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JP2015172832A - タッチパネル、表示装置及び光学シート、並びに光学シートの選別方法及び光学シートの製造方法 - Google Patents

タッチパネル、表示装置及び光学シート、並びに光学シートの選別方法及び光学シートの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】防眩性等の諸特性を付与できるとともに、画素密度300ppi以上の超高精細の表示素子の映像光のギラツキを防止できるタッチパネルを提供する。
【解決手段】光学シートを構成部材として有するタッチパネルであって、前記光学シートは、表面に凹凸形状を有してなり、該凹凸形状の傾斜角度分布曲線のピーク値を示す傾斜角度からプラス方向における変曲点を示す傾斜角度が4〜15度であり、かつ前記プラス方向における変曲点を示す傾斜角度と、前記傾斜角度分布曲線のピーク値を示す傾斜角度との差が2.2〜10度であり、画素密度300ppi以上の表示素子の前面に用いられるタッチパネル。
【選択図】図3

Description

本発明は、タッチパネル、表示装置及び光学シート、並びに光学シートの選別方法及び光学シートの製造方法に関する。
近年、タブレット型PCならびにスマートフォンに代表される双方向の通信機能を備え、かつ情報表示ならびに情報入力用の透明タッチパネルを搭載したモバイル型の情報端末機器が、日本ばかりでなく世界で広く普及しはじめてきた。
透明タッチパネルとしては、コスト的に優れた抵抗膜方式があるが、マルチタッチ等のジェスチャー操作が可能であること、超高精細化された表示素子の画質を損ないづらい等の点で、静電容量方式のタッチパネル、特に、投影型静電容量方式のタッチパネルの需要が拡大してきている。
タッチパネルの表面には、外光の映り込みを防止すること等を目的として、凹凸構造を有する防眩性シートが設置されることがある。
さらには、タッチパネルを構成する部材間の密着及び干渉縞の防止、及びタッチパネルと表示素子との間の密着及び干渉縞の防止等のために、タッチパネルの最表面基材、内部基材及び最背面基材等として、凹凸構造を有する光学シートが用いられることがある。
しかし、防眩性フィルム等の凹凸構造を有する光学シートを用いた場合、その凹凸構造に起因して、映像光に微細な輝度のばらつきが見える現象(ギラツキ)が生じ、表示品位を低下させるという問題がある。特に、近年の超高精細化された表示素子(画素密度300ppi以上)においては、ギラツキの問題はさらに深刻化している。
表面凹凸によるギラツキを防止する技術として、特許文献1〜9の技術が提案されている。
特開平11−305010号公報 特開2002−267818号公報 特開2009−288650号公報 特開2009−86410号公報 特開2009−128393号公報 特開2002−196117号公報 国際特開第2007/111026 特開2008−158536号公報 特開2011−253106号公報
特許文献1及び2は、内部ヘイズを付与することによりギラツキを改善するものである。しかし、画素密度300ppi以上の超高精細の表示素子はギラツキが強くなる傾向にあり、内部へイズのみによりギラツキを抑えようとすると、内部へイズをさらに大きくせざるを得ない。また、内部ヘイズが大きいと解像度が悪化する傾向にあるが、超高精細の表示素子ではよりその傾向が大きい。したがって、特許文献1及び2のように内部へイズにのみ着目しても、画素密度300ppi以上の超高精細の表示素子に適する光学シートを得ることができなかった。
特許文献3〜9は、光学シートの表面形状を特定の形状に設計することにより、防眩性を付与するとともに、ギラツキを改善するものである。しかし、特許文献3〜9の技術においても、画素密度300ppi以上の超高精細の表示素子のギラツキを防止することはできない。
本発明は、このような状況下になされたものであり、凹凸構造を有する場合においても、画素密度300ppi以上の超高精細の表示素子の映像光のギラツキを防止できるタッチパネル、表示装置及び光学シートを提供することを目的とする。また、本発明は、画素密度300ppi以上の超高精細の表示素子の映像光のギラツキを防止するための光学シートの選別方法及び製造方法を提供する。
本発明者らは上記課題を解決すべく、ギラツキを防止する光学シートの表面形状について鋭意研究を行った。まず、ギラツキの原因は、映像光が表面凹凸を有する光学シートを透過する際、凹凸形状により透過光に歪みが生じることが原因であると考えられる。このため、従来はギラツキを防止するために、特許文献3〜9のように凹凸の傾斜角度を低くして凹凸の程度を弱める設計が行われていた。しかし、これらの設計では、画素密度が低い表示素子のギラツキを防止できたとしても、画素密度300ppi以上の超高精細の表示素子のギラツキは防止できなかった。
本発明者らはさらに研究を重ね、驚くべきことに、逆にある一定レベルまで凹凸の程度を強くするとギラツキが防止できる傾向にあることを見出した。しかし、単に凹凸の程度を強くしただけではギラツキを防止できない場合があり、また、凹凸の程度を強くしすぎるとギラツキ以外の光学特性に悪影響を及ぼすことがあるため、適切な凹凸に関してさらに研究を重ねて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[14]のタッチパネル、表示装置及び光学シート、並びに光学シートの選別方法及び光学シートの製造方法を提供する。
[1]光学シートを構成部材として有するタッチパネルであって、前記光学シートは、表面に凹凸形状を有してなり、該凹凸形状の傾斜角度分布曲線のピーク値を示す傾斜角度からプラス方向における変曲点を示す傾斜角度が4〜15度であり、かつ前記プラス方向における変曲点を示す傾斜角度と、前記傾斜角度分布曲線のピーク値を示す傾斜角度との差が2.2〜10度であり、画素密度300ppi以上の表示素子の前面に用いられるタッチパネル。
[2]前記傾斜角度分布曲線のピーク値を示す傾斜角度が2〜8度である上記[1]に記載のタッチパネル。
[3]前記凹凸形状の傾斜角における0〜1.25度の傾斜角の割合が累積百分率で20%以下である上記[1]又は[2]に記載のタッチパネル。
[4]前記凹凸形状の傾斜角度分布の歪度が0〜1.5である上記[1]〜[3]の何れかに記載のタッチパネル。
[5]前記凹凸形状の傾斜角度分布の尖度が1.5〜6である上記[1]〜[4]の何れかに記載のタッチパネル。
[6]前記凹凸形状の傾斜角における15度以上の傾斜角の割合が累積百分率で3%以下である上記[1]〜[5]の何れかに記載のタッチパネル。
[7]画素密度300ppi以上の表示素子の前面に光学シートを有してなる表示装置であって、前記光学シートは、表面に凹凸形状を有してなり、該凹凸形状の傾斜角度分布曲線のピーク値を示す傾斜角度からプラス方向における変曲点を示す傾斜角度が4〜15度であり、かつ前記プラス方向における変曲点を示す傾斜角度と、前記傾斜角度分布曲線のピーク値を示す傾斜角度との差が2.2〜10度である表示装置。
[8]表面に凹凸形状を有する光学シートであって、前記凹凸形状の傾斜角度分布曲線のピーク値を示す傾斜角度からプラス方向における変曲点を示す傾斜角度が4〜15度であり、かつ前記プラス方向における変曲点を示す傾斜角度と、前記傾斜角度分布曲線のピーク値を示す傾斜角度との差が2.2〜10度であり、画素密度300ppi以上の表示素子の前面に用いられる光学シート。
[9]前記傾斜角度分布曲線のピーク値を示す傾斜角度が2〜8度である上記[8]に記載の光学シート。
[10]前記凹凸形状の傾斜角における0〜1.25度の傾斜角の割合が累積百分率で20%以下である上記[8]又は[9]に記載の光学シート。
[11]前記凹凸形状の傾斜角度分布の歪度が0〜1.5である上記[8]〜[10]の何れかに記載の表示装置。
[12]前記凹凸形状の傾斜角度分布の尖度が1.5〜6である上記[8]〜[11]の何れかに記載の光学シート。
[13]表面に凹凸形状を有する光学シートの選別方法であって、表面に凹凸形状を有する光学シートの凹凸形状の傾斜角を測定し、該測定結果から得られる傾斜角度分布曲線のピーク値を示す傾斜角度からプラス方向における変曲点を示す傾斜角度が4〜15度であり、かつ前記プラス方向における変曲点を示す傾斜角度と、前記傾斜角度分布曲線のピーク値を示す傾斜角度との差が2.2〜10度であるものを光学シートとして選別する、画素密度300ppi以上の表示素子の前面に用いられる光学シートの選別方法。
[14]表面に凹凸形状を有する光学シートの製造方法であって、光学シートの凹凸形状の傾斜角度分布曲線のピーク値を示す傾斜角度からプラス方向における変曲点を示す傾斜角度が4〜15度を示し、かつ前記プラス方向における変曲点を示す傾斜角度と、前記傾斜角度分布曲線のピーク値を示す傾斜角度との差が2.2〜10度を示すように製造する、画素密度300ppi以上の表示素子の前面に用いられる光学シートの製造方法。
本発明のタッチパネル、表示装置及び光学シートは、防眩性等の諸特性を付与できるとともに、画素密度300ppi以上の超高精細の表示素子の映像光のギラツキを防止できる。特に、光学シートの凹凸面を視認者側に向けて用いた場合には、屋外の明るい環境下でも外光の反射を抑えることができ、高度な防眩性を付与できる。
また、本発明の光学シートの評価方法は、表示装置に光学シートを組み込まなくてもギラツキの評価を行うことができ、光学シートの品質管理を効率よくできる。また、本発明の光学シートの製造方法は、防眩性等の諸特性を付与できるとともに、画素密度300ppi以上の超高精細の表示素子の映像光のギラツキを防止できる光学シートを効率よく製造することができる。
本発明の抵抗膜式タッチパネルの一実施形態を示す断面図である。 本発明の静電容量式タッチパネルの一実施形態を示す断面図である。 実施例1の光学シートの凹凸形状の傾斜角度分布曲線を示す図である。 実施例2の光学シートの凹凸形状の傾斜角度分布曲線を示す図である。 実施例3の光学シートの凹凸形状の傾斜角度分布曲線を示す図である。 比較例1の光学シートの凹凸形状の傾斜角度分布曲線を示す図である。 比較例2の光学シートの凹凸形状の傾斜角度分布曲線を示す図である。 比較例3の光学シートの凹凸形状の傾斜角度分布曲線を示す図である。 比較例4の光学シートの凹凸形状の傾斜角度分布曲線を示す図である。 実施例1の光学シートの断面を示す走査型透過電子顕微鏡写真(STEM)である。
以下、本発明の実施形態を説明する。
[タッチパネル]
本発明のタッチパネルは、光学シートを構成部材として有するタッチパネルであって、前記光学シートは、表面に凹凸形状を有してなり、該凹凸形状の傾斜角度分布曲線のピーク値を示す傾斜角度からプラス方向における変曲点を示す傾斜角度が4〜15度であり、かつ前記プラス方向における変曲点を示す傾斜角度と、前記傾斜角度分布曲線のピーク値を示す傾斜角度との差が2.2〜10度であり、画素密度300ppi以上の表示素子の前面に用いられるものである。
タッチパネルとしては、静電容量式タッチパネル、抵抗膜式タッチパネル、光学式タッチパネル、超音波式タッチパネル及び電磁誘導式タッチパネル等が挙げられる。これらタッチパネルは、ガラス基材、プラスチックフィルム基材等の基材を有し、該基材上の表面には、防眩性、密着防止及び干渉縞防止等の諸特性を付与するための凹凸形状が形成される場合がある。本発明のタッチパネルは、このような表面に凹凸形状を有する基材として、後述する光学シートを用いてなるものである。
また、後述する光学シートは、屋外での明るい環境下においても良好な防眩性を付与することができ、その一方で、ギラツキ及び解像度の低下も防止できる。したがって、本発明のタッチパネルは、後述する光学シートの凹凸面が操作者側(表示素子とは反対側)を向くようにして用いることが好ましい。近年のスマートフォンに代表される携帯情報端末は、表示素子が超高精細であり、かつ屋外でタッチパネル操作を行うため、後述する光学シートの凹凸面が操作者側を向くようにして本発明のタッチパネルを構成することは極めて有用である。
抵抗膜式タッチパネル1は、図1に示すように、導電膜12を有する上下一対の透明基板11の導電膜12同士が対向するようにスペーサー13を介して配置されてなる構成を基本構成に、図示しない回路が接続されてなるものである。抵抗膜式タッチパネルの場合、上部透明基板及び/又は下部透明基板として、後述する光学シートを用いることが好ましい。なお、上部透明基板及び下部透明基板は、2以上の基材からなる多層構造として、そのうちの1つの基材として後述する光学シートを用いてもよい。
抵抗膜式タッチパネルにおける光学シートは、例えば、上部透明基板として後述する光学シートを用い、かつ光学シートの凹凸面が下部透明基板と反対側を向くように使用すれば、抵抗膜式タッチパネルに高度な防眩性を付与できるとともに、超高精細の表示素子のギラツキを防止することができ、さらには超高精細の表示素子の解像度の低下を防止できる。また、この使い方の場合、タッチパネルの表面や導電膜等に生じた傷を見えづらくすることができ、歩留まりの向上に寄与できる点で好適である。
また、抵抗膜式タッチパネルの下部透明基板として後述する光学シートを用い、かつ光学シートの凹凸面が上部透明基板側を向くようにすることにより、下部電極の表面の反射を抑制するとともに、超高精細の表示素子のギラツキを防止することができる。さらに、この使い方の場合、操作時に上下の導電膜同士が密着することを防止できるとともに、上下の導電膜が近接することにより干渉縞が生じることを防止できる。
なお、上部透明基板及び/又は下部透明基板として、後述する光学シートを凹凸面が上部電極とは反対側を向くように用いた場合、密着や干渉縞を防止できる点で好適である。
静電容量式タッチパネルは、表面型及び投影型等が挙げられ、投影型が多く用いられている。投影型の静電容量式タッチパネルは、X軸電極と、該X電極と直交するY軸電極とを絶縁体を介して配置した基本構成に、回路が接続されてなるものである。該基本構成をより具体的に説明すると、1枚の透明基板上の別々の面にX電極及びY電極を形成する態様、透明基板上にX電極、絶縁体層、Y電極をこの順で形成する態様、図2に示すように、透明基板21上にX電極22を形成し、別の透明基板21上にY電極23を形成し、接着剤層24等を介して積層する態様等が挙げられる。また、これら基本態様に、さらに別の透明基板を積層する態様が挙げられる。
静電容量式タッチパネルの場合、透明基板の少なくとも一以上に後述する光学シートを用いることが好ましい。なお、透明基板は、2以上の基材からなる多層構造として、そのうちの1つの基材として後述する光学シートを用いてもよい。
静電容量式タッチパネルが、上述の基本態様上にさらに別の透明基板を有する構成の場合、該別の透明基板として後述する光学シートを用い、かつ光学シートの凹凸面が前記基本態様側と反対側を向くようにして、該凹凸面を操作者側に向けた場合には、静電容量式タッチパネルに高度な防眩性を付与できるとともに、超高精細の表示素子のギラツキを防止することができ、さらには超高精細の表示素子の解像度の低下を防止できる。また、この使い方の場合、タッチパネルの表面及び導電膜等に生じた傷、並びに電極パターンの形状を見えづらくできる点で好適である。
また、静電容量式タッチパネルが、透明基板上にX電極を形成し、別の透明基板上にY電極を形成し、接着剤等を介して積層する構成の場合、少なくとも一方の透明基板として後述する光学シートを含むものを用い、かつ光学シートの凹凸面が前記基本態様側と反対側を向くようにして、該凹凸面を操作者側に向けた場合でも、上記と同様の効果を得ることができる。
なお、静電容量式タッチパネルの透明基板として、後述する光学シートを凹凸面が操作者とは反対側を向くように用いた場合、密着や干渉縞を防止できる点で好適である。
(光学シート)
光学シートは、表面に凹凸形状を有し、凹凸形状の傾斜角度分布曲線のピーク値を示す傾斜角度からプラス方向における変曲点を示す傾斜角度(以下、「プラス方向の変曲点を示す傾斜角度」と称する場合がある。)が4〜15度であり、かつプラス方向における変曲点を示す傾斜角度と、前記傾斜角度分布曲線のピーク値を示す傾斜角度との差度(以下、「変曲点とピーク値との傾斜角度差」と称する場合がある。)が2.2〜10度であるものである。
プラス方向の変曲点を示す傾斜角度が4度未満の場合、傾斜角度の低い角度領域に傾斜が集中し、様々な傾斜角を有さなくなり、ギラツキを生じやすくなるとともに、傾斜角の高い斜面が少なくなり、防眩性等の諸特性を付与しにくくなる。プラス方向の変曲点を示す傾斜角度が15度を超える場合、傾斜角度が15度を超えるような急峻な傾斜角度の割合が増えて、白化や解像度の低下を招きやすくなるとともに、光学シートを防眩性シートとして用いた際はコントラストが低下しやすくなる。
また、プラス方向の変曲点を示す傾斜角度が4〜15度であっても、変曲点とピーク値との傾斜角度差が2.2度未満の場合、ピーク値近傍の領域に傾斜角が集中し、様々な傾斜角を有さなくなり、ギラツキを生じやすくなる。また、プラス方向の変曲点を示す傾斜角度が4〜15度であっても、変曲点とピーク値との傾斜角度差が10度を超える場合、傾斜角度の高い領域に裾野が広がり、白化や解像度の低下を招きやすくなるとともに、光学シートを防眩性シートとして用いた際はコントラストが低下しやすくなる。
プラス方向の変曲点を示す傾斜角度は、5〜12度であることが好ましく、5.5〜10度であることがより好ましく、6〜8.5度であることがさらに好ましい。また、変曲点とピーク値との傾斜角度差([プラス方向の変曲点を示す傾斜角度]−[ピーク値を示す傾斜角度])は、2.5〜9度であることが好ましく、2.8〜8度であることがより好ましく、2.8〜5度であることがさらに好ましい。
なお、本発明の傾斜角度分布曲線は、傾斜角度分布のヒストグラムの各区間の値の直線補間による近似曲線である。また、ヒストグラムの各区間の中心角度の位置に各区間の値(頻度)を割り当てる。例えば、ヒストグラムのある区間をX度〜Y度とした場合、(X+Y)度の位置に該区間の値(頻度)を割り当てる。また、傾斜角度分布曲線の基礎となるヒストグラムは、傾斜角度の分布状況を正確に反映するために、区間の幅を十分に狭くすることが好ましい。区間の幅は0.5度以下であれば、傾斜角度分布状況は正確に反映できる。一方、区間の幅が狭すぎる場合、ノイズの影響が大きくなる。このため、区間の幅は0.1〜0.5度とすることが好ましい。例えば、後述の実施例1では区間の幅を0.425度としている。
従来はギラツキを防止するために、傾斜角度を低くして凹凸の程度を弱める設計が行われていたが、本発明では、逆に傾斜角度が高い凹凸を存在させることによりギラツキを防止している。すなわち、プラス方向の変曲点を示す傾斜角度及び変曲点とピーク値との傾斜角度差を本発明の範囲とすることは、傾斜角度が高い凹凸の存在を示すとともに、様々な傾斜角が存在していることを表し、さらには平坦に近い領域が少ないことを表している。本発明のタッチパネルで用いる光学シートは、傾斜角が高い斜面を存在させつつ、様々な傾斜角が存在し、さらには平坦に近い領域が少ない凹凸形状を有することにより、ギラツキを防止できると考えられる。(正確には、本発明でも多少のギラツキは生じていると考えられる。しかし、本発明では、光学シートの表面に凹凸箇所と略平滑な箇所との境界を少なくすることや、様々な傾斜角を存在させることにより、ギラツキを平均化して目立たなくしていると考えられる。)
また、本発明のタッチパネルで用いる光学シートは、該凹凸形状によりギラツキ防止性を向上できるため、内部へイズを必要以上に高くする必要がなくなり、超高精細な表示素子の解像度の低下を防止することができる。また、該凹凸形状は、平坦に近い領域が少なく、様々な傾斜角が存在することから、高度な防眩性を付与できる。なお、従来の光学シートは、凹凸の程度を弱くすることによってギラツキを防止しており、また、凹凸を形成する粒子間に平坦部を有するため、本発明の光学シートとは形状が全く異なるものである。
本発明のタッチパネルは、防眩性等の諸特性を付与しつつギラツキ防止性をより良好にすることができる。特に、光学シートをタッチパネルの操作者側に配置して防眩性シートとして用いた際に、コントラストの低下を抑制しつつ防眩性を付与しやすくなる点で好適である。すなわち、本発明で用いる光学シートは、特定の凹凸形状を有していることから、正反射方向の反射を抑制して屋外の明るい環境にも耐え得るような防眩性を付与し、さらには、拡散反射の角度が広がりすぎることを抑制することでコントラストの低下を防止できる。また、拡散反射の角度が広がりすぎることを抑制することで、超高精細の表示素子の解像度が低下することも防止できる。
光学シートは、傾斜角度分布曲線のピーク値を示す傾斜角度が2〜8度であることが好ましく、2.1〜7度であることがより好ましく、2.1〜6度であることがさらに好ましい。該角度を2度以上とすることにより、防眩性等の諸特性を付与しつつギラツキを防止しやすくすることができる。また、該角度を8度以下とすることにより、白化、解像度の低下、及びコントラストの低下を防止しやすくできる。
光学シートは、凹凸形状の傾斜角度分布曲線のピーク値の1/2の値を示す傾斜角度の間隔(以下、「半値全幅」と称する場合もある。)が5〜15度であることが好ましい。半値全幅を5度以上とすることにより、傾斜角度が一定の狭い範囲に集中しない凹凸形状となり、ギラツキを防止しやすくできる。また、半値全幅を15度以下とすることにより、傾斜角度が15度を超えるような急峻な傾斜角度の割合が増加することを抑制し、白化や解像度の低下を防止しやすくすることができ、また、光学シートを防眩性シートとして用いた場合はコントラストの低下を防止しやすくできる。
半値全幅は5〜12度であることがより好ましく、6〜10度であることがさらに好ましい。
光学シートの凹凸形状は、傾斜角度分布曲線のピーク値から±の角度方向にそれぞれ漸減する形状であることが好ましい。該形状の光学シートは、凹凸形状の傾斜角度分布曲線のピーク値の1/2の値を示す傾斜角度は2点となるため、該2点の間隔が半値全幅となる。なお、光学シートの凹凸形状の傾斜角度分布曲線が、ピーク値から一旦漸減した後に増加し、再度漸減する形状の場合、該傾斜角度分布曲線のピーク値の1/2を示す傾斜角度が2点を超える場合がある。このような場合、ピーク値から+方向に最初に訪れる1/2を示す角度と、ピーク値から−方向に最初に訪れる1/2を示す角度との間隔を半値全幅とする。
図3〜9は、実施例1〜3及び比較例1〜4の光学シートの凹凸形状の傾斜角度分布曲線をそれぞれピーク値を100として規格した図である。図3〜9の頻度が50のときの傾斜角度の間隔が、実施例1〜3及び比較例1〜4の光学シートの半値全幅に相当する。例えば、図5の実施例3の光学シートの半値全幅は、頻度が50を示す傾斜角度(0.9度及び6.1度)の間隔である5.2度となる。
光学シートの凹凸形状の傾斜角度分布は、接触式表面粗さ計や非接触式の表面粗さ計(例えば、干渉顕微鏡、共焦点顕微鏡、原子間力顕微鏡等)の測定により得られた三次元粗さ曲面から算出できる。三次元粗さ曲面のデータは基準面(横方向をx軸、縦方向をy軸とする)において間隔dで格子状に配置した点と、その点の位置における高さで表される。x軸方向にi番目、y軸方向にj番目の点の位置(以降(i,j)と表記する)における高さをZi,jとすると、任意の位置(i,j)において、x軸に対するx軸方向の傾きSx、y軸に対するy軸方向の傾きSyは、以下のように算出される。
Sx=(Zi+1,j−Zi-1,j)/2d
Sy=(Zi,j+1−Zi,j-1)/2d
さらに、(i,j)における基準面に対する傾きStは、下記式(1)として算出される。
そして(i,j)における傾斜角度はtan-1(St)と算出される。各点につき上記の計算を行うことにより、三次元粗さ曲面の傾斜角度分布を算出する。算出した傾斜角度分布データのヒストグラムから、上述した方法により傾斜角度分布曲線を作成し、該曲線により、上述のピーク値を示す傾斜角度及び半値全幅を算出できる。
なお、上述の変曲点、並びに、後述の三次元平均傾斜角、歪度及び尖度は、実施例に記載の方法により算出できる。
三次元粗さ曲面は、簡便性から干渉顕微鏡を用いて測定することが好ましい。このような干渉顕微鏡としては、Zygo社製の「New View」シリーズ等が挙げられる。
光学シートは、凹凸形状の傾斜角における0〜5度の傾斜角の割合が累積百分率で40〜80%であることが好ましく、45〜75%であることがより好ましい。該割合を40%以上とすることにより、傾斜角が5度を超える凹凸の割合を少なくして、白化やコントラストの低下を防止できる。また、該割合を80%以下とすることにより、ギラツキをより防止しやすくできるとともに、屋外の明るい環境にも耐え得る防眩性を付与できる。
また、防眩性をより良好にする観点からは、凹凸形状の傾斜角における0〜1.25度の傾斜角の割合が累積百分率で20%以下であることが好ましく、15%以下であることがより好ましく、12%以下であることがさらに好ましい。
光学シートは、凹凸形状の傾斜角における15度を越える傾斜角の割合が累積百分率で3%以下であることが好ましく、2%以下であることがより好ましく、1.5%以下であることがさらに好ましい。該割合を3%以下とすることにより、白化、解像度の低下、及びコントラストの低下を防止しやすくできる。
光学シートは、凹凸形状の三次元平均傾斜角(θa3D)は3.0〜9.0度であることが好ましく、4.0〜8.0度であることがより好ましく、4.5〜7.0度であることがさらに好ましい。θa3Dを3.0度以上とすることにより、防眩性等の諸特性を付与しやすくすることができる。また、θa3Dを9.0度以下とすることにより、白化、解像度の低下、及びコントラストの低下を防止しやすくすることができる。
光学シートは、凹凸形状の傾斜角度分布の歪度が0〜1.5であることが好ましく、0〜1.4であることがより好ましく、0〜1.2であることがさらに好ましい。歪度を0〜1.5とすることにより、傾斜角分布が傾斜角の小さい領域に適度に偏り、傾斜角が大きい領域に偏り過ぎることにより生じる弊害(白化、解像度の低下及びコントラストの低下)を防止しやすくできるとともに、傾斜角が小さい領域に偏り過ぎることによる弊害(ギラツキの発生)を防止しやすくできる。
光学シートは、凹凸形状の傾斜角度分布の尖度が1.5〜6であることが好ましく、2〜6であることがより好ましく、2.5〜6であることがさらに好ましい。尖度を1.5以上とすることにより、傾斜角度分布の裾野が広がり、凹凸が様々な角度の傾斜角を有するようになり、ギラツキをより防止することができる。また、尖度を6以下とすることにより、頻度のピーク値近傍の極端に狭い角度範囲に傾斜が集中することを防止し、ギラツキをより防止することができるとともに、平坦な角度(ピーク値を下回る角度)側の裾を少なくして防眩性をより良好とし、かつ、急峻な角度(ピーク値を上回る角度)側の裾を少なくして、白化、解像度の低下、及びコントラストの低下を防止しやすくできる。
光学シートは、全光線透過率(JIS K7361−1:1997)が80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。
光学シートは、ヘイズ(JIS K7136:2000)が25〜60%であることが好ましく、30〜60%であることがより好ましく、30〜50%であることがさらに好ましい。ヘイズを25%以上とすることにより、防眩性を付与するとともに、電極の形状や傷を見えづらくすることができる。また、ヘイズを60%以下とすることにより、超高精細の表示素子の解像度の低下を防止するとともに、コントラストの低下を防止しやすくできる。
また、ヘイズを表面ヘイズ(Hs)と内部ヘイズ(Hi)とに分けた場合、表面へイズは20〜50%であることが好ましく、20〜45%であることがより好ましく、25〜40%であることがさらに好ましい。表面ヘイズを20%以上とすることにより、屋外等の明るい使用環境においても防眩性を良好にするとともに、電極の形状や傷を見えづらくすることができ、50%以下とすることにより、コントラストの低下や解像度の低下を防止しやすくできる。
また、内部へイズは、5〜30%であることが好ましく、5〜25%であることがより好ましく、10〜18%であることがさらに好ましい。内部ヘイズを5%以上とすることにより、表面凹凸との相乗作用によりギラツキを防止しやすくでき、30%以下とすることにより、超高精細の表示素子の解像度の低下を防止できる。
また、表面ヘイズと内部へイズとの比(Hs/Hi)は、上述した表面ヘイズと内部へイズの効果のバランスの観点から、1.0〜5.0であることが好ましく、2.0〜5.0であることがより好ましく、2.5〜4.5であることがさらに好ましい。
表面ヘイズ及び内部へイズは、例えば、実施例に記載の方法で求めることができる。
光学シートは、解像度の観点、及び電極の形状や傷を見えづらくする観点から、JIS K7105:1981に定める像鮮明度測定装置を用いて、2mm、1mm、0.5mm及び0.125mmの巾をもつ光学くしを通した4種類の透過像鮮明度の和が100%以下であることが好ましく、20%を超えて80%以下であることがより好ましい。
光学シートの凹凸形状の算術平均粗さRaは0.20〜0.70μmであることが好ましく、0.25〜0.50μmであることがより好ましい。Raを0.20μm以上とすることにより、ギラツキを防止しやすくできるとともに、防眩性、密着防止性及び干渉縞防止性を良好にしやすくでき、さらに電極の形状や傷を見えづらくすることができる。また、Raを0.70μm以下とすることにより、解像度及びコントラストの低下を防止しやすくできる。なお、Ra、及び後述のRz、Smpは、カットオフ値0.8mmとした値である。
なお、本発明においてRaはJIS B0601:1994に記載されている2次元粗さパラメータであるRaを3次元に拡張したものであり、基準面に直交座標軸X、Y軸を置き、粗さ曲面をZ(x,y)、基準面の大きさをLx、Lyとすると下記式(2)で算出される。
A=Lx×Ly
また、上述のZi,jを用いると下記式(3)で算出される。
N:全点数
光学シートの凹凸形状の十点平均粗さRzは1.00〜3.50μmであることが好ましく、1.20〜3.00μmであることがより好ましい。Rzを1.00μm以上とすることにより、ギラツキを防止しやすくできるとともに、防眩性、密着防止性及び干渉縞防止性を良好にしやすくでき、さらに電極の形状や傷を見えづらくすることができる。また、Rzを3.50μm以下とすることにより、極端に標高の高い凸部がなくなるため、解像度及びコントラストの低下を防止しやすくできる。
また、上述したRa及びRzの効果をより得やすくする観点から、RzとRaとの比[Rz/Ra]は、6.0以下であることが好ましく、4.0〜6.0であることがより好ましく、4.5〜5.7であることがさらに好ましい。
なお、本発明においてRzはJIS B0601:1994に記載されている2次元粗さパラメータであるRzを3次元に拡張したものである。基準面上に基準面の中心を通る直線を、全域を網羅するように360度放射状に多数置き、3次元粗さ曲面から各直線に基づいて切断した断面曲線を得て、該断面曲線における十点平均粗さ(最高の山頂から高い順に5番目までの山高さの平均と最深の谷底から深い順に5番目までの谷深さの平均との和)を求める。そのようにして得られた多数の十点平均粗さのうち、上位50%を平均することにより算出される。
光学シートの凹凸形状の凹凸の平均山間隔Smpは25〜100μmであることが好ましく、30〜80μmであることがより好ましく、30〜70μmであることがさらに好ましい。傾斜角度分布曲線のプラス方向の変曲点を示す傾斜角度及び変曲点とピーク値との傾斜角度差を本発明の範囲とした上でSmpを前記範囲とすることにより、緩すぎずかつ急すぎない凹凸形状とすることができ、ギラツキを防止しやすくできるとともに、防眩性、密着防止、干渉縞防止、電極形状及び傷の不可視化、解像度の低下防止、白化防止等の諸性能を発揮しやすくできる。
Smpは次のように求める。3次元粗さ曲面から基準面より高い部分で一つの領域で囲まれた部分を一つの山としたきの山の個数をPsとし、測定領域全体(基準面)の面積をAとすると、Smpは下記式(4)で算出される。
上記Ra、RzおよびSmpは上述の干渉顕微鏡「New View」シリーズに付属の測定・解析アプリケーションソフト「MetroPro」により算出することができる。
上述の光学シートは、少なくとも一方の面に上述した凹凸形状を有し、光透過性を有するものであれば、特に制限することなく使用できる。また、上述した凹凸形状は光学シートの両面に有していてもよいが、取り扱い性、映像の視認性(解像度、白化)の観点から、上述した凹凸形状を片面に有し、他方の面は略平滑(Ra0.02μm以下)であることが好ましい。
また、光学シートは、凹凸層の単層であってもよいし、透明基材上に凹凸層を有する複層であってもよい。取り扱い性及び製造の容易性からは、透明基材上に凹凸層を有する構成が好適である。
凹凸の形成方法としては、例えば、1)エンボスロールを用いた方法、2)エッチング処理、3)型による成型、4)コーティングによる塗膜の形成等が挙げられる。これら方法の中では、凹凸形状の再現性の観点からは3)の型による成型が好適であり、生産性及び多品種対応の観点からは4)のコーティングによる塗膜の形成が好適である。
型による成型は、凹凸面と相補的な形状からなる型を作製し、当該型に高分子樹脂やガラス等の凹凸層を構成する材料を流し込んで硬化させた後、型から取り出すことにより製造することができる。透明基材を使用する場合には、型に高分子樹脂等を流し込み、その上に透明基材を重ね合わせた後、高分子樹脂等を硬化させ、透明基材ごと型から取り出すことにより製造することができる。
コーティングによる塗膜の形成は、樹脂成分及び透光性粒子を含有してなる凹凸層形成塗布液を、グラビアコーティング、バーコーティング等の公知の塗布方法により透明基材上に塗布し、必要に応じて乾燥、硬化することにより形成することができる。凹凸形状を上述した範囲とするためには、凹凸層形成塗布液中に、無機超微粒子を含有させることが好ましい。
図10は、バインダー樹脂、透光性粒子及び無機超微粒子を含有してなる凹凸層形成塗布液をコーティングして形成してなる、実施例1の光学シートの凹凸層の断面を示す走査型透過電子顕微鏡写真(STEM)である。
通常、透光性粒子の存在しない箇所は凹凸層の表面が略平滑となるが、図10の凹凸層は透光性粒子の存在しない箇所も緩やかな傾斜を有している。この原因は、無機超微粒子により、塗布液のチキソトロピー性及び溶媒の乾燥特性が影響を受け、通常のようなレベリングが生じていないためと考えられる。このように、透光性粒子の存在しない箇所にも緩やかな傾斜が形成されることにより、凹凸層に略平滑な箇所を極力なくし、プラス方向の変曲点を示す傾斜角度及び変曲点とピーク値との傾斜角度差等を本発明の範囲にしやすくなると考えられる。
また、図10の凹凸層は、以下(1)〜(3)の理由により、プラス方向の変曲点を示す傾斜角度及び変曲点とピーク値との傾斜角度差等を上述した範囲にしやすくできると考えられる。
(1)透光性粒子が存在する箇所の若干急な傾斜と、透光性粒子の存在しない箇所の緩やかな傾斜とが混在し、傾斜がランダムな凹凸形状となっている。
(2)通常は、凹凸層の表面付近に存在する透光性粒子の凹凸層の周辺の形状は、透光性粒子の形状に沿った凸部形状になるが、図4の凹凸層では透光性粒子の形状に沿った形状となっていない。このように、凹凸層の表面付近に存在する透光性粒子の形状が凹凸層の表面形状に十分に反映されないことにより、急峻な凹凸も少ない形状となっている。
(3)図4の凹凸層では、透光性粒子は分散と凝集の両者が存在している。この原因は、無機超微粒子が、塗布液のチキソトロピー性や透光性粒子同士の親和性に影響を及ぼしているためと考えられる。このように、分散と凝集の両者が存在することにより、凹凸形状のバリエーションが多くランダムな表面形状となっている。
透光性粒子は、透光性有機粒子及び透光性無機粒子の何れも用いることができる。また、透光性粒子は、球形、円盤状、ラグビーボール状、不定形等の形状が挙げられ、また、これら形状の中空粒子、多孔質粒子及び中実粒子等が挙げられる。これらの中でも、ギラツキ防止の観点からは、球形の中実粒子が好適である。
透光性有機粒子としては、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリル−スチレン共重合体、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ベンゾグアナミン−メラミン−ホルムアルデヒド縮合物、シリコーン、フッ素系樹脂及びポリエステル系樹脂等からなる粒子が挙げられる。
透光性無機粒子としては、シリカ、アルミナ、ジルコニア及びチタニア等からなる粒子が挙げられる。
上述の透光性粒子の中でも、分散制御の容易さの観点から透光性有機粒子が好適であり、その中でも、ポリアクリル−スチレン共重合体粒子が好適である。ポリアクリル−スチレン共重合体粒子は、屈折率及び親疎水の程度の制御が容易であることから、内部ヘイズ、及び凝集/分散の制御がしやすい点で良好である。
透光性粒子は、上述の凹凸形状を得やすくする観点から、平均粒子径が2〜10μmであることが好ましく、3〜8μmであることがより好ましい。なお、透光性粒子の平均粒子径は、コールターカウンター法により算出できる。
また、透光性粒子の平均粒子径と凹凸層の厚みとの比(透光性粒子の平均粒子径/凹凸層の厚み)は、上述の凹凸形状を得やすくする観点から、0.5〜1.0であることが好ましく、0.6〜0.9であることがより好ましい。
透光性粒子の含有量は、上述した凹凸形状を得やすくする観点から、凹凸層を形成する全固形分中の2〜25質量%であることが好ましく、5〜20質量%であることがより好ましい。
無機超微粒子としては、シリカ、アルミナ、ジルコニア及びチタニア等からなる超微粒子が挙げられる。これらの中でも透明性の観点からシリカ超微粒子が好適である。
無機超微粒子は、上述の凹凸形状を得やすくする観点から、平均一次粒子径が1〜25nmであることが好ましく、5〜20nmであることがより好ましい。なお、無機超微粒子の平均一次粒子径は、BET窒素吸着法による比表面積測定値(JIS Z8830に準じる)から換算することにより算出できる。
無機超微粒子は、表面処理により反応性基が導入された反応性無機超微粒子が好ましい。反応性基を導入することにより、凹凸層中に多量の無機超微粒子を含有させることが可能となり、上述した凹凸形状を得やすくすることができる。
反応性基としては、重合性不飽和基が好適に用いられ、好ましくは光硬化性不飽和基であり、特に好ましくは電離放射線硬化性不飽和基である。その具体例としては、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、ビニル基及びアリル基等のエチレン性不飽和結合並びにエポキシ基等が挙げられる。
このような反応性無機超微粒子は、シランカップリング剤で表面処理した無機超微粒子を挙げることができる。無機超微粒子の表面をシランカップリング剤で処理するには、無機超微粒子にシランカップリング剤をスプレーする乾式法や、無機超微粒子を溶剤に分散させてからシランカップリング剤を加えて反応させる湿式法等が挙げられる。
無機超微粒子の含有量は、凹凸層を形成する全固形分中の10〜90質量%であることが好ましく、20〜70質量%であることがより好ましく、35〜50質量%であることがさらに好ましい。当該範囲とすることにより、レベリング性の制御、及び凹凸層の重合収縮の抑制により、上述した凹凸形状を得やすくすることができる。
また、凹凸層中における透光性粒子及び無機超微粒子の含有量の比(透光性粒子の含有量/無機超微粒子の含有量)は、上述の凹凸形状を得やすくする観点から、0.1〜0.4であることが好ましく、0.2〜0.3であることがより好ましい。
凹凸層の樹脂成分は、熱硬化性樹脂組成物又は電離放射線硬化性樹脂組成物を含むことが好ましく、機械的強度をより良くする観点から、電離放射線硬化性樹脂組成物を含むことがより好ましく、その中でも紫外線硬化性樹脂組成物を含むことがさらに好ましい。
熱硬化性樹脂組成物は、少なくとも熱硬化性樹脂を含む組成物であり、加熱により、硬化する樹脂組成物である。
熱硬化性樹脂としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂組成物には、これら硬化性樹脂に、必要に応じて硬化剤が添加される。
電離放射線硬化性樹脂組成物は、電離放射線硬化性官能基を有する化合物(以下、「電離放射線硬化性化合物」ともいう)を含む組成物である。電離放射線硬化性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合基、及びエポキシ基、オキセタニル基等が挙げられる。電離放射線硬化性化合物としては、エチレン性不飽和結合基を有する化合物が好ましく、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する化合物がより好ましく、中でも、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する、多官能性(メタ)アクリレート系化合物が更に好ましい。多官能性(メタ)アクリレート系化合物としては、モノマー及びオリゴマーのいずれも用いることができる。
なお、電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線などの電磁波、α線、イオン線などの荷電粒子線も使用可能である。
多官能性(メタ)アクリレート系化合物のうち、2官能(メタ)アクリレート系モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエトキシジアクリレート、ビスフェノールAテトラプロポキシジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート等が挙げられる。
3官能以上の(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸変性トリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、上記(メタ)アクリレート系モノマーは、分子骨格の一部を変性しているものでもよく、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、カプロラクトン、イソシアヌル酸、アルキル、環状アルキル、芳香族、ビスフェノール等による変性がなされたものも使用することができる。
また、多官能性(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート等のアクリレート系重合体等が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、多価アルコール及び有機ジイソシアネートとヒドロキシ(メタ)アクリレートとの反応によって得られる。
また、好ましいエポキシ(メタ)アクリレートは、3官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレート、2官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と多塩基酸と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレート、及び2官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等とフェノール類と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレートである。
上記電離放射線硬化性化合物は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
電離放射線硬化性化合物が紫外線硬化性化合物である場合には、電離放射線硬化性組成物は、光重合開始剤や光重合促進剤等の添加剤を含むことが好ましい。
光重合開始剤としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、α−ヒドロキシアルキルフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンジルメチルケタール、ベンゾイルベンゾエート、α−アシルオキシムエステル、チオキサンソン類等から選ばれる1種以上が挙げられる。
これら光重合開始剤は、融点が100℃以上であることが好ましい。光重合開始剤の融点を100℃以上とすることにより、タッチパネルの透明導電膜形成時や結晶化工程の熱により残留した光重合開始剤が昇華し、透明導電膜の低抵抗化が損なわれることを防止することができる。
また、光重合促進剤は、硬化時の空気による重合阻害を軽減させ硬化速度を速めることができるものであり、例えば、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等から選ばれる1種以上が挙げられる。
凹凸層の厚みは、カール抑制、機械的強度、硬度及び靭性とのバランスの観点から、2〜10μmであることが好ましく、4〜8μmであることがより好ましい。なお、凹凸層の厚みは、走査型透過電子顕微鏡(STEM)による光学シートの断面写真の任意の箇所を10点選び、その平均値により算出できる。
凹凸層形成塗布液には、通常、粘度を調節したり、各成分を溶解または分散可能とするために溶剤を用いる。溶剤の種類によって、塗布、乾燥過程した後の凹凸層の表面状態が異なるため、溶剤の飽和蒸気圧、透明基材への溶剤の浸透性等を考慮して溶剤を選定することが好ましい。具体的には、溶剤は、例えば、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン等)、脂環式炭化水素類(シクロヘキサン等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭素類(ジクロロメタン、ジクロロエタン等)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、アルコール類(ブタノール、シクロヘキサノール等)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等)、セロソルブアセテート類、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド等)、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)等が例示でき、これらの混合物であってもよい。
溶剤の乾燥が遅すぎる場合又は速すぎる場合、凹凸層のレベリング性が過度又は不足することにより、上述した凹凸形状を形成しづらくなる。したがって、溶剤としては、蒸発速度(n−酢酸ブチルの蒸発速度を100としたときの相対蒸発速度)が100〜180である溶剤を、全溶剤中の50質量%以上含むことが好ましい。全溶剤中の50質量%以上の溶剤としては、蒸発速度が100〜150であるものがより好ましい。
相対蒸発速度の例を挙げると、トルエンが195、メチルエチルケトン(MEK)が465、メチルイソブチルケトン(MIBK)が118、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が68である。
また、溶剤の種類は、シリカ超微粒子に代表される無機超微粒子の分散性にも影響を与える。例えば、MIBKは、無機超微粒子の分散性に優れ、上述した凹凸形状を形成しやすい点で好適である。
また、上述した凹凸形状を得やすくする観点からは、凹凸層を形成する際、乾燥条件を制御することが好ましい。乾燥条件は、乾燥温度及び乾燥機内の風速により調整することができる。具体的な乾燥温度としては、30〜120℃、乾燥風速では0.2〜50m/sとすることが好ましい。また、乾燥条件により凹凸層のレベリングを制御するために、電離放射線の照射は乾燥後に行うことが好適である。
また、表面凹凸を適度に滑らかにして、上述した凹凸形状を得やすくする観点からは、凹凸層形成塗布液には、レベリング剤を含有させることが好ましい。レベリング剤は、フッ素系又はシリコーン系のものが挙げられ、シリコーン系のレベリング剤が好適である。レベリング剤の添加量としては、凹凸層形成塗布液の全固形分に対して0.01〜0.5重量%が好ましく、0.05〜0.2重量%がより好ましい。
光学シートの透明基材としては、光透過性、平滑性、耐熱性を備え、機械的強度に優れたものであることが好ましい。このような透明基材としては、ポリエステル、トリアセチルセルロース(TAC)、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリウレタン及び非晶質オレフィン(Cyclo−Olefin−Polymer:COP)等のプラスチックフィルムが挙げられる。透明基材は、2枚以上のプラスチックフィルムを貼り合わせたものであってもよい。
上記の中でも、機械的強度や寸法安定性の観点からは、延伸加工、特に二軸延伸加工されたポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)が好ましい。また、TAC、アクリルは光透過性光学的等方性の観点で好適である。また、COP、ポリエステルは耐候性に優れる点で好適である。また、リタデーション値3000〜30000nmのプラスチックフィルム又は1/4波長位相差のプラスチックフィルムは、偏光サングラスを通して液晶ディスプレイの画像を観察した場合に、表示画面に色の異なるムラが観察されることを防止できる点で好適である。
透明基材の厚さは、5〜300μmであることが好ましく、30〜200μmであることがより好ましい。
透明基材の表面には、接着性向上のために、コロナ放電処理、酸化処理等の物理的な処理の他、アンカー剤又はプライマーと呼ばれる塗料の塗布を予め行ってもよい。
光学シートは、凹凸形状の上及び/又は凹凸形状と反対側の面上に、反射防止層、防汚層、帯電防止層等の機能性層を有していてもよい。また、透明基材上に凹凸層を有する構成の場合、前記箇所のほかに、透明基材と凹凸層との間に機能性層を有していてもよい。
[表示装置]
本発明の表示装置は、画素密度300ppi以上の表示素子の前面に光学シートを有してなる表示装置であって、前記光学シートは、表面に凹凸形状を有してなり、該凹凸形状の傾斜角度分布曲線のピーク値を示す傾斜角度からプラス方向における変曲点を示す傾斜角度が4〜15度であり、かつ前記プラス方向における変曲点を示す傾斜角度と、前記傾斜角度分布曲線のピーク値を示す傾斜角度との差が2.2〜10度であるものである。
画素密度300ppi以上の超高精細の表示素子は、上述のようにギラツキを生じやすいが、本発明では、凹凸形状を有する光学シートとして特定の光学シートを用いることにより、防眩性等の諸特性を付与しつつギラツキを防止できる。
本発明の表示装置に用いる光学シートとしては、上述した本発明のタッチパネルに用いる光学シートと同様のものを用いることができる。
表示素子としては、液晶表示素子、インセルタッチパネル液晶表示素子、EL表示素子、プラズマ表示素子等が挙げられる。
インセルタッチパネル液晶素子は、2枚のガラス基板に液晶を挟んでなる液晶素子の内部に、抵抗膜式、静電容量式、光学式等のタッチパネル機能を組み込んだものである。なお、インセルタッチパネル液晶素子の液晶の表示方式としては、IPS方式、VA方式、マルチドメイン方式、OCB方式、STN方式、TSTN方式等が挙げられる。インセルタッチパネル液晶素子は、例えば、特開2011−76602号公報、特開2011−222009号公報に記載されている。
光学シートは、例えば、以下の順で表示素子の前面に設置することができる。
(1)表示素子/表面保護板/光学シート
(2)表示素子/光学シート
(3)表示素子/光学シートを構成部材として有するタッチパネル
(4)表示素子/光学シート/表面保護板
(1)及び(2)の場合、光学シートの凹凸面が表面を向くように(凹凸面が表示素子とは反対側を向くように)配置することで、高度な防眩性を付与できるとともに、ギラツキを防止でき、さらには、表面や表示素子に生じた傷を見えづらくすることができる。
(3)の場合、上述した本発明のタッチパネルの実施の形態のように光学シートを配置することで、防眩性等の諸特性を付与しつつ、ギラツキを防止することができる。
なお、(2)及び(4)の場合、光学シートの凹凸面が表示素子側を向くようにして空気層を介して配置すれば、密着及び干渉縞を防止するとともに、表示素子に生じた傷を見づらくすることができる。
本発明の表示装置に用いる光学シートは、屋外の明るい環境下でも外光の反射を抑えることができ、高度な防眩性を付与できる。近年のスマートフォンに代表される携帯情報端末は、屋外で用いることが多いため、本発明の表示装置は、光学シートを凹凸面が視認者側(表示素子とは反対側)を向くようにして用いることが好ましい。
[光学シート]
本発明の光学シートは、表面に凹凸形状を有し、前記凹凸形状の傾斜角度分布曲線のピーク値を示す傾斜角度からプラス方向における変曲点を示す傾斜角度が4〜15度であり、かつ前記プラス方向における変曲点を示す傾斜角度と、前記傾斜角度分布曲線のピーク値を示す傾斜角度との差が2.2〜10度であり、画素密度300ppi以上の表示素子の前面に用いられるものである。
本発明の光学シートとしては、上述した本発明のタッチパネルに用いる光学シートと同様のものが挙げられる。
本発明の光学シートは、画素密度300ppi以上の表示素子の前面に用いることで、防眩性等の諸特性を付与しつつ、超高精細の表示素子の映像光のギラツキ及び解像度の低下を防止できる点で好ましい。
また、本発明の光学シートは、屋外の明るい環境下でも外光の反射を抑えることができ、高度な防眩性を付与できる。近年のスマートフォンに代表される携帯情報端末は、屋外で用いることが多いため、本発明の光学シートは、タッチパネルや表示装置の最表面において、凹凸面が視認者側(表示素子とは反対側)を向くようにして用いることが好ましい。
[光学シートの選別方法]
本発明の光学シートの選別方法は、表面に凹凸形状を有する光学シートの選別方法であって、光学シートの凹凸形状の傾斜角を測定し、該測定結果から得られる傾斜角度分布曲線のピーク値を示す傾斜角度からプラス方向における変曲点を示す傾斜角度が4〜15度であり、かつ前記プラス方向における変曲点を示す傾斜角度と、前記傾斜角度分布曲線のピーク値を示す傾斜角度との差が2.2〜10度であるものを光学シートとして選別するものである。
本発明の光学シートの選別方法では、表示装置に光学シートを組み込まなくても、画素密度300ppi以上の超高精細の表示素子に用いた際にギラツキ防止性が良好な光学シートを選別することができ、光学シートの品質管理を効率よくできる。
光学シートを選別する判定条件は、(a)プラス方向における変曲点を示す傾斜角度が4〜15度であること、及び(b)変曲点とピーク値との傾斜角度差([プラス方向の変曲点を示す傾斜角度]−[ピーク値を示す傾斜角度])が2.2〜10度であることを必須条件とする。
条件(a)の変曲点を示す傾斜角度は5〜12度が好ましく、5.5〜10度がより好ましく、6〜8.5度であることがさらに好ましい。条件(b)の変曲点とピーク値との傾斜角度差は、2.5〜9度であることが好ましく、2.8〜8度であることがより好ましく、2.8〜5度であることがさらに好ましい。
さらに、以下に挙げる条件(c)〜(h)から選ばれる一以上を判定条件とすることにより、より正確なギラツキを防止できる光学シートを選別できる。条件(c)〜(h)は二つ以上を判定条件とすることが好ましく、三つ以上を判定条件とすることがより好ましい。
(c)傾斜角度分布曲線のピーク値を示す傾斜角度が2〜8度。
(d)傾斜角度分布曲線の半値全幅が5〜15度。
(e)凹凸形状の傾斜角における0〜1.25度の傾斜角の割合が累積百分率で20%以下。
(f)凹凸形状の傾斜角度分布の歪度が0〜1.5。
(g)凹凸形状の傾斜角度分布の尖度が1.5〜6。
(h)凹凸形状の傾斜角における15度以上の傾斜角の割合が累積百分率で3%以下。
条件(c)のピーク値を示す傾斜角度は2.1〜7度が好ましく、2.1〜6度がより好ましい。条件(d)の半値全幅は5〜12度が好ましく、6〜10度がより好ましい。条件(e)の累積百分率は、15%以下が好ましく、12%以下がより好ましい。条件(f)の歪度は0〜1.4が好ましく、0〜1.2がより好ましい。条件(g)の尖度は2〜6が好ましく、2.5〜6がより好ましい。条件(h)の累積百分率は、2%以下が好ましく、1.5%以下がより好ましい。
[光学シートの製造方法]
本発明の光学シートの製造方法は、表面に凹凸形状を有する光学シートの製造方法であって、光学シートの凹凸形状の傾斜角度分布曲線のピーク値を示す傾斜角度からプラス方向における変曲点を示す傾斜角度が4〜15度を示し、かつ前記プラス方向における変曲点を示す傾斜角度と、前記傾斜角度分布曲線のピーク値を示す傾斜角度との差が2.2〜10度を示すように製造する、画素密度300ppi以上の表示素子の前面に用いられる光学シートの製造方法である。
本発明の光学シートの製造方法は、(a)プラス方向における変曲点を示す傾斜角度が4〜15度であること、及び(b)変曲点とピーク値との傾斜角度差([プラス方向の変曲点を示す傾斜角度]−[ピーク値を示す傾斜角度])が2.2〜10度であることを満たすように製造条件を制御することを必須条件とする。条件(a)及び(b)の好適な範囲は、上述した光学シートの選択方法と同様である。また、追加の条件として、上述した光学シートの選択方法の条件(c)〜(h)の一以上を満たすことが好ましく、二以上を満たすことがより好ましく、三以上を満たすことがさらに好ましい。
本発明の光学シートの製造方法では、防眩性等の諸特性を付与できるとともに、画素密度300ppi以上の超高精細の表示素子の映像光のギラツキを防止できる光学シートを効率よく製造することができる
製造条件(a)〜(h)は、光学シートの凹凸層に略平滑な箇所を極力少なくし、凹凸層の略全体が傾斜となるような形状とすること、及び全体が均一な傾斜にするのではなく、傾斜角の大きい傾斜を含んだ様々な傾斜角を混在させることにより制御できる。
製造条件(a)〜(h)を制御する具体的手段は、凹凸層を型により形成する場合は型の形状を制御すればよい。また、凹凸層をコーティングにより形成する場合の製造条件(a)〜(h)を制御する具体的手段は、上述したように、適量の無機超微粒子を用いること、相対蒸発速度が特定の範囲の溶剤を用いること、乾燥温度や風速等の乾燥条件を調整すること、適量のレベリング剤を用いることが挙げられる。
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。なお、「部」及び「%」は特に断りのない限り質量基準とする。
1.光学シートの物性測定及び評価
以下のように、実施例及び比較例の光学シートの物性測定及び評価を行った。結果を表1に示す。
[光学シートの凹凸形状の傾斜角度分布]
実施例及び比較例で得られた各光学シートの防眩層(凹凸層)が形成されている面とは反対側の面に、透明粘着剤を介して、ガラス板に貼付してサンプルとし、白色干渉顕微鏡(New View7300、Zygo社製)を用いて、以下の条件にて、光学シートの表面形状の測定・解析を行った。なお、測定・解析ソフトにはMetroPro ver8.3.2のMicroscope Applicationを用いた。
(測定条件)
対物レンズ:50倍
Zoom:1倍
測定領域:414μm×414μm
解像度(1点当たりの間隔):0.44μm
(解析条件)
Removed:None
Filter:BandPass
FilterType:GaussSpline
Low wavelength:800μm
High wavelength:3μm
Remove spikes: on
Spike Height(xRMS):2.5
なお、Low wavelengthは粗さパラメータにおけるカットオフ値λcに相当する。
次に、上記解析ソフト(MetroPro ver8.3.2−Microscope Application)にてSlope Mag Map画面を表示し、前記画面中でヒストグラムをnBins=100として表示させ、三次元表面傾斜角度分布のヒストグラムデータを得た。得られたヒストグラムデータに基づき、半値全幅、特定範囲の傾斜角の累積百分率、平均傾斜角、ピーク値を示す傾斜角度、ピーク値よりプラス側の変曲点、歪度及び尖度を算出した。ヒストグラムの各階級角度の区間幅は0.1度以上0.5度以下であった。結果を表1に示す。
なお、半値全幅及びピーク値の算出においては、得られたヒストグラムデータの各階級角度の区間の値の直線補間による近似曲線(傾斜角度分布曲線)を作成し、該曲線から算出した。
特定範囲の傾斜角の累積百分率の算出においては、得られたヒストグラムデータから各階級角度毎の累積度数百分率を求め、それを直線補間して算出した。
変曲点の算出においては、得られたヒストグラムデータの各階級角度毎に、その階級の度数からその階級より一つ前(角度が小さい側)の度数を引いた値を求め、その値が負で絶対値が最大となるときの階級角度を変曲点とした。
凹凸形状の傾斜角度分布のヒストグラムデータからの三次元平均傾斜角、歪度、及び尖度は下記のように算出した。
ヒストグラムデータのi番目の階級の代表角度をθi、度数をfiとすると、三次元平均傾斜角mは下記式(5)で算出される。
ここでNは全データ数であり下記式(6)で算出される。
歪度Sk、尖度Kuは下記式(7)及び(8)で算出される。
ここでsdは標準偏差であり下記式(6)で算出される。
[光学シートのRa、Rz、Smp]
上述の表面傾斜角度分布を算出する際に得られた表面形状データ及び同一の解析条件にて、Surface Map画面上に「Ra」、「SRz」を表示させ、それぞれの数値を光学シートのRa、Rzとした。
次に、上記Surface Map画面中に「Save Data」ボタンを表示させ、解析後の3次元曲面粗さデータを保存した。そして、Advanced Texture Applicationにて、前記の保存データを読み込み以下の解析条件を適用した。
(解析条件)
・High FFT Filter:off
・Low FFT Filter:off
・Remove:Plane
次に、Peak/Valleys画面を表示し「Peaks Stats」から山の個数をカウントした。ただし、有意でない山を除くために、面積が全測定領域の面積(414×414μm2)の1/10000以上、かつ、高さがRtmの1/10以上の山をカウント対象とした。Rtmは「Roughness/Waviness Map」画面から読み取ることができ、全測定領域を3×3に分割したときの各区域毎の最大高さの平均を表す。そして、上記式(4)に基づき、Smpを算出した。
[ギラツキ]
実施例および比較例で得られた各光学シートにおいて、光学シートの防眩層が形成されていない面と、ブラックマトリクス(ガラス厚み0.7mm)のマトリクスが形成されていないガラス面とを透明粘着剤で貼り合わせた。こうして得られた試料に対し、ブラックマトリクス側に白色面光源(HAKUBA社製、LIGHTBOX、平均輝度1000cd/m2)を設置することで、疑似的にギラツキ発生させた。これを光学シート側からCCDカメラ(KP−M1、Cマウントアダプタ、接写リング;PK−11A ニコン、カメラレンズ;50mm,F1.4s NIKKOR)で撮影した。CCDカメラと光学シートの距離は250mmとし、CCDカメラのフォーカスは光学シートに合うように調節した。CCDカメラで撮影した画像をパーソナルコンピュータに取り込み、画像処理ソフト(ImagePro Plus ver.6.2;Media Cybernetics社製)で次のように解析を行った。
まず、取り込んだ画像から200×160ピクセルの評価箇所を選び、該評価箇所において、16bitグレースケールに変換した。次に、フィルタコマンドの強調タブからローパスフィルタを選択し「3×3、回数3、強さ10」の条件でフィルタをかけた。これによりブラックマトリクスパターン由来の成分を除去した。次に、平坦化を選択し、「背景:暗い、オブジェクト幅10」の条件でシェーディング補正を行った。次に、コントラスト強調コマンドで「コントラスト:96、ブライトネス:48」としてコントラスト強調を行った。得られた画像を8ビットグレースケールに変換し、その中の150×110ピクセルについてピクセルごとの値のばらつきを標準偏差値として算出することにより、ギラツキを数値化した。この数値化したギラツキ値が小さいほど、ギラツキが少ないと言える。なお、評価は、ブラックマトリクスが画素密度350ppi相当のものと、画素密度200ppi相当のものの2つで行った。
[防眩性]
得られた光学シートの基材側に、黒色アクリル板を、透明粘着剤を介して貼り合わせた評価用サンプルを水平面に置き、評価用サンプルから1.5m上方に蛍光灯を配置し、評価用サンプル上に蛍光灯を移しこませ、かつ評価用サンプル上の照度が800〜1200Lxとした環境下で、様々な角度から目視官能評価を行い、以下の基準に従って評価した。
○:いかなる角度からも蛍光灯の像が認識できない。
△:蛍光灯の像は映り込むが、蛍光灯の輪郭がぼやけ、輪郭の境界部が認識できない。
×:蛍光灯の像が鏡面のように映り込み、蛍光灯の輪郭(輪郭の境界部)がはっきりと認識できる。
[コントラスト(暗室)]
コントラスト比の測定では、バックライトユニットとして冷陰極管光源に拡散板を設置したものを用い、2枚の偏光板(サムスン社製 AMN−3244TP)を用い、該偏光板をパラレルニコルに設置したときに通過する光の輝度のLmaxを、クロスニコルに設置したときに通過する光の輝度のLminで割ることで、防眩性フィルム(光透過性基材+防眩層)を最表面に載置したときのコントラスト(L1)と、光透過性基材のみを最表面に載置したときのコントラスト(L2)とを求め、(L1/L2)×100(%)を算出することでコントラスト比を算出した。
なお、輝度の測定には、色彩輝度計(トプコン社製 BM−5A)を用い、照度が5Lx以下の暗室環境下で行った。色彩輝度計の測定角は1°に設定し、サンプル上の垂直方向から視野φ5mmで測定した。バックライトの光量は、サンプルを設置しない状態で、2枚の偏光板をパラレルニコルに設置したときの輝度が3600cd/m2になるように設置した。
[ヘイズ]
まず、ヘイズメーター(HM−150、村上色彩技術研究所製)を用いて、JIS K−7136:2000に従ってヘイズ(全体ヘイズ)を測定した。また、光学シートの表面に、透明粘着剤を介して、厚み80μmのTACフィルム(富士フイルム社製、TD80UL)を貼り付けることによって凹凸形状をつぶして平坦にし、表面形状起因のヘイズの影響をなくした状態でヘイズを測定して、内部ヘイズ(Hi)を求めた。そして、全体ヘイズ値から内部ヘイズ値を差し引いて、表面ヘイズ(Hs)を求めた。光入射面は基材側とした。
[全光線透過率]
ヘイズメーター(HM−150、村上色彩技術研究所製)を用いて、JIS K7361−1:1997に従って、光学シートの全光線透過率を測定した。光入射面は基材側とした。
[透過像鮮明度]
スガ試験機社製の写像性測定器(商品名:ICM−1T)を用いて、JIS K7105:1981に従って、2mm、1mm、0.5mm及び0.125mmの巾をもつ光学くしを通した4種類の透過像鮮明度を測定し、これらの和を算出した。
[白化]
光学シートの透明基材側の面と、黒色のアクリル板とを透明粘着剤を介して貼り合わせたサンプルを作製した。作製したサンプルについて、暗室にて、3波長蛍光灯管を光源とする卓上スタンドの下で、以下の基準で白濁感を観察した。
A:白さが観察されなかった。
C:白さが観察された。
[傷の視認性]
白化の評価で作製したサンプルの光学シートの凹凸面を、♯0000のスチールウールで約100g/cm2の荷重で1回擦り、表面の傷を目視で評価した。その結果、傷が目立たないものを「○」、傷が目立つものを「×」とした。
[干渉縞]
2枚の光学シートを、一方の光学シートの凹凸面側と、他方の光学シートの透明基材側とが対向するようにして重ね合わせた。その結果、干渉縞が発生しなかったものを「〇」、干渉縞が発生したものを「×」とした。
2.光学シートの作製
[実施例1]
透明基材(厚み80μmトリアセチルセルロース樹脂フィルム(TAC)、富士フイルム社製、TD80UL)上に、下記処方の防眩層塗布液1を塗布し、70℃、風速5m/sで30秒間乾燥した後、紫外線を窒素雰囲気(酸素濃度200ppm以下)下にて積算光量が100mJ/cm2になるように照射して、防眩層を形成し、光学シートを得た。防眩層の膜厚は7.5μmであった。
<防眩層塗布液1>
・ペンタエリスリトールトリアクリレート 10部
(日本化薬社製、KAYARAD−PET−30)
・ウレタンアクリレート
(日本合成化学社製、UV1700B) 45部
・光重合開始剤 3部
(BASF社製、イルガキュア184)
・シリコーン系レベリング剤 0.2部
(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、TSF4460)
・透光性粒子 12部
(積水化成品社製、球状ポリアクリル−スチレン共重合体)
(平均粒子径6μm、屈折率1.535)
・無機超微粒子 160部
(日産化学社製、表面に反応性官能基が導入されたシリカ、溶剤MIBK、固形分30%)
(平均一次粒子径12nm)
・溶剤1(MIBK) 110部
[実施例2]
実施例1の透光性粒子を10部、無機超微粒子を170部に変更した以外は、実施例1と同様にして、光学シートを得た。
[実施例3]
実施例1の透光性粒子を15部、無機超微粒子を150部に変更した以外は、実施例1と同様にして、光学シートを得た。
[比較例1]
実施例1の防眩層塗布液1を下記処方の防眩層塗布液2に変更し、防眩層(凹凸層)の膜厚を2μmとした以外は、実施例1と同様にして、光学シートを得た。
<防眩層塗布液2>
・ペンタエリスリトールトリアクリレート 100部
(日本化薬社製、KAYARAD−PET−30)
・無機微粒子 14部
(富士シリシア化学社製、ゲル法不定形シリカ)
(疎水処理、平均粒子径(レーザー回折散乱法)4.1μm)
・光重合開始剤 5部
(BASF社製、イルガキュア184)
・シリコーン系レベリング剤 0.2部
(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製 TSF4460)
・溶剤1(トルエン) 150部
・溶剤2(MIBK) 35部
[比較例2]
実施例1の防眩層塗布液1を下記処方の防眩層塗布液3に変更し、防眩層(凹凸層)の膜厚を4.5μmとした以外は、実施例1と同様にして、光学シートを得た。
<防眩層塗布液3>
・ペンタエリスリトールトリアクリレート 90部
(日本化薬社製、KAYARAD−PET−30)
・アクリルポリマー
(三菱レイヨン社製、分子量75,000) 10部
・光重合開始剤 3部
(BASF社製、イルガキュア184)
・シリコーン系レベリング剤 0.1部
(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製 TSF4460)
・透光性粒子 12部
(綜研化学社製、球状ポリスチレン粒子)
(粒径3.5μ、屈折率1.59)
・溶剤1(トルエン) 145部
・溶剤2(シクロヘキサノン) 60部
[比較例3]
実施例1の防眩層塗布液1を下記処方の防眩層塗布液4に変更し、防眩層(凹凸層)の膜厚を7.0μmとした以外は、実施例1と同様にして、光学シートを得た。
<防眩層塗布液4>
・ペンタエリスリトールトリアクリレート 38部
(日本化薬社製、KAYARAD−PET−30)
・イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート
(東亜合成社製、M−313) 22部
・光重合開始剤 5部
(BASF社製、イルガキュア184)
・シリコーン系レベリング剤 0.1部
(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、TSF4460)
・透光性粒子 20部
(積水化成品社製、球状ポリアクリル−スチレン共重合体)
(粒径5μ、屈折率1.525)
・無機超微粒子 120部
(日産化学社製、表面に反応性官能基が導入されたシリカ、溶剤MIBK、固形分30%)
(平均一次粒子径12nm)
・溶剤1(トルエン) 135部
[比較例4]
実施例1の防眩層塗布液1を下記処方の防眩層塗布液5に変更し、防眩層(凹凸層)の膜厚を5.0μmとした以外は、実施例1と同様にして、光学シートを得た。
<防眩層塗布液5>
・ペンタエリスリトールトリアクリレート 38部
(日本化薬社製、KAYARAD−PET−30)
・イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート
(東亜合成社製 M−313) 22部
・光重合開始剤 5部
(BASF社製、イルガキュア184)
・シリコーン系レベリング剤 0.1部
(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製 TSF4460)
・透光性粒子 12部
(積水化成品社製、球状ポリアクリル−スチレン共重合体)
(粒径3.5μ、屈折率1.545)
・無機超微粒子 120部
(日産化学社製、表面に反応性官能基が導入されたシリカ、溶剤MIBK、固形分30%)
(平均一次粒子径12nm)
・溶剤1(トルエン) 135部
表1の結果から明らかなように、実施例1〜3の光学シートは、防眩性等の諸特性を付与できるとともに、画素密度300ppi以上の超高精細の表示素子のギラツキを防止することができ、さらにはコントラストにも優れるものであった。また、実施例1〜3の光学シートは、画素密度350ppiの表示素子のギラツキ防止性については、比較例1〜4の光学シートよりも極めて良好な効果を示しているが、画素密度200ppiの表示素子のギラツキ防止性能については、比較例1〜4の光学シートとの効果の差が少なくなっている。このことから、実施例1〜3の光学シートは、画素密度300ppi以上の超高精細の表示素子に対して極めて有用であることが分かる。なお、上述の防眩性の評価は、照度が800〜1200Lxの環境下で行ったが、実施例1〜3の光学シートは、照度10000Lx以上の屋外環境においても防眩性が良好なものであった。
3.タッチパネルの作製
実施例1〜3及び比較例1〜4の光学シートの透明基材側に、厚み20nmのITOの導電性膜をスパッタリング法で形成し、上部電極板とした。次いで、厚み1mmの強化ガラス板の一方の面に、厚み約20nmのITOの導電性膜をスパッタリング法で形成し、下部電極板とした。次いで、下部電極板の導電性膜を有する面に、スペーサー用塗布液として電離放射線硬化型樹脂(Dot Cure TR5903:太陽インキ社)をスクリーン印刷法によりドット状に印刷した後、高圧水銀灯で紫外線を照射して、直径50μm、高さ8μmのスペーサーを1mmの間隔で配列させた。
次いで、上部電極板と下部電極板とを、導電性膜どうしを対向するように配置させ、厚み30μm、幅3mmの両面接着テープで縁を接着し、実施例1〜3及び比較例1〜4の抵抗膜式タッチパネルを作製した。
得られた抵抗膜式タッチパネルを、市販の超高精細液晶表示装置(画素密度350ppi)上に載置し、ギラツキの有無を目視で評価したところ、実施例1〜3のタッチパネルはギラツキが抑制され、外光の移り込みも少なく、視認性が良好であった。また、実施例1〜3のタッチパネルは超高精細の映像の解像度が損なわれることもなく、明室環境下のコントラストも良好であった。一方、比較例1〜4のタッチパネルはギラツキが目立つものであった。また、比較例2のタッチパネルは、光学シートの内部へイズが比較的高いことから、超高精細の映像の解像度が若干損なわれるものであった。
4.表示装置の作製
実施例1〜3及び比較例1〜4の光学シートと、市販の超高精細液晶表示装置(画素密度350ppi)とを、透明粘着剤を介して貼り合わせ、実施例1〜3及び比較例1〜4の表示装置を作製した。なお、貼り合わせの際は、光学シートの凹凸面が表示素子とは反対側を向くようにした。
得られた表示装置のギラツキの有無を目視で評価したところ、実施例1〜3の表示装置はギラツキが抑制され、外光の移り込みも少なく、視認性が良好であった。また、実施例1〜3の表示装置は超高精細の映像の解像度が損なわれることもなく、明室環境下のコントラストも良好であった。一方、比較例1〜4の表示装置はギラツキが目立つものであった。また、比較例2の表示装置は、光学シートの内部へイズが比較的高いことから、超高精細の映像の解像度が若干損なわれるものであった。
1:抵抗膜式タッチパネル、11:透明基板、12:透明導電膜、13:スペーサー
2:静電容量式タッチパネル、21:透明基板、22:透明導電膜(X電極)、23:透明導電膜(Y電極)、24:接着剤層

Claims (14)

  1. 光学シートを構成部材として有するタッチパネルであって、前記光学シートは、表面に凹凸形状を有してなり、該凹凸形状の傾斜角度分布曲線のピーク値を示す傾斜角度からプラス方向における変曲点を示す傾斜角度が4〜15度であり、かつ前記プラス方向における変曲点を示す傾斜角度と、前記傾斜角度分布曲線のピーク値を示す傾斜角度との差が2.2〜10度であり、画素密度300ppi以上の表示素子の前面に用いられるタッチパネル。
  2. 前記傾斜角度分布曲線のピーク値を示す傾斜角度が2〜8度である請求項1に記載のタッチパネル。
  3. 前記凹凸形状の傾斜角における0〜1.25度の傾斜角の割合が累積百分率で20%以下である請求項1又は2に記載のタッチパネル。
  4. 前記凹凸形状の傾斜角度分布の歪度が0〜1.5である請求項1〜3の何れかに記載のタッチパネル。
  5. 前記凹凸形状の傾斜角度分布の尖度が1.5〜6である請求項1〜4の何れかに記載のタッチパネル。
  6. 前記凹凸形状の傾斜角における15度以上の傾斜角の割合が累積百分率で3%以下である請求項1〜5の何れかに記載のタッチパネル。
  7. 画素密度300ppi以上の表示素子の前面に光学シートを有してなる表示装置であって、前記光学シートは、表面に凹凸形状を有してなり、該凹凸形状の傾斜角度分布曲線のピーク値を示す傾斜角度からプラス方向における変曲点を示す傾斜角度が4〜15度であり、かつ前記プラス方向における変曲点を示す傾斜角度と、前記傾斜角度分布曲線のピーク値を示す傾斜角度との差が2.2〜10度である表示装置。
  8. 表面に凹凸形状を有する光学シートであって、前記凹凸形状の傾斜角度分布曲線のピーク値を示す傾斜角度からプラス方向における変曲点を示す傾斜角度が4〜15度であり、かつ前記プラス方向における変曲点を示す傾斜角度と、前記傾斜角度分布曲線のピーク値を示す傾斜角度との差が2.2〜10度であり、画素密度300ppi以上の表示素子の前面に用いられる光学シート。
  9. 前記傾斜角度分布曲線のピーク値を示す傾斜角度が2〜8度である請求項8に記載の光学シート。
  10. 前記凹凸形状の傾斜角における0〜1.25度の傾斜角の割合が累積百分率で20%以下である請求項8又は9に記載の光学シート。
  11. 前記凹凸形状の傾斜角度分布の歪度が0〜1.5である請求項8〜10の何れかに記載の光学シート。
  12. 前記凹凸形状の傾斜角度分布の尖度が1.5〜6である請求項8〜11の何れかに記載の光学シート。
  13. 表面に凹凸形状を有する光学シートの選別方法であって、光学シートの凹凸形状の傾斜角を測定し、該測定結果から得られる傾斜角度分布曲線のピーク値を示す傾斜角度からプラス方向における変曲点を示す傾斜角度が4〜15度であり、かつ前記プラス方向における変曲点を示す傾斜角度と、前記傾斜角度分布曲線のピーク値を示す傾斜角度との差が2.2〜10度であるものを光学シートとして選別する、画素密度300ppi以上の表示素子の前面に用いられる光学シートの選別方法。
  14. 表面に凹凸形状を有する光学シートの製造方法であって、光学シートの凹凸形状の傾斜角度分布曲線のピーク値を示す傾斜角度からプラス方向における変曲点を示す傾斜角度が4〜15度を示し、かつ前記プラス方向における変曲点を示す傾斜角度と、前記傾斜角度分布曲線のピーク値を示す傾斜角度との差が2.2〜10度を示すように製造する、画素密度300ppi以上の表示素子の前面に用いられる光学シートの製造方法。
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