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JP2015209881A - ガラス繊維成形体の製造方法 - Google Patents

ガラス繊維成形体の製造方法 Download PDF

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JP2015209881A JP2014090838A JP2014090838A JP2015209881A JP 2015209881 A JP2015209881 A JP 2015209881A JP 2014090838 A JP2014090838 A JP 2014090838A JP 2014090838 A JP2014090838 A JP 2014090838A JP 2015209881 A JP2015209881 A JP 2015209881A
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一元 阿部
Kazumoto Abe
一元 阿部
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Abstract

【課題】バインダーを散布することなく、水を過剰に含ませることなく、又、ガラス繊維同士を融合または延伸させるために480℃程度以上の高温に加熱することなく、ガラス繊維成形体を製造する方法を提供する。
【解決手段】ガラス繊維綿状体を加圧成形機の加圧盤に挟んで成形するガラス繊維成形体の製造方法であって、前記加圧成形機の対面する一対の加圧盤の加圧面に設けられた複数の熱風噴出孔より吹き出させた熱風をガラス繊維綿状体に通過させつつ、加圧盤で挟んだガラス繊維綿状体を加圧し、圧縮して成形されたガラス繊維成形体を得るものとし、前記熱風の温度が、前記ガラス繊維綿状体を形成するガラスの歪点より50〜150℃低い温度でガラス繊維成形体を製造する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガラス繊維成形体の製造方法に関する。
ガラス繊維綿状体は短いガラス繊維が接着または絡み合う等してできた綿状の素材であり、グラスウールと呼ばれる。このようなグラスウールを、バインダーを散布した後で加圧成形する、480℃程度以上の高温で加圧成形する、又は、ニードル加工するなどして、グラスウールに比べ高密度に成形したものはガラス繊維成形体と呼ばれている。ガラス繊維成形体は断熱性能、吸音性能に優れ、不燃性の断熱材および吸音材として、自動車、住宅および産業用機械設備用途に広く用いられる。グラスウールは、ソーダライムガラスおよびホウケイ酸ガラス等を原料とすることも、ガラスカレット等のリサイクル材を原料とすることもできる。ガラス繊維成形体の材料に、リサイクル材を原料としたグラスウールを用いれば経済的である。
通常、グラスウールは、バインダーを散布し繊維を接着結合させる、またはニードル加工する等のガラス繊維を纏める加工が施されている。
バインダーを用いているグラスウールをガラス繊維成形体とする際に加熱すれば、バインダーは揮発性であることが多いので揮発したガスを作業場で作業者が吸い込む懸念がある。ガラス繊維成形体を真空断熱材の芯材として用いる場合、密封されて製造されていてもバインダーから揮発するガスにより、真空断熱材の真空度が低下し、断熱性能の劣化を招く虞がある。
一方、ニードル加工されているガラス繊維成形体は、ニードル加工により多数の針をガラス繊維成形体に穿通させる際に破砕したガラス繊維よりガラス粉末が発生し、飛散により作業環境が悪化する懸念がある。
特許文献1には、バインダーを使用することなく、かつニードル加工を施さないグラスウールを用い、ガラス繊維成形体を得る製造方法として、加熱加圧成形時に、ガラス繊維からなるマットに含水率を0.1質量%〜7.0質量%となるように補水し、250℃〜450℃に温度を維持しながら加圧成形することが記載されている。特許文献1に記載の方法は、グラスウールをなすガラス繊維の表面に水を付着させて水ガラスとして知られる珪酸ナトリウムを発生させ、発生した珪酸ナトリウムをバインダーとして、別途バインダーを添加することなく、ガラス繊維成形体をなすガラス繊維同士を結合させる方法であり、ガラス繊維成形体の形状を長期にわたって維持することができるとされる。しかしながら、特許文献1に記載の方法は、加圧成形機にてグラスウールを加熱加圧成形する際、グラスウールに含浸している水分が珪酸ナトリウムとなったとしても加圧盤へ移動し、ガラス繊維表面に付着する量は少なく、バインダーとしての様をなさないという虞がある。また、加熱加圧成形時にグラスウールの含水率を0.1質量%〜7.0質量%の間の最適な含水率に調整するのも容易ではない。
また、特許文献2には、加圧成形しガラス繊維成形体を得る際、ガラスの歪点近傍の480℃以上の温度で加熱加圧することでガラス繊維同士の接触点を融合させ、加圧後の形状を保持したグラスウールボードが開示されている。しかしながら、特許文献2に記載の方法は、480℃以上の高温をかけるためにガラス繊維が脆くなり、ガラス繊維成形体であるグラスウールボードよりガラス粉末が発生し、品質が保てない虞があった。
また、特許文献3には、ガラス繊維同士の融着(結着)による熱抵抗増大を防止するため、ガラス繊維同士が結着せずにガラス繊維が延伸する温度である480℃に加熱圧縮し、延伸によりガラス繊維同士を絡ませて成形したガラス繊維成形体が開示されている。しかしながら、特許文献3の記載の方法は、ガラス繊維が延伸し熱変形を起こす480℃以上の高温までガラス繊維成形体を加熱する必要があり、作業し難く経済的とも言えない。
また、特許文献4には、ガラスの変形点から110℃下の最低成型温度から、変形点〜変形点から20℃上の最高成型温度の温度範囲で、10分間以上加熱し加圧成形したグラスウール芯材を用いた真空断熱材が開示されている。具体的には、発熱体を具備した加圧板で平均繊維径約10μmのグラスウールを400℃で10分間以上加熱加圧成形することが記載されている。
特開2006−342839号公報 特開2005−351438号公報 特開2005−220954号公報 特表2003−532845号公報
本発明は、従来の方法の様に、ガラス繊維成形体の製造において、ガラス繊維綿状体としてのグラスウールにバインダーを散布することなく、またガラス繊維綿状体としてのグラスウールに水を含ませ含水率の調整をすることなく、また成形時にガラス繊維同士を融合または延伸させるために480℃程度以上の高温に加熱することなく、ガラス繊維成形体を製造する方法であって、広範囲の径のガラス繊維に対して有効であり、ガラス繊維が太く嵩張る量であっても、短時間で所望の厚さに成形され、その後、膨らむことのないガラス繊維成形体を得るガラス繊維成形体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討したころ、従来技術より低い温度で加圧成形しても、長期に渡って厚みが増すことなく所定の厚みを保つガラス繊維成形体の製造方法を見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、ガラス繊維綿状体を加圧成形機の加圧盤に挟んで成形するガラス繊維成形体の製造方法であって、ガラス繊維綿状体にバインダーを散布することなく、前記加圧成形機の対面する一対の加圧盤の加圧面に設けられた複数の熱風噴出孔より吹き出させた熱風をガラス繊維綿状体に通過させつつ、加圧盤で挟んだガラス繊維綿状体を加圧し、圧縮して成形されたガラス繊維成形体を得るものとし、前記熱風がガラス繊維綿状体を通過するときの温度(熱風温度)が、前記ガラス繊維綿状体を形成するガラスの歪点より50〜150℃低い温度であることを特徴とするガラス繊維成形体の製造方法である。
なお、本発明において熱風温度とは、熱風がガラス繊維綿状体を通過するときの熱風の温度を指す。以後、熱風温度とは、熱風がガラス繊維綿状体を通過するときの熱風の温度を示す。
一対の加圧盤の加圧面に設けられた複数の熱風噴出孔より吹き出させた熱風をガラス繊維綿状体に通過させつつ、加圧盤で挟んだガラス繊維綿状体を加圧することにより、熱風をムラなくガラス繊維綿状体に通過させることが可能である。
また、本発明は、ガラス繊維綿状体が、ソーダライムガラス又はホウケイ酸ガラスであり、熱風温度が、350℃以上、450℃以下であることを特徴とする請求項1に記載のガラス繊維成形体の製造方法である。
さらに、本発明は、ガラス繊維綿状体は、含水率が0.1質量%未満となるまで乾燥されていることを特徴とする請求項1に記載の方法である。
本発明のガラス繊維成形体の製造方法を用いれば、グラスウール中に熱風を通過させつつ加圧成形すると、グラスウール全体に温度のムラができることなく急速に加熱できるので、従来技術より、グラウスールを低い温度で加圧し圧縮して成形したとしても長期にわたって成形時の厚みを維持し、膨れることのないガラス繊維成形体を得ることができる。
本発明に用いる加圧成形機の構成の一例を示した概略図である。 本発明のガラス繊維成形体の製造法の工程を示した工程図である。(A)複数の熱風噴出孔または排気孔を備えた上下部の加圧盤の間にガラス繊維綿状体を置いた段階を示す図である。(B)熱風を吹き出させながらガラス繊維綿状体をガラス繊維成形体に加圧成形している段階を示す図である。 従来のガラス繊維成形体の製造法を示す概略図である。
以下、本発明を、順を追って説明する。
1.ガラス材料の組成およびガラス繊維
本発明のガラス繊維成形体の製造方法で使用する、ガラス繊維綿状体のガラス材料の組成は、どのような組成のガラスでも使用可能である。例えば、従来公知のガラス組成の中で一般的なSiOを62〜65質量%、Alを1〜2質量%、CaOを7〜8質量%、MgOを3〜4質量%、NaOを15〜18質量%、KOを0〜1質量%およびBを4〜7質量%含有するソーダライムガラス又はホウケイ酸ガラスであってもよい。ホウケイ酸ガラスを用いることもできるが、歪点が480℃以上、520℃以下のガラス材料を用いることが、ガラス繊維綿状体の製造、およびガラス繊維成形体へ成形が低い温度で実施でき、容易であるので好ましい。ガラス材料には、珪砂および他原料より調整したガラスを用いることもできるが、上記ソーダライムガラスのカレットを原料とすることもできる。ガラス材料は2種類以上の混合物であってもよいが、歪点が近傍のガラスを組み合わせて用いることが好ましい。
ガラス繊維綿状体を製造する際のガラス材料の繊維化工程では、溶融したガラス材料は、高速に回転するスピナーに導入され、遠心力の作用でスピナーに設けられた多数の細孔を通ってスピナー外に吐出されることで繊維化する。この際、前記溶融したガラス材は、繊維化されると同時に即座に冷却されてガラス繊維となる。前記ガラス繊維同士が層状に絡み合って堆積し集綿され、ガラス繊維綿状体が得られる。ガラス繊維はスピナー外に吐出される際、即座に急速に冷却されるので、溶融状態のガラス構造を有したガラス繊維綿状体が得られる。
本発明のガラス繊維成形体の製造方法における、ガラス繊維綿状体およびガラス繊維成形体を構成するガラス繊維の繊維径は、平均繊維径3〜8μmの硝子繊維が用いられる。平均繊維径が3μmより小さいと、繊維化し難い。逆に平均繊維径を8μmより大きくすると、硝子繊維が熱を伝え易くなり、断熱性が低下する。好ましくは4〜7μmである。

2.ガラス繊維成形体の製造[ガラス繊維綿状体 → ガラス繊維成形体]
前記ガラス繊維綿状体を加圧して厚みを小さくすると、ガラス繊維綿状体を構成する個々のガラス繊維は歪、その歪を緩和しようとする応力が発生する。その結果、ガラス繊維綿状体には元の厚みへ戻ろうとする復元力が発生する。
ガラス繊維が歪、その歪を緩和しようとする応力は、ガラス繊維を加熱すると低下する。即ち応力緩和する。
前記ガラス繊維綿状体を加圧成形してガラス繊維綿状体を圧縮して厚みを小さくしたガラス繊維成形体を得る際、加熱に要する時間が長く加熱にムラがあると、ガラス繊維綿状体をガラス繊維成形体とする際に、個々のガラス繊維毎に、応力緩和にムラが発生し、ガラス繊維綿状体全体をみると応力緩和が不十分となり、厚みも十分に小さくならない。
ガラス繊維綿状体を加圧成形して圧縮し所定の厚みのガラス繊維成形体を得る際、ガラス繊維綿状体内に熱風を通し、熱風温度をガラス材の歪点より50〜150℃低い温度に調整し、ガラス繊維綿状体全体を急速にムラなく加熱すると、ガラス繊維綿状体を成す全てのガラス繊維が同時に均一に応力緩和される。個々のガラス繊維に起こる応力緩和は僅かでも、前記ガラス繊維綿状体全体に亘って均一に起こるために、この応力緩和は、前記ガラス繊維綿状体が元の厚みへ戻ろうとする復元力の緩和に効果的に作用し、前記ガラス繊維綿状体の減厚へと大きな効果を与えることができる。
なお、熱風温度は、歪点より50〜150℃低い温度なので、プレスにより前記ガラス繊維には延伸が起こるほどの粘性流動は発生しない。
本発明のガラス繊維成形体の製造方法においては、ガラス繊維綿状体を形成する全てのガラス繊維が、熱風により、同時に、均一に且つ急速に加熱されるために、結果として、ガラス繊維の歪により生じた応力の緩和がおこり、所定の厚みのガラス繊維成形体に圧縮成形しても、その厚みを維持し加圧を解除した後、膨れ、所定の厚みより厚くなることはない
なお、前記加熱成形時の熱風温度は、ガラス材料の歪点より50〜150℃低い温度であることが好ましい。ガラス繊維に延伸が起こる歪点よりも50℃低い温度より高い温度にする必要はない。
また、ガラス繊維成形体の集綿量は400〜1600g/mが好ましく、所望のガラス繊維成形体の厚みに合わせてガラス繊維綿状体の枚数を調整して加圧成形する。
また、ガラス繊維綿状体を、加熱加圧して減厚したガラス繊維性形体を得る際、減厚率は7〜15%が好ましい。減厚率を7%未満にしようとすると、大きな力での加圧が必要となり、そのためにガラス繊維が破砕してガラス粉末が発生する。減厚率が15%を超えると、真空断熱材の芯材などに使用できない。より好ましい減厚率は9〜13%である。なお、減厚率とは、加熱加圧前のガラス繊維綿状体の厚みに対する加熱加圧後のガラス繊維成形体の厚みの比率を百分率で表した値である。
本発明のガラス繊維成形体の製造方法においては、ガラス繊維の舞い上がりを抑えるためにガラス繊維綿状体に散水した後、加熱し、加圧成形して、ガラス繊維成形体を製造してもよい。散水時のガラス繊維綿状体の含水率を0.1〜4.0質量%とし、加圧成形時の含水率が0.1質量%未満となるまで乾燥すると、加熱成形時間の短縮が図れ好ましい。
本発明のガラス繊維成形体の製造方法によれば、ガラス繊維綿状体を、それを形成するガラス繊維のガラス材料の歪点近傍または歪点以上に加熱しなくても、熱風を、加圧成形機の加圧盤に設けられた複数の熱風噴出孔より吹き出させ、歪点より50〜150℃低い温度の熱風をガラス繊維成形体内に均一にムラなく通過させつつ、所定時間加熱しながら加圧してガラス繊維成形体が得られる。
得られたガラス繊維成形体は、従来技術のガラス繊維成形体の製造方法により得られたガラス繊維成形体と異なり、ガラス繊維成形体を形成するガラス繊維同士間の結着が無くても、ガラス繊維成形体が膨らむことなく、厚みおよび形状を長期にわたって維持することができる。
また、従来技術のガラス繊維成形体の製造方法のように、バインダーを散布することなく、ニードル加工することなく、ガラス繊維成形体に水を適度に含浸させてガラス繊維から珪酸ナトリウムなどの結合材を生成させることなく、または、480℃程度以上の高温の加圧成形条件でガラス繊維同士を融合させる、または延伸により絡めたりすることなく、従来技術よりも低温の加圧成形により、ガラス繊維成形体が膨らむことなく、厚みおよび形状を長期にわたって維持することができる。
前記ガラス繊維性形態は、ガスを発生するバインダーを散布していないので、断熱性能の劣化の少ない真空断熱材の芯材として利用可能である。また、吸音材としても利用でき、特に、バインダーを散布していないので耐熱性に優れ、自動車用に利用可能である。

3.本発明のガラス繊維成形体の製造方法の工程説明
本発明のガラス繊維成形体の製造方法の工程を図1〜2を用いて説明する。
図1は、本発明に用いる加圧成形機の構成の一例を示した概略図である。図1に示すように、加圧成形機は、送風機、ヒーター、上部加圧盤1および下部加圧盤4から構成される。上部加圧盤1および下部加圧盤4には、複数の熱風が吹き出す熱風噴出孔2または排気孔2を設けている。
図2は、本発明のガラス繊維成形体の製造法の工程を示した工程図である。(A)は、複数の熱風噴出孔または排気孔を備えた上下部の加圧盤の間にガラス繊維綿状体を置いた段階を示す図であり、(B)は、熱風孔より熱風を吹き出させながらガラス繊維綿状体をガラス繊維成形体に加圧成形している段階を示す図ある。
図2の(A)に示すように、下部加圧盤4の上に、所定の寸法に裁断したガラス繊維綿状体31を置き、図2の(B)に示すように、加圧盤1、4の孔2から熱風を吐出させながら所定時間加圧し、圧縮させてガラス繊維成形体32を得る。この際、上部加圧盤1または下部加圧盤4に設けたいずれかの孔2を熱風噴出孔2としてもよく排気孔2としてもよい。
図1〜2に示す、上部加圧盤1及び下部加圧盤4の孔2の形状は、円形、楕円形、矩形又は三角形と定める必要は特に無いが、加圧盤作製の容易さから円形が好ましい。
1つ当たりの孔2の面積は、特に限定する必要はないが、7〜300mmとする。7mmより小さいと、熱風が充分にガラス繊維綿状体31全体に拡散せず、ガラス繊維綿状体31内で温度ムラを生ずる。また、熱風が孔2を通過する抵抗が大きくなり、高出力の送風機が必要となる。300mmより大きいと、加圧時に、圧力がガラス繊維綿状体31に充分に伝わらず、目的とする厚さの減厚ができない。好ましくは10〜200mm、より好ましくは12〜150mmである。
加圧盤が、ガラス繊維綿状体31と接触する加圧面に対する孔2の総面積の割合(以下、開口率と呼ぶことがある)は、20〜40%とすることが好ましい。20%より小さいと、熱風が充分にガラス繊維成形体内に拡散せず、ガラス繊維成形体内31で温度ムラを生ずる。また、熱風噴出孔2または排気孔2を通過する熱風の抵抗が大きくなり、高出力の送風機が必要となる。40%より大きいと、加圧成形時に、圧力がガラス繊維綿状体31に充分に伝わらず、目的とする厚さまで圧縮できない。また、加圧盤1、4の剛性が低下し好ましくない。好ましくは、28〜35%、より好ましくは30〜35%である。
熱風孔2の1つ当たりの孔2の面積および孔2の開口率が上記値の範囲内であれば、1つの加圧盤内で孔の大きさまたは形状を揃えなくてもよい。
また、加圧盤1、4は、上部加圧盤1、下部加圧盤4から成るが、孔2の形状、1つ当たりの孔2の面積及び開口率について、加圧盤上下で揃えた方が、ガラス繊維綿状体31内の熱風の流れがよく好ましい。
加圧成形時に、上部加圧盤1及び下部加圧盤4で挟まれたガラス繊維綿状体31を通過する熱風の温度は、ガラス繊維綿状体31をなすガラスの歪点より50〜150℃の低い温度とすることが好ましい。歪点より150℃を超えて低い温度にすると、ガラス繊維綿状体31は、所望する厚みまで圧縮するのにかなりの時間を要する。また、所低の厚みまで到達しない虞がある。歪点より50℃低い温度を超えて高い温度にすると、ガラス繊維綿状体31は、所望とする厚みまで短時間で圧縮することが可能であるが、ガラス繊維綿状体31を構成するガラス繊維が脆くなり、作業性に劣る。また、また高い温度で成形することは燃料を多く消費し、省エネルギーの観点から好ましくない。より好ましくは歪点より60〜130℃低い温度、さらに好ましくは歪点より70〜120℃低い温度である。なお、前記熱風の温度は、定期的に熱電対をガラス繊維綿状体31に挿入した状態で加圧成形して、前記ガラス繊維綿状体31を通過する熱風の温度を測定して管理することが好ましい。
熱風の風速(単位面積当たり単位時間当たりの熱風量)は、6.4〜8.5m/secとする事が好ましい。6.4m/secより小さいと、熱風が充分にガラス繊維綿状体内31に拡散せず、ガラス繊維綿状体31で温度ムラを生ずる。8.5m/secより大きいと、加圧成形時間を過小に調整する必要があり、熱風によるガラス繊維綿状体31をなすガラス繊維の加熱が均一でなく不安定となる。また、過剰に熱風を供給することは燃料を多く消費することになり、省エネルギーの観点から好ましくない。好ましくは7.3〜8.5m/secである。
加熱成型に要する時間は、ガラス繊維綿状体31の集綿量と、通過させる熱風の温度と、風速とによって適宜調整する。例えば、歪点より50℃低い温度にて加圧する場合は、3分以上の加圧時間が必要である。
加圧する際の圧力は、0.1〜5.5kg/mで適宜調整することが好ましい。圧力が0.1kg/mより低いと目的とする厚さまで減厚できない虞がある。また、5.5kg/mより大きい過度の圧力は、ガラス繊維を破損する虞がある。圧力は、ガラス繊維綿状体31の集綿量と熱風温度と熱風量(風速)により適宜決めることが好ましい。
図3は、従来のガラス繊維成形体の製造法を示す概略図である。図3に示すように、従来のガラス繊維成形体の製造法のように、熱風噴出/排気孔2を設けず、発熱体7を具備した上部加圧盤5および下部加圧盤6を用いた加圧成形機により、ガラス繊維綿状体33を加圧成形する場合、上部加圧盤5および下部加圧盤6の表面からの伝熱のみでガラス繊維綿状体33を加熱するために、ガラス繊維綿状体33の上下方向に温度ムラが発生し、断面の中心部分に充分熱が伝わらずに圧縮がし難い。また、断面方向の中心部分に充分熱が伝わるようにするために加圧盤5、6の温度や加圧時間を大きくした場合、上部加圧盤5および下部加圧盤6と接しているガラス繊維綿状体33のガラス繊維同士が融合してしまう。結果として、得られるガラス繊維成形体の熱伝導度が上がり断熱性能の低下を招く。
以下、本発明に係る詳細な実施例を示す。
実施例1
(ガラス繊維綿状体31の製造)
市販のカレット(市中から回収された板ガラスやガラス瓶)にホウ砂及びソーダ灰を加えて歪点が495℃となるように調整したホウケイ酸ガラスを溶融し、繊維化装置によって繊維化しガラス繊維とし、この繊維化直後に圧縮空気を利用してガラス繊維に水をスプレー塗布し、コンベア上に集綿して積層した。このときのガラス繊維綿状体31の平均繊維径は4.5μm(計測機器社製のマイクロネアーを使用して測定)、含水率は0.2質量%、集綿量は1400g/m であった。
次に、前記ガラス繊維綿状体31を切断機で300×300mmの大きさに整えた後、含水率が0.01質量%未満となるまで風乾した。前記ガラス繊維綿状体31の厚みは90mmであった。
(加圧盤)
直径4mmの円形の熱風噴出孔2または排気孔2を開口率33%になるように千鳥に配置した加圧盤1、4を用いた。
(加圧成形)
2枚の前記ガラス繊維綿状体31を、重ねて前記加圧盤1,4の間に配置した。このとき、熱電対を前記2枚のガラス繊維綿状体31の間に挟んだ。次に、1.1kg/cmの力で5分間加圧した。この加圧の間に、前記熱電対指示温度が400℃の熱風を8.5m/secの風速で下側の加圧盤の熱風噴出孔2から上側の加圧盤の排気孔2へガラス繊維綿状体31の内部を介して流した。加圧を解いて冷却して目的の厚さ圧縮したガラス繊維成形体32を得た。
(ガラス繊維成形体)
ガラス繊維成形体32の密度は、140kg/m、厚さは、20mmであった。また、100時間以上放置後においても140kg/mの密度を保っており、成形後の厚みの戻りがなく、また、ガラス繊維が脆くなり、ガラス繊維の一部が破砕し、ガラス粉末が発生する繊維破壊もなく劣化は生じていないことが確認された。(表1)
実施例2~6および比較例1,2
(ガラス繊維綿状体)
実施例1と同じ特性のガラス繊維綿状体31を用いた。
(加圧成形機)
実施例1と同じ加圧成形機を用いた。
(加圧成形)
前記ガラス繊維綿状体31を、2枚重ねて、前記加圧盤1,4の間に挟み、表1の条件にて加圧成形した。
(ガラス繊維成形体)
得られたガラス繊維成形体32の特性を表2に示した。
比較例3
(ガラス繊維綿状体)
実施例1と同じ特性のガラス繊維綿状体33を用いた。
(加圧成形機)
発熱体7としての電熱線を埋め込んだ加圧盤5、6を備えた図3に示す構造の加圧成形機を用いた。
(加圧成形)
加圧盤5、6の温度を400℃に設定し、ガラス繊維綿状体33を、2枚重ねて、加圧盤5,6に導き、1.78kg/cmの力で15分間加圧した。
(ガラス繊維成形体)
比較例4
(ガラス繊維綿状体)
実施例1と同じ特性のガラス繊維綿状体33を用いた。
(加圧成形機)
発熱体7としての電熱線を埋め込んだ加圧盤5、6を備えた図3に示す構造の加圧成形機を用いた。
(加圧成形)
加圧盤5、6の温度を比較例1よりも高い450℃に設定し、ガラス繊維綿状体33を、2枚重ねて、加圧盤5,6に導き、1.78kg/cmの力で15分間加圧した。
(ガラス繊維成形体)
加圧を解いて冷却しガラス繊維成形体を得たが、1時間ほどで膨らみ、厚みを保たなかった。




表1に記載の実施例1〜6に示すように、本発明のガラス繊維成形体の製造方法にて、ガラス繊維綿状体を減厚すれば、バインダーを散布しなくても、水含有率を調整しなくても、350℃以上、450℃以下の低温で、短い加圧時間で圧縮でき、得られたガラス繊維成形体は膨れることなく、経時的に厚さを保持できることがわかった。
表2に記載の比較例3及び4に示すように、図3に示す構造の加圧成形機を用いた場合、加圧盤からガラス繊維綿状体に熱が充分に伝わらず、加圧成形しても1時間で厚さが復元し始めて経時的に厚さを保持できないことがわかった。
1:上部加圧盤
2:孔(熱風噴出孔または排気孔)
31:ガラス繊維綿状体
32:ガラス繊維成形体
33:ガラス繊維綿状体
4:下部加圧盤
5:発熱体を備えた上部加圧盤
6:発熱体を備えた下部加圧盤
7:発熱体

Claims (3)

  1. ガラス繊維綿状体を加圧成形機の加圧盤に挟んで成形するガラス繊維成形体の製造方法であって、
    ガラス繊維綿状体にバインダーを散布することなく、
    前記加圧成形機の対面する一対の加圧盤の加圧面に設けられた複数の熱風噴出孔より吹き出させた熱風をガラス繊維綿状体に通過させつつ、加圧盤で挟んだガラス繊維綿状体を加圧し、圧縮して成形されたガラス繊維成形体を得るものとし、
    前記熱風の温度が、前記ガラス繊維綿状体を形成するガラスの歪点より50〜150℃低い温度であることを特徴とするガラス繊維成形体の製造方法。
  2. ガラス繊維綿状体が、ソーダライムガラス又はホウケイ酸ガラスであり、
    熱風温度が、350℃以上、450℃以下であることを特徴とする請求項1に記載のガラス繊維成形体の製造方法。
  3. ガラス繊維綿状体は、含水率が0.1質量%未満となるまで乾燥されていることを特徴とする請求項1に記載の方法。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016080063A (ja) * 2014-10-16 2016-05-16 日立アプライアンス株式会社 真空断熱材の製造方法及びこの真空断熱材を使用した冷蔵庫
CN112046031A (zh) * 2020-08-05 2020-12-08 赵军 一种玻璃钢雕塑品发光工艺

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