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JP2015220379A - 集積回路デバイスの潜在不良検査装置、方法およびプログラム - Google Patents

集積回路デバイスの潜在不良検査装置、方法およびプログラム Download PDF

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JP2015220379A JP2014103898A JP2014103898A JP2015220379A JP 2015220379 A JP2015220379 A JP 2015220379A JP 2014103898 A JP2014103898 A JP 2014103898A JP 2014103898 A JP2014103898 A JP 2014103898A JP 2015220379 A JP2015220379 A JP 2015220379A
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坂口 和宏
Kazuhiro Sakaguchi
和宏 坂口
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Abstract

【課題】散布図の各点の距離のばらつきにかかわらず、正確な外れ値を検出する装置の提供。【解決手段】相関直線算出部2は、測定値格納部1に格納された集積回路デバイスそれぞれの測定値のうち、予め指定された集積回路デバイスの測定値の散布図を作成し、この散布図より相関直線を算出する。距離算出部3は、相関直線算出部2で算出された相関直線と散布図の各点との距離を算出する。分布解析部4は、距離算出部3で算出された距離に基づいて、指定された集積回路デバイスの測定値に対する近傍測定値を特定し、この近傍測定値の距離の分布の平均値と標準偏差とを求めて指定された集積回路デバイスの測定値のZ値を求める。さらに、分布解析部4は、Z値に基づいて測定値が外れ値であるか否かを判定し、外れ値を示す集積回路デバイスを特定する。【選択図】図1

Description

本発明は、集積回路デバイスの潜在不良検査装置、方法およびプログラムに関し、特に集積回路デバイスの特性測定値を解析する装置、方法およびプログラムに関する。
特許第5080526号公報(特許文献1)には、半導体製造に好適なデータ解析のための方法および装置において、ウエハ上に製造された複数のコンポーネントに対する試験データ内の外れ値を識別するための技術が記載されている。
特許第5080526号公報
前記特許文献1の技術では、試験データ内の外れ値を識別するために、2つの異なる試験の試験データの相関チャート(散布図)を作成し、最良適合直線(回帰直線)から一定の距離の外側に存在する値を外れ値として識別する方法を用いている。この方法の問題点は、散布図を構成する各点の回帰直線からの距離のばらつきの程度が、散布図内で一様ではなく、場所によって異なることである。
前記特許文献1のような従来の技術では、散布図内の位置にかかわらず回帰直線からの一定の距離を規格値とし、この規格値を超過する値を外れ値と判定することで、この値を示すデバイスに潜在的な不良があるものと判定している。しかし、散布図内の位置によって散布図の各点の距離のばらつきの程度が異なるため、散布図全体で一様な規格値を設けた場合、正しく外れ値を判定することが困難になる。したがって、散布図の各点の距離のばらつきにかかわらず、正確な外れ値を検出する必要がある。
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
(1)一実施の形態における集積回路デバイスの潜在不良検査装置は、格納部と、第1算出部と、第2算出部と、解析部と、制御部と、記憶部とを有する。格納部は、集積回路デバイスそれぞれの測定値を格納する。第1算出部は、格納部に格納された集積回路デバイスそれぞれの測定値のうち、予め指定された集積回路デバイスの測定値の散布図を作成し、この散布図より相関直線または相関曲線を算出する。第2算出部は、第1算出部で算出された相関直線または相関曲線と散布図の各点との距離を算出する。解析部は、第2算出部で算出された距離に基づいて、指定された集積回路デバイスの測定値に対する第1測定値を特定し、この第1測定値の距離の分布の平均値と標準偏差とを求めて指定された集積回路デバイスの測定値のZ値を求める。さらに、解析部は、Z値に基づいて測定値が外れ値であるか否かを判定し、外れ値を示す集積回路デバイスを特定する。制御部は、格納部、第1算出部、第2算出部、および解析部を含む装置全体の制御を司る。記憶部は、装置全体の制御に必要な制御プログラムおよびデータを記憶する。
(2)一実施の形態における集積回路デバイスの潜在不良検査方法は、コンピュータシステムによる情報処理のステップとして、第1ステップと、第2ステップと、第3ステップと、第4ステップと、第5ステップとを有する。第1ステップでは、集積回路デバイスそれぞれの測定値のうち、予め指定された集積回路デバイスの測定値を格納部より収集する。第2ステップでは、第1ステップで収集された測定値の散布図を作成する。第3ステップでは、第2ステップで作成された散布図より相関直線または相関曲線を算出する。第4ステップでは、第3ステップで算出された相関直線または相関曲線と散布図の各点との距離を算出する。第5ステップでは、第4ステップで算出された距離に基づいて、指定された集積回路デバイスの測定値に対する第1測定値を特定し、この第1測定値の距離の分布の平均値と標準偏差とを求めて指定された集積回路デバイスの測定値のZ値を求める。さらに、第5ステップでは、Z値に基づいて測定値が外れ値であるか否かを判定し、外れ値を示す集積回路デバイスを特定する。
(3)一実施の形態における集積回路デバイスの潜在不良検査プログラムは、コンピュータシステムに実行させる、第1ルーチンと、第2ルーチンと、第3ルーチンと、第4ルーチンと、第5ルーチンとを有する。第1〜第5の各ルーチンでの処理は、上記集積回路デバイスの潜在不良検査方法の第1〜第5の各ステップに対応する。
一実施の形態によれば、散布図の各点の距離のばらつきにかかわらず、正確な外れ値を検出することができる。
本発明の実施の形態1における集積回路デバイスの潜在不良検査装置の構成の一例を示すブロック図である。 図1の集積回路デバイスの潜在不良検査装置における潜在不良検査方法の動作の一例を示すフローチャートである。 図2の集積回路デバイスの潜在不良検査方法において、散布図の作成を説明するための説明図である。 図2の集積回路デバイスの潜在不良検査方法において、相関直線と散布図の各点との距離の算出方法を説明するための説明図である。 図2の集積回路デバイスの潜在不良検査方法において、散布図における相関直線および規格値を説明するための説明図である。 図2の集積回路デバイスの潜在不良検査方法において、距離の分布に対する平均値と標準偏差との算出における再帰的な計算を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施の形態2における集積回路デバイスの潜在不良検査装置の構成の一例を示すブロック図である。 図7の集積回路デバイスの潜在不良検査装置における潜在不良検査方法の動作の一例を示すフローチャートである。 図8の集積回路デバイスの潜在不良検査方法において、相関曲線と散布図の各点との距離の算出方法を説明するための説明図である。 図8の集積回路デバイスの潜在不良検査方法において、相関曲線と散布図の各点との距離の定義を説明するための説明図である。 図8の集積回路デバイスの潜在不良検査方法において、相関曲線の算出を説明するためのフローチャートである。 図8の集積回路デバイスの潜在不良検査方法において、距離の分布に対する平均値と標準偏差との算出における再帰的な計算を説明するためのフローチャートである。 図7の集積回路デバイスの潜在不良検査装置において、効果を説明するための散布図と相関直線を示す説明図である。 図7の集積回路デバイスの潜在不良検査装置において、効果を説明するための散布図と相関曲線を示す説明図である。
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらは互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうではないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
[実施の形態の概要]
まず、実施の形態の概要について説明する。本実施の形態の概要では、一例として、括弧内に実施の形態の対応する構成要素、符号等を付して説明する。
(1)一実施の形態における集積回路デバイスの潜在不良検査装置は、格納部(測定値格納部1,11)と、第1算出部(相関直線算出部2、相関曲線算出部12)と、第2算出部(距離算出部3,13)と、解析部(分布解析部4,14)と、制御部(制御部5,15)と、記憶部(記憶部6,16)と、を有する。格納部は、集積回路デバイスそれぞれの測定値を格納する。第1算出部は、格納部に格納された集積回路デバイスそれぞれの測定値のうち、予め指定された集積回路デバイスの測定値の散布図を作成し、この散布図より相関直線または相関曲線を算出する。第2算出部は、第1算出部で算出された相関直線または相関曲線と散布図の各点との距離を算出する。解析部は、第2算出部で算出された距離に基づいて、指定された集積回路デバイスの測定値に対する第1(近傍)測定値を特定し、この第1測定値の距離の分布の平均値と標準偏差とを求めて指定された集積回路デバイスの測定値のZ値を求める。さらに、解析部は、Z値に基づいて測定値が外れ値であるか否かを判定し、外れ値を示す集積回路デバイスを特定する。制御部は、格納部、第1算出部、第2算出部、および解析部を含む装置全体の制御を司る。記憶部は、装置全体の制御に必要な制御プログラムおよびデータを記憶する。
(2)一実施の形態における集積回路デバイスの潜在不良検査方法は、コンピュータシステムによる情報処理のステップとして、第1ステップ(S100,S200)と、第2ステップ(S101,S201)と、第3ステップ(S102,S202)と、第4ステップ(S103,S203)と、第5ステップ(S104,S204)とを有する。第1ステップでは、集積回路デバイスそれぞれの測定値のうち、予め指定された集積回路デバイスの測定値を格納部より収集する。第2ステップでは、第1ステップで収集された測定値の散布図を作成する。第3ステップでは、第2ステップで作成された散布図より相関直線または相関曲線を算出する。第4ステップでは、第3ステップで算出された相関直線または相関曲線と散布図の各点との距離を算出する。第5ステップでは、第4ステップで算出された距離に基づいて、指定された集積回路デバイスの測定値に対する第1(近傍)測定値を特定し、この第1測定値の距離の分布の平均値と標準偏差とを求めて指定された集積回路デバイスの測定値のZ値を求める。さらに、第5ステップでは、Z値に基づいて測定値が外れ値であるか否かを判定し、外れ値を示す集積回路デバイスを特定する。
(3)一実施の形態における集積回路デバイスの潜在不良検査プログラムは、コンピュータシステムに実行させる、第1ルーチンと、第2ルーチンと、第3ルーチンと、第4ルーチンと、第5ルーチンとを有する。第1〜第5の各ルーチンでの処理は、上記集積回路デバイスの潜在不良検査方法の第1〜第5の各ステップに対応する。
以下、上述した実施の形態の概要に基づいた実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号または関連する符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
また、以下の実施の形態においては、散布図より相関直線を算出する例を実施の形態1で説明し、散布図より相関曲線を算出する例を実施の形態2で説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、相互に組み合わせて適用することが可能である。
[実施の形態1]
本実施の形態1における集積回路デバイスの潜在不良検査装置、方法およびプログラムについて、図1〜図6を用いて説明する。
本実施の形態1は、従来技術の第一の問題点を解決するものである。第一の問題点は、散布図を構成する各点の回帰直線からの距離のばらつきの程度が、散布図内で一様ではなく、場所によって異なることである。従来技術では、散布図内の位置にかかわらず回帰直線からの一定の距離を規格値とし、この規格値を超過する値を外れ値と判定することで、この値を示すデバイスに潜在的な不良があるものと判定している。しかし、散布図内の位置によって散布図の各点の距離のばらつきの程度が異なるため、散布図全体で一様な規格値を設けた場合、正しく外れ値を判定することが困難になる。そこで、本実施の形態1では、以下に説明するように、散布図の各点の距離のばらつきにかかわらず、正しく外れ値を判定するものである。
<集積回路デバイスの潜在不良検査装置の構成>
まず、本実施の形態1における集積回路デバイスの潜在不良検査装置の構成について、図1を参照して説明する。図1は、本実施の形態1における集積回路デバイスの潜在不良検査装置の構成の一例を示すブロック図である。
本実施の形態1における集積回路デバイスの潜在不良検査装置は、測定値格納部1、相関直線算出部2、距離算出部3、分布解析部4、制御部5、記憶部6を有する。
測定値格納部1には、集積回路デバイスそれぞれの半導体ウエハ上の位置、該集積回路デバイスの少なくとも2種類以上の特性の測定値、該集積回路デバイスの良品不良品情報などが格納されている。
相関直線算出部2は、測定値格納部1に接続し、集積回路デバイスの特性測定値情報等から、ある特性値と別の種類の特性値とに関する散布図を作成し、前記2種類の特性測定値間の相関を表す相関直線を算出する。
距離算出部3は、相関直線算出部2に接続し、前記散布図における各点と算出された相関直線との距離を算出する。
分布解析部4は、距離算出部3に接続し、前記距離の分布状態を解析する。解析の結果、外れ値と判断されるものがあれば、その値を示した特性測定値を持つ集積回路デバイスを特定し、潜在的不良を有する集積回路デバイスである旨を出力する。分布解析では、前記散布図における各点と算出された相関直線との距離に基づいて、指定された集積回路デバイスの測定値に対する近傍測定値を特定し、この近傍測定値の距離の分布の平均値と標準偏差とを求めて指定された集積回路デバイスの測定値のZ値を求める。さらに、分布解析では、このZ値に基づいて測定値が外れ値であるか否かを判定し、外れ値を示す集積回路デバイスを特定する。
制御部5と記憶部6とは互いに接続し、記憶部6に格納された制御プログラムや諸データを制御部5に送信することが可能である。制御部5は、測定値格納部1、相関直線算出部2、距離算出部3、分布解析部4のそれぞれと接続し、データの伝送や各部の制御を行う。
この集積回路デバイスの潜在不良検査装置は、コンピュータシステムを用いて構築される。例えば、測定値格納部1は、ハードディスクなどの格納手段である。制御部5は、CPUなどの制御手段である。記憶部6は、メモリなどの記憶手段である。相関直線算出部2、距離算出部3、分布解析部4は、制御部5のCPUが記憶部6のメモリに格納されている制御プログラムを実行することにより実現されるソフトウェアによる演算手段(演算部7)である。測定値格納部1には、キーボードやマウスなどの入力部8からの入力操作が可能である。分布解析部4からは、ディスプレイへの表示やプリンタへの印刷などの出力部9への出力操作が可能である。
<集積回路デバイスの潜在不良検査装置の動作>
次に、本実施の形態1における集積回路デバイスの潜在不良検査装置の動作について、図2および図3〜図4を参照して説明する。図2は、上述した図1の集積回路デバイスの潜在不良検査装置における潜在不良検査方法の動作の一例を示すフローチャートである。
集積回路デバイスの潜在不良検査装置における動作は、制御部5が記憶部6に格納されている制御プログラムを実行することにより実現される各ステップからなる潜在不良検査方法である。この潜在不良検査方法の各ステップは、制御プログラムによる各ルーチンの処理に対応する。
まず、相関直線算出部2において、測定値格納部1より、指定された複数の半導体ウエハ、あるいは指定された1枚のウエハ上に作製されている集積回路デバイスに関する2種類の特性測定値が取り出される。このとき、集積回路デバイスは別の手段で判定された良品不良品情報に基づき、良品と判定された集積回路デバイスに関してのみの特性測定値が取り出されてもよく、良品不良品に関わらず特性測定値が取り出されてもよい。さらに、予め定められた方法でカテゴライズされた、ウエハ内の一部の集積回路デバイスの特性測定値のみを取り出してもよい。これらの特性測定値の取り出しは、いずれも予め指定された方法に従う(ステップS100)。
そして、相関直線算出部2において、取り出された2種類の特性測定値から散布図が作成される。散布図は、図3に示すように、同一集積回路デバイスの異なる2つの特性測定値のうち、一方をX軸方向の値に、他方をY軸方向の値にとったものである。この散布図は、予め指定された方法に基づき取り出された全ての集積回路デバイスの特定測定値について、この操作を行うことで得られる(ステップS101)。図3に示す例は、ある1つの半導体デバイスの特性測定値Aの値がA1、特性測定値Bの値がB1の例を示しており、X軸方向の値がA1、Y軸方向の値がB1の位置に点をプロットしている。対象となる全ての半導体デバイスの特性測定値に対してプロットを行うことで散布図が作成される。
次いで、相関直線算出部2において、この散布図より相関直線を求める(ステップS102)。相関直線は、集積回路デバイスの特性測定値をx、yとしたとき、iが1からnまでのn個の集積回路デバイスの2種類の特性測定値x、yからなる散布図において、式(1)および式(2)で与えられる。
Figure 2015220379
この相関直線が求められた後、相関直線と散布図の情報は距離算出部3に取り込まれる。そして、距離算出部3において、相関直線と散布図中の各点との距離を求める。図4は、相関直線と散布図の各点との距離の算出方法を示している。散布図上の点(Xi、Yi)と相関直線Y=F(X)との距離をYi−F(Xi)で定義する。散布図中の全ての点について、相関直線からの距離を求めることで、距離の分布が得られる(ステップS103)。この時、距離の分布を散布図中の位置に応じて別々に求める。この距離の分布の情報は分布解析部4に取り込まれる。
次いで、分布解析部4において、散布図中の位置に応じて別々に求めた距離の分布より平均値、標準偏差を求めることで、各点の距離に対する距離の分布の平均値からの隔たり(偏差)を標準偏差で除した値、すなわちZ値が求められる。Z値が予め定められた規格値の範囲外にあった場合、このZ値は外れ値であると判定され、この値を示した集積回路デバイスは潜在不良を有するデバイスであると特定されて出力される(ステップS104)。
<散布図における相関直線および規格値>
次に、上述した集積回路デバイスの潜在不良検査方法において、散布図における相関直線および規格値について、図5を参照して説明する。図5は、散布図における相関直線および規格値を説明するための説明図である。
図5は、散布図の例であり、同一ウエハ上に作製された半導体デバイスのうち、良品と判断された全ての半導体デバイスの2種の特性測定値(XとY)に基づき作成された散布図である。相関直線は、散布図中に示された全てのデータに基づき計算される。
例えば、規格値の直線(上側規格値と下側規格値)は相関直線から一定の距離を持つ直線であり、従来の手法による外れ値の判定に使用しているものである。図5のAの近傍では回帰直線周りのデータ点のばらつきは小さいのに対し、Bの近傍では大きなばらつきを示していることがわかる。このように、散布図中の場所によってデータ点のばらつきが異なっているのに、散布図内で一様な規格値を用いて外れ値としての判定を下すのは適切ではない。
そこで、本実施の形態では、半導体デバイスiが示すデータに対して、このデータが外れ値であるか否かを判定するために、半導体デバイスiのデータ点近傍のデータのばらつきを評価する。まず、データ(x、y)の近傍の個々のデータについて、相関直線からの距離の分布を求める。この時、近傍の定義として近傍に含まれるデータの特性測定値Xの値xが、|x−x|≦c、を満たす範囲としてもよい。この時、cは予め定められた定数である。あるいは、データ(x、y)の左側に位置するデータのうちデータ(x、y)に近いものから最大n個のデータを、右側に位置するデータのうちデータ(x、y)に近いものから最大n個のデータを選択してもよい。この時nは予め定められた定数である。このように選択された近傍の個々のデータに対し、相関直線からのそれぞれの距離を求め、距離の分布を求める。この時、この分布にはデータ(x、y)自身の距離を含めてもよい。
次いで、得られた距離の分布の平均値、標準偏差を求める。そして、データ(x、y)の距離の分布に対するZ値、すなわち、(データ(x、y)と相関直線との距離−分布の平均値)/分布の標準偏差、を求める。このZ値が予め定められた規格値の範囲内になければデータ(x、y)は外れ値であると判断する。
このように定められた本実施の形態における規格値は、例えば図5に実線で示すように、データ点のばらつきに対応して散布図内で一様ではない規格値を用いて外れ値を判断する。すなわち、図5のAの近傍のようにデータ点のばらつきが小さい場所では相関直線との距離は短く、Bの近傍のようにデータ点のばらつきが大きい場所では相関直線との距離が長い規格値を設定する。
<距離の分布に対する平均値と標準偏差との算出における再帰的な計算>
次に、上述した集積回路デバイスの潜在不良検査方法において、距離の分布に対する平均値と標準偏差との算出における再帰的な計算について、図6を参照して説明する。図6は、距離の分布に対する平均値と標準偏差との算出における再帰的な計算を説明するためのフローチャートである。
本実施の形態では、距離の分布に対する平均値と標準偏差との算出において、再帰的な計算を実施している。まず、距離の分布を初期値とし、このデータ全体を母集合とする(ステップS300)。次いで、集合Aの初期値を母集合と同一にするために、集合Aに母集合をコピーする(ステップS301)。さらに、集合Aの平均値と標準偏差を求める(ステップS302)。この求められた平均値と標準偏差を用いて母集合を解析して評価し、そのZ値の大きさが3よりも大きい要素を除外することで新たに集合Bを定義する(ステップS303)。
そして、集合Aと集合Bを比較して(ステップS304)、集合Aと集合Bが同一でなければ(S304−No)、集合Aに集合Bをセットして(ステップS305)、ステップS302に戻り、再度、集合Aの平均値と標準偏差を求める操作を繰り返す。ステップS304において、集合Aと集合Bが同一であれば(S304−Yes)、前記の平均値と標準偏差をもって前記母集合の平均値と標準偏差として決定する(ステップS306)。
以上のようにして、距離の分布に対する平均値と標準偏差との算出において、再帰的な計算を実施する。
以上説明した実施の形態1によれば、予め指定された集積回路デバイスの測定値の散布図より相関直線を算出し、この相関直線と散布図の各点との距離を算出する。さらに、この算出された距離に基づいて、指定された集積回路デバイスの測定値に対する近傍測定値を特定し、この近傍測定値の距離の分布の平均値と標準偏差とを求めて指定された集積回路デバイスの測定値のZ値を求める。そして、このZ値に基づいて測定値が外れ値であるか否かを判定し、外れ値を示す集積回路デバイスを特定することができる。
[実施の形態2]
本実施の形態2における集積回路デバイスの潜在不良検査装置、方法およびプログラムについて、図7〜図12を用いて説明する。
本実施の形態2は、従来技術の第二の問題点を解決するものである。第二の問題点は、散布図の形状が回帰直線の周りに分布しないことがあり、その場合、適切な外れ値の判定ができないことである。すなわち、測定値間に直線相関があれば散布図は回帰直線の周りに均等に分布した散布図となるが、曲線相関であった場合、回帰直線の周りに均等に分布した散布図とはならず、適切に外れ値を判定することが不可能である。その結果、潜在不良を持つ集積回路デバイスを正確に特定することができないこととなる。そこで、本実施の形態2では、以下に説明するように、曲線相関であった場合に適切に外れ値を判定するものである。
本実施の形態2は、上述した実施の形態1で算出した相関直線に代えて相関曲線を算出する例であり、以下においては、上述した実施の形態1と異なる点を主に説明する。
<集積回路デバイスの潜在不良検査装置の構成>
まず、本実施の形態2における集積回路デバイスの潜在不良検査装置の構成について、図7を参照して説明する。図7は、本実施の形態2における集積回路デバイスの潜在不良検査装置の構成の一例を示すブロック図である。
本実施の形態2における集積回路デバイスの潜在不良検査装置は、測定値格納部11、相関曲線算出部12、距離算出部13、分布解析部14、制御部15、記憶部16を有する。
相関曲線算出部12は、測定値格納部11に接続し、集積回路デバイスの特性測定値情報等から散布図を作成し、前記特性測定値間の相関を表す相関曲線を算出する。この相関曲線算出部12は、制御部15のCPUが記憶部16のメモリに格納されている制御プログラムを実行することにより実現されるソフトウェアによる演算手段(演算部17)である。
他の、測定値格納部11、距離算出部13、分布解析部14、制御部15、および記憶部16は、上述した実施の形態1の各部と同様の機能を有している。測定値格納部11には、入力部18からの入力操作が可能である。分布解析部14からは、出力部19への出力操作が可能である。
<集積回路デバイスの潜在不良検査装置の動作>
次に、本実施の形態2における集積回路デバイスの潜在不良検査装置の動作について、図8および図9〜図10を参照して説明する。図8は、上述した図7の集積回路デバイスの潜在不良検査装置における潜在不良検査方法の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、相関曲線算出部12において、測定値格納部11に格納されている集積回路デバイスの特性測定値は、指定された複数の半導体ウエハ、あるいは指定された1枚のウエハに作製されている集積回路デバイスに関する特性測定値が取り出される。このとき、集積回路デバイスは別の手段で判定された良品不良品情報に基づき、良品と判定された集積回路デバイスに関してのみの特性測定値が取り出されてもよく、良品不良品に関わらず特性測定値が取り出されてもよい。さらに、ウエハ内の指定された一部の集積回路デバイスの特性測定値のみを取り出してもよい。これらの特性測定値の取り出しは、いずれも予め指定された方法に従う(ステップS200)。
そして、相関曲線算出部12において、取り出された特性測定値から散布図が作成される。散布図は、上述した図3に示すように、同一集積回路デバイスの異なる2つの特性測定値のうち、一方をX軸方向の値に、他方をY軸方向の値にとったものである。この散布図は、予め指定された方法に基づき取り出された全ての集積回路デバイスの特定測定値について、この操作を行うことで得られる(ステップS201)。
次いで、相関曲線算出部12において、この散布図より相関曲線を求める。相関曲線が、式(3)で与えられるとした場合、散布図より相関曲線は、式(4)を最小化するものとして与えられる(ステップS202)。
Figure 2015220379
ここで、Xi、Yiは散布図の各点、すなわち同一集積回路デバイスの特性測定値を表し、i=1からnまでn個の集積回路デバイスの特性測定値が散布図上に示されているものとする。
この相関曲線が求められた後、相関曲線と散布図の情報は距離算出部13に取り込まれる。そして、距離算出部13において、相関曲線と散布図の各点との距離を求める。図9は、相関曲線と散布図の各点との距離の算出方法を示している。散布図上の点(Xi、Yi)と相関曲線との距離をYi−F(Xi)で定義する。散布図の全ての点について、相関直線からの距離を求めることで、距離の分布が得られる(ステップS203)。この距離の分布の情報は分布解析部14に取り込まれる。
次いで、分布解析部14において、距離の分布より平均値、標準偏差が求められ、各値の平均値からの隔たり(偏差)を標準偏差で除した値、すなわちZ値が求められる。Z値が予め定められた規格値の範囲外にあった場合、このZ値は外れ値であると判定され、この値を示した集積回路デバイスは潜在不良を有するデバイスであると特定されて出力される(ステップS204)。
<相関曲線>
次に、上述した集積回路デバイスの潜在不良検査方法において、相関曲線について説明する。本実施の形態2では、相関曲線として、p次曲線(p:実数)を用いる。ここでは、2次曲線と3次曲線の例を示している。
例えば、相関曲線として、式(5)なる2次曲線を用いる。このとき、a、b、cは定数である。散布図より、式(6)が最小となるようにa、b、cが定められる。具体的には、式(7)により求められる。
Figure 2015220379
また、相関曲線として、式(8)なる3次曲線を用いる。このとき、a、b、c、dは定数である。散布図より、式(9)が最小となるようにa、b、c、dが定められる。具体的には、式(10)により求められる。
Figure 2015220379
<相関曲線と散布図の各点との距離>
次に、上述した集積回路デバイスの潜在不良検査方法において、相関曲線と散布図の各点との距離について、図10を参照して説明する。図10は、相関曲線と散布図の各点との距離の定義を説明するための説明図である。
本実施の形態2では、相関曲線と散布図の各点との距離に関し、上述した図9に示した方法ではなく、図10に示すように、相関曲線と各点との最短距離をもって距離を定義する。すなわち、図9ではY軸方向の距離で定義したが、図10においては、Y軸方向およびX軸方向にかかわらずに最も短い距離で定義する。
<相関曲線の算出>
次に、上述した集積回路デバイスの潜在不良検査方法において、相関曲線の算出について、図11を参照して説明する。図11は、相関曲線の算出を説明するためのフローチャートである。
まず、散布図の全ての点からなる集合を母集合と定義する(ステップS400)。次いで、集合Aの初期値として母集合と同一の集合を定義する(ステップS401)。そして、集合Aに含まれる各点の情報から相関曲線を算出する(ステップS402)。この算出された相関曲線と母集合に含まれる散布図の全ての点との距離を算出する(ステップS403)。
さらに、算出された距離の分布から、この分布の平均値と標準偏差を求める(ステップS404)。このとき、再帰的手法に基づき平均値と標準偏差を求めてもよい。そして、散布図の各点に対する距離から平均値と標準偏差を用いてZ値を算出する。Z値は、距離から平均値を減じた値を標準偏差で除した値である。このようにして算出したZ値の大きさが3より大きい場合、その値を示した散布図上の点は選択せず、大きさが3以下の点を抽出して新たな集合Bを定義する(ステップS405)。
そして、先に作成した集合Aと今回定義した集合Bを比較して(ステップS406)、集合Aと集合Bが同一でない場合(S406−No)には、集合Aに集合Bをセットして(ステップS407)、ステップS402に戻り、繰り返し操作を継続する。ステップS406において、集合Aと集合Bが同一であった場合(S406−Yes)、繰り返し操作を終了し、最後に得られた相関曲線を出力する(ステップS408)。
<距離の分布に対する平均値と標準偏差との算出における再帰的な計算>
次に、上述した集積回路デバイスの潜在不良検査方法において、距離の分布に対する平均値と標準偏差との算出における再帰的な計算について、図12を参照して説明する。図12は、距離の分布に対する平均値と標準偏差との算出における再帰的な計算を説明するためのフローチャートである。
本実施の形態では、距離の分布に対する平均値と標準偏差との算出において、再帰的な計算を実施している。まず、散布図の各点に対する相関曲線との距離の分布を求め、そのデータ全体を母集合とする(ステップS500)。次いで、集合Aの初期値をこの母集合と同一な要素からなる集合とする(ステップS501)。さらに、集合Aの平均値と標準偏差を求める(ステップS502)。前記母集合の個々の要素の値をこの平均値と標準偏差で解析し、Z値(それぞれの値から平均値を減じた値を標準偏差で除した値)の大きさが3より大きい場合、その要素は選択せず、大きさが3以下である場合、その要素を選択することで新しい集合Bを定義する(ステップS503)。
そして、集合Aと集合Bを比較して(ステップS504)、集合Aと集合Bが同一でなければ(S504−No)、集合Aに集合Bをセットして(ステップS505)、ステップS502に戻り、繰り返し操作を継続する。ステップS504において、集合Aと集合Bが同一であれば(S504−Yes)、繰り返し操作を終了し、最後に得られた平均値と標準偏差を距離の分布の平均値と標準偏差として決定する(ステップS506)。
以上のようにして、距離の分布に対する平均値と標準偏差との算出において、再帰的な計算を実施する。
以上説明した実施の形態2によれば、予め指定された集積回路デバイスの測定値の散布図より相関曲線を算出し、この相関曲線と散布図の各点との距離を算出する。さらに、この算出された距離に基づいて、指定された集積回路デバイスの測定値に対する近傍測定値を特定し、この近傍測定値の距離の分布の平均値と標準偏差とを求めて指定された集積回路デバイスの測定値のZ値を求める。そして、このZ値に基づいて測定値が外れ値であるか否かを判定し、外れ値を示す集積回路デバイスを特定することができる。
[実施の形態1および実施の形態2の効果]
実施の形態1および実施の形態2の効果について、上述した図5や図13〜図14を用いて説明する。
上述した図5は、1枚の半導体ウエハ上に作製された集積回路デバイスのうち、良品デバイスであると判定された全ての半導体デバイスの2種類の特性測定値(測定値Xと測定値Y)による散布図の例である。
散布図の各点のデータから図示されている相関直線が求められている。従来の手法では、散布図の各点と相関直線との距離の分布に基づき、外れ値と判定するための規格値が設定され、この規格値は全てのデータに対して一様である。このため、規格値を示す直線が定義され、この直線は相関直線に平行な相関直線と一定の距離を持つ直線となる。そして、この直線の外側に位置する点(上側規格値および下側規格値の両側規格値の場合)が外れ値と判定されている。
しかし、図5の例から見てもわかるように、データ点の相関直線からの距離のばらつきは一様ではなく、散布図内の位置によって大きく異なっている。例えば、A近傍では各データ点の相関直線との距離のばらつきは小さいのに対し、B近傍ではそのばらつきは大きなものとなっている。このように、散布図内の場所によってばらつきの程度が異なる場合に、一様な規格値で外れ値を判断するのは不適切である。すなわち、ばらつきが大きい領域で外れ値と判定されたデータは実は外れ値ではなく、正常なばらつきの範囲内であったり、逆に、ばらつきが小さい領域で規格値内で外れ値と判定されなかったデータが、実は外れ値であったりする場合が想定される。そのため、各場所でのばらつきの程度に対してそれに応じた適切な規格値を設けることは、正しく外れ値を判定するためには重要なことである。
そこで、本実施の形態では、上述した集積回路デバイスの潜在不良検査装置の構成および動作により、散布図の1つ1つのデータに対し、それ専用の規格値を定めることで適切な外れ値の判定を実施している。例えば図5に実線で示すように、A近傍のようにばらつきが小さい場所では相関直線との距離は短く、B近傍のようにばらつきが大きい場所では相関直線との距離が長い規格値を定める。すなわち、判定対象であるデータに対し近傍に位置するデータの、相関直線からの距離の分布に基づき平均値、標準偏差を求め、対象とするデータのZ値を求めている。そして、このZ値が予め定められている規格値(この規格値は全てのデータに対して一定)の範囲内にあれば外れ値ではなく、逆に規格値を超えている場合には外れ値と判断する。
対象とするデータの近傍データの選択には、対象データから一定の距離の範囲内に位置するデータ、例えばX軸方向の値について対象データのX軸方向の値と近傍とされるデータのX軸方向の値との差が一定の値以下であるように近傍データを選択する。あるいは、各データのX軸方向の値に関し、対象データのX軸方向の値に最も近いものから順に予め定められた個数のデータを選択して近傍データとする。
また、散布図の1つ1つのデータに対し、それ専用の規格値を定めることで適切な外れ値の判定を実施する場合には、相関直線に限らず、相関曲線にも同様に適用することができる。相関曲線の場合にも、ばらつきが小さい場所では相関曲線との距離は短く、ばらつきが大きい場所では相関曲線との距離が長い規格値を定める。対象とするデータの近傍データの選択にも、相関直線の場合と同様に行うことで、近傍データを選択することができる。
次に、本実施の形態の効果について説明する。図13は、集積回路デバイスの測定値Aと測定値Bによる散布図と相関直線を示す説明図である。従来の集積回路デバイスの潜在不良検査方法では、この散布図における外れ値を特定するために、散布図の相関直線からの距離に基づき定量化を実施していた。すなわち、散布図より相関直線(回帰直線)を求め、散布図の各点と相関直線との距離を算出し、距離の分布において各値のZ値を算出して外れ値を定量化していた。そして、外れ値が規定値より大きい(小さい)場合に、その値を示した集積回路デバイスを不良判定していた。図13の例で言えば、相関直線の上下に引かれた規格値のラインより外側に存在する散布図の点を示す集積回路デバイスが不良判定されることとなる。
この概念は、測定値の集合において2つの測定値間に相関がある場合、相関からの乖離の程度を定量化し、一定の値以上を示す測定値に対し外れ値であると定義するものである。この方法では、相関が直線相関である場合、散布図において相関直線からの距離で相関からの乖離の程度を定量化できるが、相関が曲線相関である場合、相関直線からの距離で乖離の程度を定量化することは適切ではない。そこで、本実施の形態では、相関が曲線相関である場合に、相関からの乖離の程度の定量化方法として、相関曲線からの距離をもって定量化を実施している。
図14は、本実施の形態の効果を説明する散布図と相関曲線を示す説明図であり、図13と同じ散布図である。この散布図より相関曲線が定義され、散布図の各点と相関曲線との距離が求められる。この距離の分布の平均値、標準偏差から外れ値が定義され、規格値に基づき散布図内に不良判定領域が定められる。不良判定領域と良品判定領域との境界は、相関曲線を上下(Y軸方向)に一定量移動させた曲線に等しい。測定値Aと測定値Bとの関係が直線相関ではなく、曲線相関である場合には、本実施の形態による潜在不良検査方法のように散布図の各点と相関曲線との距離を用いて外れ値を定義することで、相関からの乖離の程度を適切に定量化でき、正確な外れ値の算出が可能となる。
次に、集積回路デバイスの測定値間に曲線相関が生じる例を提示する。例えば、集積回路デバイスのリーク電流は、その大部分がサブスレッショルド電流であるため、式(11)のように書くことができる。ここで、Iはリーク電流、A、Bは集積回路デバイスの製造プロセスに関わる定数、Tは温度である。半導体デバイスのリーク電流を温度を変えて測定した場合、高温Tでのリーク電流をI、低温Tでのリーク電流をIとすると、式(12)、式(13)となる。T=αTの関係があるとすると(αは定数)、式(14)が得られる。
Figure 2015220379
これより、半導体デバイスの低温時のリーク電流と、高温時のリーク電流を測定値として散布図を描くと、曲線相関があることがわかる。例えば、α=2の場合、低温時のリーク電流値と、高温時のリーク電流値には2次の曲線相関が存在する。
以上説明した本実施の形態によれば、散布図の各点の距離のばらつきにかかわらず、正確な外れ値を検出することができる。すなわち、本実施の形態では、相関直線または相関曲線からの距離を用いて、散布図内の各点のばらつきに応じた規格値を設定することで、正確な外れ値の検出が可能となる。また、本実施の形態では、散布図において、外れ値を定量化する手段として相関曲線、および相関曲線からの距離を用いる場合には、相関直線を用いた外れ値の定量化と比べて、より正確な外れ値の定量化が可能となる。この結果、本実施の形態によれば、集積回路デバイスの潜在不良を正確に検査することができる。
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、前記実施の形態1では散布図より相関直線を算出する例を、前記実施の形態2では散布図より相関曲線を算出する例をそれぞれ説明したが、相互に組み合わせて適用することが可能である。この場合には、相関直線を用いた場合の効果と相関曲線を用いた場合の効果との両方を得ることができる。
1,11 測定値格納部
2 相関直線算出部
12 相関曲線算出部
3,13 距離算出部
4,14 分布解析部
5,15 制御部
6,16 記憶部
7,17 演算部
8,18 入力部
9,19 出力部

Claims (18)

  1. 集積回路デバイスそれぞれの測定値を格納する格納部と、
    前記格納部に格納された前記集積回路デバイスそれぞれの測定値のうち、予め指定された集積回路デバイスの測定値の散布図を作成し、前記散布図より相関直線または相関曲線を算出する第1算出部と、
    前記第1算出部で算出された前記相関直線または前記相関曲線と前記散布図の各点との距離を算出する第2算出部と、
    前記第2算出部で算出された距離に基づいて、前記指定された集積回路デバイスの測定値に対する第1測定値を特定し、前記第1測定値の距離の分布の平均値と標準偏差とを求めて前記指定された集積回路デバイスの測定値のZ値を求め、前記Z値に基づいて前記測定値が外れ値であるか否かを判定し、前記外れ値を示す集積回路デバイスを特定する解析部と、
    前記格納部、前記第1算出部、前記第2算出部、および前記解析部を含む装置全体の制御を司る制御部と、
    前記装置全体の制御に必要な制御プログラムおよびデータを記憶する記憶部と、
    を有する、集積回路デバイスの潜在不良検査装置。
  2. 請求項1記載の集積回路デバイスの潜在不良検査装置において、
    前記解析部は、前記第1測定値を特定する際に、前記指定された集積回路デバイスの測定値との差が予め定められた範囲内の測定値を持つ集積回路デバイスの測定値を前記第1測定値とする、集積回路デバイスの潜在不良検査装置。
  3. 請求項1記載の集積回路デバイスの潜在不良検査装置において、
    前記解析部は、前記第1測定値を特定する際に、前記指定された集積回路デバイスの測定値との差が小さいものから順に予め定められた個数の測定値を前記第1測定値とする、集積回路デバイスの潜在不良検査装置。
  4. 請求項1記載の集積回路デバイスの潜在不良検査装置において、
    前記解析部は、前記第1測定値の距離の分布の平均値と標準偏差とを求める際に、再帰計算を行う、集積回路デバイスの潜在不良検査装置。
  5. 請求項1記載の集積回路デバイスの潜在不良検査装置において、
    前記第1算出部は、前記相関曲線を算出する際に、前記相関曲線として、p次曲線(p:実数)を用いる、集積回路デバイスの潜在不良検査装置。
  6. 請求項1記載の集積回路デバイスの潜在不良検査装置において、
    前記第1算出部は、前記相関曲線を算出する際に、再帰的な方法を使用する、集積回路デバイスの潜在不良検査装置。
  7. コンピュータシステムによる情報処理のステップとして、
    集積回路デバイスそれぞれの測定値のうち、予め指定された集積回路デバイスの測定値を格納部より収集する第1ステップと、
    前記第1ステップで収集された前記測定値の散布図を作成する第2ステップと、
    前記第2ステップで作成された前記散布図より相関直線または相関曲線を算出する第3ステップと、
    前記第3ステップで算出された前記相関直線または前記相関曲線と前記散布図の各点との距離を算出する第4ステップと、
    前記第4ステップで算出された距離に基づいて、前記指定された集積回路デバイスの測定値に対する第1測定値を特定し、前記第1測定値の距離の分布の平均値と標準偏差とを求めて前記指定された集積回路デバイスの測定値のZ値を求め、前記Z値に基づいて前記測定値が外れ値であるか否かを判定し、前記外れ値を示す集積回路デバイスを特定する第5ステップと、
    を有する、集積回路デバイスの潜在不良検査方法。
  8. 請求項7記載の集積回路デバイスの潜在不良検査方法において、
    前記第5ステップでは、前記第1測定値を特定する際に、前記指定された集積回路デバイスの測定値との差が予め定められた範囲内の測定値を持つ集積回路デバイスの測定値を前記第1測定値とする、集積回路デバイスの潜在不良検査方法。
  9. 請求項7記載の集積回路デバイスの潜在不良検査方法において、
    前記第5ステップでは、前記第1測定値を特定する際に、前記指定された集積回路デバイスの測定値との差が小さいものから順に予め定められた個数の測定値を前記第1測定値とする、集積回路デバイスの潜在不良検査方法。
  10. 請求項7記載の集積回路デバイスの潜在不良検査方法において、
    前記第5ステップでは、前記第1測定値の距離の分布の平均値と標準偏差とを求める際に、再帰計算を行う、集積回路デバイスの潜在不良検査方法。
  11. 請求項7記載の集積回路デバイスの潜在不良検査方法において、
    前記第3ステップでは、前記相関曲線を算出する際に、前記相関曲線として、p次曲線(p:実数)を用いる、集積回路デバイスの潜在不良検査方法。
  12. 請求項7記載の集積回路デバイスの潜在不良検査方法において、
    前記第3ステップでは、前記相関曲線を算出する際に、再帰的な方法を使用する、集積回路デバイスの潜在不良検査方法。
  13. 集積回路デバイスそれぞれの測定値のうち、予め指定された集積回路デバイスの測定値を格納部より収集する第1ルーチンと、
    前記第1ルーチンで収集された前記測定値の散布図を作成する第2ルーチンと、
    前記第2ルーチンで作成された前記散布図より相関直線または相関曲線を算出する第3ルーチンと、
    前記第3ルーチンで算出された前記相関直線または前記相関曲線と前記散布図の各点との距離を算出する第4ルーチンと、
    前記第4ルーチンで算出された距離に基づいて、前記指定された集積回路デバイスの測定値に対する第1測定値を特定し、前記第1測定値の距離の分布の平均値と標準偏差とを求めて前記指定された集積回路デバイスの測定値のZ値を求め、前記Z値に基づいて前記測定値が外れ値であるか否かを判定し、前記外れ値を示す集積回路デバイスを特定する第5ルーチンと、
    をコンピュータシステムに実行させる、集積回路デバイスの潜在不良検査プログラム。
  14. 請求項13記載の集積回路デバイスの潜在不良検査プログラムにおいて、
    前記第5ルーチンでは、前記第1測定値を特定する際に、前記指定された集積回路デバイスの測定値との差が予め定められた範囲内の測定値を持つ集積回路デバイスの測定値を前記第1測定値とする、集積回路デバイスの潜在不良検査プログラム。
  15. 請求項13記載の集積回路デバイスの潜在不良検査プログラムにおいて、
    前記第5ルーチンでは、前記第1測定値を特定する際に、前記指定された集積回路デバイスの測定値との差が小さいものから順に予め定められた個数の測定値を前記第1測定値とする、集積回路デバイスの潜在不良検査プログラム。
  16. 請求項13記載の集積回路デバイスの潜在不良検査プログラムにおいて、
    前記第5ルーチンでは、前記第1測定値の距離の分布の平均値と標準偏差とを求める際に、再帰計算を行う、集積回路デバイスの潜在不良検査プログラム。
  17. 請求項13記載の集積回路デバイスの潜在不良検査プログラムにおいて、
    前記第3ルーチンでは、前記相関曲線を算出する際に、前記相関曲線として、p次曲線(p:実数)を用いる、集積回路デバイスの潜在不良検査プログラム。
  18. 請求項13記載の集積回路デバイスの潜在不良検査プログラムにおいて、
    前記第3ルーチンでは、前記相関曲線を算出する際に、再帰的な方法を使用する、集積回路デバイスの潜在不良検査プログラム。
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