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JP2016032435A - バクテリオファージ、カンキツかいよう病菌の検出剤、カンキツかいよう病菌の検出方法、カンキツかいよう病の防除剤およびカンキツかいよう病の防除方法 - Google Patents

バクテリオファージ、カンキツかいよう病菌の検出剤、カンキツかいよう病菌の検出方法、カンキツかいよう病の防除剤およびカンキツかいよう病の防除方法 Download PDF

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JP2016032435A JP2014155585A JP2014155585A JP2016032435A JP 2016032435 A JP2016032435 A JP 2016032435A JP 2014155585 A JP2014155585 A JP 2014155585A JP 2014155585 A JP2014155585 A JP 2014155585A JP 2016032435 A JP2016032435 A JP 2016032435A
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山田 隆
Takashi Yamada
隆 山田
藤江 誠
Makoto Fujie
誠 藤江
川崎 健
Takeshi Kawasaki
健 川崎
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Hiroshima University NUC
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Abstract

【課題】幅広いカンキツかいよう病菌に有効に使用できるバクテリオファージ、カンキツかいよう病菌の検出剤、カンキツかいよう病菌の検出方法、カンキツかいよう病の防除剤およびカンキツかいよう病の防除方法を提供する。【解決手段】バクテリオファージは、ファージ粒子の構造が、頭部と尾部とを含む。当該バクテリオファージのファージ粒子の頭部の直径は、70〜90nmである。当該バクテリオファージは、カンキツかいよう病菌に感染する。【選択図】図1

Description

本発明は、バクテリオファージ、カンキツかいよう病菌の検出剤、カンキツかいよう病菌の検出方法、カンキツかいよう病の防除剤およびカンキツかいよう病の防除方法に関する。
米国への温州みかんの輸出では、バクテリオファージテストによるカンキツかいよう病菌の検疫が義務付けられている(43農政B第345号、43農政B第1901号)。バクテリオファージテストの結果判定で、検定果実にカンキツかいよう病菌があったものと判定されないことが、温州みかんの生鮮果実を米国に輸出するための条件の1つになっている。
バクテリオファージテストは、カンキツかいよう病菌に特異的なバクテリオファージCp1およびCp2それぞれを、検定液に添加、培養後、溶菌斑(プラーク)を計数し、対照と比較することで行われる。カンキツかいよう病菌がCp1またはCp2に感受性がある、すなわちCp1またはCp2に感染した場合、カンキツかいよう病菌は溶菌するため、プラークを計数することで、検定果実におけるカンキツかいよう病菌の有無を判定できる。
カンキツかいよう病菌のCp1およびCp2に対する感受性は、菌株によって異なるものの(非特許文献1参照)、カンキツかいよう病菌株の97%以上は、Cp1およびCp2の少なくとも一方に感受性を示す。
塩谷 浩、「カンキツかいよう病菌Xanthomonas citri subsp.citri」、微生物遺伝資源利用マニュアル、独立行政法人農業生物資源研究所、2010年12月25日、第29巻、p.1−11
しかし、国内において病害を引き起こすカンキツかいよう病菌株の約3%は、Cp1およびCp2に感受性を示さない。このため、検定果実にカンキツかいよう病菌があっても判定を誤るおそれがある。したがって、幅広いカンキツかいよう病菌が感受性を示すバクテリオファージが求められている。
また、バクテリオファージは、上記のようにカンキツかいよう病菌に感染することでカンキツかいよう病菌を溶菌させるので、カンキツかいよう病に従来使用されている銅剤に代替する安全な防除技術への応用が期待されている。バクテリオファージに感受性を示さないカンキツかいよう病菌があると、当該バクテリオファージを用いた防除技術の適用範囲が限定されてしまう。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、幅広いカンキツかいよう病菌に有効に使用できるバクテリオファージ、カンキツかいよう病菌の検出剤、カンキツかいよう病菌の検出方法、カンキツかいよう病の防除剤およびカンキツかいよう病の防除方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の観点に係るバクテリオファージは、
ファージ粒子の構造が、頭部と尾部とを含み、
前記頭部の直径が70〜90nmであって、
カンキツかいよう病菌に感染する。
この場合、前記尾部の長さが、
180〜220nmであってもよい。
また、上記本発明の第1の観点に係るバクテリオファージは、
カンキツかいよう病菌株MAFF311130に感染する、
こととしてもよい。
また、上記本発明の第1の観点に係るバクテリオファージは、
独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターに2014年6月18日に受領番号:NITE AP−01877で受領されたCpXである、
こととしてもよい。
また、上記本発明の第1の観点に係るバクテリオファージは、
ゲノムDNAが標識されている、
こととしてもよい。
本発明の第2の観点に係るカンキツかいよう病菌の検出剤は、
上記本発明の第1の観点に係るバクテリオファージを含む。
本発明の第3の観点に係るカンキツかいよう病菌の検出方法は、
上記本発明の第2の観点に係るカンキツかいよう病菌の検出剤を使用する。
この場合、上記本発明の第3の観点に係るカンキツかいよう病菌の検出方法は、
前記カンキツかいよう病菌の検出剤と検体由来の試料とを混合する混合ステップと、
前記混合ステップで得られた混合物に含まれるカンキツかいよう病菌を検出する検出ステップと、
を含むこととしてもよい。
また、前記検出ステップでは、
前記混合物を培養し、形成されるプラークに基づいて、前記混合物に含まれるカンキツかいよう病菌を検出する、
こととしてもよい。
また、前記検出ステップでは、
前記混合物を培養し、菌体の増殖量に基づいて、前記混合物に含まれるカンキツかいよう病菌を検出する、
こととしてもよい。
また、前記カンキツかいよう病菌の検出剤は、
ゲノムDNAが標識されている上記本発明の第1の観点に係るバクテリオファージを含み、
前記検出ステップでは、
前記バクテリオファージの標識されたゲノムDNAを定量する、
こととしてもよい。
また、前記検出ステップでは、
前記混合物におけるカンキツかいよう病菌に吸着したバクテリオファージを定量する、
こととしてもよい。
本発明の第4の観点に係るカンキツかいよう病の防除剤は、
上記本発明の第1の観点に係るバクテリオファージを含む。
本発明の第5の観点に係るカンキツかいよう病の防除方法は、
上記本発明の第4の観点に係るカンキツかいよう病の防除剤を、植物または植物成長媒体に投与する投与ステップ、を含む。
この場合、前記植物は、カンキツ類である、
こととしてもよい。
本発明によれば、バクテリオファージの宿主域が広いため、幅広いカンキツかいよう病菌に有効に使用できる。
本発明に係るバクテリオファージが感染したカンキツかいよう病菌の増殖抑制効果を示す図である。 本発明に係るバクテリオファージ、Cp1およびCp2の各DNAを制限酵素で処理したときのバンドパターンを示す図である。 本発明に係るバクテリオファージのDNAを制限酵素で処理したときのバンドパターンを示す図である。 本発明に係るバクテリオファージの形状の一例を示す図である。
本発明に係る実施の形態について添付の図面を参照して説明する。なお、本発明は下記の実施の形態及び図面によって限定されるものではない。
(実施の形態1)
本実施の形態に係るカンキツかいよう病菌の検出剤は、カンキツかいよう病菌に感染するバクテリオファージを含む。当該バクテリオファージは、ファージ粒子の構造が、頭部と尾部とを含む。このようなファージ粒子の構造は、ヘッド−テイル構造、サイフォウィルス(siphovirus)様の構造、あるいはsiphoviridae型ともいう。尾部にはテイルファイバー(尾繊維)が見られる。なお、ファージ粒子の構造は、ファージ粒子をリンタングステン酸ナトリウムでネガティブ染色し、電子顕微鏡で観察することができる。
上記バクテリオファージのファージ粒子の特徴として、頭部の直径が70〜90nmであることが挙げられる。頭部の直径は、バクテリオファージのゲノムサイズにもよるが、75〜85nmまたは78〜82nmであってもよい。下記実施例で示すバクテリオファージCpXは、頭部の直径が80nmである。CpXの頭部の形状は、ほぼ正二十面体である。
上記バクテリオファージのファージ粒子の他の特徴としては、尾部の長さが、180〜220nmであることが挙げられる。尾部の長さは、190〜210nmまたは195〜205nmであってもよい。CpXは、尾部の長さが200nmほどである。
上記ファージ粒子の頭部の直径および尾部の長さは、カンキツかいよう病菌に感染するバクテリオファージの中でも特異的である。例えば、Cp1は、そのファージ粒子の構造は、siphoviridae型であるが、その頭部の直径は60±5nmほどである。Cp1のファージ粒子の尾部は非収縮性であって、その尾部の長さは、135±10nmほどである。Cp2の場合、ファージ粒子の構造はpodoviridae型であって、上記バクテリオファージのファージ粒子の構造と異なる。Cp2のファージ粒子の頭部の直径は、60±5nmほどである。また、Cp2のファージ粒子の尾部は、15±5nmほどであって、本実施の形態に係るバクテリオファージよりもかなり短い。
本実施の形態に係るバクテリオファージが感染するカンキツかいよう病菌は、カンキツ類の果実、葉、枝などに病害を及ぼす病原菌である。カンキツかいよう病菌は、例えば、Xanthomonas axonopodis pv.citri、Xanthomonas campestris pv.citri、またはXanthomonas citriである。カンキツかいよう病菌は、例えば、独立行政法人農業生物資源研究所から入手可能なMAFF株である。
本実施の形態に係るバクテリオファージの宿主域は、Cp1およびCp2よりも広い。つまり、当該バクテリオファージは、Cp1およびCp2が感染できないカンキツかいよう病菌にも感染することができる。当該バクテリオファージが感染するカンキツかいよう病菌株としては、例えば、Cp1が感染できるMAFF301077、MAFF301080、MAFF673011およびMAFF673013など、Cp2が感染できるMAFF302102、MAFF673001、MAFF673010、MAFF673018およびMAFF673021など、さらには、Cp1およびCp2のいずれも感染しないMAFF311130などが挙げられる。なお、ここに挙げたのは、例示のためであって、本実施の形態に係るバクテリオファージの宿主域は、さらに広いと考えられる。
より具体的には、本実施の形態に係るバクテリオファージは、例えば、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターに2014年6月18日に受領番号:NITE AP−01877で受領されたCpXである。
上記バクテリオファージは、土壌などを含む試料を、洗浄して遠心分離し、膜フィルターで上清を濾過することで得られる。さらに、宿主として適切な上記カンキツかいよう病菌を用いることで、目的とするバクテリオファージを単離することができる。バクテリオファージの単離および力価の測定には、寒天培地に検定菌とバクテリオファージ試料との混合液を加えた軟寒天培地(0.75%寒天)を重層してプラークを形成させるプラークアッセイが好適である。
バクテリオファージのカンキツかいよう病菌への感染方法は、当該技術分野で公知である任意の方法を用いることができる。一例としては、NB(Nutrient Broth)培地で培養したカンキツかいよう病菌を含む培養液にバクテリオファージを加え、培養することでバクテリオファージをカンキツかいよう病菌に感染させることができる。
本実施の形態に係る検出剤は、例えば、滅菌水、SMバッファなどの溶媒に懸濁した状態で上記バクテリオファージを含む。当該検出剤は、例えば、上記バクテリオファージを、10〜1010pfu/mL、あるいは10〜10pfu/mLの濃度で含んでもよい。
当該検出剤は、カンキツかいよう病菌の検出方法での使用に好適である。当該検出剤を、例えばプラークアッセイに用いることで、幅広いカンキツかいよう病菌を検出することができる。当該検出剤を用いたカンキツかいよう病菌の検出方法について、以下例示する。
カンキツかいよう病菌の検出方法は、本実施の形態に係るカンキツかいよう病菌の検出剤と検体由来の試料とを混合する混合ステップと、混合ステップで得られた混合物に含まれるカンキツかいよう病菌を検出する検出ステップと、を含む。検体由来の試料とは、例えば、果実などの検体を滅菌水の中で殺菌ガーゼを用いて洗浄し、洗浄後に残った水を採取した検定液などである。
混合ステップでは、検定液に検出剤を添加する。ここで、例えば、検定液中の細菌を濃縮するために、検定液を遠心分離してもよい。この場合、遠心分離によって得られた沈殿に、液体培地、例えばジャガイモ半合成液体培地(PS培地)またはNB培地を加え懸濁する。得られた懸濁液に、本実施の形態に係る検出剤を適量加える。
本実施の形態に係る検出剤に含まれるバクテリオファージは、カンキツかいよう病菌に特異的に感染するので、検出ステップでは、混合ステップで得られた混合物に含まれる細菌にバクテリオファージが感染したことを検出すればよい。例えば、検出ステップでは、混合物を培養し、形成されるプラークに基づいて、混合物に含まれるカンキツかいよう病菌を検出する。より具体的には、上記のように沈殿が懸濁された液体培地に検出剤を加え混合後、直ちに遠心分離で回収した混合物の上清に含まれるバクテリオファージの数と、混合後6〜12時間、28℃で培養してから遠心分離で回収した混合物の上清に含まれるバクテリオファージの数とを比較することにより確認する。検体由来の混合液にバクテリオファージの宿主となるカンキツかいよう病菌が含まれる場合は、上記6〜12時間の培養中にバクテリオファージが宿主に感染し増殖するので、直ちに遠心分離した場合よりもバクテリオファージの数は増える。この結果、検体におけるカンキツかいよう病菌を検出することができる。
なお、上記検出ステップでは、無病地区の検体から得られた対照を調製し、検定液のプラーク数が、対照のプラーク数よりも所定の割合以上、例えば20%以上増加した場合に、検定対象の検体にカンキツかいよう病菌が検出されたものとしてもよい。
また、検出ステップでは、混合物を培養し、菌体の増殖量に基づいて、混合物に含まれるカンキツかいよう病菌を検出するようにしてもよい。培養後の菌体の増殖量は、例えば、菌濃度の指標となる600nmの波長光の吸光度で測定することができる。本実施の形態に係る検出剤に含まれるバクテリオファージは、感染したカンキツかいよう病菌を溶菌するため、カンキツかいよう病菌の増殖量は、バクテリオファージによる溶菌で低下する。したがって、検出剤を加えて培養したときの最終菌体量が、検出剤を加えずに培養した場合と比較して少ない場合、検体にカンキツかいよう病菌が含まれているといえる。なお、カンキツかいよう病菌が存在しない試料およびカンキツかいよう病菌が存在する試料に関して、所定の培養条件における菌体量の基準値をそれぞれ求めておき、検体に係る培養後の菌体量を基準値と比較することでも検体におけるカンキツかいよう病菌を検出することができる。
以上詳細に説明したように、本実施の形態に係るカンキツかいよう病菌の検出剤は、宿主域が広いバクテリオファージを含むため、種々のカンキツかいよう病菌を正確に検出することができる。
また、本実施の形態に係るカンキツかいよう病菌の検出剤に含まれるバクテリオファージは、現行のバクテリオファージテストで使用されているCp1およびCp2が感染するカンキツかいよう病菌に加え、Cp1およびCp2が感染しないカンキツかいよう病菌株MAFF311130にも感染する。このため、バクテリオファージテストの精度を向上させることができる。また、当該バクテリオファージを使用すれば、バクテリオファージテストで使用するバクテリオファージをCp1およびCp2の2種類から1種類にすることもできるので、バクテリオファージテストを簡素化できる。この結果、2種類のバクテリオファージを用いることに起因する操作ミス、試料汚染等の危険性を極力抑えることができ、カンキツかいよう病菌を効率よく検出することができる。
もちろん、カンキツかいよう病菌の検出に際して、本実施の形態に係るカンキツかいよう病菌の検出剤と、Cp1およびCp2とを併用してもよい。Cp1およびCp2は、感染するカンキツかいよう病菌の系統が異なるため、Cp1およびCp2の感染の有無も確認することで、カンキツかいよう病菌を分類(タイピング)できる。
(実施の形態2)
本実施の形態に係るカンキツかいよう病菌の検出剤は、ゲノムDNAが標識されている上記実施の形態1のバクテリオファージを含む。標識は、ゲノムDNAを検出可能なものであれば任意のものでよいが、標識してもバクテリオファージの機能を損なわないものが好ましい。標識は、例えばDNAの塩基に結合させた蛍光色素、ゲノムに組み入れた蛍光タンパク質をコードする遺伝子などである。
蛍光色素としては、DNAに結合するDAPI(4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール)またはSYBR(商標) Goldなどが挙げられる。ゲノムDNAにDAPIまたはSYBR(商標) Goldなどの蛍光色素が結合した上記バクテリオファージがカンキツかいよう病菌に感染すると、蛍光色素で標識されたバクテリオファージのゲノムがカンキツかいよう病菌内に移行し、蛍光顕微鏡下で蛍光を指標に識別できる。DAPIなどの蛍光色素は、公知の手法でゲノムDNAに結合させることができる。蛍光タンパク質をコードする遺伝子は、例えば、バクテリオファージの構造タンパク質をコードする遺伝子に連結することができる。こうすることで、蛍光タンパク質を発現したバクテリオファージを識別することができる。蛍光タンパク質をコードする遺伝子としては、緑色蛍光タンパク質(GFP)をコードする遺伝子などが挙げられる。蛍光タンパク質をコードする遺伝子は、標準の分子生物学的手法、遺伝子組み換え技術などでゲノムDNAに組み入れることができる。
本実施の形態に係る検出剤を使用するカンキツかいよう病菌の検出方法を以下で説明する。当該検出方法では、上述の混合ステップの次に、検出ステップにおいて、バクテリオファージの標識されたゲノムDNAを定量する。上記のように蛍光色素で標識した場合は、検出ステップにおいて、蛍光顕微鏡下で観察される蛍光を発するカンキツかいよう病菌を計数すればよい。また、蛍光測定装置を用いて、蛍光色素が発する蛍光の強度、スペクトル、偏光などを測定してもよい。蛍光タンパク質で標識した場合も同様に、蛍光顕微鏡下で観察される蛍光を発するカンキツかいよう病菌を計数するか、あるいは蛍光測定装置を用いて、蛍光タンパク質が発する蛍光の強度、スペクトル、偏光などを測定すればよい。
以上詳細に説明したように、本実施の形態に係るカンキツかいよう病菌の検出剤は、ゲノムDNAが標識されているため、幅広いカンキツかいよう病菌を、より迅速、簡便に検出することができる。
なお、本実施の形態におけるゲノムDNAの標識には、蛍光色素、蛍光タンパク質に限らず、放射性物質を用いてもよい。
(実施の形態3)
上記実施の形態1または実施の形態2に係る検出剤に含まれるバクテリオファージは、下記実施例2に示すように、Cp1およびCp2のいずれも感染しないMAFF311130を含む幅広いカンキツかいよう病菌に効率よく吸着するという特性を備えている。そこで、本実施の形態に係るカンキツかいよう病菌の検出方法は、バクテリオファージのカンキツかいよう病菌への吸着性を利用する。当該検出方法では、上述の混合ステップに続く検出ステップにおいて、混合物におけるカンキツかいよう病菌に吸着したバクテリオファージを定量する。
カンキツかいよう病菌に吸着したバクテリオファージを定量するには、電子顕微鏡などを用いて、混合ステップで得られた混合物に含まれるカンキツかいよう病菌の表層に吸着したバクテリオファージを計数すればよい。この場合、上記実施の形態2に係る蛍光色素で標識したバクテリオファージを含む検出剤を用いることで、カンキツかいよう病菌に吸着したバクテリオファージの蛍光色素を、蛍光顕微鏡下で容易に計数できる。
また、混合ステップで得られた混合物を所定時間静置し、遠心分離し、上清をフィルター滅菌して得た試料に関して、プラークアッセイを行うことでもカンキツかいよう病菌に吸着したバクテリオファージを定量できる。この場合、カンキツかいよう病菌に吸着しなかったバクテリオファージの数に依存して、プラークが形成される。ここで、コントロールとして、例えば、検定液の代わりにバクテリオファージを滅菌水で希釈した希釈液を遠心分離し、その上清についてプラークアッセイを行う。希釈液にはカンキツかいよう病菌が含まれていないため、希釈液中のバクテリオファージは、カンキツかいよう病菌に吸着しない。このため、上清に含まれるバクテリオファージは、検定液よりも多くなり、より多くのプラークが形成される。この場合、コントロールのプラーク数に対するコントロールのプラーク数と上記試料のプラーク数との差が、吸着したバクテリオファージの割合を示す。この割合を算出することで、カンキツかいよう病菌に吸着したバクテリオファージを定量できる。
以上詳細に説明したように、本実施の形態に係るカンキツかいよう病菌の検出方法は、カンキツかいよう病菌を溶菌させなくてもバクテリオファージが吸着した段階で検出が可能なため、培養時間等を含む検出にかかる時間を短縮することができる。
なお、上記バクテリオファージは、カンキツかいよう病菌への吸着性を利用して、カンキツかいよう病菌の除去、捕捉などにも利用できる。例えば、当該バクテリオファージを固定した担体を充填したカラムに、カンキツかいよう病菌を含む試料液を通すことで、バクテリオファージが試料液中のカンキツかいよう病菌に吸着し、カンキツかいよう病菌を担体に捕捉することができる。
(実施の形態4)
上記実施の形態1に係るバクテリオファージは、下記実施例1に示すように幅広い宿主域を有しており、感染したカンキツかいよう病菌を溶菌する。このため、当該バクテリオファージは、カンキツかいよう病の防除剤の有効成分として好適である。
本実施の形態に係るカンキツかいよう病の防除剤は、上記実施の形態1に係るバクテリオファージを含む。該防除剤は、例えば、滅菌水に懸濁した状態で、バクテリオファージを、10〜1014pfu/mL、10〜1012pfu/mLまたは10〜10pfu/mLで含む。当該防除剤は、有効成分であるバクテリオファージ以外にも、一般に薬学的または植物学的に許容される他の物質、組成物等を含んでもよい。
本実施の形態に係るカンキツかいよう病の防除剤は、カンキツかいよう病の防除方法に利用できる。カンキツかいよう病の防除方法は、上記カンキツかいよう病の防除剤を、植物または植物成長媒体に投与する投与ステップを含む。植物は、カンキツかいよう病菌の病害が及び得るものであれば任意の種類であってよいが、好ましくはカンキツ類である。さらに好適には当該植物は、レモン、ネーブルオレンジ等の高級カンキツ類である。
カンキツかいよう病の防除剤を投与する方法は、植物または植物成長媒体を、当該防除剤に暴露することができる方法であれば任意である。防除剤を投与する方法は、例えば、カンキツかいよう病の防除剤を噴霧、注射すること、あるいは当該防除剤を植物または植物成長媒体に浸透させることなどである。植物に注射する場合、当該防除剤を注射筒に入れ、圧迫接種してもよいし、注射針を介して接種してもよい。
当該カンキツかいよう病の防除剤を、噴霧などにより植物に投与することで、病原性のカンキツかいよう病菌に未感染の植物であれば、該植物へのカンキツかいよう病菌の感染、あるいはカンキツかいよう病菌の病害が該植物に及ぶことを防止できる。病原性のカンキツかいよう病菌に感染後の植物であれば、当該カンキツかいよう病予防剤を投与することで病害の拡大を阻止できる。
植物成長媒体は、土壌、マット、固形培地などの構造体、養液栽培における養液、および水栽培における水などである。カンキツかいよう病の防除剤を植物成長媒体に投与することで、カンキツかいよう病の防除剤に含まれるバクテリオファージを、潜在的な病原性のカンキツかいよう病菌に感染させることができる。この結果、カンキツかいよう病を防除できる。ここで、「防除」とは、カンキツかいよう病菌の植物への感染の予防、カンキツかいよう病菌による植物の病害の予防、カンキツかいよう病菌による植物の病害の拡大防止および病原性のカンキツかいよう病菌の駆除を含む。なお、植物成長媒体は、植物が成長する媒体であれば任意のものでよい。
本実施の形態に係るカンキツかいよう病の防除剤に含まれるバクテリオファージの用量は、植物個体あたり10〜1010pfu、好ましくは10〜10pfuである。カンキツかいよう病の防除剤は、上記用量のバクテリオファージを好適な担体又は希釈剤中に含み、投与対象の植物の種類あるいは植物成長媒体の容積などに応じて、例えば100μL〜100mLまたは1〜10mLである。カンキツかいよう病の防除剤は、バクテリオファージの濃度に応じて、植物個体あたり1μL〜1000mL、10μL〜100mL、100μL〜10mL、1〜5mLを投与してもよく、これ以上の任意の量で投与してもよい。当該カンキツかいよう病の防除剤を含む懸濁液を植物成長媒体に投与する場合、例えば、植物成長媒体の表面積1mあたり、1μL〜1000mL、10μL〜100mL、100μL〜10mL、1〜5mLを散布することで投与してもよく、これ以上の任意の量で投与してもよい。
本実施の形態に係るカンキツかいよう病の防除剤は、植物または植物成長媒体に単回で投与されてもよいし、任意の時間間隔で植物または植物成長媒体に複数回投与されてもよい。例えば、カンキツかいよう病の防除剤は、1週間に1回または複数回、あるいは2週間に1回、3週間に1回、4週間に1回などの間隔で植物などに投与されてもよい。投与間隔は、投与対象の植物または植物成長媒体に応じて、適宜決定することができる。
以上詳細に説明したように、本実施の形態に係るカンキツかいよう病の防除剤は、幅広いカンキツかいよう病菌を溶菌させることができる。このため、当該カンキツかいよう病の防除剤は、カンキツかいよう病を防除できる。
なお、本実施の形態に係るカンキツかいよう病の防除剤に含まれるバクテリオファージは、種々のカンキツかいよう病菌に特異的に感染する性質を有するため、特異性が高く、他の有用な微生物に影響を与えない。これにより、当該防除剤は、環境への影響を極力小さくすることができる。したがって、当該防除剤は、化学農薬よりも安全性が高く、耐性菌の増加、有効散布量の増大、環境汚染、残留農薬、健康への影響などの問題を回避できる。
以下の実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。以下では、バクテリオファージを、単に「ファージ」ともいう。
(実施例1:バクテリオファージの単離および宿主域の検討)
試験に用いたカンキツかいよう病菌であるMAFF株は独立行政法人農業生物資源研究所から分譲された。MAFF株は、栄養寒天培地(NA medium;Difco(商標)、BBL ベクトン ディッキンソン アンド カンパニー製、米国メリーランド州コッキーズヒル)を用いて28℃で培養した。液体培養が必要な場合は、NB培地(BBL ベクトン ディッキンソン アンド カンパニー製)で、28℃、24時間振盪培養した(220rpm)。MAFF株は、30%(v/v)グリセロールを含む0.8%のNB培地中で、−80℃で保管した。
日本の農地から採取した土壌試料からバクテリオファージCpXを、次のように単離した。およそ10gの土壌試料を、滅菌した50mLの円錐状の遠心分離チューブに入れ、当該チューブを水道水で満たし、20分毎に反転させた。次に、チューブを、20分間、1500×gで遠心分離し、膜孔の径が0.45μmの膜フィルター(ミリポア社製、米国マサチューセッツ州ベッドフォード)を用いて、上清を濾過した。
次に、土壌濾液100μLを、宿主としてMAFF株を用いて軟寒天培地(0.75%寒天)と混合し、1.5%(w/v)寒天を含むNBプレートに重層してプラークを形成させた(プラークアッセイ)。NBプレート上の単一のプラークをチップの先を切ったマイクロピペットを用いて採取し、500μLのSMバッファ(50mM Tris/HCl(pH7.5)、100mM NaCl、10mM MgSOおよび0.01%ゼラチン(w/v))に懸濁した。ボルテックスした後、膜孔の径が0.45μmの膜フィルターで上清を濾過滅菌したものを用いて、プラークアッセイを行い、CpXの力価を決定した。
次のように、プレートライセート法でスモールスケールでのCpXの増殖を行った。NBプレート一面にプラークが出来る条件(10〜10pfu程度)でプラークアッセイを行った後、プレートにSMバッファを6mL加えた。これにパラフィルムで封をし、4℃で一晩振盪培養した。膜孔の径が0.45μmの膜フィルターで上清を濾過滅菌したものを用いてプラークアッセイを行い、力価を確認した。
ラージスケール(100mL〜1L)での増殖は、次のとおり行った。4.5mLのNB液体培地が入った試験管で、MAFF301077を前培養した(28℃、一晩、振盪培養)。前培養液から適量を、100mL〜1Lの本培養用のNB液体培地(Difco(商標)、BBL ベクトン ディッキンソン アンド カンパニー製、米国メリーランド州コッキーズヒル)に加えた。MAFF301077株がOD600=0.02〜0.1となった時点で、CpXの懸濁液をM.O.I(multiplicity of infection)=0.5〜1となるように加えて、28℃に30分間静置後、100または128rpmで6〜8時間振盪培養した。この培養液を50mLの遠心プラスチックチューブに移し、冷却遠心機(HITACHI)を用いて、8000rpmで10分間、遠心分離して菌体を沈殿させた。その上清をDNase、RNase処理(50mLの上清に対しDNase、RNase溶液をそれぞれ10μLずつ加え、30℃の湯浴で1時間静置)した後、膜孔の径が0.45μmの膜フィルターで濾過滅菌した。
CpXの宿主域を調べるために、MAFF株培養液をOD600=0.30に調製し、1.5mLエッペンドルフチューブに250μL入れた。これにCpXの懸濁液を適量(10〜100μL)注入し、28℃で20分間、静置培養した。全量をTop agar(5mL程度)に加え、NBプレートに広げた。28℃の培養室で1〜2日間静置培養し、プラークを確認した。
(結果)
MAFF301077にCpXを感染させ(M.O.I=0.5〜1.0)、NB液体培地で振とう培養した(28℃,100rpm)。菌体増殖の経時変化を未感染MAFF301077と比較した。図1に示すように、CpX感染株の菌体増殖速度および最終菌体増殖量は、未感染株に比して、大幅に低下していた。このため、CpXは、カンキツかいよう病菌の増殖を強く抑制することが示された。
表1は、CpXの宿主域の一部を示す。“+”はCpXが感染することを示し、“−”はCpXが感染しないことを示す。
CpXは、Cp1およびCp2が感染しないMAFF311130を含むすべてのMAFF株に感染することが確認できた。なお、ここでは、レモン(Citrus limon)の病原菌株を中心に調べているが、CpXの宿主域はさらに広いと考えられる。
(実施例2:CpXのカンキツかいよう病菌への吸着の評価)
バクテリオファージの宿主への感染過程では、バクテリオファージが宿主表層に吸着する。このため、バクテリオファージの吸着特異性は、宿主域を決定する重要な要因である。そこで、CpXの細菌への吸着性を評価した。
CpXの希釈系列を調製し(10〜10pfu/mL)、1.5mLプラスチック試験管に50μL分注した。OD=0.1に調製した検定する菌の培養液を450μLこれに加え(10pfu/mLの際、M.O.I=0.001となる)、28℃で20分間静置した。サンプルを8000rpm、4℃で10分間遠心分離し、200μLの上清をフィルター滅菌した。この上清10μLについて、MAFF301077を用いてプラークアッセイを行い、28℃で一晩放置後、プラーク数を計測した(これを「実測値」とする)。また、コントロールとして検定用の培養液の代わりにddHOを用いてCpXの希釈液を遠心分離し、10μLの上清に対して、MAFF301077を用いてプラークアッセイを行い、プラーク数を計測した(これを「理論値」とする)。
吸着率は、
吸着率(%)=100×(理論値−実測値)/理論値
により算出した。なお、比較用の大腸菌としてXL10−GOLDを用いた。
(結果)
表2は、3回の上記試験結果と平均値を示す。CpXは、大腸菌には吸着せず、MAFF株に対して特異的に吸着することが示された。MAFF株の中でも、Cp1およびCp2が感染できないMAFF311130への吸着率が極めて高いことが示された。
(実施例3:CpXのゲノム抽出とゲノムDNAによる特徴付け)
CpXのゲノムDNAを解析するために、まずは、PEG沈殿によりファージを濃縮した。CpXの懸濁液に対して等量の20%PEG溶液(2M NaCl)を加え、十分に混合した後、4℃で一晩静置した。冷却遠心分離機で4℃、8000rpmで、30分間、遠心分離し、沈殿をTE溶液に懸濁した。
濃縮したファージ懸濁液(1010〜1012pfu/mL程度)に対してプロテイナーゼK(最終濃度:1mg/mL)、N−ラウロイルサルコシンナトリウム(最終濃度:1%)を加え、55℃で、2時間インキュベートした。これに等量のフェノール/クロロフォルム/イソアミルアルコール(25:24:1)を加えて穏やかに5分間混合し、4℃、15,000rpmで、15分間、遠心分離した。得られた上清を新しい1.5mLプラスチック試験管に移し、等量のフェノール/クロロフォルム/イソアミルアルコール(25:24:1)を加えて穏やかに5分間混合し、4℃、15,000rpmで、15分間、遠心分離した。上清に10%量の3M酢酸ナトリウム、等量のイソプロピルアルコールを加えて軽く混合した。−50℃で1時間静置した後、4℃、15,000rpmで、25分間遠心分離し、沈殿を70%エタノールでリンスした後、10〜15分間、真空乾燥して適量のTE溶液またはddHOに溶解し、これをDNAサンプルとした。
(結果)
制限酵素処理したDNAサンプルの電気泳動の結果を図2および図3に示す。図2は、Cp1、Cp2およびCpXそれぞれを、HincII(レーンa)、HindIII(レーンb)、およびPstI(レーンc)で消化した場合のバンドパターンを示す。レーンMは、マーカーとして、ラムダファージのゲノムDNAをStyIで消化したものである。CpXのバンドパターンは、Cp1およびCp2いずれのバンドパターンとも明らかに異なっており、CpXがCp1およびCp2とは異なるファージであることが示された。CpXのゲノムサイズは約50kbpであり、Cp1(43,870bp)およびCp2(42,963bp)よりもやや大きい。
図3は、CpXを、HincII(レーン1)、EcoRV(レーン2)、SacI(レーン3)、DraI(レーン4)、ClaI(レーン5)、およびXbaI(レーン6)それぞれで消化した場合のバンドパターンを示す。レーンMは、上記同様、ラムダファージのゲノムDNAをStyIで消化したものである。これらのバンドパターンから、CpXのゲノム構成を推定することができる。
(実施例4:CpXのファージ粒子の構造)
MAFF301077を宿主として得られたCpXのファージ粒子(1011pfu/mL)をリンタングステン酸でネガティブ染色し、電子顕微鏡(日立H600A)で観察した。図4に示すように、CpXのファージ粒子は、頭部径80nm、尾部長200nmのSiphovirus様構造を呈していた。
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等な発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、本発明の範囲内とみなされる。
本発明は、果樹、主にカンキツ類に対するかいよう病の防除、拡大防止またはカンキツかいよう病菌の駆除に好適である。特に、かいよう病に感受性のあるレモン、ネーブルオレンジなどの高級カンキツ類におけるかいよう病の防除および拡大防止に好適である。

Claims (15)

  1. ファージ粒子の構造が、頭部と尾部とを含み、
    前記頭部の直径が70〜90nmであって、
    カンキツかいよう病菌に感染する、
    バクテリオファージ。
  2. 前記尾部の長さが、
    180〜220nmである、
    請求項1に記載のバクテリオファージ。
  3. カンキツかいよう病菌株MAFF311130に感染する、
    請求項1または2に記載のバクテリオファージ。
  4. 独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターに2014年6月18日に受領番号:NITE AP−01877で受領されたCpXである、
    請求項1から3のいずれか一項に記載のバクテリオファージ。
  5. ゲノムDNAが標識されている、
    請求項1から4のいずれか一項に記載のバクテリオファージ。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載のバクテリオファージを含む、
    カンキツかいよう病菌の検出剤。
  7. 請求項6に記載のカンキツかいよう病菌の検出剤を使用する、
    カンキツかいよう病菌の検出方法。
  8. 前記カンキツかいよう病菌の検出剤と検体由来の試料とを混合する混合ステップと、
    前記混合ステップで得られた混合物に含まれるカンキツかいよう病菌を検出する検出ステップと、
    を含む請求項7に記載のカンキツかいよう病菌の検出方法。
  9. 前記検出ステップでは、
    前記混合物を培養し、形成されるプラークに基づいて、前記混合物に含まれるカンキツかいよう病菌を検出する、
    請求項8に記載のカンキツかいよう病菌の検出方法。
  10. 前記検出ステップでは、
    前記混合物を培養し、菌体の増殖量に基づいて、前記混合物に含まれるカンキツかいよう病菌を検出する、
    請求項8に記載のカンキツかいよう病菌の検出方法。
  11. 前記カンキツかいよう病菌の検出剤は、
    請求項5に記載のバクテリオファージを含み、
    前記検出ステップでは、
    前記バクテリオファージの標識されたゲノムDNAを定量する、
    請求項8に記載のカンキツかいよう病菌の検出方法。
  12. 前記検出ステップでは、
    前記混合物におけるカンキツかいよう病菌に吸着したバクテリオファージを定量する、
    請求項8に記載のカンキツかいよう病菌の検出方法。
  13. 請求項1から4のいずれか一項に記載のバクテリオファージを含む、
    カンキツかいよう病の防除剤。
  14. 請求項13に記載のカンキツかいよう病の防除剤を、植物または植物成長媒体に投与する投与ステップ、を含む、
    カンキツかいよう病の防除方法。
  15. 前記植物は、カンキツ類である、
    請求項14に記載のカンキツかいよう病の防除方法。
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