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JP2015113376A - セルロース繊維及びその製造方法、微細セルロース繊維分散体及びその製造方法、並びに微細セルロース繊維の製造方法 - Google Patents

セルロース繊維及びその製造方法、微細セルロース繊維分散体及びその製造方法、並びに微細セルロース繊維の製造方法 Download PDF

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JP2015113376A JP2013255041A JP2013255041A JP2015113376A JP 2015113376 A JP2015113376 A JP 2015113376A JP 2013255041 A JP2013255041 A JP 2013255041A JP 2013255041 A JP2013255041 A JP 2013255041A JP 2015113376 A JP2015113376 A JP 2015113376A
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Akira Isogai
明 磯貝
賢志 高市
Kenji Takaichi
賢志 高市
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Abstract

【課題】一旦乾燥させた場合であっても、未乾燥状態から調製した場合と同様に溶媒に微細分散させることができ、輸送に係る費用の低減が可能で、保存性に優れるセルロース繊維、前記セルロース繊維を環境負荷が小さく、容易に製造することができるセルロース繊維の製造方法、前記セルロース繊維を用いた微細セルロース繊維分散体及びその製造方法、並びに前記微細セルロース繊維分散体を用いた微細セルロース繊維の製造方法の提供。
【解決手段】N−オキシル化合物、及び共酸化剤を含む反応液中でセルロース系原料を酸化して酸化セルロース繊維を得る酸化工程と、前記酸化セルロース繊維を、還元剤を含む反応液中で還元させ、還元型酸化セルロース繊維を得る還元工程と、前記還元型酸化セルロース繊維を乾燥する乾燥工程とを含み、前記還元型酸化セルロース繊維を乾燥して得られたセルロース繊維が、溶媒に微細分散可能であるセルロース繊維の製造方法などである。
【選択図】なし

Description

本発明は、一旦乾燥した後でも溶媒に微細分散させることが可能なセルロース繊維、それを原料とする微細セルロース繊維分散体、及びその微細セルロース繊維、その微細セルロース繊維からなる成形体、並びにこれらの製造方法に関する。
ナノサイズの材料である微細セルロース繊維(以下、「セルロースナノファイバー」と称することがある)は、天然に多量に存在するバイオマスであるセルロースをN−オキシル化合物を酸化触媒とし、共酸化剤を作用させることにより酸化させ、前記酸化させたセルロース(以下、「酸化セルロース繊維」と称することがある)を水中でせん断力を与えるような機械的な解繊処理で微細分散(以下、「ナノ分散」と称することがある)して得られる。前記酸化セルロース繊維をナノ分散させた酸化セルロースナノファイバー分散体はそのまま、あるいは他の材料と複合化したゲル状で増粘材として利用できる。また、酸化セルロースナノファイバー分散体をそのまま、あるいは他の材料と複合化して乾燥することで、シート状、フィルム状、発泡体状、エアロゲル状等の材料を製造することができる(例えば、特許文献1参照)。前記酸化セルロースナノファイバーは、均一の幅で、高アスペクト比のバイオ系ナノファイバーであり、大比表面積、高強度、及び導入されたカルボキシル基による水中での優れたナノ分散性を有するという優れた特徴がある。そのため、例えば、酸素バリア膜、汎用プラスチックの補強材、医療用材、細胞培養基材、触媒担体、吸着剤、分離材などの様々な分野への利用が期待されている。
しかしながら、前記酸化セルロースナノファイバーの水分散液(以下、「酸化セルロースナノファイバー分散体」、又は「セルロースナノファイバー分散体」と称することがある)は、固形分濃度が0.1質量%〜5質量%と非常に低い。そのため、酸化セルロースナノファイバーを用いた製品を製造するために用いる前記酸化セルロースナノファイバー分散体を輸送する際には、大量の水を運ぶこととなり輸送に係る費用が高いという問題がある。また、前記酸化セルロースナノファイバー分散体を保存する際には、微生物対策として、冷蔵保存をしたり、防腐剤処理を行ったりしなければならないという問題もある。
前記問題への対応策としては、前記酸化セルロース繊維を乾燥させ、固形分濃度を90%以上に高めたものを輸送することが考えられる。しかしながら、凍結乾燥などの穏やかな乾燥方法を用いた場合であっても、一旦乾燥してしまうと、過酷な分散処理条件を行ってもセルロースナノファイバー分散体を製造することができないという問題がある。
前記ナノ分散ができないと、前記酸化セルロースナノファイバーの均一超極細幅、高アスペクト比、ゲル及びフィルムの透明性という素材としての特徴は発現しないという問題がある。
別の対応策としては、解繊し、ナノ分散処理する前の繊維状の酸化セルロース(幅が0.01mm〜0.06mm、長さが0.1mm〜5mmで、酸化処理前の木材セルロース繊維と同じ形状を保っている)を、洗浄及びろ過工程で圧搾し、固形分濃度を10%〜40%程度に上げた(すなわち水を90%〜60%含有した)未乾燥の状態で保存、運搬することが考えられる。前記未乾燥状態の酸化セルロースであれば、水中での解繊処理で常にセルロースナノファイバー分散体を製造することができる。しかし、未乾燥状態でも依然として水分量は多く、輸送にかかる費用が高いという問題や、保存中の防腐対策が必要という問題がある。
また、これまでに、水への再分散が容易である増粘用セルロース繊維の製法として、酸化後のセルロースを、水以外の極性溶媒を50〜75%含有する水性洗浄液を用い、かつpH5.5以上の条件下で精製後、乾燥させる方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、前記提案で得られる増粘用セルロース繊維は、分散液の透明度が低く、十分に分散できているとはいえず、また、極性溶媒を用いて洗浄及び乾燥を繰り返し行うことは、環境負荷の観点や、コスト面から実用化に適しているとはいえないという問題がある。
したがって、一旦乾燥させた場合であっても、未乾燥状態から調製した場合と同様に溶媒に微細分散させることができ、輸送に係る費用の低減が可能で、保存性に優れる酸化セルロース繊維を環境負荷が小さく、容易に製造することができる製造方法の速やかな開発が強く求められているのが現状である。
特許第4998981号公報 特開2013−104133号公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、一旦乾燥させた場合であっても、未乾燥状態から調製した場合と同様に溶媒に微細分散させることができ、輸送に係る費用の低減が可能で、保存性に優れるセルロース繊維、前記セルロース繊維を環境負荷が小さく、容易に製造することができるセルロース繊維の製造方法、前記セルロース繊維を用いた微細セルロース繊維分散体及びその製造方法、並びに前記微細セルロース繊維分散体を用いた微細セルロース繊維の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> N−オキシル化合物、及び共酸化剤を含む反応液中でセルロース系原料を酸化して酸化セルロース繊維を得る酸化工程と、
前記酸化セルロース繊維を、還元剤を含む反応液中で還元させ、還元型酸化セルロース繊維を得る還元工程と、
前記還元型酸化セルロース繊維を乾燥する乾燥工程とを含み、
前記還元型酸化セルロース繊維を乾燥して得られたセルロース繊維が、溶媒に微細分散可能であることを特徴とするセルロース繊維の製造方法である。
<2> 前記<1>に記載の製造方法により製造され、溶媒に微細分散可能であることを特徴とするセルロース繊維である。
<3> 乾燥後、溶媒に微細分散可能なセルロース繊維であって、
前記セルロース繊維を105℃で3時間乾燥した後、前記セルロース繊維を濃度が0.1質量%になるように水で希釈して40mLの分散液とし、前記分散液を50mL容器に入れ、二重円筒型ホモジナイザーを用いて7,500rpmで2分間解繊処理後、氷水で前記容器の周りを冷やしながら超音波ホモジナイザーで8分間解繊処理したときに、前記分散液の波長600nmにおける光透過度が80%以上であり、複屈折を示すことを特徴とするセルロース繊維である。
<4> 前記<1>に記載のセルロース繊維の製造方法で製造されたセルロース繊維、及び前記<2>から<3>のいずれかに記載のセルロース繊維の少なくともいずれかを溶媒に分散させる分散工程を含むことを特徴とする微細セルロース繊維分散体の製造方法である。
<5> セルロース繊維が溶媒に微細分散された微細セルロース繊維分散体であって、
前記セルロース繊維が、乾燥後、溶媒に微細分散可能なセルロース繊維であり、
前記セルロース繊維を105℃で3時間乾燥した後、前記セルロース繊維を濃度が0.1質量%になるように水で希釈して40mLの分散液とし、前記分散液を50mL容器に入れ、二重円筒型ホモジナイザーを用いて7,500rpmで2分間解繊処理後、氷水で前記容器の周りを冷やしながら超音波ホモジナイザーで8分間解繊処理したときに、前記分散液の波長600nmにおける光透過度が80%以上であり、複屈折を示すことを特徴とする微細セルロース繊維分散体である。
<6> 前記<4>に記載の製造方法により製造された微細セルロース繊維分散体、及び前記<5>に記載の微細セルロース繊維分散体の少なくともいずれかを乾燥する乾燥工程を含むことを特徴とする微細セルロース繊維の製造方法である。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、一旦乾燥させた場合であっても、未乾燥状態から調製した場合と同様に溶媒に微細分散させることができ、輸送に係る費用の低減が可能で、保存性に優れるセルロース繊維、前記セルロース繊維を環境負荷が小さく、容易に製造することができるセルロース繊維の製造方法、前記セルロース繊維を用いた微細セルロース繊維分散体及びその製造方法、並びに前記微細セルロース繊維分散体を用いた微細セルロース繊維の製造方法を提供することができる。
図1は、実施例1及び2、並びに比較例1の分散液の光透過度を測定した結果を示すグラフである。 図2は、実施例1及び比較例1の分散液の光透過の様子を確認した写真である。 図3は、実施例1及び比較例1の分散液の複屈折を観察した写真である。 図4は、試験例1の紫外線吸収スペクトルを測定した結果を示すグラフである。 図5は、試験例2−1における分散液の光透過度を測定した結果を示すグラフである。 図6は、試験例2−2の紫外線吸収スペクトルを測定した結果を示すグラフである。
(セルロース繊維及びその製造方法)
本発明のセルロース繊維は、本発明のセルロース繊維の製造方法により好適に製造することができる。以下、本発明のセルロース繊維の製造方法の説明と併せて、本発明のセルロース繊維を説明する。
<セルロース繊維の製造方法>
本発明のセルロース繊維の製造方法は、酸化工程と、還元工程と、乾燥工程とを少なくとも含み、必要に応じて更に追酸化工程などのその他の工程を含む。
<<酸化工程>>
前記酸化工程は、N−オキシル化合物、及び共酸化剤を含む反応液中でセルロース系原料を酸化して酸化セルロース繊維を得る工程である。
−セルロース系原料−
前記セルロース系原料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、針葉樹系パルプ、広葉樹系パルプ、コットンリンターやコットンリントのような綿系パルプ、麦わらパルプやバガスパルプ等の非木材系パルプ、バクテリアセルロース、ホヤから単離されるセルロース、海草から単離されるセルロースなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記セルロース系原料は、叩解等の表面積を高める処理を施したものであってもよい。
前記反応液における前記セルロース系原料の分散媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水などが挙げられる。
前記反応液中における前記セルロース系原料の濃度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−N−オキシル化合物−
前記N−オキシル化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、「「Cellulose」Vol.10、2003年、第335ページから341ページにおけるI. Shibata及びA. Isogaiによる「TEMPO誘導体を用いたセルロースの触媒酸化:酸化生成物のHPSEC及びNMR分析」と題する記事」に記載されている化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記N−オキシル化合物の具体例としては、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル(以下、「TEMPO」と称することがある)、4−アセトアミドTEMPO、4−カルボキシ−TEMPO、4−フォスフォノオキシ−TEMPOなどが挙げられる。
前記反応液における前記N−オキシル化合物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、触媒量などが挙げられる。
−共酸化剤−
前記共酸化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、次亜ハロゲン酸又はその塩、亜ハロゲン酸又はその塩、過ハロゲン酸又はその塩、過酸化水素、過有機酸など挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記共酸化剤の具体例としては、次亜塩素酸ナトリウム、次亜臭素酸ナトリウムなどが挙げられる。
前記反応液における前記共酸化剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−その他の成分−
前記反応液は、上述したセルロース系原料、N−オキシル化合物、及び共酸化剤以外のその他の成分を含んでいてもよい。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、臭化物、ヨウ化物、又はこれらの混合物などが挙げられる。
−−臭化物、ヨウ化物、又はこれらの混合物−−
前記臭化物、及びヨウ化物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、臭化アルカリ金属、ヨウ化アルカリ金属などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記反応液における前記臭化物、ヨウ化物、又はこれらの混合物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記酸化工程における、反応液のpH、反応温度、圧力、反応時間などの条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−酸化セルロース繊維−
前記酸化工程により得られる酸化セルロース繊維は、カルボキシル基量が0.8mmol/g〜2.2mmol/g、アルデヒド基量が0.8mmol/g以下である。
前記酸化セルロース繊維中のカルボキシル基量とアルデヒド基量は、T.Saito及びA.Isogai、「TEMPO−mediated oxidation of native cellulose. The effect of oxidation conditions on chemical and crystal structures of the water−insoluble fractions」、Biomacromolecules、Vol.5、1983〜1989ページ、2004年)に記載されている方法に従い、亜塩素酸ナトリウムによる追酸化処理と電導度滴定によって測定することができる。
また、前記酸化工程の条件を選択することで、後述の追酸化工程を行わなくてもアルデヒド基を含まない酸化セルロース繊維を得ることができる。
前記アルデヒド基含まない酸化工程の条件としては、特に制限はなく、例えば、S.Saito,M.Hirota,N.Tamura,S.Kimura,H.Fukuzumi,L.Heux,A.Isogai、「Individualization of nano−sized plant cellulose fibrils by direct surface carboxylation using TEMPO catalyst under neutral conditions」、Biomacromolecules、Vol.10、1992〜1996ページ、2009年)に記載されている条件を適宜選択することができる。
<<<追酸化工程>>>
前記酸化工程と、後述する還元工程との間に、追酸化工程を含んでいてもよい。
前記追酸化工程は、前記酸化工程で得られた酸化セルロース繊維を亜塩素酸ナトリウムにより更に酸化する工程である。
前記追酸化工程の条件としては、特に制限はなく、例えば、T.Saito及びA.Isogai、「TEMPO−mediated oxidation of native cellulose. The effect of oxidation conditions on chemical and crystal structures of the water−insoluble fractions」、Biomacromolecules、Vol.5、1983〜1989ページ、2004年)に記載されている条件を適宜選択することができる。
前記追酸化工程により、C6位に微量生成したアルデヒド基をカルボキシル基に酸化した、アルデヒド基を含まない酸化セルロース繊維を得ることができる。
前記酸化工程で得られた酸化セルロース繊維、あるいは前記追酸化工程で得られた酸化セルロース繊維は、水による吸引ろ過洗浄をした後に、後述する還元工程に用いてもよい。
前記酸化セルロース繊維は、この段階ではナノファイバー単位までバラバラに分散しているわけではないため、通常の水洗−吸引ろ過洗浄方法により洗浄することができる。
前記洗浄方法の具体例としては、吸引ろ過あるいは遠心分離の少なくともいずれかで水洗、洗浄する方法が挙げられる。前記洗浄の回数は、1回であってもよいし、複数回であってもよい。前記洗浄により、未反応の共酸化剤や各種副生成物を除去することができる。
<<還元工程>>
前記還元工程は、前記酸化セルロース繊維を、還元剤を含む反応液中で還元させ、還元型酸化セルロース繊維を得る工程である。
前記酸化工程では、副反応として、前記酸化セルロース繊維中のC2位及びC3位にケトン基が生成する。また弱アルカリ性での酸化反応条件を用いた場合では、上記のケトン基に加えてC6位にアルデヒド基が微量生成する。なお、前記酸化工程を弱酸性〜中性でのTEMPO、NaClO、及びNaClOを用いて行った場合には、酸化セルロース繊維のC6位のアルデヒドは存在しない。また、前記酸化工程を弱アルカリ性でのTEMPO、NaBr、及びNaClOを用いて行い、次いで、前記追酸化工程を行った場合にも、酸化セルロース繊維のC6位のアルデヒド基は存在しない。
前記還元工程では、前記ケトン基及び/又はアルデヒド基の少なくとも一部をアルコール性水酸基に変換する。即ち、前記還元工程で得られる還元型酸化セルロース繊維では、前記ケトン基の量、あるいは前記ケトン基とアルデヒド基の両方の量が前記酸化セルロース繊維における量よりも少なくなる。
−酸化セルロース繊維−
前記酸化セルロース繊維は、上述した酸化工程で得られた酸化セルロース繊維である。
前記反応液中における前記酸化セルロース繊維の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−還元剤−
前記還元剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、チオ尿素、ハイドロサルファイト、亜硫酸水素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記還元剤の中でも、選択的な反応性に優れる点で、水素化ホウ素ナトリウムが好ましい。
前記反応液における溶媒としては、水が好ましい。
前記反応液における前記還元剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、絶乾1gの前記酸化セルロース繊維に対して、0.001g以上が好ましく、0.01g以上がより好ましい。
前記反応液は、上述した酸化セルロース繊維、及び還元剤以外のその他の成分を含んでいてもよい。
前記その他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−pH−
前記反応液のpHとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、7〜11が好ましく、9〜10がより好ましく、10が特に好ましい。前記pHがより好ましい範囲内であると、前記還元型酸化セルロース繊維におけるケトン基の量、あるいはケトン基とアルデヒド基の量をより少なくすることができ、前記pHが特に好ましい範囲であると、前記還元剤の使用量を少なくした場合であっても、前記還元型酸化セルロース繊維におけるケトン基の量、あるいはケトン基とアルデヒド基の量を更に少なくすることができる点で、有利である。
前記還元工程における反応温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、4℃〜40℃とすることができる。
前記還元工程における圧力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、常圧とすることができる。
前記還元工程における反応時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1時間以上が好ましく、5時間以上がより好ましい。
前記還元工程は、前記反応液を撹拌しながら行うことが好ましい。
前記還元工程で得られた還元型酸化セルロース繊維は、洗浄した後に後述する乾燥工程に用いることが好ましい。
前記還元型酸化セルロース繊維は、この段階ではナノファイバー単位までばらばらに分散しているわけではないため、通常の洗浄方法により洗浄することができる。
前記洗浄方法の具体例としては、上述の酸化工程で記載した方法と同様の方法が挙げられる。
<<乾燥工程>>
前記乾燥工程は、前記還元型酸化セルロース繊維を乾燥する工程である。
前記乾燥の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オーブン乾燥機を用いた乾燥方法、凍結乾燥法、噴霧乾燥法などが挙げられる。
前記乾燥の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<<その他の工程>>
前記その他の工程としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<セルロース繊維>
本発明のセルロース繊維は、上述した本発明のセルロース繊維の製造方法により好適に製造することができ、乾燥後でも溶媒に微細分散可能である。
前記セルロース繊維の乾燥の程度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−微細分散−
前記セルロース繊維は、105℃で3時間乾燥した後に、固形分濃度0.01質量%〜5質量%で水に微細分散可能である。
前記105℃、3時間の乾燥条件は、一般にセルロース繊維の絶乾条件とされている。
前記セルロース繊維が溶媒に微細分散可能であるか否かは、例えば、以下のようにして確認することができる。
−−光透過度−−
前記セルロース繊維(前記乾燥工程で得られた還元型酸化セルロース繊維)を105℃で3時間乾燥する。前記乾燥後、前記セルロース繊維を濃度が0.1質量%になるように水で希釈して40mLの分散液とする。前記分散液を50mL容器の遠心分離管(ポリプロピレン製;コーニング社製)に入れ、そのまま二重円筒型ホモジナイザー(刃の直径1.5cm、マイクロテック・ニチオン社製 NS−56)を用いて7,500rpmで2分間解繊処理を行う。次いで、前記二重円筒型ホモジナイザーによる解繊処理後、そのまま直ちに氷水で容器の周りを冷やしながら超音波ホモジナイザー(日本精機社製 US−300T、プローブチップ7mm、出力300W、19.5kHz)で8分間解繊処理を行う。
なお、前記超音波ホモジナイザーでの処理では、超音波処理による前記分散液の温度上昇を避けるために、2分間超音波処理して、1分間放置冷却するというサイクルを繰り返し、合計の超音波処理時間が8分間となるように行う。
以上のようにして得られたセルロース繊維濃度が0.1質量%の分散液全体(未解繊物があったとしても除去しないままの分散液。完全ナノ分散化して未解繊物が存在しないこともある)の波長600nmにおける光透過度(以下、「透過率」と称することがある)を測定し、光透過度が80%以上であれば、微細分散された(ナノ分散された)と判断できる。光透過度が、80%に至らない場合には、微細分散されていない、未解繊成分を含有していると判断できる。
−−複屈折−−
前記セルロース繊維が溶媒に微細分散可能であるか否かは、前記セルロース繊維の分散液が複屈折を示すか否かを確認することによっても、確認することができる。
前記複屈折を確認する方法としては、例えば、前記「光透過度」の測定で調製した分散液(未解繊の残渣がある場合には、遠心分離処理により取り除いたもの)を直交偏光板の間に置き、複屈折が観察することにより確認することができる。
−ケトン基の量、アルデヒド基の量−
本発明のセルロース繊維は、前記還元工程により、前記ケトン基の量、あるいはケトン基とアルデヒド基の量が、前記酸化工程あるいは追酸化工程後の酸化セルロース繊維における量よりも低減された還元型酸化セルロース繊維である。
前記還元型酸化セルロース繊維は、前記乾燥工程を経ても水中での微細化(ナノ分散化)が可能である。
前記還元型酸化セルロース繊維において、前記ケトン基の量、あるいはケトン基とアルデヒド基の量が低減されたことを確認する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、次に示す手順に従って、紫外線吸収スペクトルを測定することにより確認することができる。
−−微細分散液の調製−−
前記セルロース繊維を105℃で3時間乾燥する。前記乾燥後、前記セルロース繊維を濃度が0.1質量%になるように水で希釈して40mLの分散液とする。前記分散液を50mL容器の遠心分離管(ポリプロピレン製;コーニング社製)に入れ、そのまま二重円筒型ホモジナイザー(刃の直径1.5cm、マイクロテック・ニチオン社製 NS−56)を用いて7,500rpmで2分間解繊処理を行う。次いで、前記二重円筒型ホモジナイザーによる解繊処理後、そのまま直ちに氷水で容器の周りを冷やしながら超音波ホモジナイザー(日本精機社製 US−300T、プローブチップ7mm、出力300W、19.5kHz)で8分間解繊処理を行い、セルロース繊維濃度が0.1質量%の分散液を調製する。
なお、前記超音波ホモジナイザーでの処理では、超音波処理による前記分散液の温度上昇を避けるために、2分間超音波処理して、1分間放置冷却するというサイクルを繰り返し、合計の超音波処理時間が8分間となるように行う。
また、前記分散液のセルロース繊維の濃度は、0.05質量%〜0.5質量%の範囲で適宜選択することができる。
次いで、前記分散液における未解繊セルロース繊維を除去するために、前記容器のまま、12,000Gで10分間遠心分離機にて遠心分離を行って未解繊セルロース繊維を除去し、未解繊セルロース繊維を含まない上澄みを得る。なお、ここで、前記水中解繊処理した分散液の波長600nmの吸光度が80%未満であり、前記分散液を遠心分離し、除去した未解繊部分の重量割合が10%以上である場合には、前記分散液に含まれるセルロース繊維は、「水中ナノ分散化できない」と判断される。
−−微細セルロース繊維フィルムの調製−−
前記上澄みをシャーレに注入し、乾燥機中で乾燥し、前記シャーレから剥離することで微細セルロース繊維フィルム(以下、「キャストフィルム」と称することがある)を得る。
前記上澄みの注入量は、前記キャストフィルムの膜厚みが、5μm〜50μmになるように調節する。前記キャストフィルムの密度は、1g/cm〜1.6g/cmになる。前記キャストフィルムの膜厚みは、前記シャーレの大きさを調整することにより、調整してもよい。
前記シャーレの材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリスチレンなどが挙げられる。
前記乾燥機の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、室温〜50℃が好ましく、40℃がより好ましい。
前記乾燥の期間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3日間〜6日間が好ましく、5日間がより好ましい。
−−紫外線吸収スペクトルの測定−−
前記キャストフィルムを105℃で3時間加熱した後、室温で冷却し、乾燥キャストフィルムとする。
前記乾燥キャストフィルムの紫外線吸収スペクトル(190nm〜400nmの範囲)を測定する。
−−ケトン基の量、あるいはケトン基とアルデヒド基の量が低減されたことの確認−−
前記紫外線吸収スペクトルの吸光度の値から、元のセルロース繊維中のアルデヒド基、及びケトン基の量を測定することができる。
具体的には、元のセルロース繊維中にC2位、C3位のケトン基が存在すると、前記紫外線吸収スペクトルの290nmの吸光度が増加する。また、元のセルロース繊維中にアルデヒド基が存在すると前記紫外線吸収スペクトルの260nmの吸光度が増加する。一方、前記還元工程において、前記酸化セルロース繊維に添加する水素化ホウ素ナトリウム量が十分であれば(例えば、1gの酸化セルロース繊維に対して0.01gの水素化ホウ素ナトリウムを添加した場合)、得られるセルロース繊維におけるケトン基やアルデヒド基が存在せず、前記紫外線吸収スペクトルを測定したときに、290nmと260nmにピークは見られない。
前記キャストフィルムの紫外線吸光度は、前記フィルムの厚さに影響する(フィルムの厚さが大きいと吸光度が大きくなり、薄いと小さくなる)。そこで、吸光度を前記フィルムの厚さで除すことで、規格化(条件を統一化)した吸光度で評価・比較できる。具体的には、290nmと260nmの吸光度を前記キャストフィルムの厚さ1μmあたりの吸光度に補正して評価・比較する。
ただし、前記乾燥キャストフィルム中にヘキセンウロン酸基が存在する場合には、235nmに吸収が見られる。その場合には、260nmの吸光度が過大に評価されるため、前記260nmの吸光度を前記乾燥キャストフィルムの厚さ1μmあたりの吸光度に補正した値に0.7を乗じて補正する。
本発明のセルロース繊維は、前記乾燥キャストフィルムの波長290nm及び260nmの吸光度を前記乾燥キャストフィルムの厚さ1μmあたりの吸光度に補正した値(ただし、前記紫外線吸収スペクトルの測定において、ヘキセンウロン酸基に由来する235nmの吸収が見られた場合には、前記260nmの吸光度を前記乾燥キャストフィルムの厚さ1μmあたりの吸光度に補正した値は、該補正した値に0.7を乗じた値とする)が、いずれも0.020以下であることが好ましい。
なお、上記の方法によるセルロース繊維中のアルデヒド基量、ケトン基量は、未乾燥のセルロース繊維に対しても適用できる。
上記の方法で、未乾燥のセルロース繊維、及び乾燥したセルロース繊維中のアルデヒド基量、及びケトン基量を測定することができるので、未知のセルロース繊維試料について、前記還元工程が行われたか否かを判定できる。
本発明のセルロース繊維は、一旦乾燥させた場合であっても、未乾燥状態から調製した場合と同様に溶媒に微細分散させることができるので、輸送に係る費用を低減することができ、また、保存性に優れる。
(微細セルロース繊維分散体及びその製造方法)
本発明の微細セルロース繊維分散体は、本発明の微細セルロース繊維分散体の製造方法により好適に製造することができる。以下、本発明の微細セルロース繊維分散体の製造方法の説明と併せて、本発明の微細セルロース繊維分散体を説明する。
<微細セルロース繊維分散体の製造方法>
本発明の微細セルロース繊維分散体の製造方法は、分散工程を少なくとも含み、必要に応じて更にその他の工程を含む。
<<分散工程>>
前記分散工程は、上述した本発明のセルロース繊維を溶媒に分散させる工程である。前記分散工程により、前記セルロース繊維を微細分散させることができる。
−溶媒−
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、水、アルコール類、エーテル類、ケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキサイドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アルコール類の具体例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコール、グリセリンなどが挙げられる。
前記エーテル類の具体例としては、エチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。
前記ケトン類の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトンなどが挙げられる。
前記溶媒の中でも、水が好ましい。
−分散−
前記分散工程で用いる分散手段(以下、「解繊手段」と称することもある)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スクリュー型ミキサー、パドルミキサー、ディスパー型ミキサー、タービン型ミキサー、高速回転下でのホモミキサー、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー、二重円筒型ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、水流対向衝突型分散機、ビーター、ディスク型リファイナー、コニカル型リファイナー、ダブルディスク型リファイナー、グラインダー、二軸混練機などが挙げられる。
前記分散工程の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記「光透過度」の欄、及び「ケトン基の量、アルデヒド基の量」の「微細分散液の調製」の欄に記載した分散液の調製における条件などが挙げられる。
前記分散工程により、上述した本発明のセルロース繊維が微細分散され、微細セルロース繊維が分散した微細セルロース繊維分散体が得られる。
前記微細セルロース繊維は、幅が2nm〜5nm程度、長さが0.2μm〜5μm程度のセルロースシングルミクロフィブリルである。
<<その他の工程>>
前記その他の工程としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
(微細セルロース繊維、及び微細セルロース繊維の製造方法)
本発明の微細セルロース繊維は、本発明の微細セルロース繊維の製造方法により好適に製造することができる。以下、本発明の微細セルロース繊維の製造方法の説明と併せて、本発明の微細セルロース繊維を説明する。
<微細セルロース繊維の製造方法>
本発明の微細セルロース繊維の製造方法は、乾燥工程を少なくとも含み、必要に応じて更にその他の工程を含む。
<<乾燥工程>>
前記乾燥工程は、上述した本発明の微細セルロース繊維分散体を乾燥する工程である。
前記乾燥の方法としては、特に制限はなく、上述した本発明のセルロース繊維の製造方法における乾燥工程と同様にして行うことができる。
前記乾燥工程により、微細セルロース繊維を得ることができる。
<<その他の工程>>
前記その他の工程としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記微細セルロース繊維は、酸素防止膜、汎用プラスチックの補強材、医療用材、細胞培養基材、触媒担体、吸着剤、分離材などの様々な分野に好適に用いることができる。
(微細セルロース繊維成形体及びその製造方法)
前記微細セルロース繊維成形体は、以下の微細セルロース繊維成形体の製造方法により好適に製造することができる。以下、微細セルロース繊維成形体の製造方法の説明と併せて、前記微細セルロース繊維成形体を説明する。
<微細セルロース繊維成形体の製造方法>
前記微細セルロース繊維成形体の製造方法は、上述した本発明の微細セルロース繊維分散体を所定形状に保持しつつ液体成分を除去する工程を少なくとも含み、必要に応じて更にその他の工程を含む。
前記微細セルロース繊維分散体を所定形状に保持しつつ液体成分を除去する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ガラス板などの基板上に、前記微細セルロース繊維分散体を流延塗布した後、自然乾燥、送風乾燥、真空乾燥などの乾燥法により、前記分散体の液体成分を除去し、膜を形成する方法などが挙げられる。
前記膜を基板から剥がすことにより、微細セルロース繊維成形体を得ることができる。
また、成形物上に前記微細セルロース繊維分散体を用いて、微細セルロース繊維層を形成し、微細セルロース繊維成形体としてもよい。
前記成形物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、所望の形状及び大きさを有するフィルム、シート、織布、不織布などの箔状物、所望の形状及び大きさの箱、ボトルなどの立体容器などが挙げられる。
前記成形物の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、紙、板紙、プラスチック、金属、これらの複合体などが挙げられる。
前記成形物の構造としては、一層であってもよいし、多層であってもよい。
前記成形物上に前記微細セルロース繊維分散体を付与する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、塗布法、噴霧法、浸漬法などが挙げられる。
また、膜状に形成した微細セルロース繊維成形体を、前記成形物の表面に貼り合わせてもよい。前記貼り合わせる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、接着剤を用いる方法、熱融着法などが挙げられる。
<<その他の工程>>
前記その他の工程としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
(微細セルロース繊維複合体及びその製造方法)
前記微細セルロース繊維複合体は、以下の微細セルロース繊維複合体の製造方法により好適に製造することができる。以下、微細セルロース繊維複合体の製造方法の説明と併せて、前記微細セルロース繊維複合体を説明する。
<微細セルロース繊維複合体の製造方法>
前記微細セルロース繊維複合体の製造方法は、上述した本発明の微細セルロース繊維分散体と、複合体の材料を含む液体材料とを混合してなる分散液を調製する工程を少なくとも含み、必要に応じて更にその他の工程を含む。
前記複合体の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニルアルコール、ナイロン(登録商標)、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル等の合成高分子などが挙げられる。
前記合成高分子は、有機溶媒に溶解させて紡糸(溶液紡糸)したり、フィルムに整形したりすることができる。
したがって、前記微細セルロース繊維分散体と、前記合成高分子を含む液体材料とを混合してなる分散液を用いることで、前記微細セルロース繊維複合体である繊維状成形物やフィルム状成形物を得ることができる。
また、有機溶媒中で、モノマーと、前記微細セルロース繊維分散体とを混合させ、前記モノマーを重合させて高分子を合成することにより、微細セルロース繊維と、合成高分子との複合体を形成することもできる。
<<その他の工程>>
前記その他の工程としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
以下に実施例等を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例等に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
<酸化工程>
針葉樹漂白クラフトパルプ(乾燥質量で4g相当分)、62.4mgのTEMPO、及び0.4gの臭化ナトリウムを蒸留水400mLに分散させた後、13質量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液を、1gのパルプに対して次亜塩素酸ナトリウムの量が5mmolとなるように加えて反応を開始した。反応中は、0.5Mの水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHを10に保ち、室温(20℃〜25℃)で撹拌しながら反応を行った。pHに変化が見られなくなった時点で反応終了とみなし、反応物をガラスフィルターにてろ過した後、十分な量の水による水洗、ろ過を5回繰り返し、固形分含量が9.3質量%である酸化セルロース繊維を得た(収率 >90%)。
前記酸化セルロース繊維のカルボキシル基量は1.43mmol/gであり、アルデヒド基量は0.04mmol/gであった。前記酸化セルロース1gあたりのカルボキシル基量及びアルデヒド基量は、T.Saito及びA.Isogai、「TEMPO−mediated oxidation of native cellulose. The effect of oxidation conditions on chemical and crystal structures of the water−insoluble fractions」、Biomacromolecules、Vol.5、1983〜1989ページ、2004年)に記載されている方法に従い、亜塩素酸ナトリウムによる追酸化処理と電導度滴定によって測定した。
<還元工程>
1gの前記酸化セルロース繊維に対して、蒸留水を100mLと、水素化ホウ素ナトリウムを1/64g加え、pHを0.5Mの水酸化ナトリウム水溶液により10に調整して反応を開始した。室温(20℃〜25℃)で撹拌しながら反応を24時間行った。反応物をガラスフィルターにてろ過した後、十分な量の水による水洗、ろ過を5回繰り返し、固形分含量が4.4質量%である未乾燥(含水状態の)還元型酸化セルロース繊維を得た(収率 80%)。
<乾燥工程>
前記還元工程で得られた還元型酸化セルロース繊維を、オーブンを用いて105℃で3時間以上乾燥させ、固形分含量が100質量%の還元型酸化セルロース繊維を得た。
<分散工程>
前記乾燥工程で得られた還元型酸化セルロース繊維に水を加えて、セルロース濃度が0.1質量%になるように希釈した分散液40mLを50mL容器の遠心分離管(ポリプロピレン製;コーニング社製)に入れ、そのまま二重円筒型ホモジナイザー(刃の直径1.5cm、マイクロテック・ニチオン社製 NS−56)を用いて7,500rpmで2分間解繊処理を行った。前記二重円筒型ホモジナイザーによる解繊処理後、そのまま直ちに氷水で容器の周りを冷やしながら超音波ホモジナイザー(日本精機社製 US−300T、プローブチップ7mm、出力300W、19.5kHz)で8分間解繊処理を行った。なお、前記超音波処理では、前記分散液の温度上昇を避けるために、2分間超音波処理して、1分間放置冷却するというサイクルを繰り返し、合計の超音波処理時間が8分間となるように行った。以上の処理で、セルロース濃度が0.1質量%の分散液を得た。
<光透過>
前記分散液(未解繊物があったとしても除去しないままの分散液。完全ナノ分散化して未解繊物が存在しないこともある)の光透過度を、紫外可視近赤外分光光度計(日本分光株式会社社製V−670)を用いて測定した結果を図1(図1中の「NaBH添加量:パルプの重量の1/64」)に示す。前記分散液の波長600nmにおける光透過度は、90.9%だった。
また、前記分散液の光透過の様子を図2に示す。
<複屈折>
前記分散液において、未解繊の残渣がある場合には、遠心分離処理により取り除いた。この遠心分離処理した分散液を直交偏光板の間に置き、複屈折が見られるか否かを確認した。結果を図3に示す。
(比較例1)
前記実施例1において、還元工程を行わなかった以外は、実施例1と同様にして、セルロース濃度が0.1質量%の分散液(未解繊物があったとしても除去しないままの分散液)を得た。前記分散液を前記実施例1と同様にして測定した結果を図1(図1中の「未処理」)に示す。前記分散液の波長600nmにおける光透過度は、39.4%だった。
また、前記分散液の光透過の様子を図2に示す。
前記比較例1の分散液について、前記実施例1と同様にして、複屈折が見られるか否かを確認した。結果を図3に示す。
前記実施例1及び比較例1の結果から、本発明の還元工程を行わなかった比較例1の分散液では、乾燥工程を行った後のセルロース繊維を微細分散させることができなかった。一方、実施例1の分散液は、波長600nmの光透過度が80%以上であり、また、複屈折が観察されたことから、本発明の還元工程を行うことにより、乾燥工程を行った後であっても、セルロース繊維を微細分散させることが可能であることが示された。
(実施例2)
前記実施例1の還元工程において、水素化ホウ素ナトリウムの使用量を1gの前記酸化セルロース繊維に対して、1/32gとした以外は、実施例1と同様にして、セルロース濃度が0.1質量%の分散液(未解繊物があったとしても除去しないままの分散液)を得た。前記分散液を前記実施例1と同様にして測定した結果を図1(図1中の「NaBH添加量:パルプの重量の1/32」)に示す。前記分散液の波長600nmにおける光透過度は、91.5%だった。
また、前記分散液について、前記実施例1と同様にして、複屈折が見られるか否かを確認したところ、複屈折が確認された。
したがって、実施例2によっても、乾燥工程を行った後のセルロース繊維を微細分散させることが可能であることが示された。
(試験例1:ケトン基量、及びアルデヒド基量)
前記実施例1、2、及び比較例1の分散液について、遠心分離により未解繊部分を取り除き、上清の分散液をシャーレに注入し、40℃の乾燥機中で5日間乾燥し、シャーレから剥離することでセルロースナノファイバーのキャストフィルムを得た(膜厚み:5μm〜10μm)。前記各キャストフィルムの紫外線吸収スペクトル(190nm〜400nmの範囲)を測定した。結果を表1及び図4に示す。図4中、「NaBH添加量:パルプの重量の1/64」は実施例1の分散液を用い、「NaBH添加量:パルプの重量の1/32」は実施例2の分散液を用い、「未処理」は比較例1の分散液を用いて得られたキャストフィルムの紫外線吸収スペクトルを示す。
なお、前記実施例1、2、及び比較例1の各キャストフィルムの紫外線吸収スペクトルを測定した結果、ヘキセンウロン酸基に由来する235nmの吸収が見られたため、キャストフィルムの厚さ1μmあたりの吸光度に補正し、更に前記吸光度に0.7を乗じた値を「キャストフィルムの厚さ1μmあたりの吸光度に補正した値」とした。
前記260nmにおける吸光度はアルデヒド基量に対応し、前記290nmにおける吸光度はケトン基量に対応する。
表1に示されるように、前記還元工程を行わなかった比較例1では前記260nmにおける吸光度及び前記290nmにおける吸光度が0.050以上であったのに対し、前記還元工程を行った実施例1及び2では、前記260nmにおける吸光度及び前記290nmにおける吸光度がいずれも0.020以下であった。
したがって、乾燥工程を行った後のセルロース繊維を微細分散させるためには、前記260nmにおける吸光度及び前記290nmにおける吸光度がいずれも0.020以下である必要があることが示された。
(実施例3)
未乾燥のTEMPO酸化セルロース(日本製紙株式会社製、カルボキシル基量;1.45mmol/g、アルデヒド基量;0.05mmol/g、固形分率;15.95%)を絶乾重量2g分測りとり、蒸留水200mLに分散させた。この分散液のpHを0.05Mの水酸化ナトリウム水溶液により10に調整して、水素化ホウ素ナトリウムを0.5g加えて反応を開始した。室温で撹拌しながら反応を24時間行った。反応物をガラスフィルターにてろ過した後、十分な量の水による水洗、ろ過を4回繰り返し、固形分含量が7.7質量%である還元型酸化セルロース繊維を得た(収率 88%)。
前記還元型酸化セルロース繊維を、オーブンを用いて105℃で3時間以上乾燥させ、固形分含量が100質量%の還元型酸化セルロース繊維を得た。
(比較例2)
未乾燥のTEMPO酸化セルロース(日本製紙株式会社製、カルボキシル基量;1.45mmol/g、アルデヒド基量;0.05mmol/g、固形分率;15.95%)を絶乾重量2g分測りとり、蒸留水150mLに分散させた。この分散液に2N硫酸を加え、pHを7.0に調整した。その後、ガラスフィルターを用いて反応液をろ過した。このろ過により得られたセルロース繊維を、洗浄液である含水溶媒(アセトン:水=50:50〔容積比〕)中に加え、pH7.0を保持したまま撹拌して均一に分散させた。これを再度、ガラスフィルターを用いてろ過した。この操作をさらに4回繰り返し、セルロース繊維を精製した。精製後、この試料を室温で2日間静置して乾燥し、乾燥物を得た。なお、上記乾燥物は、乾燥減量16%であった。
(比較例3)
未乾燥のTEMPO酸化セルロース(日本製紙株式会社製、カルボキシル基量;1.45mmol/g、アルデヒド基量;0.05mmol/g、固形分率;15.95%)を用意した。
(試験例2−1:光透過及び複屈折)
前記実施例3、比較例2で得られたセルロースの乾燥物それぞれについて、セルロース濃度が0.1質量%になるように水で希釈した分散液40mLを50mL容器の遠心分離管(ポリプロピレン製;コーニング社製)に入れ、そのまま二重円筒型ホモジナイザー(刃の直径1.5cm、マイクロテック・ニチオン社製 NS−56)を用いて7,500rpmで2分間解繊処理を行った。前記二重円筒型ホモジナイザーによる解繊処理後、そのまま直ちに氷水で容器の周りを冷やしながら超音波ホモジナイザー(日本精機社製 US−300T、プローブチップ7mm、出力300W、19.5kHz)で8分間解繊処理を行った。なお、前記超音波処理では、前記分散液の温度上昇を避けるために、2分間超音波処理して、1分間放置冷却するというサイクルを繰り返し、合計の超音波処理時間が8分間となるように行った。以上の処理で、セルロース濃度が0.1質量%の分散液(未解繊部分を含む)を得た。
<光透過>
前記各分散液の光透過度を、前記実施例1と同様にして測定した結果を図5に示す。前記各分散液の波長600nmにおける光透過度は、前記実施例3の分散液が91.1%であったのに対し、前記比較例2の分散液は、68.7%だった。
<複屈折>
前記各分散液について、前記実施例1と同様にして、複屈折が見られるか否かを確認したところ、前記実施例3の分散液では複屈折が確認された。一方、前記比較例2の分散液では、上澄みについては複屈折が確認されたものの、遠心分離で除去した未解繊部分の重量割合が31%であり、水中ナノ分散できないものであった。
(試験例2−2:ケトン基量、及びアルデヒド基量)
(1)前記比較例3で用意した未乾燥のTEMPO酸化セルロース、(2)前記比較例2において、精製後、乾燥前の未乾燥のTEMPO酸化セルロース(固形分率:18.58%)、及び(3)前記実施例3における乾燥前の還元型酸化セルロース繊維のそれぞれについて、水を加えて、セルロース濃度が0.1質量%になるように水で希釈した分散液40mLを50mL容器の遠心分離管(ポリプロピレン製;コーニング社製)に入れ、そのまま二重円筒型ホモジナイザー(刃の直径1.5cm、マイクロテック・ニチオン社製 NS−56)を用いて7,500rpmで2分間解繊処理を行った。前記二重円筒型ホモジナイザーによる解繊処理後、そのまま直ちに氷水で容器の周りを冷やしながら超音波ホモジナイザー(日本精機社製 US−300T、プローブチップ7mm、出力300W、19.5kHz)で8分間解繊処理を行った。なお、前記超音波処理では、前記分散液の温度上昇を避けるために、2分間超音波処理して、1分間放置冷却するというサイクルを繰り返し、合計の超音波処理時間が8分間となるように行った。以上の処理で、セルロース濃度が0.1質量%の分散液(未解繊部分を含む)を得た。
前記各分散液について、遠心分離により未解繊部分を取り除き、上清の分散液をシャーレに注入し、40℃の乾燥機中で5日間乾燥し、シャーレから剥離することでセルロースナノファイバーフィルムを得た(膜厚み:5μm〜10μm)。得られたフィルムを105℃の乾燥機で3時間加熱処理した。その後、前記加熱処理したフィルムの紫外線吸収スペクトル(190nm〜400nmの範囲)を測定した。結果を表2及び図6に示す。
試験例2−1及び2−2の結果から、前記還元工程を行わなかった比較例2及び3では、前記260nmにおける吸光度及び前記290nmにおける吸光度が0.044以上であったのに対し、前記還元工程を行った実施例3では、前記260nmにおける吸光度及び前記290nmにおける吸光度がいずれも0.020以下であった。
したがって、前記波長600nmにおける光透過度が80%以上となる程度に乾燥工程を行った後のセルロース繊維を微細分散させるためには、前記還元工程を行わなければならず、前記比較例2の方法では、セルロース繊維を十分に微細分散させることができないことが示された。
前記還元工程で用いた還元剤である水素化ホウ素ナトリウムは、アルデヒド及びケトンを対応するアルコールに還元することが知られている。これまで、酸化工程後の酸化セルロース繊維や、前記酸化セルロース繊維を解繊した微細セルロース繊維の分散体を乾燥した後に、微細分散させることができなくなるのは、セルロース繊維の表面に残存している水酸基の間で形成される水素結合によるものと考えられてきた。しかし、本発明により、前記乾燥後の微細分散を阻害していたのは、前記水素結合ではなく、前記酸化工程により副生成したC2位、C3位のケトン基及び/又はC6位のアルデヒド基が、ヒドロキシル基とヘミアセタール結合を形成することによるものであることが定量的に示された。
本発明の態様としては、例えば、以下のものなどが挙げられる。
<1> N−オキシル化合物、及び共酸化剤を含む反応液中でセルロース系原料を酸化して酸化セルロース繊維を得る酸化工程と、
前記酸化セルロース繊維を、還元剤を含む反応液中で還元させ、還元型酸化セルロース繊維を得る還元工程と、
前記還元型酸化セルロース繊維を乾燥する乾燥工程とを含み、
前記還元型酸化セルロース繊維を乾燥して得られたセルロース繊維が、溶媒に微細分散可能であることを特徴とするセルロース繊維の製造方法である。
<2> 酸化工程と還元工程との間に、酸化工程で得られた酸化セルロース繊維を亜塩素酸ナトリウムにより更に酸化する追酸化工程を含む前記<1>に記載のセルロース繊維の製造方法である。
<3> 還元工程における反応液のpHが9〜10である前記<1>から<2>のいずれかに記載のセルロース繊維の製造方法である。
<4> 前記<1>から<3>のいずれかに記載の製造方法により製造され、溶媒に微細分散可能であることを特徴とするセルロース繊維である。
<5> 乾燥後、溶媒に微細分散可能なセルロース繊維であって、
前記セルロース繊維を105℃で3時間乾燥した後、前記セルロース繊維を濃度が0.1質量%になるように水で希釈して40mLの分散液とし、前記分散液を50mL容器に入れ、二重円筒型ホモジナイザーを用いて7,500rpmで2分間解繊処理後、氷水で前記容器の周りを冷やしながら超音波ホモジナイザーで8分間解繊処理したときに、前記分散液の波長600nmにおける光透過度が80%以上であり、複屈折を示すことを特徴とするセルロース繊維である。
<6> セルロース繊維を105℃で3時間乾燥した後、前記セルロース繊維を濃度が0.1質量%になるように水で希釈して40mLの分散液とし、前記分散液を50mL容器に入れ、二重円筒型ホモジナイザーを用いて7,500rpmで2分間解繊処理後、氷水で前記容器の周りを冷やしながら超音波ホモジナイザーで8分間解繊処理した後、前記分散液における未解繊セルロース繊維を除去して得られた分散液を用いてキャストフィルムを作製し、前記キャストフィルムを105℃で3時間乾燥して乾燥キャストフィルムとし、前記乾燥キャストフィルムの紫外線吸収スペクトルを測定したときの波長290nm及び260nmの吸光度を前記乾燥キャストフィルムの厚さ1μmあたりの吸光度に補正した値(ただし、前記紫外線吸収スペクトルの測定において、ヘキセンウロン酸基に由来する235nmの吸収が見られた場合には、前記260nmの吸光度を前記乾燥キャストフィルムの厚さ1μmあたりの吸光度に補正した値は、該補正した値に0.7を乗じた値とする)が、いずれも0.020以下である前記<4>から<5>のいずれかに記載のセルロース繊維である。
<7> 前記<1>から<3>のいずれかに記載のセルロース繊維の製造方法で製造されたセルロース繊維、及び前記<4>から<6>のいずれかに記載のセルロース繊維の少なくともいずれかを溶媒に分散させる分散工程を含むことを特徴とする微細セルロース繊維分散体の製造方法である。
<8> 前記<7>に記載の製造方法により製造されたことを特徴とする微細セルロース繊維分散体である。
<9> セルロース繊維が溶媒に微細分散された微細セルロース繊維分散体であって、
前記セルロース繊維が、乾燥後、溶媒に微細分散可能なセルロース繊維であり、
前記セルロース繊維を105℃で3時間乾燥した後、前記セルロース繊維を濃度が0.1質量%になるように水で希釈して40mLの分散液とし、前記分散液を50mL容器に入れ、二重円筒型ホモジナイザーを用いて7,500rpmで2分間解繊処理後、氷水で前記容器の周りを冷やしながら超音波ホモジナイザーで8分間解繊処理したときに、前記分散液の波長600nmにおける光透過度が80%以上であり、複屈折を示すことを特徴とする微細セルロース繊維分散体である。
<10> セルロース繊維を105℃で3時間乾燥した後、前記セルロース繊維を濃度が0.1質量%になるように水で希釈して40mLの分散液とし、前記分散液を50mL容器に入れ、二重円筒型ホモジナイザーを用いて7,500rpmで2分間解繊処理後、氷水で前記容器の周りを冷やしながら超音波ホモジナイザーで8分間解繊処理した後、前記分散液における未解繊セルロース繊維を除去して得られた分散液を用いてキャストフィルムを作製し、前記キャストフィルムを105℃で3時間乾燥して乾燥キャストフィルムとし、前記乾燥キャストフィルムの紫外線吸収スペクトルを測定したときの波長290nm及び260nmの吸光度を前記乾燥キャストフィルムの厚さ1μmあたりの吸光度に補正した値(ただし、前記紫外線吸収スペクトルの測定において、ヘキセンウロン酸基に由来する235nmの吸収が見られた場合には、前記260nmの吸光度を前記乾燥キャストフィルムの厚さ1μmあたりの吸光度に補正した値は、該補正した値に0.7を乗じた値とする)が、いずれも0.020以下である前記<9>に記載の微細セルロース繊維分散体である。
<11> 前記<7>に記載の製造方法により製造された微細セルロース繊維分散体、及び前記<8>から<10>のいずれかに記載の微細セルロース繊維分散体の少なくともいずれかを乾燥する乾燥工程を含むことを特徴とする微細セルロース繊維の製造方法である。
<12> 前記<11>に記載の製造方法により製造されたことを特徴とする微細セルロース繊維である。
<13> 前記<7>に記載の製造方法により製造された微細セルロース繊維分散体、及び前記<8>から<10>のいずれかに記載の微細セルロース繊維分散体の少なくともいずれかを所定形状に保持しつつ液体成分を除去することを特徴とする微細セルロース繊維成形体の製造方法である。
<14> 前記<13>に記載の製造方法により製造されたことを特徴とする微細セルロース繊維成形体である。
<15> 前記<7>に記載の製造方法により製造された微細セルロース繊維分散体、及び前記<8>から<10>のいずれかに記載の微細セルロース繊維分散体の少なくともいずれかと、複合体の材料を含む液体材料とを混合してなる分散液を用いることを特徴とする微細セルロース繊維複合体の製造方法である。
<16> 前記<15>に記載の製造方法により製造されたことを特徴とする微細セルロース繊維複合体である。

Claims (10)

  1. N−オキシル化合物、及び共酸化剤を含む反応液中でセルロース系原料を酸化して酸化セルロース繊維を得る酸化工程と、
    前記酸化セルロース繊維を、還元剤を含む反応液中で還元させ、還元型酸化セルロース繊維を得る還元工程と、
    前記還元型酸化セルロース繊維を乾燥する乾燥工程とを含み、
    前記還元型酸化セルロース繊維を乾燥して得られたセルロース繊維が、溶媒に微細分散可能であることを特徴とするセルロース繊維の製造方法。
  2. 酸化工程と還元工程との間に、酸化工程で得られた酸化セルロース繊維を亜塩素酸ナトリウムにより更に酸化する追酸化工程を含む請求項1に記載のセルロース繊維の製造方法。
  3. 還元工程における反応液のpHが9〜10である請求項1から2のいずれかに記載のセルロース繊維の製造方法。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の製造方法により製造され、溶媒に微細分散可能であることを特徴とするセルロース繊維。
  5. 乾燥後、溶媒に微細分散可能なセルロース繊維であって、
    前記セルロース繊維を105℃で3時間乾燥した後、前記セルロース繊維を濃度が0.1質量%になるように水で希釈して40mLの分散液とし、前記分散液を50mL容器に入れ、二重円筒型ホモジナイザーを用いて7,500rpmで2分間解繊処理後、氷水で前記容器の周りを冷やしながら超音波ホモジナイザーで8分間解繊処理したときに、前記分散液の波長600nmにおける光透過度が80%以上であり、複屈折を示すことを特徴とするセルロース繊維。
  6. セルロース繊維を105℃で3時間乾燥した後、前記セルロース繊維を濃度が0.1質量%になるように水で希釈して40mLの分散液とし、前記分散液を50mL容器に入れ、二重円筒型ホモジナイザーを用いて7,500rpmで2分間解繊処理後、氷水で前記容器の周りを冷やしながら超音波ホモジナイザーで8分間解繊処理した後、前記分散液における未解繊セルロース繊維を除去して得られた分散液を用いてキャストフィルムを作製し、前記キャストフィルムを105℃で3時間乾燥して乾燥キャストフィルムとし、前記乾燥キャストフィルムの紫外線吸収スペクトルを測定したときの波長290nm及び260nmの吸光度を前記乾燥キャストフィルムの厚さ1μmあたりの吸光度に補正した値(ただし、前記紫外線吸収スペクトルの測定において、ヘキセンウロン酸基に由来する235nmの吸収が見られた場合には、前記260nmの吸光度を前記乾燥キャストフィルムの厚さ1μmあたりの吸光度に補正した値は、該補正した値に0.7を乗じた値とする)が、いずれも0.020以下である請求項4から5のいずれかに記載のセルロース繊維。
  7. 請求項1から3のいずれかに記載のセルロース繊維の製造方法で製造されたセルロース繊維、及び請求項4から6のいずれかに記載のセルロース繊維の少なくともいずれかを溶媒に分散させる分散工程を含むことを特徴とする微細セルロース繊維分散体の製造方法。
  8. セルロース繊維が溶媒に微細分散された微細セルロース繊維分散体であって、
    前記セルロース繊維が、乾燥後、溶媒に微細分散可能なセルロース繊維であり、
    前記セルロース繊維を105℃で3時間乾燥した後、前記セルロース繊維を濃度が0.1質量%になるように水で希釈して40mLの分散液とし、前記分散液を50mL容器に入れ、二重円筒型ホモジナイザーを用いて7,500rpmで2分間解繊処理後、氷水で前記容器の周りを冷やしながら超音波ホモジナイザーで8分間解繊処理したときに、前記分散液の波長600nmにおける光透過度が80%以上であり、複屈折を示すことを特徴とする微細セルロース繊維分散体。
  9. セルロース繊維を105℃で3時間乾燥した後、前記セルロース繊維を濃度が0.1質量%になるように水で希釈して40mLの分散液とし、前記分散液を50mL容器に入れ、二重円筒型ホモジナイザーを用いて7,500rpmで2分間解繊処理後、氷水で前記容器の周りを冷やしながら超音波ホモジナイザーで8分間解繊処理した後、前記分散液における未解繊セルロース繊維を除去して得られた分散液を用いてキャストフィルムを作製し、前記キャストフィルムを105℃で3時間乾燥して乾燥キャストフィルムとし、前記乾燥キャストフィルムの紫外線吸収スペクトルを測定したときの波長290nm及び260nmの吸光度を前記乾燥キャストフィルムの厚さ1μmあたりの吸光度に補正した値(ただし、前記紫外線吸収スペクトルの測定において、ヘキセンウロン酸基に由来する235nmの吸収が見られた場合には、前記260nmの吸光度を前記乾燥キャストフィルムの厚さ1μmあたりの吸光度に補正した値は、該補正した値に0.7を乗じた値とする)が、いずれも0.020以下である請求項8に記載の微細セルロース繊維分散体。
  10. 請求項7に記載の製造方法により製造された微細セルロース繊維分散体、及び請求項8から9のいずれかに記載の微細セルロース繊維分散体の少なくともいずれかを乾燥する乾燥工程を含むことを特徴とする微細セルロース繊維の製造方法。
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