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JP2015206274A - 内燃機関の排気ガス浄化システム及び内燃機関の排気ガス浄化方法 - Google Patents

内燃機関の排気ガス浄化システム及び内燃機関の排気ガス浄化方法 Download PDF

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JP2015206274A
JP2015206274A JP2014086057A JP2014086057A JP2015206274A JP 2015206274 A JP2015206274 A JP 2015206274A JP 2014086057 A JP2014086057 A JP 2014086057A JP 2014086057 A JP2014086057 A JP 2014086057A JP 2015206274 A JP2015206274 A JP 2015206274A
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鉄平 大堀
Teppei Ohori
鉄平 大堀
光 伊東
Hikari Ito
光 伊東
弘吉 前川
Kokichi Maekawa
弘吉 前川
伸匡 大橋
Nobumasa Ohashi
伸匡 大橋
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Abstract

【課題】内燃機関より排出される排気ガス中の浄化対象成分に対する浄化能力を向上できて、一時的に高い濃度の浄化対象成分が大気中へ排出されることを防止できる内燃機関の排気ガス浄化システム及び内燃機関の排気ガス浄化方法を提供する。
【解決手段】排気ガス浄化装置12の下流側の排気ガスGを吸着装置20を経由せずに排気通路11に流す第1状態と吸着装置20を経由して排気通路11に流す第2状態に切り替える第1切替機構21とを設けるとともに、排気ガス浄化装置12の上流側の排気ガスGの流れを吸着装置20を経由せずに排気ガス浄化装置12に流す第3状態と吸着装置20を経由して排気ガス浄化装置12に流す第4状態に切り替える第2切替機構22とを設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関より排出される排気ガス中の浄化対象成分に対する浄化能力を向上できて、一時的に高い濃度の浄化対象成分が大気中へ排出されることを防止できる内燃機関の排気ガス浄化システム及び内燃機関の排気ガス浄化方法に関する。
ディーゼルエンジン(内燃機関)を搭載したトラック等の車両では、酸化触媒装置(DOC)、微粒子捕集装置(DPD)、尿素系の選択還元型触媒装置(SCR)、アンモニアスリップ触媒装置(ASC)等を組み合わせた排気ガス浄化装置により、エンジンより排出される排気ガスに含有される窒素酸化物(NOx)、炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)等の浄化対象成分を浄化している。
しかしながら、車両の発進時等のエンジンの暖機が不十分な期間(いわゆる低温始動時)では、排気ガス浄化装置に備えた酸化触媒装置や選択還元型触媒装置といった排気ガス浄化装置の触媒が十分に活性されていないとき(第1の状況)や、微粒子捕集装置の再生時に煤(Soot)燃焼で生じた炭化水素や一酸化炭素が高濃度で排出され、アンモニアスリップ触媒装置により十分に浄化しきれないとき(第2の状況)や、還元剤となるアンモニア(NH3)を供給して選択還元型触媒装置でNOxを浄化している最中に、余剰のアンモニアがアンモニアスリップ触媒装置でも十分に浄化されないとき(第3の状況)などでは、浄化対象成分が一時的に高い濃度で大気中に排出される場合が生じる可能性があるという問題がある。日本や欧米での排気ガス規制が強化される中では、この問題を克服することが必要になっている。
これらの三つの状況に対して、これまでにいくつかの解決手段が提案されてきている。例えば、第1の状況に対しては、将来的にも有望なものとして、NOx吸蔵還元型触媒(NSR)等のリーンNOx低減触媒(LNT)やHCトラップ装置等のような装置を付加した排気ガス浄化システムが提案されていたり、第2の状況や第3の状況に対しては、貴金属を担持させたアンモニアスリップ触媒装置で対応したりすることが提案されている。
しかしながら、このアンモニアスリップ触媒装置による対応では、一時的に浄化対象成分が高濃度で排出される場合には十分な浄化ができない懸念があり、また、高濃度排出に対しても十分な浄化が可能なまでに浄化性能を向上させようとすると、アンモニアスリップ触媒装置に貴金属を多量に担持させる必要があることから高価格になるという問題がある。上記のいずれの装置を使用した場合にも、これらの3つの状況に対して、総合的かつ低コストとなる解決手段は未だ提案されていない。
これに関連して、排気通路に上流側から順に、DOC、上流側NOx触媒、DPF,活性化温度の低い下流側NOx触媒を直列に配置し、下流側NOx触媒を迂回するバイパス通路を設けたバイパス構造において、バイパス通路の下流側の合流部に流路切換バルブを設けて、NOx触媒の温度に応じて、その流路を切り換えることで、排気ガスの浄化において、NOxの浄化と、エンジンの性能向上およびSOx被毒の防止とを両立させる排気通路のバイパス構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、この構成においては、高負荷運転時には排気ガスをバイパス通路に流して下流側NOx触媒への高温の排気ガスの流入を回避して、下流側NOx触媒の熱劣化を防止し、上流側NOx触媒のサルファ―パージのときにも排気ガスをバイパス通路に流して下流側NOx触媒へのサルファが含まれた排気ガスの流入を回避して、下流側NOx触媒の硫黄被毒を防止することができるが、下流側NOx触媒の再生を効率よく行うことができないという問題がある。
特開2009−221904号公報
本発明は、上記のことを鑑みてなされたものであり、その目的は、内燃機関より排出される排気ガス中の浄化対象成分に対する浄化能力を向上できて、一時的に高い濃度の浄化対象成分が大気中へ排出されることを防止できる内燃機関の排気ガス浄化システム及び内燃機関の排気ガス浄化方法を提供することである。
上記の目的を達成するための本発明の内燃機関の排気ガス浄化システムは、内燃機関より排出される排気ガスを浄化する排気ガス浄化装置を排気通路に備えた内燃機関の排気ガス浄化システムにおいて、低温時には排気ガスに含まれる浄化対象成分を吸着し、高温時は吸着した前記浄化対象成分を脱離する吸着剤を備えた吸着装置を、前記排気ガス浄化装置の下流側の排気通路に並列に設けたバイパス通路に配設して、前記排気ガス浄化装置の下流側の排気ガスを前記吸着装置を経由せずに排気通路に流す第1状態と前記吸着装置を経由して排気通路に流す第2状態に切り替える第1切替機構とを設けるとともに、前記排気ガス浄化装置の上流側の排気通路の第1分岐点から分岐した分岐通路を前記吸着装置の一方側の前記バイパス通路に接続し、前記吸着装置の他方側の前記バイパス通路を前記第1分岐点と前記排気ガス浄化装置との間の前記排気通路に接続し、前記排気ガス浄化装置の上流側の排気ガスの流れを前記吸着装置を経由せずに前記排気ガス浄化装置に流す第3状態と前記吸着装置を経由して前記排気ガス浄化装置に流す第4状態に切り替える第2切替機構と、前記第1切替機構と前記第2切替機構を制御する制御装置を設けて構成される。
この構成によれば、NOx、HC,CO等の浄化対象成分を吸着する吸着装置は、この吸着装置に流入する排気ガスの温度が低温(例えば、150℃以下)であると、吸着装置に浄化対象成分を吸着し、また、吸着装置に流入する排気ガスの温度が高温(例えば、250℃以上)になると、吸着した浄化対象成分を脱離する性質を持っているので、排気ガス浄化システムの状態に応じて、排気ガスを吸着装置を通過させずに排出したり、排気ガスを吸着装置を通過させて浄化対象成分を一時的に吸着装置に吸着したりすることができると共に、脱離温度以上の排気ガスを吸着装置に流入させて吸着した浄化対象成分を脱離させて吸着装置を再生し、この再生に使用した排気ガスを排気ガス浄化装置を通過させて、脱離した浄化対象成分を排気ガス浄化装置で浄化したりすることが容易にでき、一時的に高い濃度の浄化対象成分が大気中に排出されるのを防止できるようになる。
また、上記の内燃機関の排気ガス浄化システムにおいて、前記制御装置が、前記内燃機関の低温始動のとき、前記排気ガス浄化装置が微粒子捕集装置を備えていて該微粒子捕集装置の再生のとき、前記排気ガス浄化装置の下流側に配置したNOx濃度センサで検出されたNOxの量が予め設定されたNOx排出許容量を超えたときのいずれかの第1条件下の場合には、前記第1切替機構で前記第2状態にするとともに、前記第2切替機構で前記第3状態にし、前記吸着装置を再生する第2条件下の場合には、前記第1切替機構で前記第1状態にするとともに、前記第2切替機構で前記第4状態にし、前記第1条件下でも前記第2条件下でもない第3条件下の状態では、前記第1切替機構で前記第1状態にするとともに、前記第2切替機構で前記第3状態にする制御を行うように構成される。
この構成によれば、排気ガス浄化装置での浄化対象成分の十分な浄化が見込めない第1条件下の場合には、第2状態と第3状態で、排気ガス浄化装置を通過した後の排気ガスを吸着装置を通過させることで、排気ガス浄化装置で浄化しきれなかった浄化対象成分を吸着装置に一時的に吸着することができるので、大気中への浄化対象成分の排出量を確実に低減することができる。
また、吸着装置に吸着した浄化対象成分の量が飽和量に達すると、それ以上は吸着しなくなるために、一時的に吸着した浄化対象成分の量が飽和量に達する前に吸着装置の再生を行う必要があるが、この再生のときの第2条件下の場合には、第1状態と第4状態で、高温の排気ガスを吸着装置を通過させてから排気ガス浄化装置を通過させて大気中に排出することで、高い温度の排気ガスの排熱を利用して、吸着装置に吸着された浄化対象成分を脱離し、この脱離した浄化対象成分を排気ガス浄化装置で浄化することができるため、吸着装置の再生を確実に行うことができるとともに、エネルギー利用の効率化を図ることができる。
また、上記の内燃機関の排気ガス浄化システムにおいて、前記制御装置が、前記内燃機関の低温始動のときを、前記排気ガス浄化装置に設けた選択還元型触媒装置の入口の排気ガス温度が予め設定した設定温度未満のときとすることを特徴とする。なお、この設定温度は、実験などにより予め設定される温度であり、150℃以上300℃以下、好ましくは200℃に設定される。
この構成によれば、選択還元型触媒装置が活性化したか否かを温度で判定して、低温時は、吸着装置で浄化対象成分を一時的に吸着することができ、浄化対象成分の大気中への排出量を低減できる。
また、上記の内燃機関の排気ガス浄化システムにおいて、前記制御装置が、前記吸着装置を再生する第2条件下の場合に、前記第1切替機構で前記第2状態から前記第1状態に移行し、前記第2切替機構で前記第3状態から前記第4状態に移行する際に、前記吸着装置に流入する排気ガスの量を徐々に増加する制御を行うように構成されると、次のような効果を奏することができる。
つまり、吸着装置の再生のときは、高温の排気ガスが上流側の分岐通路を経由して吸着装置に流れ込むことで、吸着装置の吸着剤の温度が上昇し、吸着していた浄化対象成分が脱離する。この吸着剤は排気ガスによって高温になり、脱離した浄化対象成分を含む排気ガスは、下流側の分岐通路を通り、排気ガス浄化装置に流入して浄化される。このとき、完全に第2状態から第1状態へ、及び、第3状態から第4状態に切り替えて、急激に排気ガスの流れを切り替えると、吸着剤が急激に暖められ、高濃度の浄化対象成分が一過的に放出されてしまうので、これを回避するために、吸着装置に流入する排気ガスの流量を徐々に増加させて、吸着剤が徐々に暖められるようにする。
また、上記の内燃機関の排気ガス浄化システムにおいて、前記第1切替機構が、前記バイパス通路の分岐点と合流点のそれぞれに設けられた第1三方弁及び第2三方弁で構成され、前記第2切替機構が、前記排気ガス浄化装置の上流側の前記排気通路の分岐点と合流点のそれぞれに設けられた第3三方弁と第4三方弁で構成されると、確実に排気ガスの流路を切り換えることができる。
また、上記の内燃機関の排気ガス浄化システムにおいて、前記排気ガス浄化装置を、上流側酸化触媒装置、選択還元型触媒装置、アンモニアスリップ触媒装置の何れか又はこれらのいくつかの組み合わせを備えて構成すると、次のような効果を奏することができる。
この構成によれば、この排気ガス浄化装置に、酸化触媒装置(DOC)、選択還元型触媒装置(SCR)、アンモニアスリップ触媒装置(ASC)等で触媒装置を備える場合、この吸着装置を設けることで、これらの触媒装置の浄化能力を従来の触媒装置よりも低く設計することも可能となるため、各触媒装置の容量の低減や貴金属量の低減を行うことができ、コストダウンを図ることができる。
また、排気ガス浄化装置にアンモニアスリップ触媒装置(ASC)を備える場合、このアンモニアスリップ触媒装置に多量の貴金属を担持させる必要がないため、貴金属に要するコストを低減することができ、また、吸着装置は貴金属を含まない素材(ゼオライト等)で構成してもよいため、吸着装置自体のコストも低減することができるので、結果として、排気ガス浄化システム全体での製造コストを低減することができる。
さらに、この吸着装置は、比較的劣化しにくい素材を使用可能であり、再生時を除いては流入する排気ガスの温度は低温であり、比較的低温の環境にさらされていることから劣化しにくく、優れた耐久性を有することができる。
また、上記の目的を達成するための本発明の内燃機関の排気ガス浄化方法は、内燃機関より排出される排気ガスを浄化する排気ガス浄化装置を排気通路に備えると共に、低温時には排気ガスに含まれる浄化対象成分を吸着し、高温時は吸着した前記浄化対象成分を脱離する吸着剤を備えた吸着装置を、前記排気ガス浄化装置の下流側の排気通路に並列に設けたバイパス通路に配設して、前記排気ガス浄化装置の上流側の排気通路の第1分岐点から分岐した分岐通路を前記吸着装置の一方側の前記バイパス通路に接続し、前記吸着装置の他方側の前記バイパス通路を前記第1分岐点と前記排気ガス浄化装置との間の前記排気通路に接続した内燃機関の排気ガス浄化方法において、前記内燃機関の低温始動のとき、前記排気ガス浄化装置が微粒子捕集装置を備えていて該微粒子捕集装置の再生のとき、前記排気ガス浄化装置の下流側に配置したNOx濃度センサで検出されたNOxの量が予め設定されたNOx排出許容量を超えたときのいずれかの第1条件下の場合には、前記排気ガス浄化装置の下流側の排気ガスを前記吸着装置を経由せずに排気通路に流す第1状態と前記吸着装置を経由して排気通路に流す第2状態に切り替えると共に、前記吸着装置を再生する第2条件下の場合には、前記排気ガス浄化装置の上流側の排気ガスの流れを前記吸着装置を経由せずに前記排気ガス浄化装置に流す第3状態と前記吸着装置を経由して前記排気ガス浄化装置に流す第4状態に切り替え、更に、前記第1条件下でも前記第2条件下でもない第3条件下の状態では、前記第1状態と前記第3状態に切り替えることを特徴とする方法である。
この方法によれば、上記の内燃機関の排気ガス浄化システムと同様の効果を奏することができる。
本発明の内燃機関の排気ガス浄化システム及びその排気ガス浄化方法によれば、NOx、HC,CO等の浄化対象成分を吸着する吸着装置は、この吸着装置に流入する排気ガスの温度が低温であると、吸着装置に浄化対象成分を吸着し、また、吸着装置に流入する排気ガスの温度が高温になると、吸着した浄化対象成分を脱離する性質を持っているので、排気ガス浄化システムの状態に応じて、排気ガスを吸着装置を通過させずに排出したり、排気ガスを吸着装置を通過させて浄化対象成分を一時的に吸着装置に吸着したりすることができると共に、脱離温度以上の排気ガスを吸着装置に流入させて吸着した浄化対象成分を脱離させて吸着装置を再生し、この再生に使用した排気ガスを排気ガス浄化装置を通過させて、脱離した浄化対象成分を排気ガス浄化装置で浄化したりすることが容易にでき、一時的に高い濃度の浄化対象成分が大気中に排出されるのを防止できる。
本発明に係る実施の形態の排気ガス浄化システムを備えた内燃機関の構成の一例を模式的に示す図である。 図1の模式図における、第1条件下の排気ガスの流路を示す図である。 図1の構成図における、第2条件下の排気ガスの流路を示す図である。 図1の構成図における、第3条件下の排気ガスの流路を示す図である。 本発明に係る内燃機関の排気ガス浄化方法における、制御フローの一例を示す図である。
以下、本発明に係る実施の形態の内燃機関の排気ガス浄化システム及び内燃機関の排気ガス浄化方法について、図面を参照しながら説明する。図1に示すように、この実施の形態の内燃機関の排気ガス浄化システム2は、次のように構成される。
エンジン(内燃機関)10の排気通路11には、エンジン10より排出される排気ガスGに含まれている窒素酸化物(NOx)、炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、微粒子物質(PM)等の浄化対象成分を除去する排気ガス浄化装置12が設けられている。この排気ガス浄化装置12は、この図1の構成では、上流側より順に、酸化触媒装置(DOC)12a、微粒子捕集装置(DPD)12b、選択還元型触媒装置(SCR)12c、アンモニアスリップ触媒装置(ASC)12dを備えている。
なお、上記の4つの触媒又はフィルタの装置12a〜12dを排気ガス浄化装置12に備えているが、この構成に限定するものではなく、NOx吸蔵還元型触媒装置(NSR)等のリーンNOx低減触媒装置(LNT)、酸化触媒装置、微粒子捕集装置、尿素系のSCR触媒装置(Urea−SCR)、HCを還元剤とするSCR触媒装置(HC−SCR)、アンモニアスリップ触媒装置(ASC)や複合的な機能を併せ持つ触媒装置(例えば、微粒子捕集装置と選択還元型触媒装置の複合装置である選択触媒化燃焼フィルタ(SCRF))と任意の組合せをした構成でもよい。
この酸化触媒装置12aは、例えば、コージェライトハニカム等の多孔質のセラミックのハニカム構造体の担持体もしくは金属製の触媒担体に、ロジウム、酸化セリウム、白金、パラジウム等の酸化触媒を分散した酸化アルミニウムやゼオライト等をコーティングして形成される。この酸化触媒装置12aは、排気ガスG中に未燃燃料である炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)等があるとこれを酸化し、この酸化で発生する熱により排気ガスGを昇温して、この昇温した排気ガスGで下流側の微粒子捕集装置12bを昇温させる。
また、この微粒子捕集装置12bは、一般的に、多孔質のセラミックのハニカムのチャンネルの入口と出口を交互に目封じしたモノリスハニカム型ウォールフロータイプのフィルタ等で形成され、このフィルタの部分に、白金や酸化セリウム等の酸化触媒やPM酸化触媒を担持する場合が多い。この微粒子捕集装置12bにより、排気ガスG中のPMは、多孔質のセラミックの壁で捕集される。
また、この選択還元型触媒装置12cは、例えば、コージェライトハニカム構造体に、バナジウム系触媒、ゼオライト系触媒、白金等の貴金属触媒、遷移金属酸化物及びこれらの混合物をコーティングし形成する。この選択還元型触媒装置12cでは、一酸化窒素(NO)や二酸化窒素(NO2)等の窒素酸化物(NOx)を、還元反応により、窒素(N2)と水(H2O)に還元する。このとき、NO:NO2が50:50の場合に窒素酸化物を窒素に最も効率よく還元できる。
また、このアンモニアスリップ触媒装置12dは、上述の酸化触媒装置12aと同様もしくは上述の酸化触媒装置12aに選択還元型触媒装置12cの触媒を複層化した構成で、選択還元型触媒装置12cで使用されなかったアンモニアを酸化・分解して、アンモニアの排出を防止する装置である。
本発明においては、更に、排気ガス浄化装置12の下流側の排気通路11に並列に設けたバイパス通路13に、吸着装置20が配設される。この吸着装置20は、低温であるほど流入する排気ガスGに含まれる浄化対象成分を良く吸着し、高温時には吸着した浄化対象成分を脱離する性質を持つ吸着剤20aを備えて形成されている。
また、この吸着装置20が備える吸着剤20aの素材としては、ゼオライト、鉄(Fe)や銅(Cu)等の遷移金属をイオン交換したゼオライト、粘土鉱物、多孔質シリカ、活性炭、アルミナ、チタニア、ジルコニア等の表面積が大きく、NOx、HC、CO等の浄化対象成分を吸着し、高温で安定な素材や、NOx吸着量を増加する成分であるアルカリ金属やアルカリ土類金属酸化物等及び、これらの混合物や複層物を使用することができる。これらの素材を、コージェライトや炭化ケイ素(SiC)基材のモノリスにコーティングするか、担体に練り込んで製造した吸着剤20aを吸着装置20に用いる。
この吸着装置20は、比較的劣化しにくい素材を使用でき、その上、吸着装置20の再生時を除いては流入する排気ガスGの温度は低温であり、比較的低温の環境にさらされている場合が多いことから劣化しにくく、優れた耐久性を有することができる。
また、このバイパス通路13の排気通路11とのバイパス分岐点13Aとバイパス合流点13Bのそれぞれには、第1三方弁21a及び第2三方弁21bが配設され、この第1三方弁21a及び第2三方弁21bで第1切替機構21が構成される。すなわち、排気ガス浄化装置12の下流側に第1三方弁21aを介して分岐したバイパス通路13を設け、そのバイパス通路13に吸着剤20aを備えた吸着装置20が配設される。これらの第1三方弁21a、第2三方弁21b、第3三方弁22a及び第4三方弁22bを設けることで、確実に排気ガスGの流路を切り換えることができる。
この第1切替機構21は、排気ガス浄化装置12の下流側の排気ガスGを、図3に示すような、吸着装置20を経由せずに第1三方弁21a及び第2三方弁21bを経由して排気通路11に流す第1状態と、図2に示すような、第1三方弁21a、吸着装置20及び第2三方弁21bを経由して排気通路11に流す第2状態に切り替える機構である。
この構成においては、吸着装置20に浄化対象成分をより多く吸着させるためには、バイパス通路13から吸着装置20に流入する排気ガスGの温度を150℃以下の低温とすることが好ましい。そのために、排気ガス浄化装置12と第1三方弁21aの間の排気通路11の配管に関して、排気ガスGが通過している間にこの排気ガスGが十分に冷却される構成、例えば、この配管の配管長を十分長くする、この配管の表面に凹凸形状を設けて表面積を大きくする、この配管に走行風が良く当たるようにレイアウトする、この配管を冷却するファン等の冷却装置を設ける等を行うことが好ましい。
更に、排気ガス浄化装置12の上流側の排気通路11の分岐点14Aから分岐した分岐通路14を吸着装置20の一方側のバイパス通路13に接続し、吸着装置20の他方側のバイパス通路13を分岐点14Aと排気ガス浄化装置12との間の排気通路11の合流点14Bに接続する。そして、この分岐点14Aと合流点14Bには、それぞれ第3三方弁22a及び第4三方弁22bが配設され、この第3三方弁22a及び第4三方弁22bで第2切替機構22が構成される。
すなわち、排気ガス浄化装置12の上流側に第3三方弁22aを介して分岐した分岐通路14を設け、その分岐通路14に吸着剤20aを備えた吸着装置20が配設される構成となる。図1〜図4の構成では、分岐通路14とバイパス通路13は吸着装置20の上流側と下流側で共通の通路となるが、分岐通路14とバイパス通路13がそれぞれ個別に吸着装置20の上流側と下流側に接続され、吸着装置20の内部で排気ガスが合流するように構成してもよい。
この第2切替機構22は、図2に示すような、排気ガス浄化装置12の上流側の排気ガスGの流れを、吸着装置20を経由せずに第3三方弁22a及び第4三方弁22bを経由して排気ガス浄化装置12に流す第3状態と、図3に示すような、第3三方弁22a、吸着装置20及び第4三方弁22bを経由して排気ガス浄化装置12に流す第4状態に切り替える機構である。
この構成においては、吸着装置20から浄化対象成分をより多く脱離させるためには、分岐通路14から吸着装置20に流入する排気ガスGの温度を250℃以上の高温とすることが好ましい。そのため、分岐点14Aと吸着装置20の間の排気通路11の配管に関して、排気ガスGが通過している間にこの排気ガスGの温度を維持する構成、例えば、この配管の配管長を十分短くする、この配管を二重管構造にする、この配管に走行風が当たりにくいレイアウトにする等を行うことが好ましい。
なお、この実施形態では、第1切替機構21として第1三方弁21a及び第2三方弁21bを設けたが、この構成に限定されることなく、排気ガス浄化システム2の状態に応じて、第1切替機構21が第1状態と第2状態を切り換えることができればよく、また、第2切替機構22として第3三方弁22a及び第4三方弁22bを設けたが、この構成に限定されることなく、排気ガス浄化システム2の状態に応じて、第2切替機構22が第3状態と第4状態を切り替えることができればよい。
また、第1切替機構21の流路切替と第2切替機構22の流路切替を制御する制御装置41を備えて構成する。この制御装置41は、アクセル開度センサ(図示しない)等の各種センサの情報に基づいて、エンジン10の全般の制御を行う全体システム制御装置(ECU)40に組み込んでもよいし、独立して設けてもよい。
さらに、図1に示すように、第2三方弁21bより下流側の排気通路11に、NOx濃度センサ30を設ける。このNOx濃度センサ30は、排気ガスGに含有されるNOxの量Nを検出するセンサである。
なお、図1では、NOx濃度センサ30を、第2三方弁21bより下流側に設けると、NOx濃度センサ30の検出値を、排気ガス浄化装置12におけるNOx再生の時期の判断用にも使用できると共に、吸着装置20の吸着剤20aにおける浄化対象成分の堆積状態も推定できるので、この位置での配置が好ましいが、NOx浄化の状態やNOx再生時期の判断用であれば、必ずしも、この位置に限定されることなく、排気ガス浄化装置12より下流側の排気通路11であればどの位置に設けてもよい。
そして、本発明では、この制御装置41が、第1切替機構21と第2切替機構22を制御して、エンジン10の低温始動のとき、排気ガス浄化装置12が微粒子捕集装置12bを備えていてこの微粒子捕集装置12bの再生のとき、排気ガス浄化装置12の下流側に配置したNOx濃度センサ30で検出されたNOxの量が予め設定されたNOx排出許容量を超えたときのいずれかの第1条件下の場合には、図2で示すように、第1切替機構21で第2状態にするともに、第2切替機構22で第3状態にする制御を行うように構成される。ここで、このNOx排出許容量は、予め実験等により設定され、制御装置41に記憶されている値である。
また、このエンジン10の低温始動のときを、選択還元型触媒装置12cの入口の排気ガス温度が予め設定した設定温度未満のときとする。この設定温度は、実験などにより予め設定される温度であり、150℃以上300℃以下、好ましくは200℃に設定される。この構成によれば、選択還元型触媒装置12cが活性化したか否かを温度で判定して、低温時は、吸着装置20で浄化対象成分を一時的に吸着することができ、浄化対象成分の大気中への排出量を低減できる。
また、吸着装置20を再生する第2条件下の場合には、図3に示すように、第1切替機構21で第1状態にするとともに、第2切替機構22で第4状態にする制御を行い、更に、第1条件下でも第2条件下でもない第3条件下の状態では、図4に示すように、第1切替機構21で第1状態にするとともに、第2切替機構22で第3状態にする制御を行うように構成される。
なお、制御装置41が、吸着装置20を再生する第2条件下の場合に、第1切替機構21で第2状態から第1状態に移行し、第2切替機構22で第3状態から第4状態に移行する際に、吸着装置20に流入する排気ガスGの量を徐々に増加する制御を行うことが好ましい。つまり、吸着装置20の再生時に、分岐通路14から吸着装置20に流入する排気ガスGの流量を段階的に増加させて、吸着装置20が徐々に昇温するように制御することが好ましく、これにより、吸着装置20の急激な昇温による高濃度の浄化対象成分の一過的な大量脱離を防止することができる。
つまり、吸着装置20の再生のときは、高温の排気ガスGが上流側の分岐通路14を経由して吸着装置20に流れ込むことで、吸着装置20の吸着剤20aの温度が上昇し、吸着していた浄化対象成分が脱離する。この吸着剤20aは排気ガスGによって高温になり、脱離した浄化対象成分を含む排気ガスGは、下流側の分岐通路14を通り、排気ガス浄化装置12に流入して浄化される。このとき、完全に第2状態から第1状態へ、及び、第3状態から第4状態に切り替えて、急激に排気ガスGの流れを切り替えると、吸着剤20aが急激に暖められ、高濃度の浄化対象成分が一過的に放出されてしまうので、これを回避するために、吸着装置20に流入する排気ガスGの流量を徐々に増加させて、吸着剤20aが徐々に暖められるようにする。
次に、本発明の実施の形態の内燃機関の排気ガス浄化方法について、図5の制御フローを参照しながら説明する。図5の制御フローは、エンジン10の運転中に一定の制御時間間隔毎に、上級の制御フローから呼ばれてスタートし、制御フローの制御を実施しては、リターンして、上級の制御フローに戻る制御フローであり、エンジン10の運転中は繰り返し実施される制御フローである。そして、エンジン10が運転停止すると、割り込みが生じて、上級の制御フローにリターンし、この上級の制御フローと共に終了する。
図5の制御フローがスタートすると、ステップS11では、第1条件が成立しているか否かを判定する。この第1条件が成立しているか否かは、エンジン10が低温始動のときであるか否か、あるいは、排気ガス浄化装置12が微粒子捕集装置12bを備えていてこの微粒子捕集装置12bの再生のときであるか否か、あるいは、排気ガス浄化装置12の下流側に配置したNOx濃度センサ30で検出されたNOxの量Eが予め設定されたNOx排出許容量E1を超えたときであるか否かで判定し、いずれかひとつが成立する場合、即ち「である」場合に(YES)、ステップS12にいき、何れも不成立の場合、即ち「ではない」場合には(NO)、ステップS21に行く。
ここで、エンジン10の低温始動のときの判定を、選択還元型触媒装置12cの入口の排気ガスGの温度Taが予め設定した設定温度Ta1(例えば、200℃)未満のときとしたり、あるいは、選択還元型触媒装置12cの出口の排気ガスGの温度Tbが予め設定した設定温度Ta2(例えば、200℃)未満のときとしたりすることができる。
また、微粒子捕集装置12bの再生のときに関しては、再生開始時を、微粒子捕集装置12bの前後差圧ΔPdが予め設定した再生開始差圧閾値ΔP1以上となった時としてもよいし、あるいは、微粒子捕集装置12bへの微粒子(PM:Particulate Matter)の堆積量PMcmを推定算出して、この推定堆積量PMcmが予め設定した再生開始堆積量閾値PMcm1以上となった時としてもよい。そして、再生終了時を、微粒子捕集装置12bの前後差圧ΔPdが予め設定した再生終了差圧閾値ΔP2以下となった時としてもよいし、あるいは、推定堆積量PMcmが予め設定した再生終了堆積量閾値PMcm2以下となった時としてもよい。
また、このNOx排出許容量E1は、予め実験等により設定しておく閾値であり、制御装置41に記憶してある数値である。
このステップS12では、第1切替機構21で、排気ガス浄化装置12の下流側の低温の排気ガスGの流れを吸着装置20を経由して排気通路11に流す第2状態に切り替えるとともに、第2切替機構22で、排気ガス浄化装置12の上流側の高温の排気ガスGの流れを吸着装置20を経由せずに排気ガス浄化装置12に流す第3状態に切り替えた状態の「吸着時制御」を行う。そして、一定の予め設定された制御時間が経過した後、ステップS11に戻る。
ステップS21では、吸着装置20を再生する第2条件が成立しているか否かを判定する。この吸着装置20の再生は、前回の再生の終了からの経過時間tが実験等により予め設定した再生開始時間t1を経過したか否か、あるいは、「吸着時制御」を行っているときの、NOx濃度センサ30の検出値を元に推定した浄化対象成分の推定堆積量が、予め設定した再生開始用判定値を超えているか否か等の判定で行う。
このステップS21の判定で、成立である場合は(YES)、ステップS22に進み、第1切替機構21で、排気ガス浄化装置12の下流側の低温の排気ガスGの流れを吸着装置20を経由せずに排気通路11に流す第1状態に切り替えるとともに、第2切替機構22で、排気ガス浄化装置12の上流側の高温の排気ガスGの流れを吸着装置20を経由して排気ガス浄化装置12に流す第4状態に切り替えた状態の「再生時制御」を行う。そして、一定の予め設定された制御時間が経過した後、ステップS11に戻る。
ここで、第2切替機構22で、排気ガス浄化装置12の上流側の高温の排気ガスの流れを第3状態から第4状態に切り替える際に、吸着装置20に流入する排気ガスGの流量を段階的に増加させて、吸着装置20が徐々に昇温するように切り替えることが好ましい。これにより、吸着装置20の急激な昇温による高濃度の浄化対象成分の一過的な大量脱離を防止することができ、下流側の排気ガス浄化装置12での確実な浄化処理を図ることができる。
また、ステップS21の判定で、不成立である場合は(NO)、ステップS31に進み、第1条件下でも第2条件下でもない第3条件が成立しているとして、第1切替機構21で、排気ガス浄化装置12の下流側の低温の排気ガスGの流れを吸着装置20を経由せずに排気通路11に流す第1状態に切り替えるとともに、第2切替機構22で、排気ガス浄化装置12の上流側の高温の排気ガスGの流れを吸着装置20を経由せずに排気ガス浄化装置12に流す第3状態に切り替えた状態の「通常時制御」を行う。そして、一定の予め設定された制御時間が経過した後、ステップS11に戻る。
そして、このステップS11からステップS12,S22,S31のいずれかに行く制御を繰り返し行い、本制御フローの途中で、エンジン10を運転停止した場合に、割り込みを発生して、上級の制御フローにリターンして、上級の制御フローと共に本制御フローを終了する。
この制御により、エンジン10の低温始動のとき、排気ガス浄化装置12が微粒子捕集装置12bを備えていてこの微粒子捕集装置12bの再生のとき、排気ガス浄化装置12の下流側に配置したNOx濃度センサ30で検出されたNOxの量Eが予め設定されたNOx排出許容量E1を超えたときのいずれかの第1条件下の場合には、排気ガス浄化装置12の下流側の排気ガスGを吸着装置20を経由せずに排気通路11に流す第1状態と吸着装置20を経由して排気通路11に流す第2状態に切り替えることができる。
それと共に、吸着装置20を再生する第2条件下の場合には、排気ガス浄化装置12の上流側の排気ガスGの流れを吸着装置20を経由せずに排気ガス浄化装置12に流す第3状態と吸着装置20を経由して排気ガス浄化装置12に流す第4状態に切り替えることがきる。
更に、第1条件下でも第2条件下でもない第3条件下の状態では、第1状態と第3状態に切り替えることができる。
上記の構成の内燃機関の排気ガス浄化システム2及び内燃機関の排気ガス浄化方法によれば、NOx、HC,CO等の浄化対象成分を吸着する吸着装置20は、この吸着装置20に流入する排気ガスGの温度が低温であると、吸着装置20に浄化対象成分を吸着し、また、吸着装置20に流入する排気ガスGの温度が高温になると、吸着した浄化対象成分を脱離する性質を持っているので、排気ガス浄化システム2の状態に応じて、排気ガスGを吸着装置20を通過させずに排出したり、排気ガスGを吸着装置20を通過させて浄化対象成分を一時的に吸着装置20に吸着したりすることができる。
それと共に、脱離温度以上の排気ガスGを吸着装置20に流入させて吸着した浄化対象成分を脱離させて吸着装置20を再生し、この再生に使用した排気ガスGを排気ガス浄化装置12を通過させて、脱離した浄化対象成分を排気ガス浄化装置12で浄化したりすることが容易にでき、一時的に高い濃度の浄化対象成分が大気中に排出されるのを防止できる。
また、排気ガス浄化装置12での浄化対象成分の十分な浄化が見込めない第1条件下の場合には、第2状態と第3状態で、排気ガス浄化装置12を通過した後の排気ガスGを吸着装置20を通過させることで、排気ガス浄化装置12で浄化しきれなかった浄化対象成分を吸着装置20に一時的に吸着することができるので、大気中への浄化対象成分の排出量を確実に低減することができる。
この構成によれば、排気ガス浄化装置12での浄化対象成分の十分な浄化が見込めない第1条件下の場合には、第2状態と第3状態で、排気ガス浄化装置12を通過した後の排気ガスGを吸着装置20を通過させることで、排気ガス浄化装置12で浄化しきれなかった浄化対象成分を吸着装置20に一時的に吸着することができるので、大気中への浄化対象成分の排出量を確実に低減することができる。
また、吸着装置20に吸着した浄化対象成分の量が飽和量に達すると、それ以上は吸着しなくなるために、一時的に吸着した浄化対象成分の量が飽和量に達する前に吸着装置20の再生を行う必要があるが、この再生のときの第2条件下の場合には、第1状態と第4状態で、高温の排気ガスGを吸着装置20を通過させてから排気ガス浄化装置12を通過させて大気中に排出することで、高い温度の排気ガスGの排熱を利用して、吸着装置20に吸着された浄化対象成分を脱離し、この脱離した浄化対象成分を排気ガス浄化装置12で浄化することができるため、吸着装置20の再生を確実に行うことができるとともに、エネルギー利用の効率化を図ることができる。
また、上記の内燃機関の排気ガス浄化システムにおいて、排気ガス浄化装置12を、上流側酸化触媒装置12a、微粒子捕集装置12b、選択還元型触媒装置12c、アンモニアスリップ触媒装置12dで構成しているが、上流側酸化触媒装置12a、選択還元型触媒装置12c、アンモニアスリップ触媒装置12dの何れか又はこれらのいくつかの組み合わせを備えて構成すると、次のような効果を奏することができる。
この構成によれば、吸着装置20を設けることで、これらの触媒装置12a、12c、12dの浄化能力を従来の触媒装置よりも低く設計することも可能となるため、各触媒装置12a、12c、12dの容量の低減や貴金属量の低減を行うことができ、コストダウンを図ることができる。
また、排気ガス浄化装置12にアンモニアスリップ触媒装置(ASC)12dを備える場合、このアンモニアスリップ触媒装置12dに多量の貴金属を担持させる必要がないため、貴金属に要するコストを低減することができ、また、吸着装置20は貴金属を含まない素材(ゼオライト等)で構成してもよいため、吸着装置20自体のコストも低減することができるので、結果として、排気ガス浄化システム2の全体での製造コストを低減することができる。
2 内燃機関の排気ガス浄化システム
10 エンジン(内燃機関)
11 排気通路
12 排気ガス浄化装置
12a 酸化触媒装置(DOC)
12b 微粒子捕集装置
12c 選択還元型触媒装置(SCR)
12d アンモニアスリップ触媒装置(ASC)
13 バイパス通路
13A バイパス分岐点
13B バイパス合流点
14 分岐通路
14A 分岐点
14B 合流点
20 吸着装置
20a 吸着剤
21 第1切替機構
21a 第1三方弁
21b 第2三方弁
22 第2切替機構
22a 第3三方弁
22b 第4三方弁
30 NOx濃度センサ
40 全体システム制御装置(ECU)
41 制御装置
G 排気ガス

Claims (7)

  1. 内燃機関より排出される排気ガスを浄化する排気ガス浄化装置を排気通路に備えた内燃機関の排気ガス浄化システムにおいて、
    低温時には排気ガスに含まれる浄化対象成分を吸着し、高温時は吸着した前記浄化対象成分を脱離する吸着剤を備えた吸着装置を、前記排気ガス浄化装置の下流側の排気通路に並列に設けたバイパス通路に配設して、前記排気ガス浄化装置の下流側の排気ガスを前記吸着装置を経由せずに排気通路に流す第1状態と前記吸着装置を経由して排気通路に流す第2状態に切り替える第1切替機構とを設けるとともに、
    前記排気ガス浄化装置の上流側の排気通路の第1分岐点から分岐した分岐通路を前記吸着装置の一方側の前記バイパス通路に接続し、前記吸着装置の他方側の前記バイパス通路を前記第1分岐点と前記排気ガス浄化装置との間の前記排気通路に接続し、前記排気ガス浄化装置の上流側の排気ガスの流れを前記吸着装置を経由せずに前記排気ガス浄化装置に流す第3状態と前記吸着装置を経由して前記排気ガス浄化装置に流す第4状態に切り替える第2切替機構と、前記第1切替機構と前記第2切替機構を制御する制御装置を設けたことを特徴とする内燃機関の排気ガス浄化システム。
  2. 前記制御装置が、前記内燃機関の低温始動のとき、前記排気ガス浄化装置が微粒子捕集装置を備えていて該微粒子捕集装置の再生のとき、前記排気ガス浄化装置の下流側に配置したNOx濃度センサで検出されたNOxの量が予め設定されたNOx排出許容量を超えたときのいずれかの第1条件下の場合には、前記第1切替機構で前記第2状態にするとともに、前記第2切替機構で前記第3状態にし、
    前記吸着装置を再生する第2条件下の場合には、前記第1切替機構で前記第1状態にするとともに、前記第2切替機構で前記第4状態にし、
    前記第1条件下でも前記第2条件下でもない第3条件下の状態では、前記第1切替機構で前記第1状態にするとともに、前記第2切替機構で前記第3状態にする制御を行うように構成されたことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の排気ガス浄化システム。
  3. 前記制御装置が、前記内燃機関の低温始動のときを、前記排気ガス浄化装置に設けた選択還元型触媒装置の入口の排気ガス温度が予め設定した設定温度未満のときとすることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の排気ガス浄化システム。
  4. 前記制御装置が、前記吸着装置を再生する第2条件下の場合に、前記第1切替機構で前記第2状態から前記第1状態に移行し、前記第2切替機構で前記第3状態から前記第4状態に移行する際に、前記吸着装置に流入する排気ガスの量を徐々に増加する制御を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の内燃機関の排気ガス浄化システム。
  5. 前記第1切替機構が、前記バイパス通路の分岐点と合流点のそれぞれに設けられた第1三方弁及び第2三方弁で構成され、前記第2切替機構が、前記排気ガス浄化装置の上流側の前記排気通路の分岐点と合流点のそれぞれに設けられた第3三方弁と第4三方弁で構成されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の排気ガス浄化システム。
  6. 前記排気ガス浄化装置を、上流側酸化触媒装置、選択還元型触媒装置、アンモニアスリップ触媒装置の何れか又はこれらのいくつかの組み合わせを備えて構成されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の内燃機関の排気ガス浄化システム。
  7. 内燃機関より排出される排気ガスを浄化する排気ガス浄化装置を排気通路に備えると共に、低温時には排気ガスに含まれる浄化対象成分を吸着し、高温時は吸着した前記浄化対象成分を脱離する吸着剤を備えた吸着装置を、前記排気ガス浄化装置の下流側の排気通路に並列に設けたバイパス通路に配設して、前記排気ガス浄化装置の上流側の排気通路の第1分岐点から分岐した分岐通路を前記吸着装置の一方側の前記バイパス通路に接続し、前記吸着装置の他方側の前記バイパス通路を前記第1分岐点と前記排気ガス浄化装置との間の前記排気通路に接続した内燃機関の排気ガス浄化方法において、
    前記内燃機関の低温始動のとき、前記排気ガス浄化装置が微粒子捕集装置を備えていて該微粒子捕集装置の再生のとき、前記排気ガス浄化装置の下流側に配置したNOx濃度センサで検出されたNOxの量が予め設定されたNOx排出許容量を超えたときのいずれかの第1条件下の場合には、前記排気ガス浄化装置の下流側の排気ガスを前記吸着装置を経由せずに排気通路に流す第1状態と前記吸着装置を経由して排気通路に流す第2状態に切り替えると共に、
    前記吸着装置を再生する第2条件下の場合には、前記排気ガス浄化装置の上流側の排気ガスの流れを前記吸着装置を経由せずに前記排気ガス浄化装置に流す第3状態と前記吸着装置を経由して前記排気ガス浄化装置に流す第4状態に切り替え、
    更に、前記第1条件下でも前記第2条件下でもない第3条件下の状態では、前記第1状態と前記第3状態に切り替えることを特徴とする内燃機関の排気ガス浄化方法。
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