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JP2016106041A - ドリル - Google Patents

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JP2016106041A
JP2016106041A JP2016056120A JP2016056120A JP2016106041A JP 2016106041 A JP2016106041 A JP 2016106041A JP 2016056120 A JP2016056120 A JP 2016056120A JP 2016056120 A JP2016056120 A JP 2016056120A JP 2016106041 A JP2016106041 A JP 2016106041A
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drill
margin
picking
depth
cutting edge
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JP2016056120A
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芳弘 近藤
Yoshihiro Kondo
芳弘 近藤
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Moldino Tool Engineering Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Hitachi Tool Engineering Ltd
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Publication date
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Abstract

【課題】ドリルの剛性を高めることで、主に金型に用いられる45〜55HRC程度の硬さを持つ鋼材へ、より長寿命、または高能率に穴あけを行うことのできるドリルを提供する。【解決手段】ランドには溝の切れ刃側とヒール側に配置された2か所のマージンを持ち、2か所のマージンの間には二番取り面が設けられ、軸直角断面において、前記切れ刃側のマージンから前記ヒール側のマージンに向かって二番取り深さが徐々に深くなり、最大二番取り深さに達してから、前記ヒール側のマージンに向かって二番取り深さが徐々に浅くなることを特徴とするドリルである。【選択図】図3

Description

本発明は、高い硬さを有する材料の穴あけに適したドリルに関するものである。
金型には、製品を取出すためのエジェクタピン用、金型を冷却するための水を通す冷却水用、入れ子などの部品を組み付けるためのネジ用などのさまざまな穴あけが行われる。これらの穴あけは、金型材料が所定の硬さを得るために行われる熱処理前に、ドリルを用いて行われるのが一般的である。このようなドリルとしては下記のような提案がある。
特許文献1では、ランド部に2つのマージンを設け、回転方向後方側に設けられた第2マージンが逃げ面とシンニング部との交差稜線においてランド部に位置する外周端を含み、刃先部のヒール部からドリル回転方向前方側へ所定間隔離間するように配置することで、ガイド効果によって穴位置精度を向上させるダブルマージンタイプのドリルを提案している。
特許文献2では、ランド部に2つのマージンを設け、回転方向後側に設けられた第1マージンから、ヒール側の第2マージンに向かうにしたがって、深さが漸次深くなる凹部を設けることで、切りくずが流れやすく切りくずの排出が速やかになり、アルミ鋳物の穴あけに適した穴明け工具が提案されている。
また、特許文献3では、ランド部に2つのマージンをほぼ等分に設け、ねじれ溝の芯厚を構成する部分を含む所定幅の部分を凹曲面とし、凹曲面からヒール側へ向かう部分を回転方向後方へ突出する凸曲面とすることで切りくず排出性が向上し、穴あけに適した穴明け工具が提案されている。
特開2005−305610号公報 実開平5−85509号公報 実開平5−24218号公報
近年、競争の激化する製造業において、コストダウンや短納期対応の必要性がさらに高くなっており、部品等の製造に用いられる金型についても例外ではない。金型の製造コストを下げる手段の一つとして、段取りの回数や加工後の修正に費やす工数を削減するため、従来の材料の熱処理前に切削加工を行う方法から、材料の熱処理後に切削加工を行う方法直彫り加工に切り換える手段がある。しかし、高硬度材となる熱処理後の材料への切削加工を行うため、切削工具にかかる負荷は大きくなる。近年では、切削工具の進歩により直彫り加工が進みつつある。
金型への穴あけに関しては熱処理後の直彫りが進みつつあるが、熱間鍛造やダイキャストで多く用いられる50HRC前後の高硬度材やこれ以上の硬さの材料では、熱処理前の切削加工や放電での加工がまだまだ多い。特に工具の直径と穴深さの比率の大きい深穴については切削での加工が少なく、切削加工を行う場合でも切削条件を低く設定しステップを入れながら長い時間をかけて切削加工を行っており、長寿命または高能率に穴あけのできる高性能なドリルが求められている。
高硬度材の穴あけでは、熱処理前の材料と比較して大きな切削抵抗が発生する。このため、従来の炭素鋼や合金鋼で製造される機械部品や自動車部品を加工する、鋼加工用のドリルを用いて穴あけを実施した場合、切削中にドリルが激しく振動し、チッピングの発生により寿命にいたる傾向にある。特に、工具の突出し長さの長くなる深穴加工においてはこの傾向が顕著である。このため高硬度材の穴あけを実施する場合には、ドリルの剛性を高めて振動を抑えると同時に、振動により発生するチッピングの発生を防ぐ必要がある。
特許文献1に記載のダブルマージンタイプのドリルでは、ランドへ複数のマージンを設けることでガイド性を高めることのできることが開示されているが、このような構成ではドリルの剛性が低くなり振動の発生を十分に抑制することはできない。そのため、高硬度材の切削加工を行った際には、早期にチッピングが発生する可能性がある。
また、特許文献2には深さが漸次深くなる凹部を設けた穴明け工具が記載されている。しかし、第1マージンと第2マージンの間に深さの深くなる凹部を設けることにより切りくずの排出を速やかに行うことが可能だが、ドリルの剛性が著しく低下するため高硬度材を長寿命または高能率に加工するには不十分である。
また、特許文献3に記載されている穴明け工具のように切りくず排出溝を改良するのみでは、アルミのような軟質材の切削加工においては、ガイド性の向上や切屑詰まりの抑制が可能となるが、ドリルの剛性を十分に得ることはできないため、高硬度材の穴あけを長寿命または高能率に行った場合、ドリルの振動や折損が発生する可能性がある。
本発明は、ドリルの剛性を高めることで、主に金型に用いられる45〜55HRC程度の硬さを持つ鋼材へ、より長寿命、または高能率に穴あけを行うことのできるドリルを提供することを目的とする。
上記課題を鑑みて、本発明はドリルの剛性を向上させて切削加工時の振動を抑制し、さらに振動の抑制により切れ刃のチッピングの発生を低減させることで、45〜55HRC程度の高硬度材を高能率に加工することが可能となったドリルである。
すなわち、軸線回りに回転されるドリル本体の先端側部分に、先端側から後端側に向けて延びる溝とランドを有する刃先部が形成され、刃先部の先端部分に切れ刃を有するドリルにおいて、リーディングエッジから連続して設けられるランドには溝の切れ刃側とヒール側に配置された2か所のマージンを持ち、2か所のマージンの間には二番取り面が設けられ、軸直角断面において、前記切れ刃側のマージンから前記ヒール側のマージンに向かって二番取り深さが徐々に深くなり、最大二番取り深さに達してから、前記ヒール側のマージンに向かって二番取り深さが徐々に浅くなることを特徴とするドリルである。
本発明において、前記最大二番取り深さを、刃径の2.0%以上6.0%以下の範囲とすることにより、ドリルの剛性がさらに向上し、高硬度材を高能率に加工したときの安定性が増すので、望ましい。
また本発明において、前記二番取り面は、2か所の前記マージンと、直径の仮想円弧と、前記刃径の94%以上98%以下の直径をもつ仮想円弧とで囲まれた領域に設けることにより、ドリルの剛性がより一層向上し、工具の突出し長さが長くなる深穴の加工においても振動を抑制し、切れ刃のチッピングの発生を低減させることが可能となるので、より望ましい。
本発明において、前記二番取り面は、切れ刃側のマージンの回転後方側の端部からドリルの回転後方側に向かって形成された平面状の第1二番取り面と、ヒール側のマージンの回転前方側の端部からドリルの回転前方側に向かって形成された平面状の第2二番取り面と、第1二番取り面及び第2二番取り面を接続する曲面状の第3二番取り面とから形成されていることにより、二番取り面の剛性が向上し、切削加工時の振動を抑制できるため、望ましい。
本発明において、軸直角断面で見たときにおける直線状の第1二番取り面及び第2二番取り面の幅を、軸直角断面において、第1二番取り面及び第2二番取り面に対し平行となる方向で測定したときに、刃径の15%以上25%以下の範囲とすることにより、ドリルの製造時に二番取り面を砥石にて研削加工する際に、素材を除去する体積が減るため、製造が容易になり、また、ドリルの剛性の低下を抑制できるため、望ましい。
本発明において、軸直角断面における第3二番取り面の曲率半径は、刃径の75%以上125%以下の範囲とすることにより、二番取り面の深さが最大となる位置における剛性が向上するため、望ましい。
本発明のドリルを用いることで、熱処理後の高硬度材の穴あけにおいて、ドリルの剛性を十分に確保できるので切削抵抗によって発生する振動を抑制することができ、高硬度材への穴あけを長寿命または高能率に行うことができる。特に、工具の突出し長さが長くなる深穴の加工においては、顕著に効果がみられる。
また本発明により、高硬度材の穴あけ加工を行う際において発生しやすくなる切れ刃のチッピングに関しても抑制することが可能となるので、従来のドリルに比較して高能率な切削加工を行うことができる。
本発明のドリルの正面図である。 本発明のドリルの切れ刃付近を拡大した側面図である。 本発明のドリルの工具軸に垂直方向に切断したときの断面図である。 図3に示した本発明のドリルの工具軸に垂直方向に切断したときの断面における二番取り面付近の拡大図である。 本発明の別の実施例を示す図である。 従来のドリルの工具軸に垂直方向に切断したときの断面図である。 従来のドリルの工具軸に垂直方向に切断したときの断面における二番取り面付近の拡大図である。 本発明の別の実施例における工具軸に対し垂直方向に切断したときの断面図である。 図8に示した本発明のドリルの工具軸に対し垂直方向に切断したときの断面における二番取り面付近の拡大図である。
本発明の一例として図1〜5を用いて説明する。図1は本発明のドリルの正面図である。図1に示すように、本発明のドリル1は切れ刃2、刃先部3、シャンク4を有し、刃先部3には切りくずを排出するための溝5及びランドが設けられている。また、刃先部3の先端部分には切れ刃2を有している。本発明のドリル1は、マージンを2つ設けたドリルすなわちダブルマージンドリルであるため、ドリル1の外周には切れ刃側のマージン6及びヒール側のマージン7が設けられている。そして、切れ刃側のマージン6及びヒール側のマージン7は二番取り面8により接続されている。
図2は本発明のドリルの切れ刃付近を拡大した側面図である。図2に示すように、ランド10には切れ刃側のマージン6とヒール側のマージン7が設けられており、2か所のマージンの間には二番取り面8が設けられている。また、図2にはクーラントホール11を設けたダブルマージンドリルを示している。クーラントホール11を設けることにより、高硬度材料を切削する際にも、切削温度の急激な上昇を抑え、切れ刃の摩耗の進行を遅らせることが可能となるが、クーラントホール11を設けない場合にも、本発明の有利な効果を奏する。
また図2に示すように、ドリルの外周側において、溝5と切れ刃側のマージン6を接続させる外周コーナ9や、溝5とヒール側のマージン7を接続させるヒールに面取りを施すことにより、剛性が向上するので望ましいが、外周コーナ9及び面取りを施さない場合にも本発明の有利な効果を奏する。
本発明において、切れ刃側のマージン6はランド10における回転方向前方側に配置されたマージンを指し、ヒール側のマージン7はランド10における回転方向後方側に配置されたマージンを指す。図2に示した例は切れ刃側のマージン6が外周コーナ9に接続された例を示したが、切れ刃側のマージン6がリーディングエッジに接するように切れ刃側のマージン6を設けても良い。同様にヒール側のマージン7に関しても、図2に示した例はヒール側のマージン7が面取りに接続された例を示したが、ヒール側のマージン7がヒールに接するように切れ刃側のマージン6を設けても良い。
図3は本発明のドリルの工具軸に垂直方向に切断したときの断面図である。図3に示すように、本発明のドリルは切れ刃側のマージン6からヒール側のマージン7に向かって、刃径を直径として仮想的に描いた直径の円弧12と二番取り面8の距離を径方向で測定したときの深さである二番取り深さが徐々に深くなり、最大二番取り深さに達してから、ヒール側のマージン7に向かって二番取り深さが徐々に浅くなる形状であることが大きな特徴である。なお図3において、d1は心厚、w1は回転方向で測定したときの切れ刃側のマージン6の幅、w2は回転方向で測定したときのヒール側のマージン7の幅を示す。
図4は図3に示した本発明のドリルの工具軸に垂直方向に切断したときの断面における二番取り面付近の拡大図である。図4に示した本発明のドリルは二番取り面8を刃径dよりも大きい直径の円弧の形状で形成させたダブルマージンドリルである。本発明は、図3においても説明したとおり、切れ刃側のマージン6からヒール側のマージン7に向かって二番取り深さhが徐々に深くなり、二番取り深さhの値が最大となる最大二番取り深さhmaxに達してから、ヒール側のマージン7に向かって二番取り深さhが徐々に浅くなることが大きな特徴である。これにより、熱処理後の高硬度材の穴あけにおいて、ドリルの剛性を十分に確保できるので切削抵抗によって発生する振動を抑制することができ、高硬度材への穴あけを長寿命または高能率に行うことができる。なお、本発明における二番取り深さとは、刃径を直径として仮想的に描いた直径の円弧12と二番取り面8の距離を径方向で測定したときの深さである。
本発明のドリルは、切れ刃側のマージン6からヒール側のマージン7に向かって二番取り深さhが徐々に深くなり、最大二番取り深さhmaxに達してから、ヒール側のマージン7に向かって二番取り深さhが徐々に浅くなる形状であるが、最大二番取り深さhmaxに達する位置は、二番取り面8の中心付近に設けられることが望ましい。具体的には、二番取り面8のヒール側のマージン7に接する端部と工具軸Oを結ぶ直線Aから見たときに、二番取り面8の切れ刃側のマージン6に接する端部と工具軸Oを結ぶ直線Bと、二番取り面8のヒール側のマージン7に接する端部と工具軸Oを結ぶ直線Aとがなす角度aの40〜60%に相当する位置において、最大二番取り深さhmaxに達するのが望ましい。
図4に示したドリルは、二番取り面8の切れ刃側のマージン6に接する端部と工具軸Oを結ぶ直線Bと、二番取り面8のヒール側のマージン7に接する端部と工具軸Oを結ぶ直線Aとがなす角度aが79°であり、最大二番取り深さhmaxが、二番取り面8のヒール側のマージン7に接する端部と工具軸Oを結ぶ直線Aから見たときに、角度aの53%である42°となる位置において達している例である。
また、本発明は最大二番取り深さhmaxを、刃径dの2.0%以上6.0%以下の範囲とすることで、ドリルの剛性がさらに向上し、高硬度材を高能率に加工したときの安定性が増すので望ましい。最大二番取り深さhmaxが刃径dの2.0%より小さい場合、加工中の工具のふらつきにより工具と加工面との接触の可能性が高まるため、切削中の振動が増大して高能率に加工した場合に性能が不安定になる可能性がある。また、最大二番取り深さhmaxが刃径dの6.0%を超える場合、工具の剛性が十分に確保できないため加工中の振動が大きくなり、高能率に加工した場合にチッピングの発生によって性能が不安定になる傾向が見られる。
さらに、図4に示すように、二番取り面8は、切れ刃側のマージン6およびヒール側のマージン7の2か所のマージンと、直径の円弧12と、刃径dの94%以上98%以下の直径をもつ仮想円弧13とで囲まれた領域に設けられていることを特徴とする。これにより、ドリルの剛性がより一層向上し、工具の突出し長さが長くなる深穴の加工においても振動を抑制し、切れ刃のチッピングの発生を低減させることが可能となるので、より望ましい。98%を超える領域に二番取り面11が設けられる場合(すなわち仮想円弧13の直径の値が刃径dの98%を超えた場合)、微細な切りくずが二番取りへ入り込んだ場合、振動の増大が考えられる。94%より小さい領域に二番取り面11が設けられる場合(すなわち仮想円弧13の直径の値が刃径dの94%未満の場合)、工具の剛性が小さくなるため振動の抑制が不十分になる傾向が見られる。
図5は本発明の別の実施例を示す図である。図4に示した本発明のドリルは二番取り面8を複数の平面で形成させたダブルマージンドリルである。二番取り面8を複数の平面で形成された場合においても、切れ刃側のマージン6からヒール側のマージン7に向かって二番取り深さhが徐々に深くなり、最大二番取り深さhmaxに達してから、ヒール側のマージン7に向かって二番取り深さhが徐々に浅くなることにより、二番取り面8を刃径dよりも大きい直径の円弧の形状で形成させた場合と同様に本発明の有利な効果を奏する。
図8は本発明の別の実施例における工具軸に対し垂直方向に切断したときの断面図である。二番取り深さが徐々に深くなり、最大二番取り深さに達してから、ヒール側のマージン7に向かって二番取り深さが徐々に浅くなるその他の二番取り面8の形状としては、図8に示すように、二番取り面8を切れ刃側のマージンの回転後方側の端部19からドリルの回転後方側に向かって形成された直線状の第1二番取り面16と、ヒール側のマージンの回転前方側の端部20からドリルの回転前方側に向かって形成された直線状の第2二番取り面17と、前記第1二番取り面16及び前記第2二番取り面17を接続する曲線状の第3二番取り面18とで構成させたものもある。
図9は図8に示した本発明のドリルの工具軸に対し垂直方向に切断したときの断面における二番取り面付近の拡大図である。前述の通り、本発明の別の実施例における二番取り面8は、軸直角断面で見たときに、切れ刃側のマージンの回転後方側の端部19からドリルの回転後方側に向かって形成された直線状の第1二番取り面16と、ヒール側のマージンの回転前方側の端部20からドリルの回転前方側に向かって形成された直線状の第2二番取り面17と、前記第1二番取り面16及び前記第2二番取り面17を接続する曲面状の第3二番取り面18とで構成されている。このような場合でも、二番取り面8における二番取り深さが徐々に深くなり、最大二番取り深さhmaxに達してから、ヒール側のマージン7に向かって二番取り深さが徐々に浅くなる形状であれば、本発明の有利な効果を奏することが可能である。特に二番取り面8において、直線状の第1二番取り面16及び第2二番取り面17を設けることにより、切れ刃側のマージンの回転後方側の端部19及びヒール側のマージンの回転前方側の端部20の剛性を十分に確保しながら、二番取り面8と加工面との接触を容易に回避することが可能になるため、ドリルの振動を抑制し、安定した切削加工が可能となる。
なお、第1二番取り面16及び第2二番取り面17の幅である、第1二番取り面の幅w3及び第2二番取り面の幅w4は、軸直角断面において、第1二番取り面16及び第2二番取り面17に対し平行となる方向で測定したときに、刃径の15%以上25%以下の範囲にすることが望ましい。これにより、ドリルの製造時に二番取り面を砥石にて研削加工する際に、素材を除去する体積が減るため、製造が容易になり、また、ドリルの剛性の低下を抑制できる。
また、本発明の別の実施例においては、軸直角断面における第3二番取り面18の曲率半径である第3二番取り面の曲率半径Rを刃径の75%以上125%以下の範囲とすることが望ましい。これにより、二番取り深さhの値が最大となる位置すなわち、二番取り面8の形成時において二番取り深さhの方向に最も多くの母材が研削により除去される位置において、ドリルの振動を抑制するために必要である剛性が確保できる。
本発明はどのような形状のドリルにも実施可能であるが、特に刃数が2〜3枚刃、刃径dが1mm〜20mm程度のドリルに実施することが有効である。また、本発明において重要な要素である、二番取り深さh、最大二番取り深さhmax、第1二番取り面の幅w3、第2二番取り面の幅w4、及び第3二番取り面の曲率半径Rは公知の測定方法により求めることが可能である。具体的な例を挙げれば、本発明のドリル1を工具軸Oに対し垂直な方向で切断し、5mm程度の厚さの測定試料を作成し、光学式顕微鏡で測定する方法や、接触式の形状測定器を用いてランドの形状をトレースし、トレースしたランドにおける二番取り面の形状から測定を行う方法が存在する。
図6は従来のドリルの工具軸に垂直方向に切断したときの断面図である。図6に示すように従来のドリルは切れ刃側のマージン6からヒール側のマージン7に向かって、二番取り深さが急に深くなり、切れ刃側のマージン6の近傍で最大二番取り深さに達してからヒール側マージン18の近傍まで一定の二番取り深さで二番取り面8が形成され、ヒール側マージン18の近傍からヒール側マージン18までは急に二番取り深さが浅くなっている。言い換えると、従来のドリルにおける二番取り面8は、刃径dよりも小さく、直径の円弧12と同心円状に配置された円弧形状で形成されているといえる。これに対し、本発明のドリルにおける二番取り面8は、断面で見たときに複数の直線もしくは刃径dよりも直径が大きい円弧で形成されているため、本発明のドリルと従来のドリルとでは二番取り面8の形状が大きく異なるといえる。
図7は従来のドリルの工具軸に垂直方向に切断したときの断面における二番取り面付近の拡大図である。図7に示すように従来のドリルでは、切れ刃側マージン6からヒール側マージン7に向かって、二番取り深さhが急に深くなる段差15が設けられており、最大二番取り深さhmaxに達してからヒール側マージン18に向かって急に浅くなる段差15が設けられた形状になっている。このような構成ではドリルの剛性が低くなり振動の発生を十分に抑制することはできない。そのため、高硬度材の切削加工を行った際には、早期にチッピングが発生する可能性がある。なお図7に示した従来のドリルにおける最大二番取り深さとは、刃径を直径として仮想的に描いた直径の円弧12と二番取り面を延長した円弧14の距離を径方向で測定したときの深さである。
本発明のドリルにおいては、二番取り深さhが最大となる最大二番取り深さhmaxに達する位置は、断面図で二番取り面8を見たときにおいて1か所のみであることが大きな特徴である。すなわち、二番取り面8において最大二番取り深さhmaxに達する位置と工具軸Oとを結んだ直線の数は、1つのランド10につき1本のみである。
これに対し従来のドリルは、二番取り面8が2つの段差15の間に設けられ、なおかつ、その形状は刃径dよりも小さく、直径の円弧12と同心円状に設けられているため、二番取り面8において最大二番取り深さhmaxに達する位置と工具軸Oとを結んだ直線の数は無数に設けられることになる。このように二番取り面8が形成されていることから、従来のドリルは二番取り面8を形成されるために除去される材料が多くなるため、剛性が非常に低くなる。
本発明のドリルは最大二番取り深さhmaxに達する位置が一か所となるように二番取り面8が形成されることにより、二番取り面8を形成されるために除去される材料が少なくなるため、剛性を非常に高く保つことが可能となる。
本発明のドリルの形状では、新規な形状の二番取り面を設けていることから、従来のドリルと比較して工具の断面が大きくなるため工具の剛性を高めることができる。一般的に高硬度材の穴あけでは、熱処理前の材料と比較して大きな切削抵抗が発生する。本発明のドリルにおいては、工具剛性を高めることにより、切削抵抗によって発生する振動を抑制することができるので、切削の振動に起因するチッピングや工具の欠損を防ぐことができる。これにより、長寿命または高能率に穴あけを行うことが可能となる。
以下、本発明を下記の実施例により詳細に説明するが、それらにより本発明が限定されるものではない。
(実施例1)
本発明例1及び従来例2を用いて、二番取り面の形状に違いによる寿命の比較テストを行った。
本発明例1及び従来例2の共通仕様として、工具本体を通してクーラントを供給するためのオイルホールを有し、刃径dが6.0mm、溝5を工具軸の方向で測定したときの長さである溝長Lが198mm(L/d=33倍)、全長が250mm、溝5のねじれ角を20°、心厚d1を2.4mm、シャンク径Dを6.0mm、図3及び図6に示すようにランドの切れ刃側マージンの幅w1を0.5mm、ヒール側マージンの幅w2を0.5mmに設けたドリルにおいて、最大二番取り深さhmaxを、刃径dの4.0%すなわち0.24mmとした。
本発明例1における共通仕様以外の仕様として、図3及び図4に示すように、工具軸に垂直方向で切断したときの断面において、切れ刃側のマージン6の回転後方側の端部及びヒール側のマージン7の回転前方側の端部を接続する円弧形状の二番取り面8を形成することにより、切れ刃側のマージンからヒール側のマージンに向かって二番取り深さhが徐々に深くなり、最大二番取り深さhmaxに達してからヒール側のマージンに向かって二番取り深さhが徐々に浅くなるドリルを制作した。前述した通り、本発明例1における最大二番取り深さhmaxは刃径dの4.0%すなわち0.24mmとした。
従来例2における共通仕様以外の仕様として、図6及び図7に示すように、工具軸に垂直方向で切断したときの断面において、刃径dよりも小さく、直径の円弧12と同心円状に設けられた円弧形状の二番取り面8を形成することにより、切れ刃側マージン6から段差をつけて急に最大二番取り深さhmaxに達し、ヒール側マージン7に向って急に段差をつけて二番取り深さhが浅くなるように二番取り面8を施したドリルを制作した。前述した通り、従来例2における最大二番取り深さhmaxは刃径dの4.0%すなわち0.24mmとした。
試験条件は、被削材には材質がSKD61で、硬さがHRC50であり、幅50mm、奥行き200mm、高さ150mmの板材を用いた。横型マシニングセンターにて、切削条件を回転数が1600min−1(切削速度約30.2m/min)、一回転当たり送り量が0.06mm/回転、穴あけ深さが180mm(刃径dの30倍)の止まり穴の加工を奥行き方向に行った。クーラントは、水溶性切削液をオイルホールを通して供給した。
評価方法として、加工穴数が25穴および75穴加工後の切れ刃の逃げ面最大摩耗幅を光学顕微鏡で100倍に拡大して測定し、評価を行った。切削途中で欠けやチッピングが発生した場合は、その時点で加工を中止としそのときの加工穴数を記入した。
評価基準として、75穴加工後において欠けやチッピングが生じず、なおかつ75穴加工後における逃げ面最大摩耗幅が0.30mm以下であるものを良好とした。評価結果を表1に示す。
Figure 2016106041
その結果、本発明例1は75穴まで加工でき、なおかつ75穴加工後における逃げ面最大摩耗幅が0.30mm以下であったため良好な結果であった。高硬度材の穴あけを行う場合大きな切削抵抗にともない振動が発生するが、本発明のドリルであれば、切れ刃側のマージンからヒール側のマージンに向かって二番取り深さが徐々に深くなり、最大二番取り深さに達してからヒール側のマージンに向かって二番取り深さが徐々に浅くなる形状により工具の剛性が増し、振動の発生を抑制できるため、加工中にチッピングが発生することなく工具寿命は良好であった。従来例2は15穴加工後に切れ刃にチッピングが発生しており試験を中止した。従来例2における二番取り面は、急に最大二番取り深さhmaxに達するような形状していることにより工具剛性が小さくなるため振動によって切れ刃にチッピングが発生したと考えられる。
(実施例2)
次に、最大二番取り深さを1.0%〜7.0%に変化させた本発明例3〜13を製作し、最大二番取り深さの違いによる寿命の比較テストを行った。
本発明例3〜13の共通仕様として、工具本体を通してクーラントを供給するためのオイルホールを有し、刃径dが6.0mm、溝5を工具軸の方向で測定したときの長さである溝長Lが198mm(L/d=33倍)、全長が250mm、溝5のねじれ角を20°、心厚d1を2.4mm、シャンク径Dを6.0mm、図3及び図6に示すようにランドの切れ刃側マージンの幅w1を0.5mm、ヒール側マージンの幅w2を0.5mmに設け、二番取り面8の形状は切れ刃側のマージン6の回転後方側の端部及びヒール側のマージン7の回転前方側の端部を接続する円弧形状とした。
本発明例3において、最大二番取り深さhmaxは刃径dの1.0%すなわち0.06mmとした。
本発明例4において、最大二番取り深さhmaxは刃径dの1.5%すなわち0.09mmとした。
本発明例5において、最大二番取り深さhmaxは刃径dの2.0%すなわち0.12mmとした。
本発明例6において、最大二番取り深さhmaxは刃径dの2.5%すなわち0.15mmとした。
本発明例7において、最大二番取り深さhmaxは刃径dの3.0%すなわち0.18mmとした。
本発明例8において、最大二番取り深さhmaxは刃径dの4.0%すなわち0.24mmとした。
本発明例9において、最大二番取り深さhmaxは刃径dの5.0%すなわち0.30mmとした。
本発明例10において、最大二番取り深さhmaxは刃径dの5.5%すなわち0.33mmとした。
本発明例11において、最大二番取り深さhmaxは刃径dの6.0%すなわち0.36mmとした。
本発明例12において、最大二番取り深さhmaxは刃径dの6.5%すなわち0.39mmとした。
本発明例13において、最大二番取り深さhmaxは刃径dの7.0%すなわち0.42mmとした。
試験条件、評価方法及び評価基準は実施例1と同様とした。評価結果を表2に示す。
Figure 2016106041
本発明例3〜13のものは、75穴加工後において欠けやチッピングが生じず、なおかつ75穴加工後における逃げ面最大摩耗幅が0.30mm以下と良好であった。最大二番取り深さhmaxがこの範囲であれば、工具の剛性が確保されるので振動の発生を抑制できると考えられる。
(実施例3)
第1二番取り面の幅w3を刃径の10%以上30%以下の範囲に変化させた本発明例14〜18を製作し、第1二番取り面の幅w3の違いによる寿命の比較テストを行った。
本発明例14〜18の共通仕様として、工具本体を通してクーラントを供給するためのオイルホールを有し、刃径dが10.0mm、溝5を工具軸の方向で測定したときの長さである溝長Lが330mm(L/d=33倍)、全長が390mm、溝5のねじれ角を20°、心厚d1を4.0mm、シャンク径Dを10.0mm、図3に示すようにランドの切れ刃側マージンの幅w1を0.8mm、ヒール側マージンの幅w2を0.8mmに設けた。
また、その他の本発明例14〜18の共通仕様として、二番取り面8の形状は、切れ刃側のマージンの回転後方側の端部からドリルの回転後方側に向かって形成された直線状の第1二番取り面16と、ヒール側のマージンの回転前方側の端部からドリルの回転前方側に向かって形成された直線状の第2二番取り面17と、前記第1二番取り面16及び前記第2二番取り面17を接続する曲面状の第3二番取り面18とから構成された形状とした。さらに、本発明例14〜18において、第2二番取り面の幅w4は刃径dの20%すなわち2.00mmとし、第3二番取り面の曲率半径Rは刃径dの95%すなわち9.50mmとした。
それぞれの本発明例の仕様として、本発明例14において、第1二番取り面の幅w3は刃径dの10%すなわち1.00mmとした。
本発明例15において、第1二番取り面の幅w3は刃径dの15%すなわち1.50mmとした。
本発明例16において、第1二番取り面の幅w3は刃径dの20%すなわち2.00mmとした。
本発明例17において、第1二番取り面の幅w3は刃径dの25%すなわち2.50mmとした。
本発明例18において、第1二番取り面の幅w3は刃径dの30%すなわち3.00mmとした。
試験条件は、被削材には材質がSKD61で、硬さがHRC50であり、幅50mm、奥行き320mm、高さ150mmの板材を用いた。横型マシニングセンターにて、切削条件を回転数が1,000min−1(切削速度約31.4m/min)、一回転当たり送り量が0.10mm/回転、穴あけ深さが300mm(刃径dの30倍)の止まり穴の加工を奥行き方向に行った。クーラントは、水溶性切削液をオイルホールを通して供給した。
評価方法として、加工穴数が15穴および50穴加工後の切れ刃の逃げ面最大摩耗幅を光学顕微鏡で100倍に拡大して測定し、評価を行った。切削途中で欠けやチッピングが発生した場合は、その時点で加工を中止としそのときの加工穴数を記入した。
評価基準として、50穴加工後において欠けやチッピングが生じず、なおかつ50穴加工後における逃げ面最大摩耗幅が0.50mm以下であるものを良好とした。評価結果を表3に示す。
Figure 2016106041
表3に示す通り、本発明例14〜18は50穴加工後において欠けやチッピングが生じず、なおかつ50穴加工後における逃げ面最大摩耗幅が0.50mm以下であり、良好な結果であった。特に、第1二番取り面の幅w3が、軸直角断面において第1二番取り面及び第2二番取り面に対し平行となる方向で測定したときに、刃径の15%以上25%以下の範囲となる本発明例15〜17は、50穴加工後における逃げ面最大摩耗幅が0.40mm以下であり、さらに良好な結果を示した。
(実施例4)
第2二番取り面の幅w4を刃径の10%以上30%以下の範囲に変化させた本発明例19〜23を製作し、第2二番取り面の幅w4の違いによる寿命の比較テストを行った。
本発明例19〜23の共通仕様として、工具本体を通してクーラントを供給するためのオイルホールを有し、刃径dが10.0mm、溝5を工具軸の方向で測定したときの長さである溝長Lが330mm(L/d=33倍)、全長が390mm、溝5のねじれ角を20°、心厚d1を4.0mm、シャンク径Dを10.0mm、図3に示すようにランドの切れ刃側マージンの幅w1を0.8mm、ヒール側マージンの幅w2を0.8mmに設けた。
また、その他の本発明例19〜23の共通仕様として、二番取り面8の形状は、切れ刃側のマージンの回転後方側の端部からドリルの回転後方側に向かって形成された直線状の第1二番取り面16と、ヒール側のマージンの回転前方側の端部からドリルの回転前方側に向かって形成された直線状の第2二番取り面17と、前記第1二番取り面16及び前記第2二番取り面17を接続する曲面状の第3二番取り面18とから構成された形状とした。さらに、本発明例19〜23において、第1二番取り面の幅w3は刃径dの20%すなわち2.00mmとし、第3二番取り面の曲率半径Rは刃径dの95%すなわち9.50mmとした。
それぞれの本発明例の仕様として、本発明例19において、第2二番取り面の幅w4は刃径dの10%すなわち1.00mmとした。
本発明例20において、第2二番取り面の幅w4は刃径dの15%すなわち1.50mmとした。
本発明例21において、第2二番取り面の幅w4は刃径dの20%すなわち2.00mmとした。
本発明例22において、第2二番取り面の幅w4は刃径dの25%すなわち2.50mmとした。
本発明例23において、第2二番取り面の幅w4は刃径dの30%すなわち3.00mmとした。
試験条件、評価方法及び評価基準は実施例3と同様とした。評価結果を表4に示す。
Figure 2016106041
表4に示す通り、本発明例19〜23は50穴加工後において欠けやチッピングが生じず、なおかつ50穴加工後における逃げ面最大摩耗幅が0.50mm以下であり、良好な結果であった。特に、第2二番取り面の幅w4が、軸直角断面において第1二番取り面及び第2二番取り面に対し平行となる方向で測定したときに、刃径の15%以上25%以下の範囲となる本発明例20〜22は、50穴加工後における逃げ面最大摩耗幅が0.40mm以下であり、さらに良好な結果を示した。
(実施例5)
第3二番取り面の曲率半径Rを刃径の65%以上135%以下の範囲に変化させた本発明例24〜31を製作し、第3二番取り面の曲率半径Rの違いによる寿命の比較テストを行った。
本発明例24〜31の共通仕様として、工具本体を通してクーラントを供給するためのオイルホールを有し、刃径dが10.0mm、溝5を工具軸の方向で測定したときの長さである溝長Lが330mm(L/d=33倍)、全長が390mm、溝5のねじれ角を20°、心厚d1を4.0mm、シャンク径Dを10.0mm、図3に示すようにランドの切れ刃側マージンの幅w1を0.8mm、ヒール側マージンの幅w2を0.8mmに設けた。
また、その他の本発明例24〜31の共通仕様として、二番取り面8の形状は、切れ刃側のマージンの回転後方側の端部からドリルの回転後方側に向かって形成された直線状の第1二番取り面16と、ヒール側のマージンの回転前方側の端部からドリルの回転前方側に向かって形成された直線状の第2二番取り面17と、前記第1二番取り面16及び前記第2二番取り面17を接続する曲面状の第3二番取り面18とから構成された形状とした。さらに、本発明例24〜31において、第1二番取り面の幅w3は刃径dの20%すなわち2.00mmとし、第2二番取り面の幅w4は刃径dの20%すなわち2.00mmとした。
それぞれの本発明例の仕様として、本発明例24において、第3二番取り面の曲率半径Rは刃径dの65%すなわち6.50mmとした。
本発明例25において、第3二番取り面の曲率半径Rは刃径dの75%すなわち7.50mmとした。
本発明例26において、第3二番取り面の曲率半径Rは刃径dの85%すなわち8.50mmとした。
本発明例27において、第3二番取り面の曲率半径Rは刃径dの95%すなわち9.50mmとした。
本発明例28において、第3二番取り面の曲率半径Rは刃径dの105%すなわち10.50mmとした。
本発明例29において、第3二番取り面の曲率半径Rは刃径dの115%すなわち11.50mmとした。
本発明例30において、第3二番取り面の曲率半径Rは刃径dの125%すなわち12.50mmとした。
本発明例31において、第3二番取り面の曲率半径Rは刃径dの135%すなわち13.50mmとした。
試験条件、評価方法及び評価基準は実施例3と同様とした。評価結果を表5に示す。
Figure 2016106041
表5に示す通り、本発明例24〜31は50穴加工後において欠けやチッピングが生じず、なおかつ50穴加工後における逃げ面最大摩耗幅が0.50mm以下であり、良好な結果であった。特に、軸直角断面における第3二番取り面の曲率半径Rを、刃径の75%以上125%以下の範囲とした本発明例25〜30は、50穴加工後における逃げ面最大摩耗幅が0.40mm以下であり、さらに良好な結果を示した。
本発明のドリルを用いることで、熱処理後の高硬度材の穴あけにおいて、ドリルの剛性を十分に確保できるので切削抵抗によって発生する振動を抑制することができ、高硬度材への穴あけを長寿命または高能率に行うことができる。よって、主に金型に用いられる45〜55HRC程度の硬さを持つ鋼材への加工に好適である。また、工具の突出し長さが長くなる深穴の加工においては、顕著に本発明の効果がみられる。
1 本発明のドリル
2 切れ刃
3 刃先部
4 シャンク
5 溝
6 切れ刃側のマージン
7 ヒール側のマージン
8 二番取り面
9 外周コーナ
10 ランド
11 クーラントホール
12 直径の円弧
13 仮想円弧
14 二番取り面を延長した円弧
15 段差
16 第1二番取り面
17 第2二番取り面
18 第3二番取り面
19 切れ刃側のマージンの回転後方側の端部
20 ヒール側のマージンの回転前方側の端部
d 刃径
D シャンク径
O 工具軸
L 溝長
d1 心厚
w1 切れ刃側のマージンの幅
w2 ヒール側のマージンの幅
w3 第1二番取り面の幅
w4 第2二番取り面の幅
h 二番取り深さ
hmax 最大二番取り深さ
A 二番取り面のヒール側のマージンに接する端部と工具軸を結ぶ直線
B 二番取り面の切れ刃側のマージンに接する端部と工具軸を結ぶ直線
a 直線Aと直線Bとがなす角度
R 第3二番取り面の曲率半径
すなわち、本発明は、軸線回りに回転されるドリル本体の先端側部分に、先端側から後端側に向けて延びる溝とランドを有する刃先部が形成され、刃先部の先端部分に切れ刃を有するドリルにおいて、リーディングエッジから連続して設けられるランドには溝の切れ刃側とヒール側に配置された2か所のマージンを持ち、2か所のマージンの間には二番取り面が設けられ、軸直角断面において、前記二番取り面は、刃径よりも大きい直径の円弧の形状に形成されていて、前記切れ刃側のマージンから前記ヒール側のマージンに向かって二番取り深さが徐々に深くなり、最大二番取り深さに達してから、前記ヒール側のマージンに向かって二番取り深さが徐々に浅くなることを特徴とするドリルである。
また本発明において、前記二番取り面は、前記2か所のマージンと、刃径を直径とする直径の仮想円弧と、前記刃径の94%以上98%以下の直径をもつ仮想円弧とで囲まれた領域に設けることにより、ドリルの剛性がより一層向上し、工具の突出し長さが長くなる深穴の加工においても振動を抑制し、切れ刃のチッピングの発生を低減させることが可能となるので、より望ましい。
本発明のドリルの正面図である。 本発明のドリルの切れ刃付近を拡大した側面図である。 本発明のドリルの工具軸に垂直方向に切断したときの断面図である。 図3に示した本発明のドリルの工具軸に垂直方向に切断したときの断面における二番取り面付近の拡大図である。 本発明の参考例のドリルを示す図である。 従来のドリルの工具軸に垂直方向に切断したときの断面図である。 従来のドリルの工具軸に垂直方向に切断したときの断面における二番取り面付近の拡大図である。 本発明の別の参考例における工具軸に対し垂直方向に切断したときの断面図である。 図8に示した参考例のドリルの工具軸に対し垂直方向に切断したときの断面における二番取り面付近の拡大図である。
本発明の一実施形態を図1〜を用いて説明する。図1は本発明のドリルの正面図である。図1に示すように、本発明のドリル1は切れ刃2、刃先部3、シャンク4を有し、刃先部3には切りくずを排出するための溝5及びランドが設けられている。また、刃先部3の先端部分には切れ刃2を有している。本発明のドリル1は、マージンを2つ設けたドリルすなわちダブルマージンドリルであるため、ドリル1の外周には切れ刃側のマージン6及びヒール側のマージン7が設けられている。そして、切れ刃側のマージン6及びヒール側のマージン7は二番取り面8により接続されている。
さらに、図4に示すように、二番取り面8は、切れ刃側のマージン6およびヒール側のマージン7の2か所のマージンと、刃径を直径とする円弧12と、刃径dの94%以上98%以下の直径をもつ仮想円弧13とで囲まれた領域に設けられていることを特徴とする。これにより、ドリルの剛性がより一層向上し、工具の突出し長さが長くなる深穴の加工においても振動を抑制し、切れ刃のチッピングの発生を低減させることが可能となるので、より望ましい。98%を超える領域に二番取り面が設けられる場合(すなわち仮想円弧13の直径の値が刃径dの98%を超えた場合)、微細な切りくずが二番取りへ入り込んだ場合、振動の増大が考えられる。94%より小さい領域に二番取り面11が設けられる場合(すなわち仮想円弧13の直径の値が刃径dの94%未満の場合)、工具の剛性が小さくなるため振動の抑制が不十分になる傾向が見られる。
図5は、図1〜4に示した実施形態に対する参考例を示す図である。図5に示した参考例のドリルは二番取り面8を複数の平面で形成させたダブルマージンドリルである。二番取り面8を複数の平面で形成された場合においても、切れ刃側のマージン6からヒール側のマージン7に向かって二番取り深さhが徐々に深くなり、最大二番取り深さhmaxに達してから、ヒール側のマージン7に向かって二番取り深さhが徐々に浅くなることにより、二番取り面8を刃径dよりも大きい直径の円弧の形状で形成させた場合と同様有利な効果を奏する。
図8は本発明の別の参考例における工具軸に対し垂直方向に切断したときの断面図である。二番取り深さが徐々に深くなり、最大二番取り深さに達してから、ヒール側のマージン7に向かって二番取り深さが徐々に浅くなるその他の二番取り面8の形状としては、図8に示すように、二番取り面8を切れ刃側のマージンの回転後方側の端部19からドリルの回転後方側に向かって形成された直線状の第1二番取り面16と、ヒール側のマージンの回転前方側の端部20からドリルの回転前方側に向かって形成された直線状の第2二番取り面17と、前記第1二番取り面16及び前記第2二番取り面17を接続する曲線状の第3二番取り面18とで構成させたものもある。
図9は図8に示した本発明のドリルの工具軸に対し垂直方向に切断したときの断面における二番取り面付近の拡大図である。前述の通り、本発明の別の参考例における二番取り面8は、軸直角断面で見たときに、切れ刃側のマージンの回転後方側の端部19からドリルの回転後方側に向かって形成された直線状の第1二番取り面16と、ヒール側のマージンの回転前方側の端部20からドリルの回転前方側に向かって形成された直線状の第2二番取り面17と、前記第1二番取り面16及び前記第2二番取り面17を接続する曲面状の第3二番取り面18とで構成されている。このような場合でも、二番取り面8における二番取り深さが徐々に深くなり、最大二番取り深さhmaxに達してから、ヒール側のマージン7に向かって二番取り深さが徐々に浅くなる形状であれば有利な効果を奏することが可能である。特に二番取り面8において、直線状の第1二番取り面16及び第2二番取り面17を設けることにより、切れ刃側のマージンの回転後方側の端部19及びヒール側のマージンの回転前方側の端部20の剛性を十分に確保しながら、二番取り面8と加工面との接触を容易に回避することが可能になるため、ドリルの振動を抑制し、安定した切削加工が可能となる。
また、本発明の別の参考例においては、軸直角断面における第3二番取り面18の曲率半径である第3二番取り面の曲率半径Rを刃径の75%以上125%以下の範囲とすることが望ましい。これにより、二番取り深さhの値が最大となる位置すなわち、二番取り面8の形成時において二番取り深さhの方向に最も多くの母材が研削により除去される位置において、ドリルの振動を抑制するために必要である剛性が確保できる。
図6は従来のドリルの工具軸に垂直方向に切断したときの断面図である。図6に示すように従来のドリルは切れ刃側のマージン6からヒール側のマージン7に向かって、二番取り深さが急に深くなり、切れ刃側のマージン6の近傍で最大二番取り深さに達してからヒール側マージンの近傍まで一定の二番取り深さで二番取り面8が形成され、ヒール側マージンの近傍からヒール側マージンまでは急に二番取り深さが浅くなっている。言い換えると、従来のドリルにおける二番取り面8は、刃径dよりも小さく、刃径を直径とする円弧12と同心円状に配置された円弧形状で形成されているといえる。これに対し、本発明のドリルにおける二番取り面8は、断面で見たときに刃径dよりも直径が大きい円弧で形成されているため、本発明のドリルと従来のドリルとでは二番取り面8の形状が大きく異なるといえる。
図7は従来のドリルの工具軸に垂直方向に切断したときの断面における二番取り面付近の拡大図である。図7に示すように従来のドリルでは、切れ刃側マージン6からヒール側マージン7に向かって、二番取り深さhが急に深くなる段差15が設けられており、最大二番取り深さhmaxに達してからヒール側マージンに向かって急に浅くなる段差15が設けられた形状になっている。このような構成ではドリルの剛性が低くなり振動の発生を十分に抑制することはできない。そのため、高硬度材の切削加工を行った際には、早期にチッピングが発生する可能性がある。なお図7に示した従来のドリルにおける最大二番取り深さとは、刃径を直径として仮想的に描いた直径の円弧12と二番取り面を延長した円弧14の距離を径方向で測定したときの深さである。
これに対し従来のドリルは、二番取り面8が2つの段差15の間に設けられ、なおかつ、その形状は刃径dよりも小さく、刃径を直径とする円弧12と同心円状に設けられているため、二番取り面8において最大二番取り深さhmaxに達する位置と工具軸Oとを結んだ直線の数は無数に設けられることになる。このように二番取り面8が形成されていることから、従来のドリルは二番取り面8を形成されるために除去される材料が多くなるため、剛性が非常に低くなる。
以下、本発明を下記の実施例により詳細に説明するが、それらにより本発明が限定されるものではない。なお、これらの実施例において、本発明例14〜31としてあるのは、図8および図9に基づく本発明の別の参考例のドリルである。

Claims (6)

  1. 軸線回りに回転されるドリル本体の先端側部分に、先端側から後端側に向けて延びる溝とランドを有する刃先部が形成され、刃先部の先端部分に切れ刃を有するドリルにおいて、リーディングエッジから連続して設けられるランドには溝の切れ刃側とヒール側に配置された2か所のマージンを持ち、2か所のマージンの間には二番取り面が設けられ、軸直角断面において、前記切れ刃側のマージンから前記ヒール側のマージンに向かって二番取り深さが徐々に深くなり、最大二番取り深さに達してから、前記ヒール側のマージンに向かって二番取り深さが徐々に浅くなることを特徴とするドリル。
  2. 前記最大二番取り深さを、刃径の2.0%以上6.0%以下の範囲としたことを特徴とする請求項1に記載のドリル。
  3. 軸直角断面において、前記二番取り面は、2か所の前記マージンと、直径の円弧と、前記刃径の94%以上98%以下の直径をもつ仮想円弧とで囲まれた領域に設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のドリル。
  4. 軸直角断面において、前記二番取り面は、切れ刃側のマージンの回転後方側の端部からドリルの回転後方側に向かって形成された直線状の第1二番取り面と、ヒール側のマージンの回転前方側の端部からドリルの回転前方側に向かって形成された直線状の第2二番取り面と、第1二番取り面及び第2二番取り面を接続する曲面状の第3二番取り面とから形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のドリル。
  5. 第1二番取り面及び第2二番取り面の幅は、軸直角断面において、第1二番取り面及び第2二番取り面に対し平行となる方向で測定したときに、刃径の15%以上25%以下の範囲としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のドリル。
  6. 軸直角断面における第3二番取り面の曲率半径は、刃径の75%以上125%以下の範囲としたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のドリル。
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