以下、添付図面に基づき、本発明の好適な実施形態について本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が実施できる程度に詳細に説明する。しかしながら、本発明は、ここで説明される実施形態に何ら限定されるものではなく、他の形態に具体化可能である。
図中、様々な層及び領域の厚さは、明確性を図るために誇張されている。明細書全体に亘って同じ部分に対しては同じ図面符号を付する。なお、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上」にあるとしたとき、それは、他の部分の「真上」にある場合だけではなく、これらの間にさらに他の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分の「直上」にあるとしたときには、これらの間に他の部分がないことを意味する。
以下、本発明の実施形態による有機発光表示装置の画素について、図1および図2に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態による有機発光表示装置の一つの画素の等価回路図であり、図2は、図1の実施形態による有機発光表示装置の一つの画素に印加される信号のタイミング図である。
図1に示すように、本発明の実施形態による有機発光表示装置の一つの画素は、複数本の信号線121、122、123、124、171、126/172と、複数本の信号線に接続されている複数の薄膜トランジスターT1、T2、T3、T4、T5、T6と、ストレージキャパシターCstおよび有機発光ダイオードOLEDを備える。
薄膜トランジスターは、駆動薄膜トランジスターT1と、スイッチング薄膜トランジスターT2と、補償薄膜トランジスターT3と、初期化薄膜トランジスターT4と、動作制御薄膜トランジスターT5および発光制御薄膜トランジスターT6を備える。
信号線は、スキャン信号Snを伝達するスキャン線121と、初期化薄膜トランジスターT4に直前のスキャン信号Sn−1を伝達する直前スキャン線122と、動作制御薄膜トランジスターT5および発光制御薄膜トランジスターT6に発光制御信号Emを伝達する発光制御線123と、スキャン線121と交差し、データ信号Dmを伝達するデータ線171と、駆動電圧ELVDDを伝達する駆動電圧線126/172および駆動薄膜トランジスターT1を初期化させる初期化電圧Vintを伝達する初期化電圧線124を備える。なお、直前のスキャン信号Sn−1は、スキャン信号Snの活性化時間の直前に活性化されるスキャン信号である。つまり、表示装置においては複数のスキャン信号が生成され、例えば順次に1行目スキャンライン、2行目スキャンライン・・・というようにスキャンラインそれぞれが活性化される。このようなスキャンラインの順次の活性化のために、スキャン信号は、順次に所定の時間ごとに活性化される。よって、直前のスキャン信号Sn−1が活性化された後、引き続いてスキャン信号Snが活性化される。
ここで、駆動電圧線126/172は、スキャン線121と平行な第1の駆動電圧線126およびデータ線171と平行な第2の駆動電圧線172からなり、第1の駆動電圧線126および第2の駆動電圧線172は電気的に接続されている。
駆動薄膜トランジスターT1のゲート電極G1は、ストレージキャパシターCstの一方の端Cst1と接続されており、駆動薄膜トランジスターT1のソース電極S1は動作制御薄膜トランジスターT5を経て駆動電圧線126/172と接続されており、駆動薄膜トランジスターT1のドレイン電極D1は発光制御薄膜トランジスターT6を経て有機発光ダイオードOLEDのアノードと電気的に接続されている。駆動薄膜トランジスターT1は、スイッチング薄膜トランジスターT2のスイッチング動作によりデータ信号Dmを伝達されて有機発光ダイオードOLEDに駆動電流を供給する。
スイッチング薄膜トランジスターT2のゲート電極G2はスキャン線121と接続されており、スイッチング薄膜トランジスターT2のソース電極S2はデータ線171と接続されており、スイッチング薄膜トランジスターT2のドレイン電極D2は駆動薄膜トランジスターT1のソース電極S1と接続しており、且つ、動作制御薄膜トランジスターT5を経て駆動電圧線126/172と接続されている。このようなスイッチング薄膜トランジスターT2は、スキャン線121を介して伝達されたスキャン信号Snによりターンオンされてデータ線171に伝達されたデータ信号Dmを駆動薄膜トランジスターT1のソース電極に伝達するスイッチング動作を行う。
補償薄膜トランジスターT3のゲート電極G3はスキャン線121に接続されており、補償薄膜トランジスターT3のソース電極S3は駆動薄膜トランジスターT1のドレイン電極D1と接続しており、且つ、発光制御薄膜トランジスターT6を経て有機発光ダイオードOLEDのアノードと接続されており、補償薄膜トランジスターT3のドレイン電極D3は、ストレージキャパシターCstの一方の端Cst1と、初期化薄膜トランジスターT4のドレイン電極D4および駆動薄膜トランジスターT1のゲート電極G1と接続されている。このような補償薄膜トランジスターT3は、スキャン線121を介して伝達されたスキャン信号Snによりターンオンされて駆動薄膜トランジスターT1のゲート電極G1およびドレイン電極D1を互いに接続して駆動薄膜トランジスターT1をダイオード接続させる。
初期化薄膜トランジスターT4のゲート電極G4は直前のスキャン線122と接続されており、初期化薄膜トランジスターT4のソース電極S4は初期化電圧線124と接続されており、初期化薄膜トランジスターT4のドレイン電極D4はストレージキャパシターCstの一方の端Cst1、補償薄膜トランジスターT3のドレイン電極D3および駆動薄膜トランジスターT1のゲート電極G1と接続されている。このような初期化薄膜トランジスターT4は直前のスキャン線122を介して伝達された直前のスキャン信号Sn−1によりターンオンされて初期化電圧Vintを駆動薄膜トランジスターT1のゲート電極G1に伝達して駆動薄膜トランジスターT1のゲート電極G1の電圧を初期化させる初期化動作を行う。
動作制御薄膜トランジスターT5のゲート電極G5は発光制御線123と接続されており、動作制御薄膜トランジスターT5のソース電極S5は駆動電圧線126/172と接続されており、動作制御薄膜トランジスターT5のドレイン電極D5は駆動薄膜トランジスターT1のソース電極S1およびスイッチング薄膜トランジスターT2のドレイン電極D2と接続されている。
発光制御薄膜トランジスターT6のゲート電極G6は発光制御線123と接続されており、発光制御薄膜トランジスターT6のソース電極S6は駆動薄膜トランジスターT1のドレイン電極D1および補償薄膜トランジスターT3のソース電極S3と接続されており、発光制御薄膜トランジスターT6のドレイン電極D6は有機発光ダイオードOLEDのアノードと電気的に接続されている。このような動作制御薄膜トランジスターT5および発光制御薄膜トランジスターT6は、発光制御線123を介して伝達された発光制御信号Emにより同時にターンオンされて駆動電圧ELVDDが有機発光ダイオードOLEDに伝達されて有機発光ダイオードOLEDに駆動電流が流れる。
ストレージキャパシターCstの他方の端Cst2は駆動電圧線126/172と接続されており、有機発光ダイオードOLEDのカソードは共通電圧ELVSSと接続されている。これにより、有機発光ダイオードOLEDは駆動薄膜トランジスターT1から駆動電流を伝達されて発光することにより画像を表示する。
以下、本発明の第1の実施形態による有機発光表示装置の一つの画素の具体的な動作過程を図2のタイミング図に基づいて詳細に説明する。
まず、初期化期間中に直前のスキャン線122を介してロウレベルの直前のスキャン信号Sn−1が供給される。このとき、発光制御線123を介して発光制御信号Emは既にロウレベルが印加されている。すると、ロウレベルの直前のスキャン信号Sn−1に対応して初期化薄膜トランジスターT4がターンオンされ、初期化電圧線124から初期化薄膜トランジスターT4を介して初期化電圧Vintが駆動薄膜トランジスターT1のゲート電極G1に接続され、初期化電圧Vintにより駆動薄膜トランジスターT1が初期化される。
この後、データプログラミング期間中にスキャン線121を介してロウレベルのスキャン信号Snが供給される。すると、ロウレベルのスキャン信号Snに対応してスイッチング薄膜トランジスターT2および補償薄膜トランジスターT3がターンオンされる。
このとき、駆動薄膜トランジスターT1はターンオンされた補償薄膜トランジスターT3によりダイオード接続され、順方向にバイアスされる。
すると、データ線171から供給されたデータ信号Dmから駆動薄膜トランジスターT1のしきい電圧Vthに見合う分だけ減少した補償電圧(Dm+Vth、Vthは(−)の値)が駆動薄膜トランジスターT1のゲート電極に印加される。
ストレージキャパシターCstの両端には駆動電圧ELVDDおよび補償電圧Dm+Vthが印加され、ストレージキャパシターCstには両端の電圧差に対応する電荷が保存される。この後、発光期間中に発光制御線123から供給される発光制御信号Emがハイレバルからロウレベルに変更される。すると、発光期間中にロウレベルの発光制御信号Emにより動作制御薄膜トランジスターT5および発光制御薄膜トランジスターT6がターンオンされる。
すると、駆動薄膜トランジスターT1のゲート電極G1の電圧と駆動電圧ELVDDとの間の電圧差による駆動電流が発生し、発光制御薄膜トランジスターT6を介して駆動電流IOLEDが有機発光ダイオードOLEDに供給される。発光期間中にストレージキャパシターCstにより駆動薄膜トランジスターT1のゲート電極−ソース電極電圧Vgsは「(Dm+Vth)−ELVDD」に保たれ、駆動薄膜トランジスターT1の電流−電圧間の関係によれば、駆動電流Idはソース電極−ゲート電極電圧からしきい電圧を差し引いた値の自乗「(Dm−ELVDD)2」に比例する。このため、駆動電流IOLEDは、駆動薄膜トランジスターT1のしきい電圧Vthとは無関係に決定される。
以下、図1に示す有機発光表示装置の画素の詳細な構造について図3から図5に基づいて詳細に説明する。
図3は、本発明の実施形態による有機発光表示装置の一つの画素の配置図であり、図4は、図3の実施形態による有機発光表示装置における隣り合う三つの画素と一緒に示す配置図であり、図5は、図3の有機発光表示装置をV−V線に沿って切り取った断面図である。
図2に示すように、本発明の実施形態による有機発光表示装置の画素は、スキャン信号Snと、直前のスキャン信号Sn−1と、発光制御信号Emおよび初期化電圧Vintをそれぞれ印加され、行方向に沿って形成されているスキャン線121と、直前のスキャン線122と、発光制御線123および初期化電圧線124を備え、スキャン線121と、直前のスキャン線122と、発光制御線123および初期化電圧線124の全てと交差しており、画素にデータ信号Dmを印加するデータ線171を備える。
また、駆動電圧ELVDDを印加する駆動電圧線126/172も備えられており、駆動電圧線126/172は、スキャン線121と平行な第1の駆動電圧線126およびデータ線171と平行な第2の駆動電圧線172からなる。第1の駆動電圧線126および第2の駆動電圧線172は、電気的に接続されている。第1の駆動電圧線126は、横方向に二本以上の隣り合う第2の駆動電圧線172を電気的に接続して駆動電圧ELVDDが横方向にも伝達されるようにする。
さらに、画素には駆動薄膜トランジスターT1と、スイッチング薄膜トランジスターT2と、補償薄膜トランジスターT3−1、T3−2と、初期化薄膜トランジスターT4−1、T4−2と、動作制御薄膜トランジスターT5と、発光制御薄膜トランジスターT6と、ストレージキャパシターCstおよび有機発光ダイオードが形成されている。図3の実施形態を参照すると、補償薄膜トランジスターT3−1、T3−2および初期化薄膜トランジスターT4−1、T4−2はデュアルゲート構造の薄膜トランジスターにより構成されており、以下、それぞれ二つのトランジスターが接続された構造を例にとって説明する。なお、補償薄膜トランジスターT3−1、T3−2は、図1の補償薄膜トランジスターT3に相当する。また、初期化薄膜トランジスターT4−1、T4−2は、図1の初期化薄膜トランジスターT4に相当する。
駆動薄膜トランジスターT1と、スイッチング薄膜トランジスターT2と、補償薄膜トランジスターT3−1、T3−2と、初期化薄膜トランジスターT4−1、T4−2と、動作制御薄膜トランジスターT5および発光制御薄膜トランジスターT6のチャンネルは接続されている一つの半導体131の内に形成されており、半導体131は、様々な形状に折り曲げられて形成されている。図3の実施形態による半導体131は、駆動薄膜トランジスターT1の半導体131a(駆動半導体とも呼ばれる。)を中心に左右に垂直方向(データ線171と平行な方向)に延びた縦部分を備え、各縦部分の両端部は折れ曲がっている。なお、右側の縦部分の上部にはさらに延びている「逆コ」の字状に折れ曲がった追加延長部分を有する。「逆コ」の字状とは、図3に示すように右側が開口したコの字状をいう。
左側の縦部分は、左側のデータ線171に沿って延びており、半導体131b及び半導体131eを含む。左側の縦部分の下端は右側に折れ曲がっており、左側の縦部分の上端は左側に折れ曲がっている。右側の縦部分は、半導体131f及び半導体131c−2を含む。右側の縦部分の下端は左側に折れ曲がり、右側の縦部分の上端は左側に折れ曲がり、半導体131c−1及び半導体131d−1を含む。さらに、半導体131d−1側の端部は上側に折れ曲がり、半導体131d−2を含む。さらに、半導体131d−2の端部は右側に折れ曲がっている。半導体131c−1、半導体131d−1、半導体131d−1及び半導体131d−1に続く半導体の端部は、コの字状の追加延長部分を構成している。
駆動薄膜トランジスターT1の半導体131aは、逆「己」字状(「己」字状を中心点を通る垂直線または水平線を基準として対称に配置させた形状)を有する。つまり、半導体131aは、右側に開口を有するコの字状部分と、左側に開口を有するコの字状部分とが上下に一体となった形状を有する。以下では、逆「己」字状とは、前述の形状を意味するものとする。また、逆「己」字状とはS字状ということもできる。
このような形状の半導体のほとんどが駆動薄膜トランジスターT1の半導体131aを構成し、左右に配設される縦部分に隣り合う部分には駆動薄膜トランジスターT1のそれぞれソース電極176aおよびドレイン電極177aが配設されている。駆動薄膜トランジスターT1の半導体131aは、実施形態において逆「己」字状を有するが、様々な形状を有してもよく、一つ以上の折曲部を備える構造を有すれば十分である。なお、駆動薄膜トランジスターT1の半導体131aは、第1の方向に延びている複数の第1の延長部31および第1の方向(図3では水平方向)とは異なる第2の方向(図3では縦方向)に延びている複数の第2の延長部32を備え、折曲部33は、前記第1の延長部31および前記第2の延長部32を接続する構造を有し得る。
駆動薄膜トランジスターT1のソース電極176aと接続されている左側の縦部分には、上側に配設されるスイッチング薄膜トランジスターT2の半導体131b(スイッチング半導体とも呼ばれる。)および下側に配設される動作制御薄膜トランジスターT5の半導体131eが形成されている。スイッチング薄膜トランジスターT2の半導体131bと動作制御薄膜トランジスターT5の半導体131eとの間にはスイッチング薄膜トランジスターT2のドレイン電極177bおよび動作制御薄膜トランジスターT5のドレイン電極177eが配設されていて駆動薄膜トランジスターT1のソース電極176aと接続されている。
スイッチング薄膜トランジスターT2の半導体131bの上側にはスイッチング薄膜トランジスターT2のソース電極176bが配設され、動作制御薄膜トランジスターT5の半導体131eの下側には動作制御薄膜トランジスターT5のソース電極176eが配設されている。
一方、駆動薄膜トランジスターT1のドレイン電極177aと接続されている右側の縦部分には、上側に配設される補償薄膜トランジスターT3−1、T3−2の半導体131c−1、131c−2および下側に配設される発光制御薄膜トランジスターT6の半導体131fが形成されている。正確には、補償薄膜トランジスターT3−1の半導体131c−1は、半導体131の右側の縦部分の上端から左側に折れた部分に位置する。補償薄膜トランジスターT3−1、T3−2の半導体131c−1、131c−2と発光制御薄膜トランジスターT6の半導体131fとの間には、補償薄膜トランジスターT3−1、T3−2のうち第2の補償薄膜トランジスターT3−2のソース電極176c−2および発光制御薄膜トランジスターT6のソース電極176fが配設されていて駆動薄膜トランジスターT1のドレイン電極177aと接続されている。
補償薄膜トランジスターT3−1、T3−2の構造についてより詳細に説明すると、下記の通りである。補償薄膜トランジスターT3−1、T3−2は、第1の補償薄膜トランジスターT3−1および第2の補償薄膜トランジスターT3−2を備え、第1の補償薄膜トランジスターT3−1は、スキャン線121の突出部を中心に配設されており、第2の補償薄膜トランジスターT3−2は、スキャン線121および半導体131の右側の縦部分が重なり合う部分を中心に配設されている。
まず、第2の補償薄膜トランジスターT3−2のソース電極176c−2は、発光制御薄膜トランジスターT6のソース電極176fおよび駆動薄膜トランジスターT1のドレイン電極177aと接続されており、ゲート電極125c−2は、スキャン線121のうち半導体131の右側の縦部分が重なり合う個所に配設され、半導体131c−2は、半導体131の右側の縦部分のうちスキャン線121と重なり合う個所に配設され、ドレイン電極177c−2は、半導体131の右側の縦部分のうち半導体131c−2の上側に配設される。
一方、第1の補償薄膜トランジスターT3−1のソース電極176c−1は、第2の補償薄膜トランジスターT3−2のドレイン電極177c−2と接続されており、ゲート電極125c−1は、スキャン線121の突出部に配設され、半導体131c−1は、半導体131の右側の縦部分のうちスキャン線121の突出部と重なり合う個所に配設され、ドレイン電極177c−1は、半導体131c−1を基準としてソース電極176c−1の反対側に配設される。第1の補償薄膜トランジスターT3−1は、本発明の実施形態において、半導体131の右側の縦部分から「逆コ」の字状にさらに延びた部分に配設される。
発光制御薄膜トランジスターT6の半導体131fの下側には発光制御薄膜トランジスターT6のドレイン電極177fが配設され、第2の補償薄膜トランジスターT3−2の半導体131c−2およびドレイン電極177c−1の上側には、さらに延びている「逆コ」の字状の追加延長部分に初期化薄膜トランジスターT4−1、T4−2の半導体131d−1、131d−2がさらに形成されている。第1の初期化薄膜トランジスターT4−1の半導体131d−1と第1の補償薄膜トランジスターT3−1のドレイン電極177c−1との間には第1の初期化薄膜トランジスターT4−1のドレイン電極177d−1が配設され、さらに延びている「逆コ」の字状の部分の終端には第2の初期化薄膜トランジスターT4−2のソース電極176d−2が配設されている。
初期化薄膜トランジスターT4−1、T4−2の構造についてより詳細に説明すると、下記の通りである。初期化薄膜トランジスターT4−1、T4−2は、第1の初期化薄膜トランジスターT4−1および第2の初期化薄膜トランジスターT4−2を備え、第1の初期化薄膜トランジスターT4−1は、直前のスキャン線122の突出部を中心に配設されており、第2の初期化薄膜トランジスターT4−2は、直前のスキャン線122および半導体131の「逆コ」の字状の部分が重なり合う部分を中心に配設されている。
まず、第1の初期化薄膜トランジスターT4−1のドレイン電極177d−1は、第1の補償薄膜トランジスターT3−1のドレイン電極177c−1と接続されており、ゲート電極125d−1は、直前のスキャン線122のうち半導体131の「逆コ」の字状の部分が重なり合う個所に配設され、半導体131d−1は、半導体131の「逆コ」の字状の部分のうち直前のスキャン線122の突出部と重なり合う個所に配設され、ドレイン電極177d−1は、半導体131d−1を基準としてソース電極176d−1の反対側に配設される。
一方、第2の初期化薄膜トランジスターT4−2のドレイン電極177d−2は、第1の初期化薄膜トランジスターT4−1のソース電極176d−1と接続されており、ゲート電極125d−2は、直前のスキャン線122のうち半導体131の「逆コ」の字状の部分と重なり合う部分に配設され、半導体131d−2は、半導体131の「逆コ」の字状の部分のうち直前のスキャン線122と重なり合う個所に配設され、ソース電極176d−2は、半導体131d−2を基準としてドレイン電極177d−2の反対側であって、半導体131の「逆コ」の字状の部分の終端に配設される。
実施形態によっては、半導体131の構造は様々であり、半導体131は、多結晶半導体で形成されていてもよい。半導体131に形成されているソース電極/ドレイン電極は、当該領域のみをドーピングして形成してもよい。また、半導体131における異なるトランジスターのソース電極とドレイン電極との間の領域もドーピングされてソース電極およびドレイン電極が電気的に接続されていてもよい。
半導体131は、絶縁基板110の上に形成されており、絶縁基板110と半導体131との間にはバッファー層111が配設されていてもよい。バッファー層111は、多結晶半導体を形成するために、結晶化工程に際して絶縁基板110から不純物を遮断して多結晶半導体の特性を向上させ、絶縁基板110が受けるストレスを減らす役割を果たす。
半導体131の上には、これを覆うゲート絶縁膜141が形成されている。ゲート絶縁膜141は、無機絶縁膜により形成されていてもよい。
ゲート絶縁膜141の上には、行方向に沿って形成されているスキャン線121と、直前のスキャン線122と、発光制御線123と、初期化電圧線124と、第1の駆動電圧線126および駆動薄膜トランジスターT1のゲート電極125aが形成されている。
スキャン線121および直前のスキャン線122は、それぞれ突出されている突出部を有し、スキャン線121の突出部は、直前のスキャン線122に向かって突出されており、直前のスキャン線122の突出部は、スキャン線121に向かって突出されている。
まず、スキャン線121の突出部は、スキャン線121の上方向に突出されており、第1の補償薄膜トランジスターT3−1の半導体131c−1と重なり合い、第1の補償薄膜トランジスターT3−1のゲート電極125c−1を構成する。第1の補償薄膜トランジスターT3−1のソース電極176c−1およびドレイン電極177c−1は、第1の補償薄膜トランジスターT3−1のゲート電極125c−1と重なり合わない。
直前のスキャン線122の突出部は、直前のスキャン線122の下方向に突出されており、第1の初期化薄膜トランジスターT4−1の半導体131d−1と重なり合い、第1の初期化薄膜トランジスターT4−1のゲート電極125d−1を構成する。第1の初期化薄膜トランジスターT4−1のソース電極176d−1およびドレイン電極177d−1は、第1の初期化薄膜トランジスターT4−1のゲート電極125d−1と重なり合わない。
スキャン線121の下側には発光制御線123が配設され、発光制御線123は、半導体131の左側の縦部分および右側の縦部分とそれぞれ重なり合う。発光制御線123は、半導体131の左側の縦部分のうち動作制御薄膜トランジスターT5の半導体131eと重なり合い、動作制御薄膜トランジスターT5のソース電極176eおよびドレイン電極177eとは重なり合わない。なお、発光制御線123は、半導体131の右側の縦部分のうち発光制御薄膜トランジスターT6の半導体131fと重なり合い、発光制御薄膜トランジスターT6のソース電極176fおよびドレイン電極177fとは重なり合わない。
直前のスキャン線122の上側には初期化電圧線124が配設され、初期化電圧線124は、一部の拡張された領域を有する。初期化電圧線124の拡張された領域は、他の配線と接触しやすくするために拡張されている。
初期化電圧線124の上側には、第1の駆動電圧線126が配設されており、第1の駆動電圧線126も一部の拡張された領域を有して他の配線と接触しやすくしている。
初期化電圧線124および第1の駆動電圧線126は、半導体131と重なり合わない。
駆動薄膜トランジスターT1のゲート電極125a(駆動ゲート電極とも呼ばれる。)は矩形状に形成され、半導体131の逆「己」字状を有する部分、すなわち、駆動薄膜トランジスターT1の半導体131aと重なり合う。駆動薄膜トランジスターT1のソース電極176aおよびドレイン電極177aは、駆動薄膜トランジスターT1のゲート電極125aと重なり合わない。
スキャン線121と、直前のスキャン線122と、発光制御線123と、初期化電圧線124と、第1の駆動電圧線126(横駆動電圧線とも呼ばれる。)および駆動薄膜トランジスターT1のゲート電極125aと露出されているゲート絶縁膜141の上には、層間絶縁膜160が覆われている。層間絶縁膜160は、無機絶縁膜により形成されていてもよい。
層間絶縁膜160には、複数のコンタクト孔161、162、163、164、165、166、167、168が形成されている。
第1のコンタクト孔161は、第1の駆動電圧線126の拡張領域を露出させ、第2のコンタクト孔162は、初期化電圧線124の拡張領域を露出させ、第3のコンタクト孔163は、半導体131のさらに延びている「逆コ」の字状の部分の終端(第2の初期化薄膜トランジスターT4−2のソース電極176d−2)を露出させる。第4のコンタクト孔164は、半導体131の左側の縦部分の上側の終端(スイッチング薄膜トランジスターT2のソース電極176b)を露出させ、第5のコンタクト孔165は、半導体131の左側の縦部分の下側の終端(動作制御薄膜トランジスターT5のソース電極176e)を露出させ、第6のコンタクト孔166は半導体131の右側の縦部分でさらに延びている「逆コ」の字状の部分の一部分の第1の補償薄膜トランジスターT3−1のドレイン電極177c−1)を露出させる。第7のコンタクト孔167は、駆動薄膜トランジスターT1のゲート電極125aの一部の領域を露出させ、第8のコンタクト孔168は、半導体131の右側の縦部分の下側の終端(発光制御薄膜トランジスターT6のドレイン電極177f)を露出させる。
層間絶縁膜160の上には、データ線171と、拡張領域175を有する第2の駆動電圧線172と、第1の接続部173と、第2の接続部174および第3の接続部178が形成されている。
データ線171は、第4のコンタクト孔164を通って縦方向に延びており、第4のコンタクト孔164を介してスイッチング薄膜トランジスターT2のソース電極176bと接続されている。その結果、データ線171を流れるデータ電圧がスイッチング薄膜トランジスターT2のソース電極176bに伝達される。
第2の駆動電圧線172(縦駆動電圧線とも呼ばれる。)は縦方向に延びており、第1のコンタクト孔161を介して第1の駆動電圧線126と接続されている。第1の駆動電圧線126は、駆動電圧ELVDDを横方向に伝達し、第2の駆動電圧線172は、駆動電圧ELVDDを縦方向に伝達する。第2の駆動電圧線172は拡張領域175を有し、拡張領域175は、一つの画素ごとに一つずつ形成されている。第2の駆動電圧線172の拡張領域175は、ストレージキャパシターCstの第2の電極175を構成する。ストレージキャパシターCstの第2の電極175には、駆動電圧ELVDDが印加される。ストレージキャパシターCstの第2の電極175は、薄膜トランジスターT1のゲート電極125aおよび逆「己」状を有する駆動薄膜トランジスターT1の半導体131aと重なり合う。ストレージキャパシターCstは、薄膜トランジスターT1のゲート電極125aと、ストレージキャパシターCstの第2の電極175およびこれらの間の層間絶縁膜160からなる。
以上のような第2の駆動電圧線172の構造によれば、第2の駆動電圧線172およびストレージキャパシターCstの第2の電極175は、同じ物質により同時に形成されるので、別途の層にストレージキャパシターCstの電極を形成する必要がなく、その結果、製造時に用いられるマスクの数が減る。マスクの1枚当たりの値段を考慮すれば、製造コストも節減され、且つ、製造時間も短縮される。
このような本発明の実施形態によれば、データ線171と同じ層に配設される第2の駆動電圧線172の拡張領域175(第2の電極175とも呼ばれる。)と駆動薄膜トランジスターT1のゲート電極125aとの間には、一種類の層間絶縁膜160のみが配設され、拡張領域175が配設される層と、駆動薄膜トランジスターT1のゲート電極125aが配設される層との間には、別途の導電層が配設されない。
第1の接続部173は、第2のコンタクト孔162および第3のコンタクト孔163を介して初期化電圧線124および第2の初期化薄膜トランジスターT4−2のソース電極176d−2を接続する。その結果、第2の初期化薄膜トランジスターT4−2のソース電極176d−2には初期化電圧Vintが印加され、第1および第2の初期化薄膜トランジスターT4−1、T4−2をデュアルゲート構造の一つの薄膜トランジスターとして見なすことができるので、初期化薄膜トランジスターT4のソース電極に初期化電圧Vintが印加されるものと解釈され得る。
第2の接続部174は、第6のコンタクト孔166および第7のコンタクト孔167を介して第1の補償薄膜トランジスターT3−1のドレイン電極177c−1および薄膜トランジスターT1のゲート電極125aを接続する。その結果、薄膜トランジスターT1のゲート電極125aには第1の補償薄膜トランジスターT3−1のドレイン電極177c−1の電圧が伝達される。駆動薄膜トランジスターT1のゲート電極125aのうちの一部は、第2の駆動電圧線172の拡張領域と重なり合わない露出領域を有し、露出領域は、第2の接続部174を介して第1の補償薄膜トランジスターT3−1のドレイン電極177c−1と接続されている。
第3の接続部178は第8のコンタクト孔168の上に形成されていて発光制御薄膜トランジスターT6のドレイン電極177fと接続されている。第3の接続部178の上には平坦化膜180が配設されている。平坦化膜180には第1の上部コンタクト孔181があって第3の接続部178を露出させる。平坦化膜180の上には画素電極191が配設され、平坦化膜の第1の上部コンタクト孔181を介して画素電極191および第3の接続部178が接続されている。その結果、画素電極191は発光制御薄膜トランジスターT6のドレイン電極177fと接続されている。画素電極191の上には有機発光層370が配設され、その上には共通電極270が配設される。画素電極191と、有機発光層370および共通電極270は有機発光ダイオード70を構成し、画素電極191は有機発光ダイオード70のアノードである。
駆動薄膜トランジスターT1は、125a、131a、176a、177aにより構成され、スイッチング薄膜トランジスターT2は、125b、131b、176b、177bにより構成され、補償薄膜トランジスターT3−1、T3−2は、それぞれ125c−1、131c−1、176c−1、177c−1と125c−2、131c−2、176c−2、177c−2により構成され、初期化薄膜トランジスターT4−1、T4−2は、それぞれ125d−1、131d−1、176d−1、177d−1と125d−2、131d−2、176d−2、177d−2により構成され、動作制御薄膜トランジスターT5は、125e、131e、176e、177eにより構成され、発光制御薄膜トランジスターT6は、125f、131f、176f、177fにより構成される。なお、ストレージキャパシターCstは、125aおよび175により構成される。各トランジスターの半導体は、各トランジスターのゲート電極と重なり合う部分にチャンネル領域が形成される。
以下、図6乃至図11に基づき、本発明の実施形態による有機発光表示装置の製造方法について説明する。
図6乃至図11は、図3の実施形態による有機発光表示装置の製造順に従い示す図である。
まず、図6および図7を用いて半導体131のみが形成されている有機発光表示装置について説明する。
絶縁基板110の上に絶縁基板110を保護するバッファー層111を形成する。バッファー層111は絶縁基板110を保護するだけではなく、半導体131を結晶化させる時に絶縁基板110から不純物が半導体131に流入しないようにする役割も果たす。
バッファー層111の上に非晶質シリコンを全体的に形成した後、これを結晶化させて多結晶半導体層を形成する。その後、多結晶半導体層の上に第1のマスクを用いて多結晶半導体層を図6に示す形状の半導体131にエッチングする。
半導体131は、逆「己」字状を有する駆動薄膜トランジスターT1の半導体131aを中心に左右に垂直方向に延びた縦部分を備え、各縦部分の両端部は折れ曲がっている。また、右側の縦部分の上部にはさらに延びている「逆コ」の字状に折れ曲がった部分を有する。半導体131はドーピングされていないため、各トランジスターを構成する半導体と、ソース電極およびドレイン電極に区分されていない。
その後、図8および図9に示すように、半導体131の上にゲート絶縁膜141を覆った後、ゲート絶縁膜141の上にゲート用導電体を積層した後に第2のマスクを用いてエッチングする。その結果、スキャン線121と、直前のスキャン線122と、発光制御線123と、初期化電圧線124と、第1の駆動電圧線126および駆動薄膜トランジスターT1のゲート電極125aが形成される。スキャン線121と、直前のスキャン線122と、発光制御線123と、初期化電圧線124および第1の駆動電圧線126は互いに平行である。なお、スキャン線121および直前のスキャン線122には、それぞれ突出部が形成されている。
その後、半導体131をドーピングする。半導体131は、突出部を有するスキャン線121と、突出部を有する直前のスキャン線122と、発光制御線123と、初期化電圧線124と、第1の駆動電圧線126および駆動薄膜トランジスターT1のゲート電極125aと、により隠れた(により上方を覆われた)部分を除いて、露出された領域にドーピングされる。その結果、各トランジスターのソース電極およびドレイン電極が形成される。半導体131において上部膜により上方を覆われたため隠れてドーピングされていない領域には、各トランジスターにおいてチャンネルの役割を果たす半導体が形成される。すなわち、半導体131のドーピング時には別途のマスクが不要である。
ドーピングによる半導体131は、以下のような構造を有する。
駆動薄膜トランジスターT1の半導体131aは逆「己」字状を有し、左右に配設される縦部分に隣り合う部分には駆動薄膜トランジスターT1のそれぞれソース電極176aおよびドレイン電極177aが配設されている。駆動薄膜トランジスターT1の半導体131aは、実施形態において逆「己」字状を有するが、様々な形状を有してもよく、一つ以上の折曲部を備える構造を有すれば十分である。なお、駆動薄膜トランジスターT1の半導体131aは、第1の方向に延びている複数の第1の延長部31と、第1の方向とは異なる第2の方向に延びている複数の第2の延長部32と、を備え、折曲部33は、前記第1の延長部31および前記第2の延長部32を接続する構造を有し得る。
駆動薄膜トランジスターT1のソース電極176aと接続されている左側の縦部分には、上側に配設されるスイッチング薄膜トランジスターT2の半導体131bおよび下側に配設される動作制御薄膜トランジスターT5の半導体131eが形成されている。スイッチング薄膜トランジスターT2の半導体131bと動作制御薄膜トランジスターT5の半導体131eとの間には、スイッチング薄膜トランジスターT2のドレイン電極177bおよび動作制御薄膜トランジスターT5のドレイン電極177eが配設されていて駆動薄膜トランジスターT1のソース電極176aと接続されている。
スイッチング薄膜トランジスターT2の半導体131bの上側にはスイッチング薄膜トランジスターT2のソース電極176bが配設され、動作制御薄膜トランジスターT5の半導体131eの下側には動作制御薄膜トランジスターT5のソース電極176eが配設されている。
一方、駆動薄膜トランジスターT1のドレイン電極177aと接続されている右側の縦部分には、上側に配設される補償薄膜トランジスターT3−1、T3−2の半導体131c−1、131c−2および下側に配設される発光制御薄膜トランジスターT6の半導体131fが形成されている。正確には、補償薄膜トランジスターT3−1の半導体131c−1は、半導体131の右側の縦部分の上端から左側に折れた部分に位置する。補償薄膜トランジスターT3−1、T3−2の半導体131c−1、131c−2と発光制御薄膜トランジスターT6の半導体131fとの間には、補償薄膜トランジスターT3−1、T3−2のうち第2の補償薄膜トランジスターT3−2のソース電極176c−2および発光制御薄膜トランジスターT6のソース電極176fが配設されていて駆動薄膜トランジスターT1のドレイン電極177aと接続されている。
補償薄膜トランジスターT3−1、T3−2の構造についてより詳細に説明すると、下記の通りである。補償薄膜トランジスターT3−1、T3−2は、第1の補償薄膜トランジスターT3−1および第2の補償薄膜トランジスターT3−2を備え、第1の補償薄膜トランジスターT3−1は、スキャン線121の突出部を中心に配設されており、第2の補償薄膜トランジスターT3−2は、スキャン線121および半導体131の右側の縦部分が重なり合う部分を中心に配設されている。
まず、第2の補償薄膜トランジスターT3−2のソース電極176c−2は、発光制御薄膜トランジスターT6のソース電極176fおよび駆動薄膜トランジスターT1のドレイン電極177aと接続されており、ゲート電極125c−2は、スキャン線121のうち半導体131の右側の縦部分が重なり合う個所に配設され、半導体131c−2は、半導体131の右側の縦部分の上端から左側に折れ曲がる部分のうちのスキャン線121と重なり合う個所に配設され、ドレイン電極177c−2は、半導体131の右側の縦部分のうち半導体131c−2の上側に配設される。
一方、第1の補償薄膜トランジスターT3−1のソース電極176c−1は、第2の補償薄膜トランジスターT3−2のドレイン電極177c−2と接続されており、ゲート電極125c−1は、スキャン線121の突出部に配設され、半導体131c−1は、半導体131の右側の縦部分のうちスキャン線121の突出部と重なり合う個所に配設され、ドレイン電極177c−1は、半導体131c−1を基準としてソース電極176c−1の反対側に配設される。第1の補償薄膜トランジスターT3−1は、本発明の実施形態において、半導体131の右側の縦部分から「逆コ」の字状にさらに延びた部分に配設される。
発光制御薄膜トランジスターT6の半導体131fの下側には発光制御薄膜トランジスターT6のドレイン電極177fが配設され、第2の補償薄膜トランジスターT3−2の半導体131c−2およびドレイン電極177c−1の上側にはさらに延びている「逆コ」の字状の部分に初期化薄膜トランジスターT4−1、T4−2の半導体131d−1、131d−2が形成されている。第1の初期化薄膜トランジスターT4−1の半導体131d−1と第1の補償薄膜トランジスターT3−1のドレイン電極177c−1との間には第1の初期化薄膜トランジスターT4−1のドレイン電極177d−1が配設され、さらに延びている「逆コ」の字状の追加延長部分の終端には第2の初期化薄膜トランジスターT4−2のソース電極176d−2が配設されている。
初期化薄膜トランジスターT4−1、T4−2の構造についてより詳細に説明すると、下記の通りである。初期化薄膜トランジスターT4−1、T4−2は、第1の初期化薄膜トランジスターT4−1および第2の初期化薄膜トランジスターT4−2を備え、第1の初期化薄膜トランジスターT4−1は、直前のスキャン線122の突出部を中心に配設されており、第2の初期化薄膜トランジスターT4−2は、直前のスキャン線122および半導体131の「逆コ」の字状の部分が重なり合う部分を中心に配設されている。
まず、第1の初期化薄膜トランジスターT4−1のドレイン電極177d−1は、第1の補償薄膜トランジスターT3−1のドレイン電極177c−1と接続されており、ゲート電極125d−1は、直前のスキャン線122のうち半導体131の「逆コ」の字状の部分が重なり合う個所に配設され、半導体131d−1は、半導体131の「逆コ」の字状の部分のうち直前のスキャン線122の突出部と重なり合う個所に配設され、ドレイン電極177d−1は、半導体131d−1を基準としてソース電極176d−1の反対側に配設される。
一方、第2の初期化薄膜トランジスターT4−2のドレイン電極177d−2は、第1の初期化薄膜トランジスターT4−1のソース電極176d−1と接続されており、ゲート電極125d−2は、直前のスキャン線122のうち半導体131の「逆コ」の字状の部分と重なり合う部分に配設され、半導体131d−2は、半導体131の「逆コ」の字状の部分のうち直前のスキャン線122と重なり合う個所に配設され、ソース電極176d−2は、半導体131d−2を基準としてドレイン電極177d−2の反対側であって、半導体131の「逆コ」の字状の部分の終端に配設される。
その後、図10および図11に示すように、層間絶縁膜160を覆った後、第3のマスクを用いて層間絶縁膜160に複数のコンタクト孔161、162、163、164、165、166、167、168を形成する。その後、層間絶縁膜160の上にデータ用導電体を積層した後、第4のマスクを用いてエッチングする。その結果、データ線171と、拡張領域175を有する第2の駆動電圧線172と、第1の接続部173と、第2の接続部174および第3の接続部178が形成される。
データ線171は、第4のコンタクト孔164を通って縦方向に延びており、第4のコンタクト孔164を介してスイッチング薄膜トランジスターT2のソース電極176bと接続されている。その結果、データ線171を流れるデータ電圧がスイッチング薄膜トランジスターT2のソース電極176bに伝達される。
第2の駆動電圧線172は縦方向に延びており、第1のコンタクト孔161を介して第1の駆動電圧線126と接続されている。第1の駆動電圧線126は駆動電圧ELVDDを横方向に伝達し、第2の駆動電圧線172は駆動電圧ELVDDを縦方向に伝達する。第2の駆動電圧線172は拡張領域を有し、拡張領域は一つの画素ごとに一つずつ形成されている。第2の駆動電圧線172の拡張領域は、ストレージキャパシターCstの第2の電極175を構成する。ストレージキャパシターCstの第2の電極175には駆動電圧ELVDDが印加される。ストレージキャパシターCstの第2の電極175は、薄膜トランジスターT1のゲート電極125aおよび逆「己」字状を有する駆動薄膜トランジスターT1の半導体131aと重なり合う。ストレージキャパシターCstは、薄膜トランジスターT1のゲート電極125aと、ストレージキャパシターCstの第2の電極175およびこれらの間の層間絶縁膜160からなる。
第1の接続部173は、第2のコンタクト孔162および第3のコンタクト孔163を介して初期化電圧線124および第2の初期化薄膜トランジスターT4−2のソース電極176d−2を接続する。その結果、第2の初期化薄膜トランジスターT4−2のソース電極176d−2には初期化電圧Vintが印加され、第1および第2の初期化薄膜トランジスターT4−1、T4−2をデュアルゲート構造の一つの薄膜トランジスターとして見なすことができるため、初期化薄膜トランジスターT4のソース電極に初期化電圧Vintが印加されるものと解釈され得る。
第2の接続部174は、第6のコンタクト孔166および第7のコンタクト孔167を介して第1の補償薄膜トランジスターT3−1のドレイン電極177c−1および薄膜トランジスターT1のゲート電極125aを接続する。その結果、薄膜トランジスターT1のゲート電極125aには第1の補償薄膜トランジスターT3−1のドレイン電極177c−1の電圧が伝達される。駆動薄膜トランジスターT1のゲート電極125aのうちの一部は第2の駆動電圧線172の拡張領域と重なり合わない露出領域を有し、露出領域は第2の接続部174を介して第1の補償薄膜トランジスターT3−1のドレイン電極177c−1と接続されている。
第3の接続部178は第8のコンタクト孔168の上に形成されていて発光制御薄膜トランジスターT6のドレイン電極177fと接続されている。
その後、図5に戻ると、データ線171と、拡張領域175を有する第2の駆動電圧線172と、第1の接続部173と、第2の接続部174および第3の接続部178を覆う平坦化膜180を積層する。その後、第5のマスクを用いて第3の接続部178を露出させる第1の上部コンタクト孔181を形成する。その後、平坦化膜180の上には第6のマスクを用いて画素電極191を形成し、画素電極191は露出された第3の接続部178と電気的に接続されて発光制御薄膜トランジスターT6のドレイン電極177fと接続される。
その後、画素電極191の上に第7のマスクを用いて隔壁((図示せず))を形成し、隔壁の間に有機発光層370を形成する。その後、有機発光層370の上に共通電極270を形成する。共通電極270は全領域に亘って形成されるため、別途のマスクを用いない。その結果、画素電極191と、有機発光層370および共通電極270は有機発光ダイオード70を構成し、画素電極191は有機発光ダイオード70のアノードである。
以上のような製造方法によれば、第2の駆動電圧線172の拡張領域はストレージキャパシターCstの第2の電極175を構成するため、別途の層にストレージキャパシターCstの電極を形成する必要がなく、その結果、製造時に用いられるマスクの数が減る。マスクの1枚当たりの値段を考慮すれば、製造コストも節減され、且つ、製造時間も短縮される。
以下、図12乃至図14に基づき、本発明の他の実施形態による有機発光表示装置について説明する。
図12乃至図14は、図1と同じ回路構成を有するが、図3乃至図5とは異なり、第1の駆動電圧線192がスキャン線121と同じ層に形成されず、画素電極191と同じ層に形成されるという点に相違点がある。図12の実施形態における第1の駆動電圧線192は第2の駆動電圧線172と第1のコンタクト孔により接触されるが、第1のコンタクト孔は平坦化膜180に配設される。なお、第1の駆動電圧線192(横駆動電圧線とも呼ばれる。)が初期化電圧線124と配置図の上において重なり合う。
以下、図12乃至図14に基づいて詳細に説明する。
図12は、本発明の実施形態による有機発光表示装置の一つの画素の配置図であり、図13は、図12の実施形態による有機発光表示装置における隣り合う三つの画素と一緒に示す配置図であり、図14は、図12の有機発光表示装置をXIV−XIV線に沿って切り取った断面図である。
図12の実施形態による有機発光表示装置の画素には、図2に示すスキャン信号Snと、直前のスキャン信号Sn−1と、発光制御信号Emおよび初期化電圧Vintがそれぞれ印加され、行方向に沿って形成されているスキャン線121と、直前のスキャン線122と、発光制御線123および初期化電圧線124を備え、スキャン線121と、直前のスキャン線122と、発光制御線123および初期化電圧線124の全てと交差しており、画素にデータ信号Dmを印加するデータ線171を備える。
また、駆動電圧ELVDDを印加する駆動電圧線192/172も備えられており、駆動電圧線192/172はスキャン線121と平行であり、画素電極191と同じ層に配設される第1の駆動電圧線192およびデータ線171と平行な第2の駆動電圧線172からなる。第1の駆動電圧線192および第2の駆動電圧線172は、電気的に接続されている。第1の駆動電圧線192は、横方向に隣り合う二本以上の第2の駆動電圧線172を電気的に接続して駆動電圧ELVDDが横方向にも伝達されるようにする。
さらに、画素には、駆動薄膜トランジスターT1と、スイッチング薄膜トランジスターT2と、補償薄膜トランジスターT3−1、T3−2と、初期化薄膜トランジスターT4−1、T4−2と、動作制御薄膜トランジスターT5と、発光制御薄膜トランジスターT6と、ストレージキャパシターCstおよび有機発光ダイオードが形成されている。図12の実施形態を参照すると、補償薄膜トランジスターT3−1、T3−2および初期化薄膜トランジスターT4−1、T4−2はデュアルゲート構造の薄膜トランジスターにより構成されており、以下、それぞれ二つのトランジスターが接続された構造を例にとって説明する。
駆動薄膜トランジスターT1と、スイッチング薄膜トランジスターT2と、補償薄膜トランジスターT3−1、T3−2と、初期化薄膜トランジスターT4−1、T4−2と、動作制御薄膜トランジスターT5および発光制御薄膜トランジスターT6のチャンネルは、接続されている一つの半導体131の内に形成されており、半導体131は、様々な形状に折り曲げられて形成されている。図12の実施形態による半導体131は、駆動薄膜トランジスターT1の半導体131aを中心に左右に概ね垂直方向(データ線171と平行な方向)に延びた縦部分を備え、各縦部分の両端部は折れ曲がっている。なお、右側の縦部分の上部は、さらに延びている「逆コ」の字状に折れ曲がった部分を有する。
駆動薄膜トランジスターT1の半導体131aは逆「己」字状を有し、ほとんどが駆動薄膜トランジスターT1の半導体131aを構成し、左右に配設される縦部分に隣り合う部分には駆動薄膜トランジスターT1のそれぞれソース電極176aおよびドレイン電極177aが配設されている。駆動薄膜トランジスターT1の半導体131aは実施形態において逆「己」字状を有するが、様々な形状を有してもよく、一つ以上の折曲部を備える構造を有すれば十分である。なお、駆動薄膜トランジスターT1の半導体131aは、第1の方向に延びている複数の第1の延長部31および第1の方向とは異なる第2の方向に延びている複数の第2の延長部32を備え、折曲部33は、前記第1の延長部31および前記第2の延長部32を接続する構造を有し得る。
駆動薄膜トランジスターT1のソース電極176aと接続されている左側の縦部分には、上側に配設されるスイッチング薄膜トランジスターT2の半導体131bおよび下側に配設される動作制御薄膜トランジスターT5の半導体131eが形成されている。スイッチング薄膜トランジスターT2の半導体131bと動作制御薄膜トランジスターT5の半導体131eとの間には、スイッチング薄膜トランジスターT2のドレイン電極177bおよび動作制御薄膜トランジスターT5のドレイン電極177eが配設されていて駆動薄膜トランジスターT1のソース電極176aと接続されている。
スイッチング薄膜トランジスターT2の半導体131bの上側にはスイッチング薄膜トランジスターT2のソース電極176bが配設され、動作制御薄膜トランジスターT5の半導体131eの下側には動作制御薄膜トランジスターT5のソース電極176eが配設されている。
一方、駆動薄膜トランジスターT1のドレイン電極177aと接続されている右側の縦部分には、上側に配設される補償薄膜トランジスターT3−1、T3−2の半導体131c−1、131c−2および下側に配設される発光制御薄膜トランジスターT6の半導体131fが形成されている。正確には、補償薄膜トランジスターT3−1の半導体131c−1は、半導体131の右側の縦部分の上端から左側に折れた部分に位置する。補償薄膜トランジスターT3−1、T3−2の半導体131c−1、131c−2と発光制御薄膜トランジスターT6の半導体131fとの間には、補償薄膜トランジスターT3−1、T3−2のうち第2の補償薄膜トランジスターT3−2のソース電極176c−2および発光制御薄膜トランジスターT6のソース電極176fが配設されていて駆動薄膜トランジスターT1のドレイン電極177aと接続されている。
補償薄膜トランジスターT3−1、T3−2の構造についてより詳細に説明すると、下記の通りである。補償薄膜トランジスターT3−1、T3−2は、第1の補償薄膜トランジスターT3−1および第2の補償薄膜トランジスターT3−2を備え、第1の補償薄膜トランジスターT3−1は、スキャン線121の突出部を中心に配設されており、第2の補償薄膜トランジスターT3−2は、スキャン線121および半導体131の右側の縦部分が重なり合う部分を中心に配設されている。
まず、第2の補償薄膜トランジスターT3−2のソース電極176c−2は、発光制御薄膜トランジスターT6のソース電極176fおよび駆動薄膜トランジスターT1のドレイン電極177aと接続されており、ゲート電極125c−2は、スキャン線121のうち半導体131の右側の縦部分が重なり合う個所に配設され、半導体131c−2は、半導体131の右側の縦部分のうちスキャン線121と重なり合う個所に配設され、ドレイン電極177c−2は、半導体131の右側の縦部分のうち半導体131c−2の上側に配設される。
一方、第1の補償薄膜トランジスターT3−1のソース電極176c−1は、第2の補償薄膜トランジスターT3−2のドレイン電極177c−2と接続されており、ゲート電極125c−1は、スキャン線121の突出部に配設され、半導体131c−1は、半導体131の右側の縦部分のうちスキャン線121の突出部と重なり合う個所に配設され、ドレイン電極177c−1は、半導体131c−1を基準としてソース電極176c−1の反対側に配設される。第1の補償薄膜トランジスターT3−1は、本発明の実施形態において、半導体131の右側の縦部分から「逆コ」の字状にさらに延びた部分に配設される。
発光制御薄膜トランジスターT6の半導体131fの下側には発光制御薄膜トランジスターT6のドレイン電極177fが配設され、第2の補償薄膜トランジスターT3−2の半導体131c−2およびドレイン電極177c−1の上側には、さらに延びている「逆コ」の字状の追加延長部分に初期化薄膜トランジスターT4−1、T4−2の半導体131d−1、131d−2がさらに形成されている。第1の初期化薄膜トランジスターT4−1の半導体131d−1と第1の補償薄膜トランジスターT3−1のドレイン電極177c−1との間には、第1の初期化薄膜トランジスターT4−1のドレイン電極177d−1が配設され、さらに延びている「逆コ」の字状の部分の終端には第2の初期化薄膜トランジスターT4−2のソース電極176d−2が配設されている。
初期化薄膜トランジスターT4−1、T4−2の構造についてより詳細に説明すると、下記の通りである。初期化薄膜トランジスターT4−1、T4−2は、第1の初期化薄膜トランジスターT4−1および第2の初期化薄膜トランジスターT4−2を備え、第1の初期化薄膜トランジスターT4−1は、直前のスキャン線122の突出部を中心に配設されており、第2の初期化薄膜トランジスターT4−2は、直前のスキャン線122および半導体131の「逆コ」の字状の部分が重なり合う部分を中心に配設されている。
まず、第1の初期化薄膜トランジスターT4−1のドレイン電極177d−1は、第1の補償薄膜トランジスターT3−1のドレイン電極177c−1と接続されており、ゲート電極125d−1は、直前のスキャン線122のうち半導体131の「逆コ」の字状の部分が重なり合う個所に配設され、半導体131d−1は、半導体131の「逆コ」の字状の部分のうち直前のスキャン線122の突出部と重なり合う個所に配設され、ドレイン電極177d−1は、半導体131d−1を基準としてソース電極176d−1の反対側に配設される。
一方、第2の初期化薄膜トランジスターT4−2のドレイン電極177d−2は、第1の初期化薄膜トランジスターT4−1のソース電極176d−1と接続されており、ゲート電極125d−2は、直前のスキャン線122のうち半導体131の「逆コ」の字状の部分と重なり合う部分に配設され、半導体131d−2は、半導体131の「逆コ」の字状の部分のうち直前のスキャン線122と重なり合う個所に配設され、ソース電極176d−2は、半導体131d−2を基準としてドレイン電極177d−2の反対側であって、半導体131の「逆コ」の字状の部分の終端に配設される。
実施形態によっては、半導体131の構造は様々であり、半導体131は、多結晶半導体で形成されていてもよい。半導体131に形成されているソース電極/ドレイン電極は、当該領域のみをドーピングして形成してもよい。また、半導体131における異なるトランジスターのソース電極とドレイン電極との間の領域もドーピングされてソース電極およびドレイン電極が電気的に接続されていてもよい。
半導体131は、絶縁基板110の上に形成されており、絶縁基板110と半導体131との間には、バッファー層111が配設されていてもよい。バッファー層111は、多結晶半導体を形成するために結晶化工程に際して絶縁基板110から不純物を遮断して多結晶半導体の特性を向上させ、絶縁基板110が受けるストレスを減らす役割を果たす。
半導体131の上には、これを覆うゲート絶縁膜141が形成されている。ゲート絶縁膜141は、無機絶縁膜により形成されていてもよい。
ゲート絶縁膜141の上には、行方向に沿って形成されているスキャン線121と、直前のスキャン線122と、発光制御線123と、初期化電圧線124および駆動薄膜トランジスターT1のゲート電極125aが形成されている。
スキャン線121および直前のスキャン線122は、それぞれ突出されている突出部を有し、スキャン線121の突出部は、直前のスキャン線122に向かって突出されていて、直前のスキャン線122の突出部は、スキャン線121に向かって突出されている。
まず、スキャン線121の突出部は、スキャン線121の上方向に突出されており、第1の補償薄膜トランジスターT3−1の半導体131c−1と重なり合い、第1の補償薄膜トランジスターT3−1のゲート電極125c−1を構成する。第1の補償薄膜トランジスターT3−1のソース電極176c−1およびドレイン電極177c−1は、第1の補償薄膜トランジスターT3−1のゲート電極125c−1と重なり合わない。
直前のスキャン線122の突出部は、直前のスキャン線122の下方向に突出されており、第1の初期化薄膜トランジスターT4−1の半導体131d−1と重なり合い、第1の初期化薄膜トランジスターT4−1のゲート電極125d−1を構成する。第1の初期化薄膜トランジスターT4−1のソース電極176d−1およびドレイン電極177d−1は、第1の初期化薄膜トランジスターT4−1のゲート電極125d−1と重なり合わない。
スキャン線121の下側には発光制御線123が配設され、発光制御線123は、半導体131の左側の縦部分および右側の縦部分とそれぞれ重なり合う。発光制御線123は、半導体131の左側の縦部分のうち動作制御薄膜トランジスターT5の半導体131eと重なり合い、動作制御薄膜トランジスターT5のソース電極176eおよびドレイン電極177eとは重なり合わない。また、発光制御線123は、半導体131の右側の縦部分のうち発光制御薄膜トランジスターT6の半導体131fと重なり合い、発光制御薄膜トランジスターT6のソース電極176fおよびドレイン電極177fとは重なり合わない。
直前のスキャン線122の上側には初期化電圧線124が配設され、初期化電圧線124は、一部の拡張された領域を有する。初期化電圧線124の拡張された領域は、他の配線と接触し易くするために拡張されている。初期化電圧線124は、第1の駆動電圧線192と平面図上において重なり合う。
初期化電圧線124は、半導体131と重なり合わない。
駆動薄膜トランジスターT1のゲート電極125aは矩形状に形成され、半導体131の逆「己」字状を有する部分、すなわち、駆動薄膜トランジスターT1の半導体131aと重なり合う。駆動薄膜トランジスターT1のソース電極176aおよびドレイン電極177aは、駆動薄膜トランジスターT1のゲート電極125aと重なり合わない。
スキャン線121と、直前のスキャン線122と、発光制御線123と、初期化電圧線124および駆動薄膜トランジスターT1のゲート電極125aと露出されているゲート絶縁膜141の上には、層間絶縁膜160が覆われている。層間絶縁膜160は、無機絶縁膜により形成されていてもよい。
層間絶縁膜160には、複数のコンタクト孔162、163、164、165、166、167、168が形成されている。
第2のコンタクト孔162は、初期化電圧線124を露出させ、第3のコンタクト孔163は、半導体131のさらに延びている「逆コ」の字状の部分の終端(第2の初期化薄膜トランジスターT4−2のソース電極176d−2)を露出させる。なお、第2のコンタクト孔162が形成される部分において、初期化電圧線124は拡張された拡張領域を有していてもよい。第4のコンタクト孔164は、半導体131の左側の縦部分の上側の終端(スイッチング薄膜トランジスターT2のソース電極176b)を露出させ、第5のコンタクト孔165は、半導体131の左側の縦部分の下側の終端(動作制御薄膜トランジスターT5のソース電極176e)を露出させ、第6のコンタクト孔166は、半導体131の右側の縦部分からさらに延びている「逆コ」の字状の部分の一部分である第1の補償薄膜トランジスターT3−1のドレイン電極177c−1を露出させる。第7のコンタクト孔167は、駆動薄膜トランジスターT1のゲート電極125aの一部の領域を露出させ、第8のコンタクト孔168は、半導体131の右側の縦部分の下側の終端(発光制御薄膜トランジスターT6のドレイン電極177f)を露出させる。
層間絶縁膜160の上には、データ線171と、拡張領域175を有する第2の駆動電圧線172と、第1の接続部173と、第2の接続部174および第3の接続部178が形成されている。
データ線171は、第4のコンタクト孔164を通って縦方向に延びており、第4のコンタクト孔164を介してスイッチング薄膜トランジスターT2のソース電極176bと接続されている。その結果、データ線171を流れるデータ電圧がスイッチング薄膜トランジスターT2のソース電極176bに伝達される。
第2の駆動電圧線172は縦方向に延びており、駆動電圧ELVDDを縦方向に伝達する。第2の駆動電圧線172は拡張領域を有し、拡張領域は、一つの画素ごとに一つずつ形成されている。第2の駆動電圧線172の拡張領域は、ストレージキャパシターCstの第2の電極175を構成する。ストレージキャパシターCstの第2の電極175には駆動電圧ELVDDが印加される。ストレージキャパシターCstの第2の電極175は、薄膜トランジスターT1のゲート電極125aおよび逆「己」字状を有する駆動薄膜トランジスターT1の半導体131aと重なり合う。ストレージキャパシターCstは、薄膜トランジスターT1のゲート電極125aと、ストレージキャパシターCstの第2の電極175およびこれらの間の層間絶縁膜160からなる。
以上のような第2の駆動電圧線172の構造によれば、第2の駆動電圧線172およびストレージキャパシターCstの第2の電極175は、 同じ物質により同時に形成されるので、別途の層にストレージキャパシターCstの電極を形成する必要がなく、その結果、製造時に用いられるマスクの数が減る。マスクの1枚当たりの値段を考慮すれば、製造コストも節減され、且つ、製造時間も短縮される。
第1の接続部173は、第2のコンタクト孔162および第3のコンタクト孔163を介して初期化電圧線124および第2の初期化薄膜トランジスターT4−2のソース電極176d−2を接続する。その結果、第2の初期化薄膜トランジスターT4−2のソース電極176d−2には初期化電圧Vintが印加され、第1および第2の初期化薄膜トランジスターT4−1、T4−2をデュアルゲート構造の一つの薄膜トランジスターとして見なすことができるので、初期化薄膜トランジスターT4のソース電極に初期化電圧Vintが印加されるものと解釈され得る。
第2の接続部174は、第6のコンタクト孔166および第7のコンタクト孔167を介して第1の補償薄膜トランジスターT3−1のドレイン電極177c−1および薄膜トランジスターT1のゲート電極125aを接続する。その結果、薄膜トランジスターT1のゲート電極125aには第1の補償薄膜トランジスターT3−1のドレイン電極177c−1の電圧が伝達される。駆動薄膜トランジスターT1のゲート電極125aのうちの一部は、第2の駆動電圧線172の拡張領域と重なり合わない露出領域を有し、露出領域は、第2の接続部174を介して第1の補償薄膜トランジスターT3−1のドレイン電極177c−1と接続されている。
第3の接続部178は、第8のコンタクト孔168の上に形成されていて発光制御薄膜トランジスターT6のドレイン電極177fと接続されている。第3の接続部178の上には、平坦化膜180が配設されている。平坦化膜180には、第3の接続部178を露出させる第1の上部コンタクト孔181および第1の駆動電圧線192の一部を露出させる第2の上部コンタクト孔182が存在し、第2の上部コンタクト孔182により第2の駆動電圧線172を露出させる。
平坦化膜180の上には、画素電極191および第1の駆動電圧線192が形成されている。
まず、画素電極191は、平坦化膜180の第1の上部コンタクト孔181を介して第3の接続部178が接続されている。その結果、画素電極191は発光制御薄膜トランジスターT6のドレイン電極177fと接続されている。
第1の駆動電圧線192は、スキャン線121のように横方向に延びており、一部の拡張された領域を有して他の配線と接触し易くしている。第2の上部コンタクト孔182により第1の駆動電圧線192は第2の駆動電圧線172と電気的に接続されており、第1の駆動電圧線192は駆動電圧ELVDDを横方向に伝達する。第1の駆動電圧線192は、画素の面積を減らすために、より具体的には、非表示領域の面積を減らすために、初期化電圧線124と配置図上において重なり合っている。
画素電極191の上には有機発光層370が配設され、その上には共通電極270が配設される。画素電極191と、有機発光層370および共通電極270は有機発光ダイオード70を構成し、画素電極191は、有機発光ダイオード70のアノードである。
駆動薄膜トランジスターT1は、125a、131a、176a、177aにより構成され、スイッチング薄膜トランジスターT2は、125b、131b、176b、177bにより構成され、補償薄膜トランジスターT3−1、T3−2は、それぞれ125c−1、131c−1、176c−1、177c−1と125c−2、131c−2、176c−2、177c−2により構成され、初期化薄膜トランジスターT4−1、T4−2は、それぞれ125d−1、131d−1、176d−1、177d−1と125d−2、131d−2、176d−2、177d−2により構成され、動作制御薄膜トランジスターT5は、125e、131e、176e、177eにより構成され、発光制御薄膜トランジスターT6は、125f、131f、176f、177fにより構成される。なお、ストレージキャパシターCstは、125aおよび175により構成される。
図12乃至図14の実施形態も、図3乃至図5の実施形態の製造方法に準拠して製造される。
以下、図15および図16に基づいて、本発明の他の実施形態による有機発光表示装置について説明する。
図15は、本発明の他の実施形態による有機発光表示装置の一つの画素の等価回路図であり、図16は、図15の実施形態による有機発光表示装置の一つの画素に印加される信号のタイミング図である。
図15は、図1に準拠する画素の等価回路図であり、図1とは異なり、バイパス薄膜トランジスターT7をさらに備え、バイパス信号BPに基づいて、駆動電流Idの一部をバイパス電流IbpにバイパストランジスターT7を介して抜き出す。
図15の回路図について詳細に説明すると、下記の通りである。
図15に示すように、本発明の実施形態による有機発光表示装置の一つの画素は、複数本の信号線121、122、123、124、128、171、126/172と、複数本の信号線に接続されている複数の薄膜トランジスターT1、T2、T3、T4、T5、T6、T7と、ストレージキャパシターCstおよび有機発光ダイオードOLEDを備える。
薄膜トランジスターは、駆動薄膜トランジスターT1と、スイッチング薄膜トランジスターT2と、補償薄膜トランジスターT3と、初期化薄膜トランジスターT4と、動作制御薄膜トランジスターT5と、発光制御薄膜トランジスターT6およびバイパストランジスターT7を備える。
信号線は、スキャン信号Snを伝達するスキャン線121と、初期化薄膜トランジスターT4に直前のスキャン信号Sn−1を伝達する前のスキャン線122と、動作制御薄膜トランジスターT5および発光制御薄膜トランジスターT6に発光制御信号Emを伝達する発光制御線123と、スキャン線121と交差し、データ信号Dmを伝達するデータ線171と、駆動電圧ELVDDを伝達する駆動電圧線126/172と、駆動薄膜トランジスターT1を初期化させる初期化電圧Vintを伝達する初期化電圧線124およびバイパストランジスターT7にバイパス信号BPを伝達するバイパス制御線128を備える。ここで、駆動電圧線126/172は、スキャン線121と平行な第1の駆動電圧線126およびデータ線171と平行な第2の駆動電圧線172からなり、第1の駆動電圧線126および第2の駆動電圧線172は電気的に接続されている。
駆動薄膜トランジスターT1のゲート電極G1は、ストレージキャパシターCstの一方の端Cst1と接続されており、駆動薄膜トランジスターT1のソース電極S1は、動作制御薄膜トランジスターT5を経て駆動電圧線126/172と接続されており、駆動薄膜トランジスターT1のドレイン電極D1は、発光制御薄膜トランジスターT6を経て有機発光ダイオードOLEDのアノードと電気的に接続されている。駆動薄膜トランジスターT1は、スイッチング薄膜トランジスターT2のスイッチング動作によりデータ信号Dmを伝達されて有機発光ダイオードOLEDに駆動電流を供給する。
スイッチング薄膜トランジスターT2のゲート電極G2は、スキャン線121と接続されており、スイッチング薄膜トランジスターT2のソース電極S2は、データ線171と接続されており、スイッチング薄膜トランジスターT2のドレイン電極D2は、駆動薄膜トランジスターT1のソース電極S1と接続されており、且つ、動作制御薄膜トランジスターT5を経て駆動電圧線126/172と接続されている。このようなスイッチング薄膜トランジスターT2は、スキャン線121を介して伝達されたスキャン信号Snによりターンオンされてデータ線171に伝達されたデータ信号Dmを駆動薄膜トランジスターT1のソース電極に伝達するスイッチング動作を行う。
補償薄膜トランジスターT3のゲート電極G3は、スキャン線121に接続されており、補償薄膜トランジスターT3のソース電極S3は、駆動薄膜トランジスターT1のドレイン電極D1と接続されており、且つ、発光制御薄膜トランジスターT6を経て有機発光ダイオードOLEDのアノードと接続されており、補償薄膜トランジスターT3のドレイン電極D3は、ストレージキャパシターCstの一方の端Cst1と、初期化薄膜トランジスターT4のドレイン電極D4および駆動薄膜トランジスターT1のゲート電極G1と接続されている。このような補償薄膜トランジスターT3は、スキャン線121を介して伝達されたスキャン信号Snによりターンオンされて駆動薄膜トランジスターT1のゲート電極G1およびドレイン電極D1を接続して駆動薄膜トランジスターT1をダイオード接続させる。
初期化薄膜トランジスターT4のゲート電極G4は、直前のスキャン線122と接続されており、初期化薄膜トランジスターT4のソース電極S4は、初期化電圧線124と接続されており、初期化薄膜トランジスターT4のドレイン電極D4は、ストレージキャパシターCstの一方の端Cst1と、補償薄膜トランジスターT3のドレイン電極D3および駆動薄膜トランジスターT1のゲート電極G1と接続されている。このような初期化薄膜トランジスターT4は、直前のスキャン線122を介して伝達された直前のスキャン信号Sn−1によりターンオンされて初期化電圧Vintを駆動薄膜トランジスターT1のゲート電極G1に伝達して駆動薄膜トランジスターT1のゲート電極G1の電圧を初期化させる初期化動作を行う。
動作制御薄膜トランジスターT5のゲート電極G5は、発光制御線123と接続されており、動作制御薄膜トランジスターT5のソース電極S5は、駆動電圧線126/172と接続されており、動作制御薄膜トランジスターT5のドレイン電極D5は、駆動薄膜トランジスターT1のソース電極S1およびスイッチング薄膜トランジスターT2のドレイン電極D2と接続されている。
発光制御薄膜トランジスターT6のゲート電極G6は、発光制御線123と接続されており、発光制御薄膜トランジスターT6のソース電極S6は、駆動薄膜トランジスターT1のドレイン電極D1および補償薄膜トランジスターT3のソース電極S3と接続されており、発光制御薄膜トランジスターT6のドレイン電極D6は、有機発光ダイオードOLEDのアノードと電気的に接続されている。このような動作制御薄膜トランジスターT5および発光制御薄膜トランジスターT6は、発光制御線123を介して伝達された発光制御信号Emにより同時にターンオンされて駆動電圧ELVDDが有機発光ダイオードOLEDに伝達されて有機発光ダイオードOLEDに駆動電流が流れる。
バイパス薄膜トランジスターT7は、バイパス制御線128からバイパス信号BPを伝達される。バイパス信号BPは、バイパス薄膜トランジスターT7を常にオフにし得る所定のレベルの電圧であり、バイパス薄膜トランジスターT7は、トランジスターオフレベルの電圧をゲート電極G7に伝達されることにより、バイパストランジスターT7が常にオフになり、オフになった状態で駆動電流Idの一部はバイパス電流IbpにバイパストランジスターT7を介して抜け出るようにする。
ストレージキャパシターCstの他方の端Cst2は、駆動電圧線126/172と接続されており、有機発光ダイオードOLEDのカソードは、共通電圧ELVSSと接続されている。これにより、有機発光ダイオードOLEDは、駆動薄膜トランジスターT1から駆動電流を伝達されて発光することにより画像を表示する。
以下、本発明の実施形態による有機発光表示装置の一つの画素の具体的な動作過程について図16のタイミング図に基づいて詳しく説明する。
まず、初期化期間中に直前のスキャン線122を介してロウレベルの直前のスキャン信号Sn−1が供給される。このとき、発光制御線123を介して発光制御信号Emは既にロウレベルが印加されている。以下、ロウレベルの直前のスキャン信号Sn−1に対応して初期化薄膜トランジスターT4がターンオンされ、初期化電圧線124から初期化薄膜トランジスターT4を介して初期化電圧Vintが駆動薄膜トランジスターT1のゲート電極G1に接続され、初期化電圧Vintにより駆動薄膜トランジスターT1が初期化される。
この後、データプログラミング期間中にスキャン線121を介してロウレベルのスキャン信号Snが供給される。以下、ロウレベルのスキャン信号Snに対応してスイッチング薄膜トランジスターT2および補償薄膜トランジスターT3がターンオンされる。
このとき、駆動薄膜トランジスターT1は、ターンオンされた補償薄膜トランジスターT3によりダイオード接続され、順方向にバイアスされる。
すると、データ線171から供給されたデータ信号Dmから駆動薄膜トランジスターT1のしきい電圧Vthに見合う分だけ減少した補償電圧(Dm+Vth、Vthは、(−)の値)が駆動薄膜トランジスターT1のゲート電極G1に印加される。
ストレージキャパシターCstの両端には駆動電圧ELVDDおよび補償電圧Dm+Vthが印加され、ストレージキャパシターCstには両端の電圧差に対応する電荷が保存される。この後、発光期間中に発光制御線123から供給される発光制御信号Emがハイレバルからロウレベルに変更される。すると、発光期間中にロウレベルの発光制御信号Emにより動作制御薄膜トランジスターT5および発光制御薄膜トランジスターT6がターンオンされる。
すると、駆動薄膜トランジスターT1のゲート電極G1の電圧と駆動電圧ELVDDとの間の電圧差による駆動電流が発生し、発光制御薄膜トランジスターT6を介して駆動電流IOLEDが有機発光ダイオードOLEDに供給される。発光期間中にストレージキャパシターCstにより駆動薄膜トランジスターT1のゲート電極−ソース電極電圧Vgsは「(Dm+Vth)−ELVDD」に保たれ、駆動薄膜トランジスターT1の電流−電圧間の関係によれば、駆動電流Idはソース電極−ゲート電極電圧からしきい電圧を差し引いた値の自乗「(Dm−ELVDD)2」に比例する。このため、駆動電流IOLEDは、駆動薄膜トランジスターT1のしきい電圧Vthとは無関係に決定される。
一方、バイパス薄膜トランジスターT7は、バイパス制御線128からバイパス信号BPを伝達される。バイパス信号BPは、バイパス薄膜トランジスターT7を常にオフにし得る所定のレベルの電圧であり、バイパス薄膜トランジスターT7はトランジスターオフレベルの電圧をゲート電極G7に伝達されることにより、バイパストランジスターT7が常にオフになり、オフになった状態で駆動電流Idの一部はバイパス電流IbpにバイパストランジスターT7を介して抜け出るようにする。
ブラック映像を表示する駆動薄膜トランジスターの最小電流が駆動電流に流れる場合にも有機発光ダイオードOLEDが発光すれば、正常にブラック映像が表示されない。このため、バイパス薄膜トランジスターT7は、駆動薄膜トランジスターT1の最小電流の一部をバイパス電流Ibpとして有機発光ダイオード側の電流経路以外の他の電流経路に分散させることができる。ここで、駆動薄膜トランジスターの最小電流とは、駆動薄膜トランジスターのゲート−ソース電圧Vgsがしきい電圧Vthよりも小さいため駆動薄膜トランジスターがオフになる条件における電流のことをいう。このように駆動薄膜トランジスターをオフにする条件における最小駆動電流(例えば、10pA以下の電流)が有機発光ダイオードに伝達されてブラック輝度の映像として表現される。
ブラック映像を表示する最小駆動電流が流れる場合、バイパス電流Ibpの迂回伝達の影響が大きいのに対し、一般映像またはホワイト映像のような映像を表示する大きい駆動電流が流れる場合にはバイパス電流Ibpの影響が殆どないと言える。このため、ブラック映像を表示する駆動電流が流れる場合、駆動電流Idからバイパス薄膜トランジスターT7を介して抜け出たバイパス電流Ibpの電流量に見合う分だけ減少した有機発光ダイオードの発光電流Ioledは、ブラック映像を確実に表現可能なレベルの最小電流量を有することになる。
したがって、バイパス薄膜トランジスターを用いて正確なブラック輝度映像を実現してコントラスト比を向上させることができる。
図16では、バイパス信号BPは直前のスキャン信号Sn−1と同じ信号が供給されるので、バイパス薄膜トランジスターT7にバイパス制御線128の代わりに直前のスキャン線122と接続することができる。このときには、バイパス制御線128は省略可能である。
以下、図15に示す有機発光表示装置の画素の詳細な構造について、図17乃至図19に基づいて詳細に説明する。
図17は、本発明の実施形態による有機発光表示装置の一つの画素の配置図であり、図18は、図17の実施形態による有機発光表示装置における隣り合う三つの画素と一緒に示す配置図であり、図19は、図17の有機発光表示装置をXIX−XIX線に沿って切り取った断面図である。
図16に示すように、本発明の実施形態による有機発光表示装置の画素は、スキャン信号Snと、直前のスキャン信号Sn−1と、発光制御信号Emと、バイパス信号BPおよび初期化電圧Vintをそれぞれ印加され、行方向に沿って形成されているスキャン線121と、直前のスキャン線122と、発光制御線123と、バイパス制御線128および初期化電圧線124を備え、スキャン線121と、直前のスキャン線122と、発光制御線123と、バイパス制御線128および初期化電圧線124の全てと交差しており、画素にデータ信号Dmを印加するデータ線171を備える。
また、駆動電圧ELVDDを印加する駆動電圧線126/172も備えられており、駆動電圧線126/172は、スキャン線121と平行な第1の駆動電圧線126およびデータ線171と平行な第2の駆動電圧線172からなる。第1の駆動電圧線126および第2の駆動電圧線172は、電気的に接続されている。
さらに、画素には、駆動薄膜トランジスターT1と、スイッチング薄膜トランジスターT2と、補償薄膜トランジスターT3−1、T3−2と、初期化薄膜トランジスターT4−1、T4−2と、動作制御薄膜トランジスターT5と、発光制御薄膜トランジスターT6と、バイパス薄膜トランジスターT7と、ストレージキャパシターCstおよび有機発光ダイオードOLEDが形成されている。図17の実施形態を参照すると、補償薄膜トランジスターT3−1、T3−2および初期化薄膜トランジスターT4−1、T4−2は、デュアルゲート構造の薄膜トランジスターにより構成されており、以下、それぞれ二つのトランジスターが接続された構造を例にとって説明する。
駆動薄膜トランジスターT1と、スイッチング薄膜トランジスターT2と、補償薄膜トランジスターT3−1、T3−2と、初期化薄膜トランジスターT4−1、T4−2と、動作制御薄膜トランジスターT5と、発光制御薄膜トランジスターT6およびバイパス薄膜トランジスターT7のチャンネルは、接続されている一つの半導体131の内に形成されており、半導体131は、様々な形状に折り曲げられて形成されている。図17の実施形態による半導体131は、駆動薄膜トランジスターT1の半導体131aを中心に左右に垂直方向(データ線171と平行な方向)に延びた縦部分を備え、各縦部分の両端部は折れ曲がっている。なお、右側の縦部分の上部は、さらに延びている「逆コ」の字状に折れ曲がった部分を有し、右側の縦部分の下部は、下部にさらに延びた部分を有する。
駆動薄膜トランジスターT1の半導体131aは逆「己」字状を有し、ほとんどが駆動薄膜トランジスターT1の半導体131aを構成し、左右に配設される縦部分に隣り合う部分には、駆動薄膜トランジスターT1のそれぞれソース電極176aおよびドレイン電極177aが配設されている。駆動薄膜トランジスターT1の半導体131aは、実施形態において逆「己」字状を有するが、様々な形状を有してもよく、一つ以上の折曲部を備える構造を有すれば十分である。また、駆動薄膜トランジスターT1の半導体131aは、第1の方向に延びている複数の第1の延長部31および第1の方向とは異なる第2の方向に延びている複数の第2の延長部32を備え、折曲部33は、前記第1の延長部31および前記第2の延長部32を接続する構造を有し得る。
駆動薄膜トランジスターT1のソース電極176aと接続されている左側の縦部分には、上側に配設されるスイッチング薄膜トランジスターT2の半導体131bおよび下側に配設される動作制御薄膜トランジスターT5の半導体131eが形成されている。スイッチング薄膜トランジスターT2の半導体131bと動作制御薄膜トランジスターT5の半導体131eとの間にはスイッチング薄膜トランジスターT2のドレイン電極177bおよび動作制御薄膜トランジスターT5のドレイン電極177eが配設されていて駆動薄膜トランジスターT1のソース電極176aと接続されている。
スイッチング薄膜トランジスターT2の半導体131bの上側にはスイッチング薄膜トランジスターT2のソース電極176bが配設され、動作制御薄膜トランジスターT5の半導体131eの下側には動作制御薄膜トランジスターT5のソース電極176eが配設されている。
一方、駆動薄膜トランジスターT1のドレイン電極177aと接続されている右側の縦部分には、上側に配設される補償薄膜トランジスターT3−1、T3−2の半導体131c−1、131c−2および下側に配設される発光制御薄膜トランジスターT6の半導体131fが形成されている。正確には、補償薄膜トランジスターT3−1の半導体131c−1は、半導体131の右側の縦部分の上端から左側に折れた部分に位置する。補償薄膜トランジスターT3−1、T3−2の半導体131c−1、131c−2と発光制御薄膜トランジスターT6の半導体131fとの間には、補償薄膜トランジスターT3−1、T3−2のうち第2の補償薄膜トランジスターT3−2のソース電極176c−2および発光制御薄膜トランジスターT6のソース電極176fが配設されていて駆動薄膜トランジスターT1のドレイン電極177aと接続されている。
補償薄膜トランジスターT3−1、T3−2の構造についてより詳細に説明すると、下記の通りである。補償薄膜トランジスターT3−1、T3−2は、第1の補償薄膜トランジスターT3−1および第2の補償薄膜トランジスターT3−2を備え、第1の補償薄膜トランジスターT3−1は、スキャン線121の突出部を中心に配設されており、第2の補償薄膜トランジスターT3−2は、スキャン線121および半導体131の右側の縦部分が重なり合う部分を中心に配設されている。
まず、第2の補償薄膜トランジスターT3−2のソース電極176c−2は、発光制御薄膜トランジスターT6のソース電極176fおよび駆動薄膜トランジスターT1のドレイン電極177aと接続されており、ゲート電極125c−2は、スキャン線121のうち半導体131の右側の縦部分が重なり合う個所に配設され、半導体131c−2は、半導体131の右側の縦部分のうちスキャン線121と重なり合う個所に配設され、ドレイン電極177c−2は、半導体131の右側の縦部分のうち半導体131c−2の上側に配設される。
一方、第1の補償薄膜トランジスターT3−1のソース電極176c−1は、第2の補償薄膜トランジスターT3−2のドレイン電極177c−2と接続されており、ゲート電極125c−1は、スキャン線121の突出部に配設され、半導体131c−1は、半導体131の右側の縦部分のうちスキャン線121の突出部と重なり合う個所に配設され、ドレイン電極177c−1は、半導体131c−1を基準としてソース電極176c−1の反対側に配設される。第1の補償薄膜トランジスターT3−1は、本発明の実施形態において、半導体131の右側の縦部分から「逆コ」の字状にさらに延びた部分に配設される。
発光制御薄膜トランジスターT6の半導体131fの下側には発光制御薄膜トランジスターT6のドレイン電極177fが配設され、第2の補償薄膜トランジスターT3−2の半導体131c−2およびドレイン電極177c−1の上側にはさらに延びている「逆コ」の字状の追加延長部分に初期化薄膜トランジスターT4−1、T4−2の半導体131d−1、131d−2がさらに形成されている。第1の初期化薄膜トランジスターT4−1の半導体131d−1と第1の補償薄膜トランジスターT3−1のドレイン電極177c−1との間には第1の初期化薄膜トランジスターT4−1のドレイン電極177d−1が配設され、さらに延びている「逆コ」の字状の部分の終端には第2の初期化薄膜トランジスターT4−2のソース電極176d−2が配設されている。
初期化薄膜トランジスターT4−1、T4−2の構造についてより詳細に説明すると、下記の通りである。初期化薄膜トランジスターT4−1、T4−2は、第1の初期化薄膜トランジスターT4−1および第2の初期化薄膜トランジスターT4−2を備え、第1の初期化薄膜トランジスターT4−1は、直前のスキャン線122の突出部を中心に配設されており、第2の初期化薄膜トランジスターT4−2は、直前のスキャン線122および半導体131の「逆コ」の字状の部分が重なり合う部分を中心に配設されている。
まず、第1の初期化薄膜トランジスターT4−1のドレイン電極177d−1は、第1の補償薄膜トランジスターT3−1のドレイン電極177c−1と接続されており、ゲート電極125d−1は、直前のスキャン線122のうち半導体131の「逆コ」の字状の部分が重なり合う個所に配設され、半導体131d−1は、半導体131の「逆コ」の字状の部分のうち直前のスキャン線122の突出部と重なり合う個所に配設され、ドレイン電極177d−1は、半導体131d−1を基準としてソース電極176d−1の反対側に配設される。
一方、第2の初期化薄膜トランジスターT4−2のドレイン電極177d−2は、第1の初期化薄膜トランジスターT4−1のソース電極176d−1と接続されており、ゲート電極125d−2は、直前のスキャン線122のうち半導体131の「逆コ」の字状の部分と重なり合う部分に配設され、半導体131d−2は、半導体131の「逆コ」の字状の部分のうち直前のスキャン線122と重なり合う個所に配設され、ソース電極176d−2は、半導体131d−2を基準としてドレイン電極177d−2の反対側であって、半導体131の「逆コ」の字状の部分の終端に配設される。
また、発光制御薄膜トランジスターT6のドレイン電極177fの下側には、下部にさらに延びた部分が配設されている。発光制御薄膜トランジスターT6のドレイン電極177fに隣り合う側にはバイパス薄膜トランジスターT7のソース電極176gが配設されており、その次には、バイパス薄膜トランジスターT7の半導体131gおよびバイパス薄膜トランジスターT7のドレイン電極177gがこの順に配設されている。
実施形態によっては、半導体131の構造は様々であり、半導体131は、多結晶半導体で形成されていてもよい。半導体131に形成されているソース電極/ドレイン電極は、当該領域のみをドーピングして形成してもよい。なお、半導体131における異なるトランジスターのソース電極とドレイン電極との間の領域もドーピングされてソース電極およびドレイン電極が電気的に接続されていてもよい。
半導体131は絶縁基板110の上に形成されており、絶縁基板110と半導体131との間にはバッファー層111が配設されていてもよい。バッファー層111は、多結晶半導体を形成するために結晶化工程に際して絶縁基板110から不純物を遮断して多結晶半導体の特性を向上させ、絶縁基板110が受けるストレスを減らす役割を果たす。
半導体131の上には、これを覆うゲート絶縁膜141が形成されている。ゲート絶縁膜141は、無機絶縁膜により形成されていてもよい。
ゲート絶縁膜141の上には、行方向に沿って形成されているスキャン線121と、直前のスキャン線122と、発光制御線123と、初期化電圧線124と、第1の駆動電圧線126と、バイパス制御線128および駆動薄膜トランジスターT1のゲート電極125aが形成されている。
スキャン線121および直前のスキャン線122は、それぞれ突出されている突出部を有し、スキャン線121の突出部は、直前のスキャン線122に向かって突出されており、直前のスキャン線122の突出部は、スキャン線121に向かって突出されている。
まず、スキャン線121の突出部は、スキャン線121の上方向に突出されており、第1の補償薄膜トランジスターT3−1の半導体131c−1と重なり合い、第1の補償薄膜トランジスターT3−1のゲート電極125c−1を構成する。第1の補償薄膜トランジスターT3−1のソース電極176c−1およびドレイン電極177c−1は、第1の補償薄膜トランジスターT3−1のゲート電極125c−1と重なり合わない。
直前のスキャン線122の突出部は、直前のスキャン線122の下方向に突出されており、第1の初期化薄膜トランジスターT4−1の半導体131d−1と重なり合い、第1の初期化薄膜トランジスターT4−1のゲート電極125d−1を構成する。第1の初期化薄膜トランジスターT4−1のソース電極176d−1およびドレイン電極177d−1は、第1の初期化薄膜トランジスターT4−1のゲート電極125d−1と重なり合わない。
スキャン線121の下側には発光制御線123が配設され、発光制御線123は、半導体131の左側の縦部分および右側の縦部分とそれぞれ重なり合う。発光制御線123は、半導体131の左側の縦部分のうち動作制御薄膜トランジスターT5の半導体131eと重なり合い、動作制御薄膜トランジスターT5のソース電極176eおよびドレイン電極177eとは重なり合わない。なお、発光制御線123は、半導体131の右側の縦部分のうち発光制御薄膜トランジスターT6の半導体131fと重なり合い、発光制御薄膜トランジスターT6のソース電極176fおよびドレイン電極177fとは重なり合わない。
直前のスキャン線122の上側には初期化電圧線124が配設され、初期化電圧線124は、一部の拡張された領域を有する。初期化電圧線124の拡張された領域は、他の配線と接触し易くするために拡張されている。
初期化電圧線124の上側には第1の駆動電圧線126が配設されており、第1の駆動電圧線126も一部の拡張された領域を有して他の配線と接触し易くしている。
初期化電圧線124および第1の駆動電圧線126は、半導体131と重なり合わない。
バイパス制御線128は、画素の最下部に横方向に延びており、半導体131のうち右側の縦部分の下部からさらに延びた部分と重なり合い、重なり合うさらに延びた部分にはバイパス薄膜トランジスターT7の半導体131gが配設される。
駆動薄膜トランジスターT1のゲート電極125aは矩形状に形成され、半導体131の逆「己」字状を有する部分、すなわち、駆動薄膜トランジスターT1の半導体131aと重なり合う。駆動薄膜トランジスターT1のソース電極176aおよびドレイン電極177aは、駆動薄膜トランジスターT1のゲート電極125aと重なり合わない。
スキャン線121と、直前のスキャン線122と、発光制御線123と、初期化電圧線124と、第1の駆動電圧線126と、バイパス制御線128および駆動薄膜トランジスターT1のゲート電極125aと露出されているゲート絶縁膜141の上には、層間絶縁膜160が覆われている。層間絶縁膜160は、無機絶縁膜により形成されてもよい。
層間絶縁膜160には、複数のコンタクト孔161、162、163、164、165、166、167、168、169が形成されている。
第1のコンタクト孔161は、第1の駆動電圧線126の拡張領域を露出させ、第2のコンタクト孔162は、初期化電圧線124の拡張領域を露出させ、第3のコンタクト孔163は、半導体131のさらに延びている「逆コ」の字状の部分の終端(第2の初期化薄膜トランジスターT4−2のソース電極176d−2)を露出させる。第4のコンタクト孔164は、半導体131の左側の縦部分の上側の終端(スイッチング薄膜トランジスターT2のソース電極176b)を露出させ、第5のコンタクト孔165は、半導体131の左側の縦部分の下側の終端(動作制御薄膜トランジスターT5のソース電極176e)を露出させ、第6のコンタクト孔166は、半導体131の右側の縦部分からさらに延びている「逆コ」の字状の部分の一部分である第1の補償薄膜トランジスターT3−1のドレイン電極177c−1を露出させる。第7のコンタクト孔167は、駆動薄膜トランジスターT1のゲート電極125aの一部の領域を露出させ、第8のコンタクト孔168は、半導体131の右側の縦部分の下側の終端(発光制御薄膜トランジスターT6のソース電極176f)を露出させる。なお、第9のコンタクト孔169は、半導体131のうち右側の縦部分の下部でさらに延びた部分の終端(バイパス薄膜トランジスターT7のドレイン電極177g)を露出させる。
層間絶縁膜160の上には、データ線171と、拡張領域175を有する第2の駆動電圧線172と、第1の接続部173と、第2の接続部174および第3の接続部178が形成されている。
データ線171は、第4のコンタクト孔164を通って縦方向に延びており、第4のコンタクト孔164を介してスイッチング薄膜トランジスターT2のソース電極176bと接続されている。その結果、データ線171を流れるデータ電圧がスイッチング薄膜トランジスターT2のソース電極176bに伝達される。
第2の駆動電圧線172は縦方向に延びており、第1のコンタクト孔161を介して第1の駆動電圧線126と接続されている。第1の駆動電圧線126は、駆動電圧ELVDDを横方向に伝達し、第2の駆動電圧線172は、駆動電圧ELVDDを縦方向に伝達する。第2の駆動電圧線172は拡張領域を有し、拡張領域は、一つの画素ごとに一つずつ形成されている。第2の駆動電圧線172の拡張領域は、ストレージキャパシターCstの第2の電極175を構成する。ストレージキャパシターCstの第2の電極175には駆動電圧ELVDDが印加される。ストレージキャパシターCstの第2の電極175は、薄膜トランジスターT1のゲート電極125aおよび逆「己」字状を有する駆動薄膜トランジスターT1の半導体131aと重なり合う。ストレージキャパシターCstは、薄膜トランジスターT1のゲート電極125aと、ストレージキャパシターCstの第2の電極175およびこれらの間の層間絶縁膜160からなる。
以上のような第2の駆動電圧線172の構造によれば、第2の駆動電圧線172およびストレージキャパシターCstの第2の電極175は、同じ物質により同時に形成されるので、別途の層にストレージキャパシターCstの電極を形成する必要がなく、その結果、製造時に用いられるマスクの数が減る。マスクの1枚当たりの値段を考慮すれば、製造コストも節減され、且つ、製造時間も短縮される。
第1の接続部173は、第2のコンタクト孔162と、第3のコンタクト孔163および第9のコンタクト孔169を介して初期化電圧線124と、第2の初期化薄膜トランジスターT4−2のソース電極176d−2およびバイパス薄膜トランジスターT7のドレイン電極177gを接続する。その結果、第2の初期化薄膜トランジスターT4−2のソース電極176d−2およびバイパス薄膜トランジスターT7のドレイン電極177gには初期化電圧Vintが印加される。ここで、第1および第2の初期化薄膜トランジスターT4−1、T4−2をデュアルゲート構造の一つの薄膜トランジスターとして見なすことができるので、初期化薄膜トランジスターT4のソース電極に初期化電圧Vintが印加されるものと解釈され得る。
第2の接続部174は、第6のコンタクト孔166および第7のコンタクト孔167を介して第1の補償薄膜トランジスターT3−1のドレイン電極177c−1および薄膜トランジスターT1のゲート電極125aを接続する。その結果、薄膜トランジスターT1のゲート電極125aには第1の補償薄膜トランジスターT3−1のドレイン電極177c−1の電圧が伝達される。駆動薄膜トランジスターT1のゲート電極125aのうちの一部は、第2の駆動電圧線172の拡張領域と重なり合わない露出領域を有し、露出領域は、第2の接続部174を介して第1の補償薄膜トランジスターT3−1のドレイン電極177c−1と接続されている。
第3の接続部178は、第8のコンタクト孔168の上に形成されていて発光制御薄膜トランジスターT6のドレイン電極177fと接続されている。第3の接続部178の上には、平坦化膜180が配設されている。平坦化膜180には、第1の上部コンタクト孔181があって第3の接続部178を露出させる。平坦化膜180の上には画素電極191が配設され、平坦化膜の第1の上部コンタクト孔181を介して画素電極191および第3の接続部178が接続されている。その結果、画素電極191は、発光制御薄膜トランジスターT6のドレイン電極177fと接続されている。画素電極191の上には有機発光層370が配設され、その上には共通電極270が配設される。画素電極191と、有機発光層370および共通電極270は有機発光ダイオード70を構成し、画素電極191は、有機発光ダイオード70のアノードである。
駆動薄膜トランジスターT1は、125a、131a、176a、177aにより構成され、スイッチング薄膜トランジスターT2は、125b、131b、176b、177bにより構成され、補償薄膜トランジスターT3−1、T3−2は、それぞれ125c−1、131c−1、176c−1、177c−1と125c−2、131c−2、176c−2、177c−2により構成され、初期化薄膜トランジスターT4−1、T4−2は、それぞれ125d−1、131d−1、176d−1、177d−1と125d−2、131d−2、176d−2、177d−2により構成され、動作制御薄膜トランジスターT5は、125e、131e、176e、177eにより構成され、発光制御薄膜トランジスターT6は、125f、131f、176f、177fにより構成され、発光制御薄膜トランジスターT6は、125f、131f、176f、177fにより構成され、バイパス薄膜トランジスターT7は、125g、131g、176g、177gにより構成される。なお、ストレージキャパシターCstは、125aおよび175により構成される。
図17乃至図19の実施形態も、図3乃至図5の実施形態の製造方法に準拠して製造される。
以下、図20乃至図22に基づいて、本発明の他の実施形態による有機発光表示装置について説明する。
図20乃至図22は、図15と同じ回路構成を有するが、図17乃至図19とは異なり、第1の駆動電圧線192がスキャン線121と同じ層に形成されず、画素電極191と同じ層に形成されるという点に相違点がある。図20の実施形態における第1の駆動電圧線192は、第2の駆動電圧線172および第1のコンタクト孔により接触するが、第1のコンタクト孔は平坦化膜180に配設される。なお、第1の駆動電圧線192が初期化電圧線124と配置図上において重なり合う。
以下、図20乃至図22に基づいて詳細に説明する。
図20は、本発明の実施形態による有機発光表示装置の一つの画素の配置図であり、図21は、図20の実施形態による有機発光表示装置における隣り合う三つの画素と一緒に示す配置図であり、図22は、図21の有機発光表示装置をXXII−XXII線に沿って切り取った断面図である。
図20の実施形態による有機発光表示装置の画素は、図16に示されているスキャン信号Snと、直前のスキャン信号Sn−1と、発光制御信号Emと、バイパス信号BPおよび初期化電圧Vintをそれぞれ印加され、行方向に沿って形成されているスキャン線121と、直前のスキャン線122と、発光制御線123と、バイパス制御線128および初期化電圧線124を備え、スキャン線121と、直前のスキャン線122と、発光制御線123と、バイパス制御線128および初期化電圧線124の全てと交差しており、画素にデータ信号Dmを印加するデータ線171を備える。
また、駆動電圧ELVDDを印加する駆動電圧線192/172も備えられており、駆動電圧線192/172はスキャン線121と平行であり、画素電極191と同じ層に配設される第1の駆動電圧線192およびデータ線171と平行な第2の駆動電圧線172からなる。第1の駆動電圧線192および第2の駆動電圧線172は、電気的に接続されている。
さらに、画素には、駆動薄膜トランジスターT1と、スイッチング薄膜トランジスターT2と、補償薄膜トランジスターT3−1、T3−2と、初期化薄膜トランジスターT4−1、T4−2と、動作制御薄膜トランジスターT5と、発光制御薄膜トランジスターT6と、バイパス薄膜トランジスターT7と、ストレージキャパシターCstおよび有機発光ダイオードOLEDが形成されている。図20の実施形態を参照すると、補償薄膜トランジスターT3−1、T3−2および初期化薄膜トランジスターT4−1、T4−2は、デュアルゲート構造の薄膜トランジスターにより構成されており、以下では、それぞれ二つのトランジスターが接続された構造を例にとって説明する。
駆動薄膜トランジスターT1と、スイッチング薄膜トランジスターT2と、補償薄膜トランジスターT3−1、T3−2と、初期化薄膜トランジスターT4−1、T4−2と、動作制御薄膜トランジスターT5と、発光制御薄膜トランジスターT6およびバイパス薄膜トランジスターT7のチャンネルは、接続されている一つの半導体131の内に形成されており、半導体131は、様々な形状に折り曲げられて形成されている。図20の実施形態による半導体131は、駆動薄膜トランジスターT1の半導体131aを中心に左右に垂直方向(データ線171と平行な方向)に延びた縦部分を備え、各縦部分の両端部は折れ曲がっている。なお、右側の縦部分の上部はさらに延びている「逆コ」の字状に折れ曲がった部分を有し、右側の縦部分の下部は下部にさらに延びた部分を有する。
駆動薄膜トランジスターT1の半導体131aは逆「己」字状を有し、ほとんどが駆動薄膜トランジスターT1の半導体131aを構成し、左右に配設される縦部分に隣り合う部分には駆動薄膜トランジスターT1のそれぞれソース電極176aおよびドレイン電極177aが配設されている。駆動薄膜トランジスターT1の半導体131aは、実施形態において逆「己」字状を有するが、様々な形状を有してもよく、一つ以上の折曲部を備える構造を有すれば十分である。なお、駆動薄膜トランジスターT1の半導体131aは、第1の方向に延びている複数の第1の延長部31および第1の方向とは異なる第2の方向に延びている複数の第2の延長部32を備え、折曲部33は、前記第1の延長部31および前記第2の延長部32を接続する構造を有し得る。
駆動薄膜トランジスターT1のソース電極176aと接続されている左側の縦部分には、上側に配設されるスイッチング薄膜トランジスターT2の半導体131bおよび下側に配設される動作制御薄膜トランジスターT5の半導体131eが形成されている。スイッチング薄膜トランジスターT2の半導体131bと動作制御薄膜トランジスターT5の半導体131eとの間には、スイッチング薄膜トランジスターT2のドレイン電極177bおよび動作制御薄膜トランジスターT5のドレイン電極177eが配設されていて駆動薄膜トランジスターT1のソース電極176aと接続されている。
スイッチング薄膜トランジスターT2の半導体131bの上側にはスイッチング薄膜トランジスターT2のソース電極176bが配設され、動作制御薄膜トランジスターT5の半導体131eの下側には動作制御薄膜トランジスターT5のソース電極176eが配設されている。
一方、駆動薄膜トランジスターT1のドレイン電極177aと接続されている右側の縦部分には、上側に配設される補償薄膜トランジスターT3−1、T3−2の半導体131c−1、131c−2および下側に配設される発光制御薄膜トランジスターT6の半導体131fが形成されている。正確には、補償薄膜トランジスターT3−1の半導体131c−1は、半導体131の右側の縦部分の上端から左側に折れた部分に位置する。補償薄膜トランジスターT3−1、T3−2の半導体131c−1、131c−2と発光制御薄膜トランジスターT6の半導体131fとの間には、補償薄膜トランジスターT3−1、T3−2のうち第2の補償薄膜トランジスターT3−2のソース電極176c−2および発光制御薄膜トランジスターT6のソース電極176fが配設されていて駆動薄膜トランジスターT1のドレイン電極177aと接続されている。
補償薄膜トランジスターT3−1、T3−2の構造についてより詳細に説明すると、下記の通りである。補償薄膜トランジスターT3−1、T3−2は、第1の補償薄膜トランジスターT3−1および第2の補償薄膜トランジスターT3−2を備え、第1の補償薄膜トランジスターT3−1は、スキャン線121の突出部を中心に配設されており、第2の補償薄膜トランジスターT3−2は、スキャン線121および半導体131の右側の縦部分が重なり合う部分を中心に配設されている。
まず、第2の補償薄膜トランジスターT3−2のソース電極176c−2は、発光制御薄膜トランジスターT6のソース電極176fおよび駆動薄膜トランジスターT1のドレイン電極177aと接続されており、ゲート電極125c−2は、スキャン線121のうち半導体131の右側の縦部分が重なり合う個所に配設され、半導体131c−2は、半導体131の右側の縦部分のうちスキャン線121と重なり合う個所に配設され、ドレイン電極177c−2は、半導体131の右側の縦部分のうち半導体131c−2の上側に配設される。
一方、第1の補償薄膜トランジスターT3−1のソース電極176c−1は、第2の補償薄膜トランジスターT3−2のドレイン電極177c−2と接続されており、ゲート電極125c−1は、スキャン線121の突出部に配設され、半導体131c−1は、半導体131の右側の縦部分のうちスキャン線121の突出部と重なり合う個所に配設され、ドレイン電極177c−1は、半導体131c−1を基準としてソース電極176c−1の反対側に配設される。第1の補償薄膜トランジスターT3−1は、本発明の実施形態において、半導体131の右側の縦部分から「逆コ」の字状にさらに延びた部分に配設される。
発光制御薄膜トランジスターT6の半導体131fの下側には発光制御薄膜トランジスターT6のドレイン電極177fが配設され、第2の補償薄膜トランジスターT3−2の半導体131c−2およびドレイン電極177c−1の上側にはさらに延びている「逆コ」の字状の追加延長部分に初期化薄膜トランジスターT4−1、T4−2の半導体131d−1、131d−2がさらに形成されている。第1の初期化薄膜トランジスターT4−1の半導体131d−1と第1の補償薄膜トランジスターT3−1のドレイン電極177c−1との間には、第1の初期化薄膜トランジスターT4−1のドレイン電極177d−1が配設され、さらに延びている「逆コ」の字状の部分の終端には第2の初期化薄膜トランジスターT4−2のソース電極176d−2が配設されている。
初期化薄膜トランジスターT4−1、T4−2の構造についてより詳細に説明すると、下記の通りである。初期化薄膜トランジスターT4−1、T4−2は、第1の初期化薄膜トランジスターT4−1および第2の初期化薄膜トランジスターT4−2を備え、第1の初期化薄膜トランジスターT4−1は、直前のスキャン線122の突出部を中心に配設されており、第2の初期化薄膜トランジスターT4−2は、直前のスキャン線122および半導体131の「逆コ」の字状の部分が重なり合う部分を中心に配設されている。
まず、第1の初期化薄膜トランジスターT4−1のドレイン電極177d−1は、第1の補償薄膜トランジスターT3−1のドレイン電極177c−1と接続されており、ゲート電極125d−1は、直前のスキャン線122のうち半導体131の「逆コ」の字状の部分が重なり合う個所に配設され、半導体131d−1は、半導体131の「逆コ」の字状の部分のうち直前のスキャン線122の突出部と重なり合う個所に配設され、ドレイン電極177d−1は、半導体131d−1を基準としてソース電極176d−1の反対側に配設される。
一方、第2の初期化薄膜トランジスターT4−2のドレイン電極177d−2は、第1の初期化薄膜トランジスターT4−1のソース電極176d−1と接続されており、ゲート電極125d−2は、直前のスキャン線122のうち半導体131の「逆コ」の字状の部分と重なり合う部分に配設され、半導体131d−2は、半導体131の「逆コ」の字状の部分のうち直前のスキャン線122と重なり合う個所に配設され、ソース電極176d−2は、半導体131d−2を基準としてドレイン電極177d−2の反対側であって、半導体131の「逆コ」の字状の部分の終端に配設される。
また、発光制御薄膜トランジスターT6のドレイン電極177fの下側には、下部にさらに延びた部分が配設されている。発光制御薄膜トランジスターT6のドレイン電極177fに隣り合う側にはバイパス薄膜トランジスターT7のソース電極176gが配設されており、その次には、バイパス薄膜トランジスターT7の半導体131gおよびバイパス薄膜トランジスターT7のドレイン電極177gがこの順に配設されている。
実施形態によっては半導体131の構造は様々であり、半導体131は、多結晶半導体で形成されていてもよい。半導体131に形成されているソース電極/ドレイン電極は、当該領域のみをドーピングして形成してもよい。なお、半導体131における異なるトランジスターのソース電極とドレイン電極との間の領域もドーピングされてソース電極およびドレイン電極が電気的に接続されていてもよい。
半導体131は、絶縁基板110の上に形成されており、絶縁基板110と半導体131との間にはバッファー層111が配設されていてもよい。バッファー層111は、多結晶半導体を形成するために、結晶化工程に際して絶縁基板110から不純物を遮断して多結晶半導体の特性を向上させ、絶縁基板110が受けるストレスを減らす役割を果たす。
半導体131の上には、これを覆うゲート絶縁膜141が形成されている。ゲート絶縁膜141は、無機絶縁膜により形成されてもよい。
ゲート絶縁膜141の上には、行方向に沿って形成されているスキャン線121と、直前のスキャン線122と、発光制御線123と、初期化電圧線124と、バイパス制御線128および駆動薄膜トランジスターT1のゲート電極125aが形成されている。
スキャン線121および直前のスキャン線122は、それぞれ突出されている突出部を有し、スキャン線121の突出部は、直前のスキャン線122に向かって突出されており、直前のスキャン線122の突出部は、スキャン線121に向かって突出されている。
まず、スキャン線121の突出部は、スキャン線121の上方向に突出されており、第1の補償薄膜トランジスターT3−1の半導体131c−1と重なり合い、第1の補償薄膜トランジスターT3−1のゲート電極125c−1を構成する。第1の補償薄膜トランジスターT3−1のソース電極176c−1およびドレイン電極177c−1は、第1の補償薄膜トランジスターT3−1のゲート電極125c−1と重なり合わない。
直前のスキャン線122の突出部は、直前のスキャン線122の下方向に突出されており、第1の初期化薄膜トランジスターT4−1の半導体131d−1と重なり合い、第1の初期化薄膜トランジスターT4−1のゲート電極125d−1を構成する。第1の初期化薄膜トランジスターT4−1のソース電極176d−1およびドレイン電極177d−1は、第1の初期化薄膜トランジスターT4−1のゲート電極125d−1と重なり合わない。
スキャン線121の下側には発光制御線123が配設され、発光制御線123は、半導体131の左側の縦部分および右側の縦部分とそれぞれ重なり合う。発光制御線123は、半導体131の左側の縦部分のうち動作制御薄膜トランジスターT5の半導体131eと重なり合い、動作制御薄膜トランジスターT5のソース電極176eおよびドレイン電極177eとは重なり合わない。また、発光制御線123は、半導体131の右側の縦部分のうち発光制御薄膜トランジスターT6の半導体131fと重なり合い、発光制御薄膜トランジスターT6のソース電極176fおよびドレイン電極177fとは重なり合わない。
直前のスキャン線122の上側には初期化電圧線124が配設され、初期化電圧線124は、一部の拡張された領域を有していてもよい。初期化電圧線124の拡張された領域は、他の配線と接触し易くするために拡張されている。
初期化電圧線124は、半導体131と重なり合わない。
バイパス制御線128は、画素の最下部に横方向に延びており、半導体131のうち右側の縦部分の下部からさらに延びた部分と重なり合い、重なり合うさらに延びた部分にはバイパス薄膜トランジスターT7の半導体131gが配設される。
駆動薄膜トランジスターT1のゲート電極125aは矩形状に形成され、半導体131の逆「己」字状を有する部分、すなわち、駆動薄膜トランジスターT1の半導体131aと重なり合う。駆動薄膜トランジスターT1のソース電極176aおよびドレイン電極177aは、駆動薄膜トランジスターT1のゲート電極125aと重なり合わない。
スキャン線121と、直前のスキャン線122と、発光制御線123と、初期化電圧線124と、バイパス制御線128および駆動薄膜トランジスターT1のゲート電極125aと露出されているゲート絶縁膜141の上には、層間絶縁膜160が覆われている。層間絶縁膜160は、無機絶縁膜により形成されていてもよい。
層間絶縁膜160には、複数のコンタクト孔162、163、164、165、166、167、168、169が形成されている。
第2のコンタクト孔162は、初期化電圧線124を露出させ、第3のコンタクト孔163は、半導体131のさらに延びている「逆コ」の字状の部分の終端(第2の初期化薄膜トランジスターT4−2のソース電極176d−2)を露出させる。なお、第2のコンタクト孔162が形成される部分において、初期化電圧線124は拡張された拡張領域を有していてもよい。第4のコンタクト孔164は、半導体131の左側の縦部分の上側の終端(スイッチング薄膜トランジスターT2のソース電極176b)を露出させ、第5のコンタクト孔165は、半導体131の左側の縦部分の下側の終端(動作制御薄膜トランジスターT5のソース電極176e)を露出させ、第6のコンタクト孔166は、半導体131の右側の縦部分からさらに延びている「逆コ」の字状の部分の一部分である第1の補償薄膜トランジスターT3−1のドレイン電極177c−1を露出させる。第7のコンタクト孔167は、駆動薄膜トランジスターT1のゲート電極125aの一部の領域を露出させ、第8のコンタクト孔168は、半導体131の右側の縦部分の下側の終端(発光制御薄膜トランジスターT6のソース電極176f)を露出させる。なお、第9のコンタクト孔169は、半導体131のうち右側の縦部分の下部からさらに延びた部分の終端(バイパス薄膜トランジスターT7のドレイン電極177g)を露出させる。
層間絶縁膜160の上には、データ線171と、拡張領域175を有する第2の駆動電圧線172と、第1の接続部173と、第2の接続部174および第3の接続部178が形成されている。
データ線171は、第4のコンタクト孔164を通って縦方向に延びており、第4のコンタクト孔164を介してスイッチング薄膜トランジスターT2のソース電極176bと接続されている。その結果、データ線171を流れるデータ電圧がスイッチング薄膜トランジスターT2のソース電極176bに伝達される。
第2の駆動電圧線172は縦方向に延びており、駆動電圧ELVDDを縦方向に伝達する。第2の駆動電圧線172は拡張領域を有し、拡張領域は、一つの画素ごとに一つずつ形成されている。第2の駆動電圧線172の拡張領域は、ストレージキャパシターCstの第2の電極175を構成する。ストレージキャパシターCstの第2の電極175には駆動電圧ELVDDが印加される。ストレージキャパシターCstの第2の電極175は、薄膜トランジスターT1のゲート電極125aおよび逆「己」字状を有する駆動薄膜トランジスターT1の半導体131aと重なり合う。ストレージキャパシターCstは、薄膜トランジスターT1のゲート電極125aと、ストレージキャパシターCstの第2の電極175およびこれらの間の層間絶縁膜160からなる。
以上のような第2の駆動電圧線172の構造によれば、第2の駆動電圧線172およびストレージキャパシターCstの第2の電極175は同じ物質により同時に形成されるので、別途の層にストレージキャパシターCstの電極を形成する必要がなく、その結果、製造時に用いられるマスクの数が減る。マスクの1枚当たりの値段を考慮すれば、製造コストも節減され、且つ、製造時間も短縮される。
第1の接続部173は、第2のコンタクト孔162と、第3のコンタクト孔163および第9のコンタクト孔169を介して初期化電圧線124と、第2の初期化薄膜トランジスターT4−2のソース電極176d−2およびバイパス薄膜トランジスターT7のドレイン電極177gを接続する。その結果、第2の初期化薄膜トランジスターT4−2のソース電極176d−2およびバイパス薄膜トランジスターT7のドレイン電極177gには初期化電圧Vintが印加される。ここで、第1および第2の初期化薄膜トランジスターT4−1、T4−2をデュアルゲート構造の一つの薄膜トランジスターとして見なすことができるので、初期化薄膜トランジスターT4のソース電極に初期化電圧Vintが印加されるものと解釈され得る。
第2の接続部174は、第6のコンタクト孔166および第7のコンタクト孔167を介して第1の補償薄膜トランジスターT3−1のドレイン電極177c−1および薄膜トランジスターT1のゲート電極125aを接続する。その結果、薄膜トランジスターT1のゲート電極125aには第1の補償薄膜トランジスターT3−1のドレイン電極177c−1の電圧が伝達される。駆動薄膜トランジスターT1のゲート電極125aのうちの一部は、第2の駆動電圧線172の拡張領域と重なり合わない露出領域を有し、露出領域は、第2の接続部174を介して第1の補償薄膜トランジスターT3−1のドレイン電極177c−1と接続されている。
第3の接続部178は、第8のコンタクト孔168の上に形成されていて発光制御薄膜トランジスターT6のドレイン電極177fと接続されている。第3の接続部178の上には平坦化膜180が配設されている。平坦化膜180には、第3の接続部178を露出させる第1の上部コンタクト孔181および第1の駆動電圧線192の一部を露出させる第2の上部コンタクト孔182が存在し、第2の上部コンタクト孔182により第2の駆動電圧線172を露出させる。
平坦化膜180の上には、画素電極191および第1の駆動電圧線192が形成されている。
まず、画素電極191は、平坦化膜180の第1の上部コンタクト孔181を介して第3の接続部178が接続されている。その結果、画素電極191は発光制御薄膜トランジスターT6のドレイン電極177fと接続されている。
第1の駆動電圧線192は、スキャン線121のように横方向に延びており、一部の拡張された領域を有して他の配線と接触し易くしている。第2の上部コンタクト孔182により第1の駆動電圧線192は第2の駆動電圧線172と電気的に接続されており、第1の駆動電圧線192は、駆動電圧ELVDDを横方向に伝達する。第1の駆動電圧線192は、画素の面積を減らすために、より具体的には、非表示領域の面積を減らすために、初期化電圧線124と配置図上において重なり合っている。
画素電極191の上には有機発光層370が配設され、その上には共通電極270が配設される。画素電極191と、有機発光層370および共通電極270は有機発光ダイオード70を構成し、画素電極191は、有機発光ダイオード70のアノードである。
駆動薄膜トランジスターT1は、125a、131a、176a、177aにより構成され、スイッチング薄膜トランジスターT2は、125b、131b、176b、177bにより構成され、補償薄膜トランジスターT3−1、T3−2は、それぞれ125c−1、131c−1、176c−1、177c−1と125c−2、131c−2、176c−2、177c−2により構成され、初期化薄膜トランジスターT4−1、T4−2は、それぞれ125d−1、131d−1、176d−1、177d−1と125d−2、131d−2、176d−2、177d−2により構成され、動作制御薄膜トランジスターT5は、125e、131e、176e、177eにより構成され、発光制御薄膜トランジスターT6は、125f、131f、176f、177fにより構成され、バイパス薄膜トランジスターT7は、125g、131g、176g、177gにより構成される。なお、ストレージキャパシターCstは、125aおよび175により構成される。
図20乃至図22の実施形態も、図3乃至図5の実施形態の製造方法に準拠して製造される。
図23乃至図28は、本発明の実施形態による有機発光表示装置における隣り合う二つの画素の配置図である。
図23は、図3に示す有機発光表示装置の画素の変形例であり、隣り合っている二つの画素を示している。
隣り合う二つの画素と接続されている二本のデータ線171は、隣り合うように配設され、二つの画素は、隣り合う二本のデータ線171の間において、データ線と概ね平行に配設される任意の線(以下、対称基準線と称する。)を基準として線対称構造を有する。
図23に示す二つの画素のうち左側に配設される画素(以下、第1の画素と称する。)は、図3の構造と同様であるが、第1の駆動電圧線126が第2の駆動電圧線172を基準として一方向にのみ延びているという点で相違点がある。
より具体的には、図23中の左側の第1の画素の第1の駆動電圧線126は、第2の駆動電圧線172とコンタクト孔161と接続されている部分から右側に、つまり対称基準線に向かって初期化電圧線124に沿って延びる。図23中の右側の第2の画素の第1の駆動電圧線126は、第2の駆動電圧線172とコンタクト孔と接続されている部分から左側に、つまり対称基準線に向かって初期化電圧線124に沿って延びる。結局、左側の第1の画素の第1の駆動電圧線126と、右側の第2の画素の第1の駆動電圧線126とが接続されて一体の第1の駆動電圧線126が初期化電圧線124に沿って延びている。
第1の駆動電圧線126の延長方向に配設される画素(図23の右側に配設される画素、以下、第2の画素と称する。)は、データ線と概ね平行な対称基準線に基づいて第1の画素と対称を成す。
図23のような画素によれば、第2の駆動電圧線172および第1の駆動電圧線126には駆動電圧ELVDDが印加されるが、隣り合う二つの画素(第1の画素、第2の画素)を有する二つの画素列に対して共通的に印加される。図3の場合には、第1の駆動電圧線126が隣り合う画素の全体に対して接続される構造を有して一つの行に配設される全ての画素でも駆動電圧ELVDDが共通的に印加されるという点で相違点がある。図23のような実施形態においては、表示領域の外側に第2の駆動電圧線172を接続する配線がさらに配設されて隣り合う第2の駆動電圧線172に共通の駆動電圧ELVDDを印加するようにしてもよい。
図24に示す実施形態は、図12に示す有機発光表示装置の画素の変形例であり、隣り合っている二つの画素を示している。
図24においても、図23でのように、隣り合う二つの画素と接続されている二本のデータ線171は隣り合うように配設され、二つの画素は、隣り合う二本のデータ線171の間に配設される任意の線(以下、対称基準線と称する。)を基準として線対称構造を有する。
図24に示す二つの画素のうち左側に配設される画素(以下、第1の画素と称する。)は、図12の構造と同様であるが、第1の駆動電圧線192が第2の駆動電圧線172を基準として一方向に、図23では初期化電圧線124に沿って、のみ延びているという点で相違点がある。
第1の駆動電圧線192の延長方向に配設される画素(図24の右側に配設される画素、以下、第2の画素と称する。)は、対称基準線に基づいて第1の画素と対称を成す。
図24のような画素によれば、第2の駆動電圧線172および第1の駆動電圧線192には駆動電圧ELVDDが印加されるが、隣り合う二つの画素(第1の画素、第2の画素)を有する二つの画素列に対して共通的に印加される。図12の場合には、第1の駆動電圧線192が隣り合う画素の全体に対して接続される構造を有して一つの行に配設される全ての画素でも駆動電圧ELVDDが共通的に印加されるという点で相違点がある。図24のような実施形態においては、表示領域の外側に第2の駆動電圧線172を接続する配線がさらに配設されて隣り合う第2の駆動電圧線172に共通の駆動電圧ELVDDを印加するようにしてもよい。
図24の実施形態においては、図23の実施形態とは異なり、第1の駆動電圧線192が画素電極191と同じ物質で形成されている。
図25は、図17に示す有機発光表示装置の画素の変形例であり、隣り合っている二つの画素を示している。
隣り合う二つの画素と接続されている二本のデータ線171は、隣り合うように配設され、二つの画素は、隣り合う二本のデータ線171の間に配設され、データ線と概ね平行な任意の線(以下、対称基準線と称する。)を基準として線対称構造を有する。
図25に示す二つの画素のうち左側に配設される画素(以下、第1の画素と称する。)は、図17の構造と同様であるが、第1の駆動電圧線126が第2の駆動電圧線172を基準として一方向にのみ延びているという点で相違点がある。第1の駆動電圧線126の延長方向に配設される画素(図25の右側に配設される画素、以下、第2の画素と称する。)は、対称基準線に基づいて第1の画素と対称を成す。より具体的には、図25中の左側の第1の画素の第1の駆動電圧線126は、第2の駆動電圧線172とコンタクト孔161と接続されている部分から右側に、つまり対称基準線に向かって初期化電圧線124に沿って延びる。図25中の右側の第2の画素の第1の駆動電圧線126は、第2の駆動電圧線172とコンタクト孔と接続されている部分から左側に、つまり対称基準線に向かって初期化電圧線124に沿って延びる。結局、左側の第1の画素の第1の駆動電圧線126と、右側の第2の画素の第1の駆動電圧線126とが接続されて一体の第1の駆動電圧線126が初期化電圧線124に沿って延びている。
図25のような画素によれば、第2の駆動電圧線172および第1の駆動電圧線126には駆動電圧ELVDDが印加されるが、隣り合う二つの画素(第1の画素、第2の画素)を有する二つの画素列に対して共通的に印加される。図17の場合には、第1の駆動電圧線126が隣り合う画素の全体に対して接続される構造を有して一つの行に配設される全ての画素でも駆動電圧ELVDDが共通的に印加されるという点で相違点がある。図25のような実施形態においては、表示領域の外側に第2の駆動電圧線172を接続する配線がさらに配設されて隣り合う第2の駆動電圧線172に共通の駆動電圧ELVDDを印加するようにしてもよい。
図26に示す実施形態は、図20に示す有機発光表示装置の画素の変形例であり、隣り合っている二つの画素を示している。
図26においても、図25でのように、隣り合う二つの画素と接続されている二本のデータ線171は隣り合うように配設され、二つの画素は、隣り合う二本のデータ線171の間に配設される任意の線(以下、対称基準線と称する。)を基準として線対称構造を有する。
図26に示す二つの画素のうち左側に配設される画素(以下、第1の画素と称する。)は、図20の構造と同様であるが、第1の駆動電圧線192が第2の駆動電圧線172を基準として一方向にのみ延びているという点で相違点がある。第1の駆動電圧線192の延長方向に配設される画素(図26の右側に配設される画素、以下、第2の画素と称する。)は、対称基準線に基づいて第1の画素と対称を成す。
図26のような画素によれば、第2の駆動電圧線172および第1の駆動電圧線192には駆動電圧ELVDDが印加されるが、隣り合う二つの画素(第1の画素、第2の画素)を有する二つの画素列に対して共通的に印加される。図20の場合には、第1の駆動電圧線192が隣り合う画素の全体に対して接続される構造を有して一つの行に配設される全ての画素でも駆動電圧ELVDDが共通的に印加されるという点で相違点がある。図26のような実施形態においては、表示領域の外側に第2の駆動電圧線172を接続する配線がさらに配設されて隣り合う第2の駆動電圧線172に共通の駆動電圧ELVDDを印加するようにしてもよい。
図26の実施形態においては、図25の実施形態とは異なり、第1の駆動電圧線192が画素電極191と同じ物質で形成されている。
図27および図28は、それぞれ図3に示す有機発光表示装置の画素の変形例であり、隣り合う二つの画素PXを示している。特に、図27および図28は、図23に示す隣り合う二つの画素PXとは異なり、離れている二本のデータ線171の間に配設される隣り合う二つの画素PXを示す。
図27および図28に示す二つの画素のそれぞれは、図15に示す有機発光表示装置と同じ構造を有する。
隣り合う二つの画素PXは、これらの二つの画素PXの間に配設される任意の線対称基準線を基準として線対称構造を有する。以下、第1の方向Dir1とは、例えばスキャン信号Sn等が延びる方向に沿った方向である。また、第2の方向Dir2とは、例えば、データ線171が延びる方向に沿った方向である。よって、第1の方向Dir1と第2の方向Dir2とは互いに交差し、例えば概ね直交する。
本発明の実施形態による有機発光表示装置の画素には、スキャン信号Snと、直前のスキャン信号Sn−1と、発光制御信号Emと、バイパス信号BPおよび初期化電圧Vintがそれぞれ印加され、図27および図28に示す平面上の横方向の第1の方向Dir1に沿って形成されているスキャン線121と、直前のスキャン線122と、発光制御線123およびバイパス制御線128を備え、スキャン線121と、直前のスキャン線122と、発光制御線123およびバイパス制御線128と交差しており、画素にデータ信号Dmを印加するデータ線171を備える。本発明の実施形態による有機発光表示装置は、上述した実施形態の初期化電圧線124は備えておらず、上述した施形態の初期化電圧線124とは異なる構造を有する初期化電圧線193をさらに備える。初期化電圧線193は、上述した色々な実施形態の画素電極191と同じ層に配設され、画素電極191から離れている。初期化電圧線193は、略第1の方向Dir1に延び、周期的に折れ曲がっていてもよいが、構造がこれに限定されることはない。図27の場合、初期化電圧線193は、例えば、第1の方向Dir1及び第2の方向Dir2に構成する方向に延びている。より具体的には、図17の場合、左側の画素においては、第1の方向Dir1及び第2の方向Dir2に交差するように上方斜めに向かって延びている。そして、初期化電圧線193は、第1の接続部173近傍においては第1の方向Dir1に沿って延びる。その後、初期化電圧線193は、右側の画素においては、第1の方向Dir1及び第2の方向Dir2に交差するように下方斜めに向かって延びている。例えば、左側の画素においては初期化電圧線193が延びる方向と、右側の画素においては初期化電圧線193が延びる方向とは、線対称基準線を基準として概ね対称である。また、左側の画素においては初期化電圧線193が延びる方向及び右側の画素においては初期化電圧線193が延びる方向は、第1の方向Dir1を基準として約45°又は約135°の方向であってもよい。また、本発明の実施形態による有機発光表示装置は、駆動電圧ELVDDを印加する駆動電圧線126/172/179hも備えている。駆動電圧線126/172/179hは、第1の駆動電圧線126と、第2の駆動電圧線172および第3の駆動電圧線179hを備える。
第2の駆動電圧線172は、平面上の第1の方向Dir1と交差する方向(縦方向であってもよい)である第2の方向Dir2に延び、複数の画素に亘って延びており、データ線171と略平行である。
第1の駆動電圧線126はスキャン線121と略平行であり、図27および図28に示すように、隣り合う二本の第2の駆動電圧線172を接続してもよい。しかしながら、これとは異なり、第1の駆動電圧線126は、横方向に複数の画素に亘って延びていてもよい。
第3の駆動電圧線179hは、第1の方向Dir1に延びており、隣り合う二本の第2の駆動電圧線172を電気的に接続してもよい。第1の駆動電圧線126および第2の駆動電圧線172は電気的に接続されており、第3の駆動電圧線179hおよび第2の駆動電圧線172は電気的に接続されている。第3の駆動電圧線179hは、層間絶縁膜160の第5のコンタクト孔165を介して第2の駆動電圧線172と電気的に接続される。
第3の駆動電圧線179hは、第2の方向Dir2に拡張または突出されている拡張部179vをさらに備えていてもよい。拡張部179vは、隣り合う二つの画素PXの間に主として配設され、隣り合う二本のデータ線171のうちの少なくとも一方と絶縁層を間に挟んで重なり合い、データ線171に沿って延びていてもよい。図27および図28は、第3の駆動電圧線179hの拡張部179vが隣り合う二本のデータ線171の両方と重なり合う例を示す。拡張部179vは、平面上の第2の方向Dir2に延びて発光制御線123と交差し、スイッチング薄膜トランジスターT2のソース電極176bが配設される個所の直前まで近付いて形成されていてもよい。
拡張部179vは、データ線171と重なり合う部分の以外に配設される少なくとも一つの切欠部(図示せず)をさらに備えていてもよい。例えば、拡張部179vは、隣り合う二本のデータ線171の間に配設される切欠部を備えていてもよい。
導電性を有する拡張部179vがこのようにデータ線171と重なり合うと、データ線171を遮蔽してデータ線171が伝達するデータ信号Dmの信号の変化に応じて周りの画素電極191と、駆動薄膜トランジスターT1などの電気素子の電圧が影響を受けることを防ぐことができる。
断面構造からみたとき、第2の駆動電圧線172は、第1の駆動電圧線126とは異なる層に配設され、第3の駆動電圧線179hとも異なる層に配設される。第2の駆動電圧線172および第1の駆動電圧線126は、上述した図3から図5、図17から図19または図23に示す実施形態と同じ層に配設されてもよい。第1の駆動電圧線126および第3の駆動電圧線179hは異なる層に配設されるが、第3の駆動電圧線179hは、上述した実施形態の半導体131と同じ層に配設される。
隣り合う第2の駆動電圧線172を接続する第1の駆動電圧線126および第3の駆動電圧線179hのうちのいずれか一方は省略されてもよい。図28は、第1の駆動電圧線126が省略されて第3の駆動電圧線179hが第2の駆動電圧線172を第1の方向Dir1に接続する実施形態を示す。
図15と結び付けて図27および図28を参照すると、一つの画素PXは、駆動薄膜トランジスターT1と、スイッチング薄膜トランジスターT2と、補償薄膜トランジスターT3−1、T3−2(T3)と、初期化薄膜トランジスターT4−1、T4−2(T4)と、動作制御薄膜トランジスターT5と、発光制御薄膜トランジスターT6と、バイパス薄膜トランジスターT7と、ストレージキャパシターCstおよび有機発光ダイオードを備える。本発明の実施形態による色々な薄膜トランジスターの構造は、上述した色々な実施形態例(例えば、図17に示す実施形態)と同様または類似であるため、ここでは同じ説明は省略して相違点を中心に説明する。
一つの画素PXに配設される半導体131は、駆動薄膜トランジスターT1の半導体131aを中心において向かい合う一対の縦部分を有する。
駆動薄膜トランジスターT1の半導体131aは、ゲート電極125aと重なり合う。半導体131aは、第1の延長部31と、第2の延長部32および折曲部33を備えていてもよいが、構造がこれに限定されることはない。
図27および図28に示す左側画素に配設される半導体131の左側の縦部分のほとんどはデータ線171と重なり合わず、第2の方向Dir2に延び、さらに、半導体131の左側の縦部分のほとんどが第2の駆動電圧線172と重なり合う。
スキャン線121と重なり合うスイッチング薄膜トランジスターT2の半導体131bと上側に接続されたスイッチング薄膜トランジスターT2のソース電極176bは左側に折れ曲がって層間絶縁膜の第4のコンタクト孔164を介してデータ線171と電気的に接続されている。
発光制御線123と重なり合う動作制御薄膜トランジスターT5の半導体131eの下側には動作制御薄膜トランジスターT5のソース電極176eが配設され、ソース電極176eは、層間絶縁膜の第5のコンタクト孔165を介して第2の駆動電圧線172と電気的に接続されている。
動作制御薄膜トランジスターT5のソース電極176eは、第3の駆動電圧線179hと同じ層において直接接続されている。すなわち、第3の駆動電圧線179hは、層間絶縁膜の第5のコンタクト孔165を介して第2の駆動電圧線172と電気的に接続されていると見なされる。
図27に示す左側の画素PXに配設される半導体131の右側の縦部分の上側には、半導体131の延長方向に沿ってスキャン線121と重なり合う補償薄膜トランジスターT3−1、T3−2の半導体および直前のスキャン線122と重なり合う初期化薄膜トランジスターT4−1、T4−2の半導体がこの順に形成されている。
図27に示す左側の画素PXに配設される半導体131の右側の縦部分の下側には、半導体131の延長方向に沿って発光制御線123と重なり合う発光制御薄膜トランジスターT6の半導体およびバイパス制御線128と重なり合うバイパス薄膜トランジスターT7の半導体がこの順に配設される。
隣り合う二つの画素PXの第2の初期化薄膜トランジスターT4−2のソース電極176d−2は、互いに同じ層において接続されている。隣り合う二つの画素PXの間の境界と重なり合う第1の接続部173は、層間絶縁膜の第3のコンタクト孔163を介して第2の初期化薄膜トランジスターT4−2のソース電極176d−2と電気的に接続されている。第1の接続部173は、その上に積層されている平坦化膜の第3の上部コンタクト孔183を介して初期化電圧線193と接続されて初期化電圧Vintをソース電極176d−2に伝達する。
バイパス薄膜トランジスターT7のドレイン電極177gは、層間絶縁膜の第9のコンタクト孔169を介して第1の接続部173と接続されて初期化電圧Vintを伝達されてもよい。
第2の駆動電圧線172は、駆動薄膜トランジスターT1のゲート電極125aと重なり合わず、横方向に隣り合わない第1の部分172eと、第1の部分172eに接続されており、駆動薄膜トランジスターT1のゲート電極125aと重なり合う部分を有する拡張領域175とを備える。第2の方向Dir2に配置された複数の画素PXに亘って延びた第2の駆動電圧線172は、第2の方向Dir2に交互に配置された第1の部分172eおよび拡張領域175を有していてもよい。つまり、隣接する2つの画素において、第2の駆動電圧線172は、線対称基準線を基準として概ね対称となるように配置されており、各第2の駆動電圧線172は第1の部分172eおよび拡張領域175を有する。
図27および図28に示す左側の画素PXを参照すると、第1の部分172eと拡張領域175との間の境界において第2の駆動電圧線172の右辺は右側に折れ曲がっている。このため、拡張領域175の右辺は、ゲート電極125aと重なり合う。第1の部分172eと拡張領域175との間の境界において、第2の駆動電圧線172の左辺は直線であってもよく、折れ線であってもよい。特に、第2の駆動電圧線172と駆動薄膜トランジスターT1のゲート電極125aとの間の重畳領域を確保するために、拡張領域175の第1の方向Dir1の幅は、第1の部分172eの第1の方向Dir1の幅よりも大きい。
図27および図28を参照すると、隣り合う二つの画素PXに配設される拡張領域175は、同じ層において互いに接続されている。これによれば、隣り合う二本の第2の駆動電圧線172は、第1の駆動電圧線126または第3の駆動電圧線179hを介して接続されてもよく、隣り合う二つの画素PXの間において互いに接続された拡張領域175を介して第1の方向Dir1にも複数の画素PXに亘って接続されてもよい。隣り合う二つの画素PXの間に第1の駆動電圧線126または第3の駆動電圧線179hが形成されていない部分においては、互いに接続された拡張領域175を介して隣り合う二本の第2の駆動電圧線172が接続されてもよい。このため、有機発光表示装置が第1の方向Dir1および第2の方向Dir2の両方に沿って配置された全体の画素PXに均一な駆動電圧ELVDDが伝達され得る。
拡張領域175および駆動薄膜トランジスターT1のゲート電極125aは、これらの間の層間絶縁膜160を間に挟んでストレージキャパシターCstをなし、拡張領域175を有していない場合に比べて広幅の拡張領域175がゲート電極125aと重なり合うので、十分な容量のストレージキャパシターCstを形成することができる。これにより得られる効果は、上述した通りである。
このように、本発明の実施形態によれば、データ線171と同じ層に配設される第2の駆動電圧線172の拡張領域175と駆動薄膜トランジスターT1のゲート電極125aとの間には一種類の層間絶縁膜160のみが配設され、拡張領域175が配設される層と駆動薄膜トランジスターT1のゲート電極125aが配設される層との間には別途の導電層が配設されない。
上記本実施形態によれば、有機発光表示装置の画素構造を変更して少なくとも一枚のマスクの数を減らして製造することのできる有機発光表示装置およびその製造方法を提供することができる。
より具体的には、本発明の実施形態においては、キャパシターを構成する一方の電極を電源電圧を印加する配線と同じ層に形成して少なくとも一枚のマスクを減らして製造することのできる有機発光表示装置を提供する。また、本発明の実施形態においては、キャパシターを構成する一方の電極をデータ線と同じ層に形成して少なくとも一枚のマスクを減らして製造することのできる有機発光表示装置を提供する。
結果として、製造工程を簡略化することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明の権利範囲はこれに何ら限定されるものではなく、下記の特許請求の範囲において定義している本発明の基本概念を用いた当業者の種々の変形および改良形態もまた本発明の権利範囲に属するものであるといえる。