画質との間にトレードオフ関係がある)。
生産コストCは、印字方式(例えば、オフセット、デジタルプリント(インクジェット、昇華方式など))、インク量、紙種、外注先その他、複数のパラメータから決定される。生産スピード(生産性)を上げると生産に要する時間(生産時間)が短くなり、納期の短縮が可能となる。つまり、生産時間は納期Dと同様の意味をもつ。
利益は、生産コストCと生産時間Dの関数で表され、C、Dが減少するほど、利益は増大し、逆に、C、Dが増大するほど利益は減少する関係にある。このような関係を関数fで表現すると、次式のように、利益は、コスト(C)にマイナスを付けた変数と、生産時間(D)にマイナスを付けた変数の関数で表される。
〔式1〕 利益=f(−コスト(C),−生産時間(D))
リスクとは、顧客に印刷物を提供した際に、その顧客に画質NGと判断され、やり直しや取引中止になる可能性のことである。目標Qの設定に際しては、Q(画質)とCD(コスト及び納期)とのバランスをとるために利益とリスクも考慮する。
リスクとは、顧客に印刷物を提供した際に、その顧客に画質NGと判断され、やり直しや取引中止になる可能性のことである。目標Qの設定に際しては、Q(画質)とCD(コスト及び納期)とのバランスをとるために利益とリスクも考慮する。
<プリンタ特性DBの構成例>
図7はプリンタ特性DB16の構成例を示す図表である。プリンタ特性DB16には、プリンタ名、各種出力条件の組み合わせに対する画質指数Qが管理されている。本例のプリンタ特性DB16は、複数種類の画質属性項目a〜fのそれぞれに対応する画質指数と総合画質指数とがコンテンツタイプ別に記述されているが、画質属性項目別の画質指数のみ、或いは、総合画質指数のみが記述される形態もあり得る。プリンタ特性DB16は用途を定義せず、図7のようにコンテンツタイプで定義することが可能であるが、用途とコンテンツタイプの組み合わせで定義してもよい。
図7はプリンタ特性DB16の構成例を示す図表である。プリンタ特性DB16には、プリンタ名、各種出力条件の組み合わせに対する画質指数Qが管理されている。本例のプリンタ特性DB16は、複数種類の画質属性項目a〜fのそれぞれに対応する画質指数と総合画質指数とがコンテンツタイプ別に記述されているが、画質属性項目別の画質指数のみ、或いは、総合画質指数のみが記述される形態もあり得る。プリンタ特性DB16は用途を定義せず、図7のようにコンテンツタイプで定義することが可能であるが、用途とコンテンツタイプの組み合わせで定義してもよい。
プリンタ特性DB16には、生産性D、コストCも管理されていることが好ましい。また、その他の項目は、必須の登録事項ではないが利用価値が高いと思われる項目についてはプリンタ特性DB16に登録しておくことが好ましい。
目標Qと印刷物の必要スペック(用紙種類など)が入力されると、プリンタ特性DB16が検索され、指定された条件を満たすプリンタ(外注先を含む)、及び各種出力条件の候補が抽出される。
図8はプリンタ特性DBに登録されているプリンタ情報の概念図である。ここでは、プリンタを識別するプリンタ名を「プリンタ1」とした。図示の都合上、生産性、コスト、各種出力条件のパラメータの組み合わせに対して画質指数Qが対応付けられた品質空間を描いたが、実際には図7で説明したように、各種出力条件はさらに細かな条件項目に分かれており、また、用紙種など他のパラメータも含まれる多次元(多軸の)データである。つまり、実際の品質空間は、さらに多次元の項目要素の組み合わせに対して画質指数Qが関連付けられている。このような多次元品質空間において、そのプリンタで実現可能な画質指数の範囲が特定されたものとなっている。複数台のプリンタについて同様に、それぞれのプリンタの特性を示す情報がプリンタ特性DB16に予め登録されている。
顧客注文情報12から用途、コンテンツタイプを把握し、目標Qを入力すると、プリンタ特性DB16を使って、条件を満たすプリンタ(外注先のプリンタも含む)と、出力条件が抽出される。
図9はプリンタ選択時の概念図である。図9中「×」印が目標Qであるとすると、特性DB16に登録されているプリンタの中から、目標Qが実現可能な品質範囲に入るプリンタとその出力条件が選択される。
<Q(品質)とCD(コスト及び納期)のトレードオフ関係の具体例>
(1)C(コスト)とQ(品質)のトレードオフについて
例えば、コスト低減のためにインク量を削減すると、モアレや粒状が目立つ傾向にある。その一方、インク量を削減しなければ、コストアップになるがモアレや粒状が目立ちにくくなり、画質は向上する。
(1)C(コスト)とQ(品質)のトレードオフについて
例えば、コスト低減のためにインク量を削減すると、モアレや粒状が目立つ傾向にある。その一方、インク量を削減しなければ、コストアップになるがモアレや粒状が目立ちにくくなり、画質は向上する。
また、使用する用紙の種類(紙種)に関して、安価な普通紙を用いると色再現範囲が狭い(低画質)。一方、アート紙のような高価な用紙を用いると色再現範囲が広く、高品質が得られる。
(2)D(納期)とQ(品質)のトレードオフについて
プリンタ(印刷機)の機種によっては、「低品質高生産性モード」と「高品質低生産性モード」とを備えるものがある。例えば、インクジェット印刷機の場合、大滴で描画すると早く広い面積を埋めることができるため生産性は高くなるが、ドットの粗さが目立つものとなる。その一方、小滴で描画するとドットの粗さは目立たなくなるが、広い面積を埋めるのに時間がかかり、生産性は低下する。
プリンタ(印刷機)の機種によっては、「低品質高生産性モード」と「高品質低生産性モード」とを備えるものがある。例えば、インクジェット印刷機の場合、大滴で描画すると早く広い面積を埋めることができるため生産性は高くなるが、ドットの粗さが目立つものとなる。その一方、小滴で描画するとドットの粗さは目立たなくなるが、広い面積を埋めるのに時間がかかり、生産性は低下する。
DとQの観点で使用するプリンタを選択するという考え方や、CとQの観点でインクを削減するという考え方は従来知られている。
しかし、本実施形態は、従来の考え方とは異なり、印刷物の品質を画質指数として定量化し、この画質指数という新たな指標を導入して、印刷物の品質(Q)、コスト(C)、納期(D)を最適化するものとなっている。本実施形態は、画質指数で記述されたデータベース(14,16)を利用して、注文に係る印刷物の目標画質指数を定め、QCDの3要素を加味して適切な出力条件を決定する手段を提供するものである。
顧客からの印刷依頼の注文情報において、顧客が求める要求画質が明示的に指定されている場合には、その指定された要求画質を実現するようにプリンタの選択と出力条件の選択を行えばよい。
その一方で、顧客からの注文情報において、顧客が望む要求画質が明示的になっていない場合には、どの画質レベルを目標画質とするかについて、ある程度の自由度がある。
本実施形態では、顧客の要求画質が明示的に指定されていない場合でも、顧客特性DBを使ってQとCDのトレードオフ関係に対して、最適なQCDバランスを実現する。
<QCDバランスについて>
実現すべきQCDバランスは、印刷物の用途や顧客毎に最適の定義が異なる。一般的には、印刷物を生産して顧客に提供する印刷会社は、顧客にとって同等品質ならば、安く印刷物を作成したいと考える。つまり、顧客が満足する品質を達成しつつ、注文に係る仕事の1件あたりの材料費(インク費用、用紙費用など)を抑制することを目指す。
実現すべきQCDバランスは、印刷物の用途や顧客毎に最適の定義が異なる。一般的には、印刷物を生産して顧客に提供する印刷会社は、顧客にとって同等品質ならば、安く印刷物を作成したいと考える。つまり、顧客が満足する品質を達成しつつ、注文に係る仕事の1件あたりの材料費(インク費用、用紙費用など)を抑制することを目指す。
また、印刷会社は、顧客にとって同等品質なら、早く(短納期で)印刷物を作成したいと考える。つまり、印刷会社は仕事の回転率を上げて、より多くの仕事をこなして利益を上げることを求める。そのため、印刷会社は、仕事のやり直し回数を減らすこと(納品物に対し顧客が満足せず、印刷をやり直す回数を減らすこと)を目指す。
また、印刷会社は、複数のプリンタの中から稼働状況も踏まえて、出力時間の短いプリンタを使用することを求める。
具体的な対処例を以下に示す。
(対処例1)顧客にとって同じ品質ならば、安く仕上げたい、と考える受注者の場合、目標Qを調整して、コストCをなるべく掛けないように最適化を行う。その際、生産時間(納期)Dも考慮する。用紙(印刷媒体)やインクの材料品質、使用量を変えて、コストCを抑える。
(対処例2)顧客にとって同じ品質ならば、早く仕上げたい、と考える受注者の場合、目標Qを調整して、なるべく生産時間(D)をかけないように最適化を行う。その際、コストCも考慮する。やり直し回数の少ない目標画質(目標Q)の設定と、印字スピードの速いプリンタ(印刷機)を使う。
(対処例3)品質の高いものができるのであれば、コストを掛けても良い、という品質重視の顧客に対しては、目標Qを満たす良い材料を使って、さらに、なるべくコストCを掛けないように最適化を行う。
<画質に関する顧客ごとの好みの把握>
実現すべきQCDバランスは、用途と顧客毎に定義できると考えられる。例えば、印刷物の用途が「写真集」であるか、「カタログ」であるか、「チラシ」であるか、によって、Q(品質)、C(コスト)、D(納期)のバランス(どの観点を重視するか)は異なる。また、顧客毎にQCDバランスの最適点は異なる。本実施形態では顧客特性DB14の蓄積データを使って用途と顧客毎にQCDバランスの好み(どの項目をどの程度重視しているかという傾向)を把握することができる。
実現すべきQCDバランスは、用途と顧客毎に定義できると考えられる。例えば、印刷物の用途が「写真集」であるか、「カタログ」であるか、「チラシ」であるか、によって、Q(品質)、C(コスト)、D(納期)のバランス(どの観点を重視するか)は異なる。また、顧客毎にQCDバランスの最適点は異なる。本実施形態では顧客特性DB14の蓄積データを使って用途と顧客毎にQCDバランスの好み(どの項目をどの程度重視しているかという傾向)を把握することができる。
図10は、顧客特性DBから生成される顧客毎のQCDバランスの好みを示すデータの例である。複数の顧客データの平均値に対する偏差(例えば、標準偏差)から顧客の好みを推定することができる。図中の「平均1-0」は、用途1(写真集)に関する全顧客データの平均値を表す。「好み1-1」は、用途1(写真集)に対する顧客1の好みを表す。「好み1-2」は用途1(写真集)に対する顧客2の好みを表す。同様に「平均2-0」は用途2(カタログ)に関する全顧客データの平均値を表し、「好み2-1」、「好み2-2」は、それぞれ用途2(カタログ)に対する顧客1、顧客2の好みを表す。「平均3-0」は用途3(チラシ)に関する全顧客データの平均値を表し、「好み3-1」、「好み3-2」は、それぞれ用途3(チラシ)に対する顧客1、顧客2の好みを表す。
上記の平均値は、顧客毎に発注数が異なる場合に発注数に応じて正規化して平均値を求める方法や、発注数が少なくはずれ値になる情報はデータから除外して平均値を求めるなど、統計処理の一般的な知識を使用してさらに精度を上げても良い。
図10では記載が省略されているが、Q、C、Dの項目に対応した各セルには、重視する程度に応じて、例えば、偏差値などの数値や「大」、「中」、「小」などの重視度を示す情報が付される。ここでは図示の都合上、顧客1、顧客2の情報のみを示したが、各顧客について同様のデータが得られる。このようなデータは、顧客特性DBに保持されている情報をもとに生成される。例えば、全顧客のデータから平均値を求め、顧客毎にその平均値からの差(偏差)を計算して、偏差に応じて重視度を推測する。
<印刷画像の用途やコンテンツタイプを判断する手段について>
印刷物の用途には、例えば、写真集、製品カタログ、パンフレット、広告チラシなどがある。また、コンテンツタイプには、例えば、写真、文字、線画、イラスト、グラフ図などがある。発注者である顧客から提示された入稿データや印刷物のサンプル(カンプ)などを元に、用途やコンテンツタイプを判断することができる。具体的には、写真が多い場合は「写真集」の用途、グラフや文字が多い場合は「カタログ」や「パンプレット」の用途、チラシ用途の場合は、数字や文字が多いなどの傾向がある。このような傾向や特徴から用途、コンテンツタイプを把握することができる。から判断できる。なお、印刷業界では、最終的な印刷物に近い仕上がりイメージを示す見本(サンプル)を「カラーカンプ」或いは単に「カンプ」と呼んでいる。
印刷物の用途には、例えば、写真集、製品カタログ、パンフレット、広告チラシなどがある。また、コンテンツタイプには、例えば、写真、文字、線画、イラスト、グラフ図などがある。発注者である顧客から提示された入稿データや印刷物のサンプル(カンプ)などを元に、用途やコンテンツタイプを判断することができる。具体的には、写真が多い場合は「写真集」の用途、グラフや文字が多い場合は「カタログ」や「パンプレット」の用途、チラシ用途の場合は、数字や文字が多いなどの傾向がある。このような傾向や特徴から用途、コンテンツタイプを把握することができる。から判断できる。なお、印刷業界では、最終的な印刷物に近い仕上がりイメージを示す見本(サンプル)を「カラーカンプ」或いは単に「カンプ」と呼んでいる。
図1で説明した基本構成に加えて、図11に示すように、サンプル(カンプ)から印刷物の用途やコンテンツタイプを判断する手段(「コンテンツタイプ判断手段」と呼び、符号32で示す。)を付加する構成を採用してもよい。
顧客からの注文に対する最適Q(目標Q)の算出に必要な情報要素として、コンテンツタイプの情報がある。コンテンツタイプの判断要素(符号34)には、次の5つの要素が含まれる。<1>文字領域の認識、<2>画像領域の認識、<3>ページ数、<4>文字認識(フォントや文字サイズなど)、<5>画像認識(写真/線画の判別、被写体/テクスチャの判別など)である。このようなコンテンツタイプに関する情報は、カンプをスキャナ等で読み取り、その読取画像データを解析することで自動的に判断する場合がある。また、オペレータが所定の入力装置(ユーザーインターフェース)から手動入力でコンテンツタイプに関する情報を入力する構成も可能である。
コンテンツタイプはオペレータが手動入力できる事項であるため、カンプから自動判断するコンテンツタイプ判断手段32はシステムの構成上、必須の要件ではない。ただし、このようなコンテンツタイプ判断手段32を備える構成を採用する形態も可能である。
目標Q決定手段24は、顧客注文情報12とコンテンツタイプから最適な品質レベル(最適Q)を算出し、目標Q(符号38)を決定する。目標Q決定手段24における最適Qの算出に際して、受注者利益の観点を考慮する構成とすることができる。目標Q決定手段24に対し、受注者利益(リスクも含む。)を考慮した設定を行うための手段(図11において符号36、「受注者利益設定手段」という。)を備える。
受注者利益設定手段36はシステムの構成上、必須の要件ではないが、図6で説明したように、利益とリスクを考慮した目標Qの決定を行う態様を採用することができる。
目標Q決定手段24によって決定された(算出された)品質レベルとコンテンツタイプから印刷物の出力方法(使用プリンタとその印刷条件を含む印刷出力条件)が決定される。印刷出力条件決定手段26は、目標Qと用途/コンテンツタイプを元にプリンタ特性DB16を検索して、条件に合致する印刷が可能なプリンタ名、用紙、インク、その他の印刷条件、更には、必要に応じて外注先などの情報(印刷出力条件情報18)を出力する。
印刷出力条件決定手段26からアウトプットされる印刷出力条件情報18のうち「外注先」は、必須事項ではないが、外注先も含めて複数台のプリンタの中から最適なプリンタを選択するようなシステムを構築することが可能である。この場合、選択されたプリンタを保有する外注先の情報も併せて出力することが好ましい。
本実施形態によれば、注文情報において顧客要求の品質レベルが明示的になっていない場合であっても、過去の取引の履歴データを蓄積した顧客特性DB14を利用して、QとCDのトレードオフ関係に対して、最適なバランスの印刷物を提供することができる。
また、顧客との取引を繰り返し、或いは多数の顧客との取引を行い、その都度、顧客特性DB14に履歴データを追加する(データベースを更新する)ことにより、蓄積データが充実していく。蓄積データの増加に伴い、次第に、より一層精度の高い目標Qの決定が可能となる。
<第2実施形態>
次に、さらに具体的な実施形態の例を説明する。
次に、さらに具体的な実施形態の例を説明する。
第1実施形態で説明した構成を応用した第2実施形態について説明する。図12は第2実施形態に係る印刷管理装置50の構成を示すブロック図である。図12中、図1で説明した構成と同一又は類似の要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
印刷管理装置50は、画質指数(Q)下限判定手段52と、可能プリンタ選択手段54と、プリンタ候補選択手段56と、画質分布生成手段58と、目標Q決定手段24と、プリンタ候補決定手段60と、プリンタ選択手段64とを備える。これらの各手段(52、54、56、58、24、60、64等)は、1台又は複数台のコンピュータ(その周辺機器を含んで良い。)のハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって実現することができる。また、印刷管理装置50は、クラウドコンピューティングにより実現することができる。
顧客注文情報12には、発注者、用途、見本サンプル(カンプ)、価格、納期などの情報を含めることができる。顧客注文情報12は、これらの一部のこともある。
顧客特性DB14は、顧客ごとに、用途、コンテンツタイプ別のOK_Qが記述されデー
タであり、少なくとも顧客を識別する情報(顧客名、顧客IDなど)と、用途、コンテンツタイプに対応したOK_Qのデータが含まれる(図4参照)。
タであり、少なくとも顧客を識別する情報(顧客名、顧客IDなど)と、用途、コンテンツタイプに対応したOK_Qのデータが含まれる(図4参照)。
Q下限判定手段52は、顧客注文情報12に含まれている発注者の情報、用途の情報、見本サンプルの情報などから、顧客特性DB14を参照し、当該発注者(顧客)の限界OK_Qを把握する。限界OK_Qは、当該発注者(顧客)の過去の取引実績から同様の用途の印刷依頼について画質OKと了承したOK_Qの下限値である。この限界OK_Qの情報はプリンタ候補選択手段56に送られる。
可能プリンタ選択手段54は、顧客注文情報12に含まれている価格と納期の情報から、プリンタ特性DB16を参照し、或いはプリンタ特性DB16に登録されているプリンタの一覧リストなどを参照し、その指定された価格C及び納期Dが物理的に実現可能なプリンタの候補を選択する。この可能プリンタ選択手段54は、全プリンタの中から現実的に妥当な範囲でプリンタの候補群を一次抽出する機能を果たす。可能プリンタ選択手段54によって選択された可能プリンタ(候補)の情報(プリンタの機種名や識別番号など、以下、これらを包括して「プリンタ名」と呼ぶ。)はプリンタ候補選択手段56に送られる。
プリンタ候補選択手段56は、可能プリンタ選択手段54から得られるプリンタ名と、Q下限判定手段52から得られる限界OK_Qの情報を基に、プリンタ特性DB16を検索し、指定に係る価格Cと納期Dが実現可能で、かつ発注者の下限Qを満たすことができる品質空間を持つプリンタ名を抽出する。このとき抽出されたプリンタの集合(プリンタ名群)が選択可能なプリンタの候補群である。プリンタ候補選択手段56で抽出されたプリンタ名群の情報は、プリンタ候補決定手段60に送られる。
プリンタ候補決定手段60は、プリンタ候補選択手段56によって抽出されたプリンタ名群の中から、目標Qと利益/リスク目標に応じたプリンタを選択する処理を行う。
画質分布生成手段58は、顧客特性DB14に蓄積されているデータを加工してOK/NGの画質分布データ(図5参照)を生成する。
目標Q決定手段24は、図6で説明したように、顧客特性DB14を元に生成されるOK/NGの画質分布データを利用して目標Qの設定を行う手段である。目標Q決定手段24はOK/NGの画質分布データをオペレータに提示する機能と、その分布情報の提示とともにオペレータから目標Qの指定操作を受け付けるGUI(クラフィカルユーザーインターフェース)を提供する機能とを含む。
目標Qの決定に際しては、受注者の利益/リスク目標の情報も加味される。利益/リスク目標も含めて目標Qの設定を行う設定入力手段(符号66)を備える構成が好ましい。
プリンタ候補決定手段60は、目標Q決定手段24により決定された目標Qに基づきプリンタ特性DB16を参照し、図9で説明したように、目標Qが品質空間に入るプリンタを選択する。こうして、顧客の要求品質と受注者の利益/リスクのバランス目標とを両方とも満たすプリンタ群に絞り込まれる。なお、プリンタ候補決定手段60によって、抽出できるプリンタが1台も無かった場合には、その旨が通知され、目標Qの設定をやり直す。
プリンタ候補決定手段60で選択したプリンタ群の情報はプリンタ選択手段64に送られる。プリンタ選択手段64は、与えられたプリンタ群に関する個々のプリンタの稼働状況を示す情報(稼働状況情報)68を取得し、稼働状況を加味して最適な使用プリンタとその印刷条件を特定(選択)する。コスト、品質、納期など、重視する項目に優先順位を定めておくなど、絞り込み条件を予め規定しておくことにより、最適な1つのプリンタを特定することができる。
こうして、最終的なアウトプットとして、使用プリンタ名、使用する用紙の種類、印刷条件などの情報、更には、必要に応じて外注先の情報(印刷出力条件情報18)が出力される。
図12の例では、Q下限判定手段52、可能プリンタ選択手段54、プリンタ候補選択手段56、プリンタ候補決定手段60、プリンタ選択手段64の組み合わせが印刷出力条件決定手段26(図1参照)に相当する。
<第3実施形態>
図13は第3実施形態に係る印刷システム100の構成図である。この印刷システム100は、印刷管理装置(印刷管理システム)110として機能する複数台のコンピュータ112、114、116と、複数台のプリンタ121、122、123と、各プリンタ121〜123の画像処理装置として機能するコンピュータ131、132、133と、を含んで構成される。各コンピュータ112、114、116、131、132、133はLANなどのネットワーク140に接続され、相互に通信可能である。
図13は第3実施形態に係る印刷システム100の構成図である。この印刷システム100は、印刷管理装置(印刷管理システム)110として機能する複数台のコンピュータ112、114、116と、複数台のプリンタ121、122、123と、各プリンタ121〜123の画像処理装置として機能するコンピュータ131、132、133と、を含んで構成される。各コンピュータ112、114、116、131、132、133はLANなどのネットワーク140に接続され、相互に通信可能である。
なお、本例では、印刷管理装置110を3台のコンピュータ112、114、116で実現しているが、コンピュータの台数は本例に限らず、1台以上の任意の台数で実現可能である。また、プリンタの台数や画像処理装置として機能するコンピュータの台数も特に制限はなく、両者の台数を同数とする必要もない。例えば、1台のコンピュータで複数台のプリンタの画像処理や制御を担うこともできる。
印刷管理装置110を構成する第1のコンピュータ112は、顧客注文情報12を取り込むJOB受付装置(「注文受付装置」に相当)として機能するとともに、図1で説明した目標Q決定手段24及び印刷出力条件決定手段26として機能する。
このコンピュータ112のディスプレイ(表示装置)112Aと入力装置112B(キーボード、マウスなど)を利用して、オペレータは各種情報の確認と入力操作を行うことができる。例えば、図6で説明した分布情報はディスプレイ112Aに表示され、オペレータは分布情報を見ながら入力装置112Bを操作して目標Qの指定(入力)を行うことができる。また、このコンピュータ112は、顧客の注文に係る印刷すべき画像データを格納しておく画像データ格納手段として機能する。さらに、このコンピュータ112にコンテンツタイプ判断手段32(図11参照)としての機能を搭載することができる。
第2のコンピュータ(図13の符号114)は、顧客特性DB14として機能する。このコンピュータ114に顧客特性DB14のデータ群が格納されており、当該コンピュータ114によってデータベースの更新が行われる。また、コンピュータ114は画質分布生成手段58(図12参照)として機能する。
第3のコンピュータ116は、プリンタ特性DB16として機能する。このコンピュータ116にプリンタ特性DB16のデータ群が格納されており、当該コンピュータ116によってデータベースの更新が行われる。なお、第1のコンピュータ112を各データベース(14,16)のデータベース管理装置として機能させることも可能である。
ネットワーク140は、LANでもよいし、WANでもよく、これらの組み合わせでもよい。また、有線、無線を問わず、これらの組み合わせでもよい。
コンピュータ112の印刷出力条件決定機能によって、出力先のプリンタとその出力条件が決まると、該当するプリンタ(121〜123のいずれか1つ、例えば符号122)の画像処理と制御を担うコンピュータ(例えば符号132)に対してコンピュータ112から画像データが送られる。
画像データを受け取ったコンピュータ(例えば符号132)は、受信した画像データに対してプリンタによる出力に必要な信号処理(画像処理)を施し、印刷制御用のデータを生成する。信号処理(画像処理)の内容はプリンタに依存して様々な処理がある。例えば、階調変換、色変換、GCR処理、濃度補正処理、ハーフトーン処理などを挙げることができ、プリンタによる出力に必要な画像データへの変換が行われる。こうして生成されたデータに基づき、プリンタの動作が制御され、目的の印刷物が得られる。
<第4実施形態>
図14は、第4実施形態に係る印刷システムの構成図である。図14において、図13で説明した例と同一又は類似する要素には同一の符号を付した。
図14は、第4実施形態に係る印刷システムの構成図である。図14において、図13で説明した例と同一又は類似する要素には同一の符号を付した。
図14に示した印刷システム150は、インターネットなどの広域通信ネットワークを利用した印刷サービス提供システムとして用いられ、複数の印刷会社と連携し、各印刷会社が保有するプリンタ121〜123を統括的に管理して、顧客の注文に応じて最適な印刷出力条件を決定し、該当する印刷会社のプリンタよって注文に係る印刷物の生産を行うシステムである。図14では図示の便宜上、印刷会社A〜Cの1社に1台のプリンタ121〜123を示したが、複数台のプリンタを備える構成が可能であり、プリンタの台数や設置場所など、特に限定はない。
この印刷システム150は、顧客からの注文を受け付けるJob受付装置152と、Job制御装置154と、顧客特性DB14と、プリンタ特性DB16と、画像データDB156と、データベース管理装置158と、複数台のプリンタ121〜123及び各プリンタ121〜123の画像処理装置として機能するコンピュータ131〜133とを含んで構成され、これら要素がネットワーク160を介して接続されている。
図14中、符号162は顧客が用いるクライアント端末(例えば、パソコンや携帯端末など)である。クライアント端末162はネットワーク160に接続可能な通信機能を備えている。なお、図14では、1台のクライアント端末162のみを示したが、図示せぬ多数のクライアント端末がネットワーク160に接続され得る。
Job受付装置152は、顧客からの注文情報(図1の顧客注文情報12)を取り込む装置である。Job受付装置152はネットワーク160上のサーバーコンピュータによって実現される。顧客はクライアント端末162によってネットワーク160に接続し、ネットワーク160経由でJob受付装置152にアクセスして、クライアント端末162から印刷の注文を行うことができる。Job受付装置152が提供する印刷サービスサイトの注文受付画面から注文情報の入力を行うことができる。
注文に係る印刷物の画像内容を示す画像データは、Job受付装置152を経由して画像データDB156(「画像データ格納手段」に相当)に格納される。Job受付装置152に入力されたJob情報(図1の顧客注文情報12に相当)は、Job受付装置152からJob制御装置154に送られる。
Job制御装置154は、図1で説明した目標Q決定手段24及び印刷出力条件決定手段26として機能する装置である。また、このJob制御装置154は、コンテンツタイプ判断手段32、画質分布生成手段58、設定手段66として機能する。Job制御装置154は、ネットワーク160上のサーバーコンピュータによって実現される。
図15は、Job制御装置154の処理機能を示すブロック図である。Job制御装置154は、印刷物の印刷工程で必要とされる情報を保持する印刷ジョブ(ジョブチケット)を作成及び編集する機能を有する。Job制御装置154は、Job受付装置152(図14参照)から取得した情報を基にJob情報502、504、506を順次作成/編集し、最終的に生成したJob情報506を印刷出力先となる印刷機システム510の画像処理装置514に提供する。画像処理装置514とプリンタ516は、図14の符号131と121、132と122、133と123の各組合せで示した画像処理装置とプリンタに相当するものである。
図15の符号502で示した第1のJob情報には、一般的なジョブチケットに含まれる情報(以下、「一般的ジョブチケット情報」と呼ぶ。)の一部502Aと、本実施形態で新たに追加される情報502Bとが含まれている。ジョブチケットの内容は、色変換、像構造処理などの画像処理用のパラメータや、台割、面付けなどの処理に使われるパラメータ等が記載されている。本実施形態では、このような一般的なジョブチケットの情報(画像処理用のパラメータなど)を持つと同時に、顧客特性DB及びプリンタ特性DBで検索した情報(「印刷Q」で示した出力条件の情報)が追加される。そして、このJob情報506を印刷機システム510に渡し、プリンタ516で印刷が実行される。
符号502Aで示す一般的ジョブチケット情報の一部の情報には、例えば、入稿画像に関する情報が含まれる。入稿画像に関する情報の具体例としては、色変換処理に必要なプロファイル情報、フォント情報、画像サイズ情報などが挙げられる。符号502Bで示す追加情報には、図1等で説明した顧客注文情報12の内容、すなわち、発注者、用途、見本サンプル、価格C、納期Dなど情報が含まれる。
Job制御装置154は、この第1のJob情報502を基にして、目標画質指数決定手段24により目標画質指数(目標Q)を決定し、決定した目標Qの情報を含む第2のJob情報504を生成する。こうして生成される第2のJob情報504には、一般的ジョブチケット情報の一部504Aと、本実施形態で新たに追加される情報504Bとが含まれる。符号504Aで示す情報は、符号502Aで示した情報と同等の情報群である。符号504Bで示す情報は、符号502Bの情報群に、目標Qの情報が付加されたものである。
次に、第2のJob情報504を基に、印刷出力条件決定手段26により印刷の出力条件が決定され、その出力条件の情報(ここでは出力条件の情報を代表して「印刷Q」と表記する。)を含む第3のJob情報506が生成される。
第3のJob情報506には、一般的ジョブチケット情報506Aと、本実施形態で新たに追加される情報506Bとが含まれる。一般的ジョブチケット情報506Aは、符号502A(504A)で説明した情報(例えば、入稿画像に関する情報)の他に、各種出力条件の情報を含む。具体例としては、色変換処理の条件(色補正用パラメータなど色処理関連のパラメータ)、台割・面付け処理の条件などの情報が含まれる。
符号506Bで示す情報は、符号504Bで説明した目標Qの情報に代えて、印刷出力条件決定手段26で決定された出力条件の情報(図中「印刷Q」)が記載される。
Job制御装置154から印刷機システム510に送られる第3のJob情報506は、色変換処理や像構造処理などの画像処理用のパラメータ、台割、面付けなどの処理に使われるパラメータなど、一般的なジョブチケットに含まれる情報に加え、顧客特性DBとプリンタ特性DBから検索した出力条件の情報が追加されたものとなっている。
そして、この第3のJob情報506を印刷機システム510に渡して、プリンタ516によって印刷が実行される。プリンタ516に接続されている画像処理装置514には、ワークフローソフトが組み込まれており、画像処理装置514に入力された第3のJob情報506はワークフローソフトの画像処理部に取り込まれる。画像処理装置514は、第3のJob情報506に記載されているパラメータを使って色変換や色補正などを含む画像処理を行い、また、必要に応じて台割や面付けなど処理を行い、プリンタ516による印刷に必要な各種信号の生成や設定を行う。こうして、画像処理装置514で生成されたデータがプリンタ516に送られ、プリンタ516によって印刷が行われ、印刷物が生成される。
データベース管理装置158は、顧客特性DB14、プリンタ特性DB16、画像データDB156を統括管理する装置である。データベース管理装置158によって各データベースの更新処理が行われる。例えば、顧客との取引に伴い、顧客特性DB14に新たな履歴データを追加する場合には、ネットワーク160に接続されている他のコンピュータ(例えば、符号131〜133など)を用いてデータベース管理装置158にアクセスし、或いは、データベース管理装置158のコンピュータを直接操作して、所定のGUIから各種の入力を行う。この入力操作によってデータベースの更新が行われる。
また、データベース管理装置158は、データベース内のデータ群を利用した演算処理(統計処理など)を行うデータ加工機能を備えていてもよい。例えば、データベース管理装置158に画質分布生成手段58の機能を搭載することができる。
ネットワーク160上のJob受付装置152、Job制御装置154、顧客特性DB14、プリンタ特性DB16、画像データDB156、データベース管理装置158の組み合わせによって印刷管理システムが構成される。この印刷管理システムを構成する各要素(152、154、14、16、156、158等)は、この印刷サービスを提供するサービス提供業者、又は印刷会社などによって、ネットワーク160上に設置される。なお、システムの構成形態は図14の例に限らない。本例の印刷管理システムの全部又は一部はクラウドコンピューティングによって実現できる。また、出力先の候補として管理される複数台のプリンタのすべてが必ずしもネットワーク160に接続されている必要はない。
本実施形態によれば、Job制御装置154によって印刷物の出力条件が決定されると、Job制御装置154から該当するプリンタの画像処理装置(例えば、符号132)にその情報が送られる。また、画像データDB156から該当する画像処理装置に画像データが提供される。こうして、Job制御装置154で決定された出力条件にしたがって印刷物が生産され、その印刷物が顧客に提供される。この提供した印刷物に対する顧客の評価(OK/NG)の情報とともに、当該印刷物の用途、コンテンツタイプ、出力条件、画質指数などの情報を履歴データとして、顧客特性DB14に蓄積する。
<第5実施形態>
図16は第5実施形態に係る印刷システムの構成図である。図16中、図14の構成例と同一又は類似する要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図16は第5実施形態に係る印刷システムの構成図である。図16中、図14の構成例と同一又は類似する要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図16の印刷システム170は、図1で説明した印刷管理装置10の機能をクラウドコンピューティングによって実現するものであり、Job受付装置172と、クラウドによる印刷管理システム180とが組み合わされて構成される。
Job受付装置172は、印刷サービスを提供するサービス提供会社、又は印刷会社などに設置される。Job受付装置172の主な役割は、図14で説明したJob受付装置152と同様であり、Job受付装置172によって顧客からの注文情報を取り込む。
Job受付装置172はインターネットなどの広域ネットワークに接続可能であり、ネットワーク経由でJob制御装置154、データベース管理装置158にアクセスすることができる。
Job受付装置172を介して取得したJob情報はJob制御装置154に送られる。また、Job受付装置172から入力された画像データは、データベース管理装置158を経由して画像データDB156に格納される。
さらに、Job受付装置172は、提供した印刷物に対する顧客の評価を示す情報など、顧客特性DB14に履歴データとして蓄積する情報を入力するための装置として機能する。
上記のように構成された印刷システム170の動作は、図14で説明した例と同様であるため、詳細な動作説明は省略する。
<第6実施形態>
図17は第6実施形態に係る印刷システムの構成図である。図17において、図1、図11〜図16で説明した例と同一又は類似する要素には同一の符号を付した。
図17は第6実施形態に係る印刷システムの構成図である。図17において、図1、図11〜図16で説明した例と同一又は類似する要素には同一の符号を付した。
図17に示した印刷システム200は、図1で説明した印刷管理装置10の機能をクラウドコンピューティングによって実現するものであり、印刷会社などにおける社内システム210と、クラウドによる印刷管理システム180とが組み合わされて構成される。
社内システム210は、Job受付装置172、画像データDB216、複数台のプリンタ121〜123、及び画像処理装置(符号131〜133で示すコンピュータ)を備え、これら要素がLANなどのネットワーク218を介して接続されている。
Job受付装置172と画像データDB216は、それぞれ図14で説明したJob受付装置172、画像データDB156と同様の機能を有する。デザイナや制作者などから印刷の注文を受け付け、その注文情報をJob受付装置172に入力する。
Job受付装置172はインターネットなどの広域ネットワークに接続可能であり、ネットワーク経由でJob制御装置154、データベース管理装置158にアクセスすることができる。
クラウド上で実現される印刷管理システム180の機能については、図1、図11〜図14等で説明したとおりである。Job制御装置154で決定された印刷出力条件情報(Job制御情報)は、社内システム210の該当する画像処理装置(例えば、符号132)に送られる。また、画像データDB216から該当する画像処理装置に画像データが提供される。
<第7実施形態>
図18は第7実施形態に係る印刷システムの構成図である。図18において、図1、図11〜図17で説明した例と同一又は類似する要素には同一の符号を付した。
図18は第7実施形態に係る印刷システムの構成図である。図18において、図1、図11〜図17で説明した例と同一又は類似する要素には同一の符号を付した。
図18に示した印刷管理システム220は、図17で説明した印刷管理システム180のJob制御装置154の部分を、目標Q算出装置224と、プリンタ選択装置226とに分けて構成したものである。目標Q算出装置224とプリンタ選択装置226はそれぞれ、図1で説明した目標Q決定手段24、印刷出力条件決定手段26として機能するコンピュータで構成される。Job受付装置172から得られたJob情報は目標Q算出装置224に送られる。目標Q算出装置224は顧客特性DB14を参照して、注文に係る印刷物の目標Qを決定する。プリンタ選択装置226は、決定された目標Qと注文情報からプリンタ特性DB16を参照して、目標Qを実現できるプリンタとその出力条件を決定する。
プリンタ選択装置226で決定された印刷出力条件情報(Job制御情報)は、該当する印刷会社の画像処理装置(例えば、符号132)に送られる。また、画像データDB156から該当する画像処理装置に画像データが提供される。
<第8実施形態>
図19は第8実施形態に係る印刷システムの構成図である。図19において、図1、図11〜図18で説明した例と同一又は類似する要素には同一の符号を付した。なお、図19では、図示の便宜上、データベース管理装置と画像データDBの記載を省略した。
図19は第8実施形態に係る印刷システムの構成図である。図19において、図1、図11〜図18で説明した例と同一又は類似する要素には同一の符号を付した。なお、図19では、図示の便宜上、データベース管理装置と画像データDBの記載を省略した。
図19に示した印刷管理システム240は、顧客注文情報12の中に含まれている顧客の住所(所在地)に関する情報と、用途、納期の情報とを用いて、利用可能なプリンタ群を第1段階として絞り込む可能プリンタ選択装置244と、可能プリンタ選択装置244が参照するプリンタ特性DB246とを備える。
可能プリンタ選択装置244は、図12で説明した可能プリンタ選択手段54に相当する装置である。プリンタ特性DB246には、印刷会社名、印刷会社の所在地、印刷会社が保有するプリンタ名、対応可能メディア、用途、印刷方式などの情報が記述されている。
プリンタ特性DB246は、プリンタ選択装置226が参照するプリンタ特性DB16と同一のデータベースであってもよいし、異なるものであってもよい。プリンタ特性DB246は、プリンタ特性DB16に含まれるデータ群の一部を抽出して生成されたデータベースとすることができる。可能プリンタ選択装置244が参照するプリンタ特性DB246は、主として所在地と納期の観点から、可能プリンタ選択装置244による一次抽出(第1段階のプリンタ群の抽出)を行うために必要な情報が格納される。
可能プリンタ選択装置244は、顧客の住所になるべく近い印刷会社を選ぶなど、プリンタ特性DB246に記載された印刷会社の所在地情報、プリンタの生産性の情報(印刷方式など)など使って、指定された納期に間に合うか否かの観点で可能プリンタ群を選択する。
プリンタ選択装置226は、可能プリンタ選択装置244で一次抽出されたプリンタ群の中から、目標Qを実現できるプリンタを絞り込み(二次抽出)、最終的に使用するプリンタ及び出力条件を決定する。
<第9実施形態>
図15〜図19で例示したネットワークを利用するシステムの実現に際しては様々な実施態様があり得る。Job受付装置152、Job制御装置154、顧客特性DB14、プリンタ特性DB16等の各機能を担うコンピュータの台数やネットワーク接続の形態、コンピュータの設置場所等については様々な設計が可能である。
図15〜図19で例示したネットワークを利用するシステムの実現に際しては様々な実施態様があり得る。Job受付装置152、Job制御装置154、顧客特性DB14、プリンタ特性DB16等の各機能を担うコンピュータの台数やネットワーク接続の形態、コンピュータの設置場所等については様々な設計が可能である。
図16〜図19で説明した実施形態の応用例として、例えば、次のような形態も想定される。
(応用例1):印刷会社側に各社各様のプリンタ特性DBを保有しており、顧客注文を受け付けるサービス提供会社が印刷会社とは別の会社であり、このサービス提供会社が顧客特性DBを保有している構成とすることができる。
図20に第9実施形態(応用例1)の構成例を示す。図20に示す構成中、図1〜図19で説明した要素と同一又は類似する要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図20では、各印刷会社A〜Cがそれぞれプリンタ特性DB16A、16B、16Cを備えている。各プリンタ特性DB16A、16B、16Cは、それぞれの印刷会社内のLANに接続され、これら各社のプリンタ特性DB16A、16B、16Cはネットワーク160に接続されている。各社のプリンタ特性DB16A、16B、16Cの集合体が全体として、プリンタ特性DB16(図1、図12、図14等参照)に相当するものとなる。
サービス提供会社には、ネットワーク160経由で注文を受け付ける情報処理装置250が設置される。この情報処理装置250は、ネットワーク160を介して情報の送受信を行う通信装置252(「通信手段」に相当)と、Job受付装置152と、目標Q決定手段24と、顧客特性DB14とを備える。情報処理装置250は、1台又は複数段のコンピュータで構成することができる。
通信装置252を介して受け付けた注文に係る顧客注文情報に基づいて目標Qが決定され、決定された目標Qの情報が通信装置252を介してネットワーク160で印刷出力条件決定手段26に送信される。印刷出力条件決定手段26は、ネットワーク160で受信した目標Qの情報を基に、プリンタ特性DB16A、16B、16Cを参照して、印刷出力条件を決定する。選択された出力条件の情報は、印刷出力先となるプリンタ(121、122又は123)に対応した画像処理装置(131、132又は133)に送られる。なお、印刷出力条件決定手段26によって選択された出力条件の情報を情報処理装置250に提供することにより、情報処理装置250のディスプレイ(不図示)を通じて出力条件の情報を確認することができる。また、選択された出力条件を情報処理装置250で確認してから、該当する画像処理装置(131、132又は133)に対して出力条件の情報を提供するという構成も可能である。この場合、情報処理装置250から出力条件の情報を送信してもよい。
<第10実施形態>
(応用例2):顧客特性DBとプリンタ特性DBをともに国外に持ち、国内に設置する印刷管理装置は、インターネットを介して国外の顧客特性DBとプリンタ特性DBの各データベース情報を検索する機能だけを持つ検索装置とし、その検索結果として印刷出力条件の情報を取得する構成とすることができる。
(応用例2):顧客特性DBとプリンタ特性DBをともに国外に持ち、国内に設置する印刷管理装置は、インターネットを介して国外の顧客特性DBとプリンタ特性DBの各データベース情報を検索する機能だけを持つ検索装置とし、その検索結果として印刷出力条件の情報を取得する構成とすることができる。
図21に第10実施形態(応用例2)の構成例を示す。図21に示す構成中、図1〜図20で説明した要素と同一又は類似する要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図21の例では、ネットワーク160上に、顧客特性DB14と目標Q決定手段24とを含んだ第1のサーバ271と、プリンタ特性DB16と印刷出力条件決定手段26とを含んだ第2のサーバ272とが接続されている。第1のサーバ271及び第2のサーバ272はそれぞれ1台又は複数台のコンピュータによって構成することができる。また、第1のサーバ271と、第2のサーバ272とを共通のサーバで構成(一体的に構成)することもできる。第1のサーバ271及び第2のサーバ272を構成する1台又は複数台のコンピュータの一部又は全部を国外(海外)に設置することができる。
一方、検索装置として機能する情報処理装置280は、通信装置252と、Job受付装置152と、目標Q問合せ手段282(「目標画質指数問合せ手段」に相当)と、出力条件情報問合せ手段284(「出力条件問合せ手段」に相当)と、受信情報格納手段286と、を備える。情報処理装置280は1台又は複数台のコンピュータによって構成される。
情報処理装置280は、ネットワーク160経由で注文を受け付けることができる。目標Q問合せ手段282は、受け付けた注文に係る顧客注文情報を基に、ネットワーク160経由で第1のサーバ271に対して、顧客の情報、印刷物の用途、コンテンツタイプ等の分類情報などを送信し、当該顧客の注文に適した目標Qの問合せ(検索)を行う。
第1のサーバ271における目標Q決定手段24は、情報処理装置280からの問い合わせに対して、顧客特性DB14を参照し、適切な目標Qの決定を行う。決定した目標Qの情報はネットワーク160経由で情報処理装置280に提供される。情報処理装置280は目標Q決定手段24からネットワーク160経由で通信装置252を介して目標Qの情報を受信することができ、受信した目標Qの情報は受信情報格納手段286に記憶される。
出力条件情報問合せ手段284は、受信した目標Qの情報を通信装置252からネットワーク160上の第2のサーバ272に送信し、印刷出力条件の問い合わせ(検索)を行う。第2のサーバ272における印刷出力条件決定手段26は、情報処理装置280からの問合せに対して、プリンタ特性DB16を参照し、適切な出力条件の選択を行う。こうして選択された出力条件の情報はネットワーク160経由で情報処理装置280に提供される。情報処理装置280は印刷出力条件決定手段26からネットワーク160経由で通信装置252を介して出力条件の情報を受信することができ、受信した出力条件の情報は受信情報格納手段286に記憶される。
情報処理装置280は、受信した出力条件の情報を、通信装置252を介して印刷出力先となるプリンタ(121、122又は123)に対応した画像処理装置(131、132又は133)に送信することができる。
<GUIの例>
次に、GUIの例を説明する。
次に、GUIの例を説明する。
〔注文受付時の画面例〕
図22は、Job受付用のGUI画面の例である。注文時に提示される注文受付画面310は、Job受付装置のディスプレイ、或いは、図14のクライアント端末162のディスプレイなどに表示される。印刷サービス提供会社や印刷会社のオペレータ、或いは、顧客自身がこの注文受付画面310上で各種の入力を行う。
図22は、Job受付用のGUI画面の例である。注文時に提示される注文受付画面310は、Job受付装置のディスプレイ、或いは、図14のクライアント端末162のディスプレイなどに表示される。印刷サービス提供会社や印刷会社のオペレータ、或いは、顧客自身がこの注文受付画面310上で各種の入力を行う。
注文受付画面310には、顧客ID(識別符号)の記入欄312、注文内容の記入欄314、出力用データ(画像データ)を特定するためのボックス316、納品先情報の記入欄318、希望納期の記入欄320、予算の記入欄322、及び登録ボタン324が表示される。
オペレータ又は顧客が各欄に必要事項を記入して登録ボタン324を押す(クリック)すると、その入力情報がJob受付装置に登録される。注文情報が入力されてその注文に係るJobが登録されると、Jobを識別するための識別番号(JobID)が自動的に付与される。なお、注文受付画面310における情報の入力に際しては、顧客情報を管理するデータベースと連携するなどして、顧客IDの入力によって、顧客の住所(納品先など)の情報を自動的に入力する入力支援機能を備える構成とすることが好ましい。また、本例では、注文内容に関して記入欄314に自由に文字入力する構成が採用され、この記入欄314の内容をJob受付装置のソフトウェアにより解析して用途、部数、などの情報を整理して取得する。このような方式に代えて、項目別に入力事項を特定するフォームを提供してもよい。
〔出力条件選択時の画面例〕
図23は、目標Qを設定するときに表示されるGUI画面の例である。この出力条件選択画面340は、目標Q決定手段24(図1参照)として機能するコンピュータのディスプレイ、或いは、ネットワークを介してJob制御装置154(プリンタ選択装置226)にアクセスした端末装置(不図示)のディスプレイなどに表示される。
図23は、目標Qを設定するときに表示されるGUI画面の例である。この出力条件選択画面340は、目標Q決定手段24(図1参照)として機能するコンピュータのディスプレイ、或いは、ネットワークを介してJob制御装置154(プリンタ選択装置226)にアクセスした端末装置(不図示)のディスプレイなどに表示される。
出力条件選択画面340には、JobIDを指定する記入欄341、顧客IDの表示欄342、注文内容表示欄344、注文で指定された事項の表示欄346、目標Qの選択操作部350、選択ボタン358、対応可能プリンタの一覧表示部360、プリンタ番号の記入欄362、及び決定ボタン364が表示される。
JobIDを記入欄341に入力すると、このJobIDに関連付けされて登録されている顧客IDの表示、注文内容、注文で指定された事項などが、自動的に読み出され、それぞれの表示欄(342、344、346)に該当する内容が表示される。
目標Qの選択操作部350は、当該顧客の同一用途に関する履歴データから算出されたOK/NGの画質分布情報が表示される分布情報表示部352と、その画質分布情報における画質指数Qの軸(図中の縦軸)の近くに表示されるスライダーバー356と、を含む。分布情報表示部352には、図5及び図6で説明した画質指数分布データが表示される。
新規顧客の場合、複数の顧客のデータから算出された平均値の分布データが標準的なデータとして分布情報表示部352に提示される。
この画質分布情報の画質指数Qの軸と平行にスライダーバー356のつまみを移動させることができ、スライダーバー356の位置によって、目標Qの値を指摘することができる。オペレータは画質分布情報を参考にして、スライダーバー356を操作し、目標Qを指定することができる。
スライダーバー356で目標Qを指定し、選択ボタン358を押すと、プリンタ特性DB16が参照され、対応可能プリンタ一覧表示部360に該当するプリンタ名(ID)と、それらの稼働予定、稼働状況が表示される。なお、稼働予定や稼働状況の情報はプリンタ特性DB16から取得してもよいし、印刷会社等のコンピュータ(131〜133)などから取得してもよい。
対応可能なプリンタが1台も見つからなかった場合には、同欄にその旨の警告表示が行われる。この場合、オペレータは目標Qの設定操作をやり直す。
また、スライダーバー356をスライドする動きに合わせて対応できるプリンタ数を表示しても良い。また、稼働予定や稼働状況の情報はガントチャートの形で表示しても良い。また、スケジューリングソフトウェアと連携して自動的に最適なプリンタを推奨表示しても良い。
対応可能プリンタ一覧表示部360に表示された情報を基に、出力プリンタとして使用する番号をプリンタ番号の記入欄362に入力し、決定ボタン364を押すと、その該当プリンタが出力先として決定される。なお、プリンタ番号の記入欄362は、対応可能プリンタ一覧表示部360の表示と連動させてもよく、対応可能プリンタ一覧表示部360から該当プリンタの欄をクリックするなどの操作によって、出力プリンタの番号が記入欄362に表示されるなどの構成も可能である。
〔印刷物の画質指数評価を登録する時の画面例〕
図24は、顧客に提供した印刷物(出力画像)の画質指数評価を顧客特性DB14に登録するとき表示されるGUI画面の例である。また、印刷結果をプリンタ特性DBに登録するときの画面でもある。出力画像(印刷物)をスキャナ等で読み取り、画質評価用の画像解析プログラムの処理に受け渡すときにこの登録画面400が用いられる。
図24は、顧客に提供した印刷物(出力画像)の画質指数評価を顧客特性DB14に登録するとき表示されるGUI画面の例である。また、印刷結果をプリンタ特性DBに登録するときの画面でもある。出力画像(印刷物)をスキャナ等で読み取り、画質評価用の画像解析プログラムの処理に受け渡すときにこの登録画面400が用いられる。
登録画面400は、出力した印刷物を入手できる立場の者(印刷会社など)が、その印刷会社等のJob受付装置172や、データベース管理装置158或いは、ネットワーク経由でデータベース管理装置158にアクセスした端末装置(不図示)などを使って顧客特性DB14とプリンタ特性DB16に情報をインプットするときに使用される。
登録画面400には、JobIDの記入欄401、顧客ID記入欄402、評価日時の記入欄404、評価装置(スキャナやカメラなど)の識別番号(ID)を記入する記入欄406、画質評価プログラムを特定する情報の記入欄408、印刷物をスキャンしたスキャン画像データのファイル格納場所を記入する記入欄410、及び評価・登録ボタン412が表示される。
各記入欄401〜410に必要事項を記載して、評価・登録ボタン412を押すと、スキャン画像のデータに対して、所定の画像評価プログラムが作動して、自動的に画質指数の演算が行われる。そして、演算結果のデータは、顧客特性DB14とプリンタ特性DB16のそれぞれの「画質指数」の項目欄に記録される。
すなわち、当該印刷物を出力したときの印刷条件と、算出された画質指数とが関連づけられた情報がプリンタ特性DB16に登録される一方、JobID、用途、コンテンツタイプ、顧客名などと関連付けされた画質指数の情報が顧客特性DB14に登録される。
評価・登録ボタン412を押した段階では、プリンタ特性DB16と顧客特性DB14とにそれぞれ上記の情報が追加されるにとどまり、当該印刷物に対する顧客の評価(OK/NGの評価)は記述されていない。
その後、印刷物を顧客に納品するなどして、顧客(納品先)との遣り取りを通じて、顧客の評価を把握し、その情報を顧客評価結果の登録画面(図22参照)から入力する。
〔顧客評価結果を登録する時の画面例〕
図25は、顧客に提供した印刷物に対する顧客の評価(反応)を登録する際の登録画面の例である。この登録画面420には、JobIDの記入欄421、顧客IDの記入欄422、評価日時の記入欄424、評価条件の記入欄426、当該印刷物に対する顧客の評価に関する情報を記載する記入欄430及び登録ボタン438が表示される。
図25は、顧客に提供した印刷物に対する顧客の評価(反応)を登録する際の登録画面の例である。この登録画面420には、JobIDの記入欄421、顧客IDの記入欄422、評価日時の記入欄424、評価条件の記入欄426、当該印刷物に対する顧客の評価に関する情報を記載する記入欄430及び登録ボタン438が表示される。
評価条件の記入欄426には、顧客評価時の照明条件などが記載される。顧客の評価を記載する記入欄430には、出力画像の内容が表示される画像表示部432と、自由にコメントを記載することができるコメント記載部434、436とが設けられている。記入欄430における画像表示部432やコメント記載部434、436の位置やサイズは自由に変更することができるように構成されていてもよいし、表示範囲が固定されていてもよい。画像表示部432に表示される画像内容は、コンテンツごとに区分けされて、コメントを付すことができる。選択されたコンテンツ領域に対してコメント記載部434、436にOK/NGの評価と、その理由などを記載することができる。
各記入欄421〜430に必要な事項を記載して、登録ボタン438を押すと、顧客特性DB14にその情報が記録される。
図21〜図25で説明したGUIは一例であり、GUIのデザインは様々な形態が可能である。ここで例示した各種入力に用いるGUI画面はクラウド上で提供されてもよいし、特定のサーバにアクセスして読み出してもよい。或いはまた、印刷会社等が保有するコンピュータ(Job受付装置やデータベース管理装置など)にこれら情報入力の機能を組み込んでも良い。このようなGUIを提供する手段が「ユーザーインターフェース提示手段」に相当する。
以上説明した本発明の実施形態は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜構成要件を変更、追加、削除することが可能である。本発明は以上説明した実施形態に限定されるものでは無く、本発明の技術的思想内で当該分野の通常の知識を有するものにより、多くの変形が可能である。
10…印刷管理装置、12…顧客注文情報、14…顧客特性DB、16…プリンタ特性DB、18…印刷出力条件情報、24…目標画質指数決定手段、26…印刷出力条件決定手段、32…コンテンツタイプ判断手段、50…印刷管理装置、52…Q下限判定手段、54…可能プリンタ選択手段、56…プリンタ候補選択手段、58…画質分布生成手段、60…プリンタ候補決定手段、64…プリンタ選択手段、100…印刷システム、110…印刷管理システム、121,122,123…プリンタ、150…印刷システム、152…Job受付装置、154…Job制御装置、156…画像データDB、158…データベース管理装置、160…ネットワーク、170…印刷システム、180…印刷管理システム、172…Job受付装置、200…印刷システム、210…社内システム、220…印刷管理システム、224…目標Q算出装置、226…プリンタ選択装置、240…印刷管理システム、244…可能プリンタ選択装置、250…情報処理装置、252…通信装置、271…第1のサーバ、272…第2のサーバ、280…情報処理装置、282…目標Q問合せ手段、284…出力条件情報問合せ手段
Claims (6)
- 顧客の注文情報に応じて印刷物の出力条件を決定する印刷管理装置であって、
顧客ごとに過去の取引で提供した印刷物の用途及びコンテンツタイプのうち少なくとも一方の分類情報と、その印刷物の品質を数値で表した画質指数と、その印刷物に対する顧客の評価とが関連付けられた履歴データを蓄積する顧客特性データベースと、
前記顧客特性データベースに蓄積されている履歴データから、顧客の要求品質を満たした画質指数の分布を示す画質分布データを生成する画質分布生成手段と、
前記画質分布データを利用して前記注文情報に係る印刷物の目標品質を示す目標画質指数を決定する目標画質指数決定手段と、
を備える印刷管理装置。 - プリンタとそのプリンタで実現される画質指数とが関連付けられたプリンタ特性データと前記注文情報及び前記目標画質指数から、前記注文情報及び前記目標画質指数を実現可能なプリンタの情報を出力する印刷出力条件決定手段を備える請求項1に記載の印刷管理装置。
- 顧客の注文情報に応じて印刷物を提供するための出力条件を決定する印刷管理方法であって、
顧客ごとに過去の取引で提供した印刷物の用途及びコンテンツタイプのうち少なくとも一方の分類情報と、その印刷物の品質を数値で表した画質指数と、その印刷物に対する顧客の評価とが関連付けられた履歴データを蓄積する顧客特性データベースを用意し、
前記顧客特性データベースに蓄積されている履歴データから、顧客の要求品質を満たした画質指数の分布を示す画質分布データを生成する工程と、
前記画質分布データを利用して前記注文情報に係る印刷物の目標品質を示す目標画質指数を決定する目標画質指数決定工程と、
を含む印刷管理方法。 - プリンタとそのプリンタで実現される画質指数とが関連付けられたプリンタ特性データと前記注文情報及び前記目標画質指数から、前記注文情報及び前記目標画質指数を実現可能なプリンタの情報を出力する印刷出力条件決定工程を含む請求項3に記載の印刷管理方法。
- 顧客の注文情報に応じて印刷物の出力条件を決定する印刷管理プログラムであって、
少なくとも1台のコンピュータを、
顧客ごとに過去の取引で提供した印刷物の用途及びコンテンツタイプのうち少なくとも一方の分類情報と、その印刷物の品質を数値で表した画質指数と、その印刷物に対する顧客の評価とが関連付けられた履歴データを蓄積する顧客特性データベースと、
前記顧客特性データベースに蓄積されている履歴データから、顧客の要求品質を満たした画質指数の分布を示す画質分布データを生成する画質分布生成手段と、
前記画質分布データを利用して前記注文情報に係る印刷物の目標品質を示す目標画質指数を決定する目標画質指数決定手段として機能させるためのプログラム。 - 少なくとも1台のコンピュータを、
プリンタとそのプリンタで実現される画質指数とが関連付けられたプリンタ特性データと前記注文情報及び前記目標画質指数から、前記注文情報及び前記目標画質指数を実現可能なプリンタの情報を出力する印刷出力条件決定手段として機能させるための請求項5に記載のプログラム。
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