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JP2015158135A - ポンプ - Google Patents

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JP2015158135A JP2014031842A JP2014031842A JP2015158135A JP 2015158135 A JP2015158135 A JP 2015158135A JP 2014031842 A JP2014031842 A JP 2014031842A JP 2014031842 A JP2014031842 A JP 2014031842A JP 2015158135 A JP2015158135 A JP 2015158135A
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Abstract

【課題】空気吸込渦を確実に防ぐことができ、施工性が良好なポンプを提供する。【解決手段】ケーシング11の外周部に吸込口16にかけて延びるガイド部材21A〜21Dを配設する。このガイド部材21A,21Bに対して、吸込水槽1内の水位に追従して縦方向へ移動でき、吸込水槽1内の水流に追従して横方向へ移動できるように、フロート26A,26Bを配設する。【選択図】図1

Description

本発明は、吸込水槽に溜められた水を排水するポンプに関する。
立軸ポンプは、下端側に吸込口が形成され、上端側に吐出管が接続されるケーシングを備える。ケーシング内に配設された羽根車を回転させることにより、吸込口から吸込水槽内の水を吸い込んで、吐出管を介して下流側の吐出水槽などへ排水する。しかし、排水により吸込水槽内の水が少なくなると、水面から吸込口にかけて延びる水流が生じ、断続的または連続的に空気を吸い込む空気吸込渦が発生する。この空気吸込渦は、ポンプの振動の原因の1つであり、ポンプ床の損傷および劣化に繋がる。
空気吸込渦の発生を防止する装置が特許文献1,2に記載されている。特許文献1の渦防止装置は、球状をなす複数の浮子を備え、可撓索によってポンプのケーシングに連結されている。特許文献2の空気吸込渦防止装置は、ポンプケーシングの外周部の空気吸込渦が発生する全て領域を覆うことが可能な大型の円環状の浮きを備え、ポンプのケーシングに上下動自在に取り付けられている。これらは、水面から吸込口にかけて延びる水流上に浮きが位置することにより、空気吸込渦の発生を防止する。
しかしながら、特許文献1の渦防止装置は、経年的に可撓索が劣化して浮子が離脱すると、吸込口から浮子を吸い込んでポンプが故障する可能性がある。また、特許文献2の渦防止装置は、ポンプ床の挿通孔より大きい浮きをケーシングの外側に嵌合する構成であるため、施工性が悪い。しかも、特許文献2の浮きは、羽根車を配設する径方向外側に膨出したベーンケースの下方での空気吸込渦の発生を防止できない。
実開昭52−147906号公報 特開2002−5070号公報
本発明は、施工性がよく、空気吸込渦を確実に防ぐことが可能なポンプを提供することを課題とする。
本発明のポンプは、下端側に吸込水槽内の水を吸い込む吸込口が形成されるとともに、上端側に吐出管が接続され、内部に前記吸込水槽内の水を排水する羽根車が配設されたケーシングと、前記ケーシングの外周部に配設され、前記吸込口にかけて延びるガイド部材と、前記吸込水槽内の水位に追従し前記ガイド部材に沿って縦方向へ移動可能に配設されるとともに、前記吸込水槽内の水流に追従し前記ガイド部材に対して横方向へ移動可能に配設されたフロートとを備える。
このポンプは、吸込水槽内の水位に追従し、フロートがガイド部材に沿って縦方向に移動する。また、空気吸込渦が発生すると、空気吸込渦の渦流(水流)によってフロートが横方向に移動する。そして、フロートが空気吸込渦を上方から覆うことにより、空気吸込渦を消滅させることができる。
また、ポンプは、ケーシングの周囲に配設したガイド部材にフロートを配設する簡素な構成であるため、既存のポンプ機場であっても吸込水槽の形状を変更することなく、容易に施工できる。また、ケーシングの吸込口にかけて延びるガイド部材に対して、フロートを縦方向および横方向へ移動可能に配設しているため、フロートの離脱を防止しつつ、ケーシングの周囲で発生する空気吸込渦を確実に防止できる。
前記フロートを、前記ガイド部材の外径より大きい内径の挿通部を有する環状とすることが好ましい。このようにすれば、ガイド部材の外径とフロートの内径の寸法差分、フロートが横方向に移動可能である。そして、フロートの外周部が通るカバー領域内で空気吸込渦が発生すると、その水流によりフロートが空気吸込渦上に移動し、空気吸込渦を確実に消滅することができる。
または、前記フロートを、前記ガイド部材を中心として回転可能な非円形状とすることが好ましい。このようにすれば、非円形状のフロートの外周部が通る回転範囲内で空気吸込渦が発生すると、その水流によりフロートが空気吸込渦上に回転し、空気吸込渦を確実に消滅することができる。
前記ケーシングを縦方向上側から見て、前記吸込口に対して前記吸込水槽内への水の流入方向下流側に位置する前記ガイド部材に、前記フロートを配設している。この場合、前記吸込水槽内への水の流入方向下流側に一対の前記ガイド部材を配設するとともに、これらガイド部材にそれぞれ前記フロートを配設し、これらフロート間に連続板を設けることが好ましい。このように、空気吸込渦が発生する水の流入方向下流側だけにフロートを配設し、一対のフロート間に連続板を設けているため、空気吸込渦の発生を防止できる範囲を広げることができる。
前記ガイド部材を中心とした前記フロートの径方向の幅は、前記吸込水槽内の水面で発生する空気吸込渦の直径より大きい。このようにすれば、空気吸込渦の発生を確実に防止できる。
前記ガイド部材に、前記フロートが前記ガイド部材の下端から脱落することを防ぐ下側ストッパ部材を設けることが好ましい。また、前記ガイド部材に、前記フロートが前記ガイド部材の上端から離脱することを防ぐ上側ストッパ部材を設けることが好ましい。このようにすれば、フロートの脱落を確実に防止しつつ、確実に空気吸込渦の発生を防止できる。
本発明のポンプは、ケーシングの周囲にガイド部材を配設し、このガイド部材にフロートを配設した簡素な構成であるため、容易に施工できる。また、ガイド部材にフロートを縦方向および横方向へ移動可能に配設しているため、フロートの離脱を防止しつつ、空気吸込渦の発生を確実に防止できる。
本発明の第1実施形態のポンプを示す側断面図。 吸込水槽に対するガイド部材およびフロートの配設位置を示す平断面図。 図1の一部拡大図。 ガイド部材とフロートの構成を示す平断面図。 第2実施形態のガイド部材とフロートの構成を示す平断面図。 第3実施形態のガイド部材とフロートの構成を示し、(A)は平断面図、(B)は側断面図。 第4実施形態のガイド部材とフロートの構成を示す側断面図。 第5実施形態のガイド部材とフロートの構成を示す側断面図。 第6実施形態のポンプを示す側断面図。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1および図2は、本発明の第1実施形態に係る立軸ポンプ10を示す。この立軸ポンプ10は、ポンプ床3に吊り下げるように設置され、吸込水槽1内で鉛直下向きに延びるポンプケーシング11を備える。このポンプケーシング11に、フロート26A,26Bと、フロート26A,26Bを移動可能に装着するガイド部材21A,21Bとを一体的に付設し、空気吸込渦Vの発生を防止する。
立軸ポンプ10を設置するポンプ機場は、コンクリート等の打設により設けられている。このポンプ機場は、図示しない流入側管路から流入する雨水等の水を一時的に貯留する吸込水槽1を備える。吸込水槽1は、水の流入方向下流側が端壁2により閉塞され、上方がポンプ床(据付床)3により覆われている。ポンプ床3は、底から所定間隔をあけて水平方向に延びるように設けられ、吸込水槽1内に連通するポンプ挿通孔4が設けられている。
ポンプケーシング11は、ポンプ床3のポンプ挿通孔4に上側から差し込まれた状態で固定される。このポンプケーシング11は、ポンプ挿通孔4から下向きに延びるように配置される直管状の揚水管12と、この揚水管12上に配置される吐出ベンド17とを備える。
揚水管12の上端には、ポンプ床3のポンプ挿通孔4上に固定するためのベースプレート13が配設されている。揚水管12の下端には、径方向外向きに膨出した楕円筒状のベーンケース14が連結されている。ベーンケース14の下端には、下向きに漸次拡径した略円錐筒状の吸込ベルマウス15が連結される。吸込ベルマウス15の下端開口である吸込口16は、吸込水槽1の底に対して所定間隔Iを隔てて対向配置される。
吐出ベンド17は、ベースプレート13上に連結され、揚水管12を通した垂直方向の水流を水平方向に変える90度湾曲した曲がり管である。吐出ベンド17には、吸込水槽1の下流側の吐出水槽(図示せず)に連通する吐出管18が接続されている。
ベーンケース14内には、吸込水槽1内の液体を排出するための羽根車19が配設されている。この羽根車19は、揚水管12の軸線に沿って貫通配置された回転軸20の下端に連結されている。この回転軸20の上端側は吐出ベンド17を貫通して外部に突出され、図示しないモータ、減速機等からなる駆動機構に連結される。
図1に示すように、揚水管12には、上方から吸込口16にかけて、軸方向に沿って延びるガイド部材21A〜21Dが配設されている。これらガイド部材21A〜21Dは、吸込水槽1内に流入した水(水流)、および、フロート26A,26Bの浮動による負荷で変形しない剛体(金属)からなる。ガイド部材21A〜21Dは、ポンプケーシング11の径方向外側に間隔を開けて配置され、回転軸20と平行に鉛直方向下向きに延びている。
図2に示すように、ガイド部材21A,21Bは、ポンプケーシング11を軸(縦)方向上側から見て、吸込口16に対して吸込水槽1内への流入方向下流側(端壁2側)に位置するように配管されている。また、ガイド部材21C,21Dは、吸込口16より吸込水槽1内への水の流入方向上流側に位置するように配管されている。
そのうち、ガイド部材21A,21Bは、ポンプケーシング11の軸線と吸込水槽1の端壁2の両端(角部)とを結ぶ基準線Lを基準として配管されている。この基準線L上は、吸込水槽1の端壁2により発生する渦流Cの中心が位置するため、この基準線Lの近傍で空気吸込渦Vが発生することが多い。そのため、ガイド部材21A,21Bは、基準線Lを基準とした所定範囲(例えば±20度)内に配管することが好ましく、本実施形態では基準線L上に配設している。
図1に示すように、ガイド部材21A〜21Dの下端側には、径方向内向きに屈曲する屈曲部22が設けられている。この屈曲したガイド部材21A〜21Dの下端は、回転軸20の軸線を中心とする円環状の下側ストッパ部材23により連結されている。この下側ストッパ部材23は、フロート26A,26Bがガイド部材21A,21Bの下端から脱落することを防止する。また、下側ストッパ部材23は、吸込ベルマウス15の外側に間隔を隔てて取り囲むように位置する。下側ストッパ部材23と吸込ベルマウス15との間には、吸込ベルマウス15の外周面に沿って下側外向きに流れる副流を形成する副流路24が形成される。この副流路24は、円弧状をなす吸込ベルマウス15の形状と、断面円形状をなす下側ストッパ部材23とで、径方向外向きに拡開する角部がない流曲線状に形成される。
ガイド部材21A〜21Dの上端は、揚水管12から径方向外向きに突出するように装着した上側ストッパ部材25により連結されている。この上側ストッパ部材25は、フロート26A,26Bがガイド部材21A,21Bの上端から離脱することを防止する。また、上側ストッパ部材25は、ガイド部材21A〜21Dを揚水管12の外周部に固定するブラケットの役割を兼ねる。具体的には、下側ストッパ部材23とガイド部材21A〜21Dとを一体化し、ガイド部材21A,21Bにフロート26A,26Bを配置する。この状態で、ポンプケーシング11に固定した上側ストッパ部材25にガイド部材21A〜21Dを固定することにより配設する。
ガイド部材21A,21Bには、吸込水槽1内の水位に追従して縦方向へ移動するとともに、吸込水槽1内への水流に追従して横方向へ移動するフロート26A,26Bが配設されている。このフロート26A,26Bは、ガイド部材21A,21Bの外径より大きい内径の挿通部27を有する環状であり、挿通部27内にガイド部材21A,21Bを挿通した状態で配設される。これによりフロート26A,26Bは、吸込水槽1内の水に浮き、ガイド部材21A,21Bに沿って縦方向に移動できるとともに、挿通部27とガイド部材21A,21Bの寸法設定による可動範囲内において横方向に移動できる。本実施形態のフロート26A,26Bは、水に浮くことが可能な樹脂により形成されている。また、図示では中実の成形品としているが、中空状に形成してもよい。
ここで、吸込水槽1内で発生する空気吸込渦Vについて説明する。空気吸込渦Vは、クボミ渦V1、断続渦V2および連続渦V3の順番で、水位が低くなるに従って成長する。具体的には、吸込水槽1内の水位が高い状態では、水面付近の流速が遅いため、空気吸込渦Vは発生しない。図3に示すように、排水によりベーンケース14の上方のクボミ渦発生領域H1まで水位が低下すると、水面の流速が速くなり、吸込口16に向けた水流により水面の一部が窪むクボミ渦V1が発生する。また、ベーンケース14の下方の断続渦発生領域H2まで水位が低下すると、水面から吸込口16にかけて断続的に空気を吸い込む断続渦V2に成長する。そして、吸込ベルマウス15の配設領域である連続渦発生領域H3まで水位が低下すると、水面から吸込口16にかけて連続的に空気を吸い込む連続渦V3に成長する。これら全ての渦を消滅(発生を防止)するために、ガイド部材21A〜21Dおよびフロート26A,26Bが配設される。
図1に示すように、立軸ポンプ10は、ポンプケーシング11の吸込口16が、吸込水槽1の底に対して、吸込口16の直径Dの半分(0.5D)の距離Iを隔てて対向配置される。そして、ガイド部材21A〜21Dは、フロート26A,26Bが吸込口16から渦発生高さH(H=H1+H2+H3)まで移動できるように寸法設定される。この渦発生高さHは、吸込口16の直径D(=吸込量)に相関関係があり、1.5Dから3.5Dの範囲で設定することが好ましく、本実施形態では2.5Dに設定している。よって、ガイド部材21A〜21Dの上端に配設する上側ストッパ部材25は、空気吸込渦Vの発生水位Hより上側に位置するように設けられる。また、下側ストッパ部材23は、フロート26A,26Bが吸込口16の高さ以下に位置するように設けられる。
前述のように、吸込水槽1内には、空気吸込渦Vが発生し易い基準線L上にガイド部材21A,21Bが配設されているため、このガイド部材21A,21Bだけでも空気吸込渦Vの発生を抑制できる。但し、空気吸込渦Vの発生は、基準線L上だけに限らない。そのため、基準線Lの近傍で散発する空気吸込渦Vの発生を防止するために、フロート26A,26Bがガイド部材21A,21Bに対して横方向へ移動可能に配設されている。図4に示すように、フロート26A,26Bによって空気吸込渦Vの発生を防止可能なカバー領域Rは、フロート26A,26Bの径方向の幅Wと、フロート26A,26Bの内縁とガイド部材21A,21Bの外縁の寸法差Sとで決定される。
フロート26A,26Bの径方向の幅Wは、空気吸込渦V(連続渦V3)の水面の直径より大きく設定される。また、ガイド部材21A,21Bと同一軸線上に配置したフロート26A,26Bにおいて、挿通部27の半径とガイド部材21A,21Bの半径の差Sの2倍(2S)が、フロート26A,26Bの可動範囲である。そのため、フロート26A,26Bの幅Wおよびガイド部材21A,21Bとフロート26A,26Bの寸法差Sを大きくすることにより、フロート26A,26Bの外周部が通ることが可能な軌跡であり、空気吸込渦Vの発生を防止することが可能なカバー領域Rを大きく設定できる。
このようにした立軸ポンプ10は、例えば吸込水槽1内に配設した図示しない水位センサの信号により羽根車19が回転駆動され、排水処理が開始される。この状態では、吸込水槽1内の水位は上側ストッパ部材25の上方に位置し、フロート26A,26Bは上側ストッパ部材25によって上方への浮き上がりが阻止され、水中に没入している。
排水によりクボミ渦発生領域H1まで水位が低下すると、フロート26A,26Bは水面で浮き、水位に追従してガイド部材21A,21Bに沿って縦方向に移動する。また、水面の水流に追従し、ガイド部材21A,21Bに対して可動範囲内で横方向に移動する。クボミ渦V1が発生すると、水面ではクボミ渦V1の中心に向けた渦流が生じるため、その水流にフロート26A,26Bが吸い込まれるように横方向に移動する。そして、クボミ渦V1を上方から覆い、空気の吸い込みを阻止することにより、クボミ渦V1を消滅する。
断続渦発生領域H2まで水位が低下し、断続渦V2が発生すると、水面ではクボミ渦V1より流速が速い渦流が生じる。そうすると、フロート26A,26Bは、断続渦V2に向けて横方向に確実に移動し、断続渦V2を上方から覆って断続渦V2を消滅する。また、連続渦発生領域H3まで水位が低下し、連続渦V3が発生すると、水面では更に流速が速い渦流が生じる。そうすると、フロート26A,26Bは、連続渦V3に向けて横方向に移動し、連続渦V3を上方から覆って連続渦V3を消滅する。
連続渦発生領域H3(吸込口16)より水位が低くなると、水面には、吸込口16の周囲が円環状に窪む同心渦が発生し、多量の空気が吸込口16から吸い込まれる。この水位を図示しない水位センサで検出することにより、羽根車19の回転駆動が停止され、排水処理が終了される。この状態では、フロート26A,26Bがガイド部材21A,21Bの下端に位置し、下側ストッパ部材23によって脱落が阻止される。
このように、本発明の立軸ポンプ10は、ポンプケーシング11の外周部に配設したガイド部材21A,21Bにフロート26A,26Bを移動可能に配設しているため、フロート26A,26Bの離脱を防止しつつ、空気吸込渦Vの発生を確実に防止できる。また、ポンプは、ポンプケーシング11の周囲に配設したガイド部材21A,21Bにフロート26A,26Bを配設した簡素な構成であるため、既存のポンプ機場であっても吸込水槽1の形状を変更することなく、容易に施工できる。
また、フロート26A,26Bは、ポンプケーシング11の外周部に配設したガイド部材21A〜21Dのうち、吸込水槽1内の空気吸込渦Vが発生する領域である水の流入方向下流側のガイド部材21A,21Bだけに配設されるため、部品点数を削減してコストダウンを図ることができる。また、上流側のガイド部材21C,21Dに余計な流体抵抗(負荷)が加わることを防止できる。
また、本実施形態では、フロート26A,26Bの脱落を防ぐための下側ストッパ部材23を円環状とし、吸込ベルマウス15の外側を取り囲むように配置することにより、下側ストッパ部材23と吸込ベルマウス15との間に副流路24を形成している。そのため、フロート26A,26Bによるカバー領域Rから離れた予期しない位置に空気吸込渦Vが発生した場合、図3に示すように、水面から吸込口16に向かう水流を、下側ストッパ部材23の外側を流れる主流Xと、副流路24を流れる副流Yとに分流することができる。そして、主流Xを水面から吸込ベルマウス15の吸込口16に向かって径方向内向きに流し、副流Yを吸込ベルマウス15の外周面に沿って径方向外向きに流すことにより、これら主流Xと副流Yを衝突させ、消滅(相殺)することができる。
(第2実施形態)
図5は第2実施形態の立軸ポンプ10を示す。この第2実施形態では、ガイド部材21A,21Bに配設する一対のフロート26A,26Bを扇形形状の連続板28によって連結した点で、第1実施形態と相違する。この連続板28は、フロート26A,26Bと同様に、水に浮くことが可能な樹脂により形成されている。
このようにした第2実施形態では、第1実施形態と同様の作用および効果を得ることができるうえ、フロート26A,26Bによるカバー領域Rから離れた予期しない位置に発生した空気吸込渦Vも防ぐことができる。カバー領域Rから離れた位置に空気吸込渦Vが発生すると、連続板28が空気吸込渦Vに向けて横方向に移動し、空気吸込渦Vを上方から覆って消滅させることができる。よって、空気吸込渦Vの発生を防止できる範囲を広げることができる。
(第3実施形態)
図6(A),(B)は第3実施形態の立軸ポンプ10のフロート29を示す。この第3実施形態のフロート29は非円形状をなし、ガイド部材21A,21Bを中心として回転可能に配設することで、吸込水槽1内の水流に追従して横方向へ移動可能とした点で、第1実施形態と相違する。
フロート29は扇形状をなし、その中心に円筒状のスリーブ30が一体的に設けられている。スリーブ30は、ガイド部材21A,21Bに対して軸方向に沿って移動可能な内径で形成される。スリーブ30の内縁からフロート29の外縁までの幅Wは、空気吸込渦Vの発生を防止するカバー領域Rに基づいて設定される。また、周方向の角度Aは、周方向両端間の幅が形成される空気吸込渦Vの水面の直径より大きくなるように設定される。
このようにした第3実施形態では、吸込水槽1内の水位に追従し、スリーブ30内のガイド部材21A,21Bに沿って縦方向に移動できる。また、水面の水流に追従し、ガイド部材21A,21Bに対して横方向に回転移動できる。よって、第1実施形態と同様に、クボミ渦V1、断続渦V2および連続渦V3等の空気吸込渦Vを確実に防止(消滅)できる。
(第4実施形態)
図7は第4実施形態の立軸ポンプ10を示す。この第4実施形態では、ポンプケーシング11の外周部に位置するように、ポンプ床3から吸込口16を越え吸込水槽1の底にかけてガイド部材21A〜21Dを配設するようにした点で、第1実施形態と相違する。この立軸ポンプ10は、吸込水槽1の底面が下側ストッパ部材の役割を兼ね、ポンプ床3の下面が上側ストッパ部材の役割を兼ねる。
このようにした第4実施形態では、第1実施形態と同様の作用および効果を得ることができる。しかも、ポンプケーシング11の定位置にガイド部材21A〜21Dを固定する必要がないため、施工性を向上できる。なお、第4実施形態では、ガイド部材21A,21Bに第1実施形態と同様のフロート26A,26Bを配設しているが、第2実施形態と同様に連続板28によって一体化したフロート26A,26Bを用いてもよいうえ、第3実施形態と同様に扇形状のフロート29を用いてもよい。
(第5実施形態)
図8は第5実施形態のポンプを用いたポンプ設備を示す。この第5実施形態では、複数(本実施形態では2個)の立軸ポンプ10A,10Bが吸込水槽1内にステップ配置されている。具体的には、水の流入方向上流側の立軸ポンプ10Aは、ポンプケーシング11Aの全高が高く、吸込口16Aが吸込水槽1の底近傍に位置する。流入方向下流側の立軸ポンプ10Bは、ポンプケーシング11Bの全高が低く、吸込口16Bが吸込水槽1の底から離れて位置する。複数の立軸ポンプ10A,10Bによって同時に排水処理を実行することで、下流側の吐出水槽への排水量を増加可能としている。
このようにステップ配置した立軸ポンプ10A,10Bにおいても、空気吸込渦Vの問題が生じる。そのため、この第5実施形態では、全高を同一とした同一規格のガイド部材21A〜21Dおよびフロート26A,26Bを配設している。これにより、第1実施形態と同様に、各立軸ポンプ10A,10Bで空気吸込渦Vの発生を防止できるようにしている。
なお、第5実施形態では、第1実施形態と同様のガイド部材21A〜21Dおよびフロート26A,26Bを用いているが、第2実施形態と同様に連続板28によって一体化したフロート26A,26Bを用いてもよいうえ、第3実施形態と同様に扇形状のフロート29を用いてもよい。また、第4実施形態と同様に、ガイド部材21A〜21Dをポンプ床3から吸込水槽1の底にかけて延びるように配設してもよい。
(第6実施形態)
図9は、第6実施形態のポンプである横軸ポンプ40を示す。この横軸ポンプ40のポンプケーシング41は、吸込水槽1の底の近傍から上向きに延びる吸込ベルマウス42と、吸込ベルマウス42による上向きの水流を横向きに変える吐出ベンド46と、吐出ベンド46からの水流を水平方向に排出するベーンケース48とを備えている。
吸込ベルマウス42の下端の吸込口43は、吸込水槽1の底に対して所定の距離Iを隔てて対向配置される。また、吸込ベルマウス42には、水中渦防止リブ44を一体成形した軸心ベルマウス45が配設されている。吐出ベンド46は、本実施形態では直管状の揚水管47を介して吸込ベルマウス42の上端に連結されている。ベーンケース48は径方向外向きに膨出した楕円球状をなし、その出口側に吐出管49が接続されている。
このポンプケーシング41には、ベーンケース48の軸線に沿って水平(横)方向に延びるように回転軸50が貫通して配置されている。ベーンケース48内には羽根車51が回転可能に配設され、この羽根車19に回転軸50が連結されている。
この横軸ポンプ40において、吐出ベンド17の下部の鉛直(縦)方向に延びる部分に、第1実施形態と同様のガイド部材21A〜21Dおよびフロート26A,26Bが配設されている。この第6実施形態では、第1実施形態と同様に、空気吸込渦Vを防止できる。また、第2実施形態と同様に連続板28によって一体化したフロート26A,26Bを用いてもよいうえ、第3実施形態と同様に扇形状のフロート29を用いてもよい。
このように、空気吸込渦を防止するために、フロートをガイド部材によって配設するという本発明の構成は、立軸ポンプ10や横軸ポンプ40等のポンプ形式に拘わらず適用可能である。
なお、本発明のポンプは、前記各実施形態の構成に限定されず、種々の変更が可能である。
例えば、各実施形態では、ポンプケーシング11の軸線に沿って鉛直方向に延びるように、ガイド部材21A〜21Dを配設したが、ポンプケーシング11の軸線と交差するように、ガイド部材21A〜21Dを所定角度で傾斜させて配設してもよい。また、各実施形態では、4本のガイド部材21A〜21Dを配設し、2本のガイド部材21A,21Bにフロート26A,26Bを配設したが、ガイド部材の本数およびフロートの数は希望に応じて変更が可能である。また、ガイド部材は、フロートを配設する下流側だけに配設してもよい。
1…吸込水槽
2…端壁
3…ポンプ床
4…ポンプ挿通孔
10,10A,10B…立軸ポンプ
11,11A,11B…ポンプケーシング
12…揚水管
13…ベースプレート
14…ベーンケース
15…吸込ベルマウス
16,16A,16B…吸込口
17…吐出ベンド
18…吐出管
19…羽根車
20…回転軸
21A〜21D…ガイド部材
22…屈曲部
23…下側ストッパ部材
24…副流路
25…上側ストッパ部材
26A,26B…フロート
27…挿通部
28…連続板
29…フロート
30…スリーブ
40…横軸ポンプ
41…ポンプケーシング
42…吸込ベルマウス
43…吸込口
44…水中渦防止リブ
45…軸心ベルマウス
46…吐出ベンド
47…揚水管
48…ベーンケース
49…吐出管
50…回転軸
51…羽根車

Claims (8)

  1. 下端側に吸込水槽内の水を吸い込む吸込口が形成されるとともに、上端側に吐出管が接続され、内部に前記吸込水槽内の水を排水する羽根車が配設されたケーシングと、
    前記ケーシングの外周部に配設され、前記吸込口にかけて延びるガイド部材と、
    前記吸込水槽内の水位に追従し前記ガイド部材に沿って縦方向へ移動可能に配設されるとともに、前記吸込水槽内の水流に追従し前記ガイド部材に対して横方向へ移動可能に配設されたフロートと
    を備えることを特徴とするポンプ。
  2. 前記フロートを、前記ガイド部材の外径より大きい内径の挿通部を有する環状としたことを特徴とする請求項1に記載のポンプ。
  3. 前記フロートを、前記ガイド部材を中心として回転可能な非円形状としたことを特徴とする請求項1に記載のポンプ。
  4. 前記ケーシングを縦方向上側から見て、前記吸込口に対して前記吸込水槽内への水の流入方向下流側に位置する前記ガイド部材に、前記フロートを配設していることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のポンプ。
  5. 前記吸込水槽内への水の流入方向下流側に一対の前記ガイド部材を配設するとともに、これらガイド部材にそれぞれ前記フロートを配設し、これらフロート間に連続板を設けたことを特徴とする請求項2を引用する請求項4に記載のポンプ。
  6. 前記ガイド部材を中心とした前記フロートの径方向の幅は、前記吸込水槽内の水面で発生する空気吸込渦の直径より大きいことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のポンプ。
  7. 前記ガイド部材に、前記フロートが前記ガイド部材の下端から脱落することを防ぐ下側ストッパ部材を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のポンプ。
  8. 前記ガイド部材に、前記フロートが前記ガイド部材の上端から離脱することを防ぐ上側ストッパ部材を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のポンプ。
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