JP2015113350A - 難燃化帯電防止性高分子複合材料および難燃化帯電防止性部材 - Google Patents
難燃化帯電防止性高分子複合材料および難燃化帯電防止性部材 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】帯電防止性と難燃性の双方の機能のバランスに優れ、また、溶融成形可能な難燃化帯電防止性高分子複合材料を提供する。
【解決手段】難燃化帯電防止性高分子複合材料は、バイオマス由来の粉末と高分子材料と難燃剤とからなる。バイオマス由来の粉末は、好ましくは、熱重量減少の微分曲線において、180〜320℃の温度範囲にピークを有さず、300〜400℃の温度範囲にピークを有する竹由来の粉末である。難燃剤は、好ましくは、リン酸エステル系難燃化剤または水酸化アルミニウムおよび水酸化マグネシウムのうちから選ばれるいずれか1つ若しくは双方である。
【選択図】なし
【解決手段】難燃化帯電防止性高分子複合材料は、バイオマス由来の粉末と高分子材料と難燃剤とからなる。バイオマス由来の粉末は、好ましくは、熱重量減少の微分曲線において、180〜320℃の温度範囲にピークを有さず、300〜400℃の温度範囲にピークを有する竹由来の粉末である。難燃剤は、好ましくは、リン酸エステル系難燃化剤または水酸化アルミニウムおよび水酸化マグネシウムのうちから選ばれるいずれか1つ若しくは双方である。
【選択図】なし
Description
本発明は、難燃化帯電防止性高分子複合材料および難燃化帯電防止性部材に関する。
化石資源の枯渇が懸念されるようになり、再生可能資源であるバイオマスへの希求が高まってきている。
植物由来のバイオマスは、セルロース繊維を組織構造の主成分として有しており、そのセルロース繊維の強度は極めて高く、従来からの繊維やロープなどの分野だけでなく、一般工業材料としての利用可能性を十分に秘めている。このセルロース繊維を高分子材料の繊維強化材料として利用し、高分子材料の強度向上のみならず、バイオマスの利用率の向上にも役立てようとする取り組みが、自動車産業や家電・IT機器産業などで進んでいる。
これらの産業に用いられる成形体や部材の多くには、機械的強度が要求されるとともに、静電気によるトラブルを回避するために、帯電防止性能が要求されている。さらに、火災の原因や延焼を防ぐために難燃性が要求されている。成形体や部材は、これらの要求特性を全て満たすことが望ましい。
これらの産業に用いられる成形体や部材の多くには、機械的強度が要求されるとともに、静電気によるトラブルを回避するために、帯電防止性能が要求されている。さらに、火災の原因や延焼を防ぐために難燃性が要求されている。成形体や部材は、これらの要求特性を全て満たすことが望ましい。
高分子材料の帯電防止については多くの技術が開示されている。帯電とは、物体が電気を帯びる現象である。別の物体から電子を奪った場合には負に帯電し、逆の場合は正に帯電する。帯電したまま動かずにいる電気を静電気という。静電気はほこりの吸着、繊維製品や頭髪などの傷み、また放電による電子機器の破損、火災や爆発の危険など悪影響が大きいので、積極的な除去を必要とする。
導電性の低い物品は、帯電すると静電気を生じるが、すぐに放電すれば静電気を帯びた状態を解消することができる。したがって、導電性を高めることによって部材が静電気を帯びるのを防ぐことができる。
高分子材料表面に帯電防止性を付与する技術としては、帯電防止剤を用いるものとして、(1)金属粉、カーボンブラック等の導電性物質を混入する方法、および、(2)界面活性剤の一種である帯電防止剤を塗布又は混入する方法があり、また帯電防止剤を用いないものとして、(3)プラズマ処理等により表面を親水化する方法等がある。
帯電しやすい合成樹脂成形体では、安価で比較的効果が高い(1)または(2)の方法が多く用いられている。たとえば、(1)および(2)を組み合わせた方法として、熱可塑性樹脂を主体とする合成樹脂部材に、第四級アンモニウム塩系帯電防止剤とハロゲン化アルカリ金属塩を混練する技術が開示されている(特許文献1参照)。また、合成ゴムに導電性酸化亜鉛とカチオン系帯電防止剤を混練する技術が開示されている(特許文献2参照)。
ここで、(1)の方法は、導電性物質同士が高分子材料内で接触している必要があるため、粉体の導電性物質であれば大量に混入させる必要があり、コストアップのみならず合成樹脂成形体本来の機械的および化学的物性を損なう場合がある。
また、(2)の方法は、空気中の水分を吸着することで電荷の拡散漏洩を早めることを原理としているが、高分子材料表面に塗布した場合には、表面を拭き取る、または、洗浄すると効果がなくなってしまう場合がある。また、高分子材料に混入する場合には、高分子材料との相溶性が悪いと均一に混ざらず、逆に相溶性が良いと表面に浸出しにくく、水分吸着力が発揮されない場合がある。
また、(2)の方法は、空気中の水分を吸着することで電荷の拡散漏洩を早めることを原理としているが、高分子材料表面に塗布した場合には、表面を拭き取る、または、洗浄すると効果がなくなってしまう場合がある。また、高分子材料に混入する場合には、高分子材料との相溶性が悪いと均一に混ざらず、逆に相溶性が良いと表面に浸出しにくく、水分吸着力が発揮されない場合がある。
(3)の方法については、合成樹脂プレートの表面をグロー放電プラズマ処理し、つづいて導電性塗料を塗布・乾燥・硬化し導電層を形成する方法が開示されている(特許文献3参照)。しかし、(3)の方法は特殊な処理装置を用いた煩雑な処理を必要とし、汎用的に用いることは難しい。
高分子材料にバイオマスを導入したバイオマスコンポジットにおいても、帯電防止性や導電性を向上させる技術が開発されている。
例えば、合成繊維に比べて、含水量が高いために帯電防止効果を発現できるという天然繊維の特性を利用し、天然繊維と木質粒を混合した木質粒繊維樹脂複合板の製造方法が開示されている(特許文献4参照)。しかし、含水量の高い天然繊維を用いることが必須であるとともに、プロセスオイルの浸透、樹脂とのブレンド、さらに脱油という手間のかかる工程を必要とする。
また、例えば、木粉等の木質系充填剤の表面に、予め真空蒸着法又はスパッタリング法等により、金属又は導電性の無機化合物の薄膜を形成し、導電性を付与する技術が開示されている(特許文献5参照)。しかし、真空蒸着やスパッタリングという方法は特殊な装置を用いた煩雑な処理を必要とし汎用性に問題がある。
また、例えば、木材や竹等のバイオマス原料を加熱処理し、油性溶液を除去し、乾燥した後、さらに、グラファイト組織形成処理温度で高温焼成する技術が開示されている(特許文献6参照)。バイオマス原料をグラファイト化することで導電性が得られるとされている。この技術は、導電性を有する第三成分の添加や被覆を必要としない点で優れているといえるが、高温焼成する工程が煩雑であり、また、製造時のバイオマス原料のロスも大きいと思われる。
例えば、合成繊維に比べて、含水量が高いために帯電防止効果を発現できるという天然繊維の特性を利用し、天然繊維と木質粒を混合した木質粒繊維樹脂複合板の製造方法が開示されている(特許文献4参照)。しかし、含水量の高い天然繊維を用いることが必須であるとともに、プロセスオイルの浸透、樹脂とのブレンド、さらに脱油という手間のかかる工程を必要とする。
また、例えば、木粉等の木質系充填剤の表面に、予め真空蒸着法又はスパッタリング法等により、金属又は導電性の無機化合物の薄膜を形成し、導電性を付与する技術が開示されている(特許文献5参照)。しかし、真空蒸着やスパッタリングという方法は特殊な装置を用いた煩雑な処理を必要とし汎用性に問題がある。
また、例えば、木材や竹等のバイオマス原料を加熱処理し、油性溶液を除去し、乾燥した後、さらに、グラファイト組織形成処理温度で高温焼成する技術が開示されている(特許文献6参照)。バイオマス原料をグラファイト化することで導電性が得られるとされている。この技術は、導電性を有する第三成分の添加や被覆を必要としない点で優れているといえるが、高温焼成する工程が煩雑であり、また、製造時のバイオマス原料のロスも大きいと思われる。
本発明者らは、高分子材料にバイオマスを導入したバイオマスコンポジットの帯電防止性を向上させることを目的とした上記従来の技術の問題点に鑑み、熱重量減少の微分曲線において、180〜320℃の温度範囲にピークを有さず、300〜400℃の温度範囲にピークを有する竹粉末からなる高分子複合材料用帯電防止剤およびこれを用いた高分子複合材料の技術を開示している(特許文献7参照)。
この技術によれば、導電性を有する第三成分を添加することなく、また煩雑な製法を用いることなく、比較的簡易な方法で製造することができ、高分子材料と複合したときに電気抵抗が小さく帯電防止効果に優れる高分子複合材料を得ることができる。
この技術によれば、導電性を有する第三成分を添加することなく、また煩雑な製法を用いることなく、比較的簡易な方法で製造することができ、高分子材料と複合したときに電気抵抗が小さく帯電防止効果に優れる高分子複合材料を得ることができる。
高分子材料にバイオマス原料を添加して、さらに難燃性を付与する技術についても開示されている。
たとえば、ポリオレフィンにセルロース系粉体と難燃剤を混合することで難燃性をもった複合樹脂成形体を得る技術が開示されている(特許文献8参照)。難燃剤は、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムおよび水酸化カルシウムから選ばれる水和金属化合物と、膨張性黒鉛と、ポリリン酸メラミン、リン酸メラミン、リン酸アンモニウム、ポリリン酸およびポリリン酸グアニジンから選ばれるリン化合物とを含有する。
また、バイオマス原料としてリグニンを利用して射出成形用樹脂コンパウンドを作製し、リグニン自身の難燃性を利用するという技術も開発されている(特許文献9参照)。
しかしこれらの技術においては、帯電防止性能の発現については考慮していない。
たとえば、ポリオレフィンにセルロース系粉体と難燃剤を混合することで難燃性をもった複合樹脂成形体を得る技術が開示されている(特許文献8参照)。難燃剤は、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムおよび水酸化カルシウムから選ばれる水和金属化合物と、膨張性黒鉛と、ポリリン酸メラミン、リン酸メラミン、リン酸アンモニウム、ポリリン酸およびポリリン酸グアニジンから選ばれるリン化合物とを含有する。
また、バイオマス原料としてリグニンを利用して射出成形用樹脂コンパウンドを作製し、リグニン自身の難燃性を利用するという技術も開発されている(特許文献9参照)。
しかしこれらの技術においては、帯電防止性能の発現については考慮していない。
本発明が解決しようとする課題は、特許文献7の技術をさらに改善し、バイオマス由来の材料と高分子材料とからなり、帯電防止性と難燃性の双方の機能のバランスに優れ、またさらには、帯電防止性がさらに向上した、溶融成形可能な複合材料を提供することである。
本発明に係る難燃化帯電防止性高分子複合材料は、バイオマス由来の粉末と高分子材料と難燃剤とからなる。
また、本発明に係る難燃化帯電防止性高分子複合材料は、好ましくは、前記バイオマス由来の粉末が、熱重量減少の微分曲線において、180〜320℃の温度範囲にピークを有さず、300〜400℃の温度範囲にピークを有する竹由来の粉末であることを特徴とする。
また、本発明に係る難燃化帯電防止性高分子複合材料は、好ましくは、前記難燃剤が、リン酸エステル系難燃化剤であることを特徴とする。
また、本発明に係る難燃化帯電防止性高分子複合材料は、好ましくは、 前記難燃剤が、水酸化アルミニウムおよび水酸化マグネシウムのうちから選ばれるいずれか1つまたは双方であることを特徴とする。
また、本発明に係る難燃化帯電防止性部材は、上記の難燃化帯電防止性高分子複合材料を溶融成形してなる。
本発明に係る難燃化帯電防止性高分子複合材料は、バイオマス由来の粉末と高分子材料と難燃剤とからなるため、帯電防止性と難燃性の双方の機能のバランスに優れ、また、溶融成形可能である。
また、本発明に係る難燃化帯電防止性部材は、上記の難燃化帯電防止性高分子複合材料を溶融成形してなるため、上記難燃化帯電防止性高分子複合材料の効果を好適に発揮することができる。
また、本発明に係る難燃化帯電防止性部材は、上記の難燃化帯電防止性高分子複合材料を溶融成形してなるため、上記難燃化帯電防止性高分子複合材料の効果を好適に発揮することができる。
本発明の実施の形態(以下、本実施の形態例という。)について、竹由来のバイオマス粉末と難燃剤を高分子材料に配合して成形したものを例にとり、図を参照して、以下に説明する。
本実施の形態例に係る難燃化帯電防止性高分子複合材料は、バイオマス由来の粉末と高分子材料と難燃剤とからなる。バイオマス由来の粉末は、その種類に特に限定はないが、好ましくは、竹由来のバイオマス粉末(以下、これを竹粉末という。)である。
竹粉末は、竹を粉砕することにより得られる。
竹は、広義には、イネ目イネ科タケ亜科のうち、木本のように茎が木質化する種の総称である。日本に生育する竹は600種あるといわれており、そのうちの代表的なものとして、マダケ、モウソウチク(孟宗竹)、ハチク等が挙げられる。本実施の形態において用いる竹の種類を限定するものではない。また、本実施の形態において、竹とは幹、枝、葉、および根からなる総体的なものを意味するが、とりわけ、セルロース繊維成分が豊富な維管束鞘を大量に含む幹部が好適である。
竹は、その主要な構成成分として、セルロース、ヘミセルロースおよびリグニンからなる。ヘミセルロースはセルロースとリグニン、あるいはセルロース同士を結合させる接着剤の役割を担っている。
竹は、広義には、イネ目イネ科タケ亜科のうち、木本のように茎が木質化する種の総称である。日本に生育する竹は600種あるといわれており、そのうちの代表的なものとして、マダケ、モウソウチク(孟宗竹)、ハチク等が挙げられる。本実施の形態において用いる竹の種類を限定するものではない。また、本実施の形態において、竹とは幹、枝、葉、および根からなる総体的なものを意味するが、とりわけ、セルロース繊維成分が豊富な維管束鞘を大量に含む幹部が好適である。
竹は、その主要な構成成分として、セルロース、ヘミセルロースおよびリグニンからなる。ヘミセルロースはセルロースとリグニン、あるいはセルロース同士を結合させる接着剤の役割を担っている。
竹粉末は、長軸径が100〜1000μmの範囲にある成分が少なくとも30%以上含有すれば、なんら問題なく使用可能であるが、このましくは、高分子材料と溶融混合を行うために、竹粉末の水分含有量が5%以下であることが好ましい。バイオマスから過剰の水分を取り去るには、乾燥器を使って熱風を当てながら、数時間、加熱する方法が通常とられるが、親水性のバイオマスから水分を5%以下にするのは、疎水性の高分子材料に比べて時間とエネルギーを必要とする。
乾燥した竹粉末を得るための好適な方法として、過熱水蒸気を用いた方法がある。170℃の逆転温度以上で300℃以下の温度範囲の過熱水蒸気は、乾燥空気よりも急速に竹に熱を供給し水分を取り去る。同時に、最も低温で分解するヘミセルロース成分を分解するため、この温度範囲で過熱水蒸気処理された竹は容易に破砕・粉砕され、本発明で用いる長軸径が100〜1000μmの範囲に竹粉末を得ることができる。
乾燥した竹粉末を得るための好適な方法として、過熱水蒸気を用いた方法がある。170℃の逆転温度以上で300℃以下の温度範囲の過熱水蒸気は、乾燥空気よりも急速に竹に熱を供給し水分を取り去る。同時に、最も低温で分解するヘミセルロース成分を分解するため、この温度範囲で過熱水蒸気処理された竹は容易に破砕・粉砕され、本発明で用いる長軸径が100〜1000μmの範囲に竹粉末を得ることができる。
竹粉末は、熱重量減少の微分曲線において、180〜320℃の温度範囲に実質的にピークを有さず、300〜400℃の温度範囲にピークを有する。 熱重量減少の微分曲線は、示差熱重量測定装置(Differential Thermal Gravimetrical Analyzer)等で測定することができる。180〜320℃の温度範囲のピークは、ヘミセルロースの分解に基づくものであり、竹粉末がこの温度範囲にピークを有さないとは、竹粉末が示唆熱重量分析的にはヘミセルロースを含まないことを意味する。300〜400℃の温度範囲のピークは、セルロースの分解に基づくものであり、竹粉末がこの温度範囲にピークを有するとは、竹粉末がセルロースを含むことを意味する。
竹粉末の長軸径とは、竹粉末粒子の最大径、すなわち、粒の外側輪郭線上の任意の2点を、その間の長さが最大になるように選んだ時の長さをいい、繊維状粒子の場合、長軸方向の長さ、すなわち繊維長をいう。長軸径が所定の範囲内にある粉末の質量比率は、倍率を調整可能な顕微鏡観察で得られた1cm×1cm画像中の繊維について直接測定し、繊維長と質量が実質的に比例関係にあることに基づいて、繊維長の累積頻度%を測定して、これを質量%と置き換える方法により得る。
なお、長軸径が所定の範囲内にある粉末の質量比率の概略値は、篩い分け法により簡便に得ることもできる。
なお、長軸径が所定の範囲内にある粉末の質量比率の概略値は、篩い分け法により簡便に得ることもできる。
竹粉末は、平均アスペクト比が5〜100の範囲にあることが好ましく、10〜80の範囲であることがより好ましい。竹粉末の平均アスペクト比が100を超える場合、高分子材料との溶融成形の際に、その溶融流動性を阻害するおそれがある。また、平均アスペクト比が5未満の場合、得られる成形体の繊維強化が発現しないばかりでなく、帯電防止性能も高くない場合がある。
ここでアスペクト比は、長軸径/短軸径の比として表わされる。長軸径/短軸径の比は、繊維長/繊維径の比といってもよい。アスペクト比が大きいということは、より細長い繊維状の形態であることを意味している。平均アスペクト比が所定の範囲内にある粉末の質量比率は、上記した長軸径が所定の範囲内にある粉末の質量比率の測定方法に準じて測定する。
ここでアスペクト比は、長軸径/短軸径の比として表わされる。長軸径/短軸径の比は、繊維長/繊維径の比といってもよい。アスペクト比が大きいということは、より細長い繊維状の形態であることを意味している。平均アスペクト比が所定の範囲内にある粉末の質量比率は、上記した長軸径が所定の範囲内にある粉末の質量比率の測定方法に準じて測定する。
一般に、竹中の維管束鞘に多く含まれるセルロース成分は繊維状の形態をとる。そのため、分級操作により得られる長軸径の大きいバイオマス粉末は、セルロース由来の繊維状成分をより多く含んでおり、アスペクト比が大きい。アスペクト比が大きいバイオマス粉末である竹粉末は、高分子材料とともに溶融成形された際に、強化繊維としての機能を発現することができる。さらに、繊維同志の接触が起こり易く、結果として帯電防止性能をより向上させることができる。
ここで、竹粉末の製造方法について説明する。
竹粉末の製造方法は、竹を170〜250℃の加熱水蒸気を用いて加熱処理した後、目的の長軸径分布になるまで粉砕することによって実施される。
竹粉末の製造方法は、竹を170〜250℃の加熱水蒸気を用いて加熱処理した後、目的の長軸径分布になるまで粉砕することによって実施される。
加熱水蒸気処理とは、170〜250℃に加熱された水蒸気を竹に接触させることである。170℃未満では、竹の水蒸気処理効果が小さく、処理に長時間を要する。さらに、後段で述べるように170℃は逆転温度であるため、その温度以上では乾燥処理も同時に実施可能である。一方、250℃を超える温度では、竹の分解が必要以上に進行しやすく、セルロース成分の炭化が起こりやすくなってしまい、竹粉末を高分子材料に配合して成形したときの成形体の強度への寄与が低下してしまうので好ましくない。加熱水蒸気処理温度としては、より好ましくは190〜240℃、さらに好ましくは、200〜230℃の範囲である。
ここで、170〜250℃に加熱された水蒸気とは、飽和圧力から常圧の範囲にある水蒸気である。このような加熱水蒸気として、加圧飽和水蒸気と常圧過熱水蒸気とがある。
常圧過熱水蒸気とは、定容積状態で加熱して得られる加圧飽和水蒸気と異なり、膨張できる状態で100℃の水蒸気をさらに加熱して得られる、標準気圧下で100℃以上の水蒸気をいう。
常圧過熱水蒸気とは、定容積状態で加熱して得られる加圧飽和水蒸気と異なり、膨張できる状態で100℃の水蒸気をさらに加熱して得られる、標準気圧下で100℃以上の水蒸気をいう。
加熱処理後の竹由来のバイオマスは、易分解性のヘミセルロース成分が優先的に分解され、部分的に揮発・除去されているため、セルロース繊維とリグニン構造間の接着組織を解かれたバイオマス組織は、容易に粉砕することができる。破砕および粉砕は、適宜、一般公知の破砕・粉砕装置を用いて行うことができる。また、このとき、粗粉砕後に微粉砕を行う2段粉砕処理を行ってもよい。好適に用いられる破砕・粉砕装置を例示すれば、例えば、ハンマーミル、カッターミル、ピンミル、クラッシャーミル、ボールミル、ロッドミル、バーミル、ディスクミル、ブレードミル、振動ミル、およびこれらの方法を2種以上組み合わせた複合粉砕方法である。
粉砕された竹粉末は、そのままでも使用できるが、より高度な帯電防止特性を発現させるために、分級操作によって、粒度分布を制御することも好適に行われる。分級操作に用いる方法としては、一般公知の分級方法が何ら制限なく使用できる。好適に用いられる分級方法を例示すれば、例えば、篩分級、気流式分級、渦遠心式分級、静電分離型分級などであり、これらに超音波や縦および横振動などの負荷を様々に組み合わせた分級方法がある。具体的には、振動ふるい装置、サイクロン、風力分級装置、および回転ドラム型静電分離装置などが好適な分級装置である。これらの装置を用いて、竹粉末が作製される。
また、竹粉末は、粉砕された竹粉末や分級された竹粉末そのままでもよく、あるいは、不燃化処理した竹粉末に一部置換したものであってもよく、さらには、全量置換したものであってもよい。
また、竹粉末は、粉砕された竹粉末や分級された竹粉末そのままでもよく、あるいは、不燃化処理した竹粉末に一部置換したものであってもよく、さらには、全量置換したものであってもよい。
帯電防止性能は導電率でおおむね評価することができる。例えば金属粉末や無機粉末であれば、展性や可塑性を若干でも持っていれば、加熱圧縮によって容易に導電率を測定することができる。しかし、例えば竹粉末の場合、可塑性を持たないので、導電率を適切に、再現性よく測定することは非常に難しい。このため、竹粉末を高分子材料に配合して得る成形体の表面抵抗率を測定することで、帯電防止性能を評価することができる。
難燃性は、難燃剤を添加することで発現する。難燃剤は、特に限定するものではなく、例えば、熱膨張性黒鉛類;シリカ、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化チタン、酸化マンガン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化モリブデン、酸化コバルト、酸化ビスマス、酸化クロム、酸化スズ、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酸化ニッケル、酸化銅、酸化タングステン、酸化ジルコニウムなどの金属酸化物類;アルミニウム、鉄、チタン、マンガン、亜鉛、モリブデン、コバルト、ビスマス、クロム、ニッケル、銅、タングステン、スズ、アンチモン等の金属類;メタ硼酸亜鉛、メタ硼酸バリウム、硼酸亜鉛等の硼酸化合物類;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の金属水酸化物類;デカブロモジフェニルオキサイド、オクタブロモジフェニルオキサイド、テトラブロモビスフェノールA、ビス(トリブロモフェノキシ)エタン、テトラブロモビスフェノールAエポキシオリゴマー、テトラブロモビスフェノールAカーボネートオリゴマー、エチレンビステトラブロモフタルイミド、エチレンビスペンタブロモジフェニル、トリス(トリブロモフェノキシ)トリアジン、トリブロモネオペンチルアルコール、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、ポリジブロモフェニレンエーテル、臭素化ポリスチレン、ヘキサブロモベンゼン、テトラブロモビスフェノールS、トリス(トリブロモネオペンチル)フォスフェート、オクタブロモトリメチルフェニルインダン、テトラブロモフタレート、テトラブロモフタレートジオール、テトラブロモフタレートエステル、テトラブロモフタレートジソジウム、テトラクロロ無水フタル酸、トリブロモフェノール、ジブロモフェノール、ジブロモメタクレゾール、ジブロモネオペンチルグリコール、ポリ(ペンタブロモベンジルポリアクリレート)、クロレント酸、無水クロレント酸、臭素化フェノール、ジブロモクレジルグリシジルエーテル、ビニルブロマイド等の臭素化合物類;トリフェニルフォスフェート、トリクレジルフェスフェート、トリキシレニルフォスフェート、トリエチルフォスフェート、クレジルジフェニルフォスフェート、キシレニルジフェニルフォスフェート、クレジルビス(ジ2,6−キシレニル)フォスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルフォスフェート、ジメチルフォスフェート、レゾルシノールビス(ジフェニル)フォスフェート、ビスフェノールAビス(ジフェニル)フォスフェート、ビスフェノールAビス(ジクレジル)フォスフェート、レゾルシノールビス(ジ2,6−キシレニル)フォスフェート、トリス(クロロエチル)フォスフェート、トリス(クロロプロピル)フォスフェート、トリス(ジクロロプロピル)フォスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)フォスフェート、ジエチル−N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノメチルホスフォネート、赤リン、リン酸塩、リン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸メラミン、リン酸メラミン、リン酸金属塩、リン酸グアニジン等のリン化合物類;トリアジン系難燃剤、低融点ガラス系難燃剤、およびシリコン系難燃剤等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記した難燃剤の中でも、特に成形加工時に熱分解が起こらず、人体への毒性も極めて低く、かつ燃焼時に臭素系難燃剤を含む材料のように、臭素系ダイオキシン等の有害ガスが発生せず、吸熱量が比較的大きい水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の金属水酸化物類や、酸化処理時に入り込ませた層間物質が気化し、結晶のC軸方向に極端に膨張して断熱層を形成する熱膨張性黒鉛類、及び、吸熱、かさ高い多孔質炭化層(断熱層)の形成、溶融ガラス質及び緻密な炭化層(断熱層)の形成、活性ラジカルのトラップ等の難燃機構を有するリン化合物類を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることが好ましい。
これらの中でも特に好ましい難燃剤は、リン酸エステル系難燃化剤または水酸化アルミニウムおよび水酸化マグネシウムのうちから選ばれるいずれか1つまたは双方である。水酸化アルミニウムおよび水酸化マグネシウムは、双方すなわち混合物を用いる方がより好ましい。
難燃剤としてリン酸エステル系難燃化剤を用いる場合、得られる難燃化帯電防止性高分子複合材料は、難燃性と帯電防止性のバランスに優れる。また、本実施の形態例に係る難燃化帯電防止性高分子複合材料中、リン酸エステル系難燃化剤を好ましくは28質量%以上、より好ましくは30質量%以上配合した場合、得られる難燃化帯電防止性高分子複合材料は、難燃剤を配合した分だけ難燃化帯電防止性高分子複合材料の主成分である竹粉末と高分子材料の配合量が減少するにもかかわらず、曲げ強度が難燃剤を配合しないものに比べて高い。リン酸エステル系難燃化剤は、1,3-フェニレンビス(ジ-2,6-キシレニルホスフェート)、トリフェニルフォスフェート等を用いることができる。リン酸エステル系難燃化剤の配合量の上限は、好ましくは60質量%以下である。
また、難燃剤として水酸化アルミニウムおよび水酸化マグネシウムのうちから選ばれるいずれか1つまたは双方を用いる場合、得られる難燃化帯電防止性高分子複合材料は、難燃性と帯電防止性のバランスに優れるとともに、特に、難燃剤を配合した分だけ難燃化帯電防止性高分子複合材料の主成分である竹粉末と高分子材料の配合量が減少するにもかかわらず、帯電防止性が難燃剤を配合しないものに比べてより向上する。
水酸化アルミニウムと水酸化マグネシウムの配合割合は、特に限定するものではないが、質量比で、水酸化アルミニウム:水酸化マグネシウム=20:80〜80:20とすることが好ましい。
これらの中でも特に好ましい難燃剤は、リン酸エステル系難燃化剤または水酸化アルミニウムおよび水酸化マグネシウムのうちから選ばれるいずれか1つまたは双方である。水酸化アルミニウムおよび水酸化マグネシウムは、双方すなわち混合物を用いる方がより好ましい。
難燃剤としてリン酸エステル系難燃化剤を用いる場合、得られる難燃化帯電防止性高分子複合材料は、難燃性と帯電防止性のバランスに優れる。また、本実施の形態例に係る難燃化帯電防止性高分子複合材料中、リン酸エステル系難燃化剤を好ましくは28質量%以上、より好ましくは30質量%以上配合した場合、得られる難燃化帯電防止性高分子複合材料は、難燃剤を配合した分だけ難燃化帯電防止性高分子複合材料の主成分である竹粉末と高分子材料の配合量が減少するにもかかわらず、曲げ強度が難燃剤を配合しないものに比べて高い。リン酸エステル系難燃化剤は、1,3-フェニレンビス(ジ-2,6-キシレニルホスフェート)、トリフェニルフォスフェート等を用いることができる。リン酸エステル系難燃化剤の配合量の上限は、好ましくは60質量%以下である。
また、難燃剤として水酸化アルミニウムおよび水酸化マグネシウムのうちから選ばれるいずれか1つまたは双方を用いる場合、得られる難燃化帯電防止性高分子複合材料は、難燃性と帯電防止性のバランスに優れるとともに、特に、難燃剤を配合した分だけ難燃化帯電防止性高分子複合材料の主成分である竹粉末と高分子材料の配合量が減少するにもかかわらず、帯電防止性が難燃剤を配合しないものに比べてより向上する。
水酸化アルミニウムと水酸化マグネシウムの配合割合は、特に限定するものではないが、質量比で、水酸化アルミニウム:水酸化マグネシウム=20:80〜80:20とすることが好ましい。
竹粉末自体が帯電防止性能を有するものであるが、上記した難燃剤とともに高分子材料に配合して成形体とすることで、高分子材料製品を製造する際のいわゆるマスターバッチ型の着色剤のようにして用いることができ、好適である。
このマスターバッチ様の高分子複合材料用難燃性帯電防止剤は、例えば、竹粉末と難燃剤と高分子材料とを混合した組成物を分解反応が進行しない条件で溶融成形して得ることができる。
このマスターバッチ様の高分子複合材料用難燃性帯電防止剤は、例えば、竹粉末と難燃剤と高分子材料とを混合した組成物を分解反応が進行しない条件で溶融成形して得ることができる。
本実施の形態例に係る難燃化帯電防止性高分子複合材料において、竹粉末および難燃剤からなる高分子複合材料用難燃性帯電防止剤に配合される高分子材料は、複合化が可能な高分子材料であれば、なんら制限なく用いることが可能である。とりわけ、熱可塑性樹脂は、溶融成形により、より意匠性の高い工業用製品部材を製造することが可能であるため、より好適に用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、竹粉末と複合化が可能なものあれば何ら制限無く用いることが可能である。好適に用いられる熱可塑性樹脂を例示すると、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン類;ポリスチレンやアクリロニトニル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、アクリロニトニル−スチレン(AS)樹脂、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン(MBS)樹脂などのスチレン系樹脂類;ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)などの芳香族ポリエステル類;ポリ乳酸やポリカプロラクトン、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸)、ポリテトラメチルグリコリド、ポリグリコール酸などの脂肪族ポリエステル類等を挙げることができる。これらの熱可塑性樹脂の中でも、成型性の容易さの観点から、ポリオレフィン類が特に好適である。これらの熱可塑性樹脂は、単独で用いてもよく、あるいは2種以上を混合して用いてもよい。
熱可塑性樹脂以外にも、熱可塑性である熱硬化性樹脂のプレポリマーを用いることができる。代表的な熱硬化性樹脂のプレポリマーとしては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シラン架橋ポリエチレン、アルキッド樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン、架橋ゴムなどのプレポリマーである。これらの熱硬化性樹脂のプレポリマーの中でも、本発明に係る竹粉末との複合化の容易さなどから、エポキシ樹脂、ポリウレタン、不飽和ポリエステル樹脂などのプレポリマーが好適である。
本実施の形態例に係る難燃化帯電防止性高分子複合材料において、竹粉末と難燃剤と高分子材料の質量%(竹粉末:難燃剤:高分子材料)は、好ましくは、竹粉末が10〜60%、難燃剤が10〜60%、高分子材料が20〜50%の範囲でそれぞれの総和が100%になるように組み合わせることが好適である。竹粉末の質量割合が10%未満では、帯電防止性能が効果的に発現しないおそれがある。一方、60%を超える割合では、後述する成形体の機械的強度の低下をまねくおそれがある。難燃剤が10%未満では、難燃性が効果的に発現しないおそれがある。一方、60%を超える割合では、後述する成形体の機械的強度の低下をまねくおそれがある。高分子材料が20%未満では、良好な成形性が得られないおそれがあり、50%を超える割合では、難燃性および帯電防止性能が十分に発揮されないおそれがある。
本実施の形態例に係る難燃化帯電防止性部材は、難燃化帯電防止性高分子複合材料を溶融成形してなる。このとき、さらに必要に応じて他の高分子材料を加えてもよい。
竹粉末と難燃剤と熱可塑性樹脂を配合し溶融成形する方法は、竹粉末と難燃剤を熱可塑性樹脂中に均一に分散させることのできる方法であれば、公知の方法を何ら制限無く利用することができる。
例えば、熱可塑性樹脂を熱溶融させて、竹粉末と難燃剤にせん断応力をかけながら練り込む溶融混練法、熱可塑性樹脂を溶剤に溶解し、竹粉末と難燃剤を加えて分散させた後に、溶剤を気化除去する溶液混合法、熱したロール上で熱可塑性樹脂を柔らかくし、その上に竹粉末と難燃剤を添加し、熱ロールによって圧着しながら練り込むカレンダー成型法などがある。これらの複合化の方法の中でも、効率性と汎用性の点で溶融混練法が最も好適である。
竹粉末と難燃剤と熱可塑性樹脂を配合し溶融成形する方法は、竹粉末と難燃剤を熱可塑性樹脂中に均一に分散させることのできる方法であれば、公知の方法を何ら制限無く利用することができる。
例えば、熱可塑性樹脂を熱溶融させて、竹粉末と難燃剤にせん断応力をかけながら練り込む溶融混練法、熱可塑性樹脂を溶剤に溶解し、竹粉末と難燃剤を加えて分散させた後に、溶剤を気化除去する溶液混合法、熱したロール上で熱可塑性樹脂を柔らかくし、その上に竹粉末と難燃剤を添加し、熱ロールによって圧着しながら練り込むカレンダー成型法などがある。これらの複合化の方法の中でも、効率性と汎用性の点で溶融混練法が最も好適である。
溶融混練法としては、具体的には、射出成型機を用いた射出成型法、押出成形機を用いた押出成形法、ブロー成型機を用いたブロー成形法等があり、さらに押出成形法によって作製したシート状の成形体を原料に、真空成型機を用いた真空成型法や圧縮成型機を用いた圧縮成型法による深絞り成形が好適に用いられる。これらの成形法の中でも、汎用性と拡張性等の点から、射出成型法と押出成形法がより好適に用いられる。
射出成形とは、加熱溶融させた材料を金型キャビティー内に射出注入し、冷却・固化させる事によって、成形品を得る方法であり、スプルーおよびランナーと呼ばれる部分を通って、成形体の金型キャビティー内に溶融した竹粉末含有樹脂溶融物が充填される。ここで、竹粉末は溶融しないので、溶融流動性を必要とする射出成型を実施する際には、流動性に優れた熱可塑性樹脂が選択される。
押出成形とは、加熱されたシリンダーの中でスクリューの回転に伴うせん断応力と発熱により溶融・混合した材料をダイスの押出口から一定速度で押し出しながら冷却固化させる成形法である。射出成型のような高い流動性は必要としないので、押出口から押し出された後、変形しないような粘性の高い高分子量の熱可塑性樹脂が選択される。さらに、押出成形においては、スクリューによる混練が効果的に行われる。スクリューの形状および回転方向は様々にあり、用途目的に応じて選択可能である。成形体の製造においては、より混練度を高めるために、二軸同方向回転スクリューによる混練がより好適な方法である。
例えば、射出成型機を用いて本実施の形態例に係る難燃化帯電防止性部材を成形する場合、高い溶融流動性が要求され、また、金型内に充填する前にスクリーンを通してサイズの大きい不融物を濾取するため、竹粉末の長軸径が比較的小さい方に多く分布している方が成形性には有効である。一方、押出成形機を用いて本実施の形態例に係る難燃化帯電防止性部材を成形する場合、長い繊維状の成分を含む竹粉末は、溶融した熱可塑性樹脂の中で配向して流動する。そのため、結果として配向した繊維状の竹粉末を含むコンポジットが得られ、繊維強化による機械的物性の向上が発現しやすく好適な製造方法の態様である。
帯電防止の性能は、通常、電気の通しやすさの指標である表面抵抗率で評価される。表面抵抗率は数値が低いほど帯電防止性が高いことを示す。表面抵抗率は、単位面積当たりの抵抗で、シート抵抗あるいは単に表面抵抗とも呼ばれる。表面抵抗率は、JIS-K-6911-5.13に準拠して測定する。
難燃性の評価は、UL94に準拠した垂直燃焼試験により行う。燃焼試験時に樹脂組成物のドリップがあり所定時間内に自己消火するものをV−2、燃焼時に樹脂組成物ドリップがなく所定時間内に自己消火するものをV−1(燃焼時間30秒以内)、V−0(燃焼時間10秒以内)とする。
本実施の形態例に係る難燃化帯電防止性部材は、難燃性と帯電防止性を有することが望ましい用途に用いられる部材を広く指す。家電・IT機器類の各種部品や自動車内装品等は、難燃性と帯電防止性を有することが好適である。電子部品の収容容器は帯電防止性が必須といってよい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、これらの実施例は何ら本発明の範囲を制限するものではない。
(竹粉末の製造例)
孟宗竹(直径約12cm、長さ約40cm、重量約1kg)を以下の仕様の直本工業社製過熱水蒸気処理装置に入れ、210℃で180分間、過熱水蒸気処理を行った。処理した孟宗竹を取り出し、下記の粗粉砕装置を用いて7000rpmで破砕した後、微粉砕装置を用いて7000rpmで粉砕を行った。さらに、下記の篩装置を用いて、60メッシュ(目開き250μm)の篩を用いて分級処理することによって60メッシュ通過成分としての竹粉末を作製した。
過熱水蒸気処理装置の仕様:
蒸気発生部: ヒーター容量 6.3kW
換算蒸発量 9.45kg/h
最高使用圧力 0.11MPa
処理槽: ヒーター容量 8kW
庫内寸法 W590×D385×H555 mm
粉砕装置の仕様:
粗破砕 : 奈良機械製作所製 HM−5型
微粉砕 : 奈良機械製作所製 自由粉砕機M-2型
水分測定装置の仕様: 島津製作所製水分計MOC-120H
篩装置の仕様: アズワン株式会社製ミニふるい振とう機 MVS−I
孟宗竹(直径約12cm、長さ約40cm、重量約1kg)を以下の仕様の直本工業社製過熱水蒸気処理装置に入れ、210℃で180分間、過熱水蒸気処理を行った。処理した孟宗竹を取り出し、下記の粗粉砕装置を用いて7000rpmで破砕した後、微粉砕装置を用いて7000rpmで粉砕を行った。さらに、下記の篩装置を用いて、60メッシュ(目開き250μm)の篩を用いて分級処理することによって60メッシュ通過成分としての竹粉末を作製した。
過熱水蒸気処理装置の仕様:
蒸気発生部: ヒーター容量 6.3kW
換算蒸発量 9.45kg/h
最高使用圧力 0.11MPa
処理槽: ヒーター容量 8kW
庫内寸法 W590×D385×H555 mm
粉砕装置の仕様:
粗破砕 : 奈良機械製作所製 HM−5型
微粉砕 : 奈良機械製作所製 自由粉砕機M-2型
水分測定装置の仕様: 島津製作所製水分計MOC-120H
篩装置の仕様: アズワン株式会社製ミニふるい振とう機 MVS−I
(竹粉の不燃化処理)
ホウ酸(H3BO3)480gとホウ砂(Na2B4O7・10H2O)480gに水300gを加え均一溶液とした。次に、この均一溶液に製造例で作製した竹粉末200gを添加し、オートクレーブを用い120℃、180分、2atmの条件下で、ホウ酸およびホウ砂を溶解した後、竹粉にホウ素化合物を含浸させた。含浸処理後、生成物を80℃で減圧(100hPa)乾燥処理することによって不燃化竹粉サンプル1063.5gを得た。
ホウ酸(H3BO3)480gとホウ砂(Na2B4O7・10H2O)480gに水300gを加え均一溶液とした。次に、この均一溶液に製造例で作製した竹粉末200gを添加し、オートクレーブを用い120℃、180分、2atmの条件下で、ホウ酸およびホウ砂を溶解した後、竹粉にホウ素化合物を含浸させた。含浸処理後、生成物を80℃で減圧(100hPa)乾燥処理することによって不燃化竹粉サンプル1063.5gを得た。
(実施例1〜6:難燃化帯電防止性高分子複合材料の作製とその物性測定)
竹粉末の製造例で作製した竹粉末と不燃化処理した竹粉末、熱可塑性樹脂としてアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS)(UMG-ABS製グレード一般汎用 EX120)とポリプロピレン(PP)(日本ポリプロピレン(株)社製ノバテックFY−6 (MFR=1.7)、および、難燃剤としてリン酸エステル系難燃化剤 1,3-フェニレンビス(ジ-2,6-キシレニルホスフェート)(大八化学工業株式会社製PX-200)を用いて、表1に示した組成でドライ混合した。均一に混合した各組成物を二軸混練エクストルーダー(井本製作所製ベント付2軸混練押出機160B型、同方向回転2軸スクリュー、スクリュー直径:15mm、L/D:25、ベント口数:1)に供給し、下記に示した所定の条件で溶融押出成形によりストランド状の成形体を作製した。
比較例1、2として、難燃剤を添加しないABSおよびPPと竹粉とを用いて上記と同様の方法で溶融押出成形によりストランド状の成形体を作製した。
竹粉末の製造例で作製した竹粉末と不燃化処理した竹粉末、熱可塑性樹脂としてアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS)(UMG-ABS製グレード一般汎用 EX120)とポリプロピレン(PP)(日本ポリプロピレン(株)社製ノバテックFY−6 (MFR=1.7)、および、難燃剤としてリン酸エステル系難燃化剤 1,3-フェニレンビス(ジ-2,6-キシレニルホスフェート)(大八化学工業株式会社製PX-200)を用いて、表1に示した組成でドライ混合した。均一に混合した各組成物を二軸混練エクストルーダー(井本製作所製ベント付2軸混練押出機160B型、同方向回転2軸スクリュー、スクリュー直径:15mm、L/D:25、ベント口数:1)に供給し、下記に示した所定の条件で溶融押出成形によりストランド状の成形体を作製した。
比較例1、2として、難燃剤を添加しないABSおよびPPと竹粉とを用いて上記と同様の方法で溶融押出成形によりストランド状の成形体を作製した。
なお、各実施例の具体的な成形条件は、以下の他の実施例のものを含め、次の通りである。
実施例1〜5 実施例6〜10
ホッパー温度 120℃ 100℃
スクリュー左温度 200℃ 190℃
スクリュー右温度 220℃ 210℃
ダイス温度 210℃ 200℃
スクリュー回転数 20−30rpm 20−30rpm
スクリュー内滞留時間 約3分 約5分
実施例1〜5 実施例6〜10
ホッパー温度 120℃ 100℃
スクリュー左温度 200℃ 190℃
スクリュー右温度 220℃ 210℃
ダイス温度 210℃ 200℃
スクリュー回転数 20−30rpm 20−30rpm
スクリュー内滞留時間 約3分 約5分
作製したストランド状の成形体を用いて難燃性の評価を行った。難燃性試験は、UL規格のUL94垂直燃焼試験に準じて行い、一種類のサンプルにつき、5回以上の複数回試験を行い、平均的な5点を採用した。
さらに、ストランド状成形体は、ペレタイザーを用いてペレットを作製した。得られたペレットを、井元製作所製のIMC-18D1型簡易射出成形機(成形温度210℃)を用いて短冊状試験片(長さ:20mm, 幅:5mm, 厚さ:2mm)を作製した。作製した試験片は、井元製作所製のIMC-18E0型引張圧縮試験機を用いて、JIS K 7171を参考とし曲げ試験(試験速度:5 mm/min)を行い、曲げ強度および曲げ弾性率の測定を行った。
表面抵抗率測定は、三菱化学社製ハイレスターUP(型番MCP-HT450)を用いて、JIS-K-6911に準拠して、プローブとしてUR−100(主電極φ50mm、ガード内径φ53.2mm)、印加電圧1000v、印加時間60秒、試験温度23℃の条件で行った。測定は、サンプル毎に3回以上行い、その平均値を求めた。
図1に、実施例6のサンプルの燃焼試験における難燃性の発現挙動を示す。接炎後、短時間は炎を出して燃焼するが、すぐに消火し、ドリップによる燃焼も起こらなかった。また、表2に、実施例1〜6と比較例1〜2について、燃焼試験、力学物性試験、および表面抵抗率の評価結果を示す。
さらに、ストランド状成形体は、ペレタイザーを用いてペレットを作製した。得られたペレットを、井元製作所製のIMC-18D1型簡易射出成形機(成形温度210℃)を用いて短冊状試験片(長さ:20mm, 幅:5mm, 厚さ:2mm)を作製した。作製した試験片は、井元製作所製のIMC-18E0型引張圧縮試験機を用いて、JIS K 7171を参考とし曲げ試験(試験速度:5 mm/min)を行い、曲げ強度および曲げ弾性率の測定を行った。
表面抵抗率測定は、三菱化学社製ハイレスターUP(型番MCP-HT450)を用いて、JIS-K-6911に準拠して、プローブとしてUR−100(主電極φ50mm、ガード内径φ53.2mm)、印加電圧1000v、印加時間60秒、試験温度23℃の条件で行った。測定は、サンプル毎に3回以上行い、その平均値を求めた。
図1に、実施例6のサンプルの燃焼試験における難燃性の発現挙動を示す。接炎後、短時間は炎を出して燃焼するが、すぐに消火し、ドリップによる燃焼も起こらなかった。また、表2に、実施例1〜6と比較例1〜2について、燃焼試験、力学物性試験、および表面抵抗率の評価結果を示す。
表2の結果から、実施例1〜4についてはUL規格におけるV-2レベルに相当し、実施例5についてはUL規格におけるV-1レベル、実施例6についてはUL規格におけるV-0レベルに相当することが確認された。また、力学物性についても、実施例2と3および4と5については、それぞれの比較例1および2に比べて、曲げ強度で10−20%の向上、曲げ弾性率については2−3倍の向上が得られた。表面抵抗率については1012〜1013Ω/□の範囲にあり、比較例1および2と同程度であり、難燃剤の添加にもかかわらず、帯電防止性能は保持されていた。
(実施例7〜11:難燃化帯電防止性高分子複合材料の作製とその物性測定)
竹粉末の製造例で作製した竹粉末と熱可塑性樹脂としてポリプロピレン(PP)(日本ポリプロピレン(株)社製ノバテックFY-6 (MFR=1.7))、および、難燃剤として水酸化アルミニウム(Al(OH)3)と水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)を用いて、表3に示した組成でドライ混合した。均一に混合した各組成物を二軸混練エクストルーダー(井本製作所製ベント付2軸混練押出機160B型、同方向回転2軸スクリュー、スクリュー直径:15mm、L/D:25、ベント口数:1)に供給し、実施例1〜6と同様の条件で溶融押出成形によりストランド状の成形体を作製した。
竹粉末の製造例で作製した竹粉末と熱可塑性樹脂としてポリプロピレン(PP)(日本ポリプロピレン(株)社製ノバテックFY-6 (MFR=1.7))、および、難燃剤として水酸化アルミニウム(Al(OH)3)と水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)を用いて、表3に示した組成でドライ混合した。均一に混合した各組成物を二軸混練エクストルーダー(井本製作所製ベント付2軸混練押出機160B型、同方向回転2軸スクリュー、スクリュー直径:15mm、L/D:25、ベント口数:1)に供給し、実施例1〜6と同様の条件で溶融押出成形によりストランド状の成形体を作製した。
作製したストランド状の成形体を用いて実施例1〜6と同様の方法で難燃性の評価を行った。
さらに、ストランド状成形体は、ペレタイザーを用いてペレットを作製した。つづいて、実施例1〜6と同様の方法で曲げ強度、曲げ弾性率および表面抵抗率の測定を行った。
表4に、実施例7〜8と比較例2について、燃焼試験、力学物性試験、および表面抵抗率の評価結果を示す。
さらに、ストランド状成形体は、ペレタイザーを用いてペレットを作製した。つづいて、実施例1〜6と同様の方法で曲げ強度、曲げ弾性率および表面抵抗率の測定を行った。
表4に、実施例7〜8と比較例2について、燃焼試験、力学物性試験、および表面抵抗率の評価結果を示す。
表4の結果から、実施例7についてはUL規格におけるV-2レベルに相当し、実施例8についてはUL規格におけるV-1レベルに相当することが確認された。また、力学物性については、比較例2に比べて、曲げ強度の低下は見られるものの成形体として利用可能な範囲内であり、曲げ弾性率については2−3倍の向上が見られた。驚くべきことに、難燃剤としての水酸化アルミニウムと水酸化マグネシウムの添加に伴い、表面抵抗が減少し、帯電防止性能が向上することがわかった。
本発明に係る難燃化帯電防止性高分子複合材料は、熱重量減少の微分曲線において、180〜320℃の温度範囲にピークを有さず、300〜400℃の温度範囲にピークを有し、平均アスペクト比が5〜100の範囲にある竹由来の粉末が10〜60質量%、高分子材料が20〜50質量%および難燃剤が10〜60質量%の範囲でそれぞれの総和が100質量%からなる。
本発明に係る難燃化帯電防止性高分子複合材料は、熱重量減少の微分曲線において、180〜300℃の温度範囲にピークを有さず、300〜400℃の温度範囲にピークを有し、平均アスペクト比が5〜100の範囲にある竹由来の粉末が10〜60質量%、高分子材料が20〜50質量%および難燃剤が10〜60質量%の範囲でそれぞれの総和が100質量%からなる。
Claims (5)
- バイオマス由来の粉末と高分子材料と難燃剤とからなる難燃化帯電防止性高分子複合材料。
- 前記バイオマス由来の粉末が、熱重量減少の微分曲線において、180〜320℃の温度範囲にピークを有さず、300〜400℃の温度範囲にピークを有する竹由来の粉末であることを特徴とする請求項1記載の難燃化帯電防止性高分子複合材料。
- 前記難燃剤が、リン酸エステル系難燃化剤であることを特徴とする請求項1または2に記載の難燃化帯電防止性高分子複合材料。
- 前記難燃剤が、水酸化アルミニウムおよび水酸化マグネシウムのうちから選ばれるいずれか1つまたは双方であることを特徴とする請求項1または2に記載の難燃化帯電防止性高分子複合材料。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の難燃化帯電防止性高分子複合材料を溶融成形してなる難燃化帯電防止性部材。
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