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JP2015152583A - 騒音低減装置の性能評価システム及び騒音低減装置の性能評価方法 - Google Patents

騒音低減装置の性能評価システム及び騒音低減装置の性能評価方法 Download PDF

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一泰 榊原
田中 洋介
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Abstract

【課題】マイクロフォンの位置に応じた評価結果にバラツキを無くして、評価精度を向上させた騒音低減装置の性能評価システムを提供する。
【解決手段】環状空洞SPを有する構造物1の空洞内空気を加振する加振手段3と、環状空洞SPに配置され、環状空洞SPの音波を低減する騒音低減装置2と、環状空洞SPに配置される複数のマイクロフォン4と、複数のマイクロフォン4で計測した音波に基づき騒音低減装置2の性能値を算出する評価装置5と、を有する。加振手段3による加振位置3aを境界として環状空洞SPを第1領域Ar1と第2領域Ar2の半分に分割した場合に、複数のマイクロフォン4は第1領域Ar1のみに配置され、騒音低減装置2は第2領域Ar2のみに配置されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、環状空洞を有するタイヤ等の構造物に設けた騒音低減装置の性能評価システム及び性能評価方法に関する。
電気自動車やハイブリッドカーの普及、従来のガソリン車の技術向上による静音化が進み、タイヤで生じる騒音低減の要求が強くなっている。タイヤで生じる騒音の一つとしてタイヤ内空洞共鳴音が知られており、その対策として吸音材等の騒音低減装置をタイヤ内部に設けることが知られている。
しかし、吸音材等の性能は材質だけでなく、吸音材等の形状や貼付状況によって変化するので使用状況に合った評価法が必要となる。
従来の吸音材等の性能評価方法として音響管法が知られている。音響管法は、棒状の円筒管の一端にスピーカ等の加振手段を設け、他端に吸音材等を設け、中間部に複数のマイクロフォンを設けた装置を用い、加振手段からマイクロフォンに至る入射波と、吸音材等で減衰されつつ反射してマイクロフォンに至る反射波とに基づいて吸音材等の吸音率(性能値)を算出する方法である。音響管法の応用例の一例として例えば特許文献1が挙げられる。
上記音響管法は、空気入りタイヤのように音波の伝搬経路が閉ループを形成する環状空洞を有する構造物が計測対象ではないため、空気入りタイヤにそのまま適用することはできない。
そこで、本発明の発明者らは、非特許文献1に記載のように、空気入りタイヤをモデル化した構造物の空洞内空気を加振するスピーカ(加振手段)と、前記空洞内の外周部に一周に亘り貼り付けた吸音材等と、前記空洞内に設けた複数のマイクロフォンとを用い、マイクロフォンで計測した音波に基づき吸音材等または騒音低減装置の吸音率(性能値)を算出する方法を提案した。
特開2001−289707号公報
京都工芸繊維大学 中村誠希、田中洋介、小林貴紀、村田滋,タイヤ内の吸音性能評価法の開発,日本機械学会関西学生会平成24年度学生員卒業研究発表講演会前刷集('13.3)、P15-4
しかしながら、非特許文献1に記載の方法では、マイクロフォンを配置する位置によって吸音材の吸音率(性能値)が異なり、測定結果にバラツキが生じてしまう。測定結果の安定性を確保するためには、マイクロフォンの配置位置にかかわらず、測定結果が一定でなければならない。すなわち、非特許文献1に記載の内容では、吸音材の吸音率をバラツキ無く正確に把握することができていないことが判明した。
本発明は、このような課題に着目してなされたものであって、その目的は、マイクロフォンの位置に応じた評価結果のバラツキを無くして、評価精度を向上させた騒音低減装置の性能評価システム及び性能評価方法を提供することである。
上記ではタイヤ内の騒音を計測しているが、本発明は、タイヤに限定されずタイヤ以外の構造物であって、環状空洞を有する物にも適用可能である。
非特許文献1に記載のように、環状管構造物の内面一周に吸音材を貼り付けた場合では、加振位置から第1領域を通りマイクロフォンに到達する第1音波と、加振位置から第2領域を経てマイクロフォンに到達する第2音波のいずれも吸音材による影響を受ける。マイクロフォンの位置に応じて第1音波と第2音波が受ける吸音効果の度合いが変わるため、マイクロフォンの位置に応じて測定結果が変化することが判明した。そのため、吸音材の性能値を的確に評価できていなかったと考えられる。
本発明は、上記目的を達成するために、次のような手段を講じている。
すなわち、本発明の騒音低減装置の性能評価システムは、環状空洞を有する構造物の空洞内空気を加振する加振手段と、前記環状空洞に配置され、前記環状空洞の音波を低減する騒音低減装置と、前記環状空洞に配置される複数のマイクロフォンと、前記複数のマイクロフォンで計測した音波に基づき前記騒音低減装置の性能値を算出する評価装置と、を備え、前記加振手段による加振位置を境界として前記環状空洞を第1領域と第2領域の半分に分割した場合に、前記複数のマイクロフォンは前記第1領域のみに配置され、前記騒音低減装置は前記第2領域のみに配置されていることを特徴とする。
また、本発明の騒音低減装置の性能評価方法は、環状空洞を有する構造物に対して前記環状空洞の空気を加振する加振手段を設置すると共に、前記環状空洞内の音波を低減する騒音低減装置及び複数のマイクロフォンを前記環状空洞に配置する準備工程と、前記加振手段を介して空気を加振し、それにより生じた音波を前記複数のマイクロフォンで計測する実測工程と、前記複数のマイクロフォンの計測結果に基づき前記騒音低減装置の性能値を評価装置で算出する性能値算出工程と、を有し、前記準備工程において、前記加振手段による加振位置を境界として前記環状空洞を第1領域と第2領域の半分に分割した場合に、前記複数のマイクロフォンを前記第1領域のみに配置し、前記騒音低減装置を前記第2領域のみに配置する。
上記システム及び方法によれば、マイクロフォンは、加振位置から第1領域のみを通り騒音低減装置の影響を受けることなくマイクロフォンに到達する第1音波と、加振位置から第2領域を経て騒音低減装置の影響を受けてマイクロフォンに到達する第2音波とを計測可能となる。これにより、騒音低減装置の性能値を精度よく算出可能になる。しかも、マイクロフォンを第1領域に配置していればマイクロフォンの位置が変化しても計測精度を損なうこともない。したがって、マイクロフォンの位置に応じた評価結果のバラツキを無くして、評価精度を向上させることが可能となる。
本発明の好ましい適用例としては、前記構造物は、空気入りタイヤであることが挙げられる。
本発明の好ましい適用例としては、前記騒音低減装置は、吸音材であることが挙げられる。
本発明の好ましい適用例としては、前記騒音低減装置は、騒音を低減させる共鳴器を有する共鳴型騒音低減装置であることが挙げられる。
本発明の好ましい適用例としては、前記騒音低減装置は、騒音を打ち消す音波を加振することで騒音を低減するアクティブ型騒音制御装置であることが挙げられる。
本発明の騒音低減装置の性能評価システムを示す図。 環状空洞を有する構造物、加振手段、マイクロフォンに関する図。 本発明の騒音低減装置の性能評価方法を示すフローチャート。 従来方法において、或る位置にマイクロフォンを置いた場合の測定結果を示す図。 従来方法において、図4Aとは異なる位置にマイクロフォンを置いた場合の測定結果を示す図。 本発明においてマイクロフォンの位置を異ならせた測定結果を示す図。 本発明において騒音低減装置の設置状態を異ならせた測定結果を示す図。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
[騒音低減装置の性能評価システム]
本実施形態の騒音低減装置の性能評価システムは、図1及び図2に示すように、環状空洞SPを有する構造物1であるタイヤ又はタイヤモデルに設けた騒音低減装置2の性能を評価するシステム(装置)である。環状空洞SPを有する構造物1は、空気入りタイヤのように音波の伝搬経路が閉ループを形成する構造物を意味する。リム組みした空気入りタイヤ以外の例では、例えば、建物に設けられる閉ループを有する空気ダクトなどが考えられる。本実施形態では、厚さ5mmのアクリル板を用い、タイヤに見立てて製作したタイヤモデルを評価対象の構造物としている。タイヤモデルは、外径633mm、内径370mm、高さ(タイヤ幅)190mmとしている。勿論、実際の空気入りタイヤをリム組みして内圧を加えたものでもよい。
本システムは、環状空洞SPを有する構造物の空洞内空気を加振する加振手段3と、環状空洞SPに配置され、環状空洞SPの音波を低減する騒音低減装置2と、環状空洞SPに配置される複数のマイクロフォン4と、複数のマイクロフォン4で計測した音波に基づき騒音低減装置2の性能値を算出する評価装置5(制御部)と、を有する。
本実施形態では、加振手段3としてスピーカを用いている。スピーカは、構造物1(タイヤモデル)の外側に配置されており、構造物1の外から環状空洞SPにある空気を間接的に加振する。勿論、スピーカを構造物1の内部に配置して、空洞内空気を直接的に加振するようにしてもよい。また、加振手段3としては、スピーカ以外に、インパクト入力や加振器等の物理的な衝撃入力手段により空気を加振するようにしてもよい。
本実施形態では、騒音低減装置2として、発泡ウレタンシートを用いた吸音材2を環状空洞SPに配置している。加振手段3による加振位置3aを境界として環状空洞SPを第1領域Ar1と第2領域Ar2の半分に分割した場合に、吸音材2は第2領域のみに配置している。本実施形態では、第2領域Ar2の外周部全面に吸音材2を貼り付けているが、第2領域Ar2の一部のみに吸音材2を設けてもよい。
複数のマイクロフォン4は、環状空洞SPの第1領域Ar1のみに配置されている。本実施形態ではマイクロフォン4を2つ設けているが、2つ以上あればよい。本実施形態では、環状空洞SPの中間部分(点線で示す)、すなわち径480mm上にマイクロフォン4を配置している。
評価装置5は、通常のパーソナルコンピュータ等の情報処理装置を用いたもので、マイクロフォン4からの信号が入力されると共に、加振手段3(スピーカ)への信号を出力可能に構成されている。図1では、安定化電源50に接続された増幅器51、データロガー52等の各種インターフェイスを介してマイクロフォン4からの信号が評価装置5へ入力される。評価装置5は、複数のマイクロフォン4で計測した音波に基づき騒音低減装置2(吸音材2)の性能値(吸音率α)を算出する。
具体的には、環状空洞を音響管へとモデル化できるので、図2に示すように、加振位置3aから第1領域Ar1のみを通りマイクロフォン4に至る第1音波w1(図中では右回りの音波である)を入射波とし、加振位置3aから第2領域Ar2を通ってマイクロフォン4に至る第2音波w2(図中では左回りの音波である)を反射波とし、2つのマイクロフォン4を用いた伝達関数法を適用する。伝達関数法では、音響管内の音圧を入射波による音圧と反射波による音圧の和として表現し、基準面(x=0)での音圧をp、波長定数をkとすれば、次の式(1),(2)で各マイクロフォンでの音圧p,pが表される。各マイクロフォン位置はそれぞれx,xである。
Figure 2015152583

第1項が入射波に関し、第2項が反射波に関する。
入射波に関する伝達関数H、反射波に関する伝達関数H、及び2つのマイクロフォン間の伝達関数H12は、それぞれ次の式(3)〜(5)で表される。
Figure 2015152583
音響反射率rは、式(3)〜(5)を用いた次の式(6)で表される。
Figure 2015152583

及びrは、音響反射率rの実部と虚部である。
吸音率αは次の式(7)で表される。吸音率αは騒音低減装置2の性能値といえる。
Figure 2015152583
評価装置5(制御部)は、マイクロフォン4で計測したデータと上記演算式を用いて吸音率α(騒音低減装置の性能値)を算出する。
[騒音低減装置の性能評価方法]
上記システムを用い、環状空洞を有する構造物に設けた騒音低減装置の性能を評価する方法について、図3を参照しつつ説明する。
まず、ステップST1において準備工程を実行する(図3参照)。準備工程は、図2に示すように、環状空洞SPを有する構造物1に対して環状空洞内空気を加振する加振手段3を設置すると共に、環状空洞内の音波を低減する騒音低減装置2及び複数のマイクロフォン4を環状空洞SPに配置する。この際、同図に示すように、加振手段3による加振位置3aを境界として環状空洞SPを第1領域Ar1と第2領域Ar2の半分に分割した場合に、複数のマイクロフォン4を第1領域Ar1のみに配置し、騒音低減装置2を第2領域Ar2のみに配置する。
次のステップST2において実測工程を実行する(図3参照)。実測工程は、加振手段3を介して空気を加振し、それにより生じた音波(w1,w2)を複数のマイクロフォン4で計測する。
次のステップST3において性能値算出工程を実行する(図3参照)。性能値算出工程は、複数のマイクロフォン4の計測結果に基づき騒音低減装置2の性能値を評価装置5が算出する。
従来技術と本発明の効果を以下に示す。
従来技術としては非特許文献1に記載の通り、タイヤモデル(構造物1)の環状空洞の外周部全周に吸音材を貼り付けている。使用した吸音材のかさ密度は24kg/m、厚みは25mmである。スピーカでホワイトノイズを発振し、2つのマイクロフォンで計測し、400倍のアンプを通してデータロガーで記録した。測定結果を周波数毎に吸音率αを計算した。図4は、測定結果を点で示すと共に、測定結果の移動平均線を示している。図4Aは、x=188.4mm(θ=45°)の結果である。図4Bは、x=376.8mm(θ=90°)の結果である。xは図2に示すようにx=0(θ=0°)を基準にした外周の周長上の距離に相当する.
図4A及び図4Bを比較すれば、両者の吸音率αが大きく異なることから、マイクロフォン4の位置によって性能値(吸音率α)に変化が生じており、評価精度にバラツキが生じている。
これに対し、本発明においては、吸音材を厚み5mmとし、図2に示すように第2領域(タイヤモデルの半周)のみに貼り付けた。測定結果がマイクロフォン位置に依存するか否かを検証するために、2つのマイクロフォンx1,x2をペアとして,3つのマイクロフォン・ペア位置を実験した。1つ目のマイクロフォン・ペア位置No.0は、x=0.051mm、x=0.0mmとした。2つ目のマイクロフォン・ペア位置No.1は、x=0.086mm、x=0.035mmとした。3つ目のマイクロフォン・ペア位置No.2は、x=0.121mm、x=0.07mmとした。結果を図5Aに示す。図5Aと図4を比較すれば、マイクロフォン位置に拘わらず、吸音率αがほぼ一致していることが分かる。したがって、マイクロフォンの位置に応じた評価結果のバラツキを無くして、評価精度を向上できた。
次に、騒音低減装置(吸音材)の貼り付け状況に応じた吸音率αを計測できるか否かを確認するために、吸音材を全く貼り付けない場合と、吸音材の厚みを5mmとした場合と、厚みを10mmとした場合の3つのパターンで測定した。結果を図5Bに示す。図5Bを見れば、吸音材を設けた方が吸音材を設けない場合よりも吸音率αが高まり、吸音材の厚みが増加するほど吸音効果(性能値)が高まることが確認できた。
なお、図5A、Bにおいて一部の周波数にて結果にバラツキが生じているが、当該周波数帯にて共鳴が発生し、そのために測定バラツキが生じたと考えられる。
以上のように、本実施形態の騒音低減装置の性能評価システムは、環状空洞SPを有する構造物1の空洞内空気を加振する加振手段3(スピーカ)と、環状空洞SPに配置され、環状空洞SPの音波を低減する騒音低減装置2(吸音材2)と、環状空洞SPに配置される複数のマイクロフォン4と、複数のマイクロフォン4で計測した音波に基づき騒音低減装置2(吸音材2)の性能値を算出する評価装置5と、を備える。加振手段3による加振位置3aを境界として環状空洞SPを第1領域Ar1と第2領域Ar2の半分に分割した場合に、複数のマイクロフォン4は第1領域Ar1のみに配置され、騒音低減装置2は第2領域Ar2のみに配置されている。
本実施形態の騒音低減装置の性能評価方法は、環状空洞SPを有する構造物1に対して環状空洞の空気を加振する加振手段3を設置すると共に、環状空洞SP内の音波を低減する騒音低減装置2及び複数のマイクロフォン4を環状空洞SPに配置する準備工程(ST1)と、加振手段3を介して空気を加振し、それにより生じた音波を複数のマイクロフォン4で計測する実測工程(ST2)と、複数のマイクロフォン4の計測結果に基づき騒音低減装置2の性能値(吸音率α)を評価装置で算出する性能値算出工程(ST3)と、を有する。準備工程(ST1)において、加振手段3による加振位置3aを境界として環状空洞SPを第1領域Ar1と第2領域Ar2の半分に分割した場合に、複数のマイクロフォン4を第1領域Ar1のみに配置し、騒音低減装置2を第2領域Ar2のみに配置する。
非特許文献1の方法では、環状管構造物の内面一周に吸音材を貼り付けた場合では、加振位置から第1領域を通りマイクロフォンに到達する第1音波と、加振位置から第2領域を経てマイクロフォンに到達する第2音波のいずれも吸音材による影響を受ける。マイクロフォンの位置に応じて第1音波と第2音波が受ける吸音効果の度合いが変わるため、マイクロフォンの位置に応じて測定結果が変化することが判明した。そのため、吸音材の性能値を的確に評価できていなかったと考えられる。
これに対し、上記構成のシステム及び方法によれば、図2に示すように、マイクロフォン4は、加振位置3aから第1領域Ar1のみを通り騒音低減装置2の影響を受けることなくマイクロフォン4に到達する第1音波w1と、加振位置3aから第2領域Ar2を経て騒音低減装置2の影響を受けてマイクロフォン4に到達する第2音波w2とを計測可能となる。これにより、騒音低減装置2の性能値を精度よく算出可能になる。しかも、マイクロフォン4を第1領域Ar1に配置していればマイクロフォン4の位置が変化しても計測精度を損なうこともない。したがって、マイクロフォン4の位置に拘わらず、評価結果にバラツキを無くして評価精度を向上させることが可能となる。
さらに、構造物1は、空気入りタイヤであることが好ましい。空気入りタイヤの音響特性を加味できるので、空気入りタイヤにおける空洞共鳴音を低減する騒音低減装置2の性能評価が可能となり、好ましい。
本実施形態では、騒音低減装置2は、吸音材2である。吸音材2は、音のエネルギー(振動エネルギー)を熱エネルギーなどの他のエネルギーに変換することで音のエネルギーを低減する。吸音材2としては、発泡ウレタン、グラスウール、ロックウール、軟質ウレタンフォームなどの多孔質材料、軟質繊維板、木毛セメント板などの多孔質板材料、不織布、帆布カンバスやビニルシートなどの膜材料などが利用可能である。
また、騒音低減装置2として、騒音を低減させる共鳴器を有する共鳴型騒音低減装置が利用できる。この装置は、例えばヘルムホルツ共鳴器が挙げられる。
また、騒音低減装置2として、スピーカ等の発振手段を有し、騒音に対して逆位相となる騒音を打ち消す音波を発振手段から加振することで騒音を低減するアクティブ型騒音低減装置が利用できる。
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明だけではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、本実施形態では、吸音材2は厚みが一定のシート状をなしているが、これに限定されない。吸音材の厚みを変化させてもよい。また、吸音材2の配置位置は、周方向に連続していてもよく、周方向又は幅方向に非連続で断続的に配置されていてもよい。吸音材の形状はシート状であり、音波の進行方向が吸音材に対して平行しているが、これに限られず、例えば、音波と交差するように吸音材を配置してもよい。
上記の各実施形態で採用している構造を他の任意の実施形態に採用することは可能である。各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
1…構造物(空気入りタイヤ、タイヤモデル)
2…騒音低減装置
3…加振手段(スピーカ)
3a…加振位置
4…マイクロフォン
5…評価装置(制御部)
Ar1…第1領域
Ar2…第2領域
SP…環状空洞

Claims (10)

  1. 環状空洞を有する構造物の空洞内空気を加振する加振手段と、
    前記環状空洞に配置され、前記環状空洞の音波を低減する騒音低減装置と、
    前記環状空洞に配置される複数のマイクロフォンと、
    前記複数のマイクロフォンで計測した音波に基づき前記騒音低減装置の性能値を算出する評価装置と、を備え、
    前記加振手段による加振位置を境界として前記環状空洞を第1領域と第2領域の半分に分割した場合に、前記複数のマイクロフォンは前記第1領域のみに配置され、前記騒音低減装置は前記第2領域のみに配置されていることを特徴とする騒音低減装置の性能評価システム。
  2. 前記構造物は、空気入りタイヤである請求項1に記載の騒音低減装置の性能評価システム。
  3. 前記騒音低減装置は、吸音材である請求項1又は2に記載の騒音低減装置の性能評価システム。
  4. 前記騒音低減装置は、騒音を低減させる共鳴器を有する共鳴型騒音低減装置である請求項1又は2に記載の騒音低減装置の性能評価システム。
  5. 前記騒音低減装置は、騒音を打ち消す音波を加振することで騒音を低減するアクティブ型騒音制御装置である請求項1又は2に記載の騒音低減装置の性能評価システム。
  6. 環状空洞を有する構造物に対して前記環状空洞の空気を加振する加振手段を設置すると共に、前記環状空洞内の音波を低減する騒音低減装置及び複数のマイクロフォンを前記環状空洞に配置する準備工程と、
    前記加振手段を介して空気を加振し、それにより生じた音波を前記複数のマイクロフォンで計測する実測工程と、
    前記複数のマイクロフォンの計測結果に基づき前記騒音低減装置の性能値を評価装置で算出する性能値算出工程と、を有し、
    前記準備工程において、前記加振手段による加振位置を境界として前記環状空洞を第1領域と第2領域の半分に分割した場合に、前記複数のマイクロフォンを前記第1領域のみに配置し、前記騒音低減装置を前記第2領域のみに配置することを特徴とする騒音低減装置の性能評価方法。
  7. 前記構造物は、空気入りタイヤである請求項6に記載の騒音低減装置の性能評価方法。
  8. 前記騒音低減装置は、吸音材である請求項6又は7に記載の騒音低減装置の性能評価方法。
  9. 前記騒音低減装置は、騒音を低減させる共鳴器を有する共鳴型騒音低減装置である請求項6又は7に記載の騒音低減装置の性能評価方法。
  10. 前記騒音低減装置は、騒音を打ち消す音波を加振することで騒音を低減するアクティブ型騒音制御装置である請求項6又は7に記載の騒音低減装置の性能評価方法。
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