JP2015219949A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料電池の乾燥度合いに応じた適切な運転を実現すること。
【解決手段】燃料電池システムにおいて、アノードに流入する前における水素ガスの圧力(入口圧力)が、アノードオフガスの排出中に降下する速度に基づき、電解質膜の乾燥度合いを推定する。具体的には、降下速度が遅ければ湿潤状態、速ければ乾燥状態と推定する。この推定に基づき、燃料電池の運転条件を決定する。
【選択図】図6
【解決手段】燃料電池システムにおいて、アノードに流入する前における水素ガスの圧力(入口圧力)が、アノードオフガスの排出中に降下する速度に基づき、電解質膜の乾燥度合いを推定する。具体的には、降下速度が遅ければ湿潤状態、速ければ乾燥状態と推定する。この推定に基づき、燃料電池の運転条件を決定する。
【選択図】図6
Description
本発明は、燃料電池システムに関する。
運転停止後の燃料電池の内部に残留する水分量が多いと推定した場合に、残留水を除去する手法が知られている。水分量の推定は、運転停止後に酸化ガス流路に酸化ガス等を流して流路の入口と出口との圧力を測定し、両者の差圧に基づき実行する。多くの残留水が存在する場合には、酸化ガスの流れが妨げられて、差圧が大きくなると考えられる。逆に、残留水が少ない場合には、酸化ガスの流れは妨げられず、差圧が小さくなると考えられる。酸化ガス流路に代えて、燃料ガス流路を用いて差圧を検出しても同様な推定ができる(例えば特許文献1)。
本願発明は、燃料電池の乾燥度合いを精度良く推定する、さらには、推定結果に基づく適切な運転を実現するものである。例えば上記先行技術の場合、水分量の推定の精度が悪い点や、運転中には推定できない点において課題を有していた。推定の精度が悪いのは、流路の入口と出口とで別々の圧力計によって絶対値を測定した結果に基づくからである。このような測定は、2つの圧力計の特性のバラツキが差圧に影響を与え、加えて、各圧力計から1つの値を取得するので精度が良くない。この他、構成の簡素化や、低コスト化、省資源化、小型化等が望まれていた。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためのものであり、以下の形態として実現できる。
(1)本発明の一形態によれば、燃料電池システムが提供される。この燃料電池システムは、燃料電池のアノードから排出されるガスを大気に放出する間にアノードガスの圧力が降下する速度を取得する取得部と;前記降下速度に基づき、電解質膜の乾燥度合いを推定する推定部とを備える。この形態によれば、電解質膜の乾燥度合いの推定精度が向上する。推定精度が向上するのは、アノード圧損の降下速度に基づく手法だからである。降下速度に基づく手法は、1つの圧力計を用いればよく、且つ、1つの圧力計から複数の圧力値を取得する点において、上記先行技術の手法よりも精度が良い。
(2)上記形態において、前記推定部は、前記降下速度が第1の速度の場合に比べ、前記降下速度が前記第1の速度よりも速い第2の速度の場合は、電解質膜が乾燥していると推定する。この形態によれば、電解質膜の乾燥度合いを適切に推定できる。
(3)上記形態において、前記推定部は、前記降下速度が基準値未満の場合に比べ、前記降下速度が前記基準値以上の場合は、電解質膜が乾燥していると推定する。この形態によれば、電解質膜の乾燥度合いを、基準値との比較によって推定できる。
(4)本発明の他の形態として提供される燃料電池システムは;燃料電池のアノードから排出されるガスを大気に放出する間にアノードガスの圧力が降下する速度を取得する取得部と;前記降下速度に基づき、燃料電池の運転条件を決定する制御部とを備える。この形態によれば、電解質膜の乾燥度合いに応じた適切な運転ができる。
(5)上記形態において、前記制御部は、前記降下速度が第1の速度から、前記第1の速度よりも速い第2の速度に変化した場合、電流密度の分布が平準化される運転条件に変更する。この形態によれば、適切な発電ができる。
(6)上記形態において、前記制御部は、前記降下速度が第1の速度から、前記第1の速度よりも速い第2の速度に変化した場合、燃料電池の乾燥が抑制される運転条件に変更する。この形態によれば、乾燥していることが推定される場合に、乾燥を抑制できる。
(7)上記形態において、前記制御部は、前記降下速度が第1の速度から、前記第1の速度よりも速い第2の速度に変化した場合、燃料電池内におけるアノードガスとカソードガスとの圧力差を小さくする。この形態によれば、乾燥していることが推定される場合に、差圧による電解質膜の破損を抑制できる。
(8)上記形態において、当該燃料電池システムから外部に排出される水量を制限する排水制限部を備え;前記制御部は、前記降下速度が第1の速度から、前記第1の速度よりも速い第2の速度に変化した場合、前記排水制限部による制限を緩和させる。この形態によれば、乾燥していることが推定される場合に、排水量の制限を解除することによって、より適切な運転ができる。
(9)上記形態において、前記取得部は、前記降下速度を、アノードに流入する前のアノードガスの圧力に基づき取得する。この形態によれば、通常の燃料電池システムが備える圧力計を用いて、降下速度を取得できる。
(10)上記形態において、カソードガスとして空気を外部から吸入し、加湿せずにカソードに供給する。この形態によれば、カソードガスを加湿する加湿器を設けなくても済む。加湿器を設けなくても、上記形態のように乾燥度合いを適切に推定することによって、燃料電池システムの適切な運転が可能となる。
本発明は、上記以外の種々の形態でも実現できる。例えば、電解質膜の乾燥度合い推定方法や燃料電池の運転方法、これらの制御方法を実現するためのプログラム、このプログラムを記憶した一時的でない記憶媒体等の形態で実現できる。
実施形態1を説明する。図1は、自動車に搭載される燃料電池システム20の概略構成を示す。燃料電池システム20は、アノード系50と、カソード系60と、制御部80と、冷却系90と、燃料電池100とを備える。燃料電池100は、エンドプレート110と、絶縁板120と、集電板130と、複数のセル140と、集電板130と、絶縁板120と、エンドプレート110とが、この順に積層されたスタック構造を有する。
アノード系50は、水素タンク51と、タンクバルブ52と、レギュレータ53と、配管54と、圧力計55と、排出制御弁56と、排出配管57と、循環ポンプ58とを備える。水素タンク51に貯蔵された水素は、タンクバルブ52、レギュレータ53及び配管54を介して、燃料電池100のアノードに供給される。圧力計55は、水素が燃料電池100に流入する直前の圧力(以下「入口圧力」という)を計測する。
アノードオフガス(生成水を含む)は、排出制御弁56が開弁している場合、排出配管57から排出される。循環ポンプ58は、アノードオフガスを配管54に再び流入させる。
カソード系60は、配管61と、エアコンプレッサ62と、排出配管63と、圧力計65とを備える。エアコンプレッサ62は、大気から吸引したエアを圧縮し、配管61を介して燃料電池100のカソードに供給する。カソードオフガス(生成水を含む)は、排出配管57を介して大気に排出される。圧力計65は、カソードの入口付近の圧力を計測する。セル140内におけるエア及び水素の流れの向きは、面内方向において対向する。
冷却系90は、ウォーターポンプ91と、配管92と、配管93と、ラジエータ94と、温度計95とを備える。水などの冷却媒体は、ウォーターポンプ91によって、配管92と、燃料電池100と、配管93と、ラジエータ94とを循環する。温度計95は、燃料電池100から排出された冷却媒体の温度を測定する。燃料電池100の廃熱がラジエータ94において大気に放出されることによって、燃料電池100が冷却される。温度計95による測定温度が目標範囲に収束するように、ウォーターポンプ91とラジエータ94とが制御される。
制御部80は、先述した各種動作を統括制御したり、統括制御に必要な情報を取得したりすることによって、燃料電池100による発電を制御する。
図2は、発電分布平準化処理を示すフローチャートである。この処理は、燃料電池100による発電が実施されている間、制御部80によって繰り返し実行される。
処理を開始すると、まずは所定時間、待機する(ステップS210)。この待機は、処理の繰り返し周期を調整するためのものである。次に、排出制御弁56を開弁し(ステップS220)、入口圧力が所定値以下になると、閉弁する(ステップS230)。開弁している間、循環ポンプ58は停止させる。続いて、入口圧力の降下速度(図6と共に後述)が基準値以上かを判定する(ステップS240)。
入口圧力の降下速度が基準値未満の場合(ステップS240、NO)、発電分布は大きくないと推定し、ステップS210に戻る。発電分布の大きさは、本実施形態では電流密度の最大値と最小値との差の大きさとして定義する。
一方、入口圧力の降下速度が基準値以上の場合(ステップS240、YES)、発電分布が大きいと推定し、発電分布を平準化し(ステップS250)、ステップS210に戻る。以下、入口圧力の降下速度および発電分布の推定について詳述する。
図3は、高温条件と低温条件とにおける発電分布の違いを模式的に示すグラフである。縦軸は電流密度、横軸は面内位置を示す。高温条件、低温条件とは、セル温度についての条件である。面内位置とは、図1に示すように、セル140の積層方向と直交する方向の位置のことであり、水素やエアが流れる方向の位置である。
図3に示すように、低温条件における電流密度のピークは中央付近からエア入口(水素出口)に寄っており、発電分布はおおむね平準化されている。これに対して高温条件における電流密度のピークは、低温条件の場合に比べてエア出口(水素入口)側に寄っており、発電分布が大きい。特に、エア入口(水素出口)付近における電流密度が低くなっている。この現象について図4を用いて説明する。
図4は、高温条件と低温条件とにおける水分移動の様子を模式的に示す。先述したようにエアと水素との流れの向きが面内方向において対向する場合、エア出口の水分は、セル140に含まれるMEGA(Membrane Electrode & Gas Diffusion Layer Assembly:膜電極ガス拡散層接合体)を透過して、水素入口に移動する。さらに、水素出口の水分は、MEGAを透過して、エア入口に移動する。
本実施形態ではカソードガスを加湿する加湿器が設けられていないので、エア入口が乾燥しやすい。そこで本実施形態では、先述した対向流の構成を備え、水素出口から透過する水分によってエア入口の乾燥を抑制する。低温条件の場合、このような乾燥抑制が機能し、図4に示すように、充分な量の水分がセル140内を循環する。この結果、面内全体において、乾燥が抑制されて良好に発電が実施され、図3に示されたように発電分布が小さくなる。
これに対して高温条件の場合、乾燥しやすい条件であるので、上記の水分の循環では乾燥を抑制しきれなくなり、もともと乾燥しやすいエア入口が乾燥してしまう。この結果、図3に示されたように、エア入口付近において発電不良となる。エア入口付近において発電不良となると、上記の乾燥抑制機能が低下し、さらに乾燥が進行する。このようにして、発電がエア出口付近に集中し、発電分布が大きくなる。このように発電分布の大小と乾燥状態とは関係性があり、発電分布が大きい場合は乾燥状態、発電分布が小さい場合は湿潤状態であることが推定できる。
図5は、アノード圧損およびセル電圧、並びにセル温度の関係を、露点温度ごとに示すグラフである。図5は、電流密度、アノード及びカソードのストイキ比、並びに、アノードおよびカソードの出口圧力を一定にした条件下で実行された理論計算の結果を示す。アノード圧損とは、アノードの入口圧力から出口圧力を引いた値である。グラフに示された「高」とは露点温度が高いことを示し、「低」とは露点温度が低いことを示し、「中」とはこれらの中間であることを示す。
セル温度が低い場合は、図5に示すように、露点温度に関わらずセル電圧に大きな差は無い。セル温度がある程度高くなると、図5に示すように、露点温度高に比べて露点温度低では、セル温度の上昇に連れてセル電圧が大きく減少していく。
一方、アノード圧損は、セル温度が低い場合、図5に示すように、露点温度によらず、セル温度の上昇に連れて増大する。図5に示すように、露点温度高に比べて露点温度低では、より低いセル温度でアノード圧損がピークを迎え、減少に転じる。
図5に示すように、例えばセル電圧が電圧V1、セル温度が温度T1である場合、セル電圧の値からでは、露点温度、つまりセル140内の水量の多寡を判別しづらい。このような場合でも、アノード圧損に着目すると、Δp1であれば露点温度高、Δp2であれば露点温度中、Δp3であれば露点温度低というように判別しやすくなる。
図5のようなデータを、電流密度、ストイキ比、出口圧力などの各種パラメータを振ってマップ化し、アノード圧損を測定すれば、発電分布や乾燥度合いを判定することができる。但し、本実施形態では、処理を簡易にすると共に、アノードの出口圧力の測定をしなくて済むように、入口圧力の降下速度に基づき(ステップS240)、発電分布や乾燥度合いを推定する。
図6は、入口圧力の降下速度と、発電分布の大小との関係を概略的に示すグラフである。縦軸は入口圧力、横軸は時間を示す。図6に示すように、排出制御弁56の開弁(時刻t1)の後、発電分布が大きい場合は、小さい場合に比べて、所定圧力P1に降下するまでの時間が短い。つまり、発電分布が大きい場合は、小さい場合に比べて、入口圧力の降下速度が速い。これは、発電分布が大きい方が、アノードの出口圧力が大きく、この結果、アノードの出口圧力と大気圧との差圧が大きくなるからだと考えられる。発電分布が大きいとアノードの出口圧力が大きくなるのは、発電分布が大きいとアノード圧損が小さくなるからである。発電分布が大きいとアノード圧損が小さくなるのは、本願発明者らによって見出された。
なお、実際には、図6のように直線的に圧力が降下するとは限らないので、所定のサンプリング周期で入口圧力の変化を取得し、最小二乗法等によって降下速度を算出する。
ステップS240では、上記の関係に基づき、入口圧力の降下速度が基準値以上か否か、つまり、入口圧力が所定圧力P1にまで降下するまでの時間が基準値未満か否かに基づき、発電分布の大小を判定する。このようにして発電分布が大きいと判定した場合、先述したように発電分布を平準化するための処理を実行する(ステップS250)。
本実施形態における発電分布の平準化は、セル温度、アノード及びカソードの少なくとも何れかについて、ストイキ比、圧力及び流量の少なくとも何れかを制御することで、カソードの入口付近の乾燥を抑制する既知の手法によって実現される。例えば、カソードの圧力を高くしたり、アノードの流量を増大させたり、アノードの圧力を低下させたり、セル温度を低下させたりする手法を採用することができる。何れの手法を採用するかは、諸条件(要求発電量、外気温など)に基づき決定する。
以上に説明した実施形態1によれば、アノード圧損と、発電分布の大小や電解質膜の乾燥との関係を利用しつつも、出口圧力の測定によらない手法を採用することによって、発電分布の大小や電解質膜の乾燥度合いの推定精度が良好になる。そして、この推定結果に基づき、運転条件を好適なものにすることができる。
実施形態2を説明する。実施形態2のハードウェア構成は、図1で説明した実施形態1のものと同じなので説明を省略する。図7は、差圧減少処理を示すフローチャートである。差圧減少処理は、実施形態1の発電分布平準化処理(図2)に代えて実行される。
図7に示すステップS320,S340は、発電分布平準化処理(図2)のステップS220,S240と同じなので説明を省略する。
ステップS310において、所定時間、待機するのは、ステップS210と同じである。但し、ステップS310の待機時間は、ステップS210の待機時間に比べて短い。
ステップS330において、圧力が所定値以下になったら閉弁するのは、ステップS230と同じである。但し、ステップS330における所定値は、図6に示す所定圧力P1よりも大きい圧力値である。つまり、この所定値は、開弁前の圧力P0に対して、所定圧力P1よりも近い値である。ステップS310,S330の実施形態1に対する変更は、処理の実行に伴うアノード側の圧力変動を抑制するためのものである。
入口圧力の降下速度が基準値以上の場合(ステップS340、YES)、アノードとカソードとの差圧を減少させる(ステップS350)。実施形態2では、アノードの入口圧力と、カソードの入口圧力との差圧を小さくする。この差圧を小さくするために、排出制御弁56やエアコンプレッサ62等の動作を制御する。
この差圧を小さくすることによって、電解質膜に掛かる負担を軽減でき、ひいては、燃料電池100内におけるアノードとカソードとの間でのガスのリークを抑制できる。入口圧力の降下速度が基準値以上の場合に差圧を小さくするのは、入口圧力の降下速度が基準値以上であると、電解質膜が破損する可能性が高まっていると推定されるからである。このように推定するのは、入口圧力の降下速度が基準値以上であると、実施形態1で説明したように、セル140内において、少なくとも局所が乾燥している可能性が高いからである。
実施形態3を説明する。実施形態3のハードウェア構成は、図1で説明した実施形態1のものと同じなので説明を省略する。図8は、排気制御処理を示すフローチャートである。排気制御処理は、実施形態1の発電分布平準化処理(図2)に代えて実行される。
図8に示すステップS410〜S440は、発電分布平準化処理のステップS210〜S240と同じなので説明を省略する。入口圧力の降下速度が基準値未満の場合は(ステップS440、NO)、排気制限モードに設定し(ステップS445)、入口圧力の降下速度が基準値以上の場合は(ステップS440、YES)、排気制限モードを解除する(ステップS450)。
上記の排気制限モードとは、排出配管57からのアノードオフガスの排出が、条件次第で制限されるモードのことである。この制限の目的は、排出配管57から排出される水分の量(排水量)を低減することである。排水量を低減するのは、後続車にできるだけ水が掛からないようにするためである。
排気制限モードに設定されている場合、後続車に水が掛かるのを回避した方が好ましい条件下においては、排水量を低減する。具体的には、排出制御弁56を閉じたり、発電量を低減したりする。後続車に水が掛かるのを回避した方が好ましい条件とは、後続車が接近していたり、自車の走行速度が速かったりする場合などである。
但し、発電分布が大きい場合は(ステップS440、YES)、排気制限モードが解除されるので(ステップS450)、上記の条件に関わらず、燃料電池100が運転される。よって、発電分布が大きい場合は、自車にとってより好ましい条件による運転ができる。
本発明は、本明細書の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現できる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、先述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、先述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことができる。その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除できる。例えば、以下のものが例示される。
ステップS240,S340,S440の判断ステップは、アノード圧損の降下速度が第1の速度から第2の速度(>第1の速度)に変化した場合にYESと判断するものでもよい。
湿潤時には、アノードの流量を上げることによって、セル内の水分量を低減してもよい。
発電分布平準化処理、差圧減少処理および排気制御処理は、何れか2つを並行して実行してもよいし、3つ全てを並行して実行してもよい。
圧力の降下速度は、アノードの出口における圧力値に基づき取得してもよい。
カソードガスを加湿する加湿器を追加して、発電分布を平準化するために加湿器による加湿を実施してもよい。
差圧減少処理において、両極ガスの出口圧力について差圧を減少させてもよい。
排気制御処理において、排気制限モードを解除する(ステップS450)代わりに、排水量の制限を緩和してもよい。つまり、排気モードに設定された状態と、排気モードが解除された状態との中間的なモードに設定してもよい。
燃料電池システムの用途は、自動車用以外に、他の輸送用機器用や、据え置き用のものでもよい。
発電分布平準化処理、差圧減少処理および排気制御処理は、何れか2つを並行して実行してもよいし、3つ全てを並行して実行してもよい。
圧力の降下速度は、アノードの出口における圧力値に基づき取得してもよい。
カソードガスを加湿する加湿器を追加して、発電分布を平準化するために加湿器による加湿を実施してもよい。
差圧減少処理において、両極ガスの出口圧力について差圧を減少させてもよい。
排気制御処理において、排気制限モードを解除する(ステップS450)代わりに、排水量の制限を緩和してもよい。つまり、排気モードに設定された状態と、排気モードが解除された状態との中間的なモードに設定してもよい。
燃料電池システムの用途は、自動車用以外に、他の輸送用機器用や、据え置き用のものでもよい。
20…燃料電池システム
50…アノード系
51…水素タンク
52…タンクバルブ
53…レギュレータ
54…配管
55…圧力計
56…排出制御弁
57…排出配管
58…循環ポンプ
60…カソード系
61…配管
62…エアコンプレッサ
63…排出配管
65…圧力計
80…制御部
90…冷却系
91…ウォーターポンプ
92…配管
93…配管
94…ラジエータ
95…温度計
100…燃料電池
110…エンドプレート
120…絶縁板
130…集電板
140…セル
50…アノード系
51…水素タンク
52…タンクバルブ
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54…配管
55…圧力計
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57…排出配管
58…循環ポンプ
60…カソード系
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80…制御部
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95…温度計
100…燃料電池
110…エンドプレート
120…絶縁板
130…集電板
140…セル
Claims (10)
- 燃料電池のアノードから排出されるガスを大気に放出する間にアノードガスの圧力が降下する速度を取得する取得部と、
前記降下速度に基づき、電解質膜の乾燥度合いを推定する推定部と
を備える燃料電池システム。 - 前記推定部は、前記降下速度が第1の速度の場合に比べ、前記降下速度が前記第1の速度よりも速い第2の速度の場合は、電解質膜が乾燥していると推定する
請求項1に記載の燃料電池システム。 - 前記推定部は、前記降下速度が基準値未満の場合に比べ、前記降下速度が前記基準値以上の場合は、電解質膜が乾燥していると推定する
請求項1に記載の燃料電池システム。 - 燃料電池のアノードから排出されるガスを大気に放出する間にアノードガスの圧力が降下する速度を取得する取得部と、
前記降下速度に基づき、燃料電池の運転条件を決定する制御部と
を備える燃料電池システム。 - 前記制御部は、前記降下速度が第1の速度から、前記第1の速度よりも速い第2の速度に変化した場合、電流密度の分布が平準化される運転条件に変更する
請求項4に記載の燃料電池システム。 - 前記制御部は、前記降下速度が第1の速度から、前記第1の速度よりも速い第2の速度に変化した場合、燃料電池の乾燥が抑制される運転条件に変更する
請求項4に記載の燃料電池システム。 - 前記制御部は、前記降下速度が第1の速度から、前記第1の速度よりも速い第2の速度に変化した場合、燃料電池内におけるアノードガスとカソードガスとの圧力差を小さくする
請求項4に記載の燃料電池システム。 - 当該燃料電池システムから外部に排出される水量を制限する排水制限部を備え、
前記制御部は、前記降下速度が第1の速度から、前記第1の速度よりも速い第2の速度に変化した場合、前記排水制限部による制限を緩和させる
請求項4に記載の燃料電池システム。 - 前記取得部は、前記降下速度を、アノードに流入する前におけるアノードガスの圧力の変化に基づき取得する
請求項1から請求項8までの何れか一項に記載の燃料電池システム。 - カソードガスとして空気を外部から吸入し、加湿せずにカソードに供給する
請求項1から請求項9までの何れか一項に記載の燃料電池システム。
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JP2014100150A JP2015219949A (ja) | 2014-05-14 | 2014-05-14 | 燃料電池システム |
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Cited By (2)
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2014
- 2014-05-14 JP JP2014100150A patent/JP2015219949A/ja not_active Withdrawn
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JP2020017435A (ja) * | 2018-07-26 | 2020-01-30 | トヨタ自動車株式会社 | 燃料電池システム |
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