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JP2016072540A - 裏面保護シート及びそれを用いた太陽電池モジュール - Google Patents

裏面保護シート及びそれを用いた太陽電池モジュール Download PDF

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JP2016072540A JP2014202691A JP2014202691A JP2016072540A JP 2016072540 A JP2016072540 A JP 2016072540A JP 2014202691 A JP2014202691 A JP 2014202691A JP 2014202691 A JP2014202691 A JP 2014202691A JP 2016072540 A JP2016072540 A JP 2016072540A
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惇哉 三宅
Junya Miyake
惇哉 三宅
松岡 雅尚
Masanao Matsuoka
雅尚 松岡
靖明 武藤
Yasuaki Muto
靖明 武藤
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Abstract

【課題】密着性及び密着耐久性の高い太陽電池モジュール用裏面保護シートであって、太陽光発電変換効率の向上に十分に寄与することができる優れた太陽電池モジュール用裏面保護シートを提供する。【解決手段】太陽電池モジュール用裏面保護シートにおいて、裏面保護シートの基材層上に形成するポリプロピレン樹脂系の密着強化層を、コア層とスキン層とを含む多層構成とし、スキン層については、所定の融点範囲のエチレンユニットを含むポリプロピレン(PP)を一定の割合で用いたものとするとともに、コア層において融点160℃以上のポリプロピレン樹脂の含有量を80%以上とし、コア層の受光面側の表面には、複数の微細凸部が隣接してなるプリズム構造とする。【選択図】図2

Description

本発明は、太陽電池モジュール用の裏面保護シート及びそれを用いた太陽電池モジュールに関する。更に詳しくは、表面にプリズム構造を有することにより、太陽電池モジュールの発電効率向上に寄与することができる裏面保護シートに関する。
近年、環境問題に対する意識の高まりから、クリーンなエネルギー源としての太陽電池が注目されている。一般に、太陽電池を構成する太陽電池モジュールは、受光面側から、透明前面基板、前面封止材、太陽電池素子、背面封止材及び裏面保護シートが順に積層された構成であり、太陽光が上記太陽電池素子に入射することにより発電する機能を有している。
太陽電池モジュール用裏面保護シートには、太陽電池モジュールを構成する部材として水分(水蒸気)の背面封止材への侵入を防止するという役割が求められる。そのような太陽電池モジュール用裏面保護シートとして、例えばポリエチレン系や、フッ素系等の樹脂フィルムが用いられている。なかでも、安価で加工性に優れ、又、燃焼した際に有毒ガスが出ないことから、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを利用した裏面保護シートが特に広く用いられている。
又、太陽電池モジュール用封止材としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)やポリオレフィン系樹脂等が用いられている。太陽電池モジュール用の裏面保護シートには、これらの封止材との間における高い密着性が求められる。
封止材との密着性を高めた裏面保護シートとして、安価で加工性に優れるPET等からなる基材層に、封止材との間の密着性を向上させるための層(以下、「密着強化層」とも言う)として、耐加水分解性に優れ、且つ、熱融着性を示すポリプロピレン樹脂を最外層に配置した裏面保護シート(特許文献1、2参照)が開示されている。密着強化層をポリプロピレン樹脂で構成した裏面保護シートは、例えば、作業工程において枚葉状態とした場合等における裏面保護シートのカール変形も抑制することができ、作業工程におけるハンドリング性の観点からも好ましいものである。
一方で、表面に光反射性を持たせることにより、太陽電池モジュールの発電効率を上昇させることのできる裏面保護シートも開発されている。例えば、裏面カバー部材を凹凸形状にし、白色顔料を混入させ、入射した光の反射効果を高めることで発電効率を向上させた太陽電池モジュールが提案されている(特許文献3)。
ここで、表面に凹凸形状を有する裏面保護シートである場合には、太陽電池モジュールの一体化工程における加熱圧着処理時に、凹凸形状を保持しうるに足る耐熱性も要求される。
つまり、太陽電池用の裏面保護シートには、太陽電池モジュールの発電効率向上に寄与しうる光反射機能と、封止材等との間における密着性と、を兼ね備えるものであることが求められる。しかしながら、このような特性を両立する太陽電池モジュール用の裏面保護シートは未だに開発がされていないというのが現状である。
特開2007−150084号公報 特開2007−19059号公報 特開平10−284747号公報
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、太陽電池モジュールの発電効率向上に寄与しうる光反射機能と、封止材等との間における密着性を兼ね備える太陽電池モジュール用の裏面保護シートを提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、太陽電池モジュール用の裏面保護シートにおいて、裏面保護シートの基材層上に形成するポリプロピレン樹脂系の密着強化層を、コア層とスキン層とを含む多層構成とし、スキン層については、所定の融点範囲のエチレンユニットを含むポリプロピレン(PP)を一定の割合で用いたものとするとともに、コア層において融点を160℃以上としコア層の受光面側の表面にプリズム構造を形成することで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は、以下のものを提供する。
(1) 太陽電池モジュール用の裏面保護シートであって、基材層と、前記裏面保護シートの最外層に配置されて封止材との密着を強化する密着強化層と、を有し、前記密着強化層は、前記裏面保護シートの最表面に露出するスキン層と、コア層と、を含んでなり、前記スキン層は、エチレンユニットを含有するポリプロピレン樹脂を50質量%以上含有し、前記スキン層中の前記エチレンユニットの含有量が前記スキン層の全ポリプロピレン樹脂成分中の2.0質量%以上10.0質量%以下であり、前記コア層は、融点160℃以上のポリプロピレン樹脂と、白色顔料とを含有し、該ポリプロピレン樹脂の含有量が前記コア層の全樹脂成分中の80質量%以上であり、前記コア層の受光面側の表面には、複数の微細凸部が隣接してなるプリズム構造が形成されている裏面保護シート。
(2) 前記微細凸部の垂直断面の形状が三角形であり、該凸部の頂角の角度が平均90°以上である(1)に記載の裏面保護シート。
(3) 前記密着強化層は、前記コア層と前記基材層の間に、第2のスキン層が配置されている(1)又は(2)に記載の裏面保護シート。
(4) (1)から(3)のいずれかに記載の裏面保護シートを用い、前記密着強化層に密着する封止材が熱架橋性樹脂からなる太陽電池モジュール。
(5) (1)から(3)のいずれかに記載の裏面保護シートと、その他の太陽電池モジュール構成部材とを、加熱圧着処理により積層一体化する一体化工程を備え、前記一体化工程における加熱圧着処理を110℃以上160℃以下で行う太陽電池モジュールの製造方法。
本発明によれば、太陽電池モジュール用裏面保護シートの基材層上に形成する密着強化層を、多層構成とし、スキン層を、所定範囲の融点のエチレンユニットを含有するポリプロピレン樹脂によって成形し、コア層の受光面側の表面にプリズム構造を形成することで、太陽電池モジュールの発電効率向上に寄与しうる光反射機能と、封止材等との間における密着性を兼ね備える太陽電池モジュール用の裏面保護シートを提供することができる。
本発明の太陽電池モジュールの層構成の一例を示す断面の模式図である。 本発明の太陽電池モジュール用の裏面保護シートの第一実施形態の層構成の一例を示す断面の模式図である。 本発明の太陽電池モジュール用の裏面保護シートの第二実施形態の層構成の一例を示す断面の模式図である。
以下、本発明の太陽電池モジュール用の裏面保護シート(以下、単に「裏面保護シート」とも言う)及びそれを用いた太陽電池モジュールの詳細について説明する。本発明は以下に記載される実施形態に限定されるものではない。
<太陽電池モジュールの基本構成>
先ず、本実施形態の太陽電池モジュール用の裏面保護シートを用いた太陽電池モジュールの基本構成について図1を用いて説明する。太陽電池モジュール1は、受光面側から、透明前面基板2、前面封止材層3、太陽電池素子4、背面封止材層5、そして、本発明に係る裏面保護シート6が順に積層された構成となっている。
透明前面基板2は、一般にガラス製の基板である。透明前面基板2は、又、太陽電池モジュール1の耐候性、耐衝撃性、耐久性を維持しつつ、且つ、太陽光線を高い透過率で透過させるものであればその他の部材であってもよい。
前面封止材層3、背面封止材層5からなる封止材層は、太陽電池モジュール1内において、太陽電池素子4の位置を固定し、又、外部からの衝撃を緩和するために配置される樹脂基材等からなる層である。封止材層を形成する樹脂基材としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、アイオノマー、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂等を適宜用いることができるが、本実施形態においては、熱架橋性樹脂を用いることが好ましい。ここで熱架橋性樹脂とは、熱硬化性樹脂や架橋剤等を混入した樹脂のような加熱することで架橋する樹脂をいう。
本発明は、裏面保護シートの密着強化層におけるコア層の受光面側の表面の構造が複数の微細凸部が隣接してなるプリズム構造となっている。そのため、封止材層を形成する樹脂として熱架橋性樹脂を用いることで、太陽電池モジュールを加熱圧着処理により積層一体化する工程に際し、加熱により封止材が軟化して、また圧着によりコア層の微細凸部に追従して封止材が微細凸部状に変形する。その後、微細凸部状に変形した封止材が架橋されることで硬化するため、背面封止材層5がコア層の受光面側の表面の構造に追従するようになり特に好ましい。熱架橋性樹脂の中でも、裏面保護シートとの密着性に優れるエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)を用いるのが好ましい。なお受光面側とは、裏面保護シートを太陽電池モジュールとして積層したときの太陽電池モジュールの受光面側をいう。
尚、裏面保護シート6は、架橋処理を施した樹脂との間の密着性に特に優れるものである。上記の材料樹脂のうち、EVAについては、一般にモジュール化の際に架橋処理を施すことが必須となっている。又、ポリオレフィン系の樹脂については、適量の架橋剤を添加してモジュール化時に熱架橋するタイプの低密度ポリエチレン樹脂を好ましく用いることができる。
太陽電池素子4は、従来公知の太陽電池素子を広く用いることができる。図1では、太陽電池素子4が、単結晶シリコン基板や多結晶シリコン基板を用いて作製する結晶シリコン太陽電池である場合を示しているが、この他、アモルファスシリコンや微結晶シリコンを透明前面基板2上に1μm程度若しくはそれ以下の極薄のシリコン膜を形成して作成する薄膜系太陽電池素子であってもよい。本発明の裏面保護シート6は、薄膜系の太陽電池素子を搭載した太陽電池モジュールにも好ましく用いることができる。
裏面保護シート6は、太陽電池モジュール1の最外層に配置されるものであるため、高い耐候性を備え、且つ、上述した背面封止材層5との間における高い密着性を備えるものであることが求められる。裏面保護シート6はそのような太陽電池モジュールとしての使用時における物性面での要請を満たしながら、且つ、太陽モジュールの発電効率の向上に寄与しうるものである。裏面保護シート6の詳細については別途後述する。
<裏面保護シート>
図2に示すように、裏面保護シート6は、少なくとも基材層61と密着強化層62とを備える多層構造の積層体である。
密着強化層62は、基材層61の一の表面上に、又、耐候層は、必要に応じて、基材層61の他の表面上に配置されている。又、太陽電池モジュール1において、密着強化層62と背面封止材層5とが互いに密着する面となるように裏面保護シート6は配置される。
[密着強化層]
密着強化層62は、裏面保護シート6の一方の最外層に配置される層であり、太陽電池モジュール1において、背面封止材層5との間の密着面となり、裏面保護シート6と背面封止材層5との間の密着性を向上させる機能を備える層である。一般に背面封止材層5は、エチレン−酢酸ビニルアルコール共重合体樹脂(EVA)、アイオノマー、ポリビニルブチラール(PVB)、又はポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂からなる。密着強化層62は、裏面保護シート6と、特にこれらの樹脂からなる背面封止材層5との間に高い密着性を備えさせるものである。
更に、裏面保護シート6は、太陽電池モジュールと一体化されて使用される場合における密着性の要求を満たしたものでありながら、裏面保護シート6に入射した光を拡散反射することができるものであることを特徴とする。太陽光は、経時に入射角度が変化するので、その表面が鏡面態様であって太陽光を正反射する裏面保護シートよりも、太陽光を拡散反射することのできるプリズム構造を有する裏面保護シート6の方が、入射角度が変化することによる発電効率の変化を小さくして、例えば同気象条件における一日当りの総発電量を増やすことができる。
裏面保護シート6は、融点160℃以上のポリプロピレン樹脂を80質量%含むコア層の受光面側の表面全体の構造を複数の微細凸部が隣接してなるプリズム構造にする。図2に示すように、融点160℃以上のポリプロピレン樹脂を80質量%含むコア層621の受光面側の表面の構造が複数の微細凸部が隣接してなるプリズム構造とすることで、コア層621自体はラミネートによって軟化しにくく受光面側の表面全体の形状を維持することができる。そのため、ラミネート温度を、好ましくは110℃以上160℃以下の範囲内、より好ましくは135℃以上155℃以下の範囲内とすることで、融点160℃以上のポリプロピレン樹脂を80質量%以上含有するコア層の微細凸部が、ラミネート前後においてその構造を維持することができるようになるため好ましい。
裏面保護シートの最表面に露出するスキン層には、融点110℃以上150℃以下、好ましくは120℃以上140℃以下のポリプロピレン樹脂を50質量%以上含有することが好ましい。そのため、加熱圧着処理時のラミネート時には、スキン層622aはコア層621と比べると著しく軟化する。そして、加熱圧着処理後は、図2に示すようにスキン層の受光面側の表面は、コア層の受光面側の表面に追随して複数の微細凸部が隣接してなるプリズム構造となる。
コア層621の受光面側の表面全体の構造が複数の微細凸部623が隣接してなるプリズム構造であることで、スキン層622aと背面封止材層5の界面もコア層621の受光面側の表面全体の形状同様にプリズム構造とすることができる。
裏面保護シートの最表面に露出するスキン層622aと背面封止材層5の界面の構造が複数の微細凸部623が隣接してなるプリズム構造となることで、反射面が平面である場合に比べ、より反射角度を錯乱させて、光を拡散反射させることができる。また、コア層621には白色顔料が包含する。白色顔料が含まれることにより、意匠面での要請に応えることができるとともに、太陽光線の光を散乱することができる。そのため、本実施形態の裏面保護シートは、入射角度の変化による発電効率への影響が小さい優れた裏面保護シートである。なお、白色顔料含有量は、コア層の全成分中の20質量%以上30質量%以下にすることが好ましい。20質量%以上とすることで、光を十分に散乱するようになるため好ましく、30質量%以下とすることで、コア層を押出し成形する際の良好な押出し性を有する等、その成形性が向上するため好ましい。
ここで、裏面保護シート1においては、微細凸部623の垂直断面の形状が三角形であり、その頂角624の角度が、平均90°以上であることが好ましく、平均110°以上であることがより好ましい。このような角度にすることで、背面封止材層5との好ましい密着性を得ることができる。また、コア層621の受光面側の表面全体が複数の微細凸部623が隣接してなるプリズム構造であることが光の散乱をより大きくするうえで、好ましい。又、同一形状の微細凸部623が全面に形成されていることが、生産性の観点からも好ましい。
なお、コア層の受光面側の表面は、垂直断面の形状が三角形である複数の微細凸部が隣接してなるプリズム構造の他、例えば、ピラミッド構造のように微細凸部が四角錐状の形状であってもプリズム構造と同様に反射角度を錯乱させて、光を拡散反射させることができる。
また、図2に示す通り、密着強化層62は、コア層621と、コア層621の表面に積層され、最外層に露出するスキン層622とを含む二以上の層からなる層である。密着強化層62を構成するコア層621とスキン層622は、いずれも、ポリプロピレン(PP)系の樹脂を主たる成分とする。これにより、裏面保護シート6に適切な剛性を付与することができる。
密着強化層62の厚さは、裏面保護シート6に要求される厚さを考慮して適宜決定すればよい。一例として、密着強化層62の厚さとして3μm以上200μm以下が挙げられ特に限定されない。密着強化層62の厚さが3μm以上であることにより、裏面保護シート6に背面封止材層5との間の十分な密着性を付与することができる。
密着強化層は、例えば、図3に示すように、スキン層622a、コア層621、第2のスキン層622bが、順次積層された3層構造からなる密着強化層62のような構成であってもよい。このような構成によっても、封止材との密着性を充分に高めた裏面保護シート6とすることができる。尚、このように対称的な層構成とすることによって裏面保護シートの生産効率を高められるというメリットもあり、又、製造過程におけるカール変形を抑制できる。なお、第2のスキン層とは、コア層と基材層との間に配置される層である。
密着強化層62は、コア層621とスキン層622を積層してなる多層構造を有するが、裏面保護シートに適切な剛性を付与するために、例えば密着強化層を剛性に優れる単一のポリプロピレン樹脂のみによって構成すると、裏面保護シートと封止材との間の密着性が剛性の拡大に反比例して低下してしまう傾向にある。そこで本発明の裏面保護シート6においては、密着強化層62を構成するコア層621とスキン層622とで、エチレン含有率の異なるポリプロピレン(PP)樹脂を材料樹脂として層毎に使い分けそれぞれの組成を最適化している。これにより、裏面保護シート6は、従来トレードオフの関係にあった密着性と裏面保護シート6に適切な剛性とを、いずれも好ましい範囲へと向上させている。
<コア層>
コア層621は、反射角度を変化させ、光を散乱させる機能の他、密着強化層62自体に適度な剛性を付与することにより、裏面保護シート6のカール変形を抑制する機能をも備える層であり、融点160℃以上のポリプロピレン(PP)樹脂を全樹脂中80質量%以上含んでなる層である。プリズム構造の維持及びカール変形の抑制のために、コア層621には、ホモポリプロピレン(ホモPP)樹脂を好ましく用いることができる。ホモPPは、ポリプロピレン単体のみからなる重合体であり結晶性が高いため、剛性に優れる。これをコア層に用いることにより、ラミネート前後においてその構造を維持することができるようになるとともに、裏面保護シート6のカール変形を有意に抑制して、そのハンドリング性を高めることができる。
コア層621には更に白色顔料が含まれる。これにより、光を散乱させる機能の他、密着強化層62の剛性は更に高まり、裏面保護シート6におけるカール変形の発生は充分に抑制される。そのような白色顔料としては、タルク(含水珪酸マグネシウム)、又は、酸化チタン、その他として、炭酸カルシウム、カーボンブラック、チタンブラック、Cu−Mn系複合酸化物、Cu−Cr−Mn系複合酸化物、或いは、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化ケイ素、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等を用いることができる。白色顔料の含有量について、全成分中の含有量が20質量%以上30質量%以下の範囲にすることが好ましい。このような範囲とすることで、ハンドリング性を充分に向上するとともに、白色顔料によって光を散乱することのできる裏面保護シートとすることができる。
コア層621の厚さは、一例として、40μm以上160μm以下が挙げられ、特に限定されない。コア層621の厚さが40μm以上であることにより、十分な寸法安定性を付与することができ、コア層621の厚さが160μm以下であることにより、ラミネート加工時のフィルム搬送適性を付与することができる。
また、コア層621には、本発明の目的を損なわない範囲で必要に応じて、酸化防止剤、界面活性剤、増粘剤、軟化剤、充填剤、顔料、染料等の各種添加剤を配合することができる。
<スキン層>
スキン層622は、主に裏面保護シートの最表面に露出され、密着強化層62の封止材層に対する充分な密着性を発現させる機能を備える層である。そのために、スキン層622には、エチレンユニットを含有する融点110℃以上150℃以下、好ましくは120℃以上140℃以下のポリプロピレン樹脂を50質量%以上、好ましくは80質量%以上含有する。エチレンユニットを含有する融点のポリプロピレン樹脂が50質量%未満では封止材及びコア層との密着性が不十分となる。
エチレンユニットとしてはスキン層の全ポリプロピレン樹脂成分中の2.0質量%以上10.0質量%以下とする。スキン層にエチレンユニットを含有したポリプロピレンを用いることで、スキン層の軟化点及び融点を最適な範囲に調節しつつ、封止材とコア層との密着性を両立させることができる。スキン層622を構成するポリプロピレン樹脂中の融点が150℃超、もしくはエチレンユニットの含有量が2.0質量%未満であると、加熱圧着処理により積層一体化する一体化工程において、スキン層が十分に軟化することができず、封止材層との密着性が不十分となる。又、スキン層622を構成するポリプロピレン樹脂中の融点が110℃未満、もしくはエチレンユニットの含有量が10.0質量%を超えると、主としてポリプロピレン樹脂からなるコア層との密着性が不十分となる。ここで、エチレンユニットは共重合成分として含有してもよく、ゴム成分等の微分散成分として含有してもよい。
また、スキン層622には、本発明の目的を損なわない範囲で必要に応じて、酸化防止剤、界面活性剤、増粘剤、軟化剤、充填剤、顔料、染料等の各種添加剤を配合することができる。エチレンユニットを含有するポリプロピレン樹脂は、ホモPPより結晶性が低く柔軟性に優れるが、エチレンユニットの含有量を限定的な範囲に調整することによって、裏面保護シート6の封止材層へ使用時への密着性を充分に高めることができる。
スキン層622中を構成するポリプロピレン樹脂中のエチレンユニットの含有量を上記の通り、2.0質量%以上10.0質量%以下とするためには、一定量のエチレンユニットがプロピレン連鎖中に取り込まれているエラストマーポリプロピレン(エラストマーPP)単独でもよく、エラストマーPPと、一定量のエチレンユニットがプロピレン連鎖中に取り込まれているランダムPPとの混合系であってもよい。このようにエラストマーPPとこのランダムPPの配合比率を適切に調整することにより、ポリプロピレン樹脂中のエチレンユニットの含有量を適切な範囲に調整することができる。例えば、エチレンユニットの含有量が7%であるエラストマーPPと、エチレンユニットの含有量が2.5%程度であるランダムPPを併用してもよい。尚、このように、本明細書で言う、「ポリプロピレン樹脂中のエチレンユニットの含有量」とは、製造プロセスにおいて、エラストマーPPとランダムPPを配合した場合であっても、それらの配合比率等にかかわらず、各層を構成するすべてのポリプロピレン樹脂中の総量に対するエチレンユニットの含有量のことを言う。
尚、エチレン成分を、単にブレンドするよりも、上記のように、ランダムPPに共重合させる形態でスキン層622中に含有させることにより、単にPPとポリエチレン樹脂をブレンドする場合に比べて、スキン層622の機械強度を保持しやすくなるというメリットがあると考えられる。
スキン層622の厚さは、裏面保護シート6に要求される厚さを考慮して適宜決定すればよい。一例として、スキン層622の厚さとして、1μm以上40μm以下が挙げられ、特に限定されない。スキン層622の厚さが1μm以上であることにより、裏面保護シート6に背面封止材層5との間の十分な密着性を付与することができ、スキン層622の厚さが40μm以下であることにより、ラミネート加工時のフィルム搬送適性を付与することができる。コア層621とスキン層622層との厚さ比は、例えば50:1〜4:1の範囲で適宜設定できる。
[基材層]
基材層61は、裏面保護シート6の基材として配置される層であり、樹脂材料をシート状に成型した樹脂シートを用いる。例えば、ポリエチレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂等、各種の樹脂シートを用いることができる。これらの中でも、絶縁性能、機械強度、コスト、透明性等の物性及び経済性の観点からポリエチレンテレフタレート(PET)を好ましく用いることができ、機械強度維持の観点から耐加水分解性PETを特に好ましく使用できる。
基材層61の厚さは、特に限定されないが、裏面保護シート6に要求される厚さを考慮して適宜決定すればよい。裏面保護シート6の厚さは、10μm以上500μm以下の範囲が一般的な例として挙げられる。基材層61の厚さもこれに合わせて、38μm以上250μm以下であることが好ましい。基材層61の厚さが38μm以上であることにより、裏面保護シート6に好ましい耐久性、耐候性を付与することができ、基材層61の厚さが250μm以下であることにより、ラミネート加工時のフィルム搬送適性を付与することができる。
基材層にPETを用いた従来公知の一般的な裏面保護シートにおいては、基材層を形成するPET樹脂のフィルムと密着層を形成するその他の樹脂フィルムとを接着剤等で積層一体化した際に、裏面保護シートのカール変型が頻発することが問題となっていた。しかし、後に詳細を説明する通り、本発明の裏面保護シート6においては、密着強化層62を本発明に特有の構成からなる多層構造とすることにより、基材層の種類にかかわらず、裏面保護シートのカール発生を十分に抑制することができる。このため、上記の各物性と経済性に優れるPETを、基材層を構成する樹脂として好ましく用いることができる。
[耐候層]
本実施形態の裏面保護シートは、必要に応じて耐候層を積層することもできる。耐候層は、例えば裏面保護シート6が太陽電池モジュールに使用された際に、太陽電池モジュールの裏面側の表面に位置することができる(図示せず)。そのため、耐候層は、耐候性、耐熱性、耐光性等に優れたものを使用する。このような樹脂シートとしては、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニル・エステル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ETFE(四フッ化エチレン・エチレン共重合体)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)等のフッ素系樹脂等の樹脂シートが好ましく例示される。
また、フッ素系樹脂等の樹脂シートの他にもポリエチレンテレフタレート(PET)に酸化チタン等の白色顔料を包含させた白色PETや、透明ポリエチレンテレフタレート(PET)又は変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE)等の表面に更にコーティング又はラミネートにより耐侯性樹脂を積層した樹脂シートも好ましく用いることができる。ここで、ポリエチレンテレフタレート(PET)とは、耐加水分解性ポリエチレンテレフタレート(HR−PET)も含まれる。なお、更に積層する耐侯性樹脂としては、例えば、フッ素樹脂、アクリル樹脂、又は電離放射線硬化性樹脂等を例示することができるが、特に限定されない。
尚、特に、裏面保護シート6に水蒸気バリア性等のガスバリア性を付与する必要がある場合、耐候層の表面に金属酸化物からなる透明な蒸着層を形成してもよい。この場合、蒸着させる金属酸化物の種類や蒸着層の厚さ等は、裏面保護シート6に要求される性能等を考慮して適宜設定すればよい。
<裏面保護シートの製造方法>
本実施形態の裏面保護シートの製造方法について説明する。裏面保護シート6は、基材層61を形成する基材樹脂シートを形成する基材樹脂シート形成工程と、密着強化層62を形成する密着性樹脂シートを形成する密着性樹脂シート形成工程と、基材樹脂シートに密着性樹脂シートと積層して一体化する一体化工程とを経ることによって製造することができる。
(基材樹脂シート形成工程)
基材層61を形成する基材樹脂シートは、上記において説明したPET等の樹脂材料を、押し出し法、キャスト成形法、Tダイ法、切削法、インフレーション法、その他の成膜化法等により成膜することにより形成することができる。尚、基材樹脂シートは、本発明の効果を害さない範囲で、上記樹脂材料の他に顔料等のその他の添加物を含むものであってもよい。
(密着強化層形成工程)
密着強化層62を形成する密着性樹脂シートは、ホモPPを主成分とし、所定の無機フィラーを含有するコア層用の樹脂組成物と、ポリエチレンが一定量含まれるポリプロピレンからなるスキン層用の樹脂組成物とを、公知の共押出し法により一体成形することにより得ることができる。共押出し法により密着強化層を一体成形をすることができるようになるため、生産性の面で好ましい。尚、上記のそれぞれの樹脂組生物には、それぞれ所定のモノマー配列のポリプロピレンを上記した所定量の範囲内で含むものであれば、その他の樹脂や顔料等、その他の添加物を含むものであってもよい。
また、密着強化層が、コア層と基材層の間に、第2のスキン層が配置されていることで3層を構成していることが好ましく、さらに2種3層であることが好ましい。このような構造とすることで、封止材との密着性を向上させることとともに、基材層との密着性も向上させることができる。ここで2種3層とは、スキン層/コア層/スキン層の3層で構成され、2つのそれぞれのスキン層の組成が同一であって、コア層とスキン層の2種の組成で構成されているものをいう。
コア層の受光面側の表面にプリズム構造を形成するには、例えば、樹脂シートを加熱した状態で金型を加圧、圧着させ形成する方法、上記基材の表面に光又は熱硬化性樹脂を積層し、その表面に金型を押しあて、活性エネルギー線の照射又は加熱により樹脂を硬化させて形成する方法、及び予め金型の凹部に充填された樹脂を、基材上に転写する方法等を挙げることができる。
(一体化工程)
上記において説明した基材樹脂シート、密着性樹脂シート、及び必要に応じて同様の方法によって形成したその他の層を形成するシートを積層して、更に一体化することにより、本発明の裏面保護シート6を得ることができる。各シートの一体化は従来公知のドライラミネート法によることができる。ラミネート接着剤は従来公知のものが利用でき特に限定されず、ウレタン系、エポキシ系等の主剤と硬化剤とからなる2液硬化型のドライラミネート接着剤等が適宜使用可能である。
<太陽電池モジュールの製造方法>
太陽電池モジュール1は、例えば、上記の透明前面基板2、前面封止材層3、太陽電池素子4、背面封止材層5、及び裏面保護シート6からなる部材を順次積層してから真空吸引等により一体化し、その後、ラミネーション法等の成形法により、上記の部材を一体成形体として加熱圧着成形して製造することができる。例えば真空熱ラミネート加工による場合、ラミネート温度は、110℃以上160℃以下の範囲内とすることが好ましく145℃以上155℃以下の範囲にすることがより好ましい。このような範囲にすることにより、融点160℃以上のポリプロピレン樹脂が80質量%以上含まれているコア層が自体はラミネートによって軟化しにくく受光面側の表面全体の形状を維持することができる。又、ラミネート時間は、5〜20分の範囲内が好ましく、特に8〜15分の範囲内が好ましい。このようにして、上記各層を一体成形体として加熱圧着成形して、太陽電池モジュ−ル1を製造することができる。
以下、実施例、比較例を示して、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
<密着性樹脂シートの製造>
以下の密着性樹脂シート、を順次積層し、ドライラミネート加工により一体化して、各実施例、比較例の密着性樹脂シート試料を製造した。
コア層:密着性樹脂シートのコア層には、下記のホモPP樹脂を用い、無機フィラーとして下記の酸化チタンをホモPP樹脂中の含有量が20質量%となるように混錬した樹脂組成物をコア層用の組成物として用いた。また、実施例1、2及び比較例1、2、5のコア層については、油圧式プレス機を用い、プリズム形状を付与したメッキ板によるプレス加工によりコア層の受光面側の表面にプリズム構造を形成させた(条件:135℃、50kg/cm、2分)。
コア層及びスキン層には、表1に示す割合となるように下記樹脂を混錬した。
(樹脂)
ホモPP樹脂:三菱樹脂株式会社製、融点165℃(表1中、ホモPPと表記。表1にはコア層の全樹脂成分中のホモPP樹脂の質量%を記載した。)
酸化チタン(白色顔料):Ti−pure R105(Dupont製)、平均粒径0.20〜0.25μm いずれの実施例比較例についても全成分中25質量%とした。
ランダムPP樹脂:融点140℃、エチレンユニットの含有量2.5%。
エラストマーPP樹脂:融点125℃、エチレンユニットの含有量7.0%。
高密度ポリエチレン樹脂:(表1において「HDPE」と表記、密度0.91〜0.92、MFR5〜10g/10min(190℃))
スキン層については、実施例1及び比較例4についてはランダムPP樹脂100%、実施例2についてはエラストマーPP樹脂100%、比較例2及び3については高密度ポリエチレン樹脂100%のものを用い、比較例5については、表1のエチレンユニット量になるようにエラストマーPP樹脂と高密度ポリエチレン樹脂を混合したものを用いた。
上記各組成物を共押し出しによって多層フィルムとして成形し、厚さ60μmの樹脂シート(スキン層3μm/コア層54μm/スキン層3μm)とし、各実施例、比較例の密着性樹脂シートとした。
Figure 2016072540
<裏面保護シートの製造>
上記各実施例、比較例の密着性樹脂シートを、PETフィルム(帝人デュポン社製、「Melinex S」)厚さ100μmを、従来公知のドライラミネート法で積層して裏面保護シートを得た。
実施例1、2、比較例1〜5のそれぞれの上記裏面保護シートについて、上記密着強化層(密着性樹脂シート側)の表面に、試料と同サイズにカットした下記の封止材シートを145℃で15分間、太陽電池モジュールの製造用の真空ラミネータを用いてラミネートし、密着性評価用のサンプルとした。封止材シートとしては、EVA高速架橋タイプ、厚さ500μm(ブリヂストン社製)を用いた。
<ラミネート後の潰れ確認試験>
実施例1、比較例2のサンプルにおいては、ドライラミネート法で積層後の潰れを検証するために、断面を光学顕微鏡にて確認したところ、実施例1については垂直断面の形状が三角形である複数の微細凸部が隣接してなるプリズム構造であり、その微細凸部の頂角の角度が90°であることが確認できたが、比較例2については、プリズム構造を確認することはできなかった。
<密着性評価>
実施例1、2、比較例1〜8の各試料を用いた密着性評価用のサンプルについて、密着性を評価した。評価は以下の方法で測定した数値に基づいて行った。
(密着性試験:剥離試験)
各密着性評価用のサンプルについて、剥離強度(N)を15mm幅の180度ピールにて密着性について初期の密着強度(表2中、初期密着強度と表記。)及びダンプヒート試験後の密着強度(表2中、DH1000密着強度と表記。)を測定した。測定には、剥離試験装置(「株式会社エー・アンド・デイ」社製、商品名「TENSILON RTG−1210」)を用いて、180度ピールにて剥離条件50mm/minで23℃にて測定を行い、4回の測定の平均値を採用した。なお、表2中の封止材シート/スキン層密着性に関しては、測定値が50N/15mm以上のサンプルを○とし、それ未満のサンプルを×とした。また、表2中のコア層/スキン層密着性では、上記剥離試験において、コア層/スキン層での剥離が起きないものを○とし、コア層/スキン層での剥離が起きているものを×とした。
なお、ダンプヒート試験は、JIS C8917に準拠し、試験槽内温度85℃、湿度85%の条件下でサンプルの耐久性試験を1000時間行った。
<ソーラーシミュレーターでの発電量比較>
実施例1、2、比較例2〜4の各試料を用いたサンプルについてPV特性を評価した。具体的には、T−SEC製単結晶セル(TSS63TN)のセル部以外をアルミシールして光の回り込みを防止した状態でセル上に上記封止材シートを積層し太陽電池モジュールを作成し、ソーラーシュミレータ(英弘精機株式会社製EWXS−300S−50)を用いて、セル裏面温度25℃、照度100mW/cmの条件で行った(STC(Standard Test Cell conditions))。比較例4のIsc値を100とし、実施例1及び比較例2〜4のIsc値の割合を求めた。評価結果を表2に示す。
<シミュレーションによる発電量比較>
実施例1及び比較例4のサンプルを、単セルモジュール(セル5インチ、18角サイズ)として、光学シミュレーションによって各時刻での採光量を計測した。具体的には、シミュレーションソフト上で太陽光、単セル太陽電池モジュールを再現し、夏至の日の各時刻の太陽高度における、セル内部への光の入射量を比較した。各時刻での比較例4に対する実施例1の採光量の上昇率を表3に示す。
Figure 2016072540
Figure 2016072540
表2より、実施例1、2のサンプルは密着性、密着耐久性に優れたサンプルであることが分かる。一方、エチレンユニットの含有量がスキン層の全樹脂成分中の2.0質量%に満たない比較例1は封止材シート/スキン層間のDH1000密着強度での密着性が低下していることから、封止材シートとの密着耐久性の劣るサンプルであることが分かる。また、エチレンユニットの含有量がスキン層の全樹脂成分中の10.0質量%を超える比較例5はコア層/スキン層密着性間の初期密着強度が低下していることから、コア層との密着性の劣るサンプルであることが分かる。
表2及び表3から、コア層の受光面側の表面に複数の微細凸部が隣接してなるプリズム構造が形成されている裏面保護シート(実施例1、2)は、プリズム構造を形成していない裏面保護シート(比較例2、3、4)と比べて、屋外条件(シミュレーションによる発電量試験)におけるIsc値及びSTC条件(ソーラーシミュレーターでの発電量比較)における採光量が高くなっていることが分かる。このことから、本発明の太陽電池モジュール用の裏面保護シートは、太陽光発電変換効率の向上に十分に寄与することができる優れた裏面保護シートであることが分かる。
1 太陽電池モジュール
2 透明前面基板
3 前面封止材層
4 太陽電池素子
5 背面封止材層
6 裏面保護シート
61 基材層
62 密着強化層
621 コア層
622 スキン層
623 微細凸部
624 頂角

Claims (5)

  1. 太陽電池モジュール用の裏面保護シートであって、
    基材層と、前記裏面保護シートの最外層に配置されて封止材との密着を強化する密着強化層と、を有し、
    前記密着強化層は、前記裏面保護シートの最表面に露出するスキン層と、コア層と、を含んでなり、
    前記スキン層は、エチレンユニットを含有するポリプロピレン樹脂を50質量%以上含有し、
    前記スキン層中の前記エチレンユニットの含有量が前記スキン層の全ポリプロピレン樹脂成分中の2.0質量%以上10.0質量%以下であり、
    前記コア層は、融点160℃以上のポリプロピレン樹脂と、白色顔料とを含有し、該ポリプロピレン樹脂の含有量が前記コア層の全樹脂成分中の80質量%以上であり、
    前記コア層の受光面側の表面には、複数の微細凸部が隣接してなるプリズム構造が形成されている裏面保護シート。
  2. 前記微細凸部の垂直断面の形状が三角形であり、該凸部の頂角の角度が平均90°以上である請求項1に記載の裏面保護シート。
  3. 前記密着強化層は、前記コア層と前記基材層の間に、第2のスキン層が配置されている請求項1又は2に記載の裏面保護シート。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の裏面保護シートを用い、前記密着強化層に密着する封止材が熱架橋性樹脂からなる太陽電池モジュール。
  5. 請求項1から3のいずれかに記載の裏面保護シートと、その他の太陽電池モジュール構成部材とを、加熱圧着処理により積層一体化する一体化工程を備え、
    前記一体化工程における加熱圧着処理を110℃以上160℃以下で行う太陽電池モジュールの製造方法。
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