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JP2015112805A - 複合材料の成形方法及び複合材料から成る成形品 - Google Patents

複合材料の成形方法及び複合材料から成る成形品 Download PDF

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JP2015112805A JP2013256763A JP2013256763A JP2015112805A JP 2015112805 A JP2015112805 A JP 2015112805A JP 2013256763 A JP2013256763 A JP 2013256763A JP 2013256763 A JP2013256763 A JP 2013256763A JP 2015112805 A JP2015112805 A JP 2015112805A
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和哉 長坂
Kazuya Nagasaka
和哉 長坂
川▲崎▼ 卓巳
Takumi Kawasaki
卓巳 川▲崎▼
剛 松原
Takeshi Matsubara
剛 松原
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Kawasaki Heavy Industries Ltd
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Kawasaki Heavy Industries Ltd
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Abstract

【課題】
強度の高い成形品を成形することができる複合材料の成形方法を提供する。
【解決手段】
本発明に係る複合材料の成形方法は、繊維に熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を含浸させた複数のプリプレグ10の間に、熱可塑性樹脂の外殻を有し当該外殻の内部に揮発性発泡剤を内包した微小球である熱膨張性マイクロスフィア11を介在させた積層体12を形成する積層工程と、積層体12を加熱することで、揮発性発泡剤が気化して熱膨張性マイクロスフィア11を膨張させるとともに、プリプレグ10を硬化させる成形工程と、を含んでいる。
【選択図】図1

Description

本発明は、繊維及びプラスチックを含んだ複合材料の成形方法に関する。また、前記複合材料から成る成形品に関する。
複合材料である繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics;以下、「FRP」と称す)を成形するにあたり、母材(マトリックス)である熱硬化性樹脂に熱膨張性マイクロスフィア(microsphere)を混入し、これを加熱して成形品を得る成形方法が提案されている(特許文献1参照)。この成形方法によれば、熱硬化性樹脂を加熱して硬化させる際、熱膨張性マイクロスフィアが膨脹することでFRPに中空部が形成される。そのためFRPの密度が低下して成形品の軽量化を図ることができる。
しかしながら、この成形方法では、熱膨張性マイクロスフィアが繊維を押しのけて膨張することから、繊維が歪んだ状態のままFRPが成形されてしまう。そのため、この成形方法によって得られたFRPは、張力が加えられても繊維に伝わらず、十分な引張強度を得ることができない。また、特許文献2では、繊維に加えて、熱膨張性マイクロスフィア(熱膨張性マイクロカプセル)を含んだ樹脂を用いて射出成形する方法が開示されている。しかしながら、この方法では繊維は短いものしか使用できず、繊維が面方向につながっていないため十分な引張強度を得ることはできない。
さらに、特許文献3では、熱膨張性マイクロスフィア(剛性軽量粒子)を含む熱硬化性マトリックス樹脂を強化用繊維シートで挟んで加熱する成形方法が提案されている。この成形方法では、熱膨張性マイクロスフィアが膨張する力で熱硬化性樹脂を強化用繊維シートに浸透させ、その後、熱硬化性樹脂が硬化されることになる。ただし、熱膨張性マイクロスフィアが強化用繊維シートに流入しないように、熱硬化性マトリックス樹脂と強化用繊維シートの間には分離膜が設けられている。かかる構成によれば、熱膨脹性マイクロスフィアが強化用繊維シートに流入して繊維が歪めることもないため、強度の高い成形品が得られるようにも思える。
特開2004−231811号公報 特開2010−053351号公報 特開平8−302206号公報
しかしながら、特許文献3に記載の方法では、熱膨張性マイクロスフィアが膨張する力のみで熱硬化性マトリックス樹脂を強化用繊維シート側に押し込まなければならず、これを実現するには熱硬化性マトリックス樹脂が低粘度である必要がある。ただし、低粘度の樹脂は、高粘度の樹脂に比べ硬化後の強度が低い。そのため、この方法で成形した成形品では高い強度を得ることができない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、強度の高い成形品を成形することができる複合材料の成形方法を提供することを目的としている。
本発明のある形態に係る複合材料の成形方法は、繊維に熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を含浸させた複数のプリプレグの間に、熱可塑性樹脂の外殻を有し当該外殻の内部に揮発性発泡剤を内包した微小球である熱膨張性マイクロスフィアを介在させた積層体を形成する積層工程と、前記積層体を加熱することで、前記揮発性発泡剤が気化して前記熱膨張性マイクロスフィアを膨張させるとともに、前記プリプレグを硬化させる成形工程と、を含む。
この方法によれば、プリプレグを用いて成形品を成形することができる。プリプレグは、予め繊維に樹脂を含浸させるため、マトリックス用の樹脂として高粘度のものを使用することができる。マトリックス用の樹脂として高粘度のものを使用すれば、成形品のプラスチック部分の強度を向上させることができるとともに、マトリックス内に熱膨張性マイクロスフィアが混入するのを抑えることができる。また、熱膨張性マイクロスフィアが膨張することで複合材料の密度が低下するため、成形品の断面2次モーメントを大きくして曲げ強度を向上させることができる。このように、上記の方法によれば、成形品の強度を向上させることができる。
また、上記の成形方法において、前記成形工程において互いに対向する第1型及び第2型を有する成形型を用いて前記積層体を成形し、前記積層工程において、前記成形工程での前記積層体の面方向の各位置における前記第1型と前記第2型との離間量に応じて、前記積層体の面方向の各位置における前記熱膨張性マイクロスフィアの介在量(プリプレグの間に介在させる熱膨張性マイクロスフィアの量)を増減してもよい。この方法によれば、成形品の形状が複雑な場合であってもプリプレグを使用することができ、また、対向する第1型及び第2型を使用することで所望の形状の成形品を得ることができる。
また、上記の成形方法において、前記成形工程において前記積層体に加える圧力の大きさを増減することで、前記積層体を加熱して得られる成形品の厚みを調整してもよい。この方法によれば、積層体に熱膨張性マイクロスフィアが含まれるにもかかわらず、前述の第1型及び第2型の一方がなくとも成形品の厚みを適切な寸法に設定することができる。
また、上記の成形方法において、前記積層工程において前記熱膨張性マイクロスフィアを複数のプリプレグの間に介在させるにあたり、前記熱膨張性マイクロスフィアを含んだシート状の熱可塑性樹脂を前記プリプレグに重ねてもよい。この方法によれば、熱膨張性マイクロスフィアを複数のプリプレグの間に介在させる作業を容易に行うことができ、また、熱膨張性マイクロスフィアの介在量の調整も容易に行うことができる。
また、上記の成形方法において、前記積層工程において前記熱膨張性マイクロスフィアを複数のプリプレグの間に介在させるにあたり、前記熱膨張性マイクロスフィアを含んだ液状の熱硬化性樹脂を前記プリプレグに塗布してもよい。この方法によれば、熱膨張性マイクロスフィアを面方向に万遍なく配置させることができる。
また、上記の成形方法において、前記積層工程において前記熱膨張性マイクロスフィアを複数のプリプレグの間に介在させるにあたり、粉状の前記熱膨張性マイクロスフィアを前記プリプレグの表面に散布してもよい。この方法によれば、非常に簡易な方法で、熱膨張性マイクロスフィアを配置させることができる。
さらに、本発明のある形態に係る複合材料の成形品は、繊維にマトリックス用の熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を含浸させたプリプレグを硬化して得られたFRP層と、熱可塑性樹脂の外殻を有し当該外殻の内部に揮発性発泡剤を内包した微小球である熱膨張性マイクロスフィアの膨張により形成された中空部を有する中空層と、が積層されてなる。かかる構成によれば、FRP層はプリプレグを用いて形成されるため、マトリックス用の樹脂として粘度の高いものを使用することができる。そのため、FRP層のプラスチック部分の強度を向上させることができるとともに、製造工程においてマトリックス内に熱膨張性マイクロスフィアが混入するのを抑えることができる。また、熱膨張性マイクロスフィアを用いることで成形品の密度を低下させることができ、これにより断面2次モーメントを大きくして曲げ強度を向上させることができる。よって、上記の構成によれば、成形品の強度を向上させることができる。
また、上記の成形品において、前記FRP層を複数有するとともに、前記中空層を複数有するようにしてもよい。かかる構成によれば、中空層一層あたりの厚みを小さくすることができるため、中空層が変形しにくく、成形品全体としての強度を向上させることができる。
以上のとおり、上記の複合材料の成形方法によれば、強度の高い成形品を成形することができる。
図1は、第1実施形態に係る成形方法を示した図である。 図2は、第2実施形態に係る成形方法を示した図である。 図3は、第3実施形態に係る成形方法を示した図である。
以下、本発明の実施形態について図を参照しながら説明する。以下では、全ての図面を通じて同一又は相当する要素には同じ符号を付して、重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
まず、第1実施形態に係る複合材料の成形方法について説明する。図1は本実施形態に係る成形方法を示した図である。本実施形態に係る成形方法には、積層工程と、成形工程と、が含まれる。以下、積層工程と成形工程について順に説明する。
<積層工程>
積層工程は、図1の(a)に示すように、複数のプリプレグ10の間に熱膨張性マイクロスフィア11を介在させて積層体12を形成する工程である。熱膨張性マイクロスフィア11は、熱可塑性樹脂からなる外殻に、揮発性発泡剤としての液状の炭化水素を内包した微小球である。この熱膨張性マイクロスフィア11は、一定温度(膨張温度)以上になると内部の炭化水素が気化し、全体が例えば相似比で10倍程度(体積比で1000倍程度)にまで膨張する。熱膨張性マイクロスフィア11としては、日本フェライト株式会社のExpancel(登録商標)や積水化学工業株式会社のアドバンセルEMなどが使用可能である。なお、熱膨張性マイクロスフィア11内部の揮発性発泡剤としては、テトラメチルシランやCCl3F等を用いてもよい。
プリプレグ10としては一般的なものを使用することができる。ただし、マトリックスとして使用する熱硬化性樹脂は高粘度のものとする。マトリックスとしては、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂(粘度:500〜5000Pa・s)を使用することができる。高粘度の樹脂は繊維に含浸させにくい一方、マトリックス用の樹脂を高粘度とすることで、成形品の強度を向上させることができる。また、マトリックス用の樹脂を高粘度とすることで、熱膨張性マイクロスフィア11がプリプレグ10に混入するのを防ぐことができる。さらに、プリプレグは予め樹脂を繊維に含浸させたものであるため、内部に気泡がほとんど存在しない。よって、プリプレグを使用する成形方法によれば、発泡圧によって樹脂を繊維に含浸さる工程を含む成形方法(特許文献3参照)に比べて、成形品に残留する気泡の量を抑えることができる。その結果、気泡の残留による成形品の強度の低下を抑えることができる。なお、プリプレグ10に使用する繊維は、一方向に配置されていてもよく、織物であってもよく、材料も特に限定されない。
本実施形態における積層工程では、熱膨張性マイクロスフィア11を複数のプリプレグ10の間に介在させる方法として、粉状の熱膨張性マイクロスフィア11をプリプレグ10の表面に散布する方法を採用している。
ただし、熱膨張性マイクロスフィア11を複数のプリプレグ10の間に介在させる方法として、熱膨張性マイクロスフィア11を含んだシート状の熱可塑性樹脂(以下、「シート状樹脂」と称す)をプリプレグ10に積層する方法を採用してもよい。シート状樹脂は、熱膨張性マイクロスフィア11の膨張温度(例えば、130度程度)よりも低い融解温度である熱可塑性樹脂(以下、「接着樹脂」と称す)に熱膨張性マイクロスフィア11を添加し、これをシート状に形成して硬化させることにより得ることができる。なお、接着樹脂としては、EVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)、PP(ポリプロピレン)、PA(ポリアミド)等が使用可能である。シート状樹脂に熱を加えていくと、まず接着樹脂が融解し、その後に熱膨張性マイクロスフィア11が膨張する。そのため、接着樹脂が熱膨張性マイクロスフィア11の膨張を妨げることはない。なお、シート状樹脂は重ねることができるため、熱膨張性マイクロスフィア11を複数のプリプレグ10の間に介在させる量(介在量)が多い場合には有効である。なお、接着樹脂として熱可塑性樹脂ではなく熱硬化性樹脂を使用することができる。この場合には、あらかじめシート状に形成された接着樹脂の表面の一方又は両方に熱膨張性マイクロスフィア11を散布することにより、シート状樹脂を形成することもできる。
また、熱膨張性マイクロスフィア11を複数のプリプレグ10の間に介在させる方法として、熱膨張性マイクロスフィア11を含んだ液状の熱硬化性樹脂(以下、「液状樹脂」と称す)をプリプレグ10に塗布する方法を採用してもよい。液状樹脂は、常温で液体である熱硬化性樹脂(例えば、米国Hexcel社のRTM6など)に熱膨張性マイクロスフィア11を添加することで得ることができる。また、液状樹脂は、その硬化温度が、熱膨張性マイクロスフィア11の膨張温度と同じかそれ以上のものを使用する。液状樹脂に熱を加えていくと、まず熱膨張性マイクロスフィア11が膨張し、その後に液状の熱硬化性樹脂が硬化することになる。なお、液状樹脂を用いれば、プリプレグ10の表面全体に万遍なく熱膨張性マイクロスフィア11を配置することができる。なお、熱硬化性樹脂は液状に限定されず、樹脂の状況に応じてゲル状のものであっても構わない。
また、本実施形態では、各プリプレグ10の間の全てに熱膨張性マイクロスフィア11を介在させている。つまり、積層体12はプリプレグ10から成る複数の層と熱膨張性マイクロスフィア11から成る複数の層を有している。ただし、各プリプレグ10の間の全てに熱膨張性マイクロスフィア11を配置しなくてもよい。例えば、プリプレグ10を複数積層した後に、熱膨張性マイクロスフィア11をその表面に積層するなどしてもよい。
<成形工程>
成形工程は、積層体12を加熱して成形品を得る工程である。本実施形態の成形工程では、図1の(a)に示すように、互いに対向する第1型20と第2型21を有する成形型22を使用する。なお、本実施形態において第1型20はいわゆる上型であり、第2型はいわゆる下型である。さらに、本実施形態では、第1型20の下面にあたる成形面23が平面状に形成されており、第2型21の上面にあたる成形面24が平面状に形成されている。成形工程では、まず、積層工程で形成した積層体12を第2型21の成形面24上に配置する。図1の(a)に示すように、第2型21の成形面24と第1型20の成形面23の距離(成形型22の空間の大きさ)は、積層体12の厚み寸法(高さ寸法)よりも大きい。そのため、積層体12を第2型21の成形面24上に配置したとき、積層体12の上面と第1型20の成形面23は離間している。
そして、積層体12を第2型21に配置した状態で、オートクレーブ(autoclave)に入れ、積層体12を加熱するとともに圧力を加える。そうすると、熱膨張性マイクロスフィア11内の液状の炭化水素が気化して熱膨張性マイクロスフィア11が膨張する。これにより、積層体12の厚み寸法(高さ寸法)が増加して、図1の(b)に示すように積層体12の上面と第1型20の成形面23が接する。つまり、積層体12の下面を第2型21の成形面24に押し当てるとともに、積層体12の上面を第1型20の成形面23に押し当てた状態となる。そして、この状態を維持したままプリプレグ10が硬化し、複合材料の成形品30が得られる。
このように、本実施形態に係る成形方法で成形された成形品30は、上面と下面がそれぞれ第1型20と第2型21に接した状態で硬化されるため、各表面を凹凸の無い状態に仕上げることができる。なお、熱膨張性マイクロスフィア11を使用しない従来の成形方法によれば、積層体12に相当する部材が大きく膨らむことは無いため、第1型20は使用されず、当該部材の表面をフィルムで覆った状態で成形工程が行われる。そのため、成形品30の表面のうち特に上面に凹凸が生じやすい。このように、本実施形態に係る成形方法によれば、熱膨張性マイクロスフィア11を使用しない従来の成形方法に比べて、成形品30の表面の平滑性を向上させることができる。
なお、熱膨張性マイクロスフィア11の外殻は熱可塑性樹脂で形成されているため、成形工程では外殻が融解して互いに結合する。そして、成形品30が冷えるとこれらが硬化し、熱膨張性マイクロスフィア11が膨張することで形成された中空部33を有する中空層31が形成される。つまり、成形品30は、この中空層31と、プリプレグ10が硬化して得られたFRP層32を有することになる。中空層31を有する成形品30の密度は小さく、同じ重さを有するのであれば、FRP層32のみからなる成形品よりも厚みを大きくすることができる。これにより成形品30の断面2次モーメントを大きくし、曲げ強度を向上させることができる。
また、本実施形態の成形品30は、中空層31とFRP層32が交互に積層された構造を有している。つまり、成形品30は、中空層31を多数有している中空層31は表面に力をかけると、力をかけた部分が窪むなどして変形しやすく、厚みが大きいと変形量も大きくなる。そのため、成形品30のうち中空層31が占める割合が同じでも、例えば中空層31が単一の層で形成されている場合に比べ、本実施形態のように多数の層で形成されている方が、各層一層あたりの厚みを小さくすることができるため、変形しにくく、高い強度を得ることができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る成形方法について説明する。図2は本実施形態に係る成形方法を示した図である。本実施形態に係る成形方法は、主に第1型20に凹部25が形成されており、第1型20の成形面23と第2型21の成形面24が異なる形状である点で第1実施形態の場合と異なる。
本実施形態の積層工程では、成形工程での積層体12の面方向の各位置における第1型20と第2型21との離間量に応じて、積層体12の面方向の各位置における熱膨張性マイクロスフィア11の介在量を増減する。本実施形態では、図2の(a)に示すように、第1型20の中央部分に凹部25が形成されている。そのため、成形型22の中央部分は、他の部分に比べて第1型20の成形面23と第2型21の成形面24との距離(離間量)が大きい。この場合、図2の(a)に示すように、積層体12の中央部分には、他の部分よりも多くの熱膨張性マイクロスフィア11を介在させる。
このようにして積層体12を形成した後、成形工程において当該積層体12が加熱されると、図2の(b)に示すように積層体12の中央部分が大きく膨らむ。つまり、積層体12のうち第1型20の凹部25に対応する部分が大きく膨らむ。このように、成形型22の形状(成形型22の各部分の離間量)に応じて熱膨張性マイクロスフィア11の介在量を増減することで、成形品30が複雑な形状を有する場合であっても、プリプレグ10が面方向に途切れることなく配置された積層体12、つまり繊維が面方向に途切れることなく配置された積層体12によって成形品30を成形できる。そのため、成形品30の強度を向上させることができる。
なお、積層体12の中央部分における熱膨張性マイクロスフィア11の介在量を増やす場合、熱膨張性マイクロスフィア11の層にのみ集中して中央部分の介在量を増加させることもできる。しかしながら、前述したとおり熱膨張性マイクロスフィア11の層一層あたりの厚みが大きくなると強度が低下するため、各熱膨張性マイクロスフィア11の層のそれぞれに同じような分布で熱膨張性マイクロスフィア11を配置するのが望ましい。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る成形方法について説明する。図3は本実施形態に係る成形方法を示した図である。本実施形態に係る成形方法は、主に成形型22が第1型20を有していない点で第1実施形態の場合と異なる。
本実施形態の積層工程では、第1実施形態の場合と同様に、複数のプリプレグ10の間に熱膨張性マイクロスフィア11を介在させた積層体12を形成する。
また、成形工程では、積層工程で形成した積層体12を第2型21の成形面24上に配置する。ただし、上述したとおり、本実施形態で使用する成形型22は第2型21を有するが、第1型20を有していない。そのため、積層体12が加熱されることによって厚みが大きくなっても積層体12の上面に接して膨張を規制する部材は存在しない。
続いて、積層体12を第2型21の成形面24上に配置した状態で、積層体12をオートクレーブに入れ、積層体12を加熱するとともに圧力を加える。ただし、本実施形態では、積層体12に加える圧力の大きさを増減することで、積層体12を加熱して得られる成形品30の厚みを調整する。加熱時における圧力が大きければ、熱膨張性マイクロスフィア11の膨張率は小さくなる。つまり、積層体12に加える圧力を小さくすれば成形品30の厚みを大きくでき、積層体12に加える圧力を大きくすれば成形品30の厚みを小さくできる。このように、成形工程において積層体12に加える圧力を増減すれば、成形型22が第1型20を有していない場合であっても、成形品30の厚みを所定の範囲で調整することができる。なお、プリプレグ10を硬化させる際の圧力には適切な範囲があるため、その範囲内で圧力を増減する。
以上、実施形態について図を参照して説明したが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
以上ではプリプレグ10のマトリックスが熱硬化性樹脂である場合について説明したが、当該マトリックスは熱可塑性樹脂であってもよい。マトリックスが熱可塑性樹脂であっても、マトリックスが熱硬化性樹脂である場合と同様の成形方法により成形品30を得ることができる。なお、マトリックスに使用可能な熱可塑性樹脂として、PEI(ポリテールイミド)、PPS(ポリフェニレンスルフィド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、ナイロン66などがある。
本発明に係る複合材料の成形方法によれば、強度の高い成形品を成形することができる。そのため、複合材料の技術分野において有益である。
10 プリプレグ
11 熱膨張性マイクロスフィア
12 積層体
20 第1型
21 第2型
22 成形型
23 成形面(第1型)
24 成形面(第2型)
30 成形品
31 中空層
32 FRP層
33 中空部

Claims (8)

  1. 繊維に熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を含浸させた複数のプリプレグの間に、熱可塑性樹脂の外殻を有し当該外殻の内部に揮発性発泡剤を内包した微小球である熱膨張性マイクロスフィアを介在させた積層体を形成する積層工程と、
    前記積層体を加熱することで、前記揮発性発泡剤が気化して前記熱膨張性マイクロスフィアを膨張させるとともに、前記プリプレグを硬化させる成形工程と、を含む複合材料の成形方法。
  2. 前記成形工程において互いに対向する第1型及び第2型を有する成形型を用いて前記積層体を成形し、
    前記積層工程において、前記成形工程での前記積層体の面方向の各位置における前記第1型と前記第2型との離間量に応じて、前記積層体の面方向の各位置における前記熱膨張性マイクロスフィアの介在量を増減する、請求項1に記載の成形方法。
  3. 前記成形工程において前記積層体に加える圧力の大きさを増減することで、前記積層体を加熱して得られる成形品の厚みを調整する、請求項1に記載の成形方法。
  4. 前記積層工程において前記熱膨張性マイクロスフィアを複数のプリプレグの間に介在させるにあたり、前記熱膨張性マイクロスフィアを含んだシート状の熱可塑性樹脂を前記プリプレグに重ねる、請求項1に記載の成形方法。
  5. 前記積層工程において前記熱膨張性マイクロスフィアを複数のプリプレグの間に介在させるにあたり、前記熱膨張性マイクロスフィアを含んだ液状の熱硬化性樹脂を前記プリプレグに塗布する、請求項1に記載の成形方法。
  6. 前記積層工程において前記熱膨張性マイクロスフィアを複数のプリプレグの間に介在させるにあたり、粉状の前記熱膨張性マイクロスフィアを前記プリプレグの表面に散布する、請求項1に記載の成形方法。
  7. 繊維にマトリックス用の熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を含浸させたプリプレグを硬化して得られたFRP層と、熱可塑性樹脂の外殻を有し当該外殻の内部に揮発性発泡剤を内包した微小球である熱膨張性マイクロスフィアの膨張により形成された中空部を有する中空層と、が積層されてなる、複合材料の成形品。
  8. 前記FRP層を複数有するとともに、前記中空層を複数有する、請求項7に記載の成形品。
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