JP2015209515A - インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】AdobeRGBにも対応し得る優れた発色性を有し、しかも保存安定性及び吐出安定性も良好なシアン顔料インクの提供。
【解決手段】顔料を含有するインクジェット用のインクであり、顔料として、フタロシアニン系化合物を有し、前記フタロシアニン系化合物は芳香環、又は複素環を有し、また、金属原子に酸素原子を介して結合している置換基がシクロヘキサン環、ノルボルナン環、アダマンタン環、又はアポピナン環であってもよいアルキル基であるシアン顔料インク。
【選択図】なし
【解決手段】顔料を含有するインクジェット用のインクであり、顔料として、フタロシアニン系化合物を有し、前記フタロシアニン系化合物は芳香環、又は複素環を有し、また、金属原子に酸素原子を介して結合している置換基がシクロヘキサン環、ノルボルナン環、アダマンタン環、又はアポピナン環であってもよいアルキル基であるシアン顔料インク。
【選択図】なし
Description
本発明は、インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法に関する。
近年、インクジェット記録方法は、フルカラー画像による記録が普及し、高画質化の要求が高まっている。デジタル記録の分野においては、画像データをRGB(レッド、グリーン、ブルー)に色分解し、色空間に展開する。このデータをCMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)のデータに変換した後、フルカラー画像として出力することが行われている。そして、デジタル記録の普及に伴って、画像データをCMYKに変換した後にレタッチを行うCMYKワークフローではなく、RGBの段階でレタッチを行うRGBワークフローが一般的になりつつある。
RGBワークフローにおいては、色空間の規格として、アドビシステムズ社が提唱するAdobeRGBが利用されている。AdobeRGBは、従来の規格である国際電気標準会議(IEC)が定めたsRGBと比較して、色再現範囲が広く、きめ細やかな色彩表現が可能である。しかし、色材の発色性が不十分であると、AdobeRGBのデータをそのまま画像として出力することができず、画質が低下するという問題がある。特に、AdobeRGBはsRGBと比較してシアン色から緑色にかけての色再現範囲が著しく広いという特徴があり、シアンインクの発色性が問題となる。
ところで、インクジェット記録方法においては、従来の染料インクに代わり、記録される画像の堅牢性に優れる顔料インクが普及してきている。なかでも、シアンインクの色材としては銅フタロシアニン顔料が主に用いられている。しかし、銅フタロシアニン顔料は、AdobeRGBのデータを出力するのに十分な発色性を有しておらず、発色性に優れたシアン顔料が切望されている。
近年、高い明度と良好な色調を有するシアン顔料として、中心金属原子に置換基が結合されたフタロシアニン化合物が開示されている。例えば、中心金属原子にトリメチルシロキシ基などが結合されたフタロシアニン化合物を含有するインクジェット記録用のシアンインクが開示されている(特許文献1参照)。また、中心金属原子にオクチルオキシ基などが導入されたフタロシアニン化合物を含有するインクが開示されている(特許文献2参照)。
しかし、特許文献1や2に記載されたフタロシアニン化合物を用いた顔料インクは、AdobeRGBに対応させるには発色性が不十分であった。また、前記顔料インクをインクジェット記録方法に適用した場合、インクの保存安定性や吐出安定性が低いという課題があった。
したがって、本発明の目的は、AdobeRGBにも対応し得る優れた発色性を有し、しかも保存安定性及び吐出安定性も良好な顔料インクを提供することにある。また、本発明の別の目的は、前記インクを用いたインクカートリッジ、及びインクジェット記録方法を提供することにある。
本発明によれば、AdobeRGBにも対応し得る優れた発色性を有し、しかも保存安定性及び吐出安定性も良好な顔料インクを提供することができる。また、本発明によれば、このインクを用いたインクカートリッジ、及びインクジェット記録方法を提供することができる。
以下に、発明を実施するための形態を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。以下、インクジェット用のインクのことを「インク」と記載することがある。
本発明者らは、前記した従来技術の課題を解決すべく検討を行った。その結果、一般式(1)で表される化合物を顔料成分とすることで、前記した従来技術の課題を解決可能であることを見出した。具体的には、AdobeRGBにも対応し得る優れた発色性を有し、しかも保存安定性、及び吐出安定性も良好な顔料インクを提供可能であることを見出し本発明に至った。以下、本発明のインクについて詳細に説明する。
本発明者らは、前記した従来技術の課題を解決すべく検討を行った。その結果、一般式(1)で表される化合物を顔料成分とすることで、前記した従来技術の課題を解決可能であることを見出した。具体的には、AdobeRGBにも対応し得る優れた発色性を有し、しかも保存安定性、及び吐出安定性も良好な顔料インクを提供可能であることを見出し本発明に至った。以下、本発明のインクについて詳細に説明する。
<インク>
(色材)
本発明のインクは、色材として顔料を含有する顔料インクである。そして、本発明のインクは、前記顔料として、下記一般式(1)で表される化合物を含有する。
(一般式(1)中、R1、R2、及びR3はそれぞれ独立に、水素原子、又はアルキル基を表し、R1、R2、及びR3のうち少なくとも2つはアルキル基である。R1、R2、及びR3のうち少なくとも2つが結合して環を形成していてもよい。Aはそれぞれ独立に、芳香環、又は複素環を表す。Mは金属原子を表す。)
(色材)
本発明のインクは、色材として顔料を含有する顔料インクである。そして、本発明のインクは、前記顔料として、下記一般式(1)で表される化合物を含有する。
(一般式(1)中、R1、R2、及びR3はそれぞれ独立に、水素原子、又はアルキル基を表し、R1、R2、及びR3のうち少なくとも2つはアルキル基である。R1、R2、及びR3のうち少なくとも2つが結合して環を形成していてもよい。Aはそれぞれ独立に、芳香環、又は複素環を表す。Mは金属原子を表す。)
一般式(1)で表される化合物は、R1、R2、及びR3のうち少なくとも2つはアルキル基である。すなわち、分岐構造を有する原子団(R1R2R3)C−がメチレン基及び酸素原子を介して金属原子に結合された構造を有する。また、一般式(1)で表される化合物は、R1、R2、及びR3のうち少なくとも2つが結合して環を形成していてもよく、この場合は、前記環がメチレン基及び酸素原子を介して金属原子に結合された構造を有する。これらの構造が、一般式(1)で表される化合物の発色性、保存安定性、及び吐出安定性を向上させていると考えられる。これは、金属原子と、分岐構造を有する原子団、又は環との間にメチレン基が介在することによって、フタロシアニン環の軸に結合した原子団が、発色団であるフタロシアニン環に張り付くような構造をとりにくいためと推定している。
以下、一般式(1)における各基について説明する。一般式(1)におけるR1、R2、及びR3はそれぞれ独立に、水素原子、又はアルキル基を表し、R1、R2、及びR3のうち少なくとも2つはアルキル基である。R1、R2、及びR3のうち少なくとも2つが結合して環を形成していてもよい。
アルキル基の炭素数は好ましくは1乃至22、さらに好ましくは1乃至6であり、直鎖状及び分岐状のいずれであってもよい。例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、オクチル基、ドデシル基、ノナデシル基などを挙げることができる。
R1、R2、及びR3のうち少なくとも2つが結合して形成される環は、単環式又は多環式の飽和炭化水素環であることが好ましい。シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロへキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、ノルボルナン環、アダマンタン環などが挙げられる。これらの環は、発色性に影響を及ぼさない限り、置換基を有していてもよい。例えば、メチル基などのアルキル基;ヒドロキシメチル基、ビニルオキシメチル基などの置換アルキル基;ベンジルアミノ基などの置換アミノ基;その他、ヒドロキシ基、カルボキシ基などが挙げられる。
R1、R2、及びR3のうち少なくとも2つが結合して形成される環の具体例としては、以下に示す環(1)〜(16)が挙げられる。「*」は一般式(1)におけるメチレン基(−CH2−)との結合部位を表す。これらの中では、シクロヘキサン環、ノルボルナン環、アダマンタン環、又はアポピナン環(環(1)、(8)、(9)、(14))が好ましく、発色性が非常に優れる点において、シクロヘキサン環、ノルボルナン環、又はアダマンタン環(環(1)、(8)、(9))が特に好ましい。
一般式(1)におけるAはそれぞれ独立に、芳香環、又は複素環を表す。芳香環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環などが挙げられる。また、複素環としては、例えば、ピリジン環、ピラジン環などの複素芳香環;ピロリジン環、ピペリジン環、アゼパン環、アゾカン環などの飽和複素環;などが挙げられる。Aで表される芳香環や複素環は、発色性に影響を及ぼさない限り、置換基を有していてもよい。例えば、メチル基、プロピル基、tert−ブチル基などのアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基などのアルコキシ基;ニトロ基;塩素原子などのハロゲン原子;スルホン酸基、カルボキシ基、及びそれらの塩;などが挙げられる。Aは、前記置換基の立体配置が異なるものなど、複数の立体異性体を含んでいてもよい。例えば、合成法に起因して単一の立体構造とはならず、複数の立体異性体を含む場合がある。これらの異性体の違いによって、発色性に大きな影響はない。発色性の観点から、Aとしては、無置換のベンゼン環、無置換のピリジン環、無置換のピラジン環が好ましく、特に、無置換のベンゼン環が好ましい。
一般式(1)におけるMは金属原子を表す。金属原子としては、銅、亜鉛、アルミニウムケイ素、ゲルマニウム、スズなどが挙げられる。なかでも、ケイ素、ゲルマニウム、スズなどの14族元素の金属原子が好ましく、発色性の観点から、ケイ素原子が特に好ましい。
一般式(1)で表される化合物の好ましい具体例として、化合物(1)乃至(42)を以下に示す。勿論、本発明においては、一般式(1)で表される構造、及びその定義を満たす化合物であれば、以下に示す化合物に限定されない。
〔一般式(1)で表される化合物の合成方法〕
一般式(1)で表される化合物は、例えば、Polymer Journal,27,11,1079-1084(1995)、Angew.Chem.Int.Ed.,37,8,1092-1094(1998)などに記載されている公知の方法などを参考にして合成することが可能である。
一般式(1)で表される化合物は、例えば、Polymer Journal,27,11,1079-1084(1995)、Angew.Chem.Int.Ed.,37,8,1092-1094(1998)などに記載されている公知の方法などを参考にして合成することが可能である。
以下、一般式(1)で表される化合物の製造方法の一例について説明する。
先ず、環化反応について説明する。イソインドリン誘導体は、Journal of Heterocycle Chemistry,1403-1405(1970)などに記載されている公知の方法で1,2−ジシアノベンゼン誘導体から合成することができる。その後、下記反応式に表すように、イソインドリン誘導体とハロゲン化金属をキノリン、又はクロロナフタレンなどの溶媒中、200℃以上で反応させることでジクロロフタロシアニンを合成することができる。下記反応式において、A、及びMは、一般式(1)の定義と同義である。
先ず、環化反応について説明する。イソインドリン誘導体は、Journal of Heterocycle Chemistry,1403-1405(1970)などに記載されている公知の方法で1,2−ジシアノベンゼン誘導体から合成することができる。その後、下記反応式に表すように、イソインドリン誘導体とハロゲン化金属をキノリン、又はクロロナフタレンなどの溶媒中、200℃以上で反応させることでジクロロフタロシアニンを合成することができる。下記反応式において、A、及びMは、一般式(1)の定義と同義である。
次に、軸導入反応について説明する。下記反応式に表すようにジクロロフタロシアニンにアルコールAを反応させて、一般式(1)で表される化合物を得ることができる。下記反応式において、A、M、R1、R2、及びR3は、一般式(1)の定義と同義である。
軸導入反応は無溶媒で行うことも可能であるが、反応の制御などを考慮すると溶媒の存在下で行うことが好ましい。溶媒としては反応に関与しないものであれば特に制限はないが、例えば、トルエン、キシレン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、ピリジン、キノリンなどが挙げられる。また、2種以上の溶媒を混合して用いることもでき、混合して用いる際の混合比は任意に定めることができる。前記反応溶媒の使用量は、ジクロロフタロシアニンに対する質量比率で、0.1倍以上1,000倍以下の範囲で用いられ、好ましくは1.0倍以上150倍以下である。軸導入反応の反応温度は、−80℃以上250℃以下の範囲で行われ、好ましくは−20℃以上150℃以下である。通常、軸導入反応は10時間以内に完結することができる。
軸導入反応では、必要に応じて塩基を添加すると反応が速やかに進行する。軸導入反応で用いる塩基としては、具体的には、カリウムtert−ブトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドなどの金属アルコキシド;酢酸カリウムなどの有機酸のアルカリ金属塩;ピペリジン、ピリジン、2−メチルピリジン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、イソプロピルエチルアミン、1、8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンなどの有機アミン;n−ブチルリチウム、tert−ブチルマグネシウムクロリドなどの有機金属化合物;水素化ホウ素ナトリウム、金属ナトリウム、水素化ナトリウム、炭酸ナトリウムなどの無機塩基;などが用いられる。前記塩基の中でも、好ましくは、カリウムtert−ブトキシド、水素化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ピペリジンなどであり、より好ましくは、安価で取り扱いの容易な水素化ナトリウム、ピペリジンなどである。塩基の使用量はアルコールAに対して0.1当量以上1.5当量以下、好ましくは0.2当量以上1.3当量以下、より好ましくは0.3当量以上1.1当量以下である。
前記の各反応の後、ろ過により固体を分取し、得られた固体を非極性溶媒(n−ヘキサン、n−ヘプタン、トルエンなど)で洗浄する。さらに極性溶媒(アルコールなど)で洗浄し、次いでイオン交換水などで洗浄することで、一般式(1)で表される化合物を得ることができる。
インク中の一般式(1)で表される化合物(顔料)の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.5質量%以上20.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上15.0質量%以下であることがさらに好ましい。また、一般式(1)で表される化合物は、1種を単独で用いてもよいし、インクの色調などを調整するために、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、色材として、一般式(1)で表される化合物の他に、公知の顔料や染料などを併用してもよい。
(分散剤)
一般式(1)で表される化合物をインク中に分散するためには、分散剤を用いることができる。分散剤としては、インクジェット用のインクに使用可能な公知の分散剤をいずれも用いることができる。例えば、金属塩;アニオン性、カチオン性、両性、ノニオン性などの各種の界面活性剤;樹脂分散剤;などが挙げられる。なかでも、記録される画像の各種特性を向上するために、樹脂分散剤を用いることが好ましい。インク中の分散剤の含有量は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。
一般式(1)で表される化合物をインク中に分散するためには、分散剤を用いることができる。分散剤としては、インクジェット用のインクに使用可能な公知の分散剤をいずれも用いることができる。例えば、金属塩;アニオン性、カチオン性、両性、ノニオン性などの各種の界面活性剤;樹脂分散剤;などが挙げられる。なかでも、記録される画像の各種特性を向上するために、樹脂分散剤を用いることが好ましい。インク中の分散剤の含有量は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。
樹脂分散剤としては、親水性ユニットと疎水性ユニットとを有する共重合体が挙げられ、この樹脂分散剤を顔料粒子の表面に物理的に吸着させることによって、顔料を分散させるものが好ましい。樹脂分散剤としては、インクジェット用のインクに使用可能な公知の共重合体をいずれも用いることができる。好適な樹脂分散剤としては、以下に挙げるような親水性ユニット及び疎水性ユニットを有する共重合体が挙げられる。親水性ユニットとしては、(メタ)アクリル酸やその塩などの親水性単量体に由来するユニットが挙げられる。また、疎水性ユニットとしては、スチレンやその誘導体、ベンジル(メタ)アクリレートなどの芳香環を有する単量体、(メタ)アクリル酸エステルなどの脂肪族基を有する単量体などの疎水性単量体に由来するユニットが挙げられる。樹脂分散剤の重量平均分子量は、1,000以上30,000以下、さらには3,000以上15,000以下であることが好ましい。また、樹脂分散剤の酸価は、80mgKOH/g以上250mgKOH/g以下であることが好ましい。
(水性媒体)
本発明のインクには、水、又は水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を用いることができる。水は、脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、10.0質量%以上90.0質量%以下であることが好ましい。
本発明のインクには、水、又は水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を用いることができる。水は、脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、10.0質量%以上90.0質量%以下であることが好ましい。
水溶性有機溶剤は、水溶性であれば特に制限はなく、アルコール、多価アルコール、(ポリ)アルキレングリコール、グリコールエーテル、含窒素極性溶剤、含硫黄極性溶剤などのインクジェット用のインクに使用可能なものをいずれも用いることができる。水溶性有機溶剤は、1種又は2種以上をインクに含有させることができる。インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、5.0質量%以上90.0質量%以下、さらには10.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。
(その他の添加剤)
本発明のインクは、前記した成分以外にも必要に応じて、常温で固体の水溶性有機化合物を含有させてもよい。例えば、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの多価アルコール類;尿素、エチレン尿素などの尿素誘導体;などが挙げられる。さらに、本発明のインクは、必要に応じて、界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、及び樹脂など、種々の添加剤を含有させてもよい。
本発明のインクは、前記した成分以外にも必要に応じて、常温で固体の水溶性有機化合物を含有させてもよい。例えば、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの多価アルコール類;尿素、エチレン尿素などの尿素誘導体;などが挙げられる。さらに、本発明のインクは、必要に応じて、界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、及び樹脂など、種々の添加剤を含有させてもよい。
<インクカートリッジ>
本発明のインクカートリッジは、インクと、このインクを収容するインク収容部とを備える。そして、インク収容部に収容されているインクが、前記で説明した本発明のインクである。インクカートリッジの構造としては、インク収容部が、負圧によりインクを含浸した状態で保持する負圧発生部材を収容する負圧発生部材収容室、及び、負圧発生部材により含浸されない状態でインクを収容するインク収容室とで構成されるものが挙げられる。また、上記のようなインク収容室を持たず、インクの全量を負圧発生部材により含浸した状態で保持する構成や、負圧発生部材を持たず、インクの全量を負圧発生部材により含浸されない状態で収容する構成のインク収容部としてもよい。さらには、インク収容部と記録ヘッドとを有するように構成された形態のインクカートリッジとしてもよい。
本発明のインクカートリッジは、インクと、このインクを収容するインク収容部とを備える。そして、インク収容部に収容されているインクが、前記で説明した本発明のインクである。インクカートリッジの構造としては、インク収容部が、負圧によりインクを含浸した状態で保持する負圧発生部材を収容する負圧発生部材収容室、及び、負圧発生部材により含浸されない状態でインクを収容するインク収容室とで構成されるものが挙げられる。また、上記のようなインク収容室を持たず、インクの全量を負圧発生部材により含浸した状態で保持する構成や、負圧発生部材を持たず、インクの全量を負圧発生部材により含浸されない状態で収容する構成のインク収容部としてもよい。さらには、インク収容部と記録ヘッドとを有するように構成された形態のインクカートリッジとしてもよい。
<インクジェット記録方法>
本発明のインクジェット記録方法は、前記で説明した本発明のインクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録する方法である。インクを吐出する方式としては、インクに力学的エネルギーを付与する方式や、インクに熱エネルギーを付与する方式が挙げられ、本発明においては、インクに熱エネルギーを付与してインクを吐出する方式を採用することが特に好ましい。本発明のインクを用いること以外、インクジェット記録方法の工程は公知のものとすればよい。
本発明のインクジェット記録方法は、前記で説明した本発明のインクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録する方法である。インクを吐出する方式としては、インクに力学的エネルギーを付与する方式や、インクに熱エネルギーを付与する方式が挙げられ、本発明においては、インクに熱エネルギーを付与してインクを吐出する方式を採用することが特に好ましい。本発明のインクを用いること以外、インクジェット記録方法の工程は公知のものとすればよい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、成分量に関して「部」及び「%」と記載しているものは特に断らない限り質量基準である。また、顔料の平均粒径は、レーザ回折/散乱式の粒子径分布測定装置(商品名「LA−950」、堀場製作所製)を用い、前記装置の操作マニュアルにしたがい測定した。具体的には、循環水に界面活性剤の水溶液を滴下後、顔料粒子の分散液を機器の最適濃度まで滴下し、超音波で30秒間分散させて、測定を開始し、体積基準のメジアン径を求めた。
<一般式(1)で表される化合物の合成>
(ジクロロシリルフタロシアニンの合成)
窒素雰囲気下で、10.0部のキノリンに1.0部の1,3−ジイミノイソインドリンを分散させた液体に、発熱に注意しながら1.8部の四塩化シランを滴下した。滴下終了後、前記液体を230℃に昇温し、5時間撹拌した。反応終了後、前記液体を室温まで冷却し、析出した固体を減圧ろ過した。得られた固体をN,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFと略記)に分散させ、分散液を80℃に昇温した。この分散液を熱時ろ過することによって不純物を除去し、2軸性フタロシアニン化合物であるジクロロシリルフタロシアニンを得た(収率70%)。
(ジクロロシリルフタロシアニンの合成)
窒素雰囲気下で、10.0部のキノリンに1.0部の1,3−ジイミノイソインドリンを分散させた液体に、発熱に注意しながら1.8部の四塩化シランを滴下した。滴下終了後、前記液体を230℃に昇温し、5時間撹拌した。反応終了後、前記液体を室温まで冷却し、析出した固体を減圧ろ過した。得られた固体をN,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFと略記)に分散させ、分散液を80℃に昇温した。この分散液を熱時ろ過することによって不純物を除去し、2軸性フタロシアニン化合物であるジクロロシリルフタロシアニンを得た(収率70%)。
(化合物(1)の合成)
窒素雰囲気下で、10.0部のトルエンに0.76部のシクロヘキサノールを溶解させた溶液に、60%水素化ナトリウム(0.5部)を少量ずつ添加した。次に、1.0部のジクロロフタロシアニンを少量ずつ添加した後、5時間、加熱還流を行った。反応終了後、反応液を50.0部のn−ヘキサンで希釈して、析出した固体をろ過した。得られた固体をエタノールで洗浄した後、イオン交換水で洗浄することにより、下記の化合物(1)を得た(収率85%)。分析結果は以下の通りである。
[1]1H−NMR(400MHz、DMF−d7、室温):δ(ppm)=9.75(8H,dd),8.55(8H,dd),0.39(4H,s),0.22(6H,d),−1.12(4H,s),−1.74(8H,d),−2.29(4H,d)
窒素雰囲気下で、10.0部のトルエンに0.76部のシクロヘキサノールを溶解させた溶液に、60%水素化ナトリウム(0.5部)を少量ずつ添加した。次に、1.0部のジクロロフタロシアニンを少量ずつ添加した後、5時間、加熱還流を行った。反応終了後、反応液を50.0部のn−ヘキサンで希釈して、析出した固体をろ過した。得られた固体をエタノールで洗浄した後、イオン交換水で洗浄することにより、下記の化合物(1)を得た(収率85%)。分析結果は以下の通りである。
[1]1H−NMR(400MHz、DMF−d7、室温):δ(ppm)=9.75(8H,dd),8.55(8H,dd),0.39(4H,s),0.22(6H,d),−1.12(4H,s),−1.74(8H,d),−2.29(4H,d)
(化合物(13)の合成)
化合物(1)の合成において、シクロヘキサノールに代えてアダマンチルメタノール(1.1部)を用いた以外は同様の方法で合成を行い、下記の化合物(13)を得た(収率78%)。分析結果は以下の通りである。
[1]1H−NMR(400MHz、DMF−d7、室温):δ(ppm)=9.76(8H,s),8.54(8H,s),0.78(16H,m),0.26(5H,s),−2.54(3H,s)
化合物(1)の合成において、シクロヘキサノールに代えてアダマンチルメタノール(1.1部)を用いた以外は同様の方法で合成を行い、下記の化合物(13)を得た(収率78%)。分析結果は以下の通りである。
[1]1H−NMR(400MHz、DMF−d7、室温):δ(ppm)=9.76(8H,s),8.54(8H,s),0.78(16H,m),0.26(5H,s),−2.54(3H,s)
(化合物(17)の合成)
化合物(1)の合成において、シクロヘキサノールに代えてノルボルナン−2−メタノール(1.0部)を用いた以外は同様の方法で合成を行い、下記の化合物(17)を得た(収率82%)。分析結果は以下の通りである。
[1]1H−NMR(400MHz、DMF−d7、室温):δ(ppm)=9.75(8H,dd),8.56(8H,dd),0.59(4H,dd),−1.26(4H,dd),−1.74(12H,m)
化合物(1)の合成において、シクロヘキサノールに代えてノルボルナン−2−メタノール(1.0部)を用いた以外は同様の方法で合成を行い、下記の化合物(17)を得た(収率82%)。分析結果は以下の通りである。
[1]1H−NMR(400MHz、DMF−d7、室温):δ(ppm)=9.75(8H,dd),8.56(8H,dd),0.59(4H,dd),−1.26(4H,dd),−1.74(12H,m)
(化合物(35)の合成)
化合物(1)の合成において、シクロヘキサノールに代えてネオペンチルアルコール(1.0部)を用いた以外は同様の方法で合成を行い、下記の化合物(35)を得た(収率82%)。分析結果は以下の通りである。
[1]1H−NMR(400MHz、DMF−d7、室温):δ(ppm)=9.75(8H,dd),8.55(8H,dd),0.37(18H,dd),−1.73(4H,dd)
化合物(1)の合成において、シクロヘキサノールに代えてネオペンチルアルコール(1.0部)を用いた以外は同様の方法で合成を行い、下記の化合物(35)を得た(収率82%)。分析結果は以下の通りである。
[1]1H−NMR(400MHz、DMF−d7、室温):δ(ppm)=9.75(8H,dd),8.55(8H,dd),0.37(18H,dd),−1.73(4H,dd)
<インクの調製>
前記で得られた各化合物(表1に示す種類のフタロシアニン化合物)10.0部、樹脂分散剤5.0部、メチルエチルケトン20.0部、及びイオン交換水35.0部を混合し、混合物を得た。樹脂分散剤としては、スチレン/アクリル酸/2−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体(組成〔質量比〕80:5:15)を用い、前記共重合体の酸価に対して中和当量の1.1倍量となる水酸化カリウムを加えて中和した樹脂分散剤を用いた。この混合物、及びジルコニアビーズ250部を、ビーズミル(商品名「スターミル ミニツェア」、アシザワファインテック製)に投入し、3時間、分散処理を行った。その後、分散液からジルコニアビーズをろ別し、メチルエチルケトンを減圧留去して、各顔料分散液を調製した。顔料分散液中の顔料(フタロシアニン化合物)の含有量は23.0%、樹脂分散剤の含有量は12.0%であった
前記で得られた各化合物(表1に示す種類のフタロシアニン化合物)10.0部、樹脂分散剤5.0部、メチルエチルケトン20.0部、及びイオン交換水35.0部を混合し、混合物を得た。樹脂分散剤としては、スチレン/アクリル酸/2−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体(組成〔質量比〕80:5:15)を用い、前記共重合体の酸価に対して中和当量の1.1倍量となる水酸化カリウムを加えて中和した樹脂分散剤を用いた。この混合物、及びジルコニアビーズ250部を、ビーズミル(商品名「スターミル ミニツェア」、アシザワファインテック製)に投入し、3時間、分散処理を行った。その後、分散液からジルコニアビーズをろ別し、メチルエチルケトンを減圧留去して、各顔料分散液を調製した。顔料分散液中の顔料(フタロシアニン化合物)の含有量は23.0%、樹脂分散剤の含有量は12.0%であった
下記に示す各成分を混合して十分に撹拌した後、混合液をポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム製)により加圧ろ過し、実施例1乃至4の各インクを調製した。
・各顔料分散液:67.0部
・グリセリン:7.0部
・ジエチレングリコール:5.0部
・トリメチロールプロパン:7.0部
・ノニオン性界面活性剤:0.5部
(商品名「アセチレノールE100」、川研ファインケミカル製)
・イオン交換水:13.5部
・各顔料分散液:67.0部
・グリセリン:7.0部
・ジエチレングリコール:5.0部
・トリメチロールプロパン:7.0部
・ノニオン性界面活性剤:0.5部
(商品名「アセチレノールE100」、川研ファインケミカル製)
・イオン交換水:13.5部
<評価>
本発明においては、下記の各項目の評価基準で、Cを許容できないレベル、A、及びBを許容できるレベルとして、実施例、及び比較例のインクを評価した。評価結果を表1に示す。
本発明においては、下記の各項目の評価基準で、Cを許容できないレベル、A、及びBを許容できるレベルとして、実施例、及び比較例のインクを評価した。評価結果を表1に示す。
(発色性)
紫外線照射により親水化処理した2cm2のガラス板に各インクをスピンコートした後、温度120℃で1時間乾燥させてサンプルを作製した。得られたサンプルについて、UVスペクトル測定装置(商品名「UV−3600」、「UV−VIS−NIR SPECTROPHOTOMETER」、いずれも島津製作所製)により、発色性の評価を行った。吸収波長が600nm以上700nm以下に観測されるQ帯強度が減少すると発色性が悪化する。そのため、Q帯と200nm以上300nm以下の範囲で観測されるソーレ帯の強度比が発色性を表すパラメータとなる。
A:強度比が1.8以上であり、発色性が優れていた
B:強度比が1.3以上1.8未満であり、発色性が良好であった
C:強度比が1.3未満であり、発色性が劣っていた
紫外線照射により親水化処理した2cm2のガラス板に各インクをスピンコートした後、温度120℃で1時間乾燥させてサンプルを作製した。得られたサンプルについて、UVスペクトル測定装置(商品名「UV−3600」、「UV−VIS−NIR SPECTROPHOTOMETER」、いずれも島津製作所製)により、発色性の評価を行った。吸収波長が600nm以上700nm以下に観測されるQ帯強度が減少すると発色性が悪化する。そのため、Q帯と200nm以上300nm以下の範囲で観測されるソーレ帯の強度比が発色性を表すパラメータとなる。
A:強度比が1.8以上であり、発色性が優れていた
B:強度比が1.3以上1.8未満であり、発色性が良好であった
C:強度比が1.3未満であり、発色性が劣っていた
(保存安定性)
先ず、各インクの吸光度を測定した。その後、各インクをガラス製のサンプル瓶に入れ、密栓をしたものを、温度40℃の環境に1カ月間保存した。さらに、保存後のインクの吸光度を再び測定した。吸光度の測定は、波長700nmにおける値を、発色性の評価と同じUVスペクトル測定装置を用いて測定した。そして、吸光度比=保存後の吸光度/保存前の吸光度、の値を求め、保存安定性の評価を行った。
A:吸光度比が0.9以上であり、保存安定性が優れていた
B:吸光度比が0.7以上0.9未満であり、保存安定性が良好であった
C:吸光度比が0.7未満であり、保存安定性が劣っていた
先ず、各インクの吸光度を測定した。その後、各インクをガラス製のサンプル瓶に入れ、密栓をしたものを、温度40℃の環境に1カ月間保存した。さらに、保存後のインクの吸光度を再び測定した。吸光度の測定は、波長700nmにおける値を、発色性の評価と同じUVスペクトル測定装置を用いて測定した。そして、吸光度比=保存後の吸光度/保存前の吸光度、の値を求め、保存安定性の評価を行った。
A:吸光度比が0.9以上であり、保存安定性が優れていた
B:吸光度比が0.7以上0.9未満であり、保存安定性が良好であった
C:吸光度比が0.7未満であり、保存安定性が劣っていた
(吐出安定性)
各インクをインクカートリッジに充填し、熱エネルギーの作用によりインクを吐出するインクジェット記録装置(商品名「PIXUS Pro9500−MarkII」、キヤノン製)に搭載した。この記録装置は、1/600dpi×1/600dpiの単位領域に、1滴当たりの質量が3.5ナノグラムであるインク滴を8滴付与する場合を、記録デューティ100%とするものである。そして、記録媒体(商品名「キヤノン写真用紙・光沢 プロ[プラチナグレード]PT−101」、キヤノン製)に、記録デューティが100%である、19cm×28cmのベタ画像を10枚分記録した。得られたベタ画像を目視で確認して、以下の評価基準で吐出安定性の評価を行った。
○:10枚目のベタ画像までかすれがなく、正常に記録されていた
×:10枚目に至るまでにかすれが生じ、正常な記録が行えなくなっていた
各インクをインクカートリッジに充填し、熱エネルギーの作用によりインクを吐出するインクジェット記録装置(商品名「PIXUS Pro9500−MarkII」、キヤノン製)に搭載した。この記録装置は、1/600dpi×1/600dpiの単位領域に、1滴当たりの質量が3.5ナノグラムであるインク滴を8滴付与する場合を、記録デューティ100%とするものである。そして、記録媒体(商品名「キヤノン写真用紙・光沢 プロ[プラチナグレード]PT−101」、キヤノン製)に、記録デューティが100%である、19cm×28cmのベタ画像を10枚分記録した。得られたベタ画像を目視で確認して、以下の評価基準で吐出安定性の評価を行った。
○:10枚目のベタ画像までかすれがなく、正常に記録されていた
×:10枚目に至るまでにかすれが生じ、正常な記録が行えなくなっていた
吐出安定性の評価において、比較例1のインクは5枚目からベタ画像がかすれ始め、6枚目以降は正常なベタ画像が記録できなかった。また、比較例2のインクは4枚目からベタ画像がかすれ始め、5枚目以降は正常なベタ画像が記録できなかった。
Claims (9)
- 一般式(1)中、R1、R2、及びR3のうち少なくとも2つが結合して形成される環が、単環式又は多環式の飽和炭化水素環である請求項1に記載のインク。
- 一般式(1)中、R1、R2、及びR3のうち少なくとも2つが結合して形成される環が、シクロヘキサン環、ノルボルナン環、アダマンタン環、又はアポピナン環である請求項1に記載のインク。
- 一般式(1)中、R1、R2、及びR3のうち少なくとも2つが結合して形成される環が、シクロヘキサン環、ノルボルナン環、又はアダマンタン環である請求項1に記載のインク。
- 一般式(1)中、Aが無置換のベンゼン環、無置換のピリジン環、又は無置換のピラジン環である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインク。
- 一般式(1)中、Aが無置換のベンゼン環である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインク。
- 一般式(1)中、Mがケイ素原子である請求項1乃至6のいずれか1項に記載のインク。
- インクと、前記インクを収容するインク収容部とを備えたインクカートリッジであって、
前記インクが、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のインクであることを特徴とするインクカートリッジ。 - インクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
前記インクが、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のインクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
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JP2014092830A JP2015209515A (ja) | 2014-04-28 | 2014-04-28 | インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法 |
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