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JP2015169584A - 分光分析装置 - Google Patents

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JP2015169584A
JP2015169584A JP2014045758A JP2014045758A JP2015169584A JP 2015169584 A JP2015169584 A JP 2015169584A JP 2014045758 A JP2014045758 A JP 2014045758A JP 2014045758 A JP2014045758 A JP 2014045758A JP 2015169584 A JP2015169584 A JP 2015169584A
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JP2014045758A
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松本 光広
Mitsuhiro Matsumoto
光広 松本
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Institute of National Colleges of Technologies Japan
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Institute of National Colleges of Technologies Japan
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Abstract

【課題】 複数の領域を同時的に分光分析することができる分光分析装置を提供する。
【解決手段】 外筒5の周面に開設された縦スリット51,51,…及び内筒4の周面に開設された横スリット41,41,…を通過した複数の入射光が回折格子3にそれぞれ入射され、回折格子3にて分散されて生じる複数の光スペクトルが内筒4の内面に設けられた投影部6に、前記中心軸と直交する軸に交わる方向へ互いに平行に投影され、投影された各光スペクトルの像が映出器2の表面に映し出されるようになっており、これら各光スペクトルの像は、映出器2に対向配置された撮像器7が内蔵する撮像デバイス上に結像される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、入射光を分散させて分析する分光分析装置に関する。
対象の色は、識別性、熟度、均一性、物質の種類等々、多くの情報を含んでいるため、分光分析装置によって対象から得られる光を分散させて分析することが行われている。従来の分光分析装置にあっては、特定の一点についてしか分光分析することができなかったが、二次元領域において分光分析し得る装置が開発されている。例えば、後記する特許文献1には次のような二次元分光分析装置が開示されている。
図5は特許文献1に開示された二次元分光分析装置の構成を説明する説明図であり、図中、100は平板状の移動台である。移動台100は縦横方向へ移動し得るようになしてあり、移動台100の中央領域には試料Sが固定されている。
また、移動台100の上方には対物レンズ130が配設してあり、この対物レンズ130には、光源Lから光ファイバ110を通して照射部120から照射され前記試料Sからの反射光が入射されるようになっている。対物レンズ130によって収束された反射光の光路上には、入射光を分散させる平面回折格子160が取り付けてあり、対物レンズ130と平面回折格子160との間には、一方向へスリットを開設してなるスリット板140及び光束をコリメートする第1レンズ群150がこの順に介装してある。対物レンズ130を透過した反射光はスリット板140に与えられ、一方向の反射光だけがスリットを通過して第1レンズ群150に入射し、第1レンズ群150によってコリメートされて平面回折格子160に与えられる。
平面回折格子160は与えられた線分状の反射光をこれと直交する方向へ分散させるとともに、前記光路と交わる他光路へ送出する。この他光路上には第2レンズ群170が配設してあり、平面回折格子160にて分散されて生じた二次元光は第2レンズ群170によって二次元光検出器180上に集められる。二次元光検出器180には複数の光電変換素子が二次元アレイ状に設けられており、各光電変換素子は入射された光をその強度に応じた電気信号に変換して出力する。
これによって、試料Sの1ライン分の反射光を分散させて相異なる波長別にその強度を示す電気信号を得ることができる。更に、移動台100を1ライン分ずつ移動させつつ、前同様の操作を繰り返すことによって、試料Sの全領域を分光分析することができる。
特開平11−183252号公報
しかしながら、このような従来の分光分析装置にあっては、特定のタイミングでは試料Sの一領域しか分光分析することができないため、試料Sの全領域を分析するには前述した移動台100が必要であるので部品コストが嵩む上に、異なる領域から得られる電気信号は互いに異なるタイミングで分光分析されているので、試料Sからの反射光の強度が経時的に変化する状況では、異なる領域から得られた電気信号を互いに比較検討することができないという問題があった。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであって、複数の領域を同時的に分光分析することができる分光分析装置を提供する。
(1)本発明に係る分光分析装置は、一軸回りに互いに距離を隔てて設けた複数の入射用窓から内部へそれぞれ入射光が入射されるようになした入射光取得手段と、該入射光取得手段内に配設してあり、各入射用窓から入射された入射光を各別に分散させる1又は複数の回折格子と、各入射光が回折格子にて分散されて生成した各光スペクトルの像を一定領域に映し出す映出手段と、複数の光電変換素子をマトリクス状に設けてなる撮像デバイスを具備し、前記映出手段によって映し出された各光スペクトルの像を撮像デバイス上に結像し、画像データとして出力する撮像器と、該撮像器から出力された画像データに基づいて、撮像デバイスにおける各光スペクトルの像上の位置とその位置に対応する波長及びその位置における光強度とをそれぞれ分析する分析手段とを備えることを特徴とする。
本発明の分光分析装置にあっては、光を遮る一方、一軸回りに互いに距離を隔て配した複数の入射用窓を設けてなる筒状若しくはドーム状又は容器状の入射光取得手段を備えており、各入射用窓から入射光取得手段の内部へそれぞれ入射光が入射されるようになっている。この入射光取得手段内には1又は複数の回折格子が配設してあり、各入射用窓から入射された入射光は回折格子によって各別に分散されるようになっている。各入射光が回折格子にて分散されて各光スペクトルが生成するが、これら各光スペクトルの像は鏡を用いてなる映出手段によって一定領域内に映し出される。
ここで、筒状の回折格子を用いた場合は、各入射用窓からの入射光を1つの回折格子でそれぞれ分散させることができる一方、複数の回折格子を各入射用窓に対向配置することによって、各入射光を各別に分散させることができる。また、透過型の回折格子を用いた場合、透過光の光路上に前記映出手段を配設することによって、各光スペクトルの像を映出手段上に直接映し出すことができる。
一方、複数の光電変換素子をマトリクス状に設けてなる撮像デバイスを具備する撮像器を備えており、前記映出手段によって映し出された各光スペクトルの像は、撮像器の撮像デバイス上に結像され、画像データとして分析器へ出力される。そして、分析器は撮像器から出力された画像データに基づいて、撮像デバイスにおける各光スペクトルの像上の位置とその位置に対応する波長及びその位置における光強度とをそれぞれ分析する。
このように、本発明の分光分析装置にあっては、複数の位置から入射される入射光を同時的に分光分析することができるため、対象からの反射光の強度が経時的に変化する状況であっても、異なる位置から得られた入射光を互いに比較検討することができる。また、各位置からの入射光をそれぞれ分光分析することができるため、複数の位置について詳細な色情報を得ることができる。
(2)本発明に係る分光分析装置は、前記回折格子は入射光の一部又は全部を反射した反射成分で光スペクトルを生成するように構成してあり、この回折格子にて生成された各光スペクトルが互いに位置を異ならせて投影される投影手段を更に備え、前記映出手段は投影手段に投影された各光スペクトルの像をそれぞれ映し出すようになしてあることを特徴とする。
本発明の分光分析装置にあっては、回折格子は入射光の一部又は全部を反射した反射成分で光スペクトルを生成するように構成してある。回折格子としては、反射型及び透過型のいずれも用いることができるが、透過型の回折格子を用いる場合、裏面に遮光部材を配設することによって入射光の反射成分を利用することができる。
更に、回折格子から反射される光の領域には投影手段が設けてある。すなわち、投影手段は回折格子の周囲に配設してあり、投影手段には回折格子にて生成された各光スペクトルが互いに位置を異ならせて投影されるようになっている。そして映出手段は、かかる投影手段に投影された各光スペクトルの像をそれぞれ一定領域内に映し出す。
これによって、比較的簡単な構成で、映出手段と回折格子との間での相互干渉を回避することができ、複数の位置から得られた入射光を高精度に分光分析することができる。
(3)本発明に係る分光分析装置は、前記投影手段は前記入射光取得手段の内面に設けてあることを特徴とする。
本発明の分光分析装置にあっては、例えば、入射光取得手段の内面を鏡面加工することによって、又は入射光取得手段の内面に反射部材を配設することによって、入射光取得手段の内面に投影手段が設けてある。これによって、装置構成を可及的にコンパクトにすることができる。
(4)本発明に係る分光分析装置は、曲面鏡を用いてなる映出手段の周囲に、円筒状の回折格子、円筒状の投影手段及び円筒状の入射光取得手段がこの順に、前記一軸回りに同心円上に配設してあり、前記撮像器は映出手段に対向配置してあることを特徴とする。
本発明の分光分析装置にあっては、曲面鏡を用いて映出手段を構成してある。ここで、双曲面鏡を用いた場合は一つの曲面鏡で映出手段を構成することができ、それ以外の場合は複数の曲面鏡で映出手段を構成することができる。かかる映出手段の周囲に、円筒状の回折格子、円筒状の投影手段及び円筒状の入射光取得手段がこの順に、すなわち映出手段の外側に円筒状の回折格子が、この回折格子の外側に円筒状の投影手段が、この投影手段の外側に円筒状の入射光取得手段が、前述した一軸回りに同心円上に配設してある。
入射光取得手段に設けられた各入射用窓から入射された入射光は、入射光取得手段内に配設された円筒状の回折格子に照射され、回折格子は各反射成分で光スペクトルを生成し、生成した各光スペクトルは回折格子の外側に配設された円筒状の投影手段にそれぞれ投影される。投影手段に投影された各光スペクトルの像は回折格子の内側に配設された映出手段に映し出される。映出手段に対向して撮像器が配置してあり、映出手段に映し出された各光スペクトルの像は撮像器の撮像デバイス上に結像される。
このような構成にすることによって、分光分析装置を可及的にコンパクトにすることができる。
(5)本発明に係る分光分析装置は、前記入射光取得手段は内筒及び外筒にて構成してあり、内筒には当該内筒の中心軸に交わる方向に開設した複数の横スリット、又は内筒の周方向へ互いに距離を隔てて、前記横スリットに交わる方向へ開設した複数の縦スリットが設けてあり、外筒には複数の前記縦スリット、又は複数の前記横スリットが、内筒の各横スリット又は各縦スリットと対をなして設けてあり、前記入射光用窓は、内筒の横スリット又は縦スリット、及び外筒の対をなす縦スリット又は横スリットにて構成してあることを特徴とする。
本発明の分光分析装置にあっては、入射光取得手段は内筒及び外筒にて構成してあり、内筒には当該内筒の中心軸に交わる方向に開設した複数の横スリット、又は内筒の周方向へ互いに距離を隔てて、前記横スリットに交わる方向へ開設した複数の縦スリットが設けてあり、外筒には複数の前記縦スリット、又は複数の前記横スリットが、内筒の各横スリット又は各縦スリットと対をなして設けてある。そして、入射光取得手段に設けられた複数の入射光用窓は、内筒の横スリット又は縦スリット、及び外筒の対をなす縦スリット又は横スリットにて構成してある。これによって、簡単な構成で入射光を平行光になすことができ、分光分析の精度を向上させることができる。
本発明に係る分光分析装置の構成を示す模式的側断面図である。 図1に示した分光分析装置のII−II線による断面図である。 撮像デバイス上に結像された光スペクトルの像の各位置と、当該位置における波長との関係を求める方法を説明する説明図である。 撮像デバイス上に結像された光スペクトルの像の各位置と、当該位置における波長との関係を求める方法を説明する説明図である。 従来の二次元分光分析装置の構成を説明する説明図である。
以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施の形態で説明する分光分析装置は、本発明の趣旨を説明する一例であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲での変形を含むことはいうまでもない。
図1は、本発明に係る分光分析装置の構成を示す模式的側断面図であり、図2は図1に示した分光分析装置のII−II線による断面図である。
図1及び図2に示したように、中心軸上に、少なくとも当該中心軸周りの全周に亘って予め定めた複数位置の像を映し出すことができるように構成した映出器(映出手段)2と、該映出器2に映し出された複数の像を撮影する撮像器7とが所定距離を隔てて対向配置してある。
ここで、図1に示した分光分析装置にあっては映出器2として、双曲面鏡といった全周鏡を用いているが、中心軸周りの全周に亘って予め定めた複数位置の像を、前記撮像器7が撮影し得るように各別に映す複数の曲面鏡を、前記中心軸周りに配設する構成の映出手段を用いてもよい。
映出器2の周囲には、後述するように前記中心軸周りの全周に亘って予め定めた複数位置から入射される光を分散させる回折格子3が、前記中心軸と同心円上の位置に配設してある。ここで、図1に示した分光分析装置にあっては回折格子3として円筒型回折格子を用いた場合を示しているが、複数の平板状又は円弧状の回折格子を前記中心軸周りに、それぞれ前述した各光に対応して配設してもよい。また、回折格子3は反射型のものを使用すればよいが、透過型のものであっても裏面に遮光紙を配設することによって、反射成分を利用し得るようになしたものを使用することもできる。
更に、回折格子3の外側には、適宜寸法の内筒4及び外筒5がこの順に、前記中心軸と同心円上に回折格子3から所要距離を隔てて配設してある。内筒4の内面は鏡面加工して投影部(投影手段)6になしてあり、該投影部6には、回折格子3にて分散されて生じる光スペクトルが前記中心軸と直交する軸に交わる方向へ投影されるようになっている。
一方、外筒5の周面には、前記中心軸と略平行をなす複数の縦スリット51,51,…が外筒5の周方向へ適宜の間隔で開設してあり、各縦スリット51,51,…を通過した外光が内筒4へ照射されるようになっている。また、内筒4の周面であって、前記各縦スリット51,51,…を通過した外光が照射される部分にはそれぞれ、前記中心軸と直交する軸と略平行をなす複数の横スリット41,41,…が開設してあり、各縦スリット51,51,…を通過した外光の内、更に対応する横スリット41,41,…を通過した光が前述した回折格子3に入射されるようになっている。これによって、簡単な構成で入射光を平行光になすことができ、分光分析の精度を向上させることができる。なお、対をなす縦スリット51,51,…及び横スリット41,41,…によって所要の入射光を入射させるための入射用窓が構成されている。
このように外筒5の周面に開設された縦スリット51,51,…及び内筒4の周面に開設された横スリット41,41,…を通過した複数の入射光が回折格子3にそれぞれ入射され、回折格子3にて分散されて生じる複数の光スペクトルが内筒4の内面に設けられた投影部6に、前記中心軸と直交する軸に交わる方向へ互いに平行に投影され、投影された各光スペクトルの像が映出器2の表面に映し出されるようになっている。これによって、比較的簡単な構成で、映出器2と回折格子3との間での相互干渉を回避することができ、複数の位置から得られた入射光を高精度に分光分析することができる。
また、内筒4の内面に設けられた投影部6に回折格子3にて分散されて生じる複数の光スペクトルが投影されるようになしてあるため、装置構成を可及的にコンパクトにすることができる。
前述した撮像器7はレンズ71(図3参照)を備えており、映出器2に映し出された各光スペクトルの像は撮像器7のレンズ71を介して、内蔵するCCD(Charge Coupled Device)等の撮像デバイス72(図3参照)上に結像される。撮像デバイス72には光電変換を行う複数の光電変換素子がマトリクス状に設けてあり、各光電変換素子は入射光の強度に応じた電気信号を分析部8へ出力する。
このように映出器2の周囲に、回折格子3、内筒4及び該内筒4の内面に設けた投影部6並びに外筒5がこの順に配設してあり、撮像器7は映出器2に対向配置してあるため、分光分析装置を可及的にコンパクトに構成することができる。
このような構成の分光分析装置にあっては、撮像デバイス72上に結像された光スペクトルの像の各位置と当該位置における波長との関係を次のようにして求めることができる。
図3及び図4は、撮像デバイス上に結像された光スペクトルの像の各位置と、当該位置における波長との関係を求める方法を説明する説明図であり、図3は前記図1に、また図4は前記図2にそれぞれ対応している。なお、図3及び図4中、図1及び図2に対応する部分には同じ番号を付してある。
図3に示したように、分光分析装置の中心を原点Oとし、前述した分光分析装置の中心軸をZ軸、原点OにおいてZ軸に直交する面内で互いに直交する両軸をX軸及びY軸とした座標系をX−Y−Z座標とする。このときX−Y平面において、X軸から角度θの軸をR軸とすると、X軸及びY軸と、R軸及び角度θとの関係は次の(1)式及び(2)式で表すことができる。ただし、x、y及びrはそれぞれX軸、Y軸及びR軸上の任意の点を表している。
x=rcosθ …(1)
y=rsinθ …(2)
また、図4に示したように、R軸の内、外筒5に設けた縦スリット51,51,…の中心を通る軸をそれぞれS軸とする。一方、撮像器に内蔵された矩形の撮像デバイス72について、その一隅部を原点Oとし、原点Oを通り前記X軸に平行な軸をX軸、原点Oを通り前記Y軸に平行な軸をY軸とした座標系をX−Y−Z座標とする。
回折格子3にて分散され内筒4の内面の投影部6に投影された分散光の投影位置Zと、その位置における分散光の波長λとの関係は次のように表すことができる。
いま、外筒5に開設された縦スリット51について、X軸に対する原点Oから縦スリット51までの距離(以後、半径という。)rvsとし、相隣る縦スリット51,51を通る両S軸間の角度θvs、幅wvsとする。また、内筒4に開設された横スリット41について、X軸に対する原点Oから横スリット41までの距離(以後、半径という。)rとし、Z軸に対する横スリット41の中心位置(以後高さという)zhs、横スリット41の幅whsとする。一方、回折格子3について、格子周期w、X軸に対する原点Oから回折格子3までの距離(以後、半径という)r、Z軸に対する原点Oから回折格子3までの距離(以後、高さという。)zとする。
ここで、分散された光の角度φは、整数n及び分散された光の波長λを用いた次の(3)式によって表すことができる。
sinφ=nλ/w …(3)
一方、内筒4について、X軸に対する原点Oから内筒4までの距離(以後、半径という。)r、Z軸に対する原点Oから内筒4までの距離(以後、高さという。)zとし、R軸方向の位置rにおいて内筒4の内面に投影される分散光について、Z軸に対する位置(以後、投影位置ともいう)zは、R軸に対する回折格子3から内筒4までの距離r−rを用いた次の(4)式で表すことができる。
=zhs−(r−r)/√((w/nλ)−1) …(4)
これによって、分散光の投影位置zから当該分散光の波長λを求めることができる。
ところで、撮像器7に内蔵された撮像デバイス72上におけるR軸に対する位置rに入射する光のZ軸に対する傾きφは、撮像デバイス72と撮像器7のレンズ71との間の焦点距離z−zを用いた次の(5)式で表すことができる。
φ=tan−1(r/(z−z)) …(5)
ただし、レンズ71の収差を考慮した位置r´は、整数k及び定数c,c,…,cを用いた次の(6)式で表すことができる。
=cr´ +ck−1r´ k−1+…+cr´+c …(6)
撮像器7に内蔵された撮像デバイス72に入射する光線について、直線の方程式はZ軸に対するレンズ71の位置zを用いた次の(7)式で表すことができる。
z=(1/tanφ)r−z …(7)
映出器2として双曲面鏡を用いた場合にあっては、Z軸を回転軸として双曲線を回転させることによって双曲面が生成されているが、この双曲線の方程式は正の定数a及びbを用いた次の(8)式で表すことができる。
/a−r/b=1 …(8)
双曲面鏡における光の反射点のR軸に対する位置rは、光線と双曲線の交点であるので前記(7)式及び(8)式から次の(9)式で表すことができる。
Figure 2015169584
また、双曲面鏡における光の反射点のZ軸に対する位置zは、(7)式及び(9)式から次の(10)式で表すことができる。
Figure 2015169584
ここで、双曲面鏡についてこれを構成する双曲線の接線の方程式は次の(11)式で表すことができる。
z=(a/b)r+a/z …(11)
また、R軸と双曲線の接線とのなす角の角度φは次の(12)式で表すことができる。
φ=tan−1(a/b) …(12)
双曲面鏡における光の入射角度φ及び反射角度φは次の(13)式で表すことができる。
φ=φ …(13)
また、双曲面鏡から反射した光線とR軸とのなす角の角度φは次の(14)式で表すことができるので、(12)式、(13)式及び(14)式から角度φは次の(15)式で表すことができる。
φ=90°−φ−φ …(14)
φ=90°−φ−2tan−1(a/b) …(15)
これらより、R軸に対する位置rにおけるZ軸に対する光の位置zは次の(16)式で表すことができる。
=(r−r)tan(90°−φ−2tan−1(a/b))+z …(16)
このようにして得られた(5)式、(6)式、(9)式、(10)式及び(16)式を用いることによって、内筒4の内面の投影部6に投影された光スペクトル上の位置zとその光スペクトル像を撮像した撮像デバイス72上における位置rとの関係を求めることができ、更に、(4)式及び(16)式を用いることによって、撮像デバイス72上における位置rから光スペクトルの対応する位置の波長λを求めることができる。
図1に示した分析部8には、このようにして求められた撮像デバイス72上における位置rから光スペクトルの対応する位置の波長λとの関係が設定されている。
一方、映出器2には全周に亘って、対をなす縦スリット51,51,…及び横スリット41,41,…を通り、回折格子3によって分散された各光スペクトルの像がそれぞれ映し出されるようになっており、各光スペクトルの像は撮像器7に内蔵された撮像デバイス72上の相互に異なる所定領域に結像される。また、分析部8には、各領域の位置と対応する縦スリット51,51,…及び横スリット41,41,…の位置とを対応付けた情報が予め設定してある。
前述したように分析部8には、撮像デバイス72から適宜のタイミングで、撮像デバイス72を構成する各光電変換素子の位置及び入力光の強度に応じた信号を含む撮像データが与えられるようになっており、分析部8は、与えられた撮像データに基づいて、対をなす縦スリット51,51,…及び横スリット41,41,…の位置別に、撮像デバイス72における対応する光スペクトルの像上の位置とその位置に対応する波長及びその位置における光強度とを分析し、得られた結果を前記タイミングに紐付けてメモリ9に記憶させるようになっている。なお、分析部8には必要に応じて、撮像デバイス72における対応する光スペクトルの像上の位置とその位置に対応する波長との関係を補正する補正式が予め設定してあり、分析部8は該補正式を用いて補正した結果をメモリ9に記憶させるようになっている。
このような分光分析装置にあっては、複数の位置から入射される外光を同時的に分光分析することができるため、対象からの反射光の強度が経時的に変化する状況であっても、異なる位置から得られた電気信号を互いに比較検討することができる。また、各位置から入射される外光をそれぞれ分光分析することができるため、複数の位置について詳細な色情報を得ることができる。
そのため、かかる分光分析装置を搭載した移動ロボットにあっては、任意のポイントにおいて得られた各位置の色情報と、そこから移動したポイントにおいて得られた各位置の色情報とを比較することによって、移動方向を含む現在ポイントに係る詳細な情報を求めることができる。一方、本分光分析装置を搭載した内視鏡にあっては、進行方向周りの複数位置の色情報を得るように構成することによって、食道、胃、腸管等において任意の位置に発生する病変部位を正確に特定することができる。更に、本分光分析装置を搭載した熟度測定装置にあっては、例えば、果樹園内の適宜位置に設置して周囲の各果樹に実った果実の熟度を測定することによって、収穫タイミングを判断することができる。
なお、本実施の形態で示した分光分析装置では、縦スリット51,51,…を外筒5の周面に、また横スリット41,41,…を内筒4の周面に開設した場合について説明したが、本発明はこれに限らず、縦スリット51,51,…を内筒4の周面に、また横スリット41,41,…を外筒5の周面に開設してもよい。また、対をなす縦スリット51,51,…及び横スリット41,41,…によって入射用窓を構成した場合について説明したが、本発明はこれに限らず、図1に示した外筒5及び内筒4に代えて、その周面に複数の細孔を入射用窓として周方向へ適宜の間隔で貫通させてなる筒体を入射光取得手段として用いてもよい。この場合、前述した回折格子3によって分散された各光スペクトルの像は、前記筒体の内面に映し出されることとなるので、当該筒体の内面に投影部6を設ける。更に、対象とする光の強度が弱い場合に対応して、各入射用窓の光路上に光学手段を配設し、該光学手段によって集光するようになしてもよい。
一方、本実施の形態で示した分光分析装置では、内筒4の内面に投影部6が設けてあるが、内筒4とは別の筒体又は複数の円弧状片を設け、該筒体内面又は各円弧状片の内面を鏡面加工することによって投影手段を構成してもよい。
次に、本発明に係る分光分析装置による分光分析を評価した結果について説明する。
分光分析装置は次のように構成した。すなわち、映出器2としては双曲面鏡(VS−C450MR;ヴイストン社製)を用いた。また、回折格子3としてはテックジャム社製の回折格子シートの裏面に遮光紙を配設してなる透過型回折格子を用い、透過型回折格子に入射する光の反射成分を利用した。一方、縦スリット51,51,…及び横スリット41,41,…の幅寸法はそれぞれ1mmとした。
また、撮像器7としてはFlea2(ポイントグレイリサーチ社製)を用いた。Flea2は1/3インチの白黒CCDからなる撮像デバイスを搭載しており、撮像デバイスの解像度は1280×960ピクセル、画素の大きさは3.75×3.75μm、画素値は8ビットで表示され、0から255の範囲で出力されるようになっている。なお、出力された画像はその大きさを一定として、解像度を1200×900ピクセル、画素の大きさを4×4μmに変更して用いた。なお、撮像器7のレンズ71としてはトキナー社製のTVR0614を用いた。
そして、レンズ71の焦点距離(z−z)を13.1mmとし、前述したX−Y−Z座標系において、x及びyがそれぞれ589ピクセル及び424ピクセルとなる位置にZ軸(いずれも図3及び図4参照)を設定した。なお、本実施例に用いた分光分析装置について、図3及び図4に示した各指標に対応する値を次の表1に示す。
Figure 2015169584
このような構成の分光分析装置へ、ピーク波長λが405nm、532nm、650nmである3種類のレーザ光を一定方向から入射させ、撮像器7で撮像して得られた画像から測定された角度θを0°とする光の位置rをそれぞれ比較することによってR軸方向の測定性能を評価した。
各ピーク波長λについて前述した(4)式及び(16)式を用いて計算した光の位置rを次の表2に示す。また、各ピーク波長λについて撮像器7で撮像して得られた画像から測定された光の位置r´を次の表3に示す。なお、本実施例で用いた分光分析装置にあっては、画像から測定された光の位置r´は次の補正式(17)によって補正してある。
=1.0409r´−64.233 …(17)
Figure 2015169584
Figure 2015169584
表2及び表3から明らかなように、計算した光の位置rと画像から測定された光の位置r´との差は最大で2μmであり、R軸方向の測定性能に問題は無かった。なお、分解能は、縦スリット51の幅寸法wvs及び横スリット41の幅寸法whsがともに1mmである場合、最小で35、最大で55である。
次に、ピーク波長λが650nmであるレーザ光を用い、角度θの値が0°、90°、180°及び270°となるR軸方向の位置からレーザ光をそれぞれ入射させ、撮像器7で撮像して得られた各画像から測定された光の位置rをそれぞれ比較することによってθ軸方向の測定性能を評価した。測定された各光の位置rを表4に示す。
Figure 2015169584
表4から明らかなように、測定された各光の位置rの差は1ピクセル以内であった。本実施例で用いた撮像デバイスにあっては1ピクセルが4μmであり、θ軸方向の測定性能にも問題は無かった。
2 映出器(映出手段)
3 回折格子
4 内筒(入射光取得手段)
5 外筒(入射光取得手段)
6 投影部(投影手段)
7 撮像器
8 分析部(分析手段)
41 横スリット(入射用窓)
51 縦スリット(入射用窓)

Claims (5)

  1. 一軸回りに互いに距離を隔てて設けた複数の入射用窓から内部へそれぞれ入射光が入射されるようになした入射光取得手段と、
    該入射光取得手段内に配設してあり、各入射用窓から入射された入射光を各別に分散させる1又は複数の回折格子と、
    各入射光が回折格子にて分散されて生成した各光スペクトルの像を一定領域に映し出す映出手段と、
    複数の光電変換素子をマトリクス状に設けてなる撮像デバイスを具備し、前記映出手段によって映し出された各光スペクトルの像を撮像デバイス上に結像し、画像データとして出力する撮像器と、
    該撮像器から出力された画像データに基づいて、撮像デバイスにおける各光スペクトルの像上の位置とその位置に対応する波長及びその位置における光強度とをそれぞれ分析する分析手段と
    を備えることを特徴とする分光分析装置。
  2. 前記回折格子は入射光の一部又は全部を反射した反射成分で光スペクトルを生成するように構成してあり、
    この回折格子にて生成された各光スペクトルが互いに位置を異ならせて投影される投影手段を更に備え、
    前記映出手段は投影手段に投影された各光スペクトルの像をそれぞれ映し出すようになしてある
    請求項1記載の分光分析装置。
  3. 前記投影手段は前記入射光取得手段の内面に設けてある請求項2記載の分光分析装置。
  4. 曲面鏡を用いてなる映出手段の周囲に、円筒状の回折格子、円筒状の投影手段及び円筒状の入射光取得手段がこの順に、前記一軸回りに同心円上に配設してあり、
    前記撮像器は映出手段に対向配置してある
    請求項2又は3記載の分光分析装置。
  5. 前記入射光取得手段は内筒及び外筒にて構成してあり、
    内筒には当該内筒の中心軸に交わる方向に開設した複数の横スリット、又は内筒の周方向へ互いに距離を隔てて、前記横スリットに交わる方向へ開設した複数の縦スリットが設けてあり、
    外筒には複数の前記縦スリット、又は複数の前記横スリットが、内筒の各横スリット又は各縦スリットと対をなして設けてあり、
    前記入射光用窓は、内筒の横スリット又は縦スリット、及び外筒の対をなす縦スリット又は横スリットにて構成してある
    請求項4記載の分光分析装置。

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