JP2016054703A - ラウリン酸の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】藻類由来のジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼを用いたラウリン酸の製造方法、及び当該方法に用いる形質転換体を提供する。
【解決手段】下記(1)及び(2)の工程を含む、ラウリン酸の製造方法。(1)アシル−ACPチオエステラーゼをコードする遺伝子、及び下記(A)又は(B)のタンパク質をコードする遺伝子を宿主に共導入し、形質転換体を得る工程。(A)藻類由来のジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ活性を有する特定の配列で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質、(B)(A)における特定のアミノ酸配列と81%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質。(2)得られた形質転換体からラウリン酸を採取する工程
【選択図】なし
【解決手段】下記(1)及び(2)の工程を含む、ラウリン酸の製造方法。(1)アシル−ACPチオエステラーゼをコードする遺伝子、及び下記(A)又は(B)のタンパク質をコードする遺伝子を宿主に共導入し、形質転換体を得る工程。(A)藻類由来のジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ活性を有する特定の配列で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質、(B)(A)における特定のアミノ酸配列と81%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質。(2)得られた形質転換体からラウリン酸を採取する工程
【選択図】なし
Description
本発明は、ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼを用いたラウリン酸の製造方法に関する。
ラウリン酸は界面活性剤や化学品基材として使用される脂肪酸で、主にヤシ油及びパーム核油から製造されている。しかし、ヤシ油やパーム核油の原料であるココナツやアブラヤシは栽培地域が限られており、十分な量を確保することが難しい。そのため、ココナツやアブラヤシ以外の原料からラウリン酸を製造することが望まれている。
トリアシルグリセロールは、1分子のグリセロールに3分子の脂肪酸がエステル結合してなる化合物である。グリセロールに結合する脂肪酸の種類は多岐にわたり、結合する脂肪酸の組み合わせによって、様々なトリアシルグリセロール化合物が生じる。生体内では、トリアシルグリセロールは主にエネルギー貯蔵物質として働き、動物の脂肪組織や植物の種子等に蓄積されている。また、藻類は、他の生物に比べてトリアシルグリセロール等の脂質蓄積量が多いことが知られている。
生体内においてトリアシルグリセロールは、ジアシルグリセロールに脂肪酸由来のアシル−CoAからアシル基が転移して合成される。この転移反応にはジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ(DGAT)が関与する。DGATは、哺乳類、植物、真菌などに存在し、DGAT1とDGAT2の2タイプが存在することが知られている。藻類では、例えば、Chlamydomonas reinhardtiiではDGAT1、および4種類のDGAT2(DGAT2−1、2−2、2−3、2−4)が知られている。この内、DGAT2−1〜2−3は窒素欠乏条件下でmRNA量が増加することが報告されている(非特許文献1)。
生体内においてトリアシルグリセロールは、ジアシルグリセロールに脂肪酸由来のアシル−CoAからアシル基が転移して合成される。この転移反応にはジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ(DGAT)が関与する。DGATは、哺乳類、植物、真菌などに存在し、DGAT1とDGAT2の2タイプが存在することが知られている。藻類では、例えば、Chlamydomonas reinhardtiiではDGAT1、および4種類のDGAT2(DGAT2−1、2−2、2−3、2−4)が知られている。この内、DGAT2−1〜2−3は窒素欠乏条件下でmRNA量が増加することが報告されている(非特許文献1)。
DGATを利用してトリアシルグリセロールや脂肪酸を生産することも試みられている。例えば、DGAT2を過剰発現させたChlamydomonas reinhardtiiを用いてトリアシルグリセロールを製造する方法が提案されている(特許文献1)。
DGATの基質となる脂肪酸アシル−CoAの種類は多岐にわたり、どのような炭素数・不飽和度のアシル基がジアシルグリセロールに導入されるかを決めているのがDGATであると考えられている。これまでに報告されているDGATの多くは、長鎖アシル基を選択的に導入するものである。例えば、Talassiosira psuedonanaのDGAT遺伝子を植物に導入することにより、当該植物の超長鎖多価不飽和脂肪酸の量を変化させる方法が提案されている(特許文献2)。また、特許文献3にはNannochloropsis oculata由来のDGATが記載され、C18やC22の長鎖又は超長鎖多価不飽和脂肪酸の生産に関わる可能性が示唆されている。一方、中鎖アシル基を選択的に導入するようなDGATについてはほとんど報告がない。
DGATの基質となる脂肪酸アシル−CoAの種類は多岐にわたり、どのような炭素数・不飽和度のアシル基がジアシルグリセロールに導入されるかを決めているのがDGATであると考えられている。これまでに報告されているDGATの多くは、長鎖アシル基を選択的に導入するものである。例えば、Talassiosira psuedonanaのDGAT遺伝子を植物に導入することにより、当該植物の超長鎖多価不飽和脂肪酸の量を変化させる方法が提案されている(特許文献2)。また、特許文献3にはNannochloropsis oculata由来のDGATが記載され、C18やC22の長鎖又は超長鎖多価不飽和脂肪酸の生産に関わる可能性が示唆されている。一方、中鎖アシル基を選択的に導入するようなDGATについてはほとんど報告がない。
Rachel Miller et al., "Changes in Transcript Abundance in Chlamydomonas reinhardtii following Nitrogen Deprivation Predict Diversion of Metabolism", Plant Physiology, 2010, Vol.154, p.1737-1752
本発明は、藻類由来のジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼを用いたラウリン酸の製造方法の提供に関する。また、本発明は、藻類由来のジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ遺伝子を導入し、ラウリン酸含有量の高いトリアシルグリセロールを生産でき、ラウリン酸生産能が向上した形質転換体の提供に関する。
本発明者らは、藻類由来のジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼについて研究を行い、ナンノクロロプシス(Nannochloropsis)属に属する藻類から、ジアシルグリセロールにラウリン酸を選択的に取り込むジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼを見出した。そして、これを用いて宿主を形質転換したところ、形質転換体ではトリアシルグリセロール中のラウリン酸含有量が有意に向上することを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
すなわち本発明は、下記(1)及び(2)の工程を含むラウリン酸の製造方法(以下、「本発明の製造方法」ともいう。)に関する。
(1)アシル−ACPチオエステラーゼをコードする遺伝子、及び下記(A)又は(B)のタンパク質をコードする遺伝子を宿主に共導入し、形質転換体を得る工程
(A) 配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質
(B) 配列番号1で表されるアミノ酸配列と81%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質
(2)得られた形質転換体からラウリン酸を採取する工程
(1)アシル−ACPチオエステラーゼをコードする遺伝子、及び下記(A)又は(B)のタンパク質をコードする遺伝子を宿主に共導入し、形質転換体を得る工程
(A) 配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質
(B) 配列番号1で表されるアミノ酸配列と81%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質
(2)得られた形質転換体からラウリン酸を採取する工程
また、本発明は、宿主にアシル−ACPチオエステラーゼをコードする遺伝子、及び前記(A)又は(B)のタンパク質をコードする遺伝子を共導入して得られる形質転換体(以下、「本発明の形質転換体」ともいう。)に関する。
また、本発明は、前記(A)又は(B)のタンパク質をコードする遺伝子を宿主に導入して形質転換する工程を含む、形質転換体の産生するトリアシルグリセロール中のラウリン酸含有量を向上させる方法に関する。
本発明の形質転換体は、ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ遺伝子が導入され、ラウリン酸の含有量の高いトリアシルグリセロールを産生することができる。当該形質転換体を用いた本発明の製造方法は、ラウリン酸又はこれを構成脂肪酸とするトリアシルグリセロールの生産性に優れる。
本発明において、脂質には、単純脂質、複合脂質及び誘導脂質が含まれ、具体的には、トリアシルグリセロール等の中性脂肪の他に、脂肪酸、脂肪族アルコール類、アルカン等の炭化水素類、ろう、セラミド、リン脂質、糖脂質、スルホ脂質等が含まれる。
また本発明で、脂肪酸や脂肪酸を構成するアシル基の表記において、Cx:yとあるのは炭素原子数xで二重結合の数がyであることを表し、Cxは炭素原子数xの脂肪酸やアシル基であることを表す。
また、本発明において、中鎖脂肪酸や中鎖アシル−ACPにおける中鎖とは、アシル基の炭素数が6以上14以下であることをいう。
また本発明で、脂肪酸や脂肪酸を構成するアシル基の表記において、Cx:yとあるのは炭素原子数xで二重結合の数がyであることを表し、Cxは炭素原子数xの脂肪酸やアシル基であることを表す。
また、本発明において、中鎖脂肪酸や中鎖アシル−ACPにおける中鎖とは、アシル基の炭素数が6以上14以下であることをいう。
1.ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ
本発明で用いるジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼは、配列番号1で表されるアミノ酸配列を有するタンパク質、及び当該タンパク質と機能的に均等なタンパク質である。具体的に、本発明で用いるジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼには、以下の(A)又は(B)のタンパク質が包含される。
(A) 配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質
(B) 配列番号1で表されるアミノ酸配列と81%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質
本発明で用いるジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼは、配列番号1で表されるアミノ酸配列を有するタンパク質、及び当該タンパク質と機能的に均等なタンパク質である。具体的に、本発明で用いるジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼには、以下の(A)又は(B)のタンパク質が包含される。
(A) 配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質
(B) 配列番号1で表されるアミノ酸配列と81%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質
配列番号1のアミノ酸配列からなるタンパク質は、ナンノクロロプシス属に属する藻類であるナンノクロロプシス オキュラータ(Nannochloropsis oculata)由来のジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼである。
ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ(ジグリセリドアシルトランスフェラーゼ、DGAT)は、トリアシルグリセロール合成の最終段階に関与する酵素である。植物や藻類では、葉緑体にある脂肪酸合成系において各種アシル−ACPが合成され、このアシル−ACPから酵素アシル−ACPチオエステラーゼによって遊離脂肪酸が切り出される。遊離脂肪酸はアシル−CoAに変換されて、トリアシルグリセロール合成系に供される。トリアシルグリセロール合成系では、アシル−CoAのアシル基が、グリセロール骨格に導入される。最終段階では、ジアシルグリセロールにアシル−CoAからアシル基が転移してトリアシルグリセロールが合成される。この反応を触媒する酵素がDGATである。
このようにトリアシルグリセロールは、グリセロール骨格に3つのアシル基(脂肪酸残基)が導入されてなるが、導入されるアシル基の種類(炭素数及び不飽和度)は多岐にわたる。グリセロール骨格にどのような炭素数・不飽和度を有したアシル基を導入するかを決めているのは、各反応工程で働くアシルトランスフェラーゼであると考えられている。すなわち、トリアシルグリセロール合成の最終段階では、DGATの基質特異性によって、ジアシルグリセロールに結合する脂肪酸アシル−CoAの種類が変わると考えられている。
ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ(ジグリセリドアシルトランスフェラーゼ、DGAT)は、トリアシルグリセロール合成の最終段階に関与する酵素である。植物や藻類では、葉緑体にある脂肪酸合成系において各種アシル−ACPが合成され、このアシル−ACPから酵素アシル−ACPチオエステラーゼによって遊離脂肪酸が切り出される。遊離脂肪酸はアシル−CoAに変換されて、トリアシルグリセロール合成系に供される。トリアシルグリセロール合成系では、アシル−CoAのアシル基が、グリセロール骨格に導入される。最終段階では、ジアシルグリセロールにアシル−CoAからアシル基が転移してトリアシルグリセロールが合成される。この反応を触媒する酵素がDGATである。
このようにトリアシルグリセロールは、グリセロール骨格に3つのアシル基(脂肪酸残基)が導入されてなるが、導入されるアシル基の種類(炭素数及び不飽和度)は多岐にわたる。グリセロール骨格にどのような炭素数・不飽和度を有したアシル基を導入するかを決めているのは、各反応工程で働くアシルトランスフェラーゼであると考えられている。すなわち、トリアシルグリセロール合成の最終段階では、DGATの基質特異性によって、ジアシルグリセロールに結合する脂肪酸アシル−CoAの種類が変わると考えられている。
前記(A)又は(B)のタンパク質は、ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ活性を有する。本発明において、タンパク質の「ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ活性」とは、ジアシルグリセロール(DAG)をアシル化してトリアシルグリセロール(TAG)に変換する活性をいう。
なお、タンパク質がジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ活性を有することは、トリアシルグリセロール合成遺伝子欠損株を用いた系により確認することができる。トリアシルグリセロール合成遺伝子欠損株の一例としては、実施例で用いた酵母のΔdga1、Δlro1、Δare1、Δare2株(Δ4株)が挙げられる。目的タンパク質をコードする遺伝子を当該欠損株において発現させ、トリアシルグリセロールの生成が確認されれば、当該タンパク質はジアシルグリセロールアシルトランスフェラ−ゼ活性を有すると判断できる。
なお、タンパク質がジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ活性を有することは、トリアシルグリセロール合成遺伝子欠損株を用いた系により確認することができる。トリアシルグリセロール合成遺伝子欠損株の一例としては、実施例で用いた酵母のΔdga1、Δlro1、Δare1、Δare2株(Δ4株)が挙げられる。目的タンパク質をコードする遺伝子を当該欠損株において発現させ、トリアシルグリセロールの生成が確認されれば、当該タンパク質はジアシルグリセロールアシルトランスフェラ−ゼ活性を有すると判断できる。
前記(A)のジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼは、後述の実施例で示されているように、ジアシルグリセロールにC12:0アシル基(ラウロイル基)を優先的に取り込む性質を持つ。すなわち、ラウロイル−CoAに対して基質特異性を示すジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼである。
ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼのラウロイル−CoA特異性については、例えば、宿主細胞にジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ遺伝子及びアシル−CoAを生産するアシル−ACPチオエステラーゼ遺伝子を導入し、これらの導入遺伝子が発現する条件で細胞を培養して、宿主細胞又は培養液中の脂肪酸組成の変化をガスクロマトグラフィー解析等の方法を用いて分析する方法、または精製したジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼタンパク質と、アシル−CoA及びジアシルグリセロールとを混合して反応させた溶液から薄層クロマトグラフィー法などによりトリアシルグリセロールを単離し、トリアシルグリセロール中の脂肪酸組成の変化をガスクロマトグラフィー解析等の方法を用いて分析する方法により確認することができる。
ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼのラウロイル−CoA特異性については、例えば、宿主細胞にジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ遺伝子及びアシル−CoAを生産するアシル−ACPチオエステラーゼ遺伝子を導入し、これらの導入遺伝子が発現する条件で細胞を培養して、宿主細胞又は培養液中の脂肪酸組成の変化をガスクロマトグラフィー解析等の方法を用いて分析する方法、または精製したジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼタンパク質と、アシル−CoA及びジアシルグリセロールとを混合して反応させた溶液から薄層クロマトグラフィー法などによりトリアシルグリセロールを単離し、トリアシルグリセロール中の脂肪酸組成の変化をガスクロマトグラフィー解析等の方法を用いて分析する方法により確認することができる。
ラウリン酸の生産性向上の観点から、(B)のタンパク質も、ラウロイル−CoA特異的なジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質であることが好ましい。この観点から、(B)において配列番号1で表されるアミノ酸配列との同一性は、85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、95%以上であることがさらに好ましく、96%以上、97%以上、98%以上又は99%以上であることがよりさらに好ましい。
本発明においてアミノ酸配列及び塩基配列の同一性はLipman-Pearson法(Science,227,1435,(1985))によって計算される。具体的には、遺伝情報処理ソフトウェアGenetyx-Win(ソフトウェア開発)のホモロジー解析(homology search)プログラムを用いて、Unit size to compare(ktup)を2として解析を行うことにより算出される。
本発明においてアミノ酸配列及び塩基配列の同一性はLipman-Pearson法(Science,227,1435,(1985))によって計算される。具体的には、遺伝情報処理ソフトウェアGenetyx-Win(ソフトウェア開発)のホモロジー解析(homology search)プログラムを用いて、Unit size to compare(ktup)を2として解析を行うことにより算出される。
(B)のタンパク質のアミノ酸配列として、配列番号1のアミノ酸配列に変異を導入したアミノ酸配列、すなわち、配列番号1のアミノ酸配列において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入、又は付加されたアミノ酸配列も好ましい。1又は数個の変異アミノ酸は、ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ活性の点から、1〜50個であることが好ましく、1〜20個がより好ましく、1〜10個がさらに好ましく、1〜5個がよりさらに好ましく、1〜2個が特に好ましい。
なお、本明細書において、アミノ酸又は塩基の「付加」には、配列の一末端および両末端へのアミノ酸又は塩基の付加が含まれる。
なお、本明細書において、アミノ酸又は塩基の「付加」には、配列の一末端および両末端へのアミノ酸又は塩基の付加が含まれる。
上述したタンパク質の取得方法については特に制限はなく、通常行われる化学的或いは遺伝子工学的手法等により得ることができる。例えば、ナンノクロロプシス オキュラータから単離、精製等することで天然物由来のタンパク質を取得することができる。また、化学合成によりタンパク質合成を行ってもよく、遺伝子組み換え技術により組換えタンパク質を作製してもよい。組換えタンパク質を作製する場合には、後述するジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ遺伝子を用いることができる。
アミノ酸配列に欠失、置換、挿入、付加等の変異を導入する方法としては、例えば、アミノ酸配列をコードする塩基配列に変異を導入する方法が挙げられる。塩基配列に変異を導入する方法については、後述する。
アミノ酸配列に欠失、置換、挿入、付加等の変異を導入する方法としては、例えば、アミノ酸配列をコードする塩基配列に変異を導入する方法が挙げられる。塩基配列に変異を導入する方法については、後述する。
2.ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ遺伝子
本発明で用いるジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ遺伝子は、前記(A)又は(B)のタンパク質をコードする遺伝子である。
配列番号1に示すアミノ酸配列をコードする遺伝子の例として、配列番号2に示す塩基配列が挙げられる。配列番号2に示す塩基配列は、ナンノクロロプシス オキュラータ由来の野生型ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼをコードする遺伝子の塩基配列の一例である。
本発明で用いるジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ遺伝子は、前記(A)又は(B)のタンパク質をコードする遺伝子である。
配列番号1に示すアミノ酸配列をコードする遺伝子の例として、配列番号2に示す塩基配列が挙げられる。配列番号2に示す塩基配列は、ナンノクロロプシス オキュラータ由来の野生型ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼをコードする遺伝子の塩基配列の一例である。
(A)又は(B)のタンパク質をコードする遺伝子の具体例として、下記(a)又は(b)のDNAからなる遺伝子が例示できるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(a) 配列番号2で表される塩基配列からなるDNA
(b) 配列番号2で表される塩基配列と81%以上の同一性を有する塩基配列からなり、かつジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNA
(a) 配列番号2で表される塩基配列からなるDNA
(b) 配列番号2で表される塩基配列と81%以上の同一性を有する塩基配列からなり、かつジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNA
後述の実施例に示すように、(a)のDNAからなる遺伝子は、ラウロイル−CoA特異的なジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼをコードする遺伝子である。(b)のDNAからなる遺伝子も、ラウロイル−CoA特異的なジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼをコードする遺伝子であることが好ましい。この観点から、(b)において、配列番号2で表される塩基配列との同一性は、85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、95%以上であることがさらに好ましく、96%以上、97%以上、98%以上又は99%以上であることがよりさらに好ましい。
また、(b)の塩基配列として、配列番号2の塩基配列に変異を導入した塩基配列、すなわち、配列番号2の塩基配列において1又は数個の塩基が欠失、置換、挿入、又は付加された塩基配列も好ましい。1又は数個の変異塩基は、ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ活性の点から、1〜20個であることが好ましく、1〜10個がより好ましく、1〜5個がさらに好ましく、1〜3個がよりさらに好ましく、1〜2個が特に好ましい。
塩基配列に欠失、置換、挿入、付加等の変異を導入する方法としては、例えば、部位特異的な変異導入法が挙げられる。具体的な部位特異的変異の導入方法としては、Splicing overlap extension(SOE)PCR反応(Horton et al.,Gene 77,61−68,1989)を利用した方法、ODA法(Hashimoto-Gotoh et al.,Gene,152,271-276,1995))、Kunkel法(Kunkel,T. A.,Proc. Natl. Acad. Sci. USA,1985,82,488)等が挙げられる。また、Site-Directed Mutagenesis System Mutan-SuperExpress Kmキット(タカラバイオ社)、Transformer TM Site-Directed Mutagenesisキット(Clonetech社)、KOD-Plus-Mutagenesis Kit(東洋紡社)等の市販のキットを利用することもできる。また、ランダムな遺伝子変異を与えた後、適当な方法により酵素活性の評価及び遺伝子解析を行うことにより目的遺伝子を取得することもできる。
ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ遺伝子の取得方法としては、特に制限されず、通常の遺伝子工学的手法により得ることができる。例えば、配列番号1に示すアミノ酸配列又は配列番号2に示す塩基配列に基づいて、ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ遺伝子を人工合成により取得することができる。遺伝子の人工合成は、例えば、インビトロジェン社等のサービスを利用することができる。また、ナンノクロロプシス オキュラータからクローニングによって取得することもでき、例えば、Molecular Cloning−A LABORATORY MANUAL THIRD EDITION[Joseph Sambrook,David W. Russell,Cold Spring Harbor Laboratory Press(2001)]記載の方法等により行うことができる。
3.アシル−ACPチオエステラーゼ
本発明の形質転換体は、前記(A)又は(B)のタンパク質をコードする遺伝子と共に、トリアシルグリセロールやラウリン酸の合成に関与する他の酵素をコードする遺伝子を共導入してなることが好ましい。トリアシルグリセロールやラウリン酸の合成に関与する他の酵素としては、例えば、リゾホスファチジン酸アシルトランスフェラーゼ、β−ケトアシル−ACPシンターゼ、アシル−ACPチオエステラーゼが挙げられる。
リゾホスファチジン酸アシルトランスフェラーゼは、トリアシルグリセロール合成の中間反応を触媒する酵素であり、リゾホスファチジン酸に対して特定のアシル−CoAからアシル基を転移してホスファチジン酸を合成する。
β−ケトアシル−ACPシンターゼは、脂肪酸合成経路においてマロニルACPとアシルACPの脱炭酸縮合反応を触媒する酵素である。脂肪酸合成経路では、マロニル−ACPを利用して炭素鎖の伸長反応を繰り返し、種々の鎖長のアシル−ACP(脂肪酸残基であるアシル基とACPとからなる複合体)が合成される。β−ケトアシル−ACPシンターゼは、当該経路においてアシル基の鎖長制御(アシル−ACPの鎖長をどこまで伸長させるか)を担う因子の一つである。
アシル−ACPチオエステラーゼは、脂肪酸合成系で合成されたアシル−ACPのチオエステル結合を加水分解し、遊離の脂肪酸を生成する酵素である。アシル−ACPチオエステラーゼの作用によって、ACP上での脂肪酸合成が終了し、切り出された脂肪酸はトリアシルグリセロール等の合成に供される。
宿主にDGAT遺伝子とともにこれらの酵素をコードする遺伝子を導入することで、形質転換体のトリアシルグリセロール生産性やラウリン酸の生産性を一層向上させることができる。
本発明の形質転換体は、前記(A)又は(B)のタンパク質をコードする遺伝子と共に、トリアシルグリセロールやラウリン酸の合成に関与する他の酵素をコードする遺伝子を共導入してなることが好ましい。トリアシルグリセロールやラウリン酸の合成に関与する他の酵素としては、例えば、リゾホスファチジン酸アシルトランスフェラーゼ、β−ケトアシル−ACPシンターゼ、アシル−ACPチオエステラーゼが挙げられる。
リゾホスファチジン酸アシルトランスフェラーゼは、トリアシルグリセロール合成の中間反応を触媒する酵素であり、リゾホスファチジン酸に対して特定のアシル−CoAからアシル基を転移してホスファチジン酸を合成する。
β−ケトアシル−ACPシンターゼは、脂肪酸合成経路においてマロニルACPとアシルACPの脱炭酸縮合反応を触媒する酵素である。脂肪酸合成経路では、マロニル−ACPを利用して炭素鎖の伸長反応を繰り返し、種々の鎖長のアシル−ACP(脂肪酸残基であるアシル基とACPとからなる複合体)が合成される。β−ケトアシル−ACPシンターゼは、当該経路においてアシル基の鎖長制御(アシル−ACPの鎖長をどこまで伸長させるか)を担う因子の一つである。
アシル−ACPチオエステラーゼは、脂肪酸合成系で合成されたアシル−ACPのチオエステル結合を加水分解し、遊離の脂肪酸を生成する酵素である。アシル−ACPチオエステラーゼの作用によって、ACP上での脂肪酸合成が終了し、切り出された脂肪酸はトリアシルグリセロール等の合成に供される。
宿主にDGAT遺伝子とともにこれらの酵素をコードする遺伝子を導入することで、形質転換体のトリアシルグリセロール生産性やラウリン酸の生産性を一層向上させることができる。
特に、本発明の形質転換体は、アシル−ACPチオエステラーゼをコードする遺伝子が共導入されていることが好ましい。
本発明で用いるアシル−ACPチオエステラーゼは、アシル−ACPチオエステラーゼ活性を有するタンパク質であればよい。本発明において、「アシル−ACPチオエステラーゼ活性を有する」とは、アシル−ACPのチオエステル結合を加水分解する活性を有することをいう。
本発明で用いるアシル−ACPチオエステラーゼは、アシル−ACPチオエステラーゼ活性を有するタンパク質であればよい。本発明において、「アシル−ACPチオエステラーゼ活性を有する」とは、アシル−ACPのチオエステル結合を加水分解する活性を有することをいう。
アシル−ACPチオエステラーゼは、基質であるアシル−ACPを構成するアシル基(脂肪酸残基)の炭素原子数や不飽和結合数によって異なる反応特異性を示す複数のアシル−ACPチオエステラーゼが存在していることが知られており、生体内での脂肪酸組成を決める重要なファクターであると考えられている。
上述のように、前記(A)のタンパク質は、ジアシルグリセロールにラウロイル基(C12:0)を選択的に取り込ませるジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼであるため、共導入するアシル−ACPチオエステラーゼも、中鎖アシル−ACPに特異的なチオエステラーゼ(以下、「中鎖特異的アシル−ACPチオエステラーゼ」という)が好ましく、ラウロイル−ACPに特異的なチオエステラーゼ(以下、「ラウロイル−ACP特異的チオエステラーゼ」ともいう)がさらに好ましい。本発明において「中鎖アシル−ACP特異的」なアシル−ACPチオエステラーゼとは、炭素数6〜14のアシル−ACPのチオエステル結合を選択的に加水分解する活性を有するアシル−ACPチオエステラーゼである。このようなアシル−ACPチオエステラーゼを用いることで、ラウリン酸の生産性を一層向上させることができる。
上述のように、前記(A)のタンパク質は、ジアシルグリセロールにラウロイル基(C12:0)を選択的に取り込ませるジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼであるため、共導入するアシル−ACPチオエステラーゼも、中鎖アシル−ACPに特異的なチオエステラーゼ(以下、「中鎖特異的アシル−ACPチオエステラーゼ」という)が好ましく、ラウロイル−ACPに特異的なチオエステラーゼ(以下、「ラウロイル−ACP特異的チオエステラーゼ」ともいう)がさらに好ましい。本発明において「中鎖アシル−ACP特異的」なアシル−ACPチオエステラーゼとは、炭素数6〜14のアシル−ACPのチオエステル結合を選択的に加水分解する活性を有するアシル−ACPチオエステラーゼである。このようなアシル−ACPチオエステラーゼを用いることで、ラウリン酸の生産性を一層向上させることができる。
本発明では、アシル−ACPチオエステラーゼとして、公知のアシル−ACPチオエステラーゼや、それらと機能的に均等なタンパク質を用いることができる。用いるアシル−ACPチオエステラーゼは、宿主の種類等に応じて適宜選択することができる。
具体的には、Umbellularia californicaアシル−ACPチオエステラーゼ(GenBank AAA34215.1);Cuphea calophylla subsp. mesostemonアシル−ACPチオエステラーゼ(GenBank ABB71581);Cocos nuciferaアシル−ACPチオエステラーゼ(CnFatB3:Jing et al. BMC Biochemistry 2011, 12:44参照);Cinnamomum camphoraアシル−ACPチオエステラーゼ(GenBank AAC49151.1);Myristica fragransアシル−ACPチオエステラーゼ(GenBank AAB71729);Myristica fragransアシル−ACPチオエステラーゼ(GenBank AAB71730);Cuphea lanceolataアシル−ACPチオエステラーゼ(GenBank CAA54060);Cuphea hookerianaアシル−ACPチオエステラーゼ(GenBank Q39513);Ulumus americanaアシル−ACPチオエステラーゼ(GenBank AAB71731);Sorghum bicolorアシル−ACPチオエステラーゼ(GenBank EER87824);Sorghum bicolorアシル−ACPチオエステラーゼ(GenBank EER88593);Cocos nuciferaアシル−ACPチオエステラーゼ(CnFatB1:Jing et al. BMC Biochemistry 2011, 12:44参照);Cocos nuciferaアシル−ACPチオエステラーゼ(CnFatB2:Jing et al. BMC Biochemistry 2011, 12:44参照);Cuphea viscosissimaアシル−ACPチオエステラーゼ(CvFatB1:Jing et al. BMC Biochemistry 2011, 12:44参照);Cuphea viscosissimaアシル−ACPチオエステラーゼ(CvFatB2:Jing et al. BMC Biochemistry 2011, 12:44参照);Cuphea viscosissimaアシル−ACPチオエステラーゼ(CvFatB3:Jing et al. BMC Biochemistry 2011, 12:44参照);Elaeis guineensisアシル−ACPチオエステラーゼ(GenBank AAD42220);Desulfovibrio vulgarisアシル−ACPチオエステラーゼ(GenBank ACL08376);Bacteriodes fragilisアシル−ACPチオエステラーゼ(GenBank CAH09236);Parabacteriodes distasonisアシル−ACPチオエステラーゼ(GenBank ABR43801);Bacteroides thetaiotaomicronアシル−ACPチオエステラーゼ(GenBank AAO77182);Clostridium asparagiformeアシル−ACPチオエステラーゼ(GenBank EEG55387);Bryanthella formatexigensアシル−ACPチオエステラーゼ(GenBank EET61113);Geobacillus sp.アシル−ACPチオエステラーゼ(GenBank EDV77528);Streptococcus dysgalactiaeアシル−ACPチオエステラーゼ(GenBank BAH81730);Lactobacillus brevisアシル−ACPチオエステラーゼ(GenBank ABJ63754);Lactobacillus plantarumアシル−ACPチオエステラーゼ(GenBank CAD63310);Anaerococcus tetradiusアシル−ACPチオエステラーゼ(GenBank EEI82564);Bdellovibrio bacteriovorusアシル−ACPチオエステラーゼ(GenBank CAE80300);Clostridium thermocellumアシル−ACPチオエステラーゼ(GenBank ABN54268);Nannochloropsis oculataアシル−ACPチオエステラーゼ(配列番号7、これをコードする遺伝子の塩基配列:配列番号8);Nannochloropsis gaditanaアシル−ACPチオエステラーゼ(配列番号9、これをコードする遺伝子の塩基配列:配列番号10);Nannochloropsis granulataアシル−ACPチオエステラーゼ(配列番号11、これをコードする遺伝子の塩基配列:配列番号12);Symbiodinium microadriaticumアシル−ACPチオエステラーゼ(配列番号13、これをコードする遺伝子の塩基配列:配列番号14)、等が挙げられる。
また、これらと機能的に均等なタンパク質として、上述したいずれかのアシル−ACPチオエステラーゼのアミノ酸配列と50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、よりさらに好ましくは95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつアシル−ACPチオエステラーゼ活性を有するタンパク質も用いることができる。
具体的には、Umbellularia californicaアシル−ACPチオエステラーゼ(GenBank AAA34215.1);Cuphea calophylla subsp. mesostemonアシル−ACPチオエステラーゼ(GenBank ABB71581);Cocos nuciferaアシル−ACPチオエステラーゼ(CnFatB3:Jing et al. BMC Biochemistry 2011, 12:44参照);Cinnamomum camphoraアシル−ACPチオエステラーゼ(GenBank AAC49151.1);Myristica fragransアシル−ACPチオエステラーゼ(GenBank AAB71729);Myristica fragransアシル−ACPチオエステラーゼ(GenBank AAB71730);Cuphea lanceolataアシル−ACPチオエステラーゼ(GenBank CAA54060);Cuphea hookerianaアシル−ACPチオエステラーゼ(GenBank Q39513);Ulumus americanaアシル−ACPチオエステラーゼ(GenBank AAB71731);Sorghum bicolorアシル−ACPチオエステラーゼ(GenBank EER87824);Sorghum bicolorアシル−ACPチオエステラーゼ(GenBank EER88593);Cocos nuciferaアシル−ACPチオエステラーゼ(CnFatB1:Jing et al. BMC Biochemistry 2011, 12:44参照);Cocos nuciferaアシル−ACPチオエステラーゼ(CnFatB2:Jing et al. BMC Biochemistry 2011, 12:44参照);Cuphea viscosissimaアシル−ACPチオエステラーゼ(CvFatB1:Jing et al. BMC Biochemistry 2011, 12:44参照);Cuphea viscosissimaアシル−ACPチオエステラーゼ(CvFatB2:Jing et al. BMC Biochemistry 2011, 12:44参照);Cuphea viscosissimaアシル−ACPチオエステラーゼ(CvFatB3:Jing et al. BMC Biochemistry 2011, 12:44参照);Elaeis guineensisアシル−ACPチオエステラーゼ(GenBank AAD42220);Desulfovibrio vulgarisアシル−ACPチオエステラーゼ(GenBank ACL08376);Bacteriodes fragilisアシル−ACPチオエステラーゼ(GenBank CAH09236);Parabacteriodes distasonisアシル−ACPチオエステラーゼ(GenBank ABR43801);Bacteroides thetaiotaomicronアシル−ACPチオエステラーゼ(GenBank AAO77182);Clostridium asparagiformeアシル−ACPチオエステラーゼ(GenBank EEG55387);Bryanthella formatexigensアシル−ACPチオエステラーゼ(GenBank EET61113);Geobacillus sp.アシル−ACPチオエステラーゼ(GenBank EDV77528);Streptococcus dysgalactiaeアシル−ACPチオエステラーゼ(GenBank BAH81730);Lactobacillus brevisアシル−ACPチオエステラーゼ(GenBank ABJ63754);Lactobacillus plantarumアシル−ACPチオエステラーゼ(GenBank CAD63310);Anaerococcus tetradiusアシル−ACPチオエステラーゼ(GenBank EEI82564);Bdellovibrio bacteriovorusアシル−ACPチオエステラーゼ(GenBank CAE80300);Clostridium thermocellumアシル−ACPチオエステラーゼ(GenBank ABN54268);Nannochloropsis oculataアシル−ACPチオエステラーゼ(配列番号7、これをコードする遺伝子の塩基配列:配列番号8);Nannochloropsis gaditanaアシル−ACPチオエステラーゼ(配列番号9、これをコードする遺伝子の塩基配列:配列番号10);Nannochloropsis granulataアシル−ACPチオエステラーゼ(配列番号11、これをコードする遺伝子の塩基配列:配列番号12);Symbiodinium microadriaticumアシル−ACPチオエステラーゼ(配列番号13、これをコードする遺伝子の塩基配列:配列番号14)、等が挙げられる。
また、これらと機能的に均等なタンパク質として、上述したいずれかのアシル−ACPチオエステラーゼのアミノ酸配列と50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、よりさらに好ましくは95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつアシル−ACPチオエステラーゼ活性を有するタンパク質も用いることができる。
上述したアシル−ACPチオエステラーゼの中でも、中鎖特異的アシル−ACPチオエステラーゼがより好ましく、具体的には、Umbellularia californicaアシル−ACPチオエステラーゼ(配列番号3、これをコードする遺伝子の塩基配列:配列番号4)、Cocos nuciferaアシル−ACPチオエステラーゼ(配列番号5、これをコードする遺伝子の塩基配列:配列番号6)、Nannochloropsis oculataアシル−ACPチオエステラーゼ(配列番号7)、Nannochloropsis gaditanaアシル−ACPチオエステラーゼ(配列番号9)、Nannochloropsis granulataアシル−ACPチオエステラーゼ(配列番号11)、Symbiodinium microadriaticumアシル−ACPチオエステラーゼ(配列番号13)、又はこれらのアシル−ACPチオエステラーゼのアミノ酸配列と50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、よりさらに好ましくは95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ中鎖特異的アシル−ACPチオエステラーゼ活性を有するタンパク質が挙げられる。
さらに、ラウロイル−ACPに高い特異性を有する、Umbellularia californicaアシル−ACPチオエステラーゼ(配列番号3)、Symbiodinium microadriaticumアシル−ACPチオエステラーゼ(配列番号13)又は、これらのアシル−ACPチオエステラーゼのアミノ酸配列と50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、よりさらに好ましくは95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつアシル−ACPチオエステラーゼ活性を有するタンパク質がより好ましい。
これらのアシル−ACPチオエステラーゼ及びそれらをコードする遺伝子の配列情報等は、例えば、国立生物工学情報センター(National Center for Biotechnology Information, NCBI)などから入手することができる。
さらに、ラウロイル−ACPに高い特異性を有する、Umbellularia californicaアシル−ACPチオエステラーゼ(配列番号3)、Symbiodinium microadriaticumアシル−ACPチオエステラーゼ(配列番号13)又は、これらのアシル−ACPチオエステラーゼのアミノ酸配列と50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、よりさらに好ましくは95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつアシル−ACPチオエステラーゼ活性を有するタンパク質がより好ましい。
これらのアシル−ACPチオエステラーゼ及びそれらをコードする遺伝子の配列情報等は、例えば、国立生物工学情報センター(National Center for Biotechnology Information, NCBI)などから入手することができる。
上述した各アシル−ACPチオエステラーゼのアミノ酸配列が葉緑体移行シグナル配列を有している場合、当該シグナル配列を削除して宿主に導入してもよい。例えば、宿主に外来のアシル−ACPチオエステラーゼ遺伝子を導入する場合、当該遺伝子の塩基配列から葉緑体移行シグナル配列に相当する領域の配列を削除した塩基配列からなるDNAを用いることが好ましい。
アシル−ACPチオエステラーゼの葉緑体移行シグナル配列の例として、配列番号3の1〜83位のアミノ酸配列、又はこれに相当する領域が挙げられる。
本明細書において、アミノ酸配列または塩基配列における「相当する位置」または「相当する領域」は、目的アミノ酸配列を参照配列と比較し、各アミノ酸配列中に存在する保存アミノ酸残基に最大の相同性を与えるように配列を整列(アラインメント)させることにより決定することができる。アラインメントは、公知のアルゴリズムを用いて実行することができ、その手順は当業者に公知である。例えば、アラインメントは、上述のリップマン−パーソン法等に基づいて手作業で行うこともできるが、Clustal Wマルチプルアラインメントプログラム(Thompson,J.D.et al,(1994)Nucleic Acids Res.22,p.4673−4680)をデフォルト設定で用いることにより行うことができる。Clustal Wは、例えば、欧州バイオインフォマティクス研究所(European Bioinformatics Institute:EBI,[www.ebi.ac.uk/index.html])や、国立遺伝学研究所が運営する日本DNAデータバンク(DDBJ,[www.ddbj.nig.ac.jp/Welcome−j.html])のウェブサイト上で利用することができる。
アシル−ACPチオエステラーゼの葉緑体移行シグナル配列の例として、配列番号3の1〜83位のアミノ酸配列、又はこれに相当する領域が挙げられる。
本明細書において、アミノ酸配列または塩基配列における「相当する位置」または「相当する領域」は、目的アミノ酸配列を参照配列と比較し、各アミノ酸配列中に存在する保存アミノ酸残基に最大の相同性を与えるように配列を整列(アラインメント)させることにより決定することができる。アラインメントは、公知のアルゴリズムを用いて実行することができ、その手順は当業者に公知である。例えば、アラインメントは、上述のリップマン−パーソン法等に基づいて手作業で行うこともできるが、Clustal Wマルチプルアラインメントプログラム(Thompson,J.D.et al,(1994)Nucleic Acids Res.22,p.4673−4680)をデフォルト設定で用いることにより行うことができる。Clustal Wは、例えば、欧州バイオインフォマティクス研究所(European Bioinformatics Institute:EBI,[www.ebi.ac.uk/index.html])や、国立遺伝学研究所が運営する日本DNAデータバンク(DDBJ,[www.ddbj.nig.ac.jp/Welcome−j.html])のウェブサイト上で利用することができる。
本発明で用いるアシル−ACPチオエステラーゼとしてさらに好ましくは、下記(C)又は(D)のタンパク質である。
(C) 配列番号3の84位〜382位までのアミノ酸配列からなるタンパク質
(D)(C)のタンパク質のアミノ酸配列と70%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつアシル−ACPチオエステラーゼ活性を有するタンパク質
(C) 配列番号3の84位〜382位までのアミノ酸配列からなるタンパク質
(D)(C)のタンパク質のアミノ酸配列と70%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつアシル−ACPチオエステラーゼ活性を有するタンパク質
前記(D)において、アシル−ACPチオエステラーゼ活性の点から、(C)のタンパク質のアミノ酸配列との同一性は、80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましく、95%以上であることがよりさらに好ましく、96%以上、97%以上、98%以上又は99%以上であることが特に好ましい。
また、(D)のタンパク質のアミノ酸配列として、(C)のタンパク質のアミノ酸配列に変異を導入したアミノ酸配列、すなわち、(C)のタンパク質のアミノ酸配列において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入、又は付加されたアミノ酸配列も好ましい。1又は数個の変異アミノ酸は、アシル−ACPチオエステラーゼ活性の点から、1〜50個であることが好ましく、1〜20個がより好ましく、1〜10個がさらに好ましく、1〜5個がよりさらに好ましく、1〜2個が特に好ましい。
前記(C)又は(D)のタンパク質をコードする遺伝子の一例として、下記(c)又は(d)のDNAからなる遺伝子が挙げられる。
(c)配列番号4の250位〜1149位までの塩基配列からなるDNA
(d)(c)のDNAの塩基配列と70%以上の同一性を有する塩基配列からなり、かつアシル−ACPチオエステラーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNA
(c)配列番号4の250位〜1149位までの塩基配列からなるDNA
(d)(c)のDNAの塩基配列と70%以上の同一性を有する塩基配列からなり、かつアシル−ACPチオエステラーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNA
前記(d)において、アシル−ACPチオエステラーゼ活性の点から、(c)のDNAの塩基配列との同一性は80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましく、95%以上であることがよりさらに好ましく、96%以上、97%以上、98%以上又は99%以上であることが特に好ましい。
また、(d)の塩基配列として、(c)のDNAの塩基配列に変異を導入した塩基配列、すなわち、(c)のDNAの塩基配列において1又は数個の塩基が欠失、置換、挿入、又は付加された塩基配列も好ましい。1又は数個の変異塩基は、アシル−ACPチオエステラーゼ活性の点から、1〜20個であることが好ましく、1〜10個がより好ましく、1〜5個がさらに好ましく、1〜3個がよりさらに好ましく、1〜2個が特に好ましい。
また、(d)の塩基配列として、(c)のDNAの塩基配列に変異を導入した塩基配列、すなわち、(c)のDNAの塩基配列において1又は数個の塩基が欠失、置換、挿入、又は付加された塩基配列も好ましい。1又は数個の変異塩基は、アシル−ACPチオエステラーゼ活性の点から、1〜20個であることが好ましく、1〜10個がより好ましく、1〜5個がさらに好ましく、1〜3個がよりさらに好ましく、1〜2個が特に好ましい。
タンパク質がアシル−ACPチオエステラーゼ活性又は中鎖特異的アシル−ACPチオエステラーゼ活性を有することは、例えば、大腸菌等の宿主細胞内で機能するプロモーターの下流にアシル−ACPチオエステラーゼ遺伝子を連結した融合遺伝子を脂肪酸分解系が欠損した宿主細胞へ導入し、導入したアシル−ACPチオエステラーゼ遺伝子が発現する条件で培養して、宿主細胞又は培養液中の脂肪酸組成の変化をガスクロマトグラフィー解析等の方法を用いて分析することにより、確認することができる。
また、大腸菌等の宿主細胞内で機能するプロモーターの下流にアシル−ACPチオエステラーゼ遺伝子を連結した融合遺伝子を宿主細胞へ導入し、導入したアシル−ACPチオエステラーゼ遺伝子が発現する条件で細胞を培養した後、細胞の破砕液に対し、Yuanらの方法(Yuan L, Voelker TA, Hawkins DJ. “Modification of the substrate specificity of an acyl-acyl carrier protein thioesterase by protein engineering” Proc Natl Acad Sci U S A. 1995 Nov 7;92(23), p.10639-10643)によって調製した各種アシル−ACPを基質とした反応を行うことにより、アシル−ACPチオエステラーゼ活性を測定することができる。
また、大腸菌等の宿主細胞内で機能するプロモーターの下流にアシル−ACPチオエステラーゼ遺伝子を連結した融合遺伝子を宿主細胞へ導入し、導入したアシル−ACPチオエステラーゼ遺伝子が発現する条件で細胞を培養した後、細胞の破砕液に対し、Yuanらの方法(Yuan L, Voelker TA, Hawkins DJ. “Modification of the substrate specificity of an acyl-acyl carrier protein thioesterase by protein engineering” Proc Natl Acad Sci U S A. 1995 Nov 7;92(23), p.10639-10643)によって調製した各種アシル−ACPを基質とした反応を行うことにより、アシル−ACPチオエステラーゼ活性を測定することができる。
アシル−ACPチオエステラーゼ、及びそれらをコードする遺伝子の取得方法については特に制限はなく、通常行われる化学的或いは遺伝子工学的手法等により得ることができる。例えば、各アミノ酸又は塩基配列に基づいて、人工的に合成することができる。また、生物から通常の方法に従って単離してもよい。遺伝子クローニングは、例えば、Molecular Cloning−A LABORATORY MANUAL THIRD EDITION[Joseph Sambrook,David W. Russell,Cold Spring Harbor Laboratory Press(2001)]記載の方法等により行うことができる。
4.形質転換体(組換え体)
本発明の形質転換体は、宿主に前記(A)又は(B)のタンパク質をコードする遺伝子を導入してなり、好ましくは、宿主に前記(A)又は(B)のタンパク質をコードする遺伝子とアシル−ACPチオエステラーゼをコードする遺伝子とを共導入してなる。当該形質転換体では、宿主に比べ、ラウリン酸を構成脂肪酸として含有するトリアシルグリセロール(ラウロイル基を有するトリアシルグリセロール)の生産能が有意に向上する。そのため、トリアシルグリセロールから得られるラウリン酸の量が増加する。したがって、当該形質転換体を用いることで、ラウリン酸を効率的に製造することができる。
なお、宿主や形質転換体のラウリン酸やトリアシルグリセロールの生産性、トリアシルグリセロールを構成する脂肪酸の組成については、実施例で用いた方法により測定することができる。
本発明の形質転換体は、宿主に前記(A)又は(B)のタンパク質をコードする遺伝子を導入してなり、好ましくは、宿主に前記(A)又は(B)のタンパク質をコードする遺伝子とアシル−ACPチオエステラーゼをコードする遺伝子とを共導入してなる。当該形質転換体では、宿主に比べ、ラウリン酸を構成脂肪酸として含有するトリアシルグリセロール(ラウロイル基を有するトリアシルグリセロール)の生産能が有意に向上する。そのため、トリアシルグリセロールから得られるラウリン酸の量が増加する。したがって、当該形質転換体を用いることで、ラウリン酸を効率的に製造することができる。
なお、宿主や形質転換体のラウリン酸やトリアシルグリセロールの生産性、トリアシルグリセロールを構成する脂肪酸の組成については、実施例で用いた方法により測定することができる。
本発明の形質転換体は、前記(A)又は(B)のタンパク質をコードする遺伝子を、通常の遺伝子工学的方法によって宿主に導入することで得られる。具体的には、前記(A)又は(B)のタンパク質をコードする遺伝子、好ましくは前記(a)又は(b)のDNAからなる遺伝子を宿主細胞中で発現させることのできる発現ベクターや遺伝子発現カセットを調製し、これを宿主細胞に導入して宿主細胞を形質転換させることにより作製できる。
アシル−ACPチオエステラーゼ、好ましくは中鎖特異的アシル−ACPチオエステラーゼをコードする遺伝子を共導入した形質転換体も、同様にして作製することができる。
形質転換体の宿主としては特に限定されず、微生物、植物体、又は動物体を用いることができる。なお、本発明において微生物には藻類や微細藻類が含まれる。ラウリン酸の製造効率や利用性の点から、宿主は微生物又は植物体であることが好ましく、微生物であることがより好ましい。
前記微生物は原核生物、真核生物のいずれであってもよい。
原核生物として、エシェリキア(Escherichia)属に属する微生物やバシラス(Bacillus)属に属する微生物等を用いることができる。
真核微生物として、酵母や糸状菌等を用いることができ、サッカマイセス(Saccharomyces)属、クリベロマイセス(Kluyveromyces)属、シゾサッカロマイセス(Schizosaccharomyces)属、チゴサッカロマイセス(Zygosaccharomyces)属、ヤロウイア(Yarrowia)属、ハンゼヌラ(Hansenula)属、ピキア(Pichia)属、キャンディダ(Candida)属、又はモルチエラ(Mortierella)属に属する微生物を用いることが好ましい。なかでも、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、ヤロウイア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)、赤色酵母(Rhodosporidium toruloides)、またはモルチエラ・アルピナ(Mortierella alpina)がより好ましく、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)がさらに好ましい。
前記微生物は原核生物、真核生物のいずれであってもよい。
原核生物として、エシェリキア(Escherichia)属に属する微生物やバシラス(Bacillus)属に属する微生物等を用いることができる。
真核微生物として、酵母や糸状菌等を用いることができ、サッカマイセス(Saccharomyces)属、クリベロマイセス(Kluyveromyces)属、シゾサッカロマイセス(Schizosaccharomyces)属、チゴサッカロマイセス(Zygosaccharomyces)属、ヤロウイア(Yarrowia)属、ハンゼヌラ(Hansenula)属、ピキア(Pichia)属、キャンディダ(Candida)属、又はモルチエラ(Mortierella)属に属する微生物を用いることが好ましい。なかでも、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、ヤロウイア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)、赤色酵母(Rhodosporidium toruloides)、またはモルチエラ・アルピナ(Mortierella alpina)がより好ましく、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)がさらに好ましい。
また、前記微生物としては、微細藻類も好ましい。微細藻類としては、遺伝子組換え手法が確立している観点から、クラミドモナス(Chlamydomonas)属に属する藻類、クロレラ(Chlorella)属に属する藻類、ファエオダクティラム(Phaeodactylum)属に属する藻類、又はナンノクロロプシス属に属する藻類が好ましく、ナンノクロロプシス属に属する藻類がより好ましい。ナンノクロロプシス属に属する藻類として具体的には、Nannochloropsis oculata、Nannochloropsis gaditana、Nannochloropsis salina、Nannochloropsis oceanica、Nannochloropsis atomus、Nannochloropsis maculata、Nannochloropsis granulata、又はNannochloropsis sp.、等が挙げられる。なかでも、ラウリン酸生産性の観点から、Nannochloropsis oculata、又はNannochloropsis gaditanaが好ましく、Nannochloropsis oculataがより好ましい。
前記植物体としては、種子に脂質を高含有する観点から、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)、ナタネ、ココヤシ、パーム、クフェア、スナモモ、ダイズ、トウモロコシ、イネ、ヒマワリ、クスノキ、又はヤトロファが好ましく、シロイヌナズナがより好ましい。
前記植物体としては、種子に脂質を高含有する観点から、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)、ナタネ、ココヤシ、パーム、クフェア、スナモモ、ダイズ、トウモロコシ、イネ、ヒマワリ、クスノキ、又はヤトロファが好ましく、シロイヌナズナがより好ましい。
発現ベクターの母体となるベクターとしては、前記(A)又は(B)のタンパク質をコードする遺伝子やアシル−ACPチオエステラーゼ遺伝子を宿主に導入することができ、宿主細胞内で当該遺伝子を発現可能なベクターであればよい。例えば、導入する宿主の種類に応じたプロモーターやターミネーター等の発現調節領域を有するベクターであって、複製開始点や選択マーカー等を有するベクターを用いることができる。また、プラスミド等の染色体外で自立増殖・複製するベクターであってもよいし、染色体内に組み込まれるベクターであってもよい。
具体的なベクターとしては、微生物を宿主とする場合には、例えば、pBluescript(pBS) II SK(-)(Stratagene社製)、pSTV系ベクター(タカラバイオ社製)、pUC系ベクター(宝酒造社製)、pET系ベクター(タカラバイオ社製)、pGEX系ベクター(GEヘルスケア社製)、pCold系ベクター(タカラバイオ社製)、pHY300PLK(タカラバイオ社製)、pUB110(Mckenzie,T. et al.,(1986),Plasmid 15(2);p.93-103)、pBR322(タカラバイオ社製)、pRS403(ストラタジーン社製)、又はpMW218/219(ニッポンジーン社製)が挙げられる。
藻類を宿主とする場合には、例えば、pUC19(タカラバイオ社製)、P66(Chlamydomonas Center)、P-322(Chlamydomonas Center)、pPha-T1(Yangmin Gong, Xiaojing Guo, Xia Wan, Zhuo Liang, Mulan Jiang, “Characterization of a novel thioesterase (PtTE) from Phaeodactylum tricornutum”, Journal of Basic Microbiology, 2011 December, Volume 51, p.666-672.参照)、又はpJET1(コスモ・バイオ社製)が挙げられる。特に、宿主がナンノクロロプシス属に属する藻類の場合は、pPha-T1、又はpJET1が好ましく用いられる。また、宿主がナンノクロロプシス属に属する藻類の場合には、Oliver Kilian, et al., Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, Dec 27;108(52), 2011、の文献記載の方法を参考にして、本発明の遺伝子、プロモーター及びターミネーターからなるDNA断片を用いて宿主を形質転換することもできる。このDNA断片としては、例えば、PCR増幅DNA断片や制限酵素切断DNA断片が挙げられる。
植物細胞を宿主とする場合には、例えば、pRI系ベクター(タカラバイオ社製)、pBI系ベクター(クロンテック社製)、又はIN3系ベクター(インプランタイノベーションズ社製)が挙げられる。特に、宿主がシロイヌナズナの場合は、pRI系ベクター又はpBI系ベクターが好ましく用いられる。
具体的なベクターとしては、微生物を宿主とする場合には、例えば、pBluescript(pBS) II SK(-)(Stratagene社製)、pSTV系ベクター(タカラバイオ社製)、pUC系ベクター(宝酒造社製)、pET系ベクター(タカラバイオ社製)、pGEX系ベクター(GEヘルスケア社製)、pCold系ベクター(タカラバイオ社製)、pHY300PLK(タカラバイオ社製)、pUB110(Mckenzie,T. et al.,(1986),Plasmid 15(2);p.93-103)、pBR322(タカラバイオ社製)、pRS403(ストラタジーン社製)、又はpMW218/219(ニッポンジーン社製)が挙げられる。
藻類を宿主とする場合には、例えば、pUC19(タカラバイオ社製)、P66(Chlamydomonas Center)、P-322(Chlamydomonas Center)、pPha-T1(Yangmin Gong, Xiaojing Guo, Xia Wan, Zhuo Liang, Mulan Jiang, “Characterization of a novel thioesterase (PtTE) from Phaeodactylum tricornutum”, Journal of Basic Microbiology, 2011 December, Volume 51, p.666-672.参照)、又はpJET1(コスモ・バイオ社製)が挙げられる。特に、宿主がナンノクロロプシス属に属する藻類の場合は、pPha-T1、又はpJET1が好ましく用いられる。また、宿主がナンノクロロプシス属に属する藻類の場合には、Oliver Kilian, et al., Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, Dec 27;108(52), 2011、の文献記載の方法を参考にして、本発明の遺伝子、プロモーター及びターミネーターからなるDNA断片を用いて宿主を形質転換することもできる。このDNA断片としては、例えば、PCR増幅DNA断片や制限酵素切断DNA断片が挙げられる。
植物細胞を宿主とする場合には、例えば、pRI系ベクター(タカラバイオ社製)、pBI系ベクター(クロンテック社製)、又はIN3系ベクター(インプランタイノベーションズ社製)が挙げられる。特に、宿主がシロイヌナズナの場合は、pRI系ベクター又はpBI系ベクターが好ましく用いられる。
発現ベクターや遺伝子発現カセットに用いるプロモーターやターミネーター等の発現調節領域や選択マーカーの種類も特に限定されず、通常使用されるプロモーターやマーカー等を導入する宿主の種類に応じて適宜選択して用いることができる。
具体的なプロモーターとしては、例えば、lacプロモーター、trpプロモーター、tacプロモーター、trcプロモーター、T7プロモーター、SpoVGプロモーター、カリフラワーモザイルウイルス35SRNAプロモーター、ハウスキーピング遺伝子プロモーター(例えば、チューブリンプロモーター、アクチンプロモーター、ユビキチンプロモーター等)、ナタネ由来Napin遺伝子プロモーター、植物由来Rubiscoプロモーター、又はナンノクロロプシス属由来のビオラキサンチン/クロロフィルa結合タンパク質遺伝子のプロモーターが挙げられる。
また、選択マーカーとしては、抗生物質耐性遺伝子(アンピシリン耐性遺伝子、クロラムフェニコール耐性遺伝子、エリスロマイシン耐性遺伝子、ネオマイシン耐性遺伝子、カナマイシン耐性遺伝子、スペクチノマイシン耐性遺伝子、テトラサイクリン耐性遺伝子、ブラストサイジンS耐性遺伝子、ビアラホス耐性遺伝子、ゼオシン耐性遺伝子、パロモマイシン耐性遺伝子、又はハイグロマイシン耐性遺伝子)等の薬剤耐性遺伝子が挙げられる。さらに、栄養要求性に関連する遺伝子の欠損等を選択マーカー遺伝子として使用することも可能である。
具体的なプロモーターとしては、例えば、lacプロモーター、trpプロモーター、tacプロモーター、trcプロモーター、T7プロモーター、SpoVGプロモーター、カリフラワーモザイルウイルス35SRNAプロモーター、ハウスキーピング遺伝子プロモーター(例えば、チューブリンプロモーター、アクチンプロモーター、ユビキチンプロモーター等)、ナタネ由来Napin遺伝子プロモーター、植物由来Rubiscoプロモーター、又はナンノクロロプシス属由来のビオラキサンチン/クロロフィルa結合タンパク質遺伝子のプロモーターが挙げられる。
また、選択マーカーとしては、抗生物質耐性遺伝子(アンピシリン耐性遺伝子、クロラムフェニコール耐性遺伝子、エリスロマイシン耐性遺伝子、ネオマイシン耐性遺伝子、カナマイシン耐性遺伝子、スペクチノマイシン耐性遺伝子、テトラサイクリン耐性遺伝子、ブラストサイジンS耐性遺伝子、ビアラホス耐性遺伝子、ゼオシン耐性遺伝子、パロモマイシン耐性遺伝子、又はハイグロマイシン耐性遺伝子)等の薬剤耐性遺伝子が挙げられる。さらに、栄養要求性に関連する遺伝子の欠損等を選択マーカー遺伝子として使用することも可能である。
また、アシル−ACPチオエステラーゼ遺伝子発現ベクターは、葉緑体移行シグナル配列を備えていることが好ましい。当該葉緑体移行シグナル配列は、宿主細胞で機能する葉緑体移行シグナル配列を用いることが好ましい。例えば、宿主としてナンノクロロプシス属に属する藻類を用いる場合には、Nannochloropsis oculata由来の葉緑体移行シグナル配列(配列番号18)を用いることができる。葉緑体移行シグナル配列は、アシル−ACPチオエステラーゼ遺伝子の上流に組み込まれることが好ましい。
上記ベクターに前記(A)又は(B)のタンパク質をコードする遺伝子やアシル−ACPチオエステラーゼ遺伝子を、制限酵素処理やライゲーション等の通常の手法によって組み込むことにより形質転換に用いる発現ベクターを構築することができる。
形質転換方法としては、宿主に目的遺伝子を導入しうる方法であれば特に限定されるものではない。例えば、カルシウムイオンを用いる方法、一般的なコンピテントセル形質転換方法(J.Bacterial.93,1925(1967))、プロトプラスト形質転換法(Mol.Gen.Genet.168,111(1979))、エレクトロポレーション法(FEMS Microbiol.Lett.55,135(1990))又はLP形質転換方法(T.Akamatsu及びJ.Sekiguchi,Archives of Microbiology,1987,146,p.353-357;T.Akamatsu及びH.Taguchi,Bioscience,Biotechnology,and Biochemistry,2001,65,4,p.823-829)等を用いることができる。宿主がナンノクロロプシス属に属する藻類の場合、Randor Radakovits, et al., Nature Communications, DOI:10.1038/ncomms1688, 2012、に記載のエレクトロポレーション法を用いて形質転換を行うこともできる。宿主が植物の場合、アグロバクテリウムを用いた方法(C. R. Acad. Sci. Paris. Life Science 316, 1194(1993)等)、パーティクルガン法(BioRad社PDS-1000/He等)等を用いることができる。
形質転換方法としては、宿主に目的遺伝子を導入しうる方法であれば特に限定されるものではない。例えば、カルシウムイオンを用いる方法、一般的なコンピテントセル形質転換方法(J.Bacterial.93,1925(1967))、プロトプラスト形質転換法(Mol.Gen.Genet.168,111(1979))、エレクトロポレーション法(FEMS Microbiol.Lett.55,135(1990))又はLP形質転換方法(T.Akamatsu及びJ.Sekiguchi,Archives of Microbiology,1987,146,p.353-357;T.Akamatsu及びH.Taguchi,Bioscience,Biotechnology,and Biochemistry,2001,65,4,p.823-829)等を用いることができる。宿主がナンノクロロプシス属に属する藻類の場合、Randor Radakovits, et al., Nature Communications, DOI:10.1038/ncomms1688, 2012、に記載のエレクトロポレーション法を用いて形質転換を行うこともできる。宿主が植物の場合、アグロバクテリウムを用いた方法(C. R. Acad. Sci. Paris. Life Science 316, 1194(1993)等)、パーティクルガン法(BioRad社PDS-1000/He等)等を用いることができる。
目的遺伝子断片が導入された形質転換体の選択は、選択マーカー等を利用することで行うことができる。例えば、ベクター由来の薬剤耐性遺伝子が、形質転換時に目的DNA断片とともに宿主細胞中に導入された結果、形質転換体が獲得する薬剤耐性を指標に行うことができる。また、ゲノムを鋳型としたPCR法等によって、目的DNA断片の導入を確認することもできる。
5.ラウリン酸及びトリアシルグリセロールの製造方法
次いで、上記で得られた形質転換体を用いてラウリン酸、又はラウリン酸を構成成分とするトリアシルグリセロールを生産する。
本発明のラウリン酸の製造方法は、前記(A)又は(B)のタンパク質をコードする遺伝子及びアシル−ACPチオエステラーゼをコードする遺伝子を共導入した形質転換体からラウリン酸を採取する工程を含む。当該工程は、ラウリン酸の生産性向上の観点から、前記形質転換体を適切な条件にて培養して培養物を得る工程、及び得られた培養物からラウリン酸を採取する工程を含むことが好ましい。なお、本発明において形質転換体を培養するとは、微生物、植物体、動物体、及びそれらの細胞や組織を培養、生育することをいい、植物体を土壌等で栽培することも含まれる。また、培養物には、培養液はもちろん、培養等した後の形質転換体そのものも含まれる。
また、形質転換体からラウリン酸を採取する工程は、形質転換体からトリアシルグリセロールを採取する工程、及び得られたトリアシルグリセロールからラウリン酸を含む脂肪酸混合物を採取する工程を含むことが好ましい。本発明の形質転換体では、ラウリン酸は主に、ラウリン酸を構成成分とするトリアシルグリセロールとして得られる。このトリアシルグリセロールに加水分解等の処理を施すことで、ラウリン酸を含む脂肪酸混合物が得られる。脂肪酸混合物からさらにラウリン酸を単離してもよい。
上記観点から本発明は、前記本発明の形質転換体からトリアシルグリセロールを採取する工程を含む、トリアシルグリセロールの製造方法を提供することができる。当該工程は、前記形質転換体を適切な条件にて培養して培養物を得る工程、及び得られた培養物からトリアシルグリセロールを採取する工程を含むことが好ましい。
次いで、上記で得られた形質転換体を用いてラウリン酸、又はラウリン酸を構成成分とするトリアシルグリセロールを生産する。
本発明のラウリン酸の製造方法は、前記(A)又は(B)のタンパク質をコードする遺伝子及びアシル−ACPチオエステラーゼをコードする遺伝子を共導入した形質転換体からラウリン酸を採取する工程を含む。当該工程は、ラウリン酸の生産性向上の観点から、前記形質転換体を適切な条件にて培養して培養物を得る工程、及び得られた培養物からラウリン酸を採取する工程を含むことが好ましい。なお、本発明において形質転換体を培養するとは、微生物、植物体、動物体、及びそれらの細胞や組織を培養、生育することをいい、植物体を土壌等で栽培することも含まれる。また、培養物には、培養液はもちろん、培養等した後の形質転換体そのものも含まれる。
また、形質転換体からラウリン酸を採取する工程は、形質転換体からトリアシルグリセロールを採取する工程、及び得られたトリアシルグリセロールからラウリン酸を含む脂肪酸混合物を採取する工程を含むことが好ましい。本発明の形質転換体では、ラウリン酸は主に、ラウリン酸を構成成分とするトリアシルグリセロールとして得られる。このトリアシルグリセロールに加水分解等の処理を施すことで、ラウリン酸を含む脂肪酸混合物が得られる。脂肪酸混合物からさらにラウリン酸を単離してもよい。
上記観点から本発明は、前記本発明の形質転換体からトリアシルグリセロールを採取する工程を含む、トリアシルグリセロールの製造方法を提供することができる。当該工程は、前記形質転換体を適切な条件にて培養して培養物を得る工程、及び得られた培養物からトリアシルグリセロールを採取する工程を含むことが好ましい。
形質転換体の培養条件は、形質転換体の宿主に応じて適宜選択することができ、その宿主に対して通常用いられる培養条件を使用できる。
また、ラウリン酸やトリアシルグリセロールの生産効率の点から、培地中に、例えば脂肪酸生合成系に関与する前駆物質としてグリセロール、酢酸、又はマロン酸等を添加してもよい。
また、ラウリン酸やトリアシルグリセロールの生産効率の点から、培地中に、例えば脂肪酸生合成系に関与する前駆物質としてグリセロール、酢酸、又はマロン酸等を添加してもよい。
一例として、酵母を宿主として用いた形質転換体の場合、YPG培地又はSD培地で、25〜32℃、0.5〜1日間培養を行うことが挙げられる。
形質転換の宿主が藻類の場合、以下の培地及び培養条件を用いることができる。
培地は天然海水又は人工海水をベースにしたものを使用してもよいし、市販の培養培地を使用してもよい。具体的な培地としては、f/2培地、ESM培地、ダイゴIMK培地、L1培地、MNK培地、等を挙げることができる。なかでも、ラウリン酸やトリアシルグリセロールの生産性向上及び栄養成分濃度の観点から、f/2培地、ESM培地、又はダイゴIMK培地が好ましく、f/2培地、又はダイゴIMK培地がより好ましく、f/2培地がさらに好ましい。藻類の生育促進、ラウリン酸やトリアシルグリセロールの生産性向上のため、培地に、窒素源、リン源、金属塩、ビタミン類、微量金属等を適宜添加することができる。
培地に接種する藻類の量は特に限定されないが、生育性の点から、培地当り1〜50%(vol/vol)が好ましく、1〜10%(vol/vol)がより好ましい。培養温度は、藻類の増殖に悪影響を与えない範囲であれば特に制限されないが、通常、5〜40℃の範囲である。藻類の生育促進、ラウリン酸やトリアシルグリセロールの生産性向上、及び生産コストの低減の観点から、好ましくは10〜35℃であり、より好ましくは15〜30℃である。
また、藻類の培養は、光合成ができるよう光照射下で行うことが好ましい。光照射は、光合成が可能な条件であればよく、人工光でも太陽光でもよい。光照射時の照度としては、藻類の生育促進、ラウリン酸やトリアシルグリセロールの生産性向上の観点から、好ましくは100〜50000ルクスの範囲、より好ましくは300〜10000ルクスの範囲、さらに好ましくは1000〜6000ルクスの範囲である。また、光照射の間隔は、特に制限されないが、前記と同様の観点から、明暗周期で行うことが好ましく、24時間のうち明期が好ましくは8〜24時間、より好ましくは10〜18時間、さらに好ましくは12時間である。
また、藻類の培養は、光合成ができるように二酸化炭素を含む気体の存在下、又は炭酸水素ナトリウムなどの炭酸塩を含む培地で行うことが好ましい。気体中の二酸化炭素の濃度は特に限定されないが、生育促進、ラウリン酸やトリアシルグリセロールの生産性向上の観点から0.03(大気条件と同程度)〜10%が好ましく、より好ましくは0.05〜5%、さらに好ましくは0.1〜3%、よりさらに好ましくは0.3〜1%である。炭酸塩の濃度は特に限定されないが、例えば炭酸水素ナトリウムを用いる場合、生育促進、ラウリン酸やトリアシルグリセロールの生産性向上の観点から0.01〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.05〜2質量%、さらに好ましくは0.1〜1質量%である。
培養時間は特に限定されず、ラウリン酸やトリアシルグリセロールを高濃度に蓄積する藻体が高い濃度で増殖できるように、長期間(例えば150日程度)行なってもよい。藻類の生育促進、ラウリン酸やトリアシルグリセロールの生産性向上、及び生産コストの低減の観点から、培養期間は、好ましくは3〜90日間、より好ましくは3〜30日間、さらに好ましくは7〜30日間である。なお、培養は、通気攪拌培養、振とう培養又は静置培養のいずれでもよく、通気性の向上の観点から、振とう培養が好ましい。
培地は天然海水又は人工海水をベースにしたものを使用してもよいし、市販の培養培地を使用してもよい。具体的な培地としては、f/2培地、ESM培地、ダイゴIMK培地、L1培地、MNK培地、等を挙げることができる。なかでも、ラウリン酸やトリアシルグリセロールの生産性向上及び栄養成分濃度の観点から、f/2培地、ESM培地、又はダイゴIMK培地が好ましく、f/2培地、又はダイゴIMK培地がより好ましく、f/2培地がさらに好ましい。藻類の生育促進、ラウリン酸やトリアシルグリセロールの生産性向上のため、培地に、窒素源、リン源、金属塩、ビタミン類、微量金属等を適宜添加することができる。
培地に接種する藻類の量は特に限定されないが、生育性の点から、培地当り1〜50%(vol/vol)が好ましく、1〜10%(vol/vol)がより好ましい。培養温度は、藻類の増殖に悪影響を与えない範囲であれば特に制限されないが、通常、5〜40℃の範囲である。藻類の生育促進、ラウリン酸やトリアシルグリセロールの生産性向上、及び生産コストの低減の観点から、好ましくは10〜35℃であり、より好ましくは15〜30℃である。
また、藻類の培養は、光合成ができるよう光照射下で行うことが好ましい。光照射は、光合成が可能な条件であればよく、人工光でも太陽光でもよい。光照射時の照度としては、藻類の生育促進、ラウリン酸やトリアシルグリセロールの生産性向上の観点から、好ましくは100〜50000ルクスの範囲、より好ましくは300〜10000ルクスの範囲、さらに好ましくは1000〜6000ルクスの範囲である。また、光照射の間隔は、特に制限されないが、前記と同様の観点から、明暗周期で行うことが好ましく、24時間のうち明期が好ましくは8〜24時間、より好ましくは10〜18時間、さらに好ましくは12時間である。
また、藻類の培養は、光合成ができるように二酸化炭素を含む気体の存在下、又は炭酸水素ナトリウムなどの炭酸塩を含む培地で行うことが好ましい。気体中の二酸化炭素の濃度は特に限定されないが、生育促進、ラウリン酸やトリアシルグリセロールの生産性向上の観点から0.03(大気条件と同程度)〜10%が好ましく、より好ましくは0.05〜5%、さらに好ましくは0.1〜3%、よりさらに好ましくは0.3〜1%である。炭酸塩の濃度は特に限定されないが、例えば炭酸水素ナトリウムを用いる場合、生育促進、ラウリン酸やトリアシルグリセロールの生産性向上の観点から0.01〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.05〜2質量%、さらに好ましくは0.1〜1質量%である。
培養時間は特に限定されず、ラウリン酸やトリアシルグリセロールを高濃度に蓄積する藻体が高い濃度で増殖できるように、長期間(例えば150日程度)行なってもよい。藻類の生育促進、ラウリン酸やトリアシルグリセロールの生産性向上、及び生産コストの低減の観点から、培養期間は、好ましくは3〜90日間、より好ましくは3〜30日間、さらに好ましくは7〜30日間である。なお、培養は、通気攪拌培養、振とう培養又は静置培養のいずれでもよく、通気性の向上の観点から、振とう培養が好ましい。
次いで、培養物や形質転換体からトリアシルグリセロールを採取する。このトリアシルグリセロールは、構成脂肪酸としてラウリン酸を多く含む。トリアシルグリセロールは、他の脂質成分との混合物として採取されてもよい。
ラウリン酸は、このようにして得られたトリアシルグリセロール又はこれを含む脂質成分から採取することが好ましい。ラウリン酸は、他の脂肪酸との混合物として採取されてもよい。本発明の方法で得られたトリアシルグリセロールにはラウリン酸が豊富に含まれるため、当該トリアシルグリセロールから得られる脂肪酸混合物にもラウリン酸が多く含まれる。
培養物や形質転換体からトリアシルグリセロール又はこれを含む脂質を採取する方法としては、通常生体内の脂質成分等を単離する際に用いられる方法、例えば、培養物や形質転換体から、ろ過、遠心分離、細胞の破砕、ゲルろ過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、クロロホルム/メタノール抽出法、ヘキサン抽出法、又はエタノール抽出法等により脂質成分を単離、回収する方法が挙げられる。より大規模な場合は、培養物や形質転換体より油分を圧搾又は抽出により回収後、脱ガム、脱酸、脱色、脱蝋、脱臭等の一般的な精製を行い、トリアシルグリセロールを得ることができる。
トリアシルグリセロールから脂肪酸成分を得るにも、通常の方法を用いることができ、例えば、トリアシルグリセロールを加水分解することで脂肪酸を得ることができる。具体的には、アルカリ溶液中で70℃程度の高温で処理をする方法、リパーゼ処理をする方法、又は高圧熱水を用いて分解する方法等が挙げられる。脂肪酸混合物からのラウリン酸の単離も、蒸留等、通常の方法で行うことができる。
ラウリン酸は、このようにして得られたトリアシルグリセロール又はこれを含む脂質成分から採取することが好ましい。ラウリン酸は、他の脂肪酸との混合物として採取されてもよい。本発明の方法で得られたトリアシルグリセロールにはラウリン酸が豊富に含まれるため、当該トリアシルグリセロールから得られる脂肪酸混合物にもラウリン酸が多く含まれる。
培養物や形質転換体からトリアシルグリセロール又はこれを含む脂質を採取する方法としては、通常生体内の脂質成分等を単離する際に用いられる方法、例えば、培養物や形質転換体から、ろ過、遠心分離、細胞の破砕、ゲルろ過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、クロロホルム/メタノール抽出法、ヘキサン抽出法、又はエタノール抽出法等により脂質成分を単離、回収する方法が挙げられる。より大規模な場合は、培養物や形質転換体より油分を圧搾又は抽出により回収後、脱ガム、脱酸、脱色、脱蝋、脱臭等の一般的な精製を行い、トリアシルグリセロールを得ることができる。
トリアシルグリセロールから脂肪酸成分を得るにも、通常の方法を用いることができ、例えば、トリアシルグリセロールを加水分解することで脂肪酸を得ることができる。具体的には、アルカリ溶液中で70℃程度の高温で処理をする方法、リパーゼ処理をする方法、又は高圧熱水を用いて分解する方法等が挙げられる。脂肪酸混合物からのラウリン酸の単離も、蒸留等、通常の方法で行うことができる。
本発明の製造方法を用いることで、ラウリン酸及びこれを構成成分とするトリアシルグリセロールを効率的に生産することができる。
本発明の製造方法、形質転換体により得られるラウリン酸やトリアシルグリセロールは、食用として用いる他、化粧品等の乳化剤、石鹸や洗剤等の洗浄剤、繊維処理剤、毛髪リンス剤、又は殺菌剤や防腐剤として利用することができる。
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下の方法、形質転換体を開示する。
<1> 下記(1)及び(2)の工程を含む、ラウリン酸の製造方法。
(1)アシル−ACPチオエステラーゼをコードする遺伝子、及び下記(A)又は(B)のタンパク質をコードする遺伝子を宿主に共導入し、形質転換体を得る工程
(A) 配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質
(B) 配列番号1で表されるアミノ酸配列と81%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上、よりさらに好ましくは96%以上、97%以上、98%以上又は99%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質
(2)得られた形質転換体からラウリン酸を採取する工程
(1)アシル−ACPチオエステラーゼをコードする遺伝子、及び下記(A)又は(B)のタンパク質をコードする遺伝子を宿主に共導入し、形質転換体を得る工程
(A) 配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質
(B) 配列番号1で表されるアミノ酸配列と81%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上、よりさらに好ましくは96%以上、97%以上、98%以上又は99%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質
(2)得られた形質転換体からラウリン酸を採取する工程
<2> 前記アシル−ACPチオエステラーゼが、中鎖アシル−ACP特異的なアシル−ACPチオエステラーゼである、<1>項記載の製造方法。
<3> 前記アシル−ACPチオエステラーゼが下記(C)又は(D)のタンパク質である、<1>又は<2>項記載の製造方法。
(C) 配列番号3の84位〜382位までのアミノ酸配列からなるタンパク質
(D) (C)のタンパク質のアミノ酸配列と70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上、よりさらに好ましくは95%以上、96%以上、97%以上、98%以上又は99%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつアシル−ACPチオエステラーゼ活性を有するタンパク質
<4> 前記宿主が微生物又は植物体である、<1>〜<3>のいずれか1項記載の製造方法。
<5> 前記微生物が酵母である、<4>項記載の製造方法。
<6> 前記酵母がサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)である、<5>項記載の製造方法。
<7> 前記微生物が微細藻類である、<4>項記載の製造方法。
<8> 前記微細藻類がナンノクロロプシス属(Nannochloropsis)に属する藻類である、<7>項記載の製造方法。
<9> 前記ナンノクロロプシス属(Nannochloropsis)に属する藻類がナンノクロロプシス オキュラータ(Nannochloropsis oculata)である、<8>項記載の形質転換体。
<10> 前記工程(2)が、形質転換体からトリアシルグリセロールを採取する工程、及び得られたトリアシルグリセロールからラウリン酸を含む脂肪酸混合物を採取する工程を含む、<1>〜<9>の何れかに記載の製造方法。
<3> 前記アシル−ACPチオエステラーゼが下記(C)又は(D)のタンパク質である、<1>又は<2>項記載の製造方法。
(C) 配列番号3の84位〜382位までのアミノ酸配列からなるタンパク質
(D) (C)のタンパク質のアミノ酸配列と70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上、よりさらに好ましくは95%以上、96%以上、97%以上、98%以上又は99%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつアシル−ACPチオエステラーゼ活性を有するタンパク質
<4> 前記宿主が微生物又は植物体である、<1>〜<3>のいずれか1項記載の製造方法。
<5> 前記微生物が酵母である、<4>項記載の製造方法。
<6> 前記酵母がサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)である、<5>項記載の製造方法。
<7> 前記微生物が微細藻類である、<4>項記載の製造方法。
<8> 前記微細藻類がナンノクロロプシス属(Nannochloropsis)に属する藻類である、<7>項記載の製造方法。
<9> 前記ナンノクロロプシス属(Nannochloropsis)に属する藻類がナンノクロロプシス オキュラータ(Nannochloropsis oculata)である、<8>項記載の形質転換体。
<10> 前記工程(2)が、形質転換体からトリアシルグリセロールを採取する工程、及び得られたトリアシルグリセロールからラウリン酸を含む脂肪酸混合物を採取する工程を含む、<1>〜<9>の何れかに記載の製造方法。
<11> 宿主にアシル−ACPチオエステラーゼをコードする遺伝子、及び前記(A)又は(B)のタンパク質をコードする遺伝子を共導入して得られる形質転換体。
<12> 前記アシル−ACPチオエステラーゼが、中鎖アシル−ACP特異的なアシル−ACPチオエステラーゼである、<11>項記載の形質転換体。
<13> 前記アシル−ACPチオエステラーゼが前記(C)又は(D)のタンパク質である、<11>又は<12>項記載の形質転換体。
<14> 前記宿主が微生物又は植物体である、<11>〜<13>のいずれか1項記載の形質転換体。
<15> 前記微生物が酵母である、<14>項記載の形質転換体。
<16> 前記酵母がサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)である、<15>項記載の形質転換体。
<17> 前記微生物が微細藻類である、<14>項記載の形質転換体。
<18> 前記微細藻類がナンノクロロプシス属(Nannochloropsis)に属する藻類である、<17>項記載の形質転換体。
<19> 前記ナンノクロロプシス属(Nannochloropsis)に属する藻類がナンノクロロプシス オキュラータ(Nannochloropsis oculata)である、<18>項記載の形質転換体。
<13> 前記アシル−ACPチオエステラーゼが前記(C)又は(D)のタンパク質である、<11>又は<12>項記載の形質転換体。
<14> 前記宿主が微生物又は植物体である、<11>〜<13>のいずれか1項記載の形質転換体。
<15> 前記微生物が酵母である、<14>項記載の形質転換体。
<16> 前記酵母がサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)である、<15>項記載の形質転換体。
<17> 前記微生物が微細藻類である、<14>項記載の形質転換体。
<18> 前記微細藻類がナンノクロロプシス属(Nannochloropsis)に属する藻類である、<17>項記載の形質転換体。
<19> 前記ナンノクロロプシス属(Nannochloropsis)に属する藻類がナンノクロロプシス オキュラータ(Nannochloropsis oculata)である、<18>項記載の形質転換体。
<20> <11>〜<19>のいずれか1項記載の形質転換体からトリアシルグリセロールを採取する工程を含む、トリアシルグリセロールの製造方法。
<21> 宿主に前記(A)又は(B)のタンパク質をコードする遺伝子を宿主に導入して形質転換する工程を含む、形質転換体の産生するトリアシルグリセロール中のラウリン酸含有量を向上させる方法。
<22> ラウリン酸を製造するための、<11>〜<19>のいずれか1項に記載の形質転換体の使用。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
培地組成
f/2培地(75mgNaNO3、6mgNaH2PO4・2H2O、0.5μgビタミンB12、0.5μgビオチン、100μgチアミン、10mgNa2SiO3・9H2O、4.4mgNa2EDTA・2H2O、3.16mgFeCl3・6H2O、12μgFeCl3・6H2O、21μgZnSO4・7H2O、180μgMnCl2・4H2O、7μgCuSO4・5H2O、7μgNa2MoO4・2H2O/人工海水1L)
f/2培地(75mgNaNO3、6mgNaH2PO4・2H2O、0.5μgビタミンB12、0.5μgビオチン、100μgチアミン、10mgNa2SiO3・9H2O、4.4mgNa2EDTA・2H2O、3.16mgFeCl3・6H2O、12μgFeCl3・6H2O、21μgZnSO4・7H2O、180μgMnCl2・4H2O、7μgCuSO4・5H2O、7μgNa2MoO4・2H2O/人工海水1L)
実施例1 ナンノクロロプシス オキュラータ由来DGATの基質特異性の検証
1.ナンノクロロプシス オキュラータ由来DGAT遺伝子の取得
ナンノクロロプシス オキュラータ(Nannochloropsis oculata)N-2145株をf/2培地で前培養した後、50mLのf/2培地に10%植菌し、25℃、二酸化炭素濃度0.3%で人工気象機にて6日間培養した。培養後、回収したサンプルをマルチビーズショッカーにて破砕し、RNeasy Plant Mini Kit (Qiagen社製)を用いてRNA精製を行った。得られたTotal RNAから、SuperScript III First-Strand Synthesis System for RT-PCR (Invitrogen社製)を用いてcDNAライブラリーの作製を行った。
このcDNAを鋳型として、表1−1に示すプライマー1及び2を用いたPCR反応により、配列番号2に示す塩基配列からなる遺伝子断片を取得した、得られた遺伝子をNoDGAT2-8遺伝子と名づけた。
1.ナンノクロロプシス オキュラータ由来DGAT遺伝子の取得
ナンノクロロプシス オキュラータ(Nannochloropsis oculata)N-2145株をf/2培地で前培養した後、50mLのf/2培地に10%植菌し、25℃、二酸化炭素濃度0.3%で人工気象機にて6日間培養した。培養後、回収したサンプルをマルチビーズショッカーにて破砕し、RNeasy Plant Mini Kit (Qiagen社製)を用いてRNA精製を行った。得られたTotal RNAから、SuperScript III First-Strand Synthesis System for RT-PCR (Invitrogen社製)を用いてcDNAライブラリーの作製を行った。
このcDNAを鋳型として、表1−1に示すプライマー1及び2を用いたPCR反応により、配列番号2に示す塩基配列からなる遺伝子断片を取得した、得られた遺伝子をNoDGAT2-8遺伝子と名づけた。
2.トリアシルグリセロール合成遺伝子欠損株の作製
酵母(Saccharomyces cerevisiae)のトリアシルグリセロール合成遺伝子を全て欠損させた株を下記の手順により取得した。トリアシルグリセロール合成遺伝子は、文献(Line Sandager, et al., J Biol Chem. Feb 22;277(8):6478-82, 2002)情報を参考に、DGA1、LRO1、ARE1、ARE2遺伝子を標的とした。遺伝子欠損はアミノ酸マーカー遺伝子をDNA断片として用いた相同組み換えによる一般的な手法で行った。
酵母(Saccharomyces cerevisiae)のトリアシルグリセロール合成遺伝子を全て欠損させた株を下記の手順により取得した。トリアシルグリセロール合成遺伝子は、文献(Line Sandager, et al., J Biol Chem. Feb 22;277(8):6478-82, 2002)情報を参考に、DGA1、LRO1、ARE1、ARE2遺伝子を標的とした。遺伝子欠損はアミノ酸マーカー遺伝子をDNA断片として用いた相同組み換えによる一般的な手法で行った。
Saccharomyces cerevisiae S288C株のコロニーを、YPD培地(Yeast extract 1%, Peptone 2%, D-Glucose 2%)5ml、30℃、160rpmの条件で24時間培養した。得られた菌体に対してGenとるくん(酵母用)High Recovery(タカラバイオ社製)を用い、ゲノムDNAの抽出及び精製を行った。
トリアシルグリセロール合成遺伝子を破壊するためのプラスミドを構築した。上記で得られたSaccharomyces cerevisiaeのゲノムDNAを鋳型として、表1−1に示すプライマー3及び4を用いたPCR反応により、HIS3遺伝子のORF上流350bp〜下流250bpの領域の遺伝子断片を、プライマー5及び6、又はプライマー7及び8を用いたPCR反応によりARE1遺伝子上流500bpの領域、又は下流500bpの領域の遺伝子断片をそれぞれ取得した。また、プラスミドベクターpUC19(タカラバイオ社製)を鋳型として、表1−1に示すプライマー9及び10を用いたPCR反応によりpUCベクターを増幅し、制限酵素DpnI(東洋紡株式会社製)処理により鋳型の消化を行った。これらの断片を、High Pure PCR Product Purification Kit(Roche Applied Science社製)を用いて精製した後に、In-Fusion HD Cloning Kit(Clontech社製)を用いて融合し、ΔARE1プラスミドを得た。
同様に、表1−1に示すプライマー11及び12を用いたPCR反応により、LEU2遺伝子のORF上流700bp〜下流500bpの領域の遺伝子断片を、プライマー13及び14、又はプライマー15及び16を用いたPCR反応によりARE2遺伝子上流500bp、又は下流500bpの領域の遺伝子断片をそれぞれ取得した。得られた遺伝子断片を、ΔARE1プラスミドと同様にpUCベクターに接続し、ΔARE2プラスミドを得た。
続いて、表1−1に示すプライマー17及び18を用いたPCR反応により、MET15遺伝子のORF上流300bp〜下流300bpの領域の遺伝子断片を、プライマー19及び20、又はプライマー21及び22を用いたPCR反応によりLRO1遺伝子上流500bp、又は下流500bpの領域の遺伝子断片をそれぞれ取得した。得られた遺伝子断片を、ΔARE1プラスミドと同様にpUCベクターに接続し、ΔLRO1プラスミドを得た。
ΔARE1プラスミドを鋳型として、表1−1に示すプライマー5及び8を用いたPCR反応により、遺伝子断片を取得した。これを用いて、酢酸リチウム法により、Saccharomyces cerevisiae BY4741ΔDGA1株(ΔDGA1::kanMX his3Δ1 leu2Δ0 met15Δ0 ura3Δ0)(Yeast Knock Out Strain Collection:Open Biosystems)を形質転換した。得られた株を、ΔARE2プラスミドを鋳型とし表1−1に示すプライマー13及び16を用いたPCR反応により取得した遺伝子断片を用いて、上記と同様の手法で形質転換した。得られた株をさらに、ΔLRO1プラスミドを鋳型としてプライマー19及び22を用いたPCR反応により取得した遺伝子断片を用いて、形質転換した。その結果、Saccharomyces cerevisiae Δdga1、Δlro1、Δare1、Δare2株(以下、酵母Δ4株という)を得た。
同様に、表1−1に示すプライマー11及び12を用いたPCR反応により、LEU2遺伝子のORF上流700bp〜下流500bpの領域の遺伝子断片を、プライマー13及び14、又はプライマー15及び16を用いたPCR反応によりARE2遺伝子上流500bp、又は下流500bpの領域の遺伝子断片をそれぞれ取得した。得られた遺伝子断片を、ΔARE1プラスミドと同様にpUCベクターに接続し、ΔARE2プラスミドを得た。
続いて、表1−1に示すプライマー17及び18を用いたPCR反応により、MET15遺伝子のORF上流300bp〜下流300bpの領域の遺伝子断片を、プライマー19及び20、又はプライマー21及び22を用いたPCR反応によりLRO1遺伝子上流500bp、又は下流500bpの領域の遺伝子断片をそれぞれ取得した。得られた遺伝子断片を、ΔARE1プラスミドと同様にpUCベクターに接続し、ΔLRO1プラスミドを得た。
ΔARE1プラスミドを鋳型として、表1−1に示すプライマー5及び8を用いたPCR反応により、遺伝子断片を取得した。これを用いて、酢酸リチウム法により、Saccharomyces cerevisiae BY4741ΔDGA1株(ΔDGA1::kanMX his3Δ1 leu2Δ0 met15Δ0 ura3Δ0)(Yeast Knock Out Strain Collection:Open Biosystems)を形質転換した。得られた株を、ΔARE2プラスミドを鋳型とし表1−1に示すプライマー13及び16を用いたPCR反応により取得した遺伝子断片を用いて、上記と同様の手法で形質転換した。得られた株をさらに、ΔLRO1プラスミドを鋳型としてプライマー19及び22を用いたPCR反応により取得した遺伝子断片を用いて、形質転換した。その結果、Saccharomyces cerevisiae Δdga1、Δlro1、Δare1、Δare2株(以下、酵母Δ4株という)を得た。
3.酵母Δ4株へのDGAT遺伝子導入
(1)DGAT遺伝子発現プラスミドの構築
2.で取得したSaccharomyces cerevisiaeのゲノムDNAを鋳型として、表1−1に示すプライマー23及び24を用いたPCR反応によりURA3遺伝子のORF上流300bpからORF終止コドンまでの領域の遺伝子断片を、プライマー25及び26を用いたPCR反応によりCYC1遺伝子のORF下流200bpの領域の遺伝子断片を、プライマー27及び28を用いたPCR反応によりGAL1遺伝子のORF上流500bpの領域の遺伝子断片を、プライマー29及び30を用いたPCR反応によりURA3遺伝子のORF下流200bpの領域の遺伝子断片をそれぞれ取得した。Saccharomyces cerevisiaeのゲノムDNAを鋳型とし、表1−1に示すプライマー31及び32を用いたPCR反応により、配列番号15に示す酵母DGA1遺伝子(Saccharomyces cerevisiae由来のジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ遺伝子)断片をPCR法にて取得した。得られた遺伝子断片をpUC19ベクターに接続し、酵母DGA1遺伝子発現プラスミドpUC-URAm-GAL1p-DGA1を得た。
DGA1遺伝子のかわりに前記1.で取得したナンノクロロプシス オキュラータ由来のNoDGAT2-8遺伝子断片を用いた以外は上記と同様にして、NoDGAT2-8遺伝子発現プラスミドpUC-URAm-GAL1p-NoDGAT2-8を得た。
さらに、配列番号16で示されるシロイヌナズナ由来のDGAT遺伝子(以下、AtDGAT1遺伝子)を人工遺伝子の受託合成サービスを利用して取得し、表1−1に示すプライマー33及び34を用いたPCR反応により、AtDGAT1遺伝子断片を取得した。AtDGAT1遺伝子をDGA1遺伝子のかわりに用いた以外は上記と同様にして、AtDGAT1遺伝子発現プラスミドpUC-URAm-GAL1p-AtDGAT1を構築した。
これらのプラスミドは、URA3プロモーター配列、URA3遺伝子断片、CYC1ターミネーター配列、GAL1プロモーター配列、各種DGAT遺伝子配列、及びURA3ターミネーター配列の順に連結したインサート配列と、pUC19ベクター配列とからなる。
(1)DGAT遺伝子発現プラスミドの構築
2.で取得したSaccharomyces cerevisiaeのゲノムDNAを鋳型として、表1−1に示すプライマー23及び24を用いたPCR反応によりURA3遺伝子のORF上流300bpからORF終止コドンまでの領域の遺伝子断片を、プライマー25及び26を用いたPCR反応によりCYC1遺伝子のORF下流200bpの領域の遺伝子断片を、プライマー27及び28を用いたPCR反応によりGAL1遺伝子のORF上流500bpの領域の遺伝子断片を、プライマー29及び30を用いたPCR反応によりURA3遺伝子のORF下流200bpの領域の遺伝子断片をそれぞれ取得した。Saccharomyces cerevisiaeのゲノムDNAを鋳型とし、表1−1に示すプライマー31及び32を用いたPCR反応により、配列番号15に示す酵母DGA1遺伝子(Saccharomyces cerevisiae由来のジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ遺伝子)断片をPCR法にて取得した。得られた遺伝子断片をpUC19ベクターに接続し、酵母DGA1遺伝子発現プラスミドpUC-URAm-GAL1p-DGA1を得た。
DGA1遺伝子のかわりに前記1.で取得したナンノクロロプシス オキュラータ由来のNoDGAT2-8遺伝子断片を用いた以外は上記と同様にして、NoDGAT2-8遺伝子発現プラスミドpUC-URAm-GAL1p-NoDGAT2-8を得た。
さらに、配列番号16で示されるシロイヌナズナ由来のDGAT遺伝子(以下、AtDGAT1遺伝子)を人工遺伝子の受託合成サービスを利用して取得し、表1−1に示すプライマー33及び34を用いたPCR反応により、AtDGAT1遺伝子断片を取得した。AtDGAT1遺伝子をDGA1遺伝子のかわりに用いた以外は上記と同様にして、AtDGAT1遺伝子発現プラスミドpUC-URAm-GAL1p-AtDGAT1を構築した。
これらのプラスミドは、URA3プロモーター配列、URA3遺伝子断片、CYC1ターミネーター配列、GAL1プロモーター配列、各種DGAT遺伝子配列、及びURA3ターミネーター配列の順に連結したインサート配列と、pUC19ベクター配列とからなる。
(2)形質転換株の取得
プラスミドpUC-URAm-GAL1p-NoDGAT2-8を鋳型とし、プライマー23及び28を用いてPCRを行った。得られた増幅DNA断片を用いて、酢酸リチウム法により酵母Δ4株を形質転換し、+NoDGAT2-8株を得た。
同様に、プラスミドpUC-URAm-GAL1p-DGA1を用いて+DGA1株を、プラスミドpUC-URAm-GAL1p-AtDGAT1を用いて+AtDGAT1株をそれぞれ得た。
各形質転換株を、YPD液体培地5mLに1白金耳植菌し、30℃で1日振とう培養した。培養液を遠心分離し、菌体を回収した。菌体を、脂肪酸含有YPG(Yeast Extract 1 %、Peptone 2 %、D-Galactose 2 %)液体培地(Briji 58(シグマアルドリッチ社製)1%添加、及びラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、エイコサペンタエン酸のいずれかを2mM含有、又はラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸を各2mMずつ含有)を植菌した。24時間、30℃で培養した後、遠心分離によって菌体を集菌し、水洗後、凍結乾燥した。
プラスミドpUC-URAm-GAL1p-NoDGAT2-8を鋳型とし、プライマー23及び28を用いてPCRを行った。得られた増幅DNA断片を用いて、酢酸リチウム法により酵母Δ4株を形質転換し、+NoDGAT2-8株を得た。
同様に、プラスミドpUC-URAm-GAL1p-DGA1を用いて+DGA1株を、プラスミドpUC-URAm-GAL1p-AtDGAT1を用いて+AtDGAT1株をそれぞれ得た。
各形質転換株を、YPD液体培地5mLに1白金耳植菌し、30℃で1日振とう培養した。培養液を遠心分離し、菌体を回収した。菌体を、脂肪酸含有YPG(Yeast Extract 1 %、Peptone 2 %、D-Galactose 2 %)液体培地(Briji 58(シグマアルドリッチ社製)1%添加、及びラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、エイコサペンタエン酸のいずれかを2mM含有、又はラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸を各2mMずつ含有)を植菌した。24時間、30℃で培養した後、遠心分離によって菌体を集菌し、水洗後、凍結乾燥した。
(3)脂質の抽出及び構成脂肪酸の分析
凍結乾燥菌体を、8mLのクロロホルム・メタノール溶液(クロロホルム:メタノール=2:1)に懸濁し、薄層クロマトグラフィーを行い、脂質を分画した。薄層クロマトグラフィーは、シリカゲル60 プレート(メルク製)、展開溶媒ヘキサン:ジエチルエーテル:蟻酸=42:24:0.3の条件で行った。0.01%プリムリン(メタノール中に溶解)を噴霧し、UV照射して脂質を可視化した。結果を図1に示す。
次いで、トリアシルグリセロール(TAG)画分のみをかきとり、かきとったシリカ粒子をKOHと3−フッ化ホウ素メタノールによってメチルエステルに誘導し、0.5N水酸化カリウム/メタノール溶液0.7mLを添加し、80℃で30分間恒温した。続いて1mLの14%三フッ化ホウ素溶液(SIGMA社製)を添加し、80℃にて10分間恒温した。その後、ヘキサン、飽和食塩水を各1mL添加し激しく撹拌し、室温にて30分間放置後、上層であるヘキサン層を回収して脂肪酸メチルエステルを得た。得られた脂肪酸メチルエステルをガスクロマトグラフィー解析に供し、脂肪酸組成を分析した。ガスクロマトグラフィー解析は下記の条件で行った。
凍結乾燥菌体を、8mLのクロロホルム・メタノール溶液(クロロホルム:メタノール=2:1)に懸濁し、薄層クロマトグラフィーを行い、脂質を分画した。薄層クロマトグラフィーは、シリカゲル60 プレート(メルク製)、展開溶媒ヘキサン:ジエチルエーテル:蟻酸=42:24:0.3の条件で行った。0.01%プリムリン(メタノール中に溶解)を噴霧し、UV照射して脂質を可視化した。結果を図1に示す。
次いで、トリアシルグリセロール(TAG)画分のみをかきとり、かきとったシリカ粒子をKOHと3−フッ化ホウ素メタノールによってメチルエステルに誘導し、0.5N水酸化カリウム/メタノール溶液0.7mLを添加し、80℃で30分間恒温した。続いて1mLの14%三フッ化ホウ素溶液(SIGMA社製)を添加し、80℃にて10分間恒温した。その後、ヘキサン、飽和食塩水を各1mL添加し激しく撹拌し、室温にて30分間放置後、上層であるヘキサン層を回収して脂肪酸メチルエステルを得た。得られた脂肪酸メチルエステルをガスクロマトグラフィー解析に供し、脂肪酸組成を分析した。ガスクロマトグラフィー解析は下記の条件で行った。
キャピラリーカラム:DB−1 MS 20m×100μm×0.10μm(J&W Scientific製)、
移動相:高純度ヘリウム、
カラム内流量:0.3mL/分、
昇温プログラム:150℃(0.5分間)→20℃/分→320℃(2分間)、
平衡化時間:1分間、
注入口:スプリット注入(スプリット比:75:1),
圧力62.4psi,24.5mL/分,
注入量5μL、
洗浄バイアル:メタノール・クロロホルム、
検出器温度:300℃
移動相:高純度ヘリウム、
カラム内流量:0.3mL/分、
昇温プログラム:150℃(0.5分間)→20℃/分→320℃(2分間)、
平衡化時間:1分間、
注入口:スプリット注入(スプリット比:75:1),
圧力62.4psi,24.5mL/分,
注入量5μL、
洗浄バイアル:メタノール・クロロホルム、
検出器温度:300℃
また、脂肪酸エステルの同定は、同サンプルを同条件でガスクロマトグラフ質量分析解析に供することにより行った。
ガスクロマトグラフィー解析により得られた波形データのピーク面積より、各脂肪酸のメチルエステル量を比較した。各脂肪酸量の総和を総脂肪酸量とし、総脂肪酸量に占める各脂肪酸量の割合を算出した。結果を表2、3に示す。
表2は、各形質転換株をラウリン酸(C12:0)含有培地で培養し、+DGA1株、+NoDGAT2-8株、+AtDGAT1株から抽出したトリアシルグリセロール中の脂肪酸組成比(%)を示す結果である。
表3は、各形質転換株をラウリン酸、ミリスチン酸及びパルミチン酸(C12:0、C14:0、C16:0)含有培地で培養し、+DGA1株、+NoDGAT2-8株から抽出したトリアシルグリセロール中の脂肪酸組成比(%)を示す結果である。
ガスクロマトグラフィー解析により得られた波形データのピーク面積より、各脂肪酸のメチルエステル量を比較した。各脂肪酸量の総和を総脂肪酸量とし、総脂肪酸量に占める各脂肪酸量の割合を算出した。結果を表2、3に示す。
表2は、各形質転換株をラウリン酸(C12:0)含有培地で培養し、+DGA1株、+NoDGAT2-8株、+AtDGAT1株から抽出したトリアシルグリセロール中の脂肪酸組成比(%)を示す結果である。
表3は、各形質転換株をラウリン酸、ミリスチン酸及びパルミチン酸(C12:0、C14:0、C16:0)含有培地で培養し、+DGA1株、+NoDGAT2-8株から抽出したトリアシルグリセロール中の脂肪酸組成比(%)を示す結果である。
図1から明らかなように、トリアシルグリセロール合成遺伝子が欠損していないBY4741株(WT株)ではトリアシルグリセロール(TAG)のスポットが確認されたが、DGAT遺伝子を欠損させた酵母Δ4株ではトリアシルグリセロールのスポットが見られず、TAG合成ができなくなっていることがわかる。
一方、酵母Δ4株に対して酵母DGA1遺伝子、AtDGAT1遺伝子、又はNoDGAT2-8遺伝子を導入した各株では、TAGのスポットが見られ、TAG合成能を回復している。これらの結果から、NoDGAT2-8遺伝子は、AtDGAT1遺伝子等と同様、ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ活性を持つ酵素をコードしていることがわかった。
また、表2から明らかなように、NoDGAT2-8遺伝子を導入した株では、DGA1遺伝子又はAtDGAT1遺伝子を導入した株と比べて、トリアシルグリセロール中のラウリン酸(C12:0)の含有量が増加していた。また、表3から明らかなように、NoDGAT2-8遺伝子を導入した株は、複数の脂肪酸が存在する条件下でもラウリン酸を特に優先してトリアシルグリセロール中に導入していた。
これらの結果から、NoDGAT2-8遺伝子は、C12:0アシル基をジアシルグリセロールに優先的に取込んでトリアシルグリセロールを生成することがわかった。
一方、酵母Δ4株に対して酵母DGA1遺伝子、AtDGAT1遺伝子、又はNoDGAT2-8遺伝子を導入した各株では、TAGのスポットが見られ、TAG合成能を回復している。これらの結果から、NoDGAT2-8遺伝子は、AtDGAT1遺伝子等と同様、ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ活性を持つ酵素をコードしていることがわかった。
また、表2から明らかなように、NoDGAT2-8遺伝子を導入した株では、DGA1遺伝子又はAtDGAT1遺伝子を導入した株と比べて、トリアシルグリセロール中のラウリン酸(C12:0)の含有量が増加していた。また、表3から明らかなように、NoDGAT2-8遺伝子を導入した株は、複数の脂肪酸が存在する条件下でもラウリン酸を特に優先してトリアシルグリセロール中に導入していた。
これらの結果から、NoDGAT2-8遺伝子は、C12:0アシル基をジアシルグリセロールに優先的に取込んでトリアシルグリセロールを生成することがわかった。
実施例2 アシル−ACPチオエステラーゼとDGATを共導入した形質転換体の作製、及び形質転換体によるラウリン酸の生産
1.BTE遺伝子及びNoDGAT2-8遺伝子発現用プラスミドの構築
配列番号4に示すUmbellularia californica由来のアシル−ACPチオエステラーゼをコードする遺伝子(以下、BTE遺伝子)を人工合成した。合成したDNA断片を鋳型として、表1−2に示すプライマー35及び36を用いたPCR反応により、BTE遺伝子断片を取得した。なお、この遺伝子断片では、葉緑体移行シグナルであるN末端の83アミノ酸に相当する領域を欠損させた。
GenBankに登録されているナンノクロロプシス エスピー(Nannochloropsis sp.)W2J3B株のVCP1(ビオラキサンチン/クロロフィルa結合タンパク質)遺伝子のcomplete cds 配列(Accession number: JF957601.1)より、VCP1プロモーター配列(配列番号17)、VCP1葉緑体移行シグナル配列(配列番号18)、及びVCP1ターミネーター配列(配列番号19)を人工合成した。合成したDNA断片を鋳型として、表1−2に示すプライマー37及び38、プライマー39及び40、プライマー41及び42を用いてPCR反応を行い、VCP1プロモーター配列、VCP1葉緑体移行シグナル配列、VCP1ターミネーター配列をそれぞれ取得した。また、プラスミドベクターpUC19(タカラバイオ社製)を鋳型として、表1−1に示すプライマー9及び10を用いたPCR反応により、プラスミドベクターpUC19を増幅した。
上記により得られたBTE遺伝子断片、VCP1プロモーター配列、VCP1葉緑体移行シグナル配列、及びVCP1ターミネーター配列を、実施例1の2.と同様の方法でプラスミドベクターpUC19に融合し、BTE遺伝子のナンノクロロプシス発現用プラスミドpUC-vcp1c-BTEを構築した。なお、本プラスミドは、VCP1プロモーター配列、VCP1葉緑体移行シグナル配列、BTE遺伝子断片、及びVCP1ターミネーター配列の順に連結したインサート配列と、pUC19ベクター配列からなる。
1.BTE遺伝子及びNoDGAT2-8遺伝子発現用プラスミドの構築
配列番号4に示すUmbellularia californica由来のアシル−ACPチオエステラーゼをコードする遺伝子(以下、BTE遺伝子)を人工合成した。合成したDNA断片を鋳型として、表1−2に示すプライマー35及び36を用いたPCR反応により、BTE遺伝子断片を取得した。なお、この遺伝子断片では、葉緑体移行シグナルであるN末端の83アミノ酸に相当する領域を欠損させた。
GenBankに登録されているナンノクロロプシス エスピー(Nannochloropsis sp.)W2J3B株のVCP1(ビオラキサンチン/クロロフィルa結合タンパク質)遺伝子のcomplete cds 配列(Accession number: JF957601.1)より、VCP1プロモーター配列(配列番号17)、VCP1葉緑体移行シグナル配列(配列番号18)、及びVCP1ターミネーター配列(配列番号19)を人工合成した。合成したDNA断片を鋳型として、表1−2に示すプライマー37及び38、プライマー39及び40、プライマー41及び42を用いてPCR反応を行い、VCP1プロモーター配列、VCP1葉緑体移行シグナル配列、VCP1ターミネーター配列をそれぞれ取得した。また、プラスミドベクターpUC19(タカラバイオ社製)を鋳型として、表1−1に示すプライマー9及び10を用いたPCR反応により、プラスミドベクターpUC19を増幅した。
上記により得られたBTE遺伝子断片、VCP1プロモーター配列、VCP1葉緑体移行シグナル配列、及びVCP1ターミネーター配列を、実施例1の2.と同様の方法でプラスミドベクターpUC19に融合し、BTE遺伝子のナンノクロロプシス発現用プラスミドpUC-vcp1c-BTEを構築した。なお、本プラスミドは、VCP1プロモーター配列、VCP1葉緑体移行シグナル配列、BTE遺伝子断片、及びVCP1ターミネーター配列の順に連結したインサート配列と、pUC19ベクター配列からなる。
Nannochloropsis oculata N2145株のcDNAを鋳型として、表1−2に示すプライマー43及び44を用いてPCR反応を行い、NoDGAT2-8遺伝子断片を増幅した。NoDGAT2-8遺伝子断片、VCP1プロモーター配列、VCP1ターミネーター配列を、上記と同様に融合してNoDGAT2-8遺伝子のナンノクロロプシス発現用プラスミドpUC-vcp1c-NoDGAT2-8を構築した。
さらに、ゼオシン耐性遺伝子(配列番号20)を人工合成した。合成したDNA断片を鋳型として、表1−2に示すプライマー45及び46を用いてPCR反応を行い、ゼオシン耐性遺伝子断片を取得した。ゼオシン耐性遺伝子断片、VCP1プロモーター配列、VCP1ターミネーター配列を、上記と同様に融合してゼオシン耐性遺伝子のナンノクロロプシス発現用プラスミドpUC-vcp1c-bleを構築した。
パラモマイシン耐性遺子(配列番号21)及びRandor Radakovits, et al., Nature Communications, DOI:10.1038/ncomms1688, 2012、に記載のナンノクロロプシス ガディタナ(Nannochloropsis gaditana)CCMP526株由来チューブリンプロモーター配列(配列番号22)を人工合成した。合成したDNA断片を鋳型として、表1−2に示すプライマー47及び48、プライマー49及び50を用いてPCR反応を行い、パラモマイシン耐性遺伝子及びチューブリンプロモーター配列をそれぞれ取得した。これらの増幅断片と、前記で取得したVCP1ターミネーター配列、及びプラスミドベクターpUC19の増幅断片を、同様の方法で融合し、パラモマイシン耐性遺伝子のナンノクロロプシス発現用プラスミドpUC-TUBp-aphVIIIを取得した。
2.BTE遺伝子発現用断片のナンノクロロプシスへの導入
BTE発現用プラスミドpUC-vcp1c-BTEを鋳型として、表1−2に示すプライマー51及び52を用いてPCR反応を行い、当該プラスミド中のVCP1プロモーター配列、VCP1葉緑体移行シグナル配列、BTE遺伝子断片、及びVCP1ターミネーター配列からなるBTE遺伝子発現用断片を増幅した。また、pUC-vcp1c-bleを鋳型としてプライマー51及び52を用いてPCR反応を行い、ゼオシン耐性遺伝子発現用断片を増幅した。増幅した両断片を、High Pure PCR Product Purification Kit(Roche Applied Science社製)を用いて精製した。なお、精製の際の溶出には、キットに含まれる溶出バッファーではなく、滅菌水を用いた。
約109細胞のナンノクロロプシス オキュラータ(Nannochloropsis oculata)NIES2145株を、384mMのソルビトール溶液で洗浄して塩を完全に除去し、形質転換の宿主細胞として用いた。上記で増幅したBTE遺伝子発現用断片及びゼオシン耐性遺伝子発現用断片を、約500ngずつ宿主細胞に混和し、50μF、500Ω、2,200v/2mmの条件でエレクトロポレーションを行った。f/2液体培地にて24時間回復培養を行った後に、2μg/mLのゼオシン含有f/2寒天培地に塗布し、25℃、0.3%CO2雰囲気下、12h/12h明暗条件にて2〜3週間培養した。得られたコロニーの中から、BTE遺伝子発現用断片を含むものをPCR法により選抜した。
BTE発現用プラスミドpUC-vcp1c-BTEを鋳型として、表1−2に示すプライマー51及び52を用いてPCR反応を行い、当該プラスミド中のVCP1プロモーター配列、VCP1葉緑体移行シグナル配列、BTE遺伝子断片、及びVCP1ターミネーター配列からなるBTE遺伝子発現用断片を増幅した。また、pUC-vcp1c-bleを鋳型としてプライマー51及び52を用いてPCR反応を行い、ゼオシン耐性遺伝子発現用断片を増幅した。増幅した両断片を、High Pure PCR Product Purification Kit(Roche Applied Science社製)を用いて精製した。なお、精製の際の溶出には、キットに含まれる溶出バッファーではなく、滅菌水を用いた。
約109細胞のナンノクロロプシス オキュラータ(Nannochloropsis oculata)NIES2145株を、384mMのソルビトール溶液で洗浄して塩を完全に除去し、形質転換の宿主細胞として用いた。上記で増幅したBTE遺伝子発現用断片及びゼオシン耐性遺伝子発現用断片を、約500ngずつ宿主細胞に混和し、50μF、500Ω、2,200v/2mmの条件でエレクトロポレーションを行った。f/2液体培地にて24時間回復培養を行った後に、2μg/mLのゼオシン含有f/2寒天培地に塗布し、25℃、0.3%CO2雰囲気下、12h/12h明暗条件にて2〜3週間培養した。得られたコロニーの中から、BTE遺伝子発現用断片を含むものをPCR法により選抜した。
3.NoDGAT2-8遺伝子発現用断片のナンノクロロプシスへの導入
NoDGAT2-8遺伝子発現用プラスミドpUC-vcp1c-NoDGAT2-8を鋳型として、表1−2に示すプライマー51及び52を用いてPCR反応を行い、当該プラスミド中のVCP1プロモーター配列、NoDGAT2-8遺伝子断片、及びVCP1ターミネーター配列からなるNoDGAT2-8遺伝子発現用断片を増幅した。また、pUC-TUBp-aphVIIIを鋳型として、表1−2に示すプライマー53及び52を用いてPCR反応を行い、パラモマイシン耐性遺伝子発現用断片を増幅した。増幅した両断片を、High Pure PCR Product Purification Kit(Roche Applied Science社製)を用いて精製した。なお、精製の際の溶出には、キットに含まれる溶出バッファーではなく、滅菌水を用いた。
NoDGAT2-8遺伝子発現用プラスミドpUC-vcp1c-NoDGAT2-8を鋳型として、表1−2に示すプライマー51及び52を用いてPCR反応を行い、当該プラスミド中のVCP1プロモーター配列、NoDGAT2-8遺伝子断片、及びVCP1ターミネーター配列からなるNoDGAT2-8遺伝子発現用断片を増幅した。また、pUC-TUBp-aphVIIIを鋳型として、表1−2に示すプライマー53及び52を用いてPCR反応を行い、パラモマイシン耐性遺伝子発現用断片を増幅した。増幅した両断片を、High Pure PCR Product Purification Kit(Roche Applied Science社製)を用いて精製した。なお、精製の際の溶出には、キットに含まれる溶出バッファーではなく、滅菌水を用いた。
上記の2.で得られたBTE遺伝子を導入したナンノクロロプシス オキュラータ(Nannochloropsis oculata)株を約109細胞用いて、384mMのソルビトール溶液で洗浄して塩を完全に除去し、形質転換の宿主細胞として用いた。上記で増幅したNoDGAT2-8遺伝子発現用断片及びパラモマイシン耐性遺伝子発現用断片を、約500ngずつ宿主細胞に混和し、50μF、500Ω、2,200v/2mmの条件でエレクトロポレーションを行った。f/2液体培地にて24時間回復培養を行った後に、100μg/mLのパラモマイシン含有f/2寒天培地に塗布し、25℃、0.3%CO2雰囲気下、12h/12h明暗条件にて2〜3週間培養した。得られたコロニーの中から、NoDGAT2-8遺伝子発現用断片を含むものをPCR法により選抜した。
4.BTE遺伝子及びNoDGAT2-8遺伝子発現株の培養と脂質生産性の評価
3.で選抜した株を、f/2培地の窒素濃度を15倍、リン濃度を5倍に増強した培地(以下、N15P5培地)50mLに播種し、25℃、0.3%CO2雰囲気下、12h/12h明暗条件にて4週間振盪培養し、前培養液とした。前培養液10mLを、40mLのN15P5培地に植継ぎ、25℃、0.3%CO2雰囲気下、12h/12h明暗条件にて2週間振盪培養した。なお、陰性対照として、2.で得られたBTE遺伝子のみを導入したナンノクロロプシス株についても同様に実験を行った。
3.で選抜した株を、f/2培地の窒素濃度を15倍、リン濃度を5倍に増強した培地(以下、N15P5培地)50mLに播種し、25℃、0.3%CO2雰囲気下、12h/12h明暗条件にて4週間振盪培養し、前培養液とした。前培養液10mLを、40mLのN15P5培地に植継ぎ、25℃、0.3%CO2雰囲気下、12h/12h明暗条件にて2週間振盪培養した。なお、陰性対照として、2.で得られたBTE遺伝子のみを導入したナンノクロロプシス株についても同様に実験を行った。
培養液1mLに、内部標準として1mg/mLの7−ペンタデカノンを50μL添加後、0.5mLのクロロホルム、1mLのメタノール及び10μLの2N塩酸を培養液に添加して激しく攪拌後30分間放置した。その後さらに、0.5mLのクロロホルム及び0.5mLの1.5%KClを添加して攪拌後、3,000rpmにて15分間間遠心分離を行い、パスツールピペットにてクロロホルム層(下層)を回収した。得られたクロロホルム層に窒素ガスを吹き付けて乾固し、0.5N水酸化カリウム/メタノール溶液0.7mLを添加し、80℃で30分間恒温した。続いて1mLの14%三フッ化ホウ素溶液(SIGMA社製)を添加し、80℃にて10分間恒温した。その後、ヘキサン、飽和食塩水を各1mL添加し激しく撹拌し、室温にて30分間放置後、上層であるヘキサン層を回収して脂肪酸エステルを得た。
得られた脂肪酸エステルをガスクロマトグラフィー解析に供した。ガスクロマトグラフィーの条件、脂肪酸エステルの同定は実施例1と同様に行った。ガスクロマトグラフィー解析の結果をもとに、実施例1と同様にして総脂肪酸量、脂肪酸組成を算出した。結果を表4に示す。
表4は、BTE遺伝子導入株、BTE遺伝子及びNoDGAT2-8遺伝子導入株から抽出した脂質中の総脂肪酸量(μg/L)、及び脂質中の脂肪酸組成(%)を示す。なお、C18:nは、C18:0〜C18:3の脂肪酸の総和を表す。
得られた脂肪酸エステルをガスクロマトグラフィー解析に供した。ガスクロマトグラフィーの条件、脂肪酸エステルの同定は実施例1と同様に行った。ガスクロマトグラフィー解析の結果をもとに、実施例1と同様にして総脂肪酸量、脂肪酸組成を算出した。結果を表4に示す。
表4は、BTE遺伝子導入株、BTE遺伝子及びNoDGAT2-8遺伝子導入株から抽出した脂質中の総脂肪酸量(μg/L)、及び脂質中の脂肪酸組成(%)を示す。なお、C18:nは、C18:0〜C18:3の脂肪酸の総和を表す。
表4から明らかなように、BTE遺伝子及びNoDGAT2-8遺伝子を導入した形質転換株では、BTE遺伝子のみを導入した形質転換株と比較して、脂質中のラウリン酸含有量が増加していた。
Claims (10)
- 下記(1)及び(2)の工程を含む、ラウリン酸の製造方法。
(1)アシル−ACPチオエステラーゼをコードする遺伝子、及び下記(A)又は(B)のタンパク質をコードする遺伝子を宿主に共導入し、形質転換体を得る工程
(A) 配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質
(B) 配列番号1で表されるアミノ酸配列と81%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質
(2)得られた形質転換体からラウリン酸を採取する工程 - 前記アシル−ACPチオエステラーゼが、中鎖アシル−ACP特異的なアシル−ACPチオエステラーゼである、請求項1記載の製造方法。
- 前記アシル−ACPチオエステラーゼが下記(C)又は(D)のタンパク質である、請求項1又は2記載の製造方法。
(C)配列番号3の84位〜382位までのアミノ酸配列からなるタンパク質
(D)(C)のタンパク質のアミノ酸配列と70%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつアシル−ACPチオエステラーゼ活性を有するタンパク質 - 前記宿主が微生物又は植物体である、請求項1〜3のいずれか1項記載の製造方法。
- 前記微生物が酵母である、請求項4記載の製造方法。
- 前記酵母がサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)である、請求項5記載の製造方法。
- 前記微生物が微細藻類である、請求項4記載の製造方法。
- 前記微細藻類がナンノクロロプシス属(Nannochloropsis)に属する藻類である、請求項7記載の製造方法。
- 宿主にアシル−ACPチオエステラーゼをコードする遺伝子、及び下記(A)又は(B)のタンパク質をコードする遺伝子を共導入して得られる形質転換体。
(A) 配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質
(B) 配列番号1で表されるアミノ酸配列と81%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質 - 下記(A)又は(B)のタンパク質をコードする遺伝子を宿主に導入して形質転換する工程を含む、形質転換体の産生するトリアシルグリセロール中のラウリン酸含有量を向上させる方法。
(A) 配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質
(B) 配列番号1で表されるアミノ酸配列と81%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質
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- 2014-09-11 JP JP2014185036A patent/JP2016054703A/ja active Pending
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