JP2015105897A - マスクパターンの検査方法 - Google Patents
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- Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
- Investigating Materials By The Use Of Optical Means Adapted For Particular Applications (AREA)
- Testing Or Measuring Of Semiconductors Or The Like (AREA)
Abstract
【課題】ケラレの生じる領域に対しても検査を行うことができるマスクパターンの検査方法を提供する。
【解決手段】ステージ上にマスクを載置し、マスクのパターンが形成された検査領域に光を照射して得られる光学画像を基準画像と比較し、両画像の差異が所定の閾値を超えた個所を欠陥と判定する。マスクへの光の照射は、オートフォーカス手段を作動させつつ行い、マスクにペリクルが装着されていない場合は第1の閾値を用い、マスクにペリクルが装着されている場合は、ペリクルによってケラレの生じる領域と検査領域とが重複しない領域の光学画像と基準画像との比較に第1の閾値を用い、ペリクルによってケラレの生じる領域と検査領域とが重複する領域の光学画像と基準画像との比較に第1の閾値より相対的に感度の緩い第2の閾値を用いる。
【選択図】図5
【解決手段】ステージ上にマスクを載置し、マスクのパターンが形成された検査領域に光を照射して得られる光学画像を基準画像と比較し、両画像の差異が所定の閾値を超えた個所を欠陥と判定する。マスクへの光の照射は、オートフォーカス手段を作動させつつ行い、マスクにペリクルが装着されていない場合は第1の閾値を用い、マスクにペリクルが装着されている場合は、ペリクルによってケラレの生じる領域と検査領域とが重複しない領域の光学画像と基準画像との比較に第1の閾値を用い、ペリクルによってケラレの生じる領域と検査領域とが重複する領域の光学画像と基準画像との比較に第1の閾値より相対的に感度の緩い第2の閾値を用いる。
【選択図】図5
Description
本発明は、マスクパターンの検査方法に関する。
大規模集積回路(Large Scale Integration;LSI)の高集積化および大容量化に伴い、半導体素子に要求される回路寸法は狭小化の一途を辿っている。例えば、最近の代表的なロジックデバイスでは、数十nmの線幅のパターン形成が要求される状況となってきている。
半導体素子の製造工程では、フォトリソグラフィ技術が用いられる。この技術では、ステッパまたはスキャナと呼ばれる縮小投影露光装置により、回路パターンが形成された原画パターン(マスクまたはレチクルを指す。以下では、マスクと総称する。)がウェハ上に露光転写される。多大な製造コストのかかるLSIにとって、製造工程における歩留まりの向上は欠かせない。マスクパターンの欠陥は、半導体素子の歩留まりを低下させる大きな要因となるので、これを検出する検査工程は重要である。
半導体素子の歩留まりを低下させる要因には、マスクパターンの欠陥以外のものもあり、なかでもマスクの表面に付着したゴミはその代表例である。マスク表面のゴミは、半導体製造工程でマスクパターンとともにウェハに露光転写されて欠陥となるからである。
そこで、マスクへのゴミの付着を防ぐため、マスクにペリクルを装着することが行われている。ペリクルは、方形のフレームに透明なペリクル膜を取り付けてなるものであり、マスクのパターン形成部分の周辺に接着等でフレームを固定することでマスクに装着される。ペリクルを使用することによって、ゴミはマスクではなくペリクルに付着するようになる。一方、露光の際の焦点はマスクに形成されたパターンに合うように設定される。したがって、この方法によれば、ペリクルに付着したゴミがウェハに露光転写されるのを防ぐことができる。
マスクの検査工程では、まず、ペリクルを装着する前のマスクに対して欠陥の有無を検査する。欠陥があれば修正工程に送って修正した後、ペリクルをマスクに装着する。このとき、ペリクルにゴミが付着したり、フレームから発塵したりするので、ペリクルを装着した後のマスクに対しても検査が行われる。そして、必要であればペリクルを剥がし洗浄等を行ってから、再度ペリクルを装着して検査を行う。
マスクの検査は、次のようにして行われる。まず、XYステージ上にマスクを載置して所望の位置に移動させる。次いで、XYステージをX方向に所定の速度で送りながら、マスクを対物レンズを介して所定の波長の光で照明し、センサでマスクパターンの光学画像を取得する。このとき、対物レンズの焦点がマスクのパターン面に合うようオートフォーカス手段が作動する。取得された光学画像は基準画像と比較され、その結果から、マスクパターンにおける欠陥の有無が判定される。ここで、ダイ−トゥ−データベース方式による検査方法の場合、マスクの光学画像と比較される基準画像は、描画データ(設計パターンデータ)をベースに作成された参照画像である。一方、ダイ−トゥ−ダイ方式による検査方法の場合、基準画像は、検査の対象となる光学画像とは異なる光学画像になる。
ところで、ペリクルを装着した状態でマスクを検査しようとすると、フレームの近傍において、マスクを照明すべき光の一部がフレームによって遮られたり、フレームの内壁を照明したりする。これにより、照明光量が不足したり、内壁からの散乱光が迷光となったりする現象(ケラレ)が発生する。すると、センサで明瞭な光学画像を得られず、正確な検査を行うことができなくなる。
また、検査工程において、XYステージがマスクの一端のペリクルフレームの外から中へX方向に移動していくと、オートフォーカススポットがペリクルのフレームを跨ぐことになる。ここで、オートフォーカススポットがフレームに差し掛かると、オートフォーカス手段は、対物レンズの焦点がフレーム面に合うよう動作し、マスクのパターン面には合焦しなくなる。その後、XYステージの移動とともに、オートフォーカススポットは、フレームから離れて再びマスクのパターン面に戻るが、オートフォーカス手段の動作がXYステージの動作に追従できず、マスクのパターン面に合焦しない個所が生じる。対物レンズの焦点がマスクのパターン面に合わないと、上記と同様に、明瞭な光学画像が得られず、正確な検査を行うことができない。
ペリクル付マスクの検査における問題に対して、特許文献1には、ペリクル膜やフレームの種類毎に、検査点とフレームの内壁がどれほど接近したら検査に支障をきたすかを予め測定しておき、この情報に基づいて検査可能領域を設定する検査装置が開示されている。また、特許文献2には、検査装置では検査できないペリクル近傍の領域をペリクルの大きさや位置、検査装置の検査能力に関する情報から算出し、かかる領域を目視で観察することが記載されている。
特許文献1や2に見られるように、従来技術では、ケラレの生じる領域を特定して検査装置の検査対象から除いている。除かれた領域にあるパターンは本来検査が必要であっても検査されないか、あるいは、目視で検査されることとなるため、マスクの品質保証のレベルが全体に低下したり、検査工程に要する時間が長くなったりするという問題がある。
本発明は、こうした点に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、ケラレの生じる領域に対しても検査を行うことができるマスクパターンの検査方法を提供することにある。
本発明の他の目的および利点は、以下の記載から明らかとなるであろう。
本発明の一態様は、ステージ上にマスクを載置し、マスクのパターンが形成された検査領域に光を照射して、マスクを透過した光およびマスクで反射した光の少なくも一方を対物レンズを通してセンサに結像して得られる光学画像を基準画像と比較し、両画像の差異が所定の閾値を超えた個所を欠陥と判定するマスクパターンの検査方法であって、
マスクへの光の照射を、対物レンズの焦点をマスクに合わせるオートフォーカス手段を作動させつつ行い、
マスクにペリクルが装着されていない場合は、所定の閾値として第1の閾値を用い、
マスクにペリクルが装着されている場合は、ペリクルによってケラレの生じる領域と検査領域とが重複しない領域の光学画像と基準画像との比較に第1の閾値を用い、ペリクルによってケラレの生じる領域と検査領域とが重複する領域の光学画像と基準画像との比較に第1の閾値より相対的に感度の緩い第2の閾値を用いることを特徴とするものである。
マスクへの光の照射を、対物レンズの焦点をマスクに合わせるオートフォーカス手段を作動させつつ行い、
マスクにペリクルが装着されていない場合は、所定の閾値として第1の閾値を用い、
マスクにペリクルが装着されている場合は、ペリクルによってケラレの生じる領域と検査領域とが重複しない領域の光学画像と基準画像との比較に第1の閾値を用い、ペリクルによってケラレの生じる領域と検査領域とが重複する領域の光学画像と基準画像との比較に第1の閾値より相対的に感度の緩い第2の閾値を用いることを特徴とするものである。
本発明の別の態様は、ステージ上にマスクを載置し、マスクのパターンが形成された検査領域に光を照射して、マスクを透過した光およびマスクで反射した光の少なくも一方を対物レンズを通してセンサに結像して得られる光学画像を基準画像と比較し、両画像の差異が所定の閾値を超えた個所を欠陥と判定するマスクパターンの検査方法であって、
マスクへの光の照射を、対物レンズの焦点をマスクに合わせるオートフォーカス手段を作動させつつ行い、
マスクにペリクルが装着されていない場合は、基準画像としてマスクのパターンの設計データから生成された第1の参照画像を用い、
マスクにペリクルが装着されている場合は、ペリクルによってケラレの生じる領域と検査領域とが重複しない領域の光学画像と比較される基準画像として第1の参照画像を用い、ペリクルによってケラレの生じる領域と検査領域とが重複する領域の光学画像と比較される基準画像として、第1の参照画像にケラレによるぼやけを模擬した第2の参照画像を用いることを特徴とするものである。
マスクへの光の照射を、対物レンズの焦点をマスクに合わせるオートフォーカス手段を作動させつつ行い、
マスクにペリクルが装着されていない場合は、基準画像としてマスクのパターンの設計データから生成された第1の参照画像を用い、
マスクにペリクルが装着されている場合は、ペリクルによってケラレの生じる領域と検査領域とが重複しない領域の光学画像と比較される基準画像として第1の参照画像を用い、ペリクルによってケラレの生じる領域と検査領域とが重複する領域の光学画像と比較される基準画像として、第1の参照画像にケラレによるぼやけを模擬した第2の参照画像を用いることを特徴とするものである。
第2の参照画像は、第1の参照画像をフィルタ処理して生成されることが好ましい。
第1の参照画像は、マスクのパターンの設計データからフィルタ処理を経て生成され、
第2の参照画像は、マスクのパターンの設計データから、第1の参照画像を生成したときのフィルタ処理のフィルタ係数とは異なるフィルタ係数を用いて生成されることが好ましい。
第2の参照画像は、マスクのパターンの設計データから、第1の参照画像を生成したときのフィルタ処理のフィルタ係数とは異なるフィルタ係数を用いて生成されることが好ましい。
ケラレの生じる領域は、オートフォーカス手段がマスクのパターン面に正常に合焦動作しない領域とすることが好ましい。
ケラレの生じる領域は、対物レンズの開口数とペリクルを構成するフレームの高さを用いて特定されることが好ましい。
ペリクルによってケラレの生じる領域と検査領域とが重複する領域に、所定精度よりも高い精度が要求されるパターンがある場合は、検査を行っている際にリアルタイムで警告を発してこのパターンの検査を停止することが好ましい。
本発明の他の態様は、ステージ上にマスクを載置し、マスクのパターンが形成された検査領域に光を照射して、マスクを透過した光およびマスクで反射した光の少なくも一方を対物レンズを通してセンサに結像して得られる光学画像を基準画像と比較し、両画像の差異が所定の閾値を超えた個所を欠陥と判定するマスクパターンの検査方法であって、
マスクへの光の照射を、対物レンズの焦点をマスクに合わせるオートフォーカス手段を作動させつつ行い、
マスクにペリクルが装着されていない場合は、所定の閾値として第1の閾値を用い、
マスクにペリクルが装着されている場合は、ペリクルによってケラレの生じる領域と検査領域とが重複しない領域の光学画像と基準画像との比較に第1の閾値を用い、ペリクルによってケラレの生じる領域と検査領域とが重複する領域については、警告を発して、該重複する領域の光学画像と基準画像との比較に第1の閾値を用いるか否かを判断することを特徴とするものである。
マスクへの光の照射を、対物レンズの焦点をマスクに合わせるオートフォーカス手段を作動させつつ行い、
マスクにペリクルが装着されていない場合は、所定の閾値として第1の閾値を用い、
マスクにペリクルが装着されている場合は、ペリクルによってケラレの生じる領域と検査領域とが重複しない領域の光学画像と基準画像との比較に第1の閾値を用い、ペリクルによってケラレの生じる領域と検査領域とが重複する領域については、警告を発して、該重複する領域の光学画像と基準画像との比較に第1の閾値を用いるか否かを判断することを特徴とするものである。
重複する領域の光学画像と基準画像との比較に第1の閾値を用いないと判断した場合は、第1の閾値に代えて、第1の閾値より相対的に感度の緩い第2の閾値を用いることが好ましい。
重複する領域の光学画像と基準画像との比較に第1の閾値を用いないと判断した場合は、検査領域を変えてから、第1の閾値を用いて、重複する領域の光学画像と基準画像とを比較することが好ましい。
本発明のマスクパターンの検査方法によれば、ケラレの生じる領域に対しても検査を行うことができる。
実施の形態1.
図1は、本実施の形態のマスクパターンの検査方法で使用される検査装置の概略構成図である。尚、図1では、本実施の形態で必要な構成部を記載しているが、検査に必要な他の公知の構成部が含まれていてもよい。
図1は、本実施の形態のマスクパターンの検査方法で使用される検査装置の概略構成図である。尚、図1では、本実施の形態で必要な構成部を記載しているが、検査に必要な他の公知の構成部が含まれていてもよい。
本発明の検査方法は、ダイ−トゥ−データベース(Die to Database)比較方式、ダイ−トゥ−ダイ(Die to Die)比較方式、セル(Cell)比較方式、および、1つの画像内で注目する画素とその周辺の画素とを比較する方式のいずれであってもよく、また、等倍テンプレートの検査のように、検査装置の光源波長では解像できないパターンの検査にも適用できる。以下では、ダイ−トゥ−データベース比較方式を例にとり説明する。この方式では、検査対象となるパターンの設計データから作成された参照画像が基準画像、すなわち、欠陥検出を目的として上記パターンの光学画像と比較される画像となる。
図1に示すように、検査装置100は、光学画像取得部となる構成部Aと、構成部Aで取得された光学画像を用いて検査に必要な処理などを行う構成部Bとを有する。
構成部Aは、光源103と、水平方向(X方向、Y方向)および回転方向(θ方向)に移動可能なXYθステージ102と、透過照明系を構成する照明光学系170と、オートフォーカス手段によって自動的に焦点調整がなされるように構成された拡大光学系104と、フォトアレイセンサ105と、センサ回路106と、レーザ測長システム122と、オートローダ130とを有する。
構成部Aでは、検査対象となるマスク101の光学画像、すなわち、測定データが取得される。測定データは、マスク101の設計パターンデータに含まれる図形データに基づく図形が描画されたマスクの画像である。例えば、測定データは、8ビットの符号なしデータであって、各画素の明るさの階調を表現するものである。
マスク101は、オートローダ130により、XYθステージ102上に載置される。
尚、検査装置100は、ペリクルが装着されたマスクおよびペリクルが装着されていないマスクのいずれをも検査することが可能であるが、本実施の形態では、前者、すなわち、マスク101にペリクルが装着されている状態を想定して説明する。図9は、ペリクルが装着された状態のマスク101の断面模式図である。ペリクルは、方形のフレームと、フレームに取り付けられたペリクル膜とを有する。マスク101へのペリクルの装着は、マスク101のパターン形成部分の周辺に接着剤等でフレームを固定することによって行われる。検査工程では、マスク101のパターン形成部分が検査領域となる。
オートローダ130は、オートローダ制御回路113によって駆動される。また、オートローダ制回路113は、制御計算機110によって制御される。マスク101がXYθステージ102の上に載置されると、マスク101に形成されたパターンに対し、XYθステージ102の上方に配置された光源103から光が照射される。より詳しくは、光源103から照射される光束が、照明光学系170を介してマスク101に照射される。
マスク101の下方には、拡大光学系104、フォトアレイセンサ105およびセンサ回路106が配置されている。マスク101を透過した光は、拡大光学系104を介して、フォトアレイセンサ105に光学像として結像する。
拡大光学系104の焦点は、オートフォーカス手段によって、マスク101のパターン面に合わせられる。オートフォーカス手段としては公知のものを用いることができる。具体的には、マスク101の高さ位置を検出し、この位置が拡大光学系を構成する対物レンズの焦点位置に保たれるようにサーボをかける。マスク101の高さ方向の駆動には、例えば、微少駆動できるピエゾ素子が用いられる。
マスク101の高さ検出には、マスク101に焦点位置合わせ用の光を照射し、その反射光の光軸変動を検出する方法が用いられる。例えば、マスク101に対して斜めから光を照射し、反射光の光軸変動を2分割センサ等の位置センサで検出してマスク101の高さを求める。そして、サーボ回路によって、このマスク高さ信号が一定となるようマスク101を上下に微動する。
尚、検査装置100では、透過照明系に代えて反射照明系としてもよい。例えば、マスク101の下方から光を照射し、マスク101で反射した光を拡大光学系を介してフォトアレイセンサに導く構成とすることができる。また、透過照明系と反射照明系の両方を備えた構成としてもよく、この構成によれば、マスク101を透過した光とマスク101で反射した光による各光学画像を同時に取得することが可能である。
ペリクルを装着した状態でマスク101を検査しようとすると、フレームの近傍において、マスク101を照明すべき光の一部がフレームによって遮られたり、フレームの内壁を照明したりする。これにより、照明光量が不足したり、内壁からの散乱光が迷光となったりする現象(ケラレ)が発生し、明瞭な光学画像を得られなくなる。すなわち、取得される光学画像は明るさが不足したものとなる。
また、XYθステージ102がマスクの一端のペリクルフレームの外から中へX方向に移動していくと、オートフォーカススポットがペリクルのフレームを跨ぐことになる。そして、オートフォーカススポットがフレームに差し掛かると、オートフォーカス手段は、拡大光学系104の焦点がフレーム面に合うよう動作するので、マスク101のパターン面には合焦しなくなる。その後、XYθステージ102の移動とともに、オートフォーカススポットは、フレームから離れて再びマスク101のパターン面に戻るが、オートフォーカス手段の動作がXYθステージ102の動作に追従できず、マスク101のパターン面に合焦しない個所が生じる。拡大光学系104の焦点がマスク101のパターン面に合わないと、光学画像は明瞭でなくぼやけたものとなって、正確な検査を行うことができない。
図10は、ペリクルが装着されたマスク101の模式的な上面図である。尚、説明のために、ペリクル膜は省略されている。この図の検査領域のうちでフレーム近傍部分は、ケラレの影響と、オートフォーカス手段がフレームの表面に合焦するよう動作する影響や、オートフォーカス手段がXYθステージ102に追従できないことによる影響によって、明瞭な光学画像が得られない部分である。それ以外の部分、すなわち、フレームの近傍以外の検査領域は、ケラレの影響を受けず、明瞭な光学画像が得られる部分である。
フォトアレイセンサ105上に結像したマスク101のパターン像は、フォトアレイセンサ105によって光電変換され、さらにセンサ回路106によってA/D(アナログデジタル)変換される。フォトアレイセンサ105には、複数の受光素子(図示せず)が配置されている。このセンサの例としては、TDI(Time Delay Integration)センサなどが挙げられる。この場合、XYθステージ102が連続的に移動しながら、TDIセンサによってマスク101のパターンが撮像される。ここで、光源103、拡大光学系104、フォトアレイセンサ105およびセンサ回路106により高倍率の検査光学系が構成される。
構成部Bでは、検査装置100全体の制御を司る制御部としての制御計算機110が、データ伝送路となるバス120を介して、位置回路107、比較回路108、参照回路112、展開回路111、展開回路140、オートローダ制御回路113、ステージ制御回路114、保存部の一例となる磁気ディスク装置109、ネットワークインターフェイス115およびフレキシブルディスク装置116、液晶ディスプレイ117、パターンモニタ118並びにプリンタ119に接続されている。XYθステージ102は、ステージ制御回路114によって制御されたX軸モータ、Y軸モータおよびθ軸モータによって駆動される。これらの駆動機構には、例えば、エアスライダと、リニアモータやステップモータなどとを組み合わせて用いることができる。
図1で「〜回路」と記載したものが、プログラムにより構成される場合、プログラムは、磁気ディスク装置109に記録されることができる。例えば、オートローダ制御回路113、ステージ制御回路114、展開回路111、展開回路140、参照回路112、比較回路108および位置回路107の各回路は、電気的回路で構成されてもよく、制御計算機110によって処理することのできるソフトウェアとして実現されてもよい。また、電気的回路とソフトウェアの組み合わせによって実現されてもよい。
制御計算機110は、ステージ制御回路114を制御して、XYθステージ102を駆動する。XYθステージ102の移動位置は、レーザ測長システム122により測定されて位置回路107に送られる。
また、制御計算機110は、オートローダ制御回路113を制御して、オートローダ130を駆動する。オートローダ130は、マスク101を自動的に搬送し、検査終了後には自動的にマスク101を搬出する。
マスク101の光学画像は、次のようにして取得される。
図2は、マスク101に形成されたパターンの欠陥を検出するための光学画像の取得手順を説明する図である。この図において、マスク101は、図1のXYθステージ102に載置されているものとする。
マスク101上の検査領域は、図2に示すように、短冊状の複数の検査領域、すなわち、ストライプ201,202,203,204,・・・に仮想的に分割されている。各ストライプは、例えば、幅が数百μmであって、長さがマスク101のX方向またはY方向の全長に対応する100mm程度の領域とすることができる。
光学画像は、ストライプ毎に取得される。すなわち、図2で光学画像を取得する際には、各ストライプ201,202,203,204,・・・が連続的に走査されるように、XYθステージ102の動作が制御される。例えば、XYθステージ102が図2の−X方向に移動しながら、マスク101の光学画像が取得される。そして、図1のフォトアレイセンサ105に、図2に示されるような走査幅Wの画像が連続的に入力される。
上記例を詳しく説明すると、まず、第1のストライプ201における画像を取得する。次いで、第2のストライプ202における画像を取得する。このとき、XYθステージ102が−Y方向にステップ移動した後、第1のストライプ201における画像の取得時の方向(−X方向)とは逆方向(X方向)に移動しながら光学画像を取得して、走査幅Wの画像がフォトアレイセンサ105に連続的に入力される。第3のストライプ203における画像を取得する場合には、XYθステージ102が−Y方向にステップ移動した後、第2のストライプ202における画像を取得する方向(X方向)とは逆方向、すなわち、第1のストライプ201における画像を取得した方向(−X方向)に、XYθステージ102が移動する。尚、図2の矢印は、光学画像が取得される方向と順序を示しており、斜線部分は、光学画像の取得が済んだ領域を表している。
図1のフォトアレイセンサ105上に結像したパターンの像は、フォトアレイセンサ105によって光電変換され、さらにセンサ回路106によってA/D(アナログデジタル)変換される。その後、光学画像は、センサ回路106から比較回路108へ送られる。
尚、A/D変換されたセンサデータは、画素毎にオフセット・ゲイン調整可能なデジタルアンプ(図示せず)に入力される。デジタルアンプの各画素用のゲインは、キャリブレーション工程で決定される。例えば、透過光用のキャリブレーション工程においては、センサが撮像する面積に対して十分に広いマスク101の遮光領域を撮影中に、黒レベルを決定する。次いで、センサが撮像する面積に対して十分に広いマスク101の透過光領域を撮影中に、白レベルを決定する。このとき、検査中の光量変動を見越して、例えば、白レベルと黒レベルの振幅が8ビット階調データの約4%から約94%に相当する10〜240に分布するよう、画素毎にオフセットとゲインを調整する。
ダイ−トゥ−データベース比較方式による検査の場合、欠陥判定の基準となるのは、設計パターンデータから生成する参照画像である。次に、図1を参照しながら、参照画像の生成方法を説明する。
検査装置100では、マスク101のパターン形成時に用いたパターンデータ(設計パターンデータ)が磁気ディスク装置109に記憶される。
展開回路111は、磁気ディスク装置109から制御計算機110を通してパターンデータを読み出す。次いで、読み出したパターンデータを2値ないしは多値のイメージデータ(設計画像データ)に変換する。具体的には、展開回路111は、描画データを図形毎のデータにまで展開し、その図形データの図形形状を示す図形コード、図形寸法などを解釈する。そして、所定の量子化寸法のグリッドを単位とするマス目内に配置されるパターンとして、パターンデータを2値ないしは多値のイメージデータに展開する。さらに、センサ画素に相当する領域(マス目)毎に設計パターンにおける図形が占める占有率が演算され、各画素内の図形占有率が画素値となる。
展開回路111で変換されたイメージデータは、参照回路112に送られる。
参照回路112は、図形のイメージデータであるパターンデータに適切なフィルタ処理を施す。その理由は、次の通りである。
マスク101に形成されたパターンは、その製造工程でコーナーの丸まりや線幅の仕上がり寸法などが加減されており、設計パターンと厳密には一致しない。また、図1のセンサ回路106から得られた光学画像は、拡大光学系104の解像特性やフォトアレイセンサ105の各受光素子で生じるアパーチャ効果などによってぼやけた状態、言い換えれば、空間的なローパスフィルタが作用した状態にある。そこで、検査に先だって検査対象となるマスクを観察し、その製造プロセスや検査装置の光学系による変化を模擬したフィルタ係数を学習して、パターンデータに2次元のデジタルフィルタをかける。このようにして、参照画像に対して光学画像に似せる処理を行う。
フィルタ係数の学習は、製造工程で決められた基準となるマスクのパターンを用いて行ってもよく、また、検査対象となるマスク(本実施の形態ではマスク101)のパターンの一部を用いて行ってもよい。後者であれば、学習に用いられた領域のパターン線幅やコーナーの丸まりの仕上がり具合を踏まえたフィルタ係数が取得され、マスク全体の欠陥判定基準に反映されることになる。
尚、検査対象となるマスクを使用してフィルタ係数の学習をする場合、製造ロットのばらつきや、検査装置のコンディション変動といった影響を排除したフィルタ係数の学習ができるという利点がある。しかし、マスク面内で寸法変動があると、学習に用いた個所に対しては最適なフィルタ係数になるが、他の領域に対しては必ずしも最適な係数とはならないため、疑似欠陥を生じる原因になり得る。そこで、面内での寸法変動の影響を受け難いマスクの中央付近で学習することが好ましい。あるいは、マスク面内の複数の個所で学習を行い、得られた複数のフィルタ係数の平均値を用いてもよい。
フィルタ処理が施された参照画像は比較回路108へ送られ、マスク101の光学画像における欠陥検査の基準として用いられる。尚、比較回路108へは、位置回路107から出力されたXYθステージ102上でのマスク101の位置を示すデータも送られる。
上記したように、パターンデータに含まれる図形は、長方形や三角形を基本図形としたものである。磁気ディスク装置109には、例えば、図形の基準位置における座標(x、y)、辺の長さ、長方形や三角形等の図形種を区別する識別子となる図形コードといった情報であって、各パターン図形の形、大きさ、位置等を定義した図形データが格納される。また、クラスタ(またはセル)を用いて階層化されたデータは、ストライプに配置されるが、ストライプは、適当なサイズに分割されてサブストライプとなる。そして、光学画像から切り出されたサブストライプと、光学画像に対応する参照画像から切り出されたサブストライプとが、比較回路108内の比較ユニットに投入される。
比較回路108に投入されたサブストライプは、さらに検査フレームと称される矩形の小領域に分割される。そして、比較ユニットにおいてフレーム単位で比較されて欠陥が検出される。比較回路108には、複数の検査フレームが同時に並列して処理されるよう、数十個の比較ユニットが装備されている。各比較ユニットは、1つの検査フレームの処理が終わり次第、未処理のフレーム画像を取り込む。これにより、多数の検査フレームが順次処理されていく。
比較ユニットでの処理は、具体的には次のようにして行われる。まず、光学画像と、参照画像とを位置合わせする。このとき、パターンのエッジ位置や、輝度のピークの位置が揃うように、センサ画素単位で平行シフトさせる他、近隣の画素の輝度値を比例配分するなどして、センサ画素未満の合わせ込みも行う。位置合わせを終えた後は、センサフレーム画像と参照フレーム画像との画素毎のレベル差を評価したり、パターンエッジ方向の画素の微分値同士を比較したりするなどして、適切な比較アルゴリズムにしたがって欠陥を検出していく。尚、図1の構成であれば、透過画像同士での比較となるが、反射光学系を用いた構成であれば、反射画像同士での比較、あるいは、透過と反射を組み合わせた比較判定アルゴリズムが用いられる。比較の結果、両者の差異が欠陥判定閾値を超えた場合には、その個所が欠陥と判定される。
本実施の形態では、マスク101に装着されたペリクルによってケラレが生じる領域を特定し、この特定した領域と検査領域とが重複する領域と重複しない領域とで欠陥判定閾値を変えて検査を行う。この点について、以下で詳細に説明する。
上述した通り、拡大光学系104(具体的には対物レンズ)の焦点は、オートフォーカス手段によって、マスク101のパターン面に合わせられる。例えば、マスク101に対して斜めから光を照明し、反射光の光軸変動を2分割センサ等の位置センサで検出してマスク101の高さを求める。そして、サーボ回路によって、このマスク高さ信号が一定となるようマスク101を上下に微動する。この場合、位置センサとしての2分割センサは、2つのダイオードからなり、光は両者に跨って入射する。一方の出力をα、他方の出力をβとすると、光軸の移動によってαとβの割合が変わるため、
の値を求めることで、光の位置を検知することができる。ここで、マスク101の傾きや撓みの影響を受けないようにするために、光はセンサの視野内で照明される必要がある。
の値を求めることで、光の位置を検知することができる。ここで、マスク101の傾きや撓みの影響を受けないようにするために、光はセンサの視野内で照明される必要がある。
ところで、ペリクルを装着した状態でマスクを検査しようとすると、図3に示すように、フレームの近傍において、マスクを照明すべき光の一部がフレームによって遮られたり、フレームの内壁を照明したりする。これにより、照明光量が不足したり、内壁からの散乱光が迷光となったりする現象(ケラレ)が発生する。すると、センサで明瞭な光学画像を得られず、正確な検査を行うことができなくなる。
また、オートフォーカス手段をペリクルが装着されたマスク101に対して作動させた状態でXYθステージ102がマスクの一端のペリクルフレームの外から中へX方向に移動していくと、オートフォーカススポットがペリクルのフレームを跨ぐことになる。そして、オートフォーカススポットがフレームに差し掛かると、オートフォーカス手段は、拡大光学系104(具体的には対物レンズ)の焦点がフレーム面に合うよう動作するので、マスク101のパターン面には合焦しなくなる。その後、XYθステージ102の移動とともに、オートフォーカススポットは、フレームから離れて再びマスク101のパターン面に戻るが、オートフォーカス手段の動作がXYθステージ102の動作に追従できず、マスク101のパターン面に合焦しない個所が生じる。
図3の例では、領域Rにおいて、ケラレが発生して、センサで明瞭な光学画像が得られなくなる。また、オートフォーカス手段がフレームの表面に合焦するよう動作したり、オートフォーカス手段がXYθステージ102に追従できなくなったりするのも、領域Rである。つまり、領域Rでは、マスク101のパターン面が拡大光学系104の焦点位置から大きくずれる結果となる。このように、ケラレが生じる領域は、オートフォーカス手段がマスク101のパターン面に正常に合焦動作しないところ、詳しくは、ペリクルフレーム横断直後のフォーカスサーボ信号が通常とは極端に異なる値を示すところと考えることができる。フォーカス機構に斜め入射光と反射光を用いる、図3の例であれば、上述の追従遅れによる観測をするまでもなく、オートフォーカス手段自身による信号処理で、領域Rをケラレが生じる領域と認識できる。
オートフォーカス手段は、上記例に限られず、例えば、パターン投影方式によるものであってもよい。この方法では、まず、照明光学系によってマスクに照明光が垂直に入射し、焦点位置検出用のパターンがマスクに投影される。このとき、パターンは、対物レンズの合焦面に結像されるよう投影される。また、2つのセンサが、焦点位置検出用パターンの結像面を挟み、光軸に沿って前後にずれた位置に合焦面が来るように配置される。すなわち、これらのセンサは、対物レンズの合焦面に対し、前側にマスク面がずれたとき(前ピン)、または、後側にマスク面がずれたとき(後ピン)に、焦点位置検出用のパターンのコントラスト値が最大となるような位置に配置される。そして、2つのセンサのそれぞれで検出されたパターンのコントラスト値の大小関係によって、マスクの合焦位置からのずれ量とずれの方向が検出されるようになっている。マスクは、検出された結果に基づいて、対物レンズの合焦面に位置するようサーボ回路によって高さ調整される。
パターン投影方式によるオートフォーカス手段の場合にも、ペリクルのフレーム近傍では照明光が遮られるため、上記と同様に、照明光量が不足したり、フレームの内壁からの散乱光が迷光となったりして、センサで明瞭な光学画像が得られなくなるという問題が生じる。また、オートフォーカス手段がフレームの表面に合焦するよう動作したり、オートフォーカス手段がXYθステージに追従できなくなったりして、明瞭な光学画像が得られなくなるのも同様である。したがって、この場合のケラレが生じる領域も、上述したように、フォーカスサーボ系による制御信号が異常値を示すことによって特定できる。
また、本実施の形態では、ケラレが生じる領域を次のようにして求めることもできる。
対物レンズの開口数NAは、照明光の周縁光線が光軸となす角度をθとすると、式(2)に示すように、θの正弦で表される。
図4において、フレームの高さをHとすると、マスク101に形成されたパターンとフレームとの距離がD以下になると、対物レンズに入射する光の一部にケラレが生じる。その結果、照明光量が不足したり、内壁からの散乱光が迷光となったりして、センサで明瞭な光学画像が得られず、正確な検査を行うことができなくなる。したがって、この場合は、フレームから距離Dまでの範囲が、ケラレが生じる領域である。尚、距離Dは、式(3)で与えられる。
上記のようにして、ケラレが生じる領域を求めた後は、かかる領域が検査領域と重なるか否かを判定する。両者が重ならない場合には、検査領域全体について、閾値S1(第1の閾値)を用いて欠陥判定を行う。すなわち、検査領域で取得した全ての光学画像について、各光学画像に対応する参照画像との比較を行い、それぞれの差異を求める。差異が閾値S1を超えた場合、その個所は欠陥と判定される。
一方、ケラレが生じる領域と検査領域とが重なる場合、重なった領域における欠陥判定閾値S2(第2の閾値)は、閾値S1よりも相対的に感度が緩く設定される。これは、次の理由による。
ケラレが生じる領域では、フォトアレイセンサ105で明るい光学画像を得ることが難しく、また、オートフォーカス手段がマスク101のパターン面に正常に合焦動作しないため、取得される光学画像はぼやけたものとなる。したがって、厳しい欠陥判定閾値を適用すると、欠陥と判定される個所が続出するおそれがあり実用的でない。
ところで、マスク101には、通常、用途に応じた様々な種類のパターンが混在して形成されている。これらのパターンは、必ずしもその全てが高い精度で形成される必要はない。例えば、半導体集積回路に使用されるメインパターンの類は、デバイスの品質に影響するため高い精度で形成される必要がある。一方、周辺回路の電源パターンや描画精度を調整するためのダミーパターン、基板情報や半導体製造工程で必要とされる情報を反映するパターンは、メインパターンほどの精度は必要とされない。こうした情報パターンとしては、例えば、作業者がマスクを目視で判別するためのIDパターン、半導体製造工程で使用される各装置がマスクを判別するためのバーコードパターン、社名のロゴパターン、ステッパによる露光時にマスクの方向を確認するための矢印パターン、および、エッチングの終了時点を確認するためのエンドマークパターンなどが挙げられる。
高い精度での形成が必要とされるメインパターンについては、パターン形成時における精度とともに、検査工程での検出精度も重要となる。すなわち、極めて小さな欠陥であっても検出される必要がある。これに対し、高い精度での形成がそれほど必要とされないパターンについては、ある程度までの大きさの欠陥であれば検出しないこととしても問題はない。
一般に、高い精度での形成が必要とされるメインパターンは、マスク101の中央付近に配置される。これに対して、高い精度での形成が必要とされないパターンは、マスク101の周辺部分に配置される。ここで、ケラレが生じる領域は、マスク101のパターン形成部分の周辺にペリクルのフレームが固定されることからして、マスク101のパターン形成部分の周辺である。したがって、ケラレが生じる領域に重複する検査領域の欠陥判定閾値を緩く設定しても、この領域におけるパターンは、高い精度での形成が要求されないことから、実用上問題がないことが多い。
以上より、閾値S2を閾値S1より緩く設定しても検査に問題はなく、また、このようにすることで、フォトアレイセンサ105で得られる光学画像が明瞭度の劣るものであっても、これを用いての検査が可能となる。つまり、本実施の形態によれば、従来技術で検査装置の検査対象から除かれていたケラレの生じる領域を検査することができる。
ケラレが生じる領域に関する情報、例えば、(1)フォーカスサーボ系による制御信号が異常値を示す位置や、(2)理論上、照明光の周縁光線がケラレる領域の算出根拠となる、対物レンズの開口数NAやペリクルのフレームの高さHなどは、図1の磁気ディスク装置109に記憶される。展開回路140は、磁気ディスク装置109から制御計算機110を通して、上記の情報から、ケラレが生じる領域、検査領域、両者が重なる領域といった領域データを読み出す。そして、各領域データの感度指定情報を取得する。例えば、ケラレが生じる領域と検査領域とが重なる領域であれば、感度指定情報はレベル1、両者が重ならない領域であれば、感度指定情報はレベル2というように定義される。
尚、検査領域は、さらに細かい領域データにされて、それぞれに対応する感度指定情報が定義されてもよい。例えば、検査領域に設けられた回路パターンを詳しく見ると、重要度が異なる数種のパターンからなっている。例えば、LSIとして動作する際のクロック信号線として使用されるパターンは、線幅誤差やエッジラフネスが小さいことが要求される重要度の高いパターンであり、高い感度で検査される必要がある。一方、ダミーやシールドのパターンについては、多少の寸法変動や欠陥の存在は問われないため、重要度の低いパターンと言え、低い感度の検査でよい。さらに、電源に使用されるパターンの重要度は、クロックのパターンと、ダミーやシールドのパターンの中間程度であり、検査感度もこれらの間となる。そこで、例えば、クロック信号線として使用されるパターンの領域データであれば、感度指定情報はレベル2−3、電源として使用されるパターンの領域データであれば感度指定情報はレベル2−2、シールドとして使用されるパターンの領域データであれば感度指定情報はレベル2−1というように定義する。そして、各領域データに応じた閾値を展開回路140で設定する。このようにすることで、疑似欠陥の発生を抑制して検査時間の短縮を図ることができる。
また、ケラレが生じる領域と検査領域とが重なる領域に、重要度が高く、高い精度での形成が必要とされるパターンがあることも考えられる。こうした場合には、両者が重なる領域を重要度に応じた複数の領域データにし、領域データ毎に感度指定情報を定義することが好ましい。例えば、重要度が低く、閾値S2による検査で問題のないパターンの領域データについては、感度指定情報をレベル1−1とする。一方、重要度が高く、閾値S2では実質的な検査が困難となるパターンの領域データについては、感度指定情報をレベル1−2とする。
パターンの重要度情報は、その位置情報とともに、例えば、磁気ディスク装置109に記憶される。この場合、磁気ディスク装置109には、さらに、パターンの重要度情報と感度指定情報の相関関係を示す換算表が記憶されていることが好ましい。展開回路140は、磁気ディスク装置109に記憶させた換算表を用いて、領域データの感度指定情報を取得する。
次に、展開回路140は、領域データを領域画像データに展開する。領域画像データは、画素に相当するマス目内に多値の値が設定されたものであり、各画素の値は、設計パターンにおける図形が占める占有率となる。
次いで、展開回路140は、パターン展開された領域画像データを合成する。例えば、参照画像と光学画像の比較単位の大きさで合成してもよく、マスク1枚分で合成してもよい。
ここで、領域データが示す領域は、該当するパターン寸法にマージンが付加された寸法となっているので、中には領域同士が重複してしまう場合があり得る。つまり、展開回路140には、領域が重複する複数の領域データが入力される場合があり得る。こうした場合には、次のようにして、合成後の領域画像データを作成することが好ましい。
ケラレが生じる領域と検査領域が重なる領域の領域データと、これらの領域が重ならない領域の領域データとが重複する場合、展開回路140は、領域が重複する複数の領域データを合成した領域を示す領域画像データを作成する。そして、合成後の領域画像データが示す重複する領域に、欠陥判定閾値としてS2が適用されるようにする。ここで、欠陥判定閾値としてS1を適用すると、不明瞭な光学画像に対して厳しい閾値で判定することになるので、疑似欠陥が続出して実質的な検査ができなくなるおそれがある。S2を閾値とすることで、かかる事態を防ぐことができる。尚、上述した合成後の領域画像データが示す重複する領域に、欠陥判定閾値としてS2を適用して検査する際には、検査装置100から警告が発せられるようにしてもよい。
また、設計者が設定したパターンの重要度に基づく領域データと、パターン形状を解析する外部ソフトウェアによる領域データとが重複する場合、展開回路140は、設計者の意図を反映して領域画像データを作成する。
以上のようにして作成された領域画像データは、比較回路108に出力される。
比較回路108は、展開回路140で作成された領域画像データを取り込み、領域画像データによって定まる欠陥判定閾値S1またはS2を用い、領域画像データの画素毎に所定のアルゴリズムにしたがって、光学画像と参照画像を比較する。そして、誤差が閾値を超えた場合、その個所は欠陥と判断される。欠陥と判断されると、その座標と、欠陥判定の根拠となった光学画像および参照画像とが、検査結果として磁気ディスク装置109に格納される。
ケラレが生じる領域と検査領域とが重なる領域に、高い精度での形成が必要とされるパターンがあることを想定し、例えば、感度指定情報として上述したようなレベル1−1やレベル1−2が定義されている場合は、検査装置100から以下のようにして警告が発せられるようにしておくことが好ましい。
例えば、比較回路108は、制御計算機110を通じて、磁気ディスク装置109に記憶されたパターンの重要度情報を読み出す。また、比較回路108は、位置回路107から出力されたXYθステージ102上でのマスク101の位置を示すデータを基に、検査位置を把握する。そして、検査位置と、パターンの重要度情報のうちの位置情報とを突き合わせ、レベル1−2で定義される領域であれば警告が発せられるようにする。警告は、例えば、比較回路108から制御計算機を通じて、液晶ディスプレイ117に表示されるようにすることができる。
警告が発せられた領域については、一旦検査を停止し、その後、閾値を変えて再度検査を行ったり、目視による検査を併せて行ったりなどする。これにより、高い精度での形成が必要とされるパターンに対する検査精度を高めることができる。尚、従来技術で行っていた目視検査の領域がケラレを生じる領域の全体であったことを考えれば、この場合の目視検査の領域がそれより狭いことは明白と考えられる。
磁気ディスク装置109に格納された検査結果は、オペレータによってレビューされる。レビューは、検出された欠陥が実用上問題となるものであるかどうかを判断する動作である。オペレータは、例えば、欠陥判定の根拠となった参照画像と、欠陥が含まれる光学画像とを見比べて、修正の必要な欠陥であるか否かを判断する。レビュー工程を経て判別された欠陥情報も、磁気ディスク装置109に保存される。レビュー工程で1つでも修正すべき欠陥が確認されると、マスク101は、欠陥情報リストとともに、検査装置100の外部装置である修正装置(図示せず)へ送られる。修正方法は、欠陥のタイプが凸系の欠陥か凹系の欠陥かによって異なるので、欠陥情報リストには、凹凸の区別を含む欠陥の種別と欠陥の座標が添付される。
以上述べたように、比較回路108は、比較対象領域の欠陥判定閾値を領域画像データに応じて変更しながら欠陥判定する。つまり、ケラレの生じる領域であっても、緩い欠陥判定閾値を用いることで、比較回路108での欠陥判定が可能になる。したがって、本実施の形態によれば、ペリクルの装着されたマスクの全体を検査することが可能であり、また、目視検査が必要であってもその領域を最小限にすることができるので、マスクの品質保証のレベルの向上とともに、検査工程に要する時間の短縮を図ることが可能である。
また、本実施の形態の検査装置100は、2つの展開回路(140,111)を有する。展開回路111は、マスク101のパターン形成時に用いたパターンデータを2値ないしは多値のイメージデータ(設計画像データ)に変換する。一方、展開回路140は、ケラレが生じる領域、検査領域、両者が重なる領域といった領域データを領域画像データに変換し、欠陥判定閾値を決定する。このようにすることで、検査装置100は、2つの変換処理を並列しておこなうことができる。
但し、本実施の形態は上記に限られるものではなく、展開回路140における処理を制御計算機110で行ってもよい。この場合、決定された欠陥判定閾値は、磁気ディスク装置109に格納される。検査の際には、制御計算機110が磁気ディスク装置109から欠陥判定閾値を読み出す。そして、比較回路108は、この値を参照して光学画像と参照画像を比較する。
図5は、本実施の形態によるマスクパターンの検査方法の一例を示すフローチャートである。
まず、S101において、マスクロードが行われる。これは、例えば、次のような手順で実行される。検査装置100の液晶ディスプレイ117に示される操作画面上でオペレータによりロードボタンが選択される。それにより、制御計算機110から指令信号が発せられ、この指令信号に基づいてステージ制御回路114がXYθステージ102をロードポジション(X,Y)へ移動させる。
次に、S102において、マスク101全体の画像を撮像する。撮像した画像から、マスク101にペリクルが装着されているか否かを判定し(S103)、ペリクルが装着されていない場合には検査を開始する。この場合の欠陥判定閾値は、例えばS1(第1の閾値)とすることができる。
S103において、ペリクルが装着されていると判定された場合には、ケラレが生じる領域を特定した後、さらに検査領域と重複する領域を特定して、かかる領域の欠陥判定閾値を緩和する。例えば、ケラレが生じない検査領域における欠陥判定閾値としてS1を用いた場合には、上記重複領域における閾値としてS2を用いる。この手順は、具体的には、S104〜S108を通じて行われる。
まず、S104において、XYθステージ102上でのマスク101の正確な位置合わせが行われる。続いて、上記で説明したキャリブレーションが行われた後(S105)、ケラレが生じる領域Aが特定される(S106)。領域Aは、オートフォーカス手段におけるサーボ系の制御信号が異常値を示すところとしてもよく、また、照明光の周縁光線が光軸となす角度θおよびフレームの高さHから式(3)を用いて求めてもよい。尚、式(2)に示すように、角度θの正弦は対物レンズの開口数NAであるので、対物レンズの開口数NAとフレームの高さHを用いて領域Aを求めることもできる。
次に、S107において、領域Aと検査領域Bとの重複の有無が判定される。これらの領域に重複がなければ、欠陥判定閾値の緩和をすることなく検査を開始する。上記例であれば、閾値S1(第1の閾値)を用いる。
S107において、領域Aと検査領域Bに重複があると判定された場合には、重複する領域の欠陥判定閾値を緩和する(S108)。上記例であれば、閾値をS1からS2(第2の閾値)に緩和して検査を行う。
S109の検査工程は既に述べた通りである。すなわち、マスク101の光学画像が取得され、マスク101のパターンデータから生成された参照画像との比較が行われる。そして、例えば、これらの画像の差異が閾値S1または閾値S2を超えたとき、その個所は欠陥と判定される。
図6は、本実施の形態によるマスクパターンの検査方法の別の例を示すフローチャートである。
図6において、S201〜S207は、図5のS101〜S107と同じであるので説明を省略する。
S207において、ケラレが生じる領域Aと検査領域Bに重複があると判定された場合には、S208に進み、この重複する領域に重要度が高いパターンがあるか否かを判定する。例えば、図1の磁気ディスク装置109に記憶されたパターンの重要度情報を参照する。重要度の高いパターンがなければ、S209で得られた緩和された閾値を用い、S210に進んで検査を行う。
一方、重要度の高いパターンがある場合は、警告を発して検査を停止する。警告が発せられた領域については、例えば、検査装置100による検査を終えた後に目視による検査を行う。
S210の検査工程は既に述べた方法にしたがって行われる。すなわち、マスク101の光学画像が取得され、マスク101のパターンデータから生成された参照画像との比較が行われる。そして、例えば、これらの画像の差異が閾値S1または閾値S2を超えたとき、その個所は欠陥と判定される。
図11は、本実施の形態によるマスクパターンの検査方法の他の例を示すフローチャートである。
図11において、S501〜S507は、図5のS101〜S107と同じであるので説明を省略する。
S507において、領域Aと検査領域Bとの重複の有無が判定された結果、これらの領域に重複がなければ、欠陥判定閾値は緩和されることなく検査が開始される。この場合、例えば、閾値S1(第1の閾値)が用いられる。
一方、S507において、領域Aと検査領域Bに重複があると判定されると、重複する領域の欠陥判定閾値が緩和される(S508)。例えば、閾値はS1からS2(第2の閾値)に緩和される。
図11の例では、S508で閾値が緩和されると、検査装置100が警告を発する(S509)。次いで、第2の閾値S2を用いて検査を強行するか否かが判断される(S510)。この判断は、例えば、図1の磁気ディスク装置109に記憶されたパターンの重要度情報を読み出して、制御計算機110内の処理で行われる。例えば、重複領域に重要度の高いパターンがなければ検査を強行し、重要度の高いパターンがあれば検査を強行しないと判断される。
検査を強行しない場合は、S508に戻って第2の閾値が再設定される。そして、パターンの重要度に応じた閾値になるまでS508〜S510の工程が繰り返される。尚、閾値の再設定に代えて、検査領域Bが変更されるようにしてもよい。この場合は、S510で検査を強行しないと判断した後、S507に戻る。検査領域Bが変更された結果、S507で領域Aと検査領域Bに重複がないと判定されれば、そのままS511に進んで検査が行われる。
S511の検査工程は、上記で述べた通りである。すなわち、マスク101の光学画像が取得され、マスク101のパターンデータから生成された参照画像との比較が行われる。そして、例えば、これらの画像の差異が閾値S1または閾値S2を超えたとき、その個所は欠陥と判定される。
図11の例によっても、ペリクルの装着されたマスクの全体を検査することが可能である。したがって、従来法でケラレの生じる領域が検査装置の検査対象から除かれたことによるマスクの品質保証のレベル低下を抑制することができる。
尚、上記例では、ダイ−トゥ−データベース比較方式を例に挙げて説明したが、ダイ−トゥ−ダイ比較方式の場合も同様である。すなわち、ダイの一方にケラレが生じている場合、ケラレの生じる領域に適用する欠陥判定しきい値を第1の閾値に代えて、第1の閾値より相対的に感度の緩い第2の閾値とすることにより、ケラレの生じる領域であっても検査をおこなうことができるようになる。
実施の形態2.
本実施の形態では、ダイ−トゥ−データベース方式による検査方法を対象とする。この方式において、マスクの光学画像と比較される基準画像は、描画データ(設計パターンデータ)をベースに作成された参照画像である。
本実施の形態では、ダイ−トゥ−データベース方式による検査方法を対象とする。この方式において、マスクの光学画像と比較される基準画像は、描画データ(設計パターンデータ)をベースに作成された参照画像である。
実施の形態1では、マスクに装着されたペリクルによってケラレが生じる領域を特定し、この特定した領域と検査領域とが重複する領域と重複しない領域とで欠陥判定閾値を変えて検査を行った。これに対して、本実施の形態では、ダイ−トゥ−データベース検査方式での参照画像を加工することによって、上記重複領域における検査を可能とする。
本実施の形態の検査方法は、実施の形態1で説明した図1の検査装置100を用いて実施できる。また、検査工程も、実施の形態1の図5と略同じであるが、S108における閾値の緩和に代えて参照画像の加工を行う点で異なる。すなわち、
(1)マスク101にペリクルが装着されていない場合、
(2)ペリクルが装着されているが、ケラレが生じる領域と検査領域が重複しない場合、
(3)ペリクルが装着されており、ケラレが生じる領域と検査領域とが重複する場合
とにおいて、(1)および(2)で用いる参照画像と、(3)で用いる参照画像とを変える。
(1)マスク101にペリクルが装着されていない場合、
(2)ペリクルが装着されているが、ケラレが生じる領域と検査領域が重複しない場合、
(3)ペリクルが装着されており、ケラレが生じる領域と検査領域とが重複する場合
とにおいて、(1)および(2)で用いる参照画像と、(3)で用いる参照画像とを変える。
実施の形態1で述べたように、マスク101のパターン形成時に用いたパターンデータ(設計パターンデータ)が図1の磁気ディスク装置109に記憶され、展開回路111はこのパターンデータを読み出してイメージデータ(設計画像データ)に変換する。イメージデータは参照回路112に送られた後、参照回路112でフィルタ処理が施されて、参照画像が生成する。上記の(1)および(2)の場合は、この参照画像を用いて、比較回路108で光学画像の欠陥検出を行う。
一方、(3)の場合、検査領域にケラレが生じるため、フォトアレイセンサ105で明瞭な光学画像を得ることが難しくなる。ここで、(1)や(2)で用いる参照画像は、イメージデータに対し光学画像に似せるための処理(フィルタ処理)が行われて生成されるが、この際の光学画像は、明るくぼやけのない明瞭な画像である。したがって、明瞭な画像を想定して生成された参照画像と、明瞭でない光学画像とを比較して欠陥判定を行おうとすると、疑似欠陥が続出するおそれがあるため実用的でない。
そこで、本実施の形態では、ケラレの生じる領域で得られる光学画像に参照画像を似せる処理を行う。すなわち、(1)や(2)で用いた参照画像に対し、ケラレにより光学画像が暗くなることや、オートフォーカス手段がフレームの表面に合焦したり、XYθステージ102に追従できなかったりして、光学画像がぼやけることを加味する加工を行う。例えば、(1)や(2)で用いた参照画像(以下、第1の参照画像と称す。)に対応するフィルタ処理後のイメージデータに対して、さらに、ケラレによるぼやけを模擬したフィルタ係数を用いたフィルタ処理を行う。ケラレが生じると、黒レベルはキャリブレーション工程で決定されたレベルより上がり、白レベルはキャリブレーション工程で決定されたレベルより下がるので、これを基に、(3)の場合に適した参照画像(以下、第2の参照画像と称す。)を生成することが可能である。あるいは、展開回路111から参照回路112に送られたイメージデータに対し、第1の参照画像を生成するときとは異なるフィルタ係数、具体的には、製造プロセスや検査装置の光学系による変化に加えて、ケラレによるぼやけを模擬したフィルタ係数を学習し、次いで、パターンデータに2次元のデジタルフィルタをかけることにより、第2の参照画像を生成してもよい。尚、いずれの方法であっても、第2の参照画像の生成は、図1の参照回路112で行うことができる。
図7は、本実施の形態による検査方法の一例を示すフローチャートである。
図7において、S301〜S307は、図5のS101〜S107と同じであるので説明を省略する。
図7のS307では、ケラレが生じる領域Aと検査領域Bとの重複の有無が判定される。これらの領域に重複がなければ、上記の(1)または(2)に該当すると言えるので、S309に進み、第1の参照画像を用いて検査を行う。
一方、S307において、領域Aと検査領域Bに重複があると判定された場合には、第1の参照画像を加工して第2の参照画像を生成する(S308)。第2の参照画像は、第1の参照画像にケラレにより光学画像がぼやけることが加味されたものである。
第2の参照画像を生成したのちは、S309に進んで検査を行う。S309の検査工程は、実施の形態1で述べた通りである。すなわち、マスク101の光学画像が取得され、マスク101のパターンデータから生成された参照画像との比較が行われる。このとき、ケラレが生じる領域Aと重複しない検査領域Bでは、第1の参照画像が用いられ、ケラレが生じる領域Aと重複しない検査領域Bでは、第2の参照画像が用いられる。比較の結果、光学画像と参照画像との差異が所定の閾値を超えたとき、その個所は欠陥と判定される。
図8は、本実施の形態による検査方法の別の例を示すフローチャートである。
図8において、S401〜S407は、図5のS101〜S107と同じであるので説明を省略する。
S407において、ケラレが生じる領域Aと検査領域Bに重複がないと判定された場合は、S410に進み、第1の参照画像を用いて検査を行う、
一方、領域Aと検査領域Bに重複があると判定された場合には、S408に進み、この重複する領域に重要度が高いパターンがあるか否かを判定する。例えば、図1の磁気ディスク装置109に記憶されたパターンの重要度情報を参照する。重要度の高いパターンがなければ、S409で参照画像の加工を行い、ケラレにより光学画像がぼやけることが加味された第2の参照画像を生成する。その後、S410に進み、第2の参照画像を用いて検査を行う。
一方、重要度の高いパターンがある場合は、警告を発して検査を停止する。警告が発せられた領域については、例えば、検査装置100による検査を終えた後に目視による検査を行う。
S410の検査工程は、図7のS309と同様である。
以上のようにして得られた検査結果は、例えば、図1の磁気ディスク装置109に格納された後、オペレータによってレビューされる。レビューは、検出された欠陥が実用上問題となるものであるかどうかを判断する動作である。オペレータは、例えば、欠陥判定の根拠となった第1の参照画像または第2の参照画像と、欠陥が含まれる光学画像とを見比べて、修正の必要な欠陥であるか否かを判断する。
レビュー工程を経て判別された欠陥情報も、磁気ディスク装置109に保存されることができる。レビュー工程で1つでも修正すべき欠陥が確認されると、マスク101は、欠陥情報リストとともに、検査装置100の外部装置である修正装置へ送られる。修正方法は、欠陥のタイプが凸系の欠陥か凹系の欠陥かによって異なるので、欠陥情報リストには、凹凸の区別を含む欠陥の種別と欠陥の座標が添付される。
検査装置100における検査結果は、共通サーバ(図示せず)に保存される。尚、検査装置100内の保存部(例えば、図3の磁気ディスク装置109)に保存されてもよい。
オペレータは、レビュー装置(図示せず)を用いて、共通サーバから検査結果を読み出し、検出された欠陥が修正の必要なものであるか否かを判断する。そして、レビュー工程を経て判別された欠陥情報は、レビュー結果として共通サーバに保存される。
レビュー装置で1つでも修正すべき欠陥が確認されると、マスク101は修正装置(図示せず)に送られる。修正装置は、共通サーバからレビュー結果を読み出し、それにしたがって必要な修正を行う。修正方法は、欠陥のタイプが凸系の欠陥か凹系の欠陥かによって異なるので、レビュー結果には、凹凸の区別を含む欠陥の種別と欠陥の座標が含まれる。
図12は、本実施の形態による検査方法の他の例を示すフローチャートである。
図12において、S601〜S607は、図5のS101〜S107と同じであるので説明を省略する。
S607において、ケラレが生じる領域Aと検査領域Bに重複がないと判定された場合は、S611に進んで検査が行われる。検査で用いられる参照画像(第1の参照画像)は、マスクのパターンデータが変換されたイメージデータに対し光学画像に似せるための処理(フィルタ処理)が施されて生成した画像である。ここで、手本となる光学画像は、明るくぼやけのない明瞭な画像である。
一方、S607において、領域Aと検査領域Bに重複があると判定された場合には、S608に進む。S608では、第1の参照画像が加工されて第2の参照画像が生成される。第2の参照画像は、第1の参照画像にケラレにより光学画像がぼやけることが加味されたものである。
図12の例では、S608で第2の参照画像が生成されると、検査装置100が警告を発する(S609)。次いで、第2参照画像を用いて検査を強行するか否かが判断される(S610)。この判断は、例えば、図1の磁気ディスク装置109に記憶されたパターンの重要度情報を読み出して、制御計算機110内の処理で行われる。例えば、重複領域に重要度の高いパターンがなければ検査を強行し、重要度の高いパターンがあれば検査を強行しないと判断される。
検査を強行しない場合には、S608に戻って第1の参照画像が再加工される。そして、パターンの重要度に応じた第2の参照画像となるまでS608〜S610の工程が繰り返される。尚、参照画像の再加工に代えて、検査領域Bを変更してもよい。この場合は、S610で検査を強行しないと判断した後、S607に戻る。検査領域Bを変更した結果、S607で領域Aと検査領域Bに重複がないと判定されれば、そのままS611に進んで検査を行う。
S611の検査工程は、実施の形態1で述べた通りである。すなわち、マスク101の光学画像が取得され、マスク101のパターンデータから生成された参照画像との比較が行われる。このとき、ケラレが生じる領域Aと重複しない検査領域Bでは、第1の参照画像が用いられ、ケラレが生じる領域Aと重複しない検査領域Bでは、第2の参照画像が用いられる。比較の結果、光学画像と参照画像との差異が所定の閾値を超えたとき、その個所は欠陥と判定される。
図12の例によっても、ペリクルの装着されたマスクの全体を検査することが可能である。したがって、従来法でケラレの生じる領域が検査装置の検査対象から除かれたことによるマスクの品質保証のレベル低下を抑制することができる。
実施の形態3.
実施の形態1では、ケラレが生じる領域と検査領域とが重複する領域の取り扱いについて述べた。すなわち、かかる重複領域に対しては、感度の緩い閾値S2が適用されるが、重複領域に高い精度での形成が必要とされるパターンがある場合、検査装置から警告が発せられるようにするとした。ここで、警告は、検査を行っている際にリアルタイムで発せられる。例えば、図1において、比較回路108は、制御計算機110を通じて、磁気ディスク装置109に記憶されたパターンの重要度情報を読み出す。また、比較回路108は、位置回路107から出力されたXYθステージ102上でのマスク101の位置を示すデータを基に、検査位置を把握する。そして、検査位置と、パターンの重要度情報のうちの位置情報とを突き合わせ、重要度の高いパターンのある領域であれば、警告を発して検査を停止する。
実施の形態1では、ケラレが生じる領域と検査領域とが重複する領域の取り扱いについて述べた。すなわち、かかる重複領域に対しては、感度の緩い閾値S2が適用されるが、重複領域に高い精度での形成が必要とされるパターンがある場合、検査装置から警告が発せられるようにするとした。ここで、警告は、検査を行っている際にリアルタイムで発せられる。例えば、図1において、比較回路108は、制御計算機110を通じて、磁気ディスク装置109に記憶されたパターンの重要度情報を読み出す。また、比較回路108は、位置回路107から出力されたXYθステージ102上でのマスク101の位置を示すデータを基に、検査位置を把握する。そして、検査位置と、パターンの重要度情報のうちの位置情報とを突き合わせ、重要度の高いパターンのある領域であれば、警告を発して検査を停止する。
これに対して、本実施の形態では、ケラレが生じる領域と検査領域とが重なる領域に対し、ケラレの影響を受けない検査領域と同じ閾値(第1の閾値)を適用するか否かを、検査を行う前に警告を発して判断する。以下、本実施の形態の検査方法について詳述する。
図13は、本実施の形態によるマスクパターンの検査方法の一例を示すフローチャートである。尚、この検査方法は、実施の形態1で説明した図1の検査装置100を用いて実施可能である。したがって、以下では、図1を参照しながら説明する。
まず、検査の前に、第1の閾値が決定される(S701)。その後、検査工程がスタートする。検査工程では、まず、S702において、マスクロードが行われる。これは、例えば、次のような手順で実行される。検査装置100の液晶ディスプレイ117に示される操作画面上でオペレータによりロードボタンが選択される。それにより、制御計算機110から指令信号が発せられ、この指令信号に基づいてステージ制御回路114がXYθステージ102をロードポジション(X,Y)へ移動させる。
次に、S703において、マスク101全体の画像を撮像する。撮像した画像から、マスク101にペリクルが装着されているか否かを判定し(S704)、ペリクルが装着されていない場合には、S710に進んで検査を開始する。この場合の欠陥判定閾値は、第1の閾値となる。
S704において、ペリクルが装着されていると判定された場合には、S705において、XYθステージ102上でのマスク101の正確な位置合わせが行われる。続いて、実施の形態1で説明したキャリブレーションが行われた後(S706)、ケラレが生じる領域Aが特定される(S707)。
領域Aは、オートフォーカス手段におけるサーボ系の制御信号が異常値を示すところとしてもよく、また、照明光の周縁光線が光軸となす角度θおよびフレームの高さHから式(4)を用いて求めてもよい。尚、フレームから距離Dまでの範囲をケラレが生じる領域Aとする。
さらに、式(5)に示すように、角度θの正弦は対物レンズの開口数NAであるので、対物レンズの開口数NAとフレームの高さHを用いて領域Aを求めることもできる。
次に、S708において、領域Aと検査領域Bとの重複領域に第1の閾値を適用するか否かが判断される。
S708において、重複領域に第1の閾値を用いて検査を強行すると決定された場合は、S710に進んで検査が行われる。検査工程は、実施の形態1で述べた通りである。すなわち、マスク101の光学画像が取得され、マスク101のパターンデータから生成された参照画像との比較が行われる。そして、例えば、これらの画像の差異が第1の閾値を超えたとき、その個所は欠陥と判定される。尚、第1の閾値を適用することで疑似欠陥が多発する可能性があるが、そうした場合は、改めて警告が発せられるようにしてもよい。
一方、S708において、検査を強行しないとの決定がされた場合は、S709において、閾値を緩和して第2の閾値を設定する。その後、S710に進んで検査が行われる。
S708で検査を強行するか否かの判断は、例えば、図1の磁気ディスク装置109に記憶されたパターンの重要度情報を参照して下すことができる。この場合、重複領域に重要度の高いパターンがなければ、第1の閾値を用いての検査は強行せず、S709に進んで閾値を緩和する。
本実施の形態によっても、ペリクルの装着されたマスクの全体を検査することが可能である。したがって、従来法でケラレの生じる領域が検査装置の検査対象から除かれたことによるマスクの品質保証のレベル低下を抑制することができる。また、検査を行う前に、第1の閾値で検査を強行するか否かについて判断するので、第1の閾値で検査することによる疑似欠陥の多発を未然に防ぐことが可能である。
本実施の形態では、閾値の緩和に代えて、検査領域Bを変更することもできる。例えば、検査を強行しないと判断した後、検査領域Bを変更して、領域Aとの重複部分に重要度の高いパターンがないようにする。その後、第1の閾値を用いて検査領域Bを検査する。
実施の形態1〜3では、ペリクルが装着されたマスクの検査について述べた。ここで、一般的なマスクの検査は、ペリクルの装着前後で行われる。例えば、まず、ペリクルを装着する前のマスクに対して欠陥の有無を検査する(検査I)。欠陥があれば修正工程に送って修正した後、ペリクルをマスクに装着する。このとき、ペリクルにゴミが付着したり、フレームから発塵したりするので、ペリクルを装着した後のマスクに対しても検査が行われる(検査II)。そして、必要であればペリクルを剥がし洗浄等を行ってから、再度ペリクルを装着して検査を行う(検査III)。こうした場合、検査IIおよび検査IIIに上記実施の形態1〜3が適用できる。
尚、本発明は、上記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することができる。
また、上記実施の形態では、装置構成や制御手法等、本発明の説明に直接必要としない部分についての記載を省略したが、必要とされる装置構成や制御手法を適宜選択して用いることができることは言うまでもない。その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更し得る全ての検査装置または検査方法は、本発明の範囲に包含される。
さらに、本明細書において、「〜回路」または「〜部」と記載したものは、コンピュータで動作可能なプログラムにより構成することができるが、ソフトウェアとなるプログラムだけではなく、ハードウェアとソフトウェアとの組合せやファームウェアとの組合せによって実施されるものであってもよい。プログラムにより構成される場合、プログラムは、磁気ディスク装置などの記録装置に記録され得る。
100 検査装置
101 マスク
102 XYθステージ
103 光源
104 拡大光学系
105 フォトアレイセンサ
106 センサ回路
107 位置回路
108 比較回路
109 磁気ディスク装置
110 制御計算機
111,140 展開回路
112 参照回路
113 オートローダ制御回路
114 ステージ制御回路
115 ネットワークインターフェイス
116 フレキシブルディスク装置
117 液晶ディスプレイ
118 パターンモニタ
119 プリンタ
120 バス
122 レーザ測長システム
130 オートローダ
170 照明光学系
101 マスク
102 XYθステージ
103 光源
104 拡大光学系
105 フォトアレイセンサ
106 センサ回路
107 位置回路
108 比較回路
109 磁気ディスク装置
110 制御計算機
111,140 展開回路
112 参照回路
113 オートローダ制御回路
114 ステージ制御回路
115 ネットワークインターフェイス
116 フレキシブルディスク装置
117 液晶ディスプレイ
118 パターンモニタ
119 プリンタ
120 バス
122 レーザ測長システム
130 オートローダ
170 照明光学系
Claims (8)
- ステージ上にマスクを載置し、前記マスクのパターンが形成された検査領域に光を照射して、前記マスクを透過した光および前記マスクで反射した光の少なくも一方を対物レンズを通してセンサに結像して得られる光学画像を基準画像と比較し、両画像の差異が所定の閾値を超えた個所を欠陥と判定するマスクパターンの検査方法であって、
前記マスクへの光の照射を、前記対物レンズの焦点を前記マスクに合わせるオートフォーカス手段を作動させつつ行い、
前記マスクにペリクルが装着されていない場合は、前記所定の閾値として第1の閾値を用い、
前記マスクにペリクルが装着されている場合は、前記ペリクルによってケラレの生じる領域と前記検査領域とが重複しない領域の光学画像と前記基準画像との比較に前記第1の閾値を用い、前記ペリクルによってケラレの生じる領域と前記検査領域とが重複する領域の光学画像と前記基準画像との比較に前記第1の閾値より相対的に感度の緩い第2の閾値を用いることを特徴とするマスクパターンの検査方法。 - ステージ上にマスクを載置し、前記マスクのパターンが形成された検査領域に光を照射して、前記マスクを透過した光および前記マスクで反射した光の少なくも一方を対物レンズを通してセンサに結像して得られる光学画像を基準画像と比較し、両画像の差異が所定の閾値を超えた個所を欠陥と判定するマスクパターンの検査方法であって、
前記マスクへの光の照射を、前記対物レンズの焦点を前記マスクに合わせるオートフォーカス手段を作動させつつ行い、
前記マスクにペリクルが装着されていない場合は、前記基準画像として前記マスクのパターンの設計データから生成された第1の参照画像を用い、
前記マスクにペリクルが装着されている場合は、前記ペリクルによってケラレの生じる領域と前記検査領域とが重複しない領域の光学画像と比較される基準画像として前記第1の参照画像を用い、前記ペリクルによってケラレの生じる領域と前記検査領域とが重複する領域の光学画像と比較される基準画像として、前記第1の参照画像に前記ケラレによるぼやけを模擬した第2の参照画像を用いることを特徴とするマスクパターンの検査方法。 - 前記第2の参照画像は、前記第1の参照画像をフィルタ処理して生成されることを特徴とする請求項2に記載のマスクパターンの検査方法。
- 前記第1の参照画像は、前記マスクのパターンの設計データからフィルタ処理を経て生成され、
前記第2の参照画像は、前記マスクのパターンの設計データから、前記第1の参照画像を生成したときのフィルタ処理のフィルタ係数とは異なるフィルタ係数を用いて生成されることを特徴とする請求項2に記載のマスクパターンの検査方法。 - 前記ペリクルによってケラレの生じる領域と前記検査領域とが重複する領域に、所定精度よりも高い精度が要求されるパターンがある場合は、検査を行っている際にリアルタイムで警告を発して該パターンの検査を停止することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のマスクパターンの検査方法。
- ステージ上にマスクを載置し、前記マスクのパターンが形成された検査領域に光を照射して、前記マスクを透過した光および前記マスクで反射した光の少なくも一方を対物レンズを通してセンサに結像して得られる光学画像を基準画像と比較し、両画像の差異が所定の閾値を超えた個所を欠陥と判定するマスクパターンの検査方法であって、
前記マスクへの光の照射を、前記対物レンズの焦点を前記マスクに合わせるオートフォーカス手段を作動させつつ行い、
前記マスクにペリクルが装着されていない場合は、前記所定の閾値として第1の閾値を用い、
前記マスクにペリクルが装着されている場合は、前記ペリクルによってケラレの生じる領域と前記検査領域とが重複しない領域の光学画像と前記基準画像との比較に前記第1の閾値を用い、前記ペリクルによってケラレの生じる領域と前記検査領域とが重複する領域については、警告を発して、該重複する領域の光学画像と前記基準画像との比較に前記第1の閾値を用いるか否かを判断することを特徴とするマスクパターンの検査方法。 - 前記重複する領域の光学画像と前記基準画像との比較に前記第1の閾値を用いないと判断した場合は、前記第1の閾値に代えて、前記第1の閾値より相対的に感度の緩い第2の閾値を用いることを特徴とする請求項6に記載のマスクパターンの検査方法。
- 前記重複する領域の光学画像と前記基準画像との比較に前記第1の閾値を用いないと判断した場合は、前記検査領域を変えてから、前記第1の閾値を用いて、前記重複する領域の光学画像と前記基準画像とを比較することを特徴とする請求項6に記載のマスクパターンの検査方法。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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TWI609235B (zh) * | 2015-11-09 | 2017-12-21 | 艾斯邁科技股份有限公司 | 光罩檢測裝置及其方法 |
US10222690B2 (en) | 2016-09-30 | 2019-03-05 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Method of optimizing a mask using pixel-based learning and method for manufacturing a semiconductor device using an optimized mask |
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-
2013
- 2013-11-29 JP JP2013248744A patent/JP2015105897A/ja active Pending
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