JP2015112681A - 溝入加工用の切削工具及びこの切削工具を用いた溝入加工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】先端切刃の強度を低下することなくバリを抑制することができるようにする。【解決手段】工具本体2の先端部上面4に設けられたすくい面10と、すくい面10の先端縁に設けられ且つ刃先処理が施してある先端切刃11と、先端切刃11に連なるようにすくい面10の両端縁に設けられ且つ刃先処理が施してある側面切刃12と、を備えている溝入加工用の切削工具において、工具本体2の幅方向両側縁であって側面切刃12に隣接する位置に、バリ取り用の切刃が形成されている。【選択図】図2
Description
本発明は、例えば、旋削加工における溝加工や突切り加工でのバリの発生を低減可能とする溝入加工用の切削工具及びこの切削工具を用いた溝入加工方法に関する。
従来より、旋削加工における溝入加工や突切り加工を行うと、外周部にバリが発生する。バリは大きくなると寸法精度、加工面性状の悪化や、それを防ぐためのバリ取り工程が必要となるため、バリは小さいことが望ましい。溝入加工等を行う切削工具として特許文献1及び特許文献2に示すものがある。
特許文献1の溝入加工用の切削工具(溝入加工用スローアウェイチップ)は、先端切刃の角部におけるすくい角が先端切刃の中央部におけるすくい角よりも小さく、先端切刃の中央部の逃げ面側に着座面に対して垂直のストレート部が形成されているとともに、先端切刃の角部においてはストレート部がないかまたは中央部におけるストレート部の長さよりも短い長さでストレート部が形成されてなり、かつ、少なくとも先端切刃は被覆層にて覆われている。また、先端切刃は、前面視において、両方の角部から中央部側へ向かうに従って低くなるように凹状となっている。
特許文献1の溝入加工用の切削工具(溝入加工用スローアウェイチップ)は、先端切刃の角部におけるすくい角が先端切刃の中央部におけるすくい角よりも小さく、先端切刃の中央部の逃げ面側に着座面に対して垂直のストレート部が形成されているとともに、先端切刃の角部においてはストレート部がないかまたは中央部におけるストレート部の長さよりも短い長さでストレート部が形成されてなり、かつ、少なくとも先端切刃は被覆層にて覆われている。また、先端切刃は、前面視において、両方の角部から中央部側へ向かうに従って低くなるように凹状となっている。
特許文献2の溝入加工用の切削工具(切削インサート)は、前切刃の刃先処理量に比べてコーナー切刃の刃先処理量が小さいとともに、前切刃よりも前記コーナー切刃の方が前記突出部の突出方向正面側に突出している。この切削インサートでは、コーナー切刃の刃先処理が小さいため加工壁面の仕上げの精度を向上させたり、バリの発生を抑制している。
特許文献1では、刃先のRや角部のRが詳細に開示されておらず、バリがどの程度抑制できるかが明確ではない。また、すくい角が大きくなると刃先の欠けが発生する可能性がある。それゆえ、特許文献1の溝入加工用スローアウェイチップ(切削工具)を用いたとしても、刃先の欠けを防止しつつ十分にバリを抑制することができないのが実情である。
特許文献2では、コーナー切刃部の刃先処理が小さいため、刃先強度の低下が避けられず、コーナー部のチッピングや工具摩耗が増加する可能性がある。それゆえ、特許文献2の切削インサート(切削工具)を用いたとしても、特許文献1と同様に、刃先の欠けを防止しつつ十分にバリを抑制することができないのが実情である。
特許文献2では、コーナー切刃部の刃先処理が小さいため、刃先強度の低下が避けられず、コーナー部のチッピングや工具摩耗が増加する可能性がある。それゆえ、特許文献2の切削インサート(切削工具)を用いたとしても、特許文献1と同様に、刃先の欠けを防止しつつ十分にバリを抑制することができないのが実情である。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、先端切刃の強度を低下することなくバリを抑制することができる溝入加工用の切削工具及びこの切削工具を用いた溝入加工方法を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
本発明に係る溝入加工用の切削工具は、工具本体の先端部上面に設けられたすくい面と、前記すくい面の先端縁に設けられ且つ刃先処理が施してある先端切刃と、前記先端切刃に連なるように前記すくい面の両端縁に設けられ且つ刃先処理が施してある側面切刃と、を備えている溝入加工用の切削工具において、前記工具本体の幅方向両側縁であって前記側面切刃に隣接する位置に、バリ取り用の切刃が形成されていることを特徴とする。
本発明に係る溝入加工用の切削工具は、工具本体の先端部上面に設けられたすくい面と、前記すくい面の先端縁に設けられ且つ刃先処理が施してある先端切刃と、前記先端切刃に連なるように前記すくい面の両端縁に設けられ且つ刃先処理が施してある側面切刃と、を備えている溝入加工用の切削工具において、前記工具本体の幅方向両側縁であって前記側面切刃に隣接する位置に、バリ取り用の切刃が形成されていることを特徴とする。
前記工具本体の幅方向両側縁であって側面切刃に連接するように、凹状の切り欠き部が設けられており、前記切り欠き部にバリ取り用の切刃が形成されていることを特徴とする。
前記バリ取り用の切刃は、平面視において工具本体の幅方向内側に入り込むように傾斜していることを特徴とする。
前記バリ取り用の切刃は、平面視において工具本体の幅方向内側に入り込むように傾斜していることを特徴とする。
前記バリ取り用の切刃には、刃先処理が施されており、前記刃先処理の処理量が1〜10μmとされていることを特徴とする。
本発明に係る溝入加工方法は、溝入加工用の切削工具を用いて溝入加工を行うに際しては、円柱状の被切削材に前記切削工具を切り込むことで溝部を形成し、その後、前記溝部の内側壁と前記被切削材の外周面とが交差する部位に、切削工具のバリ取り切刃が接するように、当該切削工具を前記円筒状の被切削材の軸心方向に移動させて、前記バリ取り切刃による切削を行うことを特徴とする。
本発明に係る溝入加工方法は、溝入加工用の切削工具を用いて溝入加工を行うに際しては、円柱状の被切削材に前記切削工具を切り込むことで溝部を形成し、その後、前記溝部の内側壁と前記被切削材の外周面とが交差する部位に、切削工具のバリ取り切刃が接するように、当該切削工具を前記円筒状の被切削材の軸心方向に移動させて、前記バリ取り切刃による切削を行うことを特徴とする。
本発明によれば、先端切刃の強度を低下することなくバリを抑制することができる。
以下、本発明の実施形態を図を基に説明する。
図1に示すように、本発明の切削工具1は、溝入加工に用いられるチップであって、略直方体形状の工具本体2を備えている。説明の便宜上、工具本体2の延設方向を前後方向、工具本体2の幅方向を左右方向として説明を続ける。
工具本体の構成について詳しく説明する。
図1に示すように、本発明の切削工具1は、溝入加工に用いられるチップであって、略直方体形状の工具本体2を備えている。説明の便宜上、工具本体2の延設方向を前後方向、工具本体2の幅方向を左右方向として説明を続ける。
工具本体の構成について詳しく説明する。
工具本体2の先端部は、左右一対の側面(先端部側面という)3と、この先端部側面3の上端を連結する上面(先端部上面という)4と、先端部側面3の下端を連結する下面(先端部下面という)5と、先端部側面3、先端部上面4及び先端部下面5を連結する前面(先端部前面)6とで構成されている。
工具本体2の先端部上面4には、平面視で矩形状のすくい面10が形成されている。すくい面10の先端縁、即ち、先端部上面4と先端部前面6とが交差する部分には、刃先処理が施された先端切刃11が形成されている。
工具本体2の先端部上面4には、平面視で矩形状のすくい面10が形成されている。すくい面10の先端縁、即ち、先端部上面4と先端部前面6とが交差する部分には、刃先処理が施された先端切刃11が形成されている。
また、すくい面10の両端縁、即ち、先端部上面4と先端部側面3とが交差する部分には、刃先処理が施してある側面切刃12が形成されている。この側面切刃12は、先端切刃11から連なっていて、即ち、先端切刃11の刃の部分と側面切刃12の刃の部分は連続して形成されている。
さて、図2に示すように、本発明の溝入加工用の切削工具1では、工具本体2の幅方向両側縁であって側面切刃12に隣接する位置に、バリ取り用の切刃(バリ取刃という)13が形成されている。バリ取刃13は、側面切刃12の後端部側であって当該側面切刃12から幅方向内側に位置していて、側面切刃12からはみ出さない構成となっている。
さて、図2に示すように、本発明の溝入加工用の切削工具1では、工具本体2の幅方向両側縁であって側面切刃12に隣接する位置に、バリ取り用の切刃(バリ取刃という)13が形成されている。バリ取刃13は、側面切刃12の後端部側であって当該側面切刃12から幅方向内側に位置していて、側面切刃12からはみ出さない構成となっている。
詳しくは、図2及び図3に示すように、側面切刃12の後部側には、幅方向に凹状となる切り欠き部14が形成されていて、この切り欠き部14にバリ取刃13が形成されている。
工具本体2(すくい面10)を平面視したとき、バリ取刃13は、工具本体2の幅方向内側に入り込むように傾斜していて、側面切刃12に沿う第1稜線L1とバリ取刃13に沿う第2稜線L2とのなす角(バリ取刃角度)θは、マイナス側にしている。即ち、工具本体2を平面視したとき、第1稜線L1よりも幅方向外側をプラス側、第1稜線L1よりも幅方向内側をマイナス側としたうえで、バリ取刃13を形状を変化させて、3D−FEM切削シミュレーションを用いて検討した結果、バリ取刃角度θは、負の角度にする方が、バリが小さくなることが知見された。なお、通常の横逃げ角のように、角度が正(プラス側)になると、バリが大きくなる。
工具本体2(すくい面10)を平面視したとき、バリ取刃13は、工具本体2の幅方向内側に入り込むように傾斜していて、側面切刃12に沿う第1稜線L1とバリ取刃13に沿う第2稜線L2とのなす角(バリ取刃角度)θは、マイナス側にしている。即ち、工具本体2を平面視したとき、第1稜線L1よりも幅方向外側をプラス側、第1稜線L1よりも幅方向内側をマイナス側としたうえで、バリ取刃13を形状を変化させて、3D−FEM切削シミュレーションを用いて検討した結果、バリ取刃角度θは、負の角度にする方が、バリが小さくなることが知見された。なお、通常の横逃げ角のように、角度が正(プラス側)になると、バリが大きくなる。
また、バリ取刃13には、刃先処理が施されている。この刃先処理の処理量は1〜10μmとしている。バリ取刃13の刃先処理における処理量を10μm以下とすることによって、小さな刃先で効率よくバリ取りを行うことができる。しかしながら、バリ取刃13の刃先処理における処理量が1μm未満であると、刃先のチッピングが発生するため、処理量は1μm以上としている。
図4は、溝入加工用の切削工具による溝入加工の様子を例示したものである。
図4に示すように、切削工具を用いて溝入加工を行うに際しては、まず、旋盤などの切削機に被切削材(例えば、円形状のワーク材料)15をセットすると共に、切削工具1をセットする。そして、被切削材15を回転させながら、工具本体2の先端部を被切削材15に近づけ、先端切刃11及び側面切刃12で被切削材15を切削することにより、被切削材15に溝部16を形成する。溝入加工を行った際には、被切削材15の溝部16の外側コーナ部17、即ち、溝部16の内側壁と被切削材15の外周面とが交差する部位に、バリが発生するため、バリ取刃13によって外側コーナ部17に形成されたバリを削る。
図4に示すように、切削工具を用いて溝入加工を行うに際しては、まず、旋盤などの切削機に被切削材(例えば、円形状のワーク材料)15をセットすると共に、切削工具1をセットする。そして、被切削材15を回転させながら、工具本体2の先端部を被切削材15に近づけ、先端切刃11及び側面切刃12で被切削材15を切削することにより、被切削材15に溝部16を形成する。溝入加工を行った際には、被切削材15の溝部16の外側コーナ部17、即ち、溝部16の内側壁と被切削材15の外周面とが交差する部位に、バリが発生するため、バリ取刃13によって外側コーナ部17に形成されたバリを削る。
次に、図5〜図7を用いて溝入加工方法について説明する。
図5〜図7は、溝入加工において、先端切刃11の左右方向中心部(幅方向中心部)Aの軌跡(動き)を表したもので、実線は現在の動きを示し、点線は1回前の動きを示している。図5は第1方法、図6は第2方法、図7は第3方法を示したもので、各方法の説明において、切削工具の動きは、当該切削工具の向きで説明することとする。
図5〜図7は、溝入加工において、先端切刃11の左右方向中心部(幅方向中心部)Aの軌跡(動き)を表したもので、実線は現在の動きを示し、点線は1回前の動きを示している。図5は第1方法、図6は第2方法、図7は第3方法を示したもので、各方法の説明において、切削工具の動きは、当該切削工具の向きで説明することとする。
図5に示す第1方法では、まず、先端切刃11の幅方向中心部(切削工具1)Aを、スタート位置Sから前方向(ワーク部材から見れば径方向)に移動させ、溝部16の切り込みを行う[図5(a)]。そして、溝部16の外側コーナ部17と、切削工具のバリ取刃13とが幅方向にオーバラップする位置まで、切削工具を後方向に退避させる[図5(b)]。
その後、切削工具を溝部16の外側コーナ部17に近づくように、例えば、0.2mm、右側に移動し、バリ取刃13で外側コーナ部17の付近にあるバリを取る[図5(c)]。バリ取り後は、切削工具を軸方向に移動させて側面切刃12で溝部16の右側壁をなめた後[図5(d)]、切削工具をセンター部に向けて移動して、先端切刃11の幅方向中心部Aをセンター部Cに一致させる[図5(e)]。
先端切刃11の幅方向中心部をセンター部Cに一致させた後は、溝部16の外側コーナ部17と切削工具のバリ取刃13とが幅方向にオーバラップする位置まで、再び、切削工具を軸方向に退避させる[図5(f)]。その後、切削工具を溝部16の外側コーナ部17に近づくように、図5(c)とは反対側に0.2mm、左側に移動し、バリ取刃13で外側コーナ部17付近のバリを取る[図5(g)]。
そして、切削工具を軸方向に移動させて側面切刃12で溝部16の左側壁をなめた後[図5(h)]、切削工具をセンター部Cに向けて移動して、先端切刃11の幅方向中心部をセンター部Cに一致させる[図5(i)]。先端切刃11の幅方向中心部をセンター部Cに一致させた後は、当該先端切刃11の幅方向中心部をスタート位置Sまで戻す[図5(j)]。
一方、図6に示す第2方法では、まず、切削工具をスタート位置Sから前方向に移動させ、溝部16の切り込みを行う[図6(a)]。そして、溝部16の外側コーナ部17と、切削工具のバリ取刃13とが幅方向にオーバラップする位置まで、切削工具を後方向に退避させる[図6(b)]。
その後、切削工具を溝部16の外側コーナ部17に近づくように、右側に移動し、バリ取刃13で外側コーナ部17の付近にあるバリを取り[図6(c)]、さらに、切削工具を左側に0.4mm移動してバリ取刃13でコーナ部付近のバリを取る[図6(d)]。
その後、切削工具を溝部16の外側コーナ部17に近づくように、右側に移動し、バリ取刃13で外側コーナ部17の付近にあるバリを取り[図6(c)]、さらに、切削工具を左側に0.4mm移動してバリ取刃13でコーナ部付近のバリを取る[図6(d)]。
バリ取刃13でコーナ部付近のバリを取った後は、先端切刃11の幅方向中心部をセンター部Cに移動させ[図6(e)]、先端切刃11の幅方向中心部をスタート位置Sまで戻す[図6(f)]。
そして、切削工具を溝部16の外側コーナ部17に近づくように、右側に移動して側面切刃12を溝部16の右側壁に接触させ[図6(g)]、当該切削工具を前方向に移動させて側面切刃12で溝部16の右側壁をなめた後[図6(h)]、再び、切削工具を後方向に退避させて、先端切刃11の幅方向中心部をスタート位置Sまで戻す[図6(i)]。
そして、切削工具を溝部16の外側コーナ部17に近づくように、左側に移動して側面切刃12を溝部16の左側壁に接触させ[図6(j)]、当該切削工具を前方向に移動させて側面切刃12で溝部16の左側壁をなめた後[図6(k)]、再び、切削工具を後方向に退避させて、先端切刃11の幅方向中心部をスタート位置Sまで戻す[図6(l)]。
そして、切削工具を溝部16の外側コーナ部17に近づくように、右側に移動して側面切刃12を溝部16の右側壁に接触させ[図6(g)]、当該切削工具を前方向に移動させて側面切刃12で溝部16の右側壁をなめた後[図6(h)]、再び、切削工具を後方向に退避させて、先端切刃11の幅方向中心部をスタート位置Sまで戻す[図6(i)]。
そして、切削工具を溝部16の外側コーナ部17に近づくように、左側に移動して側面切刃12を溝部16の左側壁に接触させ[図6(j)]、当該切削工具を前方向に移動させて側面切刃12で溝部16の左側壁をなめた後[図6(k)]、再び、切削工具を後方向に退避させて、先端切刃11の幅方向中心部をスタート位置Sまで戻す[図6(l)]。
図7に示す第3方法では、切削工具をスタート位置Sから前方向に移動させ、溝部16の切り込みを行う[図7(a)]。なお、図7(a)に示すように、溝部16の切り込みは、溝部16の外側コーナ部17と、切削工具のバリ取刃13とが幅方向にオーバラップする位置で停止する。
そして、切削工具を溝部16の外側コーナ部17に近づくように、右側に移動し、バリ取刃13で外側コーナ部17の付近にあるバリを取り[図7(b)]、その後、切削工具を左側に移動してバリ取刃13でコーナ部付近のバリを取る[図7(c)]。
そして、切削工具を溝部16の外側コーナ部17に近づくように、右側に移動し、バリ取刃13で外側コーナ部17の付近にあるバリを取り[図7(b)]、その後、切削工具を左側に移動してバリ取刃13でコーナ部付近のバリを取る[図7(c)]。
バリ取刃13でコーナ部付近のバリを取った後は、先端切刃11の幅方向中心部をセンター部Cに移動させ[図7(d)]、その後、切削工具を再び後方向に移動させて、さらに深く、溝部16の切り込みを行う[図7(e)]
溝部16の切り込みの完了後、切削工具をスタート位置に戻し[図7(f)]、その後、右側に移動して側面切刃12を溝部16の右側壁に接触させ[図7(g)]、当該切削工具を前方向に移動させて側面切刃12で溝部16の右側壁をなめた後[図7(h)]、、再び、切削工具を後方向に退避させて、先端切刃11の幅方向中心部をスタート位置Sまで戻す[図7(i)]。
溝部16の切り込みの完了後、切削工具をスタート位置に戻し[図7(f)]、その後、右側に移動して側面切刃12を溝部16の右側壁に接触させ[図7(g)]、当該切削工具を前方向に移動させて側面切刃12で溝部16の右側壁をなめた後[図7(h)]、、再び、切削工具を後方向に退避させて、先端切刃11の幅方向中心部をスタート位置Sまで戻す[図7(i)]。
そして、溝部16の右側壁をなめた後は、左側に移動して側面切刃12を溝部16の左側壁に接触させ[図7(j)]、当該切削工具を前方向に移動させて側面切刃12で溝部16の左側壁をなめた後[図7(k)]、再び、切削工具を後方向に退避させて、先端切刃11の幅方向中心部をスタート位置Sまで戻す[図7(l)]。
以上、上述した溝入加工方法をまとめると、被切削材15に切削工具を切り込むことで溝部16を形成し、その後、溝部16の内側壁と前記被切削材15の外周面とが交差する部位(コーナ部)に、切削工具のバリ取り切刃が接するように、当該切削工具を被切削材15に向けて移動させて、バリ取刃13による切削を行っている。
以上、上述した溝入加工方法をまとめると、被切削材15に切削工具を切り込むことで溝部16を形成し、その後、溝部16の内側壁と前記被切削材15の外周面とが交差する部位(コーナ部)に、切削工具のバリ取り切刃が接するように、当該切削工具を被切削材15に向けて移動させて、バリ取刃13による切削を行っている。
そのため、バリ取刃13は、溝入れ、突切り等の加工では切削に関与させない状態で溝入れ等を行うことができる。そして、溝入れ後に、被切削材15の溝部16のコーナ部にバリ取刃13に当たるように切削工具の軸方向の位置を調節して、当該切削工具を幅方向に送りをかけることにより、バリ取刃13でバリを除去することができる。
本願発明者らは、本発明の溝入加工用の切削工具を用いた切削実験、及び切削実験を模した切削シミュレーションを実施した。以下、説明する。
表1は、切削実験の条件を示したもので、表2は、切削シミュレーションの解析条件を示したものである。
表1は、切削実験の条件を示したもので、表2は、切削シミュレーションの解析条件を示したものである。
表1及び表2に示すように、被切削材15はSUM22とした。切削速度及び送り速度は、切削実験及び切削シミュレーション共に、190m/min、0.06mm/revとした。切削実験では、ウエットで切削して、切削シミュレーションではドライで切削した。表3は、使用した切削工具と、溝部16の形成時における最大バリの高さとの関係を示したものである。
切削工具のコーナ−R(先端切刃11と側面切刃12とが交差する部位)は、0.4mm又は0.3mmとした。先端切刃11の丸みは、50μm又は10μmとした。この場合、切削実験では、溝形成時における最大のバリの高さは、50.6μm、30.7μmとなった。また、切削シミュレーションの場合、溝形成時における最大のバリの高さは、61.6μm、34.5μmとなった。このように、実際の切削とシミュレーションとにおいてバリの高さが略一致する知見を得られたので、上記した切削シミュレーションは、実際の切削状況を正確に反映していると判断することができる。
さて、溝部16の形成時においてバリの高さが表3に示す値の状況下で、本発明の切削工具及び方法により、バリがどの程度低減できたか、切削シミュレーションを用いて検証を行った。
表4は、バリ取刃角度θ及び先端切刃11の刃先丸みと、バリ取刃13の切削によるバリ高さとのシミュレーション結果をまとめたものである。
表4は、バリ取刃角度θ及び先端切刃11の刃先丸みと、バリ取刃13の切削によるバリ高さとのシミュレーション結果をまとめたものである。
表4に示すように、先端切刃11の刃先丸みが3μm〜50μmである場合において、バリ取刃角度θを小さくする(マイナス)にすることにより、即ち、バリ取刃13を工具本体2の幅方向内側に入り込むように傾斜させることにより、バリ取り高さμmを小さくすることができ、バリを抑制することができる。また、切れ刃丸みが小さい方がバリ高さも抑えられることも知見できた。
詳しくは、表3に示すように、バリ取刃を使用しない場合のバリ高さが50μm〜60μmとなっているに対し、表4に示すように、先端切刃11の刃先丸みが5μm、バリ取刃角度θが−45°の工具を使用した場合、バリの高さを8.1μmに低減することができた。
以上、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以上、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
1 切削工具
2 工具本体
3 先端部側面
4 先端部上面
5 先端部下面
6 先端部前面
10 すくい面
11 先端切刃
12 側面切刃
13 バリ取刃
14 切り欠き部
15 被切削材
16 溝部
17 外側コーナ部
A 先端切刃の幅方向中心部
C センター部
2 工具本体
3 先端部側面
4 先端部上面
5 先端部下面
6 先端部前面
10 すくい面
11 先端切刃
12 側面切刃
13 バリ取刃
14 切り欠き部
15 被切削材
16 溝部
17 外側コーナ部
A 先端切刃の幅方向中心部
C センター部
Claims (5)
- 工具本体の先端部上面に設けられたすくい面と、前記すくい面の先端縁に設けられ且つ刃先処理が施してある先端切刃と、前記先端切刃に連なるように前記すくい面の両端縁に設けられ且つ刃先処理が施してある側面切刃と、を備えている溝入加工用の切削工具において、
前記工具本体の幅方向両側縁であって前記側面切刃に隣接する位置に、バリ取り用の切刃が形成されていることを特徴とする溝入加工用の切削工具。 - 前記工具本体の幅方向両側縁であって側面切刃に連接するように、凹状の切り欠き部が設けられており、前記切り欠き部にバリ取り用の切刃が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の溝入加工用の切削工具。
- 前記バリ取り用の切刃は、平面視において工具本体の幅方向内側に入り込むように傾斜していることを特徴とする請求項1又は2に記載の溝入加工用の切削工具。
- 前記バリ取り用の切刃には、刃先処理が施されており、前記刃先処理の処理量が1〜10μmとされていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の溝入加工用の切削工具。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の溝入加工用の切削工具を用いて、溝入加工を行うに際しては、
被切削材に前記切削工具を切り込むことで溝部を形成し、
その後、前記溝部の内側壁と前記被切削材の外周面とが交差する部位に、切削工具のバリ取り切刃が接するように、当該切削工具を前記被切削材に向けて移動させて、前記バリ取り切刃による切削を行うことを特徴とする溝入加工方法。
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