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JP2015117755A - ころがり軸受 - Google Patents

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JP2015117755A
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JP2013260865A
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茂樹 本多
Shigeki Honda
茂樹 本多
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Eagle Industry Co Ltd
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Eagle Industry Co Ltd
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Abstract

【課題】ミストおよびパーティクルの発生を防止し、真空側の真空の質の低下及び圧力変動の防止、または、大気中へのパーティクルの流出の防止、または、磁性流体シール装置の劣化の防止、あるいは、グリース使用による高温時の垂れおよび高トルク化の問題の解消する。
【解決手段】ころがり軸受20の潤滑部を潤滑する潤滑性磁性流体を潤滑部に保持するための磁石24をころがり軸受20の外輪側部材27の少なくとも一側に設け、さらに、磁石24の外輪側部材27と反対側には、磁性材料からなり、回転軸に遊嵌するリング状のヨーク25を設け、ヨーク25の断面形状はI字状であり、磁石24は外輪側部材27においてヨーク側に開口するように設けられた凹部28に嵌入されていることことを特徴としている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ころがり軸受、特に、半導体、FPD及び太陽電池などの製造装置における真空場で使用されるのに好適な磁性流体を利用したころがり軸受に関するものである。
半導体製造装置等においては、例えば、真空ポンプによって高真空状態に保持された反応室内にウエハを配置して反応ガスを導入してCVD法等によって薄膜の形成を行なっている。反応室内でのワークの搬送は気密状態のままで行う必要があり、そのための搬送機構においては、反応室内においてワークを実際に把持するアーム部分と、反応室の外部からアーム部分に動力を伝達するための駆動機構との間が気密状態で完全に仕切られている必要がある。また、反応室の側は塵等の発生を極力抑える必要がある。このために、反応室内のアーム部分の駆動機構は摩耗粉、潤滑剤のミスト等が発生しない機構が望ましい。
上記のような半導体製造装置等にあっては、例えば、図7に示すような磁性流体シール装置が使用されている。この磁性流体シール装置は、一対の磁極片としてのポールピース102,103と、この一対のポールピース102,103に挟まれた磁力発生手段としての磁石104と、で構成される磁気回路形成手段を用いている。そして、ハウジング112に一対のポールピース102,103が密封性を向上させるOリング105,106を介して装着され、ポールピース102,103と磁石104と磁性流体107と磁性材製である軸111とで磁気回路を形成して、磁性流体107をポールピース102,103と軸111に形成された複数の環状突起先端との間に保持して密封対象側である真空側を真空状態に保持する密封機能を備えるものである(以下、「従来技術1」という。)。
そして、このような磁性流体シール装置101の大気側に、軸受部としてのベアリング110が配置されている。このベアリング110は、一般にベアリング110から発生するダストが嫌われて、磁性流体シール装置101の大気側に配置される。ベアリング110には、アンギュラベアリング等が用いられ、このベアリング110の潤滑には、グリースを使用することが多い。
しかし、上記従来技術1では、グリースは、一般にベースオイルに増稠剤を混合したものであり、多少ならずとも油分離は起こしてしまう。この状況は、温度が高くなる程顕著となり、図7のように軸受が片持ちタイプの場合、分離したオイルがベアリング110から流れ出し、磁性流体107中に混入し、磁性流体107の劣化が生じ、耐圧性及び真空性に悪影響を及ぼし磁性流体シール装置101の寿命を短くする問題があった(以下「第1の問題」という。)。
また、分離したオイルがベアリング110から大気側に流れ出しドライ状態となることから、トルクが大きくなり、最悪の場合ベアリングが壊れることもある。さらに、軸受にグリースを足す場合には、装置を分解する必要があり煩雑な作業を強いられることになる。
一方、軸受を真空側に配置した両持ちタイプの磁性流体シール装置などにあっては、片持ちタイプと同様に第1の問題があり、さらに気泡や水分が真空中に放出され真空チャンバー内の真空の質を低下させたり、圧力変動が起こり問題視されている(以下「第2の問題」という。)。
上記第1の問題に鑑み、大気側のポールピースの上面に、ハウジング側に下方へ凹むオイル受け部を備え、ベアリングでグリースが多少ならずとも油分離を起こし、分離したオイルがベアリングから流れ出した場合に、ベアリングの下部にあるオイル受け部に溜め、オイルが磁性流体中に混入することを防止するようにした装置が知られている(以下「従来技術2」という。例えば、特許文献1参照。)。
また、上記第2の問題に鑑み、図8に示すように、仕切り壁120により気密状態で仕切られた真空側と大気側との間で回転力等の動力を伝達するための回転伝達装置に関して、回転出力軸121を回転自在に支持している第1および第2のボールベアリング113、114の潤滑剤として、グリースの代わりに磁性流体を用いたものが知られている(以下「従来技術3」という。例えば、特許文献2参照。)。この従来技術3は、第1および第2のボールベアリング113、114の外輪の間に挟まれた円環状の第1のスペーサ115と内輪の間に挟まれた円環状の第2のスペーサ116と、円環状段面122aと、ナット117とによって、第1および第2のボールベアリング113、114の外輪及び内輪の軸線方向の位置を規定し、磁気回路を構成するために、第1のスペーサ115はフェライト系あるいはマルテンサイト系ステンレス等の強磁性体から形成し、また、軸線方向の端がN極、S極となるように着磁し、さらに、回転出力軸121の少なくとも軸部分122は磁性体から形成し、これに加えて、ボールベアリング113、114も一般的に使用されている金属製の磁性体とし、第2のスペーサ116を非磁性体とし、ボールベアリング113、114の接触部分の周囲を磁性流体で覆われた状態に形成するようにしたものである。
特開2003−254446号公報 特開平11−166597号公報
上記従来技術2においては、オイルの混入が防止された磁性流体には劣化が生じず、耐圧性及び真空性に影響が及ばず、磁性流体シール装置の長寿命化が図れるという効果はあるが、真空中の場合、オイル受け部に溜められたオイルに含まれている気泡や水分が真空中に放出され真空チャンバー内の真空の質を低下させるという問題があった。
また、上記従来技術3のように、磁石を用いた磁気回路により潤滑性磁性流体を固定するものではボールベアリングの接触部分で発生する微小な摩耗粉等のパーティクルが少なくなると期待されていたが、実際に試験してみると、図5および6に示すように、潤滑剤としてグリースを用いた場合に比べてパーティクル発生量がかなり多い。
ただし、この試験では、潤滑剤がグリースの場合、軸受に公知のシールドを設けてパーティクルを発生し難くしている一方、潤滑剤が磁性流体の場合、軸受にシールドを設けず、さらに磁力の弱い磁石を用いて(弱磁場)、パーティクルの発生し易い環境に設定した。
本発明は上記のような問題を解決するためになされたものであって、ころがり軸受の潤滑剤として潤滑性磁性流体を用い、磁石を用いた磁気回路により潤滑性磁性流体を固定するものにおいて、ころがり軸受の少なくとも一側にマグネットトラップを設けることにより、ミストおよびパーティクルの発生を防止し、真空側の真空の質の低下及び圧力変動の防止、または、大気中へのパーティクルの流出の防止、並びに、磁性流体シール装置の劣化の防止、及び、グリース使用による高温時の垂れおよび高トルク化の問題の解消を図ることを目的としている。
上述の目的を達成するために本発明のころがり軸受は、第1に、回転力等の動力を伝達するための動力伝達装置に使用されるころがり軸受において、該ころがり軸受の潤滑部を潤滑する潤滑性磁性流体を前記潤滑部に保持するための磁石をころがり軸受の外輪側部材の少なくとも一側に設け、さらに、前記磁石の外輪側部材と反対側には、磁性材料からなり、回転軸に遊嵌するリング状のヨークを設け、前記ヨークの断面形状はI字状であり、前記磁石は前記外輪側部材において前記ヨーク側に開口するように設けられた凹部に嵌入されていることを特徴としている。
この特徴によれば、ミストおよびパーティクルの発生を防止し、真空側の真空の質の低下及び圧力変動の防止、または、大気中へのパーティクルの流出の防止、並びに、磁性流体シール装置の劣化の防止、及び、グリース使用による高温時の垂れおよび高トルク化の問題の解消を図ることができる。また、外輪側部材により磁石を保持するため、外輪側部材を寸法精度良く製造すれば磁石の寸法精度を要求するまでもなく、簡単な構造でころがり軸受を寸法精度良く設置することができ、また、ころがり軸受の軸方向のスペースが過大になることなく有効利用できる。
また、本発明のころがり軸受は、第2に、第1の特徴において、前記回転軸は磁性材料から形成され、前記回転軸の表面と前記ヨークの内周面との距離は前記ころがり軸受の内輪と前記ヨークとの距離よりも小さく設定され、潤滑性磁性流体を潤滑部に保持するところの磁気回路は、磁石、ヨーク、回転軸、及びころがり軸受の内輪、ボール、外輪側部材の間で形成されることを特徴としている。
この特徴によれば、回転軸の表面とヨークの内周面との間に、確実に、磁気回路によるマグネットトラップを形成することができる。
また、本発明のころがり軸受は、第3に、第1の特徴において、前記回転軸は磁性材料又は非磁性材料から形成され、前記回転軸の表面と前記ヨークの内周面との距離は前記ころがり軸受の内輪と前記ヨークとの距離よりも大きく設定され、潤滑性磁性流体を潤滑部に保持するところの磁気回路は、磁石、ヨーク、及びころがり軸受の内輪、ボール、外輪側部材の間で形成されることを特徴としている。
この特徴によれば、ころがり軸受の内輪とヨークとの間に、確実に、磁気回路によるマグネットトラップを形成することができることに加えて、回転軸の材料が磁性材料に限定されないという利点がある。
また、本発明のころがり軸受は、第4に、第1乃至第3のいずれかの特徴において、前記凹部は、筒状又は矩形状をなし、円周方向に複数設けられることを特徴としている。
この特徴によれば、磁石を外輪側部材の円周方向に複数設けることができ、磁気回路を円周方向に均一、かつ、密に形成することができる。
本発明のころがり軸受は、以下のような優れた効果を奏する。
(1)ミストおよびパーティクルの発生を防止し、真空側の真空の質の低下及び圧力変動の防止、または、大気中へのパーティクルの流出の防止、並びに、磁性流体シール装置の劣化の防止、及び、グリース使用による高温時の垂れおよび高トルク化の問題の解消を図ることができる。また、外輪側部材により磁石を保持するため、外輪側部材を寸法精度良く製造すれば磁石の寸法精度を要求するまでもなく、簡単な構造でころがり軸受を寸法精度良く設置することができ、また、ころがり軸受の軸方向のスペースが過大になることなく有効利用できる。
(2)回転軸は磁性材料から形成され、回転軸の表面とヨークの内周面との距離はころがり軸受の内輪とヨークとの距離よりも小さく設定され、潤滑性磁性流体を潤滑部に保持するところの磁気回路は、磁石、ヨーク、回転軸、及びころがり軸受の内輪、ボール、外輪側部材の間で形成されることにより、回転軸の表面とヨークの内周面との間に、確実に、磁気回路によるマグネットトラップを形成することができる。
(3)回転軸は磁性材料又は非磁性材料から形成され、回転軸の表面とヨークの内周面との距離はころがり軸受の内輪とヨークとの距離よりも大きく設定され、潤滑性磁性流体を潤滑部に保持するところの磁気回路は、磁石、ヨーク、及びころがり軸受の内輪、ボール、外輪側部材の間で形成されることにより、ころがり軸受の内輪とヨークとの間に、確実に、磁気回路によるマグネットトラップを形成することができることに加えて、回転軸の材料が磁性材料に限定されないという利点がある。
(4)凹部は、筒状又は矩形状をなし、円周方向に複数設けられることにより、磁石を外輪側部材の円周方向に複数設けることができ、磁気回路を円周方向に均一、かつ、密に形成することができる。
本発明の実施例1に係るころがり軸受を、磁性流体シールを備えた軸受装置に適用した例を示す正面断面図である。 本発明の実施例1に係るころがり軸受を説明するためのものであって、(a)は正面断面図、(b)は(a)のA−A断面図である。 本発明の実施例1に係るころがり軸受の変形例を、磁性流体シールのない軸受装置に適用した例を示す正面断面図である。 本発明の実施例2に係るころがり軸受を説明するための正面断面図である。 通常のころがり軸受において潤滑剤としてグリースを用いた場合と、潤滑剤として磁性流体を用い、磁石を用いた磁気回路により磁性流体を固定した場合との1時間当たりのパーティクルの発生量を測定した図である。 通常のころがり軸受において潤滑剤としてグリースを用いた場合、潤滑剤として磁性流体を用い、磁石を用いた磁気回路により磁性流体を固定した場合、および、潤滑剤として磁性流体を用い、磁石を用いた磁気回路により磁性流体を固定するとともに、本発明によるマグネットラップ(磁石及びヨーク)を装着した場合における、時間経過に伴う1時間当たりのパーティクルの発生量を測定した図である。 従来技術1を示す正面断面図である。 従来技術3を示す正面断面図である。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置などは、特に明示的な記載がない限り、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
図1ないし図3を参照して本発明の実施例1に係るころがり軸受を説明する。
図1は、本発明の実施例1に係るころがり軸受を磁性流体シールを備えた軸受装置に適用した例を示す正面断面図であり、図2は、本発明の実施例1に係るころがり軸受を説明するためのものであって、(a)は正面断面図、(b)は(a)のA−A断面図である。また、図3は、本発明の実施例1に係るころがり軸受の変形例を磁性流体シールのない軸受装置に適用した例を示す正面断面図である。
図1及び図3においては、左側が真空側、右側が大気側である場合について説明するが、本発明のころがり軸受は、両側が大気−大気、あるいは、真空−真空であっても適用できることはいうまでもない。
図1において、軸受装置は、ハウジング2と回転軸1との間に装着されて、ハウジング2と回転軸1との間をシールするとともに回転軸1を回転自在に支持するものであって、ハウジング2内の中央部に磁性流体シール3を配置するとともに該磁性流体シール3の両側にころがり軸受20、20を配置し、該真空側のころがり軸受20の外輪21又は内輪22と磁性流体シール3との間、及び、大気側のころがり軸受20の外輪21と磁性流体シール3との間には非磁性材料からなるスペーサ4を介在させてなるものである。
ハウジング2の内周側の左端には段部5が形成され、該段部5にころがり軸受20が当接され、右側に向かって順に、スペーサ4、磁性流体シール3、スペーサ4およびころがり軸受20が配置され、押えリング6およびボルト7により段部5に押し付けられるようにして固定される。
一方、回転軸1には、リテイニングリング8が大気側のころがり軸受20の位置に対応してに設けられ、該ころがり軸受20の内輪22を位置決めする。磁性流体シール3は、マグネット9と、その両側に配置されたポールピース10、10とより構成される。ポールピース10、10に対向する回転軸1の外周面には、複数の凸部11が形成されている。また、ポールピース10、10の外周面にはOリング12が装着され、ハウジング2の内周面との間をシールしている。
図1において、ころがり軸受20は、玉軸受あるいはローラ軸受等の転動体のころがりを利用した軸受であり、外輪21がリテーナ27を介してハウジング2に固定され、内輪22が回転軸1に固定される。外輪21と内輪22との間にはボール23が嵌入されている。
また、真空側のころがり軸受20のリテーナ27の真空側、及び、大気側のころがり軸受20のリテーナ27の大気側には、それぞれ磁石24が設けられ、さらに、該それぞれの磁石24のリテーナ27と反対側には、磁性材料からなり、回転軸1に遊嵌するリング状のヨーク25が設けられる。
なお、図1では、外輪21がリテーナ27を介してハウジング2に固定され、磁石24がリテーナ27に設けられる場合を示しているが、リテーナ27は必須というものではなく、外輪21が直接ハウジング2に固定され、外輪21に磁石24が設けられるようにしてもよい。そのため、本発明においては、外輪21単独の場合、又は、外輪21とリテーナ27とからなる場合の両方を総称して「外輪側部材」という。
図1において、真空側のころがり軸受20の真空側、及び、大気側のころがり軸受20の大気側に磁石24及びヨーク25より構成されるマグネットトラップが設けられることにより真空室及び大気中にパーティクルの流出を防止することができる。
また、図1において、マグネットトラップを、それぞれのころがり軸受20の片側にしか設けていないのはマグネットトラップを設けていない側には磁性流体シール3が設けられ、磁性流体を保持しているポールピース10と回転軸1の複数の凸部11との間でパーティクルがトラップされるからである。ただし、ころがり軸受20に用いる潤滑性磁性流体と磁性流体シールの磁性流体が異なり、相互に混入を防止する必要がある場合には、それぞれのころがり軸受20の両側にマグネットトラップを設けるのが望ましい。
なお、図1においては、磁石24及びヨーク25より構成されるマグネットトラップが、真空側のころがり軸受20の真空側、及び、大気側のころがり軸受20の大気側に設ける場合を説明したが、これに限定されることなく、必要に応じて、真空側のころがり軸受20の真空側、又は、大気側のころがり軸受20の大気側のいずれか一方に設けてもよい。
ころがり軸受20の潤滑剤としては、グリースの代わりに、潤滑性磁性流体26が用いられ、被潤滑部分に対する潤滑が行われる。被潤滑部分の潤滑を長期間に亘って適切に行うために、潤滑性磁性流体を被潤滑部分に保持するための磁気回路を形成する必要がある。
本実施例においては回転軸1は磁性体から形成され、ころがり軸受20の外輪21、内輪22およびボール23も一般的に使用されている金属製であり、磁性体である。
磁性流体としては、大別して、水ベース磁性流体、炭化水素油ベース磁性流体及びふっ素油ベース磁性流体の3種類あるが、本発明のころがり軸受20では、蒸気圧が低く、高温・高真空中において蒸発しにくい炭化水素油ベース磁性流体及びふっ素油ベース磁性流体を用いている。
そのため、本発明においては、炭化水素油ベース磁性流体及びふっ素油ベース磁性流体を、特に、潤滑性磁性流体と呼ぶこととする。
また、磁石24としては、例えば、金属又は磁石粉を充填した有機材料等からなる永久磁石が用いられる。
図2において、ヨーク25は、回転軸1に遊嵌されるように、回転軸1の径より少し大きい内径を有するリング状をしており、その断面形状はI字状をなしている。ヨーク25と回転軸1の表面との間にはわずかな間隙があり、回転軸1の表面とヨーク25の内周面との距離d1は内輪22とヨーク25との距離d2よりも小さく設定されている。ヨーク25は、磁石24の持つ吸着力を増幅するものであって、例えば、軟鉄板から構成される。ヨーク29の断面形状がI字状をなしているため、ヨーク29の製造が容易である。
回転軸1は磁性体から形成され、ころがり軸受20の外輪21、内輪22およびボール23も磁性体であり、矢印で示す方向に磁気回路が形成される。すなわち、永久磁石である磁石24から、ヨーク25、回転軸1、内輪22、ボール23、外輪21及びリテーナ27を経由して再び磁石24に戻る磁気回路が形成される。このため、ボール23と外輪21との間、および、ボール23と内輪22との間には、潤滑性磁性流体26が保持される。また、ボール23の転動により磁性流体などのパーティクル等が発生しても、ヨーク25によりトラップされ、真空側へのパーティクルの侵入は防止される。ヨーク25と回転軸1の表面との間にはわずかな間隙があり、この間隙を通ってパーティクルが真空側に侵入することが考えられるが、ヨーク25の内周面と回転軸1の表面との間には磁気回路が形成されているため、パーティクルは効率よくトラップされ、真空側に侵入することはできない。
真空側のころがり軸受20のリテーナ27のヨーク25側(真空側)及び大気側のころがり軸受20のリテーナ27のヨーク25側(大気側)にそれぞれ開口するようにして凹部28が設けられている。凹部28は、磁石24が嵌入されるためのものであって、筒状又は矩形状などをなし、リテーナ27の円周方向に複数設けられている。凹部28の深さは、筒状又は矩形状などをした磁石24の長さよりも小さく設定されており、磁石24が嵌入された場合、磁石24の一部が凹部28より突出し、突出部の端面がヨーク25の外周側の側面に当接するようになっている。
リテーナ27により磁石24を保持する構造とすることにより、リテーナ27を寸法精度良く製造すれば磁石24の寸法精度を要求するまでもなく、簡単な構造でころがり軸受20を寸法精度良く設置することができ、また、ころがり軸受20の軸方向のスペースが過大になることなく有効利用できる。さらに、ころがり軸受20の外輪に加工を施す必要がないため、市販のころがり軸受をそのまま利用することができる。
〔実施例1の変形例〕
図3の軸受装置は、外輪21が直接ハウジング2に固定され、外輪21に磁石24が設けられる点、並びに、磁性流体シール3及びスペーサ4に代えて軸方向に長いスペーサ13が設けられている点で、図1及び図2に示す軸受装置と相違するが、その他の構成は図1及び図2に示す軸受装置と同じであり、同じ部材には同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
図3の軸受装置では、ハウジング2に外輪21が固定され、ハウジング2内の中央部に非磁性材料からなるスペーサ13が配置されるとともに該スペーサ13の両側にころがり軸受20、20が配置されたものである。
図3において、それぞれのころがり軸受20の外輪21のヨーク25側にそれぞれ開口するようにして凹部28が設けられる。凹部28は、磁石24が嵌入されるためのものであって、筒状又は矩形状などをなし、外輪21の円周方向に複数設けられている。凹部28の深さは、筒状又は矩形状などをした磁石24の長さよりも小さく設定されており、磁石24が嵌入された場合、磁石24の一部が凹部28より突出し、突出部の端面がヨーク25の外周側の側面に当接するようになっている。
外輪21により磁石24を保持する構造とすることにより、外輪21を寸法精度良く製造すれば磁石24の寸法精度を要求するまでもなく、簡単な構造でころがり軸受20を寸法精度良く設置することができ、また、ころがり軸受20の軸方向のスペースが過大になることなく有効利用できる。さらに、スペーサ27を設ける場合に比較して、径方向の寸法を小さくすることができる。
真空側及び大気側に磁石24及びヨーク25より構成されるマグネットトラップが設けられることにより真空室及び大気中にパーティクルの流出を防止することができる。
また、図3において、マグネットトラップを、それぞれのころがり軸受20の真空側又は大気側にしか設けていないのは、2つのころがり軸受の距離が離れており、パーティクルが真空側及び大気側に流出しようとしても、両端のマグネットトラップでトラップされ流出できないからである。このように、マグネットトラップをころがり軸受20の片側あるいは両側のいずれに設けるかは設計的に決められる事項である。
なお、図3において、磁石24及びヨーク25より構成されるマグネットトラップが、真空側のころがり軸受20の真空側、及び、大気側のころがり軸受20の大気側に設ける場合を説明したが、これに限定されることなく、必要に応じて、真空側のころがり軸受20の真空側、又は、大気側のころがり軸受20の大気側のいずれか一方に設けてもよい。
図4を参照して本発明の実施例2に係るころがり軸受を説明する。
実施例2に係るころがり軸受20は、磁気回路が回転軸を経由しないように構成される点で実施例1と相違するが、その他の構成は図1と同じであり、重複する説明は省略する。
図4において、回転軸1は非磁性材料から製作されるか、または、リング状のヨーク25の内周面が回転軸1の表面から離間するように形成される。すなわち、回転軸1の表面とヨーク25の内周面との距離d3は、内輪22とヨーク25との距離d4よりも大きく設定されている。このため、潤滑性磁性流体を潤滑部に保持するところの磁気回路は、磁石24、ヨーク25、内輪22、ボール23、外輪21及びリテーナ27の間で形成される。
実施例2においては、リテーナ27により磁石24を保持する構造とすることにより、リテーナ27を寸法精度良く製造すれば磁石24の寸法精度を要求するまでもなく、簡単な構造でころがり軸受20を寸法精度良く設置することができ、また、ころがり軸受20の軸方向のスペースが過大になることなく有効利用でき、さらに、ころがり軸受20の外輪に加工を施す必要がないため、市販のころがり軸受をそのまま利用することができるという効果に加えて、回転軸1の材料が磁性材料に限定されないという利点がある。
図5は、通常のころがり軸受において潤滑剤としてグリースを用いた場合と、潤滑剤として磁性流体を用い、磁石を用いた磁気回路により磁性流体を固定した場合(以下、「磁性流体でマグネットトラップなしの場合」という。)との1時間当たりのパーティクルの発生量を測定したものである。
なお、この測定試験は、磁気回路により磁性流体を固定した場合におけるマグネットトラップのトラップ効果を確認するため、あえて、磁場を弱く設定し、パーティクルの発生し易い状態を作り出して行ったものである。
直径25mmのベアリングを50rpm〜300rpmの範囲で回転させて測定した結果、1時間当たり、0.1μm以上のパーティクルの発生数は、回転数が大きくなるにつれ多くなるが、いずれの回転数においても、磁性流体でマグネットトラップなしの場合の方がグリースを用いた場合に比べパーティクルの発生数は多い。
図6は、通常のころがり軸受において潤滑剤としてグリースを用いた場合と、磁性流体でマグネットトラップなしの場合、および、潤滑剤として磁性流体を用い、磁石を用いた磁気回路により磁性流体を固定するとともに、本発明によるリング状のヨーク(マグネットトラップ)を装着した場合(以下「磁性流体でマグネットトラップありの場合」という。)における、時間経過に伴う1時間当たりのパーティクルの発生量を測定したものである。なお、測定には、直径25mmのベアリングを用い、300rpmで回転させた。
なお、この測定試験も、磁気回路により磁性流体を固定した場合におけるマグネットトラップのトラップ効果を確認するため、あえて、磁場を弱く設定し、パーティクルの発生し易い状態を作り出して行ったものである。
また、図6(a)及び(b)は同じ測定結果を示すものであるが、図6(b)は、磁性流体でマグネットトラップありの場合及びグリースを用いた場合のパーティクルの発生数を見やすくするため、片対数のグラフにしている。
図6(a)をみると、磁性流体でマグネットトラップなしの場合、1時間当たりのパーティクルの発生数は、経過時間に関係なく、断然多い。また、通常のころがり軸受において潤滑剤としてグリースを用いた場合、磁性流体でマグネットトラップなしの場合にくらべて、1時間当たりのパーティクルの発生数は約8分の一程度と少ないが、12時間経過の前後において発生数が突然多くなっており、その他の少ない時間帯においても1時間当たり約1000個程度発生していることがわかる。
これに対して、磁性流体でマグネットトラップありの場合には、図6(b)から分かるように、運転開始直後に1時間当たり約500個程度発生しているが、時間経過とともに急速に低下し、数時間後には1時間当たり数個程度まで減少し、その後は、ほとんど発生していない。
この測定結果から、本発明のリング状のヨーク(マグネットトラップ)を装着したころがり軸受においては、ヨークによるパーティクルのトラップが確実に行われていることがわかる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、図1及び図3において、左側が真空側、右側が大気側である場合について説明するが、本発明のころがり軸受は、両側が大気−大気、あるいは、真空−真空であっても適用できる。
また、例えば、前記実施例では、磁石24及びヨーク25より構成されるマグネットトラップが、真空側のころがり軸受20の真空側、及び、大気側のころがり軸受20の大気側に設ける場合を説明したが、これに限定されることなく、必要に応じて、真空側のころがり軸受20の真空側、又は、大気側のころがり軸受20の大気側のいずれか一方に設けてもよい。
また、例えば、前記実施例では、ころがり軸受20の外輪21がリテーナ27を介してハウジング2に固定される場合と、同外輪21が直接ハウジング2に固定される場合との2つの場合を分けて説明したが、いずれにするかは、製造及び組み立ての容易さ、及び、コスト等の面から設計的に決定されるものであり、本発明は両者を包含するものである。
1 回転軸
2 ハウジング
3 磁性流体シール
4 スペーサ
5 段部
6 押えリング
7 ボルト
8 リテイニングリング
9 マグネット
10 ポールピース
11 凸部
12 Oリング
13 スペーサ
20 ころがり軸受
21 外輪
22 内輪
23 ボール
24 磁石
25 ヨーク
26 潤滑性磁性流体
27 リテーナ
28 凹部

Claims (4)

  1. 回転力等の動力を伝達するための動力伝達装置に使用されるころがり軸受において、該ころがり軸受の潤滑部を潤滑する潤滑性磁性流体を前記潤滑部に保持するための磁石をころがり軸受の外輪側部材の少なくとも一側に設け、さらに、前記磁石の外輪側部材と反対側には、磁性材料からなり、回転軸に遊嵌するリング状のヨークを設け、前記ヨークの断面形状はI字状であり、前記磁石は前記外輪側部材において前記ヨーク側に開口するように設けられた凹部に嵌入されていることを特徴とするころがり軸受。
  2. 前記回転軸は磁性材料から形成され、前記回転軸の表面と前記ヨークの内周面との距離は前記ころがり軸受の内輪と前記ヨークとの距離よりも小さく設定され、潤滑性磁性流体を潤滑部に保持するところの磁気回路は、磁石、ヨーク、回転軸、及びころがり軸受の内輪、ボール、外輪側部材の間で形成されることを特徴とする請求項1記載のころがり軸受。
  3. 前記回転軸は磁性材料又は非磁性材料から形成され、前記回転軸の表面と前記ヨークの内周面との距離は前記ころがり軸受の内輪と前記ヨークとの距離よりも大きく設定され、潤滑性磁性流体を潤滑部に保持するところの磁気回路は、磁石、ヨーク、及びころがり軸受の内輪、ボール、外輪側部材の間で形成されることを特徴とする請求項1記載のころがり軸受。
  4. 前記凹部は、筒状又は矩形状をなし、円周方向に複数設けられることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のころがり軸受。




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