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JP2015215947A - 非水電解質二次電池用電極及び非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池用電極及び非水電解質二次電池 Download PDF

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歩 ▲高▼岡
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幸正 丹羽
Yukimasa Niwa
幸正 丹羽
立石 和幸
Kazuyuki Tateishi
和幸 立石
将人 倉津
Masato Kuratsu
将人 倉津
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Abstract

【課題】電極合剤内の導電助剤の分散性を高め、少ない導電助剤量で高容量を発現する。
【解決手段】スピネル型マンガン酸リチウムを主成分とする電極活物質、導電助剤及びバインダーを含む電極合剤を集電体上に塗工した非水電解質二次電池用電極であって、(1)電極に塗工された電極合剤の断面に対し、顕微鏡分析を実施して得られた炭素元素マップ画像から所定の面積の画像をN個抽出し、この分割単位画像一つあたりの導電助剤の総面積をそれぞれ求め、この総面積の最大値と最小値の差を、一分割単位画像における平均の導電助剤総面積で割ったパーセント値が100%以下である。(2)炭素元素マップ画像における導電助剤の凝集体の最大面積が400μm2以上、1000μm2以下である。(3)塗工乾燥直後の電極のシート抵抗が40Ω以下である。
【選択図】図3

Description

本発明は、非水電解質二次電池に関するものである。
近年、スマートフォン、携帯電話機などの携帯機器、ハイブリッド自動車、電気自動車、家庭用蓄電用途に非水電解質二次電池の研究開発が盛んにおこなわれている。これらの分野に用いられる非水電解質二次電池は、安全性の高さが求められており、その要求を満たすため、正極活物質に熱安定性の高いスピネル型マンガン酸化物を用いた電池が開発されている。
スピネル型マンガン酸化物は熱安定性に優れ、安価であり、体積膨張なども少ないことから長寿命性に優れるが、この材料は電子導電性に乏しいので、非水電解質二次電池に求められる出力特性を得ることが困難であった。そこで、電子導電性を賦与するため、スピネル型マンガン酸化物の他に炭素材料などの導電助剤が添加された電極が用いられている(特許文献1)。
また、非水電解質二次電池には、出力特性の他にエネルギー密度の向上も求められるので、電池容量に貢献しない導電助剤、及び後述のバインダーを削減する必要がある。しかしながら、前記導電助剤は、電極活物質、導電助剤、及びバインダーからなる電極合剤の内部で凝集・偏在しやすいため、前記導電助剤を削減すると、電極合剤を集電体に塗布した電極の内部の電子導電性が極端に低下することから、所望の出力特性を得ることが困難であった。
この課題を解決するため、特許文献1では、二次電池電極において、集電体近傍の電極合剤と電極表面の電極合剤、それぞれの導電助剤量の差を一定範囲内に規定することによって、電極合剤内抵抗を低減した電極が開発されている。また、特許文献2では、集電体上に上下二層から形成される電極合剤の、上層と下層の導電助剤量の差を一定範囲内に規定することで、安全性、及び電極性能に優れる電極が開発されている。特許文献3は、集電体の上に形成される負極合剤層を有する非水電解質二次電池用負極であって、負極合剤層は負極下層合剤層および負極上層合剤層で構成され、負極下層合剤層は負極活物質を含み、負極上層合剤層は導電剤およびバインダを含む構成を開示している。特許文献4では、負極活物質層の表面からSEM像を観察した際における負極活物質粒子の平均粒子面積を規定している。
特開2008−16378号公報 特開2013−161732号公報 特開2013−20777号公報 特開2009−245649号公報
前記特許文献1,2は、電極内の単体の導電助剤の量を規定しているのみである。
特許文献3の電極は、SEM及びEDX分析に基づくが、導電助剤およびバインダが、負極上層合剤層の表面側に偏在している。特許文献4は、SEM像に基づいて負極活物質粒子の平均粒子面積を観察しているが、観察対象が負極集電体および負極活物質層の積層方向から観察した電極の表面における負極活物質粒子である。
しかし実際には複数の導電助剤が集まって凝集体を構成していることが多く、この凝集体が電極合剤の中で均一に分布していない場合、すなわち表面状態のみならず、電極合剤内部においても凝集体が均一に分布していない場合は、所定の特性を得ることは困難である。また、導電助剤の凝集体の大きさにも一定範囲の制限があるべきであると考えられる。一定範囲よりも大きな凝集体が多く存在する場合、導電助剤が存在しない部分の割合も大きくなり、電極の抵抗が増大するため、電池の出力が低下すると予想される。一定範囲よりも小さい導電助剤の凝集体が多く存在する場合、凝集体が均一に分布しても、電極が集電体から容易に剥がれ落ち安くなることが予想される。
前記事情に鑑み、本発明者が検討を重ねた結果、非水電解質二次電池用電極の断面における導電助剤の凝集体の大きさ、分布状態、及び電極の抵抗値の範囲を規定することによって、非水電解質二次電池が安定した所望の出力特性を発現することを見出した。
さらに、前記問題点の解決に加えて、高温での充放電サイクル試験中に発生するガス量が飛躍的に低減することも新たに見出した。
すなわち、本発明の非水電解質二次電池用電極は、スピネル型マンガン酸リチウムを主成分とする電極活物質、導電助剤及びバインダーを含む電極合剤を集電体上に塗工した電極であって、以下の特徴(1)〜(3)を全て満たすものである。
(1)集電体上に塗工され乾燥した電極合剤の断面に対し、顕微鏡分析を実施して得られた炭素元素マップ画像から所定の面積の画像をN個(Nは2以上の整数)抽出し(抽出した画像を以下「分割単位画像」という)、この分割単位画像一つあたりの導電助剤の総面積をそれぞれ求め、この総面積の最大値と最小値の差を、前記一分割単位画像あたりの平均の導電助剤総面積で割ったパーセント値が100%以下である。
(2)炭素元素マップ画像における導電助剤の凝集体の最大面積が400μm2以上、1000μm2以下である。
(3)塗工乾燥直後の電極のシート抵抗が40Ω以下である。
塗工乾燥直後の集電体を除いた電極の密度が1.45g/cm3以上であることが好ましい。
前記電極活物質100重量部に対して前記導電助剤の量が1重量部以上5重量部以下であることが好ましい。
前記一分割単位画像の面積が、集電体上に塗工され乾燥した前記電極合剤の厚みの関数として規定された値になっていることが好ましい。
なお、以下の発明を実施するための形態及び実施例では、本発明の非水電解質二次電池用電極を非水電解質二次電池の正極に用いる場合を示しているが、電位の高い他の正極活物質電極と組み合わせることによって、本発明のスピネル型マンガン酸リチウム電極を負極に用いることも可能である。
本発明によれば、1重量部以上5重量部以下の導電助剤量を用いて、導電助剤が均一に分散され、偏在が少なく、電極の抵抗も少ない非水電解質二次電池用電極を得ることができる。また、この非水電解質二次電池用電極を用いて作製された非水電解質二次電池は、エネルギー出力密度が高い。
集電体の片面に塗工され乾燥した正極合剤の断面の炭素元素マップ画像を示す図である。 図1の画像に二値化処理を施した画像を示す。 図2の画像を9等分した画像である。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図されている。
<1.正極>
本発明の非水電解質二次電池に用いる正極は、集電箔上に、少なくとも正極活物質が含まれる正極活物質層が形成されている。この正極活物質層の性能向上のために、導電助材やバインダーが含まれてもよい。
本発明の電極に用いる正極活物質のスピネル型マンガン酸リチウムはLi1+xMn2-x-y(0≦x≦0.2、0<y≦0.4、Mは2〜13族かつ第3、4周期に属する元素)で表される化合物である。ここでのMは、2〜13族でかつ第3〜4周期に属する元素から選ばれる少なくとも1種であるが、マンガン溶出などが起こりにくく、安定性向上の効果が大きい点から、Al、Mg、Zn、Ni、Co、Fe及びCrが好ましく、Al、Mg、Zn、Ni及びCrがより好ましく、Al、Mg、Zn及びNiがさらに好ましい。x<0の場合は、正極活物質の容量が減少する傾向がある。また、x>0.2の場合は炭酸リチウムなどの不純物が多く含まれるようになる傾向がある。y=0の場合は、正極活物質の安定性が低くなる傾向がある。
これらの中でも、後述の導電助剤の凝集体大きさ、及び分散状態の組み合わせで、出力特性の向上、ガス発生減少の効果が大きいことから、Li1+xAlMn2-x-y(0≦x≦0.1、0<y≦0.1)、Li1+xMgMn2-x-y(0≦x≦0.1、0<y≦0.1)、Li1+xZnMn2-x-y(0≦x≦0.1、0<y≦0.1)、Li1+xCrMn2-x-y(0≦x≦0.1、0<y≦0.1)から選ばれる1種が好ましい。より大きい効果が得られる、Li1+xAlMn2-x-y(0≦x≦0.1、0<y≦0.1)、Li1+xMgMn2-x-y(0≦x≦0.1、0<y≦0.1)が特に好ましい。
Li1+xMn2-x-y(0≦x≦0.2、0<y≦0.4、Mは2〜13族でかつ第3〜4周期に属する元素からなる群から選ばれる少なくとも1種)の粒子径は、0.5μm以上50μm以下であることが好ましく、5μm以上30μm以下であることが取り扱いの観点からさらに好ましい。ここでの粒子径はSEM、TEM像から各粒子の大きさを測定し、平均粒子径を算出した値である。
Li1+xMn2-x-y(0≦x≦0.2、0<y≦0.4、Mは2〜13族でかつ第3〜4周期に属する元素からなる群から選ばれる少なくとも1種)の比表面積は、0.1m/g以上50m/g以下であることは所望の出力密度を得やすいことから好ましい。比表面積はBET法での測定により算出できる。
Li1+xMn2-x-y(0≦x≦0.2、0<y≦0.4、Mは2〜13族でかつ第3〜4周期に属する元素からなる群から選ばれる少なくとも1種)の嵩密度は、0.2g/cm3以上2.0g/cm3以下であることが好ましい。0.2g/cm3未満の場合では後述のスラリー作製時に多量の溶媒が必要となるため経済的に不利となり、2.0g/cm3より大きい場合では後述の導電助剤、バインダーとの混合が困難となる傾向がある。
本発明の正極には、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム等に代表される層状化合物、及びオリビン型リン酸鉄に代表されるオリビン型正極活物質もある程度含まれていても良い。これら正極活物質は1種類でもよいし、2種類以上用いてもよい。
本発明の正極は導電助剤を含有する。導電助剤としては、特に限定されないが、炭素材料が好ましい。例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、気相成長炭素繊維、カーボンナノチューブ、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、及びファーネスブラックなどが挙げられ、結晶性が高く不純物が少ないことからアセチレンブラックがより好ましい。これら炭素材料は1種類でもよいし、2種類以上用いてもよい。
本発明の正極に含まれる導電助剤の量は、正極活物質100重量部に対して、好ましくは0.1重量部以上5重量部以下である。導電助剤の量が5重量部を超える場合は非水電解質二次電池のエネルギー密度低下に繋がり、0.1重量部未満の場合は、正極の導電性が確保されない場合がある。
1重量部以上であれば、後述の非水電解質二次電池の充放電における、電極合剤内の電位分布が少なく、電解液との副反応が抑制されるため、後述のようにガス発生抑制の効果が大きいので、より好ましい。
本発明の正極にはバインダーを含有させてよい。バインダーは、特に限定されないが、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレン−ブタジエンゴム、ポリイミド、及びそれらの誘導体からなる群からえらばれる少なくとも1種を用いることができる。バインダーは正極の作製しやすさから、非水溶媒又は水に溶解又は分散されていることが好ましい。非水溶媒は、特に限定されないが、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、及びテトラヒドロフランなどを挙げることができる。これらに分散剤、増粘剤を加えてもよい。
本発明の正極に含まれるバインダーの量は、正極活物質と導電助剤との接着性が維持され、集電体との接着性が十分に得ることができることから、正極活物質100重量部に対して好ましくは1重量部以上10重量部以下であり、エネルギー密度を維持しつつ、集電体からの電極合剤剥離を抑制できることから、より好ましくは1重量部以上5重量部以下である。
本発明の正極に用いる集電体は、アルミニウム又はその合金であることが好ましい。前記アルミニウムは、正極反応雰囲気下で安定であることから、特に限定されないが、JIS規格1030、1050、1085、1N90、1N99等に代表される高純度アルミニウムであることが好ましい。
集電体の厚みは、特に限定されないが、10μm以上100μm以下であることが好ましい。10μm未満では作製の観点から取り扱いが困難となり、100μmより厚い場合は経済的観点から不利になる。なお、集電体は、アルミニウム以外の金属(銅、SUS、ニッケル、チタン、及びそれらの合金)の表面にアルミニウムを被覆したものも用いることもできる。
本発明の電極は次の特徴を有する。
(1)圧延後の電極の断面に対し、後述の条件でSEM及びEDX分析を実施し、実施した後に得られる炭素元素マップ画像に画像処理を施し、その画像から所定の面積の画像をN個(Nは2以上の整数)抽出し(抽出した画像を以下「分割単位画像」という)、この分割単位画像一つあたりの導電助剤の総面積をそれぞれ求め、この総面積の最大値と最小値の差を、一分割単位画像あたりの平均の導電助剤総面積で割ったパーセント値(面積差分散という)が100%以下である。
ここで、電極の断面とは、電極をその積層方向(電極の平面に垂直な方向)に沿って切った断面のことである。分割単位画像は所定の面積があれば、その形状は任意であり、長方形でも、三角例でも、円形でもよい。
分割単位画像の選び方は任意であるが、電極の積層方向に連続して選ぶこととすれば、電極の積層方向に沿った分布を測定することができる。電極の平面方向に連続して選ぶこととすれば、電極の平面方向に沿った分布を測定することができる。例えば、炭素元素マップ画像を9等分する時(すなわちNが9の場合)は、図3に示すように、電極の長さ方向に3分割、積層方向に3分割すれば、9個のサンプルが簡単に得られる。
「面積差分散」の求め方は次のとおりである。すなわち、分割単位画像をAi (i=1,...,N)で表し、分割単位画像Ai の中の導電助剤の総面積をSi (i=1,...,N)とする。Siの最大値をSmaxとし、最小値をSminとする。「面積差分散」は次のようにして求められる。
面積差分散=(Smax−Smin)/mean{Si}
mean{Si}=(ΣSi)/N
ここでΣは、i=1からi=Nまでの総和を意味する。
この「面積差分散」の定義から分かるように、導電助剤の分散が不十分である場合、最大値と最小値の数値にかなりの違いが出る。「面積差分散」の分母は、導電助剤の平均面積としているので、最大値と最小値の差が、平均面積より大きくなることもある。その場合「面積差分散」は100%より大きくなる。
(2)前記画像処理を施した炭素元素マップ画像における導電助剤の最大凝集体面積が400μm2以上1000μm2以下である。
(3)塗工乾燥直後の電極のシート抵抗が40Ω以下である。
前記電極の断面に対しSEM分析を実施するとは、電極を、電極面に垂直な方向(電極の積層方向)からブロードイオンビームなどを掃引してカットし、その断面を超高分解能走査型電子微鏡(field emission-scanning electron microscope: FE-SEM)などを用いて、画像を観察することを意味する。この時の画像のアスペクト比は任意であるが、例えば縦:横=3:4とする。電極の断面に対し、EDX分析を実施するとは、前記ブロードイオンビームなどでカットした電極をエネルギー分散型X線分析装置(energy dispersive x-ray spectroscopy:EDX)を用いて元素分析を行うことである。この元素分析において、炭素を分析した画像を「炭素元素マップ画像」という。
炭素元素マップ画像に画像処理を施すとは、前記EDX分析を実施した後に得られる炭素元素マップ画像の明度に基づいて二値化処理を行うことである。二値化処理を行う時のカットオフ値は、炭素元素マップ画像の、電極合剤内の最高明度を有するピクセルの明度を256、最低明度を有するピクセルの明度を0とした時に、35とする。すなわち1ピクセル内の明度が35以上で二値化処理上、炭素がピクセル内に存在すると認識され、35未満で二値化処理上炭素がピクセル内に存在しないものと認識される。
前記炭素マップに画像処理を行うためには、任意のソフトウェアを用いればよいが、画像解析計測ソフトウェア WINROOF Ver5.7.1.のように測定総面積、抽出総面積、抽出面積標準偏差、最小面積、最大凝集体面積、面積率、個数を算出する機能を有するものが好ましい。画像処理を行う際に、明らかなゴミなどの異物が存在し、その異物が画像処理の結果に大きく影響を与える場合は、画像処理の際に、その異物を削除する処理を実施しても良い。
二値化処理後の導電助剤凝集体が、2以上の分割単位画像をまたぐ場合は、分割単位画像によって区切られた部分をそれぞれ別の凝集体とみなして面積等を算出する。
前記分割単位画像の前記所定の面積は、圧延後の電極片面の厚み(片面とは、集電体を含まない電極片面当たりの電極合剤の部分を指す。厚みは、電極の積層方向に沿った厚みのことである。)の関数とすることが好ましい。すなわち、厚みが増加するに従って、面積も単調に増加するように面積を選定する。例えば、厚みが30μm未満の場合、1分割単位画像あたりの面積を1000μm2とし、30μm以上〜40μm未満の場合、1300μm2とし、40μm以上〜50μm未満の場合、1500μm2とし、50μm以上〜60μm未満の場合、1600μm2とし、60μm以上〜70未満の場合、1700μm2とし、70μm以上〜80未満の場合、1800μm2とし、80μm以上の場合、2000μm2とする。なお、以上に規定された厚みの区分の数値範囲、面積の数値は厳密な値でなく、多少の増減は許容されるものとする。
なお、前記規定面積に従って画像を分割したときに、1分割単位画像未満の面積が余ってしまう場合は、その余った部分を分析から除いても良い。例えば電極の片面厚みが65μm、画面に映った片面測定面積が、電極の断面上で16000μm2、分割単位画像の面積が1700μm2の場合、縦横に9等分すると700μm2が余るが、この余った部分は分析から除いても良い。
電極塗工乾燥直後の電極シート抵抗とは、1kHzの交流抵抗を示し4端子法で測定した数値を示す。電極シート抵抗を測定する時の塗工乾燥直後の電極の厚みは240μm以上280μm未満とする。この厚みの電極を用意するためには、後述の方法で作製した電極スラリーを用いて塗工機のクリアランスを、検量線を用いて調整する。電極シート抵抗値は、電極をクリップ型リードで挟んだ時の数値を示し、クリップ間の距離は1cmに固定する。クリップ型リードの種類は特に限定されないが、例えばHIOKI社製クリップ型リード 4端子プローブ9140を用いることが出来る。他のクリップ型リードを用いる場合は電極にかかる最大圧力が3MPA以下であればよい。圧力は感圧紙等を用いて、電極をはさんだ時の圧力を測定することで求めることができる。
前記特徴(1)において、面積差分散が100%以下であることが好ましいのは、100%以下であれば、電極の積層方向、及び平面方向において、導電助剤の偏在が少なく、高出力での充放電が可能となるからである。80%以下であれば、後述のガス発生抑止の効果が大きくなることから、より好ましい。もし導電助剤が偏在している場合、導電助剤の少ない部分では電子導電のネットワークが乏しく、十分な出力が得られない。
また、導電助剤が均一に分散されている場合でも、粒子一つ一つが粒子径の大きい凝集体からなる場合、導電助剤が存在しない部分の大きさも大きくなり、抵抗が増大するため、過剰量の導電助剤を添加する必要がある。この場合、非水電解質二次電池のエネルギー密度が低下するため好ましくない。
そこで、前記特徴(2)の最大凝集体面積が400μm2以上1000μm2以下であることが好ましい。前記特徴(2)を満たす電極は、その電極合剤内の導電助剤の凝集体の体積が小さい。1000μm2以上である場合は、前述したように所定の出力が得られなくなる。400μm2以下である場合は、電極から電極合剤剥離が起こりやすくなる。
なお最大凝集体面積は、後述のガス抑制の効果が大きいことから400μm2以上800μm2以下であることがより好ましい。
しかしながら、前記特徴(1)及び(2)を満たしている場合でも、所定の出力で高容量が発現されない場合もある。例えば、導電助剤の凝集体を少なくし、材量を均一分散させることは、電極合剤内の導電助剤凝集体の比表面積が増大することを意味する。導電助剤凝集体の比表面積が増大した場合、バインダーの結着箇所が増加するため、結果として集電体の部分的な剥離が起きやすく、電池の抵抗が増大する可能性がある。
そこで、特徴(3)の電極シート抵抗が40Ω以下であることが好ましい。電池の抵抗が低下し、高出力が得られるからである。20Ω以下であれば、後述のガス抑制の効果が大きいことから、より好ましい。
すなわち本発明では、特徴(1)、(2)及び(3)を全て満たす電極を使用することで、所望の出力特性とエネルギー密度を両立させる非水電解質二次電池を得ることが可能となる。
次に、本発明の正極の電極塗工乾燥直後の電極合剤密度は1.45g/cm3以上であることが好ましい。「塗工乾燥直後」とは、後述の製造方法から得られる圧延前の電極のことである。塗工乾燥直後の電極合剤密度が1.45g/cm3以上である電極は、粒子が効率的に合剤内でパッキングされているため、圧延時に少ない負荷で高密度を得やすく、圧延後の厚みのリバウンドも少ないことから、所定のエネルギー密度を達成しやすい。塗工乾燥直後の電極合剤密度が1.45g/cm3以下である場合は、所定の密度を得るために高負荷でプレスを行う必要があり、そのため電極の破断等、作業性に影響が出る。
また、より少ない負荷で所定の密度まで電極を圧延可能なことから1.50g/cm3以上であることがより好ましい。
本発明において、前記特徴(1)〜(3)を見たし、かつ塗工乾燥直後の電極合剤密度が1.45g/cm3以上である電極は、高温条件下で充放電サイクルを繰り返した際の発生ガス量が、塗工乾燥直後の電極合剤密度が1.45g/cm3以下である電極を用いた場合より、顕著に少ないことが判明した。
このガス量減少の効果についての詳細な理由は不明であるが、以下の仮説が考えられる。塗工乾燥直後の電極合剤密度が1.45g/cm3以下である電極は、粒子が効率的に合剤内でパッキングされていないため、圧延時に所定の密度を得るために高負荷が必要となる。そのため電極活物質粒子が粉砕され電極活物質の比表面積が増加すると考えられる。充放電サイクルにおけるガス発生は、非水電解液が電極活物質表面で分解されることにより起こる現象であるため、電極活物質比表面積が圧延により増加することはガス発生量の増加に繋がる。一方で塗工乾燥直後の電極合剤密度が1.45g/cm3以上である場合は、前記電極活物質の粉砕は起きにくく、ガス発生が抑制されると考えられる。したがって、塗工乾燥直後の電極合剤密度が1.45g/cm3以上の電極を圧延することで、エネルギー密度を保持したまま、所定の出力が得られ、さらにガス発生を抑制することが可能となる。
本発明の正極の作製方法としては、正極活物質、導電助剤、及びバインダーの混合物(正極合剤という)を集電体上に塗工することによって作製する方法が挙げられるが、作製方法の容易さから、前記正極合剤及び溶媒でスラリーを作製し、得られたスラリーを集電体上に塗工した後に、溶媒を除去することによって正極を作製する方法が好ましい。
スラリーの作製方法は、特に限定されないが、正極活物質、導電助剤、バインダー、及び溶媒を均一に混合できることから、自転公転ミキサー、ボールミル、プラネタリーミキサー、ジェットミル、薄膜旋回型ミキサーを用いることが好ましく、作業性の観点から、自転公転ミキサー、プラネタリーミキサー、薄膜旋回型ミキサーを用いることが好ましい。また正極活物質、導電助剤、及びバインダーを混合した後に溶媒を加えて作製してもよいし、正極活物質、導電助剤、バインダー、及び溶媒を一緒に混合して作製してもよい。
自転公転ミキサーを用いる場合の撹拌時間を1分以上60分以下とすることが好ましい。1分未満である場合は、材料が十分に分散されない可能性があり、60分を超えれば発生した熱によりスラリー粘度が低くなってしまい作業性に影響が出る。また、同様の理由から撹拌速度は400rpm以上3000rpm未満であることが好ましい。すなわち400rpm未満では材料が十分に分散されず、3000rpmを超えれば発生した熱によりスラリー粘度が低くなり、例えば後述の塗布工程の制御が困難になる等の作業性に影響が出る。
プラネタリーミキサーを用いる場合の撹拌時間は50分以上300分以下であることが好ましい。50分未満では材料が十分に分散されない可能性があり、360分を超えれば経済的観点から好ましくない。プラネタリーミキサーの羽の撹拌速度は50rpm以上200rpm未満であることが好ましい。50rpm未満では、材料が十分に分散されず、200rpm以上だと材料にシェアを掛け過ぎる事により、導電助剤の再凝集が起こる可能性がある。
薄膜旋回型ミキサーを用いる場合の撹拌時間は5秒以上2分以下であることが好ましい。5秒未満では材料が十分に分散されない可能性があり、2分を超えれば発生した熱によりスラリー粘度が低くなってしまい作業性に影響が出る。薄膜旋回型ミキサーを用いる場合の周速は5m/s以上、30m/s未満であることが好ましい。5m/s未満では材料が十分に分散されない可能性があり、30m/s以上の場合は材料の過分散が起こり、所定のバインダー量で電極合剤と集電体との結着を保てなくなる。
スラリーの固形分濃度は、30wt%以上80wt%以下であることが好ましい。30wt%未満の場合スラリーの粘度が低すぎる傾向があるため、一方、80wt%より高い場合はスラリーの粘度が高すぎる傾向があるため、後述の電極の形成が困難となる場合がある。
スラリーに用いる溶媒は、非水溶媒、あるいは水であることが好ましい。非水溶媒は、特に限定されないが、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、及びテトラヒドロフランなどを挙げることができる。また、これらに分散剤、増粘剤を加えてもよい。
集電体上への正極の形成方法は、特に限定されないが、例えば前記スラリーをドクターブレード、ダイコータ、コンマコータ等により塗布した後に、溶剤を除去する方法、あるいはスプレーにより塗布した後に溶剤を除去する方法が好ましい。溶媒を除去する方法は、オーブンや真空オーブンを用いた乾燥が簡単であり好ましい。溶媒を除去する雰囲気としては、空気、不活性ガス、真空状態などが挙げられる。また、溶媒を除去する温度は、特に限定されないが、60℃以上250℃以下であることが好ましい。60℃未満では溶媒の除去に時間を要する場合があり、250℃より高いと、バインダーが劣化する場合がある。なお、正極の形成は、後述の負極を形成する前でも、後でもよい。
本発明の圧延後の正極の厚みは、10μm以上200μm未満であることが好ましい。10μm未満では所望の容量を得ることが難しい場合があり、一方、200μmより厚い場合は所望の出力密度を得ることが難しい場合がある。
本発明の正極は、所望の厚み、密度まで圧縮させてもよい。圧縮は、特に限定されないが、例えば、ロールプレス、油圧プレス等を用いておこなうことができる。電極の圧縮は、後述の負極を形成する前でも、後でもよい。
本発明の正極の圧延後の密度は、1.45g/cm3以上、4.0g/cm3以下であることが好ましい。1.45g/cm3未満であると、正極活物質、導電助剤との接触が不十分となり電子伝導性が低下する場合がある。一方、4.0g/cm3より大きいと、電解液が正極内に浸透しにくくなり、リチウムイオン伝導性が低下する場合がある。正極活物質、導電助剤との接触が十分にあり、かつ後述の電解液が正極内に浸透しやすいことから、正極の密度は、1.5g/cm3以上、3.5g/cm3以下がさらに好ましく、正極活物質、導電助剤との接触と、電解液の正極内へ浸透しやすさが最もバランスが取れている、1.8g/cm3以上、3.0g/cm3以下が特に好ましい。

本発明の正極は、正極1cmあたりの電気容量が電極片面当たり0.5mAh以上3.0mAh以下であることが好ましい。0.5mAh未満である場合は所望する容量の電池の大きさが大きくなる傾向があり、3.0mAhより多い場合は所望の出力密度を得ることが難しくなる傾向がある。正極1cmあたりの電気容量の算出は、正極作製後、リチウム金属を対極とした半電池を作製した後に、充放電特性を測定することによって算出してもよい。
前記正極の正極1cmあたりの電気容量は、特に限定されないが、集電体単位面積あたりに形成させる正極の重量で制御する方法、例えば、前述のスラリー塗工時の塗工厚みで制御することができる。
<2.負極>
本発明の非水二次電池に用いる負極は集電箔上に、少なくとも負極活物質が含まれる負極活物質層が形成されている。この負極活物質層の性能向上のために、導電助材やバインダーが含まれてもよい。
本発明の非水二次電池に用いる負極は、正極よりも低い電位で、リチウムイオンの挿入・脱離反応が進行する電極活物質が含まれていればよく、天然黒鉛、人造黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ及びグラファイト等の炭素材料、Si、Sn、その酸化物及び窒素等との化合物、チタン酸リチウム、二酸化チタン、五酸化ニオブ及び二酸化モリブデン等の遷移金属酸化物等が挙げられるが、充放電時の材料の膨張、及び収縮が少ないことからチタン酸リチウムの時に特に効果を発揮する。
これら負極活物質は1種類でもよいし、2種類以上用いてもよい。
本発明の負極には導電助剤を含有してもよく、導電助剤としては、特に限定されないが、金属材料、炭素材料が好ましい。金属材料の場合は、銅、及びニッケルなど、炭素材料の場合は天然黒鉛、人造黒鉛、気相成長炭素繊維、カーボンナノチューブ、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、及びファーネスブラックなどが挙げられる。これら導電助剤は1種類でもよいし、2種類以上用いてもよい。
本発明において、負極に含まれる導電助剤の量は、負極活物質100重量部に対して、好ましくは0.5重量部以上30重量部以下、出力とエネルギー密度のバランスが良いことからより好ましくは1重量部以上15重量部以下である。前記範囲であれば、負極の導電性が確保される。また、後述のバインダーとの接着性が維持され、集電体との接着性が十分に得ることができる。
本発明において負極には、電極活物質を集電体に結着させるため、バインダーを使用してよく、バインダーとしては、特に限定されないが、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレン−ブタジエンゴム、ポリイミド及びそれらの誘導体からなる群からえらばれる少なくとも1種を用いることができる。バインダーは負極の作製しやすさから、非水溶媒又は水に、溶解又は分散されていることが好ましい。非水溶媒は、特に限定されないが、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、及びテトラヒドロフランなどを挙げることができる。これらに分散剤、増粘剤を加えてもよい。
本発明において、負極に含まれるバインダーの量は、負極活物質100重量部に対して、好ましくは1重量部以上30重量部以下、結着力とエネルギー密度のバランスが良いことから、より好ましくは2重量部以上15重量部以下である。前記範囲であれば、負極活物質と導電助剤との接着性が維持され、集電体との接着性が十分に得ることができる。
本発明の負極に用いる集電体は、アルミニウム又はその合金であることが好ましい。
集電体の厚みは、特に限定されないが、10μm以上100μm以下であることが好ましい。10μm未満では作製の観点から取り扱いが困難となり、100μmより厚い場合は経済的観点から不利になる。なお、集電体は、アルミニウム以外の金属(銅、SUS、ニッケル、チタン、及びそれらの合金)の表面にアルミニウムを被覆したものも用いることもできる。
なお、集電体は、金属材料(アルミニウム、銅、SUS、ニッケル、チタン、及びそれらの合金)の表面に負極の電位で反応しない金属を被覆したものも用いることもできる。
スラリーの作製方法は、特に限定されないが、負極活物質、導電助剤、バインダー、及び溶媒を均一に混合できることから、自転公転ミキサー、ボールミル、プラネタリミキサー、ジェットミル、薄膜旋回型ミキサーを用いることが好ましい。スラリーは、負極活物質、導電助剤、及びバインダーを混合した後に溶媒を加えて作製してもよいし、負極活物質、導電助剤、バインダー、及び溶媒を一緒に混合して作製してもよい。
スラリーの固形分濃度は、30wt%以上80wt%以下であることが好ましい。30wt%未満の場合、スラリーの粘度が低すぎる傾向があり、一方、80wt%より高い場合は、スラリーの粘度が高すぎる傾向があるため、後述の電極の形成が困難となる場合がある。
スラリーに用いる溶媒は、非水溶媒、あるいは水であることが好ましい。非水溶媒は、特に限定されないが、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、及びテトラヒドロフランなどを挙げることができる。また、これらに分散剤、増粘剤を加えてもよい。
集電体上への負極の形成方法は、特に限定されないが、例えば前記スラリーをドクターブレード、ダイコータ、コンマコータ等により塗布した後に、溶剤を除去する方法、あるいはスプレーにより塗布した後に溶剤を除去する方法が好ましい。溶媒を除去する方法は、オーブンや真空オーブンを用いた乾燥が簡単であり好ましい。雰囲気としては室温、あるいは高温とした空気、不活性ガス、真空状態などが挙げられる。負極の形成は、前述の正極を形成する前でも、後でもよい。また、負極作製後、ロールプレス機などを用いて負極を圧縮させてもよい。前記電極の圧縮は、前述の正極を形成する前でも、後でもよい。
本発明において好ましい負極の一形態としては、負極活物質、導電助剤、及びバインダーの混合物を集電体上に形成することによって作製されるが、作製方法の容易さから、前記混合物及び溶媒でスラリーを作製し、得られたスラリーを集電体上に塗工した後に、溶媒を除去することによって負極を作製する方法が好ましい。
前記負極の比表面積は、負極活物質、導電助剤、及びバインダーの種類及び配合比で制御することができ、又は、所望の厚みまで電極を圧縮することによっても制御することができる。
本発明の負極は、所望の厚み、密度まで圧縮させてもよい。圧縮は、特に限定されないが、例えば、ロールプレス、油圧プレス等を用いておこなうことができる。電極の圧縮は、後述の負極を形成する前でも、後でもよい。
本発明の負極の圧延後の密度は、1.0g/cm3以上3.0g/cm3以下であることが好ましい。1.0g/cm3未満であると、負極活物質、導電助剤との接触が不十分となり電子伝導性が低下する場合がある。一方、3.0g/cm3より大きいと、電解液が負極内に浸透しにくくなり、リチウムイオン伝導性が低下する場合がある。
本発明において、負極の比表面積は、1m/g以上、100m/g以下であることが好ましい。本発明に使用するスピネル型マンガン酸リチウムは、LiCoOに代表される従来の正極活物質と比べリチウムイオンの挿入・脱離の反応における電極活物質の膨張収縮が小さい。よってLiCoOに代表される従来の正極活物質を100%使用したものと比べ、膨張収縮に伴う電解液のかき混ぜ効果が小さい。以上のことから、ある一定以上のリチウムイオンの脱挿入する場所、すなわち負極の比表面積を確保しなければいけない。1m/gより小さい場合、リチウムイオンの脱挿入する場所が少ないため、所望の電池容量を取り出せない可能性がある。一方、100m/gより大きい場合は、リチウムイオンの脱挿入以外の副反応、例えば電解液の分解反応が進行しやすくなり、所望の電池容量を取り出せない可能性がある。
所望の容量を発現できるリチウムイオンの脱挿入する場所が確保され、かつリチウムイオンの脱挿入以外の副反応が少ないことから、負極の比表面積は3m/g以上、70m/g以下がさらに好ましい。副反応の進行が最も小さく、かつリチウムイオンの脱挿入する最もバランスが取れている、5m/g以上、50m/g以下がとくに好ましい。
負極の厚みは、10μm以上200μm以下であることが好ましい。10μm以下では、所望の容量を得ることが難しい場合があり、200μmより厚い場合は、所望の出力密度を得ることが難しい場合がある。
負極の1cmあたりの電気容量は電極方面当たり、0.5mAh以上6.0mAh以下であることが好ましい。0.5mAh未満である場合は所望する容量の電池の大きさが大きくなる場合があり、一方、6.0mAhより多い場合は所望の出力密度を得ることが難しい場合がある。負極の1cmあたりの電気容量の算出は、負極作製後、リチウム金属を対極とした半電池を作製した後に、充放電特性を測定することによって算出できる。負極の負極1cmあたりの電気容量は、特に限定されないが、集電体単位面積あたりに形成させる負極の重量で制御する方法、例えば、前述の負極塗工時の塗工厚みで制御することができる。
<3.セパレータ>
本発明の非水電解質二次電池に用いるセパレータは、前述の正極と負極との間に設置され、電子伝導性がなくかつリチウムイオン伝導性を有する物質であればよく、例えば、ナイロン、セルロース、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリアミド、及びそれらを2種類以上複合したものの織布、不織布、微多孔膜などが挙げられる。セパレータには、各種可塑剤、酸化防止剤、難燃剤が含まれてもよいし、金属酸化物等が被覆されていてもよい。
セパレータの厚みは、10μm以上100μm以下であることが好ましい。10μm未満の場合、正極と負極との接触する場合があり、100μmより厚い場合は電池の抵抗が高くなる場合がある。経済性、取り扱いの観点から、15μm以上50μm以下であることがさらに好ましい。
<4.非水電解質>
本発明の非水電解質二次電池に用いる非水電解質は、特に限定されないが、非水溶媒に溶質を溶解させた電解液、非水溶媒に溶質を溶解させた電解液を高分子に含浸させたゲル電解質などを用いることができる。
非水溶媒としては、環状の非プロトン性溶媒及び/又は鎖状の非プロトン性溶媒を含むことが好ましい。環状の非プロトン性溶媒としては、環状カーボネート、環状エステル、環状スルホン及び環状エーテルなどが例示される。鎖状の非プロトン性溶媒としては、鎖状カーボネート、鎖状カルボン酸エステル及び鎖状エーテルなどが例示される。
また、前記に加えアセトニトリルなどの一般的に非水電解質の溶媒として用いられる溶媒を用いても良い。より具体的には、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチルラクトン、1、2−ジメトキシエタン、スルホラン、ジオキソラン、プロピオン酸メチルなどを用いることができる。これら溶媒は1種類で用いてもよいし、2種類以上混合しても用いてもよいが、後述の溶質を溶解させやすさ、リチウムイオンの伝導性の高さから、2種類以上混合した溶媒を用いることが好ましい。また、高分子に電解液をしみこませたゲル状電解質も用いることができる。
溶質は、特に限定されないが、例えば、LiClO、LiBF、LiPF、LiAsF、LiCFSO、LiBOB(Lithium Bis (Oxalato) Borate)、LiN(SOCFなどは溶媒に溶解しやすいことから好ましい。電解液に含まれる溶質の濃度は、0.5mol/L以上2.0mol/L以下であることが好ましい。0.5mol/L未満では所望のリチウムイオン伝導性が発現しない場合があり、一方、2.0mol/Lより高いと、溶質がそれ以上溶解しない場合がある。非水電解質には、難燃剤、安定化剤などの添加剤が微量含まれてもよい。
<5.非水電解質二次電池>
本発明の非水電解質二次電池の正極及び負極は、集電体の両面に同じ電極を形成させた形態であってもよく、集電体の片面に正極、他方の面に負極を形成させた形態、すなわち、バイポーラ電極であってもよい。
本発明の非水電解質二次電池は、正極側と負極側との間にセパレータを配置したものを倦回したものであってもよいし、積層したものであってもよい。正極、負極、及びセパレータには、リチウムイオン伝導を担う非水電解質が含まれている。
本発明の非水電解質二次電池に用いる非水電解質の量は、特に限定されないが、電池容量1Ahあたり、0.1mL以上であることが好ましい。0.1mL未満の場合、電極反応に伴うリチウムイオンの伝導が追いつかず、所望の電池性能が発現しない場合がある。
非水電解質は、あらかじめ正極、負極及びセパレータに含ませてもよいし、正極側と負極側との間にセパレータを配置したものを倦回、あるいは積層した後に添加してもよい。
本発明の非水電解質二次電池における正極の電気容量と負極の電気容量との比は、下記式(a)を満たすことが好ましい。
1≦D/C≦1.2 (a)
但し、前記式(a)中、Cは正極1cm2あたりの電気容量を示し、Dは負極1cm2あたりの電気容量を示す。
D/Cが1未満である場合は、過充電時に負極の電位がリチウムの析出電位になる場合があるため、電池がショートする危険性が生じる。一方、D/Cが1.2より大きい場合は電池反応に関与しない負極活物質多いために過剰の副反応が進行し、本発明の構成でもガス発生を抑止できない場合がある。
本発明の非水電解質二次電池における正極と負極との面積比は、特に限定されないが、下記式(b)を満たすことが好ましい。
1≦F/E≦1.2 (b)
(但し、Eは正極の面積、Fは負極の面積を示す。)
F/Eが1未満である場合は、例えば先述のD/C=1の場合、負極の容量が正極よりも小さくなるため、過充電時に負極の電位がリチウムの析出電位となり、電池がショートする危険性が生じる。一方、F/Eが1.2より大きい場合は、正極と接していない部分の負極が大きいため、電池反応に関与しない負極活物質が過剰な副反応が進行し、本発明の構成でもガス発生を抑止できない場合がある。正極及び負極の面積の制御は特に限定されないが、例えば、スラリー塗工の際、塗工幅を制御することによって行うことができる。
本発明の非水電解質二次電池に用いるセパレータと負極との面積比は特に限定されないが、下記式(c)を満たすことが好ましい。
1≦H/G≦1.5 (c)
(但し、Gは負極の面積、Hはセパレータの面積を示す。)
H/Gが1未満である場合は、正極と負極とが接触し、1.5より大きい場合は外装に要する体積が大きくなり、電池の出力密度が低下する場合がある。
本発明の非水電解質二次電池は、前記積層体を倦回、あるいは複数積層した後にラミネートフィルムで外装してもよいし、角形、楕円形、円筒形、コイン形、ボタン形、シート形の金属缶で外装してもよい。外装には発生したガスを放出するための機構が備わっていてもよい。積層体の積層数は、所望の電圧値、電池容量を発現するまで積層させることができる。
本発明の非水電解質二次電池は、複数接続することによって組電池とすることができる。本発明の組電池は、所望の大きさ、容量、電圧によって適宜直列、並列に接続することによって製造することができる。また、各電池の充電状態の確認、安全性向上のため、前記組電池に制御回路が付属されていることが好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更可能である。
(負極の製造)
負極活物質のLiTi12は、文献(Journal of Electrochemical Society, 142, 151 (1995))に記載されている方法で作製した。すなわち、まず二酸化チタンと水酸化リチウムを、チタンとリチウムとのモル比を5:4となるように混合し、次にこの混合物を窒素雰囲気下800℃で12時間加熱することによってLiTi12の負極活物質を作製した。
また、天然黒鉛の負極活物質も作製した。天然黒鉛の粒径はある範囲にわたって分布しているが、その平均粒径が5μmのものを使用した。
LiTi12の負極活物質を100重量部、導電助剤(アセチレンブラック)を5重量部、及びバインダー(固形分濃度5wt%、NMP溶液)を固形分5重量部混合して(混合したものを、「負極合剤」という)スラリーを作製した。このスラリーをアルミニウム箔(厚さ15μm)に塗工した後に、150℃で真空乾燥することによって負極(面積27cm)を作製した。
天然黒鉛の負極活物質を100重量部、導電助剤(アセチレンブラック)を5重量部、及びバインダー(固形分濃度5wt%、NMP溶液)を固形分5重量部混合してスラリーを作製した。このスラリーを、銅箔(厚さ15μm)に塗工した後に、150℃で真空乾燥することによって負極(面積27cm)を作製した。
前記負極の容量を、次の充放電試験で測定した。
LiTi12の負極の場合、アルミニウム箔の片面に負極合剤のスラリーを塗工し、16mmΦに打ち抜き動作極を作製した。Li金属を16mmΦに打ち抜き対極とした。これらの電極を用いて、動作極(片面塗工)/セパレータ/Li金属の順に試験セル(HSセル、宝泉社製)内に積層し、非水電解質(エチレンカーボネート/ジメチルカーボネート=30/70vol%、LiPF 1mol/L)を0.15mL入れ、半電池を作製した。この半電池を25℃で一日放置した後、充放電試験装置(HJ1005SD8、北斗電工社製)に接続した。この半電池を25℃、0.4mAで定電流放電(終止電圧:1.0V)及び定電流充電(終止電圧:2.0V)を5回繰り返し、5回目の結果を正極の容量とした。その結果、負極の容量は、1.7mAh/cmであった。
また、負極活物質に天然黒鉛に使用して作製した電極については、負極の容量を次の充放電試験で測定した。負極合剤のスラリーを銅箔の片面に塗工した電極を、16mmΦに打ち抜き動作極を作製した。Li金属を16mmΦに打ち抜き対極とした。これらの電極を用いて、動作極(片面塗工)/セパレータ/Li金属の順に試験セル(HSセル、宝泉社製)内に積層し、非水電解質(エチレンカーボネート/ジメチルカーボネート=30/70vol%、LiPF 1mol/L)を0.15mL入れ、半電池を作製した。この半電池を25℃で一日放置した後、充放電試験装置(HJ1005SD8、北斗電工社製)に接続した。この半電池を25℃、0.4mAで定電流放電(終止電圧:0.01V)及び定電流充電(終止電圧:1.5V)を5回繰り返し、5回目の結果を正極の容量とした。その結果、負極の容量は、1.8mAh/cmであった。
(正極の製造)
正極活物質のLi1.1Al0.1Mn1.8を、文献("Lithium Aluminum Manganese Oxide Having Spinel-Framework Structure for Long-Life Lithium-Ion Batteries" Electrochemical and Solid-State Letters Volume9, Issue12, Pages A557 (2006))に記載されている方法で作製した。
すなわち、二酸化マンガン、炭酸リチウム、水酸化アルミニウム及びホウ酸の水分散液を調製し、スプレードライ法で混合粉末を作製した。このとき、二酸化マンガン、炭酸リチウム及び水酸化アルミニウムの量は、リチウム、アルミニウム及びマンガンのモル比が1.1:0.1:1.8となるように調製した。次に、この混合粉末を空気雰囲気下900℃で12時間加熱した後、再度650℃で24時間加熱した。最後に、この粉末を95℃の水で洗浄後、乾燥させることによって実施例、比較例に用いる正極活物質を作製した。
<実施例1>
前記Li1.1Al0.1Mn1.8の正極活物質を100重量部、導電助剤(アセチレンブラック)を5重量部、及びバインダー(固形分濃度8wt%、NMP溶液)を5重量部(バインダーが溶液である場合、溶媒を除いた重量をいう)混合した。混合物の、正極活物質:導電助剤:バインダーの重量比を、「組成比」という。前記組成比になるように混合したものを、「正極合剤」という。すなわち正極合剤の、正極活物質:導電助剤:バインダーの重量比(組成比)は100:5:5である。
正極合剤と負極合剤とを総称して「電極合剤」という。
前記組成比になるように混合した正極合剤を、自転公転ミキサーで3分間、1000rpmで撹拌しスラリーを作製した。このスラリーをアルミニウム箔(厚さ15μm)に塗工した後に、170℃で真空乾燥することによって正極(面積24cm)を作製した。
正極の容量は、次の充放電試験で測定した。以下電圧は全てリチウム基準とする。
前記正極合剤のスラリーをアルミニウム箔の片面に塗工した電極を16mmΦに打ち抜き動作極、Li金属を16mmΦに打ち抜き対極とした。これらの電極を用いて、動作極(片面塗工)/セパレータ/Li金属の順に試験セル(HSセル、宝泉社製)内に積層し、非水電解質(エチレンカーボネート/ジメチルカーボネート=30/70vol%、LiPF 1mol/L)を0.15mL入れ、半電池を作製した。この半電池を25℃で一日放置した後、充放電試験装置(HJ1005SD8、北斗電工社製)に接続した。この半電池を25℃、0.4mAで定電流充電(終止電圧:4.5V)及び定電流放電(終止電圧:3.5V)を5回繰り返し、5回目の結果を正極の容量とした。その結果、正極の容量は、片面当たり1.6mAh/cmであった。
また負極として、前記LiTi12の負極合剤のスラリーを塗工した電極を用いた。負極片面の容量は、1.7mAh/cm2であった。
セパレータとしては、セルロース不職布を用いた。
前記作製した正極及び負極を正極(片面塗工)/セパレータ/負極(片面塗工)の順に積層し、1Ah相当の電極郡を作成した。次に、両端の正極及び負極に取り出し電極用タブを振動溶着させた後に、袋状のアルミラミネートシートに入れた。非水電解液(エチレンカーボネート/ジメチルカーボネート=30/70vol%、LiPF 1mol/L)を次に5.5mL、入れた後に、減圧しながら封止することによって、タブのみが露出した非水電解質二次電池を作製した。
<実施例2>
正極作製時に自転公転ミキサーの撹拌時間を10分、撹拌速度を2000rpmとした以外は、実施例1と同様に非水電解質二次電池を作製した。
<実施例3>
正極作製時に正極活物質を100重量部、導電助剤(アセチレンブラック)を3重量部、及びバインダー(固形分濃度8wt%、NMP溶液)を3重量部、すなわち組成比を100:3:3とした以外は、実施例2と同様に非水電解質二次電池を作製した。
<実施例4>
正極作製時に正極活物質を100重量部、導電助剤(アセチレンブラック)を1重量部、及びバインダー(固形分濃度8wt%、NMP溶液)を1重量部、すなわち組成比を100:1:1とした以外は、実施例2と同様に非水電解質二次電池を作製した。
<実施例5>
正極作製時にプラネタリーミキサーを用い、材料投入後に、100rpmで撹拌し、120分間の練合を実施した以外は、実施例1と同様に非水電解質二次電池を作製した。
<実施例6>
正極作製時にLiCoO2を、Li1.1Al0.1Mn1.8の質量に対して4%添加した以外は、実施例2と同様に非水電解質二次電池を作製した。
<実施例7>
負極として、前記したように天然黒鉛の負極合剤のスラリーを銅箔に塗工した電極を用いた。負極片面の容量は、1.8mAh/cm2であった。セパレータとしては、ポリプロピレン微多孔膜(厚さ25μm、面積30cm)を用いた。それ以外は実施例2と同様に非水電解質二次電池を作製した。
<実施例8>
正極活物質を100重量部、導電助剤(アセチレンブラック)を3重量部、及びバインダー(固形分濃度8wt%、NMP溶液)を3重量部、すなわち組成比を100:3:3とし、薄膜旋回型ミキサーを用い、周速を20m/sに設定した上で30秒の撹拌を実施した。それ以外は、実施例1と同様に非水電解質二次電池を作製した。
<比較例1>
正極作製時に自転公転ミキサーの撹拌時間を1分、撹拌速度を300rpmとした以外は、実施例1と同様に非水電解質二次電池を作製した。
<比較例2>
正極作製時の材料投入後にプラネタリーミキサーの練合時間を50分間にした以外は、実施例5と同様に非水電解質二次電池を作製した。
<比較例3>
正極作製時に自転公転ミキサーの撹拌時間を2分、撹拌速度を500rpmとした以外は、実施例1と同様に非水電解質二次電池を作製した。
<比較例4>
正極作製時に正極活物質を100重量部、導電助剤(アセチレンブラック)を2重量部、及びバインダー(固形分濃度8wt%、NMP溶液)を0.5重量部、すなわち組成比を100:2:0.5とした以外は、実施例2と同様に非水電解質二次電池を作製した。
<比較例5>
正極作製時の材料投入後にプラネタリーミキサーの練合時間を45分間にした以外は、実施例5と同様に非水電解質二次電池を作製した。
<比較例6>
正極作製時の材料投入後にプラネタリーミキサーの練合時間を30分間にした以外は、実施例5と同様に非水電解質二次電池を作製した。
<比較例7>
正極作製時の材料投入後にプラネタリーミキサーの練合時間を160分間にした以外は、実施例5と同様に非水電解質二次電池を作製した。
<比較例8>周速を30m/sとした以外は、実施例8と同様に非水電解質二次電池を作製した。
<比較例9>
正極作製時に正極活物質を100重量部、導電助剤(アセチレンブラック)を0.5重量部、及びバインダー(固形分濃度8wt%、NMP溶液)を1重量部、すなわち組成比を100:0.5:1とした以外は、実施例2と同様に非水電解質二次電池を作製した。
<比較例10>
正極作製時に自転公転ミキサーの撹拌時間を3分、撹拌速度を300rpmとした以外は、実施例1と同様に非水電解質二次電池を作製した。
実施例1〜8、比較例1〜10に係る非水電解質二次電池の、正極スラリーの作製法の一覧を表1に記載する。
これらの実施例1〜8、比較例1〜10に係る非水電解質二次電池の正極スラリーを集電体に塗工し乾燥させた状態で、電極の積層方向に沿ってカットして断面を露出させ、SEM(Scanning Electron Microscope)及びEDX(Energy Dispersive X-ray Spectroscopy)分析を実施し、炭素元素マップ画像を得た。そして縦:横=3:4のアスペクト比を有する表示画面において、電極全体(電極両面+集電体)が占める面積が画面面積の85%以上95%以下となるようにズーム倍率を調整して観察した。
炭素元素マップ画像の解析の結果、得られた正極の電極特性を表2に記載する。
ここで、SEM分析にはZeiss社の走査型電子顕微鏡UltraPlusを用いた。SEM分析時の加速電圧は5.0V、観察倍率は450倍とした。
EDX分析には、BRUKER社の検出装置 QUANTAX XFLASH 5010を、走査型電子顕微鏡に装着して用いた。 EDX分析時の加速電圧5.0V、観察倍率を500倍とした。
図1は、集電体の片面に塗工され乾燥した正極合剤の断面の炭素元素マップ画像の一部を示す。白部分がカーボンである。
得られた炭素元素マップ画像に二値化画像処理を施した。図2は、二値化処理を施した炭素元素マップ画像を示す。以下、二値化画像処理を施した炭素元素マップ画像のことを、単に「炭素元素マップ画像」と言う。画像処理ソフトには、画像解析計測ソフトウェア WINROOF Ver5.7.1.を用いた。
炭素元素マップ画像中の導電助剤は、単独の粒子で存在することもあるが、通常、複数の粒子が凝集して「凝集体」を形成している。
表2における「最大凝集体面積」とは、炭素元素マップ画像中の導電助剤の凝集体で、一番面積の大きい凝集体の面積のことである。
表2における「面積差分散」の求め方は次のとおりである。正極の片面分の炭素元素マップ画像を、図3に示すように縦3、横3に9等分し、分割単位画像一つあたりの導電助剤の総面積を、それぞれ求めた。導電助剤の総面積の最大値と最小値の差を、一分割単位画像の平均導電助剤面積で割った時のパーセント値を「面積差分散」という。すなわち、分割単位画像をAi (i=1,...,9)で表し、分割単位画像Ai の中の導電助剤の総面積をSi (i=1,...,9)とする。Siの最大値をSmaxとし、最小値をSminとする。「面積差分散」は次のようにして求められる。
面積差分散=(Smax−Smin)/mean{Si}
mean{Si}=(ΣSi)/9
ここでΣは、i=1からi=9までの総和を意味する。
また、表2における「電極シート抵抗」は、スラリーを塗工し乾燥させた直後であって圧延前(塗工乾燥直後という)の正極のシート抵抗(単位Ω)のことである。シート抵抗の測定にはHIOKI社 3522−50LCR HITESTERを用いた。
表2における「電極合剤密度」は、塗工乾燥直後の正極(アルミニウム箔を除いたもの)の電極合剤密度である。塗工乾燥直後の正極の厚さ、面積、重量を測定し、アルミニウム箔の厚さ、面積、重量が分かっているので、差し引くことにより、アルミニウム箔を除いた正極の正味の電極合剤密度を算出することができる。
これらの実施例1〜8、比較例1〜10に係る非水電解質二次電池を12時間放置後に、1.0Cの定電流/定電圧充電(定電圧は電流が0.02Cとなった時点でカット)、1.0Cの定電流放電のサイクルを10回繰り返した。
ただし非水電解質二次電池の充放電サイクルにおいて、負極にLiTi12を用いた非水電解質二次電池のカットオフ電圧は充電、及び放電がそれぞれ2.7V、及び2.0Vとした。
負極に天然黒鉛を用いた非水電解質二次電池のカットオフ電圧は充電及び放電がそれぞれ4.5V、及び3.0Vとした。
塗工乾燥直後の10回目の放電容量(単位mAh)を測定し、正極(アルミニウム箔を除いたもの)の電極重量1g当たりの放電容量(単位mAh/g)に換算した。
その後、同条件での充放電を60℃で200サイクル繰り返した時に発生した、電池容量1Ah当たりのガス量(単位mL/Ah)も表3に記載する。なお、ガス量は、あらかじめアルミラミネートシートにガスポケットを設け、充放電サイクル前後のセルの体積をアルキメデス法で測定することにより求めた。
(検討結果)
表2から明らかなとおり、実施例1〜8の正極は、(1)面積差分散が100%以下であり、(2)導電助剤の最大凝集体面積が400μm2以上、1000μm2以下であり、かつ(3)塗工乾燥直後の電極シート抵抗が40Ω以下である。
実施例1〜8に係る非水電解質二次電池は、表3から明らかなとおり、1.0Cの充放電レートで室温10サイクル後も、94mAh/g以上の高い容量を示している。
また、実施例1〜8は前記特徴(1)〜(3)を満たすとともに、塗工乾燥直後の電極合剤密度が1.45g/cm3以上である。60℃ 200サイクル後の発生ガス量が3.0mL以下と、比較例に比べ少ない値を示している。
一方、塗工乾燥直後の電極合剤密度が1.45g/cm3以上でありながらも、前記特徴(1)〜(3)を満たさない正極を用いた比較例2,4,5,6,8では、60℃ 200サイクル後のガス量が3.0mLを超えており、ガス抑制の効果は見られない。比較例2,4,5,6,8は、前記特徴(1)〜(3)を満たさないので導電助剤の分散が不十分であることから、1Cの充放電サイクルの際に、電極合剤内の電位分布が不均一となり、そのため電解質との分解が進みやすいことに起因すると考えられる。
比較例1,3,7,10は、前記特徴(1)〜(3)を満たさないし、塗工乾燥直後の電極合剤密度も1.45g/cm3以下である。60℃ 200サイクル後のガス量が3.0mLをはるかに超えている。これは比較例1,3,7,10では塗工乾燥直後の正極内に空隙が多いため、所望の密度に達するために必要な負荷が高いことから、電極活物質粒子の粉砕が起こりやすい。そのため比表面積が増大し、電解液との副反応が増加したと考えられる。
特に、比較例8では最大凝集体面積が380μm2と低い数値を示しながら、電極シート抵抗が非常に高く、室温10サイクル後の容量が86mAh/gと、実施例と比べて低い。比較例8では薄膜旋回型ミキサーを用い、周速30m/sと強いシェアをかけながら材料を分散させたことにより、導電助剤の凝集体が過度に小さくなり、導電助剤の比表面積が増大したと考えられる。そのため、所定のバインダー量で、正極合剤と集電体を十分に結着できず、抵抗が増大し、所定の出力が得られなくなったと考えられる。
比較例9は、前記特徴(1)〜(3)を満たし、かつ塗工乾燥直後の電極合剤密度が1.45g/cm3以上であるが、組成比を見ると、正極活物質:導電助剤:バインダー=100:0.5:1となっており、発生ガス量が多いという結果が得られている。この比較例9は、電極活物質100重量部に対して導電助剤の量が1重量部以上5重量部以下であるという条件を満たしていない。
以上をまとめると、前記特徴(1)〜(3)を満たす場合は、電池容量が大きく、安定して所望の出力特性を発現するという効果が得られる。
また、前記特徴(1)〜(3)を満たし、かつ塗工乾燥直後の電極合剤密度が1.45g/cm3以上である場合は、安定して所望の出力特性を発現するとともに、かつ発生ガス量が少ないという二重の効果が得られる。
また、電極活物質100重量部に対して導電助剤の量が1重量部以上5重量部以下であるという条件が、発生ガス量低減のために好ましいことも分かる。

Claims (8)

  1. スピネル型マンガン酸リチウムを主成分とする電極活物質、導電助剤及びバインダーを含む電極合剤を集電体上に塗工した非水電解質二次電池用電極であって、
    以下の特徴(1)〜(3)を全て満たす、電極。
    (1)集電体上に塗工され乾燥した電極合剤の断面に対し、顕微鏡分析を実施して得られた炭素元素マップ画像から所定の面積の画像をN個(Nは2以上の整数)抽出し(抽出した画像を以下「分割単位画像」という)、この分割単位画像一つあたりの導電助剤の総面積をそれぞれ求め、この総面積の最大値と最小値の差を、前記一分割単位画像あたりの平均の導電助剤総面積で割ったパーセント値が100%以下である。
    (2)前記炭素元素マップ画像における導電助剤の凝集体の最大面積が400μm2以上、1000μm2以下である。
    (3)塗工乾燥直後の電極のシート抵抗が40Ω以下である。
  2. 塗工乾燥直後の集電体を除いた電極の密度が1.45g/cm3以上である、請求項1に記載の電極。
  3. 前記電極活物質100重量部に対して前記導電助剤の量が1重量部以上5重量部以下である、請求項1又は請求項2に記載の電極。
  4. 前記分割単位画像一つあたりの面積が、集電体上に塗工され乾燥した前記電極合剤の厚みの関数として規定された値である、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の電極。
  5. 前記スピネル型マンガン酸リチウムがLi1+xyMn2-x-y4(0≦x≦0.2、0<y≦0.4、Mは2〜13族かつ第3、4周期に属する元素)で表される化合物である、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の電極。
  6. Li1+xyMn2-x-y4(0≦x≦0.2、0<y≦0.4、M1は2〜13族、第3、4周期に属する元素)に含まれるMが、Al、Mg、Zn、Ni、Co、Fe、及びCrからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項5に記載の電極。
  7. 請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の電極を用いた非水電解質二次電池。
  8. 請求項7に記載の非水電解質二次電池を複数個接続してなる組電池。
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