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JP2015072867A - リチウムイオン二次電池の製造方法 - Google Patents

リチウムイオン二次電池の製造方法 Download PDF

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JP2015072867A
JP2015072867A JP2013209049A JP2013209049A JP2015072867A JP 2015072867 A JP2015072867 A JP 2015072867A JP 2013209049 A JP2013209049 A JP 2013209049A JP 2013209049 A JP2013209049 A JP 2013209049A JP 2015072867 A JP2015072867 A JP 2015072867A
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ion secondary
secondary battery
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JP2013209049A
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貴史 三竿
Takashi Misao
貴史 三竿
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Asahi Kasei Corp
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Abstract

【課題】高電圧で作動する正極活物質を含有する正極を備える場合でも、高いサイクル寿命を有するリチウムイオン二次電池の製造方法の提供。
【解決手段】リチウムイオン二次電池の製造方法は、リン、ホウ素を有するプロトン酸、スルホン酸、カルボン酸から選ばれるオキソ酸の水素原子を下記式(1)で表される置換基で置換した化合物(A)を含む電解液と、4.4V(vsLi/Li+)以上の電位で10mAh/g以上の放電容量を有する正極と、負極と、をケースに収容し、当該ケースを仮封止する工程と、前記仮封止工程後のフォーメーション工程と、前記フォーメーション工程の後に行われるガス抜き工程と、を含む。

(式(1)中、R1,R2,R3はそれぞれ独立に、炭素数1から10の有機基を示す。)
【選択図】図1

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池の製造方法に関する。
近年の電子技術の発展や環境技術への関心の高まりに伴い、様々な電気化学デバイスが用いられている。特に、省エネルギー化への要請が高まるにつれ、それに貢献できる電気化学デバイスへの期待はますます高くなっている。蓄電デバイスの代表例であるリチウムイオン二次電池は、従来、主として携帯機器用充電池として使用されていたが、近年ではハイブリッド自動車及び電気自動車用電池としての使用も期待されている。
そのような流れの中で、リチウムイオン二次電池にはより一層高いエネルギー密度が求められており、その高エネルギー密度を達成するため、電池の高電圧化も検討されている。電池の高電圧化を達成するためには高電圧で作動する正極を用いる必要があり、具体的には、4.4V(vsLi/Li+)以上で作動する種々の正極活物質が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
従来の4V前後の電圧で作動するリチウムイオン二次電池では、カーボネート系溶媒を主成分とした非水溶媒に、リチウム塩を溶解した非水電解液が広く用いられている(例えば、特許文献2参照)。このようなカーボネート系溶媒を含む電解液は、4V前後の電圧下では、耐酸化性と耐還元性とのバランスに優れると共にリチウムイオンの伝導性に優れている。
また、様々な蓄電素子の製造方法が提案されているが、製造過程において収容ケース内に発生したガスを、ガス抜き工程により、収容ケースの外部に排出する蓄電素子の製造方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特表2000−515672号公報 特開平7−006786号公報 特開2007−141774号公報
ところが、4.4V(vsLi/Li+)以上の高い電圧で作動する正極活物質を含有する正極を備えた高電圧のリチウムイオン二次電池においては、上記電解液に含まれるカーボネート系溶媒が正極表面にて酸化分解し、電池のサイクル寿命が低下するという問題が生ずる。また、特許文献3ではコンディショニング工程あるいはエージング工程後にガス抜き工程を実施するが、4.4V(vsLi/Li+)以上で作動する正極活物質を含有する正極を備えた高電圧のリチウムイオン二次電池については言及されておらず、正極表面にて起こる酸化分解に対する対応策は不明である。上記酸化分解によるサイクル寿命の低下に対する解決策は示されておらず、上記高電圧のリチウムイオン二次電池のサイクル寿命を向上させる電解液及びそれを備えたリチウムイオン二次電池が望まれている。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、4.4V(vsLi/Li+)以上で作動する正極活物質を含有する正極を備える場合でも、高いサイクル寿命を有するリチウムイオン二次電池の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、非水溶媒と、特定の構造を有するケイ素含有リン酸化合物を含有する電解液を用いて電池を作製し、ある条件を満たす充電後にガス抜きを行うことで、高いサイクル寿命を有するリチウムイオン二次電池を達成することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記のとおりである。
[1]
正極活物質を含有する正極と、
負極活物質を含有する負極と、
非水溶媒及びリチウム塩を含有する電解液と、
を備えるリチウムイオン二次電池の製造方法であって、
前記電解液であって、リン原子及び/又はホウ素原子を有するプロトン酸、スルホン酸、カルボン酸から選ばれるオキソ酸の水素原子の少なくとも1つを下記式(1)で表される置換基で置換した化合物(A)を含む電解液と、前記正極であって、4.4V(vsLi/Li+)以上の電位で10mAh/g以上の放電容量を有する正極と、前記負極と、を収容ケースに収容し、当該収容ケースを仮封止する工程と、
(式(1)中、R1,R2,R3はそれぞれ独立に、炭素数1から10の有機基を示す。)
前記仮封止工程の後に行われる、フォーメーション工程と、
前記フォーメーション工程の後に行われるガス抜き工程と、
を含む、リチウムイオン二次電池の製造方法。
[2]
前記化合物(A)の含有量が、前記電解液に対して0.01質量%以上10質量%以下である、[1]に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法。
[3]
前記化合物(A)が、下記式(2)で表される化合物を含む、[1]に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法。
(式(2)中、nは0又は1の整数を示し、R4,R5はそれぞれ独立に、OH基、OLi基、置換されてもよい炭素数1以上10以下のアルキル基、置換されてもよい1以上10以下のアルコキシ基、炭素数3以上10以下のシロキシ基を示す。)
[4]
前記式(2)で表される化合物が、リン酸トリス(トリメチルシリル)を含む[1]又は[2]に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法。
[5]
前記エージング工程が、0.3C以下の電流値で満充電容量の50%以上充電し、その後、35℃以上60℃以下で5日以上10日以下の間保存する工程である、[1]に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法。
[6]
前記ガス抜き工程が、開封した封口部を通して収納空間を真空引きにより−100kPa以上−30kPa以下に減圧し、開口部を封口する工程である、[1]に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法。
[7]
前記正極活物質が、下記一般式(1):
LiMn2-xMax4 (1)
(式中、Maは遷移金属からなる群より選ばれる1種以上を示し、0.2≦x≦0.7である。)
で表される化合物、下記一般式(6):
LiMO2 (6)
(式中Mは遷移金属、Alから選ばれる1種以上を示す。)
で表される化合物、下記一般式(2A):
Li2McO3 (2A)
(式中、Mcは遷移金属からなる群より選ばれる1種以上を示す。)
で表される酸化物と、下記一般式(2B):
LiMdO2 (2B)
(式中、Mdは遷移金属からなる群より選ばれる1種以上を示す。)
で表される酸化物との複合酸化物であって、下記一般式(2):
zLi2McO3−(1−z)LiMdO2 (2)
(式中、Mc及びMdは、それぞれ前記一般式(2A)及び(2B)におけるMc及びMdと同義であり、0.1≦z≦0.9である。)
で表される化合物、下記一般式(3):
LiMb1-yFeyPO4 (3)
(式中、Mbは、Mn及びCoからなる群より選ばれる1種以上を示し、0≦y≦0.9である。)
で表される化合物及び下記一般式(4):
Li2MePO4F (4)
(式中、Meは遷移金属からなる群より選ばれる1種以上を示す。)
で表される化合物からなる群より選ばれる1種以上を含む、[1]〜[3]のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池の製造方法。
本発明に係るリチウムイオン二次電池の製造方法によれば、高電圧でも作動でき、かつ、高いサイクル寿命を有するリチウムイオン二次電池を製造することができる。
本実施形態におけるリチウムイオン二次電池の一例を概略的に示す断面図である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。なお、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
本実施形態のリチウムイオン二次電池の製造方法は、正極活物質を含有する正極と、負極活物質を含有する負極と、非水溶媒及びリチウム塩を含有する電解液と、を備えるリチウムイオン二次電池の製造方法である。さらに、本実施形態のリチウムイオン二次電池の製造方法は、前記電解液であって、リン原子、ホウ素原子を有するプロトン酸、スルホン酸、カルボン酸から選ばれるオキソ酸の水素原子の少なくとも1つを下記式(1)で表される置換基で置換した化合物(A)を含む電解液と、前記正極であって、4.4V(vsLi/Li+)以上の電位で10mAh/g以上の放電容量を有する正極と、前記負極と、を収容ケースに収容し、当該収容ケースを仮封止する工程と、
(式(1)中、R1,R2,R3はそれぞれ独立に、炭素数1から10の有機基を示す。)前記仮封止工程の後に行われる、フォーメーション工程と、前記フォーメーション工程の後に行われるガス抜き工程と、を含む。このように構成されているため、本実施形態のリチウムイオン二次電池の製造方法によれば、高電圧でも作動でき、かつ、高いサイクル寿命を有するリチウムイオン二次電池を製造することができる。
本実施形態において、リチウムイオン二次電池(以下、単に「電池」ともいう。)は、正極活物質を含有する正極と、負極活物質を含有する負極と、非水溶媒とリチウム塩を含有する電解液と、を備える。以下、本実施形態のリチウムイオン二次電池の製造方法に用いられる上記の各材料について詳細に説明する。
本実施形態における電解液に用いられる非水溶媒としては、特に限定されず、様々なものを用いることができるが、例えば、非プロトン性極性溶媒が好ましい。その具体例としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、2,3−ブチレンカーボネート、1,2−ペンチレンカーボネート、2,3−ペンチレンカーボネート、トリフルオロメチルエチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート及び4,5−ジフルオロエチレンカーボネートになどの環状カーボネート;γーブチロラクトン及びγーバレロラクトンなどのラクトン;スルホランなどの環状スルホン;テトラヒドロフラン及びジオキサンなどの環状エーテル;エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルブチルカーボネート、ジブチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート及びメチルトリフルオロエチルカーボネートなどの鎖状カーボネート;アセトニトリルなどのニトリル;ジメチルエーテルなどの鎖状エーテル;プロピオン酸メチルなどの鎖状カルボン酸エステル;ジメトキシエタンなどの鎖状エーテルカーボネート化合物が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本実施形態における非水溶媒としては、イオン伝導性の観点から、環状カーボネート、鎖状カーボネートなどのカーボネート系溶媒を用いることがより好ましい。また、カーボネート系溶媒として、環状カーボネートと鎖状カーボネートを組合せて用いることがさらに好ましい。環状カーボネートとしては、特に限定されず様々なものを用いることができるが、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネートが好ましく、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートがより好ましい。鎖状カーボネートとしては、特に限定されず様々なものを用いることができるが、例えば、エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートが好ましい。
本実施形態におけるカーボネート系溶媒として、環状カーボネートと鎖状カーボネートを組合せて含む場合、環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合比は、イオン伝導性の観点から、体積比で1:10〜5:1であることが好ましく、1:5〜3:1であることがより好ましい。
本実施形態におけるカーボネート系溶媒を用いる場合、電池物性改善の観点から、必要に応じて、アセトニトリル、スルホラン等の別の非水溶媒をさらに添加することができる。
本実施形態における電解液は、リチウム塩を含有する。上記リチウム塩の電解液含有量は、イオン伝導性の観点から、好ましくは1質量%以上であり、低温での溶解性の観点から、好ましくは40質量%以下である。リチウム塩の含有量は、より好ましくは5質量%以上35質量%以下であり、更に好ましくは7質量%以上30質量%以下である。なお、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池中に含まれる電解液中のリチウム塩の含有量は、当該リチウム塩に含まれる元素に基づき、例えば、19F−NMR、31P−NMRなどのNMR測定を行うことにより確認することができる。
本実施形態におけるリチウム塩の構造としては、特に限定されないが、イオン伝導性の観点から、好ましくは、LiPF6、LiClO4、LiAsF6、Li2SiF6、LiOSO2k2k+1(kは1〜8の整数)、LiN(SO2k2k+12[kは1〜8の整数]、LiPFn(Ck2k+16-n[nは1〜5の整数、kは1〜8の整数]、LiPF4(C222、LiPF2(C222であり、より好ましくは、LiPF6である。これらの電解質は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本実施形態における電解液は、リン原子及び/又はホウ素原子を有するプロトン酸、スルホン酸、カルボン酸から選ばれるオキソ酸の水素原子の少なくとも1つを下記式(3)で表される構造で置換した化合物(A)を含有する。
(式(3)中、R1、R2、R3はそれぞれ独立に、炭素数1から10の有機基を示す。)
本実施形態における電解液において、リン原子を有するプロトン酸とは、分子内にリン原子を有し、かつ、プロトンとして解離しうる水素原子を有する化合物であればよく、分子内にフッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子や、アルコキシ基、アルキル基等の有機基をはじめ、Si、B、O、N、等の異種原子を含有していてもよい。また、ポリリン酸のように分子内にリン原子を複数個含有していてもよい。リン原子を有するプロトン酸として、リン酸、亜リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、ホスホン酸が好ましく挙げられる。この中でも化合物(A)の安定性の観点から、より好ましくは、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸である。これらのプロトン酸は置換されていてもよい。
本実施形態における電解液において、ホウ素原子を有するプロトン酸とは、分子内にホウ素原子を有し、かつ、プロトンとして解離しうる水素原子を有する化合物であればよく、分子内にフッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子や、アルコキシ基、アルキル基等の有機基をはじめ、Si、P、O、N、等の異種原子を含有していてもよい。また、分子内にホウ素原子を複数個含有していてもよい。ホウ素原子を有するプロトン酸としては、ホウ酸、ボロン酸、ボリン酸が好ましく挙げられる、これらのプロトン酸は置換されていてもよい。
本実施形態における電解液において、スルホン酸とは、分子内に−SO3H基(スルホン酸基)を有する化合物であり、分子内に複数個のスルホン酸基を有していてもよい。また、本実施形態においては、硫酸(HOSO3H)を含むものとすることができる。特に限定されないが、一例としては、メチルスルホン酸、エチルスルホン酸、プロピルスルホン酸、1,2エタンジスルホン酸、トリフルオロメチルスルホン酸、フェニルスルホン酸、ベンジルスルホン酸、硫酸などを好ましく挙げることができる。
本実施形態における電解液において、カルボン酸とは、分子内にCO2H基(カルボン酸基)を有する化合物であり、分子内に複数個のカルボン酸基を有していてもよい。カルボン酸としては、特に限定されないが、例えば,酢酸,トリフルオロ酢酸,プロピオン酸,酪酸,吉草酸,アクリル酸,メタクリル酸,オレイン酸,リノール酸,リノレン酸,安息香酸,フタル酸,イソフタル酸,テレフタル酸,サリチル酸,マロン酸,フマル酸,コハク酸,グルタル酸,アジピン酸,イタコン酸などをあげることができる。電池性能向上の観点から、好ましくは安息香酸,フタル酸,イソフタル酸,テレフタル酸,サリチル酸,マロン酸,フマル酸,コハク酸,グルタル酸,アジピン酸,イタコン酸などのジカルボン酸であり,更に好ましくはアジピン酸,イタコン酸,コハク酸,イソフタル酸、テレフタル酸である。
本実施形態における電解液は、上記オキソ酸の水素原子の少なくとも1つを式(3)で表される構造で置換した化合物(A)を含有する。ここで、式(3)で表される構造において、R1、R2、R3はそれぞれ独立に、炭素数1から10の有機基(炭化水素基)を示すが、炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基のみならず、フェニル基などの芳香族炭化水素基も含まれる。また、炭化水素基中の水素原子がすべてフッ素原子に置換されたトリフルオロメチル基などのフッ素置換炭化水素基も含まれる。また、必要に応じて、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子や、ニトリル基(−CN)、エーテル基(−O−)、カーボネート基(−OCO2−)、エステル基(−CO2−)、カルボニル基(−CO−)スルフィド基(−S−)、スルホキシド基(−SO−)、スルホン基(−SO2−)、ウレタン基(−NHCO2−)といった官能基を導入することができる。
本実施形態におけるR1、R2、R3の好ましい例としては、メチル基、エチル基、ビニル基、1−メチルビニル基、プロピル基、ブチル基、フルオロメチル基などの脂肪族炭化水素基;ベンジル基、フェニル基、ニトリル置換フェニル基、フルオロ化フェニル基などの芳香族炭化水素基が挙げられる。上記の中でも、化学的安定性の観点から、メチル基、エチル基、ビニル基、1−メチルビニル基、フルオロメチル基がより好ましい。また,2つのRが結合して環を形成していてもよい。特に限定されないが、環を形成するためには,例えば、置換されている又は無置換の飽和又は不飽和のアルキレン基で置換される例が挙げられる。
本実施形態におけるR1、R2、R3は、それぞれ独立に、炭素数1から10の有機基(炭化水素基)を示すが、非水溶媒との混和性の観点から、R1、R2、R3の炭素数は好ましくは、炭素数1以上8以下であり、より好ましくは炭素数1以上6以下である。
リチウムイオン二次電池中での化学的耐久性の観点から、式(3)で表される構造としては、−Si(CH33、−Si(C253、−Si(CHCH23、−Si(CH2CHCH23、−Si(CF33であることがより好ましく、−Si(CH33であることが最も好ましい。
本実施形態における電解液において、オキソ酸の水素原子の少なくとも1つを式(3)で表される構造で置換した化合物(A)を含有することを特徴とする。ここで、オキソ酸が水素原子を複数個有している場合には、少なくとも1つの水素原子が式(3)で表される構造で置換されていればよい。また、式(3)で置換されていない残りの水素原子は、そのまま存在していてもよく、式(3)で表される構造以外の官能基で置換されていてもよい。そのような官能基としては例えば,ハロゲン置換又は無置換の飽和又は不飽和の炭素数1〜20の炭化水素基を好ましく挙げることができる。ハロゲン置換又は無置換の飽和又は不飽和の炭化水素基としては、特に限定されないが、例えば,アルキル基,アルケニル基,アルキニル基,アリル基,ビニル基,を挙げることができる。また,2つの水素原子の置換基が結合して環を形成していてもよい。特に限定されないが、環を形成するためには,例えば置換又は無置換の飽和又は不飽和のアルキレン基で置換される例が挙げられる。
本実施形態における電解液に関し、オキソ酸の水素原子の少なくとも1つを式(3)で表される構造で置換した化合物(A)として、下記式(4)及び/又は下記式(5)で表される化合物であることが好ましい。
(式(4)中、MはP原子又はB原子を示す。MがB原子のときnは0であり、MがP原子のときnは0又は1の整数を示す。R1、R2、R3はそれぞれ独立に、炭素数1から10の有機基を示す。R4、R5はそれぞれ独立に、OH基、OLi基、置換されてもよい炭素数1から10のアルキル基、置換されてもよい炭素数1から10のアルコキシ基、炭素数3から10のシロキシ基を示す。)
(式(5)中、R1、R2、R3はそれぞれ独立に、炭素数1から10の有機基を示す。R6は置換されていてもよい炭素数1から20の有機基を示す。)
上記のとおり、式(4)で表される化合物(A)において、MはP原子もしくはB原子を示し、MがB原子のときnは0であり、MがP原子のときnは0又は1の整数を示す。すなわち、式(4)において、MがB原子でnが0のとき、化合物(A)は、ホウ酸構造となり、MがP原子でnが0のとき、化合物(A)は亜リン酸構造となり、MがP原子でnが1のとき化合物(A)はリン酸構造となる。化合物(A)を含有する電解液の安定性の観点から、MがP原子となる下記式(6)の構造がより好ましい。
(式(6)中、R1、R2、R3はそれぞれ独立に、炭素数1から10の有機基を示す。R4、R5はそれぞれ独立に、OH基、OLi基、置換されてもよい炭素数1から10のアルキル基、置換されてもよい炭素数1から10のアルコキシ基、炭素数3から10のシロキシ基を示す。)
式(4)で表される化合物(A)に関し、上記アルキル基としては、炭素原子が直接M原子に結合した構造を示すものであり、特に限定されないが、当該アルキル基は脂肪族のみならず、フェニル基やベンジル基などの芳香環を有する構造であってもよい。また、また、上記アルキル基中の水素原子がすべてフッ素原子に置換されたトリフルオロメチル基などのフッ素置換炭化水素基も含まれる。上記アルキル基は、種々の官能基で置換されていてもよく、必要に応じて、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子や、ニトリル基(−CN)、エーテル基(−O−)、カーボネート基(−OCO2−)、エステル基(−CO2−)、カルボニル基(−CO−)スルフィド基(−S−)、スルホキシド基(−SO−)、スルホン基(−SO2−)、ウレタン基(−NHCO2−)といった官能基を導入することができる。
式(4)中のR4、R5のアルキル基としての好ましい例は、メチル基、エチル基、ビニル基、アリル基(allyl)、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、フルオロヘキシル基などの脂肪族アルキル基、ベンジル基、フェニル基、ニトリル置換フェニル基、フルオロ化フェニル基などの芳香族アルキル基が挙げられる。中でも、化学的安定性の観点から、メチル基、エチル基、アリル基(allyl)、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、フルオロヘキシル基がより好ましい。アルキル基の炭素数は1から10であり、電池性能向上の観点から1以上であり、電解液との親和性の観点から10以下である。アルキル基の炭素数は好ましくは2以上10以下、より好ましくは3以上8以下である。
式(4)で表される化合物(A)に関し、上記アルコキシ基としては、炭素原子が酸素原子を介してM原子に結合した構造を示すものであり、特に限定されないが、当該アルコキシ基は脂肪族のみならず、フェノキシ基、ベンジルアルコキシ基などの芳香環を有する構造であってもよい。また、上記アルコキシ基中の水素原子がフッ素置換されたトリフルオロエチル基やヘキサフルオロイソプロピル基などのフッ素置換アルコキシ基も含まれる。上記アルコキシ基は、種々の官能基で置換されていてもよく、必要に応じて、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子や、ニトリル基(−CN)、エーテル基(−O−)、カーボネート基(−OCO2−)、エステル基(−CO2−)、カルボニル基(−CO−)スルフィド基(−S−)、スルホキシド基(−SO−)、スルホン基(−SO2−)、ウレタン基(−NHCO2−)といった官能基を導入することができる。
式(4)中のR4、R5のアルコキシ基としての好ましい例は、メトキシ基、エトキシ基、ビニロキシ基、アリロキシ基(allyloxy)、プロポキシ基、ブトキシ基、シアノヒドロキシ基、フルオロエトキシ基、フルオロプロポキシ基などの脂肪族アルコキシ基、フェノキシ基、ベンジルアルコキシ基、ニトリル置換フェノキシ基、フルオロ化フェノキシ基などの芳香族アルコキシ基が挙げられる。中でも化学的安定性の観点から、メトキシ基、エトキシ基、ビニロキシ基、アリロキシ基(allyloxy)、プロポキシ基、ブトキシ基、シアノヒドロキシ基、フルオロエトキシ基、フルオロプロポキシ基がより好ましい。アルコキシ基の炭素数は1から10であり、電池性能向上の観点から1以上であり、電解液との親和性の観点から10以下である。アルコキシ基の炭素数は好ましくは1以上8以下、より好ましくは2以上8以下である。
式(4)で表される化合物(A)に関し、上記シロキシ基としては、ケイ素原子が酸素原子を介してM原子に結合した構造を示すものであり、特に限定されないが、当該シロキシ基はSi−O−Si−といったシロキサン構造を含んでいてもよい。上記シロキシ基としては、化学的安定性の観点から、トリメチルシロキシ基、トリエチルシロキシ基、ジメチルエチルシロキシ基、ジエチルメチルシロキシ基などが好ましく挙げられる。より好ましくは、トリメチルシロキシ基である。上記シロキシ基の炭素数は3から10であり、電池性能向上の観点から1以上であり、化学的安定性の観点から10以下である。上記シロキシ基の炭素数は好ましくは3以上8以下、より好ましくは3以上6以下である。また、上記シロキシ基中のケイ素数は特に制限されないが、化学的安定性、電池性能向上の観点から、当該シロキシ基中のケイ素原子数は1以上4以下が好ましく、より好ましくは1以上3以下、特に好ましくは1以上2以下、最も好ましくは1である。
式(4)で表される化合物(A)において、R4、R5はそれぞれ独立に、ヒドロキシル基、置換されてもよい炭素数1から10のアルキル基、置換されてもよい炭素数1から10のアルコキシ基、炭素数3から10のシロキシ基を示すが、電解液への溶解性の観点から、好ましくは、置換されてもよい炭素数1から10のアルキル基、置換されてもよい炭素数1から10のアルコキシ基、炭素数3から10のシロキシ基である。また、R4、R5の少なくともいずれか1つに、置換されてもよい炭素数1から10のアルコキシ基、炭素数3から10のシロキシ基から選ばれる官能基を有していることがより好ましい。
式(4)で表される化合物(A)において、R1、R2、R3はそれぞれ独立に、炭素数1から10の炭化水素基を示すが、R1、R2、R3の好ましい構造は、前述した式(3)で表される構造におけるR1、R2、R3の好ましい構造と同じである。
式(5)で表される化合物(A)において、R6は置換されていてもよい炭素数1から20の炭化水素基を示すが、当該炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基のみならず、フェニル基などの芳香族炭化水素基も含まれる。また、炭化水素基中の水素原子がすべてフッ素原子に置換されたトリフルオロメチル基などのフッ素置換炭化水素基も含まれる。また、必要に応じて、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子や、ニトリル基(−CN)、エーテル基(−O−)、カーボネート基(−OCO2−)、エステル基(−CO2−)、カルボニル基(−CO−)スルフィド基(−S−)、スルホキシド基(−SO−)、スルホン基(−SO2−)、ウレタン基(−NHCO2−)といった官能基を導入することができる。ここで、R6の炭素数は、1から20であるが、非水溶媒との混和性の観点から、好ましくは、1以上16以下、より好ましくは1以上14以下である。
また、上記R6は、下記式(7)で示すような構造を好適にとることができる。この場合、化合物(A)の基本骨格は、ジカルボン酸誘導体構造となる。
(式(7)中、R7は置換されていてもよい炭素数1から13の炭化水素基を示し、R8は、置換されていてもよい炭素数1から6の炭化水素基、又は置換されもよい炭素数3から6のトリアルキルシリル基を示す。)
式(7)中、R7は化合物(A)の化学的安定性の観点から、好ましくは、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、フェニル基、フルオロメチレン基、フルオロエチレン基、フルオロプロピレン基、フルオロブチレン基が挙げられる。また、式(7)中、R8は化合物(A)の化学的安定性の観点から、好ましくは、メチル基、エチル基、ビニル基、アリル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基などのトリアルキルシリル基が挙げられる。より好ましくは、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基などのトリアルキルシリル基が挙げられる。特に、R8がトリアルキルシリル基となる場合、化合物(A)は下記式(8)で示すような構造となる。
(式(8)中、R1、R2、R3はそれぞれ独立に、炭素数1から10の有機基を示す。)
本実施形態の電解液に含有される化合物(A)として好ましい具体例としては、リン酸トリス(トリメチルシリル)、亜リン酸トリス(トリメチルシリル)、リン酸トリス(トリエチルシリル)、ピロリン酸テトラキス(トリメチルシリル)、ポリリン酸トリメチルシリル、ブチルホスホン酸ジ(トリメチルシリル)、プロピルホスホン酸ジ(トリメチルシリル)、エチルホスホン酸ジ(トリメチルシリル)、メチルホスホン酸ジ(トリメチルシリル)、リン酸モノメチルジ(トリメチルシリル)、リン酸モノエチルジ(トリメチルシリル)、リン酸モノ(トリフルオロエチル)ジ(トリメチルシリル)、リン酸モノ(ヘキサフルオロイソプロピル)ジ(トリメチルシリル)、ホウ酸トリス(トリメチルシリル)、硫酸ジ(トリメチルシリル)、酢酸トリメチルシリル、シュウ酸ジ(トリメチルシリル)、マロン酸ジ(トリメチルシリル)、コハク酸ジ(トリメチルシリル)、イタコン酸ジ(トリメチルシリル)、アジピン酸ジ(トリメチルシリル)、フタル酸ジ(トリメチルシリル)、イソフタル酸ジ(トリメチルシリル)、テレフタル酸ジ(トリメチルシリル)が挙げられる。この中でもサイクル寿命及びガス発生抑制の視点から、リン酸トリス(トリメチルシリル)、亜リン酸トリス(トリメチルシリル)、ピロリン酸テトラキス(トリメチルシリル)、ポリリン酸トリメチルシリル、ブチルホスホン酸ジ(トリメチルシリル)、プロピルホスホン酸ジ(トリメチルシリル)、エチルホスホン酸ジ(トリメチルシリル)、メチルホスホン酸ジ(トリメチルシリル)、リン酸モノメチルジ(トリメチルシリル)、リン酸モノエチルジ(トリメチルシリル)、リン酸モノ(トリフルオロエチル)ジ(トリメチルシリル)、リン酸モノ(ヘキサフルオロイソプロピル)ジ(トリメチルシリル)、コハク酸ジ(トリメチルシリル)、イタコン酸ジ(トリメチルシリル)、アジピン酸ジ(トリメチルシリル)がより好ましい。ただし、化合物(A)は、上記に限定されない。
本実施形態における電解液は、化合物(A)を、当該電解液に対して0.01質量%以上10質量%以下含有することが好ましい。リチウムイオン二次電池において良好なサイクル寿命を得る観点から、化合物(A)の含有量は好ましくは0.01質量%以上であり、電池出力の観点から、好ましくは10質量%以下である。同様の観点から、化合物(A)の含有量は、より好ましくは0.05質量%以上10質量%以下、更に好ましくは0.1質量%以上8質量%以下、更により好ましくは0.2質量%以上5質量%以下、特に好ましくは0.3質量%以上4質量%以下である。なお、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池中に含まれる電解液中の上記化合物(A)の含有量は、当該化合物(A)に含まれる元素に基づき、例えば、1H−NMR、11B−NMR、13C−NMR、29Si−NMR、31P−NMRなどのNMR測定を行うことにより確認することができる。
本実施形態における正極活物質を含有する正極は、正極活物質としてリチウムイオンを可逆的に吸蔵・放出し、リチウムイオン二次電池の正極として作用するものであれば特に限定されず、公知のものを用いることができる。上記正極は、正極活物質としてリチウムイオンを可逆的に吸蔵及び放出することが可能な材料からなる群より選ばれる1種以上を含有することが好ましい。
本実施形態において、より高い電圧を発現する電池を得る観点から、4.4V(vsLi/Li+)以上の電位で10mAh/g以上の放電容量を有する正極活物質を含有する正極を採用する。かかる正極を備える場合であっても、本実施形態によれば、高電圧を発言できるだけでなく、サイクル寿命にも優れる電池を得ることができる。ここで、4.4V(vsLi/Li+)以上の電位で10mAh/g以上の放電容量を有する正極活物質とは、4.4V(vsLi/Li+)以上の電位でリチウムイオン二次電池の正極として充電及び放電反応を起こし得る正極活物質であり、0.1Cの定電流放電時の放電容量が活物質の質量1gに対して10mAh以上であるものである。このように、正極活物質が4.4V(vsLi/Li+)以上の電位で10mAh/g以上の放電容量を有していればよく、4.4V(vsLi/Li+)以下の電位において発現する放電容量の大小を問わない。
4.4V(vsLi/Li+)以上の電位で10mAh/g以上の放電容量を有する正極活物質としては、特に限定されないが、正極活物質の構造安定性の観点から、好ましくは、下記一般式(1):
LiMn2-xMax4 (1)
で表される化合物であるスピネル型酸化物、下記一般式(6):
LiMO2 (6)
(式中Mは遷移金属、Alから選ばれる1種以上を示す。)
で表される化合物、下記一般式(2A):
Li2McO3 (2A)
で表される化合物と、下記一般式(2B):
LiMdO2 (2B)
で表される化合物との複合酸化物であって、下記一般式(2):
zLi2McO3−(1−z)LiMdO2 (2)
で表される化合物であるLi過剰層状酸化物正極活物質、下記一般式(3):
LiMb1-yFeyPO4 (3)
で表される化合物であるオリビン型正極活物質、及び下記一般式(4):
Li2MePO4F (4)
で表される化合物であるフッ化オリビン型正極活物質からなる群より選ばれる1種以上の正極活物質が挙げられる。
ここで、上記各式中、Maは遷移金属からなる群より選ばれる1種以上を示し、0.2≦x≦0.7であり、Mc及びMdは、それぞれ独立に、遷移金属からなる群より選ばれる1種以上を示し、0.1≦z≦0.9であり、MbはMn及びCoからなる群より選ばれる1種以上を示し、0≦y≦0.9であり、Meは遷移金属からなる群より選ばれる1種以上を示す。
上記一般式(1)で表される化合物であるスピネル型酸化物としては、特に限定されないが、安定性の観点から、下記一般式(1a):
LiMn2-xNix4 (1a)
で表される化合物であることが好ましい。ここで、0.2≦x≦0.7である。上記一般式(1)で表される化合物は、より好ましくは、下記一般式(1b):
LiMn2-xNix4 (1b)
で表される化合物であり(ここで、0.3≦x≦0.6である。)、更に好ましくは、LiMn1.5Ni0.54及びLiMn1.6Ni0.44である。ここで、上記一般式(1)で表されるスピネル型酸化物は、正極活物質の安定性、電子伝導性等の観点から、Mn原子のモル数に対して10モル%以下の範囲で、上記構造以外に、更に遷移金属又は遷移金属酸化物を含有してもよい。上記一般式(1)で表される化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記一般式(3)で表される化合物であるオリビン型正極活物質としては、特に限定されないが、安定性及び電子伝導性の観点から、下記一般式(3a):
LiMn1-yFeyPO4 (3a)
及び、下記一般式(3b):
LiCo1-yFeyPO4 (3b)
で表される化合物であることが好ましい。ここで、式(3a)及び(3b)において、それぞれ独立に0.05≦y≦0.8である。上記一般式(3)で表される化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記一般式(4)で表される化合物であるフッ化オリビン型正極活物質としては、特に限定されないが、安定性の観点から、Li2FePO4F、Li2MnPO4F及びLi2CoPO4Fであることが好ましい。上記一般式(4)で表される化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記一般式(2)で表される化合物であるLi過剰層状酸化物正極活物質としては、特に限定されないが、安定性の観点から、下記一般式(2a):
zLi2MnO3−(1−z)LiNiaMnbCoc2 (2a)
で表される化合物であることが好ましい。ここで、式中、0.3≦z≦0.7、a+b+c=1、0.2≦a≦0.6、0.2≦b≦0.6、0.05≦c≦0.4である。中でも、上記式(2a)において、0.4≦z≦0.6、a+b+c=1、0.3≦a≦0.4、0.3≦b≦0.4、0.2≦c≦0.3である化合物がより好ましい。上記正極活物質は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本実施形態における正極活物質は一般的な無機酸化物の合成方法と同様の方法で合成でき、その方法としては特に限定されない。例えば、所定の割合で金属塩(特に限定されないが、例えば、硫酸塩及び/又は硝酸塩)を混合した混合物を、酸素を含む雰囲気環境下で焼成することで無機酸化物を含む正極活物質を得ることができる。あるいは、金属塩を溶解させた液に炭酸塩及び/又は水酸化物塩を作用させて難溶性の金属塩を析出させ、それを抽出分離したものに、リチウム源として炭酸リチウム及び/又は水酸化リチウムを混合した後、酸素を含む雰囲気環境下で焼成することで、無機酸化物を含む正極活物質を得ることができる。
上記4.4V(vsLi/Li+)以上の電位で10mAh/g以上の放電容量を有する正極活物質は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、正極活物質として、4.4V(vsLi/Li+)以上の電位で10mAh/g以上の放電容量を有する正極活物質と、4.4V(vsLi/Li+)以上の電位で10mAh/g以上の放電容量を有しない正極活物質とを組み合わせて用いることもできる。4.4V(vsLi/Li+)以上の電位で10mAh/g以上の放電容量を有しない正極活物質としては、特に限定されないが、例えば、LiFePO4が挙げられる。
上記したような4.4V(vsLi/Li+)以上の電位で10mAh/g以上の放電容量を有する正極活物質を含有する正極を備えるリチウムイオン二次電池は、満充電時の正極の電位が4.4V(vsLi/Li+)以上であることが好ましい。満充電時の正極の電位を4.4V(vsLi/Li+)以上とすることで、本実施形態のリチウムイオン二次電池が有する正極活物質の充放電容量を効率的に活用できる。満充電時の正極の電位はリチウムイオン二次電池のエネルギー密度向上の観点から、4.45V(vsLi/Li+)以上がより好ましく、4.5V(vsLi/Li+)以上が更に好ましい。満充電時の正極の電位は、満充電状態のリチウムイオン二次電池をArグローブボックス中で解体し、正極を取り出し、対極に金属リチウムを用いて再度電池を組み、電圧を測定することで容易に測定することができる。また、負極に炭素負極活物質を用いる場合、満充電時の炭素負極活物質の電位が0.05V(vsLi/Li+)であることから、満充電時のリチウムイオン二次電池の電圧(Va)に0.05Vを足すことで、容易に満充電時の正極の電位を算出することができる。例えば、負極に炭素負極活物質を用いたリチウムイオン二次電池において、満充電時のリチウムイオン二次電池の電圧(Va)が4.4Vであった場合、満充電時の正極の電位は、4.4V+0.05V=4.45Vと算出することができる。
ここで、正極の作製方法の一例を以下に示す。まず、上記正極活物質に対して、必要に応じて、導電助剤やバインダー等を加えて混合した正極合剤を溶剤に分散させて正極合剤を含有するペーストを調製する。次いで、このペーストを正極集電体に塗布し、乾燥して正極合剤層を形成し、それを必要に応じて加圧し厚さを調整することによって、正極を作製することができる。上記正極集電体としては、特に限定されないが、例えば、アルミニウム箔、又はステンレス箔などの金属箔により構成される。
本実施形態において得られるリチウムイオン二次電池は、負極を備える。上記負極は、負極活物質としてリチウムイオンを可逆的に吸蔵・放出し、リチウムイオン二次電池の負極として作用するものであれば特に限定されず、公知のものを用いることができる。負極は、負極活物質としてリチウムイオンを吸蔵及び放出することが可能な材料からなる群より選ばれる1種以上を含有することが好ましい。すなわち、負極は、負極活物質として、炭素負極活物質、ケイ素合金負極活物質及びスズ合金負極活物質に代表されるリチウムと合金形成が可能な元素を含む負極活物質;ケイ素酸化物負極活物質;スズ酸化物負極活物質;及びチタン酸リチウム負極活物質に代表されるリチウム含有化合物;からなる群より選ばれる1種以上の負極活物質を含有することが好ましい。これらの負極活物質は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記炭素負極活物質としては、特に限定されないが、例えば、ハードカーボン、ソフトカーボン、人造黒鉛、天然黒鉛、黒鉛、熱分解炭素、コークス、ガラス状炭素、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ、炭素繊維、活性炭、グラファイト、炭素コロイド及びカーボンブラックが挙げられる。コークスとしては、例えば、ピッチコークス、ニードルコークス及び石油コークスが挙げられる。また、有機高分子化合物の焼成体とは、フェノール樹脂やフラン樹脂などの高分子材料を適当な温度で焼成して炭素化したものである。
上記リチウムと合金を形成可能な元素を含む負極活物質としては、特に限定されないが、例えば、金属又は半金属の単体であっても、合金や化合物であってもよく、また、これらの1種又は2種以上の相を少なくとも一部に有するようなものであってもよい。なお、「合金」には、2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とを有するものも含まれる。また、合金には、全体として金属の性質を有するものであれば非金属元素が含まれていてもよい。
上記金属元素及び半金属元素としては、特に限定されないが、例えば、チタン(Ti)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、アルミニウム(Al)、インジウム(In)、ケイ素(Si)、亜鉛(Zn)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、ヒ素(As)、銀(Ag)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)及びイットリウム(Y)が挙げられる。これらの中でも、長周期型周期表における4族又は14族の金属元素及び半金属元素が好ましく、特に好ましくはチタン、ケイ素及びスズである。
上記負極は、例えば、下記のようにして得られる。まず、上記負極活物質に対して、必要に応じて、導電助剤やバインダー等を加えて混合した負極合剤を溶剤に分散させて負極合剤を含有するペーストを調製する。次いで、このペーストを負極集電体に塗布し、乾燥して負極合剤層を形成し、それを必要に応じて加圧し厚みを調整することによって、負極を作製することができる。上記負極集電体としては、特に限定されないが、例えば、銅箔、ニッケル箔又はステンレス箔などの金属箔により構成される。
上記正極及び負極の作製において、必要に応じて用いられる導電助剤としては、特に限定されないが、例えば、グラファイト、アセチレンブラック及びケッチェンブラックなどのカーボンブラック並びに炭素繊維が挙げられる。また、上記バインダーとしては、特に限定されないが、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアクリル酸、スチレンブタジエンゴム、フッ素ゴム等が挙げられる。
本実施形態において得られるリチウムイオン二次電池は、正負極の短絡防止、シャットダウン等の安全性付与の観点から、正極と負極との間にセパレータを備えることが好ましい。セパレータとしては、公知のリチウムイオン二次電池に備えられるものと同様のものを用いることができ、中でも、イオン透過性が大きく、機械的強度に優れる絶縁性の薄膜が好ましい。上記セパレータとしては、特に限定されないが、例えば、織布、不織布、合成樹脂製微多孔膜等が挙げられ、これらの中でも、合成樹脂製微多孔膜が好ましい。合成樹脂製微多孔膜としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン又はポリプロピレンを主成分として含有する微多孔膜、又はこれらのポリオレフィンを共に含有する微多孔膜等のポリオレフィン系微多孔膜が好適に用いられる。上記不織布としては、セラミック製、ポリオレフィン製、ポリエステル製、ポリアミド製、液晶ポリエステル製、アラミド製などの耐熱樹脂製の多孔膜が用いられる。セパレータは、1種の微多孔膜を単層又は複数積層したものであってもよく、2種以上の微多孔膜を積層したものであってもよい。
また、セパレータの安全性確保と高機能化のため、耐熱性微粒子を樹脂溶液中に浸漬、分散させ、乾燥させて耐熱性微粒子を樹脂でコーティングする方法を用いたセパレータや、ポリアミドイミド等の耐熱樹脂からなる多孔層を、樹脂塗工により形成したセパレータを用いることも好ましい。
本実施形態で得られるリチウムイオン二次電池は、例えば、セパレータと、そのセパレータを両側から挟む正極と負極と、さらにそれらの積層体を挟む正極集電体(正極の外側に配置)と、負極集電体(負極の外側に配置)と、それらを収容する電池外装とを備えるものとすることができる。正極とセパレータと負極とを積層した積層体は、本実施形態における上記電解液が含浸されていることが好ましい。
図1は、本実施形態におけるリチウムイオン二次電池の一例を概略断面図で示すものである。図1に示されるリチウムイオン二次電池100は、セパレータ110と、そのセパレータ110を両側から挟む正極120と負極130と、さらにそれらの積層体を挟む正極集電体140(正極の外側に配置)と、負極集電体150(負極の外側に配置)と、それらを収容する電池外装160とを備える。正極120とセパレータ110と負極130とを積層した積層体は、本実施形態の電解液が含浸されている。
本実施形態において得られるリチウムイオン二次電池は、上述の電解液、正極及び負極を用いて、以下に示す各工程を経由することで作製される。
本実施形態のリチウムイオン二次電池の製造方法は、上記した所望の電解液、正極及び負極を収容ケースに収容し、当該収容ケースを仮封止する工程を有するものである。このような工程を有する本実施形態のリチウムイオン二次電池の製造方法によれば、高い電圧で作動するリチウムイオン二次電池を得ることができる。なお、収容ケースとしては、特に限定されないが、例えば、アルミ缶、鉄缶などの金属缶が用いられるが、薄形軽量化の観点からアルミラミネート袋を用いることができる。また、上記した仮封止とは、特に限定されないが、例えば、電解液注液後に上記アルミラミネート袋を一時的に封止し、後述するフォーメーションを行うものとすることができる。ここで、上記封止の手段としては、特に限定されないが、例えば、後述する実施例に記載の装置等を用いることができる。このような仮封止を行った後、再び開封して電池内部で発生したガスを除去し、本封止を行うものとすることができる。
本実施形態のリチウムイオン二次電池の製造方法において、ガス抜き工程の前に、フォーメーション工程を行う。このフォーメーション工程により、電極表面に安定な被膜が形成され、電池性能向上効果が得られる。上記フォーメーション工程には、後述するエージング工程を含んでもいてもよい。なお、上記エージング工程の前にガス抜き工程(第1ガス抜き工程とする)を行い、さらに、エージング工程の後にもガス抜き工程(第2ガス抜き工程とする)を行うこともでき、この場合は、発生ガスによって被膜形成が不十分になることを防ぐ観点から、第1ガス抜き工程の後、再度、収容ケースの仮封止を行うようにすることが好ましい。
上記フォーメーション工程とは、蓄電素子の初期性能を安定化させるための処理を施す工程であれば特に限定されず、具体的には、例えば、初期充電や充放電の繰り返しなどの処理を施す工程を挙げることができる。また、上記エージング工程は、所定期間にわたり高温雰囲気下に電池を安置する工程であれば特に限定されず、種々の工程とすることができる。
本実施形態において、上記エージング工程が、0.3C以下の電流値で満充電量に対して50%以上の充電状態にし、35℃以上60℃以下の温度で、2日以上10日間以下の間保存する工程であることが好ましい。ここで、充電電流の0.3Cとは、電池を満充電(SOC100%)にした状態から放電容量を1時間で放電できる電流値を1Cとした時の電流値に対する比率である。本実施形態におけるリチウムイオン二次電池において、充電電流は、好ましくは0.2C以下、より好ましくは0.1C、更に好ましくは0.05Cである。エージングの温度については、40℃以上50℃以下の温度範囲が好ましい。エージング時間(保存時間)については、好ましくは4日以上10日以下であり、更に好ましくは6日以上10日以下である。上記充電及びエージング時間を設けることにより、得られるリチウムイオン二次電池のサイクル寿命を大幅に改善することができる。この理由としては明らかではないが、化合物(A)がエージング時に正極又は負極、あるいは両方に作用して被膜を作製することができ、リチウムイオン二次電池内での電解液の酸化分解を抑制するためと推察される。
一般に、二次電池では、初期充電時に電極と電解質との間の化学反応により、水素ガス等の様々な多くのガスが発生する傾向にあることが知られている。特に正極電位が4.4V(vsLi/Li+)以上の場合には、電解液の酸化分解によるガス発生が顕著になる傾向にある。上記のガスが電極間に存在すると、電池の内部抵抗の増大等の現象が発生し、これに起因する電池容量の減少やサイクル特性等の電池特性の低下につながる。フォーメーション後に発生したガスが電池内に残留し続けると、電池の膨れや電池特性の低下が起こる問題がある。このような問題は、金属缶よりも膨れやすいラミネート型電池では特に顕著である。一方で、本実施形態のリチウムイオン二次電池の製造方法によれば、フォーメーション工程の後に行われるガス抜き工程を経由するため、上記のようなガスの残留が解消され、電池の膨張や電池特性の低下が抑制される。その結果、優れた高い電圧を発現するだけでなく、サイクル特性に優れるリチウムイオン二次電池とすることができる。
本実施形態におけるガス抜き工程としては、すなわち、ガスを外部へ排出する工程であれば特に限定されない。例えば、外装体の開口部を上向きにして非水電解液を注入し、初期充電を行ってガスを外部に排出した後、開口部を封口する方法や、外装材の封口部の全部又は一部を開封して発生したガスを外部に排出した後に再封口する方法等を挙げることができる。
上記ガス抜き工程としては、発生ガスを十分除外する観点から、開封した封口部を通して収納空間を真空引きにより−100kPa以上−30kPa以下に減圧し、開口部を封口する工程であることが好ましい。なお、上記収納空間とは、外装体の内部空間を指す。また、上記減圧の方法としては、特に制限されず、一般的な真空ポンプと圧力ゲージを使用することで行うことができる。
上記した工程の他、本実施形態のリチウムイオン二次電池の製造方法においては、種々公知の工程を追加することができる。例えば、正極と負極とを、その間にセパレータを介在させた積層状態で巻回して巻回構造の積層体に成形したり、それらを折り曲げや複数層の積層などによって、交互に積層した複数の正極と負極との間にセパレータが介在する積層体に成形し、次いで、電池ケース(外装)内にその積層体を収容して、本実施形態の電解液をケース内部に注液し、上記積層体をその電解液に浸漬して封印することによって、リチウムイオン二次電池を作製することができる。なお、本実施形態において得られるリチウムイオン二次電池の形状としては、特に限定されないが、例えば、円筒形、楕円形、角筒型、ボタン形、コイン形、扁平形、ラミネート形などが好適に採用される。
次に、実施例及び比較例によって、本実施形態を説明する。以下の実施例は、本実施形態を例示するために記載するものであって、本実施形態の範囲を何ら限定するものではない。
[実施例1]
<正極活物質の合成>
(LiNi0.5Mn1.54の合成)
遷移金属元素のモル比として1:3の割合となる量の硫酸ニッケルと硫酸マンガンとを水に溶解し、金属イオン濃度の総和が2mol/Lになるようにニッケル−マンガン混合水溶液を調製した。次いで、このニッケル−マンガン混合水溶液を、70℃に加温した濃度2mol/Lの炭酸ナトリウム水溶液1650mL中に、12.5mL/minの添加速度で120分間滴下した。なお、滴下中は、攪拌の下、200mL/minの流量の空気を水溶液中にバブリングしながら吹き込んだ。これにより、析出物質が発生し、得られた析出物質を蒸留水で十分洗浄し、乾燥して、ニッケルマンガン化合物を得た。得られたニッケルマンガン化合物と粒径2μmの炭酸リチウムとを、リチウム:ニッケル:マンガンのモル比が1:0.5:1.5になるように秤量し、1時間乾式混合した後、得られた混合物を酸素雰囲気下において1000℃で5時間焼成し、LiNi0.5Mn1.54で表される正極活物質を得た。
<正極の作製>
上述のようにして得られた正極活物質と、導電助剤としてアセチレンブラックの粉末(電気化学工業社製)と、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン溶液(クレハ社製)とを、90:6:4の固形分質量比で混合し、分散溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンを固形分40質量%となるように添加して更に混合して、スラリー状の溶液を調製した。このスラリー状の溶液を厚さ20μmのアルミニウム箔の片面に塗布し、溶剤を乾燥除去した後、ロールプレスで圧延して正極とした。圧延後のものをタブ部を除き30mm×50mmの長方形状に打ち抜いて正極を得た。
<負極の作製>
負極活物質としてグラファイト粉末(大阪ガスケミカル社製、商品名「OMAC1.2H/SS」)及び別のグラファイト粉末(TIMCAL社製、商品名「SFG6」)と、バインダーとしてスチレンブタジエンゴム(SBR)及びカルボキシメチルセルロース水溶液とを、90:10:1.5:1.8の固形分質量比で混合した。得られた混合物を、固形分濃度が45質量%となるように、分散溶媒としての水に添加して、スラリー状の溶液を調製した。このスラリー状の溶液を厚さ18μmの銅箔の片面に塗布し、溶剤を乾燥除去した後、ロールプレスで圧延した。圧延後のものをタブ部を除き32mm×52mmの長方形状に打ち抜いて負極を得た。
<電解液の調製>
エチレンカーボネート(表中では「EC」とも表記する)とエチルメチルカーボネート(表中では「MEC」とも表記する)とを体積比1:2で混合した混合溶媒にLiPF6塩を1mol/L含有させた溶液(キシダ化学社製、LBG00069)9.8gに、添加剤としてのリン酸トリス(トリメチルシリル)(アルドリッチ社製)0.2gを混合して、電解液Aを得た。
<電池の作製>
上述のようにして作製した正極と負極とをポリプロピレン製の微多孔膜からなるセパレータ(膜厚25μm、空孔率50%、孔径0.1μm〜1μm)の両側に重ね合わせた積層体を、アルミニウム箔(厚さ40μm)の両面を樹脂層で被覆したラミネートフィルムからなる袋内に正負極の端子を突設させながら挿入した後、下記実施例に記載の電解液を0.5mL袋内に注入し、−90kPaに減圧後、−30kPaに戻す操作を2回実施した後、−95kPaで5分間保持した。常圧に戻した後、−85kPaに減圧後、仮封止を行って、シート状リチウムイオン二次電池を作製した。減圧、仮封止に際しては、株式会社テクニー製の減圧シール装置(型式:M−3295)を用いた。
<フォーメーション>
得られたフォーメーション前のリチウムイオン二次電池を、25℃に設定した恒温槽(二葉科学社製、商品名「PLM−73S」)に収容し、充放電装置(アスカ電子(株)製、商品名「ACD−01」)に接続し、20時間静置した。次いで、その電池を0.2Cの定電流で満充電量の80%を充電した。満充電量とは4.8Vまで定電流で充電し、続いて4.8V定電圧で2時間充電した時の充電量である。その後、エージングとして、45℃にて運転している恒温槽(二葉科学製、商品名「PLM−73S」)にその電池を7日間放置した。
<ガス抜き工程>
フォーメーション後の電池をアルゴン雰囲気下で開封し、−85kPaに減圧後、真空封止を行うことにより、発生したガスのガス抜きを行った。なお、減圧は上記同様に行うものとした。また、真空封止は、株式会社テクニー製の減圧シール装置(型式:M−3295)を用いて行った。
<電池性能評価>
次いで、25℃にて運転している恒温槽(二葉科学社製、商品名「PLM−73S」)に収容し、充放電装置(アスカ電子(株)製、商品名「ACD−01」)に接続し、2時間静置後に0.3Cの最大電流値で4.8V定電流定電圧充電した後、0.2Cの電流値で3Vまで定電流放電した。
上述のようにフォーメーションを行って得られたリチウムイオン二次電池を50℃に設定した恒温槽(二葉科学社製、商品名「PLM−73S」)に収容し、充放電装置(アスカ電子(株)製、商品名「ACD−01」)に接続する。次いで、その電池を1.0Cの定電流で4.8Vまで充電し、1.0Cの定電流で6分間放電後5分間休止し、その後3.0Vまで放電した。この放電6分の終止電圧(V0)とその後の休止5分後の電圧(V1)との差を放電電流(I)で除した値(V1−V0)/Iをこの電池の抵抗(R1)とした。次いで、以下の充放電サイクル評価を行った。1.0Cの定電流で4.8Vまで充電し続いて4.8V定電圧で1時間充電し、1.0Cの定電流で3.0Vまで放電した。さらにこの一連の充放電を1サイクルとし、更に49サイクル充放電を繰り返し、全体で50サイクルのサイクル充放電を行った。次いで、上述と同様に1サイクル目及び50サイクル目の正極活物質質量当たりの放電容量を確認した。50サイクル充放電後、上述と同様の方法でR1を測定した。結果、電池の抵抗R1は初期18.3Ω、50サイクル後は60.2Ω。1サイクル目の放電容量は、120mAh/gと高く、50サイクル目の放電容量は、100mAh/gと高く、50サイクル目の放電容量を1サイクル目の放電容量で除した放電容量維持率は、83%と高い値を示した。
<ガス発生評価>
50サイクル後、電池を室温まで冷却させた後、水浴中に浸して体積を測定し、連続充放電前後の電池の体積変化から、電池運転後のガス発生量(mL)を求めたところ、0.082mLと低かった。
[実施例2]
実施例1に記載の方法で、電解液Aを注液して作製されたフォーメーション前のリチウムイオン二次電池に対して、以下の条件でフォーメーションを行った。25℃に設定した恒温槽に収容し、充放電装置に接続し、20時間放置した。次いで、0.2Cの定電流で満充電量の50%充電した。その後、45℃に設定した恒温槽に該電池を7日間放置した。次いで、25℃に設定した恒温槽に収容し、充放電装置に接続し、2時間静置後0.3Cの最大電流値で4.8V定電流定電圧充電した後、0.2Cの電流値で3Vまで定電流放電した。
得られたリチウムイオン二次電池に対して実施例1に記載の方法で電池性能評価を行った。結果、電池の抵抗R1は初期19.0Ω、50サイクル後は61.0Ω。1サイクル目の放電容量は、128mAh/gと高く、50サイクル目の放電容量は、98mAh/gと高く、50サイクル目の放電容量を1サイクル目の放電容量で除した放電容量維持率は、84%と高い値を示した。電池運転後のガス発生量(mL)は、0.088mLと低かった。
[実施例3]
エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとを体積比1:2で混合した混合溶媒にLiPF6塩を1mol/L含有させた溶液(キシダ化学社製、LBG00069)9.9gに、前述した添加剤としてのリン酸トリス(トリメチルシリル)0.1gを混合溶解して、電解液Bを得た。
実施例1に記載の方法で、電解液Bを注液して作製されたフォーメーション前のリチウムイオン二次電池に対して、以下の条件でフォーメーションを行った。25℃に設定した恒温槽に収容し、充放電装置に接続し、20時間静置した。次いで、その電池を0.2Cの定電流で満充電量の80%を充電した。その後、45℃にて運転している恒温槽に該電池を7日間放置し、ガス抜きを実施した。次いで、25℃にて運転している恒温槽に収容し、充放電装置に接続し、2時間静置後に0.3Cの最大電流値で4.8V定電流定電圧充電した後、0.2Cの電流値で3Vまで定電流放電した。
得られたリチウムイオン二次電池に対して実施例1に記載の方法で電池性能評価を行った。結果、電池の抵抗R1は初期16.2Ω、50サイクル後は59Ω。1サイクル目の放電容量は、121mAh/gと高く、50サイクル目の放電容量は、102mAh/gと高く、50サイクル目の放電容量を1サイクル目の放電容量で除した放電容量維持率は、84%と高い値を示した。電池運転後のガス発生量(mL)は、0.134mLと低かった。
[実施例4]
エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとを体積比1:2で混合した混合溶媒にLiPF6塩を1mol/L含有させた溶液(キシダ化学社製、LBG00069)9.95gに、前述した添加剤としてのリン酸トリス(トリメチルシリル)0.05gを混合溶解して、電解液Cを得た。
実施例1に記載の方法で、電解液Cを注液して作製されたフォーメーション前のリチウムイオン二次電池に対して、以下の条件でフォーメーションを行った。25℃に設定した恒温槽に収容し、充放電装置に接続し、20時間静置した。次いで、その電池を0.2Cの定電流で満充電量の80%を充電した。その後、45℃にて運転している恒温槽にその電池を7日間放置し、ガス抜きを実施した。次いで、25℃にて運転している恒温槽に収容し、充放電装置に接続し、2時間静置後に0.3Cの最大電流値で4.8V定電流定電圧充電した後、0.2Cの電流値で3Vまで定電流放電した。
得られたリチウムイオン二次電池に対して実施例1に記載の方法で電池性能評価を行った。結果、電池の抵抗R1は初期15Ω、50サイクル後は65Ω。1サイクル目の放電容量は、118mAh/gと高く、50サイクル目の放電容量は、95mAh/gと高く、50サイクル目の放電容量を1サイクル目の放電容量で除した放電容量維持率は、81%と高い値を示した。電池運転後のガス発生量(mL)は、0.155mLと低かった。
[実施例5]
実施例1に記載の方法で、電解液Bを注液して作製したフォーメーション前のリチウムイオン二次電池に対して、以下の条件でフォーメーションを行った。25℃に設定した恒温槽に収容し、充放電装置に接続し、20時間静置した。次いで、その電池を0.2Cの定電流で満充電量の80%を充電した。その後、60℃にて運転している恒温槽にその電池を7日間放置し、ガス抜きを実施した。次いで、25℃にて運転している恒温槽に収容し、充放電装置に接続し、2時間静置後に0.3Cの最大電流値で4.8V定電流定電圧充電した後、0.2Cの電流値で3Vまで定電流放電した。
得られたリチウムイオン二次電池に対して実施例1に記載の方法で電池性能評価を行った。結果、電池の抵抗R1は初期22Ω、50サイクル後は68Ω。1サイクル目の放電容量は、113mAh/g、50サイクル目の放電容量は、90mAh/g、50サイクル目の放電容量を1サイクル目の放電容量で除した放電容量維持率は、80%を示した。電池運転後のガス発生量(mL)は、0.124mLと低かった。
[実施例6]
実施例1に記載の方法で、電解液Bを注液して作製したフォーメーション前のリチウムイオン二次電池に対して、以下の条件でフォーメーションを行った。25℃に設定した恒温槽に収容し、充放電装置に接続し、20時間静置した。次いで、その電池を0.2Cの定電流で満充電量の80%を充電した。その後、60℃にて運転している恒温槽にその電池を3日間放置し、フォーメーション後のガス抜きを実施した。次いで、25℃にて運転している恒温槽に収容し、充放電装置に接続し、2時間静置後に0.3Cの最大電流値で4.8V定電流定電圧充電した後、0.2Cの電流値で3Vまで定電流放電した。
得られたリチウムイオン二次電池に対して実施例1に記載の方法で電池性能評価を行った。結果、電池の抵抗R1は初期18.3Ω、50サイクル後は63Ω。1サイクル目の放電容量は、115mAh/gと高く、50サイクル目の放電容量は、92mAh/gと高く、50サイクル目の放電容量を1サイクル目の放電容量で除した放電容量維持率は、80%と高い値を示した。電池運転後のガス発生量(mL)は、0.153mLと低かった。
[実施例7]
実施例1に記載の方法で、電解液Bを注液して作製したフォーメーション前のリチウムイオン二次電池に対して、以下の条件でフォーメーションを行った。25℃に設定した恒温槽に収容し、充放電装置に接続し、20時間静置した。次いで、その電池を0.2Cの定電流で満充電量の80%を充電した。その後、60℃にて運転している恒温槽にその電池を10日間放置し、フォーメーション後のガス抜きを実施した。次いで、25℃にて運転している恒温槽に収容し、充放電装置に接続し、2時間静置後に0.3Cの最大電流値で4.8V定電流定電圧充電した後、0.2Cの電流値で3Vまで定電流放電した。
得られたリチウムイオン二次電池に対して実施例1に記載の方法で電池性能評価を行った。結果、電池の抵抗R1は初期24Ω、50サイクル後63Ω。1サイクル目の放電容量は、110mAh/g、50サイクル目の放電容量は、90mAh/g、50サイクル目の放電容量を1サイクル目の放電容量で除した放電容量維持率は、82%と高い値を示した。電池運転後のガス発生量(mL)は、0.146mLと低かった。
[比較例1]
エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとを体積比1:2で混合した混合溶媒にLiPF6塩を1mol/L含有させた溶液(キシダ化学社製、LBG00069)を電解液Dとした。
実施例1に記載の方法で、電解液Dを注液して作製したフォーメーション前のリチウムイオン二次電池に対して、以下の条件でフォーメーションを行った。25℃に設定した恒温槽に収容し、充放電装置に接続し、20時間静置した。次いで、その電池を0.2Cの定電流で4.8Vまで充電し、続いて4.8V定電圧で2時間充電した後、0.2Cの電流値で3Vまで定電流放電した。
得られたリチウムイオン二次電池に対して実施例1に記載の方法で電池性能評価を行った。結果、電池の抵抗R1は初期24.6Ω、50サイクル後は70.5Ω、1サイクル目の放電容量は、120mAh/gであり、50サイクル目の放電容量は、69mAh/gと低く、50サイクル目の放電容量を1サイクル目の放電容量で除した放電容量維持率は、58%と低い値を示した。電池運転後のガス発生量(mL)は、0.303mLと高かった。
[比較例2]
実施例1に記載の方法で、電解液Dを注液して作製したフォーメーション前のリチウムイオン二次電池に対して、以下の条件でフォーメーションを行った。25℃に設定した恒温槽に収容し、充放電装置に接続し、20時間静置した。次いで、その電池を0.2Cの定電流で満充電量の80%を充電した。その後、60℃にて運転している恒温槽にその電池を7日間放置した。次いで、25℃にて運転している恒温槽に収容し、充放電装置に接続し、2時間静置後に0.3Cの最大電流値で4.8V定電流定電圧充電した後、0.2Cの電流値で3Vまで定電流放電した。
得られたリチウムイオン二次電池に対して実施例1に記載の方法で電池性能評価を行った。結果、電池の抵抗R1は初期24Ω、50サイクル後は71Ω、1サイクル目の放電容量は、122mAh/gと高く、50サイクル目の放電容量は、75mAh/gと高く、50サイクル目の放電容量を1サイクル目の放電容量で除した放電容量維持率は、61%と低い値を示した。電池運転後のガス発生量(mL)は、0.298mLと高かった。
[比較例3]
実施例1に記載の方法で、電解液Bを注液して作製したフォーメーション前のリチウムイオン二次電池に対して、以下の条件でフォーメーションを行った。25℃に設定した恒温槽に収容し、充放電装置に接続し、20時間静置した。次いで、その電池を0.2Cの定電流で満充電量の30%を充電した。その後、45℃にて運転している恒温槽にその電池を7日間放置した。次いで、25℃にて運転している恒温槽に収容し、充放電装置に接続し、2時間静置後に0.3Cの最大電流値で4.8V定電流定電圧充電した後、0.2Cの電流値で3Vまで定電流放電した。
得られたリチウムイオン二次電池に対して実施例1に記載の方法で電池性能評価を行った。結果、電池の抵抗R1は初期22Ω、50サイクル後は69Ω。1サイクル目の放電容量は、120mAh/g、50サイクル目の放電容量は、70mAh/gと低く、50サイクル目の放電容量を1サイクル目の放電容量で除した放電容量維持率は、58%と低い値を示した。電池運転後のガス発生量(mL)は、0.275mLと高かった。
[比較例4]
実施例1に記載の方法で、電解液Bを注液して作製したフォーメーション前のリチウムイオン二次電池に対して、以下の条件でフォーメーションを行った。25℃に設定した恒温槽に収容し、充放電装置に接続し、20時間静置した。次いで、その電池を0.2Cの定電流で満充電量の80%を充電した。その後、25℃にて運転している恒温槽にその電池を7日間放置した。次いで、25℃にて運転している恒温槽に収容し、充放電装置に接続し、2時間静置後に0.3Cの最大電流値で4.8V定電流定電圧充電した後、0.2Cの電流値で3Vまで定電流放電した。
得られたリチウムイオン二次電池に対して実施例1に記載の方法で電池性能評価を行った。結果、電池の抵抗R1は初期21Ω、50サイクル後は70Ω。1サイクル目の放電容量は、115mAh/g、50サイクル目の放電容量は、72mAh/g、50サイクル目の放電容量を1サイクル目の放電容量で除した放電容量維持率は、63%と低い値を示した。電池運転後のガス発生量(mL)は、0.270mLと高かった。
[比較例5]
電解液Bを注液して得たリチウムイオン電池を25℃に設定した恒温槽に収容し、充放電装置に接続し、20時間静置した。次いで、その電池を0.5Cの定電流で満充電量の80%を充電した。その後、45℃にて運転している恒温槽にその電池を7日間放置した。次いで、25℃にて運転している恒温槽に収容し、充放電装置に接続し、2時間静置後に0.3Cの最大電流値で4.8V定電流定電圧充電した後、0.2Cの電流値で3Vまで定電流放電した。
得られたリチウムイオン二次電池に対して実施例1と同様に電池性能評価を行った。結果、電池の抵抗R1は初期24.3Ω、50サイクル後71Ω。1サイクル目の放電容量は、120mAh/g、50サイクル目の放電容量は、82mAh/gと高く、50サイクル目の放電容量を1サイクル目の放電容量で除した放電容量維持率は、68%と低い値を示した。電池運転後のガス発生量(mL)は、0.280mLと高かった。
上記した実施例1〜7及び比較例1〜5の仕様及びこれらについて得られた結果を表1に併せて示す。
[実施例8]
<正極の作製>
正極活物質としてLiNi1/3Mn1/3Co1/32(日本化学工業社製)と、導電助剤としてアセチレンブラックの粉末(電気化学工業社製)と、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン溶液(クレハ社製)とを、90:6:4の固形分質量比で混合し、分散溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンを固形分40質量%となるように添加して更に混合して、スラリー状の溶液を調製した。このスラリー状の溶液を厚さ20μmのアルミニウム箔の片面に塗布し、溶剤を乾燥除去した後、ロールプレスで圧延して正極とした。圧延後のものをタブ部を除き30mm×50mmの長方形状に打ち抜いて正極を得た。
<負極の作製>
負極活物質としてグラファイト粉末(大阪ガスケミカル社製、商品名「OMAC1.2H/SS」)及び別のグラファイト粉末(TIMCAL社製、商品名「SFG6」)と、バインダーとしてスチレンブタジエンゴム(SBR)及びカルボキシメチルセルロース水溶液とを、90:10:1.5:1.8の固形分質量比で混合した。得られた混合物を、固形分濃度が45質量%となるように、分散溶媒としての水に添加して、スラリー状の溶液を調製した。このスラリー状の溶液を厚さ18μmの銅箔の片面に塗布し、溶剤を乾燥除去した後、ロールプレスで圧延した。圧延後のものをタブ部を除き32mm×52mmの長方形状に打ち抜いて負極を得た。
<電池の作製>
上述のようにして作製した正極と負極とをポリプロピレン製の微多孔膜からなるセパレータ(膜厚25μm、空孔率50%、孔径0.1μm〜1μm)の両側に重ね合わせた積層体を、アルミニウム箔(厚さ40μm)の両面を樹脂層で被覆したラミネートフィルムからなる袋内に正負極の端子を突設させながら挿入した後、以下に記載の電解液を0.5mL袋内に注入し、真空封止を行って、シート状リチウムイオン二次電池を作製した。
<フォーメーション>
上述のようにして電解液Cを注液して得たリチウムイオン二次電池に対して、25℃に設定した恒温槽(二葉科学社製、商品名「PLM−73S」)に収容し、充放電装置(アスカ電子(株)製、商品名「ACD−01」)に接続し、20時間静置した。次いで、その電池を0.2Cの定電流で満充電量の80%を充電した。満充電量とは4.35Vまで定電流で充電し、続いて4.35V定電圧で2時間充電した時の充電量である。次いで、45℃にて運転している恒温槽(二葉科学製、商品名「PLM−73S」)にその電池を7日間放置した。次いで、フォーメーション後のガス抜きを実施例1の場合と同様に実施した。
<電池性能評価>
次いで、25℃にて運転している恒温槽(二葉科学社製、商品名「PLM−73S」)に収容し、充放電装置(アスカ電子(株)製、商品名「ACD−01」)に接続し、2時間静置後に0.3Cの最大電流値で4.35V定電流定電圧充電した後、0.2Cの電流値で3Vまで定電流放電した。
得られた電池を1.0Cの定電流で4.35Vまで充電し続いて4.35V定電圧で1時間充電し、1.0Cの定電流で3.0Vまで放電した。この一連の充放電を1サイクルとし、更に49サイクル充放電を繰り返し、全体で50サイクルのサイクル充放電を行った。1サイクル目及び50サイクル目の正極活物質質量当たりの放電容量を確認した。また、放電前の電圧(V2)から放電開始10秒後の電圧(V4)の差(ΔV=V3−V4)を放電電流値で除した値(ΔV/I)を直流抵抗値R2として1サイクル目の直流抵抗値及び50サイクル目における直流抵抗を確認した。結果、1サイクル目の放電容量は、160mAh/gと高く、50サイクル目の放電容量は、144mAh/gと高く、50サイクル目の放電容量を1サイクル目の放電容量で除した放電容量維持率は、90%と高い値を示した。直流抵抗R2は1サイクル目7Ω、50サイクル目は10Ωと低い値を示した。電池運転後のガス発生量(mL)は、0.078mLと低かった。
[実施例9]
実施例8と同様に電解液Cを注液して得たリチウムイオン二次電池を25℃に設定した恒温槽(二葉科学社製、商品名「PLM−73S」)に収容し、充放電装置(アスカ電子(株)製、商品名「ACD−01」)に接続し、20時間静置した。次いで、その電池を0.2Cの定電流で満充電量の50%を充電した。次いで、45℃にて運転している恒温槽(二葉科学製、商品名「PLM−73S」)にその電池を7日間放置し、フォーメーション後のガス抜きを実施した。次いで、25℃にて運転している恒温槽(二葉科学社製、商品名「PLM−73S」)に収容し、充放電装置(アスカ電子(株)製、商品名「ACD−01」)に接続し、2時間静置後に0.3Cの最大電流値で4.35V定電流定電圧充電した後、0.2Cの電流値で3Vまで定電流放電した。
得られた電池に対して実施例8と同様に電池性能評価を行った。結果、1サイクル目の放電容量は、161mAh/gと高く、50サイクル目の放電容量は、141mAh/gと高く、50サイクル目の放電容量を1サイクル目の放電容量で除した放電容量維持率は、88%と高い値を示した。直流抵抗R2は1サイクル目7Ω、50サイクル目は13Ωと低い値であった。電池運転後のガス発生量(mL)は、0.072mLと低かった。
[実施例10]
実施例8と同様に電解液Cを注液して得たリチウムイオン二次電池に対して、25℃に設定した恒温槽(二葉科学社製、商品名「PLM−73S」)に収容し、充放電装置(アスカ電子(株)製、商品名「ACD−01」)に接続し、20時間静置した。次いで、その電池を0.2Cの定電流で満充電量の80%を充電した。次いで、45℃にて運転している恒温槽(二葉科学製、商品名「PLM−73S」)にその電池を10日間放置し、フォーメーション後のガス抜きを実施した。次いで、25℃にて運転している恒温槽(二葉科学社製、商品名「PLM−73S」)に収容し、充放電装置(アスカ電子(株)製、商品名「ACD−01」)に接続し、2時間静置後に0.3Cの最大電流値で4.35V定電流定電圧充電した後、0.2Cの電流値で3Vまで定電流放電した。
得られた電池に対して実施例8と同様に電池性能評価を行った。結果、1サイクル目の放電容量は、158mAh/gと高く、50サイクル目の放電容量は、138mAh/gと高く、50サイクル目の放電容量を1サイクル目の放電容量で除した放電容量維持率は、87%と高い値を示した。直流抵抗R2は1サイクル目9Ω、50サイクル目は13Ωと低い値であった。電池運転後のガス発生量(mL)は、0.070mLと低かった。
[実施例11]
実施例8と同様に電解液Bを注液して得たリチウムイオン二次電池に対して、25℃に設定した恒温槽(二葉科学社製、商品名「PLM−73S」)に収容し、充放電装置(アスカ電子(株)製、商品名「ACD−01」)に接続し、20時間静置した。次いで、その電池を0.2Cの定電流で満充電量の80%を充電した。45℃にて運転している恒温槽(二葉科学製、商品名「PLM−73S」)にその電池を7日間放置し、フォーメーション後のガス抜きを実施した。次いで、25℃にて運転している恒温槽(二葉科学社製、商品名「PLM−73S」)に収容し、充放電装置(アスカ電子(株)製、商品名「ACD−01」)に接続し、2時間静置後に0.3Cの最大電流値で4.35V定電流定電圧充電した後、0.2Cの電流値で3Vまで定電流放電した。
得られた電池に対して実施例8と同様に電池性能評価を行った。結果、1サイクル目の放電容量は、160mAh/gと高く、50サイクル目の放電容量は、139mAh/gと高く、50サイクル目の放電容量を1サイクル目の放電容量で除した放電容量維持率は、87%と高い値を示した。直流抵抗R2は1サイクル目7Ω、30サイクル目は10Ωと低い値であった。電池運転後のガス発生量(mL)は、0.066mLと低かった。
[実施例12]
実施例8と同様に電解液Cを注液して得たリチウムイオン二次電池を、25℃に設定した恒温槽(二葉科学社製、商品名「PLM−73S」)に収容し、充放電装置(アスカ電子(株)製、商品名「ACD−01」)に接続し、20時間静置した。次いで、その電池を0.2Cの定電流で満充電量の80%を充電した。次いで、35℃にて運転している恒温槽(二葉科学製、商品名「PLM−73S」)にその電池を7日間放置し、フォーメーション後のガス抜きを実施した。次いで、25℃にて運転している恒温槽(二葉科学社製、商品名「PLM−73S」)に収容し、充放電装置(アスカ電子(株)製、商品名「ACD−01」)に接続し、2時間静置後に0.3Cの最大電流値で4.35V定電流定電圧充電した後、0.2Cの電流値で3Vまで定電流放電した。
得られた電池に対して実施例8と同様に電池性能評価を行った。結果、1サイクル目の放電容量は、159mAh/gと高く、50サイクル目の放電容量は、137mAh/gと高く、50サイクル目の放電容量を1サイクル目の放電容量で除した放電容量維持率は、86%と高い値を示した。直流抵抗R2は1サイクル目8Ω、50サイクル目は11Ωと低い値であった。電池運転後のガス発生量(mL)は、0.080mLと低かった。
[比較例6]
実施例8と同様にして、電解液Cを用いてリチウムイオン二次電池を作製し、25℃に設定した恒温槽(二葉科学社製、商品名「PLM−73S」)に収容し、充放電装置(アスカ電子(株)製、商品名「ACD−01」)に接続し、20時間静置した。次いで、その電池を0.2Cの最大電流値で4.35V定電流定電圧充電した後、0.2Cの電流値で3Vまで定電流放電して得られたリチウムイオン二次電池について実施例8と同様に、電池性能評価を行った。結果、1サイクル目の放電容量は、160mAh/gと高く、50サイクル目の放電容量は、135mAh/g、50サイクル目の放電容量を1サイクル目の放電容量で除した放電容量維持率は、84%と高い値を示した。直流抵抗は1サイクル目9Ω、50サイクル目17Ωであった。電池運転後のガス発生量(mL)は、0.145mLと高かった。
[比較例7]
実施例8と同様にして、電解液Cを用いてリチウムイオン二次電池を作製した電池を、25℃に設定した恒温槽(二葉科学社製、商品名「PLM−73S」)に収容し、充放電装置(アスカ電子(株)製、商品名「ACD−01」)に接続し、20時間静置した。次いで、その電池を0.2Cの定電流で満充電量の80%を充電した。次いで、25℃にて運転している恒温槽(二葉科学製、商品名「PLM−73S」)にその電池を7日間放置した。次いで、25℃にて運転している恒温槽(二葉科学社製、商品名「PLM−73S」)に収容し、充放電装置(アスカ電子(株)製、商品名「ACD−01」)に接続し、2時間静置後に0.3Cの最大電流値で4.35V定電流定電圧充電した後、0.2Cの電流値で3Vまで定電流放電した。
得られたリチウムイオン二次電池について実施例8と同様に電池性能評価を行った。結果、1サイクル目の放電容量は159mAh/g、50サイクル目の放電容量は128mAh/g、50サイクル目の放電容量を1サイクル目の放電容量で除した放電容量維持率は81%の値を示した。直流抵抗は1サイクル目11Ω、30サイクル目18Ωであった。電池運転後のガス発生量(mL)は、0.156mLと高かった。
[比較例8]
エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとを体積比1:2で混合した混合溶媒にLiPF6塩を1mol/L含有させた溶液(キシダ化学社製、LBG00069)9.5gに、前述した添加剤としてのリン酸トリス(トリメチルシリル)0.5gを混合して、電解液Eを得た。また、実施例8と同様にして、電解液Eを注液してリチウムイオン二次電池を作製し、下記フォーメーションを行った。
25℃に設定した恒温槽(二葉科学社製、商品名「PLM−73S」)に収容し、充放電装置(アスカ電子(株)製、商品名「ACD−01」)に接続し、20時間静置した。次いで、その電池を0.2Cの定電流で満充電量の80%を充電した。45℃にて運転している恒温槽(二葉科学製、商品名「PLM−73S」)にその電池を7日間放置した。次いで、25℃にて運転している恒温槽(二葉科学社製、商品名「PLM−73S」)に収容し、充放電装置(アスカ電子(株)製、商品名「ACD−01」)に接続し、2時間静置後に0.3Cの最大電流値で4.35V定電流定電圧充電した後、0.2Cの電流値で3Vまで定電流放電した。
得られたリチウムイオン二次電池について実施例8と同様の電池性能評価を行った。結果、1サイクル目の放電容量は、140mAh/g、50サイクル目の放電容量は、90mAh/gと、50サイクル目の放電容量を1サイクル目の放電容量で除した放電容量維持率は、64%と低い値を示した。直流抵抗は1サイクル目20Ω、50サイクル目60Ωと、高い値であった。電池運転後のガス発生量(mL)は、0.150mLと高かった。
[比較例9]
実施例8と同様に、電解液Dを注液してリチウムイオン二次電池を作製し、下記のフォーメーションを行った。
25℃に設定した恒温槽(二葉科学社製、商品名「PLM−73S」)に収容し、充放電装置(アスカ電子(株)製、商品名「ACD−01」)に接続し、20時間静置した。次いで、その電池を0.2Cの定電流で満充電量の80%を充電した。次いで、45℃にて運転している恒温槽(二葉科学製、商品名「PLM−73S」)にその電池を7日間放置した。次いで、25℃にて運転している恒温槽(二葉科学社製、商品名「PLM−73S」)に収容し、充放電装置(アスカ電子(株)製、商品名「ACD−01」)に接続し、2時間静置後に0.3Cの最大電流値で4.35V定電流定電圧充電した後、0.2Cの電流値で3Vまで定電流放電した。
得られたリチウムイオン二次電池について実施例8と同様の電池性能評価を行った。結果、1サイクル目の放電容量は、159mAh/gと高く、50サイクル目の放電容量は、125mAh/g、50サイクル目の放電容量を1サイクル目の放電容量で除した放電容量維持率は、79%を示した。直流抵抗は1サイクル目7.7Ω、50サイクル目15Ωであった。電池運転後のガス発生量(mL)は、0.177mLと高かった。
上記した実施例8〜12及び比較例6〜9の仕様及びこれらについて得られた結果を表2に併せて示す。
本発明の非水蓄電デバイス用電解液及びそれを用いたリチウムイオン二次電池は、各種民生用機器用電源、自動車用電源等への産業上利用可能性を有する。
100 リチウムイオン二次電池
110 セパレータ
120 正極
130 負極
140 正極集電体
150 負極集電体
160 電池外装

Claims (7)

  1. 正極活物質を含有する正極と、
    負極活物質を含有する負極と、
    非水溶媒及びリチウム塩を含有する電解液と、
    を備えるリチウムイオン二次電池の製造方法であって、
    前記電解液であって、リン原子及び/又はホウ素原子を有するプロトン酸、スルホン酸、カルボン酸から選ばれるオキソ酸の水素原子の少なくとも1つを下記式(1)で表される置換基で置換した化合物(A)を含む電解液と、前記正極であって、4.4V(vsLi/Li+)以上の電位で10mAh/g以上の放電容量を有する正極と、前記負極と、を収容ケースに収容し、当該収容ケースを仮封止する工程と、
    (式(1)中、R1,R2,R3はそれぞれ独立に、炭素数1から10の有機基を示す。)
    前記仮封止工程の後に行われる、フォーメーション工程と、
    前記フォーメーション工程の後に行われるガス抜き工程と、
    を含む、リチウムイオン二次電池の製造方法。
  2. 前記化合物(A)の含有量が、前記電解液に対して0.01質量%以上10質量%以下である、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法。
  3. 前記化合物(A)が、下記式(2)で表される化合物を含む、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法。
    (式(2)中、nは0又は1の整数を示し、R4,R5はそれぞれ独立に、OH基、OLi基、置換されてもよい炭素数1以上10以下のアルキル基、置換されてもよい1以上10以下のアルコキシ基、炭素数3以上10以下のシロキシ基を示す。)
  4. 前記式(2)で表される化合物が、リン酸トリス(トリメチルシリル)を含む請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法。
  5. 前記フォーメーション工程が、0.3C以下の電流値で満充電容量の50%以上充電し、その後、35℃以上60℃以下で5日以上10日以下の間保存するエージング工程を含む、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法。
  6. 前記ガス抜き工程が、開封した封口部を通して収納空間を真空引きにより−100kPa以上−30kPa以下に減圧し、開口部を封口する工程である、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法。
  7. 前記正極活物質が、下記一般式(1):
    LiMn2-xMax4 (1)
    (式中、Maは遷移金属からなる群より選ばれる1種以上を示し、0.2≦x≦0.7である。)
    で表される化合物、下記一般式(6):
    LiMO2 (6)
    (式中Mは遷移金属、Alから選ばれる1種以上を示す。)
    で表される化合物、下記一般式(2A):
    Li2McO3 (2A)
    (式中、Mcは遷移金属からなる群より選ばれる1種以上を示す。)
    で表される酸化物と、下記一般式(2B):
    LiMdO2 (2B)
    (式中、Mdは遷移金属からなる群より選ばれる1種以上を示す。)
    で表される酸化物との複合酸化物であって、下記一般式(2):
    zLi2McO3−(1−z)LiMdO2 (2)
    (式中、Mc及びMdは、それぞれ前記一般式(2A)及び(2B)におけるMc及びMdと同義であり、0.1≦z≦0.9である。)
    で表される化合物、下記一般式(3):
    LiMb1-yFeyPO4 (3)
    (式中、Mbは、Mn及びCoからなる群より選ばれる1種以上を示し、0≦y≦0.9である。)
    で表される化合物及び下記一般式(4):
    Li2MePO4F (4)
    (式中、Meは遷移金属からなる群より選ばれる1種以上を示す。)
    で表される化合物からなる群より選ばれる1種以上を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法。
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