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JP2015141202A - セレン化亜鉛光学素子およびその製造方法 - Google Patents

セレン化亜鉛光学素子およびその製造方法 Download PDF

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JP2015141202A JP2014011925A JP2014011925A JP2015141202A JP 2015141202 A JP2015141202 A JP 2015141202A JP 2014011925 A JP2014011925 A JP 2014011925A JP 2014011925 A JP2014011925 A JP 2014011925A JP 2015141202 A JP2015141202 A JP 2015141202A
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信治 亀田
Shinji Kameda
信治 亀田
克仁 吉田
Katsuto Yoshida
克仁 吉田
賢一 栗巣
Kenichi Kurisu
賢一 栗巣
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Abstract

【課題】543.5nmより短い波長の光に対する透過率が高く、表面を超精密切削や研磨を用いて機械的に仕上げ加工する必要のないZnSe光学素子およびその製造方法を提供する。【解決手段】厚み3mmの測定試料における波長532nmの光の透過率が45%以上65%以下であり、前記光が透過する部分の表面粗さRaが0.03μm以下のZnSe光学素子である。【選択図】図2

Description

本発明は、赤外線透過窓や赤外線レンズとして使用されるセレン化亜鉛光学素子とその製造方法に関する。
セレン化亜鉛(以下、ZnSeという。)は赤外線の透過特性に優れていることから、切断加工や板金に用いられている炭酸ガスレーザー用の透過窓やレンズ等の光学素子として使用されている。本用途ではレーザー光の出力が非常に高いことから、透過窓やレンズでの吸収を極めて小さく抑える必要がある。炭酸ガスレーザーは9.4μmと10.6μmを中心とする2つの波長帯の赤外線レーザーを発光するが、前記赤外線レーザー光の吸収を極めて小さく抑えるために、高い純度と適切なZn:Seの化学量論組成比が要求され、現在はCVD(Chemical Vapour Deposition)法で多結晶体が合成されている(特許文献1)。
一方、ZnSe多結晶体を炭酸ガスレーザー用のレンズとして用いる際に、レーザー光を被加工材に正確に照射するための光学系の光軸調整が必要となるが、炭酸ガスレーザーは上述の通り非可視域の赤外線を発光するため、視認することができない。このため、光軸調整の際の操作性や安全性等の面から、非可視レーザーである炭酸ガスレーザーにヘリウムネオンレーザー等の可視レーザーを重畳することが行われている(特許文献2)。
また、ZnSe光学素子の製造コストにおいては、ZnSe多結晶体の素材コストと機械加工コストの占める割合が高く、これらのコストを低減することがZnSe光学素子を普及させる上で重要である。超精密切削や研磨といった機械加工では、加工時間が長いだけでなく、大きな素材から光学素子の形状を削り出す必要があるため、少なからず加工屑として素材を無駄にしており、製造コストを高くする原因となっている。このため、CVD法により合成したZnSe多結晶体を用い、機械加工を採用せず、前記多結晶体を高温に保持した状態で加圧してプレス成形することにより、素子形状を作製することが提案されている(特許文献3)。
特公昭61−24465号公報 特開昭60−22385号公報 特開2013−186390号公報
ヘリウムネオンレーザーは、緑色(波長543.5nm)、黄色(波長594.1nm)、橙色(波長612.0nm)、赤色(波長632.8nm)等の可視レーザーを発振できるが、なかでも人間の視感度は緑色の光に対して最も高く、緑色レーザーを光軸調整に使用できれば、肉眼での光軸調整が容易になる。しかしながら、CVD法で作製されたZnSe多結晶体は、波長が543.5nmより短い光では45%未満の透過率しかなく、緑色レーザーを用いて光軸調整を行うには光が弱くて視認しにくいという問題があった。このため、543.5nmより短い波長の光に対するZnSe多結晶体の透過率の向上が求められていた。
加えて、透過窓やレンズ等の光学素子の用途においては、素子の表面における光の散乱を抑制するために表面粗さRaが0.03μm以下であることが求められる。一方、特許文献3に記載された方法を用いて、CVD法により合成したZnSe多結晶体を高温に保持した状態で加圧してプレス成形した場合、レンズの曲率半径などマクロな寸法形状は所望の形状が得られるが、たとえZnSe多結晶体に接する成形型の面を表面粗さRa0.03μm以下にしたとしても、素子表面のミクロな領域における塑性変形が追随せず、成形型の表面粗さが素子の表面に十分転写されないため、成形後の素子の表面粗さRaは0.03μmを超えるものとなっていた。このため、素子の表面粗さRaを0.03μm以下にするためには、ZnSe多結晶体を高温に保持した状態で加圧してプレス成形した後、さらに素子の表面を超精密切削や研磨を用いて機械的に仕上げ加工する必要があった。
本発明の第1の態様は、測定試料の厚み3mmかつ反射防止コートをしない状態における波長532nmの光の透過率が45%以上65%以下であり、前記光が透過する部分の表面粗さRaが0.03μm以下である、ZnSe光学素子である。
本発明の第2の態様は、CVD法によりZnSe多結晶体を合成する工程と、前記ZnSe多結晶体と接触する面の表面粗さRaを0.008μm以下とした上下押型の間に前記ZnSe多結晶体を挟んだ後、上下押型のそれぞれの外径と胴型の内径とのクリアランスが、前記ZnSe多結晶体を加圧変形する温度において0.010mm以下となるように設計した胴型内に収納し、不純物濃度が0.001vol%以下かつ圧力が0.1気圧以上10気圧以下の非酸化性ガス雰囲気中において、前記上下押型を加圧しながら1050℃を超え1150℃以下の温度に保持して、前記胴型と前記上下押型で構成される形状に前記ZnSe多結晶体を変形させる工程と、を備えるZnSe光学素子の製造方法である。
上記の各態様によれば、緑色の波長域の光の透過率が高いZnSe光学素子を提供することができ、また、ZnSe多結晶体を高温に保持しながら加圧しプレス成形したままの状態で、光が透過する部分の表面粗さRaを0.03μm以下にすることが可能になる。
加圧変形前のZnSe多結晶体、上下押型と胴型の構成を示す断面模式図である。 加圧変形終了時のZnSe多結晶体、上下押型と胴型の構成を示す断面模式図である。
以下、本発明の第1の態様であるZnSe光学素子の実施形態について説明する。
本発明のZnSe光学素子は、厚み3mmの測定試料における波長532nmの光の透過率が45%以上65%以下であり、前記光が透過する部分の表面粗さRaが0.03μm以下である。かかる透過率と光が透過する部分の表面粗さを有するZnSe光学素子を、炭酸ガスレーザーの光学系に用いることにより、緑色レーザーを使用して肉眼で光軸調整を行うことができるようになり、光学素子の表面における光の散乱も抑制することができる。
人間の視感度は緑色の光に対して最も高く、波長が500〜560nmの緑色レーザーをレンズなどの光軸調整に使用できれば、肉眼での調整が容易になる。一般的な緑色のレーザー光としてはNd−YAGレーザーの倍波に当たる532nmの波長を持つものが多く、532nmの波長の光に対して透過率を向上できれば光軸調整が容易になる。透過率は分光光度計を用いて測定することができる。分光光度計としては例えば日本分光社製のV−670が挙げられる。本発明のZnSe光学素子の波長532nmの光に対する透過率45%以上65%以下という値は、測定試料の厚み3mmかつ反射防止コートをしない状態で測った値である。これに対して、CVD法で合成した直後のZnSe多結晶体の波長532nmの光に対する透過率は、測定試料の厚み3mmかつ反射防止コートをしない状態で40%以上45%未満である。
本願において使用する表面粗さRaは、JIS B 0601 2001年で規定される一次元の算術平均粗さを二次元に拡張した概念であり、表面粗さ計を用いて測定することができる。例えば表面粗さ計としてZygo社のNew View 100を用いる場合、干渉計の組み込まれた20倍対物レンズによってZnSe表面の0.32mm×0.64mmの任意の視野内の凹凸(高さ分布)を観察し、大きなうねり成分を除去した粗さ曲面の絶対値を積分して体積を求め、視野面積(0.2048mm)で除することによって視野内平均としての表面粗さRaを算出する。以下、本願において表面粗さRaと記載する場合、前記視野内平均としての表面粗さを意味している。
このとき、ZnSe光学素子の光が透過する部分が機械加工されていないことが好ましい。ここで機械加工とは、旋盤や研磨機などの工作機械を使用し、切削工具や砥石などの加工工具を用いて加工することをいう。具体的にはZnSe光学素子の光が透過する部分を超精密切削や研磨などの方法により、仕上げ加工することを指す。前記光が透過する部分の表面粗さRaを0.03μm以下にするために、表面を超精密切削や研磨を用いて機械的に仕上げ加工すると、製造コストが増大するからである。本発明者らは、CVD法により合成したZnSe多結晶体を高温に保持しながら加圧し、プレス成形する際の条件を制御することにより、ZnSe多結晶体に接する面の表面粗さがRa0.03μm以下である成形型を用いて、素子表面のミクロな領域における塑性変形を前記成形型の表面の凹凸に追随させ、成形型の表面粗さを素子の表面に転写することを可能にした。これにより、機械的な仕上げ加工をすることなく、ZnSe多結晶体を高温に保持しながら加圧しプレス成形したままの状態で、光が透過する部分の表面粗さRaを0.03μm以下にすることが可能になった。前記制御の具体的な方法については後述する。
上記のZnSe多結晶体において、酸素の含有量が1ppm以下であることが好ましい。酸素の含有量が1ppmを超えると、532nmの波長において45%以上の透過率を確保することが困難となるためである。ZnSe多結晶体中に含まれる酸素の量は、SIMS(二次イオン質量分析計)で分析することにより、定量化できる。CVD法により溶融亜鉛からの亜鉛蒸気とセレン化水素を反応させて作製されたZnSe多結晶体は、不純物として数ppm程度の酸素を含んでいる。このZnSe多結晶体中の不純物酸素が532nmの波長域の光の透過を阻害するメカニズムについては、現時点では必ずしも明らかではないが、本発明者らは、ZnSe多結晶体中の不純物酸素を減少させることにより、532nmの波長域の光の透過率が向上することを見出した。CVD法により作製されたZnSe多結晶体中の不純物酸素は、前記ZnSe多結晶体を920℃以上1150℃以下の温度に保持して熱処理することにより、減少させることができる。前記熱処理の際には、その雰囲気を精密に制御する必要があるが、具体的な雰囲気制御の内容については後述する。
本発明の第2の態様である、ZnSe光学素子の製造方法の一実施形態について、以下、工程順に説明する。
(ZnSe多結晶体の合成工程)
本発明のZnSe多結晶体は、高純度の材料が得られるという観点から、CVD法を用いて作製することが好ましい。具体的には、搬送ガスとして純度99.999%程度のアルゴンガスを用い、純度99.999%程度のセレン化水素および純度99.999%程度の溶融亜鉛からの亜鉛蒸気を、温度600〜800℃、雰囲気圧力10kPa以下の反応炉内で反応させ、黒鉛基板上にZnSe多結晶体を成長させることによって、合成することができる。
(加圧成形工程)
前記ZnSe多結晶体から成形用の素材(以下、成形素材という。)を切り出し、成形素材と接触する面の表面粗さRaを0.002〜0.008μmとした上下押型の間に成形素材を挟んだ後、上下押型のそれぞれの外径と胴型の内径との直径差(以下、クリアランスという。)が、成形素材を加圧変形する温度において0.010mm以下となるように設計した胴型内に収納する(図1)。次に、不純物濃度が0.001vol%以下かつ圧力が0.1気圧以上10気圧以下の非酸化性ガス雰囲気中において、前記上下押型を加圧しながら1050℃を超え1150℃以下の温度に保持して、前記胴型と前記上下押型で構成される形状に前記成形素材を変形させる(図2)。
このとき、1050℃を超え1150℃以下の温度に保持することにより、成形素材の表面が昇華し、微細な欠陥が導入されることによって前記表面が塑性変形しやすくなる。このため加圧成形の際に、成形素材表面の微細な凹凸が押し潰され、成形素材の表面が上下押型の表面粗さに倣うため、加圧成形後のZnSe光学素子の表面粗さが改善する。ただし、成形素材が過度に昇華しないよう、上下押型のそれぞれの外径と胴型の内径とのクリアランスが、成形素材を加圧変形する温度において0.010mm以下となるように設計した成形型を用いて、密閉度の高い空間内で成形素材を変形させる必要がある。前記クリアランスが成形素材を加圧変形する温度において0.010mmを超える場合、成形素材が過度に昇華してしまい、所望の光学素子が得られないことがある。前記成形型を用いる場合、1050℃以下の温度では表面の昇華、微細な欠陥導入が不十分となり、成形素材表面の微細な凹凸を押し潰すことができず、成形素材の表面が上下押型の表面粗さに倣わないため、加圧成形後のZnSe光学素子の表面粗さが大きくなることがある。逆に、1150℃を超える温度で加圧成形すると、たとえ前記成形型を用いたとしても、成形素材が過度に昇華してしまい、所望の光学素子が得られないことがある。
加圧成形の際に、成形素材の表面が上下押型の表面粗さに倣い易くする目的で、ZnSe多結晶体から切り出した成形素材の上下面を、表面粗さRa0.03〜0.08μmに両面研磨することが好ましい。
加圧成形は、不純物濃度が0.001vol%以下、かつ圧力が0.1気圧以上10気圧以下の非酸化性ガス雰囲気中で行う。非酸化性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガス、水素ガスまたはこれらの混合ガスを用いることができる。1050℃を超え1150℃以下の温度に保持することにより、CVD法により合成したZnSe多結晶体中に数ppmのオーダーで含有されていた不純物酸素を、1ppm以下に減少させることができ、これに伴って、加圧成形後のZnSe多結晶体の532nmの波長の光の透過率を、45%以上65%以下に増大させることが可能になる。このとき、非酸化性ガスの不純物濃度を0.001vol%以下、かつ雰囲気圧力を0.1気圧以上10気圧以下とするのは、非酸化性ガス雰囲気中に不純物として含まれる酸素ガスの分圧を抑えるためである。非酸化性ガスの不純物濃度が0.001vol%を超えるか、あるいは雰囲気圧力が10気圧を超えるような場合には、非酸化性ガス雰囲気中に不純物として含まれる酸素ガスの分圧が高くなり、ZnSe多結晶体中からの不純物酸素の離脱が十分に進行せず、熱処理後のZnSe多結晶体中の不純物酸素を1ppm以下に減少させるのが困難になることがある。一方、雰囲気圧力が0.1気圧未満の場合、前記成形型を用いたとしても、1050℃を超え1150℃以下の温度に保持する際に、ZnSeが過度に昇華する可能性があるため、雰囲気圧力は0.1気圧以上とすることが好ましい。
加圧成形の際には、成形素材に後述する所定の圧力を加えた状態で、1050℃を超え1150℃以下の温度に10分以上保持することが好ましい。保持時間が10分未満の場合、ZnSe多結晶体中からの不純物酸素の離脱が十分に進行せず、加圧成形後のZnSe多結晶体中の不純物酸素を1ppm以下に減少させるのが困難になることがある。また、保持時間が10分未満では、成形素材表面の微細な凹凸を十分に押し潰すことができず、成形素材の表面が上下押型の表面粗さに倣わないことがあり、加圧成形後のZnSe光学素子の表面粗さが大きくなることがある。
さらに、加圧成形工程において、1050℃を超え1150℃以下の温度に保持する際に、ZnSe多結晶体に50MPa以上80MPa以下の圧力を加えることが好ましい。このとき、プレス成形用の上下一対の型の間に成形素材をセットし、上下方向に荷重を加えることにより、成形素材を加圧することができる。成形型の材料としては、黒鉛やグラッシーカーボン、シリコンカーバイド、窒化ケイ素等の熱処理温度においても耐熱性のある材料を用いる。50MPa未満の圧力では、成形素材表面の微細な凹凸を十分に押し潰すことができず、成形素材の表面が上下押型の表面粗さに倣わないことがあり、加圧成形後のZnSe光学素子の表面粗さが大きくなることがある。一方、80MPaを超える圧力を加えると、成形素材が破損することがあるため、加圧成形において加える圧力は、50MPa以上80MPa以下であることが好ましい。
本発明の第3の態様である、ZnSe光学素子の製造方法の他の実施形態について、以下に説明する。
本発明の第2の態様であるZnSe光学素子の製造方法の、ZnSe多結晶体の合成工程に記載したのと同じ製造方法により、ZnSe多結晶体を合成する。ZnSe多結晶体から成形素材を切り出した後、成形素材の上下押型と接触する面、および表面粗さRaを0.002〜0.008μmとした上下押型の成形素材と接触する面の少なくとも一方に、粒径109μm以下のZnSe粉末を散布した後、前記成形素材を上下押型で挟んで胴型内に収納する(図1)。次に、不純物濃度が0.001vol%以下かつ圧力が0.1気圧以上10気圧以下の非酸化性ガス雰囲気中において、前記上下押型を加圧しながら920℃以上1050℃以下の温度に保持して、前記胴型と前記上下押型で構成される形状に前記成形素材を変形させる(図2)。
このとき、JIS規格の150メッシュ(目開き109μm)の篩を用いて、ZnSe粉末を篩分することにより、粒径109μm以下のZnSe粉末を得ることができる。成形素材が例えば直径10mmの円盤形状の場合、成形素材の表面または成形素材と接触する上下押型の表面に、粒径109μm以下のZnSe粉末を0.01〜1g程度散布した後、成形素材を上下押型で挟んで920℃以上1050℃以下の温度に保持しながら加圧成形する。加圧成形の際に、成形素材と上下押型の間に挟み込まれたZnSe粉末は、成形素材表面の凹みに入り込み凹みを埋めると共に、ZnSe粉末自身も体積拡散が起こって焼結体となる。このため成形素材の表面に新たにZnSe焼結体の薄い層が形成されて上下押型の表面粗さに倣うため、加圧成形後のZnSe光学素子の表面粗さが改善する。920℃未満の温度ではZnSe粉末の焼結が十分に進行しないため、成形素材の表面が上下押型の表面粗さに倣わず、加圧成形後のZnSe光学素子の表面粗さが大きくなることがある。逆に、1050℃を超える温度で加圧成形すると、ZnSe粉末が昇華してしまい焼結が阻害されるため、加圧成形後のZnSe光学素子の表面粗さが大きくなることがある。
加圧成形の際に成形素材と上下押型の間にZnSe粉末を挟み込むため、上下押型のそれぞれの外径と胴型の内径とのクリアランスが、成形素材を加圧変形する温度において0.010mm以下となるように設計したクリアランスの狭い成形型を用いると、加圧成形中に前記クリアランスにZnSe粉末が入り込み、上下押型と胴型が噛み込んで動かなくなることがある。このため、成形素材と上下押型の間にZnSe粉末を挟み込んで加圧成形する場合には、前記クリアランスが成形素材を加圧変形する温度において0.010mmを超えるように、クリアランスを広めに設計することが好ましい。その結果、成形型の密閉度が悪くなり、1050℃を超える温度で加圧成形すると、ZnSe粉末が昇華し易くなる。
加圧成形は、不純物濃度が0.001vol%以下、かつ圧力が0.1気圧以上10気圧以下の非酸化性ガス雰囲気中で行う。非酸化性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガス、水素ガスまたはこれらの混合ガスを用いることができる。920℃以上1050℃以下の温度に保持することにより、CVD法により合成したZnSe多結晶体中に数ppmのオーダーで含有されていた不純物酸素を、1ppm以下に減少させることができ、これに伴って、加圧成形後のZnSe多結晶体の532nmの波長の光の透過率を、45%以上65%以下に増大させることが可能になる。
このとき、非酸化性ガスの不純物濃度を0.001vol%以下、かつ雰囲気圧力を0.1気圧以上10気圧以下とするのは、非酸化性ガス雰囲気中に不純物として含まれる酸素ガスの分圧を抑えるためである。非酸化性ガスの不純物濃度が0.001vol%を超えるか、あるいは雰囲気圧力が10気圧を超えるような場合には、非酸化性ガス雰囲気中に不純物として含まれる酸素ガスの分圧が高くなり、ZnSe多結晶体中からの不純物酸素の離脱が十分に進行せず、加圧成形後のZnSe多結晶体中の不純物酸素を1ppm以下に減少させるのが困難になることがある。一方、雰囲気圧力が0.1気圧未満の場合、920℃以上1050℃以下の温度に保持する際に、成形素材の表面または成形素材と接触する上下押型の表面に散布したZnSe粉末の分解・昇華が激しくなり、ZnSe粉末の焼結が阻害されるため、加圧成形後のZnSe光学素子の表面粗さが大きくなることがある。
加圧成形の際には、成形素材に後述する所定の圧力を加えた状態で、920℃以上1050℃以下の温度に10分以上保持することが好ましい。保持時間が10分未満の場合、ZnSe多結晶体中からの不純物酸素の離脱が十分に進行せず、加圧成形後のZnSe多結晶体中の不純物酸素を1ppm以下に減少させるのが困難になることがある。また、保持時間が10分未満では、成形素材表面の微細な凹凸を十分に押し潰すことができず、成形素材の表面が上下押型の表面粗さに倣わないことがあり、加圧成形後のZnSe光学素子の表面粗さが大きくなることがある。
さらに、加圧成形工程において、920℃以上1050℃以下の温度に保持する際に、ZnSe多結晶体に50MPa以上80MPa以下の圧力を加えることが好ましい。このとき、プレス成形用の上下一対の型の間に成形素材をセットし、上下方向に荷重を加えることにより、成形素材を加圧することができる。成形型の材料としては、黒鉛やグラッシーカーボン、シリコンカーバイド、窒化ケイ素等の熱処理温度においても耐熱性のある材料を用いる。50MPa未満の圧力では、成形素材表面の微細な凹凸を十分に押し潰すことができず、成形素材の表面が上下押型の表面粗さに倣わないことがあり、加圧成形後のZnSe光学素子の表面粗さが大きくなることがある。一方、80MPaを超える圧力を加えると、成形素材が破損することがあるため、加圧成形において加える圧力は、50MPa以上80MPa以下であることが好ましい。
本発明の第4の態様である、ZnSe光学素子の製造方法のさらに別の実施形態について、以下に説明する。
本発明の第2の態様であるZnSe光学素子の製造方法の、ZnSe多結晶体の合成工程に記載したのと同じ製造方法により、ZnSe多結晶体を合成する。前記ZnSe多結晶体から成形素材を切り出し、成形素材と接触する面の表面粗さRaを0.002〜0.008μmとした上下押型の間に成形素材を挟んだ後、胴型内に収納する(図1)。次に、100Pa以上2000Pa以下の真空中において、前記上下押型を加圧しながら920℃以上1050℃以下の温度に保持して、前記胴型と前記上下押型で構成される形状に前記成形素材を変形させる(図2)。
このとき、100Pa以上2000Pa以下の真空中において、920℃以上1050℃以下の温度に保持することにより、成形素材の表面が昇華し、微細な欠陥が導入されることによって前記表面が塑性変形しやすくなる。このため加圧成形の際に、成形素材表面の微細な凹凸が押し潰され、成形素材の表面が上下押型の表面粗さに倣うため、加圧成形後のZnSe光学素子の表面粗さが改善する。真空度が100Pa未満の場合、成形素材が過度に昇華してしまい、成形素材の重量減少が無視できなくなって、所望の光学素子が得られないことがある。逆に、真空度が2000Paを超える場合には、成形素材表面の昇華、微細な欠陥導入が不十分となり、成形素材表面の微細な凹凸を押し潰すことができず、成形素材の表面が上下押型の表面粗さに倣わないため、加圧成形後のZnSe光学素子の表面粗さが大きくなることがある。このため、真空ポンプを用いて加圧成形炉の内部を排気しながら、炉内の真空度を100Pa以上2000Pa以下に保ちつつ加圧成形する。
加圧成形の際に、成形素材の表面が上下押型の表面粗さに倣い易くする目的で、ZnSe多結晶体から切り出した成形素材の上下面を、表面粗さRa0.03〜0.08μmに両面研磨することが好ましい。
加圧成形の際に、100Pa以上2000Pa以下の真空中において、920℃以上1050℃以下の温度に保持することにより、CVD法により合成したZnSe多結晶体中に数ppmのオーダーで含有されていた不純物酸素を、1ppm以下に減少させることができ、これに伴って、加圧成形後のZnSe多結晶体の532nmの波長の光の透過率を、45%以上65%以下に増大させることが可能になる。
加圧成形の際には、成形素材に後述する所定の圧力を加えた状態で、920℃以上1050℃以下の温度に10分以上保持することが好ましい。保持時間が10分未満の場合、ZnSe多結晶体中からの不純物酸素の離脱が十分に進行せず、加圧成形後のZnSe多結晶体中の不純物酸素を1ppm以下に減少させるのが困難になることがある。また、保持時間が10分未満では、成形素材表面の微細な凹凸を十分に押し潰すことができず、成形素材の表面が上下押型の表面粗さに倣わないことがあり、加圧成形後のZnSe光学素子の表面粗さが大きくなることがある。
さらに、加圧成形工程において、920℃以上1050℃以下の温度に保持する際に、ZnSe多結晶体に50MPa以上80MPa以下の圧力を加えることが好ましい。このとき、プレス成形用の上下一対の型の間に成形素材をセットし、上下方向に荷重を加えることにより、成形素材を加圧することができる。成形型の材料としては、黒鉛やグラッシーカーボン、シリコンカーバイド、窒化ケイ素等の熱処理温度においても耐熱性のある材料を用いる。50MPa未満の圧力では、成形素材表面の微細な凹凸を十分に押し潰すことができず、成形素材の表面が上下押型の表面粗さに倣わないことがあり、加圧成形後のZnSe光学素子の表面粗さが大きくなることがある。一方、80MPaを超える圧力を加えると、成形素材が破損することがあるため、加圧成形において加える圧力は、50MPa以上80MPa以下であることが好ましい。
(実施例1)
搬送ガスとして純度99.999%のアルゴンガスを用い、純度99.999%のセレン化水素および純度99.999%の溶融亜鉛からの亜鉛蒸気を、温度700℃、雰囲気圧力7kPaの反応炉内で反応させ、黒鉛基板上にCVD成長させてZnSe多結晶体のバルクを合成した。前記バルクから密度測定用のサンプルを切り出し、アルキメデス法で絶対密度を測定した。前記絶対密度をZnSeの理論密度(5.27g/cm)で除することによって、相対密度を求めた結果、相対密度は99.9%であった。
前記ZnSe多結晶体のバルクから、直径10.0mmの円盤形状の成形素材を切り出し、前記成形素材の上下面を表面粗さRa0.05μmに両面研磨し、厚さ3.1mmになるように仕上げた。成形素材と接触する面の表面粗さRaを0.003μmとした上下押型の間に成形素材を挟んだ後、上下押型のそれぞれの外径と胴型の内径との直径差(クリアランス)が、1100℃において0.005mmとなるように設計した胴型内に収納した。上下押型と胴型は共にグラッシーカーボン製のものを用いた。
次に、不純物濃度が0.001vol%以下かつ圧力が0.3気圧の窒素ガス雰囲気中において、前記上下押型を63MPaで加圧しながら1100℃に10分間保持して、前記成形素材を曲率170mmの凸面と曲率100mmの凹面をもつ直径10.0mm、中心厚3.0mmのメニスカスレンズ形状の光学素子に変形させた。
冷却後前記光学素子を成形型から取り出し、前記光学素子の光が透過する部分の凸面と凹面を表面粗さ計(Zygo社製New View 100)を用いて測定した。その結果、凸面側中央部の表面粗さRaは0.0181μm、凸面側端部の表面粗さRaは0.0132μm、凹面側の表面粗さRaは0.0092μmであった。また、分光光度計(日本分光社製V−670)を使って、反射防止コートをしない状態で波長532nmの可視光に対する前記光学素子の透過率を測定した結果、60.0%であった。
(比較例1)
上下押型のそれぞれの外径と胴型の内径とのクリアランスが、1100℃において0.020mmとなるように設計した成形型を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例1の光学素子を作製した。その結果、成形素材のZnSeが過度に昇華し、表面粗さおよび532nmの可視光に対する透過率を測定することができなかった。
(実施例2)
実施例1と同様の方法で合成したZnSe多結晶体のバルクから、直径10.0mmの円盤形状の成形素材を切り出し、厚さ3.0mmになるように仕上げた。JIS規格の150メッシュ(目開き109μm)の篩を用いて、ZnSe多結晶体を粉砕した粉末を篩分することによって得た粒径109μm以下のZnSe粉末を、前記成形素材の上面および下押型の上面にそれぞれ0.02gずつ均一な厚みで散布した後、成形素材と接触する面の表面粗さRaを0.003μmとした上下押型の間に成形素材を挟んで胴型内に収納した。このとき、上下押型のそれぞれの外径と胴型の内径とのクリアランスが、1000℃において0.020mmとなるように設計した成形型を用いた。上下押型と胴型は共にグラッシーカーボン製のものを用いた。
次に、不純物濃度が0.001vol%以下かつ圧力が0.3気圧の窒素ガス雰囲気中において、前記上下押型を63MPaで加圧しながら1000℃に10分間保持して、前記成形素材を曲率170mmの凸面と曲率100mmの凹面をもつ直径10.0mm、中心厚3.0mmのメニスカスレンズ形状の光学素子に変形させた。
冷却後前記光学素子を成形型から取り出し、実施例1と同様にして前記光学素子の光が透過する部分の凸面と凹面の表面粗さ、および波長532nmの可視光に対する前記光学素子の透過率を測定した。その結果、凸面側中央部の表面粗さRaは0.0282μm、凸面側端部の表面粗さRaは0.0254μm、凹面側の表面粗さRaは0.0065μmであった。また、反射防止コートをしない状態における波長532nmの可視光に対する前記光学素子の透過率は50.4%であった。
(比較例2)
JIS規格の18メッシュ、線径0.4mm(目開き1.01mm)の篩を用いて、ZnSe多結晶体を粉砕した粉末を篩分することによって得た、粒径1.01mm以下のZnSe粉末を用いた以外は実施例2と同様にして、比較例2の光学素子を作製した。次に、実施例1と同様にして前記光学素子の光が透過する部分の凸面と凹面の表面粗さ、および波長532nmの可視光に対する前記光学素子の透過率を測定した。その結果、凸面側中央部の表面粗さRaは0.0809μm、凸面側端部の表面粗さRaは0.1043μm、凹面側の表面粗さRaは0.0057μmであった。また、反射防止コートをしない状態における波長532nmの可視光に対する前記光学素子の透過率は47.4%であった。
(実施例3)
実施例1と同様の方法で合成したZnSe多結晶体のバルクから、直径10.0mmの円盤形状の成形素材を切り出し、前記成形素材の上下面を表面粗さRa0.05μmに両面研磨し、厚さ3.1mmになるように仕上げた。成形素材と接触する面の表面粗さRaを0.003μmとした上下押型の間に成形素材を挟んで胴型内に収納した。このとき、上下押型のそれぞれの外径と胴型の内径とのクリアランスが、1000℃において0.020mmとなるように設計した成形型を用いた。上下押型と胴型は共にグラッシーカーボン製のものを用いた。
次に、800Paの真空中において、前記上下押型を63MPaで加圧しながら1000℃に10分間保持して、前記成形素材を曲率170mmの凸面と曲率100mmの凹面をもつ直径10.0mm、中心厚3.0mmのメニスカスレンズ形状の光学素子に変形させた。
冷却後前記光学素子を成形型から取り出し、実施例1と同様にして前記光学素子の光が透過する部分の凸面と凹面の表面粗さ、および波長532nmの可視光に対する前記光学素子の透過率を測定した。その結果、凸面側中央部の表面粗さRaは0.0167μm、凸面側端部の表面粗さRaは0.0122μm、凹面側の表面粗さRaは0.0139μmであった。また、反射防止コートをしない状態における波長532nmの可視光に対する前記光学素子の透過率は60.1%であった。
(実施例4)
成形素材を光学素子に変形させる際に、真空度を1200Pa、上下押型を加圧する圧力を51MPaとした他は実施例3と同様の方法により、実施例4の光学素子を作製した。次に、実施例1と同様にして前記光学素子の光が透過する部分の凸面と凹面の表面粗さ、および波長532nmの可視光に対する前記光学素子の透過率を測定した。その結果、凸面側中央部の表面粗さRaは0.0232μm、凸面側端部の表面粗さRaは0.0193μm、凹面側の表面粗さRaは0.0089μmであった。また、反射防止コートをしない状態における波長532nmの可視光に対する前記光学素子の透過率は59.8%であった。
(実施例5)
成形素材を光学素子に変形させる際に、真空度を1200Pa、上下押型を加圧する圧力を40MPaとした他は実施例3と同様の方法により、実施例5の光学素子を作製した。次に、実施例1と同様にして前記光学素子の光が透過する部分の凸面と凹面の表面粗さ、および波長532nmの可視光に対する前記光学素子の透過率を測定した。その結果、凸面側中央部の表面粗さRaは0.0202μm、凸面側端部の表面粗さRaは0.0289μm、凹面側の表面粗さRaは0.0133μmであった。また、反射防止コートをしない状態における波長532nmの可視光に対する前記光学素子の透過率は59.6%であった。
(比較例3)
成形素材を光学素子に変形させる際に、不純物濃度が0.001vol%以下かつ圧力が0.3気圧の窒素ガス雰囲気中とした他は実施例3と同様の方法により、比較例3の光学素子を作製した。次に、実施例1と同様にして前記光学素子の光が透過する部分の凸面と凹面の表面粗さ、および波長532nmの可視光に対する前記光学素子の透過率を測定した。その結果、凸面側中央部の表面粗さRaは0.0319μm、凸面側端部の表面粗さRaは0.0505μm、凹面側の表面粗さRaは0.0117μmであった。また、反射防止コートをしない状態における波長532nmの可視光に対する前記光学素子の透過率は55.4%であった。
今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は上記の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の範囲でのすべての変更が含まれる。
本発明によるZnSe多結晶体は、赤外線透過窓や赤外線レンズとして好ましく用いることができ、炭酸ガスレーザーの光学系に用いた場合は、光軸調整の際に波長532nmの緑色レーザーを使用して、肉眼での光軸調整を可能にすることができる。
1 上押型
2 下押型
3 胴型
4 ZnSe多結晶体(成形素材)
5 ZnSe多結晶体(光学素子)
6 加圧力

Claims (5)

  1. 測定試料の厚み3mmかつ反射防止コートをしない状態における波長532nmの光の透過率が45%以上65%以下であり、
    前記光が透過する部分の表面粗さRaが0.03μm以下である、
    ZnSe光学素子。
  2. 前記光が透過する部分が機械加工されていない請求項1に記載のZnSe光学素子。
  3. CVD法によりZnSe多結晶体を合成する工程と、
    前記ZnSe多結晶体と接触する面の表面粗さRaを0.008μm以下とした上下押型の間に前記ZnSe多結晶体を挟んだ後、上下押型のそれぞれの外径と胴型の内径とのクリアランスが、前記ZnSe多結晶体を加圧変形する温度において0.010mm以下となるように設計した胴型内に収納し、不純物濃度が0.001vol%以下かつ圧力が0.1気圧以上10気圧以下の非酸化性ガス雰囲気中において、前記上下押型を加圧しながら1050℃を超え1150℃以下の温度に保持して、前記胴型と前記上下押型で構成される形状に前記ZnSe多結晶体を変形させる工程と、
    を備えるZnSe光学素子の製造方法。
  4. CVD法によりZnSe多結晶体を合成する工程と、
    前記ZnSe多結晶体の上下押型と接触する面、および表面粗さRaを0.008μm以下とした上下押型の前記ZnSe多結晶体と接触する面の少なくとも一方に、粒径109μm以下のZnSe粉末を散布した後、前記ZnSe多結晶体を上下押型で挟んで胴型内に収納し、不純物濃度が0.001vol%以下かつ圧力が0.1気圧以上10気圧以下の非酸化性ガス雰囲気中において、前記上下押型を加圧しながら920℃以上1050℃以下の温度に保持して、前記胴型と前記上下押型で構成される形状に前記ZnSe多結晶体を変形させる工程と、
    を備えるZnSe光学素子の製造方法。
  5. CVD法によりZnSe多結晶体を合成する工程と、
    前記ZnSe多結晶体と接触する面の表面粗さRaを0.008μm以下とした上下押型の間に前記ZnSe多結晶体を挟んだ後、胴型内に収納し、100Pa以上2000Pa以下の真空中において、前記上下押型を加圧しながら920℃以上1050℃以下の温度に保持して、前記胴型と前記上下押型で構成される形状に前記ZnSe多結晶体を変形させる工程と、
    を備えるZnSe光学素子の製造方法。
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