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JP2016051271A - 透明導電性シート及びこれを用いたタッチパネルセンサ - Google Patents

透明導電性シート及びこれを用いたタッチパネルセンサ Download PDF

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JP2016051271A
JP2016051271A JP2014175377A JP2014175377A JP2016051271A JP 2016051271 A JP2016051271 A JP 2016051271A JP 2014175377 A JP2014175377 A JP 2014175377A JP 2014175377 A JP2014175377 A JP 2014175377A JP 2016051271 A JP2016051271 A JP 2016051271A
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信也 竹内
Shinya Takeuchi
信也 竹内
圭佑 齋藤
Keisuke Saito
圭佑 齋藤
橋本 孝夫
Takao Hashimoto
孝夫 橋本
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Nissha Printing Co Ltd
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Abstract

【課題】導電性ナノインク層と透明導電層の密着性に優れた透明導電性シート及びこれを用いたタッチパネルセンサを提供する。
【解決手段】透明絶縁基体シート1と、透明絶縁基体シート1の少なくとも片面に電極パターンで形成され、線状構造体からなる導電性成分を含む透明導電層2と、透明導電層2表面の一部と重複し、電極パターンと接続される引き回し配線パターンで形成された導電性ナノ粒子インク層3と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、透明導電性シートに関するものである。さらに詳しくは、透明な透明絶縁基体シートの少なくとも片面に、透明導電層及び透明導電層の一部に重複する速乾性の導電性ナノ粒子インク層を有し、導電性ナノインク層と透明導電層の密着性に優れた透明導電性シート及びこれを用いたタッチパネルセンサに関する。
タッチパネル機能を実現するためのタッチパネルセンサとして、静電容量式タッチパネルセンサが知られている。静電容量式タッチパネルセンサにおいては、人間の指などの外部導体がタッチパネルセンサに接触(接近)するときに発生する静電容量の変化を利用して、タッチパネルセンサ上における人間の指などの外部導体の位置を検出する。静電容量式タッチパネルセンサには表面型と投影型とがあるが、マルチタッチの認識(多点認識)への対応に適していることから、投影型が注目を浴びている。
投影型静電容量式のタッチパネルセンサは、一般に、透明絶縁基体シートと、透明絶縁基体シートの上面においてx方向に並ぶよう配置された菱形をした多数のx方向透明電極単位と、透明基材の下面においてy方向に並ぶよう配置された菱形をした多数のy方向透明電極単位とを備えている。この場合、隣接するx方向透明電極単位同士は、x方向接続部によりx方向において接続され、また隣接するy方向透明電極単位同士は、y方向接続部によりy方向において接続されている。
また、x方向透明電極単位とy方向透明電極単位とを同一平面上に形成した投影型静電容量式のタッチパネルセンサも提案されている。このタイプのタッチパネルセンサは、透明絶縁基体シートと、透明絶縁基体シートの上面においてx方向に並ぶよう配置された菱形をした多数のx方向透明電極単位と、透明絶縁基体シートの上面においてx方向透明電極単位間に位置する菱形をした多数のy方向透明電極単位とを備えている。このうち、隣接するx方向透明電極単位同士は、x方向透明電極単位およびy方向透明電極単位と同一平面上に設けられたx方向接続部によりx方向において接続されている。また、隣接するy方向透明電極単位同士は、x方向接続部の上方に絶縁層を介して配置されたy方向接続部によりy方向において接続されている。
上記の電極パターンを形成する方法としては、一般に酸性の水溶液を用いたウェットエッチング法や酸を含んだペーストを印刷し過熱するドライエッチング法などがある。
また、多数のx方向透明電極単位およびy方向透明電極単位のうち周縁に位置するx方向透明電極単位およびy方向透明電極単位には、タッチパネルセンサに流れる電流を外部の制御部に伝えるための引き回し配線が設けられている。引き回し配線が設けられる領域は、タッチパネルセンサをTFT基板などと組み合わせて液晶表示装置を作製する際の液晶表示装置の非表示領域となっており、このため引き回し配線に透明性は要求されない。
この引き回し配線の形成方法としては、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)などの金属微粒子をバインダー樹脂に分散した金属ペーストを用い、スクリーン印刷法等でパターニングし乾燥したものが一般的に行われている。また、Cu、アルミニウム(Al)等の金属層を上記透明導電膜上に積層し、フォトリソ法により透明導電膜とともに金属層をパターニングすることにより、引き回し配線として用いるものも用いられている。
しかし、上記金属ペーストを用い、スクリーン印刷法等で引き回し配線を形成したものについては、金属ペーストの電気抵抗値が高く、良好な導電性を得ることが出来ない。また、乾燥温度が120〜150℃ほど必要となり、透明絶縁基体シートが耐熱性に優れない材料の場合は伸縮を伴うため使用することが出来ない。
他方、上記金属層を透明導電膜上に積層し、フォトリソ法により金属層をパターニングすることで引き回し配線を形成したものについては、工程数が多く、エッチング工程の廃液処理など設備・コスト面で課題がある。
このような課題の解決策として、最近、印刷による配線材料に導電性ナノ粒子インクを用いることが提案されている。例えば、特許文献1に開示された速乾性の導電性ナノ粒子インクは、ナノサイズの無機粒子表面に導電性を有する保護配位子を持ち、水又はアルコール溶液に分散されたインクであり、インクジェット印刷等により室温で塗布するだけで加熱乾燥させることなく透明絶縁基体シート上に配線パターンを形成することができ、バルク金属並みの導電性を発現するものである。
国際公開第2011/114713号
しかしながら、上記した速乾性の導電性ナノ粒子インク層は、ITOからなる透明導電層表面上で十分な密着力を確保することが出来ず、剥離して十分な電気的信頼性が得られないことがあった。
したがって、本発明は、透明導電層及び透明導電層の一部に重複する導電性ナノ粒子インク層を有し、これら導電性ナノインク層と透明導電層の密着性に優れた透明導電性シート及びこれを用いたタッチパネルセンサを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための手段として、本発明の第1態様は、透明絶縁基体シートと、前記透明絶縁基体シートの少なくとも片面に電極パターンで形成され、線状構造体からなる導電性成分を含む透明導電層と、前記透明導電層表面の一部と重複し、前記電極パターンと接続される引き回し配線パターンで形成された導電性ナノ粒子インク層と、を備える透明導電性シートを提供する。
また、本発明の第2態様は、前記導電性ナノ粒子インク層が、無機ナノ粒子表面に導電性を有する有機π共役系配位子を保護層として持つものである第1態様の透明導電性シートを提供する。
また、本発明の第3態様は、前記無機ナノ粒子が、無機ナノ粒子は、金、銀、銅、白金、パラジウム、ニッケル、ルテニウム、インジウム、ロジウムのいずれか一つの金属ナノ粒子である第2態様の透明導電性シートを提供する。
また、本発明の第4態様は、前記透明導電層の前記線状構造体が、銀ナノファイバー又は銀ナノワイヤーである第1〜3態様のいずれかの透明導電性シートを提供する。
また、本発明の第5態様は、第1〜4態様のいずれかの透明導電性シートを1枚以上用いたタッチパネルセンサを提供する。
本発明によれば、速乾性の導電性ナノ粒子インク層が表面の一部に積層される透明導電層を線状構造体からなる導電性成分を含む層としたため、透明導電層表面に露出する線状構造体の存在によって導電性ナノインク層との接触面積が大きくなることにより強力なアンカー効果を発揮し、導電性ナノインク層と透明導電層の密着性に優れた透明導電性シート及びこれを用いたタッチパネルセンサが得られる。
本発明に係る透明導電性シートの一実施形態を示す平面図である。 図1の透明導電性シートのA−A断面を示す断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図面を用いながら説明する。なお、本発明は、以下に記載する実施の形態に限定されうるものではなく、当業者の知識に基づいて設計の変更などの変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれるものである。
図1は、本発明に係る透明導電性シートの一実施形態を示す平面図である。また、図2は、図1の透明導電性シートのA−A断面を示す断面図である。図1の透明導電性シート6は、透明絶縁基体シート1と、透明絶縁基体シート1の片面に電極パターンで形成された透明導電層2と、透明導電層2表面の一部と重複し、電極パターンと接続される引き回し配線パターンで形成された導電性ナノ粒子インク層3とで構成される。なお、図1中、4は透明電極、5は引き回し配線である。
[透明絶縁基体シート]
本発明で用いられる透明絶縁基体シート1としては、従来公知の配線パターン形成に用いるものが適用可能である。例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、塩化ビニル樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート(PET)、塩化ビニリデン樹脂、フッ素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などを素材とする高分子フィルムを用いることができる。また、透明絶縁基体シート1としてガラス板を用いることもできる。
本発明の透明導電性シート6における用途では、これら透明絶縁基体シート1のうち、光学的に複屈折の少ないもの、あるいは複屈折を光学波長λに大して、λ/4やλ/2に制御したもの、さらには複屈折をまったく制御していないものを、用途に応じて適宜選択することができる。ここで言うように用途に応じて適宜選択を行う場合としては、例えば液晶ディスプレイに使用する偏光板や位相差フィルム、インナー型のタッチパネルセンサのように、直線偏光、楕円偏光、円偏光などの偏光によって機能を発現するディスプレイ部材として、本発明の透明導電性シート6を用いる場合をあげることができる。
透明絶縁基体シート1の厚みは適宜に決定しうるが、一般には強度や取扱性等の作業性などの点より10〜500μm程度であり、特に20〜300μmが好ましく、殊更には30〜200μmがより好ましい。また、透明性を重視する場合は、その全光線透過率が80%以上であることが好ましい。
[透明導電層]
本発明の透明導電層は、線状構造体からなる導電性成分を含むものである。
本発明における線状構造体とは、短軸の長さと長軸の長さの比、すなわちアスペクト比=長軸の長さ/短軸の長さが5より大きい構造体のことである(一方、例えば球状はアスペクト比=1である)。好ましくは、上記アスペクト比は10以上である。線状構造体としては、例えば、繊維状導電体、ウィスカーのような針状導電体等が挙げられる。この短軸及び長軸の長さは、繊維状構造体の種類によっても異なるため一義的に限定することはできないが、短軸の長さは形成するパターンよりも小さく1nmから100nm(1μm)が好ましく、また長軸の長さは短軸の長さに対し、前記アスペクト比=長軸の長さ/短軸の長さが10より大きくなるような長さであれば良く1μmから100μm(0.1mm)が好ましい。
繊維状導電体としては、炭素系繊維状導電体、金属系繊維状導電体、金属酸化物系繊維状導電体などが挙げられる。炭素系繊維状導電体としては、ポリアクリルニトリル系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、レーヨン系炭素繊維、ガラス状カーボン、CNT、カーボンナノコイル、カーボンナノワイヤー、カーボンナノファイバー、カーボンウィスカー、グラファイトフィブリルなどが挙げられる。金属系繊維状導電体としては、金、白金、銀、ニッケル、シリコン、ステンレス鋼、銅、黄銅、アルミニウム、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、マンガン、テクネチウム、レニウム、鉄、オスミウム、コバルト、亜鉛、スカンジウム、ホウ素、ガリウム、インジウム、ケイ素、ゲルマニウム、錫、マグネシウムなどから製造された繊維状やナノワイヤー状の金属及び合金などが挙げられる。金属酸化物系繊維状導電体としては、InO、InOSn、SnO、ZnO、SnO −Sb、SnO−V、TiO(Sn/Sb)O、SiO(Sn/Sb)O、KO−nTiO−(Sn/Sb)O、KO−nTiO−Cなどから製造された繊維状やナノワイヤー状の金属酸化物及び金属酸化物複合体などが挙げられる。これらは表面処理を施されていてもよい。さらに、植物繊維、合成繊維、無機繊維などの非金属材料の表面に前記金属、前記金属酸化物またはCNTでコーティングまたは蒸着したものも繊維状導電体に含まれる。
ウィスカーのような針状導電体とは、金属、炭素系化合物、金属酸化物などからなる化合物である。金属としては、元素の短周期型周期律表におけるIIA属、IIIA属、IVA属、VA属、VIA属、VIIA属、VIII属、IB属、IIB属、IIIB属、IVB属またはVB属に属する元素が挙げられる。具体的には、金、白金、銀、ニッケル、ステンレス鋼、銅、黄銅、アルミニウム、ガリウム、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、マンガン、アンチモン、パラジウム、ビスマス、テクネチウム、レニウム、鉄、オスミウム、コバルト、亜鉛、スカンジウム、ホウ素、ガリウム、インジウム、ケイ素、ゲルマニウム、テルル、錫、マグネシウムや、これらを含む合金が挙げられる。炭素系化合物としては、カーボンナノホーン、フラーレン、グラフェンなどが挙げられる。金属酸化物としては、InO、InOSn、SnO、ZnO、SnO−Sb、SnO−V、TiO(Sn/Sb)O、SiO(Sn/Sb)O、KO−nTiO−(Sn/Sb)O、KO−nTiO−Cなどが挙げられる。
これら線状構造体のうち、透明性等の光学特性、導電性等の観点から銀ナノファイバー、銀ナノワイヤー及びCNTを好ましく使用することができる。
本発明の透明導電膜は、線状構造体分散液を塗布して形成することができる。線状構造体分散液を得るには、線状構造体を溶媒とともに、混合分散機や超音波照射装置によって分散処理を行うことが一般的であり、さらに分散剤を添加することが望ましい。
分散剤としては、線状構造体が分散できれば特に限定はないが、線状構造体分散液を透明絶縁基体シート1上に塗布、乾燥させた線状構造体を含有する透明導電層2の透明絶縁基体シート1との密着性、膜の硬度、耐擦過性の点で、合成高分子、天然高分子のポリマーを選択することが好ましい。さらに、分散性を損わない範囲で架橋剤を添加してもよい。
合成高分子は、例えば、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリビニルアルコール、部分けん化ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、アセタール基変性ポリビニルアルコール、ブチラール基変性ポリビニルアルコール、シラノール基変性ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合樹脂、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ系樹脂、フェノキシ樹脂、変性フェノキシ系樹脂、フェノキシエーテル樹脂、フェノキシエステル樹脂、フッ素系樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドンである。
天然高分子は、例えば、多糖類であるデンプン、プルラン、デキストラン、デキストリン、グアーガム、キサンタンガム、アミロース、アミロペクチン、アルギン酸、アラビアガム、カラギーナン、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、カードラン、キチン、キトサン、セルロース及びその誘導体から選択できる。誘導体とはエステルやエーテルなどの従来公知の化合物を意味する。これらは、1種または2種以上を混合して用いることができる。中でも、CNTの分散性に優れることから、多糖類ならびにその誘導体が好ましい。さらにセルロースならびにその誘導体が、膜形成能が高く好ましい。中でもエステルやエーテル誘導体が好ましく、具体的には、カルボキシメチルセルロースやその塩などが好適である。
また、CNTと分散剤との配合比を調整することも可能である。CNTと分散剤の配合比は、透明絶縁基体シート1との密着性、硬度、耐擦過性に問題のない配合比が好ましい。具体的には、CNTが導電層全体に対し10質量%〜90質量%の範囲にあることが好ましい。より好ましくは、30質量%〜70質量%の範囲である。CNTが10質量%以上であると、タッチパネルセンサに必要な導電性が得られ易く、またさらに、透明絶縁基体シート1表面に塗布する際にはじくことなく均一に塗布しやすくなり、ひいては良好な外観・品位を有する導電積層体を生産性良く供給することができる。90質量%以下であると、CNTの溶媒中での分散性が良化、凝集し難くなり、良好なCNT塗布層が得られ易くなり、生産性が良いので好ましい。さらに塗布膜も強固で、生産工程中に擦過傷が発生し難くなり、シート抵抗値の均一性を維持できるので好ましい。
また、金属や金属酸化物のナノワイヤーは、特表2009−505358号公報、特開2009−146747号公報、特開2009−70660号公報に開示されている。また、ウィスカーのような針状導電体としては、例えば、チタン酸カリウム繊維とスズ及びアンチモン系酸化物の複合化合物であるデントールWKシリーズ(大塚化学(株)製)のWK200B、WK300R、WK500や、二酸化ケイ素繊維とスズ及びアンチモン系酸化物の複合化合物であるデントールTMシリーズ(大塚化学(株)製)のTM100等が市販されている。
本発明では、以上のような線状構造体を単独、又は複数を組み合わせて混合させ使用することができ、必要に応じて他のマイクロ〜ナノサイズの導電性材料を添加しても良く、特にこれらに限定されるものではない。
また、本発明の透明導電層2は、必要に応じて線状構造体に保護材を被覆させ、該保護材を硬化させて保護層を形成することができる。保護材としては、アクリル系の紫外線硬化性樹脂が好ましく用いられる。保護層の厚みは10〜500nmの範囲が適当であり、50〜400nmの範囲が好ましく、100〜300nmの範囲がより好ましい。
本発明の透明導電層2は、導電層形成用塗布液をウェットコーティング法により塗布して形成されることが好ましい。このウェットコーティング法としては、例えばリバースコート法、スプレーコート法、バーコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、スリットダイコート法、スピンコート法、エクストルージョンコート法、スライドビードコート法、カーテンコート法等が挙げられるが、透明絶縁基体シート1に非接触で塗布できる、スリットダイコート法、エクストルージョンコート法、スライドビードコート法、カーテンコート法が好ましく、特にスリットダイコート法が好ましい。
本発明の透明導電層2は本透明の透明導電性シート6が適用される用途に応じて、各種の電極パターンで透明電極4を形成する。このパターンの形成方法は透明導電層2を形成する材料を選択的に除去する既知のあらゆる方法で形成することができる。例えば、透明導電層2上にレジストを塗布し、パターンを露光・現像により形成した後に透明導電層2の一部を化学的に溶解させるフォトリソ法、真空中で化学反応により気化させる方法、レーザーにより透明導電層2を昇華させる方法などが挙げられる。なお、レーザーを用いる場合、導電性の不要な部分を必ずしもすべて除去しなくてもよく、例えば透明導電層2中の線状構造体を断線させることにより絶縁化するようにしてもよい。
[導電性ナノ粒子インク層]
本発明の導電性ナノ粒子インク層3は、無機ナノ粒子表面に導電性を有する有機π共役系配位子を保護層として持ち、無機ナノ粒子に有機π共役系配位子がπ接合することにより導電性を有する。ここで、π接合とは、無機ナノ粒子の表面にπ共役系分子のπ共役平面を平行接合することである。また、有機π共役系配位子とは、このようなπ接合を無機ナノ粒子にたいして作用する有機の配位子である。
無機ナノ粒子は、金(Au)、銀(Ag)、銅、白金、パラジウム、ニッケル、ルテニウム、インジウム、ロジウムのいずれか一つの金属、いずれか二つ以上の混合物、又はいずれか二つ以上の合金を用いることができる。
無機ナノ粒子の粒子直径は、15nm程度の小さなサイズのものが好ましい。微細なナノ粒子を用いる場合、ナノインクは完全な溶液とみなせ、攪拌等の前処理プロセスは不要となる。これに対し、粒子サイズが大きくなってきますと、均一な溶液というより液中に微粒子が浮いている状態に近くなり、時間と共に沈殿が生じて来るため使用前にミキサー等で攪拌する必要がある。
また、無機ナノ粒子は、半導体粒子または導電性酸化物粒子のいずれかであってもよい。
有機π共役系配位子は、配位子層が薄く、かつ粒子間電気伝導が有利な方向にπ軌道が位置するため配位子層の抵抗が相対的に小さくなおかつ、π接合により無機ナノ粒子との軌道間相互作用により、有機π共役系配位子に導電性が発現する。したがって、導電性ナノ粒子インク層3ではバルク金属なみの導電性を持つ。
π接合とは、有機物π軌道が無機ナノ粒子表面に近接することによって生じる有機π軌道−無機ナノ粒子軌道間の強い相互作用である。π接合の強さに関しては、紫外可視スペクトル測定により定量的に評価可能である。ポルフィリンやフタロシアニンはソーレー帯、Q帯と呼ばれる特徴的な吸収を可視部に有する。強いπ接合が発現した場合、有機−無機間の強い軌道間相互作用によって有機π軌道が金属化し、上記の特徴的な吸収が著しくブロード化する。導電性ナノ粒子を得るためには、強いπ接合と粒子間の近接が必須である。
有機π共役系配位子としては、無機ナノ粒子表面に配位する置換基であるアミノ基、メルカプト基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ホスフィン基、ホスホン酸基、ハロゲン基、セレノール基、スルフィド基、セレノエーテル基のいずれか一つもしくは複数の置換基を有するものを用いることができる。
また、有機π共役系配位子には、前記無機ナノ粒子を含水溶媒及びアルコール溶媒に可溶にする置換基であるヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アミド基、イミド基、ホスホン酸基、スルホン酸基、シアノ基、ニトロ基、及びそれらの塩いずれか一つもしくは複数の置換基を付した誘導体を用いてもよい。例えば、有機π共役系配位子として、OTAP、すなわち2,3,9,10,16,17,23,24−オクタキス[(2-N,N-ジメチルアミノエチル)チオ]フタロシアニンや、OTAN、すなわち2,3,11,12,20,21,29,30-オクタキス[(2−N,N-ジメチルアミノエチル)チオ]ナフタロシアニンを用いることができる。
なお、化合物分子の密度汎関数計算(DFT計算)で得られる仕事関数が5.5eV以下である有機π共役系配位子であれば、金や銀等の金属系の導電性粒子だけでなくカーボンブラックやカーボンナノチューブとも仕事関数が近いことにより、いわゆるπ接合によってより強い混成軌道が生成されて、導電性を生じているものと考えられる。つまり、仕事関数が5.5eV以下である有機π共役系配位子とすれば、前述の無機ナノ粒子に代えて、カーボンブラックやカーボンナノチューブからなる導電性粒子を用いることも可能である。
導電性ナノインク層3を引き回し配線5のパターンで形成する方法は、例えばインクジェット印刷法が推奨される。使用する導電性ナノインクの粘度は数ミリパスカルで水と同等であるため、スクリーン印刷には使用できない。なお、インクジェット印刷法を用いることで、印刷版や熱処理が不要となる。熱処理が不要であると、耐熱性のない透明絶縁基体シート1にも印刷可能なので設計自由度が向上し、乾燥設備が要らないために低コストである。また、他にも透明絶縁基体シート1の透明導電層2が形成された面に親水・疎水領域を形成し、濡れ性の違いを用いて親水領域のみに導電性ナノインクを塗布することもできる。
本発明の透明導電層2は、従来のITO層ではなく、前述の線状構造体通りからなる導電性成分を含むものであり、透明導電層2表面に露出する線状構造体の存在によって導電性ナノインク層3との接触面積が大きくなることにより強力なアンカー効果を発揮することにより、プライマー処理等を施さなくても導電性ナノインク層3との密着性を向上させると考えられる。
密着力の観点では、線状構造体の長さが長いほど大きなアンカー効果を得ることが可能となる為に、透明導電層2と導電性ナノインク層3との密着性は良好となる。
なお、図1に示す透明電極4のパターンは短冊状をしているが、本発明の透明導電性シート6の電極パターンはこれに限定されない。本明細書の背景技術の欄で述べた各種の電極パターンで形成することが可能である。
[タッチパネルセンサ]
本発明のタッチパネルセンサは、本発明の前記透明導電性シート6を単層又は複数枚用い、必要に応じてさらには他の部材と組み合わせて搭載したものであり、その例として抵抗膜式タッチパネルセンサや静電容量式タッチパネルセンサ等が挙げられる。透明導電性シート6を単層で用いて静電容量式タッチパネルセンサとする場合、透明導電層2および導電性ナノインク層3は透明絶縁基体シート1の両面に設けることもできる。これら本発明の透明導電フィルムを搭載してなるタッチパネルセンサは、例えば、リード線と駆動ユニットを取り付け、液晶ディスプレイの前面に組み込んで用いられる。
次に実施例及び比較例について説明する。
<実施例1>
透明絶縁基体シートとしてポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用い、PETフィルムの一方の面にリバースコーター法により銀ナノファイバーを含有する透明導電層を形成し、透明導電層の表面にインクジェット法により銀ナノ粒子インク層を形成して透明導電性シートを作成した。
<実施例2>
銀ナノ粒子に代えて金ナノ粒子を用いた以外は実施例1と同様にして透明導電性シートを作成した。
<比較例1>
透明絶縁基体シートとしてポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用い、PETフィルムの一方の面にスパッタリング法によりITOからなる透明導電層を形成し、透明導電層の表面にインクジェット法により銀ナノ粒子インク層を形成して透明導電性シートを作成した。
<比較例2>
銀ナノ粒子に代えて金ナノ粒子を用いた以外は比較例1と同様にして透明導電性シートを作成した。
上記の条件で実施例、比較例で作成したそれぞれの透明導電性シートに対して耐候性試験を行なった。
[導電性ナノ粒子インク層の密着力評価]
透明導電性シートの透明導電層及び導電性ナノ粒子インク層の積層体表面に、JIS K5400に記載された碁盤目法に準じ、縦・横それぞれの方向に1mm間隔でカッターナイフを用いて10本づつ傷をつけ、セロハンテープを貼り付けて引き剥がし、この時に導電性ナノ粒子インク層が透明導電層表面から剥離するかを観察した。
上記クロスカット・テープピール評価の結果、比較例では全面積で剥がれが発生したのに対し、実施例では剥がれは発生しなかった。実施例の透明導電性シートは、比較例の透明導電性シートに比べて、耐候性試験に対する耐久性が向上していることが確認できた。
1 透明絶縁基体シート
2 透明導電層
3 導電性ナノ粒子インク層
4 透明電極
5 引き回し配線
6 透明導電性シート

Claims (5)

  1. 透明絶縁基体シートと、
    前記透明絶縁基体シートの少なくとも片面に電極パターンで形成され、線状構造体からなる導電性成分を含む透明導電層と、
    前記透明導電層表面の一部と重複し、前記電極パターンと接続される引き回し配線パターンで形成された導電性ナノ粒子インク層と、を備えることを特徴とする透明導電性シート。
  2. 前記導電性ナノ粒子インク層が、無機ナノ粒子表面に導電性を有する有機π共役系配位子を保護層として持つものである請求項1記載の透明導電性シート。
  3. 前記無機ナノ粒子が、無機ナノ粒子は、金、銀、銅、白金、パラジウム、ニッケル、ルテニウム、インジウム、ロジウムのいずれか一つの金属ナノ粒子である請求項2記載の透明導電性シート。
  4. 前記透明導電層の前記線状構造体が、銀ナノファイバー又は銀ナノワイヤーである請求項1〜3のいずれかに記載の透明導電性シート。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の透明導電性シートを1枚以上用いたことを特徴とするタッチパネルセンサ。

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