JP2015071363A - ステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】4輪に舵角を与える車両において、複雑な機構を用いることなく、横方向移動等に対応できる操舵機構を提供する。
【解決手段】左右車輪にそれぞれ接続された対のラックバー53、54と、この対のラックバー53、54に介在して設けられた同期ギアと、対のラックバー53、54のうち一方のラックバー53に噛合う第一ピニオンギア62と、他方のラックバー54に噛合う第二ピニオンギア65と、両ピニオンギア62、65の回転軸を分離又は結合する連結部材63と、と備える。連結部材63は移動部63aの凸部63cと固定部63bの凹部63dの噛合いによって、分離・結合がなされ、この連結部材63を分離すると、同期ギアの作用で対のラックバー53、54が反対方向に動き、横方向移動等の特殊転舵モードとなる一方で、連結部材63を結合すると、対のラックバー53、54が同方向に動き、通常の転舵を行うことができる。
【選択図】図9
【解決手段】左右車輪にそれぞれ接続された対のラックバー53、54と、この対のラックバー53、54に介在して設けられた同期ギアと、対のラックバー53、54のうち一方のラックバー53に噛合う第一ピニオンギア62と、他方のラックバー54に噛合う第二ピニオンギア65と、両ピニオンギア62、65の回転軸を分離又は結合する連結部材63と、と備える。連結部材63は移動部63aの凸部63cと固定部63bの凹部63dの噛合いによって、分離・結合がなされ、この連結部材63を分離すると、同期ギアの作用で対のラックバー53、54が反対方向に動き、横方向移動等の特殊転舵モードとなる一方で、連結部材63を結合すると、対のラックバー53、54が同方向に動き、通常の転舵を行うことができる。
【選択図】図9
Description
この発明は、前輪又は後輪のどちらかを転舵するステアリング装置、特に4輪転舵機構からなるステアリング装置に関するものである。
左右の車輪(以下、タイヤ、ホイール、ハブ、インホイールモータ等を含めて総合的に「車輪」と称する。)を結ぶステアリングリンク機構を用いて車輪を転舵するものに、アッカーマン・ジャントウ式と呼ばれる転舵機構がある。この転舵機構は、車両の旋回時に、左右の車輪が同一旋回中心をもつように、タイロッドとナックルアームを用いるものである。
また、タイロッドの長さ、左右のタイロッド間の距離、又は、各車輪とナックルアームの成す角度のいずれかを変化させるアクチュエータを設けた転舵機構がある。この転舵機構によれば、通常走行、平行移動、小回りのすべての走行がスムーズに行え、かつ、応答性に優れている(例えば、特許文献1参照)。
さらに、前後輪の左右車輪間にそれぞれ配置され、軸心周りに回転可能で左右に2分割されたラックバーと、その2分割されたラックバー間に正逆切り替え手段とを備えた転舵機構がある。正逆切り替え手段は、分割されたラックバーの一方の回転を、他方に正逆方向へ切り替えて伝達することができる。この転舵機構によれば、舵角90度や、横方向移動等の動きが可能となる(例えば、特許文献2参照)。
なお、前輪の転舵に応じてアクチュエータが作動して、後輪を転舵するようにした4輪転舵車両の技術がある(例えば、特許文献3参照)。また、左右車輪間を結ぶラックハウジングを前後方向に移動させることで、左右車輪のトー調整を行い、走行安定性を高めた転舵機構もある(例えば、特許文献4参照)。
一般的なアッカーマン・ジャントウ式のステアリングリンク機構によれば、通常走行時には、各車輪の回転ライン(車輪の幅方向中心線)から平面視垂直に延びた線が、車両の旋回中心に集まるので、スムーズな走行ができる。しかし、車両の横方向移動(車両が前後方向を向いた状態での横方向への平行移動)を求める場合、車輪を前後方向に対して90度の方向に操舵することは、ステアリングリンクの長さや他部材との干渉から困難である。また、仮に、左右の車輪のうち一方の車輪を90度に操舵した場合でも、他方の車輪は一方の車輪と完全に平行にはならず、スムーズな走行が困難である。
また、この種の車両では、通常、主転舵車輪である前輪を車両の所定の進行方向に転舵可能であり、従転舵車輪である後輪は、車両の前後方向と並行に設定されている。このため、この車両の前輪を転舵し旋回させると、前輪と後輪とが旋回円に一致しない。したがって、低車速時には内輪差により後輪が旋回円の内側に入る姿勢で車両が旋回し、高車速時には遠心力により前輪が旋回円の内側に入る姿勢で車両が旋回することになる。すなわち、前輪を車両の進行方向である旋回方向に転舵しても、車両の姿勢を旋回方向に一致させ操向することができないという問題がある。そこで、前輪のみならず後輪をも転舵することにより、走行性を向上させる4輪転舵機構(4輪転舵装置)を有する車両がある。
4輪転舵機構を有する車両(いわゆる4WS車)として、例えば、特許文献1に記載の技術では、車両の横方向移動、小回り等が可能である。しかし、タイロッドの長さ、左右タイロッド間の距離、あるいは、車輪とナックルアームのなす角を変化させるアクチュエータを備えるため、アクチュエータが多く制御が複雑である。また、特許文献2は、その機構上、構造が複雑であるだけでなく、ラックバーの回転で車輪を転舵するために、多数の歯車を使用している。このため、ガタが発生しやすく、円滑に車輪の転舵をすることが困難である。
また、特許文献3は、従来の4輪転舵機構の一例である。後輪転舵が可能となるが、この機構だけでは上述する同じ理由により横方向移動をすることは困難である。さらに、特許文献4はトー調整が可能であるが、車両の横方向移動、小回り等には対応できない。
このように、通常走行におけるスムーズな転舵と、横方向移動等の特殊なモードでの走行を両立できる簡便な機構はないのが現状である。
そこで、この発明は、4輪に舵角を与える車両において、複雑な機構を用いることなく、横方向移動、小回り等に対応できるようにすることを課題とする。
上記の課題を解決するために、この発明において、前輪又は後輪の左右車輪に接続され、その左右車輪を転舵するタイロッドと、前記左右車輪のタイロッドにそれぞれ接続された対のラックバーと、前記対のラックバーにそれぞれ噛み合い、一方のラックバーのラックの歯の並列方向に対する一方向への動きを他方のラックバーの他方向への動きに変換する同期ギアと、前記対のラックバーのうち一方のラックバーに噛合する第一ピニオンギア、この第一ピニオンギアに同軸に設けられた第一回転軸、前記対のラックバーのうち他方のラックバーに噛合する第二ピニオンギア、この第二ピニオンギアに同軸に設けられた第二回転軸、を備え、前記第一回転軸と前記第二回転軸を分離又は同軸に回転可能に連結する連結機構と、を備え、前記連結機構は、前記第一回転軸と前記第二回転軸が所定の相対角度になった際に噛合して、前記第一回転軸と前記第二回転軸を同軸に一体回転させるステアリング装置を構成した。
左右に独立して移動可能な対のラックバーに、それぞれタイロッドを介して車輪を接続したことにより、通常の走行モードにおいては、対のラックバーを同方向に同距離移動可能とし、従来のステアリング操作と違和感がなく作動させ、対のラックバーを別方向に移動することで、小回り、その場旋回、横方向移動など、さまざまな走行モードを実現できる。
また、連結機構によって分離、固定の切り替えが可能な対のラックバーを用いたことにより、複雑な機構や制御を用いず、低コスト化が可能となる。すなわち、4輪に舵角を与える車両において、複雑な機構を用いることなく、前後輪を同位相又は逆位相の舵角に転舵し、横方向移動や小回りに対応することができる。
しかも、この連結機構は、所定の相対角度における噛合によって第一回転軸及び第二回転軸を一体化するため、両回転軸の間に相対すべりが生じない。このため、対のラックバーが同方向に同距離移動し、所定の転舵角度まで正確に車輪を転舵することができる。
前記構成においては、前記連結機構は、前記第一回転軸及び前記第二回転軸のうち、一方側に設けられた固定部と、他方側に設けられた移動部とを備え、前記移動部を前記固定部に対して両回転軸の軸方向に相対移動させることで前記分離又は連結を行うようにしてもよい。
固定部と移動部を備える構成においては、前記固定部及び前記移動部のうち、一方側に凸部、他方側に凹部を形成し、前記凸部と前記凹部が噛合して前記連結がなされるようにしてもよい。
凸部及び凹部を形成する構成においては、前記凸部及び前記凹部の少なくとも一方に、面取り部を形成してもよい。さらに、前記凸部及び前記凹部を、それぞれ2か所以上ずつ形成する構成としてもよい。
凸部及び凹部を形成した構成においては、前記連結機構が噛合する前記相対角度が複数存在し、前記固定部又は前記移動部に形成した前記凹部の数が、前記固定部又は前記移動部に形成した前記凸部の数と前記相対角度の数との積よりも少ない構成としてもよい。さらに、前記移動部の外周に、前記凸部及び前記凹部よりも外径が大きい検出部を設けた構成としてもよい。
左右に独立して移動可能な対のラックバーに、それぞれタイロッドを介して車輪を接続したことにより、通常の走行モードにおいては、対のラックバーを同方向に同距離移動可能とし、従来のステアリング操作と違和感がなく作動させ、対のラックバーを別方向に移動することで、小回り、その場旋回、横方向移動など、さまざまな走行モードを実現できる。また、連結機構によって分離、固定の切り替えが可能な対のラックバーを用いたことにより、複雑な機構や制御を用いず、低コスト化が可能となる。すなわち、4輪に舵角を与える車両において、複雑な機構を用いることなく、前後輪を同位相又は逆位相の舵角に転舵し、横方向移動や小回りに対応することができる。
この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。この実施形態において、車両1の駆動輪のステアリング装置には、前後左右すべての車輪wのホイール内にインホイールモータMを装着している。インホイールモータMを備えたことにより、様々な走行パターンが可能となる。
図1は、この実施形態のステアリング装置を用いた車両1のイメージ図を示す。超小型モビリティで2人乗車(横並び二人乗り)の車体を示している。車両1はステアリング2の操作によって、ステアリングロッド3を介して車輪wを転舵できるようになっている。ただし、この発明は、超小型モビリティに限定されるものではなく、通常車両にも適応可能である。
図2は、第一実施形態の車両1の駆動系を示す平面略図である。この実施形態は、前輪の左右輪FL、FR及び後輪の左右輪RL、RRにタイロッド12、22を介して、それぞれ本案のステアリング装置10、20を連結させたものである。
前輪用のステアリング装置10には、ステアリング2の操作によって通常転舵をさせ、後輪用のステアリング装置20は、モータ等のアクチュエータによって走行モードに応じた転舵を可能とする4輪転舵機構を備えている。
ただし、この発明のステアリング装置を、前輪又は後輪のどちらかのみに装備する車両も採用可能であるし、あるいは、この発明のステアリング装置を後輪のみに装備し、前輪には通常の一般的なステアリング装置を装備する車両も採用可能である。
前輪と後輪の各ステアリング装置10、20には、左右の車輪wを転舵するために2つのラックバーが備えられている。以下、前輪及び後輪共に、車両の前後方向に対して左側の車輪wに接続されるラックバーを第一ラックバー53と、右側の車輪wに接続されるラックバーを第二ラックバー54と称する。なお、図2において紙面左向きの矢印が示している方向が、車両の前方方向となる。後の図3〜図6においても同様である。
前輪又は後輪の左右の車輪wには、それぞれタイロッド12、22を介して各ラックバー53、54の接続用部材11、21がヒンジ接続されている。タイロッド12、22と車輪wとの間には、適宜ナックルアーム等の各種部材が介在する。
第一ラックバー53と第二ラックバー54は、図7に示すように、各ステアリング装置10、20において、車両の直進方向(前後方向)に対して左右方向に伸びるラックケース(ステアリングシリンダ)50内に収容されている。ラックケース50は車両1の図示しないフレーム(シャーシ)に支持されている。
なお、ラックケース50の車両1への支持は、例えば、ラックケース50に設けられたフランジ部50aを介して、車両1のフレームに直接又は間接的にネジ固定とすることができる。
第一ラックバー53と第二ラックバー54は、ラックケース50内を車両の直進方向に対して左右方向へ同方向に同距離移動可能である。この動作は、図2に示すように、運転者が行うステアリング2の操作に基づき、通常転舵用アクチュエータ31の動作によって行われる。この動作により、通常走行時、左右車輪を左右同方向に転舵させることができる。
図8に示すように、第一ラックバー53及び第二ラックバー54の間には、両ラックバー53、54に形成した、互いに対向するラック溝、すなわち、第一ラックバー53の同期用ラック溝53aと第二ラックバー54の同期用ラック溝54aにそれぞれ噛み合う第一同期ギア55が設けられている。第一同期ギア55は、ラックバー53、54のラックの歯の並列方向に沿って一定の間隔で並列する三つのギア55a、55b、55cからなる。
第一同期用ギア55の隣り合うギア55a、55b間、ギア55b、55c間には、それぞれ、第二同期ギア56を構成するギア56a、56bが配置されている。第二同期ギア56は、第一ラックバー53の同期用ラック溝53aや第二ラックバー54の同期用ラック溝54aには噛み合わず、第一同期ギア55にのみ噛み合っている。第二同期ギア56は、第一同期用ギア55の3つのギア55a、55b、55cを、同方向に同角度だけ動かすためのものである。この第二同期ギア56によって、第一ラックバー53と第二ラックバー54は、スムーズに相対移動することが可能となる。
ステアリング装置10、20は、図9に示すように、それぞれラックバー動作手段60を備えている。ラックバー動作手段60は、車両の直進方向に対する左右方向、すなわち、ラックの伸縮する方向(ラックの歯の並列する方向)に沿って、第一ラックバー53と第二ラックバー54を互いに反対方向(相反する方向)へ同距離移動させる機能を有する。
ピニオン軸61は、ステアリングシャフト3(一般車両の場合(図2参照))、もしくは、ステアリング2の回転動作によって作動するモータなどのアクチュエータ31に接続される(図2参照)。このピニオン軸61には一体もしくは一体に回転可能に結合された第一ピニオンギア62があり、第一ラックバー53にこの第一ピニオンギア62が、第二ラックバー54に第二ピニオンギア65がそれぞれ噛合している。この2つのラックバー53、54は互いに平行に伸びている。
このラックバー動作手段60は、第一ピニオンギア62と第二ピニオンギア65を回転方向に結合および分離が可能とする連結機構63を備えている。本図では、この連結機構63が分離されている状態を示している。このように、連結機構63を分離状態としつつ、ラックバー動作手段60から入力された駆動力によって、第一ラックバー53をそのラックの歯の並列方向に対して一方向へ動かすと、その動きが、第一同期ギア55によって第二ラックバー54の他方向への動きに変換される。
第一ラックバー53と第二ラックバー54は、同期用ラックギア53a、54aとは別に、それぞれ転舵用ラックギア53b、54bを備えている。
第一ラックバー53と第二ラックバー54は、それぞれ、別体で形成された同期用ラックギア53a、54aと前記転舵用ラックギア53b、54bを、ボルト軸等の固定手段で一体に固定したものとしてよい。
転舵用ラックギア53b、54bは、各ラックバー53、54を、車両1のフレームに対して、前記ラックの歯の並列方向に沿って移動させるための駆動力の入力手段として機能する。
ラックバー動作手段60からの駆動力の入力により、第一ラックバー53が、図10に示す状態(直進状態)から、図11に示す状態(横方向移動モードの状態)へと移動すると、第二ラックバー54には、第一同期ギア55を介してその力が伝達され、第二ラックバー54は、同じく図10に示す状態から、図11に示す状態へと移動する。
この直進状態においては(図10参照)、直進状態のタイヤ(ラックバー)位置で連結機構63が噛合することで、第一ピニオンギア62と第二ピニオンギア65の相対回転が固定される。そして、ステアリング2を回転させてステアリングシャフト3を回転すると、第一ラックバー53と第二ラックバー54は、シャーシに取り付けられたラックケース50内を同方向に同距離左右に移動する。
また、横方向移動モードの状態においては(図11参照)、連結機構63が分離され、第一ラックバー53と第二ラックバー54は、同期ギアボックス66内の同期ギア55にそれぞれ噛合している。この同期ギア55の噛合によって、それぞれのラックバー53、54は同期ギアボックス66に対して、逆方向に同距離移動する。したがって、それぞれのラックバー53、54にタイロッド12、22を介して接続される左右の車輪wは常に同じ角度で移動(転舵)されることとなる。そして、車輪の転舵角度が90度となった位置で、連結機構63が結合される。
次に、ラックバー動作手段60の作用について詳しく説明する。
前輪のステアリング装置10のラックバー動作手段60は、運転者が行うステアリング2の回転動作に連動して動作するモード切替用アクチュエータ32の駆動力によって、又は、車両1が備えるモード切替手段42の操作に連動して動作するモード切替用アクチュエータ32の駆動力によって(図2参照)、第一回転軸(ピニオン軸)61と、その第一回転軸61に一体回転可能に取り付けられる第一ピニオンギア62とを備える(図9参照)。モード切替用アクチュエータ32の動作軸からステアリングシャフト3を介して、第一回転軸61側へ回転が伝達されるようになっている。
後輪のステアリング装置20のラックバー動作手段60は、同じく、運転者が行うステアリング2の回転動作に連動して動作するモード切替用アクチュエータ32の駆動力によって、又は、車両1が備えるモード切替手段42の操作に連動して動作するモード切替用アクチュエータ32の駆動力によって回転する第一回転軸61と、その第一回転軸61に一体回転可能に取り付けられる第一ピニオンギア62とを備える。モード切替用アクチュエータ32の動作軸からステアリングシャフト3を介して、第一回転軸61側へ回転が伝達されるようになっている(図9参照)。
図7は、ステアリング装置10、20の全体図である。前部カバー52と後部カバー51との間に、第一ラックバー53や第二ラックバー54が収容されている。なお、図示されていないが、タイロッド12、22取り付け部からラックケース50(ケース前部51、ケース後部52)にかけて、可動部への異物の侵入を防止するためのブーツが備えられている。第一回転軸61は、モード切替用アクチュエータ32の動作軸に、図示しないステアリングジョイントを介して接続される。
第一ピニオンギア62は、図9に示すように、第一ラックバー53の転舵用ラックギア53bに噛み合い、第二ピニオンギア65は第二ラックバー54の転舵用ラックギア54bに噛み合うようになっている。
さらに、第一ピニオンギア62と第二ピニオンギア65との間に、互いに結合及び分離が可能な連結機構63を備えている。連結機構63は、第一回転軸61と第二回転軸64とを相対回転可能な状態(分離状態)と相対回転不能な状態(結合状態)とに切り替える機能を有する。
連結機構63は、図9に示すように、第二回転軸64と、第一回転軸61側の移動部63aを備える。移動部63aは、図示しないバネ等の弾性部材によって固定部63b側へ押し付けられ、図12(a)に示すように、連結機構63の固定部63b側の凹部63dに、移動部63a側の凸部63cを結合させることで、両回転軸61、63を一体に回転可能とすることができる。なお、凹凸の形成部位を反対にして、固定部63b側に凸部63cを、移動部63a側に凹部63dを設けてもよい。凸部63c及び凹部63dの数は特に限定されないが、連結機構による結合を確実に行うために、少なくとも2か所ずつ形成するのが好ましい。
さらに、この凸部63c及び凹部63dの少なくとも一方に面取り部68を形成することによって、連結機構63を結合する際に、凹部63dと凸部63cとの引っ掛かりが少なく、スムーズに転舵モードの変更を行うことができる。この移動部63aには、移動部63aの凸部63c及び固定部63bの凹部63dの外径よりも大きな外径を有する検出部67が設けられている。このように検出部67を設けることにより、連結機構63が分離位置又は結合位置のうちいずれの位置となっているか、外部から容易に確認することができる。
図示しないプッシュソレノイドなどの駆動源からの外部入力によって、連結機構63の固定部63bに対して、移動部63aを軸方向に移動させることで、固定部63bと移動部63aとの連結を分離し、第一回転軸61と第二回転軸64とは独立して回転可能な状態となる。すなわち、第一ピニオンギア62と第二ピニオンギア65は、それぞれが独立して回転可能となる(前記分離状態)。図12(b)は、その分離状態を示している。
図9に示すように、第一ピニオンギア62は第一ラックバー53に噛合しており、第二ピニオンギア65は第二ラックバー54に噛合している。さらに、第一ラックバー53と第二ラックバー54は、第一同期ギア55によって噛合されている(図8参照)。このため、第一ピニオンギア62に入力された回転で、第一ラックバー53がラックの歯の並列方向、すなわち、車両の左右方向に沿って横方向(一方向)へ移動する。第一ラックバー53が横方向に移動することで、第一同期ギア55が回転し、第二ラックバー54が第一ラックバー53と反対方向(他方向)へ同距離だけ移動する。このとき第二ピニオンギア65は第二ラックバー54の移動により自由に回転している。
このように、第一ピニオンギア62と第二ピニオンギア65とを結合状態と分離状態に切り替えることで、対のラックバー53、54が同方向に同距離左右方向へ動く状態と、別々に反対方向へ動く状態との切り替えが容易に可能となる。
連結機構63が結合状態の場合、つまり、第一ピニオンギア62と第二ピニオンギア65を介して、第一ラックバー53と第二ラックバー54を結合した状態で、運転者が行うステアリング2の回転動作に連動して動作する通常転舵用アクチュエータ31の駆動力によって、第一ラックバー53と第二ラックバー54を車両の直進方向に対して左右方向へそれぞれ同方向へ同距離動かすことにより、左右車輪wをキングピン軸周りに同方向へ転舵させることができる。このとき、第一ラックバー53と第二ラックバー54が同方向に同距離動くことにより、第一同期ギア55は回転しない。
また、連結機構63が分離状態の場合、つまり、第一ピニオンギア62と第二ピニオンギア65を分離し、第一ラックバー53と第二ラックバー54が一体に動かない状態で、運転者がステアリング2の回転操作を行う。この回転操作に連動して、通常転舵用アクチュエータ31が駆動する。この駆動力によって、第一ラックバー53と第二ラックバー54を、介在する同期ギア55の作用により、車両の直進方向に対して左右反対方向へそれぞれ動かすことができる。これにより、左右車輪をキングピン軸周りに逆方向へ、すなわち、互いに相反する方向へ転舵させることができる。
すなわち、この実施形態では、通常運転時のステアリング2の操作による回転が、ステアリングシャフト3の回転を通じて第一回転軸61に入力されるようになっている。ラックバー動作手段60は、通常運転時に、第一ラックバー53と第二ラックバー54を同方向に同距離移動させる手段としても機能している。
また、モード切替時には、モード切替用アクチュエータ32の駆動力が、ピニオンギア62、65の回転を通じてそれぞれのラックバー53、54に入力されるようになっている。なお、モード切替用アクチュエータ32の駆動力がピニオンギア62の回転を通じてそれぞれのラックバー53、54に入力される際は、そのステアリングシャフト3の回転がステアリング2に伝達されないようにしてもよいし、その伝達を許容するようにしてもよい。
さらに、モード切替用アクチュエータ32の役割を、通常転舵用アクチュエータ31が兼ねることも可能である。すなわち、通常転舵用アクチュエータ31が、モード切替時において、ステアリングシャフト3を介して第一回転軸61に回転を入力するようにしてもよい。
また、モード切替用アクチュエータ32は、ステアリングの左右に配置されたインホイールモータMの駆動力によってその役割をすることも可能である。さらに、これら通常転舵用アクチュエータ31、モード切替用アクチュエータ32、若しくは左右のインホイールモータMは、互いにアシストをすることも可能である。
連結機構63の作用について、図13を例に挙げて説明する。本図上端を0度とし時計回りに角度を定義した場合に、この連結機構63の移動部63aには、0度、135度、225度の3か所に固定部63bに向かって起立する凸部63cが形成され、固定部63bには、0度、45度、135度、180度、225度、270度、315度の7か所に、凸部63cと噛合する凹部63dが形成されている。このように凸部63cと凹部63dを形成した場合、この移動部63aと固定部63bは、5つの相対角度においてのみ噛合し得る。すなわち、3か所の凸部63c1〜63c3のうちの一つの凸部63c1が、7か所の凹部63d1〜63d7のうちの5か所の凹部63d1、63d2、63d3、63d4、63d6の位置にあるときに、移動部63aと固定部63bが噛合し得る。
図13に示す構成においては、移動部63aと固定部63bが噛合する転舵モードを最大で5つ設定することができ、例えば、同図(d)の噛合を通常走行モード、同図(e)の噛合をその場回転モード、同図(f)の噛合を横方向移動モード、とすることができる(各図中の黒く塗りつぶした箇所が、各モードにおける凸部63cと凹部63dの噛合部分)。
このように所定の相対角度においてのみ移動部63aと固定部63bが噛合し得るようにすれば、両者が噛合すべきでない転舵モードにおいて誤って噛合するのを防止することができ、各転舵モードの切り替え時の動作信頼性を大幅に向上することができる。
しかも、固定部63bに形成した凹部63dの数(7か所)が、移動部63aに形成した凸部63cの数(3か所)と、移動部63aと固定部63bが噛合し得る相対角度の数(5つ)の積である15よりも小さい。このことは、転舵モードを切り替えた際に、噛合を共有する凹部63dが存在することを意味する。例えば、通常走行モード(同図(d))から横方向移動モード(同図(f))に転舵モードを切り替えた際には、2か所の凹部63d1、63d3において噛合が共有される。このように、噛合に関与する凹部63dの共有化を図ることによって、固定部63b(又は移動部63a)に形成する凹部63dの数を極力減らすことができる。この凹部63dの数を減らすことによって、凹部63dの形成に起因する固定部63bの強度低下を極力防止することができ、連結機構63による駆動力伝達の信頼性を一段と向上することができる。
以下、これらの各構成からなるステアリング装置を、車両1に装着した場合のいくつかの走行モードについて説明する。
(通常走行モード)
図2に示す直進状態の車輪位置で、前輪のステアリング装置10のラックケース50によって保持された第一ラックバー53と第二ラックバー54を同方向に同距離移動可能な状態、つまり図9に示す第一ピニオンギア62と第二ピニオンギア65を互いに結合又は分離が可能な連結機構63が結合した状態とする(図12(a)、図13(d)参照)。すると、ステアリング装置10の第一ラックバー53及び第二ラックバー54が、車両1のフレームに取り付けられたラックケース50内を、左右方向に同方向に同距離移動する。
図2に示す直進状態の車輪位置で、前輪のステアリング装置10のラックケース50によって保持された第一ラックバー53と第二ラックバー54を同方向に同距離移動可能な状態、つまり図9に示す第一ピニオンギア62と第二ピニオンギア65を互いに結合又は分離が可能な連結機構63が結合した状態とする(図12(a)、図13(d)参照)。すると、ステアリング装置10の第一ラックバー53及び第二ラックバー54が、車両1のフレームに取り付けられたラックケース50内を、左右方向に同方向に同距離移動する。
ステアリング装置10が、通常転舵用アクチュエータ31の駆動力又はステアリング2の操作によって、直進方向に対して左右方向に動くことで、第一ラックバー53と第二ラックバー54も同方向に同距離動いて、図3に示すように、前輪の左右車輪wを所定の角度に転舵する。図3は、右に転舵した場合を示す。すなわち、2つのラックバー53、54を完全に一体固定することで、通常の車両と同等の走行が可能となる。通常走行モードでは、運転者のステアリング2の操作により、前輪のステアリング装置10を通じて、直進、右折、左折、その他、各場面に応じた必要な転舵が可能である。
(小回りモード)
小回りモードを図4に示す。図3に示す前輪のステアリング装置10の動作に加え、後輪のステアリング装置20のラックケース内50の第一ラックバー53と第二ラックバー54を同方向に同距離移動可能な状態、つまり図9に示す連結機構63が結合した状態とする(図12(a)参照)。前輪と同じく、車両のフレームに取り付けられたラックケース50内の第一ラックバー53、第二ラックバー54は、左右方向に同方向に同距離移動する。
小回りモードを図4に示す。図3に示す前輪のステアリング装置10の動作に加え、後輪のステアリング装置20のラックケース内50の第一ラックバー53と第二ラックバー54を同方向に同距離移動可能な状態、つまり図9に示す連結機構63が結合した状態とする(図12(a)参照)。前輪と同じく、車両のフレームに取り付けられたラックケース50内の第一ラックバー53、第二ラックバー54は、左右方向に同方向に同距離移動する。
後輪のステアリング装置20が、通常転舵用アクチュエータ31の駆動力によって、直進方向に対して左右方向に動くことで、第一ラックバー53と第二ラックバー54も同方向に同距離動いて、図4に示すように、後輪の左右車輪wを所定の角度に転舵する。このとき、後輪と前輪とは逆位相に転舵しており(図中において、前輪が右転舵、後輪は左転舵)、通常走行モード時よりもより回転半径の小さい小回りが可能となる。なお、図4では、後輪と前輪とが逆位相に同角度分だけ転舵した状態を示しているが、前後で転舵角度を相違させてもよい。
(その場旋回モード)
その場旋回モードを図5に示す。連結機構63(図9参照)を分離することで(図12(b)参照)、ラックケース50内の第一ラックバー53と第二ラックバー54は別々に動作可能となる。このとき、モード切替用アクチュエータ32からピニオンギア62の入力によって、第一ラックバー53と第二ラックバー54に介在して設けた第一同期ギア55の作用により、両ラックバー53、54は互いに相反する方向に、各同期ギア55、56を収納するギアボックスに対して左右に同距離移動し、左右車輪wは同角度だけ逆方向に転舵する。
その場旋回モードを図5に示す。連結機構63(図9参照)を分離することで(図12(b)参照)、ラックケース50内の第一ラックバー53と第二ラックバー54は別々に動作可能となる。このとき、モード切替用アクチュエータ32からピニオンギア62の入力によって、第一ラックバー53と第二ラックバー54に介在して設けた第一同期ギア55の作用により、両ラックバー53、54は互いに相反する方向に、各同期ギア55、56を収納するギアボックスに対して左右に同距離移動し、左右車輪wは同角度だけ逆方向に転舵する。
第一ラックバー53と第二ラックバー54を互いに逆方向に移動させ、図5に示すように、前後4つの車輪wすべての中心軸がほぼ車両中心を向く位置で、連結機構63を結合固定させる(図12(a)、図13(e)参照)。4つの車輪wすべての中心軸がほぼ車両中心を向いているため、それぞれの車輪wに備えられたインホイールモータMの駆動力によって、車両中心がその場所で一定の状態(又はほぼ移動しない状態)を維持しながら向きを変える、いわゆるその場旋回が可能となる。
図5では、それぞれの車輪wにインホイールモータMを装備しているが、少なくとも1つの車輪wにインホイールモータMが装備され、その一つのインホイールモータMが作動すれば、その場旋回が可能である。
(横方向移動モード)
横方向移動モードを図6に示す。その場旋回モードと同様に、連結機構63(図9参照)を分離することで、ラックケース50内の第一第一ラックバー53と第二ラックバー54は別々に動作可能となる。このとき、モード切替用アクチュエータ32からピニオンギア62の入力によって、第一ラックバー53と第二ラックバー54に介在して設けた第一同期ギア55の作用により、両ラックバー53、54は互いに相反する方向に同距離移動し、左右車輪wは逆方向に転舵する。
横方向移動モードを図6に示す。その場旋回モードと同様に、連結機構63(図9参照)を分離することで、ラックケース50内の第一第一ラックバー53と第二ラックバー54は別々に動作可能となる。このとき、モード切替用アクチュエータ32からピニオンギア62の入力によって、第一ラックバー53と第二ラックバー54に介在して設けた第一同期ギア55の作用により、両ラックバー53、54は互いに相反する方向に同距離移動し、左右車輪wは逆方向に転舵する。
前後4つの車輪wすべてが直進方向に対して90度の方向(車両の直進方向に対する左右方向)へ向くように、モード切替用アクチュエータ32から第一ピニオンギア62への回転の入力によって、ステアリング装置10、20内の第一ラックバー53と第二ラックバー54を反対方向へ移動させる。そして、車輪wが前記90度となった位置で連結機構63(図9参照)を結合させて、対のラックバー53、54を固定する。
このとき、ステアリング装置10、20のラックケース50内の第一ラックバー53と第二ラックバー54を、通常転舵アクチュエータ31の駆動力又はステアリング2の操作によって、直進方向に対して左右方向へ同方向に同距離移動させて、車輪wの向き(タイヤ角度)を微調整することが可能となる。
図6は、横方向移動モードでの前後輪のステアリング装置10、20の位置関係と、車輪wの向きを示す。その場旋回モード時に比べて、さらに、対のラックバー53、54が外側に張り出しており、タイロッド12、22の車輪wへの接続部が、車両の幅方向に対して最も外側に位置する走行モードである。
この横方向移動モードにおいても、通常転舵アクチュエータ31の駆動力又はステアリング2の操作によって、車輪wの向き(タイヤ角度)を微調整することが可能である。
この横方向移動モードにおいても、通常転舵アクチュエータ31の駆動力又はステアリング2の操作によって、車輪wの向き(タイヤ角度)を微調整することが可能である。
(その他の走行モード)
その他の走行モードとして、例えば、電子制御ユニット(ECU)40が、車両1が高速走行中であることを認識した時は、ECU40の出力に基づき、アクチュエータドライバ30が、後輪のモード切替用アクチュエータ32に指令して、後輪の左右輪w(RL、RR)を、平行状態よりも前方側がわずかに閉じた状態(トーイン状態)に設定する。これにより、安定した高速走行が可能となる。
その他の走行モードとして、例えば、電子制御ユニット(ECU)40が、車両1が高速走行中であることを認識した時は、ECU40の出力に基づき、アクチュエータドライバ30が、後輪のモード切替用アクチュエータ32に指令して、後輪の左右輪w(RL、RR)を、平行状態よりも前方側がわずかに閉じた状態(トーイン状態)に設定する。これにより、安定した高速走行が可能となる。
このトー調整は、ECU40による車速や車軸にかかる荷重などの走行状態の判断に基づき自動的に行われるようにしてもよいし、運転室に設けられたモード切替手段42からの入力に基づいて行われるようにしてもよい。モード切替手段42を運転者が操作することで、走行モードの切り替えを行うことができる。モード切替手段42は、例えば、運転者が操作できるスイッチ、レバー、ジョイスティック等であってもよい。
(モードの切り替え)
なお、前述の各走行モードの切り替え時についても、適宜、このモード切替手段42を使用する。車室内にあるモード切替手段42を操作することで、通常走行モード、その場旋回モード、横方向移動モード、小回りモード等を選択することができる。スイッチ操作等で切り替えが可能とすれば、より安全な操作が可能である。
なお、前述の各走行モードの切り替え時についても、適宜、このモード切替手段42を使用する。車室内にあるモード切替手段42を操作することで、通常走行モード、その場旋回モード、横方向移動モード、小回りモード等を選択することができる。スイッチ操作等で切り替えが可能とすれば、より安全な操作が可能である。
通常走行モードにおいて、前輪のステアリング装置10では、ステアリング2の回転操作に伴うセンサ41からの情報に基づき、ECU40が各ラックバー53、54の左右方向への必要な動作量を算出し出力する。その出力に基づき、前輪の通常転舵用アクチュエータ31に指令して、各ラックバー53、54を収容するラックケース50を左右方向へ同方向に同距離移動させ、左右車輪wを必要方向へ必要角度だけ転舵する。
例えば、モード切替手段42を操作し、その場旋回モードを選択すれば、車両1の中心部に回転中心を持つように、前後輪のステアリング装置10、20を通じて4輪wを転舵させることができる。この操作は、車両1の停車中のみ許可される。このとき、2つのラックバー53、54の左右方向への相対移動量は、ECU40が算出し出力する。その出力に基づき、アクチュエータドライバ30が前後輪のモード切替用アクチュエータ32に指令して転舵が行われる。
また、モード切替手段42を操作し、横方向移動モードを選択すれば、4輪wの舵角が90度になるように、前後輪のステアリング装置10、20を通じて4輪wを転舵させることができる。このとき、2つのラックバー53、54の左右方向への相対移動量は、同じく、ECU40が算出し出力する。その出力に基づき、アクチュエータドライバ30が前後輪のモード切替用アクチュエータ32に指令して転舵が行われる。このとき、通常転舵用アクチュエータ31は、必要に応じて動作しない状態に設定してもよいし、通常転舵用アクチュエータ31の動作を許可することで、その動作により転舵角の微調整も可能である。
さらに、モード切替手段42を操作し、小回りモードを選択すれば、前輪と後輪は逆位相に転舵され、小回りが可能となるように設定できる。このとき、後輪のステアリング装置20において、対のラックバー53、54を収容したラックケース50の左右方向への移動量は、ステアリング2の操作等に基づいて、同じく、ECU40が算出し出力する。その出力に基づき、アクチュエータドライバ30が前後輪の通常転舵用アクチュエータ31、モード切替用アクチュエータ32に指令して転舵が行われる。前輪のステアリング装置10の制御は、通常走行モードと同じである。
このように、前後輪のステアリング装置10、20では、運転席のステアリング2の操舵角、若しくは、操舵トルク等を検出するセンサ41からの情報や、モード切替手段42からの入力に基づき、ECU40がラックバー53、54の左右方向への必要な動作量を出力する。あるいは、ECU40自身による走行状態の判断に基づき、対のラックバー53、54の必要な移動量を出力する。その出力に基づき、アクチュエータドライバ30が、通常転舵用アクチュエータ31やモード切替用アクチュエータ32を通じて前後輪を所定の向きに転舵することができる。
この実施形態では、後輪のステアリング装置20の制御は、運転者が行うステアリング操作やモード切替の操作を電気信号に置き換えて転舵するステアバイワイヤ方式を採用している。
前輪のステアリング装置10として、後輪と同様、通常転舵用アクチュエータ31、モード切替用アクチュエータ32を用いたステアバイワイヤ方式としてもよいが、特に、通常転舵用アクチュエータ31として、運転者が操作するステアリング2、又は、ステアリングシャフト3に連結されたモータ等を備え、そのモータ等が、ステアリングシャフト3の回転によるラックバー53、54の左右方向の移動に必要なトルクを算出しアシストする構成としてもよい。このとき、モード切替用アクチュエータ32については後輪と同様である。
なお、前輪のステアリング装置10の通常走行モードにおける転舵に使用する機構として、機械的なラックピニオン機構等を用いた一般的なステアリング装置を採用してもよい。
上記に記載した種々の転舵モードは例であり、それ以外にも、これらの機構を用いた様々な制御が可能となる。
この発明では、ステアリング装置において、左右車輪wを転舵する対のラックバー53、54を分離又は結合自在とする連結機構63を採用した。通常の走行モードにおいては、連結機構63を結合状態とし、従来のステアリング操作と同様に違和感なく左右車輪wを同方向に転舵することができる。その一方で、その場旋回、横方向移動等の特殊転舵モードにおいては、連結機構63を分離状態とし、左右車輪wを逆方向に転舵することができる。この連結機構63を採用することにより、複雑な機構を用いずに、低コストで、横方向移動、小回り等が可能となる。
12、22 タイロッド
53 (第一)ラックバー
54 (第二)ラックバー
55 同期ギア
61 第一回転軸(ピニオン軸)
62 第一ピニオンギア
63 連結機構
63a 移動部
63b 固定部
63c 凸部
63d 凹部
64 第二回転軸
65 第二ピニオンギア
67 検出部
68 面取り部
w 車輪
53 (第一)ラックバー
54 (第二)ラックバー
55 同期ギア
61 第一回転軸(ピニオン軸)
62 第一ピニオンギア
63 連結機構
63a 移動部
63b 固定部
63c 凸部
63d 凹部
64 第二回転軸
65 第二ピニオンギア
67 検出部
68 面取り部
w 車輪
Claims (7)
- 前輪又は後輪の左右車輪(w)に接続され、その左右車輪(w)を転舵するタイロッド(12、22)と、
前記左右車輪(w)のタイロッド(12、22)にそれぞれ接続された対のラックバー(53、54)と、
前記対のラックバー(53、54)にそれぞれ噛み合い、一方のラックバー(53)のラックの歯の並列方向に対する一方向への動きを他方のラックバー(54)の他方向への動きに変換する同期ギア(55)と、
前記対のラックバー(53、54)のうち一方のラックバー(53)に噛合する第一ピニオンギア(62)、この第一ピニオンギア(62)に同軸に設けられた第一回転軸(61)、前記対のラックバー(53、54)のうち他方のラックバー(54)に噛合する第二ピニオンギア(65)、この第二ピニオンギア(65)に同軸に設けられた第二回転軸(64)、を備え、前記第一回転軸(61)と前記第二回転軸(64)を分離又は同軸に回転可能に連結する連結機構(63)と、
を備え、前記連結機構(63)は、前記第一回転軸(61)と前記第二回転軸(64)が所定の相対角度になった際に噛合して、前記第一回転軸(61)と前記第二回転軸(64)を同軸に一体回転させるステアリング装置。 - 前記連結機構(63)は、前記第一回転軸(61)及び前記第二回転軸(64)のうち、一方側に設けられた固定部(63b)と、他方側に設けられた移動部(63a)とを備え、前記移動部(63a)を前記固定部(63b)に対して両回転軸(61、64)の軸方向に相対移動させることで前記分離又は連結を行う請求項1に記載のステアリング装置。
- 前記固定部(63b)及び前記移動部(63a)のうち、一方側に凸部(63c)、他方側に凹部(63d)を形成し、前記凸部(63c)と前記凹部(63d)が噛合して前記連結がなされる請求項2に記載のステアリング装置。
- 前記凸部(63c)及び前記凹部(63d)の少なくとも一方に、面取り部(68)を形成した請求項3に記載のステアリング装置。
- 前記凸部(63c)及び前記凹部(63d)を、それぞれ2か所以上ずつ形成した請求項3又は4に記載のステアリング装置。
- 前記連結機構(63)が噛合する前記相対角度が複数存在し、前記固定部(63b)又は前記移動部(63a)に形成した前記凹部(63d)の数が、前記固定部(63b)又は前記移動部(63a)に形成した前記凸部(63c)の数と前記相対角度の数との積よりも少ない請求項3から5のいずれか一項に記載のステアリング装置。
- 前記移動部(63a)の外周に、前記凸部(63c)及び前記凹部(63d)よりも外径が大きい検出部(67)を設けた請求項3から6のいずれか一項に記載のステアリング装置。
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