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JP2015222758A - 降圧トランスおよび降圧コンバータ - Google Patents

降圧トランスおよび降圧コンバータ Download PDF

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JP2015222758A
JP2015222758A JP2014106165A JP2014106165A JP2015222758A JP 2015222758 A JP2015222758 A JP 2015222758A JP 2014106165 A JP2014106165 A JP 2014106165A JP 2014106165 A JP2014106165 A JP 2014106165A JP 2015222758 A JP2015222758 A JP 2015222758A
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中島 浩二
Koji Nakajima
浩二 中島
熊谷 隆
Takashi Kumagai
隆 熊谷
雄二 白形
Yuji Shirakata
雄二 白形
渉平 大嶋
Shohei Oshima
渉平 大嶋
侑司 菅谷
Yuji Sugaya
侑司 菅谷
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Abstract

【課題】降圧トランスにおいて、1次側コイルの発熱の低減および放熱性の向上を可能にする。【解決手段】スペーサ導体(101ab,101ac,101bb,101bc)は、第1および第3の2次側コイル(L2a,L2c)と、第1の外層に形成される放熱パターン(111a,111b)との間に配置される。スペーサ導体(101ab,101ac,101bb,101bc)は、第1および第3の2次側コイル(L2a,L2c)と、第1の外層に形成される放熱パターン(111a,111b)との間にスペースを形成するとともに、第1および第3の2次側コイル(L2a,L2c)と、第1の外層に形成される放熱パターン(111a,111b)とを電気的に接続する。【選択図】図10

Description

この発明は、降圧トランス、およびそれを用いた降圧コンバータに関する。
従来より、コイルパターンを形成したシート状導電体と絶縁層とを一体に設けてなる高圧側コイル(1次側コイル)の上下に、導体板を打ち抜いた低圧側コイル(2次側コイル)を重ねて構成したトランスが知られている。たとえば、1次側コイルはプリント基板に形成され、2次側コイルは銅板やアルミニウム板などで形成される(たとえば特許文献1および特許文献2参照)。
特開2004−303857号公報 特開2011−77328号公報
1次側コイルおよび2次側コイルに電流が流れると熱が生じる。そのため、1次側コイルおよび2次側コイルを、放熱することが必要になる。降圧トランスでは、2次側コイルを流れる電流は1次側コイルを流れる電流よりも大きいため、特に、2次側コイルの発熱が大きくなる。そのような2次側コイルが上下に重ねられている(つまり、2次側コイルに挟まれている)1次側コイルは、放熱されにくい。
特許文献2が開示するトランスは、1次側コイルのコイルパターンが形成されたプリント基板のうち、2次側コイルと重ならない位置に伝熱領域が設けられた構成を有する。伝熱領域によって、1次側コイルが放熱される。しかし、伝熱領域は1次側コイルのコイルパターンから離れた位置に設けられるため、たとえばコイルパターンの中心部(発熱部分の中心部)は、放熱されにくくなる。また、1次側コイルの巻数が増加すると、コイルパターンの巻数も増える。そのため、たとえば、コイルパターンの幅が狭くなって抵抗値が増加してしまい、1次側コイルの発熱がさらに大きくなる。コイルパターンの厚みを増加させることで抵抗値を低減させることもできるが、コストの増加を伴う。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、降圧トランスにおいて、1次側コイルの発熱の低減および放熱性の向上を可能にすることである。
この発明に係る降圧トランスは、1次側に入力された電圧を降圧して2次側に出力する降圧トランスであって、多層基板と、第1〜第4の2次側コイルと、スペーサ導体とを備える。多層基板は、第1の外層と、第2の外層と、内層と、放熱パターンと、第1および第2のコイルパターンとを含む。第1の外層は、上方の表層である。第2の外層は、下方の表層である。放熱パターンは、第1および第2の外層にそれぞれ形成される。第1の1次側コイルパターンは、内層に設けられる。第2の1次側コイルパターンは、内層に設けられ、第1の1次側コイルパターンに直列接続される。第1の2次側コイルは、多層基板よりも上方に位置する。第1の2次側コイルは、第1の1次側コイルパターンと磁気的に結合される。第2の2次側コイルは、多層基板よりも下方に位置するとともに第1の2次側コイルに接続される。第2の2次側コイルは、第2の1次側コイルパターンと磁気的に結合される。第3の2次側コイルは、多層基板よりも上方に位置する。第3の2次側コイルは、第1の1次側コイルパターンと磁気的に結合される。第4の2次側コイルは、多層基板よりも下方に位置するとともに第3の2次側コイルに接続される。第4の2次側コイルは、第2の1次側コイルパターンと磁気的に結合される。スペーサ導体は、第1および第3の2次側コイルと、第1の外層に形成される放熱パターンとの間に配置される。スペーサ導体は、第1および第3の2次側コイルと、第1の外層に形成される放熱パターンとの間にスペースを形成するとともに、第1および第3の2次側コイルと、第1の外層に形成される放熱パターンとを電気的に接続する。
上記構成により、多層基板の内層に設けられる1次側コイルパターンは、多層基板の外層に形成された放熱パターンを介して放熱される。1次側コイルパターンにおいては、第1および第2の1次側コイルパターンが直列接続されているため、1次側コイルパターンで生じる熱は、第1の1次側コイルパターンで生じる熱と、第2の1次側コイルパターンで生じる熱とに分散される。そのため、1次側コイルパターンの発熱が低減される。
また、上記構成によれば、スペーサ導体によって、第1および第3の2次側コイルと、第1の外層に形成される放熱パターンとの間には、スペース(空間)が形成される。スペースが形成されることにより、2次側コイルで生じた熱は、1次側コイルパターンに伝達しにくくなる。その結果、1次側コイルパターンは放熱されやすくなる。
なお、スペーサ導体によって、第1および第3の2次側コイルと、第1の外層に形成される放熱パターンとは、電気的に接続される。したがって、第1の外層に形成される放熱パターンは、2次側コイルと同電位になる。そのため、放熱パターンによって、1次側コイルパターンと2次側コイルとの磁気的結合が妨げられてしまうことはない。
この発明に係る降圧コンバータは、上述の降圧トランスを備える。
この発明によれば、降圧トランスにおいて、1次側コイルの発熱の低減および放熱性の向上が可能になる。
実施の形態1に係るコンバータの回路ブロックを説明するための図である。 トランス部の1次側電圧の波形と、2次側電圧の波形とを模式的に説明するための図である。 コンバータの斜視図である。 図3におけるトランス部を拡大した斜視図である。 トランス部の分解斜視図である。 第1の外層を説明するための図である。 第1の内層を説明するための図である。 第2の内層を説明するための図である。 第2の外層を説明するための図である。 トランス部の断面図である。 放熱経路を説明するための図である。 実施の形態2において用いられるスペーサ導体の形状の一例を説明するための図である。 スペーサ導体のさらに別の形状を説明するための図である。 実施の形態3に係るコンバータの回路ブロックを説明するための図である。
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。実施の形態の説明において、個数および量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、必ずしもその個数および量などに限定されない。
[実施の形態1]
図1は、実施の形態1に係るコンバータ100の回路ブロックを説明するための図である。コンバータ100は、降圧コンバータである。図1に示す例では、コンバータ100は、絶縁型の降圧コンバータである。
図1を参照して、コンバータ100は、端子T1P,T1N,T2PおよびT2Nと、1次側回路1と、トランス部2と、2次側回路3と、制御回路4とを含む。
端子T1Pは、正極側の入力端子である。端子T1Nは、負極側の入力端子である。端子T2Pは、正極側の出力端子である。端子T2Nは、負極側の出力端子である。1次側回路1は、トランス部2の高圧側(1次側)に設けられる回路である。2次側回路3は、トランス部2の低圧側(2次側)に設けられる回路である。
端子T1Pおよび端子T1Nには、直流電圧Vpnが入力される。直流電圧Vpnは、たとえば図示しない直流電圧源から供給される。
1次側回路1は、入力コンデンサC1と、スイッチング素子S1a〜S1dと、ノードN1abおよびN1cdとを含む。
1次側回路1は、端子T1Pおよび端子T1Nに入力された直流電圧Vpnを、交流電圧に変換し、ノードN1abおよびN1cdに出力する。1次側回路1は、一般的な直流−交流(DC−AC)インバータ回路である。
入力コンデンサC1は、1次側回路1の入力部分に設けられる。入力コンデンサC1の一方端は端子T1Pに接続され、他方端は端子T1Nに接続される。入力コンデンサC1によって、たとえば、直流電圧Vpnに重畳されたリップルが除去される。特に、図示しない直流電圧源から端子T1PおよびT1Nまでの配線が長いときなどに、リップルが大きくなる場合がある。
スイッチング素子S1aおよびS1bは直列接続されて、端子T1Pと端子T1Nとの間に配置される。同様に、スイッチング素子S1cおよびS1dは直列接続されて、端子T1Pと端子T1Nとの間に配置される。
スイッチング素子S1a〜S1dは、たとえば、電界効果トランジスタ(MOSFET:Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)である。ただし、スイッチング素子の種類は特に限定されるものではない。スイッチング素子S1aのドレインは端子T1Pに接続され、ソースはノードN1abに接続される。スイッチング素子S1bのドレインはノードN1abに接続され、ソースは端子T1Nに接続される。スイッチング素子S1cのドレインは端子T1Pに接続され、ソースはノードN1cdに接続される。スイッチング素子S1dのドレインはノードN1cdに接続され、ソースは端子T1Nに接続される。
スイッチング素子S1a〜S1dのゲートおよびソースは、それぞれ制御回路4に接続される。制御回路4からの制御信号によって、スイッチング素子S1a〜S1dの各ゲート電圧(ゲート・ソース間電圧)がそれぞれ制御される。すなわち、制御回路4によって、スイッチング素子S1a〜S1dのスイッチング動作が制御される。
トランス部2は、1次側コイルL1aおよびL1bと、2次側コイルL2a〜L2dと、ノードN2abおよびN2cdとを含む。トランス部2は、1次側に入力された電圧を降圧して2次側に出力する降圧トランスである。
1次側コイルL1aおよびL1bは、直列接続されて、ノードN1abとノードN1cdとの間に配置される。具体的に、1次側コイルL1aの一方端は、ノードN1abに接続される。1次側コイルL1aの他方端は、1次側コイルL1bの一方端に接続される。1次側コイルL1bの他方端は、ノードN1cdに接続される。1次側コイルL1aおよびL1bが直列接続されることにより、1次側コイルL1aの巻数と1次側コイルL1bの巻数とを足し合わせた数を巻数とするコイルが実現される。
2次側コイルL2aの一方端と、2次側コイルL2bの一方端とは、ノードN2abにおいて互いに接続される。2次側コイルL2cの一方端と、2次側コイルL2dの一方端とは、ノードN2cdにおいて接続される。
1次側コイル1aに電流が流れると、1次側コイル1aと2次側コイルL2aおよびL2bとが、磁気的に結合される。1次側コイル1bに電流が流れると、1次側コイル1bと2次側コイルL2cおよびL2dとが、磁気的に結合される。
トランス2次側回路3は、整流素子D1a〜D1dと、平滑コイルL3aおよびL3bと、平滑コンデンサC3とを含む。
整流素子D1a〜D1dは、たとえばダイオードである。ただし、整流素子の種類は特に限定されるものではない。整流素子D1a〜D1dのアノードはいずれも、端子T2Nに接続される。整流素子D1aのカソードは2次側コイルL2aの他方端に接続される。整流素子D1bのカソードは2次側コイルL2bの他方端に接続される。整流素子D1cのカソードは2次側コイルL2cの他方端に接続される。整流素子D1dのカソードは2次側コイルL2dの他方端に接続される。
平滑コイルL3aの一方端はノードN2abに接続され、他方端は端子T2Pに接続される。平滑コイルL3bの一方端はノードN2cdに接続され、他方端は端子T2Pに接続される。
平滑コンデンサC3の一方端は端子T2Pに接続され、他方端は端子T2Nに接続される。
制御回路4には、トランス2次側回路3の出力がフィードバックされる。これにより、制御回路4は、トランス2次側回路3の出力を監視しながら、スイッチング素子S1a〜S1dを制御することができる。
制御回路4は、スイッチング素子S1aおよびS1bのゲートと、スイッチング素子S1cおよびS1dのゲートとに、論理レベルが相補関係にある制御信号(制御電圧)を送信(印加)する。これにより、ノードN1abおよびN1cdの間に、振幅値が直流電圧Vpnの交流電圧が発生する。
ノードN1abおよびN1cdの間に発生した交流電圧は、トランス部2の1次側コイルL1aおよびL1bに印加される。これにより、1次側コイルL1aおよびL1bには、交流電流が流れる。
1次側コイルL1aおよびL1bに交流電流が流れると、磁気結合によって、2次側コイルL2a〜L2dに交流電流が流れる。これにより、2次側コイルL2a〜L2dには、交流電圧が発生する。
2次側コイルL2a〜L2dに発生する電圧は、1次側コイルL1aおよびL1bに印加される電圧から降圧された電圧となる。1次側コイルL1aおよびL1bに印加される電圧と、2次側コイルL2a〜L2dに発生する電圧との比率(降圧比)は、1次側コイルL1aおよびL1bの巻数と2次側コイルL2a〜L2dの巻数との比率(巻数比)によって決まる。
2次側コイルL2a〜L2dに発生する交流電圧は、整流素子D1a〜D1dによって整流される。整流された電圧は、平滑コイルL3aおよびL3bと、平滑コンデンサC3とによって、平滑化される。これにより、端子T2PおよびT2Nの間には、直流電圧が出力される。
端子T2PおよびT2Nの間に出力される直流電圧のレベルは、1次側コイルL1aおよびL1bと2次側コイルL2a〜L2dとの巻数比を変えることによって調節できる。たとえば、1次側コイルL1aおよびL1bの巻数をそれぞれ4ターンとし、2次側コイルL2a〜L2dの巻数をそれぞれ1ターンとすると、1次側コイルL1aおよびL1bと2次側コイルL2a〜L2dとの巻数比は、8:1である。
制御回路4は、端子T2PおよびT2Nの間に所望の直流電圧が出力されるように、平滑コンデンサC3の電圧を監視しつつスイッチング素子S1a〜S1dを制御する。
図2は、トランス部2の入力側電圧(1次側電圧)の波形と、出力側電圧(2次側電圧)の波形とを模式的に説明するための図である。図2において、横軸は時刻を示し、縦軸は電圧を示す。
図1および図2を参照して、コンバータ100において、時刻t0において、スイッチング素子S1a〜S1dはいずれもOFF(非導通状態)とされているものとする。
時刻t10において、スイッチング素子S1aおよびS1dがON(導通状態)とされ、スイッチング素子S1bおよびS1cがOFFとされる。これにより、ノードN1abの電圧は、ノードN1cdの電圧に対して直流電圧Vpn分だけ高い電圧(+Vpn)まで上昇する。N1abおよびN1cdとの間の電圧(+Vpn)は1次側コイルL1aおよびL1bに印加される。これに応じて、2次側コイルL2aおよびL2cには、降圧された電圧(+Vpn/8)が発生する。同時に、2次側コイルL2bおよびL2dには、2次側コイルL2aおよびL2cに発生する電圧とは大きさが同じであって逆極性の電圧(−Vpn/8)が発生する。
時刻t20において、スイッチング素子S1a〜S1dがいずれもOFFとされる。これにより、たとえば、すべてのスイッチング素子S1a〜S1dが同時にONとなって端子T1Pおよび端子T1Nが短絡することが回避できる。
時刻t30において、スイッチング素子S1bおよびS1cがONとされ、スイッチング素子S1aおよびS1dがOFFとされる。これにより、ノードN1abの電圧は、ノードN1cdの電圧に対して直流電圧Vpn分だけ低い電圧(−Vpn)まで降下する。N1abおよびN1cdとの間の電圧(−Vpn)は1次側コイルL1aおよびL1bに印加される。これに応じて、2次側コイルL2aおよびL2cには、降圧された電圧(−Vpn/8)が発生する。同時に、2次側コイルL2bおよびL2dには、2次側コイルL2aおよびL2cに発生する電圧とは大きさが同じであって逆極性の電圧(+Vpn/8)が発生する。
時刻t40において、再びスイッチング素子S1a〜S1dがいずれもOFFとされる。時刻t40以降は、時刻t0〜t40の動作が繰り返される。
以上、図1および図2を参照して説明したように、コンバータ100は、1次側に入力された電圧を降圧して2次側に出力する降圧トランス(トランス部2)を備える。1次側コイルL1aおよびL1bと、2次側コイルL2a〜L2dとは、電流によって発熱するため、放熱することが必要となる。トランス部2は降圧トランスであり、2次側コイルL2a〜L2dに流れる電流は、1次側コイルL1aおよびL1bを流れる電流よりも大きい。そのため、コンバータ100では、2次側コイルL2a〜L2dの発熱が比較的大きくなる。2次側コイルL2a〜L2dが発熱すると、1次側コイルL1aおよびL1bの放熱に支障をきたす可能性がある。
次に、1次側コイルL1aおよびL1bと、2次側コイルL2a〜L2dとを含むコンバータ100の放熱について説明する。
図3は、コンバータ100の斜視図である。図3を参照して、コンバータ100は、筐体Hをさらに備える。筐体Hは、1次側回路1と、トランス部2と、2次側回路3と、制御回路4とを収容する。筐体Hは、たとえばアルミ製である。なお、制御回路4の部品や筐体Hのカバーなど、コンバータ100の一部の構成要素については、図示を省略している。
先に説明したように、1次側回路1は、4つのスイッチング素子(図1のスイッチング素子S1a〜S1d)を含む。トランス部2は、後述のコア本体部21ahおよび21bhなどを含む。2次側回路3は、平滑コイルL3aおよびL3bなどを含む。
1次側回路1、トランス部2、2次側回路3、および制御回路4などのコンバータ100の構成要素は、部品として筐体Hの底面Sに配置される。各部品は、動作によって発熱し得る。各部品において発生する熱は、たとえば、筐体H(の底面S)に伝達した後、コンバータ100の外部に放出される。コンバータ100の各部品の温度が高くなりすぎると、コンバータ100の正常な動作が妨げられる可能性がある。
筐体Hは、冷却される。筐体Hの冷却は、たとえば、空冷によって行なわれてもよいし、水冷によって行なわれてもよい。筐体Hが冷却されることによって、各部品は、筐体Hを介して放熱されやすくなる。つまり、筐体Hは、放熱板としての機能を有する。
図4および図5は、トランス部2を説明するための図である。図4は、図3におけるトランス部2を拡大した斜視図である。図4を参照して、トランス部2は、先に図1を参照して説明した1次側コイルL1aおよびL1b(図4には図示しない)と、2次側コイルL2a〜L2dとを含む。さらに、トランス部2は、後述のコア本体部21ahおよび21bhと、絶縁樹脂22ahおよび22bhと、プリント基板23とを含む。
図5は、トランス部2の分解斜視図である。図5を参照して、トランス部2は、1次側コイルL1aおよびL1bと、2次側コイルL2a〜L2dと、コア本体部21ahおよび21bhと、絶縁樹脂22ahおよび22bhと、プリント基板23と、絶縁シート24aおよび24bと、コア底面部25ahおよび25bhと、スペーサ導体101aa〜101adおよび101ba〜101bdとをさらに含む。
コア本体部21ahは、コア軸心21acを有する。コア本体部21bhは、コア軸心21bcを有する。コア本体部21ahおよび21bhの主成分は、磁性材料である。コア軸心21acおよび21bcは、開口部H1aおよびH1bにそれぞれ挿入される。
プリント基板23は、開口部H1aおよびH1bと、1次側コイルL1aおよびL1bとを有する。1次側コイルL1aは、開口部H1aの周囲に設けられる。1次側コイルL1bは、開口部H1bの周囲に設けられる。
プリント基板23は、4つの配線層を有する多層基板である。ただし、配線層の数は特に限定されるものではない。4つの配線層のうち2つの配線層は、プリント基板23の外層(表層)であり、他の2つの配線層はプリント基板23の内層である。1次側コイルL1aおよびL1bは、プリント基板23の内層に設けられる。具体的に、プリント基板23の内層において、1次側コイルL1aおよびL1bは、配線パターンとして形成される。プリント基板23の外層には、放熱用の配線パターン(図5には図示しない)がそれぞれ形成される。プリント基板23において、各配線層は、たとえば樹脂によって絶縁される。したがって、外層に形成される放熱用の配線パターンと、内層に設けられる1次側コイルL1aおよびL1bとは、互いに絶縁される。一方、プリント基板23において、各配線層は、樹脂によって熱的には接続される。したがって、内層に設けられる1次側コイルL1aおよびL1bで生じた熱は、樹脂を介して、外層に形成される放熱用の配線パターンに伝達する。
2次側コイルL2aおよびL2bは、1次側コイルL1aと重なる円弧状の配線パターンを有する。2次側コイルL2cおよびL2dは、1次側コイルL1bと重なる円弧上の配線パターンを有する。
2次側コイルL2aは、上下方向(図5に示す「U−D方向」)において、1次側コイルL1aと重なるように配置される。図5に示す例では、2次側コイルL2aは、プリント基板23よりも上方(U方向側)に位置する。2次側コイルL2aは、1次側コイルL1aと、磁気的に結合される。
2次側コイルL2bは、上下方向において、1次側コイルL1aと重なるように配置される。2次側コイルL2cは、プリント基板23よりも下方(D方向側)に位置する。2次側コイルL2bは、1次側コイルL1aと、磁気的に結合される。
2次側コイルL2cは、上下方向において、1次側コイルL1bと重なるように配置される。2次側コイルL2cは、プリント基板23よりも上方に位置する。2次側コイルL2cは、1次側コイルL1bと、磁気的に結合される。
2次側コイルL2dは、上下方向において、1次側コイルL1bと重なるように配置される。2次側コイルL2cは、プリント基板23よりも下方に位置する。2次側コイルL2dは、1次側コイルL1bと、磁気的に結合される。
図5に示すように、2次側コイルL2aおよびL2bにはコア軸心21acが挿入され、2次側コイルL2cおよびL2dにはコア軸心21bcが挿入される。1次側コイルL1aおよびL1bと、2次側コイルL2a〜L2dとが、コア軸心21acおよび21bcを共有するように配置されることで、両者の磁気的結合が向上する。これにより、トランス部2の降圧トランスとしての機能が高められる。
図5において一点鎖線で結ばれる箇所において、2次側コイルL2aの一方端と、2次側コイルL2b一方端とが、電気的に接続される。この接続箇所は、図1のノードN2abに対応する。同様に、2次側コイルL2cの一方端と、2次側コイルL2dの一方端とは、電気的に接続される。この接続箇所は、図1のノードN2cdに対応する。
スペーサ導体101aa〜101adおよび101ba〜101bdは、2次側コイルL2aおよびL2cと、プリント基板23の上方の外層に形成される放熱パターンとの間に配置される。具体的に、スペーサ導体101aa〜101adおよび101ba〜101bdの一方側は、放熱用パターンに接続される。接続は、たとえば、はんだ付けによって実現される。スペーサ導体101aa〜101adおよび101ba〜101bdの他方側は、2次側コイルL2aおよびL2cに接触する。
スペーサ導体101aa〜101adおよび101ba〜101bdによって、プリント基板23と、2次側コイルL2aおよびL2cとは、間隔を開けて配置される。すなわち、スペーサ導体101aa〜101adおよび101ba〜101bdは、2次側コイルL2aおよびL2cと、プリント基板23の上方の外層に形成される放熱パターンとの間にスペースを形成するとともに、2次側コイルL2aおよびL2cと、プリント基板23の上方の外層に形成される放熱用パターンとを電気的に接続する。
また、プリント基板23の下方の外層に形成される放熱用パターンは、2次側コイルL2bおよびL2dに密着する。したがって、2次側コイルL2bおよびL2dと、プリント基板23の下方の外層に形成される放熱用パターンとが、電気的に接続される。
そのため、上方および下方の外層にそれぞれ形成される放熱パターンと、2次側コイルL2a〜L2dとが、いずれも電気的に接続されることとなる。したがって、放熱パターンは、2次側コイルL2a〜L2dと同電位になる。
放熱パターンと、2次側コイルL2a〜L2dとが電気的に接続されていないと、放熱用パターンは、2次側コイルL2a〜L2dと同電位ではなく、たとえば、1次側コイルL1aおよびL1bの電位と、2次側コイルL2a〜L2dの電位との中間電位となり得る。その場合、放熱パターンがシールド板として機能して、1次側コイルL1aおよびL1bと、2次側コイルL2a〜L2dとの磁気結合が妨げられてしまう。さらに、放熱パターンがシールド板として機能すると、放熱パターンにも熱が生じる。
これに対し、放熱用パターンが2次側コイルL2a〜L2dと同電位とされることで、放熱パターンによって、1次側コイルL1aおよびL1bと、2次側コイルL2a〜L2dとの磁気的結合が妨げられてしまうことはない。
そのため、放熱用パターンと、2次側コイルL2a〜L2dとは、良好に電気的に接続されることが好ましい。良好に電気的に接続とは、たとえば、できるだけ小さい電気抵抗を介して接続することである。そのためには、たとえば、バネなどの弾性部材によって、絶縁樹脂22ahおよび22bhを、下方に押し付けるとよい。
絶縁樹脂22ahは、コア本体部21ahと、2次側コイルL2aとの間に挿入されて、コア本体部21ahを、2次側コイルL2aから絶縁する。同様に絶縁樹脂22bhは、コア本体部21bhと、2次側コイルL2cとの間に挿入されて、コア本体部21bhを、2次側コイルL2cから絶縁する。
筐体Hの底面Sは、載置部Saを有する。載置部Saは、底面Sから上方に延びるように形成された突起部である。
絶縁シート24aは、載置部Saの上に配置される。2次側コイルL2bの一部は、絶縁シート24aの上に配置される。載置部Saが所定の高さを有することにより、2次側コイルL2bの一部は、コア底面部25ahよりも上方に位置するように、絶縁シート24aおよび載置部Saによって支持される。したがって、2次側コイルL2b(の他の部分)とコア底面部25ahとは、間隔を開けて配置される。これにより、2次側コイルL2bとコア底面部25ahとは、互いに絶縁される。
同様に2次側コイルL2dの一部は、絶縁シート24bの上に配置される。絶縁シート24bは図示されない載置部の上に配置される。載置部が所定の高さを有することにより、2次側コイルL2dの一部は、コア底面部25bhよりも上方に位置するように、絶縁シート24bおよび載置部によって支持される。したがって、2次側コイルL2d(の他の部分)とコア底面部25bhとは、間隔を開けて配置される。これにより、2次側コイルL2dとコア底面部25bhとは、互いに絶縁される。
先に説明したように、筐体Hは、放熱板として機能する。つまり、放熱板(筐体H)は、2次側コイルL2bおよびL2dよりも下方に位置する。絶縁シート24aおよび24bは、2次側コイルL2bおよびL2dと、放熱板との間に配置される。絶縁シート24aおよび24bは、2次側コイルL2bおよびL2dと、放熱板とを熱的に接続する。
図6〜図9は、図5などに示すプリント基板23の各配線層の配線パターンを説明するための図である。図6〜図9を参照して、プリント基板23は、各配線層として、配線層L1〜L4を含む。配線層L1〜L4は、この順に積層される。配線層L1は、プリント基板23において、最も上方(図4のU方向側)に位置する表層(第1の外層)の配線層である。配線層L2は、プリント基板23において、配線層L1の下方(図4のD方向側)に位置する内層(第1の内層)の配線層である。配線層L3は、プリント基板23において、配線層L2の下方に位置する内層(第2の内層)の配線層である。配線層L4は、プリント基板23において、最も下方に位置する表層(第2の外層)の配線層である。
図6は、配線層L1(第1の外層)を説明するための図である。図6を参照して、配線層L1は、放熱パターン111aおよび111bと、ビア112aおよび112bと、熱拡散パターン113aa〜113ahとを含む。配線層L1には、開口部H1aおよびH1bが形成される。
放熱パターン111aは、開口部H1aの周囲に形成される放熱用のパターンである。放熱パターン111bは、開口部H1bの周囲に形成される放熱用のパターンである。
ビア112aは、各層を貫通してそれらを電気的に接続するビアホール(貫通ビア)である。ビア112aは、後述の通り、配線層L2および配線層L3の接続に用いられる。したがって、配線層L1において、ビア112aは、他の部分から電気的に切離されている。具体的に、放熱パターン111aおよび111bと、ビア112aおよび112bとは重ならないように配置される。これにより、放熱パターン111aおよび111bと、ビア112aおよび112bとは絶縁される。なお、配線層L2およびL3のみを接続するビアを用いることもできるが、そのようなビアを用いると、貫通ビアを用いる場合よりも、たとえばコストが増加する。つまり、ビア112aを貫通ビアとすることで、コストの低減が可能になる。
放熱パターン111aおよび111bには、スペーサ導体101aa〜101adおよび101bb〜101bdが設けられる。具体的には、スペーサ導体101aa〜101adが、放熱パターン111aに設けられる。スペーサ導体101bb〜101bdが、放熱パターン111bに設けられる。先に説明したように、各スペーサ導体は、各放熱パターンにはんだ付けされる。はんだ付けは、たとえば、各放熱パターン上に形成されたソルダレジストから、各スペーサ導体を設ける部分のレジストを取り除いた後に、リフローはんだ付け工程によって行なわれる。
図7は、配線層L2(第1の内層)を説明するための図である。図7を参照して、配線層L2は、ビア112aおよび112bと、熱拡散パターン113ca〜113cfと、コイル配線パターン114aおよび114bと、接続パターン115aおよび115bと、トランス接続部V1およびV2とを含む。配線層L2にも、配線層L1と同様に、開口部H1aおよびH1bが形成される。
コイル配線パターン114aは、開口部H1aの周辺に巻回される。コイル配線パターン114aの巻回数は、たとえば2ターンとすることができる。コイル配線パターン114bは、開口部H1bの周辺に巻回される。コイル配線パターン114bの巻回数も、たとえば2ターンとすることができる。
接続パターン115aは、コイル配線パターン114aと、トランス接続部V1とを接続する。トランス接続部V1は、図1に示すノードN1abに対応する。接続パターン115bは、コイル配線パターン114bと、トランス接続部V2とを接続する。トランス接続部V2は、図1に示すノードN1cdに対応する。
図8は、配線層L3(第2の内層)を説明するための図である。図8を参照して、配線層L3は、ビア112aおよび112bと、熱拡散パターン113da〜113dfと、コイル配線パターン114cおよび114dと、接続パターン115cとを含む。配線層L3にも、配線層L1およびL2と同様に、開口部H1aおよびH1bが形成される。
コイル配線パターン114cは、開口部H1aの周辺に巻回される。コイル配線パターン114cの巻回数は、たとえば2ターンとすることができる。コイル配線パターン114dは、開口部H1bの周辺に巻回される。コイル配線パターン114dの巻回数も、たとえば2ターンとすることができる。
接続パターン115cは、コイル配線パターン114cと、コイル配線パターン114dとを接続する。
ここで、図7および図8を参照して、コイル配線パターン114cは、ビア112aを介して、コイル配線パターン114aと接続される。コイル配線パターン114aおよび114cは、内層(配線層L2およびL3)に設けられる第1の1次側コイルパターンを構成する。また、コイル配線パターン114bは、ビア112bを介して、コイル配線パターン114dと接続される。コイル配線パターン114bおよび114dは、内層(配線層L2およびL3)に設けられる第2の1次側コイルパターンを構成する。コイル配線パターン114bおよび114d(第2の1次側コイルパターン)は、接続パターン115cを介して、コイル配線パターン114aおよび114c(第1の1次側コイルパターン)に直列接続される。
図9は、配線層L4(第2の外層)を説明するための図である。図9を参照して、配線層L4は、ビア112aおよび112bと、放熱パターン111cおよび111dと、熱拡散パターン113ba〜113bhとを含む。配線層L4にも、配線層L1〜L3と同様に、開口部H1aおよびH1bが形成される。
放熱パターン111cは、開口部H1aの周囲に形成される。放熱パターン111dは、開口部H1bの周囲に形成される。
放熱パターン111cおよび111dと、ビア112aおよび112bとは重ならないように配置される。これにより、放熱パターン111cおよび111dと、ビア112aおよび112bとは絶縁される。
ここで、内層を流れる電流、すなわち配線層L2(図7)および配線層L3(図8)を流れる電流の経路について説明する。図7および図8を参照して、トランス接続部V1に入力された電流は、接続パターン115a、コイル配線パターン114a、ビア112aおよびコイル配線パターン114c(すなわち第1の1次側コイルパターン)を通る。さらに、電流は、接続パターン115cを介して、コイル配線パターン114d、ビア112b、コイル配線パターン114b(すなわち第2の1次側コイルパターン)を通り、トランス接続部V2に出力される。なお、トランス接続部V2に入力される電流は、上述とは逆の経路を通り、トランス接続部V1に出力される。
図10は、図4のX−Xにおけるトランス部2の断面図である。説明の便宜上、トランス部2の一部の構成のみが図示される。
図10を参照して、図4などに示す筐体Hの底面S(以下、底面Sも含めて単に「筐体H」という)は、上方(U方向)に向けて凸形状の断面を有する。これに対し、プリント基板23と、2次側コイルL2bおよびL2dとは、全体として、下方(D方向)に向けて凹形状の断面を有する。
2次側コイルL2bは、絶縁シート51cを介して、筐体Hに熱的に接続される。絶縁シート51cは、図5の絶縁シート24aに対応する。2次側コイルL2dは、絶縁シート51bを介して、筐体Hに熱的に接続される。絶縁シート51bは、図5の絶縁シート24bに対応する。プリント基板23のうち、2次側コイルL2bおよびL2dと重ならない部分(プリント基板23の中央部分)は、絶縁シート51aを介して、筐体Hに熱的に接続される。したがって、プリント基板23および2次側コイルL2a〜L2dで発生した熱は、筐体Hに伝達した後、筐体Hの外部に放出される。すなわち、プリント基板23の内層に設けられた1次側コイル(コイル配線パターン114a〜114d)および2次側コイルL2a〜L2dが放熱される。
図11は、放熱経路を説明するための図である。図11には、絶縁シート51cおよび51aを通る放熱経路が矢印で示される。なお、図10に示す絶縁シート51bを通る放熱経路の説明は、次に説明する絶縁シート51cを通る放熱経路と同様である。
図11を参照して、配線層L2およびL3のコイル配線パターン114a〜114dで生じた熱、つまり主に1次側コイルで生じた熱は、配線層L2およびL3における接続パターン(図7の接続パターン115a,115b、図8の接続パターン115c)および熱拡散パターン(図7の熱拡散パターン113ca〜113cf、図8の熱拡散パターン113da〜113df)に伝達する。これにより、1次側コイルで生じた熱が、配線層L2およびL3の面方向に拡散される(P1)。拡散された熱は、絶縁樹脂を介して、配線層L1の放熱パターン111aおよび配線層L4の放熱パターン111cに伝達する(P2)。
配線層L1の放熱パターン111aなどに伝達した熱は、熱拡散パターン(図6の熱拡散パターン113aa〜113ahなど)を通り、絶縁シート51a側へ向かって伝達し(P3)、配線層L2,L3,L4および絶縁シート51aを通り、筐体Hに伝達する(P4,P5)。なお、配線層L1の放熱パターン111aなどに伝達した熱は、熱拡散パターンと、2次側コイルL2aとの間のスペースにも放出され得る(P9)。
配線層L4の放熱パターン111cなどに伝達した熱は、主に次の2種類の経路によって筐体Hに伝達する。第1の経路は、配線層L1と同様である。すなわち、熱拡散パターン(図9の熱拡散パターン113ba〜113bh)を通り、絶縁シート51a側へ向かって伝達し(P6)、絶縁シート51aを通り、筐体Hに伝達する(P5)経路である。第2の経路は、2次側コイルL2bに伝達し(P7)、絶縁シート51cを通り、筐体Hに伝達する(P8)経路である。
このように、内層である配線層L2およびL3に形成された熱拡散パターンによって、平面方向に熱拡散が行なわれる。さらに、外層である配線層L1およびL4に形成された熱拡散パターンによっても、平面方向に熱拡散が行なわれる。したがって、たとえばコイル配線パターンの中心部であっても、放熱がされやすくなる。また、1次側コイルが、直列に接続された1次側コイルL1aおよびL1bによって左右に分割されて構成されることによって、1次側コイルの発熱が分散される。したがって、1次側コイルの発熱が低減される。
2次側コイルL2aで発生した熱は、2次側コイルL2bとの接続点(図5の一点鎖線)を通り、2次側コイルL2bに伝達する。L2bに伝達した熱は、2次側コイルL2bで発生した熱とともに、絶縁シート51bを介して、筐体Hに伝達する。
熱伝導率を向上するために、2次側コイルL2aは、たとえば、銅板またはアルミ板で形成することができる。銅またはアルミをたとえばシート状ではなく板状(厚みを有する形状)とすることで、平面方向の熱拡散効果が高められる。これにより、2次側コイルL2aは、2次側コイルL2bを介してスムーズに放熱される。
ここで、仮に、スペーサ導体101がなく、2次側コイルL2aと配線層L1の放熱パターン111aなどとが大きな接触面積を有して接触すると、2次側コイルL2aで生じた熱の多くが、配線層L1の放熱パターン111aに伝達する。そうすると、その熱は、配線層L1の熱拡散パターンを通り、絶縁シート51a側に向かって伝達する。絶縁シート51a側に伝達した熱は、配線層L1〜L4および絶縁シート51aを通り、筐体Hに伝達する。すなわち、2次側コイルL2aの放熱経路と、1次側コイル(配線層L2およびL3の配線パターン)の放熱経路とが重複する。したがって、1次側コイルの放熱が妨げられる。
これに対し、図11などに示すように、スペーサ導体101abおよび101acを介して2次側コイルL2aと配線層L1の放熱パターン111aとが接続されることによって、スペーサ導体101abおよび101acを介さずに2次側コイルL2aと配線層L1の放熱パターン111aとが接続される場合よりも、2次側コイルL2aと配線層L1との接触面積が低減される。したがって、2次側コイルL2aで生じた熱は、配線層L1の放熱パターン111aに伝達しにくくなる。したがって、1次側コイルの放熱が妨げられず、1次側コイルの放熱性が向上する。なお、図10に示す例では、スペーサ導体(スペーサ導体101abなど)は、長方形の断面形状を有する。
なお、スペーサ導体(スペーサ導体101abなど)によって、配線層L1のスペーサ導体が接続される部分のプリント基板23の平面方向の熱拡散を向上させるという効果も期待できる。スペーサ導体として、たとえば、銅やアルミなどの金属を用いることができる。
以上説明したように、実施の形態1によれば、プリント基板23の内層に形成される1次側コイルの熱は、接続パターンおよび放熱パターンによって平面方向に拡散されるため、放熱効率が良くなる。
さらに、1次側コイルは、2つ(1次側コイルL1aおよびL1b)に分割されているため、発熱が分散される。したがって、1次側コイルの発熱が低減される。
また、スペーサ導体101によって、2次側コイルL2aおよびL2cと、プリント基板23とは、間隔を開けて(スペースを有して)配置される。これにより、2次側コイルL2aおよびL2cで生じた熱がプリント基板23に伝達することを抑制できる。したがって、プリント基板23に含まれる1次側コイルの放熱が確保される。
また、2次側コイルL2bおよびL2dと、プリント基板23とは、絶縁シート51b,51cおよび51aを介して、筐体Hに熱的に接続される。そのため、2次側コイルL2bおよびL2dと、プリント基板23とは、効率よく放熱される。
また、スペーサ導体101により、プリント基板23の外層(配線層L1)の放熱パターンは、2次側コイルL2aおよびL2bの電位に固定される。したがって、放熱パターンがシールド板として機能することによって生じる1次側コイルと2次側コイルとの磁気的結合の妨害や、放熱パターンの発熱を防ぐことができる。
以上説明したように、実施の形態1によれば、1次側コイルの発熱の低減および放熱性の向上が可能になる。
[実施の形態2]
実施の形態1においては、長方形の断面形状を有するスペーサ導体(図10のスペーサ導体101abなど)の場合について説明したが、スペーサ導体の形状を工夫することで、さらに放熱を向上することが可能である。実施の形態2では、より放熱性が向上したスペーサ導体の例について説明する。
図12は、実施の形態2において用いられるスペーサ導体の形状の一例を説明するための図である。図7に示す各構成に対応する部分については同様であるため、ここでは説明を繰り返さない。
図12を参照して、スペーサ導体101yは、接触部101yaと、接続部101ybとを含む。接触部101yaおよび接続部101ybは、全体として凸形状の断面を有する。
接触部101yaは、2次側コイルL2aと接触する。接続部101ybは、プリント基板23の外層(配線層L1)に形成される放熱パターン111aに接続される。接触部101yaと2次側コイルL2aとの接触面の面積は、接続部101ybと放熱パターン111aとの接続面の面積よりも小さい。これにより、接触熱抵抗が大きくなり、2次側コイルL2aで生じた熱は、プリント基板23の放熱パターン111aなどに伝達しにくくなる。また、スペーサ導体101yの厚み方向(上下方向)における断面積も小さくなり、熱抵抗が大きくなる。これによっても、2次側コイルL2aの熱は、プリント基板23の放熱パターン111aに伝達しにくくなる。
ここで、スペーサ導体101yと、放熱パターン111aとを接続する面積は、たとえば図11と同程度の大きさに維持されるため、配線層L1のスペーサ導体101yが接続される部分のプリント基板23の平面方向の熱拡散効果も維持される。
なお、スペーサ導体101yは、放熱パターン111aの電位と2次側コイルL2aの電位とを同じにするために用いられているので、スペーサ導体101yには、それほど多くの電流は流れない(多くの電流は、2次側コイルL2aに流れる)。したがって、スペーサ導体101yのように厚み方向の断面積が小さくても、放熱パターン111aなどの電位と2次側コイルL2aとの電位とは同じになる。
図13は、スペーサ導体のさらに別の形状を説明するための図である。図7に示す各構成に対応する部分については同様であるため、ここでは説明を繰り返さない。
図13を参照して、スペーサ導体101zは、接触部101zaと、接続部101zbと、側板部101zcとを含む。
接触部101zaは、2次側コイルL2aに接触する。接続部101zbは、プリント基板23に形成される放熱パターン111aに接続される。側板部101zcは、接触部101zaと、接続部101zbとを接続する。
接触部101zaと2次側コイルL2aとの接触面の面積は、接続部101zbとプリント基板23に形成される放熱パターン111aとの接続面の面積よりも小さい。放熱パターン111aとの接続面を大きくすることで、プリント基板23の熱拡散効果を高める部分を拡大できる。さらに、側板部101zcを薄くすることで、スペーサ導体101zの厚み方向の断面積が狭くなる。これにより、厚み方向の熱抵抗を高くすることができる。2次側コイルL2aで生じた熱は、プリント基板23の放熱パターン111aなどに伝達しにくくなる。
実施の形態2によれば、2次側コイルL2aと接触する面積が小さく、プリント基板23の放熱パターン111aなどに接続する面積が大きくなるように、スペーサ導体(図12のスペーサ導体101yおよび図13のスペーサ導体101z)の形状が定められる。これにより、2次側コイルL2aで生じた熱は、プリント基板23の放熱パターン111aなどに伝達しにくくなる。また、プリント基板23の平面方向の熱拡散効果が向上され得る。
[実施の形態3]
以上説明した降圧トランス(図1などに示すトランス部2)においては、1次側コイルおよび2次側コイルの放熱には、絶縁シート51a〜51cを介した放熱が含まれる。実施の形態3においては、絶縁シート51a〜51cの熱伝導率を向上させることによって、さらに放熱を向上する手法について説明する。
図14は、実施の形態3に係るコンバータ100Aの回路ブロックを説明するための図である。図14を参照して、コンバータ100Aは、ワイヤWと、筐体Hとをさらに含む点で、コンバータ100(図1)と異なる。コンバータ100Aの他の部分の構成は、図1などに示すコンバータ100の対応する部分と同様であるので、ここでは説明を繰り返さない。
ワイヤWは、端子T2Nと、筐体Hとを電気的に接続する。これにより、筐体Hは、端子T2Nと同電位とされる。なお、端子T2Nと、筐体Hとを電気的に接続するために用いられる手段は、ワイヤWに限定されるものではない。
図10などに示す絶縁シート51a〜51cは、たとえば、シートが薄いほど、熱伝導率が向上する。一方で、シートが薄いほど、絶縁性能が低下する。そのため、絶縁シート51a〜51cに印加される電圧を低くし、薄い絶縁シート51a〜51cを採用することによって熱伝導率を向上させることができる。絶縁シート51a〜51cは、2次側コイル(図10に示す例では2次側コイルL2bおよびL2d)と筐体Hとの間に挿入される。そのため、2次側コイルと筐体Hとの電位差を小さくすることで、絶縁シート51a〜51cに印加される電圧を低くすることができる。
図14に示すように、ワイヤWによって、筐体Hの電位を、トランス部2の2次側(2次側コイルL2a〜L2d)の基準電位である端子T2Nの電位と同様にすることで、絶縁シート51a〜51c(図10)に印加される電圧を2次側の電圧と同様にすることができる。これによって、2次側コイルと筐体Hとの間に挿入される絶縁シート51a〜51cには、2次側の電圧が印加されることとなる。トランス部2は降圧トランスであるため、2次側の電圧は1次側の電圧よりも低い。すなわち、1次側の電圧よりも低い2次側の電圧が、絶縁シート51a〜51cに印加される。
ワイヤWがないと、筐体Hの電位が固定されない。このため、筐体Hは、たとえば1次側の電位を有することがある。その場合、絶縁シート51a〜51cには、1次側の電圧と2次側の電圧との電圧差に相当する電圧が印加される。したがって、絶縁シート51a〜51cに印加される電圧が、2次側の電圧よりも大きな電圧となる可能性がある。
これに対し、筐体Hの電位が端子T2Nの電位に固定されていれば、1次側の電圧のような大きな電圧が絶縁シート51a〜51cに印加されることはない。2次側の電圧に耐え得る最低限の厚さを有する薄い絶縁シートを、絶縁シート51a〜51cに用いることができる。そのような薄い絶縁シート51a〜51cを採用することによって、熱伝導率を向上させることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、上述した各実施の形態の特徴部分を適宜組み合わせることは当初から予定されている。また、今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は、上記した実施の形態の説明でなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
L1b,L1a 1次側コイル、2 トランス部、3 2次側回路、4 制御回路、21ah,21bh コア本体部、21ac,21bc コア軸心、22ah,22bh 絶縁樹脂、23 プリント基板、24a,24b,51a〜51c 絶縁シート、25ah,25bh コア底面部、100,100A コンバータ、101,101aa〜101ad,101ba〜101bd,101y,101z スペーサ導体、101ya,101za 接触部、101yb,101zb 接続部、101zc 側板部、111a〜111d 放熱パターン、112a,112b ビア、113aa〜113ah,113ba〜113bh,113ca〜113cf,113da〜113df 熱拡散パターン、114a〜114d コイル配線パターン、115a〜115c 接続パターン、C1 入力コンデンサ、C3 平滑コンデンサ、D1a〜D1d 整流素子、H 筐体、H1a,H1b 開口部、L1〜L4 配線層、L2a〜L2d 2次側コイル、L3a,L3b 平滑コイル、N1ab,N2ab ノード、S 底面、S1a〜S1d スイッチング素子、Sa 載置部、T1P,T1N,T2N,T2P 端子、V1,V2 トランス接続部、Vpn 直流電圧、W ワイヤ。

Claims (5)

  1. 1次側に入力された電圧を降圧して2次側に出力する降圧トランスであって、
    上方の表層である第1の外層、下方の表層である第2の外層、および内層を含む多層基板と、
    前記第1および第2の外層にそれぞれ形成される放熱パターンと、
    前記内層に設けられる第1の1次側コイルパターンと、
    前記内層に設けられ、前記第1の1次側コイルパターンに直列接続される第2の1次側コイルパターンと、
    前記多層基板よりも前記上方に位置し前記第1の1次側コイルパターンと磁気的に結合される、第1の2次側コイルと、
    前記多層基板よりも前記下方に位置するとともに前記第1の2次側コイルに接続され、前記第1の1次側コイルパターンと磁気的に結合される、第2の2次側コイルと、
    前記多層基板よりも前記上方に位置し、前記第2の1次側コイルパターンと磁気的に結合される、第3の2次側コイルと、
    前記多層基板よりも前記下方に位置するとともに前記第3の2次側コイルに接続され、の前記第2の1次側コイルパターンと磁気的に結合される、第4の2次側コイルと、
    前記第1および第3の2次側コイルと、前記第1の外層に形成される前記放熱パターンとの間に配置されることにより前記第1および第3の2次側コイルと前記第1の外層に形成される前記放熱パターンとの間にスペースを形成するとともに、前記第1および第3の2次側コイルと、前記第1の外層に形成される前記放熱パターンとを電気的に接続するスペーサ導体とを備える、降圧トランス。
  2. 前記第2および第4の2次側コイルよりも前記下方に位置する放熱板と、
    前記第2および第4の2次側コイルと、前記放熱板との間に配置され、前記第2および第4の2次側コイルと、前記放熱板とを熱的に接続する絶縁部材とをさらに備える、請求項1に記載の降圧トランス。
  3. 前記スペーサ導体は、
    前記第1の外層に形成される前記放熱パターンと接続される接続面と、
    前記第1および第3の2次側コイルに接触し、前記接続面よりも小さい面積を有する接触面とを含む、請求項1または請求項2に記載の降圧トランス。
  4. 前記放熱板は、前記降圧トランスが前記2次側に前記出力する電圧と共通の基準電位を有する、請求項2に記載の降圧トランス。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の降圧トランスを備える、降圧コンバータ。
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