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JP2015105468A - 護岸構造 - Google Patents

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真裕 岸
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Abstract

【課題】
波の波長などが変化する環境条件であっても、十分な消波効果を得られる汎用性の高い護岸構造を提供する。
【解決手段】
間隔をあけて横並びで設置された複数の鋼板セル2と、隣り合う鋼板セル2どうしの間を連結する鋼板アーク3と、前記複数の鋼板セル2及び鋼板アーク3の上面に形成された上面体4と、を備えた護岸構造1において、前記上面体4の上面に突出して前記鋼板セル2の横並び方向に延設された突状体11と、前記上面体4の上面でこの突状体11の沖側Sに配置された複数の消波ブロック12と、を有し、これら複数の消波ブロック12からなるブロック複合体13の上面が、沖側Sから陸側Lに向かって上方に傾斜していて、このブロック複合体13が、波が衝突するとともに越波しない高さに設定されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、港湾等に建造される護岸構造に関するものである。
貨物船等を接舷させて荷役行う護岸等を建造する際に、鋼板セルを利用した護岸構造が採用されている。図7に例示するように、この護岸構造1Xは、間隔をあけて横並びで設置された複数の鋼板セル2Xと、隣り合う鋼板セル2Xどうしの間を連結する鋼板アーク3Xと、複数の鋼板セル1X及び鋼板アーク3Xの上面に形成された上面体4Xと、を備えている。
この護岸構造1Xを建造するには、まず、鋼板で作成された円筒形状の鋼板セル2Xが、海岸線近傍の海底地盤に打設される。この際、鋼板セル2Xには、バイブロハンマと呼ばれる振動器により上端側から振動が与えられる。この振動により、鋼板セル2Xの下端側が海底地盤に打ち込まれる。
その後、鋼板セル2Xの内部に石や砂等の中詰材5が投入される。複数の鋼板セル2Xの設置が完了した後、湾曲した板状の鋼板アーク3Xが、隣り合う鋼板セル2Xの間を埋めるように海底地盤に打設される。その後、鋼板アーク3Xは、鋼板セル2Xに溶接され、その内部に中詰材5が投入される。
中詰材5が投入された鋼板セル2X及び鋼板アーク3Xには、その上面を覆うようにコンクリートが打設される。このコンクリートが固化することにより、鋼板セル2X及び鋼板アーク3Xの上面に上面体4Xが形成される。以上の工程を経て、壁状の護岸構造1Xが建造される。この護岸構造1Xが建造された後に、例えば、護岸構造1Xの陸側Lが埋め立てられ、港湾構造物として利用される。ここで、図中のSは沖側(波がやってくる側)を示している。
この護岸構造1Xは、鋼板セル2X及び鋼板アーク3Xを工場等で製造できるので、工期を短縮することができるという利点がある。
しかし、上記の護岸構造1Xは、護岸構造1Xの近傍を航行する船舶に悪影響を与える場合がある。これは、船舶が、護岸構造1Xに衝突した航跡波や風波の反射波の影響を受けるからである。そのため、船舶の航行及び接舷作業等に悪影響が生じるという問題がある。
他方で、護岸構造とは異なるが、鋼板セルを利用した透過式消波堤の構造が提案されている(例えば特許文献1参照)。図8上側に、透過式消波堤30Yの平面図を示し、図8下側に消波堤30Yの斜視図を示す。この消波堤30Yは、透過式であるため、鋼板アークを有さない。また、鋼板セル2Yの上面体4Yは、階段状に打設されたコンクリートで形成されており、異なる奥行を有する反射面31、32を有している。図中の矢印Fは波の流れる方向を示している。
この消波堤30Yは、階段状の上面体4Yにおいて、異なる反射面31、32で位相差の異なる反射波を生じさせ、反射波を互いに打ち消す作用(以下、第1作用という)を有するとされている。このとき、反射面31、32の位置は、到来する波の平均波長等に基づいて消波すべき波の波長を1つに定め、反射面31、32で生じるそれぞれの反射波の位相差が、逆位相(180度の遅れ)となるように構成される。また、消波堤30Yは、
波が段差を乗り越える際の砕波により、波のエネルギーを消費させる作用(以下、第2作用という)を有するとされている。更に、消波堤30Yは、図8上側に示すように、上面体4Yに流れ込んだ入射波を互いに衝突させて打ち消す作用(以下、第3作用という)を有するとされている。そこで、消波性能を向上させるため、図7に示した護岸構造1Xの上面体4Xを階段状に構成し、反射波を抑制することが考えられる。
しかし、護岸構造1Xに上記の階段状の上面体4Yを採用しても、十分な消波性能を得ることができない。第1に、上記の第1作用による消波効果を得られないという問題がある。これは、消波堤30Yの建造場所として想定しているような年間を通して一定の波長の波が到来する沖合と異なり、護岸構造1Xに到来する航跡波や風波の波長は多種多様であり、階段状の上面体4Yで消波すべき波の波長が1つに定まらないからである。具体的には、航跡波は、船舶の規模等によりその波長が大きく異なる。また、風波も、気象条件によりその波長が大きく異なる。特に、護岸構造が建設される海岸線近傍は、周囲の地形等の影響も受けるため、風波の波長は多様性に富むものとなる。それゆえ、階段状の上面体4Yでは十分な消波効果を得られない。
第2に、階段状の上面体4Yは、一度、形状を決定し施工した後は、その形状を容易に変更できないという問題がある。上述したように、消波すべき波の波長を定めることが難しく、予め設定した通りの形状に階段状の上面体4Yを製造しても、実際に十分な消波効果を得られないこともある。特に、到来する波の波長によっては、反射波を増幅する可能性もある。
第3に、上記の第3作用による消波効果を得られないという問題がある。これは、鋼板アーク3Xを設置し波を透過させないことが必須条件となる護岸構造1Xにおいて、図8上側に示すような、入射波Fを互いに衝突させる流れが生じないからである。
特開2001−20247号公報
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、その目的は、波の波長などが変化する環境条件であっても、十分な消波効果を得られる汎用性の高い護岸構造を提供することである。
上記の目的を達成するための本発明に係る護岸構造は、間隔をあけて横並びで設置された複数の鋼板セルと、隣り合う鋼板セルどうしの間を連結する鋼板アークと、前記複数の鋼板セル及び鋼板アークの上面に形成された上面体と、を備えた護岸構造において、前記上面体の上面に突出して前記鋼板セルの横並び方向に延設された突状体と、前記上面体の上面でこの突状体の沖側に配置された複数の消波ブロックと、を有し、これら複数の消波ブロックからなるブロック複合体の上面が、沖側から陸側に向かって上方に傾斜していて、このブロック複合体が、波が衝突するとともに越波しない高さに設定されていることを特徴とする。
本発明の構成により、主にブロック複合体が消波効果を発揮するが、消波ブロックの数や配置などを調整することにより、様々な環境条件に対して十分な消波効果を得ることができる。しかも、消波ブロックの種々の調整は、環境条件に応じて機動的に行うことがで
きるので、極めて汎用性が高い。
また、ブロック複合体の上面が沖側から陸側に向かって上方に傾斜しているので、到来した波を反射させずにブロック複合体の内部に取り込み易く、ブロック複合体の内部で波のエネルギーを減衰させるには有利になっている。
更には、鋼板セルと鋼板アークとの連続する円弧状壁の上下方向に延びるくぼみに沿って上方移動する波を、ブロック複合体内に取り込ませて減衰させる効果も期待できる。即ち、この円弧状壁とブロック複合体との協業による消波効果も期待することができる。
上記の護岸構造において、例えば前記上面体の上面を、平均水位よりも低い位置に設定する。望ましくは、前記上面体の上面を、干潮水位よりも低い位置に設定する。この構成により、護岸構造は、潮の干満にかかわらず十分な消波効果を得られる。
上記の護岸構造において、前記ブロック複合体が、前記上面体の上面に形成された傾斜体の沖側から陸側に向かって上方に傾斜している傾斜面に配置されている構成にすることもできる。この構成により、ブロック複合体の内部の空隙と波(海水)との置き換えが円滑になり、消波効果の向上が期待できる。また、使用する消波ブロックの数を抑制できる。
上記の護岸構造において、前記ブロック複合体の沖側端から陸側端までの長さを例えば7m〜12mに設定する。安定して十分な消波効果を確保するには、ブロック複合体の長さをこの範囲に設定するとよい。
本発明の護岸構造の実施形態の概略を示した断面図である。 本発明の護岸構造の実施形態の概略を示した平面図である。 本発明の護岸構造に到来する波の挙動を例示する平面の説明図である。 本発明の護岸構造に到来する波の挙動を例示する断面の説明図である。 本発明の護岸構造の別の実施形態の概略を示した断面図である。 鋼板セルの変形例の概略図である。 従来の護岸構造を例示する概略図である。 従来の消波堤を例示する概略図である。
以下、本発明の護岸構造について、図面に示した実施形態を参照しながら説明する。図1、図2に例示する実施形態の護岸構造1は、間隔をあけて横並びで設置された複数の鋼板セル2と、隣り合う鋼板セル2どうしの間を連結する鋼板アーク(沖側鋼板アーク3S及び陸側鋼板アーク3L)と、複数の鋼板セル2及び鋼板アーク3S、3Lの上面に形成された上面体4と、を備えている。また、護岸構造1は、上面体4の上面に突出して鋼板セル2の横並び方向(図2では上下方向)に延設された突状体11と、上面体4の上面でこの突状体11の沖側Sに配置された複数の消波ブロック12と、を有している。これらの複数の消波ブロック12からなるブロック複合体13の上面が、沖側Sから陸側Lに向かって上方に傾斜していて、このブロック複合体13が、波が衝突するとともに越波しない高さに設定されている。このブロック複合体13の外形体積に対する消波ブロック12どうしの隙間の割合、即ち、ブロック複合体13の内部の空隙率は、例えば45%〜70%である。上面体4の上面の突状体11よりも陸側Lには、支持部材15が突状体11に沿って延設されている。
鋼板セル2及び鋼板アーク3S、3Lの下端部は、海底地盤7に埋入し、これらの沖側
S及び陸側Lには、海底地盤7上に根固構造8が構築されている。円筒形状の鋼板セル2の内部には、中詰材5が充填されている。護岸構造1の陸側Lには、埋設土9が投入されている。支持部材15は、突状体11や消波ブロック12が陸側Lに向かって移動することを防止する。
上面体4の上面は、平均水位WLよりも低い位置に設定されることが望ましい。更に、上面体4の上面は、朔望平均干潮位LWL(Low Water Level)よりも低い位置に設定されることが更に望ましい。図1におけるHWLは、朔望平均満潮位(High Water Level)を示している。平均水位WLは、朔望平均干潮位LWLと朔望平均満潮位HWLの平均値である。
突状体11は、図1に示すように垂直部と、垂直部の下端部から沖側Sに突出する水平部と、を有する略L字型の断面を有している。ブロック複合体13の外形は、破線で示している。
次に、護岸構造1の施工方法について説明する。従来と同様、まず鋼板で作成された円筒形状の鋼板セル2が、海底地盤7に打ち込まれる。海底地盤7に打ち込まれた鋼板セル2は、根固構造8により強固に支持される。その後、鋼板セル2の内部に中詰材5が投入される。以上の工程により、複数の鋼板セル2が海底地盤7に固定される(鋼板セル設置工程)。
鋼板セル2が設置された後は、図2に示すように、鋼板セル2どうしの間を塞ぐように湾曲した板状の沖側鋼板アーク3S及び陸側鋼板アーク3Lが、海底地盤7に打ち込まれる。このとき、陸側鋼板アーク3Lは、二重構造にすることが望ましい。護岸構造1の遮水性が向上するからである。海底地盤7に打ち込まれた鋼板アーク3S、3Lは、水中溶接により鋼板セル2に固定されるとともに、その内部に中詰材5が投入される。以上の工程により、複数の鋼板アーク3S、3Lが設置される(鋼板アーク設置工程)。
次に、上面体4が、鋼板セル2及び鋼板アーク3の上面に設置される(上面体設置工程)。また、突状体11が、上面体4上に設置される(突状体設置工程)。更に、支持部材15が、上面体4上であり且つ突状体11の陸側Lに設置される(支持部材設置工程)。ここで、上面体4、突状体11及び支持部材15は、現場でコンクリートを打設して形成されてもよく、工場等で形成された後に現場に運搬され設置されてもよい。上面体4等を工場等で形成する場合は、工期を短縮できる。また、上面体4は、鋼板セル2及び鋼板アーク3S、3Lの上面を覆うように形成されればよく、種々の形状を採用することができる。
次に、複数の消波ブロック12が、上面体4の上面であって突状体11の沖側Sに配置されてブロック複合体13が形成される。このブロック複合体13の上面は、沖側Sから陸側Lに向かって上方に傾斜するように構成される(消波ブロック設置工程)。ブロック複合体13の上面の水平に対する傾斜角度は、例えば15°〜55°である。最後に、護岸構造1の陸側Lが埋立土9により埋め立てられる。
次に、護岸構造1による消波効果について説明する。図3及び4に例示するように護岸構造1に波Fが到来すると、ブロック複合体13に衝突した波Fの海水はブロック複合体13の内部に入り込み、内部の空隙と海水とが置き換わる。この置換の際の摩擦(抵抗)により、波Fのエネルギーが減衰して高い消波効果を得ることができる。波Fがブロック複合体13に衝突することによっても波Fのエネルギーは減衰する。優れた消波効果を得るには、既述したように、ブロック複合体13の内部の空隙率を45%〜70%にすることが好ましい。
消波ブロック12の数や配置などを調整して適切に設定することにより、様々な環境条件に対して十分な消波効果を得ることができる。しかも、消波ブロック12の種々の調整は、現場の環境条件に応じて機動的に行なうことができるので、この護岸構造1は極めて汎用性が高い構造になっている。したがって、この護岸構造1によれば、多様な波長を有する航跡波や風波に対しても十分な消波効果を得ることができる。また、汎用の消波ブロック12を使用できるので入手が容易であり、コストを抑えるにも有利である。
ブロック複合体13の上面は、沖側Sから陸側Lに向かって上方に傾斜しているので、ブロック複合体13に衝突した波Fは反射され難くなっている。それ故、海水がブロック複合体13の内部に取り込まれ易く、高い消波効果を得るには益々有利になっている。ブロック複合体13に衝突した波Fの反射を抑えるには、ブロック複合体13の上面の傾斜角度を既述したように15°〜55°に設定するとよい。傾斜角度が55°超であると波Fの反射を抑え難くなり、15°未満であると波Fとの衝突による消波効果が小さくなる。より好ましくは傾斜角度を25°〜45°、さらに好ましくは34°〜38°に設定する。
上面体4の上面を平均水位WLよりも低い位置に設定すると、到来した波Fの海水をブロック複合体13の内部に取り込むことができる期間が長くなり、朔望平均干潮位LWLよりも低い位置に設定すると、より一層、その期間が長くなる。即ち、このように上面体4の上面の位置を設定すると、潮の干満に関わらず、到来した波Fの海水をブロック複合体13の内部に取り込めるので、絶え間なく十分な消波効果を得易くなる。上面体4の上面を朔望平均干潮位LWLよりも2m以上低く設定すると、波Fの振幅の最下位置であっても上面体4の上面は海面上に露出せず、常時、波Fをブロック複合体13に衝突させて消波効果を得ることが可能になる。
波Fは、ブロック複合体13に直接衝突する場合が多いが、水位によっては、鋼板セル2と鋼板アーク3との連続する円弧状壁の上下に延びるくぼみに沿って、波Fの海面近傍の海水が上方に移動してブロック複合体13の内部に入り込んで、波Fのエネルギーを減衰させることも期待できる。図3では、護岸構造1に対して直交して到来する波Fを記載しているが、斜めに到来する波Fであっても、同様に、波Fの海面近傍の海水を円弧状壁のくぼみに沿ってブロック複合体13に誘導することが期待できる。即ち、この円弧状壁とブロック複合体13との協業による消波効果も期待できる。
消波ブロック12により構成されたブロック複合体13の沖側端部から陸側端部までの水平方向(図1では左右方向)の長さは、例えば7〜12mとし、望ましくは8〜10mとする。7mよりも短いとブロック複合体13による消波効果が過小になり、12mよりも長くしても長さに見合った程、消波効果が得られず、また、護岸構造1に貨物船を接舷させ荷役作業等を行うことが困難となるからである。
この実施形態では、突状体11の断面形状を略L字型にしているので、衝突する波Fによって陸側Lに移動させようとする力が作用する消波ブロック12の重量を安定して支持することができる。これにより、消波ブロック12の陸側Lへの移動を防止して消波効果を安定的に確保し易くなる。
突状体11の断面形状は種々の形状を採用することができ、例えば、略I字型にすることもできる。支持部材15を設置することにより、消波ブロック12および突状体11の陸側Lへの移動をより確実に防止できる。波Fが衝突しても消波ブロック12の移動がほとんどない場合は、突状体11と支持部材15のいずれかを省略することもできる。
消波ブロック12の配置変更による消波効果を調整するには、例えば、護岸構造1を建造した後、経過観察により、護岸構造1からの反射波の発生量を調査、把握する。この結果に応じて、消波ブロック12の数や、配置位置を変化させ、消波効果の最適化を実現することができる。
具体的には、護岸構造物1の建造に伴う海底地形の変化や、海流の変化に伴う土砂の堆積等による波の波長の変化に対して、消波ブロック12の数、積み方、配列などを変えることにより、ブロック複合体13の形状等を変化させ、護岸構造物1は最適の消波効果を得ることができる。護岸構造物1の建造前の調査では精度よく環境条件を予測できなかった、あるいは、調査後に環境条件が変化した等の理由により、護岸構造1の建造後に十分な消波効果が得られないことが判明した場合であっても、ブロック複合体13の形状等を現場の環境条件に応じて変更させることにより、護岸構造物1は十分な消波効果を得ることが可能となる。
図5に、本発明の別の実施形態となる護岸構造1Aの概略を示す。この護岸構造1Aのブロック複合体13Aは、上面体4の上面に形成された傾斜体14の沖側Sから陸側Lに向かって上方に傾斜している傾斜面16に配置されている。この傾斜体14は、突状体11A及び支持部材15Aと同様に、コンクリートにより構成されることが望ましい。この実施例形態では、支持部材15Aは、断面が三角形状に構成されている。
傾斜体14の採用により、ブロック複合体13Aに入った海水(波F)が、傾斜面16に沿って沖側Sに排出されやすくなる。そのため、ブロック複合体13の内部の空隙と海水との置換がスムーズになり、消波効果の向上が期待できる。また、護岸構造1に必要となる消波ブロック12の数を抑制し、工期を短縮することも可能になる。
なお、上面体4、突状体11A、支持部材15A及び傾斜体14は、それぞれ独立して形成されてもよく、任意のものを組み合わせて一体として形成されてもよい。ブロック複合体13Aを構成する消波ブロック12は、上下2段となる2段積みで構成されるか、その他、多段積みで構成されてもよく、ランダムに積み上げられる乱積みで構成されてもよい。これらの構成は、図1〜図3に示した実施形態においても、同様に採用可能である。
図6に例示する鋼板セル2Bは、上端側に段差を有するように構成されている。この段差は、沖側Sに比べ陸側Lが高くなるように構成されている。図示していないが、沖側鋼板アーク3Sは、鋼板セル2Bの沖側Sと同一の高さに構成され、陸側鋼板アーク3Lは、鋼板セル2Bの陸側Lと同一の高さに構成され、上面体4は、鋼板セル2Bの沖側Sの高さに合わせて形成される。その他の構成は既述した実施形態と同様にして護岸構造を建造する。
この鋼板セル2B等を採用する構成により、護岸構造は遮水性を向上できる。これは、沖側Sよりも高く形成された陸側Lの鋼板セル2A及び陸側鋼板アーク3Lにより、海水等が沖側Sから陸側Lに浸透することを抑制し易くなるからである。
1、1A 護岸構造
2、2B 鋼板セル
3 鋼板アーク
3S 沖側鋼板アーク
3L 陸側鋼板アーク
4 上面体
11、11A 突状体
12 消波ブロック
13、13A ブロック複合体
14 傾斜体
15 支持部材
16 斜面
S 沖側
L 陸側

Claims (5)

  1. 間隔をあけて横並びで設置された複数の鋼板セルと、隣り合う鋼板セルどうしの間を連結する鋼板アークと、前記複数の鋼板セル及び鋼板アークの上面に形成された上面体と、を備えた護岸構造において、
    前記上面体の上面に突出して前記鋼板セルの横並び方向に延設された突状体と、前記上面体の上面でこの突状体の沖側に配置された複数の消波ブロックと、を有し、
    これら複数の消波ブロックからなるブロック複合体の上面が、沖側から陸側に向かって上方に傾斜していて、このブロック複合体が、波が衝突するとともに越波しない高さに設定されていることを特徴とする護岸構造。
  2. 前記上面体の上面が、平均水位よりも低い位置に設定されている請求項1に記載の護岸構造。
  3. 前記上面体の上面が、干潮水位よりも低い位置に設定されている請求項2に記載の護岸構造。
  4. 前記ブロック複合体が、前記上面体の上面に形成された傾斜体の沖側から陸側に向かって上方に傾斜している傾斜面に配置されている請求項1〜3のいずれかに記載の護岸構造。
  5. 前記ブロック複合体の沖側端から陸側端までの長さが7m〜12mに設定されている請求項1〜4のいずれかに記載の護岸構造。
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