JP2016050877A - センサ装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】人間が触る程度の大きな圧力やその他所望の検知対象を破壊の恐れが殆ど無く検知でき、また、センシングのための電圧印加を不要とする。
【解決手段】圧力センサ10は、シリコン基板11の上にカンチレバー部12が形成されている。圧力センサ10は、カンチレバー部12の上面に下電極13、圧電薄膜14及び上電極15が積層されている。下電極13、上電極15はそれぞれボンディングワイヤ16a、16bを介して電極パッド17a、17bに接続されている。電極パッド17a及び17bはシリコン基板11と共に回路基板18の上面に形成されている。回路基板18は電極パッド17a及び17bからの信号に基づいて、圧力検知信号を生成する検知回路部などを搭載している。圧力センサ10は、以上の構成全体が可撓性非導電性樹脂19により封止されている。被検知対象の圧力は可撓性非導電性樹脂19を通して印加される。
【選択図】図1
【解決手段】圧力センサ10は、シリコン基板11の上にカンチレバー部12が形成されている。圧力センサ10は、カンチレバー部12の上面に下電極13、圧電薄膜14及び上電極15が積層されている。下電極13、上電極15はそれぞれボンディングワイヤ16a、16bを介して電極パッド17a、17bに接続されている。電極パッド17a及び17bはシリコン基板11と共に回路基板18の上面に形成されている。回路基板18は電極パッド17a及び17bからの信号に基づいて、圧力検知信号を生成する検知回路部などを搭載している。圧力センサ10は、以上の構成全体が可撓性非導電性樹脂19により封止されている。被検知対象の圧力は可撓性非導電性樹脂19を通して印加される。
【選択図】図1
Description
本発明はセンサ装置及びその製造方法に係り、特に圧電薄膜を用いた圧力センサ等のセンサ装置及びその製造方法に関する。
圧力を測定する圧力センサとしては、小型化と省エネルギー性を考慮した場合、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を適用して、薄膜のアクチュエータ部(センサ部)をカンチレバー構造(片持ち梁構造)とした圧力センサが望ましい。小型化を考えた場合は、数mm角のチップサイズで圧力センサを作ることができる技術はMEMSだけであり、他のプリント基板技術などではセンサ自体の小型化が難しい。
MEMS技術を適用した圧力センサは、例えばシリコン基板上にピエゾ抵抗膜が形成されるとともに、そのピエゾ抵抗膜形成部分の平面形状が大略長方形状で、その長手方向の一端が基板に連接固定され、かつ、他端が自由端とされた片持ち梁構造(カンチレバー構造)が多い。この圧力センサでは、検知する圧力がカンチレバーに作用してカンチレバーの屈曲量(ピエゾ抵抗値)が圧力に応じて変化し、その屈曲量に応じた圧力測定信号を出力する構成で、高感度に圧力を検知できるという利点がある。
しかしながら、上記のカンチレバー構造の圧力センサでは、高感度である反面、カンチレバーの先端が自由端で剛性が低いため、例えば空気圧、水圧などの比較的小さな圧力の検知にのみ用いられてきた。
一方、圧力センサの剛性を高めてより強い圧力の検知を可能とするため、開口を有するフレーム部に、上下両面に電極層が形成された帯板状動作部の両端を固定した両持ち梁構造として、帯板状動作部に外力を印加すると上下の電極層間に電気信号を発生させる構成の圧力センサが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、駆動信号により膜面に沿った方向に伸縮する変位膜を有する薄膜層と、薄膜層の両端又は周縁を固定し、駆動信号による変位膜の伸長により、薄膜層を膜面に垂直な方向に変位させる基板とを備えたアクチュエータも提案されている(例えば、特許文献2参照)。このアクチュエータによれば、薄膜層が非駆動時に膜面に沿った初期の圧縮応力を有し、その初期の圧縮応力を駆動時の薄膜層の変位量を最大にする初期の圧縮応力よりも小さくすることで、より大きな変位量を得ることができ、また、圧力センサとしても使用可能である。
しかしながら、特許文献1及び2に記載した構造を備える圧力センサであっても、検知できる圧力の大きさは十分ではなく、例えば、人間が触る程度の大きさの力(1〜10N)程度では破壊する恐れがある。例えばカンチレバー構造の圧力センサでは、カンチレバーの固定端の接続部分(根元部分)が破断する恐れがある。また、ピエゾ抵抗膜を用いた圧力センサでは、センシングのために常に電圧をかけ続けなければならず、省エネルギー性の点から問題である。
本発明は以上の点に鑑みなされたもので、人間が触る程度の大きな圧力やその他所望の検知対象を破壊の恐れが殆ど無く検知でき、また、センシングのための電圧印加を不要としたセンサ装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明のセンサ装置は、被検知対象の入力に応じて機械的に変形し、その変形量に応じた電気信号を発生する検知部と、前記検知部を支持する支持部と、前記検知部からの前記電気信号の信号量に応じた検知信号を生成する検知回路部と、前記検知部、支持部、及び検知回路部からなる素子全体を封止する可撓性非導電性樹脂とを備え、前記可撓性非導電性樹脂を通して入力される前記被検知対象の入力を検知することを特徴とする。
ここで、前記検知部は、長手方向の両端部の一方が前記支持部で固定され、かつ、他方が振動可能な自由端とされた細長で扁平な直方体形状の基板上に圧電薄膜が形成されており、被検知対象からの入力によって撓む前記基板の撓み量を前記圧電薄膜で検知して電気信号を発生するカンチレバー部、又は長手方向の両端部がそれぞれ前記支持部で固定された細長で扁平な直方体形状の基板上に圧電薄膜が形成されており、被検知対象からの入力によって撓む前記基板の撓み量を前記圧電薄膜で検知して電気信号を発生するブリッジ部、又は被検知対象からの入力によって撓む薄肉部の撓みを圧電薄膜で検知して電気信号を発生するダイヤフラム部であることを特徴とする。
また、上記の目的を達成するため、本発明のセンサ装置は、長手方向の両端部の一方が固定端とされ、かつ、他方が自由端とされた細長で扁平な直方体形状の基板上に圧電薄膜が形成されており、印加される圧力に応じて前記自由端の屈曲量が変化し、その屈曲量に応じた出力電荷を前記圧電薄膜が発生するカンチレバー部と、前記カンチレバー部の前記固定端を固定する支持部と、前記圧電薄膜が発生した前記出力電荷から、印加された圧力に応じた圧力検知信号を発生する検知回路部と、前記カンチレバー部、支持部及び検知回路部からなる素子全体を封止する可撓性非導電性樹脂とを備え、前記可撓性非導電性樹脂を通して入力される前記圧力の入力を検知することを特徴とする。
ここで、前記支持部は、シリコン基板、シリコン酸化膜及びシリコン構造体がこの順で積層されたSOI基板の前記シリコン基板により構成され、前記カンチレバー部の前記基板は前記SOI基板の前記シリコン酸化膜及び前記シリコン構造体の積層体で構成されていることを特徴とする。
また、前記可撓性非導電性樹脂は、その硬さが前記被検知対象のリニアな検知範囲を広くするほど硬く設定されていることを特徴とする。
また、上記の目的を達成するため、本発明のセンサ装置の製造方法は、長手方向の両端部の一方が支持部で固定され、かつ、他方が自由端とされた細長で扁平な直方体形状の基板上に圧電薄膜が形成されたカンチレバー部を形成する形成工程と、前記カンチレバー部の前記支持部の底面を検知回路部の回路基板上に固定する固定工程と、前記カンチレバー部の前記圧電薄膜の駆動用電極の第1の電極パッドと前記回路基板上の第2の電極パッドとの配線を行う配線工程と、前記配線工程を経た前記カンチレバー部及び前記回路基板からなる素子全体を可撓性非導電性樹脂で封止する封止工程とを含むことを特徴とする。
本発明によれば、人間が触る程度の大きな圧力やその他所望の検知対象を、破壊の恐れが殆ど無く検知することができる。また、本発明によれば、センシングのための電圧印加を不要にでき、省エネルギー化を実現できる。
次に、本発明のセンサ装置及びその製造方法の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係るセンサ装置の一実施形態の斜視図を示す。同図に示すように、本実施形態のセンサ装置である圧力センサ10は、直方体形状のシリコン基板11の上に、それぞれシリコン基板11よりも薄いシリコン酸化膜とシリコン構造体との積層体であるカンチレバー部12が形成されている。カンチレバー部12は、互いに長手方向が直交する細長の平板形状(扁平な直方体形状)である第1のカンチレバー部分12aと第2のカンチレバー部分12bとからなる、平面がT字状の基板構成である。なお、カンチレバー部12は、第2のカンチレバー部分12bのみからなる構成であってもよい。
図1は、本発明に係るセンサ装置の一実施形態の斜視図を示す。同図に示すように、本実施形態のセンサ装置である圧力センサ10は、直方体形状のシリコン基板11の上に、それぞれシリコン基板11よりも薄いシリコン酸化膜とシリコン構造体との積層体であるカンチレバー部12が形成されている。カンチレバー部12は、互いに長手方向が直交する細長の平板形状(扁平な直方体形状)である第1のカンチレバー部分12aと第2のカンチレバー部分12bとからなる、平面がT字状の基板構成である。なお、カンチレバー部12は、第2のカンチレバー部分12bのみからなる構成であってもよい。
第1のカンチレバー部分12aは、すべてシリコン基板11の上面に一体的に形成されている。第2のカンチレバー部分12bは、第1のカンチレバー部分12aの長さ方向の中心部に一端が連接された固定端とされ、かつ、他端が上下方向に振動可能な自由端とされた片持ち梁構造とされている。ここでは、第2のカンチレバー部分12bは、一例としてその第1のカンチレバー部分12aの長手方向と直交する方向の長さが例えば50μm〜10mm程度、幅が例えば300μm程度、厚さが例えば100nm〜100μm程度である。
また、圧力センサ10は、カンチレバー部12の上面に下電極13、感圧素子の一例としてのチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)などの圧電薄膜14及び上電極15がこの順で積層されている。下電極13はボンディングワイヤ16aを介して電極パッド17aに接続され、上電極15はボンディングワイヤ16bを介して電極パッド17bに接続されている。また、電極パッド17a及び17bは、シリコン基板11と共に回路基板18の上面に形成されている。回路基板18は、電極パッド17a及び17bからの信号に基づいて、圧力検知信号を生成する検知回路部などを搭載している。そして、圧力センサ10は、以上の構成全体が可撓性非導電性樹脂19により封止されている(換言すると、埋め込まれている)点に特徴がある。可撓性非導電性樹脂19の高さは例えば、1.2mm程度である。可撓性非導電性樹脂19としては、例えばシリコンゴム、ポリジメチルシロキサン(PDMS)などを使用することができる。
上記構成の圧力センサ10は、概略次のようにして製造できる。例えば、MEMSプロセスによりセンサ本体部分(ボンディングワイヤ16a及び16b、電極パッド17a及び17b、回路基板18並びに可撓性非導電性樹脂19を除いた部分)を多数一括して形成し、一つずつのセンサ本体部分に分離する。その後、分離したセンサ本体部分毎に、通常のセラミックパッケージを画面リジッド基板などの回路基板18上にダイボンディングにより固定し、ボンディングワイヤ16a及び16bで配線した後、その構成全体を可撓性非導電性樹脂19により封止する。
次に、本実施形態の圧力センサ10の動作の概要について図2と共に説明する。図2は、圧力センサ10の動作の概要を説明する断面図を示す。同図中、図1と同一構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。ただし、図2では図1中の下電極13、上電極15、ボンディングワイヤ16a及び16b、電極パッド17a及び17bの図示は省略している。
図2(A)に示すように、硬いプラスチック製などの直方体状のブロック21を可撓性非導電性樹脂19の上面に載置する。この時点では第2のカンチレバー部分12bは初期の水平状態を保っている。続いて、図2(B)に示すように、ブロック21に対して矢印22方向(つまり、下方向)に力を加えて押圧すると、可撓性非導電性樹脂19の上部が変形し、それに伴い第2のカンチレバー部分12bの自由端である先端が24で示すように下方向に屈曲する。すると、圧電薄膜14が25で模式的に示すように、この屈曲の大きさに応じた値の出力電荷を発生する。発生した出力電荷は、回路基板18に搭載された検知回路部で検知され、更に測定系の容量で割った電圧の圧力検知信号として取り出される。圧電薄膜14が上面に形成されたカンチレバー部12は、上記のように被検知対象である力の押圧に応じて第2のカンチレバー部分12bが機械的に変形し、その変形量(屈曲量)に応じた電気信号(ここでは出力電荷)を発生する検知部を構成している。
なお、可撓性非導電性樹脂19を押圧するのに用いたブロック21は一例であり、ブロック21を設けず可撓性非導電性樹脂19を直接押圧してもよい。また、被検知対象は上記の例では人間の指の力などとしたが、それ以外の圧力であってもよいことは勿論である。
図3は、検知回路部の一例の回路図を圧力センサ10と共に示す。同図中、図1と同一構成部分には同一符号を付してある。図3において、検知回路部28は、非反転入力端子が下電極13に接続され、反転入力端子が上電極15に接続された演算増幅器OPと、演算増幅器OPの出力端子から反転入力端子への負帰還路に並列接続された抵抗R及びコンデンサCとから構成されている。
演算増幅器OPは反転入力端子と非反転入力端子に電極パッド17a、17bから圧電薄膜14で発生した出力電荷に応じた信号(出力電荷を測定系の容量で割った電圧)が入力され、その入力信号を抵抗Rの抵抗値及びコンデンサCの容量値の積の値の逆数に応じたカットオフ周波数を持つ低域通過周波数特性で増幅して、増幅された電圧Voutを圧力検知信号として出力端子29へ出力する。上記のカットオフ周波数は圧力センサ10の用途に応じて適宜選定される。例えば、人の手によりブロック21を操作するような場合は、手の動きはせいぜい数Hzから数十Hz程度であるので、上記のカットオフ周波数は例えば0.15kHz程度でよい。
図4は、圧力センサ10の一例の印加力対出力電荷特性図を示す。同図において、横軸は圧力センサ10の可撓性非導電性樹脂19に対して印加された力(単位N)を示し、縦軸は圧力センサ10の電極パッド17a、17b間に出力される出力電荷(単位pC)を示す。同図に示すように、圧力センサ10は人間が触る程度の大きさの力(1〜10N)でも検知することができる。ここで、可撓性非導電性樹脂19がPDMSであるものとすると、PDMSの硬さは主剤と硬化剤との混合割合によって変化し、硬化剤の混合割合が多いほど硬くなる。図4において、Iは最もPDMSの硬さが硬い場合の特性曲線を示し、IIIは最もPDMSの硬さがやわらかい場合の特性曲線を示し、IIはそれらの中間の硬さの特性曲線を示す。
図4から分かるように、可撓性非導電性樹脂19の一例のPDMSの硬さが硬いほど、同じ印加力に対して大きな出力電荷(及び電圧)が得られる。また、PDMSの硬さが硬い場合の特性曲線Iは、印加された力に対してほぼリニアな出力電荷(及び電圧)が得られる特性を示し、PDMSの硬さが軟らかい場合の特性曲線IIIは印加される力に対する出力電荷(及び電圧)の変化が小さい特性を示す。よって、圧力センサ10の用途に応じて可撓性非導電性樹脂19の硬さが選定される。例えば、広範囲の圧力に対してリニアな検出出力を得たい用途の場合は、可撓性非導電性樹脂19は特性曲線Iが得られるような硬い硬さに設定される。他方、比較的狭い範囲の圧力の検出でよい用途で、強い力が印加されたときのカンチレバー部12の破壊防止を優先したい場合は、可撓性非導電性樹脂19は特性曲線IIやIIIが得られるような軟らかい硬さに設定される。
このように、本実施形態の圧力センサ10によれば、人間が触る程度の大きさの力(1〜10N)を、カンチレバー部12が破壊されることなく検知することができる。また、本実施形態の圧力センサ10によれば、用途に応じた最適な検出範囲の圧力センサを構成でき、また、圧力センサ10に常に電圧をかけ続けなくても、力が加わった場合にのみ出力電荷が発生する圧電薄膜14を用いて圧力を検知するようにしているため、電圧をかけながら抵抗値変化を計測する従来のピエゾ抵抗型の圧力センサに比べて省エネルギー化を実現できる。更に、本実施形態の圧力センサ10によれば、MEMS技術を適用した構成であるため、従来の歪みゲージを用いた圧力センサに比べてセンサを図5のように小型化することができる。
図5(A)、(B)は本発明に係るセンサ装置の実際の一例の概略外観図を示す。図5(A)、(B)に示す本実施例は圧力センサ100であって、その大きさは同図(A)に示すように人間の指104の先端に比べて小さなサイズで、同図(B)に示すように例えば平面が5mm平方程度で、厚さが1.2mm程度の立方体形状である。また、同図(B)の写真に示すように、圧力センサ100は中央部にカンチレバー部101が設けられており、回路基板102を含め全体が可撓性のある透明なPDMS103に埋め込まれた構造である。
次に、本発明に係るセンサ装置の製造方法の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図6〜図11は、それぞれ本発明に係るセンサ装置の製造方法の一実施形態の各工程の素子断面図又は平面図を示す。各図中、同一構成部分には同一符号を付してある。まず、図6の断面図に示すように、シリコン基板31、シリコン酸化膜32及びシリコン構造体33が積層された構造のSOI(Silicon On Insulator)基板の上に、公知の方法でシリコン酸化膜34、電極層35、圧電薄膜層36及び電極層37を順次に積層する。
図6〜図11は、それぞれ本発明に係るセンサ装置の製造方法の一実施形態の各工程の素子断面図又は平面図を示す。各図中、同一構成部分には同一符号を付してある。まず、図6の断面図に示すように、シリコン基板31、シリコン酸化膜32及びシリコン構造体33が積層された構造のSOI(Silicon On Insulator)基板の上に、公知の方法でシリコン酸化膜34、電極層35、圧電薄膜層36及び電極層37を順次に積層する。
続いて、図7(A)の断面図、及び同図(B)の平面図に示すように、シリコン構造体33より上の積層部分を、シリコン基板31の平面の長手方向の長さより短く、かつ、短手方向の幅より狭い直線状部分がシリコン基板31上の中央部に残るようにエッチング除去して、細長のシリコン酸化膜38及び下電極39を形成し、更に、下電極39の上の圧電薄膜層36及び電極層37を、下電極39が一方の端部から所定領域露出するようにエッチングして、圧電薄膜40及び上電極41を形成する。続いて、露出している下電極39の表面に電極パッド42を形成すると共に、上電極41の表面上の任意位置に電極パッド43を形成する。
これにより、図7(B)の平面図に示すように、シリコン構造体33の上面中央部に、シリコン構造体33の長手方向と同方向に延在し、かつ、シリコン構造体33の幅よりも狭い幅の、平面I字状でシリコン酸化膜38、下電極39、圧電薄膜40及び上電極41の積層体に電極パッド42及び43が形成された細長部44が形成される。下電極39、圧電薄膜40及び上電極41は、図1の下電極13、圧電薄膜14及び上電極15に相当する。
次に、図8(A)の断面図、及び同図(B)の平面図に示すように、シリコン基板31の上のシリコン酸化膜32及びシリコン構造体33を、上記平面I字状の細長部44と、その長手方向の一部を残してエッチング除去して溝部45を形成する。続いて、図9(A)の断面図、及び同図(B)の平面図に示すように、上記平面I字状の細長部44の電極パッド43より左側部分から溝部45までの範囲のシリコン基板31の部分をエッチング除去してシリコン基板31に溝46を形成する。
これにより、図9(A)、(B)に示すように、平面I字状の細長部44の電極パッド43より左側部分が空中に存在し、電極パッド43より右側部分がシリコン基板31により支持された細長のカンチレバー部47が形成される。このカンチレバー部47は、細長部44の電極パッド43より左側の先端部を振動可能な自由端とし、電極パッド43より右側の先端部を振動不可な固定端とする片持ち梁構造の平面I字状のカンチレバー部である。カンチレバー部47は、図1のカンチレバー部12の特に第2のカンチレバー部分12bに相当する。
続いて、図10の断面図に示すように、図9(A)、(B)と共に説明したカンチレバー部47のシリコン基板31の底面を回路基板48上にダイボンディングにより固定し、更に回路基板48上の電極パッド49a及び49bにボンディングワイヤ50a及び50bで下電極パッド42及び上電極43と配線接続する。その後、図11の断面図に示すように、図10の素子の構成全体をシリコンゴムなどの可撓性非導電性樹脂51により封止することで、センサ装置52の製造を終了する。回路基板48は図1の回路基板18に相当し、可撓性非導電性樹脂51は図1の可撓性非導電性樹脂19に相当する。このセンサ装置52は、可撓性非導電性樹脂51の上面に対しカンチレバー部47方向へ力を直接に又はブロックを介して押圧されることで、図2と共に説明した動作原理に従い、押圧された圧力に応じた検知信号を出力する圧力センサとして機能する。
なお、本発明は以上の実施形態に限定されるものではなく、被検知対象は圧力以外であってもよい。例えば図11に示したセンサ装置52は、図12の断面図に示すような振動センサあるいは発電素子55として使用可能である。同図中、図11と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。図12において、振動センサあるいは発電素子55は、振動体56に対して上電極43側を固定する。これにより、振動体56で発生した振動は、可撓性非導電性樹脂51、シリコン構造体33の順で伝搬し、その振動に応じてカンチレバー部47が屈曲及び振動して圧電薄膜40に屈曲量に応じた値の出力電荷が発生し、その出力電荷更にはその出力電荷を測定系の容量で割って得られた電圧の値はカンチレバー部47の振動に応じて変化し、その出力電荷及び電圧の値の変化が回路基板48で検知される。なお、可撓性非導電性樹脂で封止されていない従来の振動センサでは回路基板側を振動体に固定する。
また、本発明における検知部は上記のようなカンチレバー部12、47に限定されるものではなく、図13(A)に示すような左右の基台61a及び61bに架け渡された棒状のシリコン基板及び圧電薄膜の積層部62が印加される圧力によって撓むことを利用して圧力を検知して電気信号を発生するブリッジ方式の検知部や、同図(B)に示すような薄肉部に加わる圧力によって薄肉部が撓むので、その撓み量に応じた電気信号を圧電薄膜で発生するダイヤフラム63を用いることも可能である。
本発明のセンサ装置は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、携帯情報端末などに搭載されて文字や記号などを入力する入力機器に利用可能であり、またゲームなどのコントローラ用の入力機器や、ロボット用皮膚などの接触検知センサなどに利用可能である。
10、52、100 圧力センサ
11 シリコン基板
12、47、101 カンチレバー部
12a 第1のカンチレバー部分
12b 第2のカンチレバー部分
13、39 下電極
14、40 圧電薄膜
15、41 上電極
16a、16b、50a、50b ボンディングワイヤ
17a、17b、42、43、49a、49b 電極パッド
18、48、102 回路基板
19、51 可撓性非導電性樹脂
28 検知回路部
31 シリコン基板
32、34、38 シリコン酸化膜
33 シリコン構造体
35、37 電極層
36 圧電薄膜層
44 細長部
52 センサ装置
55 振動センサあるいは発電素子
56 振動体
103 PDMS
11 シリコン基板
12、47、101 カンチレバー部
12a 第1のカンチレバー部分
12b 第2のカンチレバー部分
13、39 下電極
14、40 圧電薄膜
15、41 上電極
16a、16b、50a、50b ボンディングワイヤ
17a、17b、42、43、49a、49b 電極パッド
18、48、102 回路基板
19、51 可撓性非導電性樹脂
28 検知回路部
31 シリコン基板
32、34、38 シリコン酸化膜
33 シリコン構造体
35、37 電極層
36 圧電薄膜層
44 細長部
52 センサ装置
55 振動センサあるいは発電素子
56 振動体
103 PDMS
Claims (8)
- 被検知対象の入力に応じて機械的に変形し、その変形量に応じた電気信号を発生する検知部と、
前記検知部を支持する支持部と、
前記検知部からの前記電気信号の信号量に応じた検知信号を生成する検知回路部と、
前記検知部、支持部、及び検知回路部からなる素子全体を封止する可撓性非導電性樹脂と
を備え、前記可撓性非導電性樹脂を通して入力される前記被検知対象の入力を検知することを特徴とするセンサ装置。 - 前記検知部は、
長手方向の両端部の一方が前記支持部で固定され、かつ、他方が振動可能な自由端とされた細長で扁平な直方体形状の基板上に圧電薄膜が形成されており、前記被検知対象からの入力によって撓む前記基板の撓み量を前記圧電薄膜で検知して前記電気信号を発生するカンチレバー部であることを特徴とする請求項1記載のセンサ装置。 - 前記検知部は、
長手方向の両端部がそれぞれ前記支持部で固定された細長で扁平な直方体形状の基板上に圧電薄膜が形成されており、前記被検知対象からの入力によって撓む前記基板の撓み量を前記圧電薄膜で検知して前記電気信号を発生するブリッジ部であることを特徴とする請求項1記載のセンサ装置。 - 前記検知部は、
前記被検知対象からの入力によって撓む薄肉部の撓みを圧電薄膜で検知して電気信号を発生するダイヤフラム部であることを特徴とする請求項1記載のセンサ装置。 - 長手方向の両端部の一方が固定端とされ、かつ、他方が自由端とされた細長で扁平な直方体形状の基板上に圧電薄膜が形成されており、印加される圧力に応じて前記自由端の屈曲量が変化し、その屈曲量に応じた出力電荷を前記圧電薄膜が発生するカンチレバー部と、
前記カンチレバー部の前記固定端を固定する支持部と、
前記圧電薄膜が発生した前記出力電荷から、印加された圧力に応じた圧力検知信号を発生する検知回路部と、
前記カンチレバー部、支持部及び検知回路部からなる素子全体を封止する可撓性非導電性樹脂と
を備え、前記可撓性非導電性樹脂を通して入力される前記圧力の入力を検知することを特徴とするセンサ装置。 - 前記支持部は、シリコン基板、シリコン酸化膜及びシリコン構造体がこの順で積層されたSOI基板の前記シリコン基板により構成され、前記カンチレバー部の前記基板は前記SOI基板の前記シリコン酸化膜及び前記シリコン構造体の積層体で構成されていることを特徴とする請求項3又は5記載のセンサ装置。
- 前記可撓性非導電性樹脂は、その硬さが前記被検知対象のリニアな検知範囲を広くするほど硬く設定されていることを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一項記載のセンサ装置。
- 長手方向の両端部の一方が支持部で固定され、かつ、他方が自由端とされた細長で扁平な直方体形状の基板上に圧電薄膜が形成されたカンチレバー部を形成する形成工程と、
前記カンチレバー部の前記支持部の底面を検知回路部の回路基板上に固定する固定工程と、
前記カンチレバー部の前記圧電薄膜の駆動用電極の第1の電極パッドと前記回路基板上の第2の電極パッドとの配線を行う配線工程と、
前記配線工程を経た前記カンチレバー部及び前記回路基板からなる素子全体を可撓性非導電性樹脂で封止する封止工程と
を含むことを特徴とするセンサ装置の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014177023A JP2016050877A (ja) | 2014-09-01 | 2014-09-01 | センサ装置及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014177023A JP2016050877A (ja) | 2014-09-01 | 2014-09-01 | センサ装置及びその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2016050877A true JP2016050877A (ja) | 2016-04-11 |
Family
ID=55658476
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2014177023A Pending JP2016050877A (ja) | 2014-09-01 | 2014-09-01 | センサ装置及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2016050877A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107765058A (zh) * | 2017-11-26 | 2018-03-06 | 吉林大学 | 一种面向三相四线制对称负载的电流测量装置及方法 |
WO2019015334A1 (zh) * | 2017-07-18 | 2019-01-24 | 杨松 | 微动传感装置和床垫 |
CN109341727A (zh) * | 2018-10-25 | 2019-02-15 | 北京机械设备研究所 | 一种柔性可拉伸式传感器 |
JP6705580B1 (ja) * | 2019-01-11 | 2020-06-03 | 株式会社村田製作所 | 振動構造体および圧電センサ |
WO2020144941A1 (ja) * | 2019-01-11 | 2020-07-16 | 株式会社村田製作所 | 圧電デバイス、振動構造体および圧電センサ |
-
2014
- 2014-09-01 JP JP2014177023A patent/JP2016050877A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2019015334A1 (zh) * | 2017-07-18 | 2019-01-24 | 杨松 | 微动传感装置和床垫 |
CN107765058A (zh) * | 2017-11-26 | 2018-03-06 | 吉林大学 | 一种面向三相四线制对称负载的电流测量装置及方法 |
CN107765058B (zh) * | 2017-11-26 | 2023-05-23 | 吉林大学 | 一种面向三相四线制对称负载的电流测量装置及方法 |
CN109341727A (zh) * | 2018-10-25 | 2019-02-15 | 北京机械设备研究所 | 一种柔性可拉伸式传感器 |
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WO2020144941A1 (ja) * | 2019-01-11 | 2020-07-16 | 株式会社村田製作所 | 圧電デバイス、振動構造体および圧電センサ |
US11785855B2 (en) | 2019-01-11 | 2023-10-10 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Piezoelectric device, vibration structure and piezoelectric sensor |
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