JP2015180921A - 偏光板、および、これを含む液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
Description
液晶表示装置の一般的な構成は液晶セルの両側に偏光板を設けたものである。偏光板は一定方向の偏波面の光だけを通す役割を担っており、偏光板の性能によって液晶表示装置の性能が大きく左右される。偏光板は、一般にヨウ素を吸着配向させたポリビニルアルコール系フィルムからなる偏光子(以下において、偏光子層とも記載する。)を少なくとも含み、任意に、保護フィルム等の他の層を有する構成となっている(例えば特許文献1参照)。
(A)ヨウ素染色されたポリビニルアルコール系フィルムである偏光子層と、
偏光子層以外の他の層の一層以上と、
を少なくとも、有し、
上記偏光子層が、ヨウ化化合物およびヨウ素含有溶液中でポリヨウ化物イオンI5 -低減能を示す化合物を含み、
上記他の層の一層以上が、ヨウ化化合物含有溶液中でポリヨウ化物イオンI5 -形成能を示す化合物を含む偏光板(以下、「偏光板A」と記載する。);
(B)少なくとも、ヨウ素染色されたポリビニルアルコール系フィルムである偏光子層を有し、
上記偏光子層は、ヨウ化化合物およびヨウ素含有溶液中でポリヨウ化物イオンI5 -低減能を示す化合物を含み、かつヨウ素染色されたポリビニルアルコール系フィルムに、ヨウ化化合物含有溶液中でポリヨウ化物イオンI5 -形成能を示す化合物を適用させることにより形成された偏光子層である偏光板(以下、「偏光板B」と記載する。)、が、高温高湿下に置かれた後にも高い耐久性を有する(詳しくは、偏光性能の低下が少ない)ことを新たに見出した。
以下、この点について更に説明する。
一方、特許文献1は、ポリヨウ化物イオンI3 -とポリビニルアルコール系樹脂(以下、単に「ポリビニルアルコール」または「PVA」とも記載する。)とにより形成される錯体が偏光子の配向乱れを引き起こすことが偏光子劣化の原因であるとして、偏光子製造工程におけるポリヨウ化物イオンI3 -の増加を抑制するために、アスコルビン酸等の水溶性酸化防止剤を用いることを提案している。
これに対し本発明者らは、「ポリヨウ化物イオンI3 -が更にヨウ素分子I2と結合した形態であるポリヨウ化物イオンI5 -の形成を抑制する化合物」と、これと相反する性質を有する「ポリヨウ化物イオンI5 -の形成を促進する化合物」とを、上記偏光板A、Bのように併用することにより、高温高湿下での偏光板の偏光性能低下を抑制することが可能になることを、新たに見出した。
詳細は明らかではないが、本発明者らは以下のように推察している。偏光板Aにおいては、「ポリヨウ化物イオンI5 -の形成を抑制する化合物」が、まず偏光子層において「PVAと錯体を形成していない遊離のI5 -」を低減したうえで、別層から移行してきた「ポリヨウ化物イオンI5 -の形成を促進する化合物」が、「I3 -がPVAと形成した錯体」中のI3 -をI5 -に転換することで、「I5 -とPVAとにより形成される錯体」の量を増加させることができることが寄与している。また偏光板Bにおいては、「ポリヨウ化物イオンI5 -の形成を抑制する化合物」が、まず偏光子層において「PVAと錯体を形成していない遊離のI5 -」を低減したうえで、後に適用された「ポリヨウ化物イオンI5 -の形成を促進する化合物」が、「I3 -がPVAと形成した錯体」中のI3 -をI5 -に転換することで、「I5-とPVAとにより形成される錯体」の量を増加させることができることが寄与している。
ただし、上記は、本発明者らによる推測であって、本発明を何ら限定するものではない。 なお、以降はポリヨウ化物イオンとしてI3 −およびI5 −を例にとり説明するが、より高次のポリヨウ化物イオンが含まれていてもよい。また、より高次のポリヨウ化物イオンがI3 −およびI5 −と同様にPVAと錯体を形成していてもよい。
以下では、ヨウ化化合物としてヨウ化カリウムを用いる方法を例にとり説明する。ただし、ヨウ化化合物としては、ヨウ化カリウム以外のヨウ化化合物、例えば、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化鉛、ヨウ化銅、ヨウ化バリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化錫、ヨウ化チタン等を用いてもよい。ヨウ化化合物含有溶液には、ヨウ化化合物から電離したモノヨウ化物イオンI-が少なくとも含まれる。
(1)混合溶媒(水:メタノール=1:1(体積比))にヨウ化カリウム(KI)を添加し十分に撹拌して濃度0.05Mのヨウ化カリウム溶液を調製する。
調製したヨウ化カリウム溶液の一部を、以下の対象化合物溶液の調製に使用し、他の一部を以下の参照溶液として用いる。
(2)ヨウ化カリウム溶液中でポリヨウ化物イオンI5 -形成能を示すか否かを判定する対象化合物を、上記ヨウ化カリウム溶液5mLに0.025mmol添加し十分に撹拌し混合する。ここでの撹拌混合により、対象化合物は、ヨウ化カリウム溶液に完溶する場合と、微量(例えば添加した対象化合物全量に対して5質量%以下)が不溶物として存在している場合とがある。または、不溶物が多く吸光度測定において不溶物による散乱光等によって吸光度の正確な読み取りが難しい場合(即ち、対象化合物が水およびメタノールへの溶解性に乏しい場合)には、メタノールの半量を、対象化合物が高い溶解性を示す溶媒(以下、第三溶媒と記載する。)に置き換えて測定を行ってもよい。したがってこの場合、混合溶媒としては、水:メタノール:第三溶媒=1:0.5:0.5(体積比)の混合溶媒が使用される。第三溶媒としては、水との相溶性が高い点や、ヨウ化物イオンやヨウ素分子との反応性に乏しい点から、エタノール、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトニトリル、アセトン等が好ましいが、これらに限定されるものではない。また第三溶媒として、二種以上の溶媒を混合して用いてもよい。
こうして調製された対象化合物溶液を含む耐圧試験管を、参照溶液を含む耐圧試験管とともに、液温60℃の湯浴に浸漬した状態で2時間〜8時間放置する。
(3)その後、湯浴から取り出した耐圧試験管から対象化合物溶液の一部を採取し、幅(透過光の透過距離)1mmのセルを用いて分光光度計により波長355nmにおける吸光度を測定する。
(4)参照溶液についても、対象化合物溶液を含む耐圧試験管と同じ時間湯浴に浸漬した状態で放置した耐圧試験管から参照溶液の一部を採取し、対象化合物溶液と同様に吸光度測定を行う。
(5)対象化合物溶液について測定された吸光度が0.0超である化合物を、ヨウ化カリウム溶液中でのポリヨウ化物イオンI5 -形成能を示す化合物と判定し、測定された吸光度が0.0である化合物を、ヨウ化カリウム溶液中でのポリヨウ化物イオンI5 -形成能を示さない化合物と判定する。
ただし、湯浴に浸漬する前の対象化合物溶液が、波長355nmに吸収を有する場合には、湯浴に浸漬する前の対象化合物溶液の波長355nmにおける吸光度を、上記測定で求めた吸光度から差し引いた値を、ポリヨウ化物イオンI5 -形成能を示すか否かの判定に用いることとする。また、参照溶液の波長355nmにおける吸光度が0.0超である場合には、対象化合物溶液について得られた吸光度から、参照溶液について得られた吸光度を差し引いた値を、対象化合物がヨウ化カリウム溶液中でポリヨウ化物イオンI5 -形成能を示すか否かを判定するために用いることとする。
なお、分光光度計による吸光度測定は、測定対象溶液の測定結果とブランク溶液の測定結果との対比により行われる。ブランク溶液の測定(以下、ブランク試験という。)は、セルの影響を排除ないし低減するため、対象化合物溶液の吸光度測定に用いたセルと同じセルを用いて行うこととする。ブランク溶液としては、対象化合物溶液の調製に用いた混合溶媒(対象化合物およびヨウ化カリウム未含有)を用いる。
上記測定において吸光度を求める波長355nmは、ポリヨウ化物イオンI5 -が吸収を示す波長である。したがって、波長355nmにおいて吸光度が0.0超であること、即ち波長355nmにおいて吸収を有するということは、溶液中にポリヨウ化物イオンI5 -が存在していることを示している。これは、対象化合物が、モノヨウ化物イオンI-を含むヨウ化カリウム溶液においてポリヨウ化物イオンI5 -を形成したことを意味する。モノヨウ化物イオンI-を含むヨウ化カリウム溶液中でI5 -を形成できるということは、I-の酸化(これによるI2の形成)を促進するとともに、I2とI-によるI3 -の形成、更に、形成されたI3 -とI2によるI5 -の形成を促進する作用を有することを意味していると、本発明者らは考えている。このようにI5 -の形成を促進する作用を奏する化合物により、I5 -とPVAとにより形成される錯体量を増やすことができることが、偏光子層の偏光性能維持または向上に寄与していると、本発明者らは推察している。
(1)混合溶媒(水:メタノール=4:6(体積比))にヨウ化カリウム(KI)およびヨウ素I2を添加し十分に撹拌して、KI/I2溶液(KI濃度:96.4mmol/L、I2濃度:0.63mmol/L)を調製する。
調製したKI/I2溶液の一部を、以下の対象化合物溶液の調製に使用し、他の一部を以下の参照溶液として用いる。
(2)KI/I2溶液中でポリヨウ化物イオンI5 -低減能を示すか否かを判定する対象化合物を、上記KI/I2溶液に0.63mmol/Lの濃度となるように添加し十分に撹拌し混合する。こうして調製された対象化合物溶液を含むビーカーを、参照溶液を含むビーカーとともに、温湿制御なしの室温下で48時間放置する。なお放置時間は、対象化合物をKI/I2溶液に添加した時点を開始時として計測するものとする。
(3)その後、ビーカーから対象化合物溶液の一部を採取し、混合溶媒(水:メタノール=4:6(体積比))で10倍に希釈して、幅(透過光の透過距離)1cmのセルを用いて分光光度計により波長355nmにおける吸光度を測定する。
(4)参照溶液についても、対象化合物溶液と同様に吸光度測定を行う。
(5)対象化合物溶液の波長355nmにおける吸光度(Asample)が、参照溶液の波長355nmにおける吸光度(Aref.)を下回る場合、即ち、Asample<Aref.である場合、対象化合物はヨウ化化合物およびヨウ素含有溶液中でポリヨウ化物イオンI5 -低減能を示す化合物であると判定する。
また、以上の測定によって求められた波長355nmにおける吸光度(Asample)が、参照溶液の波長355nmにおける吸光度(Aref.)を下回らなかった対象化合物溶液については、溶液に不活性ガスを通気させ溶液中の残存酸素を排除した後に、再度吸光度測定を行う。その結果得られた吸光度(Asample)が、参照溶液の波長355nmにおける吸光度(Aref.)を下回った場合、対象化合物はヨウ化化合物およびヨウ素含有溶液中でポリヨウ化物イオンI5 -低減能を示す化合物であると判定する。不活性ガスの通気は、窒素ガスを、例えば10〜20分間バブリングすることにより行うことができる。バブリングした後に温度制御なしの室温下で48時間放置する間は、空気中の酸素に触れないように密閉して保管する。
ただし、調製直後の対象化合物溶液が、波長355nmに吸収を有する場合には、室温放置前、例えば上記開始時から10分以内、の対象化合物溶液の波長355nmにおける吸光度を、上記測定で求めた吸光度から差し引いた値を、ポリヨウ化物イオンI5 -低減能を示すか否かの判定に用いることとする。
なお上記の通り、分光光度計による吸光度測定は、測定対象溶液の測定結果とブランク溶液の測定結果との対比により行われる。ブランク溶液の測定(ブランク試験)は、セルの影響を排除ないし低減するため、対象化合物溶液の吸光度測定に用いたセルと同じセルを用いて行うこととする。ブランク溶液としては、対象化合物溶液の調製に用いた混合溶媒(対象化合物ならびにヨウ化化合物およびヨウ素未含有)を用いる。
KI/I2溶液では、KIの電離により発生したI-とI2とによりI3 -が形成され、更にこのI3 -とI2とによりI5 -が形成される。したがって、参照溶液よりもI5 -による吸収が少ない(波長355nmにおける吸光度が低い)ということは、対象化合物がKI/I2溶液においてI5 -を低減したことを意味している。このようにI5 -を低減する作用を奏する化合物により、PVAと錯体を形成していない遊離のI5 -を低減したうえで上記のポリヨウ化物イオンI5 -形成能を示す化合物を作用させることが、偏光子層の偏光性能維持に寄与していると、本発明者らは推察している。
本発明の一態様にかかる偏光板Aは、少なくとも、ヨウ素染色されたポリビニルアルコール系フィルムである偏光子層と、偏光子層以外の他の層の一層以上と、を有し、偏光子層に、ヨウ化化合物およびヨウ素含有溶液中でポリヨウ化物イオンI5 -低減能を示す化合物(以下、単に「ポリヨウ化物イオンI5 -低減能を示す化合物」とも記載する。)を含み、偏光子層以外の他の層の一層以上に、ヨウ化化合物含有溶液中でポリヨウ化物イオンI5 -形成能を示す化合物(以下、単に「ポリヨウ化物イオンI5 -形成能を示す化合物」とも記載する。)を含む。
本発明の他の一態様にかかる偏光板Bは、少なくとも、ヨウ素染色されたポリビニルアルコール系フィルムである偏光子層を有し、偏光子層は、ポリヨウ化物イオンI5 -低減能を示す化合物を含み、かつヨウ素染色されたポリビニルアルコール系フィルムに、ポリヨウ化物イオンI5 -形成能を示す化合物を適用させることにより形成された偏光子層である。
以下、偏光板Aおよび偏光板Bについて、更に詳細に説明する。特記しない限り、記載されている説明は、偏光板Aおよび偏光板Bの両方に適用されることとする。また、偏光板Aと偏光板Bとの両方に包含される偏光板も、本発明の偏光板の一態様に含まれるものとする。
上記偏光板は、少なくとも、ヨウ素染色されたポリビニルアルコール系フィルムである偏光子層を有する。即ち、上記偏光子層は、ヨウ素染色されたポリビニルアルコール系フィルムからなる偏光子層である。偏光板Aは、その他に一層以上の他の層を有する。他の層としては、偏光板保護フィルム、接着剤等が挙げられる。一方、偏光板Bは、任意の層として、一層以上の偏光板保護フィルム、接着剤層等を有することができる。他の層については、後述する。
偏光板Aは、ポリヨウ化物イオンI5 -形成能を示す化合物を、偏光子層に含む。一方、偏光板Bは、ポリヨウ化物イオンI5 -形成能を示す化合物を、ポリヨウ化物イオンI5 -低減能を示す化合物を含み、かつヨウ素染色されたポリビニルアルコール系フィルムに適用することにより得られた偏光子層を有する。なおポリヨウ化物イオンI5 -形成能を示す化合物は、水和物、溶媒和物および塩のいずれかの形態であってもよい。
以下、ポリヨウ化物イオンI5 -形成能を示す化合物について、更に詳細に説明する。
ポリヨウ化物イオンI5 −形成能を示す化合物は、特定の炭素原子を含むことが好ましい。「特定の炭素原子」とは、(1)電子求引性基と単結合を介して結合している炭素原子であって、他の炭素原子と二重結合を介して結合していないもの、あるいは、(2)2つの電子求引性基とそれぞれ単結合を介して結合している炭素原子であって、他の炭素原子と二重結合を介して結合していないもの、のいずれかをいう。上記(1)は、電子求引性基と単結合を介して結合している炭素原子(ただし他の炭素原子と二重結合を介して結合している炭素原子を除く)である。また、上記(2)は、2つの電子求引性基とそれぞれ単結合を介して結合している炭素原子(ただし他の炭素原子と二重結合を介して結合している炭素原子を除く)である。
なお、上記の1つ以上に包含される化合物の中にも、ポリヨウ化物イオンI5 -形成能を示さない化合物はある。化合物がポリヨウ化物イオンI5 -形成能を示すか否かは、先に記載の方法により判定するものとする。
上記炭素数1〜20の直鎖のアルキル基、炭素数3〜20の分岐のアルキル基は、炭素数が1〜10の直鎖のアルキル基または炭素数3〜20の分岐のアルキル基であることが好ましく、炭素数が1〜5の直鎖のアルキル基または炭素数3〜5の分岐のアルキル基であることがより好ましく、炭素数1〜3の直鎖のアルキル基であることが更に好ましく、メチル基またはエチル基が特に好ましい。
上記炭素数3〜20のシクロアルキル基は、炭素数が3〜10のシクロアルキル基であることが好ましく、炭素数4〜8のシクロアルキル基であることがより好ましい。シクロアルキル基の具体例として、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基が挙げられ、シクロヘキシル基が特に好ましい。なお、シクロアルキル基とは、環状のアルキル基を表す。
上記炭素数2〜20のアルケニル基は、炭素数が2〜10のアルケニル基であることが好ましく、炭素数2〜5のアルケニル基であることがより好ましい。
上記炭素数6〜20の芳香族基は、芳香族炭化水素基であっても芳香族複素環基であってもよいが、芳香族炭化水素基であることが好ましい。当該芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。
R1およびR3の各基が有してもよい上記の置換基のうち、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アシル基が好ましい。
本発明では、R5は、特に、「芳香環を有し、極性効果を示す置換基」であることが更に好ましい。これらの基はさらに置換基で置換されていてもよい。R5で示される、芳香環を有し、極性効果を示す置換基はラジカルを捕集し安定化に寄与するため極性効果を示す構造であることが好ましい。極性効果を示す構造としては分極を示す効果を有する置換基を用いることができるが、R5は「芳香環を有し、極性効果を示す置換基」であることが好ましい。
R5としては、フェニル基、p−クロロフェニル基、p−トルイル基、ベンジル基、エチルフェニル基、m−トルイル基、p−メトキシフェニル基、p−トリフルオロメチルフェニル基、p−メチルベンジル基、ジフェニルメチル基、メチルベンゾイルフェニルメチル基等が挙げられる。
・R1、R3およびR5の少なくとも1つが、極性効果を示す置換基を有する
・R1およびR3のいずれか1つがアラルキル基である化合物
なお、アラルキル基はアルキル基にアリール基が置換した化合物であり、アラルキル基のなかでも、アルキル基に1個または2個のアリール基が置換したもの(2個のアリール基が置換した場合、同一炭素原子に置換していることが好ましい。)が好ましい。さらに、アルキル基にアリール基とアシル基(好ましくはアリーロイル基)が置換したものも好ましい。
・R1およびR3のいずれか1つが、シクロアルキル基を含む基で、好ましくは、シクロアルキル基を含む基がシクロアルキル基である化合物
・R1およびR3が水素原子である化合物、特に、R1およびR3が水素原子で、R5が炭素数1〜3のアルキル基である化合物
水溶性官能基とは、一般式(1)で表される化合物の水溶解性に寄与する基である。一般式(1)で表される化合物が有し得る水溶性官能性基の具体例としては、スルホ基(またはその塩)、カルボキシ基(またはその塩)、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、アンモニオ基、スルホンアミド基、アシルスルファモイル基、スルホニルスルファモイル基、活性メチン基、またはこれらの基を含む置換基を挙げることができ、好ましくはスルホ基(またはその塩)、カルボキシ基(またはその塩)、ヒドロキシ基、アミノ基等の基が挙げられる。
カルボキシル基、スルホンアミド基およびスルホ基は塩の状態であってもよい。塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)および有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジニウムイオン、テトラメチルホスホニウムイオン)が含まれる。対イオンの中でもアルカリ金属塩が好ましい。
また、一般式(1)で表される化合物に水溶性を付与する基として、R1とR3の両方が水素原子である態様が例示される。このような構成とすることにより、一般式(1)で表される化合物の水溶性が高くなるためである。
また、二種類以上の溶媒を同時に含んでもよいし、水と溶媒を含む(例えば、水とアルコール(例えば、メタノール、エタノール、t−ブタノール)など)であってもよい。
また、縮合に用いるマロン酸は、無置換のものでも置換基を有するものでもよく、R5に相当する置換基を有するマロン酸を用いれば、バルビツール酸を構築することにより一般式(1)で表される化合物を合成することができる。また、無置換のマロン酸と尿素誘導体を縮合させると5位が無置換のバルビツール酸が得られるので、これを修飾することにより一般式(1)で表される化合物を合成してもよい。
5位の修飾の方法としては、ハロゲン化アルキル等との求核置換反応やマイケル付加反応のような付加反応を用いることができる。また、アルデヒドやケトンと脱水縮合させてアルキリデンまたはアリーリデン化合物を生成させ、その後二重結合を還元する方法も好ましく用いることができる。このような方法は例えば、Organic Letters,第5巻,2887頁(2003年)、Journal of Medicinal Chemistry,第17巻,1194頁(1974年)、Journal of Organic Chemistry,第68巻,4684頁(2003年)、Tetrahedron Letters,第42巻,4103頁(2001年)やJournal of the American Chemical Society,第119巻,12849頁(1997年)、Tetrahedron Letters,第28巻,4173頁(1987年)などに記載の方法を好ましく用いることができる。
なお、一般式(1)で表される化合物の合成法は上記に限定されるものではない。
ハメットのσp値は、例えば、C.Harsch他、J.Med.Chem.,16,1207(1973)、同,20,304(1977)、Chem.Rev.91,165(1991)などにも記載されている。
該アシル基としては、例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、イソブチリル、ピバロイル、ラウロイル、ミリストイル、アクリロイル、メタクリロイル、ベンゾイル、ナフトイルが挙げられる。
該アシル基のうち、分岐アルキル(好ましくはtert−アルキルカルボニル基)のアシル基、例えば、ピバロイルなどや、オルト位に置換基を有するフェニルカルボニル基が好ましい。
なお、アリールオキシカルボニル基よりアルコキシカルボニル基の方が好ましい。
カルバモイル基としては、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル、N,N−ジフェニルカルバモイル、N−メチル−N−フェニルカルバモイルが挙げられる。
スルホニル基としては、例えば、メチルスルホニル、イソプロピルスルホニル、tert−ブチルスルホニル、tert−オクチルスルホニル、フェニルスルホニルが挙げられる。
スルフィニル基としては、例えば、メチルスルフィニル、イソプロピルスルフィニル、tert−ブチルスルフィニル、tert−オクチルスルフィニル、フェニルスルフィニルが挙げられる。
(ORb)O−が好ましい。ここで、*はRが結合する炭素原子に結合する位置を示し、Rbは置換基を表す。この場合、−C(=O)−、−C(=S)−がより好ましく、−C(=O)−、−C(=O)−または−C(=S)−が更に好ましく、−C(=O)−がなかでも好ましい。
ただし、Rは、置換基中にフェノール性水酸基や芳香族アミノ基を含む基であることはなく、−NH2を含む基であることはない。
例えば、アルキル基にアリール基が置換したアラルキル基、アルキル基にアルコキシカルボニル基やシアノ基が置換した基などが挙げられる。
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−オクタデシル基、イソオクタデシル基が挙げられる。
アルケニル基としては、例えば、ビニル、アリル、イソプロペニル、2−ペンテニル、オレイルが挙げられる。
シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルが挙げられる。
シクロアルケニル基としては、例えば、シクロペンテニル、シクロヘキセニルが挙げられる。
アリール基としては、例えば、フェニル、ナフチルが挙げられる。
該ヘテロ環基におけるヘテロ環としては、5員環または6員環のヘテロ環が好ましく、該ヘテロ環は、置換基で置換されていてもよく、またベンゼン環や脂環、ヘテロ環で縮環していてもよい。ここで、置換基としては上記置換基Sが挙げられる。
ヘテロ環基におけるヘテロ環を構成するヘテロ原子は、窒素原子、酸素原子または硫黄原子が挙げられ、ヘテロ芳香環であっても芳香環でないヘテロ環であってもよい。
ヘテロ環基のヘテロ環としては、例えば、チオフェン環、フラン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、ピリジン環、ピラジン環、トリアゾール環、ピロリジン環、ピロリン環、ピラゾリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、チオモルホリン環およびこれらのベンゼン縮環した環(例えば、インドール環、ベンズイミダゾール環等)が挙げられる。
Raにおける置換基は、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、ヘテロ環基が好ましく、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基がより好ましく、アルキル基が更に好ましい。
Raは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基が好ましく、水素原子、アルキル基がより好ましく、水素原子が更に好ましい。
RX1およびRX2は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基が好ましい。
なお、L1は一般式(II)のLにおける2価の連結基と同義であり、好ましい範囲も同じである。
シクロアルキレン基、シクロアルケニレン基、アリーレン基、2価のヘテロ環基としては、隣接する2つの原子をオルト位の関係で有するものが好ましい。
なお、−N(Ra)−は、前述の−N(Ra)−と同義であり、好ましい範囲も同じである。
L1は、−O−、−S−、−N(Ra)−、−C(=O)−、−C(=S)−、−SO2−、−SO−、アルキレン基、アルケニレン基、シクロアルキレン基、シクロアルケニレン基、アリーレン基が好ましい。
従って、L2におけるアルキレン基またはアリーレン基はL1におけるアルキレン基、アリーレン基と同義であり、好ましい範囲も同じである。
L2は単結合、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基が好ましい。
一般式(I)で表される化合物を接着剤層または偏光子層に添加するときの化合物の分子量は、100〜1000の範囲であることが好ましい。一般式(I)で表される化合物のClogP値は、−8.0〜12.0の範囲であることが好ましく、−5.0〜10.0の範囲であることがより好ましく、−5.0〜8.0の範囲であることがさらに好ましい。
なお、ClogP値の概算プログラム等の詳細については、先に記載した通りである。
また、一般式(I)で表される化合物と同じ層に含まれる樹脂の性質、特に親水性であるか疎水性であるかに応じて、好ましい分子量やClogP値を有する一般式(I)で表される化合物を選択することが好ましい。
例えば、セルロースエステル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂のような疎水性の樹脂の場合、一般式(I)で表される化合物の分子量は350〜1500の範囲であることが好ましく、400〜1000の範囲であることがより好ましく、400〜750の範囲であることが更に好ましい。また、ClogPは1.0〜9.0の範囲であることが好ましく、2.0〜9.0の範囲であることがより好ましく、2.0〜8.0の範囲であることがさらに好ましい。
一方、ポリビニルアルコールまたはそのアシル化もしくはケタール化体等のような親水性樹脂、水溶性樹脂の場合、一般式(I)で表される化合物の分子量は100〜1000の範囲であることが好ましく、140〜800の範囲であることがより好ましく、140〜600の範囲であることが更に好ましい。また、ClogPは−4.0〜1.0の範囲であることが好ましく、−4.0〜0.5の範囲であることがより好ましく、−4.0〜0の範囲であることが更に好ましい。親水性樹脂、水溶性樹脂との相溶性の観点から、一般式(I)で表される化合物としては、水への溶解度が高いものがより好ましい。詳しくは、25℃で水100mlに0.1g以上溶解することが好ましく、1.0g以上溶解することがより好ましく、1.0〜30.0g溶解することが更に好ましい。
ポリヨウ化物イオンI5 -形成能を示す化合物を偏光子層に適用する態様では、上記化合物とポリビニルアルコール系樹脂との相溶性も考慮すると、ポリビニルアルコール系樹脂100質量部に対して、0.01〜30質量部の範囲とすることが好ましく、0.01〜10質量部の範囲とすることがより好ましく、1〜10質量部の範囲とすることが更に好ましい。
ポリヨウ化物イオンI5 -形成能を示す化合物を、後述する接着剤層に含む態様では、樹脂との相溶性も考慮すると、上記化合物を、接着剤層を構成する樹脂100質量部に対して、0.01〜30質量部の範囲であることが好ましく、0.01〜10質量部の範囲であることがより好ましく、1〜10質量部の範囲であることが更に好ましい。
ポリヨウ化物イオンI5 -形成能を示す化合物を、後述する偏光板保護フィルムに含む態様では、樹脂との相溶性も考慮すると、偏光板保護フィルムを構成する樹脂100質量部に対して、0.01〜30質量部の範囲であることが好ましく、0.01〜10質量部の範囲であることがより好ましく、1.0〜10質量部の範囲であることが更に好ましい。
次に、ポリヨウ化物イオンI5 -低減能を示す化合物について説明する。
偏光板Aは、ポリヨウ化物イオンI5 -低減能を示す化合物を、偏光子層以外の他の層の一層以上に含む。一方、偏光板Bは、ポリヨウ化物イオンI5 -形成能を示す化合物の適用前に、ポリビニルアルコール系フィルムにポリヨウ化物イオンI5 -低減能を示す化合物を含有させるか、適用する。
次に、偏光板A、偏光板Bの製造方法の具体的態様について、説明する。ただし本発明は、下記具体的態様に限定されるものではない。ポリヨウ化物イオンI5 -形成能を示す化合物とポリヨウ化物イオンI5 -低減能を示す化合物とを、上述のように別層に含むか(偏光板A)、または別途適用することにより得られたもの(偏光板B)である限り、いかなる製造方法により製造された偏光板であっても、本発明に包含される。
偏光板A、Bとも、ポリヨウ化物イオンI5 -低減能を示す化合物を含み、かつヨウ素染色されたポリビニルアルコール系フィルムである偏光子層を有する。
ポリビニルアルコール系フィルムは、市販品を用いてもよく、公知の方法で製膜したものを用いてもよい。ポリビニルアルコール系フィルムの製膜方法としては、例えば、特開2007−86748号公報の段落0213〜0237に記載の方法を用いることができる。また、特許登録第3342516号明細書、特開平09−328593号公報、特開2001−302817号公報、特開2002−144401号公報等を参考にして、ポリビニルアルコール系フィルムを製膜することもできる。なおポリビニルアルコール系フィルムとは、フィルムを構成する樹脂としてポリビニルアルコール系樹脂を含むフィルムを意味する。フィルムを構成する樹脂の最も多くを、例えば80質量%以上を、ポリビニルアルコール系樹脂が占めることが好ましい。フィルムを構成する樹脂のすべてがポリビニルアルコール系樹脂であってもよい。ポリビニルアルコール系樹脂は、通常、ポリ酢酸ビニルをケン化したものであるが、例えば不飽和カルボン酸、不飽和スルホン酸、オレフィン類、ビニルエーテル類のように酢酸ビニルと共重合可能な成分を含んでいてもよい。また、アセトアセチル基、スルホン酸基、カルボキシル基、オキシアルキレン基等を含有する変性ポリビニルアルコール系樹脂であってもよい。
上記化合物を偏光子層に含めるための方法の一例としては、ポリビニルアルコール系フィルムを製膜するために用いる製膜用組成物に、上記化合物を添加する方法を挙げることができる。上記方法を用いる場合、製膜用組成物に上記化合物を添加する点以外、ポリビニルアルコール系フィルムの製造に関する公知技術を、何ら制限なく適用することができる。
また他の一例としては、染色工程前、染色工程中、染色工程後の少なくともいずれかにおいて、上記化合物をポリビニルアルコール系フィルムに適用する方法を挙げることができる。ここで適用とは、塗布、浸漬、噴霧等の任意の手段によりポリビニルアルコール系フィルムと上記化合物を接触させ、好ましくは吸着ないし浸透させることをいう。そのためには、例えば、先に記載した延伸浴、染色浴、架橋浴、処理液、洗浄液等の液相に、上記化合物を添加する方法を用いることができる。また、他の一例としては、ヨウ素染色後のポリビニルアルコール系フィルムの少なくとも一方の表面に、上記化合物を含む溶液を塗布する方法を挙げることができる。
以上の方法は、1つのみ実施してもよく、2つ以上を組み合わせて実施してもよい。上記いずれの方法を用いる場合にも、偏光子層にポリヨウ化物イオンI5 -低減能を示す化合物を所望量含めることができるように製造条件を設定することが好ましい。
偏光板Bは、上記いずれか1つ以上の方法によりポリヨウ化物イオンI5 -低減能を示す化合物を含有させたヨウ素染色されたポリビニルアルコール系フィルムに、ヨウ化物イオンI5 -形成能を示す化合物を適用させることにより形成された偏光子層を有する。ヨウ化物イオンI5 -形成能を示す化合物の適用は、ヨウ化物イオンI5 -低減能を示す化合物を含ませた後かつ染色工程後であれば、いずれにおいて実施してもよい。例えば、染色工程後に用いられる液相に、ヨウ化物イオンI5 -形成能を示す化合物を添加することができる。また、ポリヨウ化物イオンI5 -低減能を示す化合物を含み、かつヨウ素染色されたポリビニルアルコール系フィルムの一方の表面に、上記化合物を含む溶液を塗布してもよい。上記化合物を含む溶液を塗布する方法を用いる場合、塗布液の溶媒としては、特に限定されるものではない。1種または2種以上の溶媒を任意の割合で混合して用いることができる。溶媒としては、ポリヨウ化物イオンI5 -形成能を示す化合物が高い溶解性を示す溶媒が好ましく、ポリヨウ化物イオンI5 -形成能を示す化合物に応じて適宜選択すればよい。一例として、メチルエチルケトン、メチレンクロライド、メタノール、酢酸メチル、テトラヒドロフラン(THF)等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
また、塗布液におけるポリヨウ化物イオンI5 -形成能を示す化合物濃度は、例えば、0.0005〜50mol/L程度とすることができる。塗布液の塗布量は、例えば、1〜60ml/m2程度とすることができる。
以上は、偏光板A、Bの作製にあたり、ポリヨウ化物イオンI5 -低減能を示す化合物を塗布により適用する場合についても同様である。
一例として、表層領域は、偏光子層の表面から、例えばフィルム厚みの1/10〜1/3程度の厚さの領域であることができる。ただし表層領域の厚みは特に限定されるものではない。また、偏光子層においては、ポリヨウ化物イオンI5 -形成能を示す化合物の濃度が、例えば内部から表面に向かって連続的または段階的に変化する濃度勾配があってもよい。なお濃度勾配は、ポリヨウ化物イオンI5 -低減能を示す化合物についてあってもよい。
偏光板には、偏光子層と他の層との密着性、または偏光板と他の部材との密着性を高めるために、偏光子層に隣接する層として、接着剤層が設けられることがある。そのような場合、接着剤層に、ポリヨウ化物イオンI5 -形成能を示す化合物を含めることもできる。
接着剤層は、通常、樹脂を最も多くを占める成分(主成分)として含む。樹脂は、通常、例えば接着剤層の30質量%以上、90質量%以下、を占める。好ましくは接着剤層の70質量%以上を占める。樹脂は、複数の樹脂を混合させた混合物であってもよい。混合物としては、例えば、樹脂の一部を変性したポリマーの混合物、または異なるモノマーを反応させて合成した樹脂などのように、主骨格の構造がほぼ同一の成分の混合体などが挙げられる。なお樹脂が混合物の場合には、混合物の総量が上記範囲であることをいう。
ポリヨウ化物イオンI5 -形成能を示す化合物を含む接着剤層においては、ホウ酸を配合する場合、その量は、ポリヨウ化物イオンI5 -形成能を示す化合物100質量部に対し、0.1質量部以上10000質量部以下とすることが好ましく、1質量部以上1000質量部以下とすることがより好ましい。上記のような架橋剤とポリヨウ化物イオンI5 -形成能を示す化合物を含む接着剤層は、ヒドロキシル基を多数有する樹脂であるポリビニルアルコール系樹脂やセルロースエステル系樹脂から形成された層と隣接する層として設けることがいっそう好ましい。
偏光板は、任意に、一層以上の偏光板保護フィルムを有することもできる。ポリヨウ化物イオンI5 -形成能を示す化合物は、偏光板保護フィルムに含まれていてもよい。
本発明の一態様にかかる偏光板は、ディスプレイの視認性や機械特性向上のために、位相差層、反射防止層、ハードコート層、前方散乱層、アンチグレア(防眩)層等の機能層を有することもできる。そのような機能層を、偏光板保護フィルムに積層する形態や、機能層を有するフィルムや光学補償フィルム、輝度向上フィルムなどの光学フィルムと複合した機能化偏光板であってもよい。機能化のための反射防止フィルム、輝度向上フィルム、他の機能性光学フィルム、ハードコート層、前方散乱層、アンチグレア層については、特開2007−86748号公報の段落0257〜0276を参照できる。
139〜0160などを参照することができる。
偏光板の形状としては、液晶表示装置にそのまま組み込むことが可能な大きさに切断されたフィルム片の態様の偏光板のみならず、連続生産により、長尺状に作製され、ロール状に巻き上げられた態様(例えば、ロール長2500m以上や3900m以上の態様)の偏光板も含まれる。大画面液晶表示装置用偏光板とするためには、偏光板の幅は1000mm以上とすることが好ましい。
以上説明した偏光板A、Bは、ポリヨウ化物イオンI5 -形成能を示す化合物とポリヨウ化物イオンI5 -低減能を示す化合物とを、上記のように含むものである。これにより、高温高湿下での偏光性能低下を防ぐことができる。
偏光板の性能および耐久性は、特定の環境下における偏光板の直交透過率変化を測定することにより評価することができる。具体的評価方法を、以下に記載する。
波長410nmの直交透過率CTは、CT≦2.0であることが好ましく、より好ましい範囲としてはCT≦1.3であり、更に好ましくはCT≦0.6(単位はいずれも%)、いっそう好ましくはCT≦0.05である。波長410nmの直交透過率が低いほど、波長410nm付近での光漏れは少ない。これに対し、波長410nmの直交透過率が高いほど波長410nm付近での光漏れが多くディスプレイの黒表示が青みを呈するようになる。したがって、色再現性の観点からは、波長410nmの直交透過率は低いことが好ましい。上記の直交透過率が低いことは、偏光性能が良好であることを意味している。直交透過率は、例えば、後述の実施例で用いた測定装置により測定することができる。
高温高湿下での耐久性評価の指標としては、偏光板が高温高湿下に所定期間置かれた前後の上記直交透過率の変化量を用いることができる。例えば、温度80℃、相対湿度90%の環境下に336時間放置したときの波長410nmの直交透過率の変化量[変化量=(放置後の直交透過率(%))―(放置前の直交透過率(%))]が0.90%以下であることが好ましく、0.80%以下であることがより好ましく、0.60%以下で変化量がゼロ以下であることがより好ましく、変化量が負の値、即ち放置後の直交透過率が放置前の直交透過率よりも小さくなることも、好ましい。
偏光板は、偏光子層等の各層を、必要に応じて接着剤層を介して、貼り合わせることにより製造することができる。
なお平行および後述する直交については、本発明が属する技術分野において許容される誤差の範囲を含むものとする。例えば、平行、直交に関する厳密な角度から±10°未満の範囲内であることを意味し、厳密な角度との誤差は、5°以下であることが好ましく、3°以下であることがより好ましい。偏光子層の透過軸と偏光板保護フィルムの遅相軸についての平行とは、偏光板保護フィルムの主屈折率nxの方向と偏光板の透過軸の方向とのずれが5°以内であることが好ましく、より好ましくは1°以内、更に好ましくは0.5°以内であることを示す。このように軸がなす角度は所望の配置(直交、平行等)に対してそのずれが1°以内であれば、偏光板クロスニコル下での偏光性能が低下しにくく、光漏れが特に生じにくく好ましい。
次に本発明の一態様にかかる液晶表示装置について説明する。
図1において、液晶表示装置10は、液晶層5とこの上下に配置された液晶セル上電極基板3および液晶セル下電極基板6とを有する液晶セル、液晶セルの両側に配置された上側偏光板1および下側偏光板8からなる。液晶セルの上側偏光板1の吸収軸2と下側偏光板8の吸収軸9は直交に積層する。液晶セルと各偏光板との間にカラーフィルターを配置してもよい。液晶表示装置10を透過型として使用する場合は、冷陰極もしくは熱陰極蛍光管、または発光ダイオード、フィールドエミッション素子、エレクトロルミネッセント素子を光源とするバックライトを背面に配置する。なお図1において、符号4および7は、配向制御方向である。
液晶表示装置10は、画像直視型、画像投影型、光変調型であってもよい。液晶層5の駆動モードとしては、TNモード、VAモード、IPSモードを含む横電界モード、OCBモード、ECBモード等の既知のいかなるモードを用いることができる。
<例示化合物A−4の合成>
以下のスキームにしたがって、例示化合物A−4を合成した。
温度計、還流冷却管および攪拌機を付した5Lのガラス製フラスコにベンジルアミン321gとアセトニトリル2Lを仕込み、水浴で冷却して攪拌しながらイソシアン酸フェニル358gを反応液の内温が40℃以下になる速度で滴下した。そのまま2時間攪拌した後に、ここに水2Lを加えて吸引ろ過して析出した結晶をろ取し、水1Lで3回洗浄した。得られた結晶を80℃で減圧乾燥して中間体N−ベンジル−N’−フェニル尿素610gを得た。
温度計、還流冷却管および撹拌機を付した300mlのガラス製フラスコに、上記1)で合成したN−ベンジル−N’−フェニル尿素5.0g、マロン酸2.5g、トルエン20mL、および無水酢酸5.6gを仕込み、攪拌しながら内温が80℃になるように加熱し、そのまま80℃で3時間攪拌を続けた。その後50℃まで冷却し、ここに水15mLを加えて分液し、水相を廃棄した。有機層を室温で攪拌しながらイソプロパノール5mLを滴下した。さらにこの溶液を10℃以下で0.5時間攪拌した後に吸引ろ過して析出した結晶をろ取し、冷却したイソプロパノールで洗浄後、乾燥し、中間体1−ベンジル−3−フェニルバルビツール酸4.6gを得た。
温度計、還流冷却管および撹拌機を付した300mlのガラス製フラスコに上記2)で合成した1−ベンジル−3−フェニルバルビツール酸4.0g、ベンズアルデヒド1.6g、酢酸40mLを仕込み、硫酸1滴を加えて攪拌しながら内温が100℃になるように加熱し、そのまま100℃で3時間攪拌を続けた。その後この溶液を50℃まで冷却し、イソプロパノール39mLと水17mLの混合溶液を加えて10℃以下で1時間攪拌した後に吸引ろ過して析出した結晶をろ取し、メタノールで洗浄後、中間体1−ベンジル−5−ベンジリデン−3−フェニルバルビツール酸3.9gを得た。
得られた化合物の構造は、1H−NMRスペクトルで確認した。
50mlのオートクレーブに上記3)で合成した1−ベンジル−5−ベンジリデン−3−フェニルバルビツール酸3.5g、メタノール8mLを仕込み、Pd−C(10%)0.1gを加えて攪拌しながら、H2を充填し内温が50℃になるように加熱し、そのまま50℃で3時間攪拌を続けた。その後Pd−Cを濾別し、5℃まで冷却し、さらに水4mLを加えて5℃で1時間攪拌した後に吸引ろ過して析出した結晶をろ取し、メタノール/水=1/1の混合溶媒で洗浄後、乾燥し、例示化合物A−4を3.0g得た。
得られた化合物の構造は、1H−NMRスペクトル、IRスペクトルおよびマススペクトルで確認した。
例示化合物A−4について、先に記載した方法(湯浴中での耐圧試験管の放置時間は2時間とした)によりヨウ化合物(ヨウ化カリウム)溶液中でポリヨウ化物イオンI5 -形成能を示すか否かを判定した。分光光度計としては、島津製作所製UV3100PCを用いた。
測定において、参照溶液の波長355nmにおける吸光度は0.0であったため、判定には対象化合物溶液の波長355nmにおける吸光度を用いた。対象化合物溶液の波長355nmにおける吸光度は2.1であったため、ポリヨウ化物イオンI5 -形成能を示すと判定した。
アスコルビン酸(東京化成株式会社製)について、先に記載した方法(不活性ガス通過なし)によりヨウ化化合物(ヨウ化カリウム)およびヨウ素含有溶液中でポリヨウ化物イオンI5 -低減能を示すか否かを判定した。分光光度計としては、島津製作所製UV3100PCを用いた。
測定において、参照溶液の波長355nmにおける吸光度は1.8、対象化合物(アスコルビン酸)溶液の波長355nmにおける吸光度は0.6であった。したがって、アスコルビン酸は、ポリヨウ化物イオンI5 -低減能を示すと判定した。
[実施例1]
<偏光子(偏光子層)の作製>
原反フィルムとして、ポリビニルアルコールフィルム(クラレ製VF−PS7500;厚さ75μm)を用いた。このポリビニルアルコールフィルムに、下記の順番にて、下記各工程を施した。
膨潤浴の処理液としては、純水を用いた。上記ポリビニルアルコールフィルムを膨潤浴に搬送し、30℃に調整した純水中に1分間浸漬して膨潤させつつ、2.2倍に延伸し、膨潤させた。
染色浴の処理液としては、ヨウ素0.75質量%およびヨウ化カリウム5.25質量%を含む30℃のヨウ素染色溶液を用いた。上記膨潤処理されたポリビニルアルコールフィルムを染色浴に搬送し、30℃に調整したヨウ素染色溶液に、30秒間浸漬しながら、元長に対して延伸倍率3.3倍になるように延伸して染色した。
架橋浴の処理液としては、ホウ酸を3質量%、ヨウ化カリウムを3質量%含有する混合水溶液(1)を用いた。上記処理されたポリビニルアルコールフィルムを架橋浴に搬送し、30℃に調整した混合水溶液(1)に、30秒間浸漬しながら、元長に対して延伸倍率3.6倍になるように延伸した。
延伸浴の処理液としては、ホウ酸を4質量%、ヨウ化カリウムを5質量%、アスコルビン酸0.001質量%含有する混合水溶液(2)を用いた。上記処理されたポリビニルアルコールフィルムを延伸浴に搬送し、60℃に調整した混合水溶液(2)に、60秒間浸漬しながら、元長に対して延伸倍率6.0倍になるように延伸した。
洗浄浴の処理液としては、ヨウ化カリウムを3質量%含有する水溶液を用いた。上記処理されたポリビニルアルコールフィルムを洗浄浴に搬送し、30℃に調整した上記水溶液に、10秒間浸漬した。
次いで、上記処理されたポリビニルアルコール系フィルムを水切りし、テンションをかけた状態で60℃のオーブンで4分間乾燥して、偏光子を得た。
1)セルロースアセテート樹脂の調製
触媒として硫酸(セルロース100質量部に対し7.8質量部)を添加し、次いで酢酸を添加し40℃でセルロースのアセチル化反応を行った。またアセチル化後に40℃で熟成を行った。さらにこのセルロースアセテートの低分子量成分をアセトンで洗浄し除去した。
得られたセルロースアセテートは、総アセチル置換度(B)2.87、重合度370であった。
上記のようにして調製したセルロースアセテートを用いた下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。
セルロースアセテート溶液の組成
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総アセチル置換度(B)2.87、重合度370のセルロースアセテート
100.0質量部
例示化合物A−4 4.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 402.0質量部
メタノール(第2溶媒) 60.0質量部
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(a)偏光板保護フィルムの鹸化処理
上記で作製した偏光板保護フィルムを、2.3mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液に、55℃で3分間浸漬した。室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.05mol/Lの硫酸を用いて中和した。再度、室温の水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥させた。
上記(a)において鹸化処理した偏光板保護フィルムを、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、先に記載の方法により作製した偏光子層の一方の表面に貼り付けた。
市販のセルローストリアセテートフィルム(富士フイルム製フジタックTD80UF)も同様の鹸化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、上記偏光板保護フィルムが貼り付けてある側とは反対側の偏光子層の表面に貼り付けた。
この際、偏光子の透過軸と、上記(a)で鹸化処理した偏光板保護フィルムの遅相軸とが平行になるように配置した。また、偏光子の透過軸と上記の市販のセルローストリアセテートフィルムの遅相軸についても平行になるように配置した。
このようにして、偏光板を作製した。
偏光板保護フィルムに例示化合物A−4を添加しなかった点以外、実施例1と同様に偏光板を作製した。
実施例1、比較例1で作製した偏光板を、市販のセルローストリアセテートフィルム表面を粘着剤(綜研化学SK−2057)を介してガラス板と貼り付けることにより偏光板試料(約5cm×5cm)を作製した。
こうして準備した偏光板試料の透過率を、日本分光(株)製自動偏光フィルム測定装置VAP−7070を用いて380nm〜780nmの範囲で測定し、10回の測定の平均値として、波長410nmにおける透過率(直交透過率)を求めた。その他測定の詳細は、先に記載した通りとした。
その後、80℃、相対湿度90%RHの環境下で各偏光板用試料を336時間経時保存した後に同様の方法で、10回の測定の平均値として、波長410nmにおける直交透過率を測定した。
経時前後の直交透過率の変化を求め、これを偏光板耐久性として評価した。なお、調湿なしの環境下での相対湿度は、0〜20%RHの範囲であった。
結果を、下記表1に示す。上記方法により評価される直交透過率変化量が0.6%未満の偏光板は、高温高湿下における耐久性がきわめて良好であると判定することができる。
波長410nmの直交透過率が低い偏光板を組み込んだ液晶表示装置は、波長410nm付近での光漏れが少なく、ディスプレイの黒表示が青みを呈することが抑制されている。したがって、優れた色再現性を示すことができる。即ち、上記のように高温高湿下での波長410nmでの直交透過率変化が抑制されている偏光板を組み込むことにより、高温高湿経時後にも色再現性に優れる液晶表示装置を提供することが可能となる。
2 上側偏光板吸収軸の方向
3 液晶セル上電極基板
4 上基板の配向制御方向
5 液晶層
6 液晶セル下電極基板
7 下基板の配向制御方向
8 下側偏光板
9 下側偏光板吸収軸の方向
10 液晶表示装置
Claims (13)
- ヨウ素染色されたポリビニルアルコール系フィルムである偏光子層と、
偏光子層以外の他の層の一層以上と、
を少なくとも有し、
前記偏光子層が、ヨウ化化合物およびヨウ素含有溶液中でポリヨウ化物イオンI5 -低減能を示す化合物を含み、
前記他の層の一層以上が、ヨウ化化合物含有溶液中でポリヨウ化物イオンI5 -形成能を示す化合物を含む偏光板。 - 前記他の層の一層以上は、偏光板保護フィルムを含み、
前記偏光板保護フィルムが前記ポリヨウ化物イオンI5 -形成能を示す化合物を含む請求項1に記載の偏光板。 - ヨウ素染色されたポリビニルアルコール系フィルムである偏光子層、
を少なくとも有し、
前記偏光子層は、ヨウ化化合物およびヨウ素含有溶液中でポリヨウ化物イオンI5 -低減能を示す化合物を含み、かつヨウ素染色されたポリビニルアルコール系フィルムに、ヨウ化化合物含有溶液中でポリヨウ化物イオンI5 -形成能を示す化合物が適用されている偏光板。 - 前記ポリヨウ化物イオンI5 -形成能を示す化合物は、
電子求引性基と単結合を介して結合している炭素原子であって、他の炭素原子と二重結合を介して結合していない炭素原子を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の偏光板。 - 前記ポリヨウ化物イオンI5 -形成能を示す化合物は、
2つの電子求引性基とそれぞれ単結合を介して結合している炭素原子であって、他の炭素原子と二重結合を介して結合していない炭素原子を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の偏光板。 - 前記電子求引性基は、カルボニル基である請求項4または5に記載の偏光板。
- 前記ポリヨウ化物イオンI5 -形成能を示す化合物は、1つ以上のヘテロ原子を含む請求項4〜6のいずれか1項に記載の偏光板。
- 前記ポリヨウ化物イオンI5 -形成能を示す化合物は、
前記炭素原子を含む環状構造を有する請求項4〜7のいずれか1項に記載の偏光板。 - 前記環状構造は、複素環である請求項8に記載の偏光板。
- 前記環状構造は、5員または6員環である請求項8または9に記載の偏光板。
- 前記環状構造は、含窒素複素環である請求項9または10に記載の偏光板。
- 前記ポリヨウ化物イオンI5 -低減能を示す化合物は、アスコルビン酸、エリソルビン酸、クロロゲン酸、クエン酸、ロスマリン酸、チオ硫酸、亜硫酸、およびこれらの塩からなる群から選択される少なくとも一種である請求項1〜11のいずれか1項に記載の偏光板。
- 請求項1〜12のいずれか1項に記載の偏光板を含む液晶表示装置。
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