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JP2015101961A - 内燃機関 - Google Patents

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遼平 柴田
Ryohei Shibata
遼平 柴田
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Daihatsu Motor Co Ltd
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Daihatsu Motor Co Ltd
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  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

【課題】内燃機関の気筒におけるノッキングの抑制と熱機械変換効率の維持との両立を図る。
【解決手段】気筒1に向かう吸気が流通する吸気通路3内に燃料以外の冷却材を噴霧する噴霧装置35を設置し、何れかの気筒1においてノッキングが発生したときに、少なくとも当該気筒1に吸気とともに吸引されるようなタイミングで噴霧装置35から冷却材を噴霧することにより、冷却材を噴霧しない場合と比較して当該気筒1における点火タイミングの遅角量を減少させることができるようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両等に搭載される内燃機関に関する。
ノックセンサを介して気筒におけるノッキングの発生を感知し、ノッキングが起こらなくなるまで点火タイミングを遅角させるとともに、ノッキングが起こらない限りにおいて点火タイミングを進角させるノックコントロールシステムが公知である(例えば、下記特許文献を参照)。
点火タイミングの遅角化は、内燃機関による熱機械変換効率の悪化に直結する。そのため、内燃機関の燃費性能が低下するだけでなく、高出力が要求されているとき(いわゆる全負荷領域等)に十分なエンジントルクを提供できず、ドライバビリティが低下するきらいがあった。
特開2000−073847号公報
本発明は、内燃機関の気筒におけるノッキングの抑制と熱機械変換効率の維持との両立を図ることを所期の目的としている。
上述した課題を解決するべく、本発明では、気筒に向かう吸気が流通する吸気通路内に燃料以外の冷却材(液体。典型的には、水)を噴霧する噴霧装置を設置しており、何れかの気筒においてノッキングが発生したときに、少なくとも当該気筒に吸気とともに吸引されるようなタイミングで前記噴霧装置から冷却材を噴霧することにより、冷却材を噴霧しない場合と比較して当該気筒における点火タイミングの遅角量を減少させることができる(但し、冷却剤を噴霧したことに呼応して点火タイミングの遅角量を常に減少させるとは限らない)内燃機関を構成した。
その上で、当該内燃機関に対する要求負荷が高いほど、前記噴霧装置から噴霧する冷却材の量を増加させて前記気筒における点火タイミングの遅角量を減少させることが好ましい。
本発明によれば、内燃機関の気筒におけるノッキングの抑制と熱機械変換効率の維持との両立を図り得る。
本発明の一実施形態の内燃機関の概略構成を示す図。 同実施形態における火花点火装置の回路図。 内燃機関の気筒における燃焼圧及びイオン電流のそれぞれの推移を示す図。 内燃機関の気筒においてノッキングが発生した場合に検出されるイオン電流信号を例示する図。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に、本実施形態における車両用内燃機関の概要を示す。本実施形態における内燃機関は、火花点火式の4ストロークガソリンエンジンであり、複数の気筒1(図1には、そのうち一つを図示している)を具備している。
各気筒1の吸気ポート近傍には、燃料を噴射するインジェクタ11を設けている。また、各気筒1の燃焼室の天井部に、点火プラグ12を取り付けてある。点火プラグ12は、点火コイルにて発生した誘導電圧の印加を受けて、中心電極と接地電極との間で火花放電を惹起するものである。点火コイルは、半導体スイッチング素子であるイグナイタとともに、コイルケースに一体的に内蔵される。
図2に、火花点火用の電気回路を示している。点火プラグ12は、点火コイル14にて発生した誘導電圧の印加を受けて、中心電極と接地電極との間で火花放電を惹起するものである。点火コイル14は、半導体スイッチング素子であるイグナイタ13とともに、コイルケースに一体的に内蔵される。
内燃機関の制御装置たるECU0からの点火信号iをイグナイタ13が受けると、まずイグナイタ13が点弧して点火コイル14の一次側に電流が流れ、その直後の点火のタイミングでイグナイタ13が消弧してこの電流が遮断される。すると、自己誘導作用が起こり、一次側に高電圧が発生する。そして、一次側と二次側とは磁気回路及び磁束を共有するので、二次側にさらに高い誘導電圧が発生する。この高い誘導電圧が点火プラグ12の中心電極に印加され、中心電極と接地電極との間で火花放電する。
ECU0は、燃料の爆発燃焼の際に気筒1の燃焼室内に発生するイオン電流を検出し、このイオン電流を参照して、燃焼状態の判定を行う。
図2に示すように、本実施形態では、火花点火用の電気回路に、イオン電流を検出するための回路を付加している。この検出回路は、イオン電流を効果的に検出するためのバイアス電源部15と、イオン電流の多寡に応じた検出電圧を増幅して出力する増幅部16とを備える。バイアス電源部15は、バイアス電圧を蓄えるキャパシタ151と、キャパシタ151の電圧を所定電圧まで高めるためのツェナーダイオード152と、電流阻止用のダイオード153、154と、イオン電流に応じた電圧を出力する負荷抵抗155とを含む。増幅部16は、オペアンプに代表される電圧増幅器161を含む。
点火プラグ12の中心電極と接地電極との間のアーク放電時にはキャパシタ151が充電され、その後キャパシタ151に充電されたバイアス電圧により負荷抵抗155にイオン電流が流れる。イオン電流が流れることで生じる抵抗155の両端間の電圧は、増幅部16により増幅されてイオン電流信号hとしてECU0に受信される。
図3に、正常燃焼における、イオン電流(図中実線で示す)及び気筒1内の燃焼圧力(筒内圧。図中破線で示す)のそれぞれの推移を例示している。イオン電流は、点火のための放電中は検出することができない。正常燃焼の場合のイオン電流は、火花点火の終了後、化学反応により、圧縮上死点の手前で減少した後、熱解離によって再び増加する。また、燃焼圧がピークを迎えるのとほぼ同時にイオン電流も極大となる。
吸気を供給するための吸気通路3は、外部から空気を取り入れて各気筒1の吸気ポートへと導く。吸気通路3上には、エアクリーナ31、電子スロットルバルブ32、サージタンク33、吸気マニホルド34を、上流からこの順序に配置している。
加えて、本実施形態では、吸気通路3内にガソリン燃料以外の冷却材を噴霧する噴霧装置35を設けている。噴霧装置35は、吸気通路3におけるインジェクタ11の上流の所定箇所、具体的にはサージタンク33に設置してある。噴霧装置35から噴霧される冷却材は液体、特に水(添加物を含んだ水溶液であることを妨げない)とする。噴霧装置35は、インジェクタ11と同様、予め加圧されている冷却材の供給を受けて開弁時にこれを噴出させるものである。故に、噴霧装置35には、冷却材を貯留するためのタンク(図示せず)と、当該タンクに貯留されている冷却材を吸引して吐出し噴霧装置35に向けて圧送するポンプ(図示せず)とが接続している。冷却材が水である場合、その水は、車両に実装されているエアコンディショナ(図示せず)用の冷媒回路(特に、エバポレータ)近傍で発生する(空気中に含まれる水蒸気に由来する)凝縮水を回収したり、排気通路4や触媒41で発生する(燃料成分の酸化により生成された水蒸気に由来する)凝縮水を回収したり、降雨や降雪を回収したりして得られたものであることがある。
排気を排出するための排気通路4は、気筒1内で燃料を燃焼させたことで生じる排気を各気筒1の排気ポートから外部へと導く。この排気通路4上には、排気マニホルド42及び排気浄化用の三元触媒41を配置している。
排気通路4における触媒41の上流及び下流には、排気通路を流通する排気ガスの空燃比を検出するための空燃比センサ43、44を設置する。空燃比センサ43、44はそれぞれ、排気ガスの空燃比に対して非線形な出力特性を有するO2センサであってもよく、排気ガスの空燃比に比例した出力特性を有するリニアA/Fセンサであってもよい。本実施形態では、触媒41の上流側及び下流側の各空燃比センサ43、44について、排気ガス中の酸素濃度に応じた電圧信号を出力するO2センサを想定している。O2センサ43、44の出力特性は、理論空燃比近傍の範囲では空燃比に対する出力の変化率が大きく急峻な傾きを示し、それよりも空燃比が大きいリーン領域では低位飽和値に漸近し、空燃比が小さいリッチ領域では高位飽和値に漸近する、いわゆるZ特性曲線を描く。
また、本実施形態の内燃機関には、外部EGR装置2が付帯している。EGR装置2は、いわゆる高圧ループEGRを実現するものであり、排気通路4における触媒41の上流側と吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流側とを連通するEGR通路21と、EGR通路21上に設けたEGRクーラ22と、EGR通路21を開閉し当該EGR通路21を流れるEGRガスの流量を制御するEGRバルブ23とを要素とする。EGR通路21の入口は、排気通路4における排気マニホルド42またはその下流の所定箇所に接続している。EGR通路21の出口は、吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流の所定箇所、具体的にはサージタンク33に接続している。
内燃機関の運転制御を司るECU(Electronic Control Unit)0は、プロセッサ、メモリ、入力インタフェース、出力インタフェース等を有したマイクロコンピュータシステムである。
入力インタフェースには、車両の実車速を検出する車速センサから出力される車速信号a、クランクシャフトの回転角度及びエンジン回転数を検出するエンジン回転センサから出力されるクランク角信号b、アクセルペダルの踏込量またはスロットルバルブ32の開度をアクセル開度(いわば、要求負荷)として検出するセンサから出力されるアクセル開度信号c、吸気通路3(特に、サージタンク33)内の吸気温を検出する温度センサから出力される吸気温信号d、吸気通路3(サージタンク33)内の吸気圧を検出する圧力センサから出力される吸気圧信号e、内燃機関の冷却水温を検出する水温センサから出力される冷却水温信号f、吸気カムシャフトまたは排気カムシャフトの複数のカム角にてカム角センサから出力されるカム角信号g、燃焼室内での混合気の燃焼に伴って生じるイオン電流を検出する回路から出力されるイオン電流信号h等が入力される。
出力インタフェースからは、点火プラグ12のイグナイタに対して点火信号i、インジェクタ11に対して燃料噴射(開弁)信号j、スロットルバルブ32に対して開度操作信号k、EGRバルブ23に対して開度操作信号l、噴霧装置35に対して冷却材噴射(開弁)信号m等を出力する。
ECU0のプロセッサは、予めメモリに格納されているプログラムを解釈、実行し、運転パラメータを演算して内燃機関の運転を制御する。ECU0は、内燃機関の運転制御に必要な各種情報a、b、c、d、e、f、g、hを入力インタフェースを介して取得し、要求される燃料噴射量、燃料噴射タイミング(一度の燃焼に対する燃料噴射の回数を含む)、燃料噴射圧、点火タイミング、要求EGR率、冷却材の噴霧の要否等といった運転パラメータを決定する。ECU0は、運転パラメータに対応した各種制御信号i、j、k、l、mを出力インタフェースを介して印加する。
また、ECU0は、イオン電流を検出するための回路を介して取得されるイオン電流信号hを参照し、気筒1におけるノッキングの有無を判定することができる。
イオン電流信号hを参照したノック判定に関して述べる。図4に、気筒1での膨張行程中にノッキングが起こったときの、イオン電流の推移を例示する。ノッキングが起こる際、気筒1の燃焼室内では燃焼速度の速い、激しい燃焼が生じている。それ故、図3に示した正常燃焼の場合と比較して、イオン電流が早期にピークを迎え、その後速やかに減衰する。そして、イオン電流信号hのピーク後の波形に、ノッキングに起因して発生する振動Sが重畳される。
イオン電流信号hには、ノイズが混入することがある。ノイズの典型は、各種補機の稼働/非稼働を切り替えるために操作されるリレースイッチのON/OFF時に、イオン電流検出用回路に誘起されるスパイクノイズNである。
ノッキングの有無を判定するにあたり、ECU0は、点火後の燃焼期間に点火プラグ12の電極を流れるイオン電流を、イオン電流検出用の回路を介してサンプリングする。さらに、サンプリングしたイオン電流信号hを、ノッキングに起因して発生する信号Sが持つ周波数成分を通過させるバンドパスフィルタに入力し、当該信号Sの成分を抽出する。フィルタは、ノッキングに起因した信号S以外の成分を低減させるためのフィルタであって、例えば7kHzないし11.5kHzの周波数成分を通過させる。
しかして、フィルタ処理した信号hを時間積分、即ちサンプリング値の時系列を積算し、得られた積分値を所定のノック判定値と比較する。積分値がノック判定値を上回ったならは、当該気筒1にてノッキングが起こったものと判定する。逆に、積分値がノック判定値以下であるならば、当該気筒1にてノッキングは起こらなかったものと判定する。ノック判定値は、ECU0のメモリに記憶保持している。
イオン電流検出回路は、各気筒1に装着されている各点火プラグ12に流れるイオン電流をそれぞれ検出可能である。つまり、気筒1毎に個別にイオン電流信号hを取得することができ、気筒1毎に個別にノッキングの有無の判定を行うことができる。
ECU0は、内燃機関の運転領域[エンジン回転数,負荷(アクセル開度、吸気圧、気筒1に充填される吸気量または燃料噴射量)]に応じて、ベース点火タイミングを設定する。ベース点火タイミングは、各運転領域において、気筒1でノッキングが起こらない限界付近まで進角させたタイミングに定められる。ノッキングの起こりにくい運転領域では、ベース点火タイミングはMBT点に一致する。ノッキングの起こりやすい運転領域では、ベース点火タイミングはMBT点よりも遅角したタイミングとなる。
ECU0のメモリには予め、内燃機関の運転領域とベース点火タイミングとの関係を規定したマップデータが格納されている。このマップデータは、適合試験等を通じて決定されたものであってもよいし、内燃機関の運転中にオンラインで学習されたものであってもよい。ECUは、現在の内燃機関の運転領域をキーとして当該マップを検索し、当該運転領域に対応したベース点火タイミングを知得する。
そして、そのベース点火タイミングに、現在の内燃機関の冷却水温やサージタンク33内の吸気温等に応じた補正を加味する。具体的には、冷却水温や吸気温が高いほど、ベース点火タイミングを遅角化する。これは、冷却水温や吸気温が高いほど気筒1においてノッキングが起こりやすいと考えられることによる。但し、ベース点火タイミングに補正を加えることは必須ではない。
さらに、ECU0は、イオン電流信号hを参照して各気筒1毎にノッキングの発生を感知し、ノッキングの有無に基づいて、各気筒1毎に個別に点火タイミングの遅角補正を行う。即ち、各気筒1毎に、ノッキングが起こらなくなるまで当該気筒1についての遅角補正量を(当該気筒1の膨張行程が訪れる都度、所定の増分ずつ)増加させるとともに、ノッキングが起こらない限りにおいてその遅角補正量を(当該気筒1の膨張行程が訪れる都度、所定の減分ずつ)減少させる。結果、各気筒1において混合気に点火するタイミングは、ベース点火タイミングに上記の遅角補正量を加味したタイミングとなる。
並びに、本実施形態のECU0は、何れかの気筒1においてノッキングが発生したことを感知したとき、少なくともノッキングを引き起こした気筒1に吸引される吸気に、噴霧装置35から冷却材を噴霧する制御を実施する。この冷却材は、当該気筒1に吸引される吸気の比熱比を下げ、同気筒1の圧縮上死点近傍のタイミングにおける燃焼室内温度を低下させて、以てノッキングの再発を抑止する働きをする。
既に述べた通り、本実施形態では、噴霧装置35をサージタンク33に設置している。この噴霧装置35は、全気筒1で共用されるものである。ある気筒1に吸引される吸気に冷却材を含ませるためには、当該気筒1に吸気とともに吸引されるようなタイミング、即ち当該気筒1の吸気バルブが開弁する直前のタイミングで、ECU0から噴霧装置35に開弁信号mを入力して冷却材を噴霧させる必要がある。
噴霧装置35から噴霧する冷却材の量は、内燃機関に対する要求負荷(アクセル開度)が高いほど増加させることが好ましい。気筒1に吸引される吸気に含まれる冷却材の量が多いほど、当該気筒1がノッキングを引き起こすリスクが低減し、その分だけ当該気筒1における点火タイミングの遅角補正量を減少させることが可能となるためである。点火タイミングの遅角補正量が減少、つまりは点火タイミングがより進角すれば、熱機械変換効率が向上して内燃機関の出力するエンジントルクが増大し、高い要求負荷に応えることができる。
また、全負荷領域(アクセル開度が全開)またはこれに近い運転領域では、排気通路4上の触媒41に流入するガスの温度及び流量が増大し、触媒41が顕著に昇温して溶損を招くおそれがある。だが、噴霧装置35から噴霧する冷却材の量を増加させれば、触媒41に流入するガスの温度を引き下げることができ、触媒41を高熱による損傷から防護することが可能となる。
本実施形態では、気筒1に向かう吸気が流通する吸気通路3内に燃料以外の冷却材を噴霧する噴霧装置35を設置しており、何れかの気筒1においてノッキングが発生したときに、少なくとも当該気筒1に吸気とともに吸引されるようなタイミングで前記噴霧装置35から冷却材を噴霧する内燃機関を構成した。
本実施形態によれば、当該気筒1におけるノッキングの再発のリスクを低減することができるため、冷却材を噴霧しない場合と比較して当該気筒1における点火タイミングの遅角量を減少させることが可能となる。そして、点火タイミングの遅角量を減少させることで、内燃機関の燃費性能の向上及び出力トルクの増大が実現される。
噴霧装置35から冷却材を噴霧するのは、何れかの気筒1にてノッキングが発生したときに限っているので、有限の冷却材を効率的に用いることができ、多量の冷却材を確保してタンクに蓄えておく必要がない。
噴霧装置35をサージタンク33に設けることは、気筒1に充填される吸気と冷却材とをよく混交するために有利である。
加えて、当該内燃機関に対する要求負荷が高いほど、前記噴霧装置35から噴霧する冷却材の量を増加させて前記気筒1における点火タイミングの遅角量を減少させるようにしているので、高要求負荷に対して十分なエンジントルクを提供でき、ドライバビリティの向上に奏効する。しかも、高温による触媒41の溶損を防止する目的で燃料噴射量を徒に増量せずに済むようになり、燃費性能がより一層良化するだけでなく、空燃比のリッチ化に起因するエミッションの悪化も避けられる。
なお、本発明は以上に詳述した実施形態には限られない。例えば、噴霧装置35から噴霧する冷却剤の量は、気筒1において発生したノッキングの強度が大きいほど多くすることが考えられる。ノッキングの強度は、フィルタ処理したイオン電流信号hの時間積分値の大きさから把握することが可能である。言うまでもなく、当該積分値が大きいほど、強いノッキングが発生したと考えられる。噴霧する冷却材の量は、噴霧時の噴霧装置35の開弁時間及び/または弁開度を操作することを通じて増減調整できる。
ノッキングを起こしていない気筒1に吸引される吸気に対しては、必ずしも冷却材を噴霧する必要はない。だが、ある気筒1でノッキングが発生したということは、他の気筒でもノッキングが発生する蓋然性が高い。そこで、ノッキングを起こしていない気筒1に吸引される吸気にも、冷却材を噴霧してよい。この場合、ノッキングを起こしていない気筒1に吸引される吸気に噴霧する冷却材の量は、ノッキングを起こした気筒1に吸引される吸気に噴霧する冷却材の量よりも少なくする。
上記実施形態では、サージタンク33に一個の噴霧装置35を設置し、複数の気筒1に対してこれを共用するものとしていたが、各気筒1毎に個別の噴霧装置35を吸気マニホルド35に設置しても構わない。気筒1と同数の噴霧装置35を設置する分コストが上昇するが、狙いの気筒(例えば、現にノッキングを起こした気筒)1に吸引される吸気にだけ冷却材を含ませたいような場合において、噴霧装置35から冷却材を噴霧するタイミング、即ち噴霧装置35の開弁タイミングの制御が容易となる利点がある。
噴霧装置35から噴霧する冷却材は、水には限定されない。
各気筒1におけるノッキングの有無を判定する手法は、イオン電流信号hを参照したものには限定されない。例えば、各気筒1毎の筒内圧を検出する圧力センサが実装された内燃機関にあっては、イオン電流信号hに代えて、筒内圧センサを介して計測される筒内圧の推移(特に、膨張行程における筒内圧の極大値やその極大値の出現する時期)を参照してノック判定を実行することができる。
あるいは、気筒1の筒内温度(燃焼温度)を検出する筒内温度センサが実装された内燃機関にあっては、イオン電流信号hに代えて、筒内温度センサを介して計測される筒内温度の推移(特に、膨張行程における筒内温度の極大値やその極大値の出現する時期)を参照してノック判定を実行することができる。
複数の気筒1を包有するシリンダブロックに取り付けられ、各気筒1の膨張行程中の燃焼やノッキングに起因して発生するシリンダブロックの信号を検出する振動式のノックセンサが実装された内燃機関にあっては、そのノックセンサが出力する振動の信号を参照してノック判定を実行することができる。
その他各部の具体的構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明は、車両等に搭載される内燃機関の制御に適用することができる。
0…制御装置(ECU)
1…気筒
12…点火プラグ
3…吸気通路
35…噴霧装置
h…イオン電流信号

Claims (2)

  1. 気筒に向かう吸気が流通する吸気通路内に燃料以外の冷却材を噴霧する噴霧装置を設置しており、
    何れかの気筒においてノッキングが発生したときに、少なくとも当該気筒に吸気とともに吸引されるようなタイミングで前記噴霧装置から冷却材を噴霧することにより、冷却材を噴霧しない場合と比較して当該気筒における点火タイミングの遅角量を減少させることができる内燃機関。
  2. 当該内燃機関に対する要求負荷が高いほど、前記噴霧装置から噴霧する冷却材の量を増加させて前記気筒における点火タイミングの遅角量を減少させる請求項1記載の内燃機関。
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