[go: up one dir, main page]

JP2015168401A - 乗員検知装置および乗員検知方法 - Google Patents

乗員検知装置および乗員検知方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015168401A
JP2015168401A JP2014046894A JP2014046894A JP2015168401A JP 2015168401 A JP2015168401 A JP 2015168401A JP 2014046894 A JP2014046894 A JP 2014046894A JP 2014046894 A JP2014046894 A JP 2014046894A JP 2015168401 A JP2015168401 A JP 2015168401A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
occupant
antenna electrode
capacitance
capacity
conductive member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014046894A
Other languages
English (en)
Inventor
出口 晋也
Shinya Deguchi
晋也 出口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nidec Elesys Corp
Original Assignee
Nidec Elesys Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nidec Elesys Corp filed Critical Nidec Elesys Corp
Priority to JP2014046894A priority Critical patent/JP2015168401A/ja
Publication of JP2015168401A publication Critical patent/JP2015168401A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Chair Legs, Seat Parts, And Backrests (AREA)
  • Seats For Vehicles (AREA)

Abstract

【課題】アンテナ電極が備えられた車両用シートの素材の比誘電率が変動しても、乗員を安定的に検知することができる乗員検知装置および乗員検知方法を提供する。【解決手段】本発明による乗員検知装置は、車両用シートに設けられたアンテナ電極と前記車両用シートに着座する乗員との間に形成される容量に基づいて前記乗員を検知する乗員検知装置であって、前記アンテナ電極との間に容量を形成する導電部材と、前記導電部材に対し間欠的に固定電圧を印加する電圧印加部と、前記アンテナ電極の容量を検出する容量検出部と、前記電圧印加部により前記導電部材に前記固定電圧が印加されていない状態での前記アンテナ電極の第1容量と前記導電部材に前記固定電圧が印加された状態での前記アンテナ電極の第2容量とに基づき前記乗員の有無を判定する乗員判定部と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、乗員検知装置および乗員検知方法に関する。
エアバッグ・システムは、車両の安全装置として普及しているが、乗員の体格などによっては、フロント・エアバッグを展開することで、乗員を危険にさらす可能性がある。このため、例えば米国連邦車両基準「FMVSS208」においては、エアバッグ・システムが、助手席シートに着席している乗員の体重に基づいてフロント・エアバッグの展開/非展開を制御するように定めている。また、サイド・エアバッグを搭載した車両においても、助手席シートにおける乗員の着席状況などに応じて、サイド・エアバッグの展開を制御することが自主的になされている。このため、エアバッグ・システムでは、助手席シートに着席している乗員を検知する乗員検知装置を用いている。
図14は、容量センサを利用して乗員を検知する方式の原理を示す図である。図14に示すように、容量センサとしてのアンテナ電極E1に発振回路OSCからの高周波低電圧を印加することにより、アンテナ電極E1の周辺に微弱電界EFを発生させ、このアンテナ電極E1と乗員Mの表面に電荷を生じさせる。このとき、アンテナ電極E1と乗員Mの表面は容量によって結合され、この容量の大きさから乗員を検知することができる。近年では、上述のアンテナ電極として、車両用シートに内蔵されたヒータが利用されている。
特開2012−224171号公報
車両用シートには、不織布などの吸湿性に優れた素材に編みこまれた状態で暖房用のヒータが組み込まれている。このため、例えば乗員が座面にジュースをこぼし、車両用シートの素材に水分が含まれると、その水分により車両用シートの素材の比誘電率が変化する場合がある。この場合、アンテナ電極の容量が変化し、乗員の検知に影響を与えるおそれがある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、アンテナ電極が備えられた車両用シートの素材の比誘電率が変動しても、乗員を安定的に検知することができる乗員検知装置および乗員検知方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明による乗員検知装置は、車両用シートに設けられたアンテナ電極と前記車両用シートに着座する乗員との間に形成される容量に基づいて前記乗員を検知する乗員検知装置であって、前記アンテナ電極との間に容量を形成する導電部材と、前記導電部材に対し間欠的に固定電圧を印加する電圧印加部と、前記アンテナ電極の容量を検出する容量検出部と、前記電圧印加部により前記導電部材に前記固定電圧が印加されていない状態での前記アンテナ電極の第1容量と前記導電部材に前記固定電圧が印加された状態での前記アンテナ電極の第2容量とに基づき前記乗員の有無を判定する乗員判定部と、を備えた乗員検知装置の構成を有する。
前記乗員検知装置において、例えば、前記アンテナ電極は、前記車両用シートに組み込まれたヒータであり、前記導電部材は、前記アンテナ電極の下方に配置される。
前記乗員検知装置において、例えば、前記乗員判定部は、前記乗員の有無を判定するための判定閾値を、前記第2容量に基づき補正する。
前記乗員検知装置において、例えば、前記乗員判定部は、前記乗員の有無を判定するための判定閾値を、前記第1容量と前記第2容量との差分に基づき補正する。
前記乗員検知装置において、例えば、前記電圧印加部は、前記導電部材に対し前記アンテナ電極の電圧と同相の電圧を更に印加し、前記乗員判定部は、前記第1容量および前記第2容量に加えて、前記導電部材に対し前記アンテナ電極の電圧と同相の電圧が印加された状態での前記アンテナ電極の第3容量に基づき前記乗員の有無を判定する。
前記乗員検知装置において、例えば、前記乗員判定部は、前記第1容量と前記第3容量とが近似している場合、または、前記第1容量と前記第2容量との差分が所定値未満である場合、前記判定閾値を補正せず、前記第1容量と前記第3容量とが近似しておらず、かつ、前記第1容量と前記第2容量との差分が所定値以上である場合、前記第1容量と前記第2容量との差分に基づき前記判定閾値を補正する。
前記乗員検知装置において、例えば、前記乗員判定部は、前記乗員の有無を判定するための判定閾値を、前記第2容量と前記第3容量との差分に基づき補正する、請求項5に記載の乗員検知装置。
上記課題を解決するため、本発明による乗員検知方法は、車両用シートに設けられたアンテナ電極と前記車両用シートに着座する乗員との間に形成される容量に基づいて前記乗員を検知する乗員検知方法であって、電圧印加部が、前記アンテナ電極との間に容量を形成する導電部材に対し間欠的に固定電圧を印加するステップと、容量検出部が、前記アンテナ電極の容量を検出するステップと、乗員判定部が、前記電圧印加部により前記導電部材に前記固定電圧が印加されていない状態での前記アンテナ電極の第1容量と前記導電部材に前記固定電圧が印加された状態での前記アンテナ電極の第2容量とに基づき前記乗員の有無を判定するステップと、を含む乗員検知方法の構成を有する。
本発明によれば、アンテナ電極が備えられた車両用シートの素材の比誘電率が変動しても、乗員を検知することができる。
本発明の第1実施形態による乗員検知装置を車両用シートに適用した例を示す図であり、(A)は、アンテナ電極および導電部材からなる構造体の分解図であり、(B)は、(A)のX−X線での断面図である。 本発明の第1実施形態による乗員検知装置が適用される車両用シートに備えられたヒータと導電部材の配置例を示す図であり、(A)は、アンテナ電極および導電部材からなる構造体の分解図であり、(B)は、X−X線での断面図である。 本発明の第1実施形態による乗員検知装置とヒータ駆動装置の各構成例を示す図である。 本発明の第1実施形態による乗員検知装置が備える電圧印加部と容量検出部の構成例を示す図である。 本発明の第1実施形態による乗員検知装置とヒータ駆動装置の各動作モードを説明するための図である。 本発明の第1実施形態による乗員検知装置の動作を説明するためのフローチャートである。 本発明の第1実施形態による乗員検知装置の動作を補足説明するための図であり、(A)は、導電部材をフローティング状態とした場合にアンテナ電極に形成される容量を示し、(B)は、導電部材に固定電圧を印加した場合にアンテナ電極に形成される容量を示す図である。 本発明の第1実施形態による乗員検知装置の動作を補足説明するための図であり、判定閾値の補正の詳細を説明するための図であり、(A)は、判定閾値の補正の要否を判定するステップの一例を示し、(B)は、第2容量と判定閾値との関係の一例を示す図である。 本発明の第2実施形態による乗員検知装置の動作を補足説明するための図であり、(A)は、判定閾値の補正の要否を判定するステップの一例を示し、(B)は、第1容量と第2容量との差分と判定閾値との関係の一例を示す図である。 本発明の第3実施形態による乗員検知装置の動作モードを説明するための図である。 本発明の第3実施形態による乗員検知装置の動作を説明するためのフローチャートである。 本発明の第3実施形態による乗員検知装置の動作を補足説明するための図であり、判定閾値の補正の要否を判定するステップの一例を示す図である。 本発明の第4実施形態による乗員検知装置の動作を補足説明するための図であり、(A)は、判定閾値の補正の要否を判定するステップの一例を示し、(B)は、第2容量と第3容量との差分と判定閾値との関係の一例を示す図である。 従来技術による乗員の検知を説明するための図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
なお、明細書全体および図面全体にわたって、同一符号は同一要素を表している。
[第1実施形態]
(構成の説明)
図1は、本発明の第1実施形態による乗員検知装置20を車両用シート10に適用した例を示す図である。
乗員検知装置20は、暖房用のヒータを内蔵する車両用シート10に設けられたアンテナ電極12と車両用シート10に着座する乗員(図示なし)との間に形成される容量に基づいて乗員を検知するものである。本実施形態では、車両用シート10に内蔵された暖房用のヒータをアンテナ電極12として利用する。ただし、この例に限定されず、車両用シートのヒータとは別に乗員検知装置20のアンテナ電極を備えてもよい。
図1に示すように、車両用シート10の座面11には、ヒータからなるアンテナ電極12が組み込まれている。アンテナ電極12の下方には、アンテナ電極12とコンデンサを形成するように導電部材13が配置されている。アンテナ電極12は、配線ケーブル120を介して、乗員検知装置20の本体およびヒータ駆動装置30と電気的に接続されている。導電部材13は、配線ケーブル130を介してヒータ駆動装置30と電気的に接続されている。本実施形態では、アンテナ電極12および導電部材13は、乗員検知装置20の構成要素である。
図2は、本発明の第1実施形態による乗員検知装置20が適用される車両用シート10に備えられたアンテナ電極12と導電部材13の配置例を示す図である。ここで、図2(A)は、アンテナ電極12および導電部材13からなる構造体の分解図であり、図2(B)は、図2(A)のX−X線での断面図である。
図2(A)に示すように、アンテナ電極12をなすヒータは、絶縁体(誘電体)である平面状の不織布14の上面側に編み込まれている。不織布14の下面側には、ヒータが編み込まれた不織布14の外形に対応したサイズの平面状の導電部材13が接着剤等により貼り付けられている。これにより、図2(B)に示すように、ヒータからなるアンテナ電極12と導電部材13は、不織布14を挟んで対向するように配置されている。これにより、アンテナ電極12と導電部材13と不織布14はコンデンサを構成し、アンテナ電極12と導電部材13との間に容量が形成される。
本実施形態では、不織布14の厚さは略一定であるものとし、アンテナ電極12と導電部材13との間に形成される容量は不織布14の誘電率に応じて変化する。不織布14の見かけ上の比誘電率は不織布14に含まれる水分量に応じて変化し、不織布14に含まれる水分量が、アンテナ電極12と導電部材13との間に形成される容量に反映される。
図3は、本発明の第1実施形態による乗員検知装置20とヒータ駆動装置30の各構成例を示す図である。
乗員検知装置20の本体は、電圧印加部21、容量検出部22、乗員判定部23から構成されている。上述の車両用シート10に備えられたアンテナ電極12および導電部材13と、乗員検知装置20の本体側に備えられた電圧印加部21、容量検出部22、乗員判定部23とにより、乗員検知装置20が構成されている。
ここで、電圧印加部21は、導電部材13に間欠的に固定電圧Vbを印加するためのものである。本実施形態では、固定電圧Vbはグランド電位(GND)であるものとするが、この例に限定されず、固定電圧Vbは任意の一定電圧であればよい。電圧印加部21は、配線ケーブル130を介して導電部材13に固定電圧Vbを印加する機能と、導電部材13に高周波低電圧Voscを印加する機能と、自身の出力インピーダンスをハイインピーダンス(HiZ)として導電部材13をフローティング状態にする機能を有している。
ただし、第1実施形態では、電圧印加部21の上述の機能のうち、導電部材13に固定電圧Vbを印加する機能と、導電部材13をフローティング状態とする機能を用いる。導電部材13に高周波低電圧Voscを印加する機能は後述の他の実施形態で用いる。従って、第1実施形態では、電圧印加部21の機能のうち、導電部材13に高周波低電圧Voscを印加する機能を省略することができる。
容量検出部22は、アンテナ電極12に形成される容量(静電容量)を検出するためのものである。容量検出部22は、配線ケーブル120を介して高周波低電圧Voscをアンテナ電極12に印加することにより、アンテナ電極12の容量を検出する。また、容量検出部22は、自身の出力インピーダンスをハイインピーダンス(Hiz)とする機能を有している。容量検出部22の構成の詳細については後述する。なお、以下では、説明の便宜上、電圧印加部21が、自身の出力インピーダンスをハイインピーダンスとしたときの出力状態を「無電圧」と称す。
乗員判定部23は、電圧印加部21により導電部材13に固定電位が印加されていない状態でのアンテナ電極12の第1容量Cと導電部材13に固定電位が印加された状態でのアンテナ電極12の第2容量Cとに基づき、乗員の有無を判定するものである。本実施形態では、乗員判定部23は、第1容量Cが所定の判定閾値CTHを超えた場合、乗員が着座していると判定し、第1容量Cが所定の判定閾値CTH以下である場合、乗員が着座していないと判定する。本実施形態では、乗員判定部23は、乗員の有無を判定するために用いる上述の判定閾値CTHを第2容量Cに基づき補正するが、その詳細については後述する。
ヒータ駆動装置30は、ヒータ電源部31、スイッチ32,33、ヒータ制御部34から構成される。ヒータ電源部31は例えばバッテリであり、その正電極にはスイッチ32の一端が接続され、スイッチ32の他端は、配線ケーブル120を構成する配線121を介して、アンテナ電極12を構成するヒータの一端に接続されている。このヒータの他端は、配線ケーブル120の配線122を介してスイッチ33の一端に接続され、スイッチ33の他端はグランド(GND)に接地されている。
スイッチ32,33の開閉状態は、ヒータ制御部34により制御される。本実施形態では、ヒータ制御部34は、スイッチ32,33を共に閉状態に制御することにより、ヒータ電源部31とグランド(GND)との間にヒータを電気的に接続する。これにより、ヒータ電源部31がヒータを駆動し、ヒータが発熱する。また、ヒータ制御部34は、スイッチ32,33を共に開状態に制御することにより、ヒータからヒータ電源部31およびグランド(GND)を切り離し、ヒータの発熱を停止させる。
図4は、本発明の第1実施形態による乗員検知装置20が備える電圧印加部21と容量検出部22の構成例を示す図である。図4に示すように、電圧印加部21は、固定電圧Vbを発生させる電圧源211と、スイッチ212とを備えている。本実施形態では、固定電圧Vbはグランド電位であるから、電圧源211はグランドそのものであり得る。スイッチ212は、三つの固定接点212a,212b,212cと、一つの可動接点212vを備えている。
可動接点212vには、配線ケーブル130を介して導電部材13が接続されている。固定接点212aはフローティング状態となっている。即ち、固定接点121aは、可動接点212vを除いて電気的に周囲から絶縁されている。固定接点212bには、電圧源211から固定電圧Vbが印加される。固定接点212cには、容量検出部22から高周波低電圧Voscが印加される。
可動接点212vが、固定接点212a,212b,212cの何れかと接続されることにより、電圧印加部21は、無電圧(出力ハイインピーダンスHiZ)、固定電圧Vb、高周波低電圧Voscの何れかを択一的に出力する。ただし、第1実施形態では、可動接点212vは、固定接点212a,212bの何れかと接続され、固定接点212cとは接続されない。
従って、第1実施形態では、電圧印加部21は、無電圧(出力ハイインピーダンスHiZ)または固定電圧Vbの何れかを出力し、高周波低電圧Voscは出力しない。このため、第1実施形態では、スイッチ212の固定接点212cを省略してもよい。また、固定接点212aは、電圧印加部21が無電圧を出力する場合のスイッチ212の状態を説明するための便宜的なものであり、省略可能である。
容量検出部22は、発振器221、駆動部222、抵抗223、スイッチ224から構成されている。ここで、発振器221は、例えば100kHzの高周波低電圧の正弦波信号を発生させるものである。駆動部222は、ボルテージフォロアから構成され、発振器221から発生される正弦波信号により出力負荷を駆動するものである。ただし、この例に限定されず、駆動部222はどのような回路形式であってもよく、また、発振器221の構成に含めてもよい。また、発振器221が発生させる正弦波信号の周波数は、上記の例に限定されるものではなく、車両用シート10に着座する乗員を検知することができることを限度として、任意に設定し得る。また、発振器221が発生させる信号は、正弦波信号に限定されず、上記乗員を検知することができることを限度として、例えば矩形波などの任意の信号とすることができる。駆動部222の出力部は、抵抗223を介して、スイッチ224の一端に接続され、スイッチ224の他端は、配線ケーブル120の配線121を介して、上述の車両用シート10の座面に組み込まれたヒータからなるアンテナ電極12に接続されている。
スイッチ224が閉状態のとき、駆動部222から出力される高周波低電圧Voscは、抵抗223、スイッチ224、配線121を通じてアンテナ電極12に印加される。また、スイッチ224が開状態のとき、容量検出部22の出力インピーダンスはハイインピーダンス(HiZ)となり、アンテナ電極12が容量検出部22から電気的に切り離される。このように、スイッチ224の開閉に応じて、容量検出部22は高周波低電圧Voscを出力し、または、その出力インピーダンスをハイインピーダンス(HiZ)とする。
乗員判定部23は、アンテナ電極12上の信号レベルに基づいて、乗員の有無、或いは乗員の体格(例えば大人と子供の別)等を判定するものである。乗員判定部23の判定結果は、例えば、図示しないエアバッグ・システムに供給され、このエアバッグ・システムは、乗員判定部23の判定結果に応じてエアバッグの展開/非展開を制御する。例えば、乗員判定部23の判定結果が乗員の存在を示す場合、エアバッグ・システムは、衝撃センサ(図示なし)の信号に従ってエアバッグの展開/非展開を制御する。または、乗員判定部23の判定結果が子供の体格を示す場合、エアバッグ・システムは、衝撃センサの信号を無効とし、エアバッグを展開させない。
図4において、アンテナ電極12と導電部材13との間には容量Cdが形成される。容量Cdの値は、アンテナ電極12と導電部材13との対向面積および電極間距離、並びに、これらアンテナ電極12と導電部材13との間に介在する不織布14の比誘電率によって定まる。前述したように、本実施形態では、アンテナ電極12と導電部材13との間に存在する不織布14の厚さは略一定であるから、アンテナ電極12と導電部材13との対向面積および電極間距離は略一定であり、容量Cdは不織布14の比誘電率に応じた値になる。また、車両用シート10に乗員Mが着座した場合には、この乗員Mとアンテナ電極12との間に静電容量Cpが形成される。また、乗員Mと接地との間には寄生容量Cgが存在している。従って、上述の静電容量Cpと寄生容量Cgと容量Cdとの合成容量がアンテナ電極12の容量を形成する。
ここで、アンテナ電極12の容量は、抵抗223を介して駆動部222により駆動されるアンテナ電極12上の信号レベルに影響を与える。具体的には、アンテナ電極12の容量が大きい程、アンテナ電極12上の高周波低電圧の信号レベルの変化(振幅)が小さくなり、逆にアンテナ電極12の容量が小さい程、アンテナ電極12上の信号レベルの変化が大きくなる。即ち、アンテナ電極12上の信号レベルの変化量は、アンテナ電極12の容量の大きさに依存する。
そこで、本実施形態では、容量検出部22は、アンテナ電極12の容量を、配線ケーブル120を介してアンテナ電極12上の信号レベルとして検出する。ここで、アンテナ電極12の容量を検出することは、この容量による変位電流を検出することと同義である。従って、容量検出部22は、アンテナ電極12の容量による変位電流を検出するものであると言うこともできる。
図5は、本発明の第1実施形態による乗員検知装置20とヒータ駆動装置30の各動作モードを説明するための図である。図5において、電圧V121は、配線ケーブル120の配線121の電圧を指し、電圧V122は、配線ケーブル120の配線122の電圧を指し、電圧V130は、配線ケーブル130の電圧を指している。
ヒータ駆動装置30は、ヒータを駆動するためのヒータ駆動モードで動作し、乗員検知装置20は、乗員検知を実施するための乗員検知モードで動作する。本実施形態では、乗員検知モードとヒータ駆動モードは、間欠的に交互に実施される。例えば、ヒータ駆動モードでの動作時間が或る一定時間に達した場合、ヒータ駆動モードから乗員検知モードに切り替わり、乗員検知が実施された後、再びヒータ駆動モードに戻り、これを繰り返す。
ここで、図5に示すように、ヒータ駆動モードでは、配線121の電圧V121は高電圧VHに設定され、配線122の電圧V122はグランド電位(GND)に設定される。これにより、アンテナ電極12をなすヒータが通電され、ヒータが発熱する。このような電圧設定は、図3に示すヒータ駆動装置30のスイッチ32,33を閉状態に制御することにより実現される。この場合、図4に示す容量検出部22のスイッチ224は開状態に制御され、電圧印加部21のスイッチ212の可動接点212vは固定接点212aに接続される。これにより、乗員検知装置20の電圧印加部21が導電部材13から電気的に切り離され、容量検出部22がアンテナ電極12から電気的に切り離される。
また、図5に示すように、乗員検知モードは、モードAとモードBに区分されている。このうち、モードAは、乗員の有無を示すアンテナ電極12の第1容量Cを取得する動作モードであり、モードBは、乗員の有無を判定するための判定閾値CTHを補正する際に使用する第2容量Cを取得するための動作モードである。
モードAでは、図4に示す容量検出部22のスイッチ224は閉状態に制御され、容量検出部22からアンテナ電極12に高周波低電圧Voscが印加される。また、モードAでは、電圧印加部21のスイッチ212の可動接点212vは固定接点212aに接続される。これにより、電圧印加部21の出力インピーダンスはハイインピーダンス(HiZ)になり、電圧印加部21が、導電部材13から電気的に切り離され、電気的にフローティング状態になる。更に、モードAでは、図3に示すヒータ駆動装置30のスイッチ32,33は開状態に制御され、ヒータ駆動装置30から、アンテナ電極12をなすヒータが電気的に切り離される。
モードBでは、モードAと同様に、図4に示す容量検出部22のスイッチ224は閉状態に制御され、容量検出部22からアンテナ電極12に高周波低電圧Voscが印加される。ただし、モードBでは、電圧印加部21のスイッチ212の可動接点212vが固定接点212bに接続され、導電部材13には、電圧印加部21から固定電圧Vb(グランド電位)が印加される。従って、モードBでは、アンテナ電極12と導電部材13との間には、高周波低電圧Voscの振幅に相当する交流電圧が印加される。
(動作の説明)
次に、図6に示すフローに沿って、本発明の第1実施形態による乗員検知装置20の動作を説明する。
前述したように、ヒータ駆動モードと乗員検知モードは交互に実施されるが、例えばヒータ駆動時間が一定時間に達し、乗員検知モードを開始するための所定の条件が満足されると(ステップS1:YES)、容量検出部22は、乗員の有無等に応じて変化するアンテナ電極12の容量を検出する(ステップS3)。
図7は、本発明の第1実施形態による乗員検知装置20の動作を補足説明するための図である。ここで、図7(A)は、モードAで導電部材13をフローティング状態とした場合にアンテナ電極12に形成される容量を示し、図7(B)は、モードBで導電部材13に固定電圧Vb(グランド電位)を印加した場合にアンテナ電極12に形成される容量を示す図である。
乗員検知装置20は、モードAで動作し、容量検出部22によりアンテナ電極12の第1容量Cを検出する(ステップS3A)。詳細には、容量検出部22において、駆動部222が、高周波低電圧Voscを、抵抗223、スイッチ224、配線121を介して、アンテナ電極13に供給する。このとき、アンテナ電極13上の信号レベルは、図4に示す容量Cd,Cp,Cgの合成容量に応じた信号レベルになる。
ただし、モードAでは、導電部材13はフローティング状態とされるため、アンテナ電極12と導電部材13との間の容量Cdがカップリング容量として作用することにより、導電部材13の電位がアンテナ電極12の電位に追従して変化し、容量Cdには変位電流が殆ど発生しない。このため、図7(A)に示すように、容量Cdは殆ど顕在化しない。従って、この場合、容量検出部22は、乗員Mの静電容量Cpと寄生容量Cgの合成容量をアンテナ電極12の第1容量Cとして検出する。
ここで、乗員が着座している場合、静電容量Cpが形成されるので、アンテナ電極12の容量は空席時の容量に比較して大きくなり、アンテナ電極13上の信号レベルは、空席時の信号レベルに比較して小さくなる。この信号レベルから乗員判定部23は、乗員が着座していると判定する。この判定結果を受けて、例えば、図示しないエアバッグ・システムが衝撃センサの出力に応じてエアバッグの展開を制御する。
続いて、乗員検知装置20は、モードBで動作し、容量検出部22によりアンテナ電極12の容量を検出する(ステップS3B)。モードBでは、モードAと同様に容量検出部22によりアンテナ電極12に高周波低電圧Voscが印加されるが、電圧印加部21により導電部材13には固定電圧Vb(グランド電位)が印加される。この場合、アンテナ電極12と導電部材13との間には、高周波低電圧Voscの振幅に相当する交流電圧が印加され、容量Cdには変位電流が有効に発生する。
このため、図7(B)に示すように、アンテナ電極12と導電部材13との間の容量Cdが顕在化し、変位電流が流れ得る状態となる。従って、この場合、容量検出部22は、乗員Mの静電容量Cpと寄生容量Cgの合成容量に加えて、アンテナ電極12と導電部材13との間の容量Cdをアンテナ電極12の第2容量Cとして検出する。
ここで、車両用シート10の座面に含まれる水分が少ない場合、アンテナ電極12と導電部材13との間の不織布14の比誘電率は上昇しないので、これらアンテナ電極12と導電部材13との間の容量Cdの値が小さくなる傾向を示す。逆に、車両用シート10の座面に含まれる水分が多い場合、アンテナ電極12と導電部材13との間の不織布14の比誘電率が上昇し、これらアンテナ電極12と導電部材13との間の容量Cdの値が大きくなる傾向を示す。従って、モードBで得られるアンテナ電極12の第2容量Cから車両用シート10の座面に含まれる水分量を知ることができる。
続いて、乗員検知装置20の乗員判定部23は、水分の影響量を演算する(ステップS4)。具体的には、乗員判定部23は、上述のモードBで検出した第2容量Cを車両用シート10の座面に含まれている水分の影響量を示す指標とする。続いて、乗員判定部23は、上述の水分の影響量を示す指標から、乗員の有無を判定する際に用いる判定閾値CTHを補正する必要があるか否かを判定する(ステップS5)。
ここで、車両用シート10の座面に含まれる水分量が多い場合、アンテナ電極12と乗員Mとの間の静電容量Cpが増加する。このため、例えば乗員Mが子供であるにもかかわらず、見かけ上、アンテナ電極12の容量が、乗員Mが大人である場合と同様の値になり得る。本実施形態では、このような水分が乗員の検知結果に与える影響が抑制されるように、乗員の有無の判定する際に用いる判定閾値CTHを第2容量Cに基づき補正する(ステップS6)。即ち、判定閾値CTHを補正する必要があると判定した場合(ステップS5:YES)、乗員判定部23は、水分によるアンテナ電極12の容量の増加分に合わせて、アンテナ電極12の容量から乗員の有無を判定するための判定閾値CTHを増加させることにより、判定閾値CTHを補正する(ステップS6)。
図8は、本発明の第1実施形態による乗員検知装置20の動作を補足説明するための図であり、(A)は、判定閾値CTHの補正の要否を判定するステップの一例を示し、(B)は、第2容量Cと判定閾値CTHとの関係の一例を示す図である。
図8(A)に示すように、第2容量Cが所定値CB1を下回っている場合(ステップS5:YES)、即ち、水分が乗員の検知結果に与える影響を抑制する必要がない場合、乗員判定部23は、判定閾値CTHの補正を行わず、処理をステップS7に進める。ここで、所定値CB1は、例えば水分が乗員の検知に影響を与えるときの第2容量Cの下限値であり、水分が乗員の検知結果に与える影響の有無を判断する基準となり得ることを限度として、任意に設定し得る。これに対し、第2容量Cが所定値CB1以上である場合(ステップS5:NO)、即ち、水分が乗員の検知結果に与える影響を抑制する必要がある場合、乗員判定部23は、判定閾値CTHの補正を行うために処理をステップS6に進める。
具体的には、図8(B)に示すように、第2容量Cの値が所定値CB1以上である場合(ステップS5:YES)、第2容量Cの増加に応じて判定閾値CTHが増加される。このような第2容量Cと判定閾値CTHとの対応関係は、水分が乗員の検知結果に与える影響が抑制されるように、予め実験等により決定される。一方、水分量の指標である第2容量Cの値が所定値CB1未満である場合(ステップS5:NO)、乗員判定部23は、判定閾値CTHを補正せず、判定閾値CTHを規定値CTH1(または従前の値)に維持する。
続いて、乗員判定部23は、上述の補正後の判定閾値CTH(または規定値CTH1)を用いて、乗員の有無や体格の判定を行う(ステップS7)。具体的には、乗員判定部23は、モードAで得られた第1容量Cと判定閾値CTHとを比較し、第1容量Cが判定閾値CTHを超えていれば、車両用シート10に乗員が存在すると判定し、第1容量Cが判定閾値CTH以下であれば、車両用シート10に乗員がいないと判定する。この後、乗員判定部23は処理をステップS1に戻す。
次に、ステップS1において、乗員検知モードではないと判定した場合(ステップS1:NO)、乗員判定部23は、アンテナ電極12を構成するヒータの制御をヒータ駆動装置30に引き渡し、ヒータ駆動装置30がヒータを駆動する(ステップS2)。この場合、乗員検知装置20は、図4に示す電圧印加部21のスイッチ212の可動接点212vを固定接点212aに接続し、容量検出部22を構成するスイッチ224を開状態とする。これにより、アンテナ電極12をなすヒータは乗員検知装置20から電気的に切り離される。これに対し、ヒータ駆動装置30は、図3に示すヒータ制御部34の制御の下、スイッチ32,33を閉状態にする。これにより、アンテナ電極12をなすヒータが通電されて発熱する。
ヒータ駆動装置30がヒータを駆動する場合にも、ヒータの駆動を適切なタイミングで一時的に中断し、この中断期間において、乗員検知装置20の乗員判定部23は、容量検出部22のスイッチ224を閉状態に制御し、乗員の有無を検知するための上述の処理を実行する(ステップS4〜S7)。ただし、この場合、モードAおよびモードBでの動作(ステップS3)は行われない。このため、乗員判定部23は、判定閾値CTHの補正は必要ないと判定し(ステップS6:NO)、従前の判定閾値CTHを用いて乗員の有無の判定を行う(ステップS7)。
上述した第1実施形態の主要な特徴をまとめる。ただし、本実施形態はこれのみを特徴とするものではない。
・不織布に設置されたヒータの下部に水濡れ検知用のセンサとして導電部材13を配置する。
・そのセンサでヒータおよび不織布の容量を測定することによって、不織布に含まれる水分を検出する。
・水分の検出結果に基づいて判定閾値CTHを変更することによって、車両用シート上の乗員の検知の精度を改善する。
一般に、ヒータが編み込まれた車両用シートの素材として、吸湿性に富んだ不織布が用いられている。このため、車両用シートのヒータの周辺は湿度(水分量)が変化しやすい状態にある。車両用シートのヒータを乗員検知装置20のアンテナ電極12として利用する場合、アンテナ電極12として機能するヒータの周辺の湿度(水分量)の変化により、アンテナ電極12の容量が変動する。
しかしながら、第1実施形態によれば、導電部材13に固定電圧Vbを印加した状態でアンテナ電極12の第2容量Cを検出するので、第2容量Cに車両用シート10の座面に含まれる水分の影響を反映させることができる。また、第1実施形態によれば、導電部材13に固定電圧Vbを印加した場合のアンテナ電極12の第2容量Cに基づいて判定閾値CTHを補正するので、車両用シート10の座面に含まれる水分や湿度によるアンテナ電極12の容量の変動を抑制することができる。従って、第1実施形態によれば、車両用シート10のヒータ周辺の水分や湿度が乗員の検知に与える影響を抑制することができる。
また、本発明により、不織布などが設置されているヒータにおいて、水分や湿度が増大している場合などにおいて、水分等になる影響を検知し、判定閾値を補正するなどの対策をとることが可能になる。
また、暖房用のヒータが故障した場合においては、水漏れ検知電極とヒータとが分離できるので、サービス工程の効率化を図ることが可能になる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
第2実施形態では、第1実施形態の図1から図4を援用する。
図9は、本発明の第2実施形態による乗員検知装置20の動作を補足説明するための図であり、(A)は、判定閾値CTHの補正の要否を判定するステップの一例を示し、(B)は、第1容量Cと第2容量Cとの差分CABと判定閾値CTHとの関係の一例を示す図である。
第2実施形態では、乗員判定部23は、上述の第1実施形態による図6に示すステップS5に代えて、図9(A)に示すステップS52を実施する。ステップS52では、乗員判定部23は、乗員の有無を判定するために用いる判定閾値CTHの補正の要否を、第1容量Cと第2容量Cとの差分CAB(=|C−C|)に基づき判定する。
具体的には、第1容量Cと第2容量Cとの差分CABが所定値CAB1未満である場合(ステップS52:YES)、乗員判定部23は、判定閾値CTHの補正を行わず、処理をステップS7に進める。ここで、所定値CAB1は、例えば水分が乗員の検知に影響を与えるときの差分CABの下限値であり、水分が乗員の検知結果に与える影響の有無を判断する基準となり得ることを限度として、任意に設定し得る。これに対し、第1容量Cと第2容量Cとの差分CABが所定値CAB1以上の場合(ステップS52:NO)、乗員判定部23は、判定閾値CTHの補正を行うために処理をステップS6に進める。
また、図9(B)に示すように、本実施形態では、水分量の指標である第2容量Cを含む差分CABが所定値CAB1未満である場合、判定閾値CTHは規定値CTH1に維持される。差分CABが所定値CAB1以上である場合、差分CABの増加に応じて判定閾値CTHが増加される。このような差分CABと判定閾値CTHとの対応関係は、水分が乗員の検知結果に与える影響が抑制されるように、予め実験等により決定される。
このように、第2実施形態では、乗員検知装置20の乗員判定部23は、第1容量Cから乗員の有無を判定するために用いる判定閾値CTHを、第1容量Cと第2容量Cとの差分CABに基づき補正する。その他については、第1実施形態と同様である。
ここで、第1容量Cと第2容量Cとの差分CAB(=|C−C|)は、アンテナ電極12と導電部材13との間に形成される容量Cdを表している。即ち、前述の図7(A)から理解されるように、第1容量Cは、容量Cdが顕在化しない場合のアンテナ電極12の容量であり、また、前述の図7(B)から理解されるように、第2容量Cは、容量Cdが顕在化した場合のアンテナ電極12の容量である。従って、第1容量Cと第2容量Cとの差分CABは、アンテナ電極12と導電部材13との間に形成される容量Cdを表す。
前述したように、第1容量Cと第2容量Cとの差分CABによって表される容量Cdには、アンテナ電極12をなすヒータが編み込まれた不織布14の水分量が反映される。このため、第2実施形態によれば、車両用シート10の座面に含まれるアンテナ電極12の周辺の水分を精度よく検出することができる。従って、判定閾値CTHの補正を精度よく実施することができ、乗員の検知精度を改善することが可能になる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を説明する。
第3実施形態でも、第1実施形態の図1から図4を援用する。
図10は、本発明の第3実施形態による乗員検知装置20の動作モードを説明するための図である。図11は、本発明の第3実施形態による乗員検知装置20の動作を説明するためのフローチャートである。図12は、本発明の第3実施形態による乗員検知装置20の動作を補足説明するための図であり、判定閾値CTHの補正の要否を判定するステップの一例を示す図である。
第3実施形態では、乗員検知装置20の動作モードは、上述の第1実施形態による図5に示すモードA,Bに加えて、モードCを更に備える。モードCでは、図4に示す容量検出部22のスイッチ224は閉状態に制御され、容量検出部22からアンテナ電極12に高周波低電圧Voscが印加される。また、電圧印加部21のスイッチ212の可動接点212vは固定接点212cに接続される。これにより、導電部材13には、電圧印加部21から容量検出部22と同様の高周波低電圧Voscが印加される。
即ち、モードCでは、導電部材13には、アンテナ電極12の電圧と同相の電圧が電圧印加部21から印加され、アンテナ電極12と導電部材13との間の電位差が略一定に維持される。このため、アンテナ電極12と導電部材13との間に形成される容量Cdには変位電流が流れない。従って、モードCでは、容量検出部22は、容量Cdの影響を受けることなく、アンテナ電極12の第3容量Cを検出する。換言すれば、モードCでは、容量検出部22は、アンテナ電極12の下方が導電部材13によりシールドされた状態で、アンテナ電極12の第3容量Cを検出する。
ここで、アンテナ電極12と導電部材13との間に形成される容量Cdには、アンテナ電極12の下方の水分の影響が反映されるが、モードCでは、容量Cdの影響を排除するので、アンテナ電極12の容量には、アンテナ電極12の上方の水分の影響のみが含まれることになる。即ち、アンテナ電極12の容量に与える水分の影響が小さくなる。
また、第3実施形態では、図11に示す乗員検知装置の動作フローは、第1実施形態による図6の動作フローに含まれるステップS3に代えてステップS33を含んでいる。ここで、ステップS33は、図6のステップS3におけるステップS3Bの後にステップS3Cを更に含んでいる。第3実施形態では、乗員検知装置20は、ステップS3Cにおいて上述のモードCを実施してアンテナ電極12の第3容量Cを検出する。また、第3実施形態では、乗員判定部23は、図11に示すフローにおいて、第1実施形態による図6のフローに含まれるステップS5に代えて、図12に示すステップS53を実施する。ステップS53では、乗員判定部23は、乗員の有無を判定するために用いる判定閾値CTHの補正の要否を、第1容量Cおよび第2容量Cに加えて、導電部材13にアンテナ電極12の電圧に追従する電圧が印加された状態でのアンテナ電極12の第3容量Cに基づき判定する。
具体的には、まず、乗員判定部23は、第1容量Cと第3容量Cとが近似するか否かを判定する(ステップS53A)。ここで、前述したように、第3容量Cには、アンテナ電極12の下方の水分の影響が反映されないので、第1容量Cと第3容量Cが近似することは、アンテナ電極12の上方に形成されるアンテナ電極12の容量に与える水分の影響が小さいことを意味する。従って、第1容量Cと第3容量Cとが近似する場合(ステップS53A:YES)、判定閾値CTHを補正する必要がない。従ってこの場合、乗員判定部23は処理をステップS7へ進める。
これに対し、第1容量Cと第3容量Cとが近似しない場合(ステップS53A:NOS)、乗員判定部23は、上述の第2実施形態と同様に、第1容量Cと第2容量Cとの差分CAB(=|C−C|)に基づき、判定閾値CTHの補正の要否を判定する(ステップS53B)。具体的には、第1容量Cと第2容量Cとの差分CAB(=|C−C|)が所定値CAB1未満であれば(ステップS52:YES)、乗員判定部23は、判定閾値CTHの補正を行わず、処理をステップS7に進める。ここで、所定値CAB1は、例えば水分が乗員の検知に影響を与えるときの差分CABの下限値であり、水分が乗員の検知結果に与える影響の有無を判断する基準となり得ることを限度として、任意に設定し得る。これに対し、第1容量Cと第2容量Cとの差分CABが所定値CAB1以上であれば(ステップS52:NO)、乗員判定部23は、判定閾値CTHの補正を行うために、処理をステップS6に進める。
このように、第3実施形態では、乗員判定部23は、第1容量Cおよび第2容量Cに加えて、導電部材13に対しアンテナ電極12の電圧と同相の電圧が印加された状態でのアンテナ電極12の第3容量Cに基づき乗員の有無を判定する。即ち、乗員判定部23は、第1容量Cと第3容量Cとが近似している場合、または、第1容量Cと第2容量Cとの差分CABが所定値CAB1未満である場合、判定閾値CTHを補正せず、第1容量Cと第3容量Cとが近似しておらず、かつ、第1容量Cと第2容量Cとの差分CABが所定値CAB1以上である場合、判定閾値CTHを補正する。その他については、第1実施形態と同様である。
第3実施形態によれば、仮に、第1容量Cと第2容量Cとの差分CABが所定値CAB1以上となる場合であっても、第1容量Cが第3容量Cと近似していれば、判定閾値CTHの補正は行われない。これにより、例えばアンテナ電極12と導電部材13との間の電極間距離が縮小し、容量Cd(=|C−C|)が大きくなったとしても、判定閾値CTHの過剰な補正を抑制することができる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態を説明する。
図13は、本発明の第4実施形態による乗員検知装置20の動作を補足説明するための図であり、(A)は、判定閾値CTHの補正の要否を判定するステップの一例を示し、(B)は、第1容量Cと第3容量Cとの差分容量CACと判定閾値CTHとの関係の一例を示す図である。
第4実施形態では、乗員判定部23は、上述の第1実施形態による図6に示すステップS5に代えて、図13(A)に示すステップS54を実施する。ステップS54では、乗員判定部23は、乗員の有無を判定するために用いる判定閾値CTHの補正の要否を、第2容量Cと第3容量Cとの差分CBC(=|C−C|)に基づき判定する。ここで、第3容量Cは、前述の第3実施形態におけモードCで得られるアンテナ電極12の容量を指す。
具体的には、第2容量Cと第3容量Cとの差分CBCが所定値CBC1未満であれば(ステップS54:YES)、乗員判定部23は、判定閾値CTHの補正を行わず、処理をステップS7に進める。ここで、所定値CBC1は、例えば水分が乗員の検知に影響を与えるときの差分CBCの下限値であり、水分が乗員の検知結果に与える影響の有無を判断する基準となり得ることを限度として、任意に設定し得る。これに対し、第2容量Cと第3容量Cとの差分CBCが所定値CBC1以上であれば(ステップS54:NO)、乗員判定部23は、判定閾値CTHの補正を行うために処理をステップS6に進める。
また、図13(B)に示すように、本実施形態では、水分量の指標である第2容量Cを含む差分CBCが所定値CBC1未満である場合、判定閾値CTHは規定値CTH1に維持される。差分CBCが所定値CBC1以上である場合、差分CBCの増加に応じて判定閾値CTHが増加される。このような差分容量CBCと判定閾値CTHとの対応関係は、予め実験等により決定される。
このように、第4実施形態では、乗員検知装置20の乗員判定部23は、第1容量Cから乗員の有無を判定するために用いる判定閾値CTHを、第2容量Cと第3容量Cとの差分CBC(=|C−C|)に基づき補正する。その他については、第1実施形態と同様である。
ここで、第2容量Cと第3容量Cとの差分CBC(=|C−C|)は、アンテナ電極12と導電部材13との間に形成される容量Cdを表している。即ち、前述の図7(A)から理解されるように、第3容量Cは、容量Cdが顕在化しない場合のアンテナ電極12の容量を表しており、また、前述の図7(B)から理解されるように、第2容量Cは、容量Cdが顕在化した場合のアンテナ電極12の容量を表している。
従って、第2容量Cと第3容量Cとの差分CBCは、第3実施形態の差分CABと同様に、アンテナ電極12と導電部材13との間に形成される容量Cdを表す。ただし、第4実施形態では、導電部材13の電圧をアンテナ電極12の電圧と同相とすることにより容量Cdには変位電流が原理的に発生しない。このため、上述の第3実施形態に比較して、容量Cdをさらに精度よく検出することができ、この容量Cdから車両用シート10の座面に含まれる水分を正確に把握することができる。
上述した第1実施形態から第4実施形態では、本発明を乗員検知装置として表現したが、本発明は乗員検知方法として表現することもできる。この場合、本発明による乗員検知方法は、車両用シートに設けられたアンテナ電極と前記車両用シートに着座する乗員との間に形成される容量に基づいて前記乗員を検知する乗員検知方法であって、電圧印加部が、前記アンテナ電極との間に容量を形成する導電部材に対し間欠的に固定電圧を印加するステップと、容量検出部が、前記アンテナ電極の容量を検出するステップ(例えば、ステップS3、ステップS33)と、乗員判定部が、前記電圧印加部により前記導電部材に前記固定電圧が印加されていない状態での前記アンテナ電極の第1容量と前記導電部材に前記固定電圧が印加された状態での前記アンテナ電極の第2容量とに基づき前記乗員の有無を判定するステップ(例えば、ステップS5,S6,S52,S53,S54)と、を含む乗員検知方法として表現することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変形が可能である。
例えば、上述の実施形態では、導電部材13に固定電圧Vbを印加するものとしたが、アンテナ電極12に印加される高周波低電圧Voscと逆相の電圧を印加してもよい。これにより、容量Cdを更に精度よく安定的に検出することができる。
また、アンテナ電極12の全体にわたって容量を形成するように導電部材13を配置したが、アンテナ電極12の一部と容量を形成するように導電部材13を配置しても良い。
10…車両用シート
11…座面
12…アンテナ電極(ヒータ)
13…導電部材
14…不織布(誘電体)
20…乗員検知装置
21…電圧印加部
22…容量検出部
23…乗員判定部
30…ヒータ駆動装置
31…ヒータ電源部
32,33…スイッチ
120,130…配線ケーブル
121,122…配線
211…電圧源
212a,212b,212c…固定接点
212v…可動接点
221…発振器
222…駆動部
223…抵抗
224…スイッチ

Claims (8)

  1. 車両用シートに設けられたアンテナ電極と前記車両用シートに着座する乗員との間に形成される容量に基づいて前記乗員を検知する乗員検知装置であって、
    前記アンテナ電極との間に容量を形成する導電部材と、
    前記導電部材に対し間欠的に固定電圧を印加する電圧印加部と、
    前記アンテナ電極の容量を検出する容量検出部と、
    前記電圧印加部により前記導電部材に前記固定電圧が印加されていない状態での前記アンテナ電極の第1容量と前記導電部材に前記固定電圧が印加された状態での前記アンテナ電極の第2容量とに基づき前記乗員の有無を判定する乗員判定部と、
    を備えた乗員検知装置。
  2. 前記アンテナ電極は、前記車両用シートに組み込まれたヒータであり、
    前記導電部材は、前記アンテナ電極の下方に配置された、請求項1に記載の乗員検知装置。
  3. 前記乗員判定部は、
    前記乗員の有無を判定するための判定閾値を、前記第2容量に基づき補正する、請求項1または2に記載の乗員検知装置。
  4. 前記乗員判定部は、
    前記乗員の有無を判定するための判定閾値を、前記第1容量と前記第2容量との差分に基づき補正する、請求項1または2に記載の乗員検知装置。
  5. 前記電圧印加部は、
    前記導電部材に対し前記アンテナ電極の電圧と同相の電圧を更に印加し、
    前記乗員判定部は、
    前記第1容量および前記第2容量に加えて、前記導電部材に対し前記アンテナ電極の電圧と同相の電圧が印加された状態での前記アンテナ電極の第3容量に基づき前記乗員の有無を判定する、請求項1または2に記載の乗員検知装置。
  6. 前記乗員判定部は、
    前記第1容量と前記第3容量とが近似している場合、または、前記第1容量と前記第2容量との差分が所定値未満である場合、前記判定閾値を補正せず、
    前記第1容量と前記第3容量とが近似しておらず、かつ、前記第1容量と前記第2容量との差分が所定値以上である場合、前記第1容量と前記第2容量との差分に基づき前記判定閾値を補正する、請求項5に記載の乗員検知装置。
  7. 前記乗員判定部は、
    前記乗員の有無を判定するための判定閾値を、前記第2容量と前記第3容量との差分に基づき補正する、請求項5に記載の乗員検知装置。
  8. 車両用シートに設けられたアンテナ電極と前記車両用シートに着座する乗員との間に形成される容量に基づいて前記乗員を検知する乗員検知方法であって、
    電圧印加部が、前記アンテナ電極との間に容量を形成する導電部材に対し間欠的に固定電圧を印加するステップと、
    容量検出部が、前記アンテナ電極の容量を検出するステップと、
    乗員判定部が、前記電圧印加部により前記導電部材に前記固定電圧が印加されていない状態での前記アンテナ電極の第1容量と前記導電部材に前記固定電圧が印加された状態での前記アンテナ電極の第2容量とに基づき前記乗員の有無を判定するステップと、
    を含む乗員検知方法。
JP2014046894A 2014-03-10 2014-03-10 乗員検知装置および乗員検知方法 Pending JP2015168401A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014046894A JP2015168401A (ja) 2014-03-10 2014-03-10 乗員検知装置および乗員検知方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014046894A JP2015168401A (ja) 2014-03-10 2014-03-10 乗員検知装置および乗員検知方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015168401A true JP2015168401A (ja) 2015-09-28

Family

ID=54201515

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014046894A Pending JP2015168401A (ja) 2014-03-10 2014-03-10 乗員検知装置および乗員検知方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015168401A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4305519B2 (ja) 2電極型静電容量センサ、車両用乗員検出装置及び車両用乗員保護システム
JP5555942B2 (ja) ヒーティングシステム
US8882142B2 (en) Capacitive occupant detection system
EP2515715B1 (en) Capacitive occupant sensing system and method
US8994385B2 (en) Plural-frequency capacitive occupancy sensing system
JP2014163885A (ja) 静電容量式乗員検知センサ
JP5146257B2 (ja) シート着座検知システム
US9332592B2 (en) Seat heater and capacitive occupancy sensor combination
JP2008024086A (ja) 車両用座席装置及びその製造方法
JP2012035715A (ja) ヒーティングシステム
JP5555941B2 (ja) ヒーティングシステム
US8223016B2 (en) Capacitive occupant detection system
US20230089289A1 (en) Electric circuit structure for an alternating heating and capacitive measuring mode, and associated method
JP2014182111A (ja) 静電容量式乗員検知センサ
JP4324877B2 (ja) 静電容量式乗員検知センサ
JP2015168401A (ja) 乗員検知装置および乗員検知方法
RU2477837C2 (ru) Устройство детектирования объектов для механического транспортного средства
JP2015152307A (ja) 静電容量式乗員検知センサ
JP6144641B2 (ja) 静電容量式乗員検知装置
US20230257015A1 (en) Electric circuit structure for an alternating heating and capacitive measuring mode with function test, and associated method
JP5490043B2 (ja) 乗員検知装置
JP5941822B2 (ja) 静電容量式乗員検知装置
JP2011163779A (ja) 乗員検知装置
JP2013163413A (ja) 乗員検知装置および乗員検知方法
US11525704B2 (en) Sensor device with capacitive sensor