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JP2016102418A - 容量可変型斜板式圧縮機 - Google Patents

容量可変型斜板式圧縮機 Download PDF

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JP2016102418A
JP2016102418A JP2014239921A JP2014239921A JP2016102418A JP 2016102418 A JP2016102418 A JP 2016102418A JP 2014239921 A JP2014239921 A JP 2014239921A JP 2014239921 A JP2014239921 A JP 2014239921A JP 2016102418 A JP2016102418 A JP 2016102418A
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swash plate
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drive shaft
compressor
dead center
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JP2014239921A
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English (en)
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裕之 仲井間
Hiroyuki Nakaima
裕之 仲井間
健吾 榊原
Kengo Sakakibara
健吾 榊原
佑介 山▲崎▼
Yusuke Yamazaki
佑介 山▲崎▼
秀晴 山下
Hideharu Yamashita
秀晴 山下
山本 真也
Shinya Yamamoto
真也 山本
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyota Industries Corp
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Publication date
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Abstract

【課題】可及的な小型化を実現しながら、十分な制御性を発揮可能な容量可変型斜板式圧縮機を提供する。【解決手段】本発明の圧縮機では、斜板本体50に第1、2被作用面54a、54bが形成されている。また、第1円筒部131には作用面134が形成されている。作用面134には、第1、2被作用面54a、45bに向かって延びる第1、2作用部14a、14bが形成されている。第1被作用面54aのうち、第1作用位置F1において第1作用部14aと線接触する箇所は、第1被作用部6aとされている。第2作用面54bのうち、第2作用位置F2において第2作用部14bと線接触する箇所は、第2被作用部6bとされている。この圧縮機では、上死点面Dに直交するD1方向から駆動軸3及び第1、2作用位置F1、F2を見た場合、第1、2作用位置F1、F2は、斜板5の傾斜角度にかかわらず、駆動軸心Oに重なる位置に設定されている。【選択図】図8

Description

本発明は容量可変型斜板式圧縮機に関する。
特許文献1に従来の容量可変型斜板式圧縮機(以下、圧縮機という。)が開示されている。この圧縮機では、ハウジングに斜板室、複数個のシリンダボア、吸入室及び吐出室が形成されている。ハウジングには、駆動軸が回転可能に支持されている。斜板室内には、駆動軸の回転によって回転可能な斜板が設けられている。この斜板には、挿通孔が形成されている。駆動軸と斜板との間には、リンク機構が設けられている。リンク機構は、斜板の傾斜角度の変更を許容する。ここで、傾斜角度とは、駆動軸の駆動軸心に直交する方向に対する斜板の角度である。各シリンダボアには、ピストンが往復動可能に収納されている。変換機構は、斜板の回転により、傾斜角度に応じたストロークで各ピストンをシリンダボア内で往復動させるようになっている。ここで、斜板には、各ピストンを上死点に位置させる上死点対応部が定義されている。また、アクチュエータが傾斜角度の変更を行う。制御機構はアクチュエータを制御する。制御機構は圧力調整弁を有している。
リンク機構は、ラグ部材、ヒンジ球及びリンクを有している。ラグ部材は、斜板室内で駆動軸に固定されている。ヒンジ球は、駆動軸に挿通されて斜板の挿通孔内に配置されている。これにより、ヒンジ球の外周面が挿通孔と当接している。リンクは、ラグ部材と斜板との間に設けられている。このリンクを介して斜板はラグ部材に揺動可能に接続されている。
アクチュエータは、ラグ部材、移動体及び制御圧室を有している。移動体は円筒状に形成されている。この移動体は駆動軸に挿通されており、ラグ部材とヒンジ球との間に配置されている。この移動体とヒンジ球とが当接することにより、移動体はヒンジ球を介して斜板と係合している。そして、移動体は、駆動軸心方向に移動することによって、斜板の傾斜角度を変更可能である。制御圧室は、ラグ部材と移動体とにより区画され、内部の圧力によって移動体を移動させる。
この圧縮機では、制御機構が圧力調整弁によって吐出室と制御圧室とを連通させることにより、制御圧室内の圧力が上昇する。これにより、移動体は駆動軸心方向に移動し、ヒンジ球を駆動軸心方向に押圧する。このため、この圧縮機では、ヒンジ球が駆動軸心方向に移動し、傾斜角度を減少する方向に斜板がヒンジ球上を摺動する。こうして、この圧縮機では、駆動軸の1回転当たりの吐出容量を減少させることが可能である。
特開昭52−131204号公報
しかし、上記従来の圧縮機では、アクチュエータの移動体と斜板とがヒンジ球を介して係合している。このため、この圧縮機では、全体を大型化しなければ、移動体を大径化し難く、より大きな推力によって移動体を移動させることが難しい。
また、この圧縮機では、斜板の傾斜角度を減少させるに当たって、移動体がヒンジ球を介して斜板を押圧する。ここで、この圧縮機では、製造時の公差等によってヒンジ球の外周面と斜板との接触位置にバラつきが生じやすく、これにより、移動体がヒンジ球を押圧する際に斜板に作用する荷重の向きが変化し易い。このため、この圧縮機では、移動体がヒンジ球を駆動軸心方向にスムーズに押圧し難く、移動体が安定して斜板の傾斜角度を減少し難い。また、この圧縮機では、移動体の姿勢が不安定となり易く、制御圧室内の圧力に漏れを生じるおそれもある。この場合には、車両等の運転状況に応じて素早く吐出容量を変更し難くなり、十分な制御性を発揮し難くなる。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、可及的な小型化を実現しながら、十分な制御性を発揮可能な容量可変型斜板式圧縮機を提供することを解決すべき課題としている。
本発明の容量可変型斜板式圧縮機は、斜板室及びシリンダボアが形成されたハウジングと、前記ハウジングに回転可能に支持された駆動軸と、前記駆動軸の回転によって前記斜板室内で回転可能な斜板と、前記駆動軸と前記斜板との間に設けられ、前記駆動軸の駆動軸心に直交する方向に対する前記斜板の傾斜角度の変更を許容するリンク機構と、前記シリンダボアに往復動可能に収納されたピストンと、前記斜板の回転により、前記傾斜角度に応じたストロークで前記ピストンを前記シリンダボア内で往復動させる変換機構と、前記傾斜角度を変更可能なアクチュエータと、前記アクチュエータを制御する制御機構とを備え、
前記リンク機構は、前記斜板室内で前記駆動軸に固定されたラグ部材と、前記ラグ部材の回転を前記斜板に伝達する伝達部材とを有し、
前記斜板には、前記傾斜角度の変更に応じて前記駆動軸の外周上を摺動する挿通孔が形成され、
前記斜板は、前記リンク機構及び前記挿通孔により、前記駆動軸心方向及び前記傾斜角度方向に案内されて前記傾斜角度を変更し、
前記アクチュエータは、前記ラグ部材と、前記ラグ部材と前記斜板との間に配置され、前記斜板と一体回転しつつ前記駆動軸心方向に移動して前記傾斜角度を変更可能な移動体と、前記ラグ部材と前記移動体とにより区画され、前記制御機構により内部の圧力を変更することによって前記移動体を移動させる制御圧室とを有し、
前記移動体には、前記制御圧室内の圧力によって前記斜板を押圧可能な作用部が形成され、
前記斜板には、前記作用部に当接して押圧される被作用部が形成され、
前記作用部と前記被作用部とは作用位置において当接し、
前記斜板には、前記ピストンを上死点に位置させる上死点対応部が定義され、
前記上死点対応部と前記駆動軸心とを含む上死点面に直交する方向から前記駆動軸及び前記作用位置を見た場合、前記作用位置は、前記傾斜角度にかかわらず、前記駆動軸に重なる位置に設定されていることを特徴とする。
本発明の圧縮機では、斜板に形成された被作用部が移動体に形成された作用部に当接して押圧されることにより、傾斜角度を変更する。つまり、この圧縮機では、傾斜角度を変更するに当たって、移動体が直接斜板と当接しつつ斜板を押圧する。このため、この圧縮機では、従来のヒンジ球のようなスリーブを移動体と斜板との間に設けていないため、そのようなスリーブの分だけ小型化を実現できる。これにより、この圧縮機では、全体を大型化しなくても、移動体を大径化し、より大きな推力によって移動体を移動させることができる。
また、この圧縮機では、移動体が直接当接しつつ斜板を押圧することから、斜板に作用する荷重の向きが変化し難い。つまり、移動体は、駆動軸心方向以外の方向に傾き難く、抉りを生じ難い。このため、この圧縮機では、移動体が斜板を駆動軸心方向に押圧し易く、移動体が安定して斜板の傾斜角度を変更できる。また、この圧縮機では、移動体の姿勢が安定することから、制御圧室内の圧力に漏れも生じ難い。
したがって、本発明の圧縮機は、可及的な小型化を実現しながら、十分な制御性を発揮可能である。
特に、この圧縮機では、上死点面に直交する方向から駆動軸及び作用位置を見た場合、作用位置は、斜板の傾斜角度にかかわらず、駆動軸に重なる位置に設定されている。これにより、この圧縮機では、斜板の傾斜角度を変更するに当たり、作用部は、駆動軸心に近い位置で被作用部を押圧することができる。このため、本発明の圧縮機では、作用位置を通じて移動体が斜板を押圧しても、斜板は、傾斜角度を変更する方向以外の方向に傾き難く、抉りを生じ難い。このため、この圧縮機では、斜板の傾斜角度を変更するに当たり、移動体が駆動軸心方向に好適に移動することが可能となる。
また、この種の圧縮機では、作動時にピストンから斜板に作用する反力によって、斜板に対し、傾斜角度を変更する方向以外の方向に回転しようとするモーメントが作用する。この点、この圧縮機では、斜板に形成された挿通孔が傾斜角度の変更に応じて駆動軸の外周上を摺動する。そして、斜板は、リンク機構及び挿通孔によって、駆動軸心方向及び傾斜角度方向に案内されて傾斜角度を変更する。この際、斜板は、挿通孔により、駆動軸心を跨いだ2点で駆動軸の外周に接触し易い。このため、この圧縮機では、上記のモーメントによって斜板に抉りが生じることについても好適に防止することが可能である。そして、スリーブを設けないことにより、部品点数の削減による製造コストの削減も実現できる。
本発明の圧縮機において、上死点面に直交する方向から駆動軸及び作用位置を見た場合、作用位置は、駆動軸心と重なる位置に設定されていることが好ましい。この場合には、作用部及び被作用部を通じて移動体が斜板を押圧しても、斜板は、傾斜角度を変更する方向以外の方向により傾き難く、抉りをより生じ難い。このため、この圧縮機では、斜板の傾斜角度を変更するに当たり、移動体が駆動軸心方向により好適に移動することが可能となる。
移動体は、駆動軸の外周上を駆動軸心方向で摺動し、斜板側が作用面とされた移動体本体を有し得る。また、斜板は、変換機構を作動させるとともに挿通孔が形成された斜板本体を有し得る。さらに、斜板本体には、挿通孔周りに作用面と当接する被作用面が形成され得る。また、作用面に作用部が形成され得る。そして、被作用面に被作用部が形成されていることが好ましい。
移動体及び斜板がこのような構成であれば、上死点面に直交する方向から駆動軸及び前記作用位置を見た場合に、作用位置を傾斜角度にかかわらず駆動軸に重なる位置や駆動軸心に重なる位置に設定し易くなる。
また、移動体及び斜板がこのような構成の場合、作用面は平面状をなし得る。さらに、被作用面は、平面状をなす平面部と、平面部から移動体本体に向かって突出する被作用部とを有し得る。そして、駆動軸心を含む任意の平面における移動体の断面形状は、駆動軸心を対称軸とする線対称をなしていることが好ましい。この場合には、移動体の駆動軸心周りの回転をある程度許容し、別途に移動体の駆動軸心周りの回転を規制する部材が不要となる。このため、移動体を容易に形成することが可能となり、製造コストを削減することが可能となる。
また、移動体及び斜板がこのような構成の場合、作用面は駆動軸心に向かって縮径する円錐状をなし得る。さらに、被作用面は、傾斜角度にかかわらず、作用面と整合する形状をなすすり鉢部を有し得る。そして、駆動軸心を含む任意の平面における移動体の断面形状は、駆動軸心を対称軸とする線対称をなしていることも好ましい。この場合にも、移動体の駆動軸心周りの回転をある程度許容し、別途に移動体の駆動軸心周りの回転を規制する部材が不要となる。このため、移動体を容易に形成することが可能となり、製造コストを削減することが可能となる。また、この圧縮機では、作用面が駆動軸心に向かって縮径する円錐状であり、すり鉢部は、傾斜角度にかかわらず、このような円錐状の被作用面と整合する。これにより、この圧縮機では、斜板と移動体とが調心しつつ傾斜角度を変更する。このため、傾斜角度を変更するに当たり、斜板は振動等を生じ難くなり、好適に傾斜角度を変更することができる。
また、移動体及び斜板がこのような構成の場合、作用部は被作用面に向かって突出し得る。そして、移動体本体と斜板本体との間には、移動体の駆動軸心周りの回動を規制する回り止めが設けられていることも好ましい。この場合には、移動体に回り止めが必要となるものの、斜板の形成が容易となる。このため、この圧縮機においても、製造コストを削減することが可能となる。
本発明の圧縮機において、作用部は、上死点面を跨いで対をなす第1作用部と第2作用部とからなり得る。また、被作用部は、上死点面を跨いで対をなす第1被作用部と第2被作用部とからなり得る。さらに、作用位置は、上死点面を跨いで対をなす第1作用位置と第2作用位置とからなり得る。また、第1作用部と第1被作用部とは、第1作用位置において当接し得る。そして、第2作用部と第2被作用部とは、第2作用位置において当接することが好ましい。この場合には、上死点面を基準とし、第1作用位置において第1作用部が第1被作用部を押圧するとともに、第2作用位置において第2作用部が第2被作用部を押圧する。これにより、斜板は、傾斜角度を変更する方向以外の方向により一層傾き難く、抉りをより一層生じ難い。このため、この圧縮機では、斜板の傾斜角度を変更するに当たり、移動体が駆動軸心方向により一層好適に移動することが可能となる。
本発明の圧縮機は、可及的な小型化を実現しながら、十分な制御性を発揮可能である。
図1は、実施例1の圧縮機における最小容量時の断面図である。 図2は、実施例1の圧縮機に係り、制御機構を示す模式図である。 図3は、実施例1の圧縮機に係り、斜板を示す模式正面図である。 図4は、実施例1の圧縮機に係り、ラグプレートを示す後方からの正面図である。 図5は、実施例1の圧縮機に係り、ラグプレート及び移動体等を示す要部拡大断面図である。 図6は、実施例1の圧縮機に係り、移動体等を示す側面図である。 図7は、実施例1の圧縮機に係り、移動体等を示す後方からの正面図である。 図8は、実施例1の圧縮機に係り、図7に示すD1方向から駆動軸及び第1、2作用位置を見た場合における、最大容量時の状態を示す要部拡大部分断面図である。 図9は、実施例1の圧縮機に係り、図7に示すD1方向から駆動軸及び第1、2作用位置を見た場合における、最小容量時の状態を示す要部拡大部分断面図である。 図10は、実施例2の圧縮機に係り、斜板を示す模式正面図である。 図11は、実施例2の圧縮機に係り、移動体等を示す側面図である。 図12は、実施例2の圧縮機に係り、移動体等を示す後方からの正面図である。 図13は、実施例2の圧縮機に係り、図12に示すD1方向から駆動軸及び第1、2作用位置を見た場合における、最小容量時の状態を示す要部拡大部分断面図である。 図14は、実施例3の圧縮機に係り、斜板を示す模式正面図である。 図15は、実施例3の圧縮機に係り、移動体等を示す側面図である。 図16は、実施例3の圧縮機に係り、移動体等を示す後方からの正面図である。 図17は、実施例3の圧縮機に係り、図16に示すD1方向から駆動軸及び第1、2作用位置を見た場合における、最小容量時の状態を示す要部拡大部分断面図である。
以下、本発明を具体化した実施例1〜3を図面を参照しつつ説明する。実施例1〜3の圧縮機は容量可変型片頭斜板式圧縮機である。これらの圧縮機は、いずれも車両に搭載されており、車両用空調装置の冷凍回路を構成している。
(実施例1)
図1に示すように、実施例1の圧縮機は、ハウジング1と、駆動軸3と、斜板5と、リンク機構7と、複数のピストン9と、複数対のシュー11a、11bと、アクチュエータ13と、図2に示す制御機構15とを備えている。
図1に示すように、ハウジング1は、圧縮機の前方に位置するフロントハウジング17と、圧縮機の後方に位置するリヤハウジング19と、フロントハウジング17とリヤハウジング19との間に位置するシリンダブロック21と、バルブユニット23とを有している。
フロントハウジング17は、前方で圧縮機の上下方向に延びる前壁17aと、前壁17aと一体化され、圧縮機の前方から後方に向かって延びる周壁17bとを有している。これらの前壁17aと周壁17bとにより、フロントハウジング17は有底の略円筒形状をなしている。また、これらの前壁17aと周壁17bとにより、フロントハウジング17内には斜板室25が形成されている。
前壁17aには、前方に向かって突出するボス17cが形成されている。このボス17c内には、軸封装置27が設けられている。また、ボス17c内には、圧縮機の前後方向に延びる第1軸孔17dが形成されている。この第1軸孔17d内には第1滑り軸受29aが設けられている。
周壁17bには、斜板室25と連通する吸入口250が形成されている。この吸入口250を通じて、斜板室25は図示しない蒸発器と接続されている。これにより、斜板室25には、吸入口250を通じて蒸発器を経た低圧の冷媒ガスが流入するため、斜板室25内の圧力は、後述する吐出室35内よりも低圧となる。
リヤハウジング19には、制御機構15の一部が設けられている。また、リヤハウジング19には、第1圧力調整室31aと、吸入室33と、吐出室35とが形成されている。第1圧力調整室31aは、リヤハウジング19の中心部分に位置している。吐出室35はリヤハウジング19の外周側に環状に位置している。また、吸入室33は、リヤハウジング19において、第1圧力調整室31aと吐出室35との間で環状に形成されている。吐出室35は図示しない吐出口と接続している。
シリンダブロック21には、ピストン9と同数個のシリンダボア21aが周方向に等角度間隔で形成されている。各シリンダボア21aの前端側は斜板室25と連通している。また、シリンダブロック21には、後述する吸入リード弁41aのリフト量を規制するリテーナ溝21bが形成されている。
さらに、シリンダブロック21には、斜板室25と連通しつつ、圧縮機の前後方向に延びる第2軸孔21cが貫設されている。第2軸孔21c内には第2滑り軸受29bが設けられている。なお、上記の第1滑り軸受29a及び第2滑り軸受29bに換えて、転がり軸受をそれぞれ採用することもできる。
また、シリンダブロック21には、ばね室21dが形成されている。このばね室21dは、斜板室25と第2軸孔21cとの間に位置している。ばね室21d内には、復帰ばね37が配置されている。この復帰ばね37は、傾斜角度が最小になった斜板5を斜板室25の前方に向けて付勢する。また、シリンダブロック21には、斜板室25と連通する吸入通路39が形成されている。
弁形成プレート23は、リヤハウジング19とシリンダブロック21との間に設けられている。この弁形成プレート23は、バルブプレート40と、吸入弁プレート41と、吐出弁プレート43と、リテーナプレート45とからなる。
バルブプレート40、吐出弁プレート43及びリテーナプレート45には、シリンダボア21aと同数の吸入ポート40aが形成されている。また、バルブプレート40及び吸入弁プレート41には、シリンダボア21aと同数の吐出ポート40bが形成されている。各シリンダボア21aは、各吸入ポート40aを通じて吸入室33と連通するとともに、各吐出ポート40bを通じて吐出室35と連通する。さらに、バルブプレート40、吸入弁プレート41、吐出弁プレート43及びリテーナプレート45には、第1連通孔40cと第2連通孔40dとが形成されている。第1連通孔40cにより、吸入室33と吸入通路39とが連通している。これにより、斜板室25と吸入室33とが連通している。
吸入弁プレート41は、バルブプレート40の前面に設けられている。この吸入弁プレート41には、弾性変形により各吸入ポート40aを開閉可能な吸入リード弁41aが複数形成されている。また、吐出弁プレート43は、バルブプレート40の後面に設けられている。この吐出弁プレート43には、弾性変形により各吐出ポート40bを開閉可能な吐出リード弁43aが複数形成されている。リテーナプレート45は、吐出弁プレート43の後面に設けられている。このリテーナプレート45は、吐出リード弁43aの最大開度を規制する。
駆動軸3は円筒状の外周面30を有している。この駆動軸3は、ボス17c側からハウジング1の後方側に向かって挿通されている。駆動軸3は、前端側がボス17c内において軸封装置27によって軸支されるとともに、第1軸孔17d内において第1滑り軸受29aによって軸支されている。また、駆動軸3の後端側が第2軸孔21c内において第2滑り軸受29bによって軸支されている。こうして、駆動軸3は、ハウジング1に対して駆動軸心O周りで回転可能に支持されている。そして、第2軸孔21c内には、駆動軸3の後端との間に第2圧力調整室31bが区画されている。この第2圧力調整室31bは、第2連通孔40dを通じて第1圧力調整室31aと連通している。これらの第1、2圧力調整室31a、31bにより、圧力調整室31が形成されている。
駆動軸3の後端にはOリング49a、49bが設けられている。これにより、各Oリング49a、49bは、駆動軸3と第2軸孔21cとの間に位置して斜板室25と圧力調整室31との間を封止している。
また、駆動軸3には、リンク機構7と、斜板5と、アクチュエータ13とが取り付けられている。リンク機構7は、図3に示す斜板5に形成された第1、2斜板アーム5e、5fと、図4に示すラグプレート51と、ラグプレート51に形成された第1、2ラグアーム53a、53bとからなる。第1、2斜板アーム5e、5fが本発明における伝達部材に相当している。また、ラグプレート51が本発明におけるラグ部材に相当する。なお、図1では、説明を容易にするため、破断線によって第2斜板アーム5fの一部の図示を省略している。
図3に示すように、斜板5は、斜板本体50と、斜板ウェイト5cと、第1、2斜板アーム5e、5fとを有している。
斜板本体50は、環状の平板形状をなしており、前面5aと後面5bとを有している。また、斜板本体50には、各ピストン9を上死点に位置させる上死点対応部Tと、各ピストン9を下死点に位置させる下死点対応部Uとが定義されている。また、図3に示すように、この圧縮機では、上死点対応部Tと下死点対応部Uと駆動軸心Oとを含む仮想の上死点面Dが定義されている。さらに、図8に示すように、斜板本体50は、駆動軸心Oに直交する方向に対する斜板5の傾斜角度を規定する仮想の斜板基準面Sを有している。斜板基準面Sと前面5a及び後面5bとは平行である。
また、図3に示すように、斜板本体50には挿通孔5dが形成されている。この挿通孔5dに駆動軸3が挿通されている。挿通孔5d内には、平面状をなす一対の案内面52a、52bが形成されている。これらの案内面52a、52bは、挿通孔5dに駆動軸3が挿通された際、駆動軸3の外周面30とそれぞれ当接する。
また、斜板本体50の前面5aにおいて、挿通孔5dの周りには、第1、2作用面54a、54bが形成されている。これらの第1、2作用面54a、54bは、それぞれ本発明における被作用面に相当する。図8に示すように、第1作用面54aは、斜板基準面Sと平行な平面状をなしている。図3に示す第2作用面54bについても同様である。これらの第1作用面54aと第2作用面54bとは、それぞれ上死点面Dを跨いで前面5aに形成されている。そして、挿通孔5dに駆動軸3が挿通されることにより、駆動軸3は、第1被作用面54aと第2被作用面54bとの間に位置する。
第1作用面54aのうち、後述する第1作用位置F1において第1作用部14aと線接触する箇所は、第1被作用部6aとされている。同様に、第2作用面54bのうち、後述する第2作用位置F2において第2作用部14bと線接触する箇所は、第2被作用部6bとされている。上記のように、第1作用面54aと第2作用面54bとが上死点面Dを跨いで前面5aに形成されているため、第1被作用部6aと第2被作用部6bについても、上死点面Dを跨いでそれぞれ位置している。また、第1、2作用面54a、54bが平面状であるため、第1、2作用部6a、6bも平面状である。
斜板ウェイト5cは、駆動軸心Oよりも下死点対応部U側となる位置で前面5aに設けられている。斜板ウェイト5cは略半円の筒状をなしており、図1に示すように、前面5aから後述する移動体13a側に向かって延びている。
第1、2斜板アーム5e、5fは、駆動軸心Oよりも上死点対応部T側で前面5aにそれぞれ設けられている。第1斜板アーム5eと第2斜板アーム5fとは、それぞれ上死点面Dを跨いで前面5aに形成されている。図1に示すように、第1、2斜板アーム5e、5fは、前面5aからラグプレート51側に向かって延びている。なお、図3では説明を容易にするため、斜板ウェイト5cや第1、2斜板アーム5e、5f等の形状を簡略化して図示している。後述の図10及び図14についても同様である。
図4に示すように、ラグプレート51は、挿通孔510が貫設された略円環状をなしている。挿通孔510には駆動軸3が圧入されており、ラグプレート51は駆動軸3と一体で回転可能となっている。また、図1に示すように、ラグプレート51と前壁17aとの間には、スラスト軸受55が設けられている。
図5に示すように、ラグプレート51には、シリンダ室51aが凹設されている。このシリンダ室51aは、駆動軸心Oと同軸で駆動軸心O方向に延びる円筒状をなしている。シリンダ室51aは、後端側で斜板室25と連通している。
図4に示すように、第1ラグアーム53aと第2ラグアーム53bとは、それぞれ上死点面Dを跨いで、ラグプレート51に形成されている。第1、2ラグアーム53a、53bは、ラグプレート51において、駆動軸心Oよりも斜板本体50における上死点対応部T側に位置しており、それぞれラグプレート51から斜板5側に向かって延びている。
また、ラグプレート51には、第1、2ラグアーム53a、53bの間となる位置に第1、2案内面57a、57bが形成されている。第1案内面57aと第2案内面57bとについても、上死点面Dを跨いでそれぞれ位置している。図1に示すように、第1案内面57aは、ラグプレート51の外周側からシリンダ室51a側に向かうにつれて次第に斜板5側に近接するように傾斜している。第2案内面57bについても同様である。
この圧縮機では、第1、2斜板アーム5e、5fを第1、2ラグアーム53a、53bの間に挿入しつつ、駆動軸3に斜板5を組み付けている。これにより、第1、2ラグアーム53a、53bの間に第1、2斜板アーム5e、5fが位置した状態で、ラグプレート51と斜板5とが連結する。そして、第1、2ラグアーム53a、53bから第1、2斜板アーム5e、5fへラグプレート51の回転が伝達されることにより、斜板5は、ラグプレート51と共に斜板室25内で回転可能となっている。
また、このように、第1、2ラグアーム53a、53bの間に第1、2斜板アーム5e、5fが位置することにより、第1斜板アーム5eでは先端が第1案内面57aに当接し、第2斜板アーム5fでは先端が第2案内面57bに当接する。そして、これらの第1、2斜板アーム5e、5fがそれぞれ第1、2案内面57a、57b上を摺動する。これにより、斜板5は、斜板基準面Sによって規定された自身の傾斜角度について、上死点対応部Tの位置をほぼ維持しつつ、図1及び図9に示す最小傾斜角度から、図8に示す最大傾斜角度まで変更することが可能となっている。
図5に示すように、アクチュエータ13は、ラグプレート51と、移動体13aと、制御圧室13bとからなる。
図6に示すように、移動体13aは駆動軸3に挿通されている。これにより、移動体13aは、ラグプレート51と斜板5との間に配置されており、駆動軸3に摺接しつつ駆動軸心O方向に移動可能となっている。この移動体13aは駆動軸3と同軸の略円筒状をなしている。具体的には、移動体13aは、移動体本体130を有している。
移動体本体130は、第1円筒部131と、第2円筒部132と、連結部133とからなる。第1円筒部131は、移動体13aにおいて斜板5側に位置しており、駆動軸心O方向に延びている。この第1円筒部131は、移動体本体130で最も小径に形成されている。図5に示すように、第1円筒部131の内周面には、リング溝131aが凹設されている。リング溝131a内にはOリング49cが設けられている。第2円筒部132は、移動体本体130においてラグプレート51側、すなわち、移動体13aにおける前端側に位置している。この第2円筒部132は、第1円筒部131よりも大径となるように形成されており、移動体1本体130で最も大径となっている。第2円筒部132の外周面には、リング溝132aが凹設されている。リング溝132a内にはOリング49dが設けられている。連結部133は、第1円筒部131側から第2円筒部132側に向かって次第に径が拡大するように形成されており、第1円筒部131と第2円筒部132とを連結している。
また、図6に示すように、第1円筒部131の後端側、すなわち、第1円筒部131における斜板5側は、作用面134とされている。この作用面134は、第1円筒部131の外周側から駆動軸心Oに向かって縮径する円錐状をなしている。
図7に示すように、作用面134には、第1、2作用部14a、14bが形成されている。図8に示すように、第1作用部14aは、駆動軸心O方向で作用面134から斜板本体50の第1被作用面54aに向かって延びている。図1に示す第2作用部14bについても同様に、駆動軸心O方向で作用面134から第2被作用面54bに向かって延びている。
また、図7に示すように、これらの第1作用部14aと第2作用部14bとは、上死点面Dを跨いで作用面134にそれぞれ形成されている。さらに、第1作用部14aと第2作用部14bとは、上死点面Dに対して面対称となるように作用面134に形成されている。これにより、第1作用部14aから駆動軸心Oまでの距離と、第2作用部14bから駆動軸心Oまでの距離とは等しくなっている。そして、移動体13aに駆動軸3が挿通されることにより、駆動軸3は、第1作用部14aと第2作用部14bとの間に位置する。
図8に示すように、第1作用部14aの後端は、斜板5側に向かって突出する円筒状に形成されている。これにより、第1作用部14aは、第1被作用面54aの一部、すなわち、第1被作用部6aと第1作用位置F1において線接触する。なお、図8では説明を容易にするため、駆動軸3を仮想線によって図示している。後述の図9、13、17についても同様である。
図1に示す第2作用部14bの後端も同様に、斜板5側に向かって突出する円筒状に形成されている。これにより、第2作用部14bは、第2被作用面54bの一部、すなわち、第2被作用部6bと第2作用位置F2において線接触する。これらにより、第1、2作用部14a、14b及び第1、2被作用部6a、6bを介して、作用面134と、第1、2被作用面54a、54bとはそれぞれ当接している。
ここで、上記のように、第1、2作用部14a、14bが上死点面Dを跨いで作用面134に形成されており、第1、2被作用面54a、54bが上死点面Dを跨いで斜板本体50の前面に形成されている。このため、図7に示すように、第1作用位置F1と第2作用位置F2とは、上死点面Dを跨いでそれぞれ位置している。
そして、この圧縮機では、同図の矢印で示すように、上死点面Dに直交するD1方向から駆動軸3及び第1、2作用位置F1、F2を見た場合、図8、9に示すように、第1作用位置F1は、斜板5の傾斜角度にかかわらず、駆動軸心Oと重なる位置に設定されている。図1に示す第2作用位置F2も同様に、斜板5の傾斜角度にかかわらず、駆動軸心Oと重なる位置に設定されている。つまり、第1、2作用部14a、14bは、図7に示すD1方向から駆動軸3及び第1、2作用位置F1、F2を見た場合に、第1、2作用位置F1、F2が斜板5の傾斜角度にかかわらず、駆動軸心Oと重なる位置となるように作用面134にそれぞれ形成されている。
また、図6に示すように、第1円筒部131には、移動体13aの駆動軸心O周りの回動を規制する回り止め135が形成されている。回り止め135は、図7に示すように、矩形状をなしており、第1円筒部131の外周面から斜板本体50の上死点対応部T側に向かって垂直に延びている。回り止め135は、移動体本体130と斜板本体50との間、より具体的には、図3に示す第1斜板アーム5eと第2斜板アーム5fとの間に配置される。これにより、回り止め135は、斜板5が回転することによって、第1斜板アーム5eや第2斜板アーム5fと当接し、移動体13aの駆動軸心O周りの回動を規制する。こうして、移動体13aは、駆動軸3の回転によって、ラグプレート51及び斜板5と一体回転可能となっている。
図5に示すように、制御圧室13bは、第2円筒部132と、連結部133と、シリンダ室51aと、駆動軸3との間に形成されている。制御圧室13bと斜板室25との間は、Oリング49c、49dによって封止されている。
駆動軸3内には、駆動軸3の後端から前端に向かって駆動軸心O方向に延びる軸路3aと、軸路3aの前端から径方向に延びて駆動軸3の外周面に開く径路3bとが形成されている。図1に示すように、軸路3aの後端は圧力調整室31に連通している。一方、図5に示すように、径路3bは制御圧室13bに連通している。これらの軸路3a及び径路3bにより、圧力調整室31と制御圧室13bとが連通している。
図1に示すように、駆動軸3の先端には、ねじ部3cが形成されている。駆動軸はこのねじ部3cを通じて、図示しないプーリ又は電磁クラッチと接続される。
各ピストン9は、各シリンダボア21a内にそれぞれ収納されており、各シリンダボア21a内を往復動可能となっている。これらの各ピストン9と弁形成プレート23とによって各シリンダボア21a内には圧縮室57が区画されている。
また、各ピストン9には、係合部9aがそれぞれ凹設されている。この係合部9a内には、半球状のシュー11a、11bがそれぞれ設けられている。これらの各シュー11a、11bが本発明における変換機構に相当する。各シュー11aは、斜板本体50の前面5aを摺動する。一方、各シュー11bは、斜板本体50の後面5bを摺動する。こうして、斜板本体50は各シュー11a、11bを作動させる。これにより、各シュー11a、11bは、斜板5の回転を各ピストン9の往復動に変換し、各ピストン9は、斜板基準面Sによって規定された傾斜角度に応じたストロークでシリンダボア21a内をそれぞれ往復動することが可能となっている。なお、シュー11a、11bの他に、斜板本体50の後面5b側にスラスト軸受を介して揺動板を支持するとともに、揺動板と各ピストン9とをコンロッドによって連接するワッブル型の変換機構を採用することもできる。
図2に示すように、制御機構15は、低圧通路15aと、高圧通路15bと、制御弁15cと、オリフィス15dと、軸路3aと、径路3bとで構成されている。
低圧通路15aは、圧力調整室31と吸入室33とに接続されている。これにより、この低圧通路15aと軸路3aと径路3bとによって、制御圧室13bと圧力調整室31と吸入室33とが連通している。高圧通路15bは、圧力調整室31と吐出室35とに接続されている。この高圧通路15bと軸路3aと径路3bとによって、制御圧室13bと圧力調整室31と吐出室35とが連通している。
制御弁15cは低圧通路15aに設けられている。この低圧制御弁15cは、吸入室33内の圧力に基づき、低圧通路15aの開度を調整することが可能となっている。また、オリフィス15dは高圧通路15bに設けられている。
この圧縮機では、図1に示す吸入口250に対して蒸発器に繋がる配管が接続されるとともに、吐出口に対して凝縮器に繋がる配管が接続される。凝縮器は配管及び膨張弁を介して蒸発器と接続される。これらの圧縮機、蒸発器、膨張弁、凝縮器等によって車両用空調装置の冷凍回路が構成されている。なお、蒸発器、膨張弁、凝縮器及び各配管の図示は省略する。
以上のように構成された圧縮機では、駆動軸3が回転することにより、斜板5が回転し、各ピストン9が各シリンダボア21a内を往復動する。このため、圧縮室57がピストンストロークに応じて容積を変化させる。このため、蒸発器から吸入口250によって斜板室25に吸入された冷媒は、吸入通路39から吸入室33を経て圧縮室57内で圧縮される。そして、圧縮室57内で圧縮された冷媒は、吐出室35に吐出され、吐出口から凝縮器に吐出される。
そして、この圧縮機では、アクチュエータ13によって斜板5の傾斜角度を変更し、ピストン9のストロークを増減させることにより、吐出容量の変更を行うことが可能である。
具体的には、図2に示す制御機構15において、制御弁15cが低圧通路15aの開度を小さくすれば、圧力調整室31の圧力が高くなり、制御圧室13b内の圧力が高くなる。このため、図9に示すように、移動体13aがラグプレート51から遠隔しつつ、斜板5側に向かって駆動軸心O方向に移動する。
これにより、第1作用部14aは、第1作用位置F1において第1被作用部6aを駆動軸心O方向で斜板室25の後方に向かって押圧する。同様に、第2作用部14bは、第2作用位置F2において第2被作用部6bを駆動軸心O方向で斜板室25の後方に向かって押圧する。これにより、第1、2斜板アーム5e、5fは、駆動軸心Oに近接するように、第1、2摺動面57a、57bをそれぞれ摺動する。
このため、斜板5は、上死点位置対応部Tの位置をほぼ維持しつつ、傾斜角度が減少する。これにより、この圧縮機では、ピストン9のストロークが減少し、駆動軸3の1回転当たりの吐出容量が小さくなる。そして、斜板5は同図に示す最小傾斜角度となることにより、復帰ばね37に当接する。
一方、図2に示す制御機構15において、制御弁15cが低圧通路15aの開度を大きくすれば、圧力調整室31内の圧力、ひいては制御圧室13b内の圧力が吸入室33内の圧力とほぼ等しくなる。このため、斜板5に作用する各ピストン9等からの反力によって、図8に示すように、移動体13aが駆動軸心O方向で斜板5側からラグプレート51側に向かって移動する。
また同時に、この圧縮機では、斜板5は自身に作用する反力及び復帰ばね37の付勢力により、第1、2斜板アーム5e、5fが駆動軸心Oから遠隔するように、第1、2摺動面57a、57bをそれぞれ摺動する。
このため、斜板5は、上死点位置対応部Tの位置をほぼ維持しつつ、傾斜角度が増大する。こうして、この圧縮機では、ピストン9のストロークが増大し、駆動軸3の1回転当たりの吐出容量が大きくなる。そして、同図に示すように、斜板5が最大傾斜角度となることにより、駆動軸3の1回転当たりの吐出容量が最大となる。
このように、この圧縮機では、斜板本体50の前面5aに形成された第1作用面54aの一部が第1被作用部6aとされ、この第1被作用部6aは、移動体13aに形成された第1作用部14aと第1作用位置F1において線接触しつつ押圧される。同様に、前面5aに形成された第2作用面54bの一部が第2被作用部6bとされ、この第2被作用部6bは、移動体13aに形成された第2作用部14と第2作用位置F2において線接触しつつ押圧される。これにより、斜板5は傾斜角度が減少する。つまり、この圧縮機では、斜板5の傾斜角度を減少するに当たり、第1、2作用位置F1、F2を通じて、移動体13aが直接斜板5と線接触しつつ、駆動軸心O方向に押圧する。このため、この圧縮機では、従来のヒンジ球のようなスリーブを移動体13aと斜板5との間に設けていないため、そのようなスリーブの分だけ小型化を実現できる。これにより、この圧縮機では、全体を大型化しなくても、移動体13aを大径化し、より大きな推力によって移動体13aを移動させることが可能となっている。
また、この圧縮機では、移動体13aが直接当接しつつ斜板5を押圧することから、斜板5に作用する荷重の向きが変化し難い。つまり、移動体13aは、駆動軸心O方向以外の方向に傾き難く、抉りを生じ難い。このため、この圧縮機では、移動体13aが斜板5を駆動軸心O方向に押圧し易く、移動体13aが安定して斜板5の傾斜角度を減少させることができる。また、この圧縮機では、移動体13aの姿勢が安定することから、制御圧室13b内の圧力に漏れも生じ難くなっている。
そして、この圧縮機では、上死点面Dを基準として、第1作用位置F1において第1作用部14aが第1被作用部6aを押圧するとともに、第2作用位置F2において第2作用部14aが第2被作用部6bを押圧する。これにより、この圧縮機では、斜板5の傾斜角度を減少するに当たり、移動体13aは、上死点面Dを跨いだ第1作用位置F1と第2作用位置F2との二箇所で斜板5を押圧する。
特に、この圧縮機では、図8、9に示すように、上死点面Dに直交するD1方向から駆動軸3及び第1、2作用位置F1、F2を見た場合、第1、2作用位置F1、F2は、斜板5の傾斜角度にかかわらず、駆動軸心Oに重なる位置に設定されている。これにより、この圧縮機では、斜板5の傾斜角度を減少するに当たり、第1、2作用部14a、14bは、駆動軸心Oに近い位置で第1、2被作用部6a、6bをそれぞれ押圧することが可能となっている。
これらのため、この圧縮機では、第1、2作用位置F1、F2を通じて移動体13aが斜板5を押圧しても、斜板5は、傾斜角度を変更する方向以外の方向に傾き難く、抉りを生じ難い。このため、この圧縮機では、斜板5の傾斜角度を変更するに当たり、移動体13aが駆動軸心O方向に好適に移動することが可能となっている。
したがって、実施例1の圧縮機は、可及的な小型化を実現しながら、十分な制御性を発揮可能である。
また、この圧縮機では、作動時に各ピストン9から斜板5に作用する反力によって、斜板5に対し、傾斜角度を変更する方向以外の方向に回転しようとするモーメントが作用する。この点、この圧縮機では、挿通孔5dに形成された案内面52a、52bが斜板5の傾斜角度の変更に応じて駆動軸3の外周面30上を摺動する。そして、斜板5は、リンク機構7及び駆動軸3によって、駆動軸心O方向及び傾斜角度方向に案内されつつ、上記のように傾斜角度を変更する。この際、斜板5は、案内面52a、52bにより、駆動軸心Oを跨いだ2点で駆動軸3の外周面30に接触し易くなっている。このため、この圧縮機では、上記のモーメントによって斜板5に抉りが生じることについても好適に防止することが可能となっている。そして、この圧縮機では、スリーブを設けないことにより、部品点数の削減による製造コストの削減も実現している。
また、この圧縮機では、作用面134に対して、第1、2作用部14a、14bが形成されており、これらの第1、2作用部14a、14bは、それぞれ、第1、2被作用面54a、54bに向かって突出している。これにより、この圧縮機では、第1、2被作用面54a、54b、ひいては、第1、2被作用部6a、6bを斜板基準面Sと平行な平面状に形成することができ、斜板5を容易に形成することが可能となっている。このため、この点においても、この圧縮機では、製造コストを削減することが可能となっている。
そして、この圧縮機では、回り止め135によって、移動体13aは駆動軸心O周りの回動が規制されている。このため、この圧縮機では、斜板5の傾斜角度を減少する際、駆動軸心Oに重なる位置からずれた位置において、第1、2作用部14a、14bが第1、2被作用部6a、6bをそれぞれ押圧することを防止することが可能となっている。
(実施例2)
実施例2の圧縮機では、実施例1の圧縮機における第1、2作用面54a、54bに換えて、図10に示すように、作用面54cが形成されている。この作用面54cも斜板本体50の前面5aにおいて、挿通孔5dの周りに形成されている。作用面54cは、平面部540と、第1、2凸部6c、6dとを有している。図13に示すように、平面部540は、斜板基準面Sと平行な平面状をなしている。
第1凸部6cは、駆動軸心O方向で平面部540から移動体本体130に向かって突出している。第1凸部6cにおける先端側、つまり、移動体本体130側は、移動体13aに向かって突出する円筒状に形成されている。図10に示す第2凸部6dについても同様である。これらの第1、2凸部6c、6dが本発明における第1、2被作用部にそれぞれ相当している。
図12に示すように、これらの第1凸部6cと第2凸部6dとは、上死点面Dを跨いで平面部540にそれぞれ形成されている。さらに、第1凸部6cと第2凸部6dとは、上死点面Dに対して面対称となるように平面部540に形成されている。そして、挿通孔5dに駆動軸3に挿通されることにより、駆動軸3は、第1凸部6cと第2凸部6dとの間に位置する。また、第1凸部6cと第2凸部6dとは、駆動軸心Oよりもやや上死点対応部T側に位置している。
また、図11に示すように、この圧縮機の移動体13aでは、作用面134が駆動軸心Oに直交する平面状をなしている。そして、図12に示すように、この作用面134において、上記の第1凸部6cと第1作用位置F3において線接触する箇所が第1作用部16aとされている。一方、作用面134において、第2凸部6dと第2作用位置F4において線接触する箇所が第2作用部16bとされている。
ここで、この圧縮機では、同図に示すD1方向から駆動軸3及び第1、2作用位置F3、F4を見た場合、図13に示すように、第1作用位置F3は、斜板5の傾斜角度にかかわらず、駆動軸3に重なる位置であって、駆動軸心Oよりもやや上死点対応部T側となる位置に設定されている。図12に示す第2作用位置F4についても同様である。
また、この圧縮機の移動体13aでは、第1円筒部131に回り止め135が形成されていない。このため、図13に示すように、駆動軸心Oを含む任意の平面における移動体13aの断面形状は、駆動軸心Oを対称軸とする線対称をなしている。この圧縮機における他の構成は実施例1の圧縮機と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
この圧縮機においても、斜板5の傾斜角度を減少するに当たり、第1作用部16aは、第1作用位置F3において第1凸部6cを駆動軸心O方向で斜板室25の後方に向かって押圧する。また、第2作用部16bは、第2作用位置F4において第2凸部6dを駆動軸心O方向で斜板室25の後方に向かって押圧する。
ここで、この圧縮機では、上死点面Dに直交するD1方向から駆動軸3及び第1、2作用位置F3、F4を見た場合、第1、2作用位置F3、F4は、斜板5の傾斜角度にかかわらず、駆動軸3に重なる位置であって、駆動軸心Oよりもやや上死点対応部T側となる位置にそれぞれ設定されている。このため、この圧縮機でも、斜板5の傾斜角度を減少するに当たり、第1、2作用部16a、16bは、駆動軸心Oに近い位置で第1、2凸部6c、6dをそれぞれ押圧することが可能となっている。これにより、この圧縮機でも、第1、2作用位置F3、F4を通じて移動体13aが斜板5を押圧しても、斜板5は、傾斜角度を変更する方向以外の方向に傾き難く、抉りを生じ難い。このため、この圧縮機でも、斜板5の傾斜角度を変更するに当たり、移動体13aが駆動軸心O方向に好適に移動することが可能となっている。
また、第1、2作用位置F3、F4が駆動軸心Oよりもやや上死点対応部T側となる位置にそれぞれ設定されることにより、この圧縮機では、実施例1の圧縮機と比較して、斜板5の傾斜角度を変更するに当たり、移動体13aの駆動軸心O方向のストロークを小さくすることが可能となっている。
さらに、この圧縮機では、案内面134の一部が第1作用部16a及び第2作用部16bとなり得る。そして、この圧縮機では、移動体13aの駆動軸心O周りの回動ある程度許容し、上記の回り止め135のような移動体13aの駆動軸心O周りの回動を規制する部材が不要となっている。これにより、この圧縮機では、駆動軸心Oを含む任意の平面における移動体13aの断面形状について、駆動軸心Oを対称軸とする線対称とすることができ、移動体13aを容易に形成することが可能となっている。このため、この圧縮機においても、製造コストを削減することが可能となっている。
ここで、この圧縮機では、実施例1の圧縮機のような回り止め135によって、移動体13aの駆動軸心O周りの回動を規制しなくても、上記のように、作用面134の一部は、第1作用位置F3において第1凸部6cと線接触し、作用面134の一部は、第2作用位置F4において第2凸部6dと線接触する。このため、この圧縮機では、斜板5の傾斜角度を減少する際、第1、2作用位置F3、F4は、斜板5の傾斜角度にかかわらず、駆動軸3に重なる位置であって、駆動軸心Oよりもやや上死点対応部T側となる位置からずれることがない。この圧縮機における他の作用は実施例1の圧縮機と同様である。
(実施例3)
実施例3の圧縮機では、図14に示すように、作用面54dが形成されている。この作用面54dも斜板本体50の前面5aにおいて、挿通孔5dの周りに形成されている。作用面54dは、すり鉢部541と、第1、2凸部6e、6fとを有している。図17に示すように、すり鉢部541は、斜板5の傾斜角度にかかわらず、作用面134と整合するように、駆動軸心O側に向かってすり鉢状に縮径する形状をなしている。
第1凸部6eは、すり鉢部541から移動体本体130に向かって突出している。第1凸部6eにおける先端側は、移動体13aに向かって突出する円筒状に形成されている。図14に示す第2凸部6fについても同様である。これらの第1、2凸部6e、6fも本発明における第1、2被作用部にそれぞれ相当している。
これらの第1凸部6eと第2凸部6fとについても、上死点面Dを跨いですり鉢部541にそれぞれ形成されている。さらに、第1凸部6eと第2凸部6fとは、上死点面Dに対して面対称となるようにすり鉢部541に形成されている。そして、挿通孔5dに駆動軸3に挿通されることにより、駆動軸3は、第1凸部6eと第2凸部6fとの間に位置する。また、第1凸部6eと第2凸部6fとは、駆動軸心Oよりもやや上死点対応部T側に位置している。
また、図15に示すように、この圧縮機の移動体13aでは、作用面134が第1円筒部131の外周側から駆動軸心Oに向かって縮径する円錐状をなしている。そして、図16に示すように、この作用面134において、上記の第1凸部6eと第1作用位置F5において線接触する箇所が第1作用部18aとされている。一方、作用面134において、第2凸部6fと第2作用位置F6において線接触する箇所が第2作用部18bとされている。
ここで、この圧縮機でも、実施例2の圧縮機と同様、図16に示すD1方向から駆動軸3及び第1、2作用位置F5、F6を見た場合、図17に示すように、第1作用位置F5は、斜板5の傾斜角度にかかわらず、駆動軸3に重なる位置であって、駆動軸心Oよりもやや上死点対応部T側となる位置に設定されている。図16に示す第2作用位置F6についても同様である。
また、この圧縮機の移動体13aについても、第1円筒部131に回り止め135が形成されていない。このため、図17に示すように、この圧縮機においても、駆動軸心Oを含む任意の平面における移動体13aの断面形状は、駆動軸心Oを対称軸とする線対称をなしている。この圧縮機における他の構成は実施例1の圧縮機と同様である。
この圧縮機では、斜板5の傾斜角度を減少するに当たり、第1、2作用部18a、18bは、それぞれ、第1、2作用位置F5、F6において第1、2凸部6e、6fを駆動軸心O方向で斜板室25の後方に向かって押圧する。
ここで、この圧縮機でも、上死点面Dに直交するD1方向から駆動軸3及び第1、2作用位置F5、F6を見た場合、第1、2作用位置F5、F6は、斜板5の傾斜角度にかかわらず、駆動軸3に重なる位置であって、駆動軸心Oよりもやや上死点対応部T側となる位置にそれぞれ設定されている。このため、この圧縮機でも、斜板5の傾斜角度を減少するに当たり、第1、2作用部18a、18bは、駆動軸心Oに近い位置で第1、2凸部6c、6dをそれぞれ押圧することが可能となっている。また、実施例2の圧縮機と同様、この圧縮機においても、斜板5の傾斜角度を変更するに当たり、移動体13aの駆動軸心O方向のストロークが小さくなっている。
さらに、この圧縮機では、作用面134が第1円筒部131の外周側から駆動軸心Oに向かって縮径する円錐状をなしており、すり鉢部541は、傾斜角度にかかわらず、作用面134と整合する形状となっている。これにより、この圧縮機では、斜板5と移動体13aとが調心しつつ傾斜角度を変更する。このため、斜板5の傾斜角度を変更するに当たり、斜板5は振動等を生じ難くなっており、好適に傾斜角度を変更することが可能となっている。
また、この圧縮機においても、案内面134の一部が第1作用部18a及び第2作用部18bになり得るとともに、回り止め135のような移動体13aの駆動軸心O周りの回動を規制する部材が不要となっている。これにより、この圧縮機でも、駆動軸心Oを含む任意の平面における移動体13aの断面形状について、駆動軸心Oを対称軸とする線対称とすることができ、移動体13aを容易に形成することが可能となっている。
そして、この圧縮機においても、実施例2の圧縮機と同様、回り止め135によって、移動体13aの駆動軸心O周りの回動を規制しなくても、作用面134の一部は、第1作用位置F5において第1凸部6eと線接触し、作用面134の一部は、第2作用位置F6において第2凸部6fと線接触する。このため、この圧縮機でも、斜板5の傾斜角度を減少する際、第1、2作用位置F5、F6は、斜板5の傾斜角度にかかわらず、駆動軸3に重なる位置であって、駆動軸心Oよりもやや上死点対応部T側となる位置からずれることがない。この圧縮機における他の作用は実施例1の圧縮機と同様である。
以上において、本発明を実施例1〜3に即して説明したが、本発明は上記実施例1〜3に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、実施例1の圧縮機において、D1方向から駆動軸3及び第1、2作用位置F1、F2を見た場合に、第1、2作用位置F1、F2が斜板5の傾斜角度にかかわらず、駆動軸3に重なる位置であれば、駆動軸心Oよりもやや上死点対応部T側や下死点対応部U側となる位置に設定しても良い。実施例2、3の圧縮機ついても同様である。
また、実施例1の圧縮機において、第1、2作用部14a、14bと第1、2被作用部6a、6bとがそれぞれ第1、2作用位置F1、F2において点接触するように、第1、2作用部14a、14bや第1、2被作用部6a、6bを形成しても良い。実施例2、3の圧縮機における第1、2凸部6c〜6fについても同様である。
さらに、実施例1の圧縮機において、作用面134に第1作用部14a又は第2作用部14bの一方のみを形成し、斜板本体50の前面5aに第1作用部14a又は第2作用部14bに対応する第1作用面54a又は第2作用面54bの一方を形成しても良い。同様に、実施例2、3の圧縮機において、平面部540やすり鉢部541に第1凸部6c、6e又は第2凸部6d、6fの一方のみを形成しても良い。
また、実施例3の圧縮機において、第1、2凸部6e、6fを設けずに作用面54dを構成しても良い。
さらに、実施例1の圧縮機において、第1、2作用部14a、14bが第1、2被作用部6a、6bをそれぞれ駆動軸心O方向に押圧することによって、斜板5の傾斜角度が増大するように構成しても良い。実施例2、3の圧縮機についても同様である。
また、実施例1〜3の圧縮機における制御機構15について、高圧通路15bに対して制御弁15cを設けるとともに、低圧通路15aにオリフィス15dを設ける構成としても良い。この場合には、制御弁15cによって、高圧通路15bを流通する高圧の冷媒の流量を調整することが可能となる。これにより、吐出室35内の高圧によって制御圧室13bを迅速に高圧とすることができ、迅速な圧縮容量の減少を行うことが可能となる。また、制御弁15cに換えて、低圧通路15aと高圧通路15bとに接続する三方弁を設け、三方弁の開度を調整することにより、低圧通路15a内や高圧通路15b内を流通する冷媒の流量を調整しても良い。
本発明は空調装置等に利用可能である。
1…ハウジング
3…駆動軸
5…斜板
5d…挿通孔
5e…第1斜板アーム(伝達部材)
5f…第2斜板アーム(伝達部材)
6a…第1被作用部
6b…第2被作用部
6c…第1凸部(第1被作用部)
6b…第2凸部(第2被作用部)
6e…第1凸部(第1被作用部)
6d…第2凸部(第2被作用部)
7…リンク機構
9…ピストン
11a、11b…シュー(変換機構)
13…アクチュエータ
13a…可動体
13b…制御圧室
14a…第1作用部
14b…第2作用部
15…制御機構
16a…第1作用部
16b…第2作用部
18a…第1作用部
18b…第2作用部
21a…シリンダボア
25…斜板室
50…斜板本体
51…ラグプレート(ラグ部材)
54a…第1被作用面(被作用面)
54b…第2被作用面(被作用面)
54c…被作用面
54d…被作用面
130…移動体本体
134…作用面
540…平面部
541…すり鉢部
D…上死点面
F1…第1作用位置
F2…第2作用位置
F3…第1作用位置
F4…第2作用位置
F5…第1作用位置
F6…第2作用位置
O…駆動軸心
T…上死点対応部

Claims (7)

  1. 斜板室及びシリンダボアが形成されたハウジングと、前記ハウジングに回転可能に支持された駆動軸と、前記駆動軸の回転によって前記斜板室内で回転可能な斜板と、前記駆動軸と前記斜板との間に設けられ、前記駆動軸の駆動軸心に直交する方向に対する前記斜板の傾斜角度の変更を許容するリンク機構と、前記シリンダボアに往復動可能に収納されたピストンと、前記斜板の回転により、前記傾斜角度に応じたストロークで前記ピストンを前記シリンダボア内で往復動させる変換機構と、前記傾斜角度を変更可能なアクチュエータと、前記アクチュエータを制御する制御機構とを備え、
    前記リンク機構は、前記斜板室内で前記駆動軸に固定されたラグ部材と、前記ラグ部材の回転を前記斜板に伝達する伝達部材とを有し、
    前記斜板には、前記傾斜角度の変更に応じて前記駆動軸の外周上を摺動する挿通孔が形成され、
    前記斜板は、前記リンク機構及び前記挿通孔により、前記駆動軸心方向及び前記傾斜角度方向に案内されて前記傾斜角度を変更し、
    前記アクチュエータは、前記ラグ部材と、前記ラグ部材と前記斜板との間に配置され、前記斜板と一体回転しつつ前記駆動軸心方向に移動して前記傾斜角度を変更可能な移動体と、前記ラグ部材と前記移動体とにより区画され、前記制御機構により内部の圧力を変更することによって前記移動体を移動させる制御圧室とを有し、
    前記移動体には、前記制御圧室内の圧力によって前記斜板を押圧可能な作用部が形成され、
    前記斜板には、前記作用部に当接して押圧される被作用部が形成され、
    前記作用部と前記被作用部とは作用位置において当接し、
    前記斜板には、前記ピストンを上死点に位置させる上死点対応部が定義され、
    前記上死点対応部と前記駆動軸心とを含む上死点面に直交する方向から前記駆動軸及び前記作用位置を見た場合、前記作用位置は、前記傾斜角度にかかわらず、前記駆動軸に重なる位置に設定されていることを特徴とする容量可変型斜板式圧縮機。
  2. 前記上死点面に直交する方向から前記駆動軸及び前記作用位置を見た場合、前記作用位置は、前記駆動軸心と重なる位置に設定されている請求項1記載の容量可変型斜板式圧縮機。
  3. 前記移動体は、前記駆動軸の外周上を前記駆動軸心方向で摺動し、前記斜板側が作用面とされた移動体本体を有し、
    前記斜板は、前記変換機構を作動させるとともに前記挿通孔が形成された斜板本体を有し、
    前記斜板本体には、前記挿通孔周りに前記作用面と当接する被作用面が形成され、
    前記作用面に前記作用部が形成され、
    前記被作用面に前記被作用部が形成されている請求項1又は2記載の容量可変型斜板式圧縮機。
  4. 前記作用面は平面状をなし、
    前記被作用面は、平面状をなす平面部と、前記平面部から前記移動体本体に向かって突出する前記被作用部とを有し、
    前記駆動軸心を含む任意の平面における前記移動体の断面形状は、前記駆動軸心を対称軸とする線対称をなしている請求項3記載の容量可変型斜板式圧縮機。
  5. 前記作用面は前記駆動軸心に向かって縮径する円錐状をなし、
    前記被作用面は、前記傾斜角度にかかわらず、前記作用面と整合する形状をなすすり鉢部を有し、
    前記駆動軸心を含む任意の平面における前記移動体の断面形状は、前記駆動軸心を対称軸とする線対称をなしている請求項3記載の容量可変型斜板式圧縮機。
  6. 前記作用部は前記被作用面に向かって突出し、
    前記移動体本体と前記斜板本体との間には、前記移動体の前記駆動軸心周りの回動を規制する回り止めが設けられている請求項3記載の容量可変型斜板式圧縮機。
  7. 前記作用部は、前記上死点面を跨いで対をなす第1作用部と第2作用部とからなり、
    前記被作用部は、前記上死点面を跨いで対をなす第1被作用部と第2被作用部とからなり、
    前記作用位置は、前記上死点面を跨いで対をなす第1作用位置と第2作用位置とからなり、
    前記第1作用部と前記第1被作用部とは、前記第1作用位置において当接し、
    前記第2作用部と前記第2被作用部とは、前記第2作用位置において当接する請求項1乃至6のいずれか1項記載の容量可変型斜板式圧縮機。
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