JP2015135058A - 油圧制御弁 - Google Patents
油圧制御弁 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2015135058A JP2015135058A JP2014005711A JP2014005711A JP2015135058A JP 2015135058 A JP2015135058 A JP 2015135058A JP 2014005711 A JP2014005711 A JP 2014005711A JP 2014005711 A JP2014005711 A JP 2014005711A JP 2015135058 A JP2015135058 A JP 2015135058A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sleeve
- spring member
- leaf spring
- check valve
- port
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Valve Device For Special Equipments (AREA)
- Check Valves (AREA)
Abstract
【課題】エンジンのVVT1の制御に用いられるOCV4の製造時に、筒状に巻回して巻チェック弁9とする板ばね部材90を、塑性変形を生じさせることなく容易にOCV4のスリーブ5内に装着できるようにする。【解決手段】スリーブ5内には往復動可能にスプール6が収容され、このスリーブ5の内周面に開口する所定のポート(例えば主供給ポート52)を覆うようにして、板ばね部材90を筒状に巻回してなるチェック弁9が装着されている。その所定のポートに対応する位置でスリーブ5の周壁50を貫通し、板ばね部材90をその巻回方向に挿入可能な挿入孔57が形成されており、この挿入孔57に板ばね部材90の一端部が挿入されている。【選択図】図3
Description
本発明は、エンジンの可変動弁機構の制御に用いられる油圧制御弁に関し、特にスプールを収容するスリーブ内にチェック弁が装着されている構造に関する。
従来よりエンジンの可変動弁機構(Variable Valve Timing:以下、VVTと略称する)としては、エンジンオイルを作動油として動作され、吸気バルブの動作タイミングを可変とする油圧作動式のものが広く用いられている。このようなVVTに供給する油圧の制御には通常、電磁駆動式の油圧制御弁(Oil Control Valve:以下、OCVと略称する)が用いられる。
すなわち、OCVは、その進角側および遅角側の各吐出ポートからそれぞれVVTの進角側および遅角側の各油圧室にオイルを供給して、吸気バルブの動作タイミングを進角させたり、反対に遅角させたりするものである。但し、オイルを供給する進角側または遅角側の油路の圧力が高いと逆方向の流れが生じることがあり、このことがVVTの動作を不安定にするおそれがあった。
この問題に対し、例えば特許文献1に開示されているように、OCVの進角側および遅角側の各吐出ポートにチェック弁を装着し、逆方向の流れを阻止するようにしたものがある。このものでは、帯状の薄い金属板からなる弁フィルタシートを、吐出ポートの開口を覆うようにOCVのスリーブに外側から巻き付けて、リード弁タイプのチェック弁を構成している。
ところで、前記のようなチェック弁をOCVのスリーブに外側から巻き付けるのではなく、その内周面に装着することも考えられる。この場合、前記弁フィルタシートのような帯状の板ばね部材を巻回して、スリーブにその端部の開口から挿入することになる。
しかしながら、チェック弁として用いる板ばね部材は薄くて変形し易いので、これを巻回してスリーブの開口よりも小さくなるように縮径させると、板ばね部材が材料の降伏点を超えて変形(塑性変形)するおそれがある。こうなると、装着した板ばね部材の一部に変形が残ってしまい、チェック弁としてポートを十分に密閉できなくなったり、OCVのスプールとの接触によって噛み込みなどの不具合を引き起こしたりするおそれがある。
かかる点に鑑みて本発明の目的は、VVTの油圧制御に用いられるOCVの製造時に、チェック弁として用いる板ばね部材を、塑性変形を生じさせることなく容易にスリーブ内に装着できるようにすることである。
前記の目的を達成するために本発明は、エンジンのVVT(可変動弁機構)の制御に用いられるOCV(油圧制御弁)を対象として、このOCVがスリーブ内に往復動可能にスプールを収容してなり、そのスリーブの内周面に開口する所定のポートを内周側から覆うようにして、板ばね部材を筒状に巻回してなるチェック弁が装着されているものとする。
このものにおいて、前記所定のポートに対応する位置で前記スリーブの周壁を貫通し、当該スリーブ内に前記板ばね部材を挿入可能な挿入孔が形成されていて、この挿入孔に前記板ばね部材の一端側が挿入されている構成とする。なお、前記所定のポートとしては、例えばオイルポンプの吐出口に連通される供給側のポートが挙げられる。また、このポートに対応する挿入孔の位置とは、スリーブの軸方向についてポートを含む範囲とすればよい。
前記構成の油圧制御弁では、そのスリーブの周壁を貫通する前記の挿入孔に対し、外側から板ばね部材の端部を挿し入れて送り込むことで、この板ばね部材をスリーブの内周面に沿うように巻回させて、前記所定のポートを内周側から覆うような状態で装着することができる。こうして装着した板ばね部材は、それ自体の弾発力によってスリーブの内周面に張り付いて、所定のポートを開閉するチェック弁として機能することになる。
このように板ばね部材を挿入孔に送り込むだけで、これを過度に縮径させるような力を加えることなく、容易にスリーブ内に装着することができる。板ばね部材は通常、金属製または樹脂製で所要の弾性を有する薄板材を帯状に成形したものであり、これをスリーブ内に装着した状態よりも大径の筒状に巻回して、挿入孔からスリーブ内に送り込み易いよう巻き癖をつけておいてもよい。
そして、前記のようにスリーブの内周面に装着した状態で、板ばね部材の一端側が挿入孔に挿入されたままになっているため、スプールと接触しても板ばね部材の位置のずれが生じ難い。さらに前記板ばね部材の一端部を折り曲げて、前記挿入孔の周縁部に係止させるようにすれば、チェック弁がポートからの油圧を受けて押し上げられたときにも、スプールとの接触によって噛み込みなどが起きる心配が少なくなる。
また、前記挿入孔は、スリーブの周壁が外側からエンジンの構成部材によって覆われる部位に形成するのが好ましい。こうすれば、スリーブの外周面に開口する挿入孔を油密にシールして、オイルのリークを防止する構造を実現し易い。エンジンの構成部材としては例えばシリンダヘッドのカムホルダーやカムシャフト、或いはVVTのロータなどが挙げられる。
見方を変えると本発明は、エンジンの可変動弁機構の制御に用いられるOCV弁の製造方法に関し、このOCVが、スリーブ内に往復動可能にスプールを収容したものである場合に、そのスリーブの内周面に開口する所定のポートを内周側から覆うようにして、板ばね部材を筒状に巻回してなるチェック弁を装着する方法である。
この方法の特徴は、前記所定のポートに対応する位置で前記スリーブの周壁を貫通し、当該スリーブ内に前記板ばね部材を挿入可能な挿入孔を形成したことにある。この挿入孔に対し外側から板ばね部材の端部を挿し入れて送り込むことで、板ばね部材をスリーブの内周面に沿うように巻回させて、前記所定のポートを覆うチェック弁として装着することができる。
こうして挿入孔に送り込んだ板ばね部材の末端側の部分は、当該挿入孔に挿入されたままとするのが好ましく、こうすれば上述したようにチェック弁の位置ずれを抑制することができる。また、より好ましくは板ばね部材の末端部を折り曲げて、前記挿入孔の周縁部に係止させることである。
本発明に係る油圧制御弁は、スリーブの周壁を貫通するように形成した挿入孔に対し、外側から板ばね部材の端部を挿し入れて送り込むという簡単な作業によって、この板ばね部材をスリーブの内周面に沿うように巻回させ、所定のポートを内周側から覆うチェック弁として装着することができる。この際、板ばね部材には過度に縮径させるような力を加える心配はないので、塑性変形を生じてしまいチェック弁としての機能が損なわれることを防止できる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、エンジンの動弁系に装備された可変動弁機構(Variable Valve Timing:VVT)に制御油圧を供給するための油圧制御弁(Oil Control Valve:OCV)に本発明を適用した場合について説明する。
図1に概略的に示すように本実施形態のVVT1は、エンジンの吸気側のカムシャフト2の先端部に固定されたロータ10と、このロータ10を覆うように組み付けられるとともにスプロケット3が一体に設けられたケース11とを備えており、図示しないクランクシャフトの回転に対する吸気側カムシャフト2の位相を、所定の角度範囲において連続的に変化させるものである。このVVT1の動作によって、吸気バルブの開閉時期(バルブタイミング)が変更される。
VVT1の構造は周知であるから、その詳細な説明は省略するが、ロータ10とケース11との間には周方向に並んで複数の油圧作動室1a,1b,…が形成され、ここに作動油として供給されるエンジンオイル(以下、単にオイルという)の油圧がOCV4によって制御されることにより、ロータ10とケース11とが相対的に回動するようになっている。
すなわち、前記油圧作動室1a,1b,…は、周方向に交互に配置された進角側の油圧作動室1a(以下、進角室1aという)と、遅角側の油圧作動室1b(以下、遅角室1bという)とからなり、進角室1aの油圧力が増大すると、ロータ10はケース11に対しカムシャフト2の回転する向きに相対回動し、これにより吸気バルブの開閉時期が進角側に変更される。反対に遅角室1bの油圧力が増大すればロータ10は前記とは逆向きに回動し、これにより吸気バルブの開閉時期が遅角側に変更される。
そのようにVVT1の進角室1aおよび遅角室1bへ油圧を供給するOCV4は、図2にも示すように一方の端(図1の左端)が開口した筒状のスリーブ5と、その内部に収容されて長手方向の軸線Xに沿って往復動するスプール6とを備えている。本実施形態ではスリーブ5がVVT1のロータ10に同軸に組み付けられていて、OCV4からVVT1へオイルを供給する油路の短縮が図られている。
そして、前記OCV4のスプール6は、エンジンのシリンダヘッドに取り付けられている電磁アクチュエータ7(図1に仮想線で示す)によって駆動され、そのスプール6の位置の変化によってVVT1の進角室1aまたは遅角室1bとの間でオイルの供給および排出が行われる。すなわち、スプール6を取り囲むスリーブ5の周壁50には、軸線X方向に並んで進角側ポート51、主供給ポート52、遅角側ポート53、ロック作動ポート54および副供給ポート55が形成されている。
前記進角側ポート51および遅角側ポート53はそれぞれ、ロータ10に形成された進角側油路10aおよび遅角側油路10bによって、VVT1の進角室1aおよび遅角室1bに連通されている。また、主供給ポート52および副供給ポート55は、スリーブ5の外周面とロータ10の内周面との間の油路10cを介して、ロータ10に形成された供給油路10dに連通され、この供給油路10dを介して図示しないオイルポンプからオイルが供給されるようになっている。
なお、ロック作動ポート54は、スリーブ5の外周面とロータ10の内周面との間の油路10eなどを介して、図示しないロックピンの油圧室に連通されている。また、図示は省略するが、スプール6の内部にも油路が形成されており、VVT1の進角室1aや遅角室1bから進角側ポート51や遅角側ポート53に排出されてきたオイルを、スリーブ5の他端部に形成されたドレンポート56から排出するようになっている。
かかる構成において、エンジンのECU(Electronic Control Unit)によって制御される電磁アクチュエータ7からOCV4に加えられる駆動力が変化すると、この駆動力とコイルばね8のばね力との釣り合いによって、OCV4のスプール6の位置が決定される。このスプール6の位置に応じて前記進角側ポート51および遅角側ポート53と、主供給ポート52、副供給ポート55およびドレンポート56との連通量(例えば、連通部分の流路断面積)が変化する。
これにより、進角側ポート51または遅角側ポート53から進角側または遅角側の油路10a,10bに吐出されるオイルの流量が変化し、或いは、ドレンポート56から排出されるオイルの流量が変化する。このようなオイルの流れの変化によってOCV4は、VVT1を進角側または遅角側に動作させて、エンジンの吸気バルブの動作タイミングを進角側または遅角側に連続的に変更することができる。
−チェック弁−
上述したようにOCV4は、エンジンの吸気バルブの動作タイミングを変更するために、進角側ポート51または遅角側ポート53から進角側または遅角側の油路10a,10bを介してVVT1の進角室1aまたは遅角室1bにオイルを供給するものであるが、この際、それら進角室1aまたは遅角室1bの圧力が高いと逆方向の流れが生じることがあり、このことがVVT1の動作を不安定にするおそれがあった。
上述したようにOCV4は、エンジンの吸気バルブの動作タイミングを変更するために、進角側ポート51または遅角側ポート53から進角側または遅角側の油路10a,10bを介してVVT1の進角室1aまたは遅角室1bにオイルを供給するものであるが、この際、それら進角室1aまたは遅角室1bの圧力が高いと逆方向の流れが生じることがあり、このことがVVT1の動作を不安定にするおそれがあった。
そこで、本実施形態では、OCV4のスリーブ5に形成された主供給ポート52および副供給ポート55に、板ばね部材90(図2を参照)を巻回してなるリード弁タイプのチェック弁9(以下、巻チェック弁9という)を装着して、オイルの逆流を阻止するようにしている。この巻チェック弁9は、本実施形態ではOCV4のスリーブ5内に、即ちスリーブ5の内周面とスプール6の外周面との間に装着されている(図3を参照)。
詳しくは、図1、2に表れているようにスリーブ5の内周面(周壁50の内周面)には、主供給ポート52および副供給ポート55の開口を含むように幅広の浅溝からなる2つの円環状のリセス50a,50bが形成されている。そして、これらのリセス50a,50bのそれぞれの溝底面におけるポート52,55の開口を覆うようにして、図1には仮想線で示すように巻チェック弁9が装着される。
ここで、主供給ポート52および副供給ポート55にそれぞれ装着される巻チェック弁9は、同一のものなので、以下では主供給ポート52に装着されるものについて説明するが、副供給ポート55に装着される巻チェック弁9についても同様である。巻チェック弁9は、薄い帯状に成形された鋼製の板ばね部材90からなり、図2に示すように板ばね部材90を筒状に巻回して、スリーブ5のリセス50aの内周面に装着した状態よりも大径となるように湾曲させたものである。
そして、図2に模式的に示すように板ばね部材90を縮径させてリセス50aの溝底面に装着すると、板ばね部材90は、それ自体の弾発力によって拡径しようとするので、リセス50aの溝底面に張り付ついて主供給ポート52の開口を覆うようになる。図3には、図1のIII-III線における断面を示すように、板ばね部材90の厚みはリセス50aの深さと概ね同じに設定されていて、スプール6と接触が抑制されている。
また、図3に表れているようにスリーブ5には、その周壁50を貫通する挿入孔57が形成されていて、ここに板ばね部材90の一端側が挿入されている。図3には矢印で示すように板ばね部材90の一端部90aは、巻回外側に折り曲げられてU字状をなし、挿入孔57の周縁部に係止されている。このことで、板ばね部材90、即ち巻チェック弁9の位置ずれやスプール6との接触による不具合などが抑制されている。
前記挿入孔57は、スリーブ5の内周においてリセス50aの溝底面に開口し、この溝底面の外形をなす円の接線方向に延びて、図2にも示すようにスリーブ5の周壁50の外周面に開口している。挿入孔57は、後述するように板ばね部材90をスリーブ5内に挿入するためのもので、挿入孔57の横断面は板ばね部材90の横断面よりも僅かに大きく設定されている。また、挿入孔57は、スリーブ5がVVT1のロータ10に嵌入された状態では油密にシールされることになり、オイルのリークは防止されている。
そうして装着された板ばね部材90、即ち巻チェック弁9は、オイルポンプから吐出されたオイルが供給油路10dなどを介して主供給ポート52(および副供給ポート55)に供給されると、その油圧によって押し上げられて開弁する。これによりオイルはスリーブ5の内部に流入するようになる。こうして押し上げられた板ばね部材90はスプール6と接触する可能性があるが、その一端部90aが挿入孔57の周縁部に係止されているため、噛み込みなどの不具合は起き難い。
一方、前記のように主供給ポート52(および副供給ポート55)に供給される油圧が低下したり、そのポート52(53)からスリーブ5の内部に流入するオイルの流れに逆向きの流れが生じようとすれば、巻チェック弁9(板ばね部材90)はその弾発力によって再びリセス50a(50b)の溝底面に密着し、主供給ポート(および副供給ポート55)の開口を閉ざすようになる。
−スリーブへのチェック弁の装着−
ところで、前記のように巻チェック弁9をスリーブ5内に装着するためには、例えば、前記図2に模式的に示したように巻回した板ばね部材90を縮径させて、スリーブ5の一端の開口部5aから挿入することが考えられる。しかしながら、スリーブ5の開口部5aは図1、2に表れているように段階的に口径が小さくなっており、巻回した板ばね部材90を口径の最も小さな部分よりも小径になるように縮径させると、材料の降伏点を超えて変形(塑性変形)するおそれがある。
ところで、前記のように巻チェック弁9をスリーブ5内に装着するためには、例えば、前記図2に模式的に示したように巻回した板ばね部材90を縮径させて、スリーブ5の一端の開口部5aから挿入することが考えられる。しかしながら、スリーブ5の開口部5aは図1、2に表れているように段階的に口径が小さくなっており、巻回した板ばね部材90を口径の最も小さな部分よりも小径になるように縮径させると、材料の降伏点を超えて変形(塑性変形)するおそれがある。
こうなると、前記のようにリセス50a,50bに装着した板ばね部材90の一部に変形が残ってしまい、巻チェック弁9として主供給ポート52や副供給ポート55を十分に密閉できなくなったり、或いは、往復動するスプール6との接触によって噛み込みなどの不具合を引き起こしたりすることが懸念される。
そこで、本実施形態では前記図2に表れているように、リセス50a,50bにそれぞれ対応する位置においてスリーブ5の周壁50を貫通し、帯状の板ばね部材90をその長手方向(巻回方向)に挿入可能な挿入孔57,58を形成したものである。そして、この挿入孔57,58に対してそれぞれ外側から板ばね部材90の端部を挿し入れて送り込むことにより、リセス50a,50bの溝底面に沿うように巻回させて装着するようにしている。
すなわち、まず、板ばね部材90は、ばね鋼の薄板材をプレスなどにより帯状に成形したものであり、これを前記のように巻チェック弁9としてスリーブ5内に装着した状態よりも大径に巻回しておく。つまり、挿入孔57,58からスリーブ5内に送り込み易いよう巻き癖をつけておく。そして、図4に挿入孔57について示すように、そのスリーブ外側の開口に板ばね部材90の端部を挿し入れて(矢印で示す)、送り込んでゆく。
こうして送り込まれる板ばね部材90の先端部はリセス50aの溝底面を滑るようにして移動し、これにより板ばね部材90がリセス50aに沿うように巻回されて、前記図3に示したように主供給ポート52の開口を覆う状態になる。このとき板ばね部材90は、それ自体の弾発力によってリセス50aの溝底面に張り付くように密着し、主供給ポート52を開閉する巻チェック弁9として機能する。
そのようにして挿入孔57に板ばね部材90を送り込む作業は、板ばね部材90をさらに縮径させたり、こじったりするような無理な力を加えることなく、容易に行うことができる。よって、板ばね部材90が材料の降伏点を超えて塑性変形してしまう可能性は低く、巻チェック弁9として供給ポート23を十分に密閉できなくなったり、或いはスプール6との接触によって噛み込みなどの不具合を引き起こしたりする心配は少ない。
また、前記のようにしてスリーブ5内に板ばね部材90を送り込み、その末端部(一端部90a)が挿入孔57から少しだけ飛び出した状態で、これを折り曲げる。こうすれば、図3を参照して上述したように、巻チェック弁9として装着された板ばね部材90の一端側が挿入孔57に挿入されたままとなり、さらに、U字状に折り曲げられた一端部90aが挿入孔57の周縁部に係止されることになる。
したがって、本実施形態に係るOCV4は、スリーブ5の周壁50を貫通するように形成した挿入孔57,58に対して、外側から板ばね部材90の端部を挿し入れて送り込むという容易な作業によって、この板ばね部材90に塑性変形を生じさせることなく、巻チェック弁9としてスリーブ5内に装着することができる。
また、そうして装着した巻チェック弁9、即ち板ばね部材90の一端部90a(挿入の際の末端部)を折り曲げて、挿入孔57,58の周縁部に係止させることにより、巻チェック弁9が油圧を受けて押し上げられたときにも、スプール6との接触による不具合が起こり難い。
−他の実施形態−
本発明は、上述した実施形態の記載に限定されるものではない。前記実施形態の記載はあくまで例示に過ぎず、本発明の構成や用途などについても限定することはない。例えば前記の実施形態では、VVT1のロータ10に組み付けられるOCV4について説明したが、これに限ることはなく、エンジンのシリンダヘッドやシリンダブロックなどにOCV4を配設する場合にも本発明を適用可能である。
本発明は、上述した実施形態の記載に限定されるものではない。前記実施形態の記載はあくまで例示に過ぎず、本発明の構成や用途などについても限定することはない。例えば前記の実施形態では、VVT1のロータ10に組み付けられるOCV4について説明したが、これに限ることはなく、エンジンのシリンダヘッドやシリンダブロックなどにOCV4を配設する場合にも本発明を適用可能である。
この場合でも、OCV4のスリーブ5の外周面において挿入孔57,58は、外側からエンジンの構成部材によって覆われる部位に形成し、これら構成部材を利用して油密にシールすることが好ましい。なお、スリーブ5をVVT1のロータ10も含めたエンジンの構成部材に嵌入して、直接的にシールするのではなく、構成部材との間にシール材などを配設するようにしてもよい。
また、前記実施形態のようにVVT1を吸気側カムシャフト2に取り付けた場合にも限定されず、排気側のカムシャフトに取り付けた場合にも本発明は適用可能であるし、VVTも前記実施形態のようなベーンタイプには限定されず、例えばヘリカルタイプのものであってもよい。
本発明は、エンジンの可変動弁機構(VVT)の制御に用いられる油圧制御弁(OCV)の製造時に、チェック弁として用いる板ばね部材を塑性変形させることなく容易にスリーブ内に装着できるもので、例えば量産エンジンなどに適用して効果が高い。
1 可変動弁機構(VVT)
4 油圧制御弁(OCV)
5 OCVのスリーブ
50 スリーブの周壁
50a リセス(巻チェック弁の装着されるスリーブの内周面)
52,55 主供給ポート(所定のポート)
55 副供給ポート(所定のポート)
57,58 挿入孔
6 スプール
9 巻チェック弁(チェック弁)
90 板ばね部材
90a 板ばね部材の一端部
4 油圧制御弁(OCV)
5 OCVのスリーブ
50 スリーブの周壁
50a リセス(巻チェック弁の装着されるスリーブの内周面)
52,55 主供給ポート(所定のポート)
55 副供給ポート(所定のポート)
57,58 挿入孔
6 スプール
9 巻チェック弁(チェック弁)
90 板ばね部材
90a 板ばね部材の一端部
Claims (2)
- エンジンの可変動弁機構の制御に用いられる油圧制御弁であって、
スリーブ内に往復動可能にスプールを収容してなり、そのスリーブの内周面に開口する所定のポートを内周側から覆うようにして、板ばね部材を筒状に巻回してなるチェック弁が装着され、
前記所定のポートに対応する位置で前記スリーブの周壁を貫通し、当該スリーブ内に前記板ばね部材を挿入可能な挿入孔が形成されていて、この挿入孔に前記板ばね部材の一端側が挿入されていることを特徴とする油圧制御弁。 - 請求項1に記載の油圧制御弁において、
前記板ばね部材の一端部が折り曲げられて、前記挿入孔の周縁部に係止されていることを特徴とする油圧制御弁。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014005711A JP2015135058A (ja) | 2014-01-16 | 2014-01-16 | 油圧制御弁 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014005711A JP2015135058A (ja) | 2014-01-16 | 2014-01-16 | 油圧制御弁 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015135058A true JP2015135058A (ja) | 2015-07-27 |
Family
ID=53767048
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014005711A Pending JP2015135058A (ja) | 2014-01-16 | 2014-01-16 | 油圧制御弁 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2015135058A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107313823A (zh) * | 2016-04-27 | 2017-11-03 | 舍弗勒技术股份两合公司 | 具有轴向弯曲的扭转弹簧和弹簧盖件的凸轮轴调整装置 |
WO2018164022A1 (ja) * | 2017-03-07 | 2018-09-13 | 株式会社デンソー | 作動油制御弁およびバルブタイミング調整装置 |
WO2018194076A1 (ja) * | 2017-04-21 | 2018-10-25 | 株式会社デンソー | バルブタイミング調整装置 |
JP2020128785A (ja) * | 2019-02-08 | 2020-08-27 | 株式会社Soken | 流体制御弁、および、これを用いたバルブタイミング調整装置 |
-
2014
- 2014-01-16 JP JP2014005711A patent/JP2015135058A/ja active Pending
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107313823A (zh) * | 2016-04-27 | 2017-11-03 | 舍弗勒技术股份两合公司 | 具有轴向弯曲的扭转弹簧和弹簧盖件的凸轮轴调整装置 |
CN107313823B (zh) * | 2016-04-27 | 2023-03-10 | 舍弗勒技术股份两合公司 | 具有轴向弯曲的扭转弹簧和弹簧盖件的凸轮轴调整装置 |
WO2018164022A1 (ja) * | 2017-03-07 | 2018-09-13 | 株式会社デンソー | 作動油制御弁およびバルブタイミング調整装置 |
JP2018145906A (ja) * | 2017-03-07 | 2018-09-20 | 株式会社デンソー | 作動油制御弁、および、これを用いたバルブタイミング調整装置 |
WO2018194076A1 (ja) * | 2017-04-21 | 2018-10-25 | 株式会社デンソー | バルブタイミング調整装置 |
JP2018178971A (ja) * | 2017-04-21 | 2018-11-15 | 株式会社デンソー | バルブタイミング調整装置 |
CN110192010A (zh) * | 2017-04-21 | 2019-08-30 | 株式会社电装 | 气门正时调整装置 |
US11008903B2 (en) | 2017-04-21 | 2021-05-18 | Denso Corporation | Valve timing adjustment device |
CN110192010B (zh) * | 2017-04-21 | 2021-11-09 | 株式会社电装 | 气门正时调整装置 |
JP2020128785A (ja) * | 2019-02-08 | 2020-08-27 | 株式会社Soken | 流体制御弁、および、これを用いたバルブタイミング調整装置 |
JP7136455B2 (ja) | 2019-02-08 | 2022-09-13 | 株式会社Soken | 流体制御弁、および、これを用いたバルブタイミング調整装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US10914204B2 (en) | Valve timing adjustment device | |
JP5182326B2 (ja) | 流量制御弁 | |
US10858967B2 (en) | Valve timing adjustment device and check valve | |
JP6295720B2 (ja) | 弁開閉時期制御装置 | |
US20140150742A1 (en) | Valve timing control apparatus | |
JP6645448B2 (ja) | バルブタイミング調整装置 | |
US10738663B2 (en) | Locking structure of valve timing adjustment apparatus for internal combustion engine | |
EP3165723B1 (en) | Valve opening and closing timing control apparatus | |
JP7124775B2 (ja) | 作動油制御弁およびバルブタイミング調整装置 | |
CN103225522A (zh) | 阀定时控制器及其组装方法 | |
JP6390499B2 (ja) | バルブタイミング調整装置 | |
JP2014066356A (ja) | スプール弁 | |
JP2015059430A (ja) | バルブタイミング調整装置 | |
JP2015135058A (ja) | 油圧制御弁 | |
US20170183985A1 (en) | Valve timing adjustment apparatus for internal combustion engine | |
JP6217587B2 (ja) | 弁開閉時期制御装置 | |
WO2016163119A1 (ja) | バルブタイミング調整装置 | |
WO2021106892A1 (ja) | バルブタイミング調整装置 | |
JP6065849B2 (ja) | オイルコントロールバルブの製造方法 | |
WO2015111482A1 (ja) | 可変容量形オイルポンプ | |
JP6369253B2 (ja) | 弁開閉時期制御装置 | |
JP6135714B2 (ja) | バルブタイミング調整装置 | |
JP2015098850A (ja) | バルブタイミング調整装置 | |
JP6443294B2 (ja) | バルブタイミング調整装置 | |
JP6432413B2 (ja) | バルブタイミング調整装置 |