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JP2015218321A - インナーライナー用ゴム組成物 - Google Patents

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JP2015218321A
JP2015218321A JP2014105068A JP2014105068A JP2015218321A JP 2015218321 A JP2015218321 A JP 2015218321A JP 2014105068 A JP2014105068 A JP 2014105068A JP 2014105068 A JP2014105068 A JP 2014105068A JP 2015218321 A JP2015218321 A JP 2015218321A
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和田 智之
Tomoyuki Wada
智之 和田
芦浦 誠
Makoto Ashiura
誠 芦浦
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Abstract

【課題】空気透過防止性能を改良しながら、低転がり抵抗性および耐クラック成長性を従来レベル以上に向上するようにしたインナーライナー用ゴム組成物を提供する。
【解決手段】ブチルゴムおよび/またはハロゲン化ブチルゴムを70〜100重量%、天然ゴムを0〜30重量%含むジエン系ゴム100重量部に対し、窒素吸着比表面積N2SAが25〜95m2/gであるカーボンブラックを40〜80重量部、板状無機充填剤を15〜85重量部、ファルネセン重合体を2〜10重量部、石油系樹脂および/または芳香族系樹脂を5〜15重量部配合したことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、空気透過防止性能を改良しながら、低転がり抵抗性および耐クラック成長性を従来レベル以上に向上するようにしたインナーライナー用ゴム組成物に関する。
近年、ラベリング制度の導入などに見られるように、空気入りタイヤの転がり抵抗を小さくすることが求められている。転がり抵抗を低減する一つの手法として、経時でのタイヤ内圧の低下を抑制し適正な空気圧を確保することが挙げられる。
タイヤ内圧の低下抑制は、インナーライナーの厚さを増加させて空気透過防止性能を高めることで達成できるが、タイヤ重量が増加するので転がり抵抗が悪化する。
空気透過防止性能を改良するため、特許文献1は、平均粒子径が25〜100μmかつアスペクト比が25〜100であるマイカを配合したインナーライナー用ゴム組成物を提案している。またインナーライナー用ゴム組成物中の可塑剤を減量することにより空気透過防止性能を改良することができる。
しかし、マイカなどの無機充填剤を配合したり、可塑剤を減量したりすると、インナーライナー用ゴム組成物の耐クラック成長性が低下するという問題がある。また無機充填剤の比重が大きいため、タイヤ重量が増加し転がり抵抗が増大する問題がある。このため、空気透過防止性能と、低転がり抵抗性および耐クラック成長性とを両立することは困難であった。
特開2009−138135号公報
本発明の目的は、空気透過防止性能を改良しながら、低転がり抵抗性および耐クラック成長性を従来レベル以上に向上するようにしたインナーライナー用ゴム組成物を提供することにある。
上記目的を達成する本発明のインナーライナー用ゴム組成物は、ブチルゴムおよび/またはハロゲン化ブチルゴムを70〜100重量%、天然ゴムを0〜30重量%含むジエン系ゴム100重量部に対し、窒素吸着比表面積N2SAが25〜95m2/gであるカーボンブラックを40〜80重量部、板状無機充填剤を15〜85重量部、ファルネセン重合体を2〜10重量部、石油系樹脂および/または芳香族系樹脂を5〜15重量部配合したことを特徴とする。
本発明のインナーライナー用ゴム組成物は、ブチルゴムおよび/またはハロゲン化ブチルゴムを主成分にするジエン系ゴムに、カーボンブラック、板状無機充填剤、ファルネセン重合体並びに石油系樹脂および/または芳香族系樹脂を配合したので、空気透過防止性能を改良しながら、低転がり抵抗性および耐クラック成長性を従来レベル以上に向上することができる。さらにファルネセン重合体を配合することにより、隣接するタイゴムなどとの接着性を高くすることができる。
前記板状無機充填剤としては、その粒子径が4.9〜7.5μm、下記式(1)により表されるアスペクト比Arが2.4〜3.4であるとよい。
Ar=(Ds−Dl)/Ds (1)
(式中、Arはアスペクト比、Dsは遠心沈降法で測定された累積分布により求められた50%粒子径、Dlはコヒーレント光のレーザー回折法で測定された累積分布により求められた50%粒子径を表す。)
本発明のインナーライナー用ゴム組成物を、インナーライナーに使用した空気入りタイヤは、空気透過防止性能を改良しながら、低転がり抵抗性および耐クラック成長性を従来レベル以上に向上することができる。
本発明のインナーライナー用ゴム組成物において、ゴム成分はジエン系ゴムからなり、ブチルゴムおよび/またはハロゲン化ブチルゴムを主成分とし、任意に天然ゴムを含む。ブチルゴムおよび/またはハロゲン化ブチルゴムを主成分とすることにより、空気透過防止性能を高くすることができる。ブチルゴムおよび/またはハロゲン化ブチルゴムの含有量は、ジエン系ゴム重量%中70〜100重量%、好ましくは80〜100重量%である。
本発明において、天然ゴムの含有量は、ジエン系ゴム重量%中0〜30重量%、好ましくは0〜20重量%である。天然ゴムを含むことにより、ゴム組成物の耐クラック成長性を改良することができる。天然ゴムの含有量が30重量%を超えると、空気透過防止性能が低下する。
ジエン系ゴムは、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴムおよび天然ゴムで100重量%になるように組成することができる。或いは、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴムおよび天然ゴム以外の他のジエン系ゴムを含有することもできる。他のジエン系ゴムとしては、例えばイソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム等が挙げられ、単独又は複数のブレンドとして使用することができる。ただし、天然ゴムおよび他のジエン系ゴムの含有量の合計は、30重量%以下であるものとする。
本発明のインナーライナー用ゴム組成物は、カーボンブラックを配合することにより、耐クラック成長性を高くする。カーボンブラックの配合量は、ジエン系ゴム100重量に対し40〜80重量部、好ましくは45〜75重量部である。カーボンブラックの配合量が40重量部未満であると、ゴム組成物の補強性が十分に得られず、耐クラック成長性が不足する。またカーボンブラックの配合量が80重量部を超えると、転がり抵抗が大きくなる。また耐クラック成長性およびタイゴムとの接着性が低下する。
本発明で使用するカーボンブラックは、窒素吸着比表面積N2SAが25〜95m2/g、好ましくは30〜55m2/gである。N2SAが25m2/g未満であると、ゴム組成物のゴム強度、動的弾性率などの機械的特性が低下し、耐クラック成長性が不足する虞がある。N2SAが95m2/gを超えると、転がり抵抗が大きくなる。また耐クラック成長性およびタイゴムとの接着性が低下する。N2SAは、JIS K6217−2に準拠して、測定するものとする。このようなカーボンブラックは、GPF級〜HAF級のなかから適宜、選んで使用することができる。
インナーライナー用ゴム組成物は、板状無機充填剤を配合することにより、空気透過防止性能をより優れたものにする。板状無機充填剤の配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対し15〜85重量部、好ましくは20〜50重量部である。板状無機充填剤の配合量を15重量部以上にすることにより空気透過防止性能を改良することができる。また板状無機充填剤の配合量を85重量部以下にすることにより、タイヤにしたとき重量の増加を抑制することができる。また耐クラック成長性およびタイゴムとの接着性を確保することができる。
板状無機充填剤の粒子径は好ましくは4.9〜7.5μm、より好ましくは5.5〜7.1μmである。板状無機充填剤の粒子径を4.9μm以上にすることにより、耐空気透過性を優れたものにすることができる。また板状無機充填剤の粒子径を7.5μm以下にすることにより、ゴム組成物での耐クラック成長性を悪化させないようにすることができる。本明細書において、板状無機充填剤の粒子径はレーザー回折法により測定したメディアン径(Dl:粒子径累積分布で50%のものの粒子径)である。
板状無機充填剤のアスペクト比Arは好ましくは2.4〜3.4、より好ましくは2.6〜3.0である。板状無機充填剤のアスペクト比Arを2.4以上にすることにより、空気の透過性を十分に抑制することができる。また板状無機充填剤のアスペクト比Arを3.4以下にすることにより、ゴム組成物の耐クラック成長性を悪化させないことができる。板状無機充填剤のアスペクト比Arは、下記式(1)により測定することができる。
Ar=(Ds−Dl)/Ds (1)
(式中、Arはアスペクト比、Dsは遠心沈降法で測定された累積分布により求められた50%粒子径、Dlはコヒーレント光のレーザー回折法で測定された累積分布により求められた50%粒子径を表す。)
遠心沈降法で測定された50%粒子径Dsは、例えばマイクロメリテックス計器社製セディグラグ5100粒子径測定装置を使用して測定することができる。またコヒーレント光のレーザー回折法で測定された50%粒子径Dlは、マルバーン社製レーザー・マルバーン・マスターサイザー2000回折式粒子分布測定装置を使用して測定することができる。
板状無機充填剤の種類としては、上述した粒子径及びアスペクト比Arの範囲を満たす限り特に限定されるものではない。板状無機充填剤としては、例えば扁平タルク、マイカ、クレー、瀝青炭等を例示することができる。なかでも扁平タルク、クレーが好ましい。
板状無機充填剤は、市販されているものを使用することができ、例えばImerys社製HARtalcを例示することができる。
本発明のインナーライナー用ゴム組成物は、ファルネセン重合体を配合することにより、転がり抵抗を小さくし、耐クラック成長性を高くすることができる。ファルネセン重合体は、ジエン系ゴムとの親和性が高く、かつ常温からインナーライナー用ゴム組成物の加工温度において液状で浸透性に優れることから、板状無機充填剤の分散性を改良することができる。またファルネセン重合体は、比較的高分子量であるとともに架橋性構造を有するため、加硫後にインナーライナー用ゴム組成物の引張り破断特性を従来レベル以上に高くし、耐クラック成長性を改良することができる。
ファルネセン重合体とは、α−ファルネセンの重合体、β−ファルネセンの重合体またはα−ファルネセンおよびβ−ファルネセンの共重合体であり、好ましくはβ−ファルネセンの重合体であるとよい。またファルネセンの重合体は、α−ファルネセンおよび/またはβ−ファルネセンを由来とする構成単位が、好ましくは90重量%以上、より好ましくは95重量%以上、より好ましくは100重量%であり、ブタジエン、イソプレン等の他のモノマー由来の構成単位を含んでもよい。
ファルネセン重合体の配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対し、2〜10重量部、好ましくは2〜5重量部である。ファルネセン重合体の配合量が2重量部未満であると、低転がり抵抗性および耐クラック成長性を改良する効果が十分に得られない。またファルネセン重合体の配合量が10重量部を超えると、空気透過防止性能が低下する。
ファルネセン重合体の重量平均分子量は、特に制限されるものではないが、好ましくは2000〜25000、より好ましくは2500〜20000であるとよい。ファルネセン重合体の重量平均分子量が2000未満であると、ゴム組成物のゴム硬度が低下し、さらにゴム組成物からブリードアウトしやすくなる。またファルネセン重合体の重量平均分子量が25000を超えると加工性が悪化する。
ファルネセン重合体の分子量分布(Mw/Mn;Mwは重量平均分子量、Mnは数平均分子量)は、好ましくは1.0〜2.0、より好ましくは1.0〜1.5、さらに好ましくは1.0〜1.3であるとよい。ファルネセン重合体の分子量分布がこのような範囲内であると、粘度のばらつきが小さくなる。本明細書においてファルネセン重合体の重量平均分子量Mwおよび数平均分子量Mnは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定し標準ポリスチレン換算により求めるものとする。
ファルネセン重合体の溶融粘度は、好ましくは0.1〜3.5Pa・s、より好ましくは0.1〜2Pa・s、さらに好ましくは0.1〜1.5Pa・sであるとよい。ファルネセン重合体の溶融粘度がこのような範囲内であると、ゴム組成物の混練が容易になり板状無機充填剤の分散性が向上する。本明細書において、ファルネセン重合体の溶融粘度は、ブルックフィールド型粘度計により測定した38℃における溶融粘度である。
ファルネセン重合体は、通常の方法で合成することができ、例えば乳化重合法、溶液重合法を例示することができ、好ましくは溶液重合法で合成するとよい。
本発明において、石油系樹脂および/または芳香族系樹脂を配合する。石油系樹脂および芳香族系樹脂を配合することにより、耐クラック成長性およびタイゴムに対する接着性を改良することができる。
石油系樹脂および芳香族系樹脂の配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対し5〜15重量部、好ましくは7〜12重量部である。石油系樹脂および芳香族系樹脂の配合量が5重量部未満であると、耐クラック成長性およびタイゴムへの接着性を十分に改良することができない。また石油系樹脂および芳香族系樹脂の配合量が15重量部を超えると、空気透過防止性能が低下する。また転がり抵抗が大きくなる。
本明細書において、石油系樹脂は、原油を蒸留、分解、改質などの処理をして得られた成分を重合して製造される芳香族系炭化水素樹脂あるいは飽和または不飽和脂肪族系炭化水素樹脂である。石油系樹脂として、例えばC5系石油樹脂(イソプレン、1,3−ペンタジエン、シクロペンタジエン、メチルブテン、ペンテンなどの留分を重合した脂肪族系石油樹脂)、C9系石油樹脂(α−メチルスチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエンなどの留分を重合した芳香族系石油樹脂)、C5C9共重合石油樹脂などが例示される。
また芳香族系樹脂は、芳香族系炭化水素からなるセグメントを少なくとも1つ有する重合体であり、クマロン樹脂、フェノール樹脂、アルキルフェノール樹脂、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂、ノボラック系樹脂、レゾール系樹脂などをあげることができる。これらの樹脂は、単独又は複数のブレンドとして使用することができる。なお上述したC9系石油樹脂は、芳香族系炭化水素樹脂であるが、本明細書では石油系樹脂に分類するものとする。
本発明のインナーライナー用ゴム組成物には、加硫又は架橋剤、加硫促進剤、各種オイル、老化防止剤、可塑剤などのタイヤ用ゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練してゴム組成物とし、加硫又は架橋することができる。これらの添加剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。本発明のインナーライナー用ゴム組成物は、通常のゴム用混練機械、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等を使用して、上記各成分を混合することによって製造することができる。
本発明のインナーライナー用ゴム組成物は、空気入りタイヤにおけるインナーライナーに好適に使用することができ、空気透過防止性能と、低転がり抵抗性および耐クラック成長性とのバランスを優れたものにすることができる。
以下、実施例によって本発明をさらに説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
表3に示す配合剤を共通配合とし、表1,2に示す配合からなる17種類のゴム組成物(実施例1〜9、比較例1〜8)を調製するに当たり、それぞれ硫黄及び加硫促進剤を除く成分を秤量し、1.8Lの密閉型ミキサーで5分間混練した後、そのマスターバッチを放出し室温冷却した。このマスターバッチを1.8Lの密閉型ミキサーに供し、硫黄及び加硫促進剤を加え、混合しインナーライナー用ゴム組成物を得た。なお表3の共通成分の配合量は、表1,2に示すジエン系ゴム100重量部に対する重量部として記載した。
得られた17種類のゴム組成物を使用して空気透過防止性能および接着性を下記に示す方法により評価した。
空気透過防止性能
得られたインナーライナー用ゴム組成物を用いて、幅15.0cm、厚さ2.0mmのゴムシートを押出成形し、これを加硫した。得られた加硫シートを使用して、JIS K 7126に基づき、通気度の試験を行った。得られた結果は、比較例1値を100とする指数として「空気透過防止性」の欄に示した。この指数が大きいほど空気透過防止性能が優れることを意味する。
接着性
得られたインナーライナー用ゴム組成物を用いて、幅15.0cm、厚さ2.0mmのゴムシートを押出成形しインナーライナーの未加硫シートとした。
また表4に示すタイゴム用ゴム組成物を調製するに当たり、それぞれ硫黄及び加硫促進剤を除く成分を秤量し、1.8Lの密閉型ミキサーで5分間混練した後、そのマスターバッチを放出し室温冷却した。このマスターバッチを1.8Lの密閉型ミキサーに供し、硫黄及び加硫促進剤を加え、混合しゴム組成物を得た。得られたタイゴム用ゴム組成物を用いて、幅15.0cm、厚さ2.0mmのゴムシートを押出成形しタイゴムの未加硫シートとした。
上記で得られたインナーライナーの未加硫シートおよびタイゴムの未加硫シートを張り合わせ、170℃で10分間プレス加硫し、積層シートを作成した。得られた積層シートを使用して、JIS K6253に準拠し、温度23℃、湿度60%の条件で剥離試験を行い、剥離強度を測定した。得られた結果は、比較例1の値を100にする指数とし、表1,2の「接着性」の欄に示した。この指数が大きいほどタイゴムとの接着性が優れることを意味する。
得られた17種類のインナーライナー用ゴム組成物を所定の金型中で、170℃で10分間プレス加硫してインナーライナー用ゴム組成物からなる加硫ゴムサンプルを作成した。得られた加硫ゴムサンプルを用いて、耐クラック成長性および転がり抵抗(60℃のtanδ)を下記に示す方法により評価した。
耐クラック成長性
得られた加硫ゴムサンプルを用いて、JIS K6260のデマッチャ屈曲亀裂成長試験に準拠し、ストローク57mm、速度300±10rpm、屈曲回数10万回後の亀裂成長[単位mm]を測定した。得られた結果は比較例1の逆数を100にする指数とし、表1,2の「耐クラック性」の欄に示した。この指数が大きいほど亀裂成長が小さく、耐クラック性が優れることを意味する。
転がり抵抗
得られた加硫ゴムサンプルの転がり抵抗を、発熱性の指標であることが知られている損失正接tanδ(60℃)により評価した。tanδ(60℃)は、東洋精機製作所社製粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪み10%、振幅±2%、周波数20Hz、温度60℃の条件下で測定した。得られた結果は比較例1の値を100とする指数として、表1,2に示した。tanδ(60℃)の指数が小さいほど、発熱が小さく空気入りタイヤにしたとき転がり抵抗が小さく燃費性能が優れることを意味する。
Figure 2015218321
Figure 2015218321
なお、表1において使用した原材料の種類を下記に示す。
Br−IIR:臭素化ブチルゴム、エクソンモービル社製EXXON BROMOBUTYL 2255
カーボンブラック1:東海カーボン社製シーストSOP、窒素吸着比表面積が40m2/g
カーボンブラック2:東海カーボン社製シースト9M、窒素吸着比表面積が150m2/g
石油系樹脂:トーネックス社製石油系樹脂エスコレッツ1102(C5炭化水素留分重合物)
芳香族系樹脂:AIR WATER社製F−120
板状無機充填剤1:Imerys社製HARtalc、粒子径=5.7μm、アスペクト比Ar=4.7
板状無機充填剤2:日本ミストロン社製Mistron Vapor、粒子径=4.8μm、アスペクト比Ar=0.65
板状無機充填剤3:クレー、山陽クレー工業社製カタルポY−K、粒子径=8.0μm、アスペクト比Ar=約0.85
ファルネセン重合体1:下記の合成例1により重合されたβ−ファルネセンの重合体、重量平均分子量が140000、分子量分布が1.2、溶融粘度が69Pa・s
ファルネセン重合体2:下記の合成例2により重合されたβ−ファルネセンの重合体、重量平均分子量が10000、分子量分布が1.1、溶融粘度が0.9Pa・s
合成例1(ファルネセン重合体1の重合)
窒素置換し、乾燥させた耐圧容器に、ヘキサン274g、n−ブチルリチウム(17重量%ヘキサン溶液)1.2gを仕込み、50℃に昇温した後、β−ファルネセン272gを加えて1時間重合した。得られた重合反応液にメタノールを添加後、重合反応液を水で洗浄した。水を分離して、重合反応液を70℃で12時間乾燥することにより、ファルネセン重合体1を得た。
合成例2(ファルネセン重合体2の重合)
窒素置換し、乾燥させた耐圧容器に、シクロヘキサン241g、sec−ブチルリチウム(10.5重量%シクロヘキサン溶液)28.3gを仕込み、50℃に昇温した後、β−ファルネセン342gを加えて1時間重合した。得られた重合反応液にメタノールを添加後、重合反応液を水で洗浄した。水を分離して、重合反応液を70℃で12時間乾燥することにより、ファルネセン重合体2を得た。
なお、板状無機充填剤1〜3の粒子径は、マルバーン社製レーザー・マルバーン・マスターサイザー2000回折式粒子分布測定装置を使用して測定した。また板状無機充填剤1〜3のアスペクト比Arは、マイクロメリテックス計器社製セディグラグ5100粒子径測定装置を使用して遠心沈降法で50%粒子径Dsを測定し、マルバーン社製レーザー・マルバーン・マスターサイザー2000回折式粒子分布測定装置を使用して50%粒子径Dlを測定し、下記式(1)により求めた。
Ar=(Ds−Dl)/Ds (1)
(式中、Arはアスペクト比、Dsは遠心沈降法で測定された累積分布により求められた50%粒子径、Dlはコヒーレント光のレーザー回折法で測定された累積分布により求められた50%粒子径を表す。)
Figure 2015218321
なお、表3において使用した原材料の種類を下記に示す。
オイル:昭和シェル石油社製エキストラクト4号S
酸化亜鉛1:正同化学工業社製酸化亜鉛3種
ステアリン酸1:日油社製ビーズステアリン酸
老化防止剤1:ランクセス社製VULKANOX HS/LG
硫黄1:鶴見化学工業社製金華印油入微粉硫黄(硫黄の含有量が95.24重量%)
加硫促進剤1:三新化学工業社製サンセラーDM−PO
Figure 2015218321
なお、表4において使用した原材料の種類を下記に示す。
天然ゴム:TSR20
カーボンブラック3:東海カーボン社製シースト300、HAF級、窒素吸着比表面積(N2SA)=77m2/g
酸化亜鉛2:東邦亜鉛社製ギンレイR
老化防止剤2:精工化学社製オゾノン6C
硫黄2:フレキシス社製クリステックHSOT20
加硫促進剤2:大内振興化学工業社製ノクセラーDZ-G
表1,2から明らかなように実施例1〜9のゴム組成物は、空気透過防止性能、タイゴムへの接着性、耐クラック成長性および低転がり抵抗性が従来レベル以上に向上することが確認された。
比較例1のゴム組成物は、板状無機充填剤およびファルネセン重合体を配合しない基準となる配合である。
比較例2のゴム組成物は、比較例1のゴム組成物に板状無機充填剤を配合したので、空気透過防止性能が改良したが、耐クラック成長性、タイゴムへの接着性および転がり抵抗が悪化した。
比較例3のゴム組成物は、比較例2のゴム組成物の石油系樹脂を減量したので、空気透過防止性能が改良したが、耐クラック成長性およびタイゴムへの接着性が悪化した。
比較例4のゴム組成物は、ファルネセン重合体の配合量が2重量部未満であるので耐クラック成長性およびタイゴムへの接着性を改良する効果が不充分であり、転がり抵抗も大きい。
比較例5のゴム組成物は、板状無機充填剤を配合しないので、空気透過防止性能が劣る。
比較例6のゴム組成物は、カーボンブラックの配合量が40重量部未満であるので、耐クラック成長性が悪化する。
比較例7のゴム組成物は、カーボンブラック2の窒素吸着比表面積N2SAが95m2/gを超えるので、耐クラック成長性、タイゴムへの接着性および転がり抵抗が劣る。
比較例8のゴム組成物は、石油系樹脂の配合量が15重量部を超えるので、空気透過防止性能および転がり抵抗が悪化する。

Claims (3)

  1. ブチルゴムおよび/またはハロゲン化ブチルゴムを70〜100重量%、天然ゴムを0〜30重量%含むジエン系ゴム100重量部に対し、窒素吸着比表面積N2SAが25〜95m2/gであるカーボンブラックを40〜80重量部、板状無機充填剤を15〜85重量部、ファルネセン重合体を2〜10重量部、石油系樹脂および/または芳香族系樹脂を5〜15重量部配合したことを特徴とするインナーライナー用ゴム組成物。
  2. 前記板状無機充填剤が、その粒子径が4.9〜7.5μm、下記式(1)により表されるアスペクト比Arが2.4〜3.4であることを特徴とする請求項1に記載のインナーライナー用ゴム組成物。
    Ar=(Ds−Dl)/Ds (1)
    (式中、Arはアスペクト比、Dsは遠心沈降法で測定された累積分布により求められた50%粒子径、Dlはコヒーレント光のレーザー回折法で測定された累積分布により求められた50%粒子径を表す。)
  3. 請求項1または2に記載のインナーライナー用ゴム組成物を、インナーライナーに使用したことを特徴とする空気入りタイヤ。
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