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JP2016043327A - 水処理システム、制御装置、及び水処理方法 - Google Patents

水処理システム、制御装置、及び水処理方法 Download PDF

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JP2016043327A JP2014170562A JP2014170562A JP2016043327A JP 2016043327 A JP2016043327 A JP 2016043327A JP 2014170562 A JP2014170562 A JP 2014170562A JP 2014170562 A JP2014170562 A JP 2014170562A JP 2016043327 A JP2016043327 A JP 2016043327A
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Abstract

【課題】吸着材の注入量又は注入率を適切に決定することができる水処理システム、制御装置、及び水処理方法を提供することである。
【解決手段】実施形態の水処理システムは、流動電流計と、決定部とを持つ。流動電流計は、凝集剤が注入される貯水部から採取された水、又は貯水部に対して水の流れに関する上流側の箇所から採取された水の流動電流値を測定する。決定部は、流動電流値に基づいて吸着材の注入量又は注入率を決定する。
【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、水処理システム、制御装置、及び水処理方法に関する。
水処理システムでは、浄水工程において、貯水部に活性炭が注入される。しかしながら、従来の技術では、吸着材の注入量を適切に決定することができない場合があった。
特開2000−121628号公報
本発明が解決しようとする課題は、吸着材の注入量又は注入率を適切に決定することができる水処理システム、制御装置、及び水処理方法を提供することである。
実施形態の水処理システムは、流動電流計と、決定部とを持つ。流動電流計は、凝集剤が注入される貯水部から採取された水、又は貯水部に対して水の流れに関する上流側の箇所から採取された水の流動電流値を測定する。決定部は、流動電流値に基づいて吸着材の注入量又は注入率を決定する。
第1の実施形態における、水処理システムの図。 第1の実施形態における、注入装置の図。 第1の実施形態における、流動電流計の図。 第1の実施形態における、流動電流値と全有機炭素との関係を示す図。 第1の実施形態における、全有機炭素と、吸着材の注入量との関係を示す図。 第1の実施形態における、全有機炭素と接触時間との関係を示す図。 第2の実施形態における、水処理システムの図。 第2の実施形態における、注入装置の図。 第3の実施形態における、水処理システムの図。 第4の実施形態における、水処理システムの図。 第5の実施形態における、水処理システムの図。 第6の実施形態における、水処理システムの図。 第7の実施形態における、水処理システムの図。
以下、実施形態の水処理システム、制御装置、及び水処理方法を、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態における、水処理システム1である。第1の実施形態では、水処理システム1は、「水処理システム1a」という。水処理システム1aは、複数の貯水部を備える。すなわち、水処理システム1aは、取水井10と、着水井20と、混和池30と、フロック形成池40と、沈殿池50と、接触池60と、砂ろ過棟70と、配水池80とを備える。また、水処理システム1aは、調整部90と、凝集剤100と、調整部110と、吸着材120と、注入装置200aとを備える。
取水井10は、原水を一時的に貯留する。
着水井20には、取水井10の原水が送水される。着水井20では、植物や土砂が原水から分離される。
混和池30(急速撹拌池)には、着水井20の上澄みの水が送水される。混和池30では、調整部90によって凝集剤100が水に注入される。混和池30では、運転員による手動で、凝集剤100が水に注入されてもよい。
混和池30には、混合装置31が取り付けられている。混合装置31は、取水井10から送水された水と、凝集剤100とを混合する。混合装置31は、例えば、急速攪拌装置(フラッシュ・ミキサ)、モータ等の駆動部を有する攪拌装置や、駆動部を有しない攪拌装置(スタティック・ミキサ)である。混和池30では、凝集剤100によって懸濁物質(Suspended Solids)の荷電状態が中和される。荷電状態が中和されることにより、懸濁物質は凝集する。懸濁物質は、例えば、色度成分、溶解性成分や、藻類である。混和池30では、混合装置31による攪拌によって、水中に微フロックが形成される。
フロック形成池40には、微フロックを含む水が、混和池30から送水される。フロック形成池40は、水に含まれる微フロック同士を衝突させて、フロックを成長させる。
沈殿池50は、水中で成長したフロックを沈降させる。
接触池60には、沈殿池50の上澄みの水が送水される。接触池60では、調整部110によって、吸着材120が水に注入される。接触池60では、運転員による手動で、吸着材120が水に注入されてもよい。
接触池60では、沈殿池50から送水された水と、吸着材120とが混合される。接触池60では、凝集剤100によって凝集しきれなかった色度成分や溶解性成分を、吸着材120が吸着する。溶解性成分は、例えば、溶解性の有機物である。接触池60では、色度成分や溶解性成分は、凝集剤100によって凝集しきれなかった場合、接触池60の上澄みの水から除去される。
砂ろ過棟70には、接触池60の水が送水される。砂ろ過棟70は、接触池60から送水された水をろ過する。砂ろ過棟70は、開口部を有する水槽でもよい。送水するための配管を砂ろ過棟70が有する場合、その配管には、吸着材120が詰められていてもよい。
配水池80には、ろ過された水が、砂ろ過棟70から送水される。配水池80では、塩素が水に注入される。塩素によって消毒された水は、配水池80から配水される。塩素によって消毒された水は、住宅などに配水される。
調整部90は、注入装置200aによって決定された注入量の凝集剤100を、混和池30に注入する。調整部90は、注入装置200aによって決定された注入率の凝集剤100を、混和池30に注入してもよい。凝集剤100の注入率は、凝集剤100が注入される箇所の水の量に対する、凝集剤100の注入量の割合である。
調整部90は、例えば、ポンプである。調整部90は、凝集剤100の注入量を変更可能な機構であれば、どのような機構を有していてもよい。例えば、調整部90は、インバータや電動弁を用いて、凝集剤100の注入量又は注入率を変更してもよい。
凝集剤100は、水に含まれる粒子を凝集させる。凝集剤100は、例えば、ポリ塩化アルミニウム(PAC : Poly Aluminum Chloride)、硫酸バンド、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、ポリシリカ鉄等の無機系凝集剤である。
凝集剤100は、高分子凝集剤と併用されてもよい。高分子凝集剤は、例えば、カチオン性ポリマ、アニオン性ポリマ、両性ポリマである。凝集剤100は、pH調整剤と併用されてもよい。pH調整剤は、凝集させるために適切であるpH域に、水のpH値を調整することができる。pH調整剤は、酸性の調整剤でもよいし、アルカリ性の調整剤でもよい。酸性の調整剤は、例えば、硫酸や塩酸である。アルカリ性の調整剤は、例えば、苛性ソーダや水酸化カルシウムである。
調整部110は、注入装置200aによって決定された注入量の吸着材120を、接触池60に注入する。調整部110は、注入装置200aによって決定された注入率の吸着材120を、接触池60に注入してもよい。吸着材120の注入率は、水量に対する、吸着材120の注入量の割合である。また、吸着材120の注入率は、吸着材120を水に接触させる時間の長さ(以下、「接触時間」という。)に応じた値でもよい。
調整部110は、例えば、ポンプである。調整部110は、吸着材120の注入量を変更可能な機構であれば、どのような機構を有していてもよい。例えば、調整部110は、インバータや電磁弁を用いて、吸着材120の注入量を変更してもよい。
吸着材120は、水に注入される。吸着材120は、その水に含まれている懸濁物質と接触することにより、接触した懸濁物質を吸着する。これにより、吸着材120は、懸濁物質を水から除去する。吸着材120は、例えば、活性炭である。
注入装置200aの構成を説明する。
図2は、第1の実施形態における、注入装置200aの図である。注入装置200aは、流動電流計210(SCD: Streaming Current Detector)と、制御装置220aとを備える。制御装置220aは、記憶部221と、決定部222と、制御部223とを備える。決定部222と、制御部223とのうち一部または全部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサが、記憶部221に記憶されたプログラムを実行することにより機能するソフトウェア機能部である。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア機能部であってもよい。
図3は、第1の実施形態における、流動電流計210の図である。流動電流計210は、混和池30の水の流動電流を測定する。懸濁物質の荷電状態の中和は、流動電流値が値0又は値0に近い値となった場合に進み易い。つまり、懸濁物質は、流動電流値が値0又は値0に近い値となった場合に、凝集し易い状態となる。決定部222は、凝集剤100の注入量を、値0又は値0に近い値となった流動電流値に基づいて決定することができる。なお、流動電流値は、水質によっては、値0又は値0に近い値に限らなくてよい。
流動電流計210は、プルーブ211と、ピストン212と、電極213とを有する。流動電流計210には、ポンプなどの送水機構によって注水されてもよいし、水位差を利用して注水されてもよい。なお、流動電流計210に送られた水は、混和池30に返されてもよい。これにより、流動電流計210は、混和池30での混合作用を高めることができる。
プルーブ211とピストン212との間隔は、例えば、0.1[mm]である。ピストン212は、プルーブ211に囲まれた空間で、往復運動をする。電極213−1は、プルーブ211に注水された水の流動電流を測定し、測定した流動電流に応じた信号を出力する。水の流動電流は、帯電した懸濁物質の移動によって発生する。流動電流計210は、測定した流動電流に応じた信号を示す流動電流値を、制御装置220aに出力する。電極213−2も同様である。流動電流計210は、混和池30の水の流動電流値を、決定部222に送信する。
流動電流値は、凝集剤100の注入量に応じて増減する。流動電流値の目標値は、例えば、ジャーテストや水質試験の結果に基づいて予め定められる。流動電流計210は、懸濁物質の荷電状態を連続的に検出する流動電位計でもよい。また、流動電流計210は、懸濁物質の荷電状態を間欠的に検出するゼータ電位計でもよい。
記憶部221は、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)などの不揮発性の記憶媒体(非一時的な記憶媒体)を有する。記憶部221は、例えば、RAM(Random Access Memory)やレジスタなどの揮発性の記憶媒体を有していてもよい。
記憶部221は、例えば、流動電流値と全有機炭素(TOC : Total Organic Carbon)との関係を示す情報、全有機炭素と吸着材120の注入量との関係を示す情報や、全有機炭素と接触時間との関係を示す情報を記憶する。全有機炭素は、水中に存在する有機物の総量を、有機物中に含まれる炭素量によって示したものである。これら関係を示す情報は、関係式として記憶されてもよい。記憶部221は、例えば、ソフトウェア機能部を機能させるためのプログラムを記憶してもよい。
図4は、第1の実施形態における、流動電流値と全有機炭素との関係を示す図である。図4の横軸は、全有機炭素を示す。図4の縦軸は、流動電流値を示す。流動電流値と全有機炭素との関係は、予め測定される。図4では、流動電流値は、全有機炭素の増加に応じて増加している。流動電流値の増加は、全有機炭素の増加に対して線形に変化してもよいし、線形に変化しなくてもよい。
図5は、第1の実施形態における、全有機炭素と、吸着材120の注入量との関係を示す図である。図5の横軸は、吸着材120の注入量を示す。図5の横軸は、吸着材120の注入率を示してもよい。図5の縦軸は、流動電流値を示す。全有機炭素と吸着材120の注入量との関係は、予め測定される。図5では、全有機炭素は、吸着材120の注入量の増加に応じて減少している。全有機炭素の減少は、吸着材120の注入量の増加に対して線形に変化してもよいし、線形に変化しなくてもよい。
図6は、第1の実施形態における、全有機炭素と接触時間との関係を示す図である。図6の横軸は、接触時間を示す。図6の縦軸は、全有機炭素を示す。全有機炭素と接触時間との関係は、予め測定される。図6では、全有機炭素は、接触時間の増加に応じて減少している。全有機炭素の減少は、接触時間の増加に対して線形に変化してもよいし、線形に変化しなくてもよい。
決定部222は、流動電流に応じた信号を、流動電流計210から取得する。決定部222は、流動電流値と全有機炭素との関係を示す情報、全有機炭素と吸着材120の注入量との関係を示す情報や、全有機炭素と接触時間との関係を示す情報を、記憶部221から取得する。
決定部222は、記憶部221から取得した各種の情報と、流動電流値とに基づいて、吸着材120の注入量又は注入率を決定する。決定部222は、吸着材120の一定の注入量に対して水の流量を決定することにより、吸着材120の注入率を決定する。決定部222は、水の一定の流量に対して吸着材120の注入量を決定することにより、吸着材120の注入率を決定してもよい。決定部222は、吸着材120の注入量又は注入率に応じた信号を、制御部223に送信する。決定部222は、流動電流値に基づいて接触時間を決定してもよい。決定部222は、接触時間に応じた信号を、制御部223に送信してもよい。
決定部222は、流動電流値に基づいて、凝集剤100の注入量又は注入率を決定してもよい。決定部222は、例えば、凝集剤100の一定の注入量に対して水の流量を決定することにより、凝集剤100の注入率を決定する。決定部222は、例えば、水の一定の流量に対して凝集剤100の注入量を決定することにより、凝集剤100の注入率を決定してもよい。決定部222は、凝集剤100の注入量又は注入率に応じた信号を、制御部223に送信する。
制御部223は、吸着材120の注入量又は注入率に応じた信号を、決定部222から取得する。制御部223は、吸着材120の注入量又は注入率に応じた信号に基づいて、調整部110を制御する。制御部223は、例えば、吸着材120の一定の注入量に対して水の流量を調整することにより、吸着材120の注入率を制御する。制御部223は、例えば、水の一定の流量に対して吸着材120の注入量を調整することにより、吸着材120の注入率を制御してもよい。
制御部223は、凝集剤100の注入量又は注入率に応じた信号を、決定部222から取得してもよい。制御部223は、凝集剤100の注入量又は注入率に応じた信号に基づいて、調整部90を制御する。制御部223は、例えば、凝集剤100の一定の注入量に対して水の流量を調整することにより、凝集剤100の注入率を制御する。制御部223は、例えば、水の一定の流量に対して凝集剤100の注入量を調整することにより、凝集剤100の注入率を制御してもよい。
以上のように、第1の実施形態の水処理システム1aは、流動電流計210と、決定部222とを持つ。流動電流計210は、凝集剤100が注入される混和池30から採取された水、又は混和池30に対して水の流れに関する上流側の箇所から採取された水の流動電流値を測定する。決定部222は、流動電流値に基づいて吸着材120の注入量又は注入率を決定する。
第1の実施形態の制御装置220aは、決定部222と、制御部223とを持つ。決定部222は、凝集剤が注入される混和池30から採取された水、又は混和池30に対して水の流れに関する上流側の箇所から採取された水の流動電流値に基づいて、吸着材の注入量又は注入率を決定する。制御部223は、混和池30に対して水の流れに関する上流側又は下流側の箇所に、決定部222によって決定された注入量又は注入率の吸着材が注入されるよう制御する。
第1の実施形態の水処理方法は、水処理システム1aにおける水処理方法であって、測定するステップと、決定するステップとを含む。測定するステップでは、流動電流計210は、凝集剤100が注入される混和池30から採取された水、又は混和池30に対して水の流れに関する上流側の箇所から採取された水の流動電流値を測定する。決定するステップでは、決定部222は、流動電流値に基づいて吸着材120の注入量又は注入率を決定する。
この構成によって、決定部222は、流動電流値に基づいて、吸着材120の注入量又は注入率を決定する。第1の実施形態の水処理システム1a、制御装置220a及び水処理方法は、吸着材120の注入量又は注入率を適切に決定することができる。第1の実施形態の水処理システム1a、制御装置220a及び水処理方法は、凝集剤100、吸着材120又は汚泥除去のランニングコストを、低減することができる。
第1の実施形態の水処理システム1a、制御装置220a及び水処理方法は、水質が変動した場合でも、凝集剤100を注入する制御の精度を、維持することができる。第1の実施形態の水処理システム1a、制御装置220a及び水処理方法は、水質が変動しても、凝集剤100の過不足のない適切な注入量を決定することができる。第1の実施形態の水処理システム1a、制御装置220a及び水処理方法は、処理水の水質を良好な状態に保ちながら、凝集剤100の使用量を削減することができる。第1の実施形態の水処理システム1a、制御装置220a及び水処理方法は、運転員がジャーテストを頻繁に行う必要がないので、運転員の負担を軽減することができる。
第1の実施形態の決定部222は、流動電流値に基づいて、吸着材120を水に接触させる時間を決定してもよい。
第1の実施形態の吸着材120は、例えば、活性炭である。活性炭は、粒状活性炭や粉末活性炭でもよい。
第1の実施形態の決定部222は、流動電流値に基づいて凝集剤100の注入量又は注入率を決定してもよい。
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、流動電流値が補正される点が第1の実施形態と相違する。第2の実施形態では、第1の実施形態との相違点についてのみ説明する。
図7は、第2の実施形態における、水処理システム1の図である。第2の実施形態では、水処理システム1は、「水処理システム1b」という。水処理システム1bは、取水井10と、着水井20と、混和池30と、フロック形成池40と、沈殿池50と、接触池60と、砂ろ過棟70と、配水池80と、調整部90と、凝集剤100と、調整部110と、吸着材120と、水質センサ130と、注入装置200bとを備える。
調整部90は、注入装置200bによって決定された注入量又は注入率の凝集剤100を、混和池30に注入する。
調整部110は、注入装置200bによって決定された注入量又は注入率の吸着材120を、接触池60に注入する。
図7では、水質センサ130は、着水井20に備えられる。水質センサ130は、取水井10や配管に備えられてもよい。水質センサ130は、水中の懸濁物質の濃度を測定する。水質センサ130は、懸濁物質の濃度を表す信号を、制御装置220bに出力する。水質センサ130は、懸濁物質濃度計である。水質センサ130は、例えば、濁度計、粒度分布計、吸光度計や、パーティクルカウンターでもよい。水質センサ130は、水温計でもよい。水質センサ130は、水温を表す信号を、制御装置220bに出力する。つまり、水質は、例えば、不溶性の粒子の濃度、溶解性の有機物の濃度、水温、又は、イオンの濃度で表される。
図8は、第2の実施形態における、注入装置200bの図である。注入装置200bは、流動電流計210と、制御装置220bとを備える。制御装置220bは、記憶部221と、決定部222と、制御部223と、補正部224とを備える。決定部222と、制御部223と、補正部224とのうち一部または全部は、例えば、CPU等のプロセッサが、記憶部221に記憶されたプログラムを実行することにより機能するソフトウェア機能部である。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSIやASIC等のハードウェア機能部であってもよい。
補正部224は、流動電流に応じた信号を、流動電流計210から取得する。補正部224は、懸濁物質の濃度を表す信号を、水質センサ130から取得する。補正部224は、水温を表す信号を、水質センサ130から取得する。補正部224は、流動電流に応じた信号が表す流動電流値を、懸濁物質の濃度に基づいて補正する。補正部224は、流動電流に応じた信号が表す流動電流値を、水温に基づいて補正してもよい。補正部224は、補正された流動電流値を表す信号を、決定部222に出力する。
決定部222は、補正された流動電流値を表す信号を、補正部224から取得する。決定部222は、流動電流値と全有機炭素との関係を示す情報、全有機炭素と吸着材120の注入量との関係を示す情報や、全有機炭素と接触時間との関係を示す情報を、記憶部221から取得する。
決定部222は、補正された流動電流値と、記憶部221から取得した各種の情報とに基づいて、吸着材120の注入量又は注入率を決定する。決定部222は、懸濁物質の濃度の範囲に応じて、記憶部221が記憶する複数の関係式から、最適な関係式を選択してもよい。
なお、決定部222は、水の濁度が閾値以上である場合、補正された流動電流値に基づく代わりに、水質センサ130が測定した懸濁物質の濃度に基づいて、吸着材120の注入量又は注入率を決定してもよい。
決定部222は、補正された流動電流値と、記憶部221から取得した各種の情報とに基づいて、接触時間を決定してもよい。また、決定部222は、補正された流動電流値と、記憶部221から取得した各種の情報とに基づいて、凝集剤100の注入量又は注入率を決定してもよい。
以上のように、第2の実施形態の決定部222は、補正された流動電流値に基づいて、吸着材120の注入量又は注入率を決定する。
第2の実施形態の水処理システム1b、制御装置220b及び水処理方法は、凝集剤100、吸着材120又は汚泥除去のランニングコストを、より低減することができる。第2の実施形態の水処理システム1b、制御装置220b及び水処理方法は、水質センサ130を使用するフィードフォワード制御(FF制御)と、流動電流計210を使用するフィードバック制御(FB制御)とを、組み合わせることができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、着水井20に水質センサが更に備えられる点が第2の実施形態と相違する。第3の実施形態では、第2の実施形態との相違点についてのみ説明する。
図9は、第3の実施形態における、水処理システム1の図である。第3の実施形態では、水処理システム1は、「水処理システム1c」という。水処理システム1cは、取水井10と、着水井20と、混和池30と、フロック形成池40と、沈殿池50と、接触池60と、砂ろ過棟70と、配水池80と、調整部90と、凝集剤100と、調整部110と、吸着材120と、水質センサ130と、水質センサ140と、注入装置200bとを備える。
図9では、水質センサ140は、着水井20に備えられる。水質センサ140は、取水井10や配管に備えられてもよい。水質センサ140は、水中の有機物の量を測定する。水質センサ140は、有機物の量を表す信号を、制御装置220bに出力する。水質センサ140は、例えば、全有機炭素計である。水質センサ140は、全有機炭素計である場合、水中の有機物の炭素の量を測定する。水質センサ140は、例えば、有機性汚濁物質測定装置(Organic Pollution Monitor)でもよい。有機性汚濁物質測定装置は、紫外線の吸光度を測定することにより、水中の有機物の量を測定する。水質センサ140は、例えば、蛍光分析計でもよい。蛍光分析計は、例えば、励起波長320〜345[nm]と425〜440[nm]による蛍光強度を測定することにより、水中の有機物の量を測定する。
補正部224は、流動電流に応じた信号を、流動電流計210から取得する。補正部224は、懸濁物質の濃度を表す信号を、水質センサ130から取得する。補正部224は、有機物の量を表す信号を、水質センサ140から取得する。補正部224は、流動電流に応じた信号が表す流動電流値を、懸濁物質の濃度と、有機物の量とに基づいて補正する。補正部224は、補正された流動電流値を表す信号を、決定部222に出力する。
以上のように、第3の実施形態の決定部222は、補正された流動電流値に基づいて、吸着材120の注入量又は注入率を決定する。
第3の実施形態の水処理システム1c、制御装置220b及び水処理方法は、凝集剤100、吸着材120又は汚泥除去のランニングコストを、より低減することができる。第3の実施形態の水処理システム1c、制御装置220b及び水処理方法は、水質センサ130及び水質センサ140を使用するフィードフォワード制御(FF制御)と、流動電流計210を使用するフィードバック制御(FB制御)とを、組み合わせることができる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態では、配水池80に水質センサが更に備えられる点が第3の実施形態と相違する。第4の実施形態では、第3の実施形態との相違点についてのみ説明する。
図10は、第4の実施形態における、水処理システム1の図である。第4の実施形態では、水処理システム1は、「水処理システム1d」という。水処理システム1dは、取水井10と、着水井20と、混和池30と、フロック形成池40と、沈殿池50と、接触池60と、砂ろ過棟70と、配水池80と、調整部90と、凝集剤100と、調整部110と、吸着材120と、水質センサ130と、水質センサ140と、水質センサ150と、注入装置200bとを備える。
水質センサ150は、懸濁物質濃度計、濁度計、粒度分布計、吸光度計、全有機炭素計、有機性汚濁物質測定装置や、蛍光分析計である。図10では、水質センサ150は、配水池80に備えられる。水質センサ150は、砂ろ過棟70や配管に備えられてもよい。水質センサ150は、吸着材120が接触した後の水の水質を表す信号を、制御装置220bに出力する。
補正部224は、流動電流に応じた信号を、流動電流計210から取得する。補正部224は、懸濁物質の濃度を表す信号を、水質センサ130から取得する。補正部224は、有機物の量を表す信号を、水質センサ140から取得する。補正部224は、吸着材120が接触した後の水の水質を表す信号を、水質センサ150から取得する。補正部224は、流動電流に応じた信号が表す流動電流値を、懸濁物質の濃度と、有機物の量と、吸着材120が接触した後の水の水質とに基づいて補正する。補正部224は、補正された流動電流値を表す信号を、決定部222に出力する。
以上のように、第4の実施形態の決定部222は、補正された流動電流値に基づいて、吸着材120の注入量又は注入率を決定する。
第4の実施形態の水処理システム1d、制御装置220b及び水処理方法は、凝集剤100、吸着材120又は汚泥除去のランニングコストを、より低減することができる。第4の実施形態の水処理システム1d、制御装置220b及び水処理方法は、水質センサ150を使用するフィードフォワード制御(FF制御)と、流動電流計210を使用するフィードバック制御(FB制御)とを、組み合わせることができる。
(第5の実施形態)
第5の実施形態では、配水池80の水の流動電流値が測定される点が、第4の実施形態と相違する。第5の実施形態では、第4の実施形態との相違点についてのみ説明する。
図11は、第5の実施形態における、水処理システム1の図である。第5の実施形態では、水処理システム1は、「水処理システム1e」という。水処理システム1eは、取水井10と、着水井20と、混和池30と、フロック形成池40と、沈殿池50と、接触池60と、砂ろ過棟70と、配水池80と、調整部90と、凝集剤100と、調整部110と、吸着材120と、水質センサ130と、水質センサ140と、注入装置200bとを備える。
流動電流計210は、配水池80の水の流動電流を測定する。つまり、流動電流計210は、吸着材120が接触した後の水の流動電流を測定する。流動電流計210は、吸着材120が接触した後の水の流動電流値を、決定部222に送信する。
補正部224は、吸着材120が接触した後の水の流動電流に応じた信号を、流動電流計210から取得する。補正部224は、懸濁物質の濃度を表す信号を、水質センサ130から取得する。補正部224は、有機物の量を表す信号を、水質センサ140から取得する。補正部224は、吸着材120が接触した後の水の流動電流に応じた信号が表す流動電流値を、懸濁物質の濃度と、有機物の量とに基づいて補正する。補正部224は、補正された流動電流値を表す信号を、決定部222に出力する。
以上のように、第5の実施形態の決定部222は、補正された流動電流値に基づいて、吸着材120の注入量又は注入率を決定する。
第5の実施形態の水処理システム1e、制御装置220b及び水処理方法は、凝集剤100、吸着材120又は汚泥除去のランニングコストを、より低減することができる。第5の実施形態の水処理システム1e、制御装置220b及び水処理方法は、水質センサ130及び水質センサ140を使用するフィードフォワード制御(FF制御)と、流動電流計210を使用するフィードバック制御(FB制御)とを、組み合わせることができる。
第5の実施形態の水処理システム1e、制御装置220b及び水処理方法は、水質センサ130又は水質センサ140が劣化しているか、又は、水質が異常であるかを判定することができる。
(第6の実施形態)
第6の実施形態では、混和池30に対して水の流れに関する上流側の箇所に、吸着材120が注入される点が、第5の実施形態と相違する。第6の実施形態では、第5の実施形態との相違点についてのみ説明する。
図12は、第6の実施形態における、水処理システム1の図である。第6の実施形態では、水処理システム1は、「水処理システム1f」という。水処理システム1fは、取水井10と、着水井20と、混和池30と、フロック形成池40と、沈殿池50と、接触池60と、砂ろ過棟70と、配水池80と、調整部90と、凝集剤100と、調整部110と、吸着材120と、水質センサ130と、水質センサ140と、注入装置200bとを備える。
接触池60は、着水井20と混和池30との間に備えられる。接触池60には、着水井20の上澄みの水が送水される。接触池60では、調整部110によって、吸着材120が水に注入される。接触池60では、運転員による手動で、吸着材120が水に注入されてもよい。吸着材120は、イオン性の物質を水から除去する。
以上のように、第6の実施形態の決定部222は、補正された流動電流値に基づいて、吸着材120の注入量又は注入率を決定する。
第6の実施形態の水処理システム1e、制御装置220b及び水処理方法は、凝集剤100、吸着材120又は汚泥除去のランニングコストを、より低減することができる。第6の実施形態の水処理システム1e、制御装置220b及び水処理方法は、水質センサ130及び水質センサ140を使用するフィードフォワード制御(FF制御)と、流動電流計210を使用するフィードバック制御(FB制御)とを、組み合わせることができる。
イオン性の物質が除去された水の流動電流を流動電流計210が測定するので、流動電流の測定精度は向上する。
沈殿池50に対して水の流れに関する上流側で、イオン性の物質が水から除去されているので、沈殿池50は、成長したフロックを効果的に沈降させることができる。
(第7の実施形態)
第7の実施形態では、配水池80に水質センサが更に備えられる点が第6の実施形態と相違する。第7の実施形態では、第6の実施形態との相違点についてのみ説明する。
図13は、第7の実施形態における、水処理システム1の図である。第7の実施形態では、水処理システム1は、「水処理システム1g」という。水処理システム1gは、取水井10と、着水井20と、混和池30と、フロック形成池40と、沈殿池50と、接触池60と、砂ろ過棟70と、配水池80と、調整部90と、凝集剤100と、調整部110と、吸着材120と、水質センサ130と、水質センサ140と、水質センサ150と、注入装置200bとを備える。
補正部224は、吸着材120が接触した後の水の流動電流に応じた信号を、流動電流計210から取得する。補正部224は、懸濁物質の濃度を表す信号を、水質センサ130から取得する。補正部224は、有機物の量を表す信号を、水質センサ140から取得する。補正部224は、砂ろ過棟70又は配水池80の水質を表す信号を、水質センサ150から取得する。補正部224は、吸着材120が接触した後の水の流動電流に応じた信号が表す流動電流値を、懸濁物質の濃度と、有機物の量と、砂ろ過棟70又は配水池80の水質とに基づいて補正する。補正部224は、補正された流動電流値を表す信号を、決定部222に出力する。
決定部222は、吸着材120が接触する前の水の水質の測定値と、吸着材120が接触した後の水の水質の測定値とに基づいて、吸着材120の注入量又は注入率を決定する。
以上のように、第7の実施形態の決定部222は、補正された流動電流値に基づいて、吸着材120の注入量又は注入率を決定する。
第7の実施形態の水処理システム1g、制御装置220b及び水処理方法は、凝集剤100、吸着材120又は汚泥除去のランニングコストを、より低減することができる。第7の実施形態の水処理システム1g、制御装置220b及び水処理方法は、水質センサ130と水質センサ140と水質センサ150を使用するフィードフォワード制御(FF制御)と、流動電流計210を使用するフィードバック制御(FB制御)とを、組み合わせることができる。
第7の実施形態の水処理システム1g、制御装置220b及び水処理方法は、事前に用意する関係式を最小限にすることができるので、イニシャルコストを削減することができる。
(背景技術について)
従来の注入装置は、凝集剤の注入率を定めるための関係式に基づいて、凝集剤の注入率を算出する。従来の注入装置は、凝集剤の注入について、フィードフォワード制御(FF制御)を実行可能である。
流動電流計や流動電位計は、浄水場などの水処理システムの原水に凝集剤を加えた後、生成された凝集フロックの電気的性質を測定する。従来の注入装置は、流動電流や流動電位の測定値が目標値となるように、凝集剤の注入について、フィードバック制御(FB制御)を実行可能である。
従来の注入装置では、フィードフォワード制御に使用する関係式は、不変である。このため、従来の注入装置は、経年による原水の水質変動や、突発的な原水の水質変動に追従できない。従来の注入装置では、濁度が変化しない場合でも、原水の水質によっては凝集剤の過不足が生じる場合がある。従来の注入装置では、複数の水源から原水を取水して、その流量比率が頻繁に変更される場合もあった。従来の注入装置では、運転員は、関係式をジャーテストなどで適宜決め直さなければならなかった。このため、運転員の負担は大きかった。また、運転員の技術の継承は難しかった。
ゼータ電位は、粒子の凝集状態を表す指標である。ゼータ電位は、水中における帯電した粒子の電位と、電気的に中性な電位との差である。ゼータ電位の値が0に近づくと、水は、荷電中和が進み、凝集し易い電気的雰囲気となる。凝集の状態を適切に制御するため、ゼータ電位は、連続的に測定される。ゼータ電位は、短時間に連続的に測定することが困難である。
流動電流値は、ゼータ電位に代わる指標である。流動電流値は、ゼータ電位を間接的に測定した値である。流動電流計は、凝集状態を連続的に測定できるセンサとして有効である。流動電流計では、ピストンは、電極のついたプルーブの内部を往復運動する。流動電流計は、発生した電流値を測定する。プルーブとピストンの間隔は、例えば、0.1[mm]である。流動電流計では、電荷密度が高くなってしまい、測定範囲を超過してしまうことがある。流動電流計は、粒子数の多い水を測定対象とする場合、測定精度が低下することがある。
従来の注入装置では、流動電流計は、急速撹拌池とフロック形成池との間の水の流動電流値を測定する。従来の注入装置では、電気伝導率計は、着水井の電気伝導率を測定する。従来の注入装置は、急速撹拌池とフロック形成池との間の水の流動電流値と、着水井の電気伝導率を、PID(Proportional Integral Derivative)調節計によって調節する。従来の注入装置は、注入量をポンプで制御する。
浄水場などの水処理システムで利用する活性炭には、粒状活性炭と粉末活性炭とがある。粒状活性炭は、粒径が約150[μm]以上である。これに対し、粉末活性炭は、粒径が約150[μm]未満である。粒状活性炭は、浄水処理プロセスにおいて、砂ろ過の前後で利用される。粒状活性炭は、凝集沈殿では除去できなかった分子量約1500以下の低分子量の着色成分や、その他の有機化合物の回収に利用される。
活性炭の吸着速度及び脱着速度は、活性炭が有機化合物を吸着するに従い、平衡となる。つまり、活性炭は、吸着能力が次第に低下する。活性炭の吸着能力は、有機塩素系の化合物を吸着した場合、特に早く低下する。
活性炭の吸着能力は、再生処理が施されることにより再生可能である。吸着能力を再生する処理には、専用の接触池が必要である。水処理システムは、活性炭による吸着処理を長期間必要とする場合には、再生処理により活性炭を有効に利用することができる。活性炭の吸着能力の再生方法には、水蒸気賦活法と、薬品賦活法とがある。水蒸気賦活法は、摂氏900度前後の水蒸気を用いて、吸着能力を活性化する方法である。薬品賦活法は、木質材料を塩化亜鉛、硫酸等の薬品に浸漬した後に炭化させる方法である。薬品賦活法では、処理水中に亜鉛等の重金属や薬品が溶出することがある。このため、浄水処理用の活性炭には、薬品賦活法でなく、水蒸気賦活法が用いられる。
粉末活性炭は、取水井や着水井等における凝集工程や沈殿工程よりも前の工程において、水に添加される。粉末活性炭は、渇水時や夏季に、発生した臭気を除去するために利用される。粉末活性炭は、植物プランクトンが増殖した場合や、水質が一時的に悪化した場合に、懸濁物質を吸着して除去するために利用される。
藻類等の懸濁物質が混入したフロックは、比重が小さく壊れやすい。つまり、藻類等の懸濁物質が混入したフロックは、沈降性が悪い。このため、従来の注入装置では、多量の凝集剤が必要である。従来の注入装置では、凝集剤などの薬剤に必要なコストは高くなる。従来の注入装置は、水質が悪化した場合、凝集工程や沈殿工程よりも前の工程において、粉末活性炭を利用して懸濁物質を除去する。
従来の注入装置では、粉末活性炭を投入した場合、凝集剤及び凝集補助剤の添加量が多くなる。このため、従来の注入装置では、薬剤のコストは増加する。従来の注入装置では、汚泥の発生量が増加するので、回収処理が困難である。粉末活性炭は、粒径が小さい。このため、粉末活性炭の吸着能力を再生することは困難である。したがって、粉末活性炭は、一時的に使用される。
従来の注入装置では、約10−8[m]以上の砂など不純物を対象に、凝集剤による荷電中和とフロックの形成とが行われる。また、従来の注入装置では、重力によって不純物を分離する処理が行われている。従来の注入装置では、約10−9[m]以下の色度成分や溶解性成分など不純物を対象に、活性炭による吸着処理が行われている。
色度成分や溶解性成分の処理は、取水口の上流に下水処理場がある河川や、泥炭地の浅井戸を水源としている水処理システムでは課題となる。オゾン発生器は、色度成分や溶解性成分を酸化分解する。オゾン発生器は、維持管理等が高額である。このため、オゾン発生器の納入を見合わせている浄水場もある。
従来の注入装置は、水に活性炭を注入して、水に含まれている色度成分や溶解性成分を、活性炭に吸着させる。従来の注入装置では、活性炭の注入量を決定するのが難しいため、活性炭の注入量が過剰になる場合がある。活性炭を過剰に注入した場合、混和池での凝集剤の使用量が増えるので、汚泥の発生は増大する。
混和池での凝集剤の注入量の決定についても課題がある。凝集剤の注入量は、運転員によるジャーテストの結果に基づいて決められていることがある。ジャーテストは、ビーカーを使用して試験する。ジャーテストでは、ビーカーの水の混合状態と、水処理システムの水の混合状態とは異なることがある。つまり、ジャーテストでは、ビーカーの水の水質と、水処理システムの水の水質とは異なることがある、という課題がある。
高濁時の凝集剤の注入量を制御することは難しい。例えば、凝集剤の過不足が発生し、凝集剤を過剰に注入することがある。例えば、浄水した水質が低下する場合がある。
(背景技術について、以上)
これに対し、実施形態の水処理システム1は、吸着材120の注入量又は注入率を適切に決定することができる。実施形態の水処理システム1は、凝集剤100、吸着材120又は汚泥除去のランニングコストを、低減することができる。
以上述べた少なくともひとつの実施形態の水処理システムによれば、流動電流値に基づいて吸着材の注入量又は注入率を決定する決定部を持つことにより、吸着材の注入量又は注入率を適切に決定することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1a…水処理システム、1b…水処理システム、1c…水処理システム、1d…水処理システム、1e…水処理システム、1f…水処理システム、1g…水処理システム、10…取水井、20…着水井、30…混和池、31…混合装置、40…フロック形成池、50…沈殿池、60…接触池、70…砂ろ過棟、80…配水池、90…調整部、100…凝集剤、110…調整部、120…吸着材、130…水質センサ、140…水質センサ、150…水質センサ、200a…注入装置、200b…注入装置、210…流動電流計、211…プルーブ、212…ピストン、213…電極、220a…制御装置、220b…制御装置、221…記憶部、222…決定部、223…制御部、224…補正部

Claims (10)

  1. 凝集剤が注入される貯水部から採取された水、又は前記貯水部に対して水の流れに関する上流側の箇所から採取された水の流動電流値を測定する流動電流計と、
    前記流動電流値に基づいて吸着材の注入量又は注入率を決定する決定部と、
    を備える水処理システム。
  2. 前記貯水部に対して水の流れに関する上流側又は下流側の箇所に、前記決定部によって決定された前記注入量又は注入率の前記吸着材が注入されるよう制御する制御部
    を更に備える、請求項1に記載の水処理システム。
  3. 前記流動電流値を補正する補正部
    を更に備え、
    前記決定部は、前記補正部によって補正された前記流動電流値に基づいて前記吸着材の注入量又は注入率を決定する、請求項1又は請求項2に記載の水処理システム。
  4. 前記補正部は、前記貯水部の上流又は下流の水の水質に基づいて、前記流動電流値を補正する、請求項3に記載の水処理システム。
  5. 前記水質は、不溶性の粒子の濃度、溶解性の有機物の濃度、水温、又は、イオンの濃度である、請求項4に記載の水処理システム。
  6. 前記補正部は、前記貯水部の上流の水の水質と、前記貯水部の下流の水の水質との差に基づいて、前記流動電流値を補正する、請求項4又は請求項5に記載の水処理システム。
  7. 前記吸着材は、活性炭である、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の水処理システム。
  8. 前記決定部は、前記流動電流値に基づいて前記凝集剤の注入量又は注入率を決定する、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の水処理システム。
  9. 凝集剤が注入される貯水部から採取された水、又は前記貯水部に対して水の流れに関する上流側の箇所から採取された水の流動電流値に基づいて、吸着材の注入量又は注入率を決定する決定部と、
    前記貯水部に対して水の流れに関する上流側又は下流側の箇所に、前記決定部によって決定された前記注入量又は注入率の前記吸着材が注入されるよう制御する制御部と、
    を備える制御装置。
  10. 水処理システムにおける水処理方法であって、
    凝集剤が注入される貯水部から採取された水、又は前記貯水部に対して水の流れに関する上流側の箇所から採取された水の流動電流値を測定するステップと、
    前記流動電流値に基づいて吸着材の注入量又は注入率を決定するステップと、
    を含む水処理方法。
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