JP2016032003A - リソグラフィ装置、照射方法、及びデバイスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 露光中に行うマークの計測のタイミングが遅いことによって生じる、パターンのつなぎ合わせ精度の低下を低減すること。【解決手段】 本発明は、基板4に向けてビームを照射してパターンを形成するリソグラフィ装置1に関する。基板4上に形成されているマーク33の位置を計測する計測器9と、計測器9により異なるタイミングで計測された計測結果を用いて、所定のタイミングにおけるマークの位置情報を予測する予測部20と、基板4に対するビームの照射位置を、予測部20が予測した位置情報に基づいて補正する補正部20、21、22、23とを有することを特徴とする。【選択図】 図6
Description
本発明は、基板に対してビームを照射するリソグラフィ装置、照射方法、及びデバイスの製造方法に関する。
半導体デバイスを製造するためのリソグラフィ工程では、n層目のパターンを(n−1)層目のパターンに重ね合わせること、又はn層目のパターンのうち異なるタイミングで露光する隣接している2つの領域のパターンを精度良くつなぎ合わせる必要がある。そのため露光装置では、基板上に形成した複数の位置合わせ用のマーク(以下、アライメントマークと称す)を検出し、アライメントマークの位置に基づいて新しい層のパターンの位置を決定している。しかしながら、基板に対する入熱量が大きい場合は1層のパターンを形成している最中にも基板の熱歪みが進行するため、重ね合わせ精度やつなぎ合わせの精度が低下しやすいという課題がある。
そこで、特許文献1は、描画パターンと任意のタイミングまでに基板に照射したエネルギーとを用いて、前記タイミングまでに生じた基板の歪みを推測したマップを算出する技術を開示している。特許文献2は、1層のパターンを描画する最中もアライメントマークの位置を計測し、計測結果に基づいて基板に対する電子線の照射位置を補正する技術を開示している。
しかしながら、特許文献1に記載の手法はコンピュータによって基板の歪みを決定する際に、基板の厚み、基板上の各層の材質、及び基板上の各箇所で材料間に生じる内部応力差の影響等を考慮していない。そのため計算により得た熱歪みと実際の熱歪みとの差が懸念される。
特許文献2に記載の手法は、計測のタイミングが遅いと、再び計測するまでの間に熱歪みが進行しすぎてしまうことがある。これにより、次に描画する領域と当該領域に隣接している描画済み領域とのパターンのつなぎが悪くなってしまう可能性がある。
そこで、本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、描画中に行うマークの計測のタイミングが遅いことによって生じる、パターンの重ね合わせ精度又はつなぎ合わせ精度の低下を低減することが可能なリソグラフィ装置、照射方法を提供することを目的とする。
本発明のリソグラフィ装置は、基板に向けてビームを照射してパターンを形成するリソグラフィ装置であって、前記基板上に形成されているマークの位置を計測する計測器と、前記計測器により異なるタイミングで計測された計測結果を用いて、所定のタイミングにおける前記マークの位置情報を予測する予測部と、前記基板に対する前記ビームの照射位置を、前記予測部が予測した位置情報に基づいて補正する補正部とを有することを特徴とする。
露光中に行うマークの計測のタイミングが遅いことによって生じるパターンの重ね合わせ精度又はつなぎ合わせ精度の低下を、低減することが可能となる。
本発明のリソグラフィ装置は、基板上に集束させたビーム(KrF光やEUV光等の光線、電子線やイオンビーム等の荷電粒子線を含む)を用いて、基板上に所望の潜像パターン(パターン)を形成する。以下の実施形態では、電子線をビームとして用いてパターンを描画する描画装置を例に挙げて説明する。
[第1の実施形態]
(装置構成)
図1はリソグラフィ装置の一例である描画装置1の構成図である。電子源2から出てくる電子線を、光学系3を介してウエハ(基板)4の表面に照射する。光学系3は、電子線を結像するための電子レンズ系3a及び電子線を偏向する偏向器3bを有している。制御部21は、電子源2のON/OFFの切り替えや、光学系3の制御による電子線の集束位置や偏向量の調整をする。
(装置構成)
図1はリソグラフィ装置の一例である描画装置1の構成図である。電子源2から出てくる電子線を、光学系3を介してウエハ(基板)4の表面に照射する。光学系3は、電子線を結像するための電子レンズ系3a及び電子線を偏向する偏向器3bを有している。制御部21は、電子源2のON/OFFの切り替えや、光学系3の制御による電子線の集束位置や偏向量の調整をする。
ステージ5はYステージ5aと、Yステージ上に載置されているXステージ5b、及びZステージ(不図示)を有している。ステージ5上のウエハチャック(不図示)がウエハ(基板)4を保持している。制御部22が、ステージ5をXステージ5bをX軸方向に、Yステージ5aをY軸方向に、Zステージ(不図示)をZ軸方向に移動させる。なお、X、Y、及びZ軸方向に移動可能な構成となっていれば、ステージ5の構成は本実施形態に限られるわけではない。
基準マークが形成されている基準板6と、ステージ5のX軸方向の位置を計測するための移動鏡7と、ウエハ4とがXステージ5b上にある。基準マークはベースライン(後述するアライメントセンサ9と光学系3との光軸間距離、あるいは後述する補正センサ10と光学系3との光軸間距離)を計測するために用いられる。
干渉計8はレーザビームを測定光と参照光とに分割し、測定光をX軸用の移動鏡7に入射し、参照光を干渉計8の内部に設けられている参照鏡(不図示)に入射する。各々の鏡から反射された光を干渉させ、検出部23がその干渉光の強度を検出する。これにより、参照鏡を基準としたX軸用の移動鏡7の位置、すなわちステージ5のX軸方向の位置を検出する。Y軸用の移動鏡(不図示)を用いて、同様の手法でステージ5のY軸方向の位置を検出する。検出系23は主制御部20に計測値を送り、その計測値に基づいて制御部22がステージ5の位置を制御する。
アライメントセンサ9はウエハ4上に形成されている複数のアライメントマーク34(図2(B)に図示)や基準板6に対して光を照射して、アライメントマークや基準板6上の基準マークの位置を検出する。補正用センサ(計測器)10(以下、センサ10と称す)は、ウエハ4上に形成されている複数のマーク33(図2(B)に図示)の位置を計測する。センサ10は、ウエハ4へのパターン描画中にも計測を行うため、カラム13の近くにおけるように小型であることが好ましい。またセンサ10はアライメントセンサ9に比べて高い頻度でマーク33の位置を計測するため、複数配置することが好ましい。カラム13とアライメントセンサ9とセンサ10は、必ずしも図1のように一直線上に配置していなくてもよい。
アライメントセンサ9やセンサ10がウエハ4に入射させる光は、レジストが感光しない波長帯域であることが好ましい。例えば400nm以上の波長の光、より好ましくは450nm〜800nmの波長帯域の光である。また、ウエハ4のプロセスに起因して生じる計測誤差を低減するためにも、単一波長の光を用いるのではなく、複数の波長の光を連続的に有する光であることが好ましい。
アライメントセンサ9はアライメントマーク34からの反射光を、センサ10はマーク33からの反射光を、各々のセンサが有しているTDI(Time Delay Integration)センサ等の受光センサ(不図示)に結像させることで各種マークの像を検出する。制御部24がアライメントセンサ9の受光センサ上に結像されたアライメントマーク34の画像信号を処理することでアライメントマーク34の位置を求める。同様にして、制御部24はセンサ10の受光センサ上に結像されたマーク33の画像信号を処理することでマーク33の位置を求める。
フォーカスセンサ(不図示)は、ウエハ4のZ軸方向の高さ計測を行う。フォーカスセンサは、光学式のセンサや静電容量センサ等、真空中で使用可能なセンサであることが好ましい。真空チャンバ12内には、電子源2、光学系3、ステージ5、干渉計8、アライメントセンサ9、センサ10、フォーカスセンサ、等の照射に関わる部材や計測機器を配置している。不図示の真空ポンプが真空チャンバ12内を真空に排気している。
主制御部(予測部)20は、電子源2や光学系3を制御する制御部21、ステージ5の駆動を制御する制御部22、干渉計8の計測結果を検出する検出部23、アライメントセンサ9及びセンサ10を制御する制御部24、及びメモリ25と接続されている。
主制御部20の内部に保持されているCPUがメモリ25に記憶されているプログラムを実行する。プログラムの実行に際して、制御部21、制御部22、検出部23、制御部24を制御する。主制御部20が、メモリ25に記憶されている描画データに基づいてウエハ4に対する電子線の照射位置(基板に対するビームの照射位置)を制御してウエハ4上にパターンを形成する。また、主制御部20はメモリ25へ各種計測値を格納し、これらの計測値に基づく演算も実行する。
本実施形態における補正部である、主制御部20、制御部21、及び制御部22によって、ウエハ4に対する電子線の照射位置を制御している。制御部21による偏向器3bによる偏向量の変更や、主制御部20による描画パターンのデータの書き換え、あるいは制御部22によるステージ5の位置の変更をする。なお、各々の機能が損なわれないのであれば、図1に示すように制御部20、制御部22、検出部23、制御部24はそれぞれ独立して配置されていても構わないし、一つの回路基板上に一体となって配置されていても構わない。また、記憶部としてのメモリ25も回路基板上に配置してもよい。
メモリ25は後述の図3、図4のフローチャートに示す処理内容のプログラムや描画パターンのデータ、パターンのつなぎ合わせの許容値を有している。さらに、プログラムの実行に伴い、アライメントマーク34やマーク33の計測値がメモリ25に順次格納されていく。
図1では1本の電子線がウエハ4に照射する描画装置を示しているが、電子源2や光学系3を有する1つのカラム13から、複数本の電子線が照射される形態でも構わない。複数の電子線で描画することでスループットを向上させることが可能となる。カラム13の本数、アライメントセンサ9の個数、センサ10の個数は適宜変更可能である。
(マークの位置計測)
次にセンサ10によるマーク33の位置計測方法について、図2を用いて説明する。図2(A)はウエハ4を+Z方向から見た図である。本説明における描画装置1は、2つのカラム13と、1つのカラム13あたり2個のセンサ10を有している。
次にセンサ10によるマーク33の位置計測方法について、図2を用いて説明する。図2(A)はウエハ4を+Z方向から見た図である。本説明における描画装置1は、2つのカラム13と、1つのカラム13あたり2個のセンサ10を有している。
各々のカラム13はウエハ4がX軸方向に移動中は、電子線を照射しながら描画する(実線部分)。またウエハ4がX軸方向に移動中であって電子線で描画すべき領域が無い場所での移動や、Y軸方向における移動の場合は電子線を照射しない(破線部分)。電子線の照射口であるスリット30はカラム13の中央位置にある。
図2(B)はウエハ4の一部の領域の拡大図である。ウエハ4上には、パターンの被描画領域である複数のショット領域31が並んで配列されている。ショット領域31は、形成したい1つ又は複数のチップ領域に相当する。各ショット領域31は所定の幅を有するスクライブライン32で区切られている。アライメントマーク34やマーク33は、スクライブライン上に並んでいる。
ウエハ4が移動する際に、センサ10の計測域にマーク33が入ったときにセンサはマーク33の位置を検出する。センサ10の種類やマーク33の種類によっては、ウエハ4が移動しながらであってもマーク33の位置計測ができる。4つのセンサ10を有することで、複数のマーク33を同時に検出できる。また、同じマーク33の位置を異なるタイミングで計測することも可能である。アライメントマーク34とマーク33とを兼ねていてもよい。なお、異なるタイミングとは、ウエハ4上のいずれかの領域に対して電子線が照射される前と後のことを意味する。
(描画位置の補正方法)
図3は、本実施形態に係る描画位置の補正処理の内容を示すフローチャートである。本プログラムの開始のタイミングはベースライン計測の終了後である。S10では、アライメントセンサ9がアライメントマーク34の位置を計測する。そして、予定していたアライメントマーク34の位置に対する実際のアライメントマークの位置のずれを求める。
図3は、本実施形態に係る描画位置の補正処理の内容を示すフローチャートである。本プログラムの開始のタイミングはベースライン計測の終了後である。S10では、アライメントセンサ9がアライメントマーク34の位置を計測する。そして、予定していたアライメントマーク34の位置に対する実際のアライメントマークの位置のずれを求める。
S20では、主制御部20がウエハ4上のショット領域31の配列に関して、シフト(移動)・マグ(倍率)・ローテーション(回転)・台形成分を演算して、ショット領域31の格子配列の規則性を決定する。S30では主制御部20がS20において決定された格子配列とベースラインから補正係数を求め、その補正係数に基づいて電子線とウエハ4の位置合わせを行う。ここで求めた補正係数を、主制御部20がメモリ25に記憶させる。
S40では、電子線による描画前に、センサ10がマーク33の位置を計測する。マーク33の位置計測値は、メモリ25に記憶される。
計測するマーク33の数はアライメントマーク34と同じでなくても良い。例えば、アライメントセンサ9が計測したマーク34の数よりも多くの数のマーク33をセンサ10が計測しても良い。これにより、後の描画工程における描画熱に起因して生じる基板の熱歪みを高精度に補正することが可能となる。あるいは、センサ10がアライメントセンサ9に比べて少ない数のマーク33を計測することで、主制御部20における位置補正のためのデータ処理の負荷や計測時間の増加を抑制することが可能となる。
S50では、主制御部20からの指示を受けた制御部21、制御部22、検出部23、及び制御部24によって、パターンの描画を開始する。S60では、所定の描画パターンに従って描画を行う。描画の途中、センサ10は計測領域35がマーク33を通過するタイミングでマーク33の位置を計測する。あるいは、描画の途中で電子線の照射を一時的に中断し、制御部22でウエハ4を移動させてからセンサ10マーク33の位置を計測する。S40で計測したマーク33の位置とS60で計測したマーク33の位置の変化量から、主制御部20は、電子線による照射熱の影響によって生じた、局所的な、及びウエハ4の全体的な変形量を求めることができる。また同じマーク33を異なるタイミングで繰り返し計測をするため、局所的な変形量の時間変化も分かる。なお、S60で計測したマーク33の位置と比較するためにも、S40で計測対象となるマーク33は、S60において再度計測される全てのマークであることが好ましい。
S70では全ての描画が終了したかどうかを判断する。主制御部20が描画終了と判断(YES)すればプログラムは終了する。一方、描画終了ではない(NO)と判断すればS80の工程に進む。
S80では、異なるタイミングで計測されたマーク33の位置の計測結果を用いて、主制御部20が、補正可能なタイミング(所定のタイミング)におけるマーク33の位置情報を算出する(予測する)。当該位置情報とは、補正可能なタイミングにおけるマーク33の予測位置、又は補正可能なタイミングにおける、マーク33の初期位置からの予測ずれ量である。このマーク33の予測ずれ量によって、補正可能なタイミングにおけるウエハ4の変形量を判断できる。
ここで、補正可能なタイミングとは、ステージ5の位置や偏向器3bを用いてウエハ4とステージ5の位置調整をしやすいタイミングである。例えば、X軸方向へ一行分の描画を終えた位置から、次の行への描画を開始する位置へスリット30が移動する間である。これにより、これから描画する次の行と、当該行と隣接している描画済みの行とのパターンのつなぎ合わせ精度を確保しやすくなる。
あるいはX軸方向へ一行分のパターンを描画中であって、スクライブライン32にスリット30が位置しているタイミングでもよい。ウエハ4上で局所的に熱歪みの影響が異なる場合であっても局所的に補正を行うことができるようになり、パターンのつなぎ合わせ精度のムラを低減することができる。
S90では、S40で計測したマーク33の位置とS60で計測したマーク33の位置の変化量(計測結果から求めたマークの位置の時間変化)に基づいて、補正可能なタイミング時に生じる予測ずれ量を求める。予測ずれ量と直近の計測結果の差分と、所望のつなぎ合わせの許容値とを比較する。S80とS90の工程については後に詳述する。
S90で得られた比較結果から、S100において制御部20は次の補正可能なタイミングにおいて補正をする必要が有るか無いかを判断する。補正が必要ない(NO)と判断した場合、引き続き描画を続ける。補正が必要である(YES)と判断した場合は、S90での比較結果を用いて補正量を決定して、ウエハ4と電子線の相対位置を補正する(S110)。S110における補正後は、再びS60の工程に戻り、描画が完了するまで描画及びマーク33の計測を続ける。
図4はS80の予測ずれ量の算出に関するフローチャートである。まずS801において、主制御部20は描画中に複数回計測したマーク33の位置の時間変化から、初期位置からのずれ量を示す予測関数f(t)を作成する。予測関数f(t)は、計測値の時刻歴に対して多項式近似等の統計処理を施すことによって求める。つづいて、主制御部20は予測関数f(t)を微分演算することで、ずれ量の増加又は減少の傾向を算出する(S802)。次の補正可能なタイミングにおける、マーク33の初期位置からの予測のずれ量を算出する(S803)。
図3におけるS80〜S100までの工程について、図5及び図6の具体例を用いて説明する。図5(a)は、あるマーク33の、時刻とX軸方向への位置ずれ量の関係を示すグラフであって、実測値に基づき作成した予測関数f(t)である。時間経過に伴い位置ずれ量が増加する傾向であり、ウエハ4の熱歪みの影響が大きくなってきている状態を示している。図5(b)は予測関数f(t)の一部であり、S803で算出する補正量とS90において必要な補正量について説明する図である。
図5(b)における各プロットは、複数回計測された同じマーク33の位置のずれ量の時間変化を示している。直近の計測が終わったタイミングを時刻t1、描画位置を補正可能なタイミングを時刻t2とする。主制御部20は、時刻t2におけるマーク33の位置を、予測関数f(t)より求める。時刻t1で計測したマーク33の位置に対して、つなぎ合わせることが可能な許容値から、時刻t2におけるずれ量の許容範囲(図5(b)の網掛け部)が設定されている。許容範囲は、描画パターンや要求されるデバイスの性能次第である。例えば、許容範囲の値を10nm以下、より好ましくは4nm以下とする。
主制御部20は、時刻t2におけるマーク33の予測ずれ量と、時刻t1で計測した直近の計測値(直近の計測結果)との差分が、許容値を超えるか否かに基づいて、補正が必要かどうかを判断する(S100)。図5(b)に示すように、時刻t2におけるマーク33の予測ずれ量と、時刻t1で計測した直近の計測値との差が許容範囲外である場合は、主制御部は補正量を決定する。予測ずれ量に対して補正量を適用した値と、センサ10による直近の計測結果との差が許容範囲内となるように、主制御部20、制御部21、制御部22、制御部24はウエハ4に対する電子線の照射位置を補正する。これにより、時刻t2以降のマーク33の位置のずれ量が許容範囲内となる。
図6(a)は、あるマーク33の位置ずれ量が減少傾向であり、ウエハ4が徐々に冷却しつつあり熱歪みの影響が小さくなってきている場合の予測関数f(t)を示している。図6(b)は、予測関数f(t)の一部であってS803で算出する補正量とS90において必要な補正量について説明する図である。f(t)が減少関数の場合も、前述の説明と同様に、主制御部20は時刻t2におけるマーク33の位置を予測関数f(t)を用いて求める。
仮に、次にマーク33の位置を計測をするタイミングが時刻t2以降であった場合、本実施形態を適用しなければ既に描画した領域に隣接する領域への描画位置は、つなぎ合わせの許容値を大幅に超えてしまう恐れがある。これに対し、本実施形態を適用することで、主制御部20が求めた補正量で、補正を行いやすいタイミングで照射位置を補正すれば、隣り合う領域のパターン同士のつなぎ合わせ精度を所定の許容範囲内におさめることができる。補正量の算出に使用したマーク33の位置変化は実測値であるため、ウエハ4に対する熱の影響を総合的に加味して補正をすることが可能となる。これにより、パターンの重ね合わせ精度又はつなぎ合わせ精度の低下を低減することができる。
他の手法でつなぎ合わせ精度を所定の範囲内におさめようとした場合、マーク33の位置計測のタイミングが遅くなりすぎないようにするために、高頻度にマーク33の位置を計測する必要がある。しかしながら、そのためには、計測回数を増やすことによるスループットの低下や、カラム13及びセンサ10の数を増やしすぎることによる描画装置1の構造の複雑化を伴うこととなる。本実施形態に係る描画装置及び描画方法によれば、マーク33の位置計測のタイミングが遅い場合であっても、これらの弊害を低減しつつ描画位置を補正して、パターンの重ね合わせ精度又はつなぎ合わせ精度の低下を低減することができる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態では、主制御部20が予測関数f(t)の2階微分を計算した結果を用いて補正量を決定する。1階微分値が正(関数が増加傾向)の場合の中でも、マーク33の位置のずれ量の増加の度合いが大きいのか(2階微分値が正)、マーク33の位置のずれ量の増加の度合いが小さいのか(2階微分値が負)を加味して、補正量を決定する。
第2の実施形態では、主制御部20が予測関数f(t)の2階微分を計算した結果を用いて補正量を決定する。1階微分値が正(関数が増加傾向)の場合の中でも、マーク33の位置のずれ量の増加の度合いが大きいのか(2階微分値が正)、マーク33の位置のずれ量の増加の度合いが小さいのか(2階微分値が負)を加味して、補正量を決定する。
図7は、予測関数f(t)の1階微分の値が正の場合における、2階微分値の正負、差分値と許容値の比較結果、及び補正量の関係を示す表である。2階微分値の正負、差分値と許容値の比較結果で場合分けをして合計4つの場合(C1〜C4)について示している。なお、差分値は、時刻t2におけるマーク33の位置の予測ずれ量と、時刻t1で計測した直近の計測値の差(予測部が予測した位置情報と計測部による直近の計測結果との差)の絶対値である。
いずれの場合も、差分値が許容値よりも小さい場合(C2、C4)は、補正を行わなくて良い。あるいは0より大きく差分値よりも小さい補正量で、補正を行う。
次に2階微分値が正の場合と負の場合とにおける補正量の違いについて説明する。1階微分の値が正で、かつ2階微分値も正の場合(C1)は、ウエハ4の熱歪みが加速的に進行している状態である。このようなときには、補正量を大きめにする。例えば、差分値以上かつ差分値に許容値を足した値以下とする。反対に、1階微分の値が正で、かつ2階微分値も負の場合(C3)は、ウエハ4の熱歪みが少しずつ進行している状態である。
しかしながら、補正後に実際に描画する領域では、ウエハ4の熱歪みが減少傾向に転じている可能性もある。そこで、2階微分値が負の場合は補正量を控え目にして、マーク33の位置変動の様子をみると良い。例えば、差分値から許容値を引いた値以上かつ差分値以下とする。
本実施形態のようにマーク33の位置情報の時間変化から得られる関数を2回微分した結果を用いてウエハ4に対する電子線の照射位置を補正すれば、補正を行った時刻t2よりもさらに後の時刻において描画する領域のつなぎ合わせ精度を確保することができる。
[その他の実施形態]
予測関数は予測値を算出する度に算出しなくても構わない。所定回数だけX軸方向に描画をする毎、所定時間毎、所定のエネルギーを照射する毎等の所定のタイミングで更新した関数を使用することができる。また、予測関数f(t)の算出はマーク33の時刻歴の全ての履歴を用いて行うのではなく、所定の時間分の履歴であったり、所定の計測回数の履歴を用いて算出してもよい。予測関数f(t)の更新は、ウエハの熱歪みの速度が速いほど高い頻度で更新していくことが好ましい。また、ウエハの熱歪みの速度が遅い場合にくらべて短い時間間隔で計測したマーク33の位置を用いて算出することが好ましい。
予測関数は予測値を算出する度に算出しなくても構わない。所定回数だけX軸方向に描画をする毎、所定時間毎、所定のエネルギーを照射する毎等の所定のタイミングで更新した関数を使用することができる。また、予測関数f(t)の算出はマーク33の時刻歴の全ての履歴を用いて行うのではなく、所定の時間分の履歴であったり、所定の計測回数の履歴を用いて算出してもよい。予測関数f(t)の更新は、ウエハの熱歪みの速度が速いほど高い頻度で更新していくことが好ましい。また、ウエハの熱歪みの速度が遅い場合にくらべて短い時間間隔で計測したマーク33の位置を用いて算出することが好ましい。
前述の各実施形態では、同じマークのX軸方向の位置ずれを例に説明したが、Y軸方向の位置ずれに関する情報と組み合わせて補正量とその方向を決定しても良い。また、離れた位置にある複数のマークの位置の予測ずれ量から、ウエハ4の全体の熱歪みを求めて、補正量とその方向を決定しても良い。
また、S40とS60において計測するマークは必ずしも同一のマークでなくても構わない。熱の影響の受け方が同等とみなせるマーク同士であれば、それらのマーク間の位置のオフセット情報を用いて位置のずれ量を求めても良い。なお、熱の影響の受け方が同等とみなせるマーク同士の例として共通のショットと隣接しているスクライブライン上に形成されている2つのマークが挙げられる。
前述の実施形態では1つのマーク33を配置が異なるセンサ10で計測するため、センサ同士で性能に差がある場合には計測値の信頼性が低下してしまう。そのため、センサ同士で性能に差がある場合には、予め同じ状態で同じマーク33を計測しておき、オフセット値を記憶しておくことが望ましい。アライメントセンサ9は必ずしも必要ではない。アライメントセンサ9が無い場合は、格子配列決定のための計測(S10)はセンサ10を用いて行うこれにより、センサ等の配置空間が狭い場合に部品の配置が容易となり、描画装置のコストダウンを図ることができる。
[物品の製造方法]
本発明の物品(半導体集積回路素子、液晶表示素子、撮像素子、磁気ヘッド、CD−RW、光学素子、フォトマスク等)の製造方法は、前述の実施形態の描画装置を用いて基板(ウエハやガラス板等)上にパターンを露光する工程と、露光された基板を現像する工程と、現像した基板に対してエッチング処理及びイオン注入処理の少なくともいずれか一方を施す工程とを含む。さらに、他の周知の処理工程(酸化、成膜、蒸着、平坦化、レジスト剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージング等)を含んでも良い。
本発明の物品(半導体集積回路素子、液晶表示素子、撮像素子、磁気ヘッド、CD−RW、光学素子、フォトマスク等)の製造方法は、前述の実施形態の描画装置を用いて基板(ウエハやガラス板等)上にパターンを露光する工程と、露光された基板を現像する工程と、現像した基板に対してエッチング処理及びイオン注入処理の少なくともいずれか一方を施す工程とを含む。さらに、他の周知の処理工程(酸化、成膜、蒸着、平坦化、レジスト剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージング等)を含んでも良い。
1 描画装置
4 ウエハ
9 アライメントセンサ
11 補正センサ
33 マーク
34 アライメントマーク
20 主制御部
21 制御部(電子源2と光学系3用)
22 制御部(ステージ用)
24 制御部(センサ用)
4 ウエハ
9 アライメントセンサ
11 補正センサ
33 マーク
34 アライメントマーク
20 主制御部
21 制御部(電子源2と光学系3用)
22 制御部(ステージ用)
24 制御部(センサ用)
Claims (10)
- 基板に向けてビームを照射してパターンを形成するリソグラフィ装置であって、
前記基板上に形成されているマークの位置を計測する計測器と、
前記計測器により異なるタイミングで計測された計測結果を用いて、所定のタイミングにおける前記マークの位置情報を予測する予測部と、
前記基板に対する前記ビームの照射位置を、前記予測部が予測した位置情報に基づいて補正する補正部とを有することを特徴とするリソグラフィ装置。 - 前記予測部は、前記計測結果から求めた前記マークの位置の時間変化から、前記位置情報を予測することを特徴とする請求項1に記載のリソグラフィ装置。
- 前記補正部は、前記所定のタイミングにおいて、前記基板に対する前記ビームの照射位置を補正することを特徴とする請求項1又は2に記載のリソグラフィ装置。
- 前記補正部は、前記予測部が予測した位置情報と前記計測部による直近の計測結果との差が許容範囲外である場合に前記基板に対する前記ビームの照射位置を補正することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
- 前記補正部は、前記予測部が予測した位置情報に対して補正量を適用した値と前記計測部による直近の計測結果との差が前記許容範囲内になるように前記基板に対する前記ビームの照射位置を補正することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
- 前記補正部は、前記マークの位置の時間変化から得られる関数を2階微分した結果を用いて前記基板に対する前記ビームの照射位置を補正することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
- 前記予測部が予測した位置情報と前記計測部による直近の前記計測結果との差の絶対値が許容値外かつ前記2階微分した結果が正である場合は、前記補正部は前記補正量を前記差の絶対値以上として前記基板に対する前記ビームの照射位置を補正し、前記差の絶対値が許容値外かつ前記2階微分をした結果が負である場合は、前記補正部は前記補正量を前記差の絶対値以下として前記基板に対する前記ビームの照射位置を補正することを特徴とする請求項6に記載のリソグラフィ装置。
- 複数の前記計測器を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
- 基板上に形成されているマークの位置を異なるタイミングで計測するステップと、
前記異なるタイミングで計測したマークの位置から、所定のタイミングにおける前記マークの位置を予測するステップと、
前記予測したマークの位置に基づいて、前記基板に対する前記ビームの照射位置を補正するステップと、を有することを特徴とするビームの照射方法。 - 請求項1乃至8のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置を用いて、
基板にビームを照射する工程と、
前記ビームを照射した前記基板を現像する工程と、
前記現像した前記基板に対してエッチング処理及びイオン注入処理の少なくともいずれか一方を施す工程とを有することを特徴とする物品の製造方法。
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JP2014153297A JP2016032003A (ja) | 2014-07-28 | 2014-07-28 | リソグラフィ装置、照射方法、及びデバイスの製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019056830A (ja) * | 2017-09-21 | 2019-04-11 | キヤノン株式会社 | 決定方法、露光方法、プログラム、露光装置、および物品の製造方法 |
JP7545302B2 (ja) | 2019-12-18 | 2024-09-04 | キヤノン株式会社 | テンプレートのずれを補償する放射パターンを調整するインプリントリソグラフィシステムおよび方法 |
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2014
- 2014-07-28 JP JP2014153297A patent/JP2016032003A/ja active Pending
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